説明

画像形成装置、印刷設定装置、印刷設定方法

【課題】1つのドキュメント内で印刷設定を異ならせることができる技術を提供する。
【解決手段】実施形態の画像形成装置は、表示部と、入力部と、制御部と、印刷部とを有する。表示部は、シートを模した複数の第1画像と、印刷対象の画像である複数の第2画像とを表示する。入力部は、表示部の表示領域のうち、ユーザが指定した位置の情報を取得する。制御部は、入力部で取得される位置情報に基づき、複数の第2画像のうちの1つまたは複数が選択されることを検知し、複数の第1画像のうちの1つの第1画像の上に、選択された第2画像がリリースされるとき、リリースされる第2画像が同じグループとなるように設定し、グループごとに、印刷設定を行う。印刷部は、制御部による印刷設定に従い、シートに第2画像を印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、印刷を行うときに実施される画像形成装置の設定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに印刷後の状態を確認させるため、印刷プレビュー画面を表示し、また片面/両面印刷等の各種設定を行うための画面を表示するドライバプログラムや画像形成装置がある。このようなドライバプログラムや画像形成装置は、シートの向きや片面/両面印刷、Nin1等の設定を行うことができる。Nin1設定とは、1枚のシートの一方の面内に、印刷対象画像をいくつ配置して印刷するかを設定するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来では、印刷対象のジョブやドキュメントに対して上記各印刷設定を行う場合、印刷ジョブやドキュメント内の全てのページに同じ設定が反映される。例えば片面/両面印刷の設定の場合、出力されるドキュメントの全シートが片面、もしくは全シートが両面で印刷される。Nin1の設定も同様に、全てのシートに同じNin1の設定が反映される。
【0004】
実施形態は上述した問題点を解決するためになされたものであり、1つのドキュメント内で印刷設定を異ならせることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の画像形成装置は、表示部と、入力部と、制御部と、印刷部とを有する。表示部は、シートを模した複数の第1画像と、印刷対象の画像である複数の第2画像とを表示する。入力部は、表示部の表示領域のうち、ユーザが指定した位置の情報を取得する。制御部は、入力部で取得される位置情報に基づき、複数の第2画像のうちの1つまたは複数が選択されることを検知し、複数の第1画像のうちの1つの第1画像の上に、選択された第2画像がリリースされるとき、リリースされる第2画像が同じグループとなるように設定し、グループごとに、印刷設定を行う。印刷部は、制御部による印刷設定に従い、シートに第2画像を印刷する。
【0006】
また実施形態の画像形成装置は、表示部と、入力部と、制御部と、印刷部とを有する。表示部は、シートを模した複数の第1画像と、第1画像上に配置された、印刷対象の画像である複数の第2画像と、マーキング画像である少なくとも1つの第3画像とを表示する。入力部は、表示部の表示領域のうち、ユーザが指定した位置の情報を取得する。制御部は、入力部で取得される位置情報に基づき、第3画像が選択されることを検知し、複数の第1画像のうちの1つの第1画像の上に、選択された第3画像がリリースされるとき、リリースされた第1画像上に配置される第2画像が、同じグループに属するようにグループを設定し、グループごとに、印刷設定を行う。印刷部は、制御部による印刷設定に従い、シートに第2画像を印刷する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】画像形成装置のブロック図である。
【図3】画像形成装置全体の動作例を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態のインターフェイス部での表示例を示す図である。
【図5】第1実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図6】図6Aは、印刷対象オブジェクトA〜Cを選択するときの操作例を示す図であり、図6Bは、印刷対象オブジェクトA〜Cが選択された後の状態を例示する図である。
【図7】図7Aは、印刷対象オブジェクトA〜Cをシートオブジェクト上に配置するときの操作例を示す図であり、図7Bは、シートオブジェクト上に印刷対象オブジェクトA〜Cが配置された状態、および、印刷対象オブジェクトD〜Fを選択するときの操作例を示す図である。
【図8】図8Aは、印刷対象オブジェクトD〜Fが選択された後の状態を例示する図であり、図8Bは、印刷対象オブジェクトD〜Fをシートオブジェクト上に配置するときの操作例を示す図である。
【図9】図9Aは、一方のシートオブジェクト上に印刷対象オブジェクトA〜Cが配置され、他方のシートオブジェクト上に印刷対象オブジェクトD〜Fが配置された状態を例示する図であり、グループ1、2にグループ分けされた状態を例示する図であり、図9Bは、印刷対象オブジェクトDが2つのグループに属する場合の表示例を示す図である。
【図10】図10Aは、グループ設定ダイアログの表示例を示す図であり、図10Bは、グループ1に2in1の設定を行うときの操作例を示し、グループ1が2in1の設定になったときの状態を例示する図である。
【図11】グループ1を片面印刷の設定にするときの操作例を示し、グループ1が片面印刷の設定になったときの状態を例示する図である。
【図12】PC、タブレットPCを印刷設定装置とした構成例を示す図である。
【図13】第2実施形態のインターフェイス部での表示例を示す図である。
【図14】第2実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図15】図15Aは、付箋オブジェクトをシートオブジェクトに配置するときの操作例を示す図であり、図15Bは、付箋オブジェクトを別のシートオブジェクトに移動させるときの操作例を示す図である。
【図16】付箋オブジェクトをシートオブジェクトから削除するときの操作例を示す図である。
【図17】グループ設定ダイアログを用いて、グループ1に2in1の設定を行うときの操作例を示す図であり、グループ1が2in1の設定になったときの状態を例示する図である。
【図18】図18Aは、複数の付箋オブジェクトを配置したときの状態を例示する図であり、図18Bは、付箋オブジェクト上に、当該付箋オブジェクトが配置されたシートオブジェクトの番号を表示する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の各実施形態では、1つのドキュメント内で、印刷対象画像をグループ分けし、グループに対し、片面/両面印刷の設定やNin1の印刷設定を行う。以下の各実施形態を適用することで、例えばドキュメントの前半部を1in1や片面印刷とし、後半部を2in1や両面印刷にすることが可能となる。
【0009】
また以下の実施形態では、ユーザの使い勝手を向上させるユーザインターフェイスを提供する。
【0010】
尚、各実施形態では、1つの印刷対象画像(第2画像)は、原稿1ページ分をスキャンした画像データや、ドキュメント内の1ページ分の画像データであるとする。
【0011】
(第1実施形態)
図面を参照しつつ第1実施形態の態様について説明する。
図1に、第1実施形態の画像形成装置のハードウェア構成の模式図を示す。画像形成装置100は、外部情報入力部10、シート格納部20、印刷部30、インターフェイス部40(入力部、出力部)、制御ボード50(制御部)、後処理装置60、読み取り部70を有する。
【0012】
外部情報入力部10は、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称す)などの外部装置で作成される印刷データを受信するユニットであり、ネットワークインターフェイスカードを含む構成である。また外部情報入力部10は、電話回線やIP通信回線と接続するFAXボードを含み、電話網やIP通信網を介して外部とFAX送受信を行う。さらに外部情報入力部10は、USB(Universal Serial Bus)規格で外部機器(例えばPCやUSBメモリ)との接続が可能であり、外部機器から、印刷用データやFAX送信用データを取得する。外部情報入力部10で受信されるデータは、印刷や送信処理が完了するまで一時的に記憶装置51(後述)に記憶される。
【0013】
シート格納部20は、シートを枠体に格納し、画像形成装置100の本体部にシートを搬送するユニットである。シート格納部20は、シートをピックアップし、本体部に搬送するピックアップローラや、シートを格納するカセットを含む構成である。尚、第1実施形態では、シートは紙であるものとして説明するが、態様は限定されず、プラスチック、布、金属等、様々な素材が用いられる。
【0014】
印刷部30は、シート格納部20から搬送されるシートに、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色の像を形成するユニットである。印刷部30は、外部情報入力部10から入力される印刷対象データや読み取り部70で読み取られた画像データを、搬送されるシートに印刷する。印刷部30は、感光体ドラムや帯電ローラ等によって構成されるプロセスユニットを、色ごとに含む構成である。
【0015】
インターフェイス部40は、ユーザに画像形成装置100の状態やジョブの進捗状況を表示し、またユーザからの指示や印刷設定を取得するコントロールパネルである。インターフェイス部40は、表示部として液晶パネルが用いられ、また入力部として、表示部の表示領域のうち、ユーザが指先等でタッチした位置(指定した位置)の情報を取得するタッチセンサが用いられる。
【0016】
制御ボード50は、画像形成装置100内の各ハードウェアを統括制御するボードである。制御ボード50の詳細構成については後述する。
【0017】
後処理装置60は、ユーザの設定に基づき、像が形成されたシートの束に対して、ステイプルで束ねる処理(ステイプル処理)や、複数シートに対し同じ位置にホールを設ける処理(ホールパンチ処理)を実行する装置である。後処理装置60は、少なくともステイプル装置、パンチャー装置を含む構成である。
【0018】
読み取り部70は、透過トレイ上に配置される原稿シートに描かれている像をスキャンし、シート媒体の像を電子データにするユニットである。読み取り部70は、印刷対象の原稿シートを搭載する透過トレイ、発光装置やCCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)を少なくとも含む構成である。また読み取り部70は、図1に示すように自動給紙装置71を含む構成であってもよい。
【0019】
ここで図2を参照しつつ、制御ボード50の構成について説明する。制御ボード50は、記憶装置51、プロセッサ52、演算I/O部53を含む構成である。記憶装置51は各種データやプログラムを記憶する装置であり、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、VRAM(Video RAM)、ハードディスクドライブ等から構成される。プロセッサ52は、記憶装置51に記憶されているプログラムを演算実行することで、画像形成装置100内の各ハードウェアを制御する演算処理装置である。プロセッサ52は、たとえばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)である。
【0020】
演算I/O部53は、画像形成装置100内の各ハードウェア間のデータ通信を制御するデータバスであり、プロセッサ52からの制御信号やデータは、演算I/O部53を経由して各ハードウェアに送信される。
【0021】
図3は、画像形成装置100の動作例を示すフローチャートである。ここで、図3を参照しつつ画像形成装置100の印刷動作を説明する。
【0022】
読み取り部70は、原稿シートをスキャンし、電子の画像データに変換する(ACT1)。取得される画像データは、プロセッサ52の制御により演算I/O部53を経由して記憶装置51に記憶される。
【0023】
次にインターフェイス部40は、ユーザから印刷設定の情報を受け付ける(ACT2)。印刷設定の情報としては、印刷部数、モノクロ/カラーの選択、ステイプルやホールパンチの指定、片面/両面印刷設定、Nin1の設定等がある。このACT2の動作例については後に詳説する。
【0024】
ACT1、ACT2の順序は、これに限らず、印刷設定が行われてから画像データの読み込みが行われてもよい。また外部装置から印刷ジョブ情報を取得する場合は、外部装置に事前に導入されているプリンタドライバプログラムを用いて印刷設定が行われてから(ACT2)、外部情報入力部10が印刷対象の画像データを含んだ印刷ジョブ情報を取得する(ACT1)。
【0025】
ユーザから印刷設定の情報を取得し、印刷実行指示を受けた後、シート格納部20は、格納しているシートを画像形成装置100の本体部まで供給する(ACT3)。印刷部30は、供給されるシート上にACT1で読み込まれた画像データを形成する(ACT4)。印刷部30は、ACT2でユーザから指定され、制御ボード50で設定された各印刷設定の情報に従い、シートに像を形成する。印刷ジョブの情報には、印刷対象となる画像データ、および印刷設定情報が含まれ、印刷の際には印刷ジョブの単位で管理され、印刷キュー(記憶装置51)に蓄積される。
【0026】
当該印刷ジョブにステイプルやホールパンチの設定がある場合、後処理装置60は、印刷されたシート束に対してステイプルやホールパンチの後処理を行う(ACT5)。その後、印刷後のシートが所定のトレイに排出される(ACT6)。
【0027】
次に、ACT2の詳細動作について説明する。図4はインターフェイス部40によって表示される印刷設定画面の一例である。図4に示すように、インターフェイス部40は、プレビュー表示領域R1(以下、領域R1と記す)、印刷対象画像表示領域R2(以下、領域R2と記す)、グループ表示領域R3(以下、領域R3と記す)を有する。
【0028】
第1実施形態では、インターフェイス部40で表示される画像データや、当該画像データの属性データは、1つのデータ構造体内に含まれている。属性データは、例えば、画像データの表示サイズ、グループの所属情報、いずれの領域(領域R1〜R3やこれら以外の領域)に配置されているかの情報や、表示位置を示す座標情報である。
【0029】
以下の説明では、上記データ構造体や各図面に示されている画像データをオブジェクトと称する。オブジェクトは、記憶装置51に記憶され、データの生成、削除、更新は、オブジェクトを単位として実行される。
【0030】
領域R1は、ACT1で取得される各印刷対象画像がどのように印刷されるかを表示し、またユーザに画像データのレイアウトを設定させるための領域である。図4の例では、シートを模したオブジェクトであるOBJ_S1、OBJ_S2(第1画像)が、領域R1内に表示されている。以降、このシートを模したオブジェクトを、シートオブジェクトと称す。シートオブジェクトには、連番となる番号が付与されており、各シートオブジェクトの下部にこの番号が表示される。
【0031】
また、ユーザが領域R1内のシートオブジェクトをタッチして軽く横にスライドさせる操作(いわゆるフリック操作)により、現在表示されているシートオブジェクトよりも前のシートオブジェクト(番号の小さいシートオブジェクト)や、後ろのシートオブジェクト(番号の大きいシートオブジェクト)が順次表示される。図4の例では、番号が1、2であるシートオブジェクトが現在表示されているが、指先を左方向にスライドさせることで、番号3、4のシートオブジェクトが表示される。このように順次左方向にスライドさせると、番号の大きいシートオブジェクトが順次表示される。逆に、番号3、4のシートオブジェクトが表示されている状態で指先を右方向にスライドさせることで、番号1、2のシートオブジェクトが表示される。尚、ページめくりの過程状態の画像データや動画データを事前に記憶装置51に記憶させることで、指先が横方向にスライドする際、プロセッサ52の制御により、インターフェイス部40はあたかもシートをめくっているような表示を行うことも可能となる。
【0032】
領域R2には、ACT1で取得される印刷対象画像を縮小した読み込み画像が、読み込み順やページ順で一覧表示される。図4の例では、ACT1で取得される印刷対象画像のオブジェクトであるOBJ_A〜OBJ_F(第2画像)が領域R2内に一覧表示されている。以降、このオブジェクトを、印刷対象オブジェクトと称す。読み込み画像の数が多く、全ての印刷対象オブジェクトが領域R2内に表示されない場合、ユーザが領域R2内を指先でタッチし、横方向に軽くスライドさせることで、前後の印刷対象オブジェクトが表示される。
【0033】
また第1実施形態では、印刷対象オブジェクトのうち、任意の印刷対象オブジェクトがタッチされ(以下、このユーザの操作を必要に応じて「選択」と称する)、当該印刷対象オブジェクトが領域R1のシートオブジェクト上まで運ばれタッチパネル上から指先が離れるとき、シートオブジェクト上に、選択された印刷対象オブジェクトが描かれる(図7A、図7Bも参照)。以下、このように、1つまたは複数の画像が選択された状態で、他の1つまたは複数の画像上で何らかの操作が行われることを、「リリース」と称す。以下の説明では、この操作を主に指先が離れるアクションとするが、タッチ操作等、ハードウェアが検知可能な操作であればよい。尚、本例において、この表示制御は、プロセッサ52がインターフェイス部40のタッチセンサで検知される座標(位置情報)を取得し、この座標が、印刷対象オブジェクトの領域内からシートオブジェクトの領域内に移動するのを検知することで行われる。印刷対象オブジェクトを複数選択することも可能である(後述)。上記操作により選択され、シートオブジェクトにリリースされた印刷対象オブジェクトは、元の印刷対象オブジェクトと関連付けられた新規オブジェクトとして生成される。また新規オブジェクトには、属性データとしてシートオブジェクトの識別情報(番号や名前)が付与される。
【0034】
第1実施形態では、選択された印刷対象オブジェクトがシートオブジェクト上にリリースされたときに、当該オブジェクトをグループに所属させる。領域R3は、領域R2に表示されている印刷対象オブジェクトがいずれのグループに属しているかを表示する領域である。領域R3には、領域R2に表示された各印刷対象オブジェクトの直下に、所属しているグループ名が表示される(図7B等も参照)。
【0035】
また、Nin1等の印刷設定はグループ単位で行われる。例えば、任意のグループを4in1の設定とし、他のグループを2in1の設定とすることが可能である。また、任意のグループを両面印刷、他のグループを片面印刷とする設定も可能である。
【0036】
印刷対象オブジェクトがシートオブジェクト上にリリースされるときに、プロセッサ52は、グループに関する情報(以下、グループ情報)を新規に生成し、記憶装置51に記憶させる。グループ情報は、グループの識別情報(例えば「Group1」等のグループ名)と、Nin1等の印刷設定項目と、その値(初期の場合はデフォルト値)とを少なくとも含み、これらが対応付いて記憶装置51に記憶される。またグループ情報には、シートオブジェクトの識別情報や印刷対象オブジェクトの識別情報が含まれている。これにより、グループとシートオブジェクト、印刷対象オブジェクトとが対応付けられ、グループに対して行われる印刷設定が、表示上のレイアウトや、印刷出力にも反映される。各オブジェクトの対応付けはこの実装に限られず、様々な態様が可能である。
【0037】
プリント実行ボタンB1は、印刷設定が完了した場合に押下されるボタン、もしくはボタンを模した画像である。プリント実行ボタンB1が押された場合、プロセッサ52は、各印刷設定を確定させ、シートオブジェクト上に配置されている画像のレイアウトや、片面印刷、両面印刷等の各種設定値を印刷ジョブ情報に書き込む。印刷部30は、この確定した印刷ジョブ情報に含まれる画像データや印刷設定情報に従い、シートオブジェクトの順番(または逆順番)で印刷を実行する。
【0038】
図4に示されるシートオブジェクトや印刷対象オブジェクト等の画像データ、および各オブジェクトの初期状態での位置情報や現在の位置情報は、記憶装置51に記憶される。またインターフェイス部40上の表示は、プロセッサ52が所定の描画プログラムや表示制御プログラムを演算実行することで制御される。
【0039】
図5に、ACT2での詳細動作のフローチャートを示し、図6A〜図11に、インターフェイス部40での表示例およびユーザの操作例を示す。これら各図を参照しつつ、ACT2での詳細動作を説明する。
【0040】
プロセッサ52は、インターフェイス部40のタッチセンサが感知した位置(表示画面上でユーザがタッチした位置)を検出する(ACT11)。これは、ユーザがタッチした座標情報を、プロセッサ52がインターフェイス部40から取得することで行われる。
プロセッサ52は、タッチ位置がプリント実行ボタンB1内であるかを判定する(ACT12)。プリント実行ボタンB1内である場合(ACT12、Yes)、プロセッサ52は、ユーザが設定した情報を確定させ、印刷ジョブ情報内に確定した印刷設定情報を書き込む。設定処理はここで終了し、印刷ジョブ情報に基づき図3のACT3以降の処理が行われる。一方、タッチ位置がプリント実行ボタンB1の領域でない場合(ACT12、No)、処理はACT13に進む。
【0041】
次にプロセッサ52は、ACT11でのタッチ位置が、選択フラグが有効となっている印刷対象オブジェクトの領域内であるかを判定する(ACT13)。選択フラグとは、印刷対象オブジェクトごとに設定されている属性データの1つであり、初期段階では無効となっている。選択フラグの設定については後述する。
【0042】
タッチ位置が、選択フラグが有効となっている印刷対象オブジェクト内でない場合(ACT13、No)、プロセッサ52は、ACT11のタッチ位置が領域R1内のシートオブジェクト上に配置された印刷対象オブジェクト内であるかを判定する(ACT14)。
タッチ位置がシートオブジェクト上に配置された印刷対象オブジェクト内でない場合(ACT14、No)、プロセッサ52は、ACT11でのタッチ位置から現在の指先の位置まで、矩形を描画する(ACT15)。またこのとき、プロセッサ52は、選択フラグが有効な印刷対象オブジェクトがある場合、その選択フラグを無効にする。
次にプロセッサ52は、リリース位置を検出する(ACT16)。リリース位置は、指先が離れた座標情報であり、プロセッサ52は、指先が離れたことをインターフェイス部40のタッチパネルが検知した場合、その座標情報を取得する。
【0043】
プロセッサ52は、ACT11でのタッチ位置からACT16でのリリース位置までの矩形領域内に含まれる印刷対象オブジェクトを特定し、これら印刷対象オブジェクトの選択フラグを有効にする(ACT17)。その後、処理はACT11に戻る。
【0044】
上記ACT11〜ACT17でのユーザ操作やインターフェイス部40の表示遷移を図6A、図6Bに示す。図6A、図6Bは、複数の印刷対象オブジェクトを選択するときの操作例であり、OBJ_A、B、Cを選択する場合の例である。ユーザは、複数の印刷対象オブジェクトを選択する場合、図6Aに示すように複数オブジェクトが含まれるように矩形領域(図6Aの一点鎖線の領域)を指定する。指先が離れた場合、プロセッサ52は、矩形領域内に含まれる印刷対象オブジェクトの選択フラグを有効にするとともに、図6Bに示すように、選択フラグが有効となった印刷対象オブジェクトを網掛け表示にする。
【0045】
図5のフローチャートの説明に戻る。ACT13で、選択フラグが有効となっている印刷対象オブジェクトがタッチされる場合(ACT13、Yes)、次にプロセッサ52は、リリース位置を検出し(ACT18)、リリース位置が領域R1のシートオブジェクト内であるかを判定する(ACT19)。シートオブジェクト内で無い場合(ACT19、No)、処理はACT11に戻る。
【0046】
リリース位置がシートオブジェクト内である場合(ACT19、Yes)、プロセッサ52は、ACT20として以下の動作を行い、その後、処理はACT11に戻る。
【0047】
(ACT20−1)プロセッサ52は、選択フラグが有効になっている印刷対象オブジェクトが1つのグループとなるようにグループ情報を設定する。
【0048】
(ACT20−2)プロセッサ52は、選択フラグが有効になっている印刷対象オブジェクトの数を取得し、その数に応じたNin1の印刷設定にする。この設定は、グループ情報に対して行われる。例えば選択フラグが有効になっている印刷対象オブジェクトが2つの場合は、プロセッサ52は、1枚のシートの一方面に2つの印刷対象オブジェクトを印刷する2in1の設定となるようにする。選択フラグが有効になっている印刷対象オブジェクトが3つないしは4つである場合、プロセッサ52は、1枚のシートの一方面に4つの印刷対象オブジェクトを印刷することができる4in1の設定となるようにする。尚、印刷対象オブジェクトが1つのみである場合は、1枚のシートの一方面に1つの印刷対象オブジェクトを印刷する1in1の設定となる。
【0049】
(ACT20−3)プロセッサ52は、選択フラグが有効になっている印刷対象オブジェクトが、リリースされたシートオブジェクト内に均等サイズで表示されるように、インターフェイス部40を制御する。この表示の際、印刷対象オブジェクトはNin1のレイアウトとなるように表示される。
【0050】
ACT11からACT20に至るまでの操作例や表示例を図7A、図7Bに示す。選択フラグが有効である印刷対象オブジェクトがタッチされると、プロセッサ52の制御に基づき、図7Aに示すように、指先の動きに連動して印刷対象オブジェクトが動くようになる。図7Aは、OBJ_A〜Cの3つの印刷対象オブジェクトが選択された状態であり、OBJ_A〜Cが指先に連動して動いている状態を示している。
【0051】
この状態で、領域R1内のシートオブジェクト上にリリースされると、図7Bに示すように、選択された印刷対象オブジェクトがシートオブジェクト内に表示され、且つ、選択された印刷対象オブジェクトの数に応じたNin1の表示となる。また、シートオブジェクト上に印刷対象オブジェクトがリリースされた場合、印刷対象オブジェクトは同じグループに属することとなる。図7Bは、OBJ_A〜CがシートオブジェクトOBJ_S1上に均等サイズで表示された例であり、OBJ_A〜Cがグループ1に属するときの表示例である。OBJ_A〜Cそれぞれの下部の領域(領域R3)には、所属グループ名である「Group1」の文字列が表示される。
【0052】
引き続き、OBJ_D〜Fが選択されてシートオブジェクトOBJ_S2にリリースされる例を図7Bから図9Aに示す。図7B、図8Aは、ACT11からACT17に至るまでの操作例や表示例を示しており、図8B、図9Aは、ACT11からACT20に至るまでの操作例や表示例を示している。内容は上記と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略するが、OBJ_D〜Fがシートオブジェクト(本例ではOBJ_S2)にリリースされる段階で、これらの印刷対象オブジェクトOBJ_D〜Fはグループ2の所属となる(図9A参照)。グループの番号は連番となるように設定される。
【0053】
1つの印刷対象オブジェクトが複数のグループに属するように設定されてもよい。図9Bは、OBJ_Dがグループ1、グループ2の2つのグループに属する場合の例である。OBJ_A〜Dが選択されてOBJ_S1上にリリースされ、その後、OBJ_D〜Fが選択されてOBJ_S2上にリリースされる場合、図9Bに示すように、OBJ_Dがグループ1、グループ2の2つのグループに属することとなる。この場合、領域3内のOBJ_Dの直下には、グループ1、グループ2の2つのグループ名が表示される。
【0054】
図5のフローチャートのACT14の説明に戻る。ACT14において、ACT11でのタッチ位置が領域R1内の印刷対象オブジェクト、すなわち、シートオブジェクト上に配置された印刷対象オブジェクトである場合(ACT14、Yes)、プロセッサ52は、インターフェイス部40に対しグループ設定ダイアログを表示するように制御する(ACT21)。このときの表示例を図10Aに示す。図10Aは、ACT11でのタッチ位置がシートオブジェクトOBJ_S1内の印刷対象オブジェクトOBJ_Cである場合を示している。シートオブジェクトに配置された印刷対象オブジェクトがタッチされた場合、グループ設定ダイアログD1が表示される。グループ設定ダイアログD1には、Nin1の設定ボタン、片面/両面印刷の設定ボタン、およびタッチされた印刷対象オブジェクトをグループから削除させるためのボタンが表示される。
【0055】
ユーザは、グループ設定ダイアログD1に表示されている各ボタンを押下することで、各設定を行うことができる。また、印刷設定に関するボタンのいずれかがユーザによって押される場合、プロセッサ52は、印刷対象オブジェクトの所属グループが保有するグループ情報に対して、Nin1設定、片面/両面印刷の設定を反映させ、その結果を領域R1上に描画する(ACT22)。
【0056】
ACT22でのインターフェイス部40の表示例を図10B、図11に示す。図10B、図11は、それぞれ図10Aに示す設定状態(4in1、両面印刷)からの操作および設定後の表示状態を示している。また図10B、図11には、参考として次のシート(OBJ_S3、S4)も示されている。
【0057】
図10Bは、現状の4in1の設定を2in1の設定にするときの操作、および設定後の表示状態を示している。設定の変更は、タッチされたOBJ_Cの属するグループ1全体に反映されるが、他のグループであるグループ2には反映されず、4in1のままとなる(図10BのOBJ_S3、S4参照)。
【0058】
図11は、図10Aの状態から、グループ1を両面印刷から片面印刷の設定にするときの操作、および設定後の表示状態を示している。両面印刷の設定から片面印刷の設定となる場合、プロセッサ52は、偶数番号で示されたシートオブジェクトをシート表面とし、奇数番号で示されたシートオブジェクトをシート裏面として制御する。よって、片面印刷の場合、プロセッサ52は、グループ1に属する各印刷対象オブジェクトを偶数番号で示されたシートオブジェクト上に配置し、裏面に相当する奇数番号で示されたシートオブジェクト上には、いずれの印刷対象オブジェクトも配置しないように制御する。図11の例の場合、OBJ_S1が奇数番号であるため、図10AではOBJ_S1に配置されていたOBJ_A〜Cは、OBJ_S2上に移動する。OBJ_S2の裏面はOBJ_S3となるため、OBJ_S3は空白となる。グループ2に属するOBJ_D〜Fは、OBJ_S4から開始となる。本例では、グループ1以外は両面印刷の設定のままであるため、OBJ_S4以降は奇数番号、偶数番号の両方のシートオブジェクトに印刷対象オブジェクトが配置される。
【0059】
上記説明では、画像形成装置100内のインターフェイス部40、および制御ボード50を含んだ構成を印刷設定装置として説明したが、図12に示すように、画像形成装置100とLAN(Local Area Network)400を介して接続されているPC200を印刷設定装置として適用させることもできる。すなわち、PC200のCPU204、メモリ205、および表示部であるモニター201、入力部であるキーボード202やマウス203を用いて、上記説明と同じ動作を実現できる。実装例としては、上記表示制御や操作制御がプログラムされたプリンタドライバを事前にメモリ205にインストールしておき、印刷を行う際に、CPU204がプリンタドライバを演算実行することで、印刷設定装置の構成となる。PC200で上記選択操作やリリース操作を行う場合は、マウス203のクリック操作やドラッグ、ドロップ操作が適用される。
【0060】
またCPU、メモリ、タッチパネル形式のディスプレイを有するタブレットPC300にも適用可能であり、スマートフォンやPDA(Personal Data Assistance)にも適用可能である。尚、LAN400は有線、無線のいずれでも構わない。
【0061】
上記説明では、特に、1つのドキュメント内を2つのグループに分けることについて説明したが、印刷対象オブジェクトの選択およびシートオブジェクトへのリリースを複数回繰り返すことで、3つ以上のグループを構成させることができる。
【0062】
上記説明では、矩形領域を描画し、当該矩形領域に複数の印刷対象オブジェクトを含ませることで、複数の印刷対象オブジェクトを選択する方法を説明したが、別の選択方法として、領域R2内の例えばOBJ_Aにタッチして離すことで選択する実装でもよい(OBJ_Aは網掛け表示となる)。この操作をOBJ_BやOBJ_C等の他のオブジェクトに対しても行い(OBJ_B、Cも網掛け表示となる)、シートオブジェクトにリリースすることで、1つのグループとなる。この方法の場合、例えばOBJ_Cを外してOBJ_A、B、Dを同じシートオブジェクトにリリースし、1つのグループにしたい場合に有効となる。選択された状態の印刷対象オブジェクトは、再度タッチされることで選択が解除される。
【0063】
また上記説明では、一旦グループに所属させた印刷対象オブジェクトを、グループから削除する場合、グループ設定ダイアログD1を用いて削除しているが、他の例として、シートオブジェクト内の印刷対象オブジェクトを選択し、領域R1から外すことで、所属グループから削除する実装も可能である。このとき、プロセッサ52は、削除されたオブジェクトを管理から外し、いずれかのタイミングでリソースを解放する。
【0064】
また一旦グループに所属させた印刷対象オブジェクトを、他のグループに変更する場合、当該印刷対象オブジェクトをタッチし、他のシートオブジェクトにリリースすることで、グループを変更することも可能である。
【0065】
(第2実施形態)
第2実施形態では、付箋を模したオブジェクトを用いて、ドキュメント内のグループ分けを行う実装について説明する。尚、ハードウェア構成や画像形成装置の全体動作等、以下に説明する事項以外の構成や動作については、第1実施形態と同様であるため、説明を割愛する(図1〜図3、図12を参照)。
【0066】
第2実施形態のインターフェイス部40の表示例を図13に示す。第2実施形態では、第1実施形態で説明したシートオブジェクト、印刷対象オブジェクト、プリント実行ボタンB1以外に、付箋を模したオブジェクト(図13の例ではOBJ_LABEL1(第3画像))がインターフェイス部40に表示される。領域R1〜R3については第1実施形態と同様である。以下、付箋を模したオブジェクトを付箋オブジェクトと称す。第2実施形態では、この付箋オブジェクトを用いて印刷対象オブジェクトのグループ分けを行う。
図14に、第2実施形態の印刷設定動作のフローチャートを示し、図15Aから図17にインターフェイス部40の操作例および画面遷移例を示す。また以降の説明では、第1実施形態で説明した方法で、シートオブジェクト上に印刷対象オブジェクトが既に配置されているものとして説明する。
【0067】
図14のフローチャートにおいて、ACT31、ACT32は第1実施形態と同様である。すなわち、プロセッサ52は、インターフェイス部40のタッチセンサが感知した位置を検出し(ACT31)、タッチ位置がプリント実行ボタンB1の表示領域かを判定する(ACT32)。タッチ位置がプリント実行ボタンB1の領域内である場合(ACT32、Yes)、プロセッサ52は、ユーザが設定した情報を確定させ、印刷ジョブ情報内に確定した印刷設定情報を書き込む。以降、処理は図3のACT3に進む。一方、タッチ位置がプリント実行ボタンB1の領域内でない場合(ACT32、No)、処理はACT33に進む。
【0068】
プロセッサ52は、ACT31でのタッチ位置が付箋オブジェクトの領域内であるかを判定する(ACT33)。付箋オブジェクトの領域内である場合(ACT33、Yes)、プロセッサ52は、ACT31でのタッチ位置が領域R1内かを判定する(ACT34)。尚、ACT34では、プロセッサ52は、タッチされた付箋オブジェクトがシートオブジェクト上に配置されたオブジェクト(後述)であるか否かを判定している。
【0069】
領域R1内で無い場合(ACT34、No)、プロセッサ52は、第1実施形態と同様動作でリリース位置を検出し(ACT39)、リリース位置が領域R1内のシートオブジェクト上であるかを判定する(ACT40)。シートオブジェクト上である場合(ACT40、Yes)、リリース位置のシートオブジェクト上へ付箋オブジェクトを配置する(ACT41)。またプロセッサ52は、付箋オブジェクトが配置されたシートでグループが分かれるように、各印刷対象オブジェクトのグループを設定する(ACT42)。ACT42の動作が完了した場合、処理はACT31に戻る。
【0070】
上記ACT31のタッチ位置の検出からACT42のグループの設定に至るまでの操作例、表示例を図15Aに示す。図15Aは、OBJ_LABEL1がシートオブジェクトOBJ_S1に配置される例である。
【0071】
タッチ位置が付箋オブジェクト(図15Aの例ではOBJ_LABEL1)であり、付箋オブジェクトをタッチしている状態が維持される場合、プロセッサ52の制御に基づき付箋オブジェクトは指先の動きに連動して動く。この状態でシートオブジェクト(図15Aの例ではOBJ_S1)上にリリースされると、付箋オブジェクトは、OBJ_S1の上端部に配置される。またプロセッサ52は、付箋オブジェクトが配置されたシートオブジェクト上の印刷対象オブジェクト(図15Aの例ではOBJ_A〜C)を同じグループに属させるように設定する。尚、付箋オブジェクトが付与されたシートオブジェクトよりも前のシートオブジェクト(付箋オブジェクトが付与されたシートオブジェクトよりも番号が小さいシートオブジェクト)がある場合、プロセッサ52は、これらのシートオブジェクト上に配置される印刷対象オブジェクトも含めて、同じグループとなるように設定する。本例において、仮に番号0のシートオブジェクトがあり、その上に印刷対象オブジェクトが配置されている場合、番号0および番号1のシートオブジェクトに配置されている印刷対象オブジェクトは、同じグループ1になる。
【0072】
尚、第2実施形態のグループ情報は、第1実施形態のグループ情報に加え、さらに付箋オブジェクトの識別情報(例えばシーケンスな番号や識別名称)も含まれる。よって、付箋オブジェクト、印刷対象オブジェクト、シートオブジェクトは、このグループ情報によって対応付けられる。
【0073】
またプロセッサ52は、付箋オブジェクトが配置されたシートオブジェクトの次のシート(配置されたシートオブジェクトよりも番号の大きいシートオブジェクト)、および次のシート以降に相当するシートオブジェクトについては、印刷対象オブジェクトがその他のグループに属するように設定する。図15Aの例では、OBJ_LABEL1がOBJ_S1上に配置されていることから、次のシートに対応するOBJ_S2上に配置されているOBJ_D〜Fは、グループ2の所属となる。領域R3には、第1実施形態と同様に所属グループ名が表示される。
【0074】
図14のフローチャートの説明に戻る。ACT31で検出されるタッチ位置が付箋オブジェクトの領域であり(ACT33、Yes)、且つ領域R1である場合(ACT34、Yes)、プロセッサ52は、次にリリース位置を検出する(ACT35)。リリース位置が領域R1内の他のシートオブジェクト上である場合(ACT36、Yes)、プロセッサ52は、タッチ位置からリリースされたシートオブジェクトへ付箋オブジェクトを移動させ、グループの再設定を行う(ACT37)。その後、処理はACT31に戻る。
上記ACT31からACT37に至るまでの操作例、表示例を図15Bに示す。図15Bには、OBJ_S1上に付与されているOBJ_LABEL1をOBJ_S2に移動させる例が示されている。
【0075】
シートオブジェクト上に付与された付箋オブジェクトがタッチされ、他のシートオブジェクトに移動してリリースされる場合、付箋オブジェクトは、プロセッサ52の制御に基づきリリースされたシートオブジェクトの上端部に移動する。またプロセッサ52は、付箋オブジェクトの移動先のシートオブジェクト上に配置されている印刷対象オブジェクト、および、当該シートオブジェクトよりも前のシートオブジェクト上に配置される印刷対象オブジェクトを、同じグループとなるように設定する。図15Bのように、OBJ_LABEL1をOBJ_S1からOBJ_S2に移動させる場合、OBJ_S2、およびOBJ_S2より前のシートオブジェクトに配置されている印刷対象オブジェクト(OBJ_A〜F)が同じグループ1に属するようになる。尚、OBJ_S2の次のシートオブジェクト以降に印刷対象オブジェクトが配置されている場合、これらオブジェクトはその他のグループ(例えばグループ2)に設定される。
【0076】
また、図14のフローチャートのACT36で、リリース位置が領域R1でない場合(ACT36、No)、ACT31でタッチされた付箋オブジェクトを削除し、グループの構成を変更する(ACT38)。その後、処理はACT31に戻る。このときの操作例、表示例を図16に示す。シートオブジェクト上に配置された付箋オブジェクト(OBJ_LABLE1)がタッチされ、領域R1の外部にリリースされる場合、当該付箋オブジェクトの表示が削除される。また図16の例において、プロセッサ52は、当該付箋オブジェクトに基づき設定されていたグループ情報も、記憶装置51から削除する。図15Aでは、領域R3内にグループ名が表示されていたが、図16では、領域R3内の表示も削除されている。
【0077】
図14のフローチャートの説明に戻る。ACT31でのタッチ位置が付箋オブジェクトの領域で無い場合(ACT33、No)、プロセッサ52は、タッチ位置が領域R1内の印刷対象オブジェクトであるかを判定する(ACT43)。タッチ位置が領域R1内の印刷対象オブジェクトである場合(ACT43、Yes)、プロセッサ52は、インターフェイス部40上にグループ設定ダイアログD1が表示されるように制御する(ACT44)。ユーザにより、グループ設定ダイアログD1を用いた設定操作が行われた後、プロセッサ52は、タッチされた印刷対象オブジェクトが属するグループに対し、印刷設定を反映させ、描画するように制御する(ACT45)。ACT44、ACT45は第1実施形態のACT21、ACT22と同様の動作となる。
【0078】
図17は、図15Aに示す状態でOBJ_S1上のOBJ_Cがタッチされたときの操作例を示している。また図17には、グループ設定ダイアログD1が表示され、4in1の設定から2in1の設定にされた後の表示例も示されている。詳細説明については、第1実施形態と同様であるため割愛するが、OBJ_Cまでがグループ1の所属であり、OBJ_CがOBJ_S1からOBJ_S2上に移動したため、グループの分け目を示す付箋オブジェクトも、OBJ_S1からOBJ_S2に移動する。
【0079】
上記例では、特に、1つの付箋オブジェクトを用い、グループを2つに分ける例について言及したが、複数の付箋オブジェクトを用いて複数のグループに分けることも当然可能である。図18Aを用いて説明する。図18Aは、OBJ_LABEL1、OBJ_LABEL2の2つの付箋オブジェクトがシートオブジェクトに配置されている状態を示しており、2つの付箋オブジェクトにより、グループ1〜3の3つのグループが形成されている例を示している。またグループ1は4in1の設定であり、グループ2は1in1の設定、グループ3は2in1の設定となっている。この状態から、さらにOBJ_LABEL3が配置されると、4つのグループが形成される。また図18Aに示すように、付箋オブジェクトの上端部分の色をそれぞれ異ならせてもよい。このように、1つのドキュメント内を複数のグループに分け、グループごとに印刷設定を行うことも可能となる。
【0080】
また付箋オブジェクトは、その上端部分がシートオブジェクトの上端から突出するように配置されるが、図18Bに示すように、この突出領域にシートオブジェクトの番号を表示する実装でもよい。この突出領域が押下されることで、そのシートオブジェクトまでジャンプし、ジャンプ先のシートオブジェクト(本例では番号5のシートオブジェクト)の配置状態が表示されてもよい。
【0081】
上記説明では、付箋を模した画像を用いているが、態様は限定されず、ユーザにより識別可能なマークが描かれた画像や識別可能な形状をした画像(マーキング画像)であれば、どのような画像であってもよい。
【0082】
上記第1実施形態、第2実施形態では、特に、Nin1の設定や片面印刷/両面印刷の印刷設定を、ドキュメント全体ではなくグループごとに行うことについて説明した(尚、ドキュメント全体であってもよい)。印刷設定は、これら以外にも、シートの縦置き、横置きの設定、印刷後のシート排出先の設定、印刷画質の設定、カラー/モノクロの設定、ウォーターマークの有無の設定、部数、ステイプルやホールパンチの設定、ページ開きの方向の設定等、さまざまな印刷設定をグループごとに反映させ、印刷処理を実行してもよい。またシート格納部20が複数ある場合は、グループごとに、シートの供給元となるユニットを選択させてもよい。
【0083】
以上に詳述したように、この明細書に記載の技術によれば、1つのドキュメント内で印刷設定を異ならせることができる。
【0084】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0085】
10 外部情報入力部、20 シート格納部、30 印刷部、40 インターフェイス部、50 制御ボード、60 後処理装置、70 読み取り部、100 画像形成装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを模した複数の第1画像と、印刷対象の画像である複数の第2画像とを表示する表示部と、
前記表示部の表示領域のうち、ユーザが指定した位置の情報を取得する入力部と、
前記入力部で取得される位置情報に基づき、前記複数の第2画像のうちの1つまたは複数が選択されることを検知し、前記複数の第1画像のうちの1つの第1画像の上に、選択された前記第2画像がリリースされるとき、リリースされる前記第2画像が同じグループとなるように設定し、グループごとに、印刷設定を行う制御部と、
前記制御部による印刷設定に従い、シートに前記第2画像を印刷する印刷部と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
シートを模した複数の第1画像と、前記第1画像上に配置された、印刷対象の画像である複数の第2画像と、マーキング画像である少なくとも1つの第3画像とを表示する表示部と、
前記表示部の表示領域のうち、ユーザが指定した位置の情報を取得する入力部と、
前記入力部で取得される位置情報に基づき、第3画像が選択されることを検知し、前記複数の第1画像のうちの1つの第1画像の上に、選択された前記第3画像がリリースされるとき、リリースされた前記第1画像上に配置される第2画像が、同じグループに属するようにグループを設定し、グループごとに、印刷設定を行う制御部と、
前記制御部による印刷設定に従い、シートに前記第2画像を印刷する印刷部と、
を有する画像形成装置。
【請求項3】
シートを模した複数の第1画像と、印刷対象の画像である複数の第2画像とを表示する表示部と、
前記表示部の表示領域のうち、ユーザが指定した位置の情報を取得する入力部と、
前記入力部で取得される位置情報に基づき、前記複数の第2画像のうちの1つまたは複数が選択されることを検知し、前記複数の第1画像のうちの1つの第1画像の上に、選択された前記第2画像がリリースされるとき、リリースされる前記第2画像が同じグループとなるように設定し、グループごとに、印刷設定を行う制御部と、
を有する印刷設定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷設定装置において、
前記表示部は、さらに、前記第1画像上に配置される第2画像のうちの1つが選択される場合、該第2画像の属するグループの印刷設定画面を表示する印刷設定装置。
【請求項5】
シートを模した複数の第1画像と、前記第1画像上に配置された、印刷対象の画像である複数の第2画像と、マーキング画像である少なくとも1つの第3画像とを表示する表示部と、
前記表示部の表示領域のうち、ユーザが指定した位置の情報を取得する入力部と、
前記入力部で取得される位置情報に基づき、第3画像が選択されることを検知し、前記複数の第1画像のうちの1つの第1画像の上に、選択された前記第3画像がリリースされるとき、リリースされた前記第1画像上に配置される第2画像が、同じグループに属するようにグループを設定し、グループごとに、印刷設定を行う制御部と、
を有する印刷設定装置。
【請求項6】
シートを模した複数の第1画像と、印刷対象の画像である複数の第2画像とを表示部に表示し、
前記表示部の表示領域のうち、ユーザが指定した位置の情報を入力部から取得し、
前記入力部で取得される位置情報に基づき、前記複数の第2画像のうちの1つまたは複数が選択されることを検知し、前記複数の第1画像のうちの1つの第1画像の上に、選択された前記第2画像がリリースされるとき、リリースされる前記第2画像が同じグループとなるように設定し、グループごとに、印刷設定を行う、印刷設定方法。
【請求項7】
請求項6に記載の印刷設定方法において、
前記表示部は、さらに、前記第1画像上に配置される第2画像のうちの1つが選択される場合、該第2画像の属するグループの印刷設定画面を表示する印刷設定方法。
【請求項8】
シートを模した複数の第1画像と、前記第1画像上に配置された、印刷対象の画像である複数の第2画像と、マーキング画像である少なくとも1つの第3画像とを表示部に表示し、
前記表示部の表示領域のうち、ユーザが指定した位置の情報を入力部から取得し、
前記入力部で取得される位置情報に基づき、第3画像が選択されることを検知し、前記複数の第1画像のうちの1つの第1画像の上に、選択された前記第3画像がリリースされるとき、リリースされた前記第1画像上に配置される第2画像が、同じグループに属するようにグループを設定し、グループごとに、印刷設定を行う印刷設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−203906(P2012−203906A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−63471(P2012−63471)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】