説明

画像形成装置、情報処理方法、及び情報処理システム

【課題】画像形成装置のアイコンの表現力を向上させること。
【解決手段】画像形成装置であって、前記画像形成装置に関する各種の状態ごとに、当該状態を表現する第一の画像データを記憶した機能画像記憶手段と、当該画像形成装置の状態に適合する前記第一の画像データを前記画像記憶手段より取得し、取得された前記第一画像データを合成して一つの第二の画像データを生成する画像生成手段と、前記第二の画像データをネットワークを介してコンピュータに送信する通信処理手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PC(Personal Computer)等のコンピュータに関して、LAN(Local Area Network)に接続されているネットワーク機器を検索し、検索結果を表示させる機能を有するものがある。検索結果の一覧において、各ネットワーク機器は、それぞれの機器に応じたアイコンで表示される。例えば、プリンタであればプリンタを表現するアイコンで表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術において表示されるアイコンの内容は、当該アイコンに係る機器が有する機能を判別するのには不十分であった。例えば、複合機の場合、印刷、コピー、スキャン、及びFAX等のうち、全ての機能を有しているものもあれば、一部の機能を有していないものもある。従来のアイコンでは、各複合機が備えている機能をユーザが判別するのは困難であった。
【0004】
また、機器にはオプション機能(追加的な機能)が追加されることもある。新たな機種において、新規な機能が実装されることもある。従来では、追加的な機能や新規な機能をアイコンの内容に反映するのが困難であった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、画像形成装置のアイコンの表現力を向上させることのできる画像形成装置、情報処理方法、及び情報処理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで上記課題を解決するため、本発明は、画像形成装置であって、前記画像形成装置に関する各種の状態ごとに、当該状態を表現する第一の画像データを記憶した機能画像記憶手段と、当該画像形成装置の状態に適合する前記第一の画像データを前記画像記憶手段より取得し、取得された前記第一画像データを合成して一つの第二の画像データを生成する画像生成手段と、前記第二の画像データをネットワークを介してコンピュータに送信する通信処理手段とを有する。
【0007】
このような画像形成装置では、画像形成装置のアイコンの表現力を向上させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成装置のアイコンの表現力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第一の実施の形態の情報処理システム構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるユーザ端末のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における画像形成装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【図5】画像形成装置のアイコンの生成及び表示機能に関する画像形成装置及びユーザ端末の機能構成例を示す図である。
【図6】画像形成装置の起動時におけるアイコンの生成処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図7】アイコンパーツ記憶部を構成する機能アイコンパーツテーブルの構成例を示す図である。
【図8】アイコンパーツ記憶部を構成する事象アイコンパーツテーブルの構成例を示す図である。
【図9】本実施の形態の初期アイコンの例を示す図である。
【図10】アイコンパーツの合成例を示す図である。
【図11】画像形成装置の状態の変化に応じて実行される処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図12】状態検知部が実行する処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図13】第二の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
【図14】第二の実施の形態における各装置の機能構成例を示す図である。
【図15】機器監視ウィジェットのウィジェット情報の送信時の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図16】機器監視ウィジェットのウィジェット情報の例を示す図である。
【図17】ユーザ管理テーブルの構成例を示す図である。
【図18】実行可能なウィジェットの一覧の表示処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図19】ユーザ選択画面の表示例を示す図である。
【図20】ウィジェット管理サーバから画像形成装置に送信される機器監視ウィジェットのウィジェット情報の構成例を示す図である。
【図21】ウィジェット選択画面の表示例を示す図である。
【図22】機器監視ウィジェットの実行時の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図23】機器監視ウィジェットのアイコンの表示態様の変化の例を示す図である。
【図24】機器状態表示画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、第一の実施の形態の情報処理システム構成例を示す図である。同図の情報処理システム1において、一以上の画像形成装置10と一以上のユーザPC20とは、LAN(Local Area Network)等のネットワーク40(有線又は無線の別は問わない)を介して通信可能とされている。
【0011】
画像形成装置10は、印刷、スキャン、コピー、及びFAX送受信等の機能を一台の筐体によって実現する複合機である。但し、いずれか一つの機能を単体で有する機器を画像形成装置10として用いてもよい。
【0012】
ユーザ端末20は、画像形成装置10を利用するユーザが操作するPC(Personal Computer)等のコンピュータである。携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance)等、通信機能及び表示機能を有する携帯型の機器がユーザ端末20として用いられてもよい。
【0013】
続いて、各装置のハードウェア構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。図2において、画像形成装置10は、コントローラ11、スキャナ12、プリンタ13、モデム14、操作パネル15、ネットワークインタフェース16、及びSDカードスロット17等のハードウェアを有する。
【0014】
コントローラ11は、CPU111、RAM112、ROM113、HDD114、及びNVRAM115等を有する。ROM113には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記録されている。RAM112は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU111は、RAM112にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD114には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記録される。NVRAM115には、各種の設定情報等が記録される。
【0015】
スキャナ12は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェア(画像読取手段)である。プリンタ13は、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェア(印刷手段)である。モデム14は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。操作パネル15は、ユーザからの入力の受け付けを行うためのボタン等の入力手段や、液晶パネル等の表示手段等を備えたハードウェアである。ネットワークインタフェース16は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)に接続するためのハードウェアである。SDカードスロット17は、SDカード80に記録されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、画像形成装置10では、ROM113に記録されたプログラムだけでなく、SDカード80に記録されたプログラムもRAM112にロードされ、実行されうる。
【0016】
図3は、本発明の実施の形態におけるユーザ端末のハードウェア構成例を示す図である。図3のユーザ端末20は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置200と、補助記憶装置202と、メモリ装置203と、CPU204と、インタフェース装置205と、表示装置206と、入力装置207とを有する。
【0017】
ユーザ端末20での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体201によって提供される。プログラムを記録した記録媒体201がドライブ装置200にセットされると、プログラムが記録媒体201からドライブ装置200を介して補助記憶装置202にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体201より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置202は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0018】
メモリ装置203は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置202からプログラムを読み出して格納する。CPU204は、メモリ装置203に格納されたプログラムに従ってユーザ端末20に係る機能を実現する。インタフェース装置205は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置206はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置207はキーボード及びマウス等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0019】
図4は、本発明の実施の形態における画像形成装置のソフトウェア構成例を示す図である。同図において、画像形成装置10は、標準アプリ151、SDKアプリ152、SDKプラットフォーム153、コントロールサービス154、及びOS155等を有する。
【0020】
標準アプリ151は、画像形成装置10に標準的に(出荷時に予め)実装されているアプリケーションの集合である。同図では、スキャンアプリ1511、印刷アプリ1512、コピーアプリ1513、及びFAXアプリ1514が例示されている。スキャンアプリ1511は、スキャンジョブを実行する。印刷アプリ1512は印刷ジョブを実行する。コピーアプリ1513は、コピージョブを実行する。FAXアプリ1514は、FAXの送信ジョブ又は受信ジョブを実行する。
【0021】
コントロールサービス154は、各種のハードウェアリソース等を制御するための機能を上位アプリケーション等に対して提供したり、画像形成装置10の基盤的な機能等を実行したりするソフトウェアモジュール群である。
【0022】
SDKアプリ152は、画像形成装置10の出荷後において、画像形成装置10の機能拡張を図るためのプラグインとして追加的にインストールされるアプリケーションである。したがって、SDKアプリ152の機能は、所定のものに限定されない。
【0023】
SDKプラットフォーム153は、SDKアプリ152の実行環境を提供する。各SDKアプリ152は、SDKプラットフォーム153が提供するAPI(Application Program Interface)を利用して開発される。例えば、SDKプラットフォーム153は、スキャン機能を利用させるためのインタフェース、印刷機能を利用させるためのインタフェース、コピー機能を利用させるためのインタフェース等をSDKアプリ152に提供する。なお、SDKプラットフォーム153のAPIは公開されており、サードベンダ等によってもSDKアプリ152は開発されうる。
【0024】
OS155は、いわゆるOS(Operating System)である。画像形成装置10上の各ソフトウェアは、OS155上においてプロセス又はスレッドとして動作する。
【0025】
続いて、画像形成装置10のアイコンを生成及び表示させるための機能に関して、画像形成装置10及びユーザ端末20の機能構成例を説明する。
【0026】
図5は、画像形成装置のアイコンの生成及び表示機能に関する画像形成装置及びユーザ端末の機能構成例を示す図である。
【0027】
本実施の形態において、画像形成装置10のアイコンの生成は、画像形成装置10のコントロールサービス154において行われる。したがって、同図において、画像形成装置10に関しては、コントロールサービス154が抜粋されて表示されている。
【0028】
コントロールサービス154は、アイコンの生成機能に関して、状態検知部161、アイコン生成部162、通知情報設定部163、通信処理部164、機器情報管理部165、アイコンパーツ記憶部166、及び通知情報記憶部167等を有する。
【0029】
状態検知部161は、画像形成装置10の状態の変化を検知する。本実施の形態において、状態検知部161によって検知される「状態」は、画像形成装置10の機能(能力)の有無又は構成要素の有無に関する状態と、画像形成装置10において発生しうる事象に関する状態とに大別される。機能の有無とは、例えば、スキャナ機能の有無、FAX機能の有無等、画像形成装置10に関する機能を有しているか否かをいう。構成要素の有無とは、ADFの有無や給紙テーブル(給紙トレイ)の増設の有無等、画像形成装置10を構成する部品等の有無をいう。当該構成要素はハードウェアに限定されなくてもよい。すなわち、ソフトウェアも当該構成要素に含まれてもよい。
【0030】
機能と構成要素とは、密接な関係にある。すなわち、画像形成装置10の構成要素の違いは、機能の違いとなって現れうる。したがって、或る状態を、機能の有無として把握することもできるし、構成要素の有無として把握することもできる。例えば、スキャナ12という構成要素が有る状態は、「スキャナ12という構成要素が有る」として把握することもできるし、「スキャナ機能が有る」として把握することもできる。したがって、以降において、機能又は構成要素を「機能」として説明する。
【0031】
一方、事象に関する状態とは、ジャムの発生の有無や用紙切れの発生の有無等、画像形成装置10の稼動に応じて発生しうる種々の事象(イベント)の発生の有無に関する状態をいう。
【0032】
本実施の形態において、状態検知部161は、機器情報管理部165を定期的に監視(ポーリング)することにより、画像形成装置10の状態の変化を検知する。機器情報管理部165は、画像形成装置10に関する各種情報(機器情報)をHDD114を用いて管理(記憶)する。機器情報管理部165において管理される機器情報の中に、上記状態を示す状態情報も含まれる。すなわち、機能の変化や何らかの事象が発生等、画像形成装置10の状態が変化した場合、当該変化は機器情報管理部165に対して反映される。なお、MIB(Management Information Base)を用いて機器情報管理部165が実現されてもよい。
【0033】
アイコン生成部162は、画像形成装置10の起動や状態検知部161による状態の変化の検知等に応じて、画像形成装置10のアイコンを動的に生成する。画像形成装置10のアイコンとは、画形成装置10の個体を表現する画像データをいう。アイコン生成部162は、アイコンパーツ記憶部166に記憶されているアイコンパーツを合成する(組み合わせる)ことにより、アイコンを生成する。アイコンパーツとは、画像形成装置10の各種の状態のうち、一つ又は一部の状態を表現する画像データである。アイコンパーツ記憶部166は、例えば、HDD114を用いてアイコンパーツの集合を記憶する。
【0034】
通知情報設定部163は、通知情報としての文字列をユーザ(例えば、管理者)に入力させる。具体的には、通知情報設定部163は、ユーザによる入力に応じ、通知情報を入力させるための画面を操作パネル15に表示させる。通知情報設定部163は、当該画面を介して入力された文字列を通知情報記憶部167に記録する。通知情報記憶部167は、例えば、NVRAM115を用いて通知情報を記憶する。通知情報とは、例えば、画像形成装置10のメンテナンス時間等、画像形成装置10のユーザに通知されるべき(周知されるべき)情報をいう。通知情報として記録された文字列は、アイコン生成部162によってアイコンに合成される。
【0035】
通信処理部164は、アイコン生成部162によって生成されたアイコン等をユーザ端末20に送信する。
【0036】
ユーザ端末20は、機器一覧表示制御部27を有する。ネットワーク40上における画像形成装置20のアイコンの一覧を表示装置206に表示させる。当該アイコンは、画像形成装置20より受信されるアイコンである。したがって、ユーザ端末20には、各画像形成装置20において生成されたアイコンの一覧が表示される。
【0037】
以下、画像形成装置10等の処理手順について説明する。図6は、画像形成装置の起動時におけるアイコンの生成処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。同図の処理は、画像形成装置10の起動過程においてアイコン生成部162が起動され、画像形成装置10の起動後の状態が取得可能となったときに行われる。
【0038】
ステップS11において、アイコン生成部162は、起動直後の画像形成装置10の状態情報を機器情報管理部165より取得する。当該状態情報には、画像形成装置10が有している機能の識別名(機能名)が含まれている。また、所定の事象が発生している場合、当該事象の識別子(事象ID)も含まれている。
【0039】
続いて、アイコン生成部162は、基本アイコンパーツをアイコンパーツ記憶部166の機能アイコンパーツテーブル166aより取得する(S12)。
【0040】
図7は、アイコンパーツ記憶部を構成する機能アイコンパーツテーブルの構成例を示す図である。同図に示されるように、機能アイコンパーツテーブル166aには、機能名ごとに当該機能を表現するアイコンパーツ及び位置情報が記憶されている。位置情報は、複数のアイコンパーツを合成する(組み合わせる)際に、各アイコンパーツの合成位置を示す座標情報である。位置情報は、例えば、基本アイコンパーツに対する相対的な位置関係に基づいて定められる。具体的には、各アイコンパーツについて原点が予め決められる。例えば、各アイコンパーツの左上頂点が各アイコンの原点とされる。続いて、基本アイコンパーツの原点に対する、各アイコンの原点の水平方向及び垂直方向へのオフセット値(画素数)が、位置情報とされる。
【0041】
アインパーツの中で、識別名が「基本」であるアイコンパーツが、基本アイコンパーツである。基本アイコンパーツは、画像形成装置10の状態に拘わらず、常にアイコンの生成に使用される基本的なアイコンパーツである。
【0042】
続いて、アイコン生成部162は、状態情報に機能情報が含まれているか否かを判定する(S13)。機能情報とは、例えば、画像形成装置10が有する機能の機能名の集合である。機能情報が含まれている場合(S13でYes)、アイコン生成部162は、機能情報に含まれている機能名に係るアイコンパーツを機能アイコンパーツテーブル166aより取得する(S14)。図7より明らかなように、各機能は、必ずしも排他的なものではない。したがって、ステップS14では複数のアイコンパーツが取得されうる。
【0043】
なお、ステップS14の実行前に、アイコン生成部162は、機能情報に係る機能の利用の可否(すなわち、正常状態か否か)を確認するようにしてもよい。確認の結果、利用可能な機能に係るアイコンパーツが取得されるようにしてもよい。この場合、画像形成装置10が備えている機能のうち、現時点において利用可能な機能を判別可能なアイコンが生成されることになる。
【0044】
機能の利用の可否の確認として、例えば、各機能に対応するアプリケーションに問い合わせが行われてもよい。スキャナであればスキャンアプリ1511、プリンであれば印刷アプリ1512、コピーであればコピーアプリ1513、FAXであればFAXアプリ1514に問い合わせが行われてもよい。各アプリケーションは、自らが正常に動作可能であるか否かを把握しているからである。又は、状態情報に機能の異常を示す情報が含まれていてもよい。
【0045】
続いて、アイコン生成部162は、状態情報に事象情報が含まれているか否かを判定する(S15)。事象情報とは、例えば、画像形成装置10において発生している事象の事象IDの集合である。事象情報が含まれている場合(S15でYes)、アイコン生成部162は、事象情報に含まれている事象IDに係るアイコンパーツを事象アイコンパーツテーブル166bより取得する(S16)。
【0046】
図8は、アイコンパーツ記憶部を構成する事象アイコンパーツテーブルの構成例を示す図である。同図に示されるように、事象アイコンパーツテーブル166bには、事象IDごとに当該事象を表現するアイコンパーツ及び位置情報が記憶されている。位置情報の意味は、機能アイコンパーツテーブル166aにおける位置情報の意味と同じである。なお、ステップS16においても、複数のアイコンパーツが取得されうる。また、同図において、事象IDは、便宜上、事象を示す文字列で示されているが、ビット値や数値等であってもよい。
【0047】
続いて、アイコン生成部162は、通知情報記憶部167を参照して、通知情報の有無を確認する(S18)。通知情報が有る場合、アイコン生成部162は、通知情報としての文字列を取得する(S19)。
【0048】
続いて、アイコン生成部162は、基本アイコンパーツに、取得された他のアイコンパーツを合成して一つのアイコンを生成する(S20)。この際、アイコン生成部162は、各アイコンパーツの原点が、当該アイコンパーツの位置情報によって示される座標(基本アイコンパーツに対する相対座標)に一致するように合成を行う。但し、アイコンパーツ間の重複を回避するための調整が行われてもよい。また、通知情報が有る場合、アイコン生成部162は、通知情報としての文字列を画像データに変換し、当該画像データをも基本アイコンに対して合成する。通知情報の合成位置は、予め定められていればよい。なお、画像形成装置10の起動時に最初に生成されるアイコンを、以下「初期アイコン」という。
【0049】
図9は、本実施の形態の初期アイコンの例を示す図である。同図において、初期アイコンi1は、基本アイコンパーツに対して、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能、及びFAX機能に関するアイコンパーツが合成された例が示されている。
【0050】
なお、画像形成装置10の状態に応じて、図10に示されるように各アイコンパーツが合成されうる。図10は、アイコンパーツの合成例を示す図である。
【0051】
(1)は、機能アイコンパーツテーブル166aの「給紙テーブル」に係るアイコンパーツと、「コピー」に係るアイコンパーツとが基本アイコンパーツに合成された例である。なお、「給紙テーブル」のアイコンパーツは、給紙テーブル(給紙トレイ)が増設されていることを示す。
【0052】
(2)は、機能アイコンパーツテーブル166aの「ADF」、「スキャナ」、及び「コピー」に係るアイコンパーツが基本アイコンパーツに合成された例である。
【0053】
(3)は、機能アイコンパーツテーブル166aの「ADF」、「FAX」、及び「コピー」に係るアイコンパーツが基本アイコンパーツに合成された例である。
【0054】
(4)は、機能アイコンパーツテーブル166aの「ADF」、「プリンタ」、及び「コピー」に係るアイコンパーツが基本アイコンパーツに合成された例である。
【0055】
(5)は、通知情報が基本アイコンパーツに合成された例である。すなわち、基本アイコンパーツの下側に付加されている文字列が通知情報である。通知情報が合成されたアイコンが生成され、ユーザ端末20において表示されることにより、当該画像形成装置10に関する通知情報をユーザに伝達することができる。同図の例では、使用できない時間帯をユーザに周知させることができる。
【0056】
(6)は、事象アイコンパーツテーブル166bの「カバーオープン」に係るアイコンパーツが基本アイコンパーツに合成された例である。
【0057】
(7)は、事象アイコンパーツテーブル166bの「用紙ニアエンド」に係るアイコンパーツが基本アイコンパーツに合成された例である。
【0058】
(8)は、事象アイコンパーツテーブル166bの「用紙切れ」に係るアイコンパーツが基本アイコンパーツに合成された例である。
【0059】
(9)は、事象アイコンパーツテーブル166bの「ジャム」に係るアイコンパーツが基本アイコンパーツに合成された例である。
【0060】
続いて、アイコン生成部162は、生成されたアイコンをRAM112に記録(保存)する(S21)。
【0061】
その後、例えば、ユーザ端末20において、ユーザによって機器の一覧表示が指示されると、機器一覧表示制御部27は、ネットワーク40上の画像形成装置10を検索する。機器一覧表示制御部27は、検索された画像形成装置10に対して、機器情報の取得要求を送信する。当該取得要求を受信した画像形成装置10の通信処理部164は、ステップS16において生成され、RAM112に記録されているアイコンを含む機器情報を返信する。機器一覧表示制御部27は、受信されたアイコンを表示装置206に表示させる。その結果、ユーザ端末20には、各画像形成装置20の状態を詳細に示すアイコンが表示される。
【0062】
続いて、画像形成装置10の状態の変化時の処理手順について説明する。図11は、画像形成装置の状態の変化に応じて実行される処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【0063】
状態検知部161は、機器情報管理部165より定期的に状態情報を取得し、前回の内容との相違点の有無を確認している。状態情報に含まれる情報機能情報又は事象情報に関して相違点が検出されると(すなわち、状態の変化が検知されると)(S31)、状態検知部161は、状態の変化が検知されたことをアイコン生成部162に通知する(S32)。
【0064】
状態検知部161からの通知に応じ、アイコン生成部162は、アイコンの生成処理を実行する(S33)。当該生成処理の内容は、図6において説明した通りである。ステップS33において生成されたアイコンは、以前に生成されたアイコンに上書きされてRAM112に記録される。
【0065】
その後、通信処理部164は、新たに生成されたアイコンをRAM112より取得し(S34)、当該アイコン及び当該画像形成装置10の機器情報等をユーザ端末20の機器一覧表示制御部27に送信する(S35)。機器一覧表示制御部27は、受信された機器情報に含まれている画像形成装置10の識別情報に対してそれまで表示させていたアイコンを、新たに受信されたアイコンに置き換える(S36)。これにより、ユーザ端末20におけるアイコンの表示内容には、画像形成装置10の最新の状態が反映される。
【0066】
なお、ステップS35におけるアイコン等の送信は、機器一覧表示制御部27からの要求に応じて行われてもよいし(いわゆるPULL型)、通信処理部164が能動的に行ってもよい(いわゆるPUSH型)。PUSH型の場合、送信先は、不特定でもよいし、限定されてもよい。送信先が不特定とは、例えば、ブロードキャストによってアイコン等が送信されることをいう。一方、送信先が限定される場合は、例えば、通信処理部164は、画像形成装置10の起動後から現時点までの機器情報の取得要求の要求元のユーザ端末20の識別情報(IPアドレス等)を記憶しておけばよい。通信処理部164は、記憶している識別情報に係るユーザ端末20に、アイコン等の送信先を限定すればよい。または、通信処理部164は、機器情報の一覧の閲覧の開始又は終了の通知を機器一覧表示制御部27より受信するようにしてもよい。この場合、閲覧の通知は受信されており、終了通知は受信されていないユーザ端末20に、アイコン等の送信先が限定されればよい。
【0067】
続いて、図11のステップS31及びS32(すなわち、状態検知部161の処理)の詳細について説明する。
【0068】
図12は、状態検知部が実行する処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0069】
ステップS41において、状態検知部161は、機器情報管理部165より状態情報を取得する。続いて、状態検知部161は、通知情報記憶部167より通知情報を取得する(S42)。続いて、状態検知部161は、状態情報及び通知情報に関して、前回の取得時との相違点の有無を判定する(S43)。すなわち、状態検知部161は、前回の取得結果をRAM112を用いて記憶している。
【0070】
状態情報又は通知情報について前回との相違点が検出された場合(S43でYes)、状態検知部161は、アイコン生成部162に対して状態の変化を通知する(S44)。したがって、通知情報が変化した場合も、状態の変化として通知される。通知情報が変化する場合とは、画像形成装置10の稼働中に、管理者等によって通知情報が設定された場合等である。
【0071】
なお、図12の処理は、定期的に実行される。
【0072】
上述したように、第一の実施の形態によれば、画像形成装置10の状態情報が示す状態に適合するアイコンパーツ(アイコン部品)が選択され、選択されたアイコンパーツを合成することによってアイコンが生成される。したがって、理論的には一台の画像形成装置10に関して、アイコンパーツの組み合わせ分のアイコンを生成することができる。よって、アイコンの表現力を向上させることができる。その結果、画像形成装置10の状態を把握しやすいアイコンをユーザに提示することができる。
【0073】
また、状態の変化に応じてアイコンは再生成される。したがって、画像形成装置10の現在の状態を表現したアイコンを生成し、ユーザに提示することができる。
【0074】
このようなアイコンが提示されることで、ユーザは、自らが利用した機能を備える画像形成装置10、又は現在利用可能な画像形成装置10を、アイコンを確認することで(すなわち、プロパティ画面等を表示させなくても)判断することができる。
【0075】
また、本実施の形態では、画像形成装置10においてアイコンパーツが管理され、画像形成装置10においてアイコンが生成される。このような形態は、ユーザ端末20においてアイコンパーツが管理される場合に比べて、アイコンの表現力を向上させることができる。例えば、各種のアイコンパーツを画像形成装置10の機種に応じて異なるものとすることが容易である。各画像形成装置10は、当該画像形成装置10が属する機種に関するアイコンパーツを管理すればよいからである。一方、ユーザ端末20においてアイコンパーツを管理する場合、各ユーザ端末20は、複数の機種に対するアイコンパーツを管理しなければならない。一般的なオフィスにおいては、画像形成装置10は、複数のユーザ端末20より共用されるものである。そうすると、各画像形成装置10においてアイコンパーツの管理等が行われた方が、各ユーザ端末20においてアイコンパーツが管理される場合に比べて、情報処理システム1全体でアイコンパーツの管理に消費される記憶領域を削減することができる。
【0076】
次に、第二の実施の形態について説明する。図13は、第二の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図13中、図1と同一又は対応する部分には同一符号を付している。同図の情報処理システム2には、画像形成装置10及びユーザ端末20に加え、ウィジェット管理サーバ30がネットワーク40に接続されている。
【0077】
ウィジェット管理サーバ30は、「ウィジェット」と呼ばされるプログラムの実行に関して、各ユーザ端末20と各画像形成装置10との間を仲介する。ウィジェットの詳細に関しては後述する。
【0078】
図14は、第二の実施の形態における各装置の機能構成例を示す図である。同図において、ユーザ端末20は、機器監視ウィジェット21、印刷ウィジェット22、スキャンウィジェット23、及び機器情報取得ライブラリ25等を有する。
【0079】
機器監視ウィジェット21、印刷ウィジェット22、及びスキャンウィジェット23は、本実施の形態において「ウィジェット」として総称されるアプリケーションプログラムである。各ウィジェットの実装内容はウィジェットごとに異なりうる。ウィジェットの共通点としては、画像形成装置10との連携により所定のサービスを提供するという点である。
【0080】
機器監視ウィジェット21は、監視対象とされた画像形成装置10より、当該画像形成装置10の状態を示す情報や、当該画像形成装置10の使用に関する統計情報等を取得するウィジェットである。
【0081】
同図において、機器監視ウィジェット21は、UI制御部211、ウィジェット情報送信部212、連携部213、監視部214、詳細情報出力部215、及び属性情報管理ファイル216等を有する。
【0082】
UI制御部211は、機器監視ウィジェット21に関する各種の表示画面をユーザ端末20の表示装置に表示させる。ウィジェット情報送信部212は、機器監視ウィジェット21の起動に応じ機器監視ウィジェット21のウィジェット情報の登録要求をウィジェット管理サーバ30に送信する。ウィジェット情報には、機器監視ウィジェット21の識別情報等が含まれる。なお、ウィジェットの識別情報は、ユーザ端末20に関する識別情報であるともいえる。画像形成装置10又はウィジェット管理サーバ30から見て、ウィジェットを識別するということは、ユーザ端末20を識別するということにもなるからである。
【0083】
連携部213は、画像形成装置10との連携のための通信(情報のやりとり等)を制御する。監視部214は、監視対象とされた画像形成装置10より状態情報を定期的に取得する。詳細情報出力部215は、ユーザによる指示入力に応じ、監視対象とされた画像形成装置10の状態情報、使用に関する統計情報(各種のカウンター値、ジョブ発生回数、ROM113内の情報、画像制御電圧情報等)、及び各種ログ情報等を含む詳細情報を当該画像形成装置10より取得し、取得された詳細情報を画像形成装置10に印刷させる。
【0084】
属性情報管理ファイル216は、機器監視ウィジェット21の属性情報を格納するファイルである。属性情報には、例えば、機器監視ウィジェット21の識別子(ウィジェットID)、機器監視ウィジェット21の所有者であるユーザのユーザID、監視対象とする画像形成装置10のリスト、機器監視ウィジェット21の通信用の識別情報、及び詳細情報のうち印刷対象に含める項目を示す情報等が予め設定又は登録される。
【0085】
印刷ウィジェット22は、ネットワーク40を介して通信可能な画像形成装置10に印刷ジョブを実行させるウィジェットである。
【0086】
スキャンウィジェット23は、画像形成装置10においてスキャンされた画像データ(スキャン画像)に対して所定の処理(例えば、配信又は保存等)を実行するウィジェットである。
【0087】
機器情報取得ライブラリ25は、画像形成装置10より状態情報や詳細情報を取得するためのAPI(Application Program Interface)を備えたライブラリ(例えば、DLL(Dynamic Link Library))である。監視部214や詳細情報出力部215は、機器情報取得ライブラリ25を利用して、状態情報又は詳細情報を画像形成装置10より取得する。なお、機器情報取得ライブラリ25は、汎用的に作成されており、非図示の他の機器管理用アプリケーションからも共用されうる。
【0088】
機器監視ウィジェット21の属性情報管理ファイル216にウィジェットの所有者のユーザIDが記録されることからも分かるように、各ウィジェットはユーザに属する。したがって、同一のウィジェットであっても、各ウィジェットが属するユーザが異なる場合、各ウィジェットは異なるものとして区別される。例えば、ユーザAに属するウィジェットは、基本的にユーザAに対してのみ利用が許可される。ユーザBに属するウィジェットは、基本的にユーザBに対してのみ利用が許可される。但し、例えば、アクセス制御機能によって他のユーザに対して利用権限を与えることにより、他人が所有者であるウィジェットの利用を可能としてもよい。
【0089】
なお、第二の実施の形態におけるユーザ端末20は、機器一覧表示制御部27を有していなくてもよい。
【0090】
ウィジェット管理サーバ30は、ウィジェット情報登録部31、広告部32、ウィジェット情報提供部33、及び仲介部34等を有するコンピュータである。これら各部は、ウィジェット管理サーバ30にインストールされたプログラムが、ウィジェット管理サーバ30のCPUに実行させる処理により実現される。
【0091】
ウィジェット情報登録部31は、ユーザ端末20より送信されるウィジェット情報の登録要求を受信し、当該ウィジェット情報をウィジェット情報管理テーブル35に保存する。ウィジェット情報管理テーブル35は、ユーザごとにウィジェット管理サーバ30の記憶装置に生成される。すなわち、各ウィジェット情報管理テーブル35は、対応するユーザに属するウィジェットのウィジェット情報の一覧を管理する。広告部32は、ウィジェット情報登録部31によって受信されたウィジェット情報に含まれるユーザID等をネットワーク40上に広告(ブロードキャスト又はマルチキャスト等)する。広告は、ユーザ単位(ユーザID単位)で行われる。具体的には、ユーザAに関して広告された後、ユーザAに属する新たなウィジェット情報が受信されたとしても当該ウィジェット情報に応じた広告は行われない。すなわち、広告部32による広告は、何らかのウィジェットを利用可能になったユーザが新たに発生したことを画像形成装置10に通知するための情報である。但し、ウィジェット情報単位で広告が行われてもよい。この場合、同一ユーザについて重複して広告が発行されることになるが、重複の排除は画像形成装置10側で行えばよい。ウィジェット情報提供部33は、画像形成装置10からの要求に応じ、ウィジェット情報管理テーブル35に登録されているウィジェット情報を画像形成装置10に提供(送信)する。仲介部34は、ウィジェットと画像形成装置10との通信を仲介する。
【0092】
なお、ユーザ端末20がウィジェット管理サーバ30を兼ねてもよい。すなわち、ユーザ端末20に、ウィジェット情報登録部31、広告部32、ウィジェット情報提供部33、及び仲介部34等を実現するプログラムが実装されていてもよい。
【0093】
画像形成装置10は、ユーザ検知部121、UI制御部122、ウィジェット情報取得部123、ウィジェット連携部124、ジョブ実行制御部125、ユーザ管理テーブル126、状態情報提供部127、及び詳細情報提供部128等を有する。これら各部は、画像形成装置10にインストールされたプログラムが、画像形成装置10に実行させる処理により実現される。なお、これら各部は、例えば、図4に示される一つのSDKアプリ152内に実装される。すなわち、第二の実施の形態の画像形成装置10は、第一の実施の形態における画像形成装置10が有する全てのソフトウェアを有する。したがって、第二の実施の形態においても、アイコン生成部162によって生成されたアイコンが常時RAM112に記録されている。
【0094】
ユーザ検知部121は、ウィジェット管理サーバ30より発行される広告に基づいて、ウィジェットを利用可能なユーザの存在を検知し、広告に含まれているユーザID等をユーザ管理テーブル126に登録する。ユーザ管理テーブル126は、ネットワーク40上においてウィジェットを起動させているユーザの一覧を管理するテーブルである。UI制御部122は、ユーザよりウィジェットの操作指示等の入力を受け付ける。すなわち、ウィジェットは、ユーザ端末20に配置されているが、画像形成装置10の操作パネル15からも操作されうる。ウィジェット情報取得部123は、画像形成装置10を操作するユーザに係るウィジェット情報(すなわち、操作者と同一のユーザIDに係るユーザによって起動されたウィジェットのウィジェット情報)をウィジェット管理サーバ30より取得する。ウィジェット連携部124は、ウィジェットとの通信を制御する。ジョブ実行制御部125は、ウィジェットから要求された機能に係るジョブの実行を制御する。例えば、ジョブ実行制御部125の制御により印刷ジョブ又はスキャンジョブ等が実行される。状態情報提供部127は及び詳細情報提供部128は、機器情報取得ライブラリ25に対するサーバ機能である。具体的には、状態情報提供部127は、機器情報取得ライブラリ25からの状態情報の取得要求に応じ、画像形成装置10の状態情報を返信する。また、詳細情報提供部128は、機器情報取得ライブラリ25からの詳細情報の取得要求に応じ、画像形成装置10の詳細情報を返信する。
【0095】
以下、情報処理システム2の処理手順について説明する。まず、機器監視ウィジェット21のウィジェット情報がウィジェット管理サーバ30に登録される際の処理手順について説明する。
【0096】
図15は、機器監視ウィジェットのウィジェット情報の送信時の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【0097】
ユーザ端末20においてユーザによって入力される機器監視ウィジェット21の起動指示に応じ、ウィジェット情報送信部212は、属性情報管理ファイル216を参照してウィジェット情報を生成し、当該ウィジェット情報の登録要求をウィジェット管理サーバ30に送信する(S111)。なお、各ユーザ端末20には、予めウィジェット管理サーバ30と通信するための情報(例えば、IPアドレス又はホスト名等)が登録されている。
【0098】
図16は、機器監視ウィジェットのウィジェット情報の例を示す図である。同図において、機器監視ウィジェット21のウィジェット情報は、ウィジェットID、ユーザID、連携機能識別子、ウィジェットアドレス、及び表示名等を含む。
【0099】
ウィジェットIDは、各ウィジェットを一意に識別する識別情報である。ユーザIDは、機器監視ウィジェット21の所有者であるユーザの識別情報である。連携機能識別子は、ウィジェットと連携する画像形成装置10が有している必要のある機能(換言すれば、ウィジェットが利用する機能)を識別するための情報である。連携機能識別子の一例として「print」、「scan」等が挙げられる。「print」は、印刷機能を示す。「scan」は、スキャン機能を示す。後述されるように、機器監視ウィジェット21は、画像形成装置10の印刷機能を利用する。したがって、図16の例では、「print」が連携機能識別子とされている。ウィジェットアドレスは、ネットワーク通信において各ウィジェットを一意に識別するための識別情報(例えば、URL等)である。表示名は、ウィジェットの名前の表示用の文字列である。なお、ウィジェットID、ユーザID、連携機能識別子、ウィジェットアドレス、及び表示名は、例えば、属性情報管理ファイル216より取得される。
【0100】
ステップS111においてウィジェット情報送信部212より送信されたウィジェット情報は、ウィジェット管理サーバ30のウィジェット情報登録部31によって受信される。ウィジェット情報登録部31は、受信されたウィジェット情報に含まれているユーザIDに対応するウィジェット情報管理テーブル35に当該ウィジェット情報を登録する。当該ユーザIDに対応するウィジェット情報管理テーブル35が存在しない場合、ウィジェット情報登録部31は、当該ユーザIDに対応するウィジェット情報管理テーブル35を生成し、生成されたウィジェット情報管理テーブル35にウィジェット情報を登録する(S112)。
【0101】
ウィジェット情報管理テーブル35が新たに生成された場合(すなわち、受信されたウィジェット情報に含まれているユーザIDに係るユーザについて、初めてウィジェット情報が登録された場合)、広告部32は、受信されたウィジェット情報に含まれているユーザIDと、ウィジェット情報取得用URL(Uniform Resource Locator)とを含む広告をネットワーク40上に発行する(S113)。ウィジェット情報取得用URLとは、ウィジェット情報管理テーブル35ごとに一意なURLである。例えば、ウィジェット情報登録部31は、ウィジェット情報管理テーブル35を生成した際に、当該ウィジェット情報管理テーブル35に対するウィジェット情報取得用URLを生成する。ここで、ウィジェット情報管理テーブル35は、ユーザごとに生成される。したがって、ウィジェット情報取得用URLはユーザごとに一意となる。
【0102】
続いて、画像形成装置10のユーザ検知部121は、広告を受信すると、当該広告に含まれているユーザID及びウィジェット情報取得用URLをユーザ管理テーブル126に登録する(S114)。
【0103】
図17は、ユーザ管理テーブルの構成例を示す図である。同図に示されるように、ユーザ管理テーブル126は、ユーザIDとウィジェット情報取得用URLとの組(ペア)を管理する。同図では、ユーザA及びユーザBについてレコードが登録されている例が示されている。ユーザ管理テーブル126は、例えば、HDD114に記憶される。
【0104】
図15の処理の実行後、ユーザは、機器監視ウィジェット21を実行するために画像形成装置10の設置場所へ移動する。複数の画像形成装置10がネットワーク40に接続されている場合、同一の広告が各画像形成装置10のユーザ検知部121によって受信され、それぞれの画像形成装置10のユーザ管理テーブル126にユーザID及びウィジェット情報取得用URLが登録される。したがって、ユーザは、複数の画像形成装置10のいずれを操作対象としても各ウィジェットに係るジョブを実行することができる。なお、印刷ウィジェット22又はスキャンウィジェット23が起動された場合についても、図15と同様の処理手順が実行される。その結果、印刷ウィジェット22又はスキャンウィジェット23のウィジェット情報が、ウィジェット管理サーバ30のウィジェット情報管理テーブル35に登録される。
【0105】
続いて、画像形成装置10におけるユーザによる操作に応じて実行される処理について説明する。
【0106】
図18は、実行可能なウィジェットの一覧の表示処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【0107】
ユーザによって操作パネル15を介してウィジェットの利用指示が入力されると(S201)、画像形成装置10のUI制御部122は、ユーザ管理テーブル126に登録されている情報に基づいてユーザ選択画面を操作パネル15に表示させる(S202)。
【0108】
図19は、ユーザ選択画面の表示例を示す図である。同図に示されるユーザ選択画面610には、ユーザIDごとにボタンが表示されている。同図では、ユーザAに対応するボタン611とユーザBに対応するボタン612とが表示されている。
【0109】
続いて、ユーザは、ユーザ選択画面610において自らのユーザIDに対応するボタンを押下する(S203)。ボタンの押下に応じ、ウィジェット情報取得部123は、選択されたボタンに対応するユーザIDに関連付けられているウィジェット情報取得用URLをユーザ管理テーブル126より取得する。なお、ユーザIDに対応するボタンの押下に応じ、ユーザの認証を行い、ユーザが認証された場合にのみ、以降の処理が実行されるようにしてもよい。
【0110】
続いて、ウィジェット情報取得部123は、ウィジェット情報取得用URL宛に、ウィジェット情報の取得要求を送信する(S204)。ウィジェット情報の取得要求は、ウィジェット管理サーバ30のウィジェット情報提供部33によって受信される。ウィジェット情報提供部33は、ウィジェット情報取得用URLに対応するウィジェット情報管理テーブル35(すなわち、画像形成装置10を操作中のユーザに対応するウィジェット情報管理テーブル35)に登録されている全てのウィジェット情報を取得し、取得されたウィジェット情報の一覧を画像形成装置10に送信する(S205)。ウィジェット情報の一覧の送信に際し、ウィジェット情報提供部33は、画像形成装置10と各ウィジェットとの通信を中継するためのURL(以下、「ウィジェット中継用URL」という。)をウィジェットごと(ウィジェット情報ごと)に一意に生成する。ウィジェット情報提供部33は、ウィジェットごとに生成されたウィジェット中継用URLを、各ウィジェット情報に付加し、ウィジェット中継用URLが付加されたウィジェット情報の一覧を画像形成装置10に送信する。したがって、ステップS205において送信されるウィジェット情報は、例えば、図20に示されるような構成を有する。
【0111】
図20は、ウィジェット管理サーバから画像形成装置に送信される機器監視ウィジェットのウィジェット情報の構成例を示す図である。
【0112】
図20に示されるウィジェット情報は、図16のウィジェット情報に対してウィジェット中継用URLが付加されたものである。ステップS205では、同図に示されるようなウィジェット情報の一覧が送信される。ここでは、ウィジェット情報が一つしか含まれないものもウィジェット情報の一覧という。
【0113】
続いて、画像形成装置10のUI制御部122は、受信されたウィジェット情報の一覧をRAM112に記録しておき、当該ウィジェット情報の一覧に基づいて、実行可能なウィジェットの一覧を含む画面(ウィジェット選択画面)を表示させる(S206)。
【0114】
図21は、ウィジェット選択画面の表示例を示す図である。同図においてウィジェット選択画面620には、ウィジェットごとにボタン(表示部品)が表示されている。同図では、機器監視ウィジェット21に対応するボタン621と、印刷ウィジェット22に対応するボタン622と、スキャンウィジェット23に対応するボタン623とが表示されている。
【0115】
ウィジェット選択画面620の表示後の処理手順については、実行対象として選択されるウィジェットの種類によって異なる。本実施の形態では、機器監視ウィジェット21が実行対象とされた場合の処理手順について説明する。
【0116】
図22は、機器監視ウィジェットの実行時の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【0117】
ウィジェット選択画面620において、機器監視ウィジェット21に対応するボタン621が表示されている場合において、当該画像形成装置10を監視対象とさせたい場合、ユーザは、ボタン621を押下(選択)し、スタートキーを押下する(S301)。ボタン621の押下及びスタートキーの押下に応じ、ウィジェット連携部124は、押下されたボタン621に対応するウィジェット情報(以下、「カレントウィジェット情報」という。)に含まれている連携機能識別子(「print」)に基づいて、印刷を実行すべきことを認識する。印刷を実行するためには印刷データを入手する必要がある。そこで、ウィジェット連携部124は、印刷データの送信要求をカレントウィジェット情報に含まれているウィジェット中継用URL宛に送信する(S302)。なお、当該送信要求には、当該画像形成装置10の通信用の識別情報(例えば、IPアドレス)が含まれている。
【0118】
ウィジェット中継用URL宛の印刷データの送信要求は、ウィジェット管理サーバ30の仲介部34によって受信される。仲介部34は、当該ウィジェット中継用URLが対応するウィジェット情報をウィジェット情報管理テーブル35より取得し、当該ウィジェット情報に含まれているウィジェットアドレス宛に印刷データの送信要求を転送する(S303)。
【0119】
当該ウィジェットアドレス宛の印刷データの送信要求は、ユーザ端末20における機器監視ウィジェット21の連携部213によって受信される。連携部213は、当該送信要求に含まれているIPアドレスが、「監視対象リスト」に含まれているか否かを判定する。監視対象リストは、監視部214によって監視対象(状態情報の取得対象)とされる画像形成装置10のIPアドレスを補助記憶装置202を用いて記憶するリスト(記憶手段である。当該送信要求に含まれているIPアドレスが監視対象リストに記録されている場合、後述されるステップS328以降が実行される。一方、当該送信要求に含まれているIPアドレスが監視対象リストに記録されていない場合、連携部213は、当該IPアドレスを監視対象リストに登録する(S304)。
【0120】
すなわち、機器監視ウィジェット21の連携部213は、S303において受信された印刷データの送信要求を、監視対象とする画像形成装置10の登録要求として解釈する。したがって、連携部213は、要求された印刷データではなく、ダミーの応答を管理サーバ30の仲介部34に返信する(S305)。仲介部34は、当該ダミーの応答を画像形成装置10のウィジェット連携部124に転送する(S306)。ダミーの応答とは、例えば、印刷データが格納される部分が空である応答メッセージである。ウィジェット連携部124は、ダミーの応答を受信すると、印刷ジョブを実行することなく、ボタン621の押下に応じた処理を終了させる。
【0121】
上記までの処理手順より明らかなように、機器監視ウィジェット21は、ネットワーク40上に接続されている画像形成装置10を自動的に検索して監視対象を自動登録するのではなく、機器監視ウィジェット21に対応するボタン621(図21参照)が選択された画像形成装置10を監視対象として登録する。換言すれば、ユーザは、監視対象としたい画像形成装置10について、当該画像形成装置10を操作して、機器監視ウィジェット21に対応するボタン621を選択する必要がある。
【0122】
機器監視ウィジェット21に対応するボタン621の選択が必要とされることにより、ユーザは、画像形成装置10の実物を確認しつつ、監視対象とするか否かを判断することができる。その結果、自動的に監視対象が登録されてしまう場合に比べて、どの画像形成装置10が監視対象とさせるかについて、ユーザの意思をより尊重することができる。また、ユーザは、監視対象とする画像形成装置10を操作パネル15を介して選択するという作業を自ら行うため、いずれの画像形成装置10が監視対象とされているかについて、その名前等の識別情報だけではなく、配置位置をも含めて明確に認識することができる。
【0123】
機器監視ウィジェット21の監視部214は、監視対象が登録された時点から(すなわち、監視対象リストに1つ目のIPアドレスが登録された時点から)、当該監視対象に対する監視を開始する。具体的には、監視部214は、監視対象リストに登録されているIPアドレスを引数に指定して、機器情報取得ライブラリ25の状態情報取得関数を呼び出す(S311)。状態情報取得関数は、指定されたIPアドレスに対応する画像形成装置10の状態情報提供部127宛(例えば、状態情報提供部127に対応するポート番号宛)に状態情報の取得要求を送信する(S312)。
【0124】
当該取得要求を受信した状態情報提供部127は、画像形成装置10より状態情報を取得し、取得された状態情報を返信する(S313)。第二の実施の形態の状態情報には、例えば、画像形成装置10の名前(機器名)、トナー残量及び用紙残量等が含まれる。また、アイコン生成部162によって生成され、RAM112に記録されているアイコンも状態情報に含まれる。機器情報取得ライブラリ25の状態情報取得関数は、返信された状態情報を機器監視ウィジェット21の監視部214に出力する(S314)。監視部214は、出力された状態情報を、IPアドレスと関連付けて補助記憶装置202に記録(保存)する(S315)。
【0125】
監視部214による状態情報の取得は、例えば定期的に繰り返し行われる。監視対象リストに複数のIPアドレスが登録されている場合は、複数の画像形成装置10のそれぞれより状態情報が直列的又は並列的に取得され、それぞれのIPアドレスに関連付けられて(すなわち、画像形成装置10ごとに区別されて)補助記憶装置202に記録される。
【0126】
なお、機器監視ウィジェット21のUI制御部211は、機器監視ウィジェット21の起動後より当該ウィジェットが起動されていることを示す画像(アイコン)を表示装置206に表示させる。UI制御部211は、機器監視ウィジェット21の状態、又は監視対象とされている画像形成装置10の状態に応じて(監視対象とされる画像形成装置10より取得される状態情報に応じて)、当該アイコンの表示態様(表示状態)を例えば図23に示されるように変化させる。なお、当該アイコンは、アイコン生成部162によって生成される、画像形成装置10を表現するアイコンとは別のものである。
【0127】
図23は、機器監視ウィジェットのアイコンの表示態様の変化の例を示す図である。同図において、アイコンi1は、監視対象が存在しないことを示す。すなわち、監視対象リストに一つもIPアドレスが登録されていない場合、UI制御部211は、アイコンi1を表示させる。アイコンi2は、監視対象の画像形成装置10の状態が良好(通常又は正常)であることを示す。すなわち、取得される状態情報において「通常状態」が示されている場合、UI制御部212は、アイコンi2を表示させる。アイコンi3は、画像形成装置10の状態が、ウォームアップ状態、省電力状態、印刷実行中、警告発生、トナー残量が所定量以下、又は用紙残量が所定量以下等の注意状態(注意を要する状態)であることを示す。すなわち、取得される状態情報においてこれらの状態が示されている場合、UI制御部212は、アイコンi3を表示させる。アイコンi4は、画像形成装置10の状態が、用紙切れ、紙詰まり、トナー切れ、カバーオープン、又は(状態情報の取得要求に対する)応答が無い等の警告状態であることを示す。すなわち、状態情報においてこれらの状態が示されている場合、又は状態情報が返信されない場合、UI制御部212は、アイコンi4を表示させる。
【0128】
各アイコンには、波形が描画されている。この波形の周期によって、画像形成装置10の通常状態からの変化の度合いが表現されている。すなわち、アイコンi2→アイコンi3→アイコンi4という順番で、波形の周期が徐々に短くなっている。したがって、ユーザは、アイコンに描画された波形の形状を確認することで画像形成装置10の状態を概略的に把握することができる。なお、波形の周期と共に、波形の色を変化させてもよい。例えば、アイコンi1及びi2の波形の色は「青」又は「緑」とし、アイコンi3の波形の色は「黄色」とし、アイコンi4の波形の色は「赤」としてもよい。そうすることにより、画像形成装置10の状態の変化をより直感的に把握し易くすることができる。
【0129】
なお、アイコンは、監視対象の画像形成装置10ごとに表示されてもよいし、複数の監視対象に対して一つ表示されてもよい。後者の場合、いずれか一つの画像形成装置10の状態が、アイコンi3又はアイコンi4に対応する状態に該当する場合、当該アイコンが表示されるようにすればよい。
【0130】
ユーザによってアイコンが操作(例えば、ダブルクリック等)されると、UI制御部212は、監視対象とされている画像形成装置10の状態を表示させる機器状態表示画面を表示装置206に表示させる。
【0131】
図24は、機器状態表示画面の表示例を示す図である。同図において、機器状態表示画面630は、リストボックス631、状態表示領域632、トナー残量表示領域633、用紙残量表示領域634、及び機器アイコン635等を有する。
【0132】
リストボックス631は、状態情報の表示対象とする画像形成装置10を選択させるための表示部品であり、監視対象とされている画像形成装置10の機器名の一覧を表示させる。UI制御部212は、リストボックス631において選択された画像形成装置10に関連付けられて補助記憶装置202に記録されている状態情報に基づいて、状態表示領域632、トナー残量表示領域633、及び用紙残量表示領域634等の表示内容を変化させる。なお、リストボックス631において選択された画像形成装置10のみが監視対象(状態情報の取得対象)とされてもよい。
【0133】
状態表示領域632には、画像形成装置10の状態を良好状態、注意状態、及び警告状態に分類した場合のいずれかの状態に対応する記号等が表示される。トナー残量表示領域633には、トナーの色ごと(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)に、その残量が表示される。同図では、いずれの色のトナーも十分に残量が有ることが示されている。用紙残量表示領域634には、給紙テーブル(給紙トレイ)ごとに、用紙の残量が表示される。同図では、トレイ1(Tray1)及びトレー2(Tray2)の双方に用紙が残っていることが示されている。
【0134】
機器アイコン635は、アイコン生成部162によって生成され、状態情報に含まれて受信されたアイコンである。ユーザは、機器アイコン635を参照することにより、第一の実施の形態と同様の効果を享受することができる。
【0135】
以上のように、ユーザは、ユーザ端末20の表示装置206に表示される機器監視ウィジェット21のアイコン又は機器状態表示画630等によって、画像形成装置10の状態の変化を確認することができる。例えば、アイコンi4(警告状態)が表示されると、ユーザは、当該警告状態に係る画像形成装置10に赴き、図18において説明した操作を行う。したがって、当該画像形成装置10には、ウィジェット選択画面620が表示される。
【0136】
ユーザは、当該画像形成装置10に関する詳細情報の出力を所望する場合、ウィジェット選択画面620において、機器監視ウィジェット21に対応するボタン621を押下(選択)し、操作パネル15のスタートキーを押下する(S321)。すなわち、監視対象とされていない画像形成装置10に関するボタン621の選択は、当該画像形成装置10を監視対象とすることのユーザによる意思表示に相当するのに対し、既に監視対象とされている画像形成装置10に関するボタン621の選択は、当該画像形成装置10に関する詳細情報の出力を所望することのユーザによる意思表示に相当する。
【0137】
続く、ステップS322及びS323の処理内容は、上記したステップS302及びS303の処理内容と同じである。したがって、印刷データの送信要求が、ユーザ端末20における機器監視ウィジェット21の連携部213によって受信される。連携部213は、当該送信要求に含まれているIPアドレスが「監視対象リスト」に含まれているか否かを判定する。ここでは、当該IPアドレスは、既に監視対象とされている画像形成装置10のものであるため監視対象リストに含まれている。そこで、連携部213は、当該IPアドレスを指定して、詳細情報の出力を詳細情報出力部215に要求する。
【0138】
続いて、詳細情報出力部215は、機器情報取得ライブラリ25の詳細情報取得関数を呼び出す(S324)。詳細情報取得関数は、指定されたIPアドレスに対応する画像形成装置10の詳細情報提供部128宛(例えば、詳細情報提供部128に対応するポート番号宛)に詳細情報の取得要求を送信する(S325)。
【0139】
当該取得要求を受信した詳細情報提供部128は、画像形成装置10より詳細情報を取得し、取得された詳細情報を返信する(S326)。機器情報取得ライブラリ25の詳細情報取得関数は、返信された詳細情報を機器監視ウィジェット21の監視部214に出力する(S327)。
【0140】
続いて、詳細情報出力部215は、例えば、ユーザ端末20にインストールされているプリンタドライバを利用して、詳細情報を印刷させるための印刷データ(PDL(Page Description Language)データ)を生成する(S328)。但し、画像形成装置10がTIFF(Tagged Image File Format)データやPDF(Portable Document Format)データ等の汎用的なデータ形式によるデータを印刷データとして受け付け可能な場合、詳細情報は当該データ形式によるデータに変換され、当該データが印刷データとされてもよい。
【0141】
続いて、連携部213は、生成された印刷データを、ステップS323において受信された印刷データの送信要求に対する応答として管理サーバ30の仲介部34に返信する(S329)。当該印刷データは、詳細情報の印刷要求に相当する。仲介部34は、当該印刷データを画像形成装置10のウィジェット連携部124に転送する(S330)。
【0142】
画像形成装置10のウィジェット連携部124は、受信された印刷データをジョブ実行制御部125に入力する。続いて、ジョブ実行制御部125は、受信された印刷データに関する印刷ジョブを実行する。その結果、詳細情報が印字された用紙がプリンタ13より出力される。なお、ユーザからすると、ウィジェット選択画面620においてボタン621を選択し、スタートキーを押下したら、その場で詳細情報が印字された用紙が出力されたように見える。
【0143】
印刷ジョブが完了すると、ウィジェット連携部124は、印刷ジョブの結果情報(成否等を示す情報)を、実行対象とされた機器監視ウィジェット21のウィジェット情報に含まれているウィジェット中継用URL宛に送信する(S332)。ウィジェット中継用URL宛の結果情報は、ウィジェット管理サーバ30の仲介部34によって受信される。仲介部34は、当該ウィジェット中継用URLが対応するウィジェット情報をウィジェット情報管理テーブル35より取得し、当該ウィジェット情報に含まれているウィジェットアドレス宛に結果情報を転送する(S333)。
【0144】
当該ウィジェットアドレス宛の結果情報は、ユーザ端末20における機器監視ウィジェット21の連携部213によって受信される。
【0145】
上述したような形態において、アイコン生成部162によって生成されるアイコンが利用されてもよい。
【0146】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0147】
1、2 情報処理システム
10 画像形成装置
11 コントローラ
12 スキャナ
13 プリンタ
14 モデム
15 操作パネル
16 ネットワークインタフェース
17 SDカードスロット
20 ユーザ端末
21 機器監視ウィジェット
22 印刷ウィジェット
23 スキャンウィジェット
25 機器情報取得ライブラリ
27 機器一覧表示制御部
30 ウィジェット管理サーバ
31 ウィジェット情報登録部
32 広告部
33 ウィジェット情報提供部
34 仲介部
40 ネットワーク
80 SDカード
111 CPU
112 RAM
113 ROM
114 HDD
115 NVRAM
121 ユーザ検知部
122 UI制御部
123 ウィジェット情報取得部
124 ウィジェット連携部
125 ジョブ実行制御部
126 ユーザ管理テーブル
127 状態情報提供部
128 詳細情報提供部
151 標準アプリ
152 SDKアプリ
153 SDKプラットフォーム
154 コントロールサービス
155 OS
161 状態検知部
162 アイコン生成部
163 通知情報設定部
164 通信処理部
165 機器情報管理部
166 アイコンパーツ記憶部
167 通知情報記憶部
200 ドライブ装置
201 記録媒体
202 補助記憶装置
203 メモリ装置
204 CPU
205 インタフェース装置
206 表示装置
207 入力装置
211 UI制御部
212 ウィジェット情報送信部
213 連携部
214 監視部
215 詳細情報出力部
216 属性情報管理ファイル
1511 スキャンアプリ
1512 印刷アプリ
1513 コピーアプリ
1514 FAXアプリ
B バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0148】
【特許文献1】特開2004−110127号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
前記画像形成装置に関する各種の状態ごとに、当該状態を表現する第一の画像データを記憶した機能画像記憶手段と、
当該画像形成装置の状態に適合する前記第一の画像データを前記画像記憶手段より取得し、取得された前記第一画像データを合成して一つの第二の画像データを生成する画像生成手段と、
前記第二の画像データをネットワークを介してコンピュータに送信する通信処理手段とを有する画像形成装置。
【請求項2】
当該画像形成装置の前記状態の変化を検知する状態検知手段を有し、
前記画像生成手段は、前記状態検知手段による前記変化の検知に応じて前記第二の画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
入力された文字列を文字列記憶手段に記録する設定手段を有し、
前記画像生成手段は、前記文字列記憶手段に記憶されている文字列をも合成して前記第二の画像データを生成する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記状態は、前記画像形成装置の機能の有無又は構成要素の有無に関する状態であり、
前記顔図記憶手段は、前記画像形成装置に関する機能又は構成要素ごとに、前記機能又は前記構成要素を表現する前記第一の画像データを記憶し、
前記画像生成手段は、当該画像形成装置が有する機能又は構成要素の利用の可否を確認し、利用可能が機能又は構成要素に係る前記第一の画像データを前記画像記憶手段より取得し、取得された前記第一画像データを合成して一つの第二の画像データを生成する請求項1乃至3いずれか一項記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
前記画像形成装置に関する各種の状態ごとに、当該状態を表現する第一の画像データを記憶した機能画像記憶手段より、当該画像形成装置の状態に適合する前記第一の画像データを前記画像記憶手段より取得し、取得された前記第一画像データを合成して一つの第二の画像データを生成する画像生成手順と、
前記第二の画像データをネットワークを介してコンピュータに送信する通信処理手順とを有する情報処理方法。
【請求項6】
画像形成装置と情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記画像形成装置に関する各種の状態ごとに、当該状態を表現する第一の画像データを記憶した機能画像記憶手段と、
当該画像形成装置の状態に適合する前記第一の画像データを前記画像記憶手段より取得し、取得された前記第一画像データを合成して一つの第二の画像データを生成する画像生成手段と、
前記第二の画像データをネットワークを介して前記情報処理装置に送信する通信処理手段とを有する情報処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2012−39537(P2012−39537A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180030(P2010−180030)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】