説明

画像処理装置

【課題】装置の利便性の低下を抑制しつつ、USBメモリの取り外し忘れをできるだけ防止することのできる技術を提供する。
【解決手段】USBメモリMに格納されているデータに対するジョブの実行指示がなされた場合に、そのジョブの対象データを含むUSBメモリMの全データのコピーデータを内部記憶部210に格納するようにし、内部記憶部210への前記コピーデータの格納完了時とジョブの完了時とに、それぞれUSBメモリMの取り外しを促す又は指示する報知画面及び警告画面を表示部172に表示し、且つ、警告画面G3の画面サイズを報知画面G2の画面サイズより大きくした。また、報知画面G2が表示部172に表示されているときに、USBメモリMが取り外されなくても、実行指示がなされたジョブを実行するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USBメモリ等の外部記憶装置が着脱可能に構成された複合機などの画像処理装置の技術分野に属し、特に、前記外部記憶装置の取り外し忘れ防止技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯性を有する記録メディアとして広く知られているUSB(Universal Serial Bus)メモリが装着可能に構成され、該USBメモリが装着されると、そのUSBメモリに対してデータの読み出しや書き込みを行い、また、読み出したデータに基づいて画像を形成したり他の機器に送信したりする機能を備えたファクシミリ装置や複合機などの画像処理装置が商品化されている。
【0003】
この種の画像処理装置においては、ユーザが、装置に装着したUSBメモリをジョブの終了後に装置から取り外して持ち帰るのを忘れることが多々あるという問題がある。USBメモリの取り外しを忘れた場合、データが消失するだけでなく、他人にそのUSBメモリが勝手に持ち出され、該USBメモリ内のデータが不正に使用されることも考えられる。
【0004】
下記特許文献1には、このようなUSBメモリの取り外し忘れを課題として、スタートキー(プリント開始キー)が押されると、USBメモリからジョブ対象のデータを装置内部にコピーした後、ジョブを開始する前に、USBメモリを取り外すようにユーザに促すとともに、USBメモリが装置に装着された状態ではジョブの実行を開始しないように構成した画像形成装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−107376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1は、USBメモリが取り外されるまでジョブを実行しないものであるから、ユーザがジョブの実行指示を入力してからUSBメモリが取り外されるまでの時間の分だけ、ジョブが開始されるタイミングやジョブが完了するタイミングが遅延する。したがって、ユーザがUSBメモリの取り外しに気付きそれを取り外すまでに比較的長い時間を要した場合、それに伴って、ジョブが開始されるタイミングやジョブが完了するタイミングの遅延時間が長くなる。このような状況は、装置の利便性を考慮した場合、好ましいものとは言えない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みて為された発明であり、装置の利便性の低下を抑制しつつ、USBメモリの取り外し忘れをできるだけ防止することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、外部記憶装置が装着される外部記憶装置装着部と、前記外部記憶装置装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているデータに対するジョブの実行指示を入力するためのジョブ入力操作部と、前記ジョブ入力操作部による入力を受け付けるジョブ入力受付部と、前記ジョブ入力受付部により前記入力が受け付けられると、前記ジョブの実行指示対象のデータを含む前記外部記憶装置内のデータをコピーし、このコピーデータを記憶する内部記憶部と、前記内部記憶部に前記コピーデータが記憶されると、前記外部記憶装置を前記外部記憶装置装着部から取り外す作業の実行を促す第1の案内画面を表示する第1の表示部と、前記内部記憶部に前記コピーデータが記憶されると、このコピーデータを用いて、前記ジョブ入力受付部により受け付けられた入力に係るジョブを当該画像処理装置の各部に実行させるジョブ実行指示部と、前記ジョブ実行指示部の指示に基づき実行されたジョブが完了すると、前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されているか否かを検出する第1の装着状態検出部と、前記第1の装着状態検出部により前記外部記憶装置装着部に外部記憶装置が装着されていることが検出されると、前記外部記憶装置を前記外部記憶装置装着部から取り外す作業の実行を促す第2の案内画面を前記第1の案内画面より視覚的に強調された表示態様で表示する第2の表示部とを備える画像処理装置である。
【0009】
この発明によれば、ジョブ入力操作部により、外部記憶装置装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているデータに対するジョブの実行指示が入力されると、前記ジョブ入力操作部による入力が前記ジョブ入力受付部により受け付けられる。前記ジョブ入力受付部により前記入力が受け付けられると、内部記憶部により、前記ジョブの実行指示対象のデータ含む前記外部記憶装置内のデータがコピーされ、このコピーデータが記憶される。
【0010】
前記内部記憶部に前記コピーデータが記憶されると、前記第1の表示部により、前記外部記憶装置を前記外部記憶装置装着部から取り外す作業の実行を促す第1の案内画面が表示され、また、前記ジョブ実行指示部の指示により、前記コピーデータを用いて、前記ジョブ入力受付部により受け付けられた入力に係るジョブが当該画像処理装置の各部によって実行される。
【0011】
前記ジョブ実行指示部の指示に基づき実行されたジョブが完了すると、前記第1の装着状態検出部により、前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されているか否かが検出され、前記外部記憶装置装着部に外部記憶装置が装着されていることが検出されると、前記第2の表示部により、前記外部記憶装置を前記外部記憶装置装着部から取り外す作業の実行を促す第2の案内画面が前記第1の案内画面より視覚的に強調された表示態様で表示される。
【0012】
このように、ユーザが外部記憶装置の取り外しを忘れている場合には、コピーデータが前記内部記憶部に格納されるときとジョブが完了したときとの2段階で、外部記憶装置を前記外部記憶装置装着部から取り外す作業の実行を視覚的に促すようにしたので、外部記憶装置の取り外し忘れをできるだけ防止することができる。
【0013】
また、前記第2案内画面を前記第1案内画面より視覚的に強調された表示態様としたので、外部記憶装置の取り外す作業の実行を1つの画面で単調に促す形態に比して、外部記憶装置を取り外すことをより容易にユーザに気付かせることができ、外部記憶装置の取り外し忘れをより一層防止することができる。
【0014】
さらに、第1の案内画面の表示後に、前記外部記憶装置が前記外部記憶装置装着部から取り外されているか否かに拘らず、前記コピーデータが内部記憶部に記憶されると、前記ジョブ入力操作部により実行指示が入力されたジョブを実行するようにしたので、該ジョブの実行開始タイミングが、ユーザによるジョブの実行指示入力タイミングより大幅に遅延するのを回避することができる。
【0015】
前記第2の案内画面を、前記第1の案内画面より視覚的に強調された表示態様で表示する形態としては、例えば請求項2に記載の発明のように、前記第2の案内画面を前記第1の案内画面より大きな画面サイズで表示する形態が一例として想定される。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像処理装置において、前記内部記憶部は、前記ジョブ入力受付部により前記入力が受け付けられると、前記ジョブの実行指示対象のデータのみをコピーし、このコピーデータを記憶するものである。
【0017】
この発明によれば、前記内部記憶部は、前記ジョブ入力受付部により前記入力が受け付けられると、前記ジョブの実行指示対象のデータのみをコピーし、このコピーデータを記憶するようにしたので、前記ジョブ入力受付部により前記入力が受け付けられると、前記ジョブの実行指示対象のデータを含めた外部記憶装置内の全てのデータをコピーする場合に比して、データのコピーに要する時間を短縮化することができ、第1の案内画面を表示するタイミングやジョブの実行開始タイミングを早めることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像処理装置において、ユーザを識別するためのユーザ情報を入力するためのユーザ情報入力操作部と、ユーザを識別するためのユーザ情報と外部記憶装置を識別するための外部記憶装置識別情報とを対応付けたテーブルを予め記憶する識別情報記憶部と、前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されると、前記識別情報記憶部に予め記憶されているユーザ情報の入力を要求するユーザ情報入力要求部と、前記ユーザ情報入力操作部により入力されたユーザ情報を受け付けるユーザ情報入力受付部と、前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されると、この外部記憶装置の外部記憶装置識別情報を検出する外部記憶装置識別情報検出部と、前記ユーザ情報入力受付部により受け付けられたユーザ情報及び前記外部記憶装置識別情報検出部により検出された外部記憶装置識別情報と前記識別情報記憶部により予め記憶されている前記テーブルとを照合することにより、前記外部記憶装置装着部に装着された前記外部記憶装置内のデータを用いて当該画像処理装置にジョブを行わせようとするユーザが当該外部記憶装置を利用する権利を有するユーザであるか否か判断し、そうであるとき、前記ジョブ入力操作部によるジョブ実行指示の入力の受け付けを前記ジョブ入力受付部に許可する認証処理部とを有するものである。
【0019】
この発明によれば、前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されたときには、前記ジョブ入力操作部によるジョブ実行指示の入力を受け付ける前に、前記外部記憶装置装着部に装着された前記外部記憶装置内のデータを用いて当該画像処理装置にジョブを行わせようとするユーザが当該外部記憶装置を利用する権利を有するユーザであるか否かを判断し、その判断結果に応じて、前記ジョブ入力操作部によるジョブ実行指示の入力の受け付けを前記ジョブ入力受付部に許可するか否かを決定する処理を前記認証処理部により行うようにしたので、当該画像処理装置において、前記外部記憶装置内のデータが他人によって不正に使用されるのを防止することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像処理装置において、前記第2の表示部は、前記第1の装着状態検出部により前記外部記憶装置装着部に外部記憶装置が装着されていることが検出されると、前記ジョブ実行指示部の指示に基づき今回実行されたジョブを当該画像処理装置で実行させるにあたって前記認証処理部で認証されたユーザ情報を前記第2の画面に表示するものである。
【0021】
この発明によれば、前記第1の装着状態検出部により前記外部記憶装置装着部に外部記憶装置が装着されていることが検出されると、前記ジョブ実行指示部の指示に基づき今回実行されたジョブを当該画像処理装置で実行させるにあたって前記認証処理部で認証されたユーザ情報を前記第2の画面に表示するようにしたので、外部記憶装置の所有者が外部記憶装置装着部から取り外すのを忘れた場合に、次に当該画像処理装置を利用しようとするユーザは、その外部記憶装置を取り外すのを忘れたユーザがどのユーザであるのか知ることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記第2の表示部により前記第2の画面が表示された後、前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されているか否かを検出する第2の装着状態検出部を更に備え、前記ジョブ入力受付部は、前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されていることが前記第2の装着状態検出部により検出されているときには、前記外部記憶装置装着部から前記外部記憶装置が取り外されるまで、前記ジョブ入力操作部に対する新たなジョブの実行指示の入力を受け付けないものである。
【0023】
この発明によれば、前記ジョブ入力受付部は、前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されていることが前記第2の装着状態検出部により検出されているときには、前記外部記憶装置装着部から前記外部記憶装置が取り外されるまで、前記ジョブ入力操作部に対する新たなジョブの実行指示の入力を受け付けないようにしたので、外部記憶装置装着部に装着されている外部記憶装置の所有者が該外部記憶装置装着部から前記外部記憶装置を取り外すのを忘れた場合に、次のユーザが該外部記憶装置を取り外すように誘導することができ、外部記憶装置が外部記憶装置装着部に装着されたまま放置される状態が生じるのを回避することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ユーザによるジョブの実行指示入力タイミングより大幅に遅延するのを回避することができるため、従来技術のようにジョブが完了するタイミングが大幅に遅れることにより画像処理装置の利便性が低下するという不具合が発生するのを回避することができるとともに、外部記憶装置の取り外し忘れをできるだけ防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る画像処理装置の一実施形態である画像形成装置の一構成例の正面断面視の説明図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【図3】ログイン画面の一例を示す図である。
【図4】報知画面の一例を示す図である。
【図5】警告画面の一例を示す図である。
【図6】USBメモリの取り外し防止に係る制御部の処理を示すフローチャートである。
【図7】USBメモリの取り外し防止に係る制御部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る画像処理装置の実施形態につき図面を用いて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明に係る画像処理装置の実施形態である画像形成装置10の一構成例の正面断面視の説明図である。なお、図1においてX−X方向を左右方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方という。
【0027】
図1に示す画像形成装置10は、いわゆる胴内排紙型と称される複写機であり、装置本体11に、画像形成部12と、定着部13と、用紙貯留部14と、排紙部15と、画像読取部16と、操作部17とが設けられている。排紙部15の一部(後述の胴内排紙トレイ151)は、画像読取部16の下部で装置本体11の一部が凹没されることによって形成され、これにより当該画像形成装置10が胴内排紙型と称されている。
【0028】
装置本体11は、外観視で直方体状を呈した下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された扁平な直方体状を呈する上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に介設された連結部113とを備えている。連結部113は、下部本体111と上部本体112との間に排紙部15の胴内排紙トレイ151を形成させた状態で両者を互いに連結するための構造物である。
【0029】
そして、下部本体111には、画像形成部12、定着部13及び用紙貯留部14が内装されているとともに、上部本体112には画像読取部16が装着されている。操作部17は、上部本体112の前縁部に設けられている。
【0030】
操作部17は、画像形成装置10における各種の動作や処理に関する操作入力を受け付けるものであり、用紙Pの処理枚数等を入力するためのテンキーやその他の各種の操作キー171、さらにはタッチ入力を行うためのLCD(Liquid Crystal Display)を備えた表示部172、当該画像形成装置10の各部に要する電力供給のオンオフを行うための電源ボタン173等が設けられている。操作部17は、ジョブ入力操作部及びユーザ情報入力操作部に相当するものである。
【0031】
用紙貯留部14は、下部本体111内における画像形成部12の直下方位置に設けられた挿脱可能な用紙カセット141と、この用紙カセット141のさらに下方位置に設けられた挿脱可能な大量の用紙(シート体)Pを貯留することができる大容量デッキ142とを有している。本実施形態においては、用紙カセット141は2段で設けられ、大容量デッキ142は2列で設けられている。用紙カセット141は2段設置可能とされており、一方はオプションとして追加できるようになっている。
【0032】
そして、画像形成処理が行われるに際し、用紙カセット141又は大容量デッキ142に貯留されている用紙束P1から用紙Pが給紙ローラ145,146により1枚ずつ繰り出され、画像形成部12へ送り込まれて当該用紙Pに対して画像形成処理(印刷処理)が実行される。
【0033】
排紙部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成された胴内排紙トレイ(スイッチバックトレイ)151と、装置本体11の外部に形成された胴外排紙トレイ(外部トレイ)152と、胴内排紙トレイ151の直上位置に設けられた胴内フィニッシャー153とを有している。画像形成部12から送り込まれたトナー画像転写済みの用紙Pは、連結部113内に設けられた搬出方向切換部20を介し、予め排出先が設定された胴内排紙トレイ151、胴外排紙トレイ152及び胴内フィニッシャー153のいずれかに向けて排出される。胴内フィニッシャー153は、排出された用紙Pに対してパンチング処理やステイプル処理等の後処理を施すものである。胴内排紙トレイ151には、排紙ローラ147により用紙が排出される。
【0034】
胴内排紙トレイ151は、単純に用紙Pの排出用に使用される他、用紙Pに対して両面印刷処理を施すに際し、表面側の印刷処理が完了した用紙Pに対して裏面側に印刷処理を施すべく、当該用紙Pを表裏反転させるためのスイッチバックトレイとしても利用される。すなわち、表面側の印刷処理が完了した用紙Pは、この胴内排紙トレイ151に一旦排出された後、今までの最後尾が最先端になった状態でスイッチバックされ、画像形成部12へ戻される。そして、片面印刷が完了している用紙Pは、画像形成部12で裏面側に印刷処理が施され、胴内排紙トレイ151又は胴外排紙トレイ152へ排出される。
【0035】
画像読取部16は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、この原稿押さえカバー162に装着された原稿自動読取部163と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を走査する走査機構164とを備えている。
【0036】
コンタクトガラス161上に載置され、あるいは原稿自動読取部163によってコンタクトガラス161上へ供給された原稿の画像は、走査機構164によってアナログ情報として読み取られたのちデジタル信号に変換されて後述する露光ユニット123へ向けて出力され、画像形成処理に供される。
【0037】
また、下部本体111の右面における用紙貯留部14の直上位置には手差しトレイ18が設けられている。この手差しトレイ18は、下部が支軸181回りに回動可能に軸支され、手差しの給紙口を閉止するべく起立した閉止姿勢と、右方へ向かって突出した開放姿勢との間で姿勢変更可能とされている。かかる手差しトレイ18は、開放姿勢に姿勢設定された状態で1枚ずつの用紙Pの手差しに供される。このような手差しトレイ18から手差しで給紙された用紙Pは、用紙縦搬送路101を介して後述の感光体ドラム121と転写ローラ125との間のニップ部へ向けて送り出される。
【0038】
また、下部本体111の左面には、開閉可能なメンテナンス用のメンテナンスドアー19が設けられている。胴外排紙トレイ152は、このメンテナンスドアー19の上部位置に設けられている。画像形成部12で印刷処理が完了した用紙Pは、この胴外排紙トレイ152及び胴内排紙トレイ151のいずれかに選択的に排出される。
【0039】
画像形成部12には、上下方向の略中央部であって左寄りの位置に感光体ドラム121が設けられている。この感光体ドラム121は、ドラム心回りに時計方向に向けて回転しながらその直ぐ右方位置に設けられた帯電ユニット122により周面が一様に帯電処理される。
【0040】
感光体ドラム121の右側位置には、画像読取部16で読み取られた原稿画像の画像情報に基づくレーザービームを感光体ドラム121の周面に照射する露光ユニット123が設けられている。そして、この露光ユニット123からのレーザービームの照射によって感光体ドラム121の周面に静電潜像が形成される。この静電潜像に向けて感光体ドラム121の下方に設けられた現像ユニット124からトナーが供給され、これによって感光体ドラム121の周面に静電潜像に沿ったトナー像が形成される。
【0041】
トナー像が形成された感光体ドラム121には、用紙カセット141又は大容量デッキ142から搬送されてきた用紙Pが、上下方向に延びた用紙縦搬送路101を上昇し、タイミングを取るためのレジストローラ対143を介して送り込まれる。このレジストローラ対143は、レジストセンサ222により用紙の先端が検出されると、回転が一旦停止され、感光体ドラム121の回転に合わせて回転が再開される。
【0042】
そして、感光体ドラム121へ到達した用紙Pには、左方で当該感光体ドラム121と対向配置された転写ローラ125の作用で感光体ドラム121の周面のトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは感光体ドラム121から分離されて定着部13へ送り込まれる。
【0043】
用紙Pに対するトナー像の転写処理が完了した感光体ドラム121は、時計方向へ向かう回転が継続されることにより、その直上位置に設けられたクリーニング装置126によってその周面が清浄にされ、つぎの画像形成処理のために帯電ユニット122へ向かうことになる。
【0044】
定着部13は、内部にハロゲンランプ等の通電発熱体を備えた加熱ローラ131と、左方でこの加熱ローラ131と対向配置された定着ローラ132と、この定着ローラ132及び加熱ローラ131間に張設された定着ベルト133と、左側でこの定着ベルト133の表面と対向配置された加圧ローラ134とを有している。そして、画像形成部12から送り込まれた用紙Pは、これら定着ベルト133と加圧ローラ134との間のニップ部を通過しながら加熱ローラ131の熱を定着ベルト133を介して受熱し、これによってトナー像の用紙Pに対する定着処理が実行される。
【0045】
定着処理後の用紙Pは、当該用紙Pが片面印刷用のものである場合には、定着部13の上方に配置された搬出方向切換部20を介し、排紙搬送路102を通って胴外排紙トレイ152へ排出されたり、往復搬送路103を通って胴内排紙トレイ151へ排出されたり、さらには両面印刷のために往復搬送路103を通ってスイッチバックトレイとして兼用される胴内排紙トレイ151へ一時的に排出されたりする。
【0046】
そして、両面印刷の場合、往復搬送路103を介して前半部分が胴内排紙トレイ151に排紙された片面印刷処理済みの用紙Pは、メンテナンスドアー19内に設けられた上下方向に延びる逆送搬送路104を介して逆送され、表裏が反転した状態で再度画像形成部12に供給されて裏面側に印刷処理が施される。両面印刷が完了した用紙Pは、胴内排紙トレイ151又は胴外排紙トレイ152へ排出される。
【0047】
メンテナンスドアー19には、逆送搬送路104の直ぐ右側に、右面が画像形成部12の左面に対向されるカバー部材191が設けられている。このカバー部材191は、メンテナンスドアー19の右面側に包持されている。そして、メンテナンスドアー19が閉止姿勢に姿勢設定された状態で、カバー部材191の右面と画像形成部12の左面との間に用紙カセット141や大容量デッキ142、さらには手差しトレイ18から給紙された用紙Pを搬送するための用紙縦搬送路101の一部が形成されている。
【0048】
図2は、図1に示す画像形成装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置10は、上述の機構部に加えて、内部記憶部210と、USB装着部23と、制御部200とを備えている。なお、図2では、用紙を搬送する各種ローラ等をまとめて搬送機構120として記載している。
【0049】
内部記憶部210は、例えばHDD(Hard Disc Drive)等からなり、画像読取部16により読み取られた画像データを記憶するものである。内部記憶部210は、USBメモリMの使用者(所有者)を識別するためのユーザIDと、USBメモリMの個体を識別するためのメモリ識別情報との対応関係を示すテーブルを予め記憶したテーブル記憶部211を有している。テーブル記憶部211は、識別情報記憶部に相当する。
【0050】
USB装着部23は、USBメモリM(図1参照;外部記憶装置の一例)が差し込まれる部位であり、USBメモリMの端子と機械的・電気的に接続されるUSB端子231(外部記憶装置装着部の一例)を備える。
【0051】
制御部200は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、タイマ回路と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。制御部200には、画像読取部16、画像形成部12、定着部13、搬送機構120、操作部17、内部記憶部210及びUSB装着部23が接続されている。
【0052】
本実施形態の画像形成装置10は、USB装着部23にUSBメモリMが装着されると、ユーザIDによる認証処理を行い、該認証処理により認証され、USB装着部23に装着されたUSBメモリM内の或るデータに対するジョブの実行がユーザにより指示されると、そのデータをコピーして、該コピーデータを内部記憶部210に格納した上で、該コピーデータを用いてユーザにより実行指示された前記ジョブを実行する。
【0053】
そして、画像形成装置10は、コピーデータを内部記憶部210に格納した時点で、USBメモリMの取り外しを促す報知画面(図4参照;第1の案内画面の一例)を表示部172に表示する。また、画像形成装置10は、ユーザにより実行指示された前記ジョブが終了したときに、未だUSBメモリMがUSB装着部23に装着されている場合には、再度、USBメモリMの取り外しを指示する警告画面(図5参照;第2の案内画面の一例)を表示部172に表示する。
【0054】
このような処理を行うために、制御部200は、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、表示制御部202と、認証処理部203と、入力受付部204と、ジョブ実行指示部205と、USBメモリ装着検出部201として機能するようになっている。
【0055】
USBメモリ装着検出部201は、USB装着部23にUSBメモリMが差し込まれているか否かを検出するものである。例えば、USBメモリMが前記USB装着部23に差し込まれると、USB端子231の電位が変化するように構成されており、USBメモリ装着検出部201は、前記USB端子231の電位変化の有無に基づいて、USB装着部23にUSBメモリMが差し込まれたか否かを検出する。
【0056】
また、USBメモリ装着検出部201は、USBメモリMが前記USB装着部23に差し込まれた場合に、当該USBメモリMの個体を識別するためのメモリ識別情報をUSBメモリMから取得する。USB装着部23及びUSBメモリ装着検出部201により、第1の装着状態検出部及び第2の装着状態検出部が構成される。また、USBメモリ装着検出部201は、外部記憶装置識別情報検出部に相当する。
【0057】
表示制御部202は、後述する認証処理部203からの要求を受けて、装着したUSBメモリMを利用する権利を有するユーザであることを示すユーザIDを入力するためのログイン画面を表示部172に表示させる。また、表示制御部202は、前述のようにUSBメモリMの取り外しを促したり指示したりする前記報知画面や警告画面などの各種画面を表示部172に表示させる。図3に前記ログイン画面の一例を示し、図4に前記報知画面の一例を示し、図5に警告画面の一例を示す。
【0058】
図3に示すように、ログイン画面G1は、ユーザIDの入力を促すメッセージM1と、操作部17により入力された文字や数字を表示するボックスB1とを有する。図4に示すように、報知画面G2は、USBメモリMを取り外すことができる旨を示すメッセージM2と、このメッセージM2の内容をユーザ自身が認識した旨を画像形成装置10に入力するための入力ボタンB2とを有する。図5に示すように、警告画面G3は、USBメモリMが装着されたままであり、該USBメモリMを取り外す指示を示す旨のメッセージM3と、このメッセージM3の内容をユーザ自身が認識した旨を画像形成装置10に入力するための入力ボタンB3と、ログイン画面G1で入力したユーザIDを表示する表示領域B3とを有する。
【0059】
ここで、本実施形態では、図4,図5に示すように、前記報知画面G2と前記警告画面G3との画面サイズは同一ではなく、USBメモリMの取り外しをユーザに気付かせやすくし、また、USBメモリMの取り外しを強く促すため、前記警告画面G3は前記報知画面G2より画面サイズが大きく設定されている。表示部172及び表示制御部202により、第1の表示部及び第2の表示部が構成される。
【0060】
図2に戻り、認証処理部203は、USBメモリ装着検出部201により取得されたメモリ識別情報と、前記ログイン画面G1で入力されたユーザIDとの組み合わせが、前記テーブル記憶部211に予め登録されているテーブル内に存在するか否かを照合するものである。
【0061】
入力受付部204は、前記表示部172に対するタッチ操作や操作キー171に対する押圧操作による、ジョブの入力や前記ユーザIDの入力を受け付けるものである。入力受付部204は、ジョブ入力受付部及びユーザ情報入力受付部に相当する。
【0062】
ジョブ実行指示部205は、入力受付部204により受け付けられた入力に対応するジョブ、例えば画像形成動作を当該画像形成装置10内の各部に実行させるものである。
【0063】
図6,図7は、USBメモリMの取り外し防止に係る制御部200の処理を示すフローチャートである。
【0064】
図6に示すように、画像形成装置10に対して何らかの操作があると(ステップ♯1でYES)、USBメモリ装着検出部201は、その操作が、USBメモリMを前記USB装着部23に装着する操作であるか否かを検出する(ステップ♯2)。
【0065】
USBメモリ装着検出部201が、ステップ♯1で行われた操作が、USBメモリMを前記USB装着部23に装着する操作ではないことを検出した場合には(ステップ♯2でNO)、ジョブ実行指示部205は、ジョブの実行指示があるまで待機し(ステップ♯3でNO)、ジョブの実行指示があると(ステップ♯8でYES)、そのジョブを画像形成装置10内の各部に実行させる(ステップ♯4)。
【0066】
一方、ステップ♯1で行われた操作がUSBメモリMを前記USB装着部23に装着する操作であることを前記USBメモリ装着検出部201が検出した場合には(ステップ♯2でYES)、該USBメモリMの個体を識別するためのメモリ識別情報を前記USBメモリMから取得し、表示制御部202は、前記認証処理部203からの要求を受けて、図3に示すようなログイン画面G1を表示部172に表示させる(ステップ♯5)。認証処理部203及び入力受付部204は、このログイン画面G1においてユーザIDが入力されるまで待機し(ステップ♯6でNO)、入力受付部204が、入力されたユーザIDを受け付けると(ステップ♯6でYES)、認証処理部203は、そのユーザIDとUSBメモリ装着検出部201により取得されたメモリ識別情報との組み合わせが前記テーブル記憶部211に登録されているものであるか否かの照合を行う(ステップ♯7)。
【0067】
認証処理部203は、前記組み合わせが前記テーブル記憶部211に登録されているものではないと判断した場合には(ステップ♯8でNO)、認証処理部203及び表示制御部202は、表示部172を用いてその旨を報知する処理を行い(ステップ♯9)、再度、適切なユーザIDを入力する機会を与えるべくステップ♯5の処理に戻る。
【0068】
一方、認証処理部203は、前記組み合わせが前記テーブル記憶部211に登録されているものと一致したと判断した場合には(ステップ♯8でYES)、ジョブ実行指示部205及び入力受付部204は、ジョブの実行指示があるまで待機し(ステップ♯10でNO)、入力受付部204がジョブの実行指示を受け付けると(ステップ♯10でYES)、ジョブ実行指示部205は、そのジョブがUSBメモリMに格納されているデータに対するジョブの実行指示であるか否かを判断する(ステップ♯11)。
【0069】
ジョブ実行指示部205は、ステップ♯10で実行指示がなされたジョブが、USBメモリMに格納されているデータに対するジョブの実行指示でないと判断した場合には(ステップ♯11でNO)、ステップ♯4の処理を実行する一方、ステップ♯10で実行指示がなされたジョブが、USBメモリMに格納されているデータのうち或るデータに対するジョブの実行指示であると判断した場合には(ステップ♯11でYES)、そのジョブの対象データをコピーして、そのコピーデータを内部記憶部210に格納する処理を行う(ステップ♯12)。
【0070】
そして、ジョブ実行指示部205は、コピーデータを内部記憶部210に格納する処理が完了すると(ステップ♯13でYES)、ステップ♯10で実行指示されたジョブを画像形成装置10の各部に実行させるとともに、図7に示すように、表示制御部202は、図4に示すような報知画面G2を表示部172に表示させる(ステップ♯14)。
【0071】
次に、USBメモリ装着検出部201は、ジョブの実行中に、USBメモリMがUSB装着部23から取り外されたか否かを一定周期で検出し(ステップ♯15)、前記USBメモリMが取り外されたことを検出すると(ステップ♯15でYES)、表示制御部202は、前記報知画面G2を消去する(ステップ♯16)。
【0072】
一方、USBメモリ装着検出部201は、USBメモリMがUSB装着部23から取り外されていないことを検出すると(ステップ♯15でNO)、表示制御部202は、前記報知画面G2の表示状態を維持する。
【0073】
その後、ジョブが完了すると(ステップ♯17でYES)、認証処理部203は、ログアウト処理を行い(ステップ♯18)、USBメモリ装着検出部201は、USBメモリMがUSB装着部23に装着されているか否かを検出する(ステップ♯19)。ログアウト処理は、ステップ♯7でユーザIDの認証を受けたユーザ以外のユーザによる操作の他、前記認証を受けたユーザが再度ユーザIDの認証を受けないと画像形成装置10に対する操作も該装置10に受け付けられないようにする処理である。
【0074】
その結果、USBメモリMが前記USB装着部23に装着されていないことをUSBメモリ装着検出部201が検出した場合には(ステップ♯19でNO)、制御部200は一連の処理を終了する一方、USBメモリMが未だ前記USB装着部23に装着されていることを前記USBメモリ装着検出部201が検出した場合には(ステップ♯19でNO)、表示制御部202は、例えば図5に示すような警告画面G3を表示部172に表示させる(ステップ♯20)。この警告画面G3は、前述したように、USBメモリMの取り外しをユーザに気付かせやすくし、また、USBメモリMの取り外しを強く促すため、前記報知画面G2より画面サイズが大きく設定されたものである。
【0075】
そして、USBメモリ装着検出部201は、USBメモリMがUSB装着部23から取り外されたか否かを一定周期で検出し、前記USBメモリMが取り外されていないことを検出している間は(ステップ♯21でNO)、制御部200は、ログインの禁止処理を行って(ステップ♯22)、ステップ♯20の処理に戻る。
【0076】
ログインの禁止処理は、例えば、表示制御部202が前記ログイン画面G1を表示せず、前記警告画面G3を表示し続ける処理である。なお、ログインの禁止処理は、ログイン画面G1を表示するが、認証処理部203がユーザIDの入力を受け付けない処理、若しくは、認証処理部203が受け付けたユーザIDの照合を行わない処理でもよい。
【0077】
このログインの禁止処理を行うことにより、他のユーザは、前記外部記憶装置を前記外部記憶装置装着部から取り外すまでユーザ情報の入力を行えなくなるから、他のユーザによって、USBメモリMがUSB装着部23から取り外される状況を作り出すことができ、ログインしたユーザIDを前記警告画面G3に表示するだけの形態よりも、さらに、善意の他のユーザが、警告画面G3に表示されているユーザIDを視認してUSBメモリM(データ)の持ち主に手渡す状況が生じるのを期待することができる。
【0078】
一方、USBメモリ装着検出部201が、USBメモリMがUSB装着部23から取り外されたことを検出すると(ステップ♯21でYES)、表示制御部202は、前記警告画面G3の表示を消去し(ステップ♯23でNO)、制御部200は、一連の処理を終了する。
【0079】
以上のように、本実施形態では、USBメモリMに格納されているデータのうち或るデータに対するジョブの実行指示がなされた場合に、そのジョブの対象データのコピーデータを内部記憶部210に格納するようにし、内部記憶部210への前記コピーデータの格納完了時とジョブの完了時とに、それぞれUSBメモリMの取り外しを促す又は指示する前記報知画面G2及び警告画面G3を表示部172に表示し、且つ、前記警告画面G3の画面サイズを前記報知画面G2の画面サイズより大きくしたので、USBメモリMの取り外しを1つの画面で単調に促す形態に比して、USBメモリMを取り外すべきことをより容易にユーザに気付かせることができ、より確実に、USBメモリMの取り外しを行わせることができる。
【0080】
また、前記報知画面G2が表示部172に表示されているときに、USBメモリMが取り外されなくても、実行指示がなされたジョブを実行するようにしたので、従来技術のように、ジョブの実行開始タイミングが、ジョブの実行指示入力タイミングから大幅に遅延する状況が発生するのを回避することができる。
【0081】
以上により、画像形成装置10の利便性をできるだけ低下させることなく、USBメモリMの取り外し忘れを防止することができる。
【0082】
また、前記警告画面G3を表示する際に、ログインしたユーザIDも表示するようにしたので、前記警告画面G3を表示してもなおUSBメモリMの取り外しを忘れた場合であっても、他のユーザは、該USBメモリMを忘れたユーザが℃のユーザであるのか知ることができ、善意の他のユーザが、そのユーザIDを視認してUSBメモリM(データ)の持ち主に手渡す状況が生まれるのを期待することができる。
【0083】
ログイン画面G1で入力したユーザIDを警告画面G3で表示するようにしたので、USBメモリMの所有者がUSB装着部23から取り外すのを忘れた場合に、次に当該画像形成装置10を利用しようとするユーザは、そのUSBメモリMを取り外すのを忘れたユーザがどのユーザであるのか知ることができ、善意の他のユーザが該USBメモリMを取り外して前記所有者に渡すという状況が発生するのを期待することができる。
【0084】
本件は、前記実施形態に代えて、或いは前記実施形態に加えて、次のような変形形態も採用可能である。
【0085】
(1)前記実施形態では、USB装着部23に装着されたUSBメモリM内の或るデータに対するジョブの実行がユーザにより指示されると、そのデータのみをコピーし、該コピーデータを内部記憶部210に格納するようにしたが、USB装着部23に装着されたUSBメモリM内のデータに対するジョブの実行がユーザにより指示されると、そのジョブの実行指示対象のデータを含むUSBメモリM内の全てのデータをコピーし、該コピーデータを内部記憶部210に格納するようにしてもよい。
【0086】
(2)前記実施形態では、前記警告画面G3として、前記報知画面G2の画面サイズより大きい画面としたが、これに限らず、例えば画面を点滅する表示態様の画面や、輝度の高い色や複数の色を用いた表示態様の画面でもよい。要は、視覚的に強調された表示態様でメッセージ等を表示した画面であればよい。
【0087】
(3)USBメモリMの取り外し忘れを、前記警告画面G3の表示とともに音で報知するようにしてもよい。
【0088】
(4)本件における外部記憶装置は、USBメモリMに限定されず、SDカード等の記録媒体も含む。また、本件発明の適用対象は、画像形成装置に限定されるものではなく、スキャナ等の画像読取装置も含む。
【符号の説明】
【0089】
10 画像形成装置
200 制御部
201 表示制御部
202 認証処理部
203 入力受付部
204 ジョブ実行指示部
205 USBメモリ装着検出部
210 内部記憶部
23 USB装着部
231 USB端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部記憶装置が装着される外部記憶装置装着部と、
前記外部記憶装置装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているデータに対するジョブの実行指示を入力するためのジョブ入力操作部と、
前記ジョブ入力操作部による入力を受け付けるジョブ入力受付部と、
前記ジョブ入力受付部により前記入力が受け付けられると、前記ジョブの実行指示対象のデータを含む前記外部記憶装置内のデータをコピーし、このコピーデータを記憶する内部記憶部と、
前記内部記憶部に前記コピーデータが記憶されると、前記外部記憶装置を前記外部記憶装置装着部から取り外す作業の実行を促す第1の案内画面を表示する第1の表示部と、
前記内部記憶部に前記コピーデータが記憶されると、このコピーデータを用いて、前記ジョブ入力受付部により受け付けられた入力に係るジョブを当該画像処理装置の各部に実行させるジョブ実行指示部と、
前記ジョブ実行指示部の指示に基づき実行されたジョブが完了すると、前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されているか否かを検出する第1の装着状態検出部と、
前記第1の装着状態検出部により前記外部記憶装置装着部に外部記憶装置が装着されていることが検出されると、前記外部記憶装置を前記外部記憶装置装着部から取り外す作業の実行を促す第2の案内画面を前記第1の案内画面より視覚的に強調された表示態様で表示する第2の表示部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の表示部は、前記第2の案内画面を前記第1の案内画面より大きな画面サイズで表示するものである請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記内部記憶部は、前記ジョブ入力受付部により前記入力が受け付けられると、前記ジョブの実行指示対象のデータのみをコピーし、このコピーデータを記憶するものである請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
ユーザを識別するためのユーザ情報を入力するためのユーザ情報入力操作部と、
ユーザを識別するためのユーザ情報と外部記憶装置を識別するための外部記憶装置識別情報とを対応付けたテーブルを予め記憶する識別情報記憶部と、
前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されると、前記識別情報記憶部に予め記憶されているユーザ情報の入力を要求するユーザ情報入力要求部と、
前記ユーザ情報入力操作部により入力されたユーザ情報を受け付けるユーザ情報入力受付部と、
前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されると、この外部記憶装置の外部記憶装置識別情報を検出する外部記憶装置識別情報検出部と、
前記ユーザ情報入力受付部により受け付けられたユーザ情報及び前記外部記憶装置識別情報検出部により検出された外部記憶装置識別情報と前記識別情報記憶部により予め記憶されている前記テーブルとを照合することにより、前記外部記憶装置装着部に装着された前記外部記憶装置内のデータを用いて当該画像処理装置にジョブを行わせようとするユーザが当該外部記憶装置を利用する権利を有するユーザであるか否か判断し、そうであるとき、前記ジョブ入力操作部によるジョブ実行指示の入力の受け付けを前記ジョブ入力受付部に許可する認証処理部と
を有する請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2の表示部は、前記第1の装着状態検出部により前記外部記憶装置装着部に外部記憶装置が装着されていることが検出されると、前記ジョブ実行指示部の指示に基づき今回実行されたジョブを当該画像処理装置で実行させるにあたって前記認証処理部で認証されたユーザ情報を前記第2の画面に表示する請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第2の表示部により前記第2の画面が表示された後、前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されているか否かを検出する第2の装着状態検出部を更に備え、
前記ジョブ入力受付部は、前記外部記憶装置装着部に前記外部記憶装置が装着されていることが前記第2の装着状態検出部により検出されているときには、前記外部記憶装置装着部から前記外部記憶装置が取り外されるまで、前記ジョブ入力操作部に対する新たなジョブの実行指示の入力を受け付けない請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−67992(P2011−67992A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219617(P2009−219617)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】