説明

画像処理装置

【課題】本発明は、メインコントロール基板が取り外されたときに、必要な情報を外部装置に適切に出力する画像処理装置に関する。
【解決手段】複合装置1は、メインコントロール基板100上に、メインMPU101等を搭載とともに非常時動作回路部分120を搭載している。非常時動作回路部分120は、非常時情報の格納されるEEROM122、外部コンピュータPCの接続されるUSB制御部123、USB制御部123を介して外部コンピュータPCにEEROM122の非常時情報を出力するサブMPU121を有し、さらに、EEROM122とUSB制御部123を、通常時はサブMPU121から切り離してメインMPU101側に接続し、メインコントロール基板100が複合装置1から取り外されると、メインMPU101側から切り離してサブMPU101に接続するバッファ113、114及びI/F124、125を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関し、詳細には、メインコントロール基板が取り外されたときに、必要な情報を外部装置に適切に出力する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写装置、ファクシミリ装置、プリンタ装置、スキャナ装置等の画像処理装置においては、その保守・管理を適切に行うことが、高品質な画像出力を行ったり、高品質な画像読み取りを行う上で重要である。
【0003】
そこで、従来から、画像処理装置においては、電源オン時に、自己診断を行って、自己診断結果情報をメモリに記憶したり、画像処理動作を実行すると、該動作履歴情報をメモリに記録して、メンテナンス時に、サービスマンが点検・修理の際に該メモリの自己診断結果情報や動作履歴情報を、画像処理装置の表示部等に表示させたり、印刷出力させて、点検・修理の参考としている。
【0004】
特に、故障発生時には、メモリの自己診断結果情報や動作履歴情報が修理に必要な故障履歴を含んでおり、サービスマンが該自己診断結果情報や該動作履歴情報を参照して修理を行う。
【0005】
また、従来、動作状態の異常を監視して、異常が検出された部位に応じて故障箇所を診断し、診断内容を示す情報を、装着部に装着されたメモリカードに書き出す技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2007−274355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術にあっては、装着部に装着されるメモリカードに診断内容情報を書き出すため、診断内容情報に個人情報が含まれる場合には、個人情報を保護する法律等によって書き出すことができず、メモリカード等への可搬性のメモリへの情報の書き出しは、汎用性に欠け利用性が悪いという問題がある。
【0008】
また、画像処理装置は、一般的に、修理に必要な動作履歴情報や自己診断情報(以下、これらの画像処理装置の動作に関連する動作履歴情報や自己診断情報を、単に、非常時情報という。)をメインコントロール基板上の不揮発性メモリに格納しているが、修理等においては、画像処理装置が電源をオンにすると支障をきたす状態となっていて、画像処理装置の電源をオフにした状態で画像処理装置の状況を確認する必要があったり、メインコントロール基板を取り外して状況を確認する必要がある場合が発生する。
【0009】
このように画像処理装置の電源を入れることのできない状態では、そのままでは、不揮発性メモリから非常時情報を取り出すことができず、メインコントロール基板に異常があるのかペリフェラル(周辺部)に異常があるのか分からず、修理作業に支障をきたすこととなり、利用性が悪いという問題がある。
【0010】
また、メインコントロール基板を取り外して点検する場合、メインコントロール基板の不揮発性メモリから非常時情報を取り出すためには、メインコントロール基板に必要な電圧を供給する電源装置を別に用意して、パーソナルコンピュータ等を適宜のインターフェイスに接続し、複雑なハンドシェイクをメインコントロール基板のCPU(Central Processing Unit )との間で実行する必要がある。その結果、利用性が悪いという問題があった。
【0011】
さらに、メインコントロール基板には、バージョンアップ等のために書き替えが可能な不揮発性メモリにプログラムが書き込まれており、この不揮発性メモリのプログラムが書き替えられたりして、異常が発生する場合がある。従来、このような場合に対して適切な対策が講じられておらず、適切な対応技術が求められている。
【0012】
そこで、本発明は、メインコントロール基板が画像処理装置から取り外された状態において少なくとも必要な非常時情報を簡単な通信手順で取得可能として適切な対応を実施することのできる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するために、取り外し可能なメインコントロール基板上に、プログラムを記憶するプログラム記憶手段、各種情報を記憶する情報記憶手段及びプログラム記憶手段のプログラムに基づいて各部を制御する制御手段を搭載とともに、該メインコントロール基板が画像処理装置から取り外された状態で所定の外部装置と通信する非常時動作回路部分が搭載されており、該非常時動作回路部分が、前記制御手段によって少なくとも所定量の前記自己診断結果情報を含む非常時情報が格納される所定容量の不揮発性記憶手段と、該メインコントロール基板が画像処理装置から取り外されUSB接続手段に外部装置がUSB接続されている状態で、該USB接続手段を介して該外部装置とUSBによる所定の通信手順を実行して少なくとも該不揮発性記憶手段の非常時情報を該外部装置に出力するサブ制御手段と、該メインコントロール基板が画像処理装置に搭載されている間は該不揮発性記憶手段及び該USB接続手段を該サブ制御手段から切り離すとともに前記制御手段側の回路部分と接続して該制御手段による該不揮発性記憶手段及び該USB接続手段へのアクセスを可能とし、該メインコントロール基板が画像処理装置から取り外されると、該不揮発性記憶手段及び該USB接続手段を該制御手段側の回路部分と切り離すとともに該サブ制御手段に接続して該サブ制御手段によるアクセスを可能とする隔離手段と、を備えていることを特徴としている。
【0014】
また、本発明は、前記非常時動作回路部分が、前記外部装置からのUSB電圧を該非常時動作回路部分にのみ供給するUSB電圧供給手段を備えていることを特徴としてもよい。
【0015】
さらに、本発明は、前記サブ制御手段が、前記外部装置との通信において、該外部装置から前記自己診断での診断項目の変更要求を受け付けて、該変更診断項目を前記不揮発性記憶手段に登録し、前記制御手段は、前記メインコントロール基板が前記画像処理装置に再搭載されると、該不揮発性記憶手段に登録されている変更診断項目に基づいて自己診断を行うことを特徴としてもよい。
【0016】
また、本発明は、前記サブ制御手段が、前記外部装置との通信において、該外部装置からの前記非常時情報の全てまたは一部の消去要求を受け付けて、該消去要求された該非常時情報を前記不揮発性記憶手段から消去することを特徴としてもよい。
【0017】
さらに、本発明は、前記メインコントロール基板の前記非常時動作回路部分が、前記プログラム記憶手段を含んでいるとともに、該プログラム記憶手段へのプログラムの書き込みを前記サブ制御手段の制御下で行うプログラム書き込み手段と、前記搭載検出手段が該メインコントロール基板の画像処理装置への搭載を検出している間は該プログラム記憶手段を該プログラム書き込み手段から切り離すとともに前記制御手段側の回路部分と接続して該制御手段による該プログラム記憶手段のプログラムの読み取りを可能とし、該搭載検出手段が該メインコントロール基板の画像処理装置からの取り外しを検出すると、該プログラム記憶手段を該制御手段側の回路部分と切り離すとともに該プログラム書き込み手段と接続して該プログラム書き込み手段によるプログラムの書き込みを可能とする第2隔離手段と、を備えていることを特徴としてもよい。
【0018】
また、本発明は、前記非常時動作回路部分が、前記USB接続手段と前記外部装置との間の回路部分に接続され該外部装置との間で所定のUSB通信を行う第2USB接続手段と、該外部装置との通信を該USB接続手段と該第2USB接続手段のいずれかに切り替える切り替え手段と、をさらに備え、前記サブ制御手段は、該USB接続手段による該外部装置とのUSB通信に失敗すると、該切り替え手段に該USB接続手段から該第2USB接続手段に切り替えさせて該第2USB接続手段を用いて該外部装置と通信することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像処理装置から取り外されたメインコントロール基板から必要な非常時情報を簡単な通信手順で出力することができ、適切な対応を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0021】
図1〜図5は、本発明の画像処理装置の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置の第1実施例を適用した複合装置1の要部ブロック構成図である。
【0022】
図1において、複合装置1は、操作パネル2、スキャナ3、プロッタ4、アナログ回線I/F(インターフェイス)5、各種IO(Input Output)6及び商用電源のコンセント(プラグ受け)に差し込まれるプラグ7及び商用電源電圧を複合装置1の各部で必要な電源電圧に電圧調整及び整流を行う直流電源供給部8等を備えているとともに、メインコントロール基板100を搭載しており、メインコントロール基板100は、メインMPU(Micro Processing Unit)101、メインMPU101にメモリバス102によって接続されたSRAM(Static Random Access Memory)103、ワークDRAM(Dynamic Random Access Memory)104、FROM(Flash Read Only Memory)105、システムバス106によってメインMPU101に接続された操作パネル制御部107、スキャナ制御部108、プロッタ制御部109、G3faxモデム110、LAN制御部111、IO制御部112及びバッファ(BUF)113とバッファ(BUF)114によってメモリバス102及びシステムバス106を介してメインMPU101に接続されている非常時動作回路部120等を備えている。
【0023】
非常時動作回路部120は、サブMPU121、EEROM(Electrically Erasable Read-Only Memory)122、USB(Universal Serial Bus)制御部123、I/F124、125及びスイッチ126等を備えている。サブMPU(サブ制御手段)121は、I/F124を介してEEROM122に接続されているとともに、バッファ113を介してメモリバス102に接続され、I/F125を介してUSB制御部(USB接続手段)123に接続されているとともに、バッファ114を介してシステムバス106に接続されている。USB制御部123には、スイッチ126が接続されており、スイッチ126は、図示しない接続・USB供給検出部(接続検出手段)に接続されている。接続・USB供給検出部は、メインコントロール基板100に設けられており、例えば、USB制御部123にUSB接続された外部コンピュータ(外部装置)PCから供給される電源供給信号VBUSで駆動されて、その入力が複合装置1のGND(接地)に接続されて、電源供給信号VBUSでプルアップされたトランジスタが用いられる。
【0024】
スイッチ(USB電圧供給手段)126は、その接片126aが通常時端子126b側と電源供給端子126c側のいずれかに切り替わって接続する。スイッチ126は、その通常時端子126bが、バッファ114を介してIO制御部112に接続され、その電源供給端子126cが、非常時動作回路部120の電源回路に接続されている。
【0025】
スイッチ126は、メインコントロール基板100が複合装置1に装着されている通常時には、接続・USB供給検出部が複合装置1のGNDに接続されてロー(Low)の信号を出力することで、その接片126aが通常時端子126b側に接続され、この状態で、USB制御部123に外部コンピュータPCが接続されて外部コンピュータPCから電源供給信号VBUSが供給されると、通常時端子126bからバッファ114を介してIO制御部112で接続検知電圧として入力されて外部コンピュータPCとの接続検知に使用される。スイッチ126は、メインコントロール基板100が複合装置1から取り外されたときには、接続・USB供給検出部が複合装置1のGNDから切り離されてハイ(High)の信号を出力することで、その接片126aが電源供給端子126c側に接続され、非常時動作回路部120に外部コンピュータPCからのUSB電圧を供給する。
【0026】
バッファ113、114は、例えば、双方向トライステートバッファが用いられる。バッファ113、114は、メインコントロール基板100が複合装置1に装着されているときには、直流電源供給部8からの直流電圧が供給され、メインコントロール基板100が複合装置1から取り外されて、外部コンピュータPCがUSB接続されると、該USB電圧がスイッチ126の電源供給端子126cを介して供給される。したがって、バッファ113、114は、メインコントロール基板100が複合装置1に装着されている通常時には、直流電源供給部8からの直流電圧によってスルー状態となってEEROM122及びUSB制御部123をメインMPU101側の回路部分と接続し、メインコントロール基板100が複合装置1から取り外されて、USB電圧がスイッチ126の電源供給端子126cから供給される状態では、ゲートを閉じハイインピーダンス状態となって、非常時動作回路部120をメインコントロール基板100のメインMPU101側の回路部分から遮断する。
【0027】
また、I/F124、125は、バッファ113、114とは逆であり、直流電源供給部8から直流電圧が供給される通常時には、サブMPU121に対してハイインピーダンスとして、EEROM122及びUSB制御部123をサブMPU121と切り離し、メインコントロール基板100が複合装置1から取り外された状態では、スルーとなって、EEROM122及びUSB制御部126をサブMPU121に接続する。したがって、バッファ113、114及びI/F124、125は、全体として、隔離手段として機能している。
【0028】
SRAM(情報記憶手段)103は、1次電池103aによる電源バックアップが行われており、複合装置1の電源がオフの場合にも記憶しておくべきデータ、特に、自己診断結果情報を含む非常時情報が格納される。ワークDRAM104は、ワークメモリとして利用されるとともに、ファクシミリ通信のメモリ画像を一時的にバックアップする2次電池104aを備えている。
【0029】
FROM(プログラム記憶手段)105は、複合装置1の基本処理プログラム及び後述する情報出力プログラム等の各種プログラムが格納されているとともに、これらの各プログラムを実行するのに必要な各種情報やシステムデータ等が格納されている。
【0030】
メインMPU(制御手段)101は、FROM105のプログラムに基づいてワークDRAM104wを利用して複合装置1の各部を制御し、複合装置1としての基本処理を実行するとともに、後述する情報出力処理を実行する。
【0031】
操作パネル制御部107には、IOである操作パネル2が接続されており、操作パネル2は、テンキーやスタートキー等の各種操作キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えている。操作パネル2では、操作キーにより、読み取り枚数、コピー枚数、送信先の指定やその他の送信操作等の複合装置1に実行させる各種処理に対する各種命令が入力操作され、ディスプレイには、操作キーで入力された各種命令内容や複合装置1からオペレータに通知する各種情報が表示される。そして、操作パネル制御部107は、操作パネル2での操作内容を取得して、メインMPU101に出力し、また、メインMPU101の制御下で、ディスプレイに上記各種情報を表示させる。
【0032】
スキャナ制御部108には、IOであるスキャナ3が接続されており、スキャナ3は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)を利用したイメージスキャナが利用されていて、一般的にADF(Auto Document Feeder)を備えている。ADFは、複数枚の原稿がセットされ、セットされた複数枚の原稿を1枚ずつスキャナ3の読取部に搬送して、スキャナ3での読み取りの完了した原稿をADFの原稿排紙部に排出する。スキャナ3は、スキャナ制御部108の制御下で動作して、原稿を走査して原稿の画像を所定の解像度で読み取る。スキャナ制御部108は、メインMPU101からの制御信号に応じて、スキャナ3の動作を制御して、スキャナ3により原稿の画像を読み取らせ、スキャナ3の読み取った原稿の画像をSRAM103やワークDRAM104に転送する。
【0033】
プロッタ制御部109には、IOであるプロッタ4が接続されており、プロッタ4としては、例えば、電子写真方式等の画像形成装置が使用されている。プロッタ制御部109は、SRAM103またはワークDRAM104から転送されてくる画像データ(書込データ)に基づいてプロッタ4を制御し、プロッタ4により画像データに対応した画像を用紙に記録出力させる。プロッタ4は、画像の記録の完了した用紙を排紙台上に排出する。なお、プロッタ4は、両面記録機能を備えていてもよく、この場合、用紙の表面と裏面に画像を記録出力する。
【0034】
G3faxモデム110には、アナログ回線I/F5が接続されており、アナログ回線I/F5には、公衆回線網のアナログ電話回線が接続されている。G3faxモデム110は、メインMPU101の制御下で動作して、送信信号の変調及び受信信号の復調を行うとともに、アナログ回線I/F5を介して相手ファクシミリ装置との間でG3ファクシミリ通信手順を実行する。
【0035】
LAN制御部111には、LANが接続されており、LAN制御部111は、LAN上のパーソナルコンピュータやサーバ等の端末との間でデータやコマンドをやり取りする。
【0036】
IO制御部112には、用紙センサ、ドアセンサ、ヒータ温度センサ等の各種センサやモータ類等の各種IO6が接続されており、IO制御部112は、これらの各種IO6との信号の授受を行って、受け取った信号をメインMPU101に出力する。
【0037】
直流電源供給部8は、商用電源のコンセント(プラグ受け)に差し込まれるプラグ7を通して供給される商用電源電圧を複合装置1の各部で必要な電圧に電圧調整及び整流を行い、複合装置1の各部に供給する。
【0038】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、通常稼働時にメインMPU101が複合装置1の各部の自己診断を行って自己診断結果情報をSRAM103に格納するとともに、所定量の必要な自己診断結果情報をメモリバス102及びバッファ113を介してEEROM122に格納し、メインコントロール基板100が複合装置1から取り外されると、バッファ113及びバッファ114で非常時動作回路部120をメインMPU101側の回路部分から隔離した状態とし、外部コンピュータPCがUSB接続されると、該USB電圧によってEEROM122の自己診断結果情報をサブMPU121によって読み出して外部コンピュータPCに提供する。
【0039】
すなわち、複合装置1は、メインコントロール基板100が複合装置1に搭載されている状態でメイン電源が投入されると、直流電源供給部8でプラグ7を介して供給される商用電源電圧を電圧調整及び整流して供給する。また、複合装置1は、直流電源供給部8から電圧が供給されると、バッファ113及びバッファ114がスルー状態となり、I/F124及びI/F125がハイインピーダンス状態となって、サブMPU121が隔離されるとともに、メインMPU101がEEROM122及びUSB制御部123に接続された状態となっている。
【0040】
そして、メインMPU101は、メイン電源が投入されて必要な電圧が供給されると、メインMPU101内部のペリフェラルロジックのチェックを行う。すなわち、メインMPU101は、内部ロジックをチェックするパターンが内部に書き込まれており、予め決められたパターンによる自己診断結果情報を見て複合装置1の正常/異常を判断する自己診断機能を有している。
【0041】
次に、メインMPU101は、メモリバス102のデバイスをチェックする。まず、メインMPU101は、FROM105からブートのコードを読み出し、チェックサム値のチェック等を行って、FROM105が正常であるかどうかチェックする。また、メインMPU101は、SRAM103及びワークDRAM104に対して、予め決められた容量のRAM領域について予め決められた場所にライトリードベリファイを行って、SRAM103及びワークDRAM104のチェックを行う。
【0042】
次に、メインMPU101は、システムバス106のデバイスをチェックする。まず、複合装置1の各ユニット2〜6が接続されていてこれらの各ユニット2〜6を制御する各制御部107〜112を順次チェックする。例えば、メインMPU101は、操作パネル制御部107に対しては、操作パネル2との接続通信を行なわせ、その結果を取り込む。メインMPU101は、スキャナ制御部108に対しては、スキャナ3のシェーディングを実行し、その結果を取り込む。メインMPU101は、プロッタ制御部109に対しては、予め決められたパターンのレーザ点灯を行わせ、その結果を取り込む。G3faxモデム110、LAN制御部111、IO制御部112に対しては、装備されるASIC(Application Specific Integrated Circuit)のセルフチェック結果を取り込む。メインMPU101は、これらの自己診断機能による自己診断結果情報をSRAM103に格納するとともに、重要な自己診断項目の自己診断結果情報をEEROM122に格納し、初期化動作を終了する。メインMPU101は、次にメイン電源がオンされたときには、自己診断を上記同様に行って、その自己診断結果情報をSRAM103及びワークDRAM104の自己診断結果情報を上書きすることで更新する。
【0043】
この状態で、複合装置1に異常等が発生したり、廃棄等によって、複合装置1からメインコントロール基板100が取り外された後に、USB制御部123に外部コンピュータPCが接続されて電源供給信号VBUSが入力されるか、外部コンピュータPCとUSB接続されたままメイン電源がオフにされた複合装置1からメインコントロール基板100が取り外されて外部コンピュータPCからのUSB電圧のみが供給された状態となったとき、接続・USB供給検出部が、複合装置1のGNDから切り離されてハイ(High)の信号をスイッチ126に出力するので、スイッチ126の接片126aが、通常時端子126bから電源供給端子126c側に切り替わって接続され、非常時動作回路部120に外部コンピュータPCからのUSB電圧が供給される。
【0044】
このとき、バッファ113、114がゲートを閉じハイインピーダンス状態となって、非常時動作回路部120がメインコントロール基板100のメインMPU101側の回路部分から遮断された状態となり、I/F124及びI/F125がスルー状態となって、EEROM122及びUSB制御部123が、I/F124及びI/F125を介してサブMPU121に接続された状態となる。
【0045】
したがって、複合装置1から取り外されたメインコントロール基板100のUSB制御部123に外部コンピュータPCがUSB接続されると、接続・USB供給検出部が取り外し検出信号をスイッチ126に出力し、スイッチ126は、その接片126aを通常時端子126bから電源供給端子126c側に切り替えて接続して、外部コンピュータPCからのUSB電圧をサブMPU121等の非常時動作回路部120に供給する。
【0046】
サブMPU121は、メインコントロール基板100が複合装置1から取り外された状態で外部コンピュータPCがUSB制御部123に接続されてUSB電圧がスイッチ126を介して供給されると、内部プログラムによりUSB制御部123を初期化し、自己診断情報を含む非常時情報の取得の旨と問い合わせ程度の簡単なハンドシェイクを、例えば、図2に示すように、実行する。
【0047】
すなわち、図2に示すように、サブMPU121は、外部コンピュータPCが、例えば、複合装置1から取り外されたメインコントロール基板100にUSB接続されたことを検知すると、内部プログラムによりUSB制御部123を初期化して、外部コンピュータPCの搭載するドライバとの間で、簡単なハンドシェイクを実行し、外部コンピュータPCは、搭載するOS(Operating System)がウィンドウズ(windows:登録商標)の場合、該ドライバが、プラグアンドプレイ(PnP)によって、メインコントロール基板100を認識する。
【0048】
そして、外部コンピュータPCは、そのドライバが、上記ハンドシェイクによってメインコントロール基板100を認識すると、記憶データ要求をメインコントロール基板100に送出し、サブMPU121は、記憶データ要求を受け取ると、記憶データ送信、すなわち、EEROM122の非常時情報を予め決められた手順(例えば、先頭番地から全領域、または、一部の領域)によって読み取って、外部コンピュータPCに転送する。
【0049】
外部コンピュータPCは、非常時情報を受信すると、ACKをメインコントロール基板100に返送する。
【0050】
外部コンピュータPCは、受け取った非常時情報を、例えば、予め決められた自己診断項目に割り振り、ディスプレイ画面に表示したり、接続されているプリンタによって用紙に記録出力する。例えば、複合装置1のスキャナ3に異常があることを示す自己診断情報を含む非常時情報を受信した場合には、予め決められたところのデータを、「01(h)」とし、外部コンピュータPCは、データが「01(h)」であると、「スキャナ NG」と表示する等の出力を行う。
【0051】
このように、本実施例の複合装置1は、取り外し可能なメインコントロール基板100上に、プログラムを記憶するFROM(プログラム記憶手段)105、各種情報を記憶するSRAM(情報記憶手段)103及びFROM105のプログラムに基づいて操作パネル2、スキャナ3、プロッタ4、アナログ回線I/F(インターフェイス)5及び各種IO6等の各部を操作パネル制御部107、スキャナ制御部108、プロッタ制御部109、G3faxモデム110、LAN制御部111及びIO制御部112を介して制御するメインMPU(制御手段)101を搭載とともに、メインコントロール基板100が複合装置1から取り外された状態で外部コンピュータPCと通信する非常時動作回路部分120が搭載されており、非常時動作回路部分120が、メインMPU101によって少なくとも所定量の自己診断結果情報を含む非常時情報が格納されるEEROM122と、メインコントロール基板100の複合装置1からの取り外し状態を検出しUSB制御部123に外部コンピュータPCがUSB接続されている状態で、USB制御部123を介して該外部コンピュータPCとUSBによる所定の通信手順を実行して少なくともEEROM122の非常時情報を該外部コンピュータPCに出力するサブMPU(サブ制御手段)121と、メインコントロール基板100が複合装置1に搭載されている間はEEROM122及びUSB制御部123をサブMPU121から切り離すとともにメインMPU101側の回路部分と接続してメインMPU101によるEEROM122及びUSB制御部123へのアクセスを可能とし、メインコントロール基板100が複合装置1から取り外されると、EEROM122及びUSB制御部123をメインMPU101側の回路部分と切り離すとともにサブMPU101によるアクセスを可能とする隔離手段としてのバッファ113、114及びI/F124、125と、を備えている。
【0052】
したがって、メインコントロール基板100が複合装置1に搭載されているときに、メインMPU101によってEEROM122に書き込まれた非常時情報を、メインコントロール基板100が複合装置1から取り外されてUSB制御部123に外部コンピュータPCが接続されると、サブMPU121が該外部コンピュータPCに簡単なUSB通信手順で出力することができ、メインコントロール基板100に異常があるのか、操作パネル2〜各種IO6等のIOに異常があるのか等を適切に判断して、複合装置1の異常等に対して適切な対応を実施することができる。すなわち、メインコントロール基板100単独で、外部コンピュータPCにUSB接続するだけで、自己診断結果情報等の非常時情報を外部コンピュータPCに取り込むことができる。
【0053】
また、本実施例の複合装置1は、メインコントロール基板100の非常時動作回路部分120が、外部コンピュータPCからのUSB電圧を非常時動作回路部分120にのみ供給するUSB電圧供給手段としてのスイッチ126を備えている。
【0054】
したがって、メインコントロール100を複合装置1から取り外した場合に、USB制御部123に外部コンピュータPCをUSB接続するだけで、非常時動作回路部分120にUSB電圧を供給することができ、他に電源装置を用意することなく、簡単かつ容易にEEROM122から自己診断結果情報等の非常時情報を外部コンピュータPCに取り込むことができる。
【0055】
なお、上記説明では、メインコントロール基板100が複合装置1に搭載されているときに、メインMPU101が、複合装置1の各部動作の自己診断を行った結果の自己診断結果情報等の非常時情報をEEROM122に記憶し、メインコントロール基板100が取り外されて外部コンピュータPCに接続されたときに、このEEROM122内の非常時情報を外部コンピュータPCが取得する場合について説明したが、EEROM122に保管して外部コンピュータPCが取得する非常時情報としては、自己診断結果情報に限るものではなく、例えば、操作パネル2の電話帳情報やG3faxモデム110の通信管理情報等の全部または一部もEEROM122に自己診断結果情報に関連付けて保管してもよい。
【0056】
このようにすると、複合装置1の故障等の自己診断を、これらの情報と関連付けてより一層適切に行うことができる。
【0057】
また、本実施例においては、図3に示すように、EEROM122の記憶内容を簡単に取り出せない構造にしてもよい。すなわち、USB制御部123を除き、図3に2点鎖線で示すバッファ113、114を含めた非常時動作回路部120を固有化部分130として、専用のASICで構成したり、モジュール毎に樹脂等で固めてブラックボックス(black box)化してもよい。この場合、固有化部分130は、専用の機能チェック以上の検査をPCB作成工程で実施して、故障等がない高信頼性のモジュールとすることで、固有化部分130の信頼性を高め、確実に故障診断できるようにする。
【0058】
このようにすると、より一層簡単な構成で、故障診断等のメインコントロール基板100等の複合装置1における診断を適切に行うことができるとともに、メインコントロール基板100に非常時動作回路部120を追加しても、故障診断によりPCBの再生率を向上させることで、非常時動作回路部120を追加することのコスト増を賄うことができる。
【0059】
さらに、図4に示すように、外部コンピュータPCからメインコントロール基板100のサブMPU121に対して自己診断の診断項目の変更要求を行って、複合装置1に、意図する自己診断項目について自己診断させるようにしてもよい。
【0060】
この場合、図4に示すように、サブMPU121は、図2の場合と同様に、複合装置1から取り外されてメインコントロール基板100に外部コンピュータPCがUSB接続されたことを検知すると、内部プログラムによりUSB制御部123を初期化して、外部コンピュータPCの搭載するドライバとの間で、簡単なハンドシェイクを実行して、外部コンピュータPCのドライバが、プラグアンドプレイ(PnP)によってメインコントロール基板100を認識する。
【0061】
そして、外部コンピュータPCは、そのドライバが、上記ハンドシェイクによってメインコントロール基板100を認識すると、診断項目変更要求を送るとともに、新たな診断項目をメインコントロール基板100に送出し、サブMPU121は、診断項目変更要求と新たな診断項目を受け取ると、EEROM122に診断項目の変更と該新たな診断項目の登録を行って、ACKを外部コンピュータPCに送出する。このEEROM122への診断項目の変更及び新たな診断項目の登録は、例えば、該診断項目データに応じたフラグをセットし直すことで行う。
【0062】
このEEROM122への診断項目の変更及び新たな診断項目の登録の行われたメインコントロール基板100が、再度、複合装置1に搭載されて、メイン電源が投入されると、メインMPU101がEEROM122の診断項目を参照して、該変更後の診断項目に基づいて自己診断を実行して、自己診断結果情報をSRAM103及びEEROM122に保管する。
【0063】
このようにして変更後の診断項目によって自己診断が行われて自己診断結果情報がEEROM122に保管されたメインコントロール基板100が複合装置1から取り外されて、再度、外部コンピュータPCに接続されると、図2に示したように、EEROM122に保管されている該変更後の診断項目による自己診断結果情報を外部コンピュータPCに送信する。
【0064】
このようにすると、自己診断結果情報等の非常時情報を取得した結果に応じて、自己診断項目を変更して、再度自己診断させることができ、複合した異常の場合の異常の切り分け解析をより一層適切に行うことができる。
【0065】
また、本実施例の複合装置1は、上述のように、SRAM103に自己診断結果情報等の非常時情報を保管するとともに、その全てまたは一部をEEROM122に保管しているが、非常時情報(エラーコード等)は、ユーザ操作によるもの等も含んでおり、かなり多い項目数となっている。したがって、複合装置1の設置場所での修理等を行うサービス現場では操作パネル2やスキャナ3等のIOユニット2〜6が故障しているのか、メインコントロール基板100が故障しているのかが分からず、メインコントロール基板100を交換することが多々発生していた。
【0066】
そこで、メインMPU101によって、異常発生時に、自己診断結果情報等の非常時情報とは別に、メインコントロール基板100上の各制御部107〜112のハードウェアの故障であるのか、IOユニット2〜6の故障であるのかを判別して、該判別結果を示す故障箇所情報をEEROM122に書き込むようにしてもよい。この場合、メインMPU101は、故障箇所情報を、例えば、データ量の少ないコードにコード化して、EEROM122に書き込むことで、EEROM122の記憶容量を節約することができる。
【0067】
したがって、サービスマンによるサービス現場でのメインコントロール基板100の故障であるのかIOユニット2〜6の故障であるのかを適切に判断することができ、利用性を向上させることができる。
【0068】
さらに、EEROM122に保管する自己診断結果情報等の非常時情報として、ファクシミリ通信時におけるファクシミリ通信プロトコルのハンドシェイクにおける失敗が発生した場合に、該ファクシミリ通信プロトコルのハンドシェイク失敗情報を保管してもよい。
【0069】
すなわち、メインMPU101は、ファクシミリ通信時に、G3faxモデム110を介してアナログ電話網の通信相手先との間のファクシミリ通信プロトコルをダンプして、ファクシミリ通信プロトコルのハンドシェイクのステップ毎に、SRAM103またはワークDRAM104にファクシミリ通信プロトコルダンプ情報として格納しているが、このファクシミリ通信プロトコルダンプ情報は、交信の内容、時間、やり取りされるコードが書かれており、異常発生時等において、ファクシミリ通信プロトコルダンプ情報をプリントアウトすることで、詳細な交信内容を判別することができる。ところが、このファクシミリ通信プロトコルダンプは、プリントアウトを見るためのフォーマットになっており、また、情報量が多いため、SRAM103よりは、2次電池104aによりバックアップされるワークDRAM104に保管されることが多い。その結果、ファクシミリ通信プロトコルダンプ情報は、時間の経過により消失してしまい、有効利用されないことが多い。
【0070】
そこで、複合装置1は、メインMPU101が、ファクシミリ通信プロトコルダンプ情報のうち、ファクシミリ通信プロトコルのハンドシェイクに失敗したときのファクシミリ通信プロトコルダンプ情報をEEROM122に保管する。すなわち、ファクシミリ通信エラーは、ファクシミリ通信プロトコルのハンドシェイクの失敗に起因することが多いため、このファクシミリ通信プロトコルのハンドシェイクの失敗情報をパターン化しておくことにより、エラーコードとして分類することができ、エラー発生時にこのエラーコードをEEROM122に保管する。
【0071】
したがって、非常時情報にファクシミリ通信エラーのエラーコードも含めて記憶しているので、プロッタ4や操作パネル2のディスプレイが故障しているときにも、該非常時情報に基づいて不具合の解析を適切に行うことができる。
【0072】
また、FROM105のプログラムの正常/不良をチェックして、チェック結果をEEROM122に非常時情報として書き込んでもよい。すなわち、複合装置1のメインコントロール基板100は、メインMPU101が、複合装置1の電源オン時に内部のペリフェラルロジックのチェックを行い、メモリバス102のデバイスをチェックして、FROM105からブートのコードを読み出し、プログラムのIDを識別する。次に、メインMPU101は、チェックサム値のチェック等を行って、FROM105が正常であるかどうかチェックし、正常である場合にはプログラムIDとチェックサム値をEEROM122に書き込むようにする。
【0073】
このようにすると、FROM105のプログラムが複合装置1の工場出荷時以降に市場で書き換えられた場合にも、プログラムのバージョンによって書き換えを確認することができ、複合装置1の異常発生をより一層適切に解析することができる。
【0074】
さらに、複合装置1のメインコントロール基板100は、図5に示すように、複合装置1から取り外されて外部コンピュータPCがUSB接続されたときに、外部コンピュータPCからの要求によって、EEROM122内に保管されている自己診断結果情報等の非常時情報の消去を行ってもよい。
【0075】
すなわち、図5に示すように、サブMPU121は、図2の場合と同様に、複合装置1から取り外されてメインコントロール基板100に外部コンピュータPCがUSB接続されると、内部プログラムによりUSB制御部123を初期化して、外部コンピュータPCの搭載するドライバとの間で、簡単なハンドシェイクを実行し、外部コンピュータPCのドライバが、プラグアンドプレイ(PnP)によってメインコントロール基板100を認識する。
【0076】
そして、外部コンピュータPCは、そのドライバが、上記ハンドシェイクによってメインコントロール基板100を認識すると、診断結果消去要求をメインコントロール基板100に送出し、サブMPU121は、診断結果消去要求を受け取ると、ACKを外部コンピュータPCに返送するとともに、EEROM122のデータ(自己診断結果情報等の非常時情報)を、例えば、全て、「0」または「1」に上書きすることで、消去する。
【0077】
したがって、例えば、正常な複合装置1に装着してメインコントロール基板100自体に不具合が無い場合には、自己診断結果情報等の非常時情報をEEROM122から消去して、再生部品に転用することができ、利用性を向上させることができる。
【実施例2】
【0078】
図6及び図7は、本発明の画像処理装置の第2実施例を示す図であり、図6は、本発明の画像処理装置の第2実施例を適用した複合装置200の要部ブロック構成図である。
【0079】
なお、本実施例は、上記第1実施例の複合装置1と同様の複合装置に適用したものであり、本実施例の説明において、上記複合装置1と同様の構成部分については、同一の符号を付して、その説明を簡略化する。
【0080】
図6において、複合装置200は、そのメインコントロール基板210が、非常時動作回路部220内に、第1実施例のFROM105を組み込んだものであり、操作パネル3、スキャナ3、プリンタ4、アナログ回線I/F5、各種IO6、プラグ7及び直流電源供給部8を備えているとともに、メインコントロール基板210を備えている。メインコントロール基板210は、第1実施例のメインコントロール基板100と同様のメインMPU101、メモリバス102に接続された1次電池103aでバックアップされたSRAM103と2次電池104aでバックアップされたワークDRAM104、システムバス106に接続されている操作パネル制御部107、スキャナ制御部108、プロッタ制御部109、G3faxモデム110、LAN制御部111及びIO制御部112等を搭載しているとともに、第1実施例と同様のバッファ113とバッファ211によってメモリバス102に接続され、バッファ114によってシステムバス106に接続されている非常時動作回路部220を搭載している。
【0081】
非常時動作回路部220は、第1実施例の非常時動作回路部120と同様のサブMPU121、EEROM122、USB制御部123、I/F124、I/F125及びスイッチ126を備えているとともに、第1実施例と同様のFROM221及びI/F222とFROM書込回路223等を備えている。
【0082】
バッファ211は、バッファ113、114と同様の構成であり、例えば、双方向トライステートバッファが用いられている。バッファ211は、メインコントロール基板210が複合装置200に装着されているときには、直流電源供給部8からの直流電圧が供給され、メインコントロール基板210が複合装置200から取り外されて、外部コンピュータPCがUSB接続されると、該外部コンピュータPCからのUSB電圧がスイッチ126の電源供給端子126cを介して供給される。したがって、バッファ221及び上記バッファ113、114は、メインコントロール基板210が複合装置200に装着されている通常時には、直流電源供給部8からの直流電圧によってスルー状態となり、メインコントロール基板210が複合装置200から取り外されて、USB電圧がスイッチ126の電源供給端子126cから供給される状態では、ゲートを閉じてハイインピーダンス状態となって、非常時動作回路部220をメインコントロール基板210のメインMPU101側の回路部分から遮断する。
【0083】
FROM221は、第1実施例のFROM105と同様に、複合装置200の基本処理プログラム及び後述する情報出力プログラム等の各種プログラムが格納されているとともに、これらの各プログラムを実行するのに必要な各種データやシステムデータ等が格納されているが、バッファ211を介してメモリバス102に接続されているとともに、I/F222を介してFROM書込回路223に接続されており、後述するように、メインコントロール基板210が複合装置200に搭載されているときには、読み出しのみが可能である。
【0084】
I/F222は、FROM221とFROM書込回路223との間に設けられ、I/F124、125と同様に、直流電源供給部8から直流電圧が供給される通常時には、FROM書込回路223に対してハイインピーダンスとしてFROM書込回路223との接続を遮断して、FROM221側をメインMPU101にバッファ211を介して接続する。また、I/F222は、メインコントロール基板210が複合装置200から取り外された状態では、スルー状態となって、FROM221をFROM書込回路223に接続する。
【0085】
すなわち、バッファ211は、FROM221からメインMPU101方向への片方向のドライバで接続されている。このFROM105には、さらに、通常時に、FROM221側をハイインピーダンス状態にし、メインコントロール基板210が複合装置200から取り外されてUSB電圧がスイッチ126の電源供給端子126cから供給されるときには、スルー状態にするI/F222が、FROM書き換え信号線Lrwとともに接続されている。そして、FROM書込回路223は、I/F222を介して、FROM種別に応じた書き込みシーケンスを実行して、FROM221へ書き込みを行う。
【0086】
FROM223は、上記I/F222を介してFROM221に接続されているとともに、サブMPU121に接続されており、サブMPU121の制御下で、外部コンピュータPCから送られてきたプログラムをFROM221に書き込み、また、FROM221内のプログラムを読み出す。
【0087】
サブMPU121は、メインコントロール基板210が複合装置200から取り外されてUSB制御部123に外部コンピュータPCが接続されると、外部コンピュータPCとの間で簡単なハンドシェイクを行い、外部コンピュータPCとの間で通信の準備が完了すると、上記第1実施例の場合と同様に、EEROM122内に保管されている自己診断結果情報等の非常時情報の読み出し、各種情報の書き込み、情報消去等を行うとともに、外部コンピュータPCから送られてきたプログラムの正常チェックを行った上で、FROM書込回路223を介してFROM221のプログラムを該外部コンピュータPCから受け取ったプログラムで更新する等のプログラム更新処理を行う。
【0088】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置200は、第1実施例の場合と同様に、EEROM122内の自己診断結果情報等の非常時情報の読み出し、各種情報の書き込み、情報消去等を行うとともに、図7に示すように、外部コンピュータPCから送られてきたプログラムの正常チェックを行った上で、FROM書込回路223を介してFROM221のプログラムを該外部コンピュータPCから受け取ったプログラムで更新する等のプログラム更新処理を行う。
【0089】
すなわち、複合装置1は、メインコントロール基板210が複合装置200に搭載されている状態でメイン電源が投入されると、直流電源供給部8でプラグ7を介して供給される商用電源電圧を電圧調整及び整流して供給する。複合装置1は、直流電源供給部8から電圧が供給されると、バッファ113、バッファ114及びバッファ211がスルー状態となり、I/F124、I/F125及びI/F222がハイインピーダンス状態となって、サブMPU121及びFROM書込回路223が隔離され、メインMPU101がEEROM122、USB制御部123及びFROM221に接続された状態となっている。すなわち、FROM221は、メインコントロール基板210が複合装置200に搭載されているときには、バッファ211を介してメインMPU101によって読み出しのみが可能な状態となっており、FROM書込回路223とはハイインピーダンス状態のI/F222によって切り離された状態となっていて、内部のプログラムの書き換えが不可能な状態となっている。
【0090】
そして、メインMPU101は、メイン電源が投入されて必要な電圧が供給されると、メインMPU101内部のペリフェラルロジックのチェックを行う。すなわち、メインMPU101は、内部ロジックをチェックするパターンが内部に書き込まれており、予め決められたパターンによる結果を見て複合装置1の正常/異常を判断する自己診断処理を行って、自己診断結果情報をSRAM103に保管するとともに、自己診断結果情報の全てまたは一部をEEROM122に格納する。
【0091】
次に、メインMPU101は、メモリバス102のデバイスをチェックする。まず、メインMPU101は、FROM221からブートのコードを読み出し、チェックサム値のチェック等を行って、FROM221が正常であるかどうかチェックする。また、メインMPU101は、SRAM103及びワークDRAM104に対して、予め決められた容量のRAM領域について予め決められた場所にライトリードベリファイを行って、SRAM103及びワークDRAM104のチェックを行う。次に、メインMPU101は、第1実施例と同様に、システムバス106のデバイスをチェックして、複合装置1の各ユニット2〜6が接続されてこれらの各ユニット2〜6を制御する各制御部107〜112を順次チェックする。メインMPU101は、これらの自己診断機能による自己診断結果情報をSRAM103に格納するとともに、重要な自己診断項目の自己診断結果情報をEEROM122に格納し、初期化動作を終了する。
【0092】
そして、メインコントロール基板210が複合装置200に搭載されている間は、FROM221は、バッファ211を介してメインMPU101によって読み出しのみが可能な状態となっており、FROM書込回路223とはハイインピーダンス状態のI/F222によって切り離された状態となっていて、内部のプログラムの書き換えが不可能な状態となっている。したがって、FROM221は、メインMPU101からの不正な書き込みから保護され、プログラムが改ざん等されることを防止することができる。
【0093】
この状態で、複合装置200に異常等が発生したり、廃棄等によって、複合装置200からメインコントロール基板210が取り外されて、USB制御部123に外部コンピュータPCが接続されて電源供給信号VBUSが入力されるか、外部コンピュータPCとUSB接続されたまま電源がオフにされた複合装置200からメインコントロール基板210が取り外されて外部コンピュータPCからのUSB電圧のみが供給された状態となったとき、接続・USB供給検出部が、複合装置1のGNDから切り離されてハイ(High)の信号をスイッチ126に出力するので、スイッチ126の接片126aが、通常時端子126bから電源供給端子126c側に切り替わって接続され、非常時動作回路部120に外部コンピュータPCからのUSB電圧を供給する。
【0094】
このとき、バッファ113、114及びバッファ211がゲートを閉じてハイインピーダンス状態となって、非常時動作回路部220がメインコントロール基板210のメインMPU101側の回路部分から遮断された状態となり、I/F124、I/F125及びI/F222がスルー状態となって、EEROM122、USB制御部123及びFROM221が、メインMPU101から切り離されて、I/F124、I/F125及びI/F222を介してサブMPU121及びFROM書込回路223に接続された状態となる。
【0095】
サブMPU121は、メインコントロール基板100が複合装置1から取り外された状態で外部コンピュータPCに接続されてUSB電圧がスイッチ126を介して供給されると、内部プログラムによりUSB制御部123を初期化し、自己診断情報を含む非常時情報の取得の旨と問い合わせ程度の簡単なハンドシェイクを、例えば、図2に示したように、実行する。
【0096】
また、サブMPU121は、メインコントロール基板100が複合装置1から取り外された状態で外部コンピュータPCに接続されてUSB電圧がスイッチ126を介して供給されると、内部プログラムによりUSB制御部123を初期化し、簡単なハンドシェイクを行って、図7に示すように、FROM221へのプログラムの書き込み要求を行う。
【0097】
すなわち、図7に示すように、サブMPU121は、外部コンピュータPCが、例えば、複合装置1から取り外されたメインコントロール基板210にUSB接続されたことを検知すると、内部プログラムによりUSB制御部123を初期化して、外部コンピュータPCの搭載するドライバとの間で、簡単なハンドシェイクを実行して、外部コンピュータPCの該ドライバが、プラグアンドプレイ(PnP)によって、メインコントロール基板210を認識する。
【0098】
そして、外部コンピュータPCは、そのドライバが、上記ハンドシェイクによってメインコントロール基板210を認識すると、プログラム書き込み要求をメインコントロール基板210に送出し、サブMPU121は、プログラム書き込み要求を受け取ると、ACKを外部コンピュータPCに返送する。
【0099】
外部コンピュータPCは、サブMPU121からACKを受け取ると、プログラムをサブMPU121に送信する。
【0100】
サブMPU121は、外部コンピュータPCからプログラムを受信すると、チェックサム値を算出して、プログラムに付されたチェックサム値と照合して、プログラムを正常受信したかチェックする。サブMPU121は、プログラムを正常受信すると、転送正常のコマンドを外部コンピュータPCに返送するとともに、受信したプログラムを、プログラム書込回路223を介してFROM221に書き込む。サブMPU121は、プログラムのFROM221への書き込みを正常に終了すると、FROM221のチェックサム値を再算出し、プログラムIDとともに、EEROM122に書き込む。
【0101】
このように、本実施例の複合装置200は、メインコントロール基板210の非常時動作回路部分220が、プログラム記憶手段であるFROM221を含んでいるとともに、FROM221へのプログラムの書き込みをサブMPU121の制御下で行うFROM書込回路(プログラム書き込み手段)223と、メインコントロール基板210の複合装置200への搭載を検出している間はFROM221をFROM書込回路223から切り離すとともにメインMPU101側の回路部分と接続してメインMPU101によるFROM221のプログラムの読み取りを可能とし、メインコントロール基板210の複合装置1からの取り外しを検出すると、FROM221をメインMPU101側の回路部分と切り離すとともにFROM書込回路223と接続してFROM書込回路223によるプログラムの書き込みを可能とするバッファ211及びI/F222と、を備えている。
【0102】
したがって、FROM221のプログラムの不正書き換えやプログラムの異常による故障の発生を防止することができるとともに、適正なプログラムによってFROM221のプログラムを更新することができる。
【0103】
また、サブMPU121は、外部コンピュータPCからプログラム、プログラムID及びチェックサム値を受信するとともに、該プログラムの受信におけるチェックサム値を算出し、受信した該チェックサム値と算出した該チェックサム値が一致する場合にのみ、受信した該プログラムによるFROM221のプログラムの更新を行っている。
【0104】
したがって、異常のあるプログラムよって不用意にFROM221のプログラムが更新されることを防止することができ、より一層プログラムの異常による故障の発生を防止することができる。
【0105】
さらに、サブMPU121は、プログラムのFROM221への書き込みが正常終了すると、FROM221のチェックサム値を再算出し、プログラムIDとともに、EEROM122に書き込んでいるが、チェックサム値が一致しない場合、EEROM122にそチェックサムが不一致である旨のフラグを記憶させてもよい。
【0106】
このようにすると、なんらかの間違いで、不良プログラムの書き込まれているFROM221を搭載したメインコントロール基板210が複合装置200に装着されても、メインMPU101は、FROM221へ書き込まれたプログラムのチェックサム値が不一致である旨のEEROM122に書かれたフラグを読み取って、フェータルエラーとして識別し、以後の初期化動作をストップさせることができる。その結果、不良のプログラムがFROM221に格納されているメインコントロール基板210を間違って複合装置1に装着して不良のプログラムが動作してしまうことを防止して、異常発生を未然に防止することができる。
【0107】
さらに、メインコントロール基板210のサブMPU121は、外部コンピュータPCからプログラムを受信するとともに、チェックサム値を算出し、プログラムに付されたチェックサム値と照合しているが、チェックサム値が一致して正常であった場合、次に、先に同様にして受信してEEROM122に書き込まれているプログラムのプログラムIDとチェックサム値についても照合するようにしてもよい。
【0108】
この場合、プログラムIDは、例えば、順番に繰り上がる数字や英数字を末尾に付すことで、新旧を判別できるようにし、EEROM122に記憶されているプログラムIDが転送されたプログラムIDより古い場合にはプログラムの書き込みを行うという判別シーケンスをサブMPU121のプログラムに記憶させておくか、プログラムIDの新旧に関係なく上書きするフラグを転送するプログラムに付して外部コンピュータPCから転送するか、さらには、プログラムIDは同一だがチェックサム値が異なる場合にも書き込むようにする。このようにすると、通常はプログラム更新ができるが、FROM221のプログラムが壊れた場合等において、FROM221のプログラムの上書きを行うことができる。
【0109】
メインコントロール基板210のサブMPU121は、これらのプログラムのFROM221への書き込み結果を、図7のプログラム書込み正常のACK返送時に外部コンピュータPCに通知する。
【0110】
このようにすると、プログラム書き換えの必要があるかないかを判定して、無効な書き換え作業を省略することができ、処理効率を向上させることができる。
【実施例3】
【0111】
図8は、本発明の本発明の画像処理装置の第3実施例を適用した複合装置300の要部ブロック構成図である。
【0112】
なお、本実施例は、上記第2実施例の複合装置200と同様の複合装置に適用したものであり、本実施例の説明において、上記複合装置200と同様の構成部分については、同一の符号を付して、その説明を簡略化する。
【0113】
図8において、本実施例の複合装置300は、メインコントロール基板310が、外部コンピュータPCとのUSB通信に失敗した場合に、メインコントロール基板310が、外部コンピュータPCと限定的なUSB通信を行う。
【0114】
すなわち、複合装置300は、上記同様の操作パネル3、スキャナ3、プリンタ4、アナログ回線I/F5、各種IO6、プラグ7及び直流電源供給部8を備えているとともにメインコントロール基板310を備えており、メインコントロール基板310が、第2実施例のメインコントロール基板210と同様のメインMPU101、メモリバス102に接続された1次電池103aでバックアップされたSRAM103と2次電池104aでバックアップされたワークDRAM104、システムバス106に接続されている操作パネル制御部107、スキャナ制御部108、プロッタ制御部109、G3faxモデム110、LAN制御部111及びIO制御部112及びバッファ113とバッファ211によってメモリバス102に接続され、バッファ114によってシステムバス106に接続されている非常時動作回路部320を搭載している。
【0115】
非常時動作回路部320は、第2実施例の非常時動作回路部220と同様のサブMPU121、EEROM122、USB制御部123、I/F124、I/F125、スイッチ126、FROM221、I/F222及びFROM書込回路223を備えているとともに、SIO(Serial Input Output)321及びI/F322等を備えている。
【0116】
I/F322は、外部コンピュータPCとUSB制御部123とのUSBバスに接続され、I/F124、125及びI/F222と同様に、メインコントロール基板310が複合装置300に搭載されて直流電源供給部8から直流電圧の供給される通常時には、USB制御部123側をハイインピーダンス状態にして、複合装置300から取り外されて外部コンピュータPCが接続され該外部コンピュータPCからUSB電圧が供給される状態で、スルー状態になる。
【0117】
このI/F322には、SIO321が接続されており、SIO321は、サブMPU121に接続されている。SIO321は、サブIPU321の制御下で、外部コンピュータPCとの間で、プラグアンドプレイ(PnP)の手順を数通り行うだけの通信(簡易USB通信)を行う。
【0118】
サブMPU121は、その内部メモリに、SIO321に該プラグアンドプレイ手順によるUSB通信を行わせるためのプログラム(簡易USB通信プログラム)が書き込まれており、USB制御部123を介したUSB通信に失敗した場合に、SIO321による簡易USB通信を行う。
【0119】
すなわち、複合装置300からメインコントロール基板310が取り外され、該複合装置300から取り外されたメインコントロール基板310のUSB制御部123に外部コンピュータPCが接続されると、上述のように、メインコントロール基板310は、バッファ113、114及びバッファ211がゲートを閉じハイインピーダンス状態となって、非常時動作回路部320をメインコントロール基板310のメインMPU101側の回路部分から遮断する。
【0120】
サブMPU121は、この非常時動作回路部320がメインコントロール基板310のメインMPU101側の回路部分から遮断されUSB制御部123に外部コンピュータPCが接続された状態で、第1実施例及び第2実施例で説明したように、USB制御部123を介してプラグアンドプレイ(PnP)手順によるUSB通信を開始するが、このプラグアンドプレイ(PnP)手順によるUSB通信に成功したか失敗したかを認識する。例えば、サブMPU121は、簡単な通信失敗認識方法として、外部コンピュータPCがUSB制御部123に接続されたことを確認すると、タイマでUSB制御部123を監視し、該タイマが所定時間を計時する間にプラグアンドプレイ(PnP)通信が開始されない場合には、USB制御部123によるUSB通信に失敗したと判断して、USB制御部123との間のI/F125をクローズ(close)状態にするとともに、SIO321に簡易USB通信を開始させる。
【0121】
外部コンピュータPCは、USB制御部123が異常であるかの判定とともに、EEROM122の非常時情報によって異常個所の表示や判別を行うことができる。
【0122】
このように、本実施例の複合装置300は、メインコントロール基板310の非常時動作回路部分320が、USB制御部123と外部コンピュータPCとの間の回路部分に接続され外部コンピュータPCとの間で所定のUSB通信を行うSIO(第2USB接続手段)321と、外部コンピュータPCとの通信をUSB制御部123とSIO321のいずれかに切り替える切り替え手段であるI/F322及びI/F125と、をさらに備え、サブMPU121が、USB制御部123による外部コンピュータPCとのUSB通信に失敗すると、I/F322及びI/F125によってUSB制御部123からSIO321に切り替えさせてSIO321を用いて外部コンピュータPCと通信している。
【0123】
したがって、USB制御部123の故障時にもSIO321によって外部コンピュータPCと通信することができ、複合装置300の故障とUSB制御部123の故障が同時に起こった場合でも複合装置300の故障解析を適切に行うことができる。
【0124】
また、図8の場合においても、第1実施例の非常時動作回路部120における図3の場合と同様に、非常時動作回路部320のうち、USB制御部123以外の回路部分とバッファ113、114及びバッファ211を含めた回路部分を、固有化部分として、専用のASICで構成したり、モジュール毎に樹脂等で固めてブラックボックス化する。そして、この固有化部分を専用の機能チェック以上の検査をPCB作成工程で実施しておき、故障等がない高信頼性のモジュールとすることで、固有化部分130の信頼性を高めて、確実に故障診断を行うことができるようにしても、固有化部分以外の故障等によるUSB通信に失敗する場合がある。例えば、外部コンピュータPCと接続するケーブル等からの静電気ノイズや外部コンピュータPCの電圧によるUSB制御部123の故障については、固有化部分として構成しても、対応することができないが、このような場合に、SIO321及びI/F322を介して外部コンピュータPCとUSB通信を行うことができ、利用性を向上させることができる。
【0125】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、取り外されたメインコントロール基板から自己診断結果情報等の必要な情報外部コンピュータに簡単に出力する複合装置、プリンタ装置等の画像処理装置で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の第1実施例を適用した複合装置の要部ブロック構成図。
【図2】図1の複合装置から取り外されたメインコントロール基板のサブMPUと外部コンピュータとの間の非常時情報出力手順処理フローを示す図。
【図3】図1のメインコントロール基板における非常時動作回路部の主要部を固有化部分としてASIC化する場合のブロック構成図。
【図4】図1の複合装置から取り外されたメインコントロール基板のサブMPUと外部コンピュータとの間の診断項目変更手順処理フローを示す図。
【図5】図1の複合装置から取り外されたメインコントロール基板のサブMPUと外部コンピュータとの間の非常時情報消去手順処理フローを示す図。
【図6】本発明の第2実施例を適用した複合装置の要部ブロック構成図。
【図7】図6の複合装置から取り外されたメインコントロール基板のサブMPUと外部コンピュータとの間のプログラム更新手順処理フローを示す図。
【図8】本発明の第3実施例を適用した複合装置の要部ブロック構成図。
【符号の説明】
【0128】
1 複合装置
2 操作パネル
3 スキャナ
4 プロッタ
5 アナログ回線I/F
6 各種IO
7 プラグ
8 直流電源供給部
100 メインコントロール基板
101 メインMPU
102 メモリバス
103 SRAM
103a 1次電池
104 ワークDRAM
104a 2次電池
105 FROM
106 システムバス
107 操作パネル制御部
108 スキャナ制御部
109 プロッタ制御部
110 G3faxモデム
111 LAN制御部
112 IO制御部
113、114 バッファ
120 非常時動作回路部
121 サブMPU
122 EEROM
123 USB制御部
124、125 I/F
126 スイッチ
126a 接片
126b 通常時端子
126c 電源供給端子
130 固有化部分
200 複合装置
210 メインコントロール基板
211 バッファ
220 非常時動作回路部
221 FROM
222 I/F
223 FROM書込回路
300 複合装置
310 メインコントロール基板
320 非常時動作回路部
321 SIO
322 I/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能なメインコントロール基板上に、プログラムを記憶するプログラム記憶手段、各種情報を記憶する情報記憶手段及びプログラム記憶手段のプログラムに基づいて各部を制御する制御手段を搭載し、該制御手段が、動作状態を自己診断して自己診断結果情報を該情報記憶手段に記憶する画像処理装置において、前記メインコントロール基板上に、該メインコントロール基板が画像処理装置から取り外された状態で所定の外部装置と通信する非常時動作回路部分が搭載されており、該非常時動作回路部分は、該メインコントロール基板が画像処理装置に搭載されている状態で前記制御手段によって少なくとも所定量の前記自己診断結果情報を含む非常時情報が格納される所定容量の不揮発性記憶手段と、該メインコントロール基板が画像処理装置に搭載されているか否かを検出する搭載検出手段と、該外部装置がUSB接続されるUSB接続手段と、該USB接続手段への該外部装置の接続の有無を検出する接続検出手段と、該搭載検出手段が該メインコントロール基板の画像処理装置からの取り外し状態を検出し該接続検出手段が該外部装置の該USB接続手段へのUSB接続を検出している状態で、該USB接続手段を介して該外部装置とUSBによる所定の通信手順を実行して少なくとも該不揮発性記憶手段の非常時情報を該外部装置に出力するサブ制御手段と、該搭載検出手段が該メインコントロール基板の画像処理装置への搭載を検出している間は該不揮発性記憶手段及び該USB接続手段を該サブ制御手段から切り離すとともに前記制御手段側の回路部分と接続して該制御手段による該不揮発性記憶手段及び該USB接続手段へのアクセスを可能とし、該搭載検出手段が該メインコントロール基板の画像処理装置からの取り外しを検出すると、該不揮発性記憶手段及び該USB接続手段を該制御手段側の回路部分と切り離すとともに該サブ制御手段に接続して該サブ制御手段によるアクセスを可能とする隔離手段と、を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記非常時動作回路部分は、前記外部装置からのUSB電圧を該非常時動作回路部分にのみ供給するUSB電圧供給手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記サブ制御手段は、前記外部装置との通信において、該外部装置から前記自己診断での診断項目の変更要求を受け付けて、該変更診断項目を前記不揮発性記憶手段に登録し、前記制御手段は、前記メインコントロール基板が前記画像処理装置に再搭載されると、該不揮発性記憶手段に登録されている該変更診断項目に基づいて自己診断を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記サブ制御手段は、前記外部装置との通信において、該外部装置からの前記非常時情報の全てまたは一部の消去要求を受け付けて、該消去要求された該非常時情報を前記不揮発性記憶手段から消去することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記非常時情報は、前記複合装置における異常発生時の異常情報、前記プログラム記憶手段のプログラムチェックにおけるプログラムIDとチェックサム値を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記メインコントロール基板は、前記非常時動作回路部分が、前記プログラム記憶手段を含んでいるとともに、該プログラム記憶手段へのプログラムの書き込みを前記サブ制御手段の制御下で行うプログラム書き込み手段と、前記搭載検出手段が該メインコントロール基板の画像処理装置への搭載を検出している間は該プログラム記憶手段を該プログラム書き込み手段から切り離すとともに前記制御手段側の回路部分と接続して該制御手段による該プログラム記憶手段のプログラムの読み取りを可能とし、該搭載検出手段が該メインコントロール基板の画像処理装置からの取り外しを検出すると、該プログラム記憶手段を該制御手段側の回路部分と切り離すとともに該プログラム書き込み手段と接続して該プログラム書き込み手段によるプログラムの書き込みを可能とする第2隔離手段と、を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記サブ制御手段は、前記外部装置からプログラム、プログラムID及びチェックサム値を受信するとともに、該プログラムの受信におけるチェックサム値を算出し、受信した該チェックサム値と算出した該チェックサム値が一致する場合にのみ、受信した該プログラムによる該プログラム記憶手段のプログラムの更新を行うことを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記サブ制御手段は、前記外部装置からプログラム、プログラムID及びチェックサム値を受信し、受信した該プログラム、プログラムID及びチェックサム値を前記プログラム記憶手段に書き込むとともに該プログラムの該書き込みにおけるチェックサム値を算出し、受信した該チェックサム値と算出した該チェックサム値が不一致であると、該プログラム記憶手段にチェックサム値が不一致である旨の情報を記憶し、前記制御手段は、該メインコントロール基板が画像処理装置に再搭載されて該プログラム記憶手段にチェックサム値不一致の情報が記憶されていると、該画像処理装置の立ち上げを禁止することを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記サブ制御手段は、受信した前記プログラムのプログラムID及びチェックサム値を、前記プログラム記憶手段のプログラムのプログラムID及びチェックサム値と比較して、一致する場合にのみ、受信した該プログラムで該プログラム記憶手段のプログラムを更新することを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記非常時動作回路部分は、前記USB接続手段と前記外部装置との間の回路部分に接続され該外部装置との間で所定のUSB通信を行う第2USB接続手段と、該外部装置との通信を該USB接続手段と該第2USB接続手段のいずれかに切り替える切り替え手段と、をさらに備え、前記サブ制御手段は、該USB接続手段による該外部装置とのUSB通信に失敗すると、該切り替え手段に該USB接続手段から該第2USB接続手段に切り替えさせて該第2USB接続手段を用いて該外部装置と通信することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−34715(P2010−34715A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192926(P2008−192926)
【出願日】平成20年7月27日(2008.7.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】