画像形成システム
【課題】印刷ジョブ等の転送先の画像形成装置の配置位置を容易に知ることが可能な画像形成システムを提供する。
【解決手段】各複合機31では、画像データの転送に際し、各複合機31の配置位置を記載した地図を表示部321に表示し、この地図上で画像データの転送先である複合機31を指定することができる。この地図は、例えばプリントサーバ21で予め作成されて、プリントサーバ21のメモリ214に記憶され、またプリントサーバ21からネットワークNを通じて各複合機31に転送されて、各複合機31のメモリ316に記憶され、各複合機31の表示部321に表示される。
【解決手段】各複合機31では、画像データの転送に際し、各複合機31の配置位置を記載した地図を表示部321に表示し、この地図上で画像データの転送先である複合機31を指定することができる。この地図は、例えばプリントサーバ21で予め作成されて、プリントサーバ21のメモリ214に記憶され、またプリントサーバ21からネットワークNを通じて各複合機31に転送されて、各複合機31のメモリ316に記憶され、各複合機31の表示部321に表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像形成装置をネットワークに接続し、ネットワークを通じて、各画像形成装置間で印刷ジョブ等を転送する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムでは、複数の画像形成装置をネットワークに接続し、ネットワークを通じて、各画像形成装置間で印刷ジョブやデータ等を通信している。あるいは、プリントサーバをネットワークに接続し、画像形成装置から送信された印刷ジョブやデータをプリントサーバで受信して一括管理し、プリントサーバから画像形成装置へと印刷ジョブやデータを転送している。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているシステムでは、複数の画像形成装置を接続ケーブルを通じて重連接続し、各画像形成装置間で画像データを転送して、いずれの画像形成装置においても、転送されて来た画像データを受信して、画像データによって示される画像を印刷することができるようにしている。また、画像形成装置の表示画面に各画像形成装置の識別番号を表示し、表示画面上で識別番号を選択して、識別番号に対応する画像形成装置を画像データの転送先として指定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−129277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように表示画面上で識別番号を選択して、識別番号に対応する画像形成装置を画像データの転送先として指定するという構成では、転送先の画像形成装置を選択することができても、この選択した画像形成装置の配置位置が分からず、この画像形成装置へと直ちに行けないことがあった。
【0006】
例えば、広いオフィスや工場においては、多数の画像形成装置が分散して設置されているため、各画像形成装置の配置位置を把握し難く、また各画像形成装置の配置位置を把握したとしても、表示画面に表示された各識別番号と各画像形成装置との対応関係を理解することができず、このために識別番号に対応する画像形成装置を画像データの転送先として指定しても、その画像形成装置の配置位置を特定することができず、この画像形成装置へと直ちに行くことができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、ネットワークを通じて、各画像形成装置間で印刷ジョブ等を転送する構成において、印刷ジョブ等の転送先の画像形成装置の配置位置を容易に知ることが可能な画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の画像形成装置をネットワークに接続し、前記ネットワークを通じて、前記各画像形成装置の印刷ジョブ及びデータを通信する画像形成システムであって、前記各画像形成装置の配置位置が記載された地図を記憶した記憶部と、前記各画像形成装置の動作状況を収集する動作状況収集部と、前記記憶部に記憶された前記地図及び前記動作状況収集部により収集された前記各画像形成装置の動作状況を表示する表示部とを備え、前記各画像形成装置の少なくとも1つに前記表示部を設けている。
【0009】
このような本発明の画像形成システムでは、各画像形成装置の配置位置が記載された地図及び各画像形成装置の動作状況を表示する表示部を、各画像形成装置の少なくとも1つに設けている。このため、表示部が設けられた画像形成装置では、画像データの転送に際し、各画像形成装置の動作状況に応じて画像データの転送先として適確な画像形成装置を選択し、地図を見て、その選択した画像形成装置の配置位置を直ちに知ることができる。よって、その選択した画像形成装置に画像データを転送し、この選択した画像形成装置で画像データによって示される画像を記録用紙に印刷させ、この選択した画像形成装置の配置位置まで画像が印刷された記録用紙を直ちに取りに行くことができる。
【0010】
尚、記憶部及び動作状況収集部は、システムそのものに設けられればよく、例えばネットワークに接続された端末装置(画像形成装置、パーソナルコンピュータ、及びプリントサーバ等)に設けることができ、如何なる端末装置に設けられても、ネットワークを通じて、記憶部に記憶された地図及び動作状況収集部により収集された各画像形成装置の動作状況を、表示部が設けられた画像形成装置に転送することが可能である。
【0011】
また、本発明の画像形成システムにおいては、前記表示部が設けられた画像形成装置は、該表示部により表示された前記地図にそれぞれの配置位置が記載された前記各画像形成装置のいずれかを選択するために操作される選択操作部を備え、前記ネットワークを通じて、前記選択操作部の操作により選択された画像形成装置へと印刷ジョブを送信している。
【0012】
このような選択部を設けることにより、適確な画像形成装置の選択と、この選択した画像形成装置への印刷ジョブの送信とを速やかに行うことができる。
【0013】
更に、本発明の画像形成システムにおいては、前記地図には、前記各画像形成装置の配置位置に該各画像形成装置の識別情報が記載されている。あるいは、前記表示部は、前記各画像形成装置の動作状況に対応付けて該各画像形成装置の識別情報を表示している。
【0014】
これにより、各画像形成装置の識別情報、配置位置、及び動作状況の対応関係を理解することができる。
【0015】
また、本発明の画像形成システムにおいては、前記表示部は、前記各画像形成装置の識別情報を表示し、前記各画像形成装置の識別情報のいずれかが入力指示されると、この入力指示された識別情報に対応する画像形成装置の動作状況を表示している。
【0016】
この場合は、入力指示された識別情報に対応する画像形成装置の動作状況が表示されるため、表示される動作状況が特定され、表示内容が簡単化される。
【0017】
更に、本発明の画像形成システムにおいては、前記画像形成装置の識別情報を入力するために操作される情報入力部を備えている。
【0018】
これにより、利用者が理解し易い識別情報を設定することができる。
【0019】
また、本発明の画像形成システムにおいては、前記表示部は、前記表示部が設けられた画像形成装置と前記各画像形成装置との離間距離に応じた順序で該各画像形成装置の動作状況を表示している。
【0020】
例えば、表示部が設けられた画像形成装置と各画像形成装置との離間距離が短い順序で該各画像形成装置の動作状況を表示する。これにより、より近くの画像形成装置の動作状況を容易に把握することができる。仮に、多数の画像形成装置の動作状況を無作為の順序で表示したならば、地図と各画像形成装置の動作状況を比較しながらも、より近くの画像形成装置を調べる必要があって、時間がかかる。
【0021】
更に、本発明の画像形成システムにおいては、前記表示部は、前記各画像形成装置による前記印刷ジョブの開始が早い順序で該各画像形成装置の動作状況を表示している。
【0022】
これにより、印刷ジョブの開始が早い画像形成装置を直ちに知ることができる。
【0023】
また、本発明の画像形成システムにおいては、前記表示部は、前記表示部が設けられた画像形成装置の動作状況と他の画像形成装置の動作状況を区分け表示している。
【0024】
この場合は、表示部が設けられた画像形成装置の動作状況、つまり利用者が使用している画像形成装置の動作状況が分かり易くなり、利用者が使用している画像形成装置の動作状況と他の画像形成装置の動作状況との比較が容易になる。
【0025】
更に、本発明の画像形成システムにおいては、前記記憶部は、前記各画像形成装置の少なくとも1つもしくは前記ネットワークに接続された端末装置に設けられている。
【0026】
端末装置としては、パーソナルコンピュータやプリントサーバ等がある。勿論、記憶部を1乃至複数の画像形成装置に設けても構わない。
【0027】
また、本発明の画像形成システムにおいては、前記画像形成装置は、該画像形成装置の配置位置を検出する全地球測位システムの受信機を備え、前記受信機により検出された配置位置が前記地図に記載されている。
【0028】
この場合は、画像形成装置の配置位置が地図に自動的に記載される。
【0029】
更に、本発明の画像形成システムにおいては、前記地図に記載される前記画像形成装置の配置位置を入力するために操作される位置入力部を備えている。
【0030】
この場合は、位置入力部の操作により画像形成装置の配置位置を入力することになる。
【発明の効果】
【0031】
本発明では、各画像形成装置の配置位置が記載された地図及び各画像形成装置の動作状況を表示する表示部を、各画像形成装置の少なくとも1つに設けている。このため、表示部が設けられた画像形成装置では、画像データの転送に際し、各画像形成装置の動作状況に応じて画像データの転送先として適確な画像形成装置を選択し、地図を見て、その選択した画像形成装置の配置位置を直ちに知ることができる。よって、その選択した画像形成装置に画像データを転送し、この選択した画像形成装置で画像データによって示される画像を記録用紙に印刷させ、この選択した画像形成装置の配置位置まで画像が印刷された記録用紙を直ちに取りに行くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の画像形成システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】(a)、(b)は、図1のシステムにおける端末装置及びプリントサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】図1のシステムにおける複合機の構成を示すブロック図である。
【図4】複合機を示す断面図である。
【図5】複合機の表示部に表示される地図及び動作状況の一覧を例示する図である。
【図6】プリントサーバのメモリに記憶されている管理データを例示する図である。
【図7】複合機の表示部に表示される地図及び動作状況の一覧の他の例を示す図である。
【図8】複合機の表示部に表示される地図及び動作状況の一覧の別の例を示す図である。
【図9】複合機の表示部に表示される動作状況及び仕様の詳細を例示する図である。
【図10A】複合機による印刷ジョブの転送処理を示すフローチャートである。
【図10B】図10Aに引続く処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の画像形成システムの一実施形態を示すブロック図である。本実施形態の画像形成システムPSでは、複数のパーソナルコンピュータ(PC)11、プリントサーバ21、及び複数の複合機(画像形成装置)31をネットワークNを通じて相互に接続し、PC11、プリントサーバ21、及び複合機31のいずれの間でも印刷ジョブやデータ等を送受することができるようにしている。ネットワークNは、LANやインターネット等を想定しているが、他の種類のネットワークを適用しても構わない。
【0035】
図2(a)、(b)は、PC11及びプリントサーバ21の構成を示すブロック図である。尚、図2(a)、(b)においては、PC11及びプリントサーバ21が基本的に同一構成であるため、同様の作用を果たす部位の名称を同一にして、符号だけを変更している。
【0036】
図2(a)、(b)において、CPU111、211は、システムバス112、212を通じて各デバイス等を制御し、PC11又はプリントサーバ21を統括的に制御する。ROM113、213及びメモリ114、214には、CPU111、211で実行されるオペレーティングシステム(OS)、PC11又はプリントサーバ21の機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。
【0037】
RAM115、215は、CPU111、211の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU111、211は、必要なプログラム等をROM113、213及びメモリ114、214からRAM115、215へとロードして実行し、PC11又はプリントサーバ21の機能を実現する。
【0038】
操作入力部117、217は、キーボードやマウス等であって、キーボードやマウス等の操作に応じた信号をCPU111、211に出力する。
【0039】
表示部116、216は、テキストや画像等を表示するものであり、液晶表示装置、CRT、EL表示装置等、如何なる種類のものであってもよい。CPU111、211は、RAM115、215等の表示メモリ領域にテキストや画像等をラスタライズし、このラスタライズされたテキストや画像等を表示部116、216に表示させる。また、CPU111、211は、操作入力部117、217からの信号に応じて表示部116、216の画面上のカーソルを移動させて、カーソルによる指示を可能にする。
【0040】
メモリ114、214は、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、あるいはコンパクトフラッシュ(登録商標)等の携帯型メモリを含む。
【0041】
通信部118、218は、ネットワークNを通じて、PC11、プリントサーバ21、あるいは複合機31との間で印刷ジョブやデータ等を通信するためのものであり、例えばTCP/IPに準じた通信制御を行う。
【0042】
図3は、複合機31の構成を示すブロック図である。図3に示すように複合機31は、原稿の画像を読取る画像読取り部312及びテキストや画像等を記録用紙に印刷する印刷部311を備え、ネットワークNを通じて印刷ジョブ等を送受信する。
【0043】
複合機31において、CPU313は、システムバス314を通じて各デバイス等を制御し、複合機31全体を制御する。ROM315には、各種制御プログラムが格納されている。メモリ316は、例えばハードディスクドライブであり、各種のアプリケーションプログラム,画像データ等が格納されている。
【0044】
RAM317は、CPU313の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU313は、必要なプログラム等をROM315及びメモリ316からRAM317へとロードして実行し、複合機31を制御する。
【0045】
表示部321は、テキストや画像等を表示するものであり、液晶表示装置、CRT、EL表示装置等、如何なる種類のものであってもよく、また複合機31に一体化された小型のものであっても、また複合機31に接続された大型のものであってもよい。CPU313は、RAM317等の表示メモリ領域にテキストや画像等をラスタライズし、このラスタライズされたテキストや画像等を表示部321に表示させる。
【0046】
操作入力部318は、複数の操作キー及び表示部321の画面に重ねられたタッチパネルであって、操作キーやタッチパネルの操作に応じた信号をCPU313に出力する。
【0047】
通信部319は、ネットワークNを通じて、PC11やプリントサーバ21との間でデータ通信を行うものであり、例えばTCP/IPに準じた通信制御を行う。
【0048】
GPS(全地球測位システム)受信機326は、複合機31の配置位置(緯度経度)を検出するものである。
【0049】
イメージバスインターフェース(イメージバスI/F)322は、システムバス314と画像データ転送用の画像バス323とを相互接続するバスブリッジであり、両方のバス間でデータ構造の相互変換を行う。
【0050】
画像バス323は、PCIバス又はIEEE1394で構成されている。この画像バス323には、ラスタイメージプロセッサ(RIP)324、印刷部311、画像読取り部312、及び画像処理部325が接続されている。RIP324は、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。
【0051】
画像処理部325は、画像データに対して補正、加工、編集を行うものである。例えば、複合機31の特性に応じた補正や解像度変換等を行う。あるいは、画像の回転、多値画像データに対するJPEGの圧縮伸長変換処理、及び2値画像データに対するJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0052】
原稿用紙搬送部327は、画像読取り部312により読取られる原稿を搬送する。画像読取り部312は、原稿の画像を読取って、原稿の画像を示す画像データ(ラスタイメージ)を出力する。この画像データは、画像処理部325により処理され、カラー印刷やモノクロ印刷、記録用紙のサイズ、印刷部数等を示す印刷処理命令と共に印刷ジョブとしてメモリ316に格納される。また、プリントサーバ21からネットワークNを通じて送信されて来た印刷ジョブは、通信部319で受信され、この印刷ジョブの画像データが画像処理部325で処理された後にメモリ316に記憶される。
【0053】
印刷部311は、メモリ316内の印刷ジョブの画像データに基づき感光体上にトナー像(原稿の画像)を形成して、このトナー像を記録用紙に転写して印刷する電子写真方式のものである。給紙部328は、記録用紙を印刷部311に供給する。
【0054】
CPU313は、それらの印刷部311、画像読取り部312、原稿用紙搬送部327、及び給紙部328等を制御して、メモリ316内の印刷ジョブを実行する。
【0055】
次に、複合機31の構成を説明する。図4は、複合機31を示す断面図である。図4の複合機31は、複写機能、プリンタ機能、及びスキャナ機能を有する複合機であり、原稿用紙搬送部(ADF)327、画像読取り部312、印刷部311、及び給紙部328等を備えている。印刷部311は、レーザ露光装置341、現像装置342、感光体ドラム343、感光体ドラムクリーニング装置344、帯電器345、中間転写ベルト装置346、定着装置347、用紙搬送経路S、及び用紙排出トレイ349等を備えている。
【0056】
複合機31において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。このため、現像装置342、感光体ドラム343、感光体ドラムクリーニング装置344、及び帯電器345は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0057】
各帯電器345は、それぞれの感光体ドラム343の光感光層表面(周面)を所定の電位に均一に帯電させる。レーザ露光装置341は、レーザ光を帯電された各感光体ドラム343表面に照射して、それらの表面に画像データに対応する静電潜像を形成する。各現像装置342は、それぞれの感光体ドラム343表面に形成された静電潜像を各色のトナーにより現像し、これらの感光体ドラム343表面にトナー像を形成する。各感光体ドラムクリーニング装置344は、現像及び画像転写後にそれぞれの感光体ドラム343表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0058】
中間転写ベルト装置346は、各感光体ドラム343の上方に配置されており、中間転写ベルト351を張架して支持し、中間転写ベルト351を矢印C方向に周回移動させる。各感光体ドラム343表面のトナー像は、中間転写ベルト351に順次重ねられて転写され、これにより中間転写ベルト351上にカラーのトナー像(各色のトナー像)が形成される。各感光体ドラム343から中間転写ベルト351へのトナー像の転写は、中間転写ベルト351裏面に圧接されている各中間転写ローラ352によって行われる。各中間転写ローラ352には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0059】
こうして各感光体ドラム343表面のトナー像は、中間転写ベルト351で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト351と共に搬送され、中間転写ベルト351と2次転写装置353の転写ローラ353a間のニップ域で記録用紙上に転写される。2次転写装置353の転写ローラ353aには、中間転写ベルト351上の各色のトナー像を記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0060】
中間転写ベルトクリーニング装置354は、中間転写ベルト351上に残留したトナーを除去及び回収する。
【0061】
記録用紙は、中間転写ベルト351と2次転写装置353の転写ローラ353a間のニップ域でカラーのトナー像を転写された後、定着装置347へと搬送される。定着装置347は、加熱ローラ355と加圧ローラ356間に記録用紙を挟み込んで搬送し、記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたカラーのトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる。
【0062】
一方、給紙部328の給紙カセット361は、複合機31の下部に設けられて、給紙カセット361内の記録用紙を供給する。
【0063】
また、印刷部311には、給紙カセット361から供給された記録用紙を2次転写装置353や定着装置347を経由させて用紙排出トレイ349に送るための、Sの字形状の用紙搬送経路Sが設けられている。
【0064】
給紙カセット361の端部には、用紙ピックアップローラ362が設けられており、この用紙ピックアップローラ362により給紙カセット361から記録用紙が1枚ずつ引出されて用紙搬送経路Sへと搬送される。
【0065】
用紙搬送経路Sにおいて、搬送ローラ358は、記録用紙の搬送を促進補助する。用紙レジストローラ357は、搬送されて来た記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト351と2次転写装置353の転写ローラ353a間のニップ域で中間転写ベルト351上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、各感光体ドラム343及び中間転写ベルト351の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
【0066】
更に、記録用紙は、定着装置347でカラーのトナー像を定着され、定着装置347を通過した後、排紙ローラ359によって用紙排出トレイ349上にフェイスダウンで排出される。
【0067】
次に、複合機31の本体上部に搭載された原稿用紙搬送部327及び画像読取り部312を説明する。原稿用紙搬送部327は、その奥一辺をヒンジ(図示せず)により画像読取り部312の奥一辺に枢支され、その手前部分を上下させることにより開閉される。原稿用紙搬送部327が開かれたときには、画像読取り部312のプラテンガラス364が開放され、このプラテンガラス364上に原稿用紙が載置される。
【0068】
画像読取り部312では、第1走査ユニット365を副走査方向へと原稿用紙のサイズに応じた距離だけ移動させながら、プラテンガラス364上の原稿用紙表面を光源366によって照明し、その反射光を第1反射ミラー367により反射して第2走査ユニット368へと導く。第2走査ユニット368は、第1走査ユニット365に追従して移動しつつ、原稿用紙からの反射光を第2及び第3反射ユミラー371、372により反射して結像レンズ373へと導く。結像レンズ373は、原稿用紙からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)374に集光して、原稿用紙表面の画像をCCD374上に結像させる。CCD374は、原稿用紙表面の画像を繰り返し主走査方向に走査し、その度に、1主走査ラインのアナログ画像信号を出力する。
【0069】
また、原稿用紙搬送部327により搬送されている原稿用紙表面の画像を読取る場合は、図1に示すように第1走査ユニット365を原稿読取りガラス375下方の読取り位置に移動し、第1走査ユニット365の位置に応じて第2走査ユニット368を位置決めし、この状態で、原稿用紙搬送部327による原稿用紙の搬送を開始する。
【0070】
原稿用紙搬送部327では、ピックアップローラ376を原稿トレイ377上の原稿用紙に押し当て回転させて、原稿用紙を引き出し、原稿用紙を用紙搬送路378を通じて搬送し、原稿用紙を画像読取り部312の原稿読取りガラス375と読取りガイド板379間に通過させ、更に排紙ローラ381から原稿排出トレイ382へと搬送する。
【0071】
この原稿用紙の搬送に際し、第1走査ユニット365の光源366により原稿用紙表面を原稿読取りガラス375を介して照明し、原稿用紙からの反射光を第1及び第2走査ユニット365、368の各反射ミラーにより結像レンズ373へと導き、原稿用紙からの反射光を結像レンズ373によりCCD374に集光させ、原稿用紙表面の画像をCCD374上に結像させ、これにより原稿用紙表面の画像を読取る。
【0072】
このようにCCD374により読取られた原稿用紙の画像は、CCD374からアナログ画像信号として出力され、このアナログ画像信号がデジタル画像信号にA/D変換される。そして、このデジタル画像信号(画像データ)は、種々の画像処理を施されてから複合機31のレーザ露光装置341に入力され、印刷部311で画像データによって示される画像が記録用紙に記録され、この記録用紙が出力される。
【0073】
さて、図1の画像形成システムPSにおいて、各複合機31は、原稿の画像を読取り、この画像を記録用紙に印刷して複写するだけではなく、ネットワークNを通じて、原稿の画像を示す画像データを各複合機31間で転送し、転送先の複合機31で画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷することができる。
【0074】
また、各複合機31では、画像データの転送に際し、各複合機31の配置位置を記載した地図を表示部321に表示することができる。この地図は、例えばプリントサーバ21で予め作成されて、プリントサーバ21のメモリ214に記憶され、更にプリントサーバ21のメモリ214からネットワークNを通じて各複合機31に転送されて、各複合機31のメモリ316に記憶され、各複合機31の表示部321に表示される。このような地図は、転送先の複合機31の配置位置を特定するのに役立つ。
【0075】
更に、各複合機31では、画像データの転送に際し、各複合機31の動作状況や仕様を表示部321に表示することができる。例えば、各複合機31の動作状況や仕様がプリントサーバ21で収集されてメモリ214に記憶され、更に各複合機31の動作状況や仕様が、プリントサーバ21のメモリ214からネットワークNを通じて各複合機31に転送されて、各複合機31のメモリ316に記憶され、各複合機31の表示部321に表示される。このような各複合機31の動作状況や仕様は、印刷ジョブの開始が早くかつ適確な仕様の複合機31を転送先として選択するのに役立つ。
【0076】
次に、複合機31の表示部321に表示される地図、各複合機31の動作状況や仕様の作成手順を詳しく説明する。
【0077】
図5は、プリントサーバ21で作成されて複合機31の表示部321に表示される地図を例示している。図5の地図Mpは、オフィスの各部屋L1、L2、L3、……を示す間取り図に、各複合機31の識別情報ID1、ID2、ID3、……を記載したものである。各複合機31の識別情報の記載位置は、実際のオフィスにおける実際の各複合機31の配置位置に対応している。この地図Mpでは、部屋L1の左片隅に識別情報D1が記載されているので、識別情報D1に対応する実際の複合機31が実際の部屋L1の左片隅に配置されている。また、部屋L2の中央に識別情報D2が記載されているので、識別情報D2に対応する実際の複合機31が実際の部屋L2の中央に配置されている。同様に、部屋L3の左片隅に識別情報D3が記載されているので、識別情報D3に対応する実際の複合機31が実際の部屋L3の左片隅に配置され、部屋L4の右片隅に識別情報D4が記載されているので、識別情報D4に対応する実際の複合機31が実際の部屋L4の右片隅に配置されている。
【0078】
このような地図Mpは、例えば地図作成用のアプリケーションソフトを用いて作成することができる。プリントサーバ21において、地図作成用のアプリケーションソフトをメモリ214に記憶しておき、CPU211によりアプリケーションソフトをRAM215へとロードして実行し、地図を表示部216の画面に表示しつつ、操作入力部217の操作により表示部216の画面上で地図を作成する。このとき、操作入力部217の操作により、実際の各複合機31の配置位置に対応する地図上のそれぞれの位置に該各複合機31の識別情報を記入する。例えば、地図Mpを表示部216の画面に表示した状態で、地図Mp上の複合機31の位置が指示されると、操作入力部217のタッチパネルによりその指示された位置を検出し、引続いて操作入力部217の操作により複合機31の識別情報が入力されると、その検出された位置にその入力された識別情報を記入する。これにより、簡単な操作で識別情報を記入することが可能となる。また、各複合機31の識別情報として、利用者に理解し易いものを入力設定するのがよい。例えば、識別情報として、複合機31が配置されている部署の名称や部屋の名称等を入力設定する。こうして完成した地図Mpがメモリ216に記憶される。
【0079】
また、プリントサーバ21のメモリ214から複合機31のメモリ316へと地図Mpをダウンロードし、複合機31において、メモリ316内の地図Mpを表示部321の画面に表示しつつ、操作入力部318の操作により地図Mp上の該複合機31の位置に識別情報を記入して、地図Mpを更新し、更新した地図Mpを該複合機31からプリントサーバ21のメモリ214へとアップロードして、メモリ214内の地図Mpを更新することができるようにしても構わない。
【0080】
あるいは、各複合機31のGPS受信機326により該各複合機31の配置位置(緯度経度)を検出し、この検出された該各複合機31の配置位置に対応する地図Mp上のそれぞれの位置に該各複合機31の識別情報を記入してもよい。詳しくは、複合機31では、GPS受信機326により検出された該複合機31の配置位置及び識別情報を示すデータを通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する。プリントサーバ21では、複合機31の配置位置及び識別情報を示すデータを通信部218で受信してCPU211に入力する。CPU211は、検出された複合機31の配置位置に対応する地図Mp上の位置に該複合機31の識別情報を記入する。また、各複合機31別に、配置位置及び識別情報をプリントサーバ21に送信し、プリントサーバ21で各複合機31の識別情報を地図Mpに記入する。この場合は、地図Mpにおいて、少なくとも2本の経線(経度)及び少なくとも2本の緯線(緯度)を設定にしておき、これらの経線及び緯線を基準にして複合機31の位置(緯度経度)を規定し、この位置に識別情報を記入する。
【0081】
一方、プリントサーバ21では、複合機31からの地図の要求信号を受信したときに、地図Mpをメモリ214から読出して、地図Mpをその複合機31に送信する。複合機31では、地図Mpを受信してメモリ316に記憶する。例えば、複合機31において、CPU313は、複合機31の起動時に地図の要求信号を生成し、地図の要求信号及び複合機31の識別情報を通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する。プリントサーバ21では、地図の要求信号及び識別情報を通信部218で受信してCPU211に入力する。CPU211は、地図Mpをメモリ214から読出し、地図Mp及び識別情報を通信部218からネットワークNを通じて複合機31へと送信する。複合機31では、地図Mp及び識別情報を通信部319で受信して、識別情報をCPU313に入力する。CPU313は、識別情報を確認して、地図Mpをメモリ316に記憶し、必要に応じて地図Mpを表示部321の画面に表示する。
【0082】
あるいは、一定時間毎に、プリントサーバ21から各複合機31へと地図Mpを同報通信して、地図Mpを各複合機31のメモリ316に記憶し、各複合機31のメモリ316内の地図Mpを更新しても構わない。これにより、プリントサーバ21において複合機31の新規導入や配置換え等に応じて地図Mpが変更されても、各複合機31のメモリ316内の地図Mpを実際の各複合機31の配置位置に常に対応させることができる。
【0083】
次に、各複合機31の動作状況及び仕様は、次のようにしてプリントサーバ21で収集されて複合機31の表示部321に表示される。
【0084】
例えば、各複合機31において、CPU313は、複合機31の待機中、待機中からの起動時、用紙切れが生じたときに、複合機31の動作状況、仕様、及び識別情報を示すデータを作成して、動作状況及び識別情報を示すデータを通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する。プリンタサーバ21では、各複合機31の動作状況、仕様、及び識別情報を示すそれぞれのデータを通信部218で受信して、これらのデータを管理データとしてメモリ214に記憶する。
【0085】
図6は、プリントサーバ21のメモリ214内に記憶されている管理データを例示している。図6の管理データMDは、各複合機31の識別情報ID1、ID2、ID3、……と、各複合機31の動作状況と、各複合機31の仕様とを対応付けて記録したものである。ここでは、複合機31の動作状況として「印刷ジョブの実行中」、「待機中」、「用紙切れ」、「印刷ジョブのキュー」等が設定されている。また、複合機31の仕様として「両面印刷」、「ステープル」、「フィニッシャー」、「カラー印刷」、「モノクロ印刷」等が設定されている。
【0086】
このような管理データMDは、複合機31からプリントサーバ21へと管理データMDの要求が送受されたときに、プリントサーバ21のメモリ214から読出されて、通信部218からネットワークNを通じてその複合機31へと送信され、複合機31のメモリ316に記憶される。例えば、複合機31において、CPU313は、画像データの転送に際し、管理データMDの要求信号及び複合機31の識別情報を通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する。プリントサーバ21では、管理データMDの要求信号及び識別情報を通信部218で受信してCPU211に入力する。これに応答してCPU211は、管理データMDをメモリ214から読出し、管理データMD及び識別情報を通信部218からネットワークNを通じて複合機31へと送信する。複合機31では、管理データMD及び識別情報を通信部319で受信して、識別情報をCPU313に入力する。CPU313は、識別情報を確認して、管理データMDをメモリ316に記憶する。
【0087】
そして、複合機31では、メモリ316内の管理データMDに基づき、例えば図5に示すような各複合機31の動作状況の一覧Uを表示部321の画面321aに表示する。この一覧Uは、各複合機31の識別情報ID1、ID2、ID3、……と各複合機31の動作状況とを対応付けて記載したものである。
【0088】
また、複合機31のCPU313は、表示部321の画面321aに表示されている一覧Uを適宜に編集する。例えば、図5に示すように自己の複合機31の動作状況及び識別情報D1を第1行目に記載し、他の各複合機31の動作状況及び識別情報D2〜D4を第2行目以降に記載する。更に、第1行目と第2行目の間にラインJを記して、自己の複合機31の動作状況及び識別情報を、他の各複合機31の動作状況及び識別情報に対して区分け表示する。これにより、利用者が使用している画像形成装置31の動作状況が分かり易くなり、利用者が使用している画像形成装置31の動作状況と他の画像形成装置31の動作状況との比較が容易になる。
【0089】
また、複合機31のCPU313は、一覧Uを編集して、各複合機31の動作状況及び識別情報の表示順序を自己の複合機31と他の各複合機31との離間距離の短い順序(自己の複合機31に近い順序)に設定してもよい。この離間距離は、地図Mp上で求めることができる。例えば、識別情報D1に対応する自己の複合機31と識別情報D3に対応する他の複合機31との離間距離が最も短く、次に自己の複合機31と識別情報D2に対応する他の複合機31との離間距離が2番目に短く、更に自己の複合機31と識別情報D4に対応する他の複合機31との離間距離が3番目に短いとすると、図7に示すように各複合機31の動作状況及び識別情報を配列して表示部321の画面321aに表示する。これにより、より近くの複合機31を容易に知ることができる。仮に、多数の複合機31を無作為の順序で表示したならば、地図Mpと各複合機31の動作状況を比較しながら、より近くの複合機31を調べる必要があって、時間がかかる。
【0090】
あるいは、複合機31のCPU313は、一覧Uを編集して、各複合機31の動作状況及び識別情報の表示順序を該各複合機31での印刷ジョブの開始が早い順序に設定してもよい。例えば、識別情報D4に対応する複合機31の動作状況が「待機中」であって、印刷ジョブの開始が最も早く、次に識別情報D3に対応する複合機31の動作状況が「ジョブの実行中」であって、印刷ジョブの開始が2番目に早く、更に識別情報D4に対応する複合機31の動作状況が「用紙切れ」であって、印刷ジョブの開始が最も遅いとすると、図8に示すように各複合機31の動作状況及び識別情報を配列して表示部321の画面321aに表示する。これにより、印刷ジョブの開始がより早い複合機31を容易に把握することができる。
【0091】
また、複合機31のCPU313は、一覧Uにおける識別情報が指示されると、この識別情報に対応する複合機31の動作状況と仕様の詳細を表示部321に表示する。例えば、表示部321に表示されている一覧Uの識別情報が指示されると、操作入力部318のタッチパネルによりその指示された識別情報の位置が検出される。これに応答してCPU313は、その指示された位置の識別情報に対応する複合機31の動作状況及び仕様をメモリ316内の管理データから検索して、図9に示すように複合機31の動作状況及び仕様の詳細を表示部321の画面321aに表示する。
【0092】
尚、図9の画面321aにおいて、「閉じる」の操作キーK1が指示されると、操作入力部318のタッチパネルによりその指示された操作キーK1の位置が検出され、この操作キーK1の指示に応答して図5、図7、図8の画面321aに戻される。
【0093】
このように各複合機31では、画像データの転送に際し、地図Mp、一覧U、複合機31の動作状況と仕様の詳細を表示部321に表示するので、一覧U、複合機31の動作状況と仕様の詳細に基づき印刷ジョブの開始が早くかつ適確な仕様の複合機31を転送先として選択することができ、また地図Mpを参照して、転送先の複合機31の配置位置を直ちに知ることができる。このため、転送先の複合機31に画像データを転送して、画像データによって示される画像を記録用紙に速やかに印刷させ、転送先の複合機31の配置位置まで画像が印刷された記録用紙を直ちに取りに行くことができる。
【0094】
次に、図10A及び図10Bのフローチャートを参照しつつ、複合機31による印刷ジョブの転送処理を整理して説明する。
【0095】
まず、複合機31の電源スイッチがオンにされて、複合機31が起動されると(ステップS1001)、CPU313は、複合機31の「待機中」及び識別情報を示すデータを作成し、「待機中」及び識別情報を示すデータを通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信し(ステップS1002)、複合機31を待機状態に設定する(ステップS1003)。
【0096】
プリントサーバ21では、複合機31の「待機中」及び識別情報を示すデータを通信部218で受信してCPU211に入力し、これに応答してCPU211は、メモリ214内の管理データMDにおける該識別情報に対応する動作状況を「待機中」に変更して、管理データMDを更新する。
【0097】
そして、複合機31では、待機状態に設定されると、CPU313により印刷ジョブの発生を監視し(ステップS1004)、印刷ジョブが発生しなければ(ステップS1004で「No」)、待機状態を維持する。
【0098】
また、例えば原稿が複合機31の原稿トレイ377(図4に示す)にセットされ、操作入力部318の操作により原稿用紙の複写が指示されると、これに応答してCPU313は、印刷ジョブが発生したと判定し(ステップS1004で「Yes」)、画像読取り部312及び原稿用紙搬送部327を制御して、原稿の画像の読取りを開始し、原稿の画像を示す画像データを画像処理部325で処理し、画像データを、カラー印刷やモノクロ印刷、記録用紙のサイズ、印刷部数等を示す印刷処理命令と共に印刷ジョブとしてメモリ316に一旦格納する。尚、印刷処理命令は、デフォルトのものがあり、また表示部321に表示し、操作入力部318の操作により変更することが可能である。
【0099】
このとき、複合機31のCPU313は、複合機31の「印刷ジョブの実行中」及び識別情報を示すデータを作成し、「印刷ジョブの実行中」及び識別情報を示すデータを通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する。プリントサーバ21では、複合機31の「印刷ジョブの実行中」及び識別情報を示すデータを通信部218で受信して、メモリ214内の管理データMDにおける該識別情報に対応する動作状況を「印刷ジョブの実行中」に変更して、管理データMDを更新する。
【0100】
引続いて、複合機31のCPU313は、印刷ジョブが完了したか否かを判定し(ステップS1005)、印刷ジョブが完了していなければ(ステップS1005で「No」)、操作入力部318の操作により転送先の複合機31の動作状況の確認要求が指示されたか否かを判定する(ステップS1006)。そして、転送先の複合機31の動作状況の確認要求が指示されないまま(ステップS1006で「No」)、一定時間が経過すると、CPU313は、印刷部311及び給紙部328を制御して、メモリ316内の印刷ジョブを実行し、画像を記録用紙に印刷させる。この場合は、印刷ジョブが完了したと判定し(ステップS1005で「Yes」)、ステップS1002に戻り、複合機31の「待機中」及び識別情報を示すデータをプリントサーバ21へと送信し(ステップS1002)、複合機31を待機状態に設定する(ステップS1003)。プリントサーバ21では、複合機31の「待機中」及び識別情報を示すデータを受信して、メモリ214内の管理データMDにおける該識別情報に対応する動作状況を「待機中」に変更して、管理データMDを更新する。
【0101】
また、操作入力部318の操作により転送先の複合機31の動作状況の確認要求が指示されると(ステップS1006で「Yes」)、CPU313は、管理データMDの要求信号を生成して、管理データMDの要求信号及び識別情報を通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する。プリントサーバ21では、管理データMDの要求信号及び識別情報を通信部218で受信してCPU211に入力する。これに応答してCPU211は、管理データMDをメモリ214から読出し、管理データMD及び識別情報を通信部218からネットワークNを通じて複合機31へと送信する。複合機31では、管理データMD及び識別情報を通信部319で受信して、識別情報をCPU313に入力する。CPU313は、識別情報を確認し、管理データMDをメモリ316に記憶する(ステップS1007)。そして、CPU313は、管理データMDを編集して、図5、図7、図8に示すような一覧Uを作成し、また図5、図7、図8に示すような地図Mpをメモリ316から読出し、地図Mp及び一覧Uを表示部321の画面321aに表示する。(ステップS1008)。これにより、利用者は、地図Mp及び一覧Uを参照し、一覧Uにおける各複合機31の動作状況に応じて印刷ジョブの転送先として適確な複合機31を選択し、地図Mp上の各複合機31の配置位置から、その選択した複合機31の配置位置を直ちに知ることができる。
【0102】
引続いて、図5、図7、図8の画面321aの地図Mp又は一覧Uにおいて、転送先の複合機31の識別情報が指示されると、操作入力部318のタッチパネルによりその指示された識別情報の位置が検出され(ステップS1009で「選択」)、CPU313は、その検出された位置の識別情報に対応する複合機31の動作状況及び仕様をメモリ316内の管理データMDから検索して、図9に示すように複合機31の動作状況及び仕様の詳細を表示部321の画面321aに表示する(ステップS1010)。これにより、利用者は、複合機31の仕様の詳細を見て、この複合機31により画像の印刷が正常に行われるか否かを確認することができる。例えば、複合機31の仕様から、両面印刷やカラー印刷が可能か否かを知ることができる。
【0103】
尚、図9の画面321aにおいて、閉じるキーK1が指示されると、操作入力部318のタッチパネルによりその閉じるキーK1の位置が検出され(ステップS1009で「戻る」)、この閉じるキーK1の指示に応答してステップS1005に戻る。そして、印刷部311及び給紙部328により画像が記録用紙に印刷されると(ステップS1005で「Yes」)、ステップS1002に戻る。
【0104】
また、操作入力部318のタッチパネルにより識別情報の位置が検出されても(ステップS1009で「選択」)、この検出された位置の識別情報が自己の複合機31を示すものであれば(ステップS1011で「Yes」)、ステップS1009に戻る。この場合も、図9の画面321aの閉じるキーK1を指示して(ステップS1009で「戻る」)、ステップS1005に戻り、自己の複合機31で画像を記録用紙に印刷して(ステップS1005で「Yes」)、ステップS1002に戻ることになる。
【0105】
次に、操作入力部318のタッチパネルにより検出された位置の識別情報が自己の複合機31を示すものでなければ(ステップS1011で「No」)、つまり識別情報が転送先の複合機31を示すものであれば、CPU313は、この識別情報に対応する転送先の複合機31の動作状況及び仕様をメモリ316内の管理データMDから検索し、この転送先の複合機31の仕様とメモリ316内の印刷ジョブの印刷処理命令を比較して、この転送先の複合機31により印刷ジョブの印刷処理命令が正常に実行されるか否かを判定する(ステップS1012、S1013)。例えば、印刷ジョブの印刷処理命令によりカラー印刷が設定され、かつ転送先の複合機31の仕様として「カラー印刷」が設定されている場合は、印刷ジョブの印刷処理命令が正常に実行されると判定される。また、印刷ジョブの印刷処理命令によりカラー印刷が設定され、かつ転送先の複合機31の仕様として「モノクロ印刷」が設定されている場合は、印刷ジョブの印刷処理命令が正常に実行されないと判定される。
【0106】
そして、CPU313は、転送先の複合機31により印刷ジョブの印刷処理命令が正常に実行されると判定すると(ステップS1013で「Yes」)、印刷ジョブを転送先の複合機31に転送するか否かの確認メッセージを表示部321に表示し(ステップS1014)、操作入力部318の操作により印刷ジョブの転送が指示されると(ステップS1015で「Yes」)、メモリ316内の印刷ジョブ及び転送先の複合機31の識別情報を通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する(ステップS1016)。
【0107】
また、CPU313は、転送先の複合機31により印刷ジョブの印刷処理命令を正常に実行できないと判定すると(ステップS1013で「No」)、印刷ジョブの印刷処理命令を正常に実行できない旨のメッセージを表示し、正常に実行できない印刷処理命令の項目(カラー印刷、記録用紙のサイズ、印刷部数等)を表示する(ステップS1017)。そして、CPU313は、転送先の複合機31が印刷ジョブの印刷処理命令を正常に実行できなくても印刷ジョブを転送するか否かの確認メッセージを表示部321に表示し(ステップS1018)、操作入力部318の操作により印刷ジョブの転送が指示されると(ステップS1015で「Yes」)、メモリ316内の印刷ジョブ及び転送先の複合機31の識別情報を通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する(ステップS1016)。
【0108】
プリントサーバ21では、印刷ジョブ及び転送先の複合機31の識別情報を示すデータを通信部218で受信してメモリ214に一旦記憶する。そして、CPU211は、印刷ジョブ及び識別情報をメモリ214から読出して、印刷ジョブ及び識別情報を通信部218からネットワークNを通じて転送先の複合機31へと送信する。
【0109】
尚、操作入力部318の操作により転送しないと指示されると(ステップS1015で「No」)、ステップS1009に戻る。この場合も、図9の画面321aの閉じるキーK1を指示して(ステップS1009で「戻る」)、ステップS1005に戻り、自己の複合機31で画像を記録用紙に印刷して(ステップS1005で「Yes」)、ステップS1002に戻ることになる。
【0110】
次に、転送先の複合機31では、電源スイッチのオンにより起動され(ステップS2001)、「待機中」及び識別情報を示すデータを通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信し(ステップS2002)、待機状態に設定される(ステップS2003)。そして、プリントサーバ21からネットワークNを通じて印刷ジョブ及び識別情報が転送されて来ると、印刷ジョブ及び識別情報を通信部319で受信して、識別情報をCPU313に入力する。CPU313は、識別情報を確認して、印刷ジョブの画像データを画像処理部325で処理させて、印刷ジョブをメモリ316に記憶し(ステップS2004)、印刷部311及び給紙部328を制御して、メモリ316内の印刷ジョブを実行し、画像を記録用紙に印刷させる(ステップS2005)。
【0111】
このとき、転送先の複合機31の仕様がその印刷ジョブの印刷処理命令を正常に実行できるものであれば、印刷ジョブが正常に実行される。
【0112】
また、この転送先の複合機31の仕様がその印刷ジョブの印刷処理命令を正常に実行できるものでなければ、印刷ジョブが正常に実行されない。例えば、印刷ジョブの印刷処理命令によりカラー印刷が設定され、かつ転送先の複合機31の仕様として「モノクロ印刷」が設定されている場合は、印刷ジョブの画像データがカラー画像を示していても、モノクロ画像が記録用紙に印刷される。
【0113】
このように本実施形態の画像形成システムにおいては、複合機31から印刷ジョブを転送するに先立ち、地図Mp及び一覧Uを表示部321の画面321aに表示するので、利用者は、一覧Uにおける各複合機31の動作状況に応じて印刷ジョブの転送先として適確な複合機31を選択し、地図Mp上の各複合機31の配置位置から、転送先の複合機31の配置位置を直ちに知ることができる。このため、利用者は、印刷ジョブを転送先の複合機31で速やかに実行させ、転送先の複合機31の配置位置まで画像が印刷された記録用紙を直ちに取りに行くことができる。
【0114】
尚、本実施形態では、地図Mp及び管理データMDをプリントサーバ21で作成して記憶しているが、地図Mp及び管理データMDを複合機31やPC11等で作成して記憶し、地図Mp及び管理データMDを複合機31やPC11等から他の各複合機31へと転送してもよい。また、プリントサーバ21もしくはPC11を設けずに、各複合機31だけをネットワークNを通じて接続し、各複合機31間で印刷ジョブ、地図Mp、及び管理データMDを転送するようにしても構わない。
【0115】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0116】
11 パーソナルコンピュータ(PC)
21 プリントサーバ
31 複合機
111、211、313 CPU(動作状況収集部)
112、212、314 システムバス
113、213、315 ROM
114、214、316 メモリ(記憶部)
115、215、317 RAM
117、217 操作入力部(情報入力部、位置入力部)
116、216、321 表示部
118、218、319 通信部
311 印刷部
312 画像読取り部
318 操作入力部(選択操作部、情報入力部、位置入力部)
322 イメージバスインターフェース(イメージバスI/F)
323 画像バス
324 ラスタイメージプロセッサ(PIP)
325 画像処理部
326 GPS受信機(全地球測位システムの受信機)
327 原稿用紙搬送部
328 給紙部
N ネットワーク
PS 画像形成システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像形成装置をネットワークに接続し、ネットワークを通じて、各画像形成装置間で印刷ジョブ等を転送する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムでは、複数の画像形成装置をネットワークに接続し、ネットワークを通じて、各画像形成装置間で印刷ジョブやデータ等を通信している。あるいは、プリントサーバをネットワークに接続し、画像形成装置から送信された印刷ジョブやデータをプリントサーバで受信して一括管理し、プリントサーバから画像形成装置へと印刷ジョブやデータを転送している。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているシステムでは、複数の画像形成装置を接続ケーブルを通じて重連接続し、各画像形成装置間で画像データを転送して、いずれの画像形成装置においても、転送されて来た画像データを受信して、画像データによって示される画像を印刷することができるようにしている。また、画像形成装置の表示画面に各画像形成装置の識別番号を表示し、表示画面上で識別番号を選択して、識別番号に対応する画像形成装置を画像データの転送先として指定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−129277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように表示画面上で識別番号を選択して、識別番号に対応する画像形成装置を画像データの転送先として指定するという構成では、転送先の画像形成装置を選択することができても、この選択した画像形成装置の配置位置が分からず、この画像形成装置へと直ちに行けないことがあった。
【0006】
例えば、広いオフィスや工場においては、多数の画像形成装置が分散して設置されているため、各画像形成装置の配置位置を把握し難く、また各画像形成装置の配置位置を把握したとしても、表示画面に表示された各識別番号と各画像形成装置との対応関係を理解することができず、このために識別番号に対応する画像形成装置を画像データの転送先として指定しても、その画像形成装置の配置位置を特定することができず、この画像形成装置へと直ちに行くことができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、ネットワークを通じて、各画像形成装置間で印刷ジョブ等を転送する構成において、印刷ジョブ等の転送先の画像形成装置の配置位置を容易に知ることが可能な画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の画像形成装置をネットワークに接続し、前記ネットワークを通じて、前記各画像形成装置の印刷ジョブ及びデータを通信する画像形成システムであって、前記各画像形成装置の配置位置が記載された地図を記憶した記憶部と、前記各画像形成装置の動作状況を収集する動作状況収集部と、前記記憶部に記憶された前記地図及び前記動作状況収集部により収集された前記各画像形成装置の動作状況を表示する表示部とを備え、前記各画像形成装置の少なくとも1つに前記表示部を設けている。
【0009】
このような本発明の画像形成システムでは、各画像形成装置の配置位置が記載された地図及び各画像形成装置の動作状況を表示する表示部を、各画像形成装置の少なくとも1つに設けている。このため、表示部が設けられた画像形成装置では、画像データの転送に際し、各画像形成装置の動作状況に応じて画像データの転送先として適確な画像形成装置を選択し、地図を見て、その選択した画像形成装置の配置位置を直ちに知ることができる。よって、その選択した画像形成装置に画像データを転送し、この選択した画像形成装置で画像データによって示される画像を記録用紙に印刷させ、この選択した画像形成装置の配置位置まで画像が印刷された記録用紙を直ちに取りに行くことができる。
【0010】
尚、記憶部及び動作状況収集部は、システムそのものに設けられればよく、例えばネットワークに接続された端末装置(画像形成装置、パーソナルコンピュータ、及びプリントサーバ等)に設けることができ、如何なる端末装置に設けられても、ネットワークを通じて、記憶部に記憶された地図及び動作状況収集部により収集された各画像形成装置の動作状況を、表示部が設けられた画像形成装置に転送することが可能である。
【0011】
また、本発明の画像形成システムにおいては、前記表示部が設けられた画像形成装置は、該表示部により表示された前記地図にそれぞれの配置位置が記載された前記各画像形成装置のいずれかを選択するために操作される選択操作部を備え、前記ネットワークを通じて、前記選択操作部の操作により選択された画像形成装置へと印刷ジョブを送信している。
【0012】
このような選択部を設けることにより、適確な画像形成装置の選択と、この選択した画像形成装置への印刷ジョブの送信とを速やかに行うことができる。
【0013】
更に、本発明の画像形成システムにおいては、前記地図には、前記各画像形成装置の配置位置に該各画像形成装置の識別情報が記載されている。あるいは、前記表示部は、前記各画像形成装置の動作状況に対応付けて該各画像形成装置の識別情報を表示している。
【0014】
これにより、各画像形成装置の識別情報、配置位置、及び動作状況の対応関係を理解することができる。
【0015】
また、本発明の画像形成システムにおいては、前記表示部は、前記各画像形成装置の識別情報を表示し、前記各画像形成装置の識別情報のいずれかが入力指示されると、この入力指示された識別情報に対応する画像形成装置の動作状況を表示している。
【0016】
この場合は、入力指示された識別情報に対応する画像形成装置の動作状況が表示されるため、表示される動作状況が特定され、表示内容が簡単化される。
【0017】
更に、本発明の画像形成システムにおいては、前記画像形成装置の識別情報を入力するために操作される情報入力部を備えている。
【0018】
これにより、利用者が理解し易い識別情報を設定することができる。
【0019】
また、本発明の画像形成システムにおいては、前記表示部は、前記表示部が設けられた画像形成装置と前記各画像形成装置との離間距離に応じた順序で該各画像形成装置の動作状況を表示している。
【0020】
例えば、表示部が設けられた画像形成装置と各画像形成装置との離間距離が短い順序で該各画像形成装置の動作状況を表示する。これにより、より近くの画像形成装置の動作状況を容易に把握することができる。仮に、多数の画像形成装置の動作状況を無作為の順序で表示したならば、地図と各画像形成装置の動作状況を比較しながらも、より近くの画像形成装置を調べる必要があって、時間がかかる。
【0021】
更に、本発明の画像形成システムにおいては、前記表示部は、前記各画像形成装置による前記印刷ジョブの開始が早い順序で該各画像形成装置の動作状況を表示している。
【0022】
これにより、印刷ジョブの開始が早い画像形成装置を直ちに知ることができる。
【0023】
また、本発明の画像形成システムにおいては、前記表示部は、前記表示部が設けられた画像形成装置の動作状況と他の画像形成装置の動作状況を区分け表示している。
【0024】
この場合は、表示部が設けられた画像形成装置の動作状況、つまり利用者が使用している画像形成装置の動作状況が分かり易くなり、利用者が使用している画像形成装置の動作状況と他の画像形成装置の動作状況との比較が容易になる。
【0025】
更に、本発明の画像形成システムにおいては、前記記憶部は、前記各画像形成装置の少なくとも1つもしくは前記ネットワークに接続された端末装置に設けられている。
【0026】
端末装置としては、パーソナルコンピュータやプリントサーバ等がある。勿論、記憶部を1乃至複数の画像形成装置に設けても構わない。
【0027】
また、本発明の画像形成システムにおいては、前記画像形成装置は、該画像形成装置の配置位置を検出する全地球測位システムの受信機を備え、前記受信機により検出された配置位置が前記地図に記載されている。
【0028】
この場合は、画像形成装置の配置位置が地図に自動的に記載される。
【0029】
更に、本発明の画像形成システムにおいては、前記地図に記載される前記画像形成装置の配置位置を入力するために操作される位置入力部を備えている。
【0030】
この場合は、位置入力部の操作により画像形成装置の配置位置を入力することになる。
【発明の効果】
【0031】
本発明では、各画像形成装置の配置位置が記載された地図及び各画像形成装置の動作状況を表示する表示部を、各画像形成装置の少なくとも1つに設けている。このため、表示部が設けられた画像形成装置では、画像データの転送に際し、各画像形成装置の動作状況に応じて画像データの転送先として適確な画像形成装置を選択し、地図を見て、その選択した画像形成装置の配置位置を直ちに知ることができる。よって、その選択した画像形成装置に画像データを転送し、この選択した画像形成装置で画像データによって示される画像を記録用紙に印刷させ、この選択した画像形成装置の配置位置まで画像が印刷された記録用紙を直ちに取りに行くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の画像形成システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】(a)、(b)は、図1のシステムにおける端末装置及びプリントサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】図1のシステムにおける複合機の構成を示すブロック図である。
【図4】複合機を示す断面図である。
【図5】複合機の表示部に表示される地図及び動作状況の一覧を例示する図である。
【図6】プリントサーバのメモリに記憶されている管理データを例示する図である。
【図7】複合機の表示部に表示される地図及び動作状況の一覧の他の例を示す図である。
【図8】複合機の表示部に表示される地図及び動作状況の一覧の別の例を示す図である。
【図9】複合機の表示部に表示される動作状況及び仕様の詳細を例示する図である。
【図10A】複合機による印刷ジョブの転送処理を示すフローチャートである。
【図10B】図10Aに引続く処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の画像形成システムの一実施形態を示すブロック図である。本実施形態の画像形成システムPSでは、複数のパーソナルコンピュータ(PC)11、プリントサーバ21、及び複数の複合機(画像形成装置)31をネットワークNを通じて相互に接続し、PC11、プリントサーバ21、及び複合機31のいずれの間でも印刷ジョブやデータ等を送受することができるようにしている。ネットワークNは、LANやインターネット等を想定しているが、他の種類のネットワークを適用しても構わない。
【0035】
図2(a)、(b)は、PC11及びプリントサーバ21の構成を示すブロック図である。尚、図2(a)、(b)においては、PC11及びプリントサーバ21が基本的に同一構成であるため、同様の作用を果たす部位の名称を同一にして、符号だけを変更している。
【0036】
図2(a)、(b)において、CPU111、211は、システムバス112、212を通じて各デバイス等を制御し、PC11又はプリントサーバ21を統括的に制御する。ROM113、213及びメモリ114、214には、CPU111、211で実行されるオペレーティングシステム(OS)、PC11又はプリントサーバ21の機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。
【0037】
RAM115、215は、CPU111、211の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU111、211は、必要なプログラム等をROM113、213及びメモリ114、214からRAM115、215へとロードして実行し、PC11又はプリントサーバ21の機能を実現する。
【0038】
操作入力部117、217は、キーボードやマウス等であって、キーボードやマウス等の操作に応じた信号をCPU111、211に出力する。
【0039】
表示部116、216は、テキストや画像等を表示するものであり、液晶表示装置、CRT、EL表示装置等、如何なる種類のものであってもよい。CPU111、211は、RAM115、215等の表示メモリ領域にテキストや画像等をラスタライズし、このラスタライズされたテキストや画像等を表示部116、216に表示させる。また、CPU111、211は、操作入力部117、217からの信号に応じて表示部116、216の画面上のカーソルを移動させて、カーソルによる指示を可能にする。
【0040】
メモリ114、214は、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、あるいはコンパクトフラッシュ(登録商標)等の携帯型メモリを含む。
【0041】
通信部118、218は、ネットワークNを通じて、PC11、プリントサーバ21、あるいは複合機31との間で印刷ジョブやデータ等を通信するためのものであり、例えばTCP/IPに準じた通信制御を行う。
【0042】
図3は、複合機31の構成を示すブロック図である。図3に示すように複合機31は、原稿の画像を読取る画像読取り部312及びテキストや画像等を記録用紙に印刷する印刷部311を備え、ネットワークNを通じて印刷ジョブ等を送受信する。
【0043】
複合機31において、CPU313は、システムバス314を通じて各デバイス等を制御し、複合機31全体を制御する。ROM315には、各種制御プログラムが格納されている。メモリ316は、例えばハードディスクドライブであり、各種のアプリケーションプログラム,画像データ等が格納されている。
【0044】
RAM317は、CPU313の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU313は、必要なプログラム等をROM315及びメモリ316からRAM317へとロードして実行し、複合機31を制御する。
【0045】
表示部321は、テキストや画像等を表示するものであり、液晶表示装置、CRT、EL表示装置等、如何なる種類のものであってもよく、また複合機31に一体化された小型のものであっても、また複合機31に接続された大型のものであってもよい。CPU313は、RAM317等の表示メモリ領域にテキストや画像等をラスタライズし、このラスタライズされたテキストや画像等を表示部321に表示させる。
【0046】
操作入力部318は、複数の操作キー及び表示部321の画面に重ねられたタッチパネルであって、操作キーやタッチパネルの操作に応じた信号をCPU313に出力する。
【0047】
通信部319は、ネットワークNを通じて、PC11やプリントサーバ21との間でデータ通信を行うものであり、例えばTCP/IPに準じた通信制御を行う。
【0048】
GPS(全地球測位システム)受信機326は、複合機31の配置位置(緯度経度)を検出するものである。
【0049】
イメージバスインターフェース(イメージバスI/F)322は、システムバス314と画像データ転送用の画像バス323とを相互接続するバスブリッジであり、両方のバス間でデータ構造の相互変換を行う。
【0050】
画像バス323は、PCIバス又はIEEE1394で構成されている。この画像バス323には、ラスタイメージプロセッサ(RIP)324、印刷部311、画像読取り部312、及び画像処理部325が接続されている。RIP324は、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。
【0051】
画像処理部325は、画像データに対して補正、加工、編集を行うものである。例えば、複合機31の特性に応じた補正や解像度変換等を行う。あるいは、画像の回転、多値画像データに対するJPEGの圧縮伸長変換処理、及び2値画像データに対するJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0052】
原稿用紙搬送部327は、画像読取り部312により読取られる原稿を搬送する。画像読取り部312は、原稿の画像を読取って、原稿の画像を示す画像データ(ラスタイメージ)を出力する。この画像データは、画像処理部325により処理され、カラー印刷やモノクロ印刷、記録用紙のサイズ、印刷部数等を示す印刷処理命令と共に印刷ジョブとしてメモリ316に格納される。また、プリントサーバ21からネットワークNを通じて送信されて来た印刷ジョブは、通信部319で受信され、この印刷ジョブの画像データが画像処理部325で処理された後にメモリ316に記憶される。
【0053】
印刷部311は、メモリ316内の印刷ジョブの画像データに基づき感光体上にトナー像(原稿の画像)を形成して、このトナー像を記録用紙に転写して印刷する電子写真方式のものである。給紙部328は、記録用紙を印刷部311に供給する。
【0054】
CPU313は、それらの印刷部311、画像読取り部312、原稿用紙搬送部327、及び給紙部328等を制御して、メモリ316内の印刷ジョブを実行する。
【0055】
次に、複合機31の構成を説明する。図4は、複合機31を示す断面図である。図4の複合機31は、複写機能、プリンタ機能、及びスキャナ機能を有する複合機であり、原稿用紙搬送部(ADF)327、画像読取り部312、印刷部311、及び給紙部328等を備えている。印刷部311は、レーザ露光装置341、現像装置342、感光体ドラム343、感光体ドラムクリーニング装置344、帯電器345、中間転写ベルト装置346、定着装置347、用紙搬送経路S、及び用紙排出トレイ349等を備えている。
【0056】
複合機31において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。このため、現像装置342、感光体ドラム343、感光体ドラムクリーニング装置344、及び帯電器345は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0057】
各帯電器345は、それぞれの感光体ドラム343の光感光層表面(周面)を所定の電位に均一に帯電させる。レーザ露光装置341は、レーザ光を帯電された各感光体ドラム343表面に照射して、それらの表面に画像データに対応する静電潜像を形成する。各現像装置342は、それぞれの感光体ドラム343表面に形成された静電潜像を各色のトナーにより現像し、これらの感光体ドラム343表面にトナー像を形成する。各感光体ドラムクリーニング装置344は、現像及び画像転写後にそれぞれの感光体ドラム343表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0058】
中間転写ベルト装置346は、各感光体ドラム343の上方に配置されており、中間転写ベルト351を張架して支持し、中間転写ベルト351を矢印C方向に周回移動させる。各感光体ドラム343表面のトナー像は、中間転写ベルト351に順次重ねられて転写され、これにより中間転写ベルト351上にカラーのトナー像(各色のトナー像)が形成される。各感光体ドラム343から中間転写ベルト351へのトナー像の転写は、中間転写ベルト351裏面に圧接されている各中間転写ローラ352によって行われる。各中間転写ローラ352には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0059】
こうして各感光体ドラム343表面のトナー像は、中間転写ベルト351で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト351と共に搬送され、中間転写ベルト351と2次転写装置353の転写ローラ353a間のニップ域で記録用紙上に転写される。2次転写装置353の転写ローラ353aには、中間転写ベルト351上の各色のトナー像を記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0060】
中間転写ベルトクリーニング装置354は、中間転写ベルト351上に残留したトナーを除去及び回収する。
【0061】
記録用紙は、中間転写ベルト351と2次転写装置353の転写ローラ353a間のニップ域でカラーのトナー像を転写された後、定着装置347へと搬送される。定着装置347は、加熱ローラ355と加圧ローラ356間に記録用紙を挟み込んで搬送し、記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたカラーのトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる。
【0062】
一方、給紙部328の給紙カセット361は、複合機31の下部に設けられて、給紙カセット361内の記録用紙を供給する。
【0063】
また、印刷部311には、給紙カセット361から供給された記録用紙を2次転写装置353や定着装置347を経由させて用紙排出トレイ349に送るための、Sの字形状の用紙搬送経路Sが設けられている。
【0064】
給紙カセット361の端部には、用紙ピックアップローラ362が設けられており、この用紙ピックアップローラ362により給紙カセット361から記録用紙が1枚ずつ引出されて用紙搬送経路Sへと搬送される。
【0065】
用紙搬送経路Sにおいて、搬送ローラ358は、記録用紙の搬送を促進補助する。用紙レジストローラ357は、搬送されて来た記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト351と2次転写装置353の転写ローラ353a間のニップ域で中間転写ベルト351上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、各感光体ドラム343及び中間転写ベルト351の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
【0066】
更に、記録用紙は、定着装置347でカラーのトナー像を定着され、定着装置347を通過した後、排紙ローラ359によって用紙排出トレイ349上にフェイスダウンで排出される。
【0067】
次に、複合機31の本体上部に搭載された原稿用紙搬送部327及び画像読取り部312を説明する。原稿用紙搬送部327は、その奥一辺をヒンジ(図示せず)により画像読取り部312の奥一辺に枢支され、その手前部分を上下させることにより開閉される。原稿用紙搬送部327が開かれたときには、画像読取り部312のプラテンガラス364が開放され、このプラテンガラス364上に原稿用紙が載置される。
【0068】
画像読取り部312では、第1走査ユニット365を副走査方向へと原稿用紙のサイズに応じた距離だけ移動させながら、プラテンガラス364上の原稿用紙表面を光源366によって照明し、その反射光を第1反射ミラー367により反射して第2走査ユニット368へと導く。第2走査ユニット368は、第1走査ユニット365に追従して移動しつつ、原稿用紙からの反射光を第2及び第3反射ユミラー371、372により反射して結像レンズ373へと導く。結像レンズ373は、原稿用紙からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)374に集光して、原稿用紙表面の画像をCCD374上に結像させる。CCD374は、原稿用紙表面の画像を繰り返し主走査方向に走査し、その度に、1主走査ラインのアナログ画像信号を出力する。
【0069】
また、原稿用紙搬送部327により搬送されている原稿用紙表面の画像を読取る場合は、図1に示すように第1走査ユニット365を原稿読取りガラス375下方の読取り位置に移動し、第1走査ユニット365の位置に応じて第2走査ユニット368を位置決めし、この状態で、原稿用紙搬送部327による原稿用紙の搬送を開始する。
【0070】
原稿用紙搬送部327では、ピックアップローラ376を原稿トレイ377上の原稿用紙に押し当て回転させて、原稿用紙を引き出し、原稿用紙を用紙搬送路378を通じて搬送し、原稿用紙を画像読取り部312の原稿読取りガラス375と読取りガイド板379間に通過させ、更に排紙ローラ381から原稿排出トレイ382へと搬送する。
【0071】
この原稿用紙の搬送に際し、第1走査ユニット365の光源366により原稿用紙表面を原稿読取りガラス375を介して照明し、原稿用紙からの反射光を第1及び第2走査ユニット365、368の各反射ミラーにより結像レンズ373へと導き、原稿用紙からの反射光を結像レンズ373によりCCD374に集光させ、原稿用紙表面の画像をCCD374上に結像させ、これにより原稿用紙表面の画像を読取る。
【0072】
このようにCCD374により読取られた原稿用紙の画像は、CCD374からアナログ画像信号として出力され、このアナログ画像信号がデジタル画像信号にA/D変換される。そして、このデジタル画像信号(画像データ)は、種々の画像処理を施されてから複合機31のレーザ露光装置341に入力され、印刷部311で画像データによって示される画像が記録用紙に記録され、この記録用紙が出力される。
【0073】
さて、図1の画像形成システムPSにおいて、各複合機31は、原稿の画像を読取り、この画像を記録用紙に印刷して複写するだけではなく、ネットワークNを通じて、原稿の画像を示す画像データを各複合機31間で転送し、転送先の複合機31で画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷することができる。
【0074】
また、各複合機31では、画像データの転送に際し、各複合機31の配置位置を記載した地図を表示部321に表示することができる。この地図は、例えばプリントサーバ21で予め作成されて、プリントサーバ21のメモリ214に記憶され、更にプリントサーバ21のメモリ214からネットワークNを通じて各複合機31に転送されて、各複合機31のメモリ316に記憶され、各複合機31の表示部321に表示される。このような地図は、転送先の複合機31の配置位置を特定するのに役立つ。
【0075】
更に、各複合機31では、画像データの転送に際し、各複合機31の動作状況や仕様を表示部321に表示することができる。例えば、各複合機31の動作状況や仕様がプリントサーバ21で収集されてメモリ214に記憶され、更に各複合機31の動作状況や仕様が、プリントサーバ21のメモリ214からネットワークNを通じて各複合機31に転送されて、各複合機31のメモリ316に記憶され、各複合機31の表示部321に表示される。このような各複合機31の動作状況や仕様は、印刷ジョブの開始が早くかつ適確な仕様の複合機31を転送先として選択するのに役立つ。
【0076】
次に、複合機31の表示部321に表示される地図、各複合機31の動作状況や仕様の作成手順を詳しく説明する。
【0077】
図5は、プリントサーバ21で作成されて複合機31の表示部321に表示される地図を例示している。図5の地図Mpは、オフィスの各部屋L1、L2、L3、……を示す間取り図に、各複合機31の識別情報ID1、ID2、ID3、……を記載したものである。各複合機31の識別情報の記載位置は、実際のオフィスにおける実際の各複合機31の配置位置に対応している。この地図Mpでは、部屋L1の左片隅に識別情報D1が記載されているので、識別情報D1に対応する実際の複合機31が実際の部屋L1の左片隅に配置されている。また、部屋L2の中央に識別情報D2が記載されているので、識別情報D2に対応する実際の複合機31が実際の部屋L2の中央に配置されている。同様に、部屋L3の左片隅に識別情報D3が記載されているので、識別情報D3に対応する実際の複合機31が実際の部屋L3の左片隅に配置され、部屋L4の右片隅に識別情報D4が記載されているので、識別情報D4に対応する実際の複合機31が実際の部屋L4の右片隅に配置されている。
【0078】
このような地図Mpは、例えば地図作成用のアプリケーションソフトを用いて作成することができる。プリントサーバ21において、地図作成用のアプリケーションソフトをメモリ214に記憶しておき、CPU211によりアプリケーションソフトをRAM215へとロードして実行し、地図を表示部216の画面に表示しつつ、操作入力部217の操作により表示部216の画面上で地図を作成する。このとき、操作入力部217の操作により、実際の各複合機31の配置位置に対応する地図上のそれぞれの位置に該各複合機31の識別情報を記入する。例えば、地図Mpを表示部216の画面に表示した状態で、地図Mp上の複合機31の位置が指示されると、操作入力部217のタッチパネルによりその指示された位置を検出し、引続いて操作入力部217の操作により複合機31の識別情報が入力されると、その検出された位置にその入力された識別情報を記入する。これにより、簡単な操作で識別情報を記入することが可能となる。また、各複合機31の識別情報として、利用者に理解し易いものを入力設定するのがよい。例えば、識別情報として、複合機31が配置されている部署の名称や部屋の名称等を入力設定する。こうして完成した地図Mpがメモリ216に記憶される。
【0079】
また、プリントサーバ21のメモリ214から複合機31のメモリ316へと地図Mpをダウンロードし、複合機31において、メモリ316内の地図Mpを表示部321の画面に表示しつつ、操作入力部318の操作により地図Mp上の該複合機31の位置に識別情報を記入して、地図Mpを更新し、更新した地図Mpを該複合機31からプリントサーバ21のメモリ214へとアップロードして、メモリ214内の地図Mpを更新することができるようにしても構わない。
【0080】
あるいは、各複合機31のGPS受信機326により該各複合機31の配置位置(緯度経度)を検出し、この検出された該各複合機31の配置位置に対応する地図Mp上のそれぞれの位置に該各複合機31の識別情報を記入してもよい。詳しくは、複合機31では、GPS受信機326により検出された該複合機31の配置位置及び識別情報を示すデータを通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する。プリントサーバ21では、複合機31の配置位置及び識別情報を示すデータを通信部218で受信してCPU211に入力する。CPU211は、検出された複合機31の配置位置に対応する地図Mp上の位置に該複合機31の識別情報を記入する。また、各複合機31別に、配置位置及び識別情報をプリントサーバ21に送信し、プリントサーバ21で各複合機31の識別情報を地図Mpに記入する。この場合は、地図Mpにおいて、少なくとも2本の経線(経度)及び少なくとも2本の緯線(緯度)を設定にしておき、これらの経線及び緯線を基準にして複合機31の位置(緯度経度)を規定し、この位置に識別情報を記入する。
【0081】
一方、プリントサーバ21では、複合機31からの地図の要求信号を受信したときに、地図Mpをメモリ214から読出して、地図Mpをその複合機31に送信する。複合機31では、地図Mpを受信してメモリ316に記憶する。例えば、複合機31において、CPU313は、複合機31の起動時に地図の要求信号を生成し、地図の要求信号及び複合機31の識別情報を通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する。プリントサーバ21では、地図の要求信号及び識別情報を通信部218で受信してCPU211に入力する。CPU211は、地図Mpをメモリ214から読出し、地図Mp及び識別情報を通信部218からネットワークNを通じて複合機31へと送信する。複合機31では、地図Mp及び識別情報を通信部319で受信して、識別情報をCPU313に入力する。CPU313は、識別情報を確認して、地図Mpをメモリ316に記憶し、必要に応じて地図Mpを表示部321の画面に表示する。
【0082】
あるいは、一定時間毎に、プリントサーバ21から各複合機31へと地図Mpを同報通信して、地図Mpを各複合機31のメモリ316に記憶し、各複合機31のメモリ316内の地図Mpを更新しても構わない。これにより、プリントサーバ21において複合機31の新規導入や配置換え等に応じて地図Mpが変更されても、各複合機31のメモリ316内の地図Mpを実際の各複合機31の配置位置に常に対応させることができる。
【0083】
次に、各複合機31の動作状況及び仕様は、次のようにしてプリントサーバ21で収集されて複合機31の表示部321に表示される。
【0084】
例えば、各複合機31において、CPU313は、複合機31の待機中、待機中からの起動時、用紙切れが生じたときに、複合機31の動作状況、仕様、及び識別情報を示すデータを作成して、動作状況及び識別情報を示すデータを通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する。プリンタサーバ21では、各複合機31の動作状況、仕様、及び識別情報を示すそれぞれのデータを通信部218で受信して、これらのデータを管理データとしてメモリ214に記憶する。
【0085】
図6は、プリントサーバ21のメモリ214内に記憶されている管理データを例示している。図6の管理データMDは、各複合機31の識別情報ID1、ID2、ID3、……と、各複合機31の動作状況と、各複合機31の仕様とを対応付けて記録したものである。ここでは、複合機31の動作状況として「印刷ジョブの実行中」、「待機中」、「用紙切れ」、「印刷ジョブのキュー」等が設定されている。また、複合機31の仕様として「両面印刷」、「ステープル」、「フィニッシャー」、「カラー印刷」、「モノクロ印刷」等が設定されている。
【0086】
このような管理データMDは、複合機31からプリントサーバ21へと管理データMDの要求が送受されたときに、プリントサーバ21のメモリ214から読出されて、通信部218からネットワークNを通じてその複合機31へと送信され、複合機31のメモリ316に記憶される。例えば、複合機31において、CPU313は、画像データの転送に際し、管理データMDの要求信号及び複合機31の識別情報を通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する。プリントサーバ21では、管理データMDの要求信号及び識別情報を通信部218で受信してCPU211に入力する。これに応答してCPU211は、管理データMDをメモリ214から読出し、管理データMD及び識別情報を通信部218からネットワークNを通じて複合機31へと送信する。複合機31では、管理データMD及び識別情報を通信部319で受信して、識別情報をCPU313に入力する。CPU313は、識別情報を確認して、管理データMDをメモリ316に記憶する。
【0087】
そして、複合機31では、メモリ316内の管理データMDに基づき、例えば図5に示すような各複合機31の動作状況の一覧Uを表示部321の画面321aに表示する。この一覧Uは、各複合機31の識別情報ID1、ID2、ID3、……と各複合機31の動作状況とを対応付けて記載したものである。
【0088】
また、複合機31のCPU313は、表示部321の画面321aに表示されている一覧Uを適宜に編集する。例えば、図5に示すように自己の複合機31の動作状況及び識別情報D1を第1行目に記載し、他の各複合機31の動作状況及び識別情報D2〜D4を第2行目以降に記載する。更に、第1行目と第2行目の間にラインJを記して、自己の複合機31の動作状況及び識別情報を、他の各複合機31の動作状況及び識別情報に対して区分け表示する。これにより、利用者が使用している画像形成装置31の動作状況が分かり易くなり、利用者が使用している画像形成装置31の動作状況と他の画像形成装置31の動作状況との比較が容易になる。
【0089】
また、複合機31のCPU313は、一覧Uを編集して、各複合機31の動作状況及び識別情報の表示順序を自己の複合機31と他の各複合機31との離間距離の短い順序(自己の複合機31に近い順序)に設定してもよい。この離間距離は、地図Mp上で求めることができる。例えば、識別情報D1に対応する自己の複合機31と識別情報D3に対応する他の複合機31との離間距離が最も短く、次に自己の複合機31と識別情報D2に対応する他の複合機31との離間距離が2番目に短く、更に自己の複合機31と識別情報D4に対応する他の複合機31との離間距離が3番目に短いとすると、図7に示すように各複合機31の動作状況及び識別情報を配列して表示部321の画面321aに表示する。これにより、より近くの複合機31を容易に知ることができる。仮に、多数の複合機31を無作為の順序で表示したならば、地図Mpと各複合機31の動作状況を比較しながら、より近くの複合機31を調べる必要があって、時間がかかる。
【0090】
あるいは、複合機31のCPU313は、一覧Uを編集して、各複合機31の動作状況及び識別情報の表示順序を該各複合機31での印刷ジョブの開始が早い順序に設定してもよい。例えば、識別情報D4に対応する複合機31の動作状況が「待機中」であって、印刷ジョブの開始が最も早く、次に識別情報D3に対応する複合機31の動作状況が「ジョブの実行中」であって、印刷ジョブの開始が2番目に早く、更に識別情報D4に対応する複合機31の動作状況が「用紙切れ」であって、印刷ジョブの開始が最も遅いとすると、図8に示すように各複合機31の動作状況及び識別情報を配列して表示部321の画面321aに表示する。これにより、印刷ジョブの開始がより早い複合機31を容易に把握することができる。
【0091】
また、複合機31のCPU313は、一覧Uにおける識別情報が指示されると、この識別情報に対応する複合機31の動作状況と仕様の詳細を表示部321に表示する。例えば、表示部321に表示されている一覧Uの識別情報が指示されると、操作入力部318のタッチパネルによりその指示された識別情報の位置が検出される。これに応答してCPU313は、その指示された位置の識別情報に対応する複合機31の動作状況及び仕様をメモリ316内の管理データから検索して、図9に示すように複合機31の動作状況及び仕様の詳細を表示部321の画面321aに表示する。
【0092】
尚、図9の画面321aにおいて、「閉じる」の操作キーK1が指示されると、操作入力部318のタッチパネルによりその指示された操作キーK1の位置が検出され、この操作キーK1の指示に応答して図5、図7、図8の画面321aに戻される。
【0093】
このように各複合機31では、画像データの転送に際し、地図Mp、一覧U、複合機31の動作状況と仕様の詳細を表示部321に表示するので、一覧U、複合機31の動作状況と仕様の詳細に基づき印刷ジョブの開始が早くかつ適確な仕様の複合機31を転送先として選択することができ、また地図Mpを参照して、転送先の複合機31の配置位置を直ちに知ることができる。このため、転送先の複合機31に画像データを転送して、画像データによって示される画像を記録用紙に速やかに印刷させ、転送先の複合機31の配置位置まで画像が印刷された記録用紙を直ちに取りに行くことができる。
【0094】
次に、図10A及び図10Bのフローチャートを参照しつつ、複合機31による印刷ジョブの転送処理を整理して説明する。
【0095】
まず、複合機31の電源スイッチがオンにされて、複合機31が起動されると(ステップS1001)、CPU313は、複合機31の「待機中」及び識別情報を示すデータを作成し、「待機中」及び識別情報を示すデータを通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信し(ステップS1002)、複合機31を待機状態に設定する(ステップS1003)。
【0096】
プリントサーバ21では、複合機31の「待機中」及び識別情報を示すデータを通信部218で受信してCPU211に入力し、これに応答してCPU211は、メモリ214内の管理データMDにおける該識別情報に対応する動作状況を「待機中」に変更して、管理データMDを更新する。
【0097】
そして、複合機31では、待機状態に設定されると、CPU313により印刷ジョブの発生を監視し(ステップS1004)、印刷ジョブが発生しなければ(ステップS1004で「No」)、待機状態を維持する。
【0098】
また、例えば原稿が複合機31の原稿トレイ377(図4に示す)にセットされ、操作入力部318の操作により原稿用紙の複写が指示されると、これに応答してCPU313は、印刷ジョブが発生したと判定し(ステップS1004で「Yes」)、画像読取り部312及び原稿用紙搬送部327を制御して、原稿の画像の読取りを開始し、原稿の画像を示す画像データを画像処理部325で処理し、画像データを、カラー印刷やモノクロ印刷、記録用紙のサイズ、印刷部数等を示す印刷処理命令と共に印刷ジョブとしてメモリ316に一旦格納する。尚、印刷処理命令は、デフォルトのものがあり、また表示部321に表示し、操作入力部318の操作により変更することが可能である。
【0099】
このとき、複合機31のCPU313は、複合機31の「印刷ジョブの実行中」及び識別情報を示すデータを作成し、「印刷ジョブの実行中」及び識別情報を示すデータを通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する。プリントサーバ21では、複合機31の「印刷ジョブの実行中」及び識別情報を示すデータを通信部218で受信して、メモリ214内の管理データMDにおける該識別情報に対応する動作状況を「印刷ジョブの実行中」に変更して、管理データMDを更新する。
【0100】
引続いて、複合機31のCPU313は、印刷ジョブが完了したか否かを判定し(ステップS1005)、印刷ジョブが完了していなければ(ステップS1005で「No」)、操作入力部318の操作により転送先の複合機31の動作状況の確認要求が指示されたか否かを判定する(ステップS1006)。そして、転送先の複合機31の動作状況の確認要求が指示されないまま(ステップS1006で「No」)、一定時間が経過すると、CPU313は、印刷部311及び給紙部328を制御して、メモリ316内の印刷ジョブを実行し、画像を記録用紙に印刷させる。この場合は、印刷ジョブが完了したと判定し(ステップS1005で「Yes」)、ステップS1002に戻り、複合機31の「待機中」及び識別情報を示すデータをプリントサーバ21へと送信し(ステップS1002)、複合機31を待機状態に設定する(ステップS1003)。プリントサーバ21では、複合機31の「待機中」及び識別情報を示すデータを受信して、メモリ214内の管理データMDにおける該識別情報に対応する動作状況を「待機中」に変更して、管理データMDを更新する。
【0101】
また、操作入力部318の操作により転送先の複合機31の動作状況の確認要求が指示されると(ステップS1006で「Yes」)、CPU313は、管理データMDの要求信号を生成して、管理データMDの要求信号及び識別情報を通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する。プリントサーバ21では、管理データMDの要求信号及び識別情報を通信部218で受信してCPU211に入力する。これに応答してCPU211は、管理データMDをメモリ214から読出し、管理データMD及び識別情報を通信部218からネットワークNを通じて複合機31へと送信する。複合機31では、管理データMD及び識別情報を通信部319で受信して、識別情報をCPU313に入力する。CPU313は、識別情報を確認し、管理データMDをメモリ316に記憶する(ステップS1007)。そして、CPU313は、管理データMDを編集して、図5、図7、図8に示すような一覧Uを作成し、また図5、図7、図8に示すような地図Mpをメモリ316から読出し、地図Mp及び一覧Uを表示部321の画面321aに表示する。(ステップS1008)。これにより、利用者は、地図Mp及び一覧Uを参照し、一覧Uにおける各複合機31の動作状況に応じて印刷ジョブの転送先として適確な複合機31を選択し、地図Mp上の各複合機31の配置位置から、その選択した複合機31の配置位置を直ちに知ることができる。
【0102】
引続いて、図5、図7、図8の画面321aの地図Mp又は一覧Uにおいて、転送先の複合機31の識別情報が指示されると、操作入力部318のタッチパネルによりその指示された識別情報の位置が検出され(ステップS1009で「選択」)、CPU313は、その検出された位置の識別情報に対応する複合機31の動作状況及び仕様をメモリ316内の管理データMDから検索して、図9に示すように複合機31の動作状況及び仕様の詳細を表示部321の画面321aに表示する(ステップS1010)。これにより、利用者は、複合機31の仕様の詳細を見て、この複合機31により画像の印刷が正常に行われるか否かを確認することができる。例えば、複合機31の仕様から、両面印刷やカラー印刷が可能か否かを知ることができる。
【0103】
尚、図9の画面321aにおいて、閉じるキーK1が指示されると、操作入力部318のタッチパネルによりその閉じるキーK1の位置が検出され(ステップS1009で「戻る」)、この閉じるキーK1の指示に応答してステップS1005に戻る。そして、印刷部311及び給紙部328により画像が記録用紙に印刷されると(ステップS1005で「Yes」)、ステップS1002に戻る。
【0104】
また、操作入力部318のタッチパネルにより識別情報の位置が検出されても(ステップS1009で「選択」)、この検出された位置の識別情報が自己の複合機31を示すものであれば(ステップS1011で「Yes」)、ステップS1009に戻る。この場合も、図9の画面321aの閉じるキーK1を指示して(ステップS1009で「戻る」)、ステップS1005に戻り、自己の複合機31で画像を記録用紙に印刷して(ステップS1005で「Yes」)、ステップS1002に戻ることになる。
【0105】
次に、操作入力部318のタッチパネルにより検出された位置の識別情報が自己の複合機31を示すものでなければ(ステップS1011で「No」)、つまり識別情報が転送先の複合機31を示すものであれば、CPU313は、この識別情報に対応する転送先の複合機31の動作状況及び仕様をメモリ316内の管理データMDから検索し、この転送先の複合機31の仕様とメモリ316内の印刷ジョブの印刷処理命令を比較して、この転送先の複合機31により印刷ジョブの印刷処理命令が正常に実行されるか否かを判定する(ステップS1012、S1013)。例えば、印刷ジョブの印刷処理命令によりカラー印刷が設定され、かつ転送先の複合機31の仕様として「カラー印刷」が設定されている場合は、印刷ジョブの印刷処理命令が正常に実行されると判定される。また、印刷ジョブの印刷処理命令によりカラー印刷が設定され、かつ転送先の複合機31の仕様として「モノクロ印刷」が設定されている場合は、印刷ジョブの印刷処理命令が正常に実行されないと判定される。
【0106】
そして、CPU313は、転送先の複合機31により印刷ジョブの印刷処理命令が正常に実行されると判定すると(ステップS1013で「Yes」)、印刷ジョブを転送先の複合機31に転送するか否かの確認メッセージを表示部321に表示し(ステップS1014)、操作入力部318の操作により印刷ジョブの転送が指示されると(ステップS1015で「Yes」)、メモリ316内の印刷ジョブ及び転送先の複合機31の識別情報を通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する(ステップS1016)。
【0107】
また、CPU313は、転送先の複合機31により印刷ジョブの印刷処理命令を正常に実行できないと判定すると(ステップS1013で「No」)、印刷ジョブの印刷処理命令を正常に実行できない旨のメッセージを表示し、正常に実行できない印刷処理命令の項目(カラー印刷、記録用紙のサイズ、印刷部数等)を表示する(ステップS1017)。そして、CPU313は、転送先の複合機31が印刷ジョブの印刷処理命令を正常に実行できなくても印刷ジョブを転送するか否かの確認メッセージを表示部321に表示し(ステップS1018)、操作入力部318の操作により印刷ジョブの転送が指示されると(ステップS1015で「Yes」)、メモリ316内の印刷ジョブ及び転送先の複合機31の識別情報を通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信する(ステップS1016)。
【0108】
プリントサーバ21では、印刷ジョブ及び転送先の複合機31の識別情報を示すデータを通信部218で受信してメモリ214に一旦記憶する。そして、CPU211は、印刷ジョブ及び識別情報をメモリ214から読出して、印刷ジョブ及び識別情報を通信部218からネットワークNを通じて転送先の複合機31へと送信する。
【0109】
尚、操作入力部318の操作により転送しないと指示されると(ステップS1015で「No」)、ステップS1009に戻る。この場合も、図9の画面321aの閉じるキーK1を指示して(ステップS1009で「戻る」)、ステップS1005に戻り、自己の複合機31で画像を記録用紙に印刷して(ステップS1005で「Yes」)、ステップS1002に戻ることになる。
【0110】
次に、転送先の複合機31では、電源スイッチのオンにより起動され(ステップS2001)、「待機中」及び識別情報を示すデータを通信部319からネットワークNを通じてプリントサーバ21へと送信し(ステップS2002)、待機状態に設定される(ステップS2003)。そして、プリントサーバ21からネットワークNを通じて印刷ジョブ及び識別情報が転送されて来ると、印刷ジョブ及び識別情報を通信部319で受信して、識別情報をCPU313に入力する。CPU313は、識別情報を確認して、印刷ジョブの画像データを画像処理部325で処理させて、印刷ジョブをメモリ316に記憶し(ステップS2004)、印刷部311及び給紙部328を制御して、メモリ316内の印刷ジョブを実行し、画像を記録用紙に印刷させる(ステップS2005)。
【0111】
このとき、転送先の複合機31の仕様がその印刷ジョブの印刷処理命令を正常に実行できるものであれば、印刷ジョブが正常に実行される。
【0112】
また、この転送先の複合機31の仕様がその印刷ジョブの印刷処理命令を正常に実行できるものでなければ、印刷ジョブが正常に実行されない。例えば、印刷ジョブの印刷処理命令によりカラー印刷が設定され、かつ転送先の複合機31の仕様として「モノクロ印刷」が設定されている場合は、印刷ジョブの画像データがカラー画像を示していても、モノクロ画像が記録用紙に印刷される。
【0113】
このように本実施形態の画像形成システムにおいては、複合機31から印刷ジョブを転送するに先立ち、地図Mp及び一覧Uを表示部321の画面321aに表示するので、利用者は、一覧Uにおける各複合機31の動作状況に応じて印刷ジョブの転送先として適確な複合機31を選択し、地図Mp上の各複合機31の配置位置から、転送先の複合機31の配置位置を直ちに知ることができる。このため、利用者は、印刷ジョブを転送先の複合機31で速やかに実行させ、転送先の複合機31の配置位置まで画像が印刷された記録用紙を直ちに取りに行くことができる。
【0114】
尚、本実施形態では、地図Mp及び管理データMDをプリントサーバ21で作成して記憶しているが、地図Mp及び管理データMDを複合機31やPC11等で作成して記憶し、地図Mp及び管理データMDを複合機31やPC11等から他の各複合機31へと転送してもよい。また、プリントサーバ21もしくはPC11を設けずに、各複合機31だけをネットワークNを通じて接続し、各複合機31間で印刷ジョブ、地図Mp、及び管理データMDを転送するようにしても構わない。
【0115】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0116】
11 パーソナルコンピュータ(PC)
21 プリントサーバ
31 複合機
111、211、313 CPU(動作状況収集部)
112、212、314 システムバス
113、213、315 ROM
114、214、316 メモリ(記憶部)
115、215、317 RAM
117、217 操作入力部(情報入力部、位置入力部)
116、216、321 表示部
118、218、319 通信部
311 印刷部
312 画像読取り部
318 操作入力部(選択操作部、情報入力部、位置入力部)
322 イメージバスインターフェース(イメージバスI/F)
323 画像バス
324 ラスタイメージプロセッサ(PIP)
325 画像処理部
326 GPS受信機(全地球測位システムの受信機)
327 原稿用紙搬送部
328 給紙部
N ネットワーク
PS 画像形成システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置をネットワークに接続し、前記ネットワークを通じて、前記各画像形成装置の印刷ジョブ及びデータを通信する画像形成システムであって、
前記各画像形成装置の配置位置が記載された地図を記憶した記憶部と、
前記各画像形成装置の動作状況を収集する動作状況収集部と、
前記記憶部に記憶された前記地図及び前記動作状況収集部により収集された前記各画像形成装置の動作状況を表示する表示部とを備え、
前記各画像形成装置の少なくとも1つに前記表示部を設けたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成システムであって、
前記表示部が設けられた画像形成装置は、該表示部により表示された前記地図にそれぞれの配置位置が記載された前記各画像形成装置のいずれかを選択するために操作される選択操作部を備え、前記ネットワークを通じて、前記選択操作部の操作により選択された画像形成装置へと印刷ジョブを送信することを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成システムであって、
前記地図には、前記各画像形成装置の配置位置に該各画像形成装置の識別情報が記載されたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記表示部は、前記各画像形成装置の動作状況に対応付けて該各画像形成装置の識別情報を表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の画像形成システムであって、
前記表示部は、前記各画像形成装置の識別情報を表示し、前記各画像形成装置の識別情報のいずれかが入力指示されると、この入力指示された識別情報に対応する画像形成装置の動作状況を表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記画像形成装置の識別情報を入力するために操作される情報入力部を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記表示部は、前記表示部が設けられた画像形成装置と前記各画像形成装置との離間距離に応じた順序で該各画像形成装置の動作状況を表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記表示部は、前記各画像形成装置による前記印刷ジョブの開始が早い順序で該各画像形成装置の動作状況を表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記表示部は、前記表示部が設けられた画像形成装置の動作状況と他の画像形成装置の動作状況を区分け表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記記憶部は、前記各画像形成装置の少なくとも1つもしくは前記ネットワークに接続された端末装置に設けられたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、該画像形成装置の配置位置を検出する全地球測位システムの受信機を備え、前記受信機により検出された配置位置が前記地図に記載されることを特徴とする画像形成システム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記地図に記載される前記画像形成装置の配置位置を入力するために操作される位置入力部を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項1】
複数の画像形成装置をネットワークに接続し、前記ネットワークを通じて、前記各画像形成装置の印刷ジョブ及びデータを通信する画像形成システムであって、
前記各画像形成装置の配置位置が記載された地図を記憶した記憶部と、
前記各画像形成装置の動作状況を収集する動作状況収集部と、
前記記憶部に記憶された前記地図及び前記動作状況収集部により収集された前記各画像形成装置の動作状況を表示する表示部とを備え、
前記各画像形成装置の少なくとも1つに前記表示部を設けたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成システムであって、
前記表示部が設けられた画像形成装置は、該表示部により表示された前記地図にそれぞれの配置位置が記載された前記各画像形成装置のいずれかを選択するために操作される選択操作部を備え、前記ネットワークを通じて、前記選択操作部の操作により選択された画像形成装置へと印刷ジョブを送信することを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成システムであって、
前記地図には、前記各画像形成装置の配置位置に該各画像形成装置の識別情報が記載されたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記表示部は、前記各画像形成装置の動作状況に対応付けて該各画像形成装置の識別情報を表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の画像形成システムであって、
前記表示部は、前記各画像形成装置の識別情報を表示し、前記各画像形成装置の識別情報のいずれかが入力指示されると、この入力指示された識別情報に対応する画像形成装置の動作状況を表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記画像形成装置の識別情報を入力するために操作される情報入力部を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記表示部は、前記表示部が設けられた画像形成装置と前記各画像形成装置との離間距離に応じた順序で該各画像形成装置の動作状況を表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記表示部は、前記各画像形成装置による前記印刷ジョブの開始が早い順序で該各画像形成装置の動作状況を表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記表示部は、前記表示部が設けられた画像形成装置の動作状況と他の画像形成装置の動作状況を区分け表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記記憶部は、前記各画像形成装置の少なくとも1つもしくは前記ネットワークに接続された端末装置に設けられたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、該画像形成装置の配置位置を検出する全地球測位システムの受信機を備え、前記受信機により検出された配置位置が前記地図に記載されることを特徴とする画像形成システム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記地図に記載される前記画像形成装置の配置位置を入力するために操作される位置入力部を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【公開番号】特開2012−235242(P2012−235242A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101375(P2011−101375)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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