説明

画像形成装置、システム、プログラム及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】印刷文書の区切りとして使用するタブ紙をできる限り無駄に排出することなく、有効に使用する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、タブ紙を張り出し部の位置に基づいて定められた順番で収容するタブ紙収容部14と、通常の用紙を収容する用紙収容部13と、印刷ジョブの画像情報を用紙に文書の各章で改頁して画像形成する画像形成部16と、画像形成された用紙と、各章の区切り毎にタブ紙を挿入して排出する排出部17と、次のタブ紙のタブ位置を取得するタブ紙情報取得部15と、次の印刷ジョブを構成する章数を取得するジョブ情報取得部12と、次の印刷ジョブの章数と、タブ紙のタブ数と、次のタブ紙のタブ位置とに基づいて、画像形成部16により次の印刷ジョブの画像情報を最終頁から逆順に、上下反転させ、排出部17により画像形成面が上側となるように制御する制御部11と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、システム、プログラム及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタなどの画像形成装置において、定型サイズのプリント用紙に画像を印刷すると共に、片方の端にタブ部(張り出し部)が形成されたタブ紙に見出しを印刷することができる装置が広く使われている。
【0003】
また、市販されているタブ紙は、任意の分割数を1組としている。例えば、分割数4のタブ紙は、タブ紙T1〜T4を1組とし、複数組が連続して重ねられている。タブ紙T1は、用紙の右端を4等分したその最上段にタブ部が形成されている。同様に、タブ紙T2、T3、T4は、用紙の右端のそれぞれ2段目、3段目、4段目(最下段)にタブ部が形成されている。通常、タブ紙を使用する場合、タブ紙T1〜T4からなる組が複数組重ねられた状態で画像形成装置の給紙トレイに収容される。これにより、タブ紙T1、T2、T3、T4、T1、・・・に対して、この順序で画像が形成される。
【0004】
しかしながら、画像形成要求のタブ紙使用枚数がタブ紙の分割数の整数倍でない場合、タブ紙T1〜T4からなる組のうち使用されないタブ紙(端数のタブ紙)が生じることとなる。この場合、次の原稿をタブ紙T1から出力するには、該端数のタブ紙を取り除く必要がある。
【0005】
このように、使用されないタブ紙(端数のタブ紙)を処理する技術として、端数のタブ紙を空送りする画像形成装置(例えば、特許文献1参照。)、端数のタブ紙を空送りすると共に位置をずらして排出することにより印刷物と端数のタブ紙とが混ざることを防止する画像形成装置(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
【0006】
また、トレイ内のタブ紙のタブ位置に合わせて印刷要求ジョブに含まれる原稿束の出力順序を変更することにより、端数タブを極力発生させない画像形成装置(例えば、特許文献3参照。)も提案されている。
【0007】
更に、綴じ方向に応じて印刷順序、印刷方向及び印刷面を切り替えて出力することにより、タブ紙をトレイにセットする煩雑さを解消する画像形成装置(例えば、特許文献4参照。)も提案されている。
【特許文献1】特開2001−13823号公報
【特許文献2】特開2004−106961号公報
【特許文献3】特開2006−84856号公報
【特許文献4】特開2007−290208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、タブ紙を挿入する印刷要求のページ間の繋がりを変えることなく、端数となったタブ紙を利用して画像形成する画像形成装置、システム、プログラム及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、張り出し部を有するタブ紙であり、定められた順序で束となっている前記タブ紙を収容するタブ紙収容手段と、記録媒体を収容する記録媒体収容手段と、印刷要求に関するタブ紙挿入位置情報に基づいて、前記タブ紙収容手段に収容されているタブ紙を挿入するタブ紙挿入手段と、前記印刷要求のタブ紙挿入数と前記タブ紙収容手段に収容されているタブ紙の少なくとも順番に関するタブ紙情報とを使用して、前記印刷要求の画像情報を前記記録媒体収容手段に収容されている記録媒体に逆順に出力するように制御する制御手段と、を有する。
【0010】
請求項2記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記印刷要求で最初に使用されるタブ紙の張り出し部の順番が1番目でなく、かつ、式(1)を満たす場合には、前記印刷要求の画像情報を逆順に出力するように制御する。
【0011】
t≦m−a+1 ・・・ (1)
【0012】
ただし、tは次に供給されるタブ紙の張り出し部の位置が最上段を1番目とした場合に何段目に該当するか、mはタブ紙の張り出し部の分割数、aは印刷文書が複数の部分に区切られる場合の区切り数をmで除した場合の余りを表すものとする。
【0013】
請求項3記載の画像形成装置は、請求項2記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記印刷要求で最初に使用されるタブ紙の張り出し部の順番が1番目でなく、かつ、式(2)を満たす場合には、端数のタブ紙を空送りした後、前記印刷要求の画像情報を逆順に出力するように制御する。
【0014】
t<m−a+1 ・・・ (2)
【0015】
請求項4記載の画像形成装置は、請求項2又は請求項3記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記印刷要求で最初に使用されるタブ紙の張り出し部の順番が1番目の場合には、前記印刷要求の画像情報を正順に制御し、前記印刷要求で最初に使用されるタブ紙の張り出し部の順番が1番でなく、かつ、式(3)を満たす場合には、端数のタブ紙を空送りした後、前記印刷要求の画像情報を正順に出力するように制御する。
【0016】
t>m−a+1 ・・・ (3)
【0017】
請求項5記載の画像形成装置は、請求項1から請求項4の何れか1項記載の画像形成装置において、前記出力する順序を変更しないモードと切り替えるモード変換手段を更に備えている。
【0018】
請求項6記載の画像形成装置は、請求項1から請求項5の何れか1項記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記印刷要求の文書一部毎に出力順序を表す出力を行うように制御する。
【0019】
請求項7記載の画像形成装置は、請求項4記載の画像形成装置において、前記制御手段は、タブ紙を要する印刷要求が複数ある場合に、前記複数の印刷要求毎に対応するタブ紙挿入数と、前記タブ紙情報とに基づいて、印刷要求の順番を変更する。
【0020】
請求項8記載のシステムは、印刷要求文書のタブ紙挿入数と前記印刷要求文書を出力する画像形成装置が有するタブ紙収容手段に収容されているタブ紙の少なくとも順番情報を含むタブ紙情報とに基づいて、前記印刷要求文書の出力を逆順で出力する印刷要求を指示する印刷要求指示手段とを有する情報処理装置と、定められた順序で束となっているタブ紙を収容する前記タブ紙収容手段と、記録媒体を収容する記録媒体収容手段と、前記印刷要求に関するタブ紙挿入位置情報に基づいて、前記タブ紙収容手段に収容されたタブ紙を挿入するタブ紙挿入手段と、前記印刷要求に基づいて出力を制御する制御手段と、を有する画像形成装置と、を有する。
【0021】
請求項9記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1から請求項7の何れか1項記載の画像形成装置を構成する各手段として機能させる。
【0022】
請求項10記載のプログラムは、コンピュータを、張り出し部を有するタブ紙であり、定められた順序で束となっている前記タブ紙を収容するタブ紙収容手段、記録媒体を収容する記録媒体収容手段、印刷要求に関するタブ紙挿入位置情報に基づいて、前記タブ紙を挿入するタブ紙挿入手段、及び前記印刷要求のタブ紙挿入数と前記タブ紙収容手段に収容されているタブ紙の少なくとも順番に関するタブ紙情報とを使用して、前記印刷要求の画像情報の出力を逆順で出力するように制御する制御手段、として機能させる。
【0023】
請求項11記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、請求項1から請求項7の何れか1項記載の画像形成装置を構成する各手段として機能させるためのプログラムを記録している。
【0024】
請求項12記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、張り出し部を有するタブ紙であり、定められた順序で束となっている前記タブ紙を収容するタブ紙収容手段、記録媒体を収容する記録媒体収容手段、印刷要求に関するタブ紙挿入位置情報に基づいて、前記タブ紙を挿入するタブ紙挿入手段、及び前記印刷要求のタブ紙挿入数と前記タブ紙収容手段に収容されているタブ紙の少なくとも順番に関するタブ紙情報とを使用して、前記印刷要求の画像情報の出力を逆順で出力するように制御する制御手段、として機能させるプログラムを記録している。
【発明の効果】
【0025】
請求項1記載の発明によれば、タブ紙を挿入する印刷要求のページ間の繋がりを変えることなく、端数となったタブ紙を利用することができる、という効果が得られる。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、端数のタブ紙を有効に利用することができる、という効果が得られる。
【0027】
請求項3及び請求項4記載の発明によれば、無駄に排出するタブ紙を少なく抑えることができる、という効果が得られる。
【0028】
請求項5記載の発明によれば、タブ紙を有効に利用する動作と通常の動作との何れかを選択することができる、という効果が得られる。
【0029】
請求項6記載の発明にいれば、文書の出力順序が容易に分かる、という効果が得られる。
【0030】
請求項7記載の発明によれば、複数の印刷要求の順番を変更して、端数となるタブ紙を利用することができる、という効果が得られる。
【0031】
請求項8から請求項12記載の発明によれば、タブ紙を挿入する印刷要求のページ間の繋がりを変えることなく、端数となったタブ紙を利用することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像形成装置10は、制御部11と、ジョブ情報取得部12と、用紙収容部13と、タブ紙収容部14と、タブ紙情報取得部15と、画像形成部16と、排出部17と、モード情報入力部19と、を備えている。
【0033】
また、画像形成装置10は、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等の外部機器(以下、「ホスト装置20」という。)にネットワーク接続されている。ホスト装置20には、画像形成装置10に対するドライバソフト(プリンタドライバ)が設けられている。画像形成装置10は、このプリンタドライバを用いて各種の印刷設定(印刷指示)を行うことにより、ホスト装置20から送信された印刷ジョブで設定された印刷指示に基づいた印刷処理を実行する。
【0034】
ジョブ情報取得部12は、ホスト装置20から画像形成装置10に送られる印刷ジョブを受信し、印刷ジョブの画像データ、タブ紙を使うジョブか否か、印刷ジョブを構成する章数などのジョブ情報を取得し、制御部11に送信する。ここで、タブ紙とは、片端を複数に分割した1つの部分が張り出した張り出し部(タブ部)を有する紙をいう。
【0035】
用紙収容部13は、画像形成するための通常の用紙を収容し、タブ紙収容部14は、タブ紙を収容する。
【0036】
図2は、タブ紙の構成を示す図である。図2(A)に示すように、タブ紙はタブ部の分割数(タブ数)に基づいてタブ位置の異なる所定枚数(同図では5枚)が1セットとなっている。このようなタブ紙を用いるときには、図2(B)に示すように、複数セット分のタブ紙がタブ部の位置に基づく所定の順序(1タブ〜5タブ)でタブ紙収容部14に装填されると共に、画像形成装置10には、1セット分の枚数(タブ数:図2の例では「5」)がセットされる。
【0037】
タブ紙情報取得部15は、タブ紙収容部14から次に供給されるタブ紙、即ち、タブ紙収容部14の一番上に収容されているタブ紙のタブ位置を取得する。タブ紙情報取得部15は、センサによりタブ位置を実際に検出する方法や、給紙されたタブ紙をカウンタでカウントすることによりタブ位置を推測する方法などにより次に供給されるタブ紙のタブ位置を取得する。
【0038】
画像形成部16は、ジョブ情報取得部12により取得された印刷ジョブの画像データに基づいて、文書の各章で改頁して用紙に画像を形成する。
【0039】
排出部17は、画像形成部16により画像形成された用紙と、画像形成された用紙の区切りとなる位置にタブ紙を挿入し、排出手段(不図示)に排出する。また、排出部17は、用紙の表裏を反転させる循環搬送路18を含んで構成される。
【0040】
図3は、排出部17が、循環搬送路18を用いて用紙30の表裏を反転させる仕組みを示す図である。図3(A)で用紙収容部13から用紙30が供給される。ここで、矢印Aは用紙の一方の面(A面)を示し、矢印Xは用紙30が搬送される方向を示す。図3(B)ではA面を上にして上側の搬送路18Aを通過し、図3(C)で循環搬送路18に搬送される。図3(D)で循環搬送路18から下側の搬送路18BにA面を上にして搬送され、図3(E)では上側の搬送路18Aに向けて搬送される。このようにして、再び上側の搬送路18Aに搬送された用紙30は、図3(F)に示すようにA面が下になり、表裏が反転される。排出部17は、このようにして逆順(最終頁から降順)に画像形成された用紙30を表裏反転させて排出する。
【0041】
モード情報入力部19は、液晶表示装置を備えたタッチパネルで構成され、印刷ジョブの排出順序を変更するモードと排出順序を変更しない通常のモードとのモード変換情報を受け入れる。このモード情報入力部19により、印刷ジョブの排出順序を変更するモードが選択された場合に、後述のような排出順序の変更処理が行われる。
【0042】
制御部11は、ジョブ情報取得部12により取得された情報に基づいて、印刷ジョブに応じた印刷処理を行うように各部の動作を制御する。また、制御部11は、印刷ジョブに関する情報等を記憶する記憶部(不図示)を含んで構成される。
【0043】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置10の作用の流れを、図4に示すフローチャートに沿って説明する。
【0044】
まず、ステップ100では、制御部11が、ジョブ情報取得部12が取得した情報に基づいて、次の印刷ジョブがタブ紙を使うジョブか否かを判定する。次の印刷ジョブがタブ紙を使わないジョブの場合には通常の出力処理を行い、タブ紙を使うジョブの場合にはステップ102に進む。
【0045】
ステップ102では、制御部11が、タブ紙収容部14に収容されているタブ紙のタブ数(タブ部の分割数)「m」を取得する。また、タブ紙情報取得部15が、タブ紙収容部14内の先頭のタブ紙のタブ位置(タブ部の順番)「t」を取得し、ジョブ情報取得部12が、次の印刷ジョブが使用するタブ紙の枚数(印刷ジョブを構成する章数)「n」を取得する。
【0046】
ステップ104では、制御部11、t=1か否か、即ち、タブ位置が最上部のタブ紙(図2の1タブ)が次に供給されるか否かを判定する。t=1の場合には先頭のタブ紙から正順(先頭頁から昇順)に排出すればよいのでステップ118に進み、t≠1の場合には排出順及び空送りするタブ紙の枚数を決定するためにステップ106に進む。
【0047】
ステップ106では、制御部11が、次の印刷ジョブを最終頁から逆順に排出する場合の先頭のタブ位置(最終章に対応するタブ位置)を計算する。制御部11は、逆順排出時の先頭のタブ位置「st」を式(1)に基づいて計算する。
【0048】
st=m−(n/mの余り)+1 ・・・ (1)
【0049】
例えば、タブ紙のタブ数が5、印刷ジョブを構成する章数が7の場合、stは式(1)より4となる。
【0050】
ステップ108では、制御部11が、tとst、即ち、次のタブ紙のタブ位置と次の印刷文書を逆順に排出する場合の先頭のタブ位置とを比較する。t=stの場合には次の印刷ジョブを逆順に排出することによりタブ紙を空送りすることなく有効に使えるのでステップ118に進み、t≠stの場合にはステップ110に進む。
【0051】
ステップ110では、制御部11が、印刷ジョブが複数あるか否かを判定し、印刷ジョブが複数ある場合にはステップ112に進み、印刷ジョブが1つのみの場合にはステップ114に進む。
【0052】
ステップ112では、制御部11が、複数存在する印刷ジョブの中から端数のタブ紙を有効に使用できる最適ジョブを抽出する。最適ジョブの抽出処理の詳細については後述する。
【0053】
ステップ114では、制御部11が、tとstとを比較し、t=stの場合にはステップ118に進み、t<stの場合にはステップ116に進み、t>stの場合にはステップ120に進む。
【0054】
図5は、タブ数(m)が5、印刷ジョブの章数(n)が7の場合に、次のタブ紙のタブ位置(t)と次の印刷文書を逆順に排出する場合の先頭のタブ位置(st)とを比較した表である。ここで、stは上述の式(1)により4となる。t=1の場合は、ステップ104からステップ122に進むケースであり、タブ紙の空送りなしで正順に排出する。t=2又はt=3の場合はt<stであり、タブ紙を空送りした後に逆順に排出するケースあるのでステップ116に進む。t=4の場合はt=stであり、タブ紙の空送りなしで逆順に排出するケースであるのでステップ118に進む。t=5の場合はt>stであり、タブ紙を空送りした後に正順に排出するケースであるのでステップ120に進む。
【0055】
ステップ116では、排出部17が、次の印刷ジョブ(印刷ジョブが複数ある場合には、その中からステップ112で抽出された最適ジョブ)を逆順排出する場合の先頭のタブ位置(st)のタブ紙までタブ紙を空送りして排出する。ここで、空送りするタブ紙の枚数(sk)は式(2)で算出される。図5の例の場合、t=2の場合は2枚、t=3の場合は1枚、それぞれタブ紙を空送りする。
【0056】
sk=st−t ・・・ (2)
【0057】
ステップ118では、排出部17が、印刷ジョブが最終頁から逆順に印刷された用紙の章毎の区切りにタブ紙を挿入して排出して処理を終了する。逆順排出処理の詳細については後述する。
【0058】
ステップ120では、排出部17が、タブ位置が1番目のタブ紙までタブ紙を空送りして排出する。ここで、空送りするタブ紙の枚数(sk)は、t=1のときは0、t≠1のときは式(3)で算出される。
【0059】
sk=m−t+1 ・・・ (3)
【0060】
ステップ122では、排出部17が、印刷ジョブが正順に印刷された用紙の章毎の区切りにタブ紙を挿入して排出して処理を終了する。正順排出処理の詳細については後述する。
【0061】
ステップ124では、制御部11が、全ての印刷ジョブを出力したか否かを判定し、全て出力した場合には処理を終了し、未出力の印刷ジョブがある場合にはステップ100に戻って残りの印刷文書についてステップ100以降の処理を繰り返す。
【0062】
次に、最適ジョブの抽出処理の流れについて、図6に示すフローチャートに沿って説明する。
【0063】
ステップ200では、制御部11が、変数N及び変数KeepNを“0”に初期化する。
【0064】
ステップ202では、制御部11が、変数Nを1加算する。
【0065】
ステップ204では、制御部11が、複数存在する印刷ジョブのうち、N番目の印刷ジョブがタブ紙を使うジョブか否かを判定する。タブ紙を使うジョブの場合はステップ206に進み、タブ紙を使わないジョブの場合はステップ214に進む。
【0066】
ステップ206では、制御部11が各値を設定する。具体的には、タブ紙のタブ数mを画像形成装置に設定された値に、次のタブ紙のタブ位置tをタブ紙情報取得部15が取得した値に、使用するタブ紙の枚数(印刷ジョブを構成する章数)nをジョブ情報取得部12が取得した値に設定する。
【0067】
ステップ208では、N番目の印刷ジョブを逆順に排出する場合の先頭のタブ位置(tmp_st)を式(4)により算出する。
【0068】
tmp_st=m−(n/mの余り)+1 ・・・ (4)
【0069】
ステップ210では、制御部11が、tmp_stとstとtとを比較し、次の2つのケースに該当するか否かを判定する。
【0070】
第1のケースは、t>stかつtmp_st≦tのケースである。これは、逆順排出することにより端数のタブ紙を有効に使える印刷ジョブがこれまでなかったところ、初めてこれに該当する印刷ジョブが見つかった場合に該当する。
【0071】
第2のケースは、t<stかつtmp_st<stのケースである。これは、逆順排出することにより端数のタブ紙を有効に使える印刷ジョブは既に存在したが、空送りするタブ紙を少なくし、更にタブ紙を有効に使える印刷ジョブが見つかった場合に該当する。
【0072】
この2つのケースの何れかに該当する場合はステップ212に進み、何れにも該当しない場合にはステップ214に進む。
【0073】
ステップ212では、制御部11が、変数stをtmp_stに、変数KeepNをNに置き換える。
【0074】
ステップ214では、制御部11が、全ての実行待ちの印刷ジョブについてサーチを終了したか否かを判定し、終了した場合にはステップ216に進み、終了していない場合にはステップ202に戻ってステップ202以降の処理を繰り返す。
【0075】
ステップ216では、制御部11が変数KeepNが“0”か否かを判定する。その結果、KeepNが“0”でない場合は最適ジョブが見つかった場合でありステップ218に進み、KeepNが“0”の場合は最適ジョブが見つからなかった場合であり、そのまま図4のフローチャートに戻る。
【0076】
ステップ218では、制御部11が、KeepN番目のジョブを次に排出する印刷ジョブとして、図4のフローチャートに戻る。
【0077】
次に、逆順排出処理の流れについて、図7に示すフローチャートに沿って説明する。
【0078】
ステップ300では、制御部11が、変数Nを“印刷ジョブの最終出力ページ数+1”に初期化する。
【0079】
ステップ302では、制御部11が変数Nを“1”減算する。
【0080】
ステップ304では、画像形成部16が、印刷ジョブのNページ目の画像データを180度回転して用紙に印刷し、排出部17が、循環搬送路18を利用して該用紙を表裏反転させて印刷面が下になるようにして排出する。
【0081】
ステップ306では、制御部11が、印刷文書を構成する章毎の区切りか否か、即ち、タブ紙を挿入する位置か否かを判定し、タブ紙を挿入する位置の場合にはステップ308に進み、タブ紙を挿入する位置でない場合にはステップ310に進む。
【0082】
ステップ308では、排出部17が、タブ紙収容部14の最上部に収容されたタブ紙を挿入して排出する。
【0083】
ステップ310では、制御部11が、印刷ジョブの全ページを出力したか否かを判定し、全ページ出力した場合には図4のフローチャートに戻り、まだ全ページを出力していない場合にはステップ302に戻ってステップ302以降の処理を繰り返す。また、印刷ジョブの全ページを出力した場合には、区切りとして逆順に出力した章の出力順序を出力してもよい。
【0084】
図8は、この様に逆順排出した場合の排出例を示す図である。図8(A)は、印刷ジョブの第1章の画像データと対応するタブ紙(5タブ)を排出する例を示す。同図に示すように、第1章の画像データは、最終ページから逆順に(C→B→A)、画像データを180度回転して印刷され、最後にタブ紙が排出される。このように排出された用紙及びタブ紙は図8(B)の左図のように印刷面を上にして排出手段に集積され、図中の矢印のように上下を反転させることで図8(B)の右図のように上からページ順に並んだ文書となる。
【0085】
次に、正順排出処理の流れについて、図9に示すフローチャートに沿って説明する。
【0086】
ステップ400では、制御部11が、変数Nを“0”に初期化する。
【0087】
ステップ402では、制御部11が変数Nを“1”加算する。
【0088】
ステップ404では、制御部11が、印刷文書を構成する章毎の区切りか否か、即ち、タブ紙を挿入する位置か否かを判定し、タブ紙を挿入する位置の場合にはステップ406に進み、タブ紙を挿入する位置でない場合にはステップ408に進む。
【0089】
ステップ406では、排出部17が、タブ紙収容部14の最上部に収容されたタブ紙を挿入して排出する。
【0090】
ステップ408では、画像形成部16が、印刷ジョブのNページ目の画像データを用紙に印刷し、排出部17が、該用紙を印刷面が上になるようにして排出する。
【0091】
ステップ410では、制御部11が、印刷ジョブの全ページを出力したか否かを判定し、全ページ出力した場合には図4のフローチャートに戻り、まだ全ページを出力していない場合にはステップ402に戻ってステップ402以降の処理を繰り返す。また、印刷ジョブの全ページを出力した場合には、区切りとして正順に出力した章の出力順序を出力してもよい。
【0092】
図10は、この様に正順排出した場合の排出例を示す図である。図10(A)は、印刷ジョブの第1章の画像データと対応するタブ紙(1タブ)を排出する例を示す。同図に示すように、最初にタブ紙が排出され、それに続いて、第1章の画像データが先頭ページから正順に(A→B→C)印刷される。このように排出された用紙及びタブ紙は図10(B)の左図のように印刷面を下にして排出手段に集積され、図中の矢印のように表裏を反転させることで図10(B)の右図のように上からページ順に並んだ文書となる。
【0093】
図11は、一例として、5タブのタブ紙を用いて、7章構成の印刷ジョブ(第1ジョブ〜第3ジョブ)を3つ出力する場合の排出例を示す図である。同図においてフィードするタブ紙「Tm−n」は「m組目のタブ紙セットのnタブのタブ紙を意味する(後述の図12においても同様)。
【0094】
まず、最初の状態では、フィードするタブ紙は「T1−1」であり、タブ位置は1となる。これは図5のt=1の場合に該当する。従って、タブ紙を空送りすることなく、第1ジョブを正順で出力する。第1ジョブの出力を終了したところで、区切りとして出力順「1→2→3→4→5→6→7」を出力する。
【0095】
第1ジョブでタブ紙を7枚使用したので、第1ジョブ終了時にはフィードするタブ紙は「T2−3」となり、タブ位置は3となる。これは図5のt=3の場合に該当する。残りの2つのジョブは何れも7章構成なので、タブ紙を1枚空送りした後、「T2−4」からタブ紙を使用して、第2ジョブを逆順に出力する。第2ジョブの出力を終了したところで、区切りとして出力順「7→6→5→4→3→2→1」を出力する。
【0096】
第2ジョブでタブ紙を7枚使用したので、第2ジョブ終了時にはフィードするタブ紙は「T4−1」となり、タブ位置は1となる。これは図5のt=1の場合に該当する。従って、タブ紙を空送りすることなく、第3ジョブを正順で出力する。第3ジョブの出力を終了したところで、区切りとして出力順「1→2→3→4→5→6→7」を出力する。このように印刷ジョブを逆順で出力した場合、次の印刷ジョブの出力時にはフィードするタブ紙のタブ位置は常に1となるので、次の印刷ジョブは正順に出力されることになる。
【0097】
図12は、もう一つの例として、5タブのタブ紙を用いて、7章構成(第1ジョブ)、9章構成(第2ジョブ)、8章構成(第3ジョブ)の3つの印刷ジョブを出力する場合の排出例を示す図である。
【0098】
まず、最初の状態では、フィードするタブ紙は「T1−1」であり、タブ位置は1となる。従って、図11の場合と同様にタブ紙を空送りすることなく、第1ジョブを正順で出力する。第1ジョブの出力を終了したところで、区切りとして出力順「1→2→3→4→5→6→7」を出力する。
【0099】
第1ジョブでタブ紙を7枚使用したので、第1ジョブ終了時にはフィードするタブ紙は「T2−3」となり、タブ位置tは3となる。
【0100】
ここで、次の第2ジョブ(9章構成)を逆順排出した場合の先頭のタブ位置stは上述の式(1)により2となり、t>stとなる。従って、第1ジョブの次に第2ジョブを出力する場合、端数のタブ紙を空送りして正順で出力することになるが、印刷ジョブは複数(第2ジョブと第3ジョブ)存在するので、その中から最適ジョブを抽出する。本例では、第3ジョブ(8章構成)を逆順排出した場合に先頭のタブ位置stは式(1)より3であり、t=stとなるので第3ジョブが最適ジョブとなり、これを逆順で出力すればタブ紙を空送りすることなく排出できる。従って、第3ジョブを逆順で出力し、区切りとして出力順「8→7→6→5→4→3→2→1」を出力する。
【0101】
第3ジョブでタブ紙を8枚使用したので、第3ジョブ終了時にはフィードするタブ紙はタブ位置は1となる。従って、タブ紙を空送りすることなく、残りの第2ジョブを正順で出力する。第3ジョブの出力を終了したところで、区切りとして出力順「1→2→3→4→5→6→7→8→9」を出力する。
【0102】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で設計上の変更をされたものにも適用可能である。
【0103】
例えば、上述の画像形成装置と、画像形成装置内のタブ紙収容部に収容されたタブ紙の順番情報等のタブ紙情報等に基づいて、印刷要求文書を逆順で出力する印刷要求を指示する印刷要求指示部を有する情報処理装置と、を備えたシステムとして構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】タブ紙の構成を示す図である。
【図3】用紙を表裏反転させる仕組みを示す図である。
【図4】本実施の形態に係る画像形成装置の作用の流れを示すフローチャートである。
【図5】タブ数5、次の印刷ジョブの章数が7の場合に、次のタブ紙のタブ位置と次の印刷文書を逆順に排出する場合の先頭のタブ位置とを比較した表である。
【図6】最適ジョブ抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】逆順排出処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】逆順排出した場合の排出例を示す図である。
【図9】正順排出処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】正順排出した場合の排出例を示す図である。
【図11】5タブのタブ紙を用いて7章構成の印刷ジョブを3つ出力する場合の例を示す図である。
【図12】5タブのタブ紙を用いて7章構成、9章構成、8章構成の3つの印刷ジョブを出力する場合の例を示す図である
【符号の説明】
【0105】
10 画像形成装置
11 制御部
12 ジョブ情報取得部
13 用紙収容部
14 タブ紙収容部
15 タブ紙情報取得部
16 画像形成部
17 排出部
19 モード情報入力部
20 ホスト装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
張り出し部を有するタブ紙であり、定められた順序で束となっている前記タブ紙を収容するタブ紙収容手段と、
記録媒体を収容する記録媒体収容手段と、
印刷要求に関するタブ紙挿入位置情報に基づいて、前記タブ紙収容手段に収容されているタブ紙を挿入するタブ紙挿入手段と、
前記印刷要求のタブ紙挿入数と前記タブ紙収容手段に収容されているタブ紙の少なくとも順番に関するタブ紙情報とを使用して、前記印刷要求の画像情報を前記記録媒体収容手段に収容されている記録媒体に逆順に出力するように制御する制御手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記印刷要求で最初に使用されるタブ紙の張り出し部の順番が1番目でなく、かつ、式(1)を満たす場合には、前記印刷要求の画像情報を逆順に出力するように制御する請求項1記載の画像形成装置。
t≦m−a+1 ・・・ (1)
ただし、tは次に供給されるタブ紙の張り出し部の位置が最上段を1番目とした場合に何段目に該当するか、mはタブ紙の張り出し部の分割数、aは印刷文書が複数の部分に区切られる場合の区切り数をmで除した場合の余りを表すものとする。
【請求項3】
前記制御手段は、前記印刷要求で最初に使用されるタブ紙の張り出し部の順番が1番目でなく、かつ、式(2)を満たす場合には、端数のタブ紙を空送りした後、前記印刷要求の画像情報を逆順に出力するように制御する請求項2記載の画像形成装置。
t<m−a+1 ・・・ (2)
【請求項4】
前記制御手段は、前記印刷要求で最初に使用されるタブ紙の張り出し部の順番が1番目の場合には、前記印刷要求の画像情報を正順に制御し、前記印刷要求で最初に使用されるタブ紙の張り出し部の順番が1番でなく、かつ、式(3)を満たす場合には、端数のタブ紙を空送りした後、前記印刷要求の画像情報を正順に出力するように制御する請求項2又は請求項3記載の画像形成装置。
t>m−a+1 ・・・ (3)
【請求項5】
前記出力する順序を変更しないモードと切り替えるモード変換手段を更に備えた請求項1から請求項4の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記印刷要求の文書一部毎に出力順序を表す出力を行うように制御する請求項1から請求項5の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、タブ紙を要する印刷要求が複数ある場合に、前記複数の印刷要求毎に対応するタブ紙挿入数と、前記タブ紙情報とに基づいて、印刷要求の順番を変更する請求項4記載の画像形成装置。
【請求項8】
印刷要求文書のタブ紙挿入数と前記印刷要求文書を出力する画像形成装置が有するタブ紙収容手段に収容されているタブ紙の少なくとも順番情報を含むタブ紙情報とに基づいて、前記印刷要求文書の出力を逆順で出力する印刷要求を指示する印刷要求指示手段とを有する情報処理装置と、
定められた順序で束となっているタブ紙を収容する前記タブ紙収容手段と、
記録媒体を収容する記録媒体収容手段と、
前記印刷要求に関するタブ紙挿入位置情報に基づいて、前記タブ紙収容手段に収容されたタブ紙を挿入するタブ紙挿入手段と、
前記印刷要求に基づいて出力を制御する制御手段と、を有する画像形成装置と、
を有するシステム。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1から請求項7の何れか1項記載の画像形成装置を構成する各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
張り出し部を有するタブ紙であり、定められた順序で束となっている前記タブ紙を収容するタブ紙収容手段、
記録媒体を収容する記録媒体収容手段、
印刷要求に関するタブ紙挿入位置情報に基づいて、前記タブ紙を挿入するタブ紙挿入手段、及び
前記印刷要求のタブ紙挿入数と前記タブ紙収容手段に収容されているタブ紙の少なくとも順番に関するタブ紙情報とを使用して、前記印刷要求の画像情報の出力を逆順に出力するように制御する制御手段、
として機能させるプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から請求項7の何れか1項記載の画像形成装置を構成する各手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
コンピュータを、
張り出し部を有するタブ紙であり、定められた順序で束となっている前記タブ紙を収容するタブ紙収容手段、
記録媒体を収容する記録媒体収容手段、
印刷要求に関するタブ紙挿入位置情報に基づいて、前記タブ紙を挿入するタブ紙挿入手段、及び
前記印刷要求のタブ紙挿入数と前記タブ紙収容手段に収容されているタブ紙の少なくとも順番に関するタブ紙情報とを使用して、前記印刷要求の画像情報の出力を逆順で出力するように制御する制御手段、
として機能させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−76242(P2010−76242A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246827(P2008−246827)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】