説明

画像形成装置、制御プログラム

【課題】検査用に別段の構成を設けることなく画像処理回路の検査を可能とする画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1において、CPU110は、第1画像処理回路310a〜第N画像処理回路310nを介して生成した検査データを、ドラム間遅延メモリ部320に記憶する。そして、CPU110は、当該記憶した検査データを、ローカルバス10を介して取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び当該画像形成装置に備わるコンピュータの実行する制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のプリンタや複写機等の画像形成装置は、特定用途向き集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを搭載した回路で画像処理を行うことによって、高速でリアルタイムな画像出力を実現する。
そのため、当該画像出力の結果に異常がある場合、画像形成装置を正常に復帰させるために、主な画像処理を行う基板を交換することが一般に行われる。ところが、画像処理を行う基板は、装置内部の奥側に配置されていることやノイズ対策用の板金ガードに囲まれていることが多いため、他の基板に比べて交換に手間がかかる場合がある。
その結果、画像形成装置が正常に復帰するまでの時間(平均復旧時間、MTTR:Mean Time To Repair)が長くなるので、ユーザの画像処理装置を使用できない時間が増加するとともに、保守作業員の負担が大きくなるという問題があった。
【0003】
そこで、例えば、検査用の画像データと当該検査の期待値からなる画像データ(期待値データ)とを予め記憶しておき、検査用の画像データに対して画像処理を行って検査データを生成し、検査データと期待値データとを比較する検査手法が用いられている。つまり、保守作業員は、画像出力の結果に異常がある場合、当該検査手法を用いることで、異常の原因が画像処理を行う基板にあるか否かを把握できる。その結果、容易に画像処理を行う基板の交換の必要性を判別できるので、MTTRは短縮する。
【0004】
上記検査手法を用いた一例として、出力系画像処理回路の最終段の出力を読取系画像処理回路の最前段に入力するためのループバック経路を新たに設けた画像形成装置がある(特許文献1参照)。そして、当該画像形成装置によると、記憶部に記憶された検査用の画像データを出力系画像処理回路に流して最終段より得られる検査データは、上記ループバック経路を通じて読取系画像処理回路の最前段に入力される。そして、当該検査データは、読取系画像処理回路の最前段を介して記憶部へ格納される。つまり、当該画像形成装置は出力系画像処理回路の最終段まで流した検査データを記憶部に帰還できる構成であるので、当該最終段に検査用のメモリを別途設けることなく全ての画像処理回路を検査することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−187494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置には、上述の通りループバック経路が新たに設けられている。つまり、ループバック経路を設けることで、当該ループバック経路自体が故障を引き起こす可能性や、ノイズの影響を受けて正常な検査の阻害要因となる可能性もある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、検査用に別段の構成を設けることなく画像処理回路の検査を可能とする画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、画像データを記憶する記憶部と、前記記憶部より読み出された画像データに対して画像処理を施す画像処理回路と、感光体ドラムを含み、前記画像処理回路により画像処理の施された画像データに基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部と、検査用の画像データを記憶部に展開し、当該展開した検査用の画像データに対して前記画像処理回路により画像処理を施し、前記検査用の画像データに基づく検査データを生成する制御部と、前記制御部と前記画像形成部の間におけるデータの伝送を可能にするローカルバスと、を備え、前記画像処理回路は、前記感光体ドラムに画像を書き込むタイミングを調整するためのタイミング調整量を記憶するメモリを有し、前記制御部は、前記生成した検査データを前記メモリに記憶し、前記ローカルバスを介して前記メモリより前記検査データを取得することを特徴とする。
【0009】
また、請求項7に記載の発明は、制御プログラムであって、画像データを記憶する記憶部と、前記記憶部より読み出された画像データに対して画像処理を施す画像処理回路と、感光体ドラムを含み、前記画像処理回路により画像処理の施された画像データに基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部と、前記制御部と前記画像形成部の間におけるデータの伝送を可能にするローカルバスと、を含み、前記画像処理回路に前記感光体ドラムへ画像を書き込むタイミングを調整するためのタイミング調整量を記憶するメモリを設けた画像形成装置に備わるコンピュータを、検査用の画像データを記憶部に展開し、当該展開した検査用の画像データに対して前記画像処理回路により画像処理を施し、前記検査用の画像データに基づく検査データを生成し、前記生成した検査データを前記メモリに記憶し、前記ローカルバスを介して前記記憶部より前記検査データを取得する制御手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
したがって、本発明は、検査用に別段の構成を設けることなく画像処理回路の検査を可能とする画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1に係る画像形成装置のブロック図である。
【図2】図1の画像形成装置に備わる画像形成部を模式的に示す図である。
【図3】図1の画像形成装置に備わる第N画像処理回路の構成を模式的に示す図である。
【図4】実施形態1に係る画像形成装置が実行する検査処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】実施形態1に係る画像形成装置が実行する検査データ取得処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】変形例1に係る画像形成装置及びコンピュータのブロック図である。
【図7】実施形態2に係る画像形成装置が実行する検査処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施形態3に係る画像形成装置が実行する検査処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施形態3に係る画像形成装置が実行する検査データ取得処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「実施形態1」
以下、実施形態1に係る画像形成装置について、図1〜図5を参照して説明する。
【0013】
本実施形態に係る画像形成装置1は、カラー複写機やプリンタ等として用いられる。画像形成装置1は、CMYKの4色からなるカラー画像を用紙上に形成するプリント処理を行う。
当該画像形成装置1は、図1に示すように、制御部100と、画像記憶部200(記憶部)と、出力系画像処理部300(画像処理部)と、画像形成部400と、を含んで構成される。そして、制御部100と出力系画像処理部300とはローカルバス10で接続されており、制御部100と画像記憶部200とはシステムバス20及びローカルバス10で接続されている。また、画像形成装置1は、LAN(Local Area Network)等からなるネットワークNを介してPC(Personal Computer)等の外部装置と接続される。
【0014】
制御部100は、画像形成装置1全体を統括制御する。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)110と、RAM(Random Access Memory)120と、ROM(Read Only Memory)130と、データ記憶部140と、通信I/F部150と、を含んで構成される。
【0015】
CPU110は、画像形成装置1の各部から入力される入力信号に応じて、ROM130に記憶された各種プログラム(プログラムコード)を実行するコンピュータとして機能する。そして、CPU110は、当該実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することで、画像形成装置1の動作全般を統括制御する。CPU110は、例えば、画像形成装置1に備わる各部の故障状態を検査するための検査プログラムの実行を制御する。この際、CPU110は、ローカルバス10を介して、出力系画像処理部300に各種指示データや設定パラメータを送信する。なお、検査プログラムについては後述する。
RAM120は、CPU110が実行するプログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するためのデータ格納領域を備える。
ROM130は、CPU110が実行可能なシステムプログラムや、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、上記処理プログラムを実行する際に使用されるデータなどを記憶する。
【0016】
データ記憶部140は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等で構成される。そして、データ記憶部140は、CPU110が検査プログラムを実行する上で必要となるデータを記憶する。具体的には、データ記憶部140は、検査用の画像データ(画像処理前の画像データ)である元画像データと、検査プログラム実行後の元画像データである検査データに対する期待値を表す期待値データと、などを記憶する。なお、期待値データは、CPU110が検査プログラムを実行する上でユーザによって事前設定される検査の内容に応じて複数存在する。
また、元画像データ、検査データ、期待値データは、C、M、Y、Kの4色のカラー画像に係るデータであるため、4色分存在する。そのため、以下では、特定の色のデータを表現する場合は、当該データの名称の先頭に各色の名称を付すもの(例えば、C色元画像データ、M色検査データ、など)とする。
【0017】
通信I/F部150は、画像形成装置1がネットワークNを介して外部装置と通信を行うための通信インターフェースである。
【0018】
画像記憶部200は、画像メモリ210と、メモリ制御部220と、を含んで構成される。
【0019】
画像メモリ210は、SDRAM(Synchronous DRAM)等により構成され、画像データを記憶する。
メモリ制御部220は、画像メモリ210に対する画像データの入出力を制御する。当該メモリ制御部220は1又は複数のASICで構成される。そして、各ASICは同一基板上に又は複数の基板に跨るように配設される。
具体的には、メモリ制御部220は、CPU110からの指示の下、通信I/F部150を介して外部装置から受信したプリントジョブの画像データ、図示しないADF等を介して読み取られた原稿の画像データ、制御部100より送信される元画像データ、等を画像メモリ210に入力して記憶させる。また、メモリ制御部220は、CPU110からの指示の下、画像メモリ210に記憶された画像データを出力系画像処理部300へ出力する。
【0020】
出力系画像処理部300は、画像処理部310と、ドラム間遅延メモリ部320と、を含んで構成される。
【0021】
画像処理部310は、画像メモリ210に記憶された画像データに対してプリント処理を行うための各種画像処理を施す。当該画像処理部310は1又は複数のASICで構成される。ここで、画像処理部310に備わる各ASICを第1画像処理回路310a〜第N画像処理回路310nとする。当該第1画像処理回路310a〜第N画像処理回路310nは、同一基板上に又は複数の基板に跨るように配設される。
そして、画像処理部310は、画像メモリ210より出力される画像データを上段側の第1画像処理回路310aから下段側の第N画像処理回路310nへ向けて伝送させることで、画像データに各画像処理回路が備える画像処理機能に基づく画像処理を施す。なお、画像処理部310は、CPU110からの指示の下、画像データを伝送させるにあたり、第1画像処理回路310a〜第N画像処理回路310nの中で特定の画像処理回路を通過させることも可能である。
【0022】
第1画像処理回路310a〜第N画像処理回路310nは、それぞれ、画像データに対して特定の画像処理機能を実行するための回路である。各画像処理回路が備える画像処理機能としては、例えば、セル平均・解像度変換処理、領域判別処理、プリンタγ変換・細線化処理、微小変倍処理、スクリーン処理などがある。
【0023】
ドラム間遅延メモリ部320は、画像処理部310の最下段に位置する第N画像処理回路310nと接続される。ドラム間遅延メモリ部320は、後述する複数の感光体ドラムに応じて、C色ドラム間遅延メモリ320a〜K色ドラム間遅延メモリ320dの4つのDRAM(Dynamic RAM)を備える。そして、当該C色ドラム間遅延メモリ320a〜K色ドラム間遅延メモリ320dは、CPU110がプリント処理を実行する場合に、感光体ドラムのタイミング調整量を記憶するためのメモリである。ここで、タイミング調整量については後述する。
【0024】
画像形成部400は、図1及び図2に示すように、形成部410と、転写部420と、定着部430と、を含んで構成される。
【0025】
形成部410は、出力系画像処理部300より出力される4色分の画像データに基づくカラー画像を形成する。具体的には、形成部410は、光源411a〜411dと、ミラー/レンズ412と、感光体ドラム413a〜413dと、帯電器414a〜414dと、現像器415a〜415dと、クリーナ416a〜416dと、を含んで構成される。
【0026】
光源411a〜411dは、レーザ光を出射するレーザ光源であり、画像データの色数に応じてそれぞれ配置される。そして、光源411a〜411dより出射されたレーザ光は、それぞれ、ミラー/レンズ412によって形成される光路にしたがって、感光体ドラム413a〜413dの周面を照射する。
ミラー/レンズ412は、例えば、ポリンゴンミラー、fθレンズ、ピックアップミラー、シリンドリカルミラー、等の複数のミラーやレンズで構成される。そして、ミラー/レンズ412は、光源411a〜411dより出射されたレーザ光を感光体ドラム413a〜413dに導くように反射させる。また、ミラー/レンズ412は、当該出射されたレーザ光の一部を位置ずれ検知用の光センサに入力させる。
感光体ドラム413a〜413dは、軸回りに回動可能な部材であり、光源411a〜411dに応じてそれぞれ配置される。感光体ドラム413a〜413dは、光源411a〜411dより照射されるレーザ光により周面にトナー像が形成されて、画像の書き込みが行われる。
帯電器414a〜414dは、感光体ドラム413a〜413dの表面を一様に帯電させる。現像器415a〜415dは、感光体ドラム413a〜413d上にレーザユニット12によって形成される潜像にトナーを付着してトナー像を形成する。クリーナ416a〜416dは、現像器415a〜415dによって付着した、感光体ドラム10の周面上に残存するトナーを除去する。
【0027】
転写部420は、形成部410より形成されるトナー像を転写する。具体的には、転写部420は、転写器421a〜421dと、転写ベルト422と、ローラ423と、を含んで構成される。
【0028】
転写器421a〜421dは、それぞれの感光体ドラム413a〜413dの周面に形成されたトナー像を転写ベルト422に転写させる。転写ベルト422は、複数のローラ423に巻回された無端状のベルト部材である。ローラ423は、回動可能な円筒状の部材である。そして、ローラ423は、モータ(図示省略)より付与される回動力に応じて、転写器421a〜421dによりトナー像の転写された転写ベルト422を定着部430へ搬送する。定着器430は、加熱ローラや加圧ローラ等で構成される。そして、定着器430は、加熱ローラと加圧ローラの間に搬送された用紙に対して、加熱及びニップ圧による加圧を行うことにより、転写ベルト422のトナー像を用紙上に定着する。また、トナー像が定着した用紙は、排紙ローラ(図示省略)等により搬送されてトレイ(図示省略)へ排紙される。
【0029】
ここで、図2より把握されるとおり、感光体ドラム413a〜413dは、物理的に離間した位置に配置される。そのため、それぞれの感光体ドラム413a〜413dに形成されたトナー像が同じタイミングで転写ベルト422に転写された場合、転写ベルト422上のずれた位置に転写されることとなる。したがって、CPU110は、プリント処理を実行する場合、当該ずれを補正して画像の位置合わせを行うために、それぞれの感光体ドラム413a〜413dにトナー像が形成されるタイミングを調整する。具体的には、C色ドラム間遅延メモリ320a〜K色ドラム間遅延メモリ320dそれぞれに、それぞれの感光体ドラム413a〜413dにトナー像が形成されるタイミングの調整量(タイミング調整量)を記憶しておく。そして、感光体ドラム413a〜413dがトナー像を形成する際に、C色ドラム間遅延メモリ320a〜K色ドラム間遅延メモリ320dよりタイミング調整量が読み出されて形成部410へ出力される。その結果、感光体ドラム413a〜413dには、それぞれのタイミング調整量に基づくタイミングでトナー像が形成される。
【0030】
(検査プログラムについて)
次に、CPU110が実行する検査プログラムについて説明する。
【0031】
まず、図示しない表示画面やタッチパネル等を介して、ユーザに検査モードが選択されると、CPU110は、検査プログラムを実行し、データ記憶部140より元画像データを読み出して画像記憶部200へ送信し、画像メモリ210に当該元画像データを展開する。そして、CPU110は、メモリ制御部220に当該元画像データを出力系画像処理部300へ送信させる。
【0032】
次に、CPU110は、送信した元画像データを第1画像処理回路310a〜第N画像処理回路310nへ伝送させる。つまり、CPU110は、元画像データに対して各種画像処理を施し、元画像データに基づく検査データを生成する。この際、CPU110は、ユーザによって事前に設定された検査の内容に応じて、第1画像処理回路310a〜第N画像処理回路310nの中で特定の画像処理回路を通過させる指示を画像処理部310へ送信することができる。つまり、ユーザは、画像処理部310に備わる画像処理回路の中で、検査対象となる画像処理回路を選択することが出来る。
【0033】
次に、検査データが画像処理部310の最下段に位置する第N画像処理回路310nに到達すると、第N画像処理回路310nは、CPU110の指示の下、当該検査データをドラム間遅延メモリ部320に記憶する。
つまり、CPU110は、検査プログラムを実行する際、プリント処理の実行時にタイミング調整量が記憶されるドラム間遅延メモリ部320へ、タイミング調整量に換えて検査データを記憶する。そして、CPU110は、ローカルバス10を介してドラム間遅延メモリ部320に記憶された検査データを取得する。
【0034】
ここで、検査データがドラム間遅延メモリ部320に記憶され、CPU110に送信される具体的な流れについて、図3を用いて説明する。
まず、図3に示すように、制御部100と第N画像処理回路310n間のローカルバス10は、元画像データ及び指示データ送受信用のデータ用ローカルバス10aと、制御部100がドラム間遅延メモリ部320へメモリ制御信号を送信するための制御信号用ローカルバス10bと、を含む。メモリ制御信号は、C色ドラム間遅延メモリ320a〜K色ドラム間遅延メモリ320dまでのメモリに対する読み込み(Read)信号,書き込み(Write)信号,メモリの選択信号,等である。
また、図3に示すように、第N画像処理回路310nは、モード切り替えセレクタ310n1と、画像データセレクタ310n2と、メモリ制御信号セレクタ310n3と、データ伝送用バス310n4と、を含んで構成される。
モード切り替えセレクタ310n1は、CPU110より送信される指示データに応じて、検査データの記憶モードと読み込みモードとを切り替える。画像データセレクタ310n2は、モード切り替えセレクタ310n1より送信されるセレクト指令に応じて、検査データをドラム間遅延メモリ部320に記憶/ドラム間遅延メモリ部320より読み込む。メモリ制御信号セレクタ310n3は、モード切り替えセレクタ310n1より送信されるセレクト指令に応じて、常時入力されるWrite信号(常時Write信号)と、CPU110より送信されるメモリ制御信号と、の何れかをドラム間遅延メモリ部320へ送信する。データ伝送用バス310n4は、画像データ(検査データ)を伝送させるためのバスである。
【0035】
CPU110は、元画像データを出力系画像処理部300へ送信させる際に、データ用ローカルバス10aを介して、モード切り替えセレクタ310n1へ検査データの記憶モードに切り替えるための指示データを送信する。そして、モード切り替えセレクタ310n1が画像データセレクタ310n2へセレクト指令を送信することで、画像データセレクタ310n2は、検査データが入力された際、当該検査データがドラム間遅延メモリ部320へ記憶されるように切り替え処理を行う。
また、CPU110は、指示データを送信する際、制御信号用ローカルバス10bを介してメモリの選択信号を送信する。そして、メモリ制御信号セレクタ310n3は、モード切り替えセレクタ310n1より送信されるセレクト指令に応じて、常時Write信号及びCPU110より送信されたメモリの選択信号を、順次ドラム間遅延メモリ部320に入力する。つまり、CPU110は、C色ドラム間遅延メモリ320a〜K色ドラム間遅延メモリ320dまでのメモリのうち、検査データを記憶するためのメモリを選択し、当該選択したメモリに検査データを記憶させる。具体的には、CPU110は、C色検査データがC色ドラム間遅延メモリ320aへ、M色検査データがM色ドラム間遅延メモリ320bへ、Y色検査データがY色ドラム間遅延メモリ320cへ、K色検査データがK色ドラム間遅延メモリ320dへ、それぞれ記憶されるように制御を行う。
【0036】
次に、CPU110は、ドラム間遅延メモリ部320に記憶された検査データを取得する場合、データ用ローカルバス10aを介して、モード切り替えセレクタ310n1へ検査データの読み込みモードに切り替えるための指示データを送信する。そして、モード切り替えセレクタ310n1が画像データセレクタ310n2へセレクト指令を送信することで、画像データセレクタ310n2は、データ伝送用バス310n4を介してドラム間遅延メモリ部320より検査データを読み込む。当該読み込まれた検査データは、データ用ローカルバス10aを介して制御部100へ送信される。
また、CPU110は、指示データを送信する際、制御信号用ローカルバス10bを介してメモリの選択信号及びRead信号を送信する。そして、メモリ制御信号セレクタ310n3は、モード切り替えセレクタ310n1より送信されるセレクト指令に応じて、CPU110より送信されたメモリの選択信号及びRead信号を、順次ドラム間遅延メモリ部320に入力する。つまり、CPU110は、C色ドラム間遅延メモリ320a〜K色ドラム間遅延メモリ320dまでのメモリのうち、検査データを読み込むメモリを選択し、当該選択したメモリに記憶される検査データを読み込ませる。
なお、CPU110は、ドラム間遅延メモリ部320に記憶された検査データを取得する際、第N画像処理回路310nへ、4色分の検査データを同時又は連続して送信させるように指示してもよいし、1色分の検査データを送信させた後予め定めた時間が経過した時点で、別の1色分の検査データを送信させるように指示してもよい。
【0037】
次に、CPU110は、当該送信された検査データと、データ記憶部140に記憶された期待値データと、を比較する。ここで、比較は、CMYKの4色分それぞれについて、且つ、検査データと期待値データを構成するビット単位(画素単位)で逐次行われる。その結果、CPU110は、検査データと期待値データとが完全に一致すると判断した場合に、検査結果が正常である旨(異常の発生状況)を表示画面に表示する。一方で、CPU110は、検査データと期待値データとが一致しないと判断した場合、エラーの発生した箇所(回路)を当該判断の結果に基づいて特定する。そして、CPU110は、当該エラーの発生した箇所の名称等(異常の発生状況)を表示画面に表示する。
【0038】
(検査処理)
次に、本実施形態に係る画像形成装置1が実行する検査処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
まず、CPU110は、検査プログラムを実行し、元画像データを画像メモリ210に展開する(ステップS1)。
次いで、CPU110は、後述する検査データ取得処理を実行する(ステップS2)。
次いで、CPU110は、検査データ取得処理の実行により取得される検査データと期待値データとを比較する(ステップS3)。
次いで、CPU110は、ステップS3の比較の結果、検査データと期待値データとが一致するか否かを判断する(ステップS4)。
そして、CPU110は、ステップS4にて一致すると判断した場合(ステップS4;Yes)、検査結果が正常である旨を表示画面に表示し(ステップS5)、本処理を終了する。
一方で、CPU110は、ステップS4にて一致しないと判断した場合(ステップS4;No)、エラーの発生した箇所を表示画面に表示し(ステップS6)、本処理を終了する。
【0040】
(検査データ取得処理)
次に、ステップS2にてCPU110が実行する検査データ取得処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0041】
まず、CPU110は、画像メモリ210に展開した元画像データをメモリ制御部220によって出力系画像処理部300へ送信させる(ステップS101)。
次いで、CPU110は、ステップS101にて送信した元画像データを第1画像処理回路310a〜第N画像処理回路310nへ伝送させ、検査データを生成する(ステップS102)。
次いで、CPU110は、ステップS102にて生成した検査データをドラム間遅延メモリ部320に記憶する(ステップS103)。
次いで、CPU110は、ローカルバス10を介してステップS103にて記憶した検査データを取得する(ステップS104)。
【0042】
以上、本実施形態に係る画像形成装置1によると、CPU110は、第1画像処理回路310a〜第N画像処理回路310nを介して生成した検査データをドラム間遅延メモリ部320に記憶する。また、CPU110は、当該記憶した検査データをローカルバス10を介して取得する。そのため、画像形成装置1において、第N画像処理回路310nに検査用のメモリを別途設けることなく、また、第N画像処理回路310nより出力される検査データをCPU110が取得するためのループバック経路を新たに設けることなく、CPU110は、全ての画像処理回路を検査可能な検査データを取得できる。
したがって、画像形成装置1は、検査用に別段の構成を設けることなく画像処理回路の検査を可能とする画像形成装置といえる。
【0043】
また、CPU100は、ローカルバス10を介して取得した検査データと期待値データとを比較することで、比較結果に基づく異常の発生状況を判断することができる。
つまり、画像形成装置1は、検査データと期待値データとを比較するための外部装置を別途用いることなく、検査処理を行うことができる。
【0044】
また、検査データを記憶するためのC色ドラム間遅延メモリ320a〜K色ドラム間遅延メモリ320dは、感光体ドラム413a〜413d毎に備わる。そのため、CPU110は、C色検査データ〜K色検査データを、C色ドラム間遅延メモリ320a〜K色ドラム間遅延メモリ320dにそれぞれ記憶しておくことで、C色検査データ〜K色検査データの中で必要な検査データを必要なタイミングで取得することが可能となる。
【0045】
「変形例1」
次に、実施形態1に係る画像形成装置1の変形例1について、図6を用いて説明する。実施形態1において、検査データと期待値データの比較は画像形成装置1自体が行うように構成した。しかし、変形例1で述べるように、ネットワークNを介して画像形成装置1に接続されたPC1000等の外部装置が当該比較を行ってもよい。
以下の変形例1の説明において、実施形態1に係る画像形成装置1と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0046】
図6に示すように、画像形成装置1は、ネットワークNを介してPC1000と接続される。
PC1000は、例えば、CPU1010と、RAM1020と、ROM1030と、データ記憶部1040と、通信I/F部1050と、を含んで構成される。
【0047】
CPU1010は、PC1000の各部から入力される入力信号に応じて、ROM1030に記憶された各種プログラムを実行する。そして、CPU1010は、当該実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することで、PC1000の動作全般を統括制御する。具体的には、CPU1010は、比較プログラムを実行し、検査データと期待値データとの比較を行う。比較プログラムについては後述する。
RAM1020は、CPU1010が実行するプログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するためのデータ格納領域を備える。ROM1030は、CPU1010が実行可能なシステムプログラムや、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、上記処理プログラムを実行する際に使用されるデータなどを記憶する。
データ記憶部1040は、例えば、HDD等で構成される。そして、データ記憶部1040は、元画像データと、期待値データと、などを記憶する。通信I/F部1050は、PC1000がネットワークNを介して画像形成装置1と通信を行うための通信インターフェースである。
【0048】
(比較プログラムについて)
次に、CPU1010が実行する比較プログラムについて説明する。
まず、CPU1010は、通信I/F部1050を介して、図示しない表示画面やタッチパネル等を介して、ユーザに比較プログラムの実行が選択されると、CPU1010は、データ記憶部1040より元画像データを読み出す。そして、CPU1010は、通信I/F部1050を介して、読み出した元画像データを画像形成装置1に送信する。
そして、画像形成装置1のCPU110は、送受信部として機能する通信I/F部150を介して元画像データを取得すると、検査プログラムを実行する。但し、本変形例の検査プログラムでは、CPU110は、ドラム間遅延メモリ部320に記憶された検査データを取得した場合、当該検査データを通信I/F部150を介してPC1000へ送信する。
次に、CPU1010は、通信I/F部1050を介して検査データを取得すると、当該取得された検査データと、データ記憶部1040に記憶された期待値データと、を比較する。ここで、CPU1010が行う比較は、実施形態1にてCPU110が行った比較と同一である。
【0049】
以上、本変形例に係る画像形成装置1によると、画像形成装置1は、検査データと期待値データとの比較をPC1000に委ねることができるのでCPU110の処理負担が軽減する。また、PC1000のユーザは、必要に応じて検査データや期待値データをデータ記憶部1040に追加/削除することで、所望する比較処理を容易に実行させることができる。
【0050】
「実施形態2」
次に、実施形態2に係る画像形成装置1について、図7を用いて説明する。実施形態1では、図4に示すように、CPU110が一度の検査データ取得処理を実行することで、検査処理が完了するように構成したが、元画像データのデータ容量と、ドラム間遅延メモリ部320に備わるメモリのデータ容量と、に応じて元画像データを複数個に分割した上で、検査データ取得処理をその個数に応じて複数回実行するように構成してもよい。つまり、実施形態2では、元画像データのデータ容量がドラム間遅延メモリ部320に備わるメモリのデータ容量より大きい場合であっても、ドラム間遅延メモリ部320に元画像データに基づく検査データを記憶できるように構成する。
以下の実施形態2の説明において、実施形態1に係る画像形成装置1と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0051】
(検査処理)
本実施形態2に係る画像形成装置1が実行する検査処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0052】
まず、CPU110は、実施形態1と同様に、検査プログラムを実行して元画像データを画像メモリ210に展開する(ステップS1)。
【0053】
次いで、CPU110は、当該画像メモリ210に展開した元画像データのデータ容量と最小メモリのデータ容量とを比較し、元画像データのデータ容量が最小メモリのデータ容量を上回るか否かを判断する(ステップS11a)。ここで、最小メモリとは、ドラム間遅延メモリ部320に備わるメモリ(C色ドラム間遅延メモリ320a〜K色ドラム間遅延メモリ320d)の中で、データ容量が最小となるメモリを表す。また、上記比較の対象とする元画像データとしては、例えば、4色分の元画像データの中で最小メモリに記憶される検査データの基となる元画像データなどを用いる。
なお、各メモリ間におけるデータ容量の違いは、図2に示すように、感光体ドラム413a〜413dが各々異なる位置に配設されるため、各メモリに記憶されるタイミングの調整量にもデータ量に相違が生じることに起因する。
【0054】
そして、CPU110は、ステップS11aにて上回ると判断した場合(ステップS11a;Yes)、分割後のそれぞれの元画像データが最小メモリのデータ容量を下回るように、元画像データを分割する(ステップ12a)。
次いで、CPU110は、分割後の各々の元画像データについて、検査データ取得処理を実行する(ステップS2)。
次いで、CPU110は、分割後の全ての元画像データについて、検査データ取得処理が完了したか否かを判断する(ステップS21a)。そして、CPU110は、ステップS21aにて完了していないと判断した場合(ステップS21a;No)、ステップS2以降の処理を繰り返す。一方で、CPU110は、ステップS21aにて完了したと判断した場合(ステップS21a;Yes)、ステップS3以降の処理を実行する。
【0055】
また、CPU110は、ステップS11aにて下回ると判断した場合(ステップS11a;No)、元画像データを分割することなく、当該元画像データについて検査データ取得処理を実行し(ステップS2)、ステップS3以降の処理を実行する。
【0056】
以上、本実施形態2によると、実施形態1と同様の効果が得られるのは勿論のこと、CPU110は、元画像データのデータ容量が最小メモリのデータ容量より大きい場合であっても、元画像データに基づく検査データを複数個に分けてドラム間遅延メモリ部320に記憶することで、検査データ全体について検査処理を実行できる。
【0057】
「実施形態3」
次に、実施形態3に係る画像形成装置1について、図8及び図9を用いて説明する。
実施形態1において、CPU110は、検査プログラムを実行する際に、4色分の検査データがドラム間遅延メモリ部320に備わる4色分のメモリへそれぞれ記憶されるように制御を行った。しかし、実施形態3で述べるように、CPU110は、4色分の検査データをドラム間遅延メモリ部320に備わる同一のメモリへ記憶されるように制御してもよい。つまり、CPU110は、4色分の元画像データのうち何れか1色分の元画像データに基づく検査データを生成し、当該生成した検査データを上記メモリに記憶し、当該メモリより検査データを取得するパターンを、検査データを生成する都度4色分の検査データを取得するまで繰り返し実行する制御を行う。
【0058】
(検査処理)
本実施形態3に係る画像形成装置1が実行する検査処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0059】
まず、CPU110は、実施形態1と同様に、検査プログラムを実行して元画像データを画像メモリ210に展開する(ステップS1)。ここで、上記展開される元画像データは、4色分の元画像データ(C色元画像データ〜K色元画像データ)からなる。
【0060】
次いで、CPU110は、ドラム間遅延メモリ部320に備わるメモリの中で、当該画像メモリに展開した元画像データに基づく検査データを記憶するための一のメモリを選択する(ステップS11b)。ここで、上記選択されるメモリは、例えば、C色ドラム間遅延メモリ320a〜K色ドラム間遅延メモリ320dの中で、記憶可能なデータ容量が最大となるメモリである。
【0061】
次いで、CPU110は、4色分の元画像データの中で、何れか1色分の元画像データを選択し、当該選択した1色分の元画像データについて検査データ取得処理を実行する(ステップS2b)。
【0062】
次いで、CPU110は、4色分の元画像データについて、検査データ取得処理が完了したか否かを判断する(ステップS21b)。
そして、CPU110は、ステップS21bにて完了していないと判断した場合(ステップS21b;No)、4色分の元画像データ全てについて検査データ取得処理が完了するまで、ステップS2bの処理を繰り返し行う。
一方で、CPU110は、ステップS21bにて完了したと判断した場合(ステップS21b;Yes)、ステップS3以降の処理を実行する。
【0063】
(検査データ取得処理について)
次に、ステップS2bにてCPU110が実行する検査データ取得処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0064】
まず、CPU110は、画像メモリ210に展開した4色分の元画像データのうち、1色分の元画像データをメモリ制御部220によって出力系画像処理部300へ送信させる(ステップS101b)。
次いで、CPU110は、ステップS101bにて送信した1色分の元画像データを第1画像処理回路310a〜第N画像処理回路310nへ伝送させ、1色分の検査データを生成する(ステップS102b)。
次いで、CPU110は、ステップS102bにて生成した1色分の検査データを、ステップS11bで選択されたメモリに記憶する(ステップS103b)。
次いで、CPU110は、ローカルバス10を介してステップS103bにて記憶した1色分の検査データを取得する(ステップS104b)。
つまり、ステップS103b,S104bによると、CPU110は、1色分の検査データが選択されたメモリに記憶される都度、当該検査データを取得する処理を行う。なお、CPU110は、制御信号用ローカルバス10bを介してドラム間遅延メモリ部320に送信するメモリの選択信号により、検査データを記憶するメモリの選択、検査データを取得するメモリの選択、を逐次行う。
【0065】
以上、本実施形態3によると、実施形態1と同様の効果が得られることは勿論のこと、CPU110は、4色分の検査データをドラム間遅延メモリ部320に備わる同一のメモリに記憶する。そのため、例えば、実施形態2で述べたような、元画像データのデータ容量が最小メモリのデータ容量より大きい場合であっても、当該最小メモリ以外のメモリへ4色分の検査データを記憶することで、全ての検査データを取得することができる。
【0066】
なお、以上の実施形態における記述は、本発明に係る好適な画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。
また、以上の実施形態における画像形成装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0067】
具体的には、例えば、CPU110は、図8に示すステップS11bにおいて、一のメモリを選択するように構成したが、必要に応じて二又は三のメモリを選択するように構成してもよい。
【0068】
また、CPU110は、記憶可能なデータ容量が最大となるメモリのデータ容量と、4色分の元画像データの中でデータ容量が最大となる元画像データのデータ容量とを比較する。そして、CPU110は、データ容量が最大となる元画像データの方が、データ容量が最大となるメモリよりもデータ容量が大きい場合、図8に示す検査処理を実行する。一方で、CPU110は、データ容量が最大となるメモリの方が、データ容量が最大となる元画像データよりもデータ容量が大きい場合、図7に示す検査処理を実行する。このように構成することで、CPU110は、検査データを分割して複数のメモリに記憶する場合と、検査データを一のメモリへ記憶する場合と、を必要に応じて使い分けることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 画像形成装置
10 ローカルバス
20 システムバス
100 制御部
110 CPU
130 ROM
140 データ記憶部
150 通信I/F部
200 画像記憶部
210 画像メモリ
300 出力系画像処理部
310 画像処理部
310a〜310n 第1画像処理回路〜第N画像処理回路
320 ドラム間遅延メモリ部
320a〜320d C色ドラム間遅延メモリ〜K色ドラム間遅延メモリ
400 画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを記憶する記憶部と、
前記記憶部より読み出された画像データに対して画像処理を施す画像処理回路を有する画像処理部と、
感光体ドラムを含み、前記画像処理回路により画像処理の施された画像データに基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部と、
検査用の画像データを記憶部に展開し、当該展開した検査用の画像データに対して前記画像処理回路により画像処理を施し、前記検査用の画像データに基づく検査データを生成する制御部と、
前記制御部と前記画像形成部の間におけるデータの伝送を可能にするローカルバスと、
を備え、
前記画像処理部は、前記感光体ドラムに画像を書き込むタイミングを調整するためのタイミング調整量を記憶するメモリを有し、
前記制御部は、前記生成した検査データを前記メモリに記憶し、前記ローカルバスを介して前記メモリより前記検査データを取得することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記取得した検査データと当該検査データに対する期待値を表す期待値データとを比較し、比較結果に基づく異常の発生状況を判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記検査データと当該検査データに対する期待値を表す期待値データとを比較し比較結果に基づく異常の発生状況を判断する外部装置とデータの送受信を行うための送受信部を備え、
前記制御部は、前記取得した検査データを前記送受信部を介して前記外部装置に送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置において、
前記画像形成部が形成する画像はカラー画像であり、
前記感光体ドラムは前記画像形成部が形成するカラー画像の色に応じて複数設けられ、
前記メモリは、感光体ドラム毎に備わることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、複数のメモリのうち記憶可能なデータ容量が最小となる最小メモリのデータ容量と、前記検査用の画像データのデータ容量と、を比較し、比較した結果前記最小メモリよりも前記検査用の画像データのデータ容量が大きい場合、それぞれのデータ容量が前記最小メモリのデータ容量以下となるように前記検査用の画像データを分割し、分割後のそれぞれの検査用の画像データに基づく検査データを生成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記検査用の画像データは、前記画像形成部がカラー画像を形成するための各色の画像データからなり、
前記制御部は、複数のメモリより一のメモリを選択するとともに、前記各色の画像データのうち何れかの画像データに基づく検査データを生成し当該生成した検査データを前記選択したメモリに記憶し当該メモリより前記検査データを取得するパターンを前記検査データを生成する都度繰り返し実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
画像データを記憶する記憶部と、前記記憶部より読み出された画像データに対して画像処理を施す画像処理回路を有する画像処理部と、感光体ドラムを含み、前記画像処理回路により画像処理の施された画像データに基づいて用紙上に画像を形成する画像形成部と、前記制御部と前記画像形成部の間におけるデータの伝送を可能にするローカルバスと、を含み、前記画像処理部に前記感光体ドラムへ画像を書き込むタイミングを調整するためのタイミング調整量を記憶するメモリを設けた画像形成装置に備わるコンピュータを、
検査用の画像データを記憶部に展開し、当該展開した検査用の画像データに対して前記画像処理回路により画像処理を施し、前記検査用の画像データに基づく検査データを生成し、前記生成した検査データを前記メモリに記憶し、前記ローカルバスを介して前記記憶部より前記検査データを取得する制御手段、
として機能させる制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−9913(P2012−9913A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141244(P2010−141244)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】