説明

画像形成システムおよび情報設定プログラム

【課題】
印刷機能を用いて通信可能なメールサーバに関する情報を設定できるようにした画像形成システムおよび情報設定プログラムを提供する。
【解決手段】
クライアントPC100において電子メールのヘッダー情報の印刷要求をプリンタ100に行ない、印刷要求されたプリンタ100では、その印刷要求がメールヘッダー形式によって構成されている場合には予め指定したキーワードがそのヘッダー情報に指定されているかを検索する。検索された場合には、そのキーワードに対して設定されたメールサーバの装置情報を取得して仮登録し、当該装置情報に基づいて通信確認用の電子メールを送信する。メール通信が成立した場合には仮登録したメールサーバの装置情報をプリンタ100に本登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムおよび情報設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク通信に用いる通信情報が設定されていない装置(ノード)に対してドメイン情報を設定するには、手動で設定する方法のほか、ネットワークに存在するDNS(Domain Name System)サーバを用いて、IPアドレスに対するドメイン情報を取得して装置に設定する方法がある。
【0003】
また、特許文献1には、メールの送受信において受信した電子メールから送信元アドレスを抽出し、その送信元アドレスをメールアドレス格納部に登録する技術が公開されている。
【0004】
さらに、特許文献2に開示された従来技術では、ネットワークを介してファクシミリデータなどを包含する印刷データを受信した場合において、その印刷データから文字データを抽出し、抽出した文字データから宛先を識別して、その宛先に対するネットワークアドレスを解決する技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−241893号公報
【特許文献2】特開2008−035245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、印刷機能を用いて通信可能なメール転送制御装置に関する情報を設定できるようにした画像形成システムおよび情報設定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、処理データの画像処理要求を行なう要求元装置と、前記要求元装置により画像処理要求された処理データに基づいて画像形成する画像形成装置とを備え、前記画像形成装置は、前記処理データが、電子メール情報であるかを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記処理データが電子メール情報であると判断すると、該電子メール情報に、電子メールを転送するメール転送制御装置の装置情報が包含されているか検索する情報検索手段と、前記情報検索手段によって前記装置情報が記載されている場合には当該装置情報により識別されるメール転送制御装置に対して、通信確認電子メールを送信する送信手段と、前記送信手段によって送信した通信確認電子メールにおける通信が成立することによって前記メール転送制御装置との通信が確認された場合には当該メール転送制御装置の装置情報を登録する情報登録手段とを具備する。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記情報検索手段は、予め指定された情報抽出文字列に対して設定された装置情報が前記電子メール情報に含まれているかを検索する。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記情報検索手段で抽出した前記装置情報をメール転送制御装置の装置情報として仮登録する仮登録手段を具備し、前記情報登録手段は、前記送信手段によって送信した通信確認電子メールにおける通信が成立することによって前記メール転送制御装置との通信が確認されることにより前記仮登録手段によって仮登録した前記装置情報を登録確定させる。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記送信手段は、前記情報検索手段によって複数の装置情報が検索された場合には前記処理データである前記電子メール情報の宛先により受信されるまでに経由したメール転送制御装置のうち、経由日時の新しいメール転送制御装置の装置情報に基づいて順に前記通信確認電子メールを送信し、前記情報登録手段は、前記送信手段によって通信確認電子メールを送信した前記メール転送制御装置から通信確立の確認応答が行なわれることにより該メール転送制御装置の装置情報を登録する。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記電子メール情報の宛先情報に複数の宛先情報が指定されているかを確認する確認手段と、前記確認手段によって前記電子メール情報に複数の宛先情報が指定されている場合には前記通信確認電子メールの転送先となる前記宛先情報を表示する表示手段を具備し、前記送信手段は、前記表示手段によって表示した宛先情報から選択された宛先情報の転送先に前記通信確認電子メールを送信する。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項1または5の発明において、前記判断手段は、前記処理データが、転送先が前記要求元装置である電子メール情報であるかを判断し、前記送信手段は、前記判断手段により前記転送先が前記要求元装置である場合には該要求元装置を宛先情報に設定した通信確認電子メールを、前記メール転送制御装置に対して送信する。
【0013】
また、請求項7の発明は、コンピュータを、処理データの画像処理要求を行なう要求元装置により画像処理要求された処理データが、送信先を前記要求元装置とする電子メール情報であるかを判断する判断手段、前記判断手段によって前記処理データが電子メール情報であると判断すると、該電子メール情報に、電子メールを転送するメール転送制御装置を識別する装置情報が包含されているか検索する情報検索手段、前記情報検索手段によって前記装置情報が記載されている場合には当該装置情報により識別されるメール転送制御装置に対して、通信確認電子メールを送信する送信手段、前記送信手段によって送信した通信確認電子メールにおける通信が成立することによって前記メール転送制御装置との通信が確認された場合には当該メール転送制御装置の装置情報を登録する情報登録手段として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1によれば、印刷機能を用いて通信可能なメール転送制御装置に関する情報を設定できるようになるという効果を奏する。
【0015】
また、請求項2によれば、印刷機能を用いて通信可能なメール転送制御装置に関する情報を設定できるようになるという効果を奏する。
【0016】
また、請求項3によれば、有効性が確認できたメール転送制御装置に関する情報を設定できるようになるという効果を奏する。
【0017】
また、請求項4によれば、印刷機能を用いて通信可能な最適なメール転送制御装置に関する情報を設定できるようになるという効果を奏する。
【0018】
また、請求項5によれば、印刷機能を用いて通信可能なメール転送制御装置に関する情報を設定でき、設定したことを任意の装置で確認することができるという効果を奏する。
【0019】
また、請求項6によれば、印刷機能を用いて通信可能なメール転送制御装置に関する情報を設定でき、設定したことを印刷要求元で確認することができるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項7によれば、印刷機能を用いて通信可能なメール転送制御装置に関する情報を設定できるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成システムのシステム構成を示す図の一例。
【図2】本発明の実施の形態における画像形成システムおよび情報設定プログラムを適用して構成した画像形成装置の装置構成図の一例。
【図3】印刷ジョブの電子メール情報の一例であって、メールヘッダーを示す図。
【図4】本発明の実施の形態における画像形成システムを構成する画像形成装置において行なわれる処理の流れを示すフローチャート。
【図5】本発明の実施の形態における画像形成システムを構成する画像形成装置において行なわれる処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係わる画像形成システムおよび情報設定プログラムの一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明の実施の形態における画像形成システムのシステム構成を示す図の一例である。
【0024】
図1において、画像形成システムは、画像形成装置100(「プリンタ100」ともいう)、要求元装置200(「クライアントPC200」ともいう)、メール転送制御装置300(「メールサーバ300」ともいう)を具備して構成される。
【0025】
クライアントPC200には、電子メール送受信機能を有し、クライアントPC200を宛先とする電子メールの受信を行なう。このとき、受信した電子メールは、ヘッダー情報および本文によって構成され、このほか添付ファイルを付加することも可能である。
【0026】
ヘッダー情報は、IETF(Internet Engineering Task Force)により標準仕様として定義されているメッセージフォーマットによって構成することができ、例えば、電子メールの送信先となる宛先情報、送信元情報、送信日時や電子メールを転送する際に経由したメール転送装置(以下、「メールサーバ」という)の装置情報が記録されている。この装置情報は、トレースフィールドと呼ばれる領域内にメールサーバを経由する際に記録されたメールサーバの識別情報(「メールサーバ名」ともいう)、メールサーバIPアドレス、経由日時などの情報によって構成される。
【0027】
また、本文には、電子メールにおける要件となる事項等が記録されている。
【0028】
このような電子メールの少なくともヘッダー情報について、クライアントPC200により印刷出力先をプリンタ100に指定して印刷要求を行なうと、電子メールを印刷内容とする印刷ジョブが作成され、指定されたプリンタ100へ送信される。
【0029】
プリンタ100は、クライアントPC200によって印刷要求された印刷ジョブを受信し、その印刷ジョブを作業領域へと記憶する。
【0030】
このとき、プリンタ100では、印刷要求された印刷ジョブの印刷内容を解析する処理を行なう。この解析処理では、印刷内容が所定のメールヘッダー形式によって構成されたものにより構成されていることにより電子メールのヘッダー情報が含まれるかを解析する。
【0031】
これによって、メールヘッダー形式によって構成されている場合には、当該メールヘッダー形式の印刷内容が電子メールのヘッダー情報であると判断して、当該電子メールのヘッダー情報に基づいてプリンタ100にメールサーバ情報の登録を行なう処理を行なう。
【0032】
この登録の処理では、まず、予め記憶された1または複数の情報抽出文字列(以下、「キーワード」という)を読み込む。このときのキーワードは、メールサーバ情報の設定に際して当該メールサーバの装置情報が記載されたヘッダー項目名等によって構成され、例えば「Received」である。
【0033】
このようにしてキーワードを読み込むと、印刷要求された印刷ジョブの印刷内容である電子メールのヘッダー情報から読み込んだキーワードを検索する。
【0034】
ヘッダー情報からキーワードが検出されると、そのキーワードのヘッダー項目に対する設定内容を取得する。上記の例のように、キーワードを「Received」とした場合にヘッダー情報から当該「Received」が検索されると、このキーワードに対する設定内容として、電子メールを転送する際に経由したメールサーバの装置情報を取得する。
【0035】
この装置情報により表されるメールサーバのうち、電子メールの転送の際に経由した経由日時が最も新しいメールサーバ(最寄メールサーバ)の装置情報を、プリンタ100の記憶部に記憶することでメールサーバの装置情報として仮登録する。
【0036】
これにより、プリンタ100では、記憶部に記憶されて仮登録されたメールサーバ情報により識別される最寄メールサーバに対して通信確認用の電子メールを送信する。
【0037】
この通信確認用の電子メールは、印刷要求された印刷ジョブの印刷内容である電子メールのヘッダー情報に示される宛先情報を送信先に設定した電子メールであって、最寄メールサーバとプリンタ100とのメール通信が成立したかを確認するものである。この電子メールにおける本文は、空白のほか、任意の文字列(通信確認用の電子メールであることを表す文字列)等によって構成したものであるほか、添付ファイル等を添付したものであってもよい。
【0038】
このときの電子メールのヘッダー情報に示される宛先情報とは、通常、クライアントPC200の電子メールアドレスであるが、もちろん、これ以外にも他のメールアドレスを指定したものや、クライアントPC200のメールアドレスを含む複数の宛先情報を指定したものであってもよい。
【0039】
送信先に指定した最寄メールサーバから、一定時間内に送信不能応答がない場合若しくは送信先へと電子メールを転送した確認応答があった場合などによって、メール通信が成立したと判断するときには、仮登録された最寄メールサーバの装置情報をプリンタ100におけるメールサーバ情報として登録確定する。
【0040】
すなわち、プリンタ100には、装置情報として、メールサーバ名(少なくとも送信メールサーバ名)が登録されることとなる。登録後、例えば、スキャナで読み取った画像データを電子メールとして送信するScan to Email機能(電子メール送信機能)等を利用する場合には、登録された装置情報をメールサーバとして利用して送信する。
【0041】
なお、最寄メールサーバに通信確認用の電子メールを送信し、一定時間内に送信不能応答があった場合等によりメール通信が成立しない場合には、仮登録した装置情報を削除し、その装置情報の次に経由日時の新しいメールサーバの装置情報を仮登録する。もちろん、仮登録された装置情報に上書きして新しいメールサーバの装置情報を仮登録するようにしてもよい。
【0042】
このようにして新たなメールサーバの装置情報が仮登録されると、その装置情報により識別されるメールサーバに対して通信確認用の電子メールを送信することでメール通信が成立するかを判断する。
【0043】
このようにしていずれかのメールサーバとメール通信が成立したことにより仮登録した当該メールサーバの装置情報を登録確定する。このとき、いずれのメールサーバともメール通信が成立しない場合には、その旨を表示するほか、印刷要求元のクライアントPC200へとその旨を通知する。
【0044】
なお、上記のキーワードの検索において、当該キーワードが印刷要求された印刷ジョブの印刷内容である電子メールのヘッダー情報から検索できない場合にもその旨を表示する。
【0045】
このときのプリンタ100から通信確認用の電子メールを受信したメールサーバ300では、受信した電子メールに指定された送信先にその電子メールを転送する。その送信先としてクライアントPC100が指定されている場合には、クライアントPC100へ電子メールを転送するために経由するメールサーバ若しくはクライアントPC100へとその電子メールを転送する。
【0046】
図2は、本発明の実施の形態における画像形成システムおよび情報設定プログラムを適用して構成した画像形成装置の装置構成図の一例である。
【0047】
図2において、画像形成装置であるプリンタ100は、通信管理部110、印刷処理部120によって構成され、通信管理部110は、受信部101、解析部102、検索部103、読込部104、記憶部105、情報取得部106、表示部107、通信制御部108、メールサーバ装置情報登録部109によって構成される。
【0048】
受信部101によって印刷ジョブを受信すると、受信部101は、解析部102へとその印刷ジョブを送出する。
【0049】
解析部102では、送出されてきた印刷ジョブを解析処理し、印刷ジョブの印刷内容が電子メールのヘッダー情報を含むものであるかを、その印刷内容が所定のメールヘッダー形式によって構成されているか解析する。
【0050】
この解析処理によって、印刷内容が所定のメールヘッダー形式によって構成されていることにより印刷ジョブの印刷内容が電子メールのヘッダー情報を含むものであることが解析されると、その印刷内容の電子メールを検索部103および通信制御部108へと送出する。これに対して、印刷内容が電子メールのヘッダー情報を含むものではない場合には、印刷内容を印刷処理部120へと送出する。このとき、印刷処理部120では、印刷内容の印刷処理が行なわれる。
【0051】
解析部102によって解析処理された印刷内容のヘッダー情報を受信した検索部103では、読込部104に対して情報抽出文字列であるキーワードの読み込みを指示する。これによって、読込部104では、記憶部105に記憶されたキーワードを読み込み、検索部103へと応答する。
【0052】
このとき、読込部104に読み込まれたキーワードは、上記にも示すように、メールサーバ情報の設定に際して当該メールサーバの装置情報が記載されたヘッダー項目名等からなり、一例として、「Received」が該当する。
【0053】
以下では、キーワード「Received」を読み込んだ例を示すが、これに限定されることなく、他のキーワードのほか、この「Received」のキーワードを含む複数のキーワードを読み込むような構成であってもよい。
【0054】
読込部104によって読み込まれたキーワードが応答された検索部103では、解析部によって解析された印刷内容である電子メールのヘッダー情報からキーワードを検索する。すなわち、ヘッダー情報のヘッダー項目にキーワードが指定されているかを検索する。
【0055】
上記例の場合、「Received」のヘッダー項目がヘッダー情報に指定されているかを検索し、ヘッダー情報に「Received」が記録されていない場合には表示部107にヘッダー情報にキーワードが指定されていない旨を表示する。
【0056】
また、ヘッダー情報にキーワードのヘッダー項目が指定されている場合には、そのヘッダー項目に対して記録されたメールサーバの装置情報を取得する。
【0057】
図3は、印刷要求された印刷ジョブの印刷内容を示す図であって、当該印刷内容が電子メールのヘッダー情報により構成されている場合の例を示している。
【0058】
検索部103において、図3に示すヘッダー情報から、キーワード「Received」を検索すると、3つの「Received」が検索されることとなる。この場合、メールサーバの装置情報として、各キーワードに対する装置情報を3つ取得することができる。
【0059】
メールサーバの装置情報を取得した情報取得部106は、その装置情報を通信制御部108へと送出する。図3に示すようなヘッダー情報から装置情報を取得した場合には、3つの装置情報を通信制御部108へと送出することとなる。
【0060】
このとき、通信制御部108では、解析部102により受信した印刷内容のヘッダー情報により示された宛先情報を特定し、その宛先情報を送信先に指定した通信確認用の電子メールを作成する。
【0061】
この通信確認用の電子メールを送信するメールサーバは、情報取得部106から受信した装置情報のうち、印刷要求された印刷内容である電子メールの転送の際に経由した経由日時が最も新しいメールサーバ(最寄メールサーバ)とする。図3に示すヘッダー情報の例では、最も新しい経由日時として「Thu, 27 Aug 2009 10:18:40」であることから、この経由日時に対する装置情報のメールサーバを最寄メールサーバとする。
【0062】
まず、通信制御部108では、この最寄メールサーバの装置情報をプリンタ100のメールサーバ装置情報登録部109に装置情報として仮登録し、その装置情報により識別されるメールサーバに対して作成した通信確認用の電子メールを送信する。
【0063】
そして、最寄メールサーバから一定時間内に送信不能応答がない場合若しくは送信先へと電子メールを転送した確認応答があることによって、メール通信が成立した場合に通信制御部108は、メールサーバ装置情報登録部109に仮登録した装置情報を、本登録することで登録確定させる。
【0064】
それに対して、一定時間内に送信不能応答があった場合等によりメール通信が成立しない場合であって、情報取得部106により取得した装置情報が複数あるときには、仮登録のために記憶した装置情報を削除し、装置情報により示される他のメールサーバの装置情報のうち、印刷要求された印刷内容である電子メールの転送の際に経由した経由日時が最も新しいメールサーバの装置情報を新たに仮登録する。
【0065】
図3に示す例では、次に新しい経由日時として「Thu, 27 Aug 2009 10:18:30」であることから、この経由日時に対するメールサーバの装置情報を仮登録する。
【0066】
そして、この装置情報のメールサーバに対して、上記同様に通信確認用の電子メールを送信する。
【0067】
このように、通信確認用の電子メールを送信していないメールサーバのうち、装置情報により示される経由日時が新しいメールサーバの順に通信確認用の電子メールを送信する。
【0068】
いずれのメールサーバにおいても、メール通信が成立しない場合には、通信制御部108は、表示部107にメールサーバの装置情報を登録することができない旨を表示する。
【0069】
なお、通信確認用の電子メールの送信先である、印刷要求された印刷内容である電子メールの宛先情報が、複数存在する場合には、表示部108に宛先情報の一覧を表示し、ユーザにより選択された宛先情報を通信確認用の電子メールを送信する送信先として設定する。このとき、複数の宛先情報がユーザにより選択された場合には、複数の宛先情報を送信先に設定した通信確認用の電子メールを作成してメールサーバへと送信する。
【0070】
図4は、本発明の実施の形態における画像形成システムを構成する画像形成装置において行なわれる処理の流れを示すフローチャートである。
【0071】
図4において、まず、画像形成装置がクライアントPCから印刷ジョブを受信したかを判断し(401)、印刷ジョブを受信するまで(401でNO)は待機状態となる。また、印刷ジョブをクライアントPCから受信した場合(401でYES)には、受信した印刷ジョブの印刷内容が電子メール情報であってメールヘッダー形式であるかを判断する(402)。
【0072】
受信した印刷ジョブの印刷内容が電子メール情報ではない場合(402でNO)、例えば画情報により構成される場合にはその印刷ジョブの印刷出力を行なう(403)。
【0073】
それに対して、印刷ジョブの印刷内容が電子メール情報であってメールヘッダー形式により構成される場合(402でYES)には、予め登録されたキーワードの読み込みを行なう(404)。上記の例では、このキーワードとして、「Received」を読み込んだ例を示している。
【0074】
このようにしてキーワードが読み込まれると、そのキーワードが電子メール情報に含まれるか検索する(405)。
【0075】
そして、キーワードが検索されたかを判断し(406)、キーワードが検索されない場合(406でNO)には、所定の情報が印刷ジョブに含まれないことによって画像形成装置に所定の情報を設定することができない旨のエラー表示を行なって(412)処理を終了する。
【0076】
また、印刷ジョブの電子メール情報にキーワード、例えば「Received」が検索された場合(406でYES)には、印刷ジョブの電子メール情報からキーワードに対するメール転送制御装置(メールサーバ)に関する装置情報を取得する(407)。
【0077】
例えば、装置情報として、メールサーバ名のほか、ネットワーク上で当該メールサーバを識別するIPアドレス等を取得する。
【0078】
そして、この装置情報を取得すると、電子メールを受信した受信元に至るまでに経由したメールサーバのうち経由日時の最も新しいメールサーバ(最寄メールサーバ)の装置情報をメモリに記憶して仮登録し(408)、通信確認用の電子メールを送信することで通信の確認を行う(409)。
【0079】
このときの通信確認用の電子メールの宛先情報は、印刷ジョブの電子メール情報で宛先(To:)に示された情報とし、この場合、その宛先(To:)がクライアントPCである場合には、通信確認用の電子メールがクライアントPCへと送信される。
【0080】
通信確認用の電子メールを送信することによって送信先のメールサーバから一定時間内に送信不能応答がないか、若しくは宛先へと電子メールを転送した確認応答があったかによりメール通信が成立したかを判断し(410)、メール通信が成立した場合(410でYES)には、仮登録された装置情報をプリンタにおけるメールサーバの装置情報として登録確定する(411)。
【0081】
また、通信確認用の電子メールを送信したメールサーバから一定時間内に送信不能応答があった場合には、続いて、複数の装置情報を取得した場合であって全てのメールサーバに通信確認用の電子メールを送信したかを判断する(412)。
【0082】
全てのメールサーバに通信確認用の電子メールを送信している場合(412でYES)には、全てのメールサーバと通信確立ができない旨のエラー表示を行なって(412)処理を終了する。
【0083】
それに対して、通信確認用の電子メールを送信していないメールサーバが他にある場合(412でNO)には、続いて、当該通信確認用の電子メールを送信していないメールサーバのうち、経由日時の最も新しいメールサーバの装置情報を仮登録して(408)、通信確認用の電子メールを送信することで通信確認を行う。
【0084】
なお、新たなメールサーバの装置情報を仮登録するに際して、既に仮登録されたメールサーバの装置情報を削除した後に、新たな装置情報を仮登録するほか、仮登録された装置情報に上書きして仮登録する構成であってもよい。
【0085】
図5は、本発明の実施の形態における画像形成システムを構成する画像形成装置において行なわれる処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
図5は、図4に示すフローチャートと類似し、まず、画像形成装置がクライアントPCから印刷ジョブを受信したかを判断し(401)、印刷ジョブを受信するまで(401でNO)は待機状態となる。また、印刷ジョブをクライアントPCから受信した場合(401でYES)には、受信した印刷ジョブの印刷内容が電子メール情報であってメールヘッダー形式であるかを判断する(402)。
【0087】
受信した印刷ジョブの印刷内容が電子メール情報ではない場合(402でNO)、例えば画情報により構成される場合にはその印刷ジョブの印刷出力を行なう(403)。
【0088】
それに対して、印刷ジョブの印刷内容が電子メール情報であってメールヘッダー形式により構成される場合(402でYES)には、予め登録されたキーワードの読み込みを行なう(404)。上記の例では、このキーワードとして、「Received」を読み込んだ例を示している。
【0089】
このようにしてキーワードが読み込まれると、そのキーワードが電子メール情報に含まれるか検索する(405)。
【0090】
そして、キーワードが検索されたかを判断し(406)、キーワードが検索されない場合(406でNO)には、所定の情報が印刷ジョブに含まれないことによって画像形成装置に所定の情報を設定することができない旨のエラー表示を行なって(412)処理を終了する。
【0091】
また、印刷ジョブの電子メール情報にキーワード、例えば「Received」が検索された場合(406でYES)には、印刷ジョブの電子メール情報からキーワードに対するメール転送制御装置(メールサーバ)に関する装置情報を取得する(407)。
【0092】
例えば、装置情報として、メールサーバ名のほか、ネットワーク上で当該メールサーバを識別するIPアドレス等を取得する。
【0093】
そして、この装置情報を取得すると、続いて、電子メール情報の宛先(To:)に複数の宛先が指定されているかを判断し(501)、複数の宛先が指定されている場合(501でYES)には、指定されている複数の宛先の一覧を表示して(502)、通信確認用の電子メールを送信してもよい宛先をユーザにより選択できるようにする。
【0094】
1または複数の宛先がユーザにより選択された場合や、電子メール情報の宛先(To:)が1つである場合には、続いて、電子メールを受信した受信元に至るまでに経由したメールサーバのうち経由日時の最も新しいメールサーバ(最寄メールサーバ)の装置情報をメモリに記憶して仮登録し(408)、通信確認用の電子メールを送信することで通信の確認を行う(409)。
【0095】
このときの通信確認用の電子メールの宛先情報は、印刷ジョブの電子メール情報で宛先(To:)に示された情報とし、この場合、その宛先(To:)がクライアントPCである場合には、通信確認用の電子メールがクライアントPCへと送信される。
【0096】
通信確認用の電子メールを送信することによって送信先のメールサーバから一定時間内に送信不能応答がないか、若しくは宛先へと電子メールを転送した確認応答があったかによりメール通信が成立したかを判断し(410)、メール通信が成立した場合(410でYES)には、仮登録された装置情報をプリンタにおけるメールサーバの装置情報として登録確定する(411)。
【0097】
また、通信確認用の電子メールを送信したメールサーバから一定時間内に送信不能応答があった場合には、続いて、複数の装置情報を取得した場合であって全てのメールサーバに通信確認用の電子メールを送信したかを判断する(412)。
【0098】
全てのメールサーバに通信確認用の電子メールを送信している場合(412でYES)には、全てのメールサーバと通信確立ができない旨のエラー表示を行なって(412)処理を終了する。
【0099】
それに対して、通信確認用の電子メールを送信していないメールサーバが他にある場合(412でNO)には、続いて、当該通信確認用の電子メールを送信していないメールサーバのうち、経由日時の最も新しいメールサーバの装置情報を仮登録して(408)、通信確認用の電子メールを送信することで通信確認を行う。
【0100】
なお、新たなメールサーバの装置情報を仮登録するに際して、既に仮登録されたメールサーバの装置情報を削除した後に、新たな装置情報を仮登録するほか、仮登録された装置情報に上書きして仮登録する構成であってもよい。
【0101】
以上に示す実施の形態は、本発明の実施の一形態であって、これらの実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0102】
なお、本発明は、通信機能を備えた画像形成システムで上述の動作を実行させ、あるいは上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをコンピュータにインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行する画像形成システムを構成することも可能である。画像形成システムを構成するコンピュータは、システムバスを介してCPU(Central Processor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクが接続されている。CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムに従い、RAMを作業領域にして処理を行なう。
【0103】
また、プログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。
【0104】
また、プリンタ100は、スキャナ機能やファクシミリ機能を包含したプリンタ複合機でもよい。
【符号の説明】
【0105】
101 受信部
102 解析部
103 検索部
104 読込部
105 記憶部
106 情報取得部
107 表示部
108 通信制御部
109 メールサーバ装置情報登録部
110 通信管理部
120 印刷処理部
100 画像形成装置(プリンタ)
200 要求元装置(クライアントPC)
300 メール転送制御装置(メールサーバ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理データの画像処理要求を行なう要求元装置と、
前記要求元装置により画像処理要求された処理データに基づいて画像形成する画像形成装置と
を備え、
前記画像形成装置は、
前記処理データが、電子メール情報であるかを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記処理データが電子メール情報であると判断すると、該電子メール情報に、電子メールを転送するメール転送制御装置の装置情報が包含されているか検索する情報検索手段と、
前記情報検索手段によって前記装置情報が記載されている場合には当該装置情報により識別されるメール転送制御装置に対して、通信確認電子メールを送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信した通信確認電子メールにおける通信が成立することによって前記メール転送制御装置との通信が確認された場合には当該メール転送制御装置の装置情報を登録する情報登録手段と
を具備する画像形成システム。
【請求項2】
前記情報検索手段は、
予め指定された情報抽出文字列に対して設定された装置情報が前記電子メール情報に含まれているかを検索する請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記情報検索手段で抽出した前記装置情報をメール転送制御装置の装置情報として仮登録する仮登録手段
を具備し、
前記情報登録手段は、
前記送信手段によって送信した通信確認電子メールにおける通信が成立することによって前記メール転送制御装置との通信が確認されることにより前記仮登録手段によって仮登録した前記装置情報を登録確定させる請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記送信手段は、
前記情報検索手段によって複数の装置情報が検索された場合には前記処理データである前記電子メール情報の宛先により受信されるまでに経由したメール転送制御装置のうち、経由日時の新しいメール転送制御装置の装置情報に基づいて順に前記通信確認電子メールを送信し、
前記情報登録手段は、
前記送信手段によって通信確認電子メールを送信した前記メール転送制御装置から通信確立の確認応答が行なわれることにより該メール転送制御装置の装置情報を登録する請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記電子メール情報の宛先情報に複数の宛先情報が指定されているかを確認する確認手段と、
前記確認手段によって前記電子メール情報に複数の宛先情報が指定されている場合には前記通信確認電子メールの転送先となる前記宛先情報を表示する表示手段
を具備し、
前記送信手段は、
前記表示手段によって表示した宛先情報から選択された宛先情報の転送先に前記通信確認電子メールを送信する請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記判断手段は、
前記処理データが、転送先が前記要求元装置である電子メール情報であるかを判断し、
前記送信手段は、
前記判断手段により前記転送先が前記要求元装置である場合には該要求元装置を宛先情報に設定した通信確認電子メールを、前記メール転送制御装置に対して送信する請求項1または5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
コンピュータを、
処理データの画像処理要求を行なう要求元装置により画像処理要求された処理データが、送信先を前記要求元装置とする電子メール情報であるかを判断する判断手段、
前記判断手段によって前記処理データが電子メール情報であると判断すると、該電子メール情報に、電子メールを転送するメール転送制御装置を識別する装置情報が包含されているか検索する情報検索手段、
前記情報検索手段によって前記装置情報が記載されている場合には当該装置情報により識別されるメール転送制御装置に対して、通信確認電子メールを送信する送信手段、
前記送信手段によって送信した通信確認電子メールにおける通信が成立することによって前記メール転送制御装置との通信が確認された場合には当該メール転送制御装置の装置情報を登録する情報登録手段
として機能させる情報設定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−123806(P2011−123806A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282899(P2009−282899)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】