説明

画像形成システム、画像形成装置、プログラム。

【課題】設定操作が途中で中断した場合の設定内容を他の装置で再現し、利用することができる画像形成システム、画像形成装置、プログラムを提供する。
【解決手段】
ある画像形成装置において、設定操作が途中で中断した場合の設定内容を、他の画像形成装置に送信し、送信先の画像形成装置は、送信された設定内容を再現する。その際に、送信元の画像形成装置で発生した禁則設定の機能が送信先の画像形成装置で実行可能ならば、その機能を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部から入力された設定内容を再現させる、画像形成システム、画像形成装置およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスなどにおいて、ユーザに使用される印刷機や、プリント、スキャン、コピー、ファックス機能を備える複合機などの画像形成装置では、本体に設置された操作パネル等を利用して印刷設定や本体設定などの設定が行われる。
【0003】
このような画像形成装置はさまざまな機能が搭載されており、設定できる項目も多岐に亘る。ユーザが、多くの項目を設定しようとする場合、その項目が多ければ多いほど設定操作は複雑になる。たとえば、設定が完了するまでに多くの操作手順(複雑な設定操作)を必要とする設定内容で印刷を行う場合、その設定内容の印刷を行う度に、その設定内容を同じ操作手順で再設定するのは、非常に手間がかかる。そこで、設定が完了した場合の設定内容を保存し、自装置や他の装置で、その設定内容を再現する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、設定途中で設定操作が中断した場合の設定内容を保存しておき、次回使用時にその途中まで設定した設定内容を呼び出して自装置に再現する技術が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−023451号公報
【特許文献2】特開2006−256118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
設定途中の内容を自装置に再現する特許文献2に開示の技術は、たとえば、設定途中で何かの用があって画像形成装置から一旦離れ、その間に別のユーザが使用したため、戻ってきたときには設定内容が消えていたような場合には便利である。
しかし、たとえば、使用したい機能が禁則設定に該当する等、画像形成装置の性能・機能に係る制限で設定操作を中断した場合には、その途中で中断した設定内容が同じ画像形成装置に再現されても仕方がない。このような場合、特許文献2に開示の技術では対応できず、ユーザは使用する画像形成装置を変更して、同じ内容の設定操作を初めからやり直さなければならなかった。また、変更先の画像形成装置がユーザにとって使い慣れていない装置である場合には、設定内容を再現するまでに長い時間を費やして不便であった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、設定途中で中断した設定内容を他の画像形成装置で再現して利用することのできる画像形成システム、画像形成装置およびそのプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0009】
[1]ユーザからの設定操作を受け付ける操作部と、外部の機器と通信するネットワークI/F部と、を備える第1、第2の画像形成装置が通信可能に接続された画像形成システムであって、
第1の画像形成装置は、前記操作部で受け付けた設定操作が途中で中断した場合の設定内容を前記第2画像形成装置へ送信し、
第2の画像形成装置は、第1の画像形成装置から前記設定内容を受信し、その設定内容を自装置に設定して再現する
ことを特徴とする画像形成システム。
【0010】
上記[1]および下記[7]、[9]、[12]、[14]に係る発明では、第1の画像形成装置は、設定操作が途中で中断した場合の設定内容を第2の画像形成装置に送信し、第2の画像形成装置はその設定内容を受信し、自装置に設定して再現する。これにより、たとえば、ユーザが画像形成装置の選択過誤等によって、使用する画像形成装置を変更する場合において、途中まで設定した設定内容を、変更先の画像形成装置で再現する際にかかる手間を低減することができる。
【0011】
[2]前記設定操作が途中で中断するタイミングは、設定の途中において禁則設定が発生した時、もしくはユーザが設定の途中でログアウトした時である
ことを特徴とする[1]に記載の画像形成システム。
【0012】
上記[2]および下記[8]、[13]に係る発明では、設定の途中において禁則設定が発生した時、もしくはユーザが設定の途中でログアウトした時に、設定操作が途中で中断したものとして扱われ、その時点までの設定内容が送信対象にされる。これにより、送信対象となる設定操作の中断か否かを判断するタイミングが限定される為、その判断に係る処理負担を減らすことができる。なお、禁則設定の発生によって設定操作が中断した場合は、その発生した禁則設定の内容も送信対象の設定内容に含まれる。
【0013】
[3]第2の画像形成装置は、表示部をさらに備え、前記再現する設定内容の機能を前記表示部に表示する際に、第1の画像形成装置では実行できなかったが第2の画像形成装置では実行可能な機能に係る表示を強調表示する
ことを特徴とする[1]または[2]のいずれか1つに記載の画像形成システム。
【0014】
上記[3]および下記[10]、[15]に係る発明では、設定内容を再現する際に、第1の画像形成装置で禁則設定であったが第2の画像形成装置で実行可能な機能については、その機能に係る表示を強調表示する。これによってユーザは第1の画像形成装置で禁則設定であったが、第2の画像形成装置では実行可能となった機能を容易に確認できる。強調表示の態様は、強調文字を使用する、点滅表示する、特定色で表示する、など任意でよい。
【0015】
[4]第2の画像形成装置は、前記再現する設定内容の機能を前記表示部に表示する際に、第1の画像形成装置では実行可能であったが第2の画像形成装置では実行できない機能について、前記表示部に設定不可能な旨を表示する
ことを特徴とする[3]に記載の画像形成システム。
【0016】
上記[4]および下記[11]、[16]に係る発明では、設定内容を再現する際に、第1の画像形成装置では実行可能であったが、第2の画像形成装置では実行できなくなった機能についてその旨を表示部に表示する。これによりユーザは、第2の画像形成装置に変更したことで設定不可となった機能を容易に確認することができる。
【0017】
[5]第1の画像形成装置は、
前記途中で中断した設定内容を記憶する記憶部をさらに備え、
前記記憶部に記憶している設定内容の送信要求を第2の画像形成装置から受けた場合は前記設定内容を第2の画像形成装置に送信し、
前記記憶部に記憶してから所定時間の経過した設定内容は前記記憶部から消去する
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の画像形成システム。
【0018】
上記発明では、第1の画像形成装置は、設定操作が途中で中断した場合の設定内容を保存しておき、第2の画像形成装置から送信要求を受けたとき、保存している設定内容を第2の画像形成装置に送信する。また、保存してから一定時間が経過した設定内容は消去する。たとえば、第2の画像形成装置からの送信要求が無いまま一定時間が経過した設定内容は、使用される可能性の低い設定内容と判断して消去する。なお、第2の画像形成装置から送信要求を受けた場合でも、保存から一定時間が経過するまでは保存を継続してもよい。保存を継続することで再度の送信要求に応じることができる。
【0019】
[6]設定情報管理サーバをさらに備え、
第1の画像形成装置は、前記途中で中断した場合の設定内容を前記設定情報管理サーバに対して送信し、
第2の画像形成装置は、前記設定情報管理サーバから前記設定内容を受信する
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の画像形成システム。
【0020】
上記発明では、第1の画像形成装置は、設定操作が途中で中断した場合の設定内容を設定情報管理サーバに送信し、第2の画像形成装置は、設定情報管理サーバから設定内容を取得する。設定情報管理サーバは、第1の画像形成装置から送信された設定内容を保存し、第2の画像形成装置から送信要求があった場合にその設定内容を第2の画像形成装置に送信する。
【0021】
[7]ユーザからの設定操作を受け付ける操作部と、
他の画像形成装置と通信を行うネットワークI/F部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記操作部で受け付けた設定操作が途中で中断した場合の設定内容を、前記ネットワークI/F部によって前記他の画像形成装置に送信する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0022】
[8]前記制御部は、前記操作部が設定操作を受け付けている途中で禁則設定が発生した場合に前記設定操作を途中で中断させ、前記発生した禁則設定の内容と前記禁則設定が発生する前までの設定内容とを前記他の画像形成装置に送信する
ことを特徴とする[7]に記載の画像形成装置。
【0023】
[9]前記制御部は、設定操作の途中で禁則設定が発生した他の画像形成装置から該禁則設定が発生するまでの設定内容と該禁則設定の内容とを受信し、該禁則設定および禁則設定が発生するまでの設定内容のうち、自装置で実行可能な設定内容を自装置に設定して再現する
ことを特徴とする[7]または[8]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0024】
[10]表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記再現する設定内容の機能を前記表示部に表示する際に、前記他の画像形成装置において禁則設定であった設定内容が自装置で設定可能ならば、その機能に係る表示を強調表示する
ことを特徴とする[7]乃至[9]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0025】
[11]前記制御部は、前記再現する設定内容の機能を前記表示部に表示する際に、前記他の画像形成装置では実行可能であるが、自装置では実行できない機能について、前記表示部に設定不可能な旨を表示する
ことを特徴とする[10]に記載の画像形成装置。
【0026】
[12]ユーザからの設定操作を受け付ける操作部と、
他の画像形成装置と通信を行うネットワークI/F部と、
を備える画像形成装置を、
前記操作部で受け付けた設定が途中で中断した場合の設定内容を、前記ネットワークI/F部によって前記他の画像形成装置に送信するように動作させる
ことを特徴とするプログラム。
【0027】
[13]前記画像形成装置を、
前記操作部が設定操作を受け付けている途中で禁則設定が発生した場合に前記設定操作を途中で中断させ、前記発生した禁則設定の内容と前記禁則設定が発生する前までの設定内容とを前記他の画像形成装置に送信するように動作させる
ことを特徴とする[12]に記載のプログラム。
【0028】
[14]前記画像形成装置を、
設定操作の途中で禁則設定が発生した他の画像形成装置から禁則設定が発生するまでの設定内容と該禁則設定の内容とを受信し、該禁則設定および禁則設定が発生するまでの設定内容のうち、自装置で実行可能な設定内容を自装置に設定して再現するように動作させる
ことを特徴とする[12]または[13]のいずれか1つに記載のプログラム。
【0029】
[15]表示部をさらに備えた前記画像形成装置を、
前記再現する設定内容の機能を前記表示部に表示する際に、前記他の画像形成装置において禁則設定であった設定内容が自装置で設定可能ならば、その機能に係る表示を強調表示するように動作させる
ことを特徴とする[12]乃至[14]のいずれか1つに記載のプログラム。
【0030】
[16]前記画像形成装置を、
前記再現する設定内容の機能を前記表示部に表示する際に、前記他の画像形成装置では実行可能であるが、自装置では実行できない機能について、前記表示部に設定不可能な旨を表示するように動作させる
ことを特徴とする[15]に記載のプログラム。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る画像形成システム、画像形成装置およびそのプログラムによれば、設定途中で中断した設定内容を他の画像形成装置で再現して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成システムを示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る設定情報管理サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像形成システムの流れの一例を示す説明図である。
【図5】設定中に禁則設定が発生した時の画面の一例を示す説明図である。
【図6】図4において第1の画像形成装置内での処理の流れを示す流れ図である。
【図7】設定情報管理サーバに、ジョブ設定情報が一定期間保存される流れを示す流れ図である。
【図8】図4において設定情報管理サーバが、ジョブ設定再現情報を送信するまでの処理の流れを示す流れ図である。
【図9】装置情報フォーマットの一例を示す説明図である。
【図10】禁則組み合わせ情報フォーマットの一例を示す説明図である。
【図11】ジョブ設定再現情報としてのジョブ設定表の一例を示す説明図である。
【図12】設定情報管理サーバがジョブ設定表を作成するまでの処理の流れを示す流れ図である。
【図13】図4において第2の画像形成装置内で設定途中内容が再現されるまでの処理の流れを示す流れ図である。
【図14】設定内容の再現において、再現元の設定内容と比べ内容が変更された部分を表示するジョブ設定表の一例を示す説明図である。
【図15】図14のジョブ設定表に基づいて設定内容を再現した際の画面の一例を示す説明図である。
【図16】設定内容を再現する際の処理の流れを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システム5を示している。画像形成システム5は、第1の画像形成装置10Aと、第2の画像形成装置10Bと、設定情報管理サーバ30がLAN(Local Area Network)2を通じて接続されている。第1の画像形成装置10Aと第2の画像形成装置10Bはどちらも基本的にはほぼ同一構成の画像形成装置10であるが、印刷設定において実行可能な機能が異なっており、符号末尾の「A」、「B」で区別する。なお、第1、第2を区別しない場合は画像形成装置10と記す。また、第1の画像形成装置10AをMFP−A、第2の画像形成装置10BをMFP−Bと簡易表記することがある。
【0035】
画像形成装置10は、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷するコピージョブ、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部装置へ送信したりするスキャンジョブ、PCから送出されたデータに係る画像を記録紙に印刷して出力するプリントジョブなどのジョブを実行する機能を備えた、所謂、複合機である。本発明では、自機および、他の画像形成装置10における、ジョブ設定情報や、機器情報等を設定情報管理サーバ30と送受信する機能を果たす。なお、ジョブ設定情報とは、ユーザが設定したジョブの設定内容を示す情報である。ジョブ設定情報は、ユーザが設定操作を通じて設定した設定内容のみではなく、ユーザが設定変更しなかったデフォルトの設定内容も含んでおり、ジョブの設定に係るすべての設定項目の設定値を示している。また、ジョブ設定情報は、発生した禁則設定の内容と、ログインしているユーザを示すユーザ情報なども含む。なお、禁則設定とは、個々の機能は実行できるが組み合わせると実行不可能となる機能の組み合わせのことである。
【0036】
機器情報は、画像形成装置10の装置状態情報と、禁則組み合わせ情報とからなる。装置状態情報は、装置の性能、当該装置の有するすべての機能、消耗品の残量、各部のステータス情報などで構成される。禁則組み合わせ情報は、個々の機能は実行できるが組み合わせると実行不可となる機能の組み合わせ(禁則設定)を示す情報である。
【0037】
設定情報管理サーバ30は、一方の画像形成装置10から送信された設定内容や情報を登録し、他の画像形成装置10からの要求に応じて、その登録内容を送信する機能を果たす。
【0038】
本実施の形態に係る画像形成システム5は、第1の画像形成装置10Aまたは第2の画像形成装置10Bのいずれか一方での印刷に係る設定操作の途中で、例えば、禁則設定の発生等によって設定操作が中断し、使用する装置を他方に変更しなければならなくなった場合、その時点までに変更前の装置で設定していた設定内容(設定途中内容とする)を、変更先の装置で再現する機能(設定途中内容再現機能と呼ぶ)を備えている。
【0039】
なお、変更前の装置で、発生した禁則設定の機能が、変更後の画像形成装置10で設定可能ならば、前述の再現に加えて、その機能についても設定が行われる。なお、本実施の形態では第1の画像形成装置10Aが設定内容を送信し、第2の画像形成装置10Bがその設定内容を再現するものとして説明する。
【0040】
図2は、画像形成装置10の概略構成を示している。画像形成装置10は、当該画像形成装置10の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)11と、このCPU11に接続されたROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、不揮発メモリ14と、ハードディスク装置15と、表示部16と、操作部17と、ネットワークI/F部18と、スキャナ部19と、画像処理部20と、プリンタ部21と、ファクシミリ通信部22で構成されている。
【0041】
CPU11はOS(Operating System)プログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどが実行される。ROM12には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が処理を実行することでジョブの実行など画像形成装置10の各機能が実現される。RAM13はCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。
【0042】
不揮発メモリ14は、電源がオフにされても記憶が保持できる書き換え可能なメモリ(フラッシュメモリ)である。不揮発メモリ14には、装置固有の情報や各種の設定情報などが記憶される。ハードディスク装置15は、大容量の不揮発の記憶装置であり、OSプログラムや各種アプリケーションプログラム、印刷データや画像データ、ジョブに係る情報履歴(本実施の形態では、設定が途中で中断した場合の設定内容等を含む)などが保存される。
【0043】
表示部16は、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成され、各種の操作、設定に係る内容を表示する機能を果たす。操作部17は、ユーザからのジョブの投入や設定、プリントの際のログインなど、各種の操作を受け付ける機能を果たす。操作部17は、表示部16の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルのほか、画面外にテンキーや文字入力キー、スタートキーなどを備えて構成される。
【0044】
ネットワークI/F部18は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて接続されている他の外部装置などと通信を行う。本実施の形態では設定情報管理サーバ30と通信しており、ジョブ設定情報や、機器情報等の送受信を行う。
【0045】
スキャナ部19は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。スキャナ部19は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
【0046】
画像処理部20は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理を行う。
【0047】
プリンタ部21は、画像データに応じた画像を記録紙上に画像形成する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。画像形成は、インクジェット方式や、他の方式でもかまわない。
【0048】
ファクシミリ通信部22は、ファクシミリ送信および受信に係る動作を制御する。
【0049】
認証部23は、画像形成装置10を使用するユーザのユーザ認証を行う。ユーザは画像形成装置10を使用する際にはパスワードや、ID認証等によってログインし、使用終了時にはログアウトする。
【0050】
後処理装置24は、Staple等のように印刷後に施される処理を行う。なお、後処理装置24は、第1の画像形成装置10Aには搭載されているが、第2の画像形成装置10Bには、搭載されていない。
【0051】
画像形成装置10では、例えば、スキャナ部19で読み取って得た画像データ等をプリンタ部21で印刷する際に、ユーザが操作部17で、その印刷に係る各種の詳細な設定内容(印刷用紙のサイズ、コントラスト、片面・両面、2in1等)を設定することができる。
【0052】
図3は設定情報管理サーバ30の概略構成を示している。設定情報管理サーバ30は、当該設定情報管理サーバ30の動作を制御するCPU31と、このCPU31に接続されたROM32と、RAM33と、不揮発メモリ34と、ハードディスク装置35と、表示部36と、操作部37と、ネットワークI/F部38で構成されている。
【0053】
CPU31はOSプログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどが実行される。ROM32には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU31が処理を実行することでジョブ設定情報の送受信等、設定情報管理サーバ30の各機能が実現される。RAM33はCPU31がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリなどとして使用される。
【0054】
不揮発メモリ34は、電源がオフにされても記憶が保持できる書き換え可能なメモリ(フラッシュメモリ)である。不揮発メモリ34には、設定情報管理サーバ30の固有情報や各種の設定情報などが記憶される。ハードディスク装置35は、大容量の不揮発の記憶装置であり、OSプログラムや各種アプリケーションプログラム、画像形成装置10から受信したジョブ設定情報や、機器情報等が保存される。
【0055】
表示部36は、液晶ディスプレイなどで構成される。操作部37は、キーボードやマウス等で構成される。
【0056】
ネットワークI/F部38は、LANなどのネットワークを通じて接続されている他の外部装置などと通信を行う。本実施の形態では画像形成装置10と通信可能にされており、ジョブ設定情報や、機器情報等の送受信を行う。
【0057】
次に、途中で中断した設定内容を他の画像形成装置で再現する際の画像形成システム5の概略動作を説明する。
【0058】
図4は、画像形成システム5において、ユーザが第1の画像形成装置10Aで所定の設定内容による印刷を行いたかったが、第1の画像形成装置10Aでは、その設定内容が禁則設定になっていたので、使用する画像形成装置10を第1の画像形成装置10Aから第2の画像形成装置10Bに変更して印刷を行う状況の一例である。
【0059】
<事象1、禁則設定発生>
ユーザが第1の画像形成装置10Aにログインし、印刷に係る設定内容を設定している途中で、禁則設定が発生し、設定操作が中断した。
【0060】
<事象2、情報登録>
第1の画像形成装置10Aは、ジョブ設定情報と、第1の画像形成装置10Aの機器情報を設定情報管理サーバ30に送信する。送信するジョブ設定情報は、設定操作が中断した時点での設定内容(設定途中内容)と、発生した禁則設定の内容と、ログインしているユーザを示すユーザ情報などを含む。設定情報管理サーバ30はこのジョブ設定情報を受信して登録する。
【0061】
<事象3、ユーザの移動>
ユーザが第1の画像形成装置10Aをログアウトし、第2の画像形成装置10Bまで移動する。その後、第2の画像形成装置10Bにログインする。
【0062】
<事象4、ジョブ設定再現情報要求>
第2の画像形成装置10Bは、第1の画像形成装置10Aでの設定途中内容を再現する為に必要な情報(ジョブ設定再現情報)を、設定情報管理サーバ30に要求する。その際に、第2の画像形成装置10Bは、自機の機器情報を設定情報管理サーバ30に送信する。
【0063】
<事象5、ジョブ設定再現情報受信>
設定情報管理サーバ30は、第2の画像形成装置10Bからジョブ設定再現情報の要求があった場合、登録してある情報に基づいて作成したジョブ設定再現情報を第2の画像形成装置10Bに送信する。第2の画像形成装置10Bはこのジョブ設定再現情報を受信する。
【0064】
<事象6、ジョブ設定情報再現>
第2の画像形成装置10Bは、受信したジョブ設定再現情報から、第1の画像形成装置10Aで設定操作が中断した時点での設定内容(設定途中内容)を再現する。第1の画像形成装置10Aで実行不可となっていた機能が(禁則設定であった内容が)第2の画像形成装置10Bで実行可能ならば、前述の再現に加えてその機能についても設定を行う。
【0065】
以下、上記の事象1〜6における処理の流れについて詳細を説明する。
【0066】
図5は、図4においてユーザが第1の画像形成装置10Aでの設定操作の途中で禁則設定が発生したことを表示する画面40Aの一例である。図5の画面40Aでは、濃度が普通濃度、片面読み取り・片面印刷、用紙サイズB4、4in1の内容の設定が行われており、用紙サイズB4と4in1の設定の組み合わせは禁則である旨が表示されている。また、ジョブ設定情報を保存するか否かをユーザに問うメッセージと共に、「はい」と「いいえ」の釦が表示されている。
【0067】
図6は図4においての第1の画像形成装置10Aが行う処理の流れを示す。第1の画像形成装置10Aは、中断事項が発生するまで待機し(ステップS101;No)、中断事項が発生したら(ステップS101;Yes)、ステップS102に進む。中断事項とは、図5のように禁則設定が発生した場合や、ログインしているユーザがログアウトする場合である。ステップS102では、表示部16にジョブ設定情報を保存するか否かをユーザに問うメッセージと共に、「はい」と「いいえ」の釦を表示する(ステップS102)。ユーザから「はい」の釦の選択を受け付けたら(ステップS103;Yes)、第1の画像形成装置10Aはジョブ設定情報と、機器情報と、ユーザ情報を、設定情報管理サーバ30に送信し(ステップS104)、処理を終了する。ユーザから「いいえ」の釦の選択を受け付けたら(ステップS103;No)、そのまま処理を終了する。
【0068】
図7は第1の画像形成装置10Aからジョブ設定情報を受信した設定情報管理サーバ30の動作を示している。
【0069】
まず、設定情報管理サーバ30は第1の画像形成装置10Aが送信したジョブ設定情報を受信し、保存(登録)する(ステップS301)。設定情報管理サーバ30はジョブ設定情報を保存してから一定時間が経過するまで待機し(ステップS302;No)、一定時間が経過したら(ステップS302;Yes)、ジョブ設定情報を消去して(ステップS303)処理を終了する。この一定時間は、3時間でも、1日でも、適宜でよいが、好ましくは、該一定時間を経過すると、保存した設定内容の使用される可能性が十分低いと判断できる時間にすることが望ましい。
【0070】
次に、ユーザが第2の画像形成装置10Bにログインしてから、ジョブ設定再現情報を要求するまでの詳細な流れについて説明する。第2の画像形成装置10Bがジョブ設定再現情報を要求する際には、以下の(1)〜(4)のステップを経てジョブ設定再現情報を要求する。
(1)ユーザの操作によって、第2の画像形成装置10Bは自機にログインしているユーザのユーザ情報と、ユーザ情報が同一のジョブ設定情報の検索を設定情報管理サーバ30に指示する。(この際に、ユーザ情報と検索指示を送信)
(2)設定情報管理サーバ30は、第2の画像形成装置10Bから受信したユーザ情報と同一のユーザ情報を持つジョブ設定情報を、登録してあるジョブ設定情報から検索し、その検索結果として得たジョブ設定情報を、第2の画像形成装置10Bに送信する。
(3)第2の画像形成装置10Bは、設定情報管理サーバ30から受信したジョブ設定情報が複数の場合は、各ジョブ設定情報の内容を表示部にリスト表示し、どのジョブ設定情報に係る設定内容を再現するかについてユーザから選択、決定を受け付ける。設定情報管理サーバ30から送信されたジョブ設定情報が1つであった場合は、そのジョブ設定情報に係る設定内容の再現を行うことが自動的に決定する。
(4)第2の画像形成装置10Bは、どのジョブ設定情報に係る設定内容を再現するか決定したら、そのジョブ設定内容に対応するジョブ設定再現情報を設定情報管理サーバ30に要求する。
【0071】
図8には図4において、設定情報管理サーバ30が第2の画像形成装置10Bによるジョブ設定再現情報の要求を受信してから、第2の画像形成装置10Bにジョブ設定再現情報を送信するまでの処理の流れを示す。設定情報管理サーバ30は、第2の画像形成装置10Bから送信されたジョブ設定再現情報の要求と、第2の画像形成装置10Bの機器情報を受信したら(ステップS401)、第1の画像形成装置10Aから受信したジョブ設定情報と、第2の画像形成装置10Bの機器情報とからジョブ設定再現情報を作成する(ステップS402)。そして、その作成したジョブ設定再現情報を第2の画像形成装置10Bに送信し(ステップS403)処理を終了する。
【0072】
設定情報管理サーバ30に送信される第2の画像形成装置10Bの機器情報とは、第2の画像形成装置10Bの装置状態情報と、禁則組み合わせ情報で構成される。装置状態情報とは、マシンの性能や、機能、消耗品(紙やインク等)の残量、各部のスターテス情報等である。禁則組み合わせ情報とは、組み合わせることによって実行不可になる機能の組み合わせを示す情報である。
【0073】
図9は、機器情報として送信される際の装置状態情報を示す装置情報フォーマット60の一例を示す。装置情報フォーマット60では、資材不足や、故障中である等の理由で使用不可能となっている機能や、性能、設定を確認することができる。
【0074】
図10は機器情報として送信される際の禁則組み合わせ情報を示す禁則組み合わせ情報フォーマット70の一例を示す。禁則組み合わせ情報フォーマット70は、第2の画像形成装置10Bが実行可能な全ての機能が縦欄(図10の設定1)、横欄(図10の設定2)にそれぞれ登録された表であり、縦欄の機能と、横欄の機能との組み合わせが、組み合わせ可能であれば「○」で表示され、組み合わせ不可能(禁則設定)であれば「×」で表示されている。
【0075】
図11は、図8の処理でジョブ設定再現情報として作成されるジョブ設定表50の一例を示している。
【0076】
ジョブ設定表50には、機能/性能名51と、実行可/不可52と、機能設定有無53と、原因54の項目がある。実行可/不可52の欄には、機能/性能名51の欄に列挙された各機能(性能)について、第2の画像形成装置10Bで実行可能か否かが示される。機能設定有無53の欄には、機能/性能名51の欄に列挙された各機能(性能)について、第1の画像形成装置10Aで設定操作が中断した際の設定内容(設定途中内容)においてその設定がされていたか、また設定が禁則設定であったかどうかが表示されている。原因54には機能設定有無53での表示が禁則設定であった場合、機能/性能名51に記述された機能と組み合わされて禁則設定となった他方の機能を表示する。
【0077】
実行可/不可52の欄は、対応する機能/性能名51の欄に記述された機能を第2の画像形成装置10Bで実行可能であれば「1」、禁則設定によって実行不可能ならば「2」、それ以外の理由で実行不可ならば「0」、が登録される。禁則設定以外の理由とは、たとえば紙切れやインク切れ、故障等の場合がある。機能設定有無53の欄には、対応する機能/性能名51の欄に記述された機能が、設定途中内容において設定がされていたなら「1」、第1の画像形成装置10Aで発生した禁則設定であるならば「2」が登録される。第2の画像形成装置10Bはこのジョブ設定表50から、第1の画像形成装置10Aで設定操作が中断した時点での設定内容を再現する。なお、図11の例では、第1の画像形成装置10AにてB4用紙の設定が、4in1との組み合わせにより禁則設定であったこと、第1の画像形成装置10Aでは設定されていたが、第2の画像形成装置10Bでは両面印刷とウォーターマークの機能の組み合わせが禁則設定であること等が読み取れる。
【0078】
図12は、図8のステップS402の詳細を示す流れ図である。まず、設定情報管理サーバ30は、第1の画像形成装置10Aから受信したジョブ設定情報がまだ保存されている状態か否かを調べる(ステップS501)。まだ保存されている場合は(ステップS501;Yes)、まず、図11のジョブ設定表50における機能/性能名51の部分を作成する(ステップS502)。機能/性能名51の部分を作成する際には、まず第1の画像形成装置10Aから受信した、設定途中内容において登録されている機能及び禁則設定になった機能をすべて、そのまま表の欄に設定する。
【0079】
次に、ジョブ設定表50における実行可/不可52の部分を作成する(ステップS503)。実行可/不可52の部分を作成する際には、まず、第2の画像形成装置10Bから受信した装置情報フォーマット60に記載のない機能は、第2の画像形成装置10Bでは実行不可能な機能なので「0」を登録する。次に、第2の画像形成装置10Bから受信した禁則組み合わせ情報フォーマット70を参照し、機能/性能名51の欄に設定された残りの機能のうち、その中の機能を組み合わせると、第2の画像形成装置10Bにおいて禁則設定となってしまう機能を調べ、その機能の実行可/不可52の欄に「2」を登録する。次に、まだ実行可/不可52の欄が未登録の機能が、第2の画像形成装置10Bにおいて実行不可能であるか否かを、第2の画像形成装置10Bから受信した装置情報フォーマット60を参照して調べ、その機能が実行可能なら「1」、その機能が資材不足や故障等により実行不可なら「0」を登録する。
【0080】
ジョブ設定表50における機能設定有無53の部分を作成する(ステップS504)。機能設定有無53の部分を作成する際には、ステップS502で機能/性能名51の欄に設定した機能が、第1の画像形成装置10Aから受信した、設定途中内容において登録されている機能であれば「1」、禁則設定になった機能であれば「2」を登録する。
【0081】
そして、ジョブ設定表50における原因54の部分を作成し(ステップS505)、処理を終了する。原因54の部分を作成する際には、まずステップS504で実行可/不可52の欄に「2」が登録された機能について、第2の画像形成装置10Bにおいてその機能と組み合わされることにより禁則設定となる他方の機能を登録する。この時は第2の画像形成装置10Bから受信した禁則組み合わせ情報フォーマット70を参照する。次にステップS504で機能設定有無53の欄に「2」が登録された機能について、第1の画像形成装置10Aにおいてその機能と組み合わされて禁則設定となった他方の機能を登録する。この時は第1の画像形成装置10Aから受信したジョブ設定情報のうち、禁則設定となった機能の情報を参照する。
【0082】
図13は、図4において、ユーザが第2の画像形成装置10Bにログインした後に第2の画像形成装置10Bが行う処理の流れを示す。
【0083】
ユーザの操作により、第2の画像形成装置10Bは設定情報管理サーバ30にジョブ設定再現情報の要求を送信する(ステップS201)。その際に、第2の画像形成装置10Bの機器情報も送信する(ステップS202)。その後、設定情報管理サーバ30からジョブ設定再現情報の取得に成功した場合は(ステップS203;Yes)、ジョブ設定再現処理を行い(ステップS205)処理を終了する。ジョブ設定情報が取得できなかった場合は(ステップS203;No)、通常画面表示を行い(ステップS204)処理を終了する。ジョブ設定再現処理の詳細については後述する。
【0084】
図13のステップS205において第2の画像形成装置10Bが、ジョブ設定再現情報の示す設定内容を再現する際には、ジョブ設定表50において、機能設定有無53に「2」が登録されており、実行可/不可52の部分に「1」が登録されている機能については、第1の画像形成装置10Aでは禁則設定であったが第2の画像形成装置10Bでは実行可能となった機能であると判断し、その機能の表示部分を強調表示する。また、ジョブ設定表50において、機能設定有無53に「1」が登録されており、実行可/不可52の部分に「0」または「2」が登録されている機能については、第1の画像形成装置10Aでは実行可能であったが、第2の画像形成装置10Bでは実行不可能となった機能であると判断し、その旨を表示部に表示する。
【0085】
図14が示すジョブ設定表50αは、説明のために、図11に示すジョブ設定表50に上記の判断結果を追記して示したものである。B4用紙欄の機能は、機能設定有無53に「2」が登録されており、実行可/不可52の部分に「1」が登録されているので、第1の画像形成装置10Aでは禁則設定であったが、第2の画像形成装置10Bでは可能になった機能であると判断されており、その旨が機能設定有無53の欄に追記されている。また、Staple欄の機能は、機能設定有無53に「1」が登録されており、実行可/不可52の部分に「0」が登録されているので、第1の画像形成装置10Aでは設定可能であったが、第2の画像形成装置10Bでは不可能になった機能であると判断されており、その旨が実行可/不可52の部分に追記されている。
【0086】
図15は、第2の画像形成装置10Bが設定内容を再現する際に、図11に示すジョブ設定表50と上記判断に基づいて、表示部に表示される画面40Bの一例を示す。B4印字が選択可能になった旨が強調表示(図15では太字設定として)され、Stapleの機能が選択不可能になった旨も表示されている。また、設定途中内容に含まれていた両面印刷とウォーターマークの機能の組み合わせが禁則設定として発生した旨も表示されている。強調表示は、該当部分の点滅や、音声でのアナウンス等の他の手段でもよい。また実行不可となった旨の通知も、文字の他にも、該当部分のグレーアウトや、音声でのアナウンス等、他の手段でもよい。図15では、B4の選択釦は点滅表示し、Staple(ステープル)の釦はグレーアウトで表示されている。
【0087】
図16は図13のステップS205におけるジョブ設定再現処理の詳細を示す。なお、この処理では、第1の画像形成装置10Aでは禁則設定であったが第2の画像形成装置10Bで実行可能となった機能は強調表示し、第1の画像形成装置10Aでは実行可能であったが第2の画像形成装置10Bで実行不可となった機能(禁則設定になったものも含む)はグレーアウトで表示するものとする。
【0088】
第2の画像形成装置10Bはまず、設定情報管理サーバ30から取得したジョブ設定再現情報としてのジョブ設定表50の機能/性能51の欄の最初(一番上の)の機能または性能(以下、記載機能と省略する)に注目する(ステップS601)。その注目する記載機能の実行可/不可52の欄に「1」が設定されているか否かによって、その記載機能が画像形成装置10Bにて実行可能か否かを調べる(ステップS602)。実行可能ならば(「1」が設定されていれば)(ステップS602;Yes)、ステップS603で、その注目する記載機能の機能設定有無53の欄に「1」、「2」のどちらが設定されているかによって、その記載機能が第1の画像形成装置10Aで設定されていたか否かを調べる(ステップS603)。
【0089】
機能設定有無53の欄に「1」が設定されていた場合(ステップS603;Yes)は、その記載機能が第1の画像形成装置10Aで設定されていたものとして、その記載機能を自装置の操作部で設定操作を受け付けた場合と同様に、自装置に対して設定し(設定内容の再現)(ステップS604)、ステップS605に進む。
【0090】
機能設定有無53の欄に「2」が設定されていた場合(ステップS603;No)は、その記載機能が第1の画像形成装置10Aで禁則設定であったとして、自装置の操作部で設定操作を受け付けた場合と同様に、その記載機能を自装置に対して設定し、表示部のその記載機能の表示について強調表示を行い(ステップS606)、ステップS605に進む。
【0091】
ステップS602において、注目している記載機能が実行不可である場合は(実行可/不可52の欄に「0」もしくは「2」が登録されていれば)(ステップS602;No)、注目している記載機能が、第2の画像形成装置10Bにおいて禁則設定であるか否かを調べる(ステップS607)。禁則設定であれば(実行可/不可52の欄に「2」が登録されていれば)(ステップS607;Yes)、禁則設定が発生した旨を表示部に表示し(ステップS608)、ステップS609に進む。注目している記載機能が、禁則設定でなければ(実行可/不可52の欄に「0」が登録されていれば)(ステップS607;No)、そのままステップS609に進む。
【0092】
ステップS609では、注目している記載機能が第1の画像形成装置10Aで設定されていたか否かを調べる(ステップS609)。その際には、注目する記載機能の機能設定有無53の欄に「1」、「2」のどちらが設定されているかによって判断する。機能設定有無53の欄に「1」が設定されていた場合は(ステップS609;Yes)、その記載機能が第1の画像形成装置10Aで設定されていたとして、表示部のその記載機能の表示部分をグレーアウトで表示し(ステップS610)、ステップS605に進む。機能設定有無53の欄に「2」が設定されていた場合は(ステップS609;No)、その記載機能が第1の画像形成装置10Aでは禁則設定であったとして、そのままステップS605に進む。
【0093】
ステップS605では、ジョブ設定表50の全ての記載機能が処理済みか否かを調べる(ステップS605)。まだ、処理していない記載機能がある場合は、(ステップS605;No)、未処理の記載機能の中のいずれか1つを新たに注目する記載機能として(ステップS611)、ステップS602に戻って処理を継続する。全ての記載機能について処理済みならば(ステップS605;Yes)、ステップS612に進む。
【0094】
ステップS612では、ここまでの処理の中で第2の画像形成装置10Bにおいて禁則設定が発生しているか否か(処理の中でステップS607;Yesがあったか否か)を調べる(ステップS612)。禁則設定が発生していなければ(処理の中でステップS607;Yesが一度もなければ)(ステップS612;No)、処理を終了する。禁則設定が発生していた場合は(ステップS612;Yes)、ここまでの処理で自装置に対して設定した設定内容と、その禁則設定の内容と、ユーザ情報(ログイン認証等によって取得した)を設定情報管理サーバ30に送信し(ステップS613)、処理を終了する。
【0095】
本発明によれば、たとえば禁則設定の発生等により、設定操作が途中で中断した場合、その時点での設定内容を他の装置に送信し、他の装置でその設定内容を再現し、利用することができる。また、送信元の装置で禁則設定であった機能が送信先の装置では設定可能ならば、その機能についても送信先の装置で設定する。設定内容を他の装置に送信する際には、サーバ等を中継してもよい。
【0096】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0097】
本発明の実施の形態では、画像形成システムであったが、画像形成装置を、設定途中内容を他の装置に送信するように機能させる、もしくは、他の装置から受信した設定途中内容を自装置で再現し利用できるように機能させるプログラムでもよい。また、設定途中内容を他の装置に送信する、もしくは他の装置から受信した設定途中内容を自装置で再現し利用できる画像形成装置単体であってもよい。
【0098】
本発明の実施の形態では、画像形成システム5は第1の画像形成装置10Aと第2の画像形成装置10Bと、設定情報管理サーバ30で構成されていたが、設定情報管理サーバ30はなくてもよい。その場合は、第1の画像形成装置10Aが第2の画像形成装置10Bからジョブ設定再現情報の要求を受信した場合に、ジョブ設定再現情報を作成し、これを第2の画像形成装置10Bに対して送信するように構成すればよい。
【0099】
ジョブ設定再現情報は、第2の画像形成装置10Bで作成してもよい。その際には、第2の画像形成装置10Bが、第1の画像形成装置10Aにおいて設定操作が中断した時点での設定内容(設定途中内容)を受信し、その受信した内容と、自機の機器情報(実施の形態での装置情報フォーマット60と、禁則組み合わせ情報フォーマット70に相当)から、ジョブ設定再現情報を作成する。
【0100】
本発明の実施の形態では、設定管理サーバ30が登録されているジョブ設定情報を検索する際にユーザ情報を検索キーとして検索したが、他の情報を検索キーとしてもよい。例えば、時刻情報等や、ジョブ設定情報にファイル名等を付与しておき、検索キーとして使用してもよい。
【0101】
本発明の実施の形態では、ジョブ設定情報を保存するタイミングは、禁則設定が発生した場合のみであったが、これに限らない。ユーザが自操作によってログアウトする時、設定途中で無操作が所定時間以上継続してタイムアウトした時、ユーザの指示した任意のタイミングなどで(一時的に設定操作を中断する場合等)ジョブ設定情報を保存してもよい。
【0102】
本発明の実施の形態は、印刷に係る設定を他の画像形成装置で再現するものであったが、印刷に係る設定に限らず、装置本体の設定等、(たとえば、省電力モードにおける詳細設定や、画面表示に係る詳細設定等)その他の設定でもよい。
【0103】
本発明の実施の形態では、画像形成システムを構成する画像形成装置は2台であったが、台数はこれに限らない。2台以上の複数台であればよい。なお画像形成装置が3台以上あって、最初に設定を行っていた第1の画像形成装置で禁則設定の発生により設定が中断し、第2の画像形成装置でその設定途中内容の再現を行った際に、またもや禁則設定が発生したとする。その際には、第2の画像形成装置は、自装置にて再現した設定内容と発生した禁則設定の内容を含む新たなジョブ設定情報をサーバに送信し、第3の画像形成装置で、そのジョブ設定内容に対応するジョブ設定再現情報を取得し、設定途中内容を再現すればよい。その際に第3の画像形成装置においても禁則設定が発生した場合は、先ほどの第2の画像形成装置と同様に動作すればよい。
【0104】
第2の画像形成装置10Bで設定途中内容の再現(禁則設定であった機能の設定を含む)が完了した時点で、設定情報管理サーバ30にその旨を通知し、これを受けた設定情報管理サーバ30は、その通知に対応するジョブ設定情報がまだ残っていた場合にそのジョブ設定情報を削除してもよい。
【0105】
第1の画像形成装置10Aで禁則であった機能が、第2の画像形成装置10Bにおいても実行不可能な場合、実行不可能の理由を表示部に表示してもよい。たとえばその機能が、第2の画像形成装置10Bにおいても禁則設定である場合ならその旨を、故障や資材不足によるものならその旨を、そもそも実施不可能な機能であるならばその旨を通知すればよい。
【符号の説明】
【0106】
2…LAN
5…画像形成システム
10…画像形成装置
10A…第1の画像形成装置(MFP−A)
10B…第2の画像形成装置(MFP−B)
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…不揮発メモリ
15…ハードディスク装置
16…表示部
17…操作部
18…ネットワークI/F部
19…スキャナ部
20…画像処理部
21…プリンタ部
22…ファクシミリ通信部
23…認証部
24…後処理装置
30…設定情報管理サーバ
31…CPU
32…ROM
33…RAM
34…不揮発メモリ
35…ハードディスク装置
36…表示部
37…操作部
38…ネットワークI/F部
40A…画面(第1の画像形成装置)
40B…画面(第2の画像形成装置)
50…ジョブ設定表
50α…ジョブ設定表(比較結果記載済み)
51…機能/性能名
52…実行可/不可
53…機能設定有無
54…原因
60…装置情報フォーマット
70…禁則組み合わせ情報フォーマット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの設定操作を受け付ける操作部と、外部の機器と通信するネットワークI/F部と、を備える第1、第2の画像形成装置が通信可能に接続された画像形成システムであって、
第1の画像形成装置は、前記操作部で受け付けた設定操作が途中で中断した場合の設定内容を前記第2画像形成装置へ送信し、
第2の画像形成装置は、第1の画像形成装置から前記設定内容を受信し、その設定内容を自装置に設定して再現する
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記設定操作が途中で中断するタイミングは、設定の途中において禁則設定が発生した時、もしくはユーザが設定の途中でログアウトした時である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
第2の画像形成装置は、表示部をさらに備え、前記再現する設定内容の機能を前記表示部に表示する際に、第1の画像形成装置では実行できなかったが第2の画像形成装置では実行可能な機能に係る表示を強調表示する
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載の画像形成システム。
【請求項4】
第2の画像形成装置は、前記再現する設定内容の機能を前記表示部に表示する際に、第1の画像形成装置では実行可能であったが第2の画像形成装置では実行できない機能について、前記表示部に設定不可能な旨を表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
第1の画像形成装置は、
前記途中で中断した設定内容を記憶する記憶部をさらに備え、
前記記憶部に記憶している設定内容の送信要求を第2の画像形成装置から受けた場合は前記設定内容を第2の画像形成装置に送信し、
前記記憶部に記憶してから所定時間の経過した設定内容は前記記憶部から消去する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像形成システム。
【請求項6】
設定情報管理サーバをさらに備え、
第1の画像形成装置は、前記途中で中断した場合の設定内容を前記設定情報管理サーバに対して送信し、
第2の画像形成装置は、前記設定情報管理サーバから前記設定内容を受信する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像形成システム。
【請求項7】
ユーザからの設定操作を受け付ける操作部と、
他の画像形成装置と通信を行うネットワークI/F部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記操作部で受け付けた設定操作が途中で中断した場合の設定内容を、前記ネットワークI/F部によって前記他の画像形成装置に送信する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記操作部が設定操作を受け付けている途中で禁則設定が発生した場合に前記設定操作を途中で中断させ、前記発生した禁則設定の内容と前記禁則設定が発生する前までの設定内容とを前記他の画像形成装置に送信する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、設定操作の途中で禁則設定が発生した他の画像形成装置から該禁則設定が発生するまでの設定内容と該禁則設定の内容とを受信し、該禁則設定および禁則設定が発生するまでの設定内容のうち、自装置で実行可能な設定内容を自装置に設定して再現する
ことを特徴とする請求項7または8のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項10】
表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記再現する設定内容の機能を前記表示部に表示する際に、前記他の画像形成装置において禁則設定であった設定内容が自装置で設定可能ならば、その機能に係る表示を強調表示する
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記再現する設定内容の機能を前記表示部に表示する際に、前記他の画像形成装置では実行可能であるが、自装置では実行できない機能について、前記表示部に設定不可能な旨を表示する
ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
ユーザからの設定操作を受け付ける操作部と、
他の画像形成装置と通信を行うネットワークI/F部と、
を備える画像形成装置を、
前記操作部で受け付けた設定が途中で中断した場合の設定内容を、前記ネットワークI/F部によって前記他の画像形成装置に送信するように動作させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
前記画像形成装置を、
前記操作部が設定操作を受け付けている途中で禁則設定が発生した場合に前記設定操作を途中で中断させ、前記発生した禁則設定の内容と前記禁則設定が発生する前までの設定内容とを前記他の画像形成装置に送信するように動作させる
ことを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記画像形成装置を、
設定操作の途中で禁則設定が発生した他の画像形成装置から禁則設定が発生するまでの設定内容と該禁則設定の内容とを受信し、該禁則設定および禁則設定が発生するまでの設定内容のうち、自装置で実行可能な設定内容を自装置に設定して再現するように動作させる
ことを特徴とする請求項12または13のいずれか1つに記載のプログラム。
【請求項15】
表示部をさらに備えた前記画像形成装置を、
前記再現する設定内容の機能を前記表示部に表示する際に、前記他の画像形成装置において禁則設定であった設定内容が自装置で設定可能ならば、その機能に係る表示を強調表示するように動作させる
ことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1つに記載のプログラム。
【請求項16】
前記画像形成装置を、
前記再現する設定内容の機能を前記表示部に表示する際に、前記他の画像形成装置では実行可能であるが、自装置では実行できない機能について、前記表示部に設定不可能な旨を表示するように動作させる
ことを特徴とする請求項15に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−89982(P2013−89982A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225526(P2011−225526)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】