説明

画像処理装置

【課題】 生体認証に際して照明条件や撮影方向の影響を補正することが可能な画像処理装置を提供すること。
【解決手段】 入力された画像に対して、輝度値の正規化を行う処理、それにより得られる画像を示す第1特徴ベクトルを、任意の照明条件の下で任意の方向から撮像されることにより得られたサンプル画像に基づいて算出された基底ベクトルにより特定される部分空間に射影することによって、第2特徴ベクトルを算出する処理、及び、サンプル画像に基づいて算出された登録特徴ベクトルとの類似度が最も高くなるように、第2特徴ベクトルに対して第2二次アフィン変換を行うことにより、第3特徴ベクトルを算出する処理を実行する演算処理装置を備える画像処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人間の身体的特徴を示す情報を用いた生体認証が、個人認証を必要とする各場面において活用されている。例えば、顔や指紋等を用いた生体認証では、顔や指紋を撮像し、得られた画像から特徴抽出が行われる。そして、抽出された特徴と予め登録されている人物の顔や指紋の特徴とを照合することにより認証が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−21491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画像を用いた生体認証においては、身体部位を撮像する際の照明条件(自然光の入り込みや蛍光灯の数や位置等)や撮像する方向(角度)によって、認証の精度が大きく左右されてしまう。従って、生体認証の分野においては、こうした照明条件や撮像方向の影響を補正することが可能な生体認証装置(画像処理装置)の登場が強く望まれるところである。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、生体認証に際して照明条件や撮像方向の影響を補正することが可能な画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下のような画像処理装置を提供する。
(1) カメラと、記憶装置と、演算処理装置とを備える画像処理装置であって、
上記記憶装置は、
任意の照明条件の下で任意の方向から撮像されることにより得られた、人物の体における特定の領域を示す複数の画像に基づいて算出された、該複数の画像の特徴を示す基底ベクトルを示す基底ベクトルデータ、及び、
該複数の画像の平均的な特徴を示す特徴ベクトルを、上記基底ベクトルによって特定される部分空間に射影することにより算出された、登録特徴ベクトルを示す登録特徴ベクトルデータ
を記憶するものであり、
上記演算処理装置は、以下(A)〜(F)の処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
(A)上記カメラによる撮像から得られる、人物の体における特定の領域を示す画像に対して、フーリエ変換を行い、所定の周波数領域の成分を除去した後、逆フーリエ変換を行う処理、
(B)上記処理(A)後の画像において、輝度値の正規化を行う処理、
(C)上記記憶装置に記憶されている上記基底ベクトルデータに基づいて、上記処理(B)後の画像の特徴を示す第1特徴ベクトルを、上記部分空間に射影することによって、第2特徴ベクトルを算出する処理、
(D)上記処理(C)により算出された第2特徴ベクトルに対して、第1二次アフィン変換を行う処理、
(E)上記処理(D)後の第2特徴ベクトルに対して第2二次アフィン変換を行うことにより得られるベクトルと上記登録特徴ベクトルとの類似度が最も高くなるアフィンパラメータを求める処理、及び、
(F)上記処理(E)により求められたアフィンパラメータに基づいて、上記処理(D)後の第2特徴ベクトルに対して、第2二次アフィン変換を行うことにより、第3特徴ベクトルを算出する処理。
【0007】
(1)の発明によれば、カメラによる撮像から得られる、人物の体における特定の領域(例えば、顔や指紋)を示す画像において、所定の周波数領域の成分が除去された後、輝度値の正規化が行われる。
そして、それによって得られた画像の特徴を示す第1特徴ベクトルが、部分空間に射影されることによって、第2特徴ベクトルが算出される。該部分空間は、任意の照明条件の下で任意の方向から撮像されることにより得られた、複数のサンプル画像(人物の体における特定の領域を示す画像)に基づいて算出された、複数のサンプル画像の特徴を示す基底ベクトルによって特定される部分空間である。また、第1特徴ベクトルは、輝度値の正規化後の画像を示すものであり、画素の輝度値を成分とするベクトルである。
続いて、第2特徴ベクトルに対して、第1二次アフィン変換及び第2二次アフィン変換が行われることにより、第3特徴ベクトルが算出される。
第2二次アフィン変換は、該二次アフィン変換の結果得られるベクトルと登録特徴ベクトルとの類似度が最も高くなるアフィンパラメータが設定されることにより行われる。登録特徴ベクトルとは、複数のサンプル画像の平均的な特徴を示す特徴ベクトルが、上記基底ベクトルによって特定される部分空間に射影されることにより算出されたものである。
特徴ベクトルは、被写体(人物の体における特定の領域)を所定の照明条件の下で所定の方向から撮像した場合に得られる画像の特徴を示すものであり、該画像上の画素の輝度値を成分とするベクトルである。
被写体を互いに異なる角度から撮像して得られる複数のサンプル画像は、被写体の特徴を複数方向から捉えたものであり、これらのサンプル画像から、従来公知の画像処理技術を用いることにより、被写体を所定の照明条件の下で所定の方向から撮像した場合に得られるであろう画像(複数のサンプル画像の平均的な特徴を示す画像)を得ることができる。この画像上の各画素の輝度値を成分とするベクトルが、特徴ベクトルである。
また、登録特徴ベクトルを示す登録特徴ベクトルデータは、予め記憶装置に記憶されている。
【0008】
このように、(1)の発明によれば、入力された画像に対して、輝度値の正規化が行われる。これにより、照明条件の影響を低減させることができる。
さらに、(1)の発明によれば、予め登録されている登録特徴ベクトルとの類似度が最も高くなるように、第2特徴ベクトルに対して第2二次アフィン変換が行われることにより、第3特徴ベクトルが算出される。これにより、撮像方向の影響を低減させることができる。
以上のように、(1)の発明によれば、照明条件と撮像方向との影響を大きく低減させることが可能である。
【0009】
さらに、本発明は、以下のような画像処理装置を提供する。
(2) 上記(1)の画像処理装置であって、
上記基底ベクトルは、
画素の輝度値を成分とするベクトルによって示される上記複数の画像に対して主成分分析を行うことにより得られる固有値のうち、上位から所定数個の固有値に対応するものである
ことを特徴とする。
【0010】
(2)の発明によれば、基底ベクトルは、画素の輝度値を成分とするベクトルによって示される複数のサンプル画像に対して主成分分析を行うことにより得られる固有値のうち、上位から所定数個の固有値に対応するものである。
主成分分析を行うことにより得られる固有値のうち、上位(低域)のものに対応する基底ベクトルによって特定される部分空間は、画像の特徴(例えば、眼鏡をかけている人の顔画像であれば、眼鏡をかけているという特徴)を端的に捉えたものである。従って、このような部分空間を用いることにより、画像の特徴を充分に捉えた認証を行うことが可能であり、それだけ精度の高い認証を行うことが可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、生体認証に際して照明条件と撮像方向との影響を補正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に示す実施形態では、画像処理装置が、スロットマシンに接続されている。
本実施形態に係るスロットマシンでは、スマートカードを使用して遊技を行うことができる。スマートカードは、遊技者が所有するカードであり、コインや紙幣等に相当する有価情報が記憶されている。
遊技者がスマートカードを用いて、スロットマシンで遊技を行うためには、画像処理装置によって、当該遊技者が該スマートカードの所有者であるか否かの認証(本実施形態では、顔認証)を行う必要がある。認証の結果、遊技者が該スマートカードの所有者であると判断されると、遊技者は、該スマートカードに記憶されている有価情報を使用して遊技を行うことができる。
以下、図面を用いて詳述することとする。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技施設の全体構成を示す概略図である。
遊技施設300は、複数のスロットマシン10、及び、これらのスロットマシン10と所定の通信回線301を介して接続された画像処理装置100とを備えている。
図1に示すように、画像処理装置100は、CCDカメラ121及びカード挿入口140を備えている。
CCDカメラ121は、スロットマシン10においてスマートカードを用いて遊技を行おうとする人物の顔を撮像するためのものである。スマートカードを用いて遊技を行おうとする者は、カード挿入口140にスマートカードを挿入する。そして、スマートカードが挿入されたことを契機として、画像処理装置100では顔認証が行われる。本実施形態では、該顔認証の結果、CCDカメラ121により撮像された人物がスマートカードの所有者であると判断されると、スロットマシン10において、当該カードを用いて遊技を行うことができるように構成されている。詳しくは、図5〜図8を用いて説明することとする。
【0014】
また、画像処理装置100には、通信回線302を介して、エラー管理装置101が接続されている。後述するように、画像処理装置100で行われる顔認証において、所定回数(例えば、5回)連続エラーが発生すると、エラー管理装置101に対して、エラー信号が送信される。エラーとは、顔認証において、CCDカメラ121で撮像されている人物が、スマートカードの所有者ではないと判断されることである。
エラー管理装置101は、該信号を受信すると、画像や音等により、エラーが発生したことを常駐の従業員に報知するための出力を行うように構成されている。これにより、エラーに伴うトラブルを防止することが可能である。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンを模式的に示す斜視図である。
スロットマシン10は、キャビネット11と、キャビネット11の上側に設置されたトップボックス12と、キャビネット11の前面に設けられたメインドア13とを備えている。メインドア13の前方には、下側画像表示パネル16が設けられている。下側画像表示パネル16は、液晶パネルを備えていて、シンボルマトリックスSMが表示される。下側画像表示パネル16には、クレジット数表示部31及びペイアウト数表示部32(図示せず)が設定されている。
クレジット数表示部31には、クレジットされたコインの枚数が画像によって表示される。ペイアウト表示部32には、配当として払い出されるコインの数が画像によって表示される。
【0016】
さらに、下側画像表示パネル16の前面には、図示しないが、タッチパネル69が設けられていて、プレーヤはタッチパネル69を操作して各種の指示を入力することかできる。
【0017】
下側画像表示パネル16の下方には、プレーヤによって遊技進行に係る指示が入力される複数のボタン23〜27からなるコントロールパネル20と、コインをキャビネット11内に受け入れるコイン受入口21と、紙幣識別器22とが設けられている。
【0018】
コントロールパネル20には、スタートボタン23と、チェンジボタン24と、キャッシュアウトボタン25と、1−BETボタン26と、最大BETボタン27とが設けられている。スタートボタン23は、ゲームを開始させる指示を入力するためのものである。チェンジボタン24は、遊技施設の係員に両替を要求する際に用いられるものである。キャッシュアウトボタン25は、クレジットされているコインをコイントレイ18に払い出す指示を入力するためのものである。
【0019】
1−BETボタン26は、クレジットされているコインのうち、1枚のコインを遊技に賭ける指示を入力するためのものである。最大BETボタン27は、クレジットされているコインのうち、1回の遊技に賭けることが可能な最大枚数(本実施形態では50枚)のコインを遊技に賭ける指示を入力するためのものである。
【0020】
紙幣識別器22は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れるものである。なお、紙幣識別器22は、後述するバーコード付チケット39を読み取ることができるように構成されていてもよい。メインドア13の下部前面、すなわち、コントロールパネル20の下方には、スロットマシン10のキャラクタ等が描かれたベリーガラス34が設けられている。
【0021】
トップボックス12の前面には、上側画像表示パネル33が設けられている。上側画像表示パネル33は、液晶パネルを備えていて、例えば、遊技内容の紹介や遊技のルールの説明を表す画像が表示される。
【0022】
また、トップボックス12には、スピーカ29が設けられている。上側画像表示パネル33の下側には、チケットプリンタ35と、カードリーダ36と、データ表示器37と、キーパッド38とが設けられている。チケットプリンタ35は、クレジット数や日時やスロットマシン10の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力するものである。プレーヤは、バーコード付チケット39を他のスロットマシンに読み取らせて該スロットマシンで遊技を行ったり、バーコード付チケット39を遊技施設の所定箇所(例えばカジノ内のキャッシャ)で紙幣等に交換したりすることができる。
【0023】
カードリーダ36は、スマートカードからのデータの読み取り及びスマートカードへのデータの書き込みを行うものである。前述したように、スマートカードは、遊技者が所有するカードであり、有価情報やIDナンバーが記憶されている。IDナンバーは、スマートカードの識別番号である。スマートカードには、さらに、プレーヤが行った遊技の履歴に関するデータが記憶される。なお、スマートカードにかえて、磁気ストライプカードを採用してもよい。
データ表示器37は、蛍光ディスプレイ等からなり、例えば、カードリーダ36が読み取ったデータや、プレーヤによってキーパッド38を介して入力されたデータを表示するものである。キーパッド38は、チケット発行等に関する指示やデータを入力するためのものである。
【0024】
図3は、図1に示した画像処理装置の内部構成を示すブロック図である。
画像処理装置100は、CPU131、ROM132、及び、RAM133を備えている。
ROM132は、不揮発性メモリであり、CPU131によって実行されるプログラムや、CPU131が処理を行う際に用いられるデータ等を記憶している。
【0025】
RAM133は、揮発性メモリであり、CPU131の処理結果等に応じたデータを一時的に記憶する。
特に本実施形態において、RAM133は、登録特徴ベクトルを示す登録特徴ベクトルデータを記憶している。登録特徴ベクトルは、任意の照明条件の下で任意の方向から複数の人物の顔を撮像されることにより得られた、複数のサンプル画像の平均的な特徴を示す特徴ベクトルを、基底ベクトルによって特定される部分空間に射影することにより算出されたベクトルである。
基底ベクトルとは、複数のサンプル画像に対して、後述する図6のステップS131〜ステップS137の処理を行った後、主成分分析を行うことにより算出されたベクトルであり、主成分分析を行うことにより得られる固有値のうち、上位から所定数個(例えば、50個)の固有値に対応するものである。従って、基底ベクトルは、複数のサンプル画像の特徴を示すものであり、登録特徴ベクトルは、人物の顔の特徴を示すものである。
【0026】
また、本実施形態では、遊技施設300の会員の顔の特徴を示す会員登録特徴ベクトルが、各会員の所有するスマートカードのIDナンバーと対応付けてRAM133に記憶されている。この会員登録特徴ベクトルは、入会時に予め顔が撮像されることにより得られた画像に対して、後述する図6のステップS131〜ステップS141の処理を行うことにより算出されたベクトルである。そして、会員登録時に、遊技施設300の店員等によって、IDナンバーと対応付けてRAM133に記憶されたものである。
なお、本実施形態において、上述した複数のサンプル画像は、入会時に予め顔が撮像されることにより得られた複数の会員の顔画像である。従って、基底ベクトル及び登録特徴ベクトルは、会員の顔画像に基づいて生成されることとなるため、それだけ、会員の顔の特徴を的確に示すものとなる。
【0027】
CPU131には、CCDカメラ121及び画像処理部134が接続されている。
CCDカメラ121は、人物の顔を撮像するためのものである。CCDカメラ121は、本発明におけるカメラに相当する。また、人物の顔は、本発明における「人物の体における特定の領域」に相当する。
本実施形態では、CCDカメラ121が撮像するのは人物の顔であることとしている。しかし、本発明において、人物の体における特定の領域は、人物の顔に限定されず、例えば、指(指紋)であってもよい。すなわち、カメラが撮像する身体部位は、本発明の画像処理装置がどのような身体的特徴を用いた生体認証に適用されるかに応じて、適宜設計変更することが可能である。
なお、例えば、本発明の画像処理装置が指紋認証に適用される場合、画像処理装置は指紋センサを備えることとし、該指紋センサが、ユーザの指が接触した際に指紋画像を撮像し、それをデジタル画像データに変換するという構成を採用することが可能である(例えば、特開2004−118677号公報参照)。
【0028】
画像処理部134は、画像認識用LSI134a、SDRAM134b及びEEPROM134cを備えている。画像認識用LSI134aは、図示しないが、例えば、1命令に対して複数のデータを並列的に処理可能なコプロセッサを備えたモジュール、DRAM、DMAコントローラを備えている。SDRAM134bには、CCDカメラ121から出力された画像データが一時的に記憶される。
EEPROM134cは、上述した基底ベクトルを示す基底ベクトルデータを記憶している。
【0029】
RAM133及びEEPROM134cは、本発明における記憶装置を構成する。
本発明において、登録特徴ベクトルデータと基底ベクトルデータとは、本実施形態のように、夫々異なるRAM又はROMに記憶されていてもよいし、単一のRAM又はROMに別個に設けられた記憶領域に記憶されていてもよい。
【0030】
画像処理部134は、CCDカメラ121により入力された画像データに対して各種処理を行う。詳しくは、図5を用いて説明する。
【0031】
CPU131には、さらに、通信用I/F150が接続されている。そして、通信用I/F150には、スロットマシン10及びエラー管理装置101が接続されている。
【0032】
図4は、図2に示したスロットマシンの内部構成を示すブロック図である。
ゲーミングボード50は、内部バスによって互い接続されたCPU(Central Processing Unit)51、ROM55及びブートROM52と、メモリカード53に対応したカードスロット53Sと、GAL(Generic Array Logic)54に対応したICソケット54Sとを備えている。
【0033】
メモリカード53は、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の不揮発性メモリからなり、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶している。ゲームプログラムには、シンボル選択プログラムが含まれている。上記シンボル選択プログラムは、シンボルマトリックスに再配置されるシンボルを決定するためのプログラムである。上記シンボル選択プログラムには、複数種類のペイアウト率(例えば、80%、84%、88%)の夫々に対応したシンボル重み付けデータが含まれている。シンボル重み付けデータは、各シンボルと、所定の数値範囲(0〜255)に属する1又は複数の乱数値との対応関係を示すデータである。ペイアウト率は、GAL54から出力されるペイアウト率設定用データに基づいて定められるものであり、このペイアウト率に対応したシンボル重み付けデータに基づいて、シンボルマトリックスに再配置されるシンボルが行われる。さらに、ゲームプログラムには、シンボルと配当との対応関係を示すテーブルデータが含まれている。
【0034】
また、カードスロット53Sは、メモリカード53を挿抜可能なように構成されていて、IDEバスによってマザーボード40に接続されている。従って、カードスロット53Sからメモリカード53を抜き取り、メモリカード53に別のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを書き込み、そのメモリカード53をカードスロット53Sに差し込むことにより、スロットマシン10で行われる遊技の種類や内容を変更することができる。ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラムが含まれる。また、ゲームプログラムには、遊技中に出力される画像データや音データが含まれる。この画像データには、シンボルマトリックスを示す画像データ等が含まれている。
【0035】
GAL54は、OR固定型アレイ構造を有するPLDの一種である。GAL54は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えていて、入力ポートに所定のデータが入力されると、該データに対応したデータを出力ポートから出力する。この出力ポートから出力されたデータが、上述したペイアウト率設定用データである。
また、ICソケット54Sは、GAL54を着脱可能なように構成されていて、PCIバスによってマザーボード40に接続されている。従って、GAL54を、別のGAL54に交換することによって、ペイアウト率設定用データを変更することも可能である。
【0036】
内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM55及びブートROM52は、PCIバスによってマザーボード40に接続されている。
【0037】
マザーボード40は、市販の汎用マザーボード(パーソナルコンピュータの基本部品を実装したプリント配線板)を用いて構成され、メインCPU41と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random Access Memory)43と、通信用I/F150とを備えている。
【0038】
ROM42には、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU41により実行されるBIOS(Basic Input/Output System)等のプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインCPU41によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われるとともに、メモリカード53に記憶されているゲームプログラム及びゲームシステムプログラムのゲーミングボード50を介した取込処理が開始される。なお、本発明において、ROM42は、内容の書き換えが可能なものであってもよく、不可能なものであってもよい。
【0039】
RAM43には、メインCPU41が作動する際に用いられるデータやプログラムが記憶される。また、RAM43は、ゲームプログラムを記憶することができる。さらに、RAM43には、クレジット数や、1回の遊技における投入数や払出数等のデータが記憶される。
【0040】
また、マザーボード40には、後述する本体PCB(Printed Circuit Board)60及びドアPCB80とが、夫々USBによって接続されている。さらに、マザーボード40には、電源ユニット45が接続されている。
【0041】
本体PCB60及びドアPCB80には、メインCPU41に入力される入力信号を発生させる機器や装置と、メインCPU41から出力される制御信号により動作が制御される機器や装置とが接続されている。メインCPU41は、メインCPU41に入力された入力信号に基づいて、RAM43に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、所定の演算処理を行ってその結果をRAM43に記憶したり、各機器や装置に対する制御処理として各機器や装置に制御信号を送信したりする。
【0042】
本体PCB60には、ランプ30、ホッパー66、コイン検出部67、グラフィックボード68、スピーカ29、タッチパネル69、紙幣識別器22、チケットプリンタ35、カードリーダ36、キースイッチ38S及びデータ表示器37が接続されている。ランプ30は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、所定のパターンで点灯する。
【0043】
ホッパー66は、キャビネット11内に設置されていて、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、所定数のコインをコイン払出口19からコイントレイ18に払い出す。コイン検出部67は、コイン払出口19の内部に設けられていて、コイン払出口19から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0044】
グラフィックボード68は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16における画像表示を制御する。下側画像表示パネル16のクレジット数表示部31(図示せず)には、RAM43に記憶されているクレジット数が表示される。また、下側画像表示パネル16のペイアウト数表示部31(図示せず)には、コインの払出数が表示される。グラフィックボード68は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM等を備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード53から読み出されてRAM43に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
【0045】
紙幣識別器22は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れる。紙幣識別器22は、正規の紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額に基づいてメインCPU41に対して入力信号を出力する。メインCPU41は、該入力信号により伝達された紙幣の額に応じたクレジット数をRAM43に記憶する。
【0046】
チケットプリンタ35は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、RAM43に記憶されたクレジット数、日時やスロットマシン10の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力する。
カードリーダ36は、スマートカードからのデータを読み取ってメインCPU41へ送信したり、メインCPU41からの制御信号に基づいてスマートカードへのデータの書き込みを行ったりする。キースイッチ38Sは、キーパッド38に設けられていて、キーパッド38がプレーヤによって操作されたとき、所定の入力信号をメインCPU41へ出力する。データ表示器37は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、カードリーダ36が読み取ったデータやプレーヤによってキーパッド38を介して入力されたデータを表示する。
【0047】
ドアPCB80には、コントロールパネル20、リバータ21S、コインカウンタ21C及び冷陰極管81が接続されている。コントロールパネル20には、スタートボタン23に対応したスタートスイッチ23S、チェンジボタン24に対応したチェンジスイッチ24S、CASHOUTボタン25に対応したCASHOUTスイッチ25S、1−BETボタン26に対応した1−BETスイッチ26S、及び、最大BETボタン27に対応した最大BETスイッチ27Sが設けられている。各スイッチ23S〜27Sは、対応するボタン23〜27がプレーヤによって操作されたとき、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0048】
コインカウンタ21Cは、コイン受入口21の内部に設けられていて、プレーヤによってコイン受入口21に投入されたコインの適否を識別する。正規のコイン以外のものは、コイン払出口19から排出される。また、コインカウンタ21Cは、正規のコインを検出したときにメインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0049】
リバータ21Sは、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ21Cによって正規のコインとして認識されたコインを、スロットマシン10内に設置されたキャッシュボックス(図示せず)又はホッパー66に振り分ける。すなわち、ホッパー66がコインで満たされている場合、正規のコインはリバータ21Sによってキャッシュボックスに振り分けられる。一方、ホッパー66がコインで満たされていない場合には、正規のコインはホッパー66に振り分けられる。冷陰極管81は、下側画像表示パネル16と、上側画像表示パネル33との背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて点灯する。
【0050】
次に、図5及び図6を用いて、画像処理装置100において行われる処理について説明する。
図5は、画像処理装置において行われるメイン処理を示すフローチャートである。
まず、CPU131は、認証指令信号を受信したか否かを判断する(ステップS120)。認証指令信号は、画像処理装置100の備えるカード挿入口140にスマートカードが挿入されたときに、CPU131に対して送信される信号である。また、認証指令信号には、当該スマートカードに記憶されているIDナンバーを示す情報(IDナンバー情報)が含まれている。
認証指令信号を受信していないと判断した場合、CPU131は、処理をステップS120に戻す。一方、認証指令信号を受信したと判断した場合、CPU131は、処理をステップS121に移す。
【0051】
ステップS121において、CPU131は、CCDカメラ121に撮像信号を送信する。撮像信号は、遊技者の顔を撮像する旨の信号である。該信号を受信すると、CCDカメラ121は、遊技者の顔を撮像する。
そして、CPU131は、認証処理を行う(ステップS122)。ここで、図6を用いて、認証処理について説明する。
【0052】
図6は、認証処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
認証処理は、CPU131と画像処理部134とが協働して実行する処理である。認証処理を実行するとき、CPU131と画像処理部134とは、本発明における演算処理装置として機能する。
まず、CPU131は、CCDカメラ121から、撮像によって得られた画像データを受信する(ステップS130)。
【0053】
次に、CPU131は、画像処理部134に、ステップS130で受信した画像データに対してフーリエ変換を行わせる(ステップS131)。
次に、CPU131は、画像処理部134に、低域通過フィルタ処理を行わせる(ステップS132)。具体的には、画像処理部134は、ステップS131でフーリエ変換を行った画像において、高周波数領域の成分を除去する。
次に、CPU131は、画像処理部134に、高域通過フィルタ処理を行わせる(ステップS133)。具体的には、画像処理部134は、ステップS131でフーリエ変換を行った画像において、低周波数領域の成分を除去する。
そして、CPU131は、画像処理部134に、逆フーリエ変換を行わせる(ステップS134)。
ステップS131〜ステップS134の処理は、本発明における処理(A)に相当する。
【0054】
次に、CPU131は、画像処理部134に、ステップS134の処理後の画像データに対して、ヒストグラム伸張処理(ステップS135)、及び、平滑化処理(ステップS136)を行わせる。
続いて、CPU131は、画像処理部134に、輝度値の正規化を行わせる(ステップS137)。
ステップS137において、画像処理部134は、ステップS136の処理後の画像におけるヒストグラムの分布と、特徴ベクトルにおけるヒストグラムの分布とを、例えば、輝度値のとり得る範囲等の条件を整えることにより、比較できる形にする。本実施形態において、画像処理部134は具体的に以下の処理を行う。
すなわち、画像処理部134は、複数のサンプル画像における輝度値の平均値と同じ平均値となるように、輝度値の正規化を行う。複数のサンプル画像における輝度値の平均値は、予め算出され、EEPROM134cに記憶されている。ステップS137の処理は、本発明における処理(B)に相当する。係る処理により、照明条件の影響を補正することが可能である。
なお、本発明において、輝度値の正規化に係る処理は、この例に限定されない。例えば、複数のサンプル画像における輝度値の平均値及び/又は分散と同じ平均値及び/又は分散となるように、輝度値の正規化を行うこととすることが可能である。また、各画素の輝度値における最小の輝度値、最大の輝度値、及び、階調数に基づいて、輝度値の正規化を行うこととしてもよい。また、ヒストグラム伸張処理や平滑化処理を輝度値の正規化に係る処理としてもよい。
【0055】
次に、CPU131は、画像処理部134に、ステップS137の処理後の画像データに対して、射影変換処理を行わせる(ステップS138)。具体的には、画像処理部134は、EEPROM134cに記憶されている基底ベクトルデータに基づいて、ステップS137の処理後の画像データの特徴を示す第1特徴ベクトルを、上述した基底ベクトルによって特定される部分空間に射影することによって、第2特徴ベクトルを算出する。
ステップS138の処理は、本発明における処理(C)に相当する。
【0056】
次に、CPU131は、画像処理部134に、ステップS138で算出された第2特徴ベクトルに対して、処理(D)としての第1二次アフィン変換を行わせる(ステップS139)。
次に、CPU131は、ステップS139の処理後の第2特徴ベクトルに対して第2二次アフィン変換を行うことにより得られるベクトルと登録特徴ベクトルとの類似度が最も高くなるアフィンパラメータを算出する(ステップS140)。ステップS140の処理は、本発明における処理(E)に相当する。
そして、CPU131は、画像処理部134に、ステップS140で算出されたアフィンパラメータに基づいて、ステップS139の処理後の第2特徴ベクトルに対して、第2二次アフィン変換を行わせる(ステップS141)。これにより、第3特徴ベクトルが算出される。ステップS141の処理は、本発明における処理(F)に相当する。
以下に示すように、ステップS141の処理により、撮像方向の影響を補正することが可能である。
【0057】
互いに異なる方向から顔を撮像するとき、画像上での顔の特徴(目や鼻や口等)の位置は、撮像方向によって変化する。撮像方向の影響とは係る位置変化を意味する。
ステップS141の処理によれば、第2二次アフィン変換は、該二次アフィン変換の結果得られるベクトルと、登録特徴ベクトルとの類似度が最も高くなるアフィンパラメータが設定されることにより行われる。従って、ステップS141の処理により得られる第3特徴ベクトルは、複数のサンプル画像の平均的な特徴を示す画像における顔の特徴の位置を示す。これにより、撮像方向の影響を大きく補正することができる。
【0058】
次に、CPU131は、IDナンバーの決定に係る処理を行う(ステップS142)。具体的には、CPU131は、ステップS141で算出された第3特徴ベクトルと、RAM133に記憶されている会員登録特徴ベクトルの夫々とを照合し、第3特徴ベクトルと各会員登録特徴ベクトルとの類似度を算出する。そして、該類似度が最も高い会員登録特徴ベクトルと対応付けて記憶されているIDナンバーを決定する。
ステップS142の処理を実行した後、CPU131は、本サブルーチンを終了する。
【0059】
次に、CPU131は、ステップS142で決定されたIDナンバーと、ステップS120で受信した認証指令信号に含まれるIDナンバー情報が示すIDナンバーとが合致するか否かを判断する(図5のステップS123)。
両IDナンバーが合致すると判断した場合、CPU131は、スロットマシン10のメインCPU41に対して、認証成功信号を送信し(ステップS124)、本サブルーチンを終了する。認証成功信号は、認証が成功したこと、すなわち、CCDカメラ121により撮像された人物はスマートカードの所有者であることを示す信号である。なお、認証成功信号には、該スマートカードのIDナンバーを示す情報が含まれる。
本実施形態において、認証成功信号は、画像処理装置100と接続される全てのスロットマシン10に対して送信される。もっとも、本発明においては、1のスロットマシンにおいてスマートカードにより遊技が行われる場合に、該スロットマシンから画像処理装置に対して、該スマートカードに基づく認証が成功したか否かを問い合わせる旨の信号が送信され、該信号を受信したことを契機として、画像処理装置から該スロットマシンに対して認証成功信号が送信されるように構成されていてもよい。
【0060】
両IDナンバーが合致しないと判断した場合、CPU131は、エラーが所定回数連続したか否かを判断する(ステップS125)。
ステップS125でエラーが所定回数連続していないと判断した場合、CPU131は、処理をステップS121に戻す。
一方、エラーが所定回数連続したと判断した場合、CPU131は、エラー管理装置101に対して、エラー信号を送信する(ステップS126)。
ステップS126の処理を実行した後、CPU131は、本サブルーチンを終了する。
【0061】
次に、スロットマシン10において行われる処理について説明する。
図7は、カード有効設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
カード有効設定処理は、認証成功信号(図5のステップS124参照)を受信したことを契機として、スロットマシン10のメインCPU41が実行する処理であり、当該処理により、スマートカードを用いて遊技を行うことができるように設定される。
まず、メインCPU41は、認証成功信号を受信したか否かを判断する(ステップS201)。前述したように、認証成功信号には、IDナンバー情報が含まれる。IDナンバー情報は、RAM43に記憶される。
認証成功信号を受信していないと判断した場合、メインCPU41は、処理をステップS201に戻す。一方、認証成功信号を受信したと判断した場合、メインCPU41は、処理をステップS202に移す。
【0062】
ステップS202において、メインCPU41は、ステップS201で受信した認証成功信号に含まれていたIDナンバー情報に対応付けて、IDカード有効フラグをセットし、本サブルーチンを終了する。カード有効フラグは、認証成功信号を受信したことを契機としてセットされるフラグであり、スロットマシン10が当該スマートカードを使用して遊技を行うことができる状態にあることを示す。
【0063】
図8は、スロットゲーム実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
スロットゲーム実行処理において、まず、メインCPU41は、認証成功信号を受信した後、所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS101)。所定期間が経過したと判断した場合、メインCPU41は、ステップS202でセットしたカード有効フラグをクリアする(ステップS102)。
【0064】
ステップS102の処理を実行した後、又は、ステップS101で所定期間が経過していないと判断した場合、メインCPU41は、スマートカードがカードリーダ36に挿入されているか否かを判断する(ステップS103)。具体的には、メインCPU41は、スマートカードがカードリーダ36に挿入されたことを契機として送信される信号に基づいてセットされるフラグがセットされているか否かを判断する。スマートカードがカードリーダ36に挿入されていないと判断した場合、メインCPU41は、処理をステップS11に移す。
一方、スマートカードがカードリーダ36に挿入されていると判断した場合、メインCPU41は、該スマートカードのIDナンバーに対応するカード有効フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS104)。該カード有効フラグがセットされていないと判断した場合、メインCPU41は、処理をステップS11に移す。一方、該カード有効フラグがセットされていると判断した場合、メインCPU41は、処理をステップS105に移す。
【0065】
ステップS105において、メインCPU41は、BETボタンが操作されたか否かを判断する。具体的には、メインCPU41は、1−BETボタン26が操作された際に1−BETスイッチ26Sから出力される入力信号、又は、最大BETボタン27が操作された際に最大BETスイッチ27Sから出力される入力信号を受信したか否かを判断する。
BETボタンが操作されていないと判断した場合、メインCPU41は、処理をステップS101に戻す。一方、BETボタンが操作されたと判断した場合、メインCPU41は、処理をステップS106に移す。
【0066】
ステップS106において、メインCPU41は、スマートカードに記憶されている有価情報から、1−BETボタン26又は最大BETボタン27によってBETされたコインの数(BET数)に相当する有価情報を減算する処理を行う。
ステップS106の処理を実行した後、メインCPU41は、処理をステップS13に移す。
【0067】
ステップS103でスマートカードがカードリーダ36に挿入されていないと判断した場合、又は、ステップS104でカード有効フラグがセットされていないと判断した場合、メインCPU41は、BETボタンが操作されたか否かを判断する(ステップS11)。この処理において、メインCPU41は、1−BETボタン26が操作された際に1−BETスイッチ26Sから出力される入力信号、又は、最大BETボタン27が操作された際に最大BETスイッチ27Sから出力される入力信号を受信したか否かを判断する。BETボタンが操作されていないと判断した場合、ステップS101に処理を戻す。
【0068】
一方、ステップS11において、BETボタンが操作されたと判断した場合、メインCPU41は、BETされたコインの枚数に応じて、RAM43に記憶されたクレジット数を減算する処理を行う(ステップS12)。なお、BETされるコインの枚数がRAM43に記憶されたクレジット数より多い場合には、RAM43に記憶されたクレジット数を減算する処理を行わずに、ステップS101に処理を戻す。また、減算したクレジット数の一部(例えば所定率)を、プログレッシブジャックポット用の積算値として、RAM43において累積加算する。
ステップS12の処理を実行した後、メインCPU41は、処理をステップS13に移す。
【0069】
ステップS13において、メインCPU41は、スタートボタン23がONされたか否かを判断する。この処理において、メインCPU41は、スタートボタン23が押下された際にスタートスイッチ23Sから出力される入力信号を受信したか否かを判断する。
スタートボタン23がONされていないと判断した場合、ステップS101に処理を戻す。なお、スタートボタン23がONされなかった場合(例えば、スタートボタン23がONされずに遊技を終了する旨の指示が入力された場合)には、メインCPU41は、ステップS12における減算結果をキャンセルする。
【0070】
一方、ステップS13において、スタートボタン23がONされたと判断した場合、メインCPU41は、シンボルマトリックスSMにおいてシンボル再配置処理を行う(ステップS14)。
【0071】
次に、メインCPU41は、ジャックポットトリガー(本実施形態では、「SMILE×5」)が成立したか否かを判断する(ステップS15)。ジャックポットトリガーが成立したと判断した場合、プログレッシブジャックポットを行う(ステップS16)。プログレッシブジャックポットにおいて払い出されるコインの枚数は、RAM43に記憶された積算値(遊技媒体の投入数の一部の積算値)に初期配当値を加算した値に相当する枚数であり、この払出はハンドペイにより行われる。ステップS16においてメインCPU41が行う処理としては、例えば、スピーカ29からの報知音の出力、ランプ30の点灯、払出数を示すバーコードが印刷されたバーコード付チケット39の印刷等を挙げることができる。その後、本サブルーチンを終了する。
【0072】
一方、ステップS15において、ジャックポットトリガーが成立していないと判断した場合、メインCPU41は、賞が成立したか否かを判断する(ステップS17)。ここで、賞の成立とは、「JEWEL×5」、「SUN×5」、「MOON×5」、「STAR×5」、「HEART×5」及び「RIBBON×3+ANY」の少なくとも1つのウィニングコンビネーションが成立することをいう。
【0073】
賞が成立したと判断した場合、メインCPU41は、ウィニングコンビネーションに定められた払出数と、ベット数とに応じたコインの払出を行う(ステップS18)。コインの貯留を行う場合、メインCPU41は、RAM43に記憶されたクレジット数を加算する処理を行う。一方、コインの払出を行う場合には、メインCPU41は、ホッパー66に制御信号を送信して所定数のコインの払出を行う。
【0074】
ステップS17において賞が成立していないと判断した場合、又は、ステップS18の処理を実行した場合、メインCPU41は、ボーナスゲームトリガー(「CROWN×5」)が成立したか否かを判断する(ステップS19)。ボーナスゲームトリガーが成立したと判断した場合には、メインCPU41は、ボーナスゲームとしての所定回数のフリーゲームを行うためのプログラムをRAM43から読み出してボーナスゲーム処理を実行する(ステップS20)。
ステップS20の処理を実行した後、又は、ステップS19においてボーナスゲームトリガーが成立していないと判断した場合、メインCPU41は、本サブルーチンを終了する。
【0075】
以上、本実施形態について説明した。
本実施形態では、有価情報が記憶されたスマートカードを用いて、遊技を行おうとするとき、画像処理装置100において顔認証が行われる。そして、CCDカメラ121により撮像された人物がスマートカードの所有者であると判断された(認証が成功した)場合に、当該スマートカードを用いて遊技を行うことができる。
これにより、スマートカードの盗難に伴う被害を未然に防止することが可能である。
【0076】
また、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、顔認証に際して照明条件と撮像方向との影響を補正することができる。これにより、認証エラーの確率を低減させることができる。従って、カードの窃盗犯が認証エラーによりカードの所有者であると判断されてしまう事態、及び、カードの本来の所有者が認証エラーによりカードの所有者ではないと判断されてしまう事態を回避することができる。
【0077】
また、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、基底ベクトルは、複数のサンプル画像に対して主成分分析を行うことにより得られる固有値のうち、上位から所定数個の固有値に対応するものである。このような固有値に対応する基底ベクトルによって特定される部分空間を用いて認証を行うことにより、画像の特徴を充分に捉えた認証を行うことが可能であり、それだけ精度の高い認証を行うことができる。従って、認証エラーの確率を大きく低減させることが可能である。
【0078】
さらに、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、エラーが所定回数連続すると、従業員にそのことが報知される。これにより、エラーに伴うトラブルを防止することができる。
【0079】
本実施形態では、画像処理装置100をスロットマシン10におけるスマートカードの認証に適用する場合について説明した。しかし、本発明における画像処理装置の適用場面は、この例に限定されない。本発明の画像処理装置は、遊技機における認証に関わらず、各種生体認証の場面(例えば、入退室の管理や不審人物の監視等)に対して適用することが可能である。
本実施形態において、サンプル画像は、複数の人物から得られたものであることとしている。しかし、本発明において、画像処理装置に登録されている人物が1人であるような場合、複数のサンプル画像は、該1人の人物の体における特定の領域を任意の照明条件の下で任意の方向から撮像することにより得られた複数の画像であることとしてもよい。この場合には、部分空間の次元数が小さくても、比較的高精度の認証を行うことが可能であるため、部分空間を生成する際に採用される固有値の数(本発明における所定数)を比較的小さな数(例えば、5以下)としてもよい。
【0080】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技施設の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスロットマシンを模式的に示す斜視図である。
【図3】図1に示した画像処理装置の内部構成を示すブロック図である
【図4】図2に示したスロットマシンの内部構成を示すブロック図である。
【図5】画像処理装置において行われるメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】認証処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】カード有効設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】スロットゲーム実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
10 スロットマシン
41 メインCPU
100 画像処理装置
101 エラー管理装置
121 CCDカメラ
131 CPU
132 ROM
133 RAM
134 画像処理部
140 カード挿入口
150 通信用I/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、記憶装置と、演算処理装置とを備える画像処理装置であって、
前記記憶装置は、
任意の照明条件の下で任意の方向から撮像されることにより得られた、人物の体における特定の領域を示す複数の画像に基づいて算出された、該複数の画像の特徴を示す基底ベクトルを示す基底ベクトルデータ、及び、
該複数の画像の平均的な特徴を示す特徴ベクトルを、前記基底ベクトルによって特定される部分空間に射影することにより算出された、登録特徴ベクトルを示す登録特徴ベクトルデータ
を記憶するものであり、
前記演算処理装置は、以下(A)〜(F)の処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
(A)前記カメラによる撮像から得られる、人物の体における特定の領域を示す画像に対して、フーリエ変換を行い、所定の周波数領域の成分を除去した後、逆フーリエ変換を行う処理、
(B)前記処理(A)後の画像において、輝度値の正規化を行う処理、
(C)前記記憶装置に記憶されている前記基底ベクトルデータに基づいて、前記処理(B)後の画像の特徴を示す第1特徴ベクトルを、前記部分空間に射影することによって、第2特徴ベクトルを算出する処理、
(D)前記処理(C)により算出された第2特徴ベクトルに対して、第1二次アフィン変換を行う処理、
(E)前記処理(D)後の第2特徴ベクトルに対して第2二次アフィン変換を行うことにより得られるベクトルと前記登録特徴ベクトルとの類似度が最も高くなるアフィンパラメータを求める処理、及び、
(F)前記処理(E)により求められたアフィンパラメータに基づいて、前記処理(D)後の第2特徴ベクトルに対して、第2二次アフィン変換を行うことにより、第3特徴ベクトルを算出する処理。
【請求項2】
前記基底ベクトルは、
画素の輝度値を成分とするベクトルによって示される前記複数の画像に対して主成分分析を行うことにより得られる固有値のうち、上位から所定数個の固有値に対応するものである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate