画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体
【課題】本発明は、両面印刷を安価かつ適切に行う画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】レーザプリンタ1は、ホストコンピュータPcから入力される印刷データまたは描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させてRAM26に記憶し、手動両面印刷処理で所定枚数目の用紙に印刷させる片面と他面のページのうち少なくともいずれかのページがオペレーションパネル11で指定されると、該指定されたページの該印刷対象データまたは該描画データをRAM26から読み出してプリンタエンジン4に用紙の片面または/及び両面に印刷させる。したがって、適切に手動両面印刷を行いつつ、用紙ジャム等の異常発生時のリカバリ性を向上させることができる。
【解決手段】レーザプリンタ1は、ホストコンピュータPcから入力される印刷データまたは描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させてRAM26に記憶し、手動両面印刷処理で所定枚数目の用紙に印刷させる片面と他面のページのうち少なくともいずれかのページがオペレーションパネル11で指定されると、該指定されたページの該印刷対象データまたは該描画データをRAM26から読み出してプリンタエンジン4に用紙の片面または/及び両面に印刷させる。したがって、適切に手動両面印刷を行いつつ、用紙ジャム等の異常発生時のリカバリ性を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、両面印刷を安価かつ適切に行う画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ等の画像形成装置においては、紙資源の節約を図るために、用紙の両面に印刷する両面印刷が行われている。
【0003】
このような両面印刷を行う画像形成装置には、両面印刷ユニットを備えて用紙の反転処理を画像形成装置内で自動的に行って、自動的に用紙の両面にページ順に自動両面印刷を行う画像形成装置と、印刷データの奇数ページの画像のみを用紙の片面に順次印刷して排紙トレイに排出し、印刷データの奇数ページの印刷を完了すると、手動で該排紙トレイ上に排出された用紙を反対面を印刷面として給紙トレイや手差しトレイ等へのセットが行われて印刷指示があると、印刷データの偶数ページを該片面印刷済の反対面に順次印刷する手動両面印刷を行う画像形成装置がある。
【0004】
ところが、画像形成装置としては、両面印刷ユニットを備えると、価格が高くなるため、手動両面印刷を行う画像形成装置が要望され、このような手動両面印刷機能を有する画像形成装置としては、コンピュータ等のホスト装置から入力される画像情報を可視画像データに展開して、該可視画像データを記録手段で用紙等の記録媒体に記録する記録処理と、次に展開した可視画像データを記憶手段に記憶する記憶処理と、を交互に行い、手動両面印刷が指定されている状態で、該記録済み記録媒体が給紙部等にセットされて記憶手段の可視画像データの出力が指定されると、該記録済み記録媒体の裏面に該記憶手段の可視画像データを記録することで、手動両面印刷をする技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−199104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術にあっては、手動両面印刷において、入力されて展開した可視画像データをページ毎に用紙への記録と記憶手段への記憶を交互に行うとともに、用紙が反転されてセットされて記録指示が行われると、記憶手段の可視画像データの該用紙への記録を行うという処理を交互に繰り返し行っているため、記憶手段には、裏面の可視画像データのみしか記憶することができず、例えば、表面を記録(以下、印刷という。)した後に、裏面の印刷時に用紙ジャム等が発生した場合、表面の画像を再印刷しなおすことができない。その結果、用紙ジャム等の印刷トラブルが発生すると、トラブルの発生したページの画像をホストコンピュータから送り直して、印刷しなおす必要があり、画像形成装置自体で印刷をやり直すことができず、利用性が悪いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、安価にかつリカバリー性に富んだ利用性の良好な手動両面印刷を行うことのできる画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、入力される印刷対象データをページ毎の描画データに変換して該描画データに基づいて送り出し手段から1枚ずつ搬送されてくる印刷部材の片面に、所定のページ順序で印刷手段によって印刷して排出載置手段に排出し、該排出された片面印刷済み印刷部材が該送り出し手段に戻されると、該片面印刷済み印刷部材の他面に所定のページ順序で順次該印刷手段によって印刷する際に、入力される前記印刷対象データまたは前記描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させて所定のデータ記憶手段に記憶し、手動両面印刷処理で所定枚数目の印刷部材に印刷させる前記片面と前記他面のページのうち少なくともいずれかのページが指定されると、該指定されたページの該印刷対象データまたは該描画データを該データ記憶手段から読み出して該印刷手段に印刷部材の片面または/及び両面に印刷させることを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、前記印刷対象データまたは前記描画データのデータ量が前記データ記憶手段の記憶容量を越える場合には、該データ記憶手段に記憶可能な該印刷対象データまたは該描画データの範囲内で該印刷対象データまたは該描画データを分割して記憶し、該分割記憶された該印刷対象データまたは該描画データ毎に、前記両面印刷制御処理を順次実行することを特徴としてもよい。
【0010】
さらに、本発明は、前記手動両面印刷処理の途中で該手動両面印刷処理が異常停止すると、所定の報知手段から少なくとも該異常停止した印刷部材のページ情報を報知し、該報知に応じて再印刷が指定されると、該異常停止した印刷部材の一方の面または/及び両面のページの前記印刷対象データまたは前記描画データを前記データ記憶手段から読み出して必要な描画データへの変換を行った該描画データに基づいて前記印刷手段に該ページの該印刷部材への印刷を行うことを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、印刷データや中間データ等の印刷対象データまたはこれらを変換した描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させてデータ記憶手段に記憶して、該該ページ情報に基づいて任意のページの印刷対象データまたは描画データを読み出して印刷部材の任意の面に印刷することができるので、手動両面印刷における利用性を安価に向上させることができるとともに、印刷部材ジャム等の異常発生時のリカバリー性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0013】
図1〜図15は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の一実施例を適用したレーザプリンタ1のブロック構成図である。
【0014】
図1において、レーザプリンタ1は、コントローラ10、オペレーションパネル11及びプリンタエンジン12等を備えており、電子写真方式による印刷を行う。
【0015】
オペレーションパネル(ページ指定手段)11は、レーザプリンタ1のモード(手動両面印刷モード、片面印刷モード、プリンタモード、複写モード等)やフォント等の設定操作等の各種操作を行うための各種操作キーを備えるとともに、レーザプリンタ1の状態を表示するディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えている。特に、オペレーションパネル11は、後述する手動両面印刷による画像形成制御方法を実行する画像形成制御処理での各種設定操作等を行うのに使用される。
【0016】
プリンタエンジン12は、図示しないが、所定の印刷方式(画像形成方式)、例えば、インク噴射方式、電子写真方式等で用紙(印刷部材)に画像形成する。プリンタエンジン12は、電子写真方式の場合、該電子写真方式で用紙に画像を印刷出力するのに必要な部品、例えば、複数枚の用紙を載置して1枚ずつ画像形成ユニットに送り出す給紙部(送り出し手段)、画像形成ユニットで画像形成された用紙が順次排出されて対置される排紙部(排出載置手段)等を備え、該画像形成ユニットは、感光体、光書き込み部、現像部、帯電部及びクリーニング部等を備えている。プリンタエンジン12の画像形成ユニットは、コントローラ10から送られてくる描画データ及び制御信号により光書き込み部を動作させて感光体上に静電潜像を形成し、現像部によりトナーを感光体上に供給して現像してトナー画像を形成する。プリンタエンジン12は、給紙部から用紙を感光体と転写部との間に給紙して、感光体上のトナー画像を用紙に転写させ、トナー画像の転写された用紙を定着部に搬送して、定着部で加熱・加圧して用紙上のトナー画像を定着させることで、画像を印刷して、排紙部に排出する。
【0017】
コントローラ10は、そのとき設定されている制御モード及びホストコンピュータPcからの制御コードに従って、ホストコンピュータPcからの印刷データを、ビデオデータに変換してプリンタエンジン12へ出力する制御機構の総称であり、ホストI/F21、プログラムROM(Read Only Memory)22、フォントROM23、パネルI/F24、CPU(Central Processing Unit )25、RAM(Random Access Memory)26、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)27、エンジンI/F28及びオプションRAM29等を備えていて、上記各部は、バス30により接続されている。
【0018】
ホストI/F21には、図2に示すように、LAN(Local Area Network)等のネットワークNWを介して複数のホストコンピュータPcが接続されており、ホストI/F21は、ホストコンピュータPcから送信されてくる制御信号及びデータ(印刷データ等)を受け取るとともに、レーザプリンタ1からホストコンピュータPcに送信するステータス信号等の送り出しを行うインターフェイスである。なお、ホストコンピュータPcは、通常のハードウェア及びソフトウェア構成のパーソナルコンピュータであり、レーザプリンタ1に印刷データ及び制御信号等を送信する。
【0019】
プログラムROM22は、コントローラ10内でのデータの処理や管理及び周辺モジュールを制御するためのプログラム、具体的には、レーザプリンタ1としての基本処理プログラム及び後述する手動両面印刷を行う画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラム等の各種プログラムを格納しているとともに、これらの各プログラムを実行するのに必要な各種データを格納している。
【0020】
フォントROM23は、レーザプリンタ1で印刷に使用する各種フォントが予め格納されており、CPU25により読み出されて、印刷処理に供される。
【0021】
パネルI/F24には、上記オペレーションパネル11が接続されており、パネルI/F24は、コントローラ10とオペレーションパネル11との間の信号の授受を行う。
【0022】
CPU(制御手段)25は、プログラムROM22に格納されているプログラムに基づいて、RAM26をワークメモリとして利用しつつ、レーザプリンタ1の各部を制御して、印刷処理を行うとともに、後述する手動両面印刷を行う画像形成制御処理を実行する。
【0023】
RAM(データ記憶手段)26は、CPU25のワークメモリとして利用されるとともに、ホストコンピュータPcからの印刷データをページ単位に管理して一時記憶するバッファ及びバッファに記憶されたデータを実際の印刷パターンに変換した描画データが展開されるビットマップメモリ等として利用される。RAM26は、この印刷データまたは印刷データから変換された描画データ、あるいは、中間データを、複数ページ分蓄積する容量を有し、ホストコンピュータPcから送られてきた印刷データが複数ページにわたる場合には、これらの画像データを蓄積するとともに、該蓄積したデータへページ番号でアクセスするために、ページ番号とデータの該当ページの画像データのアドレスを紐づけした画像データ検索テーブルをも保持する。すなわち、データをそのページが特定可能なページ情報に対応させたページ情報である画像データ検索テーブルとともに記憶する。なお、この画像データ検索テーブルは、RAM26に保存する場合に限るものではなく、他のメモリ(記憶手段)、例えば、NVRAM27、オプションRAM29等に保存してもよい。また、以下の説明では、本実施例では、各ページの描画データをRAM26に順次蓄積し、そのページを特定するページ情報であるデータ検索テーブルもRAM26に格納するものとして説明するが、他のメモリ、例えば、NVRAM27やオプションRAM29等に格納してもよい。
【0024】
NVRAM27は、レーザプリンタ1の電源が切られているときにも記憶内容を保持するメモリであり、レーザプリンタ1の電源がオフの際にも保持する必要のあるデータ、特に、システム設定値、印刷枚数カウント値、印刷設定等の各種設定情報及び特に、後述する手動両面印刷処理で使用する各種データや設定情報等をCPU25の制御下で格納される。
【0025】
エンジンI/F28には、プリンタエンジン12が接続されており、コントローラ10からプリンタエンジン12への制御信号や描画データ及びレーザプリンタ1からコントローラ10へのステータス信号の授受を行う。
【0026】
オプションRAM29は、いわゆる着脱可能な補助メモリであり、RAM26の容量が不足した際等に補助として使用されるものである。
【0027】
そして、レーザプリンタ1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムを読み込んでプログラムROM22等に導入することで、後述する手動両面印刷を適切に制御する画像形成制御方法を実行するレーザプリンタ1として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0028】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のレーザプリンタ1は、手動両面印刷を途中で用紙ジャム等のトラブルが発生しても、ホストコンピュータPcから印刷データの再送信を要求することなく、適切かつ安価に両面印刷を実行する。
【0029】
まず、レーザプリンタ1による手動両面印刷の基本画像形成制御処理について、図3及び図4に基づいて説明する。レーザプリンタ1は、手動両面印刷においては、図3及び図4に示すように、大きく分けて、画像処理・奇数ページ印刷処理(ステップS110)、ガイダンス処理(ステップS120)及び偶数ページ印刷処理(ステップS130)を順次実行する。なお、図3及び図4において、N、Mは、それぞれ現在処理対象となっているページ番号を格納する変数であり、Nmaxは、最終ページのページ番号を格納する変数である。
【0030】
すなわち、CPU25は、ホストコンピュータPcから印刷データが送信されてくると、図3に示すように、まず、ホストコンピュータPcからのコマンドまたはオペレーションパネル11からの操作に基づいて、該印刷データに対する印刷が手動両面印刷であるか否かチェックし(ステップS101)、片面印刷のときには、通常の片面印刷を実行して処理を終了する(ステップS102)。すなわち、CPU25は、ホストコンピュータPcから受信した印刷データを該印刷データに対する印刷設定内容に応じてコマンド生成を行うとともに、必要な画像処理を施した後、RAM26に1ページ毎に描画データとして展開し、RAM26に展開した描画データをページ毎に制御信号とともに、順次エンジンI/F28を介してプリンタエンジン12に転送する。プリンタエンジン12は、送られてきた描画データと制御信号に基づいて、画像を用紙の片面に順次ページ毎に印刷して、印刷の完了した用紙を排紙部に順次排出載置する。
【0031】
ステップS101で、手動両面印刷が指定されていると、CPU25は、現在処理対象となっているページを格納する変数Nに「1」を格納する初期化、すなわち、奇数ページの最初のページ番号である「1」を設定する初期化を行い(ステップS103)、画像処理・奇数ページ印刷処理(ステップS110)を実行する。この画像処理・奇数ページ印刷処理では、CPU25は、まず、Nページ目の印刷データがあるかチェックし(ステップS111)、Nページ目の印刷データがあるときには、該印刷データを解釈してNページ目の描画データを生成して(ステップS112)、RAM26に蓄積した後(ステップS113)、変数Nが奇数であるか、すなわち、Nページが奇数ページであるかチェックする(ステップS114)。
【0032】
ステップS114で、変数Nが奇数のときには、CPU25は、該Nページ目の描画データ(奇数ページの描画データ)をプリンタエンジン4に送って、プリンタエンジン4で、用紙の片面に印刷させるNページ目印刷処理を行い(ステップS115)、変数Nに「1」をプラスして(ステップS116)、ステップS111に戻って、上記同様に処理する(ステップS111〜S116)。
【0033】
ステップS114で、変数Nが奇数でないときには、すなわち、Nページ目が偶数ページであるときには、CPU25は、該ページの印刷処理を行うことなく、変数Nに「1」をプラスして(ステップS116)、ステップS111に戻って、上記同様に処理する(ステップS111〜S116)。
【0034】
上記処理を順次繰り返し行い、ステップS111で、Nページ目の印刷データがないときには、すなわち、最後のまで処理が完了したときには、CPU25は、画像処理・奇数ページ印刷処理を終了して、ガイダンス処理(ステップS120)に移行する。この段階で、印刷データの最終ページまで処理が完了しているときには、該印刷データの全てのページを画像処理した描画データとしてRAM26に格納されている状態となっている。
【0035】
そして、CPU25は、ガイダンス処理(ステップS120)では、まず、印刷処理を一時停止し(ステップS121)、ユーザインターフェイスであるオペレーションパネル11のディスプレイに、例えば、図5に示すようなガイダンス画面G1を表示する(ステップS122)。このガイダンス画面G1には、図5に示すように、片面(奇数ページ)の印刷の終了した用紙の給紙トレイへのセットを促す旨と、セットが完了すると、印刷継続ボタンB1の操作を促す旨及びその他の手動両面印刷に関する情報の表示を行うとともに、印刷継続ボタンB1を表示する。
【0036】
CPU25は、オペレーションパネル11から印刷継続ボタンB1が押下されたこと示すコマンドを受信すると(ステップS123)、印刷処理を再開し(ステップS124)、図4に示す偶数ページ印刷処理(ステップS130)に移行する。なお、本実施例では、印刷継続ボタンB1が押下されることで、片面印刷済み用紙の給紙トレイへのセットの確認を行っているが、給紙トレイへの片面印刷済み用紙のセットの確認は、他の方法、例えば、給紙トレイに設けられた用紙センサによる用紙セット状態の検出結果等を用いてもよい。
【0037】
CPU25は、偶数ページ印刷処理(ステップS130)を開始すると、まず、現在処理対象となっているページを格納する変数Nから「1」を減算した値(ページ数)を、最終ページのページ番号を格納する変数Nmaxに代入し(ステップS131)、該変数Nmaxの値を現在処理対象となっているページ番号を格納する変数Mに代入して(ステップS132)、該変数Mが偶数であるか、すなわち、印刷対象のページが偶数であるかをチェックする(ステップS133)。
【0038】
ステップS133で、変数Mが偶数のときには、CPU25は、変数Mが「0」であるか、すなわち、偶数ページ印刷の最後まで印刷処理が完了しているかチェックし(ステップS134)、変数Mが「0」でないとき、すなわち、偶数ページの印刷が最後まで完了していないときには、該Mページ目の描画データ(偶数ページ目の描画データ)をRAM26からプリンタエンジン4に送って、プリンタエンジン4で、用紙の片面に印刷させるMページ目印刷処理を行う(ステップS135)。CPU25は、Mページ目の印刷を行うと、変数Mから「2」をマイナスして(ステップS136)、ステップS134に戻って、変数Mが「0」であるか、すなわち偶数ページの印刷が最後まで終了したかのチェックから上記同様に、偶数ページの印刷を繰り返し行い(ステップS134〜S136)、ステップS134で、変数Mが「0」になると、処理を終了する。例えば、総ページが11ページの場合、ステップS110で変数Nには、「12」が格納されており、この「12」から「1」をマイナスした「11」が変数Mに代入されている。すなわち、上記ステップS133で、変数Mが偶数でないとき、すなわち、印刷データ(描画データ)の最後が奇数ページであるときには、総ページ数が奇数ページであり、給紙トレイにセットされた片面印刷済みの用紙のうち最初に印刷対象となっていた用紙には、片面(奇数ページ)のみのデータしかないため、該最初の印刷対象である用紙を1枚排出して(ステップS137)、変数Mから「1」をマイナスし(ステップS138)、変数Mが偶数であるかチェックする処理から上記同様に偶数ページの印刷処理を行って(ステップS133〜S136)、ステップS134で、変数Mが「0」になると、処理を終了する。
【0039】
なお、序季節明では、ページ番号の小さい順に奇数ページから印刷し、印刷面が下になるように排出した片面印刷済み用紙を印刷面を下にして給紙部に再セットするものとして、両面印刷を行う場合について説明しているが、印刷するページ順序は、上記の順序に限るものではなく、印刷データの送られてくる順番、排紙部への排紙の表裏面の相異等によって適宜変更して、印刷処理する。
【0040】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、ホストコンピュータPcから入力される印刷対象データである印刷データをページ毎の描画データに変換して該描画データに基づいて給紙トレイから1枚ずつ搬送されてくる用紙の片面に、所定のページ順序でプリンタエンジン4によって印刷して排紙トレイに排出し、該排出された片面印刷済み用紙が給紙トレイに戻されると、該片面印刷済み用紙の他面に所定のページ順序で順次プリンタエンジン4によって印刷する際に、入力される印刷データまたは描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させてRAM26に記憶し、手動両面印刷処理で所定枚数目の用紙に印刷させる片面と他面のページのうち少なくともいずれかのページがオペレーションパネル11で指定されると、該指定されたページの該印刷対象データまたは該描画データをRAM26から読み出してプリンタエンジン4に用紙の片面または/及び両面に印刷させている。
【0041】
したがって、印刷データや中間データ等の印刷対象データまたはこれらを変換した描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させてRAM26に記憶して、該該ページ情報に基づいて任意のページの印刷対象データまたは描画データを読み出して用紙の任意の面に印刷することができるので、手動両面印刷における利用性を安価に向上させることができるとともに、用紙ジャム等の異常発生時のリカバリー性を向上させることができる。
【0042】
また、本実施例のレーザプリンタ1は、印刷データを展開した総ページの描画データのデータサイズがRAM26の記憶容量を超える場合には、図6及び図7に示すように、RAM26の記憶容量に応じた用紙複数枚分のデータ毎に分割して分割部分毎に両面印刷を行う。なお、図6及び図7において、図3及び図4の処理ステップと同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付して、その説明を簡略化する。
【0043】
すなわち、レーザプリンタ1は、分割手動両面印刷においては、図6及び図7に示すように、大きく分けて、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)、ガイダンス処理(ステップS120)及び部分偶数ページ印刷処理(ステップS230)を順次実行する。なお、図6及び図7において、Nfinは、印刷済み最終ページのページ番号を格納する変数である。
【0044】
すなわち、CPU25は、ホストコンピュータPcから印刷データが送信されてくると、図6に示すように、まず、ホストコンピュータPcからのコマンドまたはオペレーションパネル11からの操作に基づいて、該印刷データに対する印刷が手動両面印刷であるか否かチェックし(ステップS101)、片面印刷のときには、通常の片面印刷を実行して処理を終了する(ステップS102)。
【0045】
ステップS101で、手動両面印刷が指定されていると、CPU25は、印刷済み最終ページのページ番号を格納する変数Nfinに「0」を設定することで初期化を行った後(ステップS201)、該変数Nfinに「1」を加算した値を、現在処理対象となっているページを格納する変数Nに代入して(ステップS202)、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)を実行する。
【0046】
この画像処理・部分奇数ページ印刷処理では、CPU25は、まず、Nページ目の印刷データがあるかチェックする(ステップS111)。
【0047】
ステップS111で、Nページ目の印刷データがあるときには、CPU25は、該Nページ目の印刷データを解釈してNページ目の描画データを生成して(ステップS112)、該Nページ目の描画データのデータサイズがRAM26の残り容量よりも小さいか、すなわち、該Nページ目までの総描画データのデータ量がRAM26の容量よりも小さいかチェックし(ステップS211)、該Nページ目の描画データのデータサイズがRAM26の残り容量よりも小さいときには、該Nページ目の描画データをRAM26に格納可能であると判断して、Nページ目の描画データをRAM26に蓄積する(ステップS113)。CPU25は、RAM26への描画データの蓄積を行うと、変数Nが奇数であるかチェックする(ステップS114)。
【0048】
ステップS114で、変数Nが奇数のときには、CPU25は、該Nページ目の描画データ(奇数ページの描画データ)をプリンタエンジン4に送って、プリンタエンジン4で、用紙の片面に印刷させるNページ目印刷処理を行い(ステップS115)、変数Nに「1」をプラスして(ステップS116)、ステップS111に戻って、上記同様に処理する(ステップS111、S112、S211、S113〜S116)。
【0049】
ステップS114で、変数Nが奇数でないときには、すなわち、Nページ目が偶数ページであるときには、CPU25は、該ページの印刷処理を行うことなく、変数Nに「1」をプラスして(ステップS116)、ステップS111に戻って、上記同様に処理する(ステップS111、S112、S211、S113〜S116)。
【0050】
上記処理を順次繰り返し行い、ステップS111で、Nページ目の印刷データがなくなるか、すなわち、最後の奇数ページまで印刷を行うか、ステップS211で、Nページ目の描画データのデータサイズがRAM26の残り容量以上の大きさであると、CPU25は、画像処理・部分奇数ページ印刷処理を終了して、ガイダンス処理(ステップS120)に移行する。この段階で、印刷データの最終ページまで処理が完了しているときには、該印刷データの全てのページを画像処理した全ての表裏のページの描画データがRAM26に格納されている状態となっており、印刷データの途中でRAM26への描画データの格納が不可能になると、印刷データの途中までの表裏ページの部分描画データがRAM26に格納されている状態となっている。
【0051】
そして、CPU25は、ガイダンス処理(ステップS120)では、まず、印刷処理を一時停止し(ステップS121)、ユーザインターフェイスであるオペレーションパネル11のディスプレイに、例えば、図5に示したようなガイダンス画面G1を表示する(ステップS122)。
【0052】
CPU25は、オペレーションパネル11から印刷継続ボタンB1が押下されたこと示すコマンドを受信すると(ステップS123)、印刷処理を再開し(ステップS124)、図7に示す部分偶数ページ印刷処理(ステップS230)に移行する。
【0053】
CPU25は、部分偶数ページ印刷処理(ステップS230)を開始すると、まず、現在処理対象となっているページを格納する変数Nから「1」を減算した値(ページ数)を、最終ページのページ番号を格納する変数Nmaxに代入し(ステップS131)、該変数Nmaxの値を現在処理対象となっているページ番号を格納する変数Mに代入して(ステップS132)、該変数Mが偶数であるかチェックする(ステップS133)。
【0054】
ステップS133で、変数Mが偶数のときには、CPU25は、変数Mが、印刷済み最終ページのページ番号を格納する変数Nfinの値となっているか、すなわち、分割された描画データの部分偶数ページ印刷処理での最後まで印刷処理が完了しているかチェックし(ステップS231)、変数MがNfinでないとき、すなわち、部分偶数ページの印刷が分割された描画データの最後まで完了していないときには、該Mページ目の描画データ(偶数ページ目の描画データ)をRAM26からプリンタエンジン4に送って、プリンタエンジン4で、用紙の片面に印刷させるMページ目印刷処理を行う(ステップS135)。CPU25は、Mページ目の印刷を行うと、変数Mから「2」をマイナスして(ステップS136)、ステップS231に戻って、変数Mが変数Nfinであるかのチェック処理から上記同様に、部分偶数ページ印刷処理を繰り返し行い(ステップS231、S135、S136)、ステップS134で、変数Mが変数Nfinになると、続きの印刷データ(描画データ)が有るかチェックする(ステップS232)。すなわち、今回処理した部分偶数ページ印刷処理で、全ての印刷データ(描画データ)の両面印刷が完了したかチェックする。
【0055】
ステップS232で、続きの印刷データ(描画データ)があるとき、すなわち、印刷データを分割しているときには、変数Nmaxの値を変数Nfinに代入し(ステップS233)、図6のステップS202に移行して、変数Nfinに値Nを代入した後(ステップS202)、上記同様に、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)及びガイダンス処理(ステップS120)を実行して、再度、図7の部分偶数ページ印刷処理230のステップS131に戻る。部分偶数ページ印刷処理230において、ステップS232で続きの印刷データがないときには、CPU25は、全ての印刷データについて、手動両面印刷処理が完了したと判断して、処理を終了する。
【0056】
そして、部分偶数ページ印刷処理230において、ステップS133で、変数Mが偶数でないとき、すなわち、印刷データ(描画データ)の最後が奇数ページであるときには、上記同様に、給紙トレイにセットされた片面印刷済みの用紙のうち最初に印刷対象となっていた用紙には、片面(奇数ページ)のみのデータしかないため、該最初の印刷対象である用紙を1枚排出して(ステップS137)、変数Mから「1」をマイナスし(ステップS138)、変数Mが偶数であるかチェックする処理から上記同様に偶数ページの印刷処理を行う(ステップS133、S231、S135、S136、S232、S233)。
【0057】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、印刷データまたは描画データのデータ量がRAM26の記憶容量を越える場合には、RAM26に記憶可能な該印刷データまたは該描画データの範囲内で該描画データ(または印刷データ)を分割して記憶し、該分割記憶された該印刷データまたは該描画データ毎に、両面印刷制御処理を順次実行している。
【0058】
したがって、RAM26として大容量のものを備えていない場合にも、データ量の大きな印刷データの両面印刷をリカバリー性が良好な状態で、適切かつ安価に行うことができ、より一層利用性を向上させることができる。
【0059】
さらに、本実施例のレーザプリンタ1は、図8及び図9に示すように、任意の枚数だけ任意の枚数目(ページ目)の試し手動両面印刷を行うことができる。なお、図8及び図9は、図6及び図7の印刷データのデータ量が大きい場合にも対応するために、図6及び図7の場合と同様の処理を行うものとして、適用したものである。そこで、図8及び図9の説明において、図6及び図7と同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付与して、その説明を簡略化する。
【0060】
この試し手動両面印刷では、図8及び図9に示すように、大きく分けて、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)、ガイダンス処理(ステップS120)及び部分偶数ページ印刷処理(ステップS330)を順次実行する。
【0061】
すなわち、CPU25は、ホストコンピュータPcから印刷データが送信されてくると、図8に示すように、まず、ホストコンピュータPcからのコマンドまたはオペレーションパネル11からの操作に基づいて、該印刷データに対する印刷が手動両面印刷であるか否かチェックし(ステップS101)、片面印刷のときには、通常の片面印刷を実行して処理を終了する(ステップS102)。
【0062】
ステップS101で、手動両面印刷が指定されていると、CPU25は、印刷済み最終ページのページ番号を格納する変数Nfinに「0」を設定し、変数Nfin+1を変数Nに代入することで初期化を行った後(ステップS301)、画像処理・部分奇数ページ印刷処理を実行し(ステップS210)、次に、ガイダンス処理を実行して(ステップS120)、試し部分偶数ページ印刷処理(ステップS330)を実行する。このガイダンス処理(ステップS120)は、基本的には、図3及び図6のガイダンス処理と同じであるが、オペレーションパネル11のディスプレイに表示するガイダンス画面が、図10に示すような用紙再セットを促すガイダンス画面G2となっており、印刷継続ボタンB1と、原稿確認ボタンB2とを表示して、1ページ印刷後、原稿(ここでいう原稿とは、印刷済み用紙のことをいう。)を確認する場合には、原稿確認ボタンB2の押下、原稿確認なしで偶数ページを印刷する場合は、印刷継続ボタンB1の押下を依頼する旨の表示を行う。
【0063】
CPU25は、試し部分偶数ページ印刷処理(ステップS330)を開始すると、まず、現在処理対象となっているページを格納する変数Nから「1」を減算した値(ページ数)を、最終ページのページ番号を格納する変数Nmaxに代入して、該変数Nmaxの値を現在処理対象となっているページ番号を格納する変数Mに代入し(ステップS131、S132)、該変数Mが偶数であるかチェックする(ステップS133)。
【0064】
ステップS133で、変数Mが偶数でないときには、すなわち、印刷データ(描画データ)の最後が奇数ページであるときには、給紙トレイにセットされた片面印刷済みの用紙のうち最初に印刷対象となっていた用紙には、片面(奇数ページ)のみのデータしかないため、該最初の印刷対象である用紙を1枚排出して(ステップS137)、変数Mから「1」をマイナスし(ステップS138)、変数Mが偶数であるかチェックする(ステップS133)。
【0065】
ステップS133で、変数Mが偶数のときには、CPU25は、試し印刷が1枚だけであるかチェックし(ステップS331)、処理対象のページ番号を格納する変数Mが変数Nfinであるか、すなわち、最終ページであるかチェックする(ステップS332)。変数Mが変数Nfinでないときには、CPU25は、該Mページ目の描画データをRAM26からプリンタエンジン12に送って印刷し(ステップS333)、ガイダンス処理(ステップS334)を行う。このガイダンス処理では、CPU25は、例えば、図11に示すように、印刷結果確認を促すガイダンス画面G3をオペレーションパネル11のディスプレイに表示し、このガイダンス画面G3では、1枚の両面印刷の完了報告と原稿(印刷済み用紙)の確認を依頼する旨の表示を行い、また、印刷継続ボタンB1とリカバリーボタンB3を表示して、継続印刷を許可する場合には、印刷継続ボタンB1の押下、修正が必要な場合には、用紙の再セットと白紙の用紙の追加(1枚)及びリカバリーボタンB3の押下を依頼する旨の表示を行う。
【0066】
ガイダンス画面G3の表示を行うと、CPU25は、1枚目の両面印刷済みの用紙(原稿)に問題があるか否かをガイダンス画面G3で押下されるボタン(印刷継続ボタンB1とリカバリーボタンB3のいずれか)の種類によってチェックし(ステップS335)、問題があるとき、すなわち、リカバリーボタンB3が押下されたときには、変数Mのページから「1」ページを減算したページ(M−1ページ)目の描画データをRAM26からプリンタエンジン12へ送って印刷する(ステップS336)。
【0067】
CPU25は、M−1ページ目の印刷を完了すると、ガイダンス処理(ステップS337)を行う。このガイダンス処理では、CPU25は、例えば、図12に示すように、リカバリー印刷対象の奇数ページの印刷が完了して、片面(奇数面)印刷済みの用紙の給紙トレイへの再セットを促すガイダンス画面G4をオペレーションパネル11のディスプレイに表示し、このガイダンス画面G4では、印刷継続ボタンB1を表示して、用紙の再セットを行うと、印刷継続ボタンB1の押下を依頼する旨の表示を行う。
【0068】
CPU25は、ガイダンス画面G4の表示を行うと、ステップS332に戻って、変数Mが変数Nfinであるかのチェックから上記同様に行い(ステップS332〜S337)、変数Mが変数Nfinであると、続きの印刷データ(描画データ)が有るかチェックする(ステップS232)。すなわち、今回処理した部分偶数ページ印刷処理で、全ての印刷データ(描画データ)の両面印刷が完了したかチェックする。
【0069】
ステップS232で、続きの印刷データ(描画データ)があるとき、すなわち、印刷データを分割しているときには、変数Nmaxの値を変数Nfinに代入し(ステップS339)、図8のステップS210に移行して、上記同様に、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)及びガイダンス処理(ステップS120)を実行して、再度、図7の部分偶数ページ印刷処理230のステップS131に戻る。試しページ印刷処理330に移行して、ステップS133で変数Mが偶数であって、ステップS331で1枚だけ両面印刷が完了したら印刷済み用紙を確認するときには、上記同様に、図9のステップS332で、変数Mが変数Nfinであるかのチェックから上記同様に行う(ステップS133〜S337)。
【0070】
そして、ステップS331で1枚だけ両面印刷が完了しても印刷済み用紙を確認しないときには、CPU25は、ステップS340に移行して、変数Mが変数Nfinであるかチェックし(ステップS340)、変数Mが変数Nfinでないときには、Mページ目を印刷し(ステップS341)、変数Mから「2」を減算して(ステップS342)、変数Mが変数Nfinになったか確認する処理を、該変数Mが変数Nfinになるまで繰り返し行う(ステップS340〜S342)。
【0071】
ステップS340で、変数Mが変数Nfinになると、続きの印刷データがあるかチェックし(ステップS338)、続きの印刷データがあると、変数Nmaxの値を変数Nfinに代入して(ステップS339)、図8の画像処理・部分奇数ページ印刷処理から上記同様に処理する(ステップS210、S120、S330)。
【0072】
そして、試しページ印刷処理330のステップS335で、1枚目の両面印刷済みの用紙に問題がないとき、すなわち、ガイダンス画面G3で印刷継続ボタンB1が押されたときには、CPU25は、変数Mから「2」を減算して(ステップS342、変数Mが変数Nfinになったかのチェックから上記同様に処理する(ステップS340〜S342)。
【0073】
また、ステップS332で、変数Mが変数finであるときには、ステップS338に移行して、続きの印刷データがあるかチェックし(ステップS338)、続きの印刷データがあるときには、変数Nmaxの値をNfinに代入して(ステップS339)、上記同様に処理する(ステップS210、ステップS120、ステップS330)。そして、ステップS330のステップS338で続きの印刷データがなくなると、処理を終了する。
【0074】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、オペレーションパネル11から任意のページが指定されて、試し印刷が指定されると、該指定されたページの両面印刷を行うことができ、より一層利用性を向上させることができる。
【0075】
また、本実施例のレーザプリンタ1は、図13及び図14に示すように、手動両面印刷を行っている途中で、用紙ジャム等の異常が発生した場合には、該異常の発生した用紙への再印刷を可能とするリカバリー対応印刷処理を行う。なお、図13及び図14においては、その説明上、図8及び図9と同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付与して、その説明を簡略化する。
【0076】
このリカバリー対応印刷処理では、CPU25は、大きく分けて、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)、ガイダンス処理(ステップS120)及びリカバリー・部分偶数ページ印刷処理(ステップS340)を順次実行する。
【0077】
すなわち、CPU25は、ホストコンピュータPcから印刷データが送信されてくると、図13に示すように、まず、ホストコンピュータPcからのコマンドまたはオペレーションパネル11からの操作に基づいて、該印刷データに対する印刷が手動両面印刷であるか否かチェックし(ステップS101)、片面印刷のときには、通常の片面印刷を実行して処理を終了する(ステップS102)。
【0078】
ステップS101で、手動両面印刷が指定されていると、CPU25は、印刷済み最終ページのページ番号を格納する変数Nfinに「0」を設定し、変数Nfin+1を変数Nに代入することで初期化を行った後(ステップS301)、画像処理・部分奇数ページ印刷処理を実行し(ステップS210)、次に、ガイダンス処理を実行して(ステップS120)、リカバリー・部分偶数ページ印刷処理(ステップS350)を実行する。このガイダンス処理(ステップS120)は、基本的には、図3及び図6のガイダンス処理と同じであるが、オペレーションパネル11のディスプレイにガイダンス画面G1を表示する。
【0079】
CPU25は、リカバリー・部分偶数ページ印刷処理(ステップS350)を開始すると、まず、現在処理対象となっているページを格納する変数Nから「1」を減算した値(ページ数)を、最終ページのページ番号を格納する変数Nmaxに代入して、該変数Nmaxの値を現在処理対象となっているページ番号を格納する変数Mに代入し(ステップS131、S132)、該変数Mが偶数であるかチェックする(ステップS133)。
【0080】
ステップS133で、変数Mが偶数でないときには、すなわち、印刷データ(描画データ)の最後が奇数ページであるときには、CPU25は、給紙トレイにセットされた片面印刷済みの用紙のうち最初に印刷対象となっていた用紙には、片面(奇数ページ)のみのデータしかないため、該最初の印刷対象である用紙を1枚排出して(ステップS137)、変数Mから「1」をマイナスし(ステップS138)、変数Mが偶数であるかチェックする(ステップS133)。
【0081】
ステップS133で、変数Mが偶数のときには、CPU25は、図14に示すように、処理対象のページ番号を格納する変数Mが変数Nfinであるか、すなわち、最終ページであるかチェックする(ステップS332)。変数Mが変数Nfinでないときには、CPU25は、該Mページ目の描画データをRAM26からプリンタエンジン12に送って印刷し(ステップS333)、用紙ジャム(JAM)等の異常が発生したかチェックして(ステップS351)、異常が発生していないときには、変数Mに「2」をマイナスした値を代入し(ステップS352)、該変数Mが変数Nfinであるかチェックして(ステップS332)、変数Mが変数Nfinでないときには、該Mページ目を印刷して異常発生を確認する処理を順次繰り返して行う(ステップS332、S333、S351、S352)。
【0082】
ステップS332で、変数Mが変数Nfinであるとき、すなわち、RAM26に蓄積可能な描画データの最後まで印刷を完了すると、CPU25は、続きの印刷データが有るかチェックし(ステップS338)、続きの印刷データがあるときには、変数Nmaxの値を変数Nfinに代入して(ステップS339)、図13のステップS210に戻って、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)から上記同様の処理を行い、リカバリー・偶数ページ印刷処理S350に入って、上記同様にリカバリー・偶数ページ印刷処理S350を行い、ステップS351で、用紙ジャム等の異常が発生すると、例えば、用紙ジャムが発生した場合、図15に示すように、紙詰まりが発生した旨、用紙の除去の依頼、白紙の用紙の追加(1枚)の依頼を報知出力し、また、印刷継続ボタンB1とリカバリーボタンB4を表示して、失敗したページを再印刷する場合には、リカバリーボタンB4の押下を、失敗したページを無視して印刷を継続する場合には、印刷継続ボタンB1の押下をそれぞれ依頼する旨の表示を行う。
【0083】
CPU25は、ガイダンス処理(ステップS353)を行うと、ジャムになったページを再度印刷するか否かを、上記印刷継続ボタンB1が押下されたか、リカバリーボタンB4が押下されたかで判断する(ステップS354)。CPU25は、用紙ジャムの発生したページを無視する場合(継続ボタンB1が押下された場合)には、変数Mに「2」をマイナスした値を代入し(ステップS352)、該変数Mが変数Nfinであるかチェックし(ステップS332)、変数Mが変数Nfinでないときには、該Mページ目を印刷して異常発生を確認する処理を順次繰り返して行う(ステップS332、S333、S351〜S354)。
【0084】
ステップS354で、用紙ジャム等の異常の発生したページを再度印刷する場合には、CPU25は、変数Mから「1」をマイナス(M−1)したページ(M−1ページ)目をRAM26からプリンタエンジン12に送ってプリンタエンジン44で用紙に印刷処理、すなわち、異常発生した用紙の奇数ページを印刷処理し(ステップS355)、M−1ページ目の印刷を完了すると、ガイダンス処理(ステップS356)を行う。このガイダンス処理では、CPU25は、例えば、図12に示したように、リカバリー印刷対象の奇数ページの印刷が完了して、片面(奇数面)印刷済みの用紙の給紙トレイへの再セットを促すガイダンス画面G4をオペレーションパネル11のディスプレイに表示する。
【0085】
CPU25は、ガイダンス処理(ステップS356)を行うと、ステップS333に戻って、該異常発生した用紙の偶数ページの印刷から上記同様に偶数ページの印刷を続行する(ステップS333、S332、S351〜S356)。
【0086】
ステップS332で、変数Mが変数Nfinになると、続きの印刷データ(描画データ)が有るかチェックする(ステップS232)。すなわち、今回処理した部分偶数ページ印刷処理で、全ての印刷データ(描画データ)の両面印刷が完了したかチェックする。
【0087】
ステップS232で、続きの印刷データ(描画データ)があるとき、すなわち、印刷データを分割しているときには、変数Nmaxの値を変数Nfinに代入し(ステップS339)、図13のステップS210に移行して、上記同様に、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)及びガイダンス処理(ステップS120)を実行して、再度、図13及び図14のリカバリー・偶数ページ印刷処理S350を実行する。
【0088】
そして、リカバリー・偶数ページ印刷処理S350において、ステップS338で、続きの印刷データがなくなると、処理を終了する。
【0089】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、手動両面印刷処理の途中で該手動両面印刷処理が異常停止すると、少なくとも該異常停止した旨をオペレーションパネル11のディスプレイにガイダンス画面G5に表示して報知し、該ガイダンス画面G5のリカバリーボタンB4が押下されて再印刷が指定されると、該異常停止した用紙の一方の面または/及び両面のページの印刷データまたは描画データをRAM26から読み出して必要な描画データへの変換を行った描画データに基づいてプリンタエンジン4でページの用紙への印刷を行っている。
【0090】
したがって、用紙ジャム等で適切に印刷が行われなかった用紙のページを再印刷することができ、安価に利用性を向上させることができる。
【0091】
また、本実施例のレーザプリンタ1は、ガイダンス画面G5に印刷継続を指定する印刷継続ボタンB1を表示して、該印刷継続ボタンB1が押下されて印刷継続が指定されると、異常停止した該用紙の次の用紙への印刷から手動両面印刷処理を再開している。
【0092】
したがって、異常停止しても、印刷内容が利用可能な場合に、不必要な再印刷を行うこと省くことができ、資源の有効活用を図りつつ、利用性を向上させることができる。
【0093】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、手動で両面印刷を安価かつ適切に行う画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の一実施例を適用したレーザプリンタのブロック構成図。
【図2】図1のレーザプリンタの接続されるネットワークシステムの一例を示す図。
【図3】図1のレーザプリンタによる手動両面印刷時の画像形成制御処理を示すフローチャート。
【図4】図3の画像形成制御処理の続きの処理を示すフローチャート。
【図5】図3の画像形成制御処理のガイダンス処理で表示されるガイダンス画面の一例を示す図。
【図6】大容量印刷データを分割して手動両面印刷するときの画像形成制御処理を示すフローチャート。
【図7】図6の画像形成制御処理の続きの処理を示すフローチャート。
【図8】試し手動両面印刷時の画像形成制御処理を示すフローチャート
【図9】図8の画像形成制御処理の続きの処理を示すフローチャート。
【図10】図8の画像形成制御処理のガイダンス処理で表示されるガイダンス画面の一例を示す図。
【図11】図9の画像形成制御処理のガイダンス処理で表示されるガイダンス画面の位置レを示す図。
【図12】図9の画像形成制御処理の他のガイダンス処理で表示されるガイダンス画面の位置レを示す図。
【図13】図1のレーザプリンタによる手動両面印刷での異常発生対策処理を伴う画像形成制御処理を示すフローチャート。
【図14】図13の画像形成制御処理の続きの処理を示すフローチャート。
【図15】図14のガイダンス処理で表示されるガイダンス画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0096】
1 レーザプリンタ
10 コントローラ
11 オペレーションパネル
12 プリンタエンジン
21 ホストI/F
22 プログラムROM
23 フォントROM 24 パネルI/F
25 CPU
26 RAM
27 NVRAM
28 エンジンI/F
29 オプションRAM
30 バス
G1〜G4 ガイダンス画面
B1 印刷継続ボタン
B2 原稿確認ボタン
B3 リカバリーボタン
B4 リカバリーボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、両面印刷を安価かつ適切に行う画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ等の画像形成装置においては、紙資源の節約を図るために、用紙の両面に印刷する両面印刷が行われている。
【0003】
このような両面印刷を行う画像形成装置には、両面印刷ユニットを備えて用紙の反転処理を画像形成装置内で自動的に行って、自動的に用紙の両面にページ順に自動両面印刷を行う画像形成装置と、印刷データの奇数ページの画像のみを用紙の片面に順次印刷して排紙トレイに排出し、印刷データの奇数ページの印刷を完了すると、手動で該排紙トレイ上に排出された用紙を反対面を印刷面として給紙トレイや手差しトレイ等へのセットが行われて印刷指示があると、印刷データの偶数ページを該片面印刷済の反対面に順次印刷する手動両面印刷を行う画像形成装置がある。
【0004】
ところが、画像形成装置としては、両面印刷ユニットを備えると、価格が高くなるため、手動両面印刷を行う画像形成装置が要望され、このような手動両面印刷機能を有する画像形成装置としては、コンピュータ等のホスト装置から入力される画像情報を可視画像データに展開して、該可視画像データを記録手段で用紙等の記録媒体に記録する記録処理と、次に展開した可視画像データを記憶手段に記憶する記憶処理と、を交互に行い、手動両面印刷が指定されている状態で、該記録済み記録媒体が給紙部等にセットされて記憶手段の可視画像データの出力が指定されると、該記録済み記録媒体の裏面に該記憶手段の可視画像データを記録することで、手動両面印刷をする技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−199104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術にあっては、手動両面印刷において、入力されて展開した可視画像データをページ毎に用紙への記録と記憶手段への記憶を交互に行うとともに、用紙が反転されてセットされて記録指示が行われると、記憶手段の可視画像データの該用紙への記録を行うという処理を交互に繰り返し行っているため、記憶手段には、裏面の可視画像データのみしか記憶することができず、例えば、表面を記録(以下、印刷という。)した後に、裏面の印刷時に用紙ジャム等が発生した場合、表面の画像を再印刷しなおすことができない。その結果、用紙ジャム等の印刷トラブルが発生すると、トラブルの発生したページの画像をホストコンピュータから送り直して、印刷しなおす必要があり、画像形成装置自体で印刷をやり直すことができず、利用性が悪いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、安価にかつリカバリー性に富んだ利用性の良好な手動両面印刷を行うことのできる画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、入力される印刷対象データをページ毎の描画データに変換して該描画データに基づいて送り出し手段から1枚ずつ搬送されてくる印刷部材の片面に、所定のページ順序で印刷手段によって印刷して排出載置手段に排出し、該排出された片面印刷済み印刷部材が該送り出し手段に戻されると、該片面印刷済み印刷部材の他面に所定のページ順序で順次該印刷手段によって印刷する際に、入力される前記印刷対象データまたは前記描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させて所定のデータ記憶手段に記憶し、手動両面印刷処理で所定枚数目の印刷部材に印刷させる前記片面と前記他面のページのうち少なくともいずれかのページが指定されると、該指定されたページの該印刷対象データまたは該描画データを該データ記憶手段から読み出して該印刷手段に印刷部材の片面または/及び両面に印刷させることを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、前記印刷対象データまたは前記描画データのデータ量が前記データ記憶手段の記憶容量を越える場合には、該データ記憶手段に記憶可能な該印刷対象データまたは該描画データの範囲内で該印刷対象データまたは該描画データを分割して記憶し、該分割記憶された該印刷対象データまたは該描画データ毎に、前記両面印刷制御処理を順次実行することを特徴としてもよい。
【0010】
さらに、本発明は、前記手動両面印刷処理の途中で該手動両面印刷処理が異常停止すると、所定の報知手段から少なくとも該異常停止した印刷部材のページ情報を報知し、該報知に応じて再印刷が指定されると、該異常停止した印刷部材の一方の面または/及び両面のページの前記印刷対象データまたは前記描画データを前記データ記憶手段から読み出して必要な描画データへの変換を行った該描画データに基づいて前記印刷手段に該ページの該印刷部材への印刷を行うことを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、印刷データや中間データ等の印刷対象データまたはこれらを変換した描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させてデータ記憶手段に記憶して、該該ページ情報に基づいて任意のページの印刷対象データまたは描画データを読み出して印刷部材の任意の面に印刷することができるので、手動両面印刷における利用性を安価に向上させることができるとともに、印刷部材ジャム等の異常発生時のリカバリー性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0013】
図1〜図15は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の一実施例を適用したレーザプリンタ1のブロック構成図である。
【0014】
図1において、レーザプリンタ1は、コントローラ10、オペレーションパネル11及びプリンタエンジン12等を備えており、電子写真方式による印刷を行う。
【0015】
オペレーションパネル(ページ指定手段)11は、レーザプリンタ1のモード(手動両面印刷モード、片面印刷モード、プリンタモード、複写モード等)やフォント等の設定操作等の各種操作を行うための各種操作キーを備えるとともに、レーザプリンタ1の状態を表示するディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えている。特に、オペレーションパネル11は、後述する手動両面印刷による画像形成制御方法を実行する画像形成制御処理での各種設定操作等を行うのに使用される。
【0016】
プリンタエンジン12は、図示しないが、所定の印刷方式(画像形成方式)、例えば、インク噴射方式、電子写真方式等で用紙(印刷部材)に画像形成する。プリンタエンジン12は、電子写真方式の場合、該電子写真方式で用紙に画像を印刷出力するのに必要な部品、例えば、複数枚の用紙を載置して1枚ずつ画像形成ユニットに送り出す給紙部(送り出し手段)、画像形成ユニットで画像形成された用紙が順次排出されて対置される排紙部(排出載置手段)等を備え、該画像形成ユニットは、感光体、光書き込み部、現像部、帯電部及びクリーニング部等を備えている。プリンタエンジン12の画像形成ユニットは、コントローラ10から送られてくる描画データ及び制御信号により光書き込み部を動作させて感光体上に静電潜像を形成し、現像部によりトナーを感光体上に供給して現像してトナー画像を形成する。プリンタエンジン12は、給紙部から用紙を感光体と転写部との間に給紙して、感光体上のトナー画像を用紙に転写させ、トナー画像の転写された用紙を定着部に搬送して、定着部で加熱・加圧して用紙上のトナー画像を定着させることで、画像を印刷して、排紙部に排出する。
【0017】
コントローラ10は、そのとき設定されている制御モード及びホストコンピュータPcからの制御コードに従って、ホストコンピュータPcからの印刷データを、ビデオデータに変換してプリンタエンジン12へ出力する制御機構の総称であり、ホストI/F21、プログラムROM(Read Only Memory)22、フォントROM23、パネルI/F24、CPU(Central Processing Unit )25、RAM(Random Access Memory)26、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)27、エンジンI/F28及びオプションRAM29等を備えていて、上記各部は、バス30により接続されている。
【0018】
ホストI/F21には、図2に示すように、LAN(Local Area Network)等のネットワークNWを介して複数のホストコンピュータPcが接続されており、ホストI/F21は、ホストコンピュータPcから送信されてくる制御信号及びデータ(印刷データ等)を受け取るとともに、レーザプリンタ1からホストコンピュータPcに送信するステータス信号等の送り出しを行うインターフェイスである。なお、ホストコンピュータPcは、通常のハードウェア及びソフトウェア構成のパーソナルコンピュータであり、レーザプリンタ1に印刷データ及び制御信号等を送信する。
【0019】
プログラムROM22は、コントローラ10内でのデータの処理や管理及び周辺モジュールを制御するためのプログラム、具体的には、レーザプリンタ1としての基本処理プログラム及び後述する手動両面印刷を行う画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラム等の各種プログラムを格納しているとともに、これらの各プログラムを実行するのに必要な各種データを格納している。
【0020】
フォントROM23は、レーザプリンタ1で印刷に使用する各種フォントが予め格納されており、CPU25により読み出されて、印刷処理に供される。
【0021】
パネルI/F24には、上記オペレーションパネル11が接続されており、パネルI/F24は、コントローラ10とオペレーションパネル11との間の信号の授受を行う。
【0022】
CPU(制御手段)25は、プログラムROM22に格納されているプログラムに基づいて、RAM26をワークメモリとして利用しつつ、レーザプリンタ1の各部を制御して、印刷処理を行うとともに、後述する手動両面印刷を行う画像形成制御処理を実行する。
【0023】
RAM(データ記憶手段)26は、CPU25のワークメモリとして利用されるとともに、ホストコンピュータPcからの印刷データをページ単位に管理して一時記憶するバッファ及びバッファに記憶されたデータを実際の印刷パターンに変換した描画データが展開されるビットマップメモリ等として利用される。RAM26は、この印刷データまたは印刷データから変換された描画データ、あるいは、中間データを、複数ページ分蓄積する容量を有し、ホストコンピュータPcから送られてきた印刷データが複数ページにわたる場合には、これらの画像データを蓄積するとともに、該蓄積したデータへページ番号でアクセスするために、ページ番号とデータの該当ページの画像データのアドレスを紐づけした画像データ検索テーブルをも保持する。すなわち、データをそのページが特定可能なページ情報に対応させたページ情報である画像データ検索テーブルとともに記憶する。なお、この画像データ検索テーブルは、RAM26に保存する場合に限るものではなく、他のメモリ(記憶手段)、例えば、NVRAM27、オプションRAM29等に保存してもよい。また、以下の説明では、本実施例では、各ページの描画データをRAM26に順次蓄積し、そのページを特定するページ情報であるデータ検索テーブルもRAM26に格納するものとして説明するが、他のメモリ、例えば、NVRAM27やオプションRAM29等に格納してもよい。
【0024】
NVRAM27は、レーザプリンタ1の電源が切られているときにも記憶内容を保持するメモリであり、レーザプリンタ1の電源がオフの際にも保持する必要のあるデータ、特に、システム設定値、印刷枚数カウント値、印刷設定等の各種設定情報及び特に、後述する手動両面印刷処理で使用する各種データや設定情報等をCPU25の制御下で格納される。
【0025】
エンジンI/F28には、プリンタエンジン12が接続されており、コントローラ10からプリンタエンジン12への制御信号や描画データ及びレーザプリンタ1からコントローラ10へのステータス信号の授受を行う。
【0026】
オプションRAM29は、いわゆる着脱可能な補助メモリであり、RAM26の容量が不足した際等に補助として使用されるものである。
【0027】
そして、レーザプリンタ1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムを読み込んでプログラムROM22等に導入することで、後述する手動両面印刷を適切に制御する画像形成制御方法を実行するレーザプリンタ1として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0028】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のレーザプリンタ1は、手動両面印刷を途中で用紙ジャム等のトラブルが発生しても、ホストコンピュータPcから印刷データの再送信を要求することなく、適切かつ安価に両面印刷を実行する。
【0029】
まず、レーザプリンタ1による手動両面印刷の基本画像形成制御処理について、図3及び図4に基づいて説明する。レーザプリンタ1は、手動両面印刷においては、図3及び図4に示すように、大きく分けて、画像処理・奇数ページ印刷処理(ステップS110)、ガイダンス処理(ステップS120)及び偶数ページ印刷処理(ステップS130)を順次実行する。なお、図3及び図4において、N、Mは、それぞれ現在処理対象となっているページ番号を格納する変数であり、Nmaxは、最終ページのページ番号を格納する変数である。
【0030】
すなわち、CPU25は、ホストコンピュータPcから印刷データが送信されてくると、図3に示すように、まず、ホストコンピュータPcからのコマンドまたはオペレーションパネル11からの操作に基づいて、該印刷データに対する印刷が手動両面印刷であるか否かチェックし(ステップS101)、片面印刷のときには、通常の片面印刷を実行して処理を終了する(ステップS102)。すなわち、CPU25は、ホストコンピュータPcから受信した印刷データを該印刷データに対する印刷設定内容に応じてコマンド生成を行うとともに、必要な画像処理を施した後、RAM26に1ページ毎に描画データとして展開し、RAM26に展開した描画データをページ毎に制御信号とともに、順次エンジンI/F28を介してプリンタエンジン12に転送する。プリンタエンジン12は、送られてきた描画データと制御信号に基づいて、画像を用紙の片面に順次ページ毎に印刷して、印刷の完了した用紙を排紙部に順次排出載置する。
【0031】
ステップS101で、手動両面印刷が指定されていると、CPU25は、現在処理対象となっているページを格納する変数Nに「1」を格納する初期化、すなわち、奇数ページの最初のページ番号である「1」を設定する初期化を行い(ステップS103)、画像処理・奇数ページ印刷処理(ステップS110)を実行する。この画像処理・奇数ページ印刷処理では、CPU25は、まず、Nページ目の印刷データがあるかチェックし(ステップS111)、Nページ目の印刷データがあるときには、該印刷データを解釈してNページ目の描画データを生成して(ステップS112)、RAM26に蓄積した後(ステップS113)、変数Nが奇数であるか、すなわち、Nページが奇数ページであるかチェックする(ステップS114)。
【0032】
ステップS114で、変数Nが奇数のときには、CPU25は、該Nページ目の描画データ(奇数ページの描画データ)をプリンタエンジン4に送って、プリンタエンジン4で、用紙の片面に印刷させるNページ目印刷処理を行い(ステップS115)、変数Nに「1」をプラスして(ステップS116)、ステップS111に戻って、上記同様に処理する(ステップS111〜S116)。
【0033】
ステップS114で、変数Nが奇数でないときには、すなわち、Nページ目が偶数ページであるときには、CPU25は、該ページの印刷処理を行うことなく、変数Nに「1」をプラスして(ステップS116)、ステップS111に戻って、上記同様に処理する(ステップS111〜S116)。
【0034】
上記処理を順次繰り返し行い、ステップS111で、Nページ目の印刷データがないときには、すなわち、最後のまで処理が完了したときには、CPU25は、画像処理・奇数ページ印刷処理を終了して、ガイダンス処理(ステップS120)に移行する。この段階で、印刷データの最終ページまで処理が完了しているときには、該印刷データの全てのページを画像処理した描画データとしてRAM26に格納されている状態となっている。
【0035】
そして、CPU25は、ガイダンス処理(ステップS120)では、まず、印刷処理を一時停止し(ステップS121)、ユーザインターフェイスであるオペレーションパネル11のディスプレイに、例えば、図5に示すようなガイダンス画面G1を表示する(ステップS122)。このガイダンス画面G1には、図5に示すように、片面(奇数ページ)の印刷の終了した用紙の給紙トレイへのセットを促す旨と、セットが完了すると、印刷継続ボタンB1の操作を促す旨及びその他の手動両面印刷に関する情報の表示を行うとともに、印刷継続ボタンB1を表示する。
【0036】
CPU25は、オペレーションパネル11から印刷継続ボタンB1が押下されたこと示すコマンドを受信すると(ステップS123)、印刷処理を再開し(ステップS124)、図4に示す偶数ページ印刷処理(ステップS130)に移行する。なお、本実施例では、印刷継続ボタンB1が押下されることで、片面印刷済み用紙の給紙トレイへのセットの確認を行っているが、給紙トレイへの片面印刷済み用紙のセットの確認は、他の方法、例えば、給紙トレイに設けられた用紙センサによる用紙セット状態の検出結果等を用いてもよい。
【0037】
CPU25は、偶数ページ印刷処理(ステップS130)を開始すると、まず、現在処理対象となっているページを格納する変数Nから「1」を減算した値(ページ数)を、最終ページのページ番号を格納する変数Nmaxに代入し(ステップS131)、該変数Nmaxの値を現在処理対象となっているページ番号を格納する変数Mに代入して(ステップS132)、該変数Mが偶数であるか、すなわち、印刷対象のページが偶数であるかをチェックする(ステップS133)。
【0038】
ステップS133で、変数Mが偶数のときには、CPU25は、変数Mが「0」であるか、すなわち、偶数ページ印刷の最後まで印刷処理が完了しているかチェックし(ステップS134)、変数Mが「0」でないとき、すなわち、偶数ページの印刷が最後まで完了していないときには、該Mページ目の描画データ(偶数ページ目の描画データ)をRAM26からプリンタエンジン4に送って、プリンタエンジン4で、用紙の片面に印刷させるMページ目印刷処理を行う(ステップS135)。CPU25は、Mページ目の印刷を行うと、変数Mから「2」をマイナスして(ステップS136)、ステップS134に戻って、変数Mが「0」であるか、すなわち偶数ページの印刷が最後まで終了したかのチェックから上記同様に、偶数ページの印刷を繰り返し行い(ステップS134〜S136)、ステップS134で、変数Mが「0」になると、処理を終了する。例えば、総ページが11ページの場合、ステップS110で変数Nには、「12」が格納されており、この「12」から「1」をマイナスした「11」が変数Mに代入されている。すなわち、上記ステップS133で、変数Mが偶数でないとき、すなわち、印刷データ(描画データ)の最後が奇数ページであるときには、総ページ数が奇数ページであり、給紙トレイにセットされた片面印刷済みの用紙のうち最初に印刷対象となっていた用紙には、片面(奇数ページ)のみのデータしかないため、該最初の印刷対象である用紙を1枚排出して(ステップS137)、変数Mから「1」をマイナスし(ステップS138)、変数Mが偶数であるかチェックする処理から上記同様に偶数ページの印刷処理を行って(ステップS133〜S136)、ステップS134で、変数Mが「0」になると、処理を終了する。
【0039】
なお、序季節明では、ページ番号の小さい順に奇数ページから印刷し、印刷面が下になるように排出した片面印刷済み用紙を印刷面を下にして給紙部に再セットするものとして、両面印刷を行う場合について説明しているが、印刷するページ順序は、上記の順序に限るものではなく、印刷データの送られてくる順番、排紙部への排紙の表裏面の相異等によって適宜変更して、印刷処理する。
【0040】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、ホストコンピュータPcから入力される印刷対象データである印刷データをページ毎の描画データに変換して該描画データに基づいて給紙トレイから1枚ずつ搬送されてくる用紙の片面に、所定のページ順序でプリンタエンジン4によって印刷して排紙トレイに排出し、該排出された片面印刷済み用紙が給紙トレイに戻されると、該片面印刷済み用紙の他面に所定のページ順序で順次プリンタエンジン4によって印刷する際に、入力される印刷データまたは描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させてRAM26に記憶し、手動両面印刷処理で所定枚数目の用紙に印刷させる片面と他面のページのうち少なくともいずれかのページがオペレーションパネル11で指定されると、該指定されたページの該印刷対象データまたは該描画データをRAM26から読み出してプリンタエンジン4に用紙の片面または/及び両面に印刷させている。
【0041】
したがって、印刷データや中間データ等の印刷対象データまたはこれらを変換した描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させてRAM26に記憶して、該該ページ情報に基づいて任意のページの印刷対象データまたは描画データを読み出して用紙の任意の面に印刷することができるので、手動両面印刷における利用性を安価に向上させることができるとともに、用紙ジャム等の異常発生時のリカバリー性を向上させることができる。
【0042】
また、本実施例のレーザプリンタ1は、印刷データを展開した総ページの描画データのデータサイズがRAM26の記憶容量を超える場合には、図6及び図7に示すように、RAM26の記憶容量に応じた用紙複数枚分のデータ毎に分割して分割部分毎に両面印刷を行う。なお、図6及び図7において、図3及び図4の処理ステップと同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付して、その説明を簡略化する。
【0043】
すなわち、レーザプリンタ1は、分割手動両面印刷においては、図6及び図7に示すように、大きく分けて、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)、ガイダンス処理(ステップS120)及び部分偶数ページ印刷処理(ステップS230)を順次実行する。なお、図6及び図7において、Nfinは、印刷済み最終ページのページ番号を格納する変数である。
【0044】
すなわち、CPU25は、ホストコンピュータPcから印刷データが送信されてくると、図6に示すように、まず、ホストコンピュータPcからのコマンドまたはオペレーションパネル11からの操作に基づいて、該印刷データに対する印刷が手動両面印刷であるか否かチェックし(ステップS101)、片面印刷のときには、通常の片面印刷を実行して処理を終了する(ステップS102)。
【0045】
ステップS101で、手動両面印刷が指定されていると、CPU25は、印刷済み最終ページのページ番号を格納する変数Nfinに「0」を設定することで初期化を行った後(ステップS201)、該変数Nfinに「1」を加算した値を、現在処理対象となっているページを格納する変数Nに代入して(ステップS202)、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)を実行する。
【0046】
この画像処理・部分奇数ページ印刷処理では、CPU25は、まず、Nページ目の印刷データがあるかチェックする(ステップS111)。
【0047】
ステップS111で、Nページ目の印刷データがあるときには、CPU25は、該Nページ目の印刷データを解釈してNページ目の描画データを生成して(ステップS112)、該Nページ目の描画データのデータサイズがRAM26の残り容量よりも小さいか、すなわち、該Nページ目までの総描画データのデータ量がRAM26の容量よりも小さいかチェックし(ステップS211)、該Nページ目の描画データのデータサイズがRAM26の残り容量よりも小さいときには、該Nページ目の描画データをRAM26に格納可能であると判断して、Nページ目の描画データをRAM26に蓄積する(ステップS113)。CPU25は、RAM26への描画データの蓄積を行うと、変数Nが奇数であるかチェックする(ステップS114)。
【0048】
ステップS114で、変数Nが奇数のときには、CPU25は、該Nページ目の描画データ(奇数ページの描画データ)をプリンタエンジン4に送って、プリンタエンジン4で、用紙の片面に印刷させるNページ目印刷処理を行い(ステップS115)、変数Nに「1」をプラスして(ステップS116)、ステップS111に戻って、上記同様に処理する(ステップS111、S112、S211、S113〜S116)。
【0049】
ステップS114で、変数Nが奇数でないときには、すなわち、Nページ目が偶数ページであるときには、CPU25は、該ページの印刷処理を行うことなく、変数Nに「1」をプラスして(ステップS116)、ステップS111に戻って、上記同様に処理する(ステップS111、S112、S211、S113〜S116)。
【0050】
上記処理を順次繰り返し行い、ステップS111で、Nページ目の印刷データがなくなるか、すなわち、最後の奇数ページまで印刷を行うか、ステップS211で、Nページ目の描画データのデータサイズがRAM26の残り容量以上の大きさであると、CPU25は、画像処理・部分奇数ページ印刷処理を終了して、ガイダンス処理(ステップS120)に移行する。この段階で、印刷データの最終ページまで処理が完了しているときには、該印刷データの全てのページを画像処理した全ての表裏のページの描画データがRAM26に格納されている状態となっており、印刷データの途中でRAM26への描画データの格納が不可能になると、印刷データの途中までの表裏ページの部分描画データがRAM26に格納されている状態となっている。
【0051】
そして、CPU25は、ガイダンス処理(ステップS120)では、まず、印刷処理を一時停止し(ステップS121)、ユーザインターフェイスであるオペレーションパネル11のディスプレイに、例えば、図5に示したようなガイダンス画面G1を表示する(ステップS122)。
【0052】
CPU25は、オペレーションパネル11から印刷継続ボタンB1が押下されたこと示すコマンドを受信すると(ステップS123)、印刷処理を再開し(ステップS124)、図7に示す部分偶数ページ印刷処理(ステップS230)に移行する。
【0053】
CPU25は、部分偶数ページ印刷処理(ステップS230)を開始すると、まず、現在処理対象となっているページを格納する変数Nから「1」を減算した値(ページ数)を、最終ページのページ番号を格納する変数Nmaxに代入し(ステップS131)、該変数Nmaxの値を現在処理対象となっているページ番号を格納する変数Mに代入して(ステップS132)、該変数Mが偶数であるかチェックする(ステップS133)。
【0054】
ステップS133で、変数Mが偶数のときには、CPU25は、変数Mが、印刷済み最終ページのページ番号を格納する変数Nfinの値となっているか、すなわち、分割された描画データの部分偶数ページ印刷処理での最後まで印刷処理が完了しているかチェックし(ステップS231)、変数MがNfinでないとき、すなわち、部分偶数ページの印刷が分割された描画データの最後まで完了していないときには、該Mページ目の描画データ(偶数ページ目の描画データ)をRAM26からプリンタエンジン4に送って、プリンタエンジン4で、用紙の片面に印刷させるMページ目印刷処理を行う(ステップS135)。CPU25は、Mページ目の印刷を行うと、変数Mから「2」をマイナスして(ステップS136)、ステップS231に戻って、変数Mが変数Nfinであるかのチェック処理から上記同様に、部分偶数ページ印刷処理を繰り返し行い(ステップS231、S135、S136)、ステップS134で、変数Mが変数Nfinになると、続きの印刷データ(描画データ)が有るかチェックする(ステップS232)。すなわち、今回処理した部分偶数ページ印刷処理で、全ての印刷データ(描画データ)の両面印刷が完了したかチェックする。
【0055】
ステップS232で、続きの印刷データ(描画データ)があるとき、すなわち、印刷データを分割しているときには、変数Nmaxの値を変数Nfinに代入し(ステップS233)、図6のステップS202に移行して、変数Nfinに値Nを代入した後(ステップS202)、上記同様に、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)及びガイダンス処理(ステップS120)を実行して、再度、図7の部分偶数ページ印刷処理230のステップS131に戻る。部分偶数ページ印刷処理230において、ステップS232で続きの印刷データがないときには、CPU25は、全ての印刷データについて、手動両面印刷処理が完了したと判断して、処理を終了する。
【0056】
そして、部分偶数ページ印刷処理230において、ステップS133で、変数Mが偶数でないとき、すなわち、印刷データ(描画データ)の最後が奇数ページであるときには、上記同様に、給紙トレイにセットされた片面印刷済みの用紙のうち最初に印刷対象となっていた用紙には、片面(奇数ページ)のみのデータしかないため、該最初の印刷対象である用紙を1枚排出して(ステップS137)、変数Mから「1」をマイナスし(ステップS138)、変数Mが偶数であるかチェックする処理から上記同様に偶数ページの印刷処理を行う(ステップS133、S231、S135、S136、S232、S233)。
【0057】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、印刷データまたは描画データのデータ量がRAM26の記憶容量を越える場合には、RAM26に記憶可能な該印刷データまたは該描画データの範囲内で該描画データ(または印刷データ)を分割して記憶し、該分割記憶された該印刷データまたは該描画データ毎に、両面印刷制御処理を順次実行している。
【0058】
したがって、RAM26として大容量のものを備えていない場合にも、データ量の大きな印刷データの両面印刷をリカバリー性が良好な状態で、適切かつ安価に行うことができ、より一層利用性を向上させることができる。
【0059】
さらに、本実施例のレーザプリンタ1は、図8及び図9に示すように、任意の枚数だけ任意の枚数目(ページ目)の試し手動両面印刷を行うことができる。なお、図8及び図9は、図6及び図7の印刷データのデータ量が大きい場合にも対応するために、図6及び図7の場合と同様の処理を行うものとして、適用したものである。そこで、図8及び図9の説明において、図6及び図7と同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付与して、その説明を簡略化する。
【0060】
この試し手動両面印刷では、図8及び図9に示すように、大きく分けて、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)、ガイダンス処理(ステップS120)及び部分偶数ページ印刷処理(ステップS330)を順次実行する。
【0061】
すなわち、CPU25は、ホストコンピュータPcから印刷データが送信されてくると、図8に示すように、まず、ホストコンピュータPcからのコマンドまたはオペレーションパネル11からの操作に基づいて、該印刷データに対する印刷が手動両面印刷であるか否かチェックし(ステップS101)、片面印刷のときには、通常の片面印刷を実行して処理を終了する(ステップS102)。
【0062】
ステップS101で、手動両面印刷が指定されていると、CPU25は、印刷済み最終ページのページ番号を格納する変数Nfinに「0」を設定し、変数Nfin+1を変数Nに代入することで初期化を行った後(ステップS301)、画像処理・部分奇数ページ印刷処理を実行し(ステップS210)、次に、ガイダンス処理を実行して(ステップS120)、試し部分偶数ページ印刷処理(ステップS330)を実行する。このガイダンス処理(ステップS120)は、基本的には、図3及び図6のガイダンス処理と同じであるが、オペレーションパネル11のディスプレイに表示するガイダンス画面が、図10に示すような用紙再セットを促すガイダンス画面G2となっており、印刷継続ボタンB1と、原稿確認ボタンB2とを表示して、1ページ印刷後、原稿(ここでいう原稿とは、印刷済み用紙のことをいう。)を確認する場合には、原稿確認ボタンB2の押下、原稿確認なしで偶数ページを印刷する場合は、印刷継続ボタンB1の押下を依頼する旨の表示を行う。
【0063】
CPU25は、試し部分偶数ページ印刷処理(ステップS330)を開始すると、まず、現在処理対象となっているページを格納する変数Nから「1」を減算した値(ページ数)を、最終ページのページ番号を格納する変数Nmaxに代入して、該変数Nmaxの値を現在処理対象となっているページ番号を格納する変数Mに代入し(ステップS131、S132)、該変数Mが偶数であるかチェックする(ステップS133)。
【0064】
ステップS133で、変数Mが偶数でないときには、すなわち、印刷データ(描画データ)の最後が奇数ページであるときには、給紙トレイにセットされた片面印刷済みの用紙のうち最初に印刷対象となっていた用紙には、片面(奇数ページ)のみのデータしかないため、該最初の印刷対象である用紙を1枚排出して(ステップS137)、変数Mから「1」をマイナスし(ステップS138)、変数Mが偶数であるかチェックする(ステップS133)。
【0065】
ステップS133で、変数Mが偶数のときには、CPU25は、試し印刷が1枚だけであるかチェックし(ステップS331)、処理対象のページ番号を格納する変数Mが変数Nfinであるか、すなわち、最終ページであるかチェックする(ステップS332)。変数Mが変数Nfinでないときには、CPU25は、該Mページ目の描画データをRAM26からプリンタエンジン12に送って印刷し(ステップS333)、ガイダンス処理(ステップS334)を行う。このガイダンス処理では、CPU25は、例えば、図11に示すように、印刷結果確認を促すガイダンス画面G3をオペレーションパネル11のディスプレイに表示し、このガイダンス画面G3では、1枚の両面印刷の完了報告と原稿(印刷済み用紙)の確認を依頼する旨の表示を行い、また、印刷継続ボタンB1とリカバリーボタンB3を表示して、継続印刷を許可する場合には、印刷継続ボタンB1の押下、修正が必要な場合には、用紙の再セットと白紙の用紙の追加(1枚)及びリカバリーボタンB3の押下を依頼する旨の表示を行う。
【0066】
ガイダンス画面G3の表示を行うと、CPU25は、1枚目の両面印刷済みの用紙(原稿)に問題があるか否かをガイダンス画面G3で押下されるボタン(印刷継続ボタンB1とリカバリーボタンB3のいずれか)の種類によってチェックし(ステップS335)、問題があるとき、すなわち、リカバリーボタンB3が押下されたときには、変数Mのページから「1」ページを減算したページ(M−1ページ)目の描画データをRAM26からプリンタエンジン12へ送って印刷する(ステップS336)。
【0067】
CPU25は、M−1ページ目の印刷を完了すると、ガイダンス処理(ステップS337)を行う。このガイダンス処理では、CPU25は、例えば、図12に示すように、リカバリー印刷対象の奇数ページの印刷が完了して、片面(奇数面)印刷済みの用紙の給紙トレイへの再セットを促すガイダンス画面G4をオペレーションパネル11のディスプレイに表示し、このガイダンス画面G4では、印刷継続ボタンB1を表示して、用紙の再セットを行うと、印刷継続ボタンB1の押下を依頼する旨の表示を行う。
【0068】
CPU25は、ガイダンス画面G4の表示を行うと、ステップS332に戻って、変数Mが変数Nfinであるかのチェックから上記同様に行い(ステップS332〜S337)、変数Mが変数Nfinであると、続きの印刷データ(描画データ)が有るかチェックする(ステップS232)。すなわち、今回処理した部分偶数ページ印刷処理で、全ての印刷データ(描画データ)の両面印刷が完了したかチェックする。
【0069】
ステップS232で、続きの印刷データ(描画データ)があるとき、すなわち、印刷データを分割しているときには、変数Nmaxの値を変数Nfinに代入し(ステップS339)、図8のステップS210に移行して、上記同様に、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)及びガイダンス処理(ステップS120)を実行して、再度、図7の部分偶数ページ印刷処理230のステップS131に戻る。試しページ印刷処理330に移行して、ステップS133で変数Mが偶数であって、ステップS331で1枚だけ両面印刷が完了したら印刷済み用紙を確認するときには、上記同様に、図9のステップS332で、変数Mが変数Nfinであるかのチェックから上記同様に行う(ステップS133〜S337)。
【0070】
そして、ステップS331で1枚だけ両面印刷が完了しても印刷済み用紙を確認しないときには、CPU25は、ステップS340に移行して、変数Mが変数Nfinであるかチェックし(ステップS340)、変数Mが変数Nfinでないときには、Mページ目を印刷し(ステップS341)、変数Mから「2」を減算して(ステップS342)、変数Mが変数Nfinになったか確認する処理を、該変数Mが変数Nfinになるまで繰り返し行う(ステップS340〜S342)。
【0071】
ステップS340で、変数Mが変数Nfinになると、続きの印刷データがあるかチェックし(ステップS338)、続きの印刷データがあると、変数Nmaxの値を変数Nfinに代入して(ステップS339)、図8の画像処理・部分奇数ページ印刷処理から上記同様に処理する(ステップS210、S120、S330)。
【0072】
そして、試しページ印刷処理330のステップS335で、1枚目の両面印刷済みの用紙に問題がないとき、すなわち、ガイダンス画面G3で印刷継続ボタンB1が押されたときには、CPU25は、変数Mから「2」を減算して(ステップS342、変数Mが変数Nfinになったかのチェックから上記同様に処理する(ステップS340〜S342)。
【0073】
また、ステップS332で、変数Mが変数finであるときには、ステップS338に移行して、続きの印刷データがあるかチェックし(ステップS338)、続きの印刷データがあるときには、変数Nmaxの値をNfinに代入して(ステップS339)、上記同様に処理する(ステップS210、ステップS120、ステップS330)。そして、ステップS330のステップS338で続きの印刷データがなくなると、処理を終了する。
【0074】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、オペレーションパネル11から任意のページが指定されて、試し印刷が指定されると、該指定されたページの両面印刷を行うことができ、より一層利用性を向上させることができる。
【0075】
また、本実施例のレーザプリンタ1は、図13及び図14に示すように、手動両面印刷を行っている途中で、用紙ジャム等の異常が発生した場合には、該異常の発生した用紙への再印刷を可能とするリカバリー対応印刷処理を行う。なお、図13及び図14においては、その説明上、図8及び図9と同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付与して、その説明を簡略化する。
【0076】
このリカバリー対応印刷処理では、CPU25は、大きく分けて、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)、ガイダンス処理(ステップS120)及びリカバリー・部分偶数ページ印刷処理(ステップS340)を順次実行する。
【0077】
すなわち、CPU25は、ホストコンピュータPcから印刷データが送信されてくると、図13に示すように、まず、ホストコンピュータPcからのコマンドまたはオペレーションパネル11からの操作に基づいて、該印刷データに対する印刷が手動両面印刷であるか否かチェックし(ステップS101)、片面印刷のときには、通常の片面印刷を実行して処理を終了する(ステップS102)。
【0078】
ステップS101で、手動両面印刷が指定されていると、CPU25は、印刷済み最終ページのページ番号を格納する変数Nfinに「0」を設定し、変数Nfin+1を変数Nに代入することで初期化を行った後(ステップS301)、画像処理・部分奇数ページ印刷処理を実行し(ステップS210)、次に、ガイダンス処理を実行して(ステップS120)、リカバリー・部分偶数ページ印刷処理(ステップS350)を実行する。このガイダンス処理(ステップS120)は、基本的には、図3及び図6のガイダンス処理と同じであるが、オペレーションパネル11のディスプレイにガイダンス画面G1を表示する。
【0079】
CPU25は、リカバリー・部分偶数ページ印刷処理(ステップS350)を開始すると、まず、現在処理対象となっているページを格納する変数Nから「1」を減算した値(ページ数)を、最終ページのページ番号を格納する変数Nmaxに代入して、該変数Nmaxの値を現在処理対象となっているページ番号を格納する変数Mに代入し(ステップS131、S132)、該変数Mが偶数であるかチェックする(ステップS133)。
【0080】
ステップS133で、変数Mが偶数でないときには、すなわち、印刷データ(描画データ)の最後が奇数ページであるときには、CPU25は、給紙トレイにセットされた片面印刷済みの用紙のうち最初に印刷対象となっていた用紙には、片面(奇数ページ)のみのデータしかないため、該最初の印刷対象である用紙を1枚排出して(ステップS137)、変数Mから「1」をマイナスし(ステップS138)、変数Mが偶数であるかチェックする(ステップS133)。
【0081】
ステップS133で、変数Mが偶数のときには、CPU25は、図14に示すように、処理対象のページ番号を格納する変数Mが変数Nfinであるか、すなわち、最終ページであるかチェックする(ステップS332)。変数Mが変数Nfinでないときには、CPU25は、該Mページ目の描画データをRAM26からプリンタエンジン12に送って印刷し(ステップS333)、用紙ジャム(JAM)等の異常が発生したかチェックして(ステップS351)、異常が発生していないときには、変数Mに「2」をマイナスした値を代入し(ステップS352)、該変数Mが変数Nfinであるかチェックして(ステップS332)、変数Mが変数Nfinでないときには、該Mページ目を印刷して異常発生を確認する処理を順次繰り返して行う(ステップS332、S333、S351、S352)。
【0082】
ステップS332で、変数Mが変数Nfinであるとき、すなわち、RAM26に蓄積可能な描画データの最後まで印刷を完了すると、CPU25は、続きの印刷データが有るかチェックし(ステップS338)、続きの印刷データがあるときには、変数Nmaxの値を変数Nfinに代入して(ステップS339)、図13のステップS210に戻って、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)から上記同様の処理を行い、リカバリー・偶数ページ印刷処理S350に入って、上記同様にリカバリー・偶数ページ印刷処理S350を行い、ステップS351で、用紙ジャム等の異常が発生すると、例えば、用紙ジャムが発生した場合、図15に示すように、紙詰まりが発生した旨、用紙の除去の依頼、白紙の用紙の追加(1枚)の依頼を報知出力し、また、印刷継続ボタンB1とリカバリーボタンB4を表示して、失敗したページを再印刷する場合には、リカバリーボタンB4の押下を、失敗したページを無視して印刷を継続する場合には、印刷継続ボタンB1の押下をそれぞれ依頼する旨の表示を行う。
【0083】
CPU25は、ガイダンス処理(ステップS353)を行うと、ジャムになったページを再度印刷するか否かを、上記印刷継続ボタンB1が押下されたか、リカバリーボタンB4が押下されたかで判断する(ステップS354)。CPU25は、用紙ジャムの発生したページを無視する場合(継続ボタンB1が押下された場合)には、変数Mに「2」をマイナスした値を代入し(ステップS352)、該変数Mが変数Nfinであるかチェックし(ステップS332)、変数Mが変数Nfinでないときには、該Mページ目を印刷して異常発生を確認する処理を順次繰り返して行う(ステップS332、S333、S351〜S354)。
【0084】
ステップS354で、用紙ジャム等の異常の発生したページを再度印刷する場合には、CPU25は、変数Mから「1」をマイナス(M−1)したページ(M−1ページ)目をRAM26からプリンタエンジン12に送ってプリンタエンジン44で用紙に印刷処理、すなわち、異常発生した用紙の奇数ページを印刷処理し(ステップS355)、M−1ページ目の印刷を完了すると、ガイダンス処理(ステップS356)を行う。このガイダンス処理では、CPU25は、例えば、図12に示したように、リカバリー印刷対象の奇数ページの印刷が完了して、片面(奇数面)印刷済みの用紙の給紙トレイへの再セットを促すガイダンス画面G4をオペレーションパネル11のディスプレイに表示する。
【0085】
CPU25は、ガイダンス処理(ステップS356)を行うと、ステップS333に戻って、該異常発生した用紙の偶数ページの印刷から上記同様に偶数ページの印刷を続行する(ステップS333、S332、S351〜S356)。
【0086】
ステップS332で、変数Mが変数Nfinになると、続きの印刷データ(描画データ)が有るかチェックする(ステップS232)。すなわち、今回処理した部分偶数ページ印刷処理で、全ての印刷データ(描画データ)の両面印刷が完了したかチェックする。
【0087】
ステップS232で、続きの印刷データ(描画データ)があるとき、すなわち、印刷データを分割しているときには、変数Nmaxの値を変数Nfinに代入し(ステップS339)、図13のステップS210に移行して、上記同様に、画像処理・部分奇数ページ印刷処理(ステップS210)及びガイダンス処理(ステップS120)を実行して、再度、図13及び図14のリカバリー・偶数ページ印刷処理S350を実行する。
【0088】
そして、リカバリー・偶数ページ印刷処理S350において、ステップS338で、続きの印刷データがなくなると、処理を終了する。
【0089】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、手動両面印刷処理の途中で該手動両面印刷処理が異常停止すると、少なくとも該異常停止した旨をオペレーションパネル11のディスプレイにガイダンス画面G5に表示して報知し、該ガイダンス画面G5のリカバリーボタンB4が押下されて再印刷が指定されると、該異常停止した用紙の一方の面または/及び両面のページの印刷データまたは描画データをRAM26から読み出して必要な描画データへの変換を行った描画データに基づいてプリンタエンジン4でページの用紙への印刷を行っている。
【0090】
したがって、用紙ジャム等で適切に印刷が行われなかった用紙のページを再印刷することができ、安価に利用性を向上させることができる。
【0091】
また、本実施例のレーザプリンタ1は、ガイダンス画面G5に印刷継続を指定する印刷継続ボタンB1を表示して、該印刷継続ボタンB1が押下されて印刷継続が指定されると、異常停止した該用紙の次の用紙への印刷から手動両面印刷処理を再開している。
【0092】
したがって、異常停止しても、印刷内容が利用可能な場合に、不必要な再印刷を行うこと省くことができ、資源の有効活用を図りつつ、利用性を向上させることができる。
【0093】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、手動で両面印刷を安価かつ適切に行う画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の一実施例を適用したレーザプリンタのブロック構成図。
【図2】図1のレーザプリンタの接続されるネットワークシステムの一例を示す図。
【図3】図1のレーザプリンタによる手動両面印刷時の画像形成制御処理を示すフローチャート。
【図4】図3の画像形成制御処理の続きの処理を示すフローチャート。
【図5】図3の画像形成制御処理のガイダンス処理で表示されるガイダンス画面の一例を示す図。
【図6】大容量印刷データを分割して手動両面印刷するときの画像形成制御処理を示すフローチャート。
【図7】図6の画像形成制御処理の続きの処理を示すフローチャート。
【図8】試し手動両面印刷時の画像形成制御処理を示すフローチャート
【図9】図8の画像形成制御処理の続きの処理を示すフローチャート。
【図10】図8の画像形成制御処理のガイダンス処理で表示されるガイダンス画面の一例を示す図。
【図11】図9の画像形成制御処理のガイダンス処理で表示されるガイダンス画面の位置レを示す図。
【図12】図9の画像形成制御処理の他のガイダンス処理で表示されるガイダンス画面の位置レを示す図。
【図13】図1のレーザプリンタによる手動両面印刷での異常発生対策処理を伴う画像形成制御処理を示すフローチャート。
【図14】図13の画像形成制御処理の続きの処理を示すフローチャート。
【図15】図14のガイダンス処理で表示されるガイダンス画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0096】
1 レーザプリンタ
10 コントローラ
11 オペレーションパネル
12 プリンタエンジン
21 ホストI/F
22 プログラムROM
23 フォントROM 24 パネルI/F
25 CPU
26 RAM
27 NVRAM
28 エンジンI/F
29 オプションRAM
30 バス
G1〜G4 ガイダンス画面
B1 印刷継続ボタン
B2 原稿確認ボタン
B3 リカバリーボタン
B4 リカバリーボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される印刷対象データをページ毎の描画データに変換して該描画データに基づいて送り出し手段から1枚ずつ搬送されてくる印刷部材の片面に、所定のページ順序で印刷手段によって印刷して排出載置手段に排出し、該排出された片面印刷済み印刷部材が該送り出し手段に戻されると、該片面印刷済み印刷部材の他面に所定のページ順序で順次該印刷手段によって印刷する手動両面印刷処理機能を備えた画像形成装置において、入力される前記印刷対象データまたは前記描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させて記憶するデータ記憶手段と、前記手動両面印刷処理で所定枚数目の前記印刷部材に印刷させる前記片面と前記他面のページのうち少なくともいずれかのページを指定するページ指定手段と、該ページ指定手段で指定されたページの該印刷対象データまたは該描画データを該データ記憶手段から読み出して該印刷手段に該印刷部材の片面または/及び両面に印刷させる制御手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記データ記憶手段は、前記印刷対象データまたは前記描画データのデータ量が該データ記憶手段の記憶容量を越える場合には、該データ記憶手段に記憶可能な該印刷対象データまたは該描画データの範囲内で該印刷対象データまたは該描画データを分割して記憶し、前記制御手段は、該分割記憶された該印刷対象データまたは該描画データ毎に、前記両面印刷制御処理を順次実行することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、前記手動両面印刷処理の途中で該手動両面印刷処理が異常停止すると、少なくとも該異常停止した旨を報知する報知手段と、再印刷を指定する再印刷指定手段と、を備え、前記制御手段は、該報知手段の報知に応じて該再印刷指定手段で再印刷が指定されると、該異常停止した印刷部材の一方の面または/及び両面のページの前記印刷対象データまたは前記描画データを前記データ記憶手段から読み出して必要な描画データへの変換を行った該描画データに基づいて前記印刷手段に該ページの該印刷部材への印刷を行わせることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、印刷継続を指定する印刷継続指定手段を備え、前記報知手段の報知に応じて該印刷継続指定手段で該印刷継続が指定されると、前記異常停止した該印刷部材の次の印刷部材への印刷から前記手動両面印刷処理を再開することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
入力される印刷対象データをページ毎の描画データに変換して該描画データに基づいて送り出し手段から1枚ずつ搬送されてくる印刷部材の片面に、所定のページ順序で印刷手段によって印刷して排出載置手段に排出し、該排出された片面印刷済み印刷部材が該送り出し手段に戻されると、該片面印刷済み印刷部材の他面に所定のページ順序で順次該印刷手段によって印刷する手動両面印刷処理機能を備えた画像形成装置における画像形成制御方法であって、入力される前記印刷対象データまたは前記描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させて所定のデータ記憶手段に記憶させるデータ記憶処理ステップと、前記手動両面印刷処理で所定枚数目の前記印刷部材に印刷させる前記片面と前記他面のページのうち少なくともいずれかのページが指定されるページ指定処理ステップと、該ページ指定処理ステップで指定されたページの該印刷対象データまたは該描画データを該データ記憶手段から読み出して該印刷手段に該印刷部材の片面または/及び両面に印刷させる制御処理ステップと、を有していることを特徴とする画像形成制御方法。
【請求項6】
前記記憶処理ステップは、前記印刷対象データまたは前記描画データのデータ量が前記データ記憶手段の記憶容量を越える場合には、該データ記憶手段に記憶可能な該印刷対象データまたは該描画データの範囲内で該印刷対象データまたは該描画データを分割して記憶し、前記制御処理ステップは、該分割記憶された該印刷対象データまたは該描画データ毎に、前記両面印刷制御処理を順次実行することを特徴とする請求項5記載の画像形成制御方法。
【請求項7】
前記画像形成制御方法は、前記手動両面印刷処理の途中で該手動両面印刷処理が異常停止すると、所定の報知手段から少なくとも該異常停止した旨を報知する報知処理ステップを備え、前記制御処理ステップは、該報知処理ステップでの報知に応じて所定の再印刷指定手段から再印刷が指定されると、該異常停止した印刷部材の一方の面または/及び両面のページの前記印刷対象データまたは前記描画データを前記データ記憶手段から読み出して必要な描画データへの変換を行った該描画データに基づいて前記印刷手段に該ページの該印刷部材への印刷を行わせることを特徴とする請求項5または請求項6記載の画像形成制御方法。
【請求項8】
入力される印刷対象データをページ毎の描画データに変換して該描画データに基づいて送り出し手段から1枚ずつ搬送されてくる印刷部材の片面に、所定のページ順序で印刷手段によって印刷して排出載置手段に排出し、該排出された片面印刷済み印刷部材が該送り出し手段に戻されると、該片面印刷済み印刷部材の他面に所定のページ順序で順次該印刷手段によって印刷する手動両面印刷処理機能を備えた画像形成装置に搭載される画像形成制御プログラムであって、コンピュータに、入力される前記印刷対象データまたは前記描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させて所定のデータ記憶手段に記憶させるデータ記憶処理と、前記手動両面印刷処理で所定枚数目の前記印刷部材に印刷させる前記片面と前記他面のページのうち少なくともいずれかのページが指定されるページ指定処理と、該ページ指定処理で指定されたページの該印刷対象データまたは該描画データを該データ記憶手段から読み出して該印刷手段に該印刷部材の片面または/及び両面に印刷させる制御処理と、を実行させることを特徴とする画像形成制御プログラム。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
入力される印刷対象データをページ毎の描画データに変換して該描画データに基づいて送り出し手段から1枚ずつ搬送されてくる印刷部材の片面に、所定のページ順序で印刷手段によって印刷して排出載置手段に排出し、該排出された片面印刷済み印刷部材が該送り出し手段に戻されると、該片面印刷済み印刷部材の他面に所定のページ順序で順次該印刷手段によって印刷する手動両面印刷処理機能を備えた画像形成装置において、入力される前記印刷対象データまたは前記描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させて記憶するデータ記憶手段と、前記手動両面印刷処理で所定枚数目の前記印刷部材に印刷させる前記片面と前記他面のページのうち少なくともいずれかのページを指定するページ指定手段と、該ページ指定手段で指定されたページの該印刷対象データまたは該描画データを該データ記憶手段から読み出して該印刷手段に該印刷部材の片面または/及び両面に印刷させる制御手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記データ記憶手段は、前記印刷対象データまたは前記描画データのデータ量が該データ記憶手段の記憶容量を越える場合には、該データ記憶手段に記憶可能な該印刷対象データまたは該描画データの範囲内で該印刷対象データまたは該描画データを分割して記憶し、前記制御手段は、該分割記憶された該印刷対象データまたは該描画データ毎に、前記両面印刷制御処理を順次実行することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、前記手動両面印刷処理の途中で該手動両面印刷処理が異常停止すると、少なくとも該異常停止した旨を報知する報知手段と、再印刷を指定する再印刷指定手段と、を備え、前記制御手段は、該報知手段の報知に応じて該再印刷指定手段で再印刷が指定されると、該異常停止した印刷部材の一方の面または/及び両面のページの前記印刷対象データまたは前記描画データを前記データ記憶手段から読み出して必要な描画データへの変換を行った該描画データに基づいて前記印刷手段に該ページの該印刷部材への印刷を行わせることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、印刷継続を指定する印刷継続指定手段を備え、前記報知手段の報知に応じて該印刷継続指定手段で該印刷継続が指定されると、前記異常停止した該印刷部材の次の印刷部材への印刷から前記手動両面印刷処理を再開することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
入力される印刷対象データをページ毎の描画データに変換して該描画データに基づいて送り出し手段から1枚ずつ搬送されてくる印刷部材の片面に、所定のページ順序で印刷手段によって印刷して排出載置手段に排出し、該排出された片面印刷済み印刷部材が該送り出し手段に戻されると、該片面印刷済み印刷部材の他面に所定のページ順序で順次該印刷手段によって印刷する手動両面印刷処理機能を備えた画像形成装置における画像形成制御方法であって、入力される前記印刷対象データまたは前記描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させて所定のデータ記憶手段に記憶させるデータ記憶処理ステップと、前記手動両面印刷処理で所定枚数目の前記印刷部材に印刷させる前記片面と前記他面のページのうち少なくともいずれかのページが指定されるページ指定処理ステップと、該ページ指定処理ステップで指定されたページの該印刷対象データまたは該描画データを該データ記憶手段から読み出して該印刷手段に該印刷部材の片面または/及び両面に印刷させる制御処理ステップと、を有していることを特徴とする画像形成制御方法。
【請求項6】
前記記憶処理ステップは、前記印刷対象データまたは前記描画データのデータ量が前記データ記憶手段の記憶容量を越える場合には、該データ記憶手段に記憶可能な該印刷対象データまたは該描画データの範囲内で該印刷対象データまたは該描画データを分割して記憶し、前記制御処理ステップは、該分割記憶された該印刷対象データまたは該描画データ毎に、前記両面印刷制御処理を順次実行することを特徴とする請求項5記載の画像形成制御方法。
【請求項7】
前記画像形成制御方法は、前記手動両面印刷処理の途中で該手動両面印刷処理が異常停止すると、所定の報知手段から少なくとも該異常停止した旨を報知する報知処理ステップを備え、前記制御処理ステップは、該報知処理ステップでの報知に応じて所定の再印刷指定手段から再印刷が指定されると、該異常停止した印刷部材の一方の面または/及び両面のページの前記印刷対象データまたは前記描画データを前記データ記憶手段から読み出して必要な描画データへの変換を行った該描画データに基づいて前記印刷手段に該ページの該印刷部材への印刷を行わせることを特徴とする請求項5または請求項6記載の画像形成制御方法。
【請求項8】
入力される印刷対象データをページ毎の描画データに変換して該描画データに基づいて送り出し手段から1枚ずつ搬送されてくる印刷部材の片面に、所定のページ順序で印刷手段によって印刷して排出載置手段に排出し、該排出された片面印刷済み印刷部材が該送り出し手段に戻されると、該片面印刷済み印刷部材の他面に所定のページ順序で順次該印刷手段によって印刷する手動両面印刷処理機能を備えた画像形成装置に搭載される画像形成制御プログラムであって、コンピュータに、入力される前記印刷対象データまたは前記描画データを該データのページが特定可能なページ情報に対応させて所定のデータ記憶手段に記憶させるデータ記憶処理と、前記手動両面印刷処理で所定枚数目の前記印刷部材に印刷させる前記片面と前記他面のページのうち少なくともいずれかのページが指定されるページ指定処理と、該ページ指定処理で指定されたページの該印刷対象データまたは該描画データを該データ記憶手段から読み出して該印刷手段に該印刷部材の片面または/及び両面に印刷させる制御処理と、を実行させることを特徴とする画像形成制御プログラム。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−274244(P2009−274244A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125502(P2008−125502)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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