説明

画像形成システム、画像書込装置及び画像書込プログラム

【課題】 電源機構を有しない表示媒体の紛失を検知し得る画像形成システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 画像情報と、自己と自己以外とを識別する第1識別情報と、を送信する携帯端末100と、自己と自己以外とを識別する第2識別情報を具備し、画像情報に応じた画像を表示する光書込型の電子ペーパ200a〜200cと、画像情報と第1識別情報とを受信する識別情報等受信部301、第2識別情報を読み取る識別情報読取部302、第1識別情報と第2識別情報とを関連付ける識別情報関連付部306、第1識別情報及び第2識別情報を識別情報記憶部308に保存する識別情報保存部307及び受信した第1識別情報と保存された第1識別情報とが一致する場合に、画像情報に応じた画像を電子ペーパ200a〜200cへ書込する画像書込部309を具備するライタ300と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像書込装置及び画像書込プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末から送信された画像を表示媒体(例えば電子ペーパ)へ書込む技術が知られている。また、電源機構を有する表示媒体が、通信端末装置との無線通信により監視され、無線接続が切られたときに、その画像表示媒体がアラーム音を発する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−114910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電源機構を有しない表示媒体の紛失を検知し得る画像形成システム、画像書込装置及び画像書込プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、画像情報と、自己と自己以外とを識別する第1識別情報と、を送信する送信手段と、自己と自己以外とを識別する第2識別情報を具備し、画像情報に応じた画像を表示する光書込型の表示媒体と、送信手段から送信された画像情報と第1識別情報とを受信する受信部、表示媒体から第2識別情報を読み取る読取部、受信部により受信した第1識別情報と、読取部により読み取った第2識別情報と、を関連付ける関連付部、関連付部により関連付けられた第1識別情報及び第2識別情報を記憶部に保存する保存部及び受信部により受信した第1識別情報と記憶部に保存された第1識別情報とが一致する場合に、受信部により受信した画像情報に応じた画像を表示媒体へ書込む書込部を具備する画像書込手段と、を有することを特徴とする画像形成システムである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、画像情報と、携帯端末を識別する第1識別情報と、を受信する受信手段と、光書込型の表示媒体を識別する第2識別情報を読み取る読取手段と、受信手段により受信した第1識別情報と、読取手段により読み取った第2識別情報と、を関連付ける関連付手段と、関連付手段により関連付けられた第1識別情報及び第2識別情報を記憶手段に保存する保存手段と、受信手段により受信した第1識別情報と記憶手段に保存された第1識別情報とが一致する場合に、受信手段により受信した画像情報に応じた画像を表示媒体へ書込む書込手段と、を有することを特徴とする画像書込装置である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、書込手段は、さらに、読取手段により読み取ったすべての第2識別情報と記憶手段に保存されたすべての第2識別情報とが一致する場合に、受信手段により受信した画像情報に応じた画像を表示媒体へ書込むことを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、関連付手段により関連付けられた第1識別情報及び第2識別情報の関連付けを解除する解除手段をさらに含むことを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、解除手段は、受信手段が、第1識別情報と第2識別情報との関連付けの期間を指定する指定期間情報をさらに受信した場合、指定期間情報に係る指定期間経過後に、関連付手段により関連付けられた第1識別情報及び第2識別情報の関連付けを解除することを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載の発明は、コンピュータを、画像情報と、携帯端末を識別する第1識別情報と、を受信する受信手段、光書込型の表示媒体を識別する第2識別情報を読み取る読取手段、受信手段により受信した第1識別情報と、読取手段により読み取った第2識別情報と、を関連付ける関連付手段、関連付手段により関連付けられた第1識別情報及び第2識別情報を記憶手段に保存する保存手段、受信手段により受信した第1識別情報と記憶手段に保存された第1識別情報とが一致する場合に、受信手段により受信した画像情報に応じた画像を前記表示媒体へ書込む書込手段、として機能させることを特徴とする画像書込プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、電源機構を有しない表示媒体の紛失を検知できる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、電源機構を有しない表示媒体の紛失を検知できる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、読み込んだ表示媒体の識別情報のすべてと、保存された表示媒体の識別情報のすべてが一致した場合でなければ、画像が表示媒体に書込まれなくなる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、携帯端末を識別する第1識別情報と表示媒体を識別する第2識別情報との関連付けを解除できる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、携帯端末を識別する第1識別情報と表示媒体を識別する第2識別情報との関連付けに関連付けの期間が指定されている場合、その期間が経過すると、関連付けが解除される。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、電源機構を有しない表示媒体の紛失を検知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の画像形成システムの実施形態を示す構成図である。
【0019】
まず、携帯端末100について説明する。
【0020】
画像形成システムは、図1に示すように、携帯端末100、画像表示媒体200及び画像書込装置300等を含んで構成される。
【0021】
携帯端末100は、同図に示すように、操作部101、表示部102等を含んで構成される。これらの部分以外にも、携帯端末100の内部に記憶部、送信部、受信部等を含んで構成される。携帯端末100には例えば携帯電話がある。
【0022】
記憶部は、携帯端末100に割り当てられた、自己の携帯端末100と自己以外の携帯端末100とを識別する携帯端末識別情報(以下、携帯端末IDという。)や、画像表示媒体(以下、電子ペーパという。)に表示させる画像に係る画像情報を記憶する。尚、画像情報は、例えばインターネット上のWebサイトから取得するようにしてもよい。
【0023】
送信部は、操作部101が利用者に操作されると、その操作に応じて、記憶部に記憶された携帯端末ID及び/又は画像情報を送信する。また、携帯端末IDと後述するライタID、電子ペーパIDとを画像書込装置(以下、単にライタという。)300に関連付けさせる関連付指示を送信したり、この関連付けを解除させる解除指示を送信したりもする。画像情報等の送信は、例えば無線通信で行われ、望ましくは赤外線通信で行われる。送信の際には、暗号化されていることが好ましい。
【0024】
受信部は、操作部102が利用者に操作されると、その操作に応じて、ライタ300から関連付けされた携帯端末ID等を受信する。
【0025】
表示部102は、関連付指示や解除指示等、操作に要する画像を表示したり、関連付けされた携帯端末ID等を表示したりする。
【0026】
次に、電子ペーパ200a〜200cについて説明する。
【0027】
電子ペーパ200a〜200cは、それぞれ記憶部201、画像受信部202、表示部203等を含んで構成される。尚、電子ペーパ200a〜200cは、書換可能(rewritable)な電子ペーパであることが望ましい。
【0028】
記憶部201は、例えば無線ICタグ等の非接触型素子で構成される。記憶部201は、電子ペーパ200aを他の電子ペーパ200b,200c等と識別する電子ペーパ識別情報(以下、電子ペーパIDという。)を記憶している。
【0029】
画像受信部202は、ライタ300における後述する画像書込部309と接触し、ライタ300が保持する画像情報を受信する。
表示部203は、画像受信部202が受信した画像情報に応じた画像を表示する。
【0030】
最後に、ライタ300について説明する。
【0031】
ライタ300は、識別情報等受信部301、識別情報読取部302、載置台303、蓋体304、挿排部305等を含んで構成される。
【0032】
識別情報等受信部301は、携帯端末100から送信された画像情報や携帯端末ID等の各種情報、関連付指示や解除指示等の各種指示を受信する。識別情報等受信部301は、例えば受光機器等で構成される。
【0033】
識別情報読取部302は、電子ペーパ200aが有する電子ペーパIDを読み取る。具体的には、電子ペーパ200aが載置台303に載置されたり、電子ペーパ200a〜200cが挿排部304に挿入されたり、電子ペーパ200aの記憶部201がこの識別情報読取部302に近づけられたりすると、電子ペーパIDの読取処理が行われる。同図に示すように、複数の電子ペーパ200a〜200cがある場合には、すべての電子ペーパIDを読み取る。識別情報読取部302は、例えば無線ICタグリーダ等の非接触型読取素子で構成される。
【0034】
載置台303は、1枚の電子ペーパ200aを載せて置くための台である。電子ペーパ200aが載置台303に載置され、蓋体305が閉じられて、書込を開始するスイッチ等が押下されると、電子ペーパ200aに、ライタ300が保持する画像情報が後述する画像書込部309を介して送信される。
【0035】
尚、同図に示すように、ライタ300に、例えば複数の切り欠き等で形成された挿排部305を構成するようにしてもよい。挿排部304には、複数の電子ペーパ200a〜200cがそれぞれ挿入されたり、排出されたりする。ライタ300の内部に複数の画像書込部309を構成すれば、複数の電子ペーパ200a〜200cに対して1つの画像の書込む場合、1度の指示で行われるようになる。
【0036】
ここで、上述したライタ300の詳細について図2及び図3を参照して説明する。
【0037】
図2は、ライタ300の要部構成を例示する機能ブロック図、図3は、ライタ300のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【0038】
ライタ300は、図2に示すように、識別情報等受信部301、識別情報読取部302、識別情報関連付部306、識別情報保存部307、識別情報記憶部308、画像書込部309等も含んで構成される。尚、図1に示すライタ300の各部と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
識別情報関連付部306は、識別情報等受信部301が受信した携帯端末IDと、識別情報読取部302が読み取った電子ペーパIDと、各ライタ300に割り当てられ、識別情報記憶部308に記憶されているライタ識別情報(以下、ライタIDという。)とを関連付ける。関連付けられた携帯端末ID、電子ペーパID及びライタIDは、識別情報保存部307に送信される。
【0040】
識別情報保存部307は、識別情報関連付部306から送信された携帯端末ID等を識別情報記憶部308に保存する。したがって、識別情報記憶部308には、それぞれが関連付けられた携帯端末ID、電子ペーパID及びライタIDが記憶される。
【0041】
画像書込部309は、識別情報等受信部301により受信した携帯端末IDと識別情報記憶部308に保存された携帯端末IDとが一致し、識別情報読取部302により読み取った電子ペーパIDの総数と識別情報記憶部308に保存された電子ペーパIDの総数とが一致する場合に、識別情報等受信部301により受信した画像情報に応じた画像を電子ペーパ200a〜200cへ書込む。また、必要に応じて、識別情報読取部302により読み取ったすべての電子ペーパIDと識別情報記憶部308に保存されたすべての電子ペーパIDとが一致する場合に、識別情報等受信部301により受信した画像情報に応じた画像を電子ペーパ200a〜200cへ書込むようにしてもよい。
【0042】
尚、この画像書込部309は、例えば蓋体305の裏面や、ライタ300の内部等に構成される。例えば、載置台304に載置された電子ペーパ200aの画像受信部202は、蓋体305の裏面に構成された画像書込部と接触する。したがって、電子ペーパ200aとライタ300とは、この接触面から画像情報の通信を行う。また、例えば、挿排部304に挿入された各電子ペーパ200a〜200cの画像受信部202は、ライタ300の内部に構成された画像書込部と接触する。
【0043】
ここで、上述したライタ300は、図3に示すように、CPU300a、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)、NVRAM(Non Volatile RAM)等のRAM300b、フラッシュメモリ等のROM(Read Only Memory)300c及び入出力を制御するI/Oインタフェース300d等がバス300eにより接続されたハードウェア構成等により実現される。
【0044】
したがって、CPU300aがRAM300bやROM300c等の記憶装置に格納された所要のプログラムを読み込み、当該プログラムに従った演算を行うことにより、上述したライタ300の各機能が実現される。携帯端末100についても概ね同様の構成である。尚、このようなプログラムとしては後述するフローチャートに応じたプログラムとすることができる。
【0045】
続いて、画像形成システムの動作について説明する。
【0046】
まず、携帯端末ID等の関連付処理について図4から図6を参照して説明する。
【0047】
図4は、携帯端末100における操作画面の一例、図5は、ライタ300における関連付処理の動作の一例を示すフローチャート、図6は、識別情報等記憶部308におけるデータ構造の一例である。
【0048】
携帯端末100は、図4(a)に示すように、自己の表示部102に関連付画面を表示する。関連付画面は、関連付の開始を指示する「開始」ボタンと、ライタ300に保存されており、すでに関連付けがなされた携帯端末ID等の表示を指示する「表示」ボタンとを有する。携帯端末100の操作部101が利用者によって操作され、「開始」ボタンが指示されると、関連付指示と自己の携帯端末IDが送信される。一方、「表示」ボタンが指示されると、表示指示が送信され、同図(b)に示すように、ライタ300が保持する関連付済の携帯端末ID等が表示部102に表示される。
【0049】
ライタ300の識別情報等受信部301は、図5に示すように、携帯端末100からの関連付指示を受信したか否かを判定し(ステップS1)、関連付指示を受信したと判定した場合には、さらに、携帯端末IDを受信する(ステップS2)。
【0050】
ライタ300の識別情報読取部302は、次いで、電子ペーパ200a〜200cが読取可能な程度にまで接近したか否かを判定し(ステップS3)、接近したと判定した場合、電子ペーパ200a〜200cと通信し、その電子ペーパ200a〜200cが有する電子ペーパIDを読み取る(ステップS4)。ここで、読取可能とは、例えばライタ300に載置されたり、挿入されたりすることが含まれる。
【0051】
ライタ300の識別情報関連付部306は、次いで、識別情報等受信部301が受信した携帯端末IDと、識別情報読取部302が読み取った電子ペーパIDと、識別情報記憶部308が記憶するライタIDとを関連付ける(ステップS5)。ライタIDの関連付けは、必要に応じて行えばよい。
【0052】
ライタ300の識別情報保存部307は、次いで、関連付けられた携帯端末ID、電子ペーパID及びライタIDを識別情報記憶部308に保存する(ステップS8)。この結果、識別情報記憶部308には、図6に示すように、関連付IDにより関連付がなされた携帯端末ID、ライタID及び一又は複数の電子ペーパIDが記憶される。例えば、同図に示すように、携帯端末ID「M001」と、ライタID「W001」と、複数の電子ペーパID「EP001」,「EP002」〜「EP009」とが関連付ID「R001」により関連付けられている。尚、電子ペーパIDの、携帯端末ID等との関連付けの数は、適宜、変更するようにしてもよい。
【0053】
次に、ライタ300における画像書込処理について図7を参照して説明する。
【0054】
図7は、 ライタ300における画像書込処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【0055】
ライタ300の識別情報等受信部301は、まず、携帯端末100から画像書込指示を受信したか否かを判定し(ステップS11)、画像書込指示を受信したと判定した場合には、携帯端末IDと、電子ペーパ200a等に書込むべき画像に係る画像情報を受信する(ステップS12)。
【0056】
ライタ300の識別情報読取部302は、次いで、電子ペーパ200aが載置台303に載置されたか否かを判定し(ステップS13)、電子ペーパ200aが載置されたと判定した場合には、電子ペーパ200aの電子ペーパIDを読み取る(ステップS14)。
【0057】
ライタ300の画像書込部309は、ここで、識別情報等受信部301が受信した携帯端末IDと、識別情報記憶部308に記憶された携帯端末IDとが一致するか否かを判定する(ステップS15)。
【0058】
例えば、図6に示すように、識別情報記憶部308に保持された携帯端末IDが「M001」、・・・、「M004」である場合に、識別情報等受信部301が受信した携帯端末IDが「M009」であるときには、携帯端末IDが一致しないと判定し、処理を終了する。したがって、関連付処理がなされていない携帯端末100から画像情報を送信しても、その画像情報に係る画像は、電子ペーパ200aに書込まれない。
【0059】
ライタ300の画像書込部309は、ステップS15の処理において、双方の携帯端末IDが一致したと判定した場合には、次いで、識別情報読取部302が読み取った電子ペーパIDの総数と、識別情報記憶部308に記憶された電子ペーパIDの総数とが一致するか否かを判定する(ステップS16)。
【0060】
例えば、識別情報等受信部301が受信した携帯端末IDが「M003」である場合に、図6に示すように、識別情報記憶部308に記憶された携帯端末IDに「M003」があり、双方の携帯端末IDが一致すると判定したものの、識別情報読取部302が読み取った電子ペーパIDの総数が「2枚」であるのに対し、識別情報記憶部308に記憶された電子ペーパIDの総数が「3枚」であるとき、電子ペーパIDの総数が一致しないと判定し、処理を終了する。
【0061】
したがって、例えば、複数の電子ペーパ200a,200bがライタ300に挿入されていても、その総数が、ライタ300に保持された電子ペーパIDの総数と一致しなければ、携帯端末100から画像情報を送信しても、その画像情報に係る画像は、電子ペーパ200a,200bに書込まれない。このため、利用者は、電子ペーパの書込処理が停止すると、挿排部304に挿入した電子ペーパ200a,200b以外の電子ペーパを紛失した可能性があると判断する。
【0062】
ライタ300の画像書込部309は、ステップS16の処理において、識別情報読取部302が読み取った電子ペーパIDの総数と、識別情報記憶部308に記憶された電子ペーパIDの総数とが一致すると判定した場合、さらに、これらの電子ペーパIDのすべてが一致するか否かを判定する(ステップS17)。
【0063】
例えば、識別情報等受信部301が受信した携帯端末IDが「M003」であって、識別情報読取部302が読み取った電子ペーパIDの総数が「2枚」である場合に、図6に示すように、識別情報記憶部308に記憶された携帯端末IDに「M003」があり、その携帯端末IDに関連付けられた電子ペーパIDの総数が「2枚」であり、双方の携帯端末ID及び電子ペーパIDの総数が一致すると判定したものの、識別情報読取部302が読み取った電子ペーパIDが「EP002」と「EP011」であるのに対し、識別情報記憶部308に記憶された電子ペーパIDが「EP011」と「EP013」であるとき、電子ペーパIDが一致しないと判定し、処理を終了する。
【0064】
したがって、例えば、2枚の電子ペーパ200a,200bがライタ300の挿排部304に挿入されていても、これらの電子ペーパIDが、ライタ300に保持された電子ペーパIDとすべて一致しなければ、携帯端末100から画像情報を送信しても、その画像情報に係る画像は、電子ペーパに書込まれない。このため、利用者は、電子ペーパの書込処理が停止すると、挿排部304に挿入した電子ペーパ200a,200bのいずれか又は双方は、関連付けがなされた電子ペーパと違うものであると認識し、関連付けがなされた電子ペーパを紛失した可能性があると判断する。
【0065】
ライタ300の画像書込部309は、ステップS17の処理において、識別情報読取部302が読み取った電子ペーパIDと、識別情報記憶部308に記憶された電子ペーパIDとがすべて一致すると判定した場合、識別情報等受信部301が受信した画像情報を載置又は挿入された電子ペーパ200a等に書込む(ステップS18)。
【0066】
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について図8から図10を参照して説明する。
【0067】
図8は、ライタ300の要部構成を例示する他の機能ブロック図である。尚、図1及び図2に示すライタ300の各部と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
第2実施形態に係るライタ300は、図8に示すように、識別情報解除部310をさらに含む点で第1実施形態に係るライタ300と相違する。
【0069】
識別情報解除部310は、識別情報等受信部301が受信した指示が、解除指示である場合、識別情報記憶部308に記憶された携帯端末ID等の関連付けを解除する。また、解除する電子ペーパIDが指定されていたり、各IDを関連付けておく期間の指定が関連付けの際にあったりする場合には、その指定された電子ペーパIDの関連付けを解除したり、指定期間後に解除したりする。例えば、図4に示すように、関連付けの際に指定期間の入力がある場合、携帯端末100入力された指定期間を指定期間情報としてライタ300に送信する。この場合、識別情報関連付部306は、携帯端末ID等に、さらに、指定期間情報も併せて関連付ける。識別情報解除部310は、指定期間情報に係る指定期間を監視し、その指定期間が経過した場合、関連付けられた携帯端末ID、ライタID、電子ペーパIDの関連付けを解除する。
【0070】
図9は、携帯端末100における操作画面の一例、図10は、ライタ300の動作の一例を示すフローチャートである。
【0071】
携帯端末100は、図9に示すように、自己の表示部102に関連付解除画面を表示する。関連付画面は、関連付の解除を指示する「解除」ボタン等を有する。必要に応じて、解除すべき電子ペーパIDを指定する指定欄を構成するようにしてもよい。携帯端末100の操作部101が利用者によって操作され、「解除」ボタンが指示されると、解除指示と自己の携帯端末IDが送信される。電子ペーパIDが指定されている場合には、その電子ペーパIDも送信される。
【0072】
ライタ300の識別情報部301は、図10に示すように、携帯端末100からの解除指示を受信したか否かを判定し(ステップS21)解除指示を受信したと判定した場合には、識別情報記憶部308に記憶された携帯端末ID、ライタID及び電子ペーパIDの関連付けを解除する(ステップS22)。尚、この際、電子ペーパIDが指定されている場合、その指定された電子ペーパIDを携帯端末ID等から解除する。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本発明のプログラムを通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。また、携帯端末における操作画面は、利用者の操作能力や操作性に応じて、適宜、変更するようにしてもよい。さらに、上述した実施形態では、画像書込装置をライタ(writer)として説明したが、その名称は、画像印刷装置(プリンタ)や画像記録装置(レコーダ)等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】画像形成システムの実施形態を示す構成図である。
【図2】ライタの要部構成を例示する機能ブロック図である。
【図3】ライタのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【図4】携帯端末における操作画面の一例である。
【図5】ライタにおける関連付処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】識別情報等記憶部におけるデータ構造の一例である。
【図7】ライタにおける画像書込処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】ライタの要部構成を例示する他の機能ブロック図である。
【図9】携帯端末における操作画面の一例である。
【図10】ライタの動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
100 携帯端末
101 操作部
102 表示部
200a〜200c 電子ペーパ
201 記憶部
202 画像受信部
300 ライタ
301 識別情報等受信部
302 識別情報読取部
303 載置台
304 蓋体
305 挿排部
306 識別情報関連付部
307 識別情報保存部
308 識別情報記憶部
309 画像書込部
310 識別情報解除部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報と、自己と自己以外とを識別する第1識別情報と、を送信する送信手段と、
自己と自己以外とを識別する第2識別情報を具備し、前記画像情報に応じた画像を表示する光書込型の表示媒体と、
前記送信手段から送信された画像情報と第1識別情報とを受信する受信部、前記表示媒体から第2識別情報を読み取る読取部、前記受信部により受信した第1識別情報と、前記読取部により読み取った第2識別情報と、を関連付ける関連付部、前記関連付部により関連付けられた前記第1識別情報及び前記第2識別情報を記憶部に保存する保存部及び前記受信部により受信した第1識別情報と前記記憶部に保存された第1識別情報とが一致する場合に、前記受信部により受信した画像情報に応じた画像を前記表示媒体へ書込む書込部を具備する画像書込手段と、
を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
画像情報と、携帯端末を識別する第1識別情報と、を受信する受信手段と、
光書込型の表示媒体を識別する第2識別情報を読み取る読取手段と、
前記受信手段により受信した第1識別情報と、前記読取手段により読み取った第2識別情報と、を関連付ける関連付手段と、
前記関連付手段により関連付けられた第1識別情報及び第2識別情報を記憶手段に保存する保存手段と、
前記受信手段により受信した第1識別情報と前記記憶手段に保存された第1識別情報とが一致する場合に、前記受信手段により受信した画像情報に応じた画像を前記表示媒体へ書込む書込手段と、
を有することを特徴とする画像書込装置。
【請求項3】
前記書込手段は、さらに、前記読取手段により読み取ったすべての第2識別情報と前記記憶手段に保存されたすべての第2識別情報とが一致する場合に、前記受信手段により受信した画像情報に応じた画像を前記表示媒体へ書込むことを特徴とする請求項2に記載の画像書込装置。
【請求項4】
前記関連付手段により関連付けられた第1識別情報及び第2識別情報の関連付けを解除する解除手段をさらに含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像書込装置。
【請求項5】
前記解除手段は、前記受信手段が、前記第1識別情報と前記第2識別情報との関連付けの期間を指定する指定期間情報をさらに受信した場合、前記指定期間情報に係る指定期間経過後に、前記関連付手段により関連付けられた第1識別情報及び第2識別情報の関連付けを解除することを特徴とする請求項4に記載の画像書込装置。
【請求項6】
コンピュータを、
画像情報と、携帯端末を識別する第1識別情報と、を受信する受信手段、
光書込型の表示媒体を識別する第2識別情報を読み取る読取手段、
前記受信手段により受信した第1識別情報と、前記読取手段により読み取った第2識別情報と、を関連付ける関連付手段、
前記関連付手段により関連付けられた第1識別情報及び第2識別情報を記憶手段に保存する保存手段、
前記受信手段により受信した第1識別情報と前記記憶手段に保存された第1識別情報とが一致する場合に、前記受信手段により受信した画像情報に応じた画像を前記表示媒体へ書込む書込手段、
として機能させることを特徴とする画像書込プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−93571(P2010−93571A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−261949(P2008−261949)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】