説明

画像処理装置

【課題】 オブジェクト種毎に色変換テーブルを切り換えて色変換をする場合に色変換テーブルの切り換え時間を少なくすることを目的とする。
【解決手段】 すべてのオブジェクトをオブジェクト種毎に分類する手段と、前記分類手段で分類された同一種類のオブジェクトを続けて同一色変換テーブルを使用して色変換する手段と、前記同一種類のオブジェクトの色変換がすべて終了した場合には、色変換テーブルを切り換えて、別の同一種類のオブジェクトの色変換を行う手段から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ等で行われる色変換処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等で、文字、グラフィック、イメージ等のオブジェクトの種類毎に色変換に用いる色変換テーブルを切り換えて、オブジェクトの種類毎に色合いを変えて、印字品位を良くすることが行われている。
【0003】
従来例としては、例えば特許文献1をあげることが出来る。
【特許文献1】特開2004−266392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、同一ページ上に各種オブジェクトが多数存在する場合に、色変換テーブルを頻繁に切り換えなければならず、切り換え時間が大きくなり、処理速度が低下するという問題が有った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題に鑑みて、本発明は、すべてのオブジェクトをオブジェクト種毎に分類する手段と、前記分類手段で分類された同一種類のオブジェクトを続けて同一色変換テーブルを使用して色変換する手段と、前記同一種類のオブジェクトの色変換がすべて終了した場合には、色変換テーブルを切り換えて、別の同一種類のオブジェクトの色変換を行う手段から構成される。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように本発明によれば、オブジェクトの種類毎に分類して、同じ種類のオブジェクトに対しては、同じ色変換テーブルを使用して、続けて色変換するので、色変換テーブルを切り換える時間を短縮することが出来、画像処理時間を短縮出来るという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例のブロック図である。1はオブジェクトデータを記憶するところのオブジェクトデータ記憶部で、2はオブジェクトデータを分類するところのオブジェクト分類部で、3はオブジェクトデータAと分類されるオブジェクトデータを記憶するところのオブジェクトデータA記憶部で、4はオブジェクトデータBと分類されるオブジェクトデータを記憶するところのオブジェクトデータB記憶部で、5はオブジェクトデータCと分類されるオブジェクトデータを記憶するところのオブジェクトデータC記憶部で、6は色変換テーブル(LUT)を選択するところのLUT選択部で、7はオブジェクトデータAを色変換するときに使用される色変換テーブルを記憶するところのLUTA記憶部で、8はオブジェクトデータBを色変換するときに使用される色変換テーブルを記憶するところのLUTB記憶部で、9はオブジェクトデータCを色変換するときに使用される色変換テーブルを記憶するところのLUTC記憶部で、10はオブジェクトデータを色変換するところの色変換部で、11は色変換されたオブジェクトデータを記憶するところの色変換後オブジェクトデータ記憶部である。
【0008】
次に図1の動作説明を行う。オブジェクトデータ記憶部1に記憶されたオブジェクトデータをオブジェクト分類部2によって、オブジェクトAと分類されるオブジェクトデータAとオブジェクトBと分類されるオブジェクトデータBとオブジェクトCと分類されるオブジェクトデータCとに分類し、それぞれをオブジェクトデータA記憶部3とオブジェクトデータB記憶部4とオブジェクトデータC記憶部5とに記憶する。オブジェクト分類部2によってオブジェクトの分類処理が終了すると、LUT選択部6はオブジェクトデータAの色変換に使用される色変換テーブルが記憶されているところのLUTA記憶部7から色変換テーブルデータを色変換部10へ送る。色変換部10は、送られてきた色変換テーブルデータに基づいて、オブジェクトデータAの色変換を行い、変換されたオブジェクトデータを色変換後オブジェクトデータ記憶部11に記憶する。オブジェクトデータAのすべてのデータの色変換が終了すると、LUT選択部6はオブジェクトデータBの色変換に使用される色変換テーブルが記憶されているところのLUTB記憶部8から色変換テーブルデータを色変換部10へ送る。色変換部10は、送られてきた色変換テーブルデータに基づいて、オブジェクトデータBの色変換を行い、変換されたオブジェクトデータを色変換後オブジェクトデータ記憶部11に記憶する。同様にオブジェクトデータCに対しても、同様な処理を行い、すべてのオブジェクト種に対して、色変換処理を行う。
【0009】
(実施例2)
第1の実施例では、LUT記憶部は、プリンタ本体に内蔵されているが、オブジェクトの種類数が多くなり、又、色数が多くなると、LUTに要するメモリ容量が膨大になることが予想される。その場合プリンタ本体に持つことが不可能となるので、パーソナルコンピュータ等のホストコンピュータから、LUTをプリンタ本体にUSB、LAN等の通信媒介を用いて、ダウンロードするように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施例のブロック図
【符号の説明】
【0011】
1 オブジェクトデータ記憶部
2 オブジェクト分類部
3 オブジェクトデータA記憶部
4 オブジェクトデータB記憶部
5 オブジェクトデータC記憶部
6 LUT選択部
7 LUTA記憶部
8 LUTB記憶部
9 LUTC記憶部
10 色変換部
11 色変換後オブジェクトデータ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
すべてのオブジェクトをオブジェクト種毎に分類する手段と、前記分類手段で分類された同一種類のオブジェクトを同一色変換テーブルを使用して続けて色変換する手段と、前記同一種類のオブジェクトの色変換がすべて終了した場合には、色変換テーブルを切り換えて、別の同一種類のオブジェクトの色変換を行う手段から構成されることを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−150572(P2007−150572A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340603(P2005−340603)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】