説明

画像処理装置

【課題】省電力の状態から復旧処理を行うときの騒音を低減するための手段を提供する。
【解決手段】原稿から画像データを読み取る原稿読取部と、画像データをもとに印刷用紙に印刷を行う画像形成部とを備える画像処理装置であって、復旧処理の情報を記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段に記憶された復旧処理の情報が静音による復旧処理を示す内容のとき、省電力の状態から復旧処理を行う際に、各部の動作を低速で行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿から画像データを読み取るファクシミリやプリンタ等の画像処理装置に関し、特に省電力モードからの復旧処理のときに発生する騒音を低減するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理装置は、消費電力削減のために各部への電力供給を制限したパワーセーブ待機状態で待機することがあり、そのパワーセーブ待機状態から操作スイッチの所定の操作等のメイン電源の投入要因が発生したときに、各部への電力供給を再開して各部を作動させている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−56869号公報(段落「0037」−段落「0043」、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、パワーセーブ待機状態から各部への電力供給を再開して各部を動作させるときには、各部のウォーミングアップ動作を行っているため、装置内に配されたモータの駆動音やローラの回転音等によって騒音が大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、原稿から画像データを読み取る原稿読取部と、画像データをもとに印刷用紙に印刷を行う画像形成部とを備える画像処理装置であって、復旧処理の情報を記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段に記憶された復旧処理の情報が静音による復旧処理を示す内容のとき、省電力の状態から復旧処理を行う際に、各部の動作を低速で行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
これにより、本発明は、パワーセーブ待機状態等の省電力の状態から、ウォーミングアップ動作等による復旧処理を行う際に発生する騒音を抑え、静音性を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の画像処理装置の構成を示すブロック図
【図2】原稿読取部を示す構成図
【図3】原稿送り部を示す概略構成図
【図4】フラットベット部を示す上面図
【図5】復旧設定処理を示すフローチャート
【図6】省電力モード切替処理を示すフローチャート
【図7】実施例1の画像処理装置の復旧処理を示すフローチャート
【図8】実施例2のサイレントモード有効時間の設定処理を示すフローチャート
【図9】実施例2の画像処理装置の復旧処理を示すフローチャート
【図10】実施例3の画像データ送信処理を示すフローチャート
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、図面を参照して本発明による画像処理装置の実施例について説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は実施例1の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は使用者がセットした原稿の画像データを取得する印刷機やファクシミリ等の画像処理装置であり、オペレータパネル部2、原稿読取部3、通信部4、画像形成部5、制御部6、記憶部7、電源部8等によって構成される。
【0010】
オペレータパネル部2は、テンキー等の入力キーを配した入力部と、入力部による入力内容等を表示するLCD等の表示部とを有し、使用者が原稿の画像データ取得の指示入力等を行うために使用される。
画像読取部3は、使用者が給紙トレイ上にセットした原稿を取り込んで搬送する原稿送り部と原稿から画像データを読み取るフラットベット部とを備えており、原稿送り部とフラットベット部の構成については後述する。
【0011】
通信部4は、専用回線等の通信回線を介して外部ファクシミリと通信可能に接続し、画像データの送受信を行う機能を有する。
画像形成部5は、印刷用紙を収納した図示しない用紙収納部内の印刷用紙を搬送する搬送機構や、搬送した印刷用紙に画像データに基づく印刷を行うための印刷処理機構等を備えている。
【0012】
制御部6は、記憶部7に格納された制御プログラムに従って、各部を制御して画像データ取得処理や印刷処理等を遂行する。
また、制御部6は画像データ取得処理や印刷処理を所定時間(例えば、10分間)遂行していないときに、消費電力を小さくするために原稿読取部3や画像形成部5への電力供給を低減させる省電力モードに切替える省電力モード切替処理を行う。
【0013】
記憶部7は、画像データ取得処理や印刷処理、省電力モード切替処理、省電力モードから各部の立ち上げを行う復旧処理等に関する制御プログラムを格納し、制御部6による処理結果等を記憶する。
また、記憶部7は復旧処理に関し、通常通りの復旧処理を遂行するための通常復旧処理のプログラムと、発生する騒音を抑えて静音による復旧処理を遂行するための静音復旧処理のプログラムとを格納している。
【0014】
そのため、本実施例において制御部6は、通常復旧処理のプログラムに基づく通常復旧モードあるいは、静音復旧処理のプログラムに基づくサイレントモードによる二種類の復旧処理を行うことが可能となっている。
電源部8は、画像処理装置1の各部に電力を供給する。
【0015】
図2は原稿読取部を示す構成図である。
原稿読取部3は、図2に示すように上部側の原稿送り部10と下部側のフラットベット部30によって構成される。
11は原稿載置ガラス面であり、フラットベット部30の上一部となっており、原稿送り部10を持ち上げたときに、外部に露出した状態となって画像データの読取対象となる原稿が載置される。
【0016】
図3は原稿送り部を示す概略構成図である。
図3において、12は給紙トレイであり、画像データの読取り対象となる原稿がセットされる。
13は分離機構であり、給紙トレイ12の下流側に配されたピックアップローラ14と、ピックアップローラ14を下方から押圧する分離片15とからなり、給紙トレイ12にセットされた原稿をピックアップローラ14と分離片15との間を通過させることで、1枚ずつ分離して搬送路16へと送り出す。
【0017】
搬送路16は、途中に搬送方向の上流から順にホッピングローラ17、搬送ローラ部18、スキャンローラ部19を配しており、原稿を送り部ガラス面20上を経由して原稿排出台21へと搬送する。なおスキャンローラ部19は送り部ガラス面20よりも上流側に配されている。
搬送ローラ部18とスキャンローラ部19は、それぞれが2個一対のローラで構成されて原稿を挟持搬送する。
【0018】
22は送り部用モータであり、図示しないギア列やベルトを介してピックアップローラ14やホッピングローラ17、搬送ローラ部18、スキャンローラ部19を回転駆動させる。
23は原稿検知センサであり、給紙トレイ上の原稿を検知する。
【0019】
24はスキャンセンサであり、スキャンローラ部19と送り部ガラス面20との間に配されており、原稿の先頭の読み出し位置のタイミングを監視するためのセンサである。
25は排出部であり、上記送り部用モータ22による駆動によって回転する2個1対の排出ローラにより構成されて、送り部ガラス面20を通過した原稿を排出台21へと放出して排出する。
【0020】
ここで、図4はフラットベット部を示す上面図である。
図4において31はキャリッジであり、原稿から画像データを読み取る機能を有する。
32は移動機構であり、キャリッジ移動用モータ33と、キャリッジ移動用モータ33による駆動が伝達して正逆方向に回転する無端状のベルト34とによって構成される機構であって、ベルト34の一部にキャリッジ31が取り付けられキャリッジ移動用モータ33によりベルト34が回転することによって、キャリッジ31を往復移動させる。
【0021】
35はキャリッジシャフトであり、キャリッジ31に挿通してベルト34と平行に延びるシャフトであり、キャリッジ31の水平移動を案内する。
36はキャリブレーションシートであり、キャリッジ31が配されている側の表面に白パターンおよび黒パターンを配した白黒パターンで構成され、キャリッジ31が読み取る画像データの白黒レベルを調整するためのものである。
【0022】
上記のように構成された画像処理装置1の制御部6は、給紙トレイ12にセットされた原稿については分離機構13によって搬送路16に送り出して、キャリッジ31を送り部ガラス面20の下方に移動させておき、搬送路16によって送り部ガラス面20へと原稿を搬送する。
【0023】
制御部6は、送り部ガラス面20の下方まで移動させたキャリッジ31により、送り部ガラス面20を透して、送り部ガラス面20を通過していく原稿から画像データを読み取っていく。
そして、制御部6は送り部ガラス面20を通過した原稿を排出部25によって排出台21に排出すると共に、読み取った画像データをもとに画像形成部5によって印刷処理を実行する。
【0024】
また原稿載置ガラス面11上に原稿が設置されたとき、制御部6はキャリッジ31を原稿載置ガラス面11の一端側の下方から他端側の下方にかけて移動させると共に、原稿載置ガラス面11を透して原稿から画像データを読み取っていく。
そして、制御部6は読み取った画像データをもとに画像形成部5によって印刷処理を実行する。
【0025】
上述した構成の作用について、使用者による省電力モードからの復旧処理を設定する復旧設定処理について、図5に示す復旧設定処理を示すフローチャートを用い、Sで示すステップに従って説明する。
【0026】
S1、制御部6は、使用者がオペレータパネル部2の入力部によって省電力モードからの復旧の設定入力を行うための入力操作がなされたことを認識すると、オペレータパネル部2の表示部に省電力からの復旧時に通常復旧モードあるいはサイレントモードのどちらの復旧処理を行うかを選択させる復旧処理選択画面を表示する。
使用者は、復旧処理選択画面から通常復旧モードあるいはサイレントモードを指定する入力を行う。
【0027】
S2、制御部6は、復旧処理選択画面で使用者によるモードを指定する入力を受け付けると、その指定されたモードの情報を含めた省電力立ち上げ情報を構成し、その省電力立ち上げ情報を記憶部7に記憶し、復旧設定処理を終了する。
【0028】
次に、図6に示す省電力モード切替処理を示すフローチャートを用い、SAで示すステップに従って、省電力モードに切替えるときの処理について説明する。
SA1、制御部6は、印刷処理や画像データ取得処理等の各種処理を行っていない場合、オペレータパネル部2による使用者からの入力を待つ待機状態となっており、図示しない時計機能によって待機状態が所定の時間経過したことを認識したときに、省電力モードへの切替えを開始する。
【0029】
SA2、制御部6は、原稿読取部3を監視することで、原稿読取部3が画像データ取得処理等を行っていないことを確認してから、電源部8によって原稿読取部3への電力供給を停止する。
SA3、制御部6は、画像形成部5を監視することで、画像形成部5が印刷処理等を行っていないことを確認してから、電源部8によって画像形成部5への電力供給を停止する。
【0030】
SA4、制御部6は、オペレータパネル部2による入力がなされていないことを確認して、使用者がオペレータパネル部2の入力キーを押下したか否かを判断できる程度に電源部8による電力供給量を低減させ、省電力モードへの切替えを終了する。
【0031】
次に復旧処理について図7の実施例1の画像処理装置の復旧処理を示すフローチャートを用い、SBで示すステップに従って説明する。
SB1、制御部6は、省電力モードの最中にオペレータパネル部2の入力キーの押下を認識した際に、復旧処理を開始するため、記憶部7に記憶している省電力立ち上げ情報を読み出す。
【0032】
SB2、制御部6は、読み出した省電力立ち上げ情報に含まれるモードの情報が、通常復旧モードであるか、サイレントモードであるかを判断し、通常復旧モードである場合はステップSB3に進み、サイレントモードである場合はステップSB4に移行する。
【0033】
SB3、制御部6は、省電力立ち上げ情報に含まれるモードの情報が、通常復旧モードであることを判断すると、省電力モードからの復旧処理を通常通りに実行し、復旧処理を終了する。
なお、復旧処理ではオペレータパネル部2や画像読取部3、画像形成部5等の電力供給を制限していた部位への電力供給を行うと共に、画像読取部3と画像形成部5の初期化作業を行う。
【0034】
画像読取部3の初期化作業を行う制御部6は、送り部用モータ22の駆動によってピックアップローラ14やホッピングローラ17、搬送ローラ部18、スキャンローラ部19を一定時間回転(動作)させ、原稿検知センサ23、スキャンセンサ24等によって搬送路16中に原稿が無いことを確認する他、キャリッジ移動用モータ33を駆動することでキャリッジ31をキャリブレーションシート36の下方に移動(動作)させ、キャリブレーションシートの白黒パターンをキャリッジ31で読み取ることで、基準となる白黒データの読み込みと画質調整を行う。またこれによって画像読取部3のウォーミングアップを行う。
【0035】
また、画像形成部5の初期化作業を行う制御部6は、その印刷処理機構を動作させるための駆動を与える図示しない駆動機構を動作させる。その際に印刷処理機構のウォーミングアップを行っていく。
【0036】
SB4、制御部6は、省電力立ち上げ情報に含まれるモードの情報が、サイレントモードであることを判断すると、送り部用モータ22とキャリッジ移動用モータ33、画像形成部5の印刷処理機構を駆動させる図示しない駆動機構等、各モータ及び駆動機構を、通常復旧モードのときの駆動よりも低速で駆動させていき、その後復旧処理を終了する。
なお、サイレントモードによる復旧処理は、送り部用モータ22とキャリッジ移動用モータ33、画像形成部5の印刷処理機構を駆動させる図示しない駆動機構を通常よりも低速で駆動させることから、通常復旧モードに比べて終了までに余分に時間が掛かる。
【0037】
以上説明したように、本実施例では、省電力モードから復旧処理を開始する際に、サイレントモードによる復旧を可能としたことにより、通常よりも騒音の発生を抑えて復旧処理における静音性を向上させることができる。
【実施例2】
【0038】
本実施例の画像処理装置1の構成は上記実施例1の構成と同様であるが、サイレントモードによる復旧処理を行う際に、そのときの時刻に応じてサイレントモードで行うか通常復旧モードで行うかが決まる点が相違する。
そのため、本実施例ではオペレータパネル部2の表示部にサイレントモードで復旧処理を実行する時間帯を設定させる画面を表示した状態で、使用者がオペレータパネル部2の入力部によってサイレントモードを行う時間帯の設定入力をさせるようにする。
【0039】
ここで、図8は実施例2のサイレントモード有効時間の設定処理を示すフローチャートであり、SCで示すステップに従ってサイレントモードによる復旧処理を実行する時間帯を設定させる処理について説明する。
【0040】
SC1、制御部6は、使用者がオペレータパネル部2の入力部によってサイレントモードによる復旧処理を行う場合の時間帯を設定する入力操作を行ったことを認識すると、オペレータパネル部2の表示部にサイレントモードを行う時間帯を入力させるサイレントモード有効時間設定画面を表示する。
使用者は、サイレントモード有効時間設定画面からサイレントモードを行う時間帯を指定する入力を行う。
【0041】
SC2、制御部6は、サイレントモード有効時間設定画面で使用者による時間帯を指定する入力を受け付けると、その指定されたサイレントモード有効時間を記憶部7に記憶し、サイレントモードによる復旧処理を実行する時間帯を決める設定処理を終了する。
【0042】
次に、復旧処理について、図9の実施例2の画像処理装置の復旧処理を示すフローチャートを用い、SDで示すステップに従って説明する。
そのため画像処理装置1は省電力モードの状態となっているものとする。
SD1、制御部6は、省電力モードの最中にオペレータパネル部2の入力キーの押下を認識した際に、復旧処理を開始するため、記憶部7に記憶しているサイレントモード有効時間を読み出す。
【0043】
SD2、制御部6は、現在時刻を図示しない時計機能によって認識し、現在時刻がサイレントモード有効時間の時間帯に含まれているか否かを判断し、含まれていない場合はステップSD3に進み、含まれている場合はステップSD4に移行する。
SD3、制御部6は、現在時刻がサイレントモード有効時間に含まれていないと判断すると、省電力モードからの復旧処理を通常復旧モードによって実行し、復旧処理を終了する。
【0044】
SD4、制御部6は、現在時刻がサイレントモード有効時間に含まれていると判断すると、送り部用モータ22とキャリッジ移動用モータ33、画像形成部5の印刷処理機構を駆動させる図示しない駆動機構を、通常復旧モードのときの駆動よりもゆっくりと駆動させるサイレントモードによって省電力モードからの復旧処理を実行して終了する。
【0045】
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1の効果に加えて、サイレントモードによる復旧処理の時間帯を設定させるようにしたことにより、サイレントモードは通常復旧モードよりも復旧処理が終わるまでに時間が掛かってしまうが、サイレントモードを画像処理装置の使用頻度が低い時間帯で行うようにし、画像処理装置の使用頻度が高い時間帯は通常復旧モードで復旧処理を行わせるようにすれば、使用頻度が高い時間帯において復旧処理を待つ使用者に対して、その待ち時間が増えてしまうのを防止でき、利便性を向上させることができる。
【実施例3】
【0046】
本実施例の画像処理装置1は、上記各実施例の画像処理装置1に予め原稿載置ガラス面11や給紙トレイ上にセットされた原稿から画像データを読み取ってその画像データを外部ファクシミリに送信する予約時刻(送信予約時間という。)の入力を受け付ける点が相違する。
【0047】
なお、画像処理装置1の制御部6は、入力された送信予約時間を記憶部7に記憶しておき、現在時刻が送信予約時間になったときに予めセットされた原稿の画像データを画像読取部3によって読み取り、その画像データを通信部4によって外部ファクシミリに送信する。
【0048】
先ず、送信予約時間を記憶するまでの処理について説明する。
使用者が画像データの送信予約時間とその宛先を入力するための画面を表示する操作をオペレータパネル部2の入力部によって行うと、制御部6はオペレータパネル部2に画像データの送信予約時間の入力欄と宛先の入力欄等を配した画像データ送信予約画面を表示する。このとき使用者は原稿載置ガラス面11や給紙トレイ上に原稿を載置しているものとする。
【0049】
使用者が表示された画像データ送信予約画面の入力欄に送信予約時間と宛先を入力したとき、制御部6は入力された送信予約時間と宛先とを関連づけて記憶部7に記憶する。
【0050】
次に、省電力モードの途中で画像処理装置1が記憶している送信予約時間に従って画像データを外部ファクシミリに送信するときの処理を、図10の実施例3の画像データ送信処理を示すフローチャートを用いてSEで示すステップに従って説明する。
【0051】
SE1、制御部6は、通常の待機状態でも省電力モードの状態であっても図示しない時計機能によって現在時刻を認識すると共に、その現在時刻を記憶している送信予約時間と比較し、現在時刻が送信予約時間となったことを確認する。
SE2、制御部6は、送信予約時間と現在時刻とを比較した結果、一致していることを確認したときに省電力モード中であるか否かを判断し、省電力モード中である場合は次のステップSE3に進み、省電力モード中ではない場合はステップSE7に移行する。
【0052】
SE3、制御部6は、省電力モード中であることを確認したとき、次の省電力モードへの切替えまでの時間帯に処理する他の送信予約時間または印刷予約を記憶している場合はステップSE6に進み、他の送信予約時間または他の印刷データを記憶していない場合はステップSE4に移行する。
【0053】
SE4、制御部6は、省電力モードへの切替えまでの時間帯に別の送信予約時間を記憶していないとき、省電力モードで電力供給を制限している部位の内、原稿読取部3に限定して復旧処理に伴う電源部8による電力供給を行う。
これはこの復旧処理は送信予約時間が入力された画像データの送信に関するものであり、画像形成部5の機能が直ぐに必要となるものではなく、必要最低限の機能のみを復旧させるためである。
【0054】
SE5、制御部6は、電源部8によって電力供給を行っている原稿読取部3の復旧処理を行い、その復旧処理が完了したことを認識したとき、後述のステップSE7に移行して予め原稿載置ガラス面11や給紙トレイ上に載置されている原稿の画像データを読み取り処理を行う。
【0055】
SE6、制御部6は、上記ステップSE3で次の省電力モードへの切替えまでの時間帯に処理する他の送信予約時間または印刷予約を記憶していることを確認したとき、原稿読取部3および画像形成部5の復旧処理を含む、省電力モードで制限していた全ての部位へ復旧処理に伴う電力供給を行って復旧処理を行い、その復旧処理が完了したことを認識したとき、後述のステップSE7に進んで予め原稿載置ガラス面11や給紙トレイ上に載置されている原稿の画像データを読み取り処理を行う。
【0056】
なお、上記ステップSE5、SE6において実行する復旧処理は上記実施例2と同様に復旧処理におけるサイレントモードを実行する時間帯が設定されているものとし、復旧処理を開始した時間帯に応じて通常復旧モードとサイレントモードの何れか一方を実行しているものとする。
【0057】
SE7、制御部6は、現在時刻と同じ時間になった送信予約時間に関連づけられた宛先を記憶部7から読み出しておき、予め原稿載置ガラス面11や給紙トレイ上に載置されている原稿の画像データを画像読取部3によって読み取る。
SE8、制御部6は、上記ステップSE3で読み出した宛先の外部ファクシミリに、読み取った画像データを通信部4によって送信し、画像データ送信処理を終了する。
【0058】
以上説明したように、本実施例は、上記各実施例の効果に加えて、画像データ送信のために復旧処理を行う場合に、送信後の待機状態から省電力モードに切替える所定時間内に他の送信予約時間を記憶していない場合に、原稿読取部に限定して復旧処理を行うので、より節電を図ることができると共に、画像形成部を動作させない分、画像形成部の寿命を延ばすことができる。
【0059】
なお、上記実施例3においては、予め原稿が原稿載置ガラス面11や給紙トレイ上にセットされたものとして説明したが、これに限らず図示しない送信予約の原稿をセットする予約用原稿トレイと予約用原稿トレイ上の原稿を搬送路16へと送り出す図示しない取込ローラ等を設けるようにし、送信予約時間となったときには予約用原稿トレイ上の原稿を搬送し、その画像データを読み取るようにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 画像処理装置
2 オペレータパネル部
3 原稿読取部
4 通信部
5 画像形成部
6 制御部
7 記憶部
8 電源部
10 原稿送り部
11 原稿載置ガラス面
12 給紙トレイ
13 分離機構
14 ピックアップローラ
15 分離片
16 搬送路
17 ホッピングローラ
18 搬送ローラ部
19 スキャンローラ部
20 送り部ガラス面
21 原稿排出台
22 送り部用モータ
23 原稿検知センサ
24 スキャンセンサ
25 排出部
30 フラットベット部
31 キャリッジ
32 移動機構
33 キャリッジ移動用モータ
34 ベルト
35 キャリッジシャフト
36 キャリブレーションシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿から画像データを読み取る原稿読取部と、画像データをもとに印刷用紙に印刷を行う画像形成部とを備える画像処理装置であって、
復旧処理の情報を記憶する記憶手段を有し、
前記記憶手段に記憶された復旧処理の情報が静音による復旧処理を示す内容のとき、省電力の状態から復旧処理を行う際に、各部の動作を低速で行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
入力手段によって通常か静音かの復旧処理の種別を特定する入力がなされたとき、その入力された種別を復旧処理の情報として前記記憶手段に記憶し、
前記記憶手段に記憶した種別が静音による復旧処理であるとき、省電力の状態から復旧処理を行う際に、各部の動作を低速で行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理装置において、
入力手段によって、静音による復旧処理を行う時間帯を指定する入力がなされたとき、その時間帯を復旧処理の情報として前記記憶手段に記憶し、
省電力の状態から復旧処理を行う際、現在時刻を取得し、前記記憶手段から静音による復旧処理を行う時間帯を読み出し、読み出した時間帯に現在時刻が含まれるとき、各部の動作を低速で行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3に記載の画像処理装置において、
外部装置に画像データを送信する通信部を設け、
待機状態が所定時間続いた場合に省電力の状態に切替えるようにし、
入力手段によって画像データの送信予約時間が入力されたとき、その送信予約時間を前記記憶手段に記憶しておき、
省電力の状態の間に、前記記憶手段に現在時刻と一致する送信予約時間があり、かつ前記所定時間内に他の送信予約時間を記憶していない場合、前記原稿読取部に対してのみ復旧処理を行い、予めセットされた原稿から前記原稿読取部によって画像データを読み取り、その画像データを前記通信部により外部装置に送信することを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−93617(P2012−93617A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242087(P2010−242087)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】