画像出力装置、画像出力方法
【課題】各種のアスペクト比の存在する画像再生表示の際に快適な表示を実現する。
【解決手段】ハイビジョンパネル機器に16:9の画像データを出力するために、元画像データとのアスペクト比との関係に応じて必要な画像変換処理(例えば切出し処理を伴うワイドズーム画像変換)を行って画像信号を生成する。このとき、本体に設けられている表示部に対しては、常に元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像データを生成して表示出力させる。ユーザはハイビジョンパネル機器での表示を楽しみながら、本体の表示部側で、常に元画像データの画像内容全体を確認できる。また本体の表示部側でハーフトーン表示HTなどで、外部機器側では表示されない画像部分を提示することで、ユーザにとって外部機器での画像表示の状態がわかりやすいものとなる。
【解決手段】ハイビジョンパネル機器に16:9の画像データを出力するために、元画像データとのアスペクト比との関係に応じて必要な画像変換処理(例えば切出し処理を伴うワイドズーム画像変換)を行って画像信号を生成する。このとき、本体に設けられている表示部に対しては、常に元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像データを生成して表示出力させる。ユーザはハイビジョンパネル機器での表示を楽しみながら、本体の表示部側で、常に元画像データの画像内容全体を確認できる。また本体の表示部側でハーフトーン表示HTなどで、外部機器側では表示されない画像部分を提示することで、ユーザにとって外部機器での画像表示の状態がわかりやすいものとなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像出力装置、画像出力方法に関し、特に本体に表示パネルを有するとともに、外部機器での表示のために画像信号を出力できるようにされている機器に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2005−109927号公報
【特許文献2】特開2007−96774号公報
【特許文献3】特開2006−215320号公報
【0003】
現在、例えばテレビジョン受像器やモニタディスプレイ装置などとして、アスペクト比(画像の横:縦の比)が16:9の映像信号に適した16:9型の表示パネル(以下「ハイビジョンパネル」という)を備えた表示装置が普及している。
それに伴い、ハイビジョンパネルにデジタルスチルカメラなどで撮像された画像を表示させて楽しむという使用態様も広く行われている。
【0004】
但し、デジタルスチルカメラなどで撮像された画像としては、多様なアスペクト比の画像が混在していることが多く、アスペクト比が16:9以外の画像の場合、ハイビジョンパネル機器に出力する画像信号としては、16:9のアスペクト比に適合した画像信号への変換処理が必要となる。
【0005】
このようなアスペクト比に応じた変換処理は、従来より各種機器で行われている。例えばハイビジョンパネルを有するテレビジョン受像器において受信した映像信号のアスペクト比が4:3である場合は、そのアスペクト比4:3の画像信号から、アスペクト比16:9のハイビジョン映像信号を生成して表示出力している。
このような場合の従来の映像変換手法を図13,図14に示す。
図13(a)は、アスペクト比4:3の元の画像データである。この元画像データから、ハイビジョンパネルに出力する映像信号を生成する場合は、図13(b)のように、4:3の元画像を16:9の大きさに変倍し、さらに変倍された画像の左右に黒帯BBを付けるという手法がある。
また、図13(c)の元画像から図13(d)で示すように、4:3画像を16:9に水平方向に伸ばして変倍する変換方法もある。
さらに図14に示す手法も知られている。この場合、図14(a)の4:3の元の画像について、16:9の比率となる一部を切出し、これを拡大して、図14(c)のように16:9のパネルに出力する。
なお、この場合、図14(b)において斜線部として示す画像内容はパネル表示されないものとなる。つまり画像内容の一部が破棄されて表示される。
【0006】
これらの手法はそれぞれ長短がある。
図13(b)の表示では、画像自体の変形や画像内容の一部破棄はないが、黒帯BBによって違和感を感じたり、ハイビジョンパネル全体が有効利用されないとうことがある。
図13(d)の表示では、黒帯による短所はないが、画像が横方向に変形してしまう。
図14(c)の場合は、ハイビジョンパネル全体を有効利用し、また画像の変形もないが、画像内容の一部が棄てられてしまう(表示されない)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば上述のようにデジタルスチルカメラで撮像した画像データを、ハイビジョンパネルで楽しむという使用形態を考えた場合に、撮像した画像データとして多様なアスペクト比の画像データが存在すること考慮すれば、上記図13,図14のような手法を利用することで、元の画像データ(撮像画像データ)から16:9の画像信号を生成すればよい。
但し上述のように、各処理手法のそれぞれにおいて長短があるため、複数の手法をユーザが好みに応じて切り換えることができるようにするとよい。
例えばワイドズームモードをオン(入)/オフ(切)できるようにし、これによって図13(b)の処理と、図14の処理が切り換えられるようにするなどである。即ちワイドズームモードとした場合は、図14のように元画像からの画像の切出し及び拡大を行って16:9の画像信号としてハイビジョンパネル機器に供給することで、黒帯BBの無い画像表示を行うが、ワイドズームモードをオフとした場合は、図13(b)のように、変倍処理と黒帯付加処理を行って、黒帯BBを付加した表示を行うようにする。
【0008】
その一方で、ユーザにとっては、常に元の画像の全体を確認したいという要望もある。例えば図14のように元の画像の一部の切出しが行われて16:9の画像信号が生成されるような場合、切出し部分以外の棄てられた部分の画像は表示されない。特にユーザが自分でデジタルスチルカメラで撮像した画像をハイビジョンパネル機器を使用して見ているような場合、ワイドズームモードの画像と同時に、元の画像全体を見たいという要望もある。
【0009】
そこで本発明は、例えばデジタルスチルカメラのように、本体に表示パネルを有するとともに、外部機器での表示のために画像信号を出力できるようにされている機器において、
ユーザに対して好適な画像出力を行うことができるようにすること、特にはハイビジョンパネル機器等での画像表示出力を行っている際に、常に画像内容の全体をユーザが確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像出力装置は、外部機器に対しての第1のアスペクト比の画像データを出力するためのデータ処理を行う第1の画像データ出力処理部と、機器本体に設けられ第2のアスペクト比の表示パネルを備える表示部と、上記表示部に対しての第2のアスペクト比の画像データを出力するためのデータ処理を行う第2の画像データ出力処理部と、画像変換処理部とを備える。この画像変換処理部は、表示出力対象とする元画像データのアスペクト比と、上記第1のアスペクト比との関係に応じた画像変換処理を行って上記第1のアスペクト比の画像データを生成し、上記第1の画像データ出力処理部に供給すると共に、上記元画像データのアスペクト比と、上記第2のアスペクト比との関係に応じ、かつ上記元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像変換処理を行い、上記元画像データの画像内容の全てを含んだ状態で上記第2のアスペクト比となる画像データを生成して上記第2の画像データ出力処理部に供給する。
【0011】
また、上記画像変換処理部は、上記第1のアスペクト比の画像データの生成のための画像変換処理において元画像データの画像内容の一部の切り出し処理を行う場合には、上記第2のアスペクト比の画像データを生成する画像変換処理では、上記第2のアスペクト比の画像データとして、上記第1のアスペクト比の画像データにおいて上記切り出し処理によって棄てられた画像内容部分を提示する画像データを生成する。
また、操作入力に応じてワイドズームモードが設定されるとともに、上記画像変換処理部は、ワイズズームモードとされている際の画像変換処理として、元画像のアスペクト比と上記第1のアスペクト比との関係に応じて、上記切り出し処理を実行する。
また、上記画像変換処理部は、ワイズズームモードとされている際には、上記元画像データの回転情報を確認し、画像の回転角度が所定の角度の場合に、元画像のアスペクト比と上記第1のアスペクト比との関係に応じて、上記切り出し処理を実行する。
また、上記棄てられた画像内容部分を提示する画像データとは、上記棄てられた画像内容部分をハーフトーン表示する画像データである。
また、記録媒体から画像データを読み出す読出部をさらに備える。そして表示出力対象とする上記元画像データとは、上記読出部によって記録媒体から読み出された画像データである。
【0012】
本発明の画像出力装置は、外部機器に対しての第1の画像データを出力するためのデータ処理を行う第1の画像データ出力処理部と、機器本体に設けられた表示パネルを備える表示部と、上記表示部に対しての第2の画像データを出力するためのデータ処理を行う第2の画像データ出力処理部と、表示出力対象とする元画像データの画像変換処理を行って上記第1の画像データを生成し、上記第1の画像データ出力処理部に供給すると共に、上記元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像変換処理を行い、上記元画像データの画像内容の全てを含んだ状態の画像データを生成して上記第2の画像データ出力処理部に供給する画像変換処理部とを備える。
【0013】
本発明の画像出力方法は、外部機器に対しての第1のアスペクト比の画像データを出力するとともに、機器本体に第2のアスペクト比の表示パネルを備える表示部が設けられている画像出力装置の画像出力方法として、表示出力対象とする元画像データのアスペクト比と、上記第1のアスペクト比との関係に応じた画像変換処理を行って上記第1のアスペクト比の画像データを生成し、外部機器に対して出力するステップと、上記元画像データのアスペクト比と、上記第2のアスペクト比との関係に応じ、かつ上記元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像変換処理を行い、上記元画像データの画像内容の全てを含んだ状態で上記第2のアスペクト比となる画像データを生成して上記表示部において出力するステップとを備える。
【0014】
これらの本発明においては、外部機器である例えばハイビジョンパネル機器に第1のアスペクト比(例えば16:9)の画像データを出力するために、元画像データとのアスペクト比との関係に応じて必要な画像変換処理を行って出力する画像信号を生成するが、本体に設けられている表示部に対しては、常に元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像データを生成して表示出力させる。
つまり、外部機器に出力する画像データと、本体の表示部側での表示に用いる画像データをそれぞれ別の画像変換処理により生成する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像データの表示出力の際に、ハイビジョンパネル機器等の外部機器での表示を楽しみながら、本体の表示部側では、常に元画像データの画像内容全体を確認できるようになり、ユーザにとって好適な画像出力を実現できる。
また、特に本体の表示部側でハーフトーン表示などで、外部機器側では表示されない画像部分を提示することで、ユーザにとって外部機器での画像表示の状態がわかりやすいものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。なお、本発明の画像出力装置の実施の形態としてデジタルスチルカメラ1を挙げる。
[1.デジタルスチルカメラの構成]
[2.画像出力のための構成及び動作]
[3.操作に応じた画像出力]
[4.実施の形態の効果及び変形例]
【0017】
[1.デジタルスチルカメラの構成]
図1は、本実施の形態のデジタルスチルカメラ1と、このデジタルスチルカメラ1に関連する機器としてのハイビジョンパネル機器2、クレードル3、リモートコントローラ4、メモリカード6を示している。
【0018】
デジタルスチルカメラ1は、ユーザが携帯して静止画等の画像撮像を行う機器である。メモリカード6は、このデジタルスチルカメラ1に装填することのできる可搬性記録媒体の一例として示している。メモリカード6は、デジタルスチルカメラ1内に装填されている状態において、デジタルスチルカメラ1で撮像された画像データの保存に用いられる。
デジタルスチルカメラ1には、例えばその本体において、液晶パネル、或いは有機EL(Electroluminescence)パネルなどを用いた表示部17が設けられている。この場合、この表示部17はアスペクト比4:3の画面構造であるとする。
またデジタルスチルカメラ1には、ユーザの各種操作のために各種の操作子18aが設けられている。
【0019】
ハイビジョンパネル機器2は、例えばテレビジョン受像器やハイビジョンモニタ装置などである。このハイビジョンパネル機器2は、アスペクト比16:9の画面で画像表示を行う機器とする。
【0020】
クレードル3は、デジタルスチルカメラ1とハイビジョンパネル機器2を接続するための補助的な機器である。このクレードル3は、デジタルスチルカメラ1を載置することができるとともに、ケーブル5によってハイビジョンパネル機器2と接続される。ケーブル5は、クレードル3の画像信号出力端子と、ハイビジョンパネル機器2の画像信号入力端子の間を接続する。
デジタルスチルカメラ1をクレードル3に載置すると、図示しないコネクタ端子構造により、デジタルスチルカメラ1の画像信号出力(例えばHDMI(High Definition Multimedia Interface)方式の画像出力、或いはコンポーネント画像信号出力等)がクレードル3及びケーブル5を介して、ハイビジョンパネル機器2に供給される状態となる。
【0021】
リモートコントローラ4は、デジタルスチルカメラ1に対しての各種操作入力を行うために用いられる。リモートコントローラ4には、多数の操作キーが配列され、ユーザが操作キーを押すことに応じて、それぞれ所定の操作コマンド信号を赤外線変調信号として出力する。
この赤外線による操作コマンド信号を受信するために、クレードル3には赤外線受光部32が設けられている。赤外線受光部32で受光された赤外線変調信号は、電気信号に変換され、復調処理されて、クレードル3に載置されているデジタルスチルカメラ1に伝えられる。
リモートコントローラ4の操作キーとしては各種の操作キーが用意されているが、例えば拡大して示すように、ワイドズームモードの操作を行うためのワイドズームキー4aや、再生出力する画像の送りを指示する送りキー4bなどが設けられる。これらの操作に応じた表示動作については後述する。
【0022】
図2に、デジタルスチルカメラ1及びクレードル3の内部構成例を示す。
デジタルスチルカメラ1は、コントローラ11、メモリ部12、記録再生部13、撮像部14、信号処理部15、表示制御部16、表示部17、操作部18、クレードル接続部19を有する。
【0023】
コントローラ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ部、インターフェース部を備えたマイクロコンピュータにより構成され、デジタルスチルカメラ1に全体を制御する制御部とされる。
このコントローラ11は内部のROM等に保持したプログラムに基づいて、各種演算処理や各部と制御信号等のやりとりを行い、各部に所要の動作を実行させる。
【0024】
メモリ部12は、RAM領域、不揮発性メモリ領域などを有するものとして示している。例えばRAM領域は各種画像処理に用いるワークRAMとしての用いられる。後述する画像出力動作の際の処理過程の画像データなどの保存等がメモリ部12において行われる。
メモリ部12の不揮発性メモリ領域は、例えば撮像画像データの保存や各種設定状態の記憶などに用いられる。
【0025】
撮像部14は、撮像光学系、撮像素子部、撮像信号処理部等を有する。
撮像部14における撮像光学系とは、撮像レンズ、絞り、ズームレンズ、フォーカスレンズなどを備えて構成されるレンズ系である。またレンズ系に対してフォーカス動作やズーム動作を行わせるための駆動系等が備えられる。
また撮像部14における撮像素子部としては、撮像光学系で得られる撮像光を検出し、光電変換を行うことで撮像信号を生成する固体撮像素子アレイが設けられる。固体撮像素子アレイは、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサアレイや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサアレイとされる。
また撮像部14における撮像信号処理部では、固体撮像素子によって得られる信号に対するゲイン調整や波形整形を行うサンプルホールド/AGC(Automatic Gain Control)回路や、ビデオA/Dコンバータを備え、デジタルデータとしての撮像画像データを得る。また撮像画像データに対してホワイトバランス処理、輝度処理、色信号処理などを行う。
【0026】
これらの撮像光学系、撮像素子部、撮像信号処理部を有する撮像部14により、撮像が行われ、撮像画像データが得られる。
ユーザが撮像操作を行った際に、この撮像部14の撮像動作によって得られた画像データは、コントローラ11による制御に基づいて記録再生部13に装填されているメモリカード6に記録されたり、或いはメモリ部12における不揮発性メモリ領域に記録される。
【0027】
記録再生部13は、コントローラ11による制御に基づいて、メモリカード6に対するデータの書込/読出や、書込/読出に必要なエンコード/デコードを行う。例えば上記のように撮像時に、撮像部14で得られた撮像画像データが供給される場合、記録再生部13は、その撮像画像データについて例えばEXIF(Exchangeable Image File Format)方式のエンコード処理を行ってメモリカード6に画像ファイルとして記録する。
またメモリカード6からの画像ファイルの読出を行う場合、メモリカード6からEXIF形式のファイルデータを読み出し、デコード処理を行って例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式などの画像データを出力する。
なお、記録再生部13は、フラッシュメモリを内蔵した可搬性のメディアであるメモリカード6に対応するものとして示しているが、例えば光ディスク、光磁気ディスク、ホログラムメモリなどの記録媒体に対応する記録再生ドライブなどとされても良い。さらにはHDD(Hard Disk Drive)などとして構成されてもよい。
【0028】
信号処理部15は、画像データについての各種の変換処理を行う。例えばJPEGエンコード/デコード、画像の拡大/縮小処理、切り出し処理、画角変換、解像率変換、出力用エンコードなどを行う。本例の場合、後述するように画像出力の際に必要な処理が、この信号処理部15で行われる。
【0029】
デジタルスチルカメラ1においてユーザに対して表示を行う構成としては、表示部17、表示制御部16が設けられる。
表示部17には、上述したように4:3の画面構造を持つ表示パネルと、該表示パネルを表示駆動する表示駆動部が設けられる。表示駆動部は、供給される画像データを表示パネルに表示させるための画素駆動回路で構成されている。画素駆動回路は表示パネルにおいてマトリクス状に配置されている各画素について、それぞれ所定の水平/垂直駆動タイミングで映像信号に基づく駆動信号を印加し、表示を実行させる。
表示制御部16は、コントローラ11の制御に基づいて、表示部17における画素駆動回路を駆動し所定の表示を実行させる。例えば撮像部14で撮像された画像のモニタ表示や、後述する画像出力の際の表示などを実行させる。
【0030】
操作部18は、例えば図1に示したように各種キー18aや、ボタン、ダイヤル等の操作子を有する。例えば電源オン/オフ操作や、シャッタ操作、ズームの操作、露出の設定操作など、カメラ操作として必要な操作子が形成される。
またリモートコントローラ4での操作と同様に、画像出力の際のワイドズームモード操作や画像送り操作などのための操作子も設けられる。
操作部18では、このような操作子から得られる操作情報をコントローラ11に供給する。コントローラ11は操作情報に対応した必要な演算処理や制御を行う。
なお、本体を用いた操作入力としては、例えば表示部17においてメニュー形式等の画面表示を実行させ、所定の操作子を用いてメニュー項目の選択・決定の操作を行うことによっても可能である。例えばこのようなGUI(Graphical User Interface)入力のための操作子も、操作部18に設けられる。ワイドズームモード操作などは、このGUI入力によるものとしてもよい。
【0031】
クレードル接続部19は、クレードル3にデジタルスチルカメラ1が載置された際に、クレードル3側のカメラ接続部31との間で信号伝送を行う。
即ちクレードル接続部19とカメラ接続部31には、デジタルスチルカメラ1がクレードル3に載置された際に、各種信号端子を電気的に接続する端子構造を備える。
後述するように、ハイビジョンパネル機器2に対して画像信号を供給する場合は、信号処理部15等の処理で形成された出力用の画像信号(アスペクト比16:9のハイビジョン画像信号)が、クレードル接続部19からクレードル3側に出力される。
クレードル3には、HDTV出力部33として、ハイビジョン信号出力用回路が設けられており、このHDTV出力部33の出力端子と、ハイビジョンパネル機器2側の入力端子との間にケーブル5が接続される。
このため、デジタルスチルカメラ1で生成されたハイビジョン画像信号は、クレードル接続部19、カメラ接続部31、HDTV出力部33を介して、ケーブル5によりハイビジョンパネル機器2に供給されることになる。
【0032】
また上記したようにクレードル3には赤外線受光部32が設けられているが、この赤外線受光部32は、リモートコントローラ4から送信されてきた操作コマンド信号を復調し、カメラ接続部31とクレードル接続部19に設けられた信号線により、デジタルスチルカメラ1側(コントローラ11)に供給する。これによってコントローラ11に、リモートコントローラ4による操作情報が入力される。
【0033】
なお、本例ではクレードル3を用いて、デジタルスチルカメラ1から出力されるハイビジョン画像信号がハイビジョンパネル機器2に供給される例において説明を行うが、もちろんクレードル3を使用しないで、デジタルスチルカメラ1からのハイビジョン画像信号出力がハイビジョンパネル機器2に供給されるようにしてもよい。
例えばデジタルスチルカメラ1に、HDTV出力部33と同様の例えばHDMI方式の画像出力回路を設け、その出力端子とハイビジョンパネル機器2の画像信号入力端子の間を所定のケーブルで接続して、デジタルスチルカメラ1からの画像信号出力をハイビジョンパネル機器2に供給するようにしてもよい。
【0034】
以上、デジタルスチルカメラ1及びクレードル3の構成を示したが、これは一例にすぎない。実際に実施される動作例や機能に応じて各種の構成要素の追加や削除は当然考えられる。
【0035】
[2.画像出力のための構成及び動作]
本実施の形態のデジタルスチルカメラ1は、例えばメモリカード6に保存された画像データの出力動作として、ハイビジョンパネル機器2で表示させる際の動作に特徴を有する。
特に本例の場合、出力対象とする元の画像データから、ハイビジョンパネル機器2に出力する信号(説明上「ハイビジョン画像信号」という)を生成する。またデジタルスチルカメラ1の本体に設けられている表示部17で表示させる信号としての画像信号(説明上「本体パネル表示用画像信号」という)を生成する。
以下、このような画像出力動作について説明する。
まず、画像出力動作の実行時の動作のための構成を図3に示す。この図3は、画像出力時の処理の流れに沿って、上記図2の各部の処理機能をブロック化して示したものである。
【0036】
図3に示す各部について説明する。なお、実線で示しているブロックはハードウエアとしての構成部位、破線で示しているブロックはソフトウエアとしての構成部位を示している。ソフトウエアとしての構成各部は、コントローラ11におけるCPUがプログラムに基づく演算処理を行うことで実現される機能部位である。
【0037】
メモリカード6は、上述のように、デジタルスチルカメラ1に装填される記録媒体であるが、以下の説明では、このメモリカード6にEXIF方式の画像ファイルとして保存されている画像データを画像出力動作における元画像データとする。
このメモリカード6に保存された画像ファイルの内容(JPEG方式で圧縮された画像データや、該画像データを含むEXIF形式において付加されている付加データ)は、記録再生部13によって読み出される。
【0038】
メモリ部12には、画像出力処理過程での一時保存のために、図示する各領域が用意される。
EXIFデータ記憶領域41は、メモリカード6から読み出したEXIFデータ(画像に付加された各種属性情報としての付加データ)を保存する領域である。
JPEGデータ記憶領域42は、メモリカード6から読み出したJPEG方式の画像データを保存する領域である。
YCデータ記憶領域43は、JPEG方式の画像データとしての符号化データの復号結果(Y/Cフォーマット)を保存する領域である。
第1ビデオバッファ44は、ハイビジョン画像信号の生成用バッファー領域である。
第2ビデオバッファ45は、本体パネル表示用画像信号の生成用バッファー領域である。
なお、これら各記憶領域は、必ずしもメモリ部12内で固定的な領域とされる必要はない。
【0039】
信号処理部15においては、次の構成が設けられる。
JPEGコーデック部51は、JPEG符号化及び復号用の演算ブロックである。
レゾリューションコンバータ52は、画角と解像率変換用の演算ブロックである。
第1ビデオエンコーダ53は、Y/Cフォーマット画像データから、ハイビジョンパネル機器2に出力するハイビジョン画像信号を生成するエンコード処理ブロックである。
第2ビデオエンコーダ53は、Y/Cフォーマット画像データから表示部17で出力する本体パネル表示用画像信号を生成するエンコード処理ブロックである。
【0040】
またソフトウエア構成として、ワイドズームコントロール部21、EXIFアナライザ22、入力処理部23が設けられる。
ワイドズームコントロール部21は、ワイドズームモードに応じた画像変換制御用プログラム及び該プログラムに基づく演算処理機能を示している。
EXIFアナライザ22は、EXIF情報分析用プログラム及び該プログラムに基づく演算処理機能を示している。
入力処理部23は、各種設定用プログラム及び該プログラムに基づく演算処理機能を示し、この場合は、特にユーザによるワイドズームモード操作の情報を、ワイドズームコントロール部21に伝達する機能として示している。
【0041】
なお、表示制御部16,表示部17は、図2で説明したとおりである。
またクレードル3についても図2と同様であるが、カメラ接続部31(及びクレードル接続部19)については図示を省略している。
【0042】
ここまでの実施の形態の構成において本発明請求項の構成要件に相当する部分は以下のとおりである。
第1の画像データ出力処理部:第1ビデオバッファ44及び第1ビデオエンコーダ53
表示部:表示制御部16及び表示部17
第2の画像データ出力処理部:第2ビデオバッファ45及び第2ビデオエンコーダ54
画像変換処理部:ワイドズームコントロール部21及びレゾリューションコンバータ52
読出部:記録再生部13
【0043】
以下、図4のフローチャートを参照して、本例の画像出力動作を説明する。図4は、図3の各部の動作で実行される画像出力時の動作を示すフローチャートであり、コントローラ11の制御に基づいて図2(図3)の各部が実行する動作である。
なお、図4の各ステップに対応する図3の動作部分をS1〜S9で示す。
【0044】
まず図4のステップF101として。出力対象とする画像データのEXIF情報を取得する。
この場合、コントローラ11の制御に基づき、記録再生部13においてメモリカード6からの読出動作が行われ、出力対象とした画像ファイルにおけるEXIFデータが読み出される。このEXIFデータはメモリ部12のEXIFデータ記憶領域41に読み込まれる(S1)。
【0045】
続いてステップF102で、EXIFデータに基づいて、出力対象とした画像ファイルが再生可能か否かを判断する。この場合、EXIFアナライザ22が、EXIFデータ記憶領域41に読み込まれているEXIFデータの内容を確認し、再生する画像の属性を検査し、再生可否、「ワイドズーム」変換可否を判断する(S2)。また元画像としてのアスペクト比や回転情報も、この時点で検出される。
この際、例えば対応できない形式のファイルであったり、デジタルスチルカメラ1の再生能力を超えたサイズの画像データであるなどで再生不能と判断した場合は、ステップF110に進み、再生出力不能としての警告処理を行う。例えばコントローラ11は表示部17やハイビジョンパネル機器2においてユーザに対して再生不能の警告表示等を実行させる。
【0046】
再生可能であれば、ステップF102からF103に進み、コントローラ11は記録再生部13に指示して、当該画像ファイルにおける実際の画像データの読出を実行させる。記録再生部13においてメモリカード6から読み出された画像データ(JPEG符号化の画像データ)はメモリ部12のJPEGデータ記憶領域42に読み込まれる(S3)。
【0047】
続いてステップF104で画像データのJPEG復号が行われる。コントローラ11は、信号処理部15に指示して、JPEGコーディック部51における復号処理を実行させる。この場合、JPEGデータ記憶領域42の画像データがJPEGコーディック部51に送られ、JPEG画像データ中の符号化データが復号される(S4)。復号結果として得られたY/Cフォーマットの画像データは、メモリ部12のYCデータ記憶領域43に記憶される(S5)。
【0048】
ステップF105では、ハイビジョン画像信号についての画像変換処理を行う。この場合、YCデータ記憶領域43に記憶されたY/Cフォーマットの元画像データについて、ワイドズームコントロール部21による画像変換処理、及びレゾリューションコンバータ52による処理が行われる(S6)。そしてハイビジョン画像として変換された状態のY/Cフォーマットの画像データが第1ビデオバッファ44に記憶される。詳細は図5及び図6〜図9で後述する。
【0049】
また続いてステップF106で、本体パネル表示用画像信号についての画像変換処理を行う。この場合、YCデータ記憶領域43に記憶されたY/Cフォーマットの元画像データについて、ワイドズームコントロール部21による本体表示用としての画像変換処理が必要に応じて行われ、またレゾリューションコンバータ52による処理が行われる(S7)。そして本体パネル表示用画像として変換された状態のY/Cフォーマットの画像データが第2ビデオバッファ45に記憶される。これも詳細は図5及び図6〜図9を用いて後述する。
【0050】
ステップF107では、第1ビデオバッファ44、及び第2ビデオバッファ45に記憶された画像データのエンコード及び出力が行われる。
まず第1ビデオバッファ44に記憶されたハイビジョン画像に変換された画像データについては、第1ビデオエンコーダ53において出力用のエンコード処理が施され(S8)、ハイビジョン画像信号として、クレードル3のHDTV出力部33からハイビジョンパネル機器2に出力されて表示される。
また第2ビデオバッファ45に記憶された本体パネル表示用画像に変換された画像データについては、第2ビデオエンコーダ53において出力用のエンコード処理が施され(S9)、本体パネル表示用画像信号として、表示制御部16に供給され、表示部17で表示出力される。
【0051】
以上の処理動作により、例えばメモリカード6に保存されていた画像が、ハイビジョンパネル機器2と表示部17の両方で表示出力されることになる。
ここで、上記ステップF105,F106の処理、即ち元の画像データからの画像変換処理により、ハイビジョン画像信号及び本体パネル表示用画像信号としての状態の画像信号を生成する処理について図5を参照して説明する。
【0052】
図5におけるステップF151〜F155は図4のステップF105に、またステップF161〜F164は図4のステップF106の処理として、主にワイドズームコントロール部21が実行する処理である。
まずステップF151で、ワイドズームコントロール部21は、ワイドズームモードが「入」か否かを確認する。ワイドズームモード設定は、ユーザがリモートコントローラ4の操作又は本体の操作キー18aを用いたGUI操作等でモード操作を行うことに応じて「入」「切」が設定される。即ち、ユーザ操作に応じて入力処理部23がワードズームモード設定を行うわけであるが、ステップF151では、ワイドズームコントロール部21が現時点でワイドズームモードが「入」であるかを否かを確認する。
【0053】
ワイドズームモードが「切」であった場合は、ワイドズームコントロール部21による処理はステップF154に進んで、16:9のハイビジョン画像信号の生成のため非ワイドズーム画像変換処理を行う。この場合、YCデータ記憶領域43から読み出した元画像データのアスペクト比と、ハイビジョン画像信号としてのアスペクト比16:9との関係に応じて変倍処理や黒帯付加処理などを行う。
そしてステップF155に進み、これらの処理を施した画像データをハイビジョン画像信号として第1ビデオバッファ44にバッファリングする。
【0054】
一方、ワイドズームモードが「入」であった場合は、ワイドズームコントロール部21による処理はステップF151からF152に進んで、まず、処理対象としている元画像データの回転角度が0度或いは180度であるか(つまり横長の画像であるか)否かを確認する。画像データの回転角度の情報は、図4のステップF101の処理によりEXIFアナライザ22によって確認されている。もし回転角度が90度又は270度であったら(つまり縦長の画像)、ワイドズームモードにかかわらず、ワイドズーム処理は行わないものとする。このためその場合はステップF154に進み、非ワイドズーム処理によりハイビジョン画像信号を生成する。
回転角度が90度又180度であったら、ステップF153に進み、16:9のハイビジョン画像信号の生成のためワイドズーム画像変換処理を行う。この場合、YCデータ記憶領域43から読み出した元画像データのアスペクト比と、ハイビジョン画像信号としてのアスペクト比16:9との関係に応じて切出し処理や変倍処理などを行う。
そしてステップF155に進み、これらの処理を施した画像データをハイビジョン画像信号として第1ビデオバッファ44にバッファリングする。
【0055】
ここまでの処理によりハイビジョン画像信号としての画像変換処理を終えたことになり、続いてステップF106としてワイドズームコントロール部21は、本体パネル表示用画像信号のための画像変換処理を行う。
まずステップF161では、ハイビジョン画像信号の画像変換処理の際に、画像の切出し処理を行ったか否かを確認する。
上記ステップF153でのワイドズーム画像変換において切出し処理を行ったのであれば、ステップF162に進み、切出し処理を行っていなければステップF163に進む。
ワイドズームコントロール部21による処理は、ステップF163に進んだ場合(つまりハイビジョン画像信号については非ワイドズーム画像変換が行われていた場合)は、通常に4:3の本体パネル表示用画像信号を得るための画像変換処理を行う。この場合、YCデータ記憶領域43から読み出した元画像データのアスペクト比と、本体パネル表示用画像信号としてのアスペクト比4:3との関係に応じて変倍処理や必要に応じた黒帯付加処理などを行う。
そしてステップF164に進み、これらの処理を施した画像データを本体パネル表示用画像信号として第2ビデオバッファ45にバッファリングする。
【0056】
一方、ワイドズームコントロール部21による処理は、ステップF162に進んだ場合(つまりハイビジョン画像信号についてはワイドズーム画像変換で切出し処理が行われていた場合)は、その切出し処理によってハイビジョン画像信号側で棄てられた画像部分を提示できる本体パネル表示用画像信号を得るための画像変換処理を行う。この場合、YCデータ記憶領域43から読み出した元画像データのアスペクト比と、本体パネル表示用画像信号としてのアスペクト比4:3との関係に応じて変倍処理や必要に応じた黒帯付加処理などを行うことに加え、ハーフトーン処理を行う。これは、ハイビジョン画像信号において切出し処理によって棄てられた画像部分をハーフトーン表示するように、画像の一部にハーフトーンエフェクトを与える処理である。
そしてステップF164に進み、これらの処理を施した画像データを本体パネル表示用画像信号として第2ビデオバッファ45にバッファリングする。
【0057】
以上の図4,図5の処理が行われることで、本実施の形態の場合、以下図6〜図9に例示するような画像表示出力が実行される。
なお、以下の説明において用いる「本体パネル幅」「本体パネル高さ」「HD幅」「HD高さ」「元画像幅」「元画像高さ」の意味は、次のとおりである。
本体パネル幅PW:デジタルスチルカメラ本体パネルの幅(Panel Width)
本体パネル高さPH:デジタルスチルカメラ本体パネルの高さ(Panel Height)
ハイビジョン信号幅HW:ハイビジョン画像信号の幅(HDTV Width)
ハイビジョン信号高さHH:ハイビジョン画像信号の高さ(HDTV Height)
元画像幅SW:元画像データの幅(Source Width)
元画像高さSH:元画像データの高さ(Source Height)
【0058】
まず図6は、元画像のアスペクト比が4:3の場合の画像変換処理を示している。
「ワイドズーム」が切の場合、図6(a)の元画像データから図6(b)のハイビジョン画像信号を生成する。
この場合、元画像幅SWをハイビジョン信号幅HWの75%、元画像高さSHをハイビジョン信号高さHHに変倍し、左右に幅がハイビジョン信号幅HWの12.5%、高さがハイビジョン信号高さHHの大きさの黒帯BBを付けでハイビジョン画像信号を生成する。
これによってハイビジョンパネル機器2では、図6(c)のような黒帯BB付きの画像表示が行われる。
【0059】
「ワイドズーム」が入の場合、図6(a)の元画像データから図6(d)のハイビジョン画像信号を生成する。
この場合、元画像の上下中央、元画像高さSHの75%の部分を切出し、そして、切出された部分の幅をハイビジョン信号幅HWに、高さをハイビジョン信号高さHHに変倍してハイビジョン出力信号を生成する。
これによってハイビジョンパネル機器2では、図6(e)のようなワイドズームとしての画像表示が行われる。
【0060】
本体パネル表示用画像信号については、図6(f)に示すように、「ワイドズーム」が入、切に関わらず、元画像幅SWを本体パネル幅PWに、元画像高さSHを本体パネル高さPHに変倍する処理を行う。但し、「ワイドズーム」が入の場合は、上記図6(d)の切出し処理によって棄てられた部分に相当する画面部分についてハーフトーン処理を行う。
従って、「ワイドズーム」が切の場合、表示部17では図6(g)のような表示が行われ、「ワイドズーム」が入の場合、表示部17では図6(h)のように、画面の上下の一部がハーフトーンHTとしての画像とされた表示が行われる。
【0061】
図7は、元画像のアスペクト比が3:2の場合の画像変換処理を示している。
「ワイドズーム」が切の場合、図7(a)の元画像データから図7(b)のハイビジョン画像信号を生成する。
この場合、元画像幅SWをハイビジョン信号幅HWの84.38%、元画像高さSHをハイビジョン信号高さHHに変倍し、左右に幅がハイビジョン信号幅HWの7.81%、高さがハイビジョン信号高さHHの大きさの黒帯BBを付けでハイビジョン画像信号を生成する。
これによってハイビジョンパネル機器2では、図7(c)のような黒帯BB付きの画像表示が行われる。
【0062】
「ワイドズーム」が入の場合、図7(a)の元画像データから図7(d)のハイビジョン画像信号を生成する。
この場合、元画像の上下中央、元画像高さSHの84.38%の部分を切出し、そして、切出された部分の幅をハイビジョン信号幅HWに、高さをハイビジョン信号高さHHに変倍してハイビジョン出力信号を生成する。
これによってハイビジョンパネル機器2では、図7(e)のようなワイドズームとしての画像表示が行われる。
【0063】
本体パネル表示用画像信号については、図7(f)に示すように、「ワイドズーム」が入、切に関わらず、元画像幅SWを本体パネル幅PWに、元画像高さSHを本体パネル高さPHの88.89%に変倍し、上下に幅が本体パネル幅PW、高さが本体パネル高さPHの5.55%の大きさの黒帯BBを付ける処理を行う。但し、「ワイドズーム」が入の場合は、上記図7(d)の切出し処理によって棄てられた部分に相当する画面部分についてハーフトーン処理を行う。
従って、「ワイドズーム」が切の場合、表示部17では図7(g)のような黒帯BB付きの表示が行われ、「ワイドズーム」が入の場合、表示部17では図7(h)のように、画面の上下の一部が黒帯BB及びハーフトーンHTとしての画像とされた表示が行われる。
【0064】
図8は、元画像のアスペクト比が16:9の場合の画像変換処理を示している。
「ワイドズーム」が切の場合、図8(a)の元画像データから図8(b)のハイビジョン画像信号を生成する。
この場合、元画像幅SWをハイビジョン信号幅HWに、元画像高さSHをハイビジョン信号高さHHに変倍してハイビジョン出力信号を生成する。
これによってハイビジョンパネル機器2では、図8(c)のような画像表示が行われる。
【0065】
「ワイドズーム」が入の場合、図8(a)の元画像データから図8(d)のハイビジョン画像信号を生成する。
この場合、元画像幅SWをハイビジョン信号幅HWに、元画像高さSHをハイビジョン信号高さHHに変倍してハイビジョン出力信号を生成する。
これによってハイビジョンパネル機器2では、図8(e)のような画像表示が行われる。この場合は、ワイドズームモードによる表示の変化は発生しない。
【0066】
本体パネル表示用画像信号については、図8(f)に示すように、「ワイドズーム」が入、切に関わらず、元画像幅SWを本体パネル幅PWに、元画像高さSHを本体パネル高さPHの75%に変倍し、上下に幅が本体パネル幅PW、高さが本体パネル高さPHの12.5%の大きさの黒帯BBを付ける処理を行う。
この場合、「ワイドズーム」が入であっても、ハイビジョン画像信号の変換処理の際に切出し処理は行われていないため、ハーフトーン処理は行われない。
従って、「ワイドズーム」が切の場合、表示部17では図8(g)のような黒帯BB付きの表示が行われ、「ワイドズーム」が入の場合も、表示部17では図8(h)のように、同様に画面の上下の一部が黒帯BBとされた表示が行われる。
【0067】
図9は、元画像のアスペクト比が4:3より小さい場合(4:3、3:2、16:9の90度、270度回転画像など)の画像変換処理を示している。例として図9(a)の元画像のアスペクト比は3:4としている。
この場合「ワイドズーム」が入、切に関わらず、元画像幅SWを(SW×HH/SH)に、元画像高さSHをハイビジョン信号高さHHに変倍し、左右に幅が(HW−(SW×HH/SH))/2、高さがハイビジョン信号高さHHの大きさの黒帯BBを付けて図9(b)のハイビジョン出力信号を生成する。
ハイビジョンパネル機器2では、図9(c)のような左右に黒帯BBが付加された画像表示が行われる。この場合もワイドズームモードによる表示の変化は発生しない。
【0068】
また本体パネル表示用画像信号については、「ワイドズーム」が入、切に関わらず、元画像幅SWを(SW×PH/SH)に、元画像高さSHを本体パネル高さPHに変倍し、左右に幅が(PW−(SW×PH/SH))/2、高さが本体パネル高さPHの大きさの黒帯を付けて、図9(d)のような本体パネル表示用画像信号を生成する。
表示部17では、「ワイドズーム」が入、切に関わらず、図9(e)のような左右に黒帯BBが付加された画像表示が行われる。
なお、アスペクト比が3:4の場合で図示したが、元画像がこれ以外の4:3より小さいアスペクト比の場合、画像の上下左右に適切な大きさの黒帯を付けることよりアスペクト比が4:3の画像を生成して、その結果得られる画像をアスペクト比が4:3の画像と見なして処理すればよい。
【0069】
本実施の形態では、例えば以上のように、元画像のアスペクト比と、ワイドズームモードの「入」「切」に応じた画像表示動作が行われる。
ここで、ハイビジョンパネル機器2においては、ユーザの操作に応じて、非ワイドズーム表示やワイドズーム表示が行われる。一方、表示部17では、常に元画像の画像内容を全て含む表示が行われることになる。
特にハイビジョンパネル機器2側でのワイドズーム表示の際に、元画像のうちで表示されていない部分(変換処理で棄てられた部分)については、表示部17においてハーフトーン表示とされてユーザに認識される。
【0070】
[3.操作に応じた画像出力]
ところで既に述べているように、ユーザはリモートコントローラ4を用いた操作によりワイドズームモードを切り換えることができる。
例えば上述のように画像表示を行っている際に、ワイドズームモードをオン/オフすることも可能である。その場合の処理について説明する。
図10はコントローラ11が、特に図3に示した入力処理部23及びワイドズームコントロール部21としてのプログラムに応じて実行する処理を示している。
【0071】
ステップF201は、リモートコントローラ4を用いて、若しくはデジタルスチルカメラ1でのGUI操作により、ユーザがワイドズーム操作を行ったか否かを検知する処理を示している。
例えばユーザがリモートコントローラ4のワイドズームキー4aを操作し、その操作コマンド情報が入力された場合、入力処理部23は、ワイドズーム操作検知として、処理をステップF201からF202に進める。
まずこの場合、現在再生モードであるか否かを確認する。再生モードとは、上述の処理で画像の表示出力を行っている状態のことである。
入力処理部23は、現在再生モードでなければ、ステップF203に進んで操作を無効とする。
【0072】
再生モードであれば、処理をステップF204に進める。例えば入力処理部23は、ワイドズームコントロール部21にワイドズーム操作を伝え、ワイドズームコントロール部21により以降の処理が行われる。
まずワイドズームコントロール部21は、現在表示出力している画像の回転角度が0度或いは180度であるか否かを確認する。
上述のように、回転角度が90度又は270度であって縦長の画像を出力しているのであれば、ワイドズームモードが「入」であってもワイドズーム処理は行わない。そのため回転角度が0度或いは180度でなければ、ステップF205でコーション処理を行う。例えば現在の画像ではワイドズームは実行できない旨のメッセージ表示を行う。メッセージ表示画像は、ハイビジョン画像信号に重畳させてもよいし、本体パネル表示用画像信号に重畳させても良い。
【0073】
回転角度が0度或いは180度であれば、処理をステップF206に進め、現在、ワイドズームモードが「入」であるか「切」であるかを確認する。
そしてワイドズームモードが「入」であれば、ステップF207に進んでワイドズームモードを「切」に切り換える。
また現在ワイドズームモードが「切」であれば、ステップF208に進んでワイドズームモードを「入」に切り換える。
そしてステップF209で、切り換えたワイドズームモード設定を保存する。
その後、ステップF210で、ワイドズームモードの切換に応じて画像描画をやり直す。即ち、それまでワイドズームモード「切」の状態で画像出力を行っていたのであれば、ワイドズームモード「入」の状態での画像変換処理を行って、ハイビジョン画像信号及び本体パネル表示用画像信号を出力する。
また、それまでワイドズームモード「入」の状態で画像出力を行っていたのであれば、ワイドズームモード「切」の状態での画像変換処理を行って、ハイビジョン画像信号及び本体パネル表示用画像信号を出力する。
【0074】
以上の処理により、ユーザがワイドズーム操作を行うことに応じて、ハイビジョンパネル機器2で表示されている静止画像が、ワイドズーム表示と、非ワイドズーム表示とで切り換えられることになる。また、いずれの場合にも、デジタルスチルカメラ1の本体の表示部17では、元画像の内容の全てが表示される。
【0075】
実際の表示状態の遷移の例を図11に示す。
例えばユーザは、メモリカード6に保存した画像を、ハイビジョンパネル機器2により見ることができるが、その際、ワイドズーム操作(リモートコントローラ4のワイドズームキー4aの押圧)によって、ワイドズームモードを切り換えたり、送り操作(リモートコントローラ4の送りキー4bの押圧)によって、順次画像を見ていくことができる。
【0076】
図11においては、左側にデジタルスチルカメラ1の表示部17での表示状態を、右側にハイビジョンパネル機器2での表示状態を示している。
まず、ある時点に、図11(a)(b)のように元画像G1についての表示を、表示部17とハイビジョンパネル機器2のそれぞれにおいて行っているとする。元画像G1のアスペクト比は4:3であったとする。
このとき、ワイドズームモードは「切」とされているとすると、ハイビジョンパネル機器2側では図1(b)のように黒帯BBが付加された表示となる。
【0077】
ここで時点t1で、ユーザがワイドズーム操作を行ったとする。
すると、上記図10の処理により、ワイドズーム設定が「入」とされるとともに、元画像G1についての画像変換処理がやり直され、ワイドズーム状態のハイビジョン画像信号が出力されるため、図11(d)のようにハイビジョンパネル機器2での表示はワイドズーム状態となる。
また、このアスペクト比4:3の元画像G1をワイドズームモードでの画像変換処理を行う際には、図6(d)で説明したように切出し処理が行われている。それに応じて本体パネル表示用画像信号の画像変換処理の際には、切出し処理で棄てられた部分についてハーフトーン処理が行われる。このため表示部17での表示状態は図11(c)のようになる。
【0078】
続いて時点t2に、ユーザが送りキー4bによる画像送り操作、例えばメモリカード6に保存されている次の画像ファイルの画像の出力を指示する操作を行ったとする。
この場合、次の画像G2を出力対象として、図4,図5の処理が行われることになる。ここで、今回の元画像G2はアスペクト比が3:4(=4:3画像の90度回転画像となる縦型の画像)であったとする。
この時点では、ワイドズームモードは「入」であるが、90度回転画像であることからハイビジョン画像信号についてのワイドズーム処理は行われない。つまり図9の画像変換処理が行われ、結果として表示部17及びハイビジョンパネル機器2において図11(e)(f)に示すような表示が実行される。
【0079】
時点t3では、ユーザが再び送りキー4bによる画像送り操作を行ったとする。
この場合、次の画像G3を出力対象として、図4,図5の処理が行われることになる。今回の元画像G3はアスペクト比が4:3であったとする。
この時点でワイドズームモードは「入」であるため、ハイビジョン画像信号についてはワイドズーム変換処理が行われる。つまり図6(d)の切出し処理を伴う画像変換処理が行われる。また、それに応じて本体パネル表示用画像信号の画像変換処理の際には、切出し処理で棄てられた部分についてハーフトーン処理が行われる。結果として表示部17及びハイビジョンパネル機器2において図11(g)(h)に示すような表示が実行される。
【0080】
時点t4において、ユーザがワイドズーム操作を行ったとする。
すると、上記図10の処理により、ワイドズーム設定が「切」とされるとともに、元画像G3についての画像変換処理がやり直され、非ワイドズーム状態のハイビジョン画像信号が出力されるため、図11(j)のようにハイビジョンパネル機器2での表示は黒帯BB付きの画像表示状態となる。またこのハイビジョン画像信号では切出し処理が行われていないため、表示部17では図11(i)のようにハーフトーン表示のない通常の表示状態となる。
【0081】
このような表示動作により、ユーザにとって適切な表示変更を実現できる。
まず最初に図11(a)(b)の表示状態とされた際に、ユーザが黒帯BBに違和感を感じたとすれば、時点t1としてのワイドズーム操作により図11(c)(d)とすればよい。
また時点t2で画像送り操作を行った際に、次の画像が縦型の画像(90度又は270度回転画像)であった場合についてはワイドズーム表示されない。もし縦型の画像に対してワイドズーム表示を行おうとすると、例えば切出し処理によって棄てられる画像範囲が極端に広くなったり、また切り出した部分の拡大率を上げなければならないことで画像が粗くなるなど、あまり良好な画像とならない。本例の場合、90度又は270度回転画像の場合は、ワイドズームモードが「入」であっても、ワイドズーム表示は行われないため、ユーザにわざわざワイドズームモード操作を要求することなく好適な画像表示を行うことができる。
また時点t3で画像送りを行うと、ワイドズームモードは「入」であるため、図11(h)のようにワイドズーム表示が行われる。この際、ユーザは図11(g)のように表示部17での画像表示により、図11(h)のワイドズーム表示において表示されていない部分(切出し処理で棄てられた部分)の画像内容を同時に確認できる。
もし、その表示されていない部分もハイビジョンパネル機器2側で見たいのであれば、ワイドズーム操作によってワイドズームモードを「切」とし、図11(j)の表示を実行させればよい。
例えばこのように、各画像データのアスペクト比や回転角度と、ユーザの意向に応じて快適な画像再生表示を行うことができる。
【0082】
[4.実施の形態の効果及び変形例]
本実施の形態によれば、画像データの表示出力の際に、ハイビジョンパネル機器2での表示を楽しみながら、デジタルスチルカメラ1本体の表示部17側では、常に元画像データの画像内容全体を確認できるようになり、ユーザにとって好適な画像出力を実現できる。
また、特に本体の表示部17側ではハーフトーン表示などで、ハイビジョンパネル機器2側で表示されない画像部分を提示することで、ユーザにとってハイビジョンパネル機器2での画像表示の状態がわかりやすいものとなる。もちろん元画像の全体がどのような画像であったかもユーザは容易に確認できる。
【0083】
また、16:9のハイビジョンパネル機器2の表示パネルに4:3や3:2のアスペクト比の画像を表示する場合、ユーザに違和感を与えることがないようにできる。
また本例の場合においてハイビジョン画像信号の生成の際には、生成された4:3信号から16:9部分を切出のではなく、ハイビジョン信号解像率より大きい元画像をハイビジョン信号本来のサイズ(例えば1920×1080)に縮小して信号を生成するため、出力信号の画質がよいという利点もある。
また、縦画像(アスペクト比が4:3より小さい画像)を再生する際には、ワイドズーム機能を自動的に無効させることで、ユーザに違和感を与えないこととすることができる。
またリモートコントローラ4の遠隔操作によってワイドズーム機能の入/切を切り替えることが出来るため、デジタルスチルカメラ1やハイビジョンパネル機器2から離れた場所で表示画像を鑑賞する場合の操作性に好適である。
そして以上のことから、上記図11でも述べた点と合わせて、ユーザに快適な画像鑑賞を提供できる。
【0084】
なお本発明は実施の形態の構成及び動作に限定されず、各種の変形例が考えられる。
まず使用態様としてはクレードル3を用いず、デジタルスチルカメラ1を直接ハイビジョンパネル機器2等の表示装置に接続するようにしてもよい。
また、本体側の表示部17において、ハイビジョンパネル機器2で表示されていない画面部分をハーフトーン表示することとしたが、切り出し処理によって棄てられた画像内容部分を提示するための表示態様としては、ハーフトーンに限られない。
例えばその部分を、ハーフトーンにするのではなく、色合いを変える、モノクロにする、その部分を枠で囲うなど、表示態様は非常に多様に考えられる。
また、必ずしも切り出し処理によって棄てられた画像内容部分が明らかとなる提示を行わなくてもよい。つまり画像内容の全てを通常に表示するのみでもよい。
【0085】
また、図3の構成に基づく図4,図5の処理によって、ハイビジョンパネル機器2と表示部17のそれぞれについて、独立した2系統の出力画像信号を生成する場合、これを利用してされらに図12に示すような画像出力を行うこともできる。
例えば図12(a)(b)は、デジタルスチルカメラ1の画像加工機能を用いて画像加工を行う場合に、表示部17では、元画像及び加工用のツールボタン、パラメータなどを表示させ、ハイビジョンパネル機器2側では、その加工処理による画像を表示させる場合を示している。
また、図12(c)(d)は、デジタルスチルカメラ1のスライドショウ機能によってスライドショウ(自動的な順次画像再生)を行っている際に、ハイビジョンパネル機器2側では、スライドショウとしての画像を順次出力するが、表示部17では、現在ハイビジョンパネル機器2で出力されている画像と、その前後の順番の画像を、サムネイル画像等で表示させている例である。
例えばこれらのように、2系統の画像出力処理を有効利用することも考えられる。
【0086】
本発明の画像出力装置の例としてデジタルスチルカメラ1を挙げた、これに限らず、他の機器でも本発明を実現できる。例えばビデオプレーヤなどの画像再生装置、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、その他各種の機器を本発明の画像出力装置として適用できる。いずれの場合も、その機器の本体の表示部での表示出力と、外部機器での表示出力について、それらの画面のアスペクト比や元画像のアスペクト比などに応じた画像変換処理を行い、本体側では常に元画像の内容の全体が表示されるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施の形態のデジタルスチルカメラと関連機器の説明図である。
【図2】実施の形態のデジタルスチルカメラの構成のブロック図である。
【図3】実施の形態のデジタルスチルカメラの画像出力処理についての機能的なブロック図である。
【図4】実施の形態の画像再生処理のフローチャートである。
【図5】実施の形態の画像変換処理のフローチャートである。
【図6】実施の形態の元画像がアスペクト比4:3の場合の表示動作の説明図である。
【図7】実施の形態の元画像がアスペクト比3:2の場合の表示動作の説明図である。
【図8】実施の形態の元画像がアスペクト比16:9の場合の表示動作の説明図である。
【図9】実施の形態の元画像がアスペクト比3:4の場合の表示動作の説明図である。
【図10】実施の形態のワイドズーム操作に応じた処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態の表示動作の遷移の説明図である。
【図12】実施の形態の変形例の説明図である。
【図13】アスペクト比の異なる画像の出力方式例の説明図である。
【図14】アスペクト比の異なる画像の出力方式例の説明図である。
【符号の説明】
【0088】
1 デジタルスチルカメラ、2 ハイビジョンパネル機器、3 クレードル、4 リモートコントローラ、5 ケーブル、6 メモリカード、11 コントローラ、12 メモリ部、13 記録再生部、15 信号処理部、16 表示制御部、17 表示部、21 ワイドズームコントロール部、22 EXIFアナライザ、23 入力処理部、33 HDTV出力部、32 赤外線受光部、44 第1ビデオバッファ、45 第2ビデオバッファ、52 レゾリューションコンバータ、53 第1ビデオエンコーダ、54 第2ビデオエンコーダ
【技術分野】
【0001】
本発明は画像出力装置、画像出力方法に関し、特に本体に表示パネルを有するとともに、外部機器での表示のために画像信号を出力できるようにされている機器に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2005−109927号公報
【特許文献2】特開2007−96774号公報
【特許文献3】特開2006−215320号公報
【0003】
現在、例えばテレビジョン受像器やモニタディスプレイ装置などとして、アスペクト比(画像の横:縦の比)が16:9の映像信号に適した16:9型の表示パネル(以下「ハイビジョンパネル」という)を備えた表示装置が普及している。
それに伴い、ハイビジョンパネルにデジタルスチルカメラなどで撮像された画像を表示させて楽しむという使用態様も広く行われている。
【0004】
但し、デジタルスチルカメラなどで撮像された画像としては、多様なアスペクト比の画像が混在していることが多く、アスペクト比が16:9以外の画像の場合、ハイビジョンパネル機器に出力する画像信号としては、16:9のアスペクト比に適合した画像信号への変換処理が必要となる。
【0005】
このようなアスペクト比に応じた変換処理は、従来より各種機器で行われている。例えばハイビジョンパネルを有するテレビジョン受像器において受信した映像信号のアスペクト比が4:3である場合は、そのアスペクト比4:3の画像信号から、アスペクト比16:9のハイビジョン映像信号を生成して表示出力している。
このような場合の従来の映像変換手法を図13,図14に示す。
図13(a)は、アスペクト比4:3の元の画像データである。この元画像データから、ハイビジョンパネルに出力する映像信号を生成する場合は、図13(b)のように、4:3の元画像を16:9の大きさに変倍し、さらに変倍された画像の左右に黒帯BBを付けるという手法がある。
また、図13(c)の元画像から図13(d)で示すように、4:3画像を16:9に水平方向に伸ばして変倍する変換方法もある。
さらに図14に示す手法も知られている。この場合、図14(a)の4:3の元の画像について、16:9の比率となる一部を切出し、これを拡大して、図14(c)のように16:9のパネルに出力する。
なお、この場合、図14(b)において斜線部として示す画像内容はパネル表示されないものとなる。つまり画像内容の一部が破棄されて表示される。
【0006】
これらの手法はそれぞれ長短がある。
図13(b)の表示では、画像自体の変形や画像内容の一部破棄はないが、黒帯BBによって違和感を感じたり、ハイビジョンパネル全体が有効利用されないとうことがある。
図13(d)の表示では、黒帯による短所はないが、画像が横方向に変形してしまう。
図14(c)の場合は、ハイビジョンパネル全体を有効利用し、また画像の変形もないが、画像内容の一部が棄てられてしまう(表示されない)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば上述のようにデジタルスチルカメラで撮像した画像データを、ハイビジョンパネルで楽しむという使用形態を考えた場合に、撮像した画像データとして多様なアスペクト比の画像データが存在すること考慮すれば、上記図13,図14のような手法を利用することで、元の画像データ(撮像画像データ)から16:9の画像信号を生成すればよい。
但し上述のように、各処理手法のそれぞれにおいて長短があるため、複数の手法をユーザが好みに応じて切り換えることができるようにするとよい。
例えばワイドズームモードをオン(入)/オフ(切)できるようにし、これによって図13(b)の処理と、図14の処理が切り換えられるようにするなどである。即ちワイドズームモードとした場合は、図14のように元画像からの画像の切出し及び拡大を行って16:9の画像信号としてハイビジョンパネル機器に供給することで、黒帯BBの無い画像表示を行うが、ワイドズームモードをオフとした場合は、図13(b)のように、変倍処理と黒帯付加処理を行って、黒帯BBを付加した表示を行うようにする。
【0008】
その一方で、ユーザにとっては、常に元の画像の全体を確認したいという要望もある。例えば図14のように元の画像の一部の切出しが行われて16:9の画像信号が生成されるような場合、切出し部分以外の棄てられた部分の画像は表示されない。特にユーザが自分でデジタルスチルカメラで撮像した画像をハイビジョンパネル機器を使用して見ているような場合、ワイドズームモードの画像と同時に、元の画像全体を見たいという要望もある。
【0009】
そこで本発明は、例えばデジタルスチルカメラのように、本体に表示パネルを有するとともに、外部機器での表示のために画像信号を出力できるようにされている機器において、
ユーザに対して好適な画像出力を行うことができるようにすること、特にはハイビジョンパネル機器等での画像表示出力を行っている際に、常に画像内容の全体をユーザが確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像出力装置は、外部機器に対しての第1のアスペクト比の画像データを出力するためのデータ処理を行う第1の画像データ出力処理部と、機器本体に設けられ第2のアスペクト比の表示パネルを備える表示部と、上記表示部に対しての第2のアスペクト比の画像データを出力するためのデータ処理を行う第2の画像データ出力処理部と、画像変換処理部とを備える。この画像変換処理部は、表示出力対象とする元画像データのアスペクト比と、上記第1のアスペクト比との関係に応じた画像変換処理を行って上記第1のアスペクト比の画像データを生成し、上記第1の画像データ出力処理部に供給すると共に、上記元画像データのアスペクト比と、上記第2のアスペクト比との関係に応じ、かつ上記元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像変換処理を行い、上記元画像データの画像内容の全てを含んだ状態で上記第2のアスペクト比となる画像データを生成して上記第2の画像データ出力処理部に供給する。
【0011】
また、上記画像変換処理部は、上記第1のアスペクト比の画像データの生成のための画像変換処理において元画像データの画像内容の一部の切り出し処理を行う場合には、上記第2のアスペクト比の画像データを生成する画像変換処理では、上記第2のアスペクト比の画像データとして、上記第1のアスペクト比の画像データにおいて上記切り出し処理によって棄てられた画像内容部分を提示する画像データを生成する。
また、操作入力に応じてワイドズームモードが設定されるとともに、上記画像変換処理部は、ワイズズームモードとされている際の画像変換処理として、元画像のアスペクト比と上記第1のアスペクト比との関係に応じて、上記切り出し処理を実行する。
また、上記画像変換処理部は、ワイズズームモードとされている際には、上記元画像データの回転情報を確認し、画像の回転角度が所定の角度の場合に、元画像のアスペクト比と上記第1のアスペクト比との関係に応じて、上記切り出し処理を実行する。
また、上記棄てられた画像内容部分を提示する画像データとは、上記棄てられた画像内容部分をハーフトーン表示する画像データである。
また、記録媒体から画像データを読み出す読出部をさらに備える。そして表示出力対象とする上記元画像データとは、上記読出部によって記録媒体から読み出された画像データである。
【0012】
本発明の画像出力装置は、外部機器に対しての第1の画像データを出力するためのデータ処理を行う第1の画像データ出力処理部と、機器本体に設けられた表示パネルを備える表示部と、上記表示部に対しての第2の画像データを出力するためのデータ処理を行う第2の画像データ出力処理部と、表示出力対象とする元画像データの画像変換処理を行って上記第1の画像データを生成し、上記第1の画像データ出力処理部に供給すると共に、上記元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像変換処理を行い、上記元画像データの画像内容の全てを含んだ状態の画像データを生成して上記第2の画像データ出力処理部に供給する画像変換処理部とを備える。
【0013】
本発明の画像出力方法は、外部機器に対しての第1のアスペクト比の画像データを出力するとともに、機器本体に第2のアスペクト比の表示パネルを備える表示部が設けられている画像出力装置の画像出力方法として、表示出力対象とする元画像データのアスペクト比と、上記第1のアスペクト比との関係に応じた画像変換処理を行って上記第1のアスペクト比の画像データを生成し、外部機器に対して出力するステップと、上記元画像データのアスペクト比と、上記第2のアスペクト比との関係に応じ、かつ上記元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像変換処理を行い、上記元画像データの画像内容の全てを含んだ状態で上記第2のアスペクト比となる画像データを生成して上記表示部において出力するステップとを備える。
【0014】
これらの本発明においては、外部機器である例えばハイビジョンパネル機器に第1のアスペクト比(例えば16:9)の画像データを出力するために、元画像データとのアスペクト比との関係に応じて必要な画像変換処理を行って出力する画像信号を生成するが、本体に設けられている表示部に対しては、常に元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像データを生成して表示出力させる。
つまり、外部機器に出力する画像データと、本体の表示部側での表示に用いる画像データをそれぞれ別の画像変換処理により生成する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像データの表示出力の際に、ハイビジョンパネル機器等の外部機器での表示を楽しみながら、本体の表示部側では、常に元画像データの画像内容全体を確認できるようになり、ユーザにとって好適な画像出力を実現できる。
また、特に本体の表示部側でハーフトーン表示などで、外部機器側では表示されない画像部分を提示することで、ユーザにとって外部機器での画像表示の状態がわかりやすいものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。なお、本発明の画像出力装置の実施の形態としてデジタルスチルカメラ1を挙げる。
[1.デジタルスチルカメラの構成]
[2.画像出力のための構成及び動作]
[3.操作に応じた画像出力]
[4.実施の形態の効果及び変形例]
【0017】
[1.デジタルスチルカメラの構成]
図1は、本実施の形態のデジタルスチルカメラ1と、このデジタルスチルカメラ1に関連する機器としてのハイビジョンパネル機器2、クレードル3、リモートコントローラ4、メモリカード6を示している。
【0018】
デジタルスチルカメラ1は、ユーザが携帯して静止画等の画像撮像を行う機器である。メモリカード6は、このデジタルスチルカメラ1に装填することのできる可搬性記録媒体の一例として示している。メモリカード6は、デジタルスチルカメラ1内に装填されている状態において、デジタルスチルカメラ1で撮像された画像データの保存に用いられる。
デジタルスチルカメラ1には、例えばその本体において、液晶パネル、或いは有機EL(Electroluminescence)パネルなどを用いた表示部17が設けられている。この場合、この表示部17はアスペクト比4:3の画面構造であるとする。
またデジタルスチルカメラ1には、ユーザの各種操作のために各種の操作子18aが設けられている。
【0019】
ハイビジョンパネル機器2は、例えばテレビジョン受像器やハイビジョンモニタ装置などである。このハイビジョンパネル機器2は、アスペクト比16:9の画面で画像表示を行う機器とする。
【0020】
クレードル3は、デジタルスチルカメラ1とハイビジョンパネル機器2を接続するための補助的な機器である。このクレードル3は、デジタルスチルカメラ1を載置することができるとともに、ケーブル5によってハイビジョンパネル機器2と接続される。ケーブル5は、クレードル3の画像信号出力端子と、ハイビジョンパネル機器2の画像信号入力端子の間を接続する。
デジタルスチルカメラ1をクレードル3に載置すると、図示しないコネクタ端子構造により、デジタルスチルカメラ1の画像信号出力(例えばHDMI(High Definition Multimedia Interface)方式の画像出力、或いはコンポーネント画像信号出力等)がクレードル3及びケーブル5を介して、ハイビジョンパネル機器2に供給される状態となる。
【0021】
リモートコントローラ4は、デジタルスチルカメラ1に対しての各種操作入力を行うために用いられる。リモートコントローラ4には、多数の操作キーが配列され、ユーザが操作キーを押すことに応じて、それぞれ所定の操作コマンド信号を赤外線変調信号として出力する。
この赤外線による操作コマンド信号を受信するために、クレードル3には赤外線受光部32が設けられている。赤外線受光部32で受光された赤外線変調信号は、電気信号に変換され、復調処理されて、クレードル3に載置されているデジタルスチルカメラ1に伝えられる。
リモートコントローラ4の操作キーとしては各種の操作キーが用意されているが、例えば拡大して示すように、ワイドズームモードの操作を行うためのワイドズームキー4aや、再生出力する画像の送りを指示する送りキー4bなどが設けられる。これらの操作に応じた表示動作については後述する。
【0022】
図2に、デジタルスチルカメラ1及びクレードル3の内部構成例を示す。
デジタルスチルカメラ1は、コントローラ11、メモリ部12、記録再生部13、撮像部14、信号処理部15、表示制御部16、表示部17、操作部18、クレードル接続部19を有する。
【0023】
コントローラ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ部、インターフェース部を備えたマイクロコンピュータにより構成され、デジタルスチルカメラ1に全体を制御する制御部とされる。
このコントローラ11は内部のROM等に保持したプログラムに基づいて、各種演算処理や各部と制御信号等のやりとりを行い、各部に所要の動作を実行させる。
【0024】
メモリ部12は、RAM領域、不揮発性メモリ領域などを有するものとして示している。例えばRAM領域は各種画像処理に用いるワークRAMとしての用いられる。後述する画像出力動作の際の処理過程の画像データなどの保存等がメモリ部12において行われる。
メモリ部12の不揮発性メモリ領域は、例えば撮像画像データの保存や各種設定状態の記憶などに用いられる。
【0025】
撮像部14は、撮像光学系、撮像素子部、撮像信号処理部等を有する。
撮像部14における撮像光学系とは、撮像レンズ、絞り、ズームレンズ、フォーカスレンズなどを備えて構成されるレンズ系である。またレンズ系に対してフォーカス動作やズーム動作を行わせるための駆動系等が備えられる。
また撮像部14における撮像素子部としては、撮像光学系で得られる撮像光を検出し、光電変換を行うことで撮像信号を生成する固体撮像素子アレイが設けられる。固体撮像素子アレイは、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサアレイや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサアレイとされる。
また撮像部14における撮像信号処理部では、固体撮像素子によって得られる信号に対するゲイン調整や波形整形を行うサンプルホールド/AGC(Automatic Gain Control)回路や、ビデオA/Dコンバータを備え、デジタルデータとしての撮像画像データを得る。また撮像画像データに対してホワイトバランス処理、輝度処理、色信号処理などを行う。
【0026】
これらの撮像光学系、撮像素子部、撮像信号処理部を有する撮像部14により、撮像が行われ、撮像画像データが得られる。
ユーザが撮像操作を行った際に、この撮像部14の撮像動作によって得られた画像データは、コントローラ11による制御に基づいて記録再生部13に装填されているメモリカード6に記録されたり、或いはメモリ部12における不揮発性メモリ領域に記録される。
【0027】
記録再生部13は、コントローラ11による制御に基づいて、メモリカード6に対するデータの書込/読出や、書込/読出に必要なエンコード/デコードを行う。例えば上記のように撮像時に、撮像部14で得られた撮像画像データが供給される場合、記録再生部13は、その撮像画像データについて例えばEXIF(Exchangeable Image File Format)方式のエンコード処理を行ってメモリカード6に画像ファイルとして記録する。
またメモリカード6からの画像ファイルの読出を行う場合、メモリカード6からEXIF形式のファイルデータを読み出し、デコード処理を行って例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式などの画像データを出力する。
なお、記録再生部13は、フラッシュメモリを内蔵した可搬性のメディアであるメモリカード6に対応するものとして示しているが、例えば光ディスク、光磁気ディスク、ホログラムメモリなどの記録媒体に対応する記録再生ドライブなどとされても良い。さらにはHDD(Hard Disk Drive)などとして構成されてもよい。
【0028】
信号処理部15は、画像データについての各種の変換処理を行う。例えばJPEGエンコード/デコード、画像の拡大/縮小処理、切り出し処理、画角変換、解像率変換、出力用エンコードなどを行う。本例の場合、後述するように画像出力の際に必要な処理が、この信号処理部15で行われる。
【0029】
デジタルスチルカメラ1においてユーザに対して表示を行う構成としては、表示部17、表示制御部16が設けられる。
表示部17には、上述したように4:3の画面構造を持つ表示パネルと、該表示パネルを表示駆動する表示駆動部が設けられる。表示駆動部は、供給される画像データを表示パネルに表示させるための画素駆動回路で構成されている。画素駆動回路は表示パネルにおいてマトリクス状に配置されている各画素について、それぞれ所定の水平/垂直駆動タイミングで映像信号に基づく駆動信号を印加し、表示を実行させる。
表示制御部16は、コントローラ11の制御に基づいて、表示部17における画素駆動回路を駆動し所定の表示を実行させる。例えば撮像部14で撮像された画像のモニタ表示や、後述する画像出力の際の表示などを実行させる。
【0030】
操作部18は、例えば図1に示したように各種キー18aや、ボタン、ダイヤル等の操作子を有する。例えば電源オン/オフ操作や、シャッタ操作、ズームの操作、露出の設定操作など、カメラ操作として必要な操作子が形成される。
またリモートコントローラ4での操作と同様に、画像出力の際のワイドズームモード操作や画像送り操作などのための操作子も設けられる。
操作部18では、このような操作子から得られる操作情報をコントローラ11に供給する。コントローラ11は操作情報に対応した必要な演算処理や制御を行う。
なお、本体を用いた操作入力としては、例えば表示部17においてメニュー形式等の画面表示を実行させ、所定の操作子を用いてメニュー項目の選択・決定の操作を行うことによっても可能である。例えばこのようなGUI(Graphical User Interface)入力のための操作子も、操作部18に設けられる。ワイドズームモード操作などは、このGUI入力によるものとしてもよい。
【0031】
クレードル接続部19は、クレードル3にデジタルスチルカメラ1が載置された際に、クレードル3側のカメラ接続部31との間で信号伝送を行う。
即ちクレードル接続部19とカメラ接続部31には、デジタルスチルカメラ1がクレードル3に載置された際に、各種信号端子を電気的に接続する端子構造を備える。
後述するように、ハイビジョンパネル機器2に対して画像信号を供給する場合は、信号処理部15等の処理で形成された出力用の画像信号(アスペクト比16:9のハイビジョン画像信号)が、クレードル接続部19からクレードル3側に出力される。
クレードル3には、HDTV出力部33として、ハイビジョン信号出力用回路が設けられており、このHDTV出力部33の出力端子と、ハイビジョンパネル機器2側の入力端子との間にケーブル5が接続される。
このため、デジタルスチルカメラ1で生成されたハイビジョン画像信号は、クレードル接続部19、カメラ接続部31、HDTV出力部33を介して、ケーブル5によりハイビジョンパネル機器2に供給されることになる。
【0032】
また上記したようにクレードル3には赤外線受光部32が設けられているが、この赤外線受光部32は、リモートコントローラ4から送信されてきた操作コマンド信号を復調し、カメラ接続部31とクレードル接続部19に設けられた信号線により、デジタルスチルカメラ1側(コントローラ11)に供給する。これによってコントローラ11に、リモートコントローラ4による操作情報が入力される。
【0033】
なお、本例ではクレードル3を用いて、デジタルスチルカメラ1から出力されるハイビジョン画像信号がハイビジョンパネル機器2に供給される例において説明を行うが、もちろんクレードル3を使用しないで、デジタルスチルカメラ1からのハイビジョン画像信号出力がハイビジョンパネル機器2に供給されるようにしてもよい。
例えばデジタルスチルカメラ1に、HDTV出力部33と同様の例えばHDMI方式の画像出力回路を設け、その出力端子とハイビジョンパネル機器2の画像信号入力端子の間を所定のケーブルで接続して、デジタルスチルカメラ1からの画像信号出力をハイビジョンパネル機器2に供給するようにしてもよい。
【0034】
以上、デジタルスチルカメラ1及びクレードル3の構成を示したが、これは一例にすぎない。実際に実施される動作例や機能に応じて各種の構成要素の追加や削除は当然考えられる。
【0035】
[2.画像出力のための構成及び動作]
本実施の形態のデジタルスチルカメラ1は、例えばメモリカード6に保存された画像データの出力動作として、ハイビジョンパネル機器2で表示させる際の動作に特徴を有する。
特に本例の場合、出力対象とする元の画像データから、ハイビジョンパネル機器2に出力する信号(説明上「ハイビジョン画像信号」という)を生成する。またデジタルスチルカメラ1の本体に設けられている表示部17で表示させる信号としての画像信号(説明上「本体パネル表示用画像信号」という)を生成する。
以下、このような画像出力動作について説明する。
まず、画像出力動作の実行時の動作のための構成を図3に示す。この図3は、画像出力時の処理の流れに沿って、上記図2の各部の処理機能をブロック化して示したものである。
【0036】
図3に示す各部について説明する。なお、実線で示しているブロックはハードウエアとしての構成部位、破線で示しているブロックはソフトウエアとしての構成部位を示している。ソフトウエアとしての構成各部は、コントローラ11におけるCPUがプログラムに基づく演算処理を行うことで実現される機能部位である。
【0037】
メモリカード6は、上述のように、デジタルスチルカメラ1に装填される記録媒体であるが、以下の説明では、このメモリカード6にEXIF方式の画像ファイルとして保存されている画像データを画像出力動作における元画像データとする。
このメモリカード6に保存された画像ファイルの内容(JPEG方式で圧縮された画像データや、該画像データを含むEXIF形式において付加されている付加データ)は、記録再生部13によって読み出される。
【0038】
メモリ部12には、画像出力処理過程での一時保存のために、図示する各領域が用意される。
EXIFデータ記憶領域41は、メモリカード6から読み出したEXIFデータ(画像に付加された各種属性情報としての付加データ)を保存する領域である。
JPEGデータ記憶領域42は、メモリカード6から読み出したJPEG方式の画像データを保存する領域である。
YCデータ記憶領域43は、JPEG方式の画像データとしての符号化データの復号結果(Y/Cフォーマット)を保存する領域である。
第1ビデオバッファ44は、ハイビジョン画像信号の生成用バッファー領域である。
第2ビデオバッファ45は、本体パネル表示用画像信号の生成用バッファー領域である。
なお、これら各記憶領域は、必ずしもメモリ部12内で固定的な領域とされる必要はない。
【0039】
信号処理部15においては、次の構成が設けられる。
JPEGコーデック部51は、JPEG符号化及び復号用の演算ブロックである。
レゾリューションコンバータ52は、画角と解像率変換用の演算ブロックである。
第1ビデオエンコーダ53は、Y/Cフォーマット画像データから、ハイビジョンパネル機器2に出力するハイビジョン画像信号を生成するエンコード処理ブロックである。
第2ビデオエンコーダ53は、Y/Cフォーマット画像データから表示部17で出力する本体パネル表示用画像信号を生成するエンコード処理ブロックである。
【0040】
またソフトウエア構成として、ワイドズームコントロール部21、EXIFアナライザ22、入力処理部23が設けられる。
ワイドズームコントロール部21は、ワイドズームモードに応じた画像変換制御用プログラム及び該プログラムに基づく演算処理機能を示している。
EXIFアナライザ22は、EXIF情報分析用プログラム及び該プログラムに基づく演算処理機能を示している。
入力処理部23は、各種設定用プログラム及び該プログラムに基づく演算処理機能を示し、この場合は、特にユーザによるワイドズームモード操作の情報を、ワイドズームコントロール部21に伝達する機能として示している。
【0041】
なお、表示制御部16,表示部17は、図2で説明したとおりである。
またクレードル3についても図2と同様であるが、カメラ接続部31(及びクレードル接続部19)については図示を省略している。
【0042】
ここまでの実施の形態の構成において本発明請求項の構成要件に相当する部分は以下のとおりである。
第1の画像データ出力処理部:第1ビデオバッファ44及び第1ビデオエンコーダ53
表示部:表示制御部16及び表示部17
第2の画像データ出力処理部:第2ビデオバッファ45及び第2ビデオエンコーダ54
画像変換処理部:ワイドズームコントロール部21及びレゾリューションコンバータ52
読出部:記録再生部13
【0043】
以下、図4のフローチャートを参照して、本例の画像出力動作を説明する。図4は、図3の各部の動作で実行される画像出力時の動作を示すフローチャートであり、コントローラ11の制御に基づいて図2(図3)の各部が実行する動作である。
なお、図4の各ステップに対応する図3の動作部分をS1〜S9で示す。
【0044】
まず図4のステップF101として。出力対象とする画像データのEXIF情報を取得する。
この場合、コントローラ11の制御に基づき、記録再生部13においてメモリカード6からの読出動作が行われ、出力対象とした画像ファイルにおけるEXIFデータが読み出される。このEXIFデータはメモリ部12のEXIFデータ記憶領域41に読み込まれる(S1)。
【0045】
続いてステップF102で、EXIFデータに基づいて、出力対象とした画像ファイルが再生可能か否かを判断する。この場合、EXIFアナライザ22が、EXIFデータ記憶領域41に読み込まれているEXIFデータの内容を確認し、再生する画像の属性を検査し、再生可否、「ワイドズーム」変換可否を判断する(S2)。また元画像としてのアスペクト比や回転情報も、この時点で検出される。
この際、例えば対応できない形式のファイルであったり、デジタルスチルカメラ1の再生能力を超えたサイズの画像データであるなどで再生不能と判断した場合は、ステップF110に進み、再生出力不能としての警告処理を行う。例えばコントローラ11は表示部17やハイビジョンパネル機器2においてユーザに対して再生不能の警告表示等を実行させる。
【0046】
再生可能であれば、ステップF102からF103に進み、コントローラ11は記録再生部13に指示して、当該画像ファイルにおける実際の画像データの読出を実行させる。記録再生部13においてメモリカード6から読み出された画像データ(JPEG符号化の画像データ)はメモリ部12のJPEGデータ記憶領域42に読み込まれる(S3)。
【0047】
続いてステップF104で画像データのJPEG復号が行われる。コントローラ11は、信号処理部15に指示して、JPEGコーディック部51における復号処理を実行させる。この場合、JPEGデータ記憶領域42の画像データがJPEGコーディック部51に送られ、JPEG画像データ中の符号化データが復号される(S4)。復号結果として得られたY/Cフォーマットの画像データは、メモリ部12のYCデータ記憶領域43に記憶される(S5)。
【0048】
ステップF105では、ハイビジョン画像信号についての画像変換処理を行う。この場合、YCデータ記憶領域43に記憶されたY/Cフォーマットの元画像データについて、ワイドズームコントロール部21による画像変換処理、及びレゾリューションコンバータ52による処理が行われる(S6)。そしてハイビジョン画像として変換された状態のY/Cフォーマットの画像データが第1ビデオバッファ44に記憶される。詳細は図5及び図6〜図9で後述する。
【0049】
また続いてステップF106で、本体パネル表示用画像信号についての画像変換処理を行う。この場合、YCデータ記憶領域43に記憶されたY/Cフォーマットの元画像データについて、ワイドズームコントロール部21による本体表示用としての画像変換処理が必要に応じて行われ、またレゾリューションコンバータ52による処理が行われる(S7)。そして本体パネル表示用画像として変換された状態のY/Cフォーマットの画像データが第2ビデオバッファ45に記憶される。これも詳細は図5及び図6〜図9を用いて後述する。
【0050】
ステップF107では、第1ビデオバッファ44、及び第2ビデオバッファ45に記憶された画像データのエンコード及び出力が行われる。
まず第1ビデオバッファ44に記憶されたハイビジョン画像に変換された画像データについては、第1ビデオエンコーダ53において出力用のエンコード処理が施され(S8)、ハイビジョン画像信号として、クレードル3のHDTV出力部33からハイビジョンパネル機器2に出力されて表示される。
また第2ビデオバッファ45に記憶された本体パネル表示用画像に変換された画像データについては、第2ビデオエンコーダ53において出力用のエンコード処理が施され(S9)、本体パネル表示用画像信号として、表示制御部16に供給され、表示部17で表示出力される。
【0051】
以上の処理動作により、例えばメモリカード6に保存されていた画像が、ハイビジョンパネル機器2と表示部17の両方で表示出力されることになる。
ここで、上記ステップF105,F106の処理、即ち元の画像データからの画像変換処理により、ハイビジョン画像信号及び本体パネル表示用画像信号としての状態の画像信号を生成する処理について図5を参照して説明する。
【0052】
図5におけるステップF151〜F155は図4のステップF105に、またステップF161〜F164は図4のステップF106の処理として、主にワイドズームコントロール部21が実行する処理である。
まずステップF151で、ワイドズームコントロール部21は、ワイドズームモードが「入」か否かを確認する。ワイドズームモード設定は、ユーザがリモートコントローラ4の操作又は本体の操作キー18aを用いたGUI操作等でモード操作を行うことに応じて「入」「切」が設定される。即ち、ユーザ操作に応じて入力処理部23がワードズームモード設定を行うわけであるが、ステップF151では、ワイドズームコントロール部21が現時点でワイドズームモードが「入」であるかを否かを確認する。
【0053】
ワイドズームモードが「切」であった場合は、ワイドズームコントロール部21による処理はステップF154に進んで、16:9のハイビジョン画像信号の生成のため非ワイドズーム画像変換処理を行う。この場合、YCデータ記憶領域43から読み出した元画像データのアスペクト比と、ハイビジョン画像信号としてのアスペクト比16:9との関係に応じて変倍処理や黒帯付加処理などを行う。
そしてステップF155に進み、これらの処理を施した画像データをハイビジョン画像信号として第1ビデオバッファ44にバッファリングする。
【0054】
一方、ワイドズームモードが「入」であった場合は、ワイドズームコントロール部21による処理はステップF151からF152に進んで、まず、処理対象としている元画像データの回転角度が0度或いは180度であるか(つまり横長の画像であるか)否かを確認する。画像データの回転角度の情報は、図4のステップF101の処理によりEXIFアナライザ22によって確認されている。もし回転角度が90度又は270度であったら(つまり縦長の画像)、ワイドズームモードにかかわらず、ワイドズーム処理は行わないものとする。このためその場合はステップF154に進み、非ワイドズーム処理によりハイビジョン画像信号を生成する。
回転角度が90度又180度であったら、ステップF153に進み、16:9のハイビジョン画像信号の生成のためワイドズーム画像変換処理を行う。この場合、YCデータ記憶領域43から読み出した元画像データのアスペクト比と、ハイビジョン画像信号としてのアスペクト比16:9との関係に応じて切出し処理や変倍処理などを行う。
そしてステップF155に進み、これらの処理を施した画像データをハイビジョン画像信号として第1ビデオバッファ44にバッファリングする。
【0055】
ここまでの処理によりハイビジョン画像信号としての画像変換処理を終えたことになり、続いてステップF106としてワイドズームコントロール部21は、本体パネル表示用画像信号のための画像変換処理を行う。
まずステップF161では、ハイビジョン画像信号の画像変換処理の際に、画像の切出し処理を行ったか否かを確認する。
上記ステップF153でのワイドズーム画像変換において切出し処理を行ったのであれば、ステップF162に進み、切出し処理を行っていなければステップF163に進む。
ワイドズームコントロール部21による処理は、ステップF163に進んだ場合(つまりハイビジョン画像信号については非ワイドズーム画像変換が行われていた場合)は、通常に4:3の本体パネル表示用画像信号を得るための画像変換処理を行う。この場合、YCデータ記憶領域43から読み出した元画像データのアスペクト比と、本体パネル表示用画像信号としてのアスペクト比4:3との関係に応じて変倍処理や必要に応じた黒帯付加処理などを行う。
そしてステップF164に進み、これらの処理を施した画像データを本体パネル表示用画像信号として第2ビデオバッファ45にバッファリングする。
【0056】
一方、ワイドズームコントロール部21による処理は、ステップF162に進んだ場合(つまりハイビジョン画像信号についてはワイドズーム画像変換で切出し処理が行われていた場合)は、その切出し処理によってハイビジョン画像信号側で棄てられた画像部分を提示できる本体パネル表示用画像信号を得るための画像変換処理を行う。この場合、YCデータ記憶領域43から読み出した元画像データのアスペクト比と、本体パネル表示用画像信号としてのアスペクト比4:3との関係に応じて変倍処理や必要に応じた黒帯付加処理などを行うことに加え、ハーフトーン処理を行う。これは、ハイビジョン画像信号において切出し処理によって棄てられた画像部分をハーフトーン表示するように、画像の一部にハーフトーンエフェクトを与える処理である。
そしてステップF164に進み、これらの処理を施した画像データを本体パネル表示用画像信号として第2ビデオバッファ45にバッファリングする。
【0057】
以上の図4,図5の処理が行われることで、本実施の形態の場合、以下図6〜図9に例示するような画像表示出力が実行される。
なお、以下の説明において用いる「本体パネル幅」「本体パネル高さ」「HD幅」「HD高さ」「元画像幅」「元画像高さ」の意味は、次のとおりである。
本体パネル幅PW:デジタルスチルカメラ本体パネルの幅(Panel Width)
本体パネル高さPH:デジタルスチルカメラ本体パネルの高さ(Panel Height)
ハイビジョン信号幅HW:ハイビジョン画像信号の幅(HDTV Width)
ハイビジョン信号高さHH:ハイビジョン画像信号の高さ(HDTV Height)
元画像幅SW:元画像データの幅(Source Width)
元画像高さSH:元画像データの高さ(Source Height)
【0058】
まず図6は、元画像のアスペクト比が4:3の場合の画像変換処理を示している。
「ワイドズーム」が切の場合、図6(a)の元画像データから図6(b)のハイビジョン画像信号を生成する。
この場合、元画像幅SWをハイビジョン信号幅HWの75%、元画像高さSHをハイビジョン信号高さHHに変倍し、左右に幅がハイビジョン信号幅HWの12.5%、高さがハイビジョン信号高さHHの大きさの黒帯BBを付けでハイビジョン画像信号を生成する。
これによってハイビジョンパネル機器2では、図6(c)のような黒帯BB付きの画像表示が行われる。
【0059】
「ワイドズーム」が入の場合、図6(a)の元画像データから図6(d)のハイビジョン画像信号を生成する。
この場合、元画像の上下中央、元画像高さSHの75%の部分を切出し、そして、切出された部分の幅をハイビジョン信号幅HWに、高さをハイビジョン信号高さHHに変倍してハイビジョン出力信号を生成する。
これによってハイビジョンパネル機器2では、図6(e)のようなワイドズームとしての画像表示が行われる。
【0060】
本体パネル表示用画像信号については、図6(f)に示すように、「ワイドズーム」が入、切に関わらず、元画像幅SWを本体パネル幅PWに、元画像高さSHを本体パネル高さPHに変倍する処理を行う。但し、「ワイドズーム」が入の場合は、上記図6(d)の切出し処理によって棄てられた部分に相当する画面部分についてハーフトーン処理を行う。
従って、「ワイドズーム」が切の場合、表示部17では図6(g)のような表示が行われ、「ワイドズーム」が入の場合、表示部17では図6(h)のように、画面の上下の一部がハーフトーンHTとしての画像とされた表示が行われる。
【0061】
図7は、元画像のアスペクト比が3:2の場合の画像変換処理を示している。
「ワイドズーム」が切の場合、図7(a)の元画像データから図7(b)のハイビジョン画像信号を生成する。
この場合、元画像幅SWをハイビジョン信号幅HWの84.38%、元画像高さSHをハイビジョン信号高さHHに変倍し、左右に幅がハイビジョン信号幅HWの7.81%、高さがハイビジョン信号高さHHの大きさの黒帯BBを付けでハイビジョン画像信号を生成する。
これによってハイビジョンパネル機器2では、図7(c)のような黒帯BB付きの画像表示が行われる。
【0062】
「ワイドズーム」が入の場合、図7(a)の元画像データから図7(d)のハイビジョン画像信号を生成する。
この場合、元画像の上下中央、元画像高さSHの84.38%の部分を切出し、そして、切出された部分の幅をハイビジョン信号幅HWに、高さをハイビジョン信号高さHHに変倍してハイビジョン出力信号を生成する。
これによってハイビジョンパネル機器2では、図7(e)のようなワイドズームとしての画像表示が行われる。
【0063】
本体パネル表示用画像信号については、図7(f)に示すように、「ワイドズーム」が入、切に関わらず、元画像幅SWを本体パネル幅PWに、元画像高さSHを本体パネル高さPHの88.89%に変倍し、上下に幅が本体パネル幅PW、高さが本体パネル高さPHの5.55%の大きさの黒帯BBを付ける処理を行う。但し、「ワイドズーム」が入の場合は、上記図7(d)の切出し処理によって棄てられた部分に相当する画面部分についてハーフトーン処理を行う。
従って、「ワイドズーム」が切の場合、表示部17では図7(g)のような黒帯BB付きの表示が行われ、「ワイドズーム」が入の場合、表示部17では図7(h)のように、画面の上下の一部が黒帯BB及びハーフトーンHTとしての画像とされた表示が行われる。
【0064】
図8は、元画像のアスペクト比が16:9の場合の画像変換処理を示している。
「ワイドズーム」が切の場合、図8(a)の元画像データから図8(b)のハイビジョン画像信号を生成する。
この場合、元画像幅SWをハイビジョン信号幅HWに、元画像高さSHをハイビジョン信号高さHHに変倍してハイビジョン出力信号を生成する。
これによってハイビジョンパネル機器2では、図8(c)のような画像表示が行われる。
【0065】
「ワイドズーム」が入の場合、図8(a)の元画像データから図8(d)のハイビジョン画像信号を生成する。
この場合、元画像幅SWをハイビジョン信号幅HWに、元画像高さSHをハイビジョン信号高さHHに変倍してハイビジョン出力信号を生成する。
これによってハイビジョンパネル機器2では、図8(e)のような画像表示が行われる。この場合は、ワイドズームモードによる表示の変化は発生しない。
【0066】
本体パネル表示用画像信号については、図8(f)に示すように、「ワイドズーム」が入、切に関わらず、元画像幅SWを本体パネル幅PWに、元画像高さSHを本体パネル高さPHの75%に変倍し、上下に幅が本体パネル幅PW、高さが本体パネル高さPHの12.5%の大きさの黒帯BBを付ける処理を行う。
この場合、「ワイドズーム」が入であっても、ハイビジョン画像信号の変換処理の際に切出し処理は行われていないため、ハーフトーン処理は行われない。
従って、「ワイドズーム」が切の場合、表示部17では図8(g)のような黒帯BB付きの表示が行われ、「ワイドズーム」が入の場合も、表示部17では図8(h)のように、同様に画面の上下の一部が黒帯BBとされた表示が行われる。
【0067】
図9は、元画像のアスペクト比が4:3より小さい場合(4:3、3:2、16:9の90度、270度回転画像など)の画像変換処理を示している。例として図9(a)の元画像のアスペクト比は3:4としている。
この場合「ワイドズーム」が入、切に関わらず、元画像幅SWを(SW×HH/SH)に、元画像高さSHをハイビジョン信号高さHHに変倍し、左右に幅が(HW−(SW×HH/SH))/2、高さがハイビジョン信号高さHHの大きさの黒帯BBを付けて図9(b)のハイビジョン出力信号を生成する。
ハイビジョンパネル機器2では、図9(c)のような左右に黒帯BBが付加された画像表示が行われる。この場合もワイドズームモードによる表示の変化は発生しない。
【0068】
また本体パネル表示用画像信号については、「ワイドズーム」が入、切に関わらず、元画像幅SWを(SW×PH/SH)に、元画像高さSHを本体パネル高さPHに変倍し、左右に幅が(PW−(SW×PH/SH))/2、高さが本体パネル高さPHの大きさの黒帯を付けて、図9(d)のような本体パネル表示用画像信号を生成する。
表示部17では、「ワイドズーム」が入、切に関わらず、図9(e)のような左右に黒帯BBが付加された画像表示が行われる。
なお、アスペクト比が3:4の場合で図示したが、元画像がこれ以外の4:3より小さいアスペクト比の場合、画像の上下左右に適切な大きさの黒帯を付けることよりアスペクト比が4:3の画像を生成して、その結果得られる画像をアスペクト比が4:3の画像と見なして処理すればよい。
【0069】
本実施の形態では、例えば以上のように、元画像のアスペクト比と、ワイドズームモードの「入」「切」に応じた画像表示動作が行われる。
ここで、ハイビジョンパネル機器2においては、ユーザの操作に応じて、非ワイドズーム表示やワイドズーム表示が行われる。一方、表示部17では、常に元画像の画像内容を全て含む表示が行われることになる。
特にハイビジョンパネル機器2側でのワイドズーム表示の際に、元画像のうちで表示されていない部分(変換処理で棄てられた部分)については、表示部17においてハーフトーン表示とされてユーザに認識される。
【0070】
[3.操作に応じた画像出力]
ところで既に述べているように、ユーザはリモートコントローラ4を用いた操作によりワイドズームモードを切り換えることができる。
例えば上述のように画像表示を行っている際に、ワイドズームモードをオン/オフすることも可能である。その場合の処理について説明する。
図10はコントローラ11が、特に図3に示した入力処理部23及びワイドズームコントロール部21としてのプログラムに応じて実行する処理を示している。
【0071】
ステップF201は、リモートコントローラ4を用いて、若しくはデジタルスチルカメラ1でのGUI操作により、ユーザがワイドズーム操作を行ったか否かを検知する処理を示している。
例えばユーザがリモートコントローラ4のワイドズームキー4aを操作し、その操作コマンド情報が入力された場合、入力処理部23は、ワイドズーム操作検知として、処理をステップF201からF202に進める。
まずこの場合、現在再生モードであるか否かを確認する。再生モードとは、上述の処理で画像の表示出力を行っている状態のことである。
入力処理部23は、現在再生モードでなければ、ステップF203に進んで操作を無効とする。
【0072】
再生モードであれば、処理をステップF204に進める。例えば入力処理部23は、ワイドズームコントロール部21にワイドズーム操作を伝え、ワイドズームコントロール部21により以降の処理が行われる。
まずワイドズームコントロール部21は、現在表示出力している画像の回転角度が0度或いは180度であるか否かを確認する。
上述のように、回転角度が90度又は270度であって縦長の画像を出力しているのであれば、ワイドズームモードが「入」であってもワイドズーム処理は行わない。そのため回転角度が0度或いは180度でなければ、ステップF205でコーション処理を行う。例えば現在の画像ではワイドズームは実行できない旨のメッセージ表示を行う。メッセージ表示画像は、ハイビジョン画像信号に重畳させてもよいし、本体パネル表示用画像信号に重畳させても良い。
【0073】
回転角度が0度或いは180度であれば、処理をステップF206に進め、現在、ワイドズームモードが「入」であるか「切」であるかを確認する。
そしてワイドズームモードが「入」であれば、ステップF207に進んでワイドズームモードを「切」に切り換える。
また現在ワイドズームモードが「切」であれば、ステップF208に進んでワイドズームモードを「入」に切り換える。
そしてステップF209で、切り換えたワイドズームモード設定を保存する。
その後、ステップF210で、ワイドズームモードの切換に応じて画像描画をやり直す。即ち、それまでワイドズームモード「切」の状態で画像出力を行っていたのであれば、ワイドズームモード「入」の状態での画像変換処理を行って、ハイビジョン画像信号及び本体パネル表示用画像信号を出力する。
また、それまでワイドズームモード「入」の状態で画像出力を行っていたのであれば、ワイドズームモード「切」の状態での画像変換処理を行って、ハイビジョン画像信号及び本体パネル表示用画像信号を出力する。
【0074】
以上の処理により、ユーザがワイドズーム操作を行うことに応じて、ハイビジョンパネル機器2で表示されている静止画像が、ワイドズーム表示と、非ワイドズーム表示とで切り換えられることになる。また、いずれの場合にも、デジタルスチルカメラ1の本体の表示部17では、元画像の内容の全てが表示される。
【0075】
実際の表示状態の遷移の例を図11に示す。
例えばユーザは、メモリカード6に保存した画像を、ハイビジョンパネル機器2により見ることができるが、その際、ワイドズーム操作(リモートコントローラ4のワイドズームキー4aの押圧)によって、ワイドズームモードを切り換えたり、送り操作(リモートコントローラ4の送りキー4bの押圧)によって、順次画像を見ていくことができる。
【0076】
図11においては、左側にデジタルスチルカメラ1の表示部17での表示状態を、右側にハイビジョンパネル機器2での表示状態を示している。
まず、ある時点に、図11(a)(b)のように元画像G1についての表示を、表示部17とハイビジョンパネル機器2のそれぞれにおいて行っているとする。元画像G1のアスペクト比は4:3であったとする。
このとき、ワイドズームモードは「切」とされているとすると、ハイビジョンパネル機器2側では図1(b)のように黒帯BBが付加された表示となる。
【0077】
ここで時点t1で、ユーザがワイドズーム操作を行ったとする。
すると、上記図10の処理により、ワイドズーム設定が「入」とされるとともに、元画像G1についての画像変換処理がやり直され、ワイドズーム状態のハイビジョン画像信号が出力されるため、図11(d)のようにハイビジョンパネル機器2での表示はワイドズーム状態となる。
また、このアスペクト比4:3の元画像G1をワイドズームモードでの画像変換処理を行う際には、図6(d)で説明したように切出し処理が行われている。それに応じて本体パネル表示用画像信号の画像変換処理の際には、切出し処理で棄てられた部分についてハーフトーン処理が行われる。このため表示部17での表示状態は図11(c)のようになる。
【0078】
続いて時点t2に、ユーザが送りキー4bによる画像送り操作、例えばメモリカード6に保存されている次の画像ファイルの画像の出力を指示する操作を行ったとする。
この場合、次の画像G2を出力対象として、図4,図5の処理が行われることになる。ここで、今回の元画像G2はアスペクト比が3:4(=4:3画像の90度回転画像となる縦型の画像)であったとする。
この時点では、ワイドズームモードは「入」であるが、90度回転画像であることからハイビジョン画像信号についてのワイドズーム処理は行われない。つまり図9の画像変換処理が行われ、結果として表示部17及びハイビジョンパネル機器2において図11(e)(f)に示すような表示が実行される。
【0079】
時点t3では、ユーザが再び送りキー4bによる画像送り操作を行ったとする。
この場合、次の画像G3を出力対象として、図4,図5の処理が行われることになる。今回の元画像G3はアスペクト比が4:3であったとする。
この時点でワイドズームモードは「入」であるため、ハイビジョン画像信号についてはワイドズーム変換処理が行われる。つまり図6(d)の切出し処理を伴う画像変換処理が行われる。また、それに応じて本体パネル表示用画像信号の画像変換処理の際には、切出し処理で棄てられた部分についてハーフトーン処理が行われる。結果として表示部17及びハイビジョンパネル機器2において図11(g)(h)に示すような表示が実行される。
【0080】
時点t4において、ユーザがワイドズーム操作を行ったとする。
すると、上記図10の処理により、ワイドズーム設定が「切」とされるとともに、元画像G3についての画像変換処理がやり直され、非ワイドズーム状態のハイビジョン画像信号が出力されるため、図11(j)のようにハイビジョンパネル機器2での表示は黒帯BB付きの画像表示状態となる。またこのハイビジョン画像信号では切出し処理が行われていないため、表示部17では図11(i)のようにハーフトーン表示のない通常の表示状態となる。
【0081】
このような表示動作により、ユーザにとって適切な表示変更を実現できる。
まず最初に図11(a)(b)の表示状態とされた際に、ユーザが黒帯BBに違和感を感じたとすれば、時点t1としてのワイドズーム操作により図11(c)(d)とすればよい。
また時点t2で画像送り操作を行った際に、次の画像が縦型の画像(90度又は270度回転画像)であった場合についてはワイドズーム表示されない。もし縦型の画像に対してワイドズーム表示を行おうとすると、例えば切出し処理によって棄てられる画像範囲が極端に広くなったり、また切り出した部分の拡大率を上げなければならないことで画像が粗くなるなど、あまり良好な画像とならない。本例の場合、90度又は270度回転画像の場合は、ワイドズームモードが「入」であっても、ワイドズーム表示は行われないため、ユーザにわざわざワイドズームモード操作を要求することなく好適な画像表示を行うことができる。
また時点t3で画像送りを行うと、ワイドズームモードは「入」であるため、図11(h)のようにワイドズーム表示が行われる。この際、ユーザは図11(g)のように表示部17での画像表示により、図11(h)のワイドズーム表示において表示されていない部分(切出し処理で棄てられた部分)の画像内容を同時に確認できる。
もし、その表示されていない部分もハイビジョンパネル機器2側で見たいのであれば、ワイドズーム操作によってワイドズームモードを「切」とし、図11(j)の表示を実行させればよい。
例えばこのように、各画像データのアスペクト比や回転角度と、ユーザの意向に応じて快適な画像再生表示を行うことができる。
【0082】
[4.実施の形態の効果及び変形例]
本実施の形態によれば、画像データの表示出力の際に、ハイビジョンパネル機器2での表示を楽しみながら、デジタルスチルカメラ1本体の表示部17側では、常に元画像データの画像内容全体を確認できるようになり、ユーザにとって好適な画像出力を実現できる。
また、特に本体の表示部17側ではハーフトーン表示などで、ハイビジョンパネル機器2側で表示されない画像部分を提示することで、ユーザにとってハイビジョンパネル機器2での画像表示の状態がわかりやすいものとなる。もちろん元画像の全体がどのような画像であったかもユーザは容易に確認できる。
【0083】
また、16:9のハイビジョンパネル機器2の表示パネルに4:3や3:2のアスペクト比の画像を表示する場合、ユーザに違和感を与えることがないようにできる。
また本例の場合においてハイビジョン画像信号の生成の際には、生成された4:3信号から16:9部分を切出のではなく、ハイビジョン信号解像率より大きい元画像をハイビジョン信号本来のサイズ(例えば1920×1080)に縮小して信号を生成するため、出力信号の画質がよいという利点もある。
また、縦画像(アスペクト比が4:3より小さい画像)を再生する際には、ワイドズーム機能を自動的に無効させることで、ユーザに違和感を与えないこととすることができる。
またリモートコントローラ4の遠隔操作によってワイドズーム機能の入/切を切り替えることが出来るため、デジタルスチルカメラ1やハイビジョンパネル機器2から離れた場所で表示画像を鑑賞する場合の操作性に好適である。
そして以上のことから、上記図11でも述べた点と合わせて、ユーザに快適な画像鑑賞を提供できる。
【0084】
なお本発明は実施の形態の構成及び動作に限定されず、各種の変形例が考えられる。
まず使用態様としてはクレードル3を用いず、デジタルスチルカメラ1を直接ハイビジョンパネル機器2等の表示装置に接続するようにしてもよい。
また、本体側の表示部17において、ハイビジョンパネル機器2で表示されていない画面部分をハーフトーン表示することとしたが、切り出し処理によって棄てられた画像内容部分を提示するための表示態様としては、ハーフトーンに限られない。
例えばその部分を、ハーフトーンにするのではなく、色合いを変える、モノクロにする、その部分を枠で囲うなど、表示態様は非常に多様に考えられる。
また、必ずしも切り出し処理によって棄てられた画像内容部分が明らかとなる提示を行わなくてもよい。つまり画像内容の全てを通常に表示するのみでもよい。
【0085】
また、図3の構成に基づく図4,図5の処理によって、ハイビジョンパネル機器2と表示部17のそれぞれについて、独立した2系統の出力画像信号を生成する場合、これを利用してされらに図12に示すような画像出力を行うこともできる。
例えば図12(a)(b)は、デジタルスチルカメラ1の画像加工機能を用いて画像加工を行う場合に、表示部17では、元画像及び加工用のツールボタン、パラメータなどを表示させ、ハイビジョンパネル機器2側では、その加工処理による画像を表示させる場合を示している。
また、図12(c)(d)は、デジタルスチルカメラ1のスライドショウ機能によってスライドショウ(自動的な順次画像再生)を行っている際に、ハイビジョンパネル機器2側では、スライドショウとしての画像を順次出力するが、表示部17では、現在ハイビジョンパネル機器2で出力されている画像と、その前後の順番の画像を、サムネイル画像等で表示させている例である。
例えばこれらのように、2系統の画像出力処理を有効利用することも考えられる。
【0086】
本発明の画像出力装置の例としてデジタルスチルカメラ1を挙げた、これに限らず、他の機器でも本発明を実現できる。例えばビデオプレーヤなどの画像再生装置、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、その他各種の機器を本発明の画像出力装置として適用できる。いずれの場合も、その機器の本体の表示部での表示出力と、外部機器での表示出力について、それらの画面のアスペクト比や元画像のアスペクト比などに応じた画像変換処理を行い、本体側では常に元画像の内容の全体が表示されるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施の形態のデジタルスチルカメラと関連機器の説明図である。
【図2】実施の形態のデジタルスチルカメラの構成のブロック図である。
【図3】実施の形態のデジタルスチルカメラの画像出力処理についての機能的なブロック図である。
【図4】実施の形態の画像再生処理のフローチャートである。
【図5】実施の形態の画像変換処理のフローチャートである。
【図6】実施の形態の元画像がアスペクト比4:3の場合の表示動作の説明図である。
【図7】実施の形態の元画像がアスペクト比3:2の場合の表示動作の説明図である。
【図8】実施の形態の元画像がアスペクト比16:9の場合の表示動作の説明図である。
【図9】実施の形態の元画像がアスペクト比3:4の場合の表示動作の説明図である。
【図10】実施の形態のワイドズーム操作に応じた処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態の表示動作の遷移の説明図である。
【図12】実施の形態の変形例の説明図である。
【図13】アスペクト比の異なる画像の出力方式例の説明図である。
【図14】アスペクト比の異なる画像の出力方式例の説明図である。
【符号の説明】
【0088】
1 デジタルスチルカメラ、2 ハイビジョンパネル機器、3 クレードル、4 リモートコントローラ、5 ケーブル、6 メモリカード、11 コントローラ、12 メモリ部、13 記録再生部、15 信号処理部、16 表示制御部、17 表示部、21 ワイドズームコントロール部、22 EXIFアナライザ、23 入力処理部、33 HDTV出力部、32 赤外線受光部、44 第1ビデオバッファ、45 第2ビデオバッファ、52 レゾリューションコンバータ、53 第1ビデオエンコーダ、54 第2ビデオエンコーダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器に対しての第1のアスペクト比の画像データを出力するためのデータ処理を行う第1の画像データ出力処理部と、
機器本体に設けられ第2のアスペクト比の表示パネルを備える表示部と、
上記表示部に対しての第2のアスペクト比の画像データを出力するためのデータ処理を行う第2の画像データ出力処理部と、
表示出力対象とする元画像データのアスペクト比と、上記第1のアスペクト比との関係に応じた画像変換処理を行って上記第1のアスペクト比の画像データを生成し、上記第1の画像データ出力処理部に供給すると共に、上記元画像データのアスペクト比と、上記第2のアスペクト比との関係に応じ、かつ上記元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像変換処理を行い、上記元画像データの画像内容の全てを含んだ状態で上記第2のアスペクト比となる画像データを生成して上記第2の画像データ出力処理部に供給する画像変換処理部と、
を備えたことを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
上記画像変換処理部は、
上記第1のアスペクト比の画像データの生成のための画像変換処理において元画像データの画像内容の一部の切り出し処理を行う場合には、
上記第2のアスペクト比の画像データを生成する画像変換処理では、上記第2のアスペクト比の画像データとして、上記第1のアスペクト比の画像データにおいて上記切り出し処理によって棄てられた画像内容部分を提示する画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
操作入力に応じてワイドズームモードが設定されるとともに、
上記画像変換処理部は、ワイズズームモードとされている際の画像変換処理として、元画像のアスペクト比と上記第1のアスペクト比との関係に応じて、上記切り出し処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
上記画像変換処理部は、ワイズズームモードとされている際には、上記元画像データの回転情報を確認し、画像の回転角度が所定の角度の場合に、元画像のアスペクト比と上記第1のアスペクト比との関係に応じて、上記切り出し処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の画像出力装置。
【請求項5】
上記棄てられた画像内容部分を提示する画像データとは、上記棄てられた画像内容部分をハーフトーン表示する画像データであることを特徴とする請求項2に記載の画像出力装置。
【請求項6】
記録媒体から画像データを読み出す読出部をさらに備え、
表示出力対象とする上記元画像データとは、上記読出部によって記録媒体から読み出された画像データであることを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項7】
外部機器に対しての第1の画像データを出力するためのデータ処理を行う第1の画像データ出力処理部と、
機器本体に設けられた表示パネルを備える表示部と、
上記表示部に対しての第2の画像データを出力するためのデータ処理を行う第2の画像データ出力処理部と、
表示出力対象とする元画像データの画像変換処理を行って上記第1の画像データを生成し、上記第1の画像データ出力処理部に供給すると共に、上記元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像変換処理を行い、上記元画像データの画像内容の全てを含んだ状態の画像データを生成して上記第2の画像データ出力処理部に供給する画像変換処理部と、
を備えたことを特徴とする画像出力装置。
【請求項8】
外部機器に対しての第1のアスペクト比の画像データを出力するとともに、機器本体に第2のアスペクト比の表示パネルを備える表示部が設けられている画像出力装置の画像出力方法として、
表示出力対象とする元画像データのアスペクト比と、上記第1のアスペクト比との関係に応じた画像変換処理を行って上記第1のアスペクト比の画像データを生成し、外部機器に対して出力するステップと、
上記元画像データのアスペクト比と、上記第2のアスペクト比との関係に応じ、かつ上記元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像変換処理を行い、上記元画像データの画像内容の全てを含んだ状態で上記第2のアスペクト比となる画像データを生成して上記表示部において出力するステップと、
を備えることを特徴とする画像出力方法。
【請求項1】
外部機器に対しての第1のアスペクト比の画像データを出力するためのデータ処理を行う第1の画像データ出力処理部と、
機器本体に設けられ第2のアスペクト比の表示パネルを備える表示部と、
上記表示部に対しての第2のアスペクト比の画像データを出力するためのデータ処理を行う第2の画像データ出力処理部と、
表示出力対象とする元画像データのアスペクト比と、上記第1のアスペクト比との関係に応じた画像変換処理を行って上記第1のアスペクト比の画像データを生成し、上記第1の画像データ出力処理部に供給すると共に、上記元画像データのアスペクト比と、上記第2のアスペクト比との関係に応じ、かつ上記元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像変換処理を行い、上記元画像データの画像内容の全てを含んだ状態で上記第2のアスペクト比となる画像データを生成して上記第2の画像データ出力処理部に供給する画像変換処理部と、
を備えたことを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
上記画像変換処理部は、
上記第1のアスペクト比の画像データの生成のための画像変換処理において元画像データの画像内容の一部の切り出し処理を行う場合には、
上記第2のアスペクト比の画像データを生成する画像変換処理では、上記第2のアスペクト比の画像データとして、上記第1のアスペクト比の画像データにおいて上記切り出し処理によって棄てられた画像内容部分を提示する画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
操作入力に応じてワイドズームモードが設定されるとともに、
上記画像変換処理部は、ワイズズームモードとされている際の画像変換処理として、元画像のアスペクト比と上記第1のアスペクト比との関係に応じて、上記切り出し処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
上記画像変換処理部は、ワイズズームモードとされている際には、上記元画像データの回転情報を確認し、画像の回転角度が所定の角度の場合に、元画像のアスペクト比と上記第1のアスペクト比との関係に応じて、上記切り出し処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の画像出力装置。
【請求項5】
上記棄てられた画像内容部分を提示する画像データとは、上記棄てられた画像内容部分をハーフトーン表示する画像データであることを特徴とする請求項2に記載の画像出力装置。
【請求項6】
記録媒体から画像データを読み出す読出部をさらに備え、
表示出力対象とする上記元画像データとは、上記読出部によって記録媒体から読み出された画像データであることを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項7】
外部機器に対しての第1の画像データを出力するためのデータ処理を行う第1の画像データ出力処理部と、
機器本体に設けられた表示パネルを備える表示部と、
上記表示部に対しての第2の画像データを出力するためのデータ処理を行う第2の画像データ出力処理部と、
表示出力対象とする元画像データの画像変換処理を行って上記第1の画像データを生成し、上記第1の画像データ出力処理部に供給すると共に、上記元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像変換処理を行い、上記元画像データの画像内容の全てを含んだ状態の画像データを生成して上記第2の画像データ出力処理部に供給する画像変換処理部と、
を備えたことを特徴とする画像出力装置。
【請求項8】
外部機器に対しての第1のアスペクト比の画像データを出力するとともに、機器本体に第2のアスペクト比の表示パネルを備える表示部が設けられている画像出力装置の画像出力方法として、
表示出力対象とする元画像データのアスペクト比と、上記第1のアスペクト比との関係に応じた画像変換処理を行って上記第1のアスペクト比の画像データを生成し、外部機器に対して出力するステップと、
上記元画像データのアスペクト比と、上記第2のアスペクト比との関係に応じ、かつ上記元画像データの画像内容の全てを含むようにする画像変換処理を行い、上記元画像データの画像内容の全てを含んだ状態で上記第2のアスペクト比となる画像データを生成して上記表示部において出力するステップと、
を備えることを特徴とする画像出力方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図4】
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【図9】
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【図11】
【図12】
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【公開番号】特開2009−177464(P2009−177464A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13646(P2008−13646)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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