説明

画像収集時に放射線線量使用の遠隔報告を行うシステムおよび方法

【課題】被検者に対する電離性放射線の投射線量の指示を管理するためのデータに対するアクセスを改良すること。
【解決手段】このシステム100は、遠隔オフィス112と、被検者105に電離性放射線135を照射するシステム120との間で通信するためにブロードバンド接続118を確立する要求を顧客から受信し、電離性放射線135の照射が閾値を超える事象に関連する状態情報および個々の線量データを自動的に通信し、自動的に、報告240を生成し、ブロードバンド接続118を介して、顧客に報告240を通信する。報告240は、電離性放射線135の照射が閾値を超える事象の指示、ならびに、他のシステム170の母集団から収集される放射線線量データおよび状態情報によって規定されるベンチマークに対する、事象発生時のシステム120の個々の放射線線量データおよび個々の状態情報の比較を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、一般に、電離性放射線(ionizing radiation、例えば、x線)に関し、より具体的には、被爆被検者に対する電離性放射線の指示投射量若しくは電離性放射線投射量の指示を管理するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
治療または画像収集において電離性放射線(例えば、x線)を用いることはよく知られている。電離性放射線の適用分野は、医療領域(例えば、x線透視検査、コンピュータ断層撮影(computer tomography)(CT)、x線、組織の焼灼など)およびセキュリティスクリーニング(例えば、空港手荷物検査)において一般的である。例えば、放射線学的画像の取得とは、一般に、電離性放射線流を被爆被検者(以下「被検者」とする)に向けて照射し、被検者を通過する電離性放射線を測定する。
【0003】
電離性放射線の使用に伴う1つの懸念は、被検者の組織に対する放射線誘発性損傷による害または損傷の可能性が高まることである。これらによる確率の高いリスクは、皮膚発赤、発疹、熱傷、脱毛を含む。実際、電離性放射線を使用することは、化学療法または病気の組織の焼灼においてよく知られている。被検者の組織に放射線誘発性損傷をもたらす可能性に影響を及ぼす変数は、被検者により吸収される放射線の線量を含む。被検者によって吸収される放射線の線量に影響を及ぼす変動要素は、被検者への放射線の送出レート、被検者への放射線の曝射時間、被検者により吸収される放射線の吸収率、被検者の年齢または他の特性、そして、放射線の被検者上の曝射位置、等を含む。電離性放射線の使用に伴う別の懸念は、被検者に対する確率論的な影響(例えば、放射線誘発性がん)を引起す可能性が高まることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,228,027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電離性放射線の使用に関連する上記懸念を考慮すると、様々な適用分野、例えば、被検者の色々な曝露エリア(例えば、胸、腕、脚など)におけるx線透視画像の撮影、x線によるイメージング、CTによるイメージング等について、被検者(例えば、患者)に対する電離性放射線の投射線量の指示を管理するためのデータに対するアクセスを改良すること、または、そのよううな管理を行うための知識を増加させることの必要性は少なからず存在する。このようなデータに対する改良したアクセスは、種々のタスクを実施するために電離性放射線を使用するときの標準的な操作上の手続きや手順を確立するのに役立つと共に、被検者の特性に関する、電離性放射線曝露による決定的な或いは重要な影響の可能性において手続や手順の影響がどの程度かの測定し或いは評価するのに役立つ。上述の必要性や有用さは、本明細書で述べる主題の実施形態によって扱われる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
主題の一実施形態は、被検者に対する電離性放射線投射指示(dose direction)を管理する方法を含み、この方法は、顧客から、遠隔オフィスと本システム間で通信を行うためのインターネット接続を確立するというリクエストを受けるステップと、電離性放射線の照射が閾値を超えるような事象に関連する状態情報および個々の線量データを自動的に通信するステップと、自動的に、報告を生成し、インターネット接続を介して顧客に報告を通信するステップとを含み、報告は、電離性放射線照射のディレクションが閾値を超える事象が発生したことの指示、ならびに、電離性放射線を照射し、かつ、遠隔オフィスにデータを通信する他のシステムの母集団から収集される放射線線量データおよび状態情報によって規定されるベンチマークに対する、事象発生時のシステムの個々の放射線線量データおよび個々の状態情報の比較を含む。
【0007】
主題の別の実施形態は、プロセッサによって実行されるための複数のプログラム命令を含むコンピュータ読取り可能媒体を含み、複数のプログラム命令は、遠隔オフィスと、被検者に電離性放射線を照射するシステムとの間で通信するためにインターネット接続を確立する要求を顧客から受信するステップと、電離性放射線の照射が閾値を超える事象に関連する状態情報および個々の線量データを自動的に通信するステップと、自動的に、報告を生成し、インターネット接続を介して顧客に報告を通信するステップとを実施するためのものであり、報告は、電離性放射線の照射が閾値を超える事象の指示、ならびに、電離性放射線を照射し、かつ、遠隔オフィスにデータを通信する他のシステムの母集団から収集される放射線線量データおよび状態情報によって規定されるベンチマークに対する、事象発生時のシステムの個々の放射線線量データおよび個々の状態情報の比較を含む。
【0008】
技術上の範囲を変えたシステムおよび方法についても本明細書で述べられるであろう。この要約に述べる態様および利点に加えて、さらなる態様および利点が、次に続く図面を参照してまた詳細な説明を参照して明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】被検者に対する電離性放射線線量の照射または送出を管理するシステムの実施形態の略図である。
【図2】被検者に対する電離性放射線の照射または送出を管理するシステムを動作させる方法の略図である。
【図3】図1のシステムによって生成された、ある期間にわたる、イメージングシステム130によって実施される検査または画像収集またはスキャンの数およびその追跡される継続時間の説明の実施形態を示す図である。
【図4】図1のシステムによって生成された、被検者に対する電離性放射線の照射を採用するプロトコルについての継続時間、および、異なるプロトコルの相対的な実施の頻度についての説明の実施形態を示す図である。
【図5】図1のシステムによって生成された、プロトコルのタイプおよび画像収集モードに関して比較するための、被検者に照射された、測定された放射線線量および累積パーセンタイル(%)の説明の実施形態を示す図である。
【図6】図1のシステムによって生成された、被検者に照射される放射線線量のあるグルーピングまたは閾値範囲を超える事象の数の分布の説明の実施形態を示す図である。
【図7】図1のシステムによって生成された、電離性放射線システムのx線源−受像面間距離(SID)の変動に対する被検者に照射される放射線線量の分布の説明の実施形態を示す図である。
【図8】図1のシステムによって生成された、1つまたは複数の同様なタイプのイメージングシステム、同様なプロトコルの画像収集、または、同様なモードの画像収集、あるいは、その組合せから収集されるデータによって規定されるベンチマークに対する、個々のイメージングシステムについてのSIDの分布の説明の実施形態を示す図である。
【図9】図1のシステムによって生成された、電離性放射線源を支持するガントリの幾何形状に対する、被検者に照射される閾値を超える放射線の照射の線量レベルとロケーションを関係付けるインシデントマップの説明の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、添付図面を参照しつつ、詳細な説明の一部を形成し、また、実施可能である特定の実施形態が例示として開示される。これらの実施形態は、当業者が、実施形態を実施することを可能にするのに十分詳細に述べられ、他の実施形態が利用されてもよいこと、および、論理的変更、機械的変更、電気的変更、および他の変更が、実施形態の範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解される。したがって、以下の詳細な説明は、制限的な意味で考えられるべきでない。
【0011】
図1は、医療画像または他のプロトコルでの画像採取における放射線投射の使用を遠隔で監視し報告する管理システム100の一実施例を示すもので、この放射線投射は、被検者105に対する電離性放射線の投射指示を伴う。管理システム100は、一般に、サーバ115を有し遠隔ワークステーション(または遠隔オフィス)112に位置するコントローラ110を含むもので、このサーバ115は、、インターネットまたはブロードバンド接続または無線接続118を介して、電離性放射線を発生し放出するシステム(または装置)120と通信する。本明細書で使用される遠隔オフィス112とは、一般に、顧客の施設またはエンティティから遠い、または顧客住所から離間したアドレスのオフサイトロケーション(location off−site)を指すものとする。しかし、システム100の実施例は、顧客のところに位置する1つまたは複数の部分を含むことができ、発明の主題との関係で限定されるべきでない。
【0012】
電離性放射線システム120の一例は、放射線学的イメージングシステム130のガントリ128上に支持された放射線源125(例えば、x線を発生するx線管アッセンブリー)を含む。このイメージングシステム130の例は、一般に、x線装置、コンピュータ断層撮影装置(CT)、x線透視イメージングシステムなどを含むもので、これらの例の装置若しくはシステムは、電離性放射線(例えば、x線)135のビームを被検者105を通して投射せしめる放射線源125を有するもので、この電離性放射線が従来の方法で検出器140において検出される。電離性放射線は、被検者105を通過することによって減衰し、ついには、検出器140上に衝突する。検出器140は、電離性放射線の減衰量を変換して、被検者105の対象領域を示す画像または画像フレームを生成する。例示された放射線学的イメージングシステム130はまた、一連の採取画像を結合して再構成した3次元画像を作成するソフトウェアまたはパッケージを含む。ソフトウェア製品の例は、GENERAL ELECTRIC(登録商標)によって製造されたINNOVA(登録商標)3Dである。これらのソフトウェア製品は、血管(例えば、静脈、動脈など)または他の解剖学的構造の容積、直径、および全体のモフォロジーを測定するように動作する。
【0013】
システム100の実施例は、一般に、インターネット接続118を介して通信するコントローラ110を含み,コントローラ110が、放射線源125または放射線学的イメージングシステム130からデータを収集する。システム100の一実施例は、電離性放射線システム120と遠隔オフィス112のコントローラ110との間で通信接続118を確立するために、GENERAL ELECTRIC COMPANY(登録商標)によって製造されたINSITE(登録商標)またはTOSHIBA(登録商標)によって製造されたINNERVISION PLUSなどのソフトウェア製品を具備する。
【0014】
コントローラ110は、遠隔オフィス112に関連して述べられるが、その他の方法で、被検者105に向けて電離性放射線投射を指令するシステム130と一体化しても、または、システム130に隣接させて位置させてもよいことが理解されるべきである。
【0015】
コントローラ110の実施例は、一般に、収集データ(例えば、状態情報)を処理し解析するよう構成される。コントローラ110の実施例は、一般に、メモリ155と通信するプロセッサ150を含む。メモリ155は、一般に、コンピュータ読取り可能プログラム命令を記憶するコンピュータ読取り可能記憶媒体を含み、このプログラム命令が受信されてプロセッサ150によって実行される。メモリ155は、また、一般に、放射線源125またはイメージングシステム130によって、あるいは、他の発生源170(例えば、MRIシステム、PETイメージングシステム、画像蓄積伝送システム(picture archival system)(PACS)など)から通信を介して収集されてきたデータを記憶する。メモリ155のタイプは、ディスク記憶装置、テープドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、または、コンピュータ読取り可能命令を記憶するのに使用されるように働く任意の他の媒体を含む。
【0016】
コントローラ110はまた、入力デバイス175および出力デバイス180と通信する。入力デバイス175の実施例は、システム100のユーザから命令またはデータを受信するように動作する、キーボード、タッチスクリーン機能を有するユーザインタフェース、マウスデバイスなどを含む。出力デバイス180の実施例は、システム100からの出力をユーザに提示するもので、モニタ、可聴または視覚アラームなどを含む。
【0017】
システム100の全体的な構成を述べたが、図2に関連させてなされる以下の説明は、被検者105に対する電離性放射線の送出または投射を管理するようにシステム100を動作させるための、方法200の説明である。尚、本方法200を構成する上述のシーケンスの動作またはステップは変形され得ること、また、本方法200が、以下の説明にする全ての動作またはステップを含まなくてもよいこと、また、本方法200が、以下の説明においては非開示の動作またはステップを含む得ること、などは理解されるべきである。また、本方法200を構成する以下の動作またはステップの1つまたは複数は、メモリ内にまたは可搬型コンピュータ読取り可能媒体155上に記憶されるための、また、コントローラ110のプロセッサ150によって実行されるためのコンピュータ読取り可能なプログラム可能命令として実施されても良い。
【0018】
例のために、被検者105は患者であり、電離性放射線システム120は画像収集を実施するように働くコンピュータ断層撮影(computer tomography)(CT)イメージングシステムを含むと仮定する。
【0019】
図2のステップ205では、放射線学的イメージングシステム130と遠隔ワークステーション112(例えば、遠隔オフィス)との間で広帯域通信118(例えば、インターネット)を確立するとの要求208を受信する。要求208の形式は、インターネットを通じた電子メッセージ(例えば、電子メール)、インターネットまたはブロードバンド接続118を通じた電子通信、ウェブページによる電子通信などでよい。ステップ205の実施例として、GENERAL ELECTRIC COMPANY(登録商標)によって製造されたINSITE(登録商標)によって接続118を確立する。ステップ210で、放射線学的イメージングシステムによって患者に投射される放射線線量の上限閾値を収集する。上限閾値を収集すること一実施例として、放射線学的イメージングシステム130のユーザからのものであり、ブロードバンド接続118によって通信される。しかし、上限閾値を通信する態様は、例えば、電話、電子メールなどと変わり得る。ステップ215で、電離性放射線のビームまたはストリーム135を被検者105に通過せしめることの指示を行いまたは送出する。
【0020】
ステップ215は、患者105の画像に必要なデータを収集する。ステップ215の実施例として、当該患者105に実施される画像収集のためのプロトコルまたはタスク216(図5を参照されたい)、その患者105の画像収集が行われる位置218(例えば、解剖学的領域)などを、取得する。
【0021】
ステップ220では、次のデータを収集する:
・投射放射線量または線量率(例えば、グレイ(Gy)単位の吸収線量、
・イメージングシステム130のアイソセンタから一定距離のインターベンショナル(治療)基準点の固定基準点に対する累積空気カーマ(cumulative air kerma)、
・シーベルト(Sv)単位の等価投射線量、
・組織加重係数(tissue weighting factor)に対する実効線量、
・コンピュータ断層撮影線量指標(computed tomography dose index: CTDI)、
・重み付きCTDI、
・容積CTDI、
・複数スキャン平均線量(MSAD: multiple scan average dose)、
・患者105の画像取得に際して各イメージングシステムにより指示された線積分線量(DLP: dose length product)など)、
・イメージングシステム130または放射線源125に対する患者の位置、
・放射線源125(例えば、電子ビームがアノードターゲットに当たるx線管組立体の焦点)とフラットパネル検出器のシンチレータとの間の距離222(x線源−受像面間距離(SID)とも呼ばれる)、
・収集された上記線量上限閾値に対する照射指示された線量の比較、
・SID当たり照射指示された放射線線量の測度、
・各SIDまたはSIDグルーピングについて患者に照射指示された累積線量、
・詳細状態情報(例えば、画像採取モード、投射放射線線量または累積放射線の投射量に間に合うように指示することに対する放射線源125(および/またはスキャナ/検出器140)の位置取り、
・フレームレート (FRAME RATE)、
・自動曝射の選好(Auto Exposure Preference)、
・画像データの詳細なレベル(DETAIL LEVEL)、
・実行またはスキャンの総数(# RUNS)、
・画像収集の総スキャン時間または継続時間、
・イメージングシステム130の較正に関連する詳細(例えば、較正データなど)、
・患者105に照射される総放射線線量
ステップ220は、また、個々のイメージングシステム130の較正に関連するデータ(例えば、較正状態、較正日など)を収集する。ステップ220はまた、製造業者仕様に関するエラーメッセージ、警報、および他のパラメータを含む、イメージングシステム130の動作に関連する状態情報を収集する。
【0022】
ステップ225は、ステップ220で収集されたデータの一部分または全てを、遠隔オフィスまたはステーション112に通信する。ステップ225の一実施例は、収集データの一部分または全てを、広帯域通信118を介して通信する。しかし、収集されるデータは、他のモードの通信(例えば、無線、電話、広帯域、電子メールを介して送出される添付ファイルなど、または、組合せ)を通じて通信され得る。ステップ225は、ほぼリアルタイムベースで、バッチベースで、あるいは、イメージングシステム130のユーザまたは遠隔オフィス112のユーザによって予め決まるように定期的に実施され得る。
【0023】
ステップ225の一実施例は、線量閾値(例えば、累積線量閾値など)を超えたことの検出に応答して、個々のイメージングシステム130に関するステップ220で述べた、収集データの一部分または全てを通信する。
【0024】
ステップ230では、個々のイメージングシステム130から収集データを解析する。ステップ230の一実施例として、収集された上記データによって表される1つまたは複数形式のパラメータについて、閾値と比較する。この閾値の一実施例として、被検者105に指示された放射線指示線量についての所定値(例えば、規制値)に決定しても良い。ステップ230の別の実施例では、個々のイメージングシステム130の収集データまたは特性データを、1つまたは複数の他の同様なイメージングシステム170あるいは画像収集の同様なプロシジャ(手続)/タスク/プロトコル(手順)あるいはその組合せから収集されるデータと比較するために、イメージングシステム130の収集される前記データまたは特性をグループ化するかまたは分類することである。
【0025】
ステップ235は、収集データに対する上述した解析を示す報告240を生成して、ユーザのワークステーションまたはイメージングシステム130のディスプレイ245に表示してユーザに示す。上述した報告240の一実施例は、ステップ220で収集したデータのグラフィック表現を含むもので、ステップ220で収集したデータを、自分自身のシステムと、または、遠隔オフィスまたはステーション112が収集したイメージングシステム170の上記異型イメージングシステム群と、比較する。
【0026】
図3を参照すると、報告240の例としての図解305(例えば、棒グラフ)を含み、同図解は、イメージングシステム130によって実施された検査数、あるいは画像収集の数、またはスキャンの数、そして、ある単位期間(例えば、ユーザ指定の期間または標準的な周期的(例えば、1月ごとの)報告期間について)に亘って追跡された前述の検査などを行った継続期間を含む。
【0027】
図4を参照すると、報告240の例として、電離性放射線に曝露される複数のプロトコル(例えば、大動脈aorta、大動脈弓aorta-arch、冠血管(coronaries)、大腿femoralなどのイメージング)の分布について、電離性放射線の照射を採用するプロトコルの継続時間および/または被検者に照射される総線量を示す図解405(例えば、グラフパイチャート)を含む。図4を説明すると、異なるプロトコル間の互いの相対的な実施頻度および被検者105に対する放射線線量の関連する分布を示す。
【0028】
図5を参照すると、報告240の例として、プロトコルのタイプ(例えば、大動脈aorta、冠血管coronaries、大動脈弓aorta-arch、大腿femoral、脚foot、下肢lower leg、頚動脈carotidsなどのイメージング)に関して比較すると共に、画像収集モード(例えば、心血管造影(cardiac)、x線透視検査、デジタルサブトラクション血管造影法(digital subtraction angiography)(DSA)など)に関して比較するために、被検者に照射された、測定された放射線線量(例えば、累積線量、放射線に対する曝露の継続時間、Gy/cmで報告されるDAP(線量と放射線ビームの面積を乗じた積))および累積パーセンタイル(%)の図解505を含む。
【0029】
図6を参照すると、報告240の例として、被検者105に指示された投射放射線線量の、あるグループ化の範囲または閾値の範囲(例えば、1Gy線量範囲インクリメントでグループ化される)を超えるような事象(例えば、検査、放射線治療処置など)の数の分布を示す図解605(例えば、棒グラフ)を含む。説明の実施例は、測定された放射線線量が、閾値のグラフ表現610(例えば、点線)に対して右に規定される放射線線量閾値を越えた画像収集(例えば、スキャン、検査)の数の尺度を含む。
【0030】
図7を参照すると、報告240の例として、個々のシステム130についてのx線源−画像間距離(SID)の変化に対する、被検者105に照射される放射線線量の分布の図解705(例えば、棒グラフ)を含む。個々のシステム130に関するこの図解は、投射放射線線量についての同様の分布との比較を含むもので、この同様の分布とは、同様なタイプの、または、類似プロトコルの画像収集モードで採用された、他の複数の画像収集システム170についての、対SID変化(横軸)に対する放射線線量の分布の図である。SIDの変化(例えば、センチメートル単位)は、水平軸に沿ってなされているグルーピングにおいて示されており、垂直の棒グラフは、照射された毎月の総合累積放射線線量のパーセンテージ(例えば、ESAK、%)を表す。この図から、イメージングシステム130のユーザは、SIDの変化に対する放射線投射線量の考えられる減少を理解し得る。
【0031】
図8を参照すると、報告240の例として、1つ以上の同様タイプのイメージングシステム170、同様なプロトコルの画像収集から、または、同様なモードの画像収集から、あるいは、その組合せから収集されるデータによって規定されるベンチマークに対する、個々のイメージングシステム130についてのSIDの分布の図解805(例えば、棒グラフ)を含む。説明の例は、水平軸に沿うグルーピング(例えば、センチメートルの範囲)内のSIDを、各SIDグルーピングについて、またさらに、画像収集モード(例えば、x線透視検査、心血管造影など)に対して分割されるかまたは示された累積放射線線量の垂直棒グラフィック図に対して示す。
【0032】
図9を参照すると、報告240の例は、被検者に照射される放射線線量(例えば、累積放射線線量)の尺度が、放射線線量閾値を越える、画像収集スキャンまたは検査または治療の状態情報の図905を含む。図9の例示的図は、検査の日付/時間スタンプ、プロトコル(例えば、冠血管など)、採取モードのタイプ(例えば、x線透視検査)、自動曝射の選好、フレームレート、画像収集の詳細レベル、検査中の実行またはスキャンの数、検査の総合継続時間、ならびに、被検者105に照射される累積放射線線量(例えば、ESAK、Gy)およびDAP(mGy/cm)を含む、放射線線量閾値が超えられた、検査、採取スキャン、または治療セッションに関連する詳細状態情報を含む。
【0033】
図9の例示的図905は、さらに、イメージング線量効率最適化を管理するため、また、イメージングモード間を移行するときに、試験曝射を収集することなくイメージングシステムのパラメータを自動的にセットするためにユーザによって採用され得る、等価患者厚(equivalent patient thickness)(EPT)(すなわち、有用な画像を形成するのに十分な量の電離性放射線によって患者を貫通することが困難であるという指示を示し得る所与の状況下で、対象となる患者と同じ平均放射線減衰を生じるアクリル樹脂(PMMA)などの厚さ)の計算を含む。図9の例示的図905は、さらに、所定期間にわたる、被検者105に照射される累積放射線線量の尺度の図、および、対象となる検査について、放射線線量が閾値を越えたときの検査の時点を含む。図9の例示的図905はまた、閾値が越えられた、対象となる検査中における、被検者105に照射される放射線線量の尺度に対する、SIDまたはそのグルーピングのグラフ表現(例えば、棒グラフ)を含む。例示的図905はまた、SIDの変化が、被検者105に照射される放射線線量にどのように影響を及ぼし得るかを示し得る。
【0034】
図9に示された例示としての図解905は、さらに累積線量インシデントマップ910の実施例を含むもので、同マップは、放射線線量が閾値を越えた関心対象の検査に関連付けられている。累積線量インシデントマップ910の実施例は、イメージングシステム130の放射線源125(および/または検出器140)の追跡位置(または角度)に対する、被検者に投射指示された累積放射線線量(ESAK)の測度の図解を含む。放射線源125(および/または検出器140)の追跡位置(例えば、角度)とは、放射線源125(または検出器140)を支持するガントリ128の追跡位置(例えば、角度)に関係する。累積線量インシデントマップ910は、被検者105の左前斜位/右前斜位(LAO/RAO: left / right anterior oblique)に関してガントリ128の様々な位置を表す水平軸912、および、ガントリ128の頭側/尾側(CRA-CAU: cranial/caudal)位置を表す垂直軸913を含む。累積線量インシデントマップ910はまた、ガントリ128の位置(例えば、角度)(例えば、30度インクリメント)あるいは軸912、913に対する、被検者105に対する放射線線量(例えば、ESAK)の分布のグラフ表現914を含む。それにより、累積線量インシデントマップ910は、放射線線量の測度、ならびに、どれだけの放射線線量が被検者105に照射されたかを示す。
【0035】
ステップ235では、さらに、被検者105への投射放射線線量を減らそうとする応答または行動の申し込み915(図9)を識別することも行うもので、これは、被検者105に対して電離性放射線を投射指示するときに、イメージングシステム130の状態情報に応じて放射線線量が閾値を超えることを検出したことに応答してなされる。この応答または行動の申し込み915は、1人以上の他のユーザあるいは対象イメージングシステム130と異なる他のイメージングシステム170によって追跡されるかまたは測定される、応答または行動の収集されるデータおよび被検者105に対する放射線線量の追跡される低減に応じて生成され得る。提案される応答または行動915は、図9に示されるが、他の示す図3〜8の任意の図の一部であるかまたはその図と独立であり得る。
【0036】
本明細書の主題は、被検者105に対する電離性放射線135の照射を管理するシステム100および方法200を述べる。方法200は、遠隔オフィス112と、被検者105に電離性放射線を照射するシステム120との間で通信するためにインターネットまたはブロードバンド接続118を確立する要求208を顧客から受信するステップと、電離性放射線135の照射が閾値を超える事象に関連する状態情報および個々の線量データを自動的に通信するステップと、自動的に、報告240を生成し、顧客のユーザディスプレイ245に報告240を通信するステップとを含み、報告240は、電離性放射線135の照射が閾値を超える事象の指示、ならびに、電離性放射線を照射し、かつ、遠隔オフィス112にデータを通信する他のシステム170の母集団から収集される放射線線量データおよび状態情報によって規定されるベンチマークに対する、事象発生時の電離性放射線システム120の個々の放射線線量データおよび個々の状態情報の比較を含む。電離性放射線を照射するシステム120は、放射線学的イメージングシステム130であることができ、比較は、複数の他の放射線学的イメージングシステム170の少なくとも1つの放射線学的イメージングシステム170の採取画像の数に対する、個々の放射線学的イメージングシステム130の採取画像の数を含む。
【0037】
方法200は、閾値を超える少なくとも1つの採取画像について個々の放射線線量データを計算することであって、遠隔オフィス112から顧客のユーザディスプレイ245へ、収集された状態情報および個々の線量データを自動的に通信するステップをトリガーする、計算する。方法200は、さらに、複数の電離性放射線システム170の1つまたは複数の電離性放射線システム170のデータに対する、個々の電離性放射線システム120からのデータの比較であって、複数のタイプのプロトコルの分布について電離性放射線照射を採用するプロトコルの継続時間、異なるプロトコルの相対的な実施の頻度および被検者105に対する放射線線量の関連する分布、放射線線量、電離性放射線135に対する曝露の継続時間、放射線線量と被検者105に照射される電離性放射線135のビームの面積を乗じた積、ならびに、画像収集モードのタイプに対する放射線線量の分布のそれぞれに関連するデータの比較を含む。
【0038】
方法200は、さらに、複数の電離性放射線システム170の1つまたは複数の電離性放射線システム170のデータに対する、個々の電離性放射線システム120からのデータの比較であって、被検者に照射される放射線線量が閾値放射線線量を超える個々のシステム120に関する事象の数の分布、x線源−受像面間距離(SID)の変動に対する、被検者105に照射される放射線線量の分布、同様なプロトコルまたはモードの電離性放射線動作を実施する1つまたは複数の同様なタイプの他のシステム170から収集されるデータによって規定されるベンチマークに対する、個々のシステム120についてのSIDの分布、自動曝射の選好、画像収集のフレームレート、同じ平均放射線減衰を生じる、被検者の等価厚の計算された値、放射線線量が放射線線量閾値を超えた検査の時点のそれぞれに関連するデータの比較を含む。
【0039】
方法200は、さらに、個々の放射線学的イメージングシステム130から収集される個々の放射線線量の履歴における個々の傾向を計算するステップと、顧客から受信される選択された時間枠の間に、複数の他の放射線学的イメージングシステム170から収集される母集団放射線線量データの履歴から計算される母集団傾向に対して個々の傾向を比較するステップとを含む。
【0040】
報告240の実施例は、放射線線量が閾値を超えた、対象となる検査に関連する累積線量インシデントマップ910を含む。累積線量インシデントマップ910の実施例は、イメージングシステム130の放射源125および/または検出器140の追跡される位置または角度に対して、検査中に、被検者105に照射される累積放射線線量ESAKの尺度の図を含み得、放射源125および/または検出器140の追跡される位置または角度は、放射源125または検出器140を支持するガントリ128の追跡される位置または角度に関係付けられ得る。報告240の実施例は、被検者の左前斜位/右前斜位(LAO/RAO)に関して電離性放射線の供給源を支持するガントリの様々な位置を表す水平軸912のグラフィック図、ガントリ128の頭側または尾側位置を表す垂直軸913のグラフィック図、および、水平および垂直軸912および913に対する放射線線量の分布のグラフィック図914を含む累積線量インシデントマップ910を含む。
【0041】
本明細書の主題はまた、プロセッサ150によって実行されるための複数のプログラム命令を含むコンピュータ読取り可能媒体155を、システム100が含むことを述べ、複数のプログラム命令は、遠隔オフィス112と、被検者105に電離性放射線を照射するシステム120との間で通信するためにインターネットまたはブロードバンド接続118を確立する要求208を顧客から受信するステップと、電離性放射線135の照射が閾値を超える事象に関連する状態情報および個々の線量データを自動的に通信するステップと、自動的に、報告を生成し、インターネット接続を介して顧客に報告を通信するステップとを実施するためのものであり、報告は、電離性放射線の照射が閾値を超える事象の指示、ならびに、電離性放射線を照射し、かつ、遠隔オフィスにデータを通信する他のシステムの母集団から収集される放射線線量データおよび状態情報によって規定されるベンチマークに対する、事象発生時のシステムの個々の放射線線量データおよび個々の状態情報の比較を含む。コンピュータ読取り可能媒体のプログラム命令は、閾値を超える少なくとも1つの採取画像について個々の放射線線量データを計算することによって、遠隔オフィス112から顧客のユーザディスプレイ245へ、収集された状態情報および個々の線量データを自動的に通信するステップをトリガーするようにプロセッサ150に指令し得る。
【0042】
コンピュータ読取り可能媒体のプログラム命令は、さらに、複数の電離性放射線システム170の1つまたは複数の電離性放射線システム170のデータに対する、個々の電離性放射線システム120からのデータの比較であって、複数のタイプのプロトコル216の分布について電離性放射線135の照射を採用するプロトコルの継続時間、異なるプロトコル216の相対的な実施の頻度および被検者105に照射される放射線線量の関連する分布、放射線線量、電離性放射線135に対する曝露の継続時間、放射線線量と被検者105に照射される電離性放射線135のビームの面積を乗じた積、ならびに、画像収集モード216のタイプに対する放射線線量の分布のそれぞれにさらに関連する、比較を実施するようにプロセッサ150に指令し得る。
【0043】
コンピュータ読取り可能媒体のプログラム命令の別の実施例は、さらに、複数の電離性放射線システム170の1つまたは複数の電離性放射線システム170のデータに対する、個々の電離性放射線システム120からのデータの比較であって、被検者105に照射される放射線線量が、閾値放射線線量を超える個々のシステム120に関する事象の数の分布、X線源−受像面間距離(SID)222の変動に対する、被検者105に照射される放射線線量の分布、同様なプロトコル216またはモードの電離性放射線動作を実施する1つまたは複数の同様なタイプの他のシステム170から収集されるデータによって規定されるベンチマークに対する、個々のシステム120についてのSIDの分布、自動曝射の選好、画像収集のフレームレート、同じ平均放射線減衰を生じる、被検者の透過厚の計算された値、前放射線線量が放射線線量閾値を超える検査の時点のそれぞれにさらに関連する、比較を実施するように、プロセッサ150に指令し得る。
【0044】
コンピュータ読取り可能媒体の実施例は、さらに、個々の放射線学的イメージングシステム130から収集される個々の放射線線量の履歴における個々の傾向を計算するステップと、(例えば、顧客から受信される)選択された時間枠の間に、複数の他の放射線学的イメージングシステム170から収集される母集団放射線線量データの履歴から計算される母集団傾向に対して個々の傾向を比較するステップとを実施するように、プロセッサ150に指令するプログラム命令を含む。
【0045】
コンピュータ読取り可能媒体はまた、放射線線量が閾値を超えた、対象となる検査に関連する累積線量インシデントマップ910を含む報告240を生成するように、プロセッサ150に指令するプログラム命令を含む。累積線量インシデントマップ910の実施例は、イメージングシステム130の放射源125および/または検出器140の追跡される位置または角度に対して、検査中に、被検者に照射される累積放射線線量(ESAK)の尺度の図を含み得、放射源125および/または検出器140の追跡される位置または角度は、放射源125または検出器140を支持するガントリ128の追跡される位置または角度に関係付けられ得る。
【0046】
プログラム命令の実施例はまた、累積線量インシデントマップ910であって、被検者105の左前斜位/右前斜位(LAO/RAO)に関して電離性放射線の供給源125を支持するガントリ128の様々な位置を表す水平軸のグラフィック図912、ガントリ128の頭側または尾側位置を表す垂直軸のグラフィック図913、および、マップ910の水平および垂直軸912、913に対する被検者105に照射される放射線線量の分布のグラフィック図914を含む、累積線量インシデントマップ910をさらに含む報告240を生成するように、プロセッサ150に指令し得る。
【0047】
上述した主題の技術的効果は、電離性放射線の使用に関連する懸念、および、異なる用途(例えば、被検者の種々の曝露エリア(例えば、胸、腕、脚など)のx線透視イメージング、x線イメージング、CTイメージング)について、被検者(例えば、患者)に対する放射線線量の照射を管理するためのデータに対するアクセスまたは管理するための知識の増加についての必要性に対処するシステム100および方法200を提供する。データに対するこの改良されたアクセスは、種々のタスクを実施するために電離性放射線を使用するときに標準的な動作プロシジャおよびプロトコルの確立に利益を与えると共に、被検者105の特性に関する、電離性放射線に対する曝露に関連する熱傷または他の後遺症についての可能性におけるそれぞれのプロシジャのプロトコルの影響の測定および評価に利益を与え得る。
【0048】
この文書化された説明は、例を使用して、最良の形態を含む本発明を開示し、また同様に、当業者が本発明を作り使用することを可能にする。本発明の特許性のある範囲は、特許請求項によって規定され、また、当業者が思いつく他の例を含んでもよい。こうした他の例は、特許請求項の文字的言語と異ならない構造的要素を有する場合、または、特許請求項の文字的言語との非実質的な差を有する等価な構造を含む場合、特許請求項の範囲内にあることを意図される。
【符号の説明】
【0049】
100 管理システム
105 被検者
110 コントローラ
112 遠隔ワークステーションまたはオフィス
115 サーバ
118 インターネットあるいは広帯域または無線接続
120 電離性放射線発生または放出システムまたはデバイス
125 放射線源
128 ガントリ
130 放射線学的イメージングシステム
135 電離性放射線のビーム
140 検出器
150 プロセッサ
155 メモリ、コンピュータ読取り可能媒体
170 他の発生源(例えば、MRIシステム、PETイメージングシステム、画像蓄積伝送システム(PACS)など)
175 入力デバイス
180 報告/表示、出力デバイス
245 ユーザディスプレイ
610 閾値のグラフ表現
705 放射線線量の分布の図705(例えば、棒グラフ)
910 累積線量マップ
915 提案される応答または行動

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者(105)に対する電離性放射線(135)の照射指示を管理する方法(200)であって、
遠隔オフィス(112)と、前記被検者(105)に電離性放射線(135)の照射を指示する自システム(120)との間での通信のためにブロードバンド接続(118)を確立するという要求(208)を、顧客から、受信するステップと、
電離性放射線(135)の投射指示が閾値(610)を超える事象に関連する状態情報と個々の線量データとを自動的に通信するステップと、
自動的に、報告(180、240)を生成し、前記ブロードバンド接続を介して前記顧客に前記報告(180、240)を通信するステップとを含み、
前記報告は、
(i)電離性放射線(135)の照射が前記閾値(610)を超える前記事象発生の指摘と、
(ii)この自システム(120)での放射線投射量データ並びに状態情報と、電離性放射線(135)を照射し、かつ、前記遠隔オフィス(112)にデータを通信する複数の他システム(170)から収集された同じく放射線線量データ並びに状態情報によって規定されたベンチマークとの夫々の比較、
とを報告することを特徴とする管理方法(200)。
【請求項2】
前記電離性放射線(135)を照射する前記システム(120)は、放射線学的イメージングシステム(130)であり、前記比較は、前記複数の他の放射線学的イメージングシステム(170)の少なくとも1つの放射線学的イメージングシステム(170)が採取した複数の画像に対して、前記個々の放射線学的イメージングシステム(130)の複数の採取画像との比較を行うことを特徴とする請求項1記載の方法(200)。
【請求項3】
前記閾値(610)を超える少なくとも1つの採取画像について前記個々の放射線線量データを計算することは、前記遠隔オフィス(112)から前記顧客へ、前記収集された状態情報と個々の線量データを自動的に通信するステップをトリガーすることを特徴とする請求項2記載の方法(200)。
【請求項4】
前記個々の電離性放射線システム(170)からのデータを前記複数の電離性放射線システム(170)の1つまたは複数の電離性放射線システム(170)のデータに対して比較することは、複数のタイプのプロトコルの分布について電離性放射線(135)の前記照射を採用するプロトコルの継続時間、異なるプロトコルの相対的な実施の頻度および前記被検者(105)に照射される放射線線量の関連する分布(705)、前記放射線線量、前記電離性放射線(135)に対する曝露の継続時間、前記放射線線量と前記被検者(105)に照射される電離性放射線(135)のビームの面積を乗じた積、ならびに、画像収集モードのタイプに対する放射線線量の分布(705)のそれぞれにさらに関連する請求項1記載の方法(200)。
【請求項5】
前記複数の電離性放射線システム(170)の1つまたは複数の電離性放射線システム(170)のデータに対する、前記個々の電離性放射線システム(170)からのデータの比較は、前記被検者(105)に照射される放射線線量が、前記閾値(610)放射線線量を超える前記個々のシステム(120)に関する事象の数の分布、x線源−受像面間距離(SID)(222)の変動に対する、前記被検者(105)に照射される放射線線量の分布(705)、同様なプロトコルまたはモードの電離性放射線(135)動作を実施する1つまたは複数の同様なタイプの他のシステム(170)から収集されるデータによって規定されるベンチマークに対する、前記個々のシステム(120)についてのSIDの分布、自動曝射の選好、画像収集のフレームレート、同じ平均放射線減衰を生じる、被検者(105)の透過厚の計算された値、放射線線量が放射線線量閾値(610)を超えた検査の時点のそれぞれにさらに関連する請求項1記載の方法(200)。
【請求項6】
前記個々の放射線学的イメージングシステム(130)から収集される個々の放射線線量の履歴における個々の傾向を計算するステップと、
ユーザから受信される選択された時間枠の間に、前記複数の他の放射線学的イメージングシステム(170)から収集される前記母集団放射線線量データの履歴から計算される母集団傾向に対して前記個々の傾向を比較するステップとをさらに含む請求項1記載の方法(200)。
【請求項7】
前記報告は(180、240)は、前記放射線線量が前記閾値(610)を超えた、対象となる検査に関連する累積線量インシデントマップ(910)を含み、前記累積線量インシデントマップ(910)の実施形態は、前記イメージングシステム(130)の放射源(125)および/または検出器(140)の追跡されたる位置または角度に対して、前記検査中に前記被検者(105)に照射される累積放射線線量(ESAK)の尺度の図を含み得、前記放射源(125)および/または検出器(140)の前記追跡される位置または角度は、前記放射源(125)または検出器(140)を支持するガントリ(128)の追跡される位置または角度に関係付けられ得る請求項1記載の方法(200)。
【請求項8】
前記報告(180、240)は、前記被検者(105)の左前斜位/右前斜位(LAO/RAO)に関して前記電離性放射線(135)の供給源(125)を支持するガントリ(128)の様々な位置を表す水平軸(912)のグラフィック図、前記ガントリ(128)の頭側または尾側位置を表す垂直軸(913)のグラフィック図、および、前記水平および垂直軸(912、913)に対する放射線線量の分布(705)のグラフィック図を含む累積線量インシデントマップ(910)を含む請求項1記載の方法(200)。
【請求項9】
プロセッサ(150)によって実行されるための複数のプログラム命令を含むコンピュータ読取り可能媒体(155)であって、前記複数のプログラム命令は、
遠隔オフィス(112)と、前記被検者(105)に前記電離性放射線(135)を照射するシステム(120)との間で通信するためにブロードバンド接続を確立する要求を顧客から受信するステップと、
電離性放射線(135)の照射が閾値(610)を超える事象に関連する状態情報および個々の線量データを自動的に通信するステップと、
自動的に、報告(180、240)を生成し、前記ブロードバンド接続を介して前記顧客に前記報告(180、240)を通信するステップとを実施するためのものであり、前記報告(180、240)は、電離性放射線(135)の照射が前記閾値(610)を超える前記事象の指示、ならびに、電離性放射線(135)を照射し、かつ、前記遠隔オフィス(112)にデータを通信する他のシステム(170)の母集団から収集される放射線線量データおよび状態情報によって規定されるベンチマークに対する、前記事象発生時のシステム(120)の個々の放射線線量データおよび個々の状態情報の比較を含むコンピュータ読取り可能媒体(155)。
【請求項10】
前記閾値(610)を超える少なくとも1つの採取画像について前記個々の放射線線量データを計算することは、前記遠隔オフィス(112)から前記顧客へ、前記収集された状態情報および個々の線量データを自動的に通信するステップをトリガーする請求項9記載のコンピュータ読取り可能媒体(155)。
【請求項11】
前記複数の電離性放射線システム(170)の1つまたは複数の電離性放射線システム(170)のデータに対する、前記個々の電離性放射線システム(170)からのデータの比較は、複数のタイプのプロトコルの分布について電離性放射線(135)の前記照射を採用するプロトコルの継続時間、異なるプロトコルの相対的な実施の頻度および前記被検者(105)に照射される放射線線量の関連する分布(705)、前記放射線線量、電離性放射線(135)に対する曝露の継続時間、前記放射線線量と前記被検者(105)に照射される電離性放射線(135)のビームの面積を乗じた積、ならびに、画像収集モードのタイプに対する放射線線量の分布(705)のそれぞれにさらに関連する請求項9記載のコンピュータ読取り可能媒体(155)。
【請求項12】
前記複数の電離性放射線システム(170)の1つまたは複数の電離性放射線システム(170)のデータに対する、前記個々の電離性放射線システム(170)からのデータの比較は、前記被検者(105)に照射される放射線線量が、前記閾値(610)放射線線量を超える前記個々のシステムに関する事象の数の分布、X線源−受像面間距離(SID)(222)の変動に対する、前記被検者(105)に照射される放射線線量の分布(705)、同様なプロトコルまたはモードの電離性放射線動作を実施する1つまたは複数の同様なタイプの他のシステム(170)から収集されるデータによって規定されるベンチマークに対する、前記個々のシステム(120)についてのSIDの分布(222)、自動曝射の選好、画像収集のフレームレート、同じ平均放射線減衰を生じる、被検者(105)の透過厚の計算された値、前記放射線線量が放射線線量閾値(610)を超える検査の時点のそれぞれにさらに関連する請求項9記載のコンピュータ読取り可能媒体(155)。
【請求項13】
前記個々の放射線学的イメージングシステム(130)から収集される前記個々の放射線線量の履歴における個々の傾向を計算するステップと、
ユーザから受信される選択された時間枠の間に、前記複数の他の放射線学的イメージングシステム(170)から収集される前記母集団放射線線量データの履歴から計算される母集団傾向に対して前記個々の傾向を比較するステップとをさらに含む請求項9記載のコンピュータ読取り可能媒体(155)。
【請求項14】
前記報告は、前記放射線線量が前記閾値(610)を超えた、対象となる検査に関連する累積線量マップを含み、前記累積線量インシデントマップの実施形態は、前記イメージングシステム(130)の放射源および/または検出器の追跡される位置または角度に対して、前記検査中に前記被検者(105)に照射される累積放射線線量(ESAK)の尺度の図を含み得、前記放射源および/または検出器の前記追跡される位置または角度は、前記放射源または検出器を支持するガントリの追跡される位置または角度に関係付けられ得る請求項9記載のコンピュータ読取り可能媒体(155)。
【請求項15】
前記報告(180、240)は、前記被検者(105)の左前斜位/右前斜位(LAO/RAO)に関して前記電離性放射線(135)の供給源(125)を支持するガントリ(128)の様々な位置を表す水平軸(912)のグラフィック図、前記ガントリ(128)の頭側または尾側位置を表す垂直軸(913)のグラフィック図、および、前記マップ(910)の前記水平および垂直軸(912、913)に対する前記被検者(105)に照射される放射線線量の分布(705)のグラフィック図を含む累積線量インシデントマップ(910)を含む請求項9記載のコンピュータ読取り可能媒体(155)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−221032(P2010−221032A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65391(P2010−65391)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】