説明

画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法

【課題】、残留電位の低減と同時に繰り返し使用による残留電位上昇を抑制し、静電特性あるいは画像品質に副作用を及ぼさずに、一周目帯電低下を十分に抑制できる画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】電荷発生層にホールがトラップされ、放置によってリリースされやすくなったホールが存在していても、それらのホールのほとんどを最初に行う帯電の初期段階で像担持体表面に到達させることができれば、その後像担持体を十分に帯電させることが可能となり、一周目帯電低下は抑制できると考えられる。したがって、帯電時に電荷発生層から電荷輸送層に注入されたほとんどすべてのホールが像担持体の表面まで到達する時間よりも帯電時間を長くすれば一周目帯電低下を抑制できる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性支持体上に、少なくとも感光層及び保護層を順次積層した像担持体を用い、少なくとも該像担持体を帯電させる帯電手段と、該像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、該像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段を有する画像形成装置において、
実機トランジット時間T1(msec)と帯電時間T2(msec)とが、下記式(1)の関係を満たす
T1≦T2………式(1)
(但し、実機トランジット時間T1とは、像担持体に露光してから表面電位計で露光部電位を測定するまでの時間を短縮化させ、露光部電位に対してプロットしたときに、露光部電位が最初に立ち上がる屈曲点と定義する。また、帯電時間T2は、式(2)で定義される。帯電時間T2(msec)=帯電手段の帯電幅(mm)/像担持体の線速(mm/msec)………式(2))
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した積層構成である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光層又は電荷輸送層に含有される電荷輸送物質が、下記化学式(1)で示されるジスチリル化合物である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【化1】

[上式(1)中、R〜Rは、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基のいずれかを表し、各々同一でも異なっていても良い。フェニル基は無置換のものでも良いし、炭素数1〜4のアルキル基や炭素数1〜4のアルコキシ基を置換基として有していても良い。
Aは、置換もしくは無置換のアリーレン基、または下記化学式(1a)で表される基を表す。B及びB’は、それぞれ、置換もしくは無置換のアリーレン基、または下記化学式(1b)で表される基を表す。B及びB’は、同一であっても異なっていても良い。
【化2】

(上式(1a)中、R、R及びRは、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基を表し、フェニル基の場合は無置換でも良いし、炭素数1〜4のアルキル基や炭素数1〜4のアルコキシ基を置換基として有していても良い。)
【化3】

(上式(1b)中、Arはアリーレン基を表わし、炭素数1〜4のアルキル基やアルコキシ基を置換基として有していても良い。また、Ar及びArは、それぞれアリール基を表し、炭素数1〜4のアルキル基やアルコキシ基を置換基として有していても良い。)]
【請求項4】
前記電荷輸送物質が、下記化学式(2)で表されるジスチリル化合物である
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【化4】

(上式(2)中、R〜R33は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
【請求項5】
前記電荷輸送物質が、下記化学式(3)で表されるジスチリル化合物である
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【化5】

(上式(3)中、R34〜R57は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
【請求項6】
前記感光層又は電荷発生層に含有される電荷発生物質のイオン化ポテンシャル(IpCGM)と前記感光層もしくは電荷輸送層に含有される電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル(IpCTM)とが、下記式(3)の関係を満たす
IpCGM−IpCTM≧−0.1 (eV)………式(3)
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記感光層、電荷輸送層及び保護層の少なくとも一層に、バインダー樹脂としてポリカーボネート、ポリアリレートの少なくとも一種を含有する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記感光層、電荷輸送層及び保護層の少なくとも一層に、バインダー樹脂として高分子電荷輸送物質を含有する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記感光層、電荷輸送層及び保護層の少なくとも一層が、少なくとも電荷輸送物質と高分子電荷輸送物質の混合物であり、電荷輸送物質と高分子電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルの差が、0.1eV以下であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記感光層、電荷輸送層及び保護層の少なくとも一層に、下記化学式(4)及び(5)で示されるアルキルアミノ基を有する化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。
【化6】

(上式(4)中、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。Ar及びArは置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、各々同一でも異なっていても良い。R58及びR59は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、各々同一でも異なっていても良い。また、Ar及びR58、Ar及びR59は互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成しても良い。)
【化7】

(上式(5)中、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。R60〜R63は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、各々同一でも異なっていても良い。nは1又は2の整数を表す。)
【請求項11】
前記感光層、電荷輸送層及び保護層の少なくとも一層に、下記化学式(6)〜(9)で示される酸化防止剤の少なくとも二種を含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
【化8】

(上式(8)中、nは12〜18の整数を表す。)
【請求項12】
前記感光層又は電荷発生層が、電荷発生物質としてチタニルフタロシアニン顔料を含有する
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記チタニルフタロシアニン顔料が、
CuKα特性X線(1.542Å)を用いたX線回折スペクトルで、
ブラック角度(2θ±0.2°)のうちの少なくとも27.2°に最大強度の回折ピークを有し、
9.4°、9.6°、24.0°に主要ピークを有し、
7.3°に最小角度の回折ピークを有し、前記7.3°と9.4°との間に回折ピークを有さず、26.3°に回折ピークを有さない
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記感光層又は電荷発生層が、電荷発生物質として下記化学式(10)で示される非対称ビスアゾ顔料を含有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
【化9】

(上式(10)中、R201及びR202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表し、同一でも異なっていても良い。Cp及びCpはカップラー残基を表し、下記式(10a)で表され、Cp及びCpは互いに異なる。
【化10】

上式(10a)中、R203は、水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R204,R205,R206,R207,R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表し、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環又は置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表す。)
【請求項15】
前記保護層が、フィラーを含有する
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記フィラーが、0.1〜0.9μmの平均一次粒径を有するα−アルミナである
ことを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記保護層に、ポリカルボン酸化合物が含有されている
ことを特徴とする請求項15又は16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記保護層が、少なくとも電荷輸送性構造を有さない重合性化合物と電荷輸送性構造を有する重合性化合物とを硬化することにより形成される
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記電荷輸送性構造を有さない重合性化合物及び/又は電荷輸送性構造を有する重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基である
ことを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記電荷輸送性構造を有する重合性化合物の電荷輸送性構造が、トリアリールアミン構造である
ことを特徴とする請求項18又は19に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記電荷輸送性構造を有さない重合性化合物の官能基数が3以上であり、電荷輸送性構造を有する重合性化合物の官能基数が1であり、電荷輸送性構造を有しない3官能以上の重合性化合物における官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下である
ことを特徴とする請求項18乃至20のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項22】
前記感光層又は電荷輸送層の膜厚と前記保護層の膜厚が、式(4)の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の画像形成装置。
感光層又は電荷輸送層の膜厚(μm)≧ 保護層の膜厚×2(μm)………(4)
【請求項23】
前記導電性支持体と感光層又は電荷発生層との間に下引き層が設けられ、該下引き層に平均一次粒径が0.1μm以上の差がある2種の酸化チタン顔料が含有され、かつ前記下引き層が前記感光層又は電荷発生層と接触していることを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項24】
前記導電性支持体と感光層又は電荷発生層との間に樹脂層が設けられ、該樹脂層はポリアミド樹脂の一種であり、かつ該樹脂層が前記導電性支持体と接触していることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項25】
前記帯電手段が、スコロトロンチャージャーである
ことを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項26】
前記露光手段が、複数のビームを有する面発光レーザーである
ことを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項27】
前記画像形成装置が、さらに像担持体表面に潤滑性物質を塗布する潤滑性物質塗布機構を有する
ことを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項28】
前記潤滑性物質が、ステアリン酸亜鉛である
ことを特徴とする請求項27に記載の画像形成装置。
【請求項29】
像担持体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段より選択される少なくとも一つの手段からなる画像形成要素を複数配列したタンデム方式である
ことを特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項30】
像担持体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段より選択される少なくとも一つの手段とが一体となり、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを搭載する
ことを特徴とする請求項1乃至29のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項31】
請求項30に記載の画像形成装置に着脱可能であり、像担持体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段より選択される少なくとも一つの手段とが一体となっていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項32】
導電性支持体上に、少なくとも感光層及び保護層を順次積層した像担持体を用い、少なくとも該像担持体を帯電させる帯電手段と、該像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、該像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段を有する画像形成方法において、
実機トランジット時間T1(msec)と帯電時間T2(msec)とが、下記式(1)の関係を満たす
T1≦T2………式(1)
(但し、実機トランジット時間T1とは、像担持体に露光してから表面電位計で露光部電位を測定するまでの時間を短縮化させ、露光部電位に対してプロットしたときに、露光部電位が最初に立ち上がる屈曲点と定義する。また、帯電時間T2は、式(2)で定義される。帯電時間T2(msec)=帯電手段の帯電幅(mm)/像担持体の線速(mm/msec)………式(2))
ことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−186969(P2009−186969A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−190965(P2008−190965)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】