説明

画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、プリントサーバ、プリンタ制御方法、プリンタ制御プログラム

【課題】
本発明は、印刷処理の途中で画像形成装置がエラー(印刷不可状態)となり、印刷処理が中断する場合、ユーザの指定する箇所から印刷処理を再開させる画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、プリントサーバ、プリンタ制御方法、プリンタ制御プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明に係る画像形成装置は、複数頁を所定の順序で印刷する印刷ジョブを実行する画像形成装置であって、前記印刷ジョブを中断した場合、該印刷ジョブを中断した原因を検出する中断原因検出手段と、前記中断原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因である場合、前記印刷ジョブに関し、ユーザが指定する頁以降を印刷する印刷再開手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数頁の印刷物に関する印刷処理の途中でエラーが生じた場合に、ユーザの指定する頁から印刷処理を再開させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷処理の途中で画像形成装置がエラー(印刷不可状態)となり、印刷処理が中断する場合がある。その後、画像形成装置が印刷可能状態に復旧されると、該画像形成装置の内部に保持している印刷データを利用し、印刷済頁の次頁から自動的に印刷されることが一般的である。
また、印刷データを送信する上位ホスト、印刷サーバ、画像形成装置の構成とし、該画像形成装置が印刷データを保持していなくても、印刷サーバで印刷データを保持し、画像形成装置が印刷可能状態に復旧されると、印刷サーバが内部に保持している印刷データを利用し、印刷済み頁の次頁から印刷するように画像形成装置を制御する。また、上位ホストからも再印刷頁の指定も可能である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−263286号公報
【特許文献2】特開平9−292959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、エラーとなった印刷ジョブを実行させるユーザは、画像形成装置のエラー種別によって、印刷済頁の次頁から自動的に印刷させたい場合と、目視で印刷結果を確認した後、手動で再印刷箇所を指定して再印刷させたい場合とがある。例えば、前者は用紙切れの場合であり、後者は用紙ジャム(抜け漏れが許されない印刷物であれば、念のため目視で確認したいというニーズ)の場合である。上記技術においては、このようなユーザのニーズを満たすことができないという問題点がある。
【0004】
そこで、本発明では、印刷処理の途中で画像形成装置がエラー(印刷不可状態)となり、印刷処理が中断する場合、ユーザの指定する箇所から印刷処理を再開させる画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、プリントサーバ、プリンタ制御方法、プリンタ制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る画像形成装置は、複数頁を所定の順序で印刷する印刷ジョブを実行する画像形成装置であって、前記印刷ジョブを中断した場合、該印刷ジョブを中断した原因を検出する中断原因検出手段と、前記中断原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因である場合、前記印刷ジョブに関し、ユーザが指定する頁以降を印刷する印刷再開手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る画像形成装置の一形態において、前記エラー原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因以外である場合、前記印刷再開手段は、前記印刷ジョブに関し、印刷未済の頁以降を印刷することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像形成装置の一形態において、前記印刷再開手段は、他の画像形成装置に、ユーザが指定する頁以降を印刷させる制御要求を行うことを特徴とする。
【0008】
一方、本発明に係るプリントサーバは、画像形成装置と接続され、該画像形成装置に複数頁を所定の順序で印刷する印刷ジョブを実行させるプリントサーバであって、前記画像形成装置が前記印刷ジョブを中断した場合、該印刷ジョブを中断した原因を検出する中断原因検出手段と、前記中断原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因である場合、前記印刷ジョブに関し、ユーザが指定する頁以降を前記画像形成装置に印刷させる印刷再開手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るプリントサーバの一形態において、前記中断原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因以外である場合、前記印刷再開手段は、前記印刷ジョブに関し、印刷未済の頁以降を前記画像形成装置に印刷させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るプリントサーバの一形態において、複数の画像形成装置と接続され、一の画像形成装置が前記印刷ジョブを中断した場合、前記印刷再開手段は、他の画像形成装置に、ユーザが指定する頁以降を印刷させることを特徴とする。
【0011】
したがって、本発明では、印刷処理の途中で画像形成装置がエラー(印刷不可状態)となり、印刷処理が中断する場合、ユーザの指定する箇所から印刷処理を再開させる画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、プリントサーバ、プリンタ制御方法、プリンタ制御プログラムを提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、印刷処理の途中で画像形成装置がエラー(印刷不可状態)となり、印刷処理が中断する場合、ユーザの指定する箇所から印刷処理を再開させる画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、プリントサーバ、プリンタ制御方法、プリンタ制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<本実施の形態に係る画像形成装置のハードウェア構成>
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)210、ROM(Read-Only Memory)220、RAM(Random Access Memory)230、HDD(Hard Disc Drive)240、通信I/F(InterFace)250、タッチパネル260、スキャナ270、プロッタ280を有する。
【0014】
CPU210は、ROM220に記憶されたプログラムを実行する装置で、RAM230に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、画像形成装置100の全体を制御する。ROM220は、CPU210が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM230は、CPU210でROM220に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0015】
HDD240は、基本ソフトウェアであるOS、本実施の形態に係るアプリケーションプログラムや機能拡張用のプラグイン等を関連するデータとともに記憶する装置である。本実施の形態において、画像形成装置100が印刷処理を中断した場合、印刷処理再開後の処理内容を当該中断の原因毎に規定する中断原因選択テーブル245をHDD240に保持しているものとする。
【0016】
通信I/F250は、通信ネットワークを介して接続された他の通信制御機能を備えた周辺機器(他の画像形成装置500、プリントサーバ300、PC端末600等)と情報(データ)をやり取りするためのインタフェースである。本実施の形態では、LANに接続され、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)などの通信プロトコルに従って、LANに接続された装置とデータ送受信(例えば、印刷再開手段140による制御要求、印刷再開手段330による印刷要求、印刷データの送受信等)を行う。
【0017】
タッチパネル260は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、画像形成装置100が備える操作画面を表示する装置である。また、タッチパネル260は、ユーザによる入力を受け付ける際のインタフェースとしても機能する。
スキャナ270は、印刷媒体上に表示される情報を画像データとして取得する装置であり、プロッタ280は、印刷処理の対象である画像データを紙出力する装置である。
画像形成装置100の各手段は、CPU210が、ROM220又はHDD240に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される。
<本実施の形態に係るプリントサーバのハードウェア構成>
図2は、本実施の形態に係るプリントサーバ300のハードウェア構成の一例を示す図である。プリントサーバ300は、CPU410、ROM420、RAM430、HDD440、通信I/F450、表示装置460を有する。
【0018】
CPU410は、ROM420に記憶されたプログラムを実行する装置で、RAM430に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、プリントサーバ300の全体を制御する。ROM420は、CPU410が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM430は、CPU410でROM420に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0019】
HDD440は、基本ソフトウェアであるOS、本実施の形態に係るアプリケーションプログラムや機能拡張用のプラグイン等を関連するデータとともに記憶する装置である。本実施の形態において、画像形成装置100が印刷処理を中断した場合、印刷処理再開後の処理内容を当該中断の原因毎に規定する中断原因選択テーブル445をHDD440に保持しているものとする。
【0020】
通信I/F450は、通信ネットワークを介して接続された他の通信制御機能を備えた周辺機器(画像形成装置100、500、PC端末600等)と情報(データ)をやり取りするためのインタフェースである。本実施の形態では、LANに接続され、TCP/IPなどの通信プロトコルに従って、LANに接続された装置とデータ送受信(例えば、印刷再開手段330による印刷要求、PC端末600からの処理内容通知、印刷データの送受信等)を行う。
【0021】
表示装置460は、LCD等で構成され、プリントサーバ300が備える操作画面を表示する装置である。また、表示装置460は、ユーザによる入力を受け付ける際のインタフェースとしても機能する携帯であっても良い。
プリントサーバ300の各手段は、CPU410が、ROM420又はHDD440に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される。
【0022】
<本実施の形態に係る画像形成装置の動作原理>
図3を用いて、本実施の形態に係る画像形成装置100の動作原理について説明する。画像形成装置100は、PC端末600(不図示)、他の画像形成装置500と接続されている。そして、画像形成装置100は、PC端末600から受信した印刷ジョブに従って複数頁の印刷物を印刷する。また、画像形成装置100は、スキャナ270によって読み込んだ原稿(複数頁)の画像データを、ユーザの要求に従って印刷する。
【0023】
画像形成装置100は、印刷処理手段110、中断原因検出手段120、中断原因判定手段130、印刷再開手段140、記憶装置240、入力装置260、印刷処理に関する装置290を有する。
【0024】
印刷処理手段110は、通常の印刷処理を行う。例えば、PC端末600から印刷ジョブを受信した場合、印刷処理に関する装置290を利用して、印刷ジョブの対象である画像データを印刷する。また、例えば、ユーザからコピー処理の要求があった場合、印刷処理に関する装置290を利用して原稿を読み取り、読み取った画像データを印刷処理に関する装置290を利用して印刷する。ここで、印刷処理に関する装置290は、スキャナ270、プロッタ280等の装置である。
【0025】
中断原因検出手段120は、画像形成装置100が印刷ジョブを中断した場合に、印刷ジョブを中断させた原因を検出する。例えば、印刷ジョブを中断させた原因は、「印刷処理に関する装置290からの応答が無いこと」、「トナー切れが生じたこと」、「用紙づまりが生じたこと」、「印刷用紙が切れたこと」等である。つまり、中断原因検出手段120は、画像形成装置100が印刷ジョブを中断した場合に、「印刷処理に関する装置290からの応答が無いこと」、「トナー切れが生じたこと」、「用紙づまりが生じたこと」、「印刷用紙が切れたこと」等の印刷処理が中断した原因を検出する。
【0026】
中断原因判定手段130は、中断原因検出手段120により検出された印刷処理が中断した原因と、記憶装置240に保持する中断原因選択テーブル245とを比較して、画像形成装置100における印刷処理復旧後の処理内容を判定する。中断原因選択テーブル245は、例えば、図4で示すように保持されており、エラー種別(中断原因)毎に「0」又は「1」の選択フラグが規定されている。つまり、中断原因判定手段130は、中断原因検出手段120により検出された印刷処理が中断した原因と対応する選択フラグ(「0」又は「1」)を中断原因選択テーブル245から抽出する。ここで、選択フラグ「1」は、印刷処理を再開させる箇所をユーザによって指定できる処理に対応し、選択フラグ「0」は、印刷処理を再開させる箇所を自動的に決定する処理に対応する。また、中断原因選択テーブル245の内容は、ユーザによって自由に定めることができる。
【0027】
印刷再開手段140は、中断原因判定手段130により判定された結果に基づいて、中断された印刷ジョブを再開させる。つまり、中断原因判定手段130により抽出された選択フラグが「1」である場合、印刷再開手段140は、ユーザが指定する箇所以降を印刷する処理を行う。ここで、ユーザは、入力装置260を用いて、印刷を開始する頁(印刷開始箇所)を指定する入力を行い、印刷再開手段140は、当該入力に従って、印刷する処理を行うものとする。一方、中断原因判定手段130により抽出された選択フラグが「0」である場合、印刷再開手段140は、印刷未済の頁以降を印刷する処理を行う。ここで、画像形成装置100は、印刷ジョブが中断した場合、印刷済みの頁に関する情報を保持しているものとし、印刷再開手段140は、当該情報を利用して処理を行うものとする。
【0028】
印刷再開手段140は、印刷処理手段110を制御して、上記の各印刷処理を行う形態であっても良い。また、印刷再開手段140は、画像形成装置100と通信I/F250を介して接続される他の画像形成装置500に対して、上記の各印刷処理を実行させるための制御要求を通知する形態であっても良い。この場合、他の画像形成装置500は、受信した制御要求に従って、上記の各印刷所理を実行するものとする。
【0029】
上記で説明するような動作原理に基づいて、本発明は、印刷処理の途中で画像形成装置がエラー(印刷不可状態)となり、印刷処理が中断する場合、ユーザの指定する箇所から印刷処理を再開させることができる。ユーザは目視で印刷結果を確認した後、手動で再印刷箇所を指定して再印刷させることができる。
【0030】
<本実施の形態に係るプリントサーバの動作原理>
図5を用いて、本実施の形態に係るプリントサーバの動作原理について説明する。プリントサーバ300は、PC端末600、一の画像形成装置100、他の画像形成装置500と接続されている。そして、プリントサーバ300は、PC端末600から受信した印刷ジョブに従って、一の画像形成装置100に複数頁の印刷物を印刷させる。
【0031】
プリントサーバ300は、中断原因検出手段310、中断原因判定手段320、印刷再開手段330、記憶装置440を有する。
【0032】
中断原因検出手段310は、一の画像形成装置100が印刷ジョブを中断した場合に、印刷ジョブを中断させた原因を検出する。例えば、印刷ジョブを中断させた原因は、「印刷処理に関する装置290からの応答が無いこと」、「トナー切れが生じたこと」、「用紙づまりが生じたこと」、「印刷用紙が切れたこと」等である。つまり、中断原因検出手段310は、画像形成装置100が印刷ジョブを中断した場合に、「印刷処理に関する装置290からの応答が無いこと」、「トナー切れが生じたこと」、「用紙づまりが生じたこと」、「印刷用紙が切れたこと」等で表されるような印刷処理が中断した原因を検出する。
【0033】
中断原因判定手段320は、中断原因検出手段310により検出された印刷処理が中断した原因と、記憶装置440に保持する中断原因選択テーブル445とを比較して、画像形成装置100における印刷処理復旧後の処理内容を判定する。中断原因選択テーブル445は、例えば、図4で示すように保持されており、エラー種別(中断原因)毎に「0」又は「1」の選択フラグが規定されている。つまり、中断原因判定手段320は、中断原因検出手段310により検出された印刷処理が中断した原因と対応する選択フラグ(「0」又は「1」)を中断原因選択テーブル445から抽出する。ここで、選択フラグ「1」は、印刷処理を再開させる箇所をユーザによって指定できる処理に対応し、選択フラグ「0」は、印刷処理を再開させる箇所を自動的に決定する処理に対応する。また、中断原因選択テーブル245の内容は、ユーザによって自由に定めることができる。
【0034】
印刷再開手段330は、中断原因判定手段320により判定された結果に基づいて、中断された印刷ジョブを再開させる。つまり、中断原因判定手段320により抽出された選択フラグが「1」である場合、印刷再開手段330は、ユーザが指定する箇所以降を印刷させる処理を行う。ここで、ユーザは、PC端末600が備える入力装置610(プリントサーバ300が備える形態であっても良い)等を用いて、印刷を開始する頁(印刷開始箇所)を指定する入力を行い、印刷再開手段330は、当該入力に従って、印刷させる処理を行うものとする。一方、中断原因判定手段320により抽出された選択フラグが「0」である場合、印刷再開手段330は、印刷未済の頁以降を印刷する処理を行う。ここで、プリントサーバ300は、印刷ジョブが中断した場合、印刷済みの頁に関する情報を保持しているものとし、印刷再開手段330は、当該情報を利用して処理を行うものとする。
【0035】
印刷再開手段330は、一の画像形成装置100の印刷処理手段110を制御して、上記の各印刷処理を実行させる形態であっても良い。また、印刷再開手段330は、他の画像形成装置500が備える印刷処理手段(不図示)に対して、上記の各印刷処理を実行させる形態であっても良い。この場合、一の画像形成装置100及び他の画像形成装置500は、プリントサーバ300の印刷再開手段330による処理要求に従って、上記の各印刷所理を実行するものとする。
【0036】
上記で説明するような動作原理に基づいて、本発明は、印刷処理の途中で画像形成装置がエラー(印刷不可状態)となり、印刷処理が中断する場合、ユーザの指定する箇所から印刷処理を再開させることができる。ユーザは目視で印刷結果を確認した後、手動で再印刷箇所を指定して再印刷させることができる。
【0037】
<本実施の形態に係る画像形成装置による処理例>
図6を用いて、本実施の形態に係る画像形成装置100による処理例を説明する。画像形成装置100は、不図示のPC端末600と接続され、該PC端末600から複数頁の印刷物を印刷する処理要求を受信し、当該処理要求に従って印刷処理を行うものとする。また、画像形成装置100は、通信I/F250を介して、他の画像形成装置500と接続されているものとする。
【0038】
S10で画像形成装置100が、PC端末600から印刷すべき画像データを含む印刷ジョブを受信し、当該画像データに関する印刷処理を開始する。
S20で印刷処理手段110が、上記印刷ジョブに関する画像データをプロッタ280で印刷する処理を行う。
S30で印刷処理手段110が、何らかの原因によって、実行中の印刷ジョブを中断する。
【0039】
S40で中断原因検出手段120が、実行中の印刷ジョブが中断された原因を検出する。例えば、中断原因検出手段120は、「トナー切れが生じたこと」、「用紙づまりが生じたこと」、「印刷用紙が切れたこと」等を検出する。
S50で中断原因判定手段130が、中断原因検出手段120により検出された印刷ジョブの中断原因と、HDD240に保持する中断原因選択テーブル245とを比較し、該当する選択フラグを判定する。例えば、中断原因判定手段130は、図4で示す中断原因選択テーブル245の中から、中断原因検出手段120により検出された印刷ジョブの中断原因に対応する選択フラグを抽出する。
【0040】
S60で中断原因判定手段130が、中断原因検出手段120により検出された印刷ジョブの中断原因に対応する選択フラグとして「1」を抽出した場合(S60でYesの場合)、S70で印刷再開手段140が、ユーザが指定する箇所以降を印刷する処理を行う。ここで、ユーザは、タッチパネル260を用いて、印刷を開始する頁(印刷開始箇所)を指定する入力を行い、印刷再開手段140は、当該入力に従って、印刷する処理を行うものとする。
【0041】
S70で印刷再開手段140は、自身の印刷処理手段110を制御して、上記の印刷処理を実行する形態であっても良く、他の画像形成装置500に対して、上記の印刷処理を実行させるための制御要求を通知する形態であっても良い。後者の場合、他の画像形成装置500は、受信した制御要求に従って、上記の印刷処理を実行するものとする。
【0042】
S60で中断原因判定手段130が、中断原因検出手段120により検出された印刷ジョブの中断原因に対応する選択フラグとして「0」を抽出した場合(S60でNoの場合)、S80で印刷再開手段140が、印刷未済の頁以降を印刷する処理を行う。ここで、画像形成装置100は、印刷ジョブが中断した場合、印刷済みの頁に関する情報を保持しているものとし、印刷再開手段140は、当該情報を利用して処理を行うものとする。
【0043】
S80で印刷再開手段140は、自身の印刷処理手段110を制御して、上記の印刷処理を実行する形態であっても良く、他の画像形成装置500に対して、上記の印刷処理を実行させるための制御要求を通知する形態であっても良い。後者の場合、他の画像形成装置500は、受信した制御要求に従って、上記の印刷処理を実行するものとする。
【0044】
こうすることによって、印刷処理の途中で画像形成装置がエラー(印刷不可状態)となり、印刷処理が中断する場合、ユーザの指定する箇所から印刷処理を再開させることができる。ユーザは目視で印刷結果を確認した後、手動で再印刷箇所を指定して再印刷させることができる。
<本実施の形態に係るプリントサーバによる処理例>
図7を用いて、本実施の形態に係るプリントサーバ300による処理例を説明する。プリントサーバ300は、PC端末600と接続され、該PC端末600から複数頁の印刷物を印刷する処理要求を受信し、当該処理要求を一の画像形成装置100に実行させるものとする。また、プリントサーバ300は、通信I/F450を介して、一の画像形成装置100、他の画像形成装置500と接続されているものとする。
【0045】
S110でプリントサーバ300が、PC端末600から印刷すべき画像データを含む印刷ジョブを受信し、当該画像データに関する印刷処理を画像形成装置100に実行させる処理を開始する。
S120で画像形成装置100の印刷処理手段110が、上記印刷ジョブに関する画像データをプロッタ280で印刷する処理を行う。
S130で印刷処理手段110が、何らかの原因によって、実行中の印刷ジョブを中断する。
【0046】
S140で中断原因検出手段310が、実行中の印刷ジョブが中断された原因を検出する。例えば、中断原因検出手段310は、画像形成装置100において「トナー切れが生じたこと」、「用紙づまりが生じたこと」、「印刷用紙が切れたこと」等を検出する。
S150で中断原因判定手段320が、中断原因検出手段310により検出された印刷ジョブの中断原因と、HDD440に保持する中断原因選択テーブル445とを比較し、該当する選択フラグを判定する。例えば、中断原因判定手段320は、図4で示す中断原因選択テーブル445の中から、中断原因検出手段310により検出された印刷ジョブの中断原因に対応する選択フラグを抽出する。
【0047】
S160で中断原因判定手段320が、中断原因検出手段310により検出された印刷ジョブの中断原因に対応する選択フラグとして「1」を抽出した場合(S160でYesの場合)、S170で印刷再開手段330が、ユーザが指定する箇所以降を印刷させる処理を行う。ここで、ユーザは、PC端末600の入力装置610を用いて、印刷を開始する頁(印刷開始箇所)を指定する入力を行い、印刷再開手段330は、当該入力に従って、印刷させる処理を行うものとする。
【0048】
S170で印刷再開手段330は、画像形成装置100の印刷処理手段110を制御して、上記の印刷処理を実行させる形態であっても良く、画像形成装置500の印刷処理手段(不図示)を制御して、上記の印刷処理を実行させる形態であっても良い。この場合、画像形成装置100及び画像形成装置500は、印刷再開手段330による印刷処理命令に従って、上記の印刷処理を実行するものとする。
【0049】
S160で中断原因判定手段320が、中断原因検出手段310により検出された印刷ジョブの中断原因に対応する選択フラグとして「1」を抽出した場合(S160でNoの場合)、S180で印刷再開手段330が、印刷未済の頁以降を印刷する処理を行う。ここで、プリントサーバ300は、画像形成装置100において印刷ジョブが中断した場合、印刷済みの頁に関する情報を保持しているものとし、印刷再開手段330は、当該情報を利用して処理を行うものとする。
【0050】
S180で印刷再開手段330は、画像形成装置100の印刷処理手段110を制御して、上記の印刷処理を実行させる形態であっても良く、他の画像形成装置500の印刷処理手段(不図示)を制御して、上記の印刷処理を実行させる形態であっても良い。この場合、画像形成装置100及び画像形成装置500は、印刷再開手段330による印刷処理命令に従って、上記の印刷処理を実行するものとする。
【0051】
こうすることによって、印刷処理の途中で画像形成装置がエラー(印刷不可状態)となり、印刷処理が中断する場合、ユーザの指定する箇所から印刷処理を再開させることができる。ユーザは目視で印刷結果を確認した後、手動で再印刷箇所を指定して再印刷させることができる。
【0052】
(総括)
本発明では、印刷処理の途中で画像形成装置がエラー(印刷不可状態)となり、印刷処理が中断する場合、ユーザの指定する箇所から印刷処理を再開させる画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、プリントサーバ、プリンタ制御方法、プリンタ制御プログラムを提供することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】本実施の形態に係るプリントサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る画像形成装置の動作原理を説明するための図である。
【図4】本実施の形態に係る中断原因選択テーブルの一例を示すための図である。
【図5】本実施の形態に係るプリントサーバの動作原理を説明するための図である。
【図6】本実施の形態に係る画像形成装置による処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態に係るプリントサーバによる処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
100 画像形成装置
110 印刷処理手段
120 中断原因検出手段
130 中断原因判定手段
140 印刷再開手段
210 CPU
220 ROM
230 RAM
240 HDD
245 中断原因選択テーブル
250 通信I/F
260 タッチパネル
270 スキャナ
280 プロッタ
300 プリントサーバ
310 中断原因検出手段
320 中断原因判定手段
330 印刷再開手段
410 CPU
420 ROM
430 RAM
440 HDD
450 通信I/F
460 表示装置
500 他の画像形成装置
600 PC端末
610 入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数頁を所定の順序で印刷する印刷ジョブを実行する画像形成装置であって、
前記印刷ジョブを中断した場合、該印刷ジョブを中断した原因を検出する中断原因検出手段と、
前記中断原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因である場合、前記印刷ジョブに関し、ユーザが指定する頁以降を印刷する印刷再開手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記エラー原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因以外である場合、
前記印刷再開手段は、前記印刷ジョブに関し、印刷未済の頁以降を印刷することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷再開手段は、他の画像形成装置に、ユーザが指定する頁以降を印刷させる制御要求を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像形成装置と接続され、該画像形成装置に複数頁を所定の順序で印刷する印刷ジョブを実行させるプリントサーバであって、
前記画像形成装置が前記印刷ジョブを中断した場合、該印刷ジョブを中断した原因を検出する中断原因検出手段と、
前記中断原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因である場合、前記印刷ジョブに関し、ユーザが指定する頁以降を前記画像形成装置に印刷させる印刷再開手段と、を有することを特徴とするプリントサーバ。
【請求項5】
前記中断原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因以外である場合、
前記印刷再開手段は、前記印刷ジョブに関し、印刷未済の頁以降を前記画像形成装置に印刷させることを特徴とする請求項4に記載のプリントサーバ。
【請求項6】
複数の画像形成装置と接続され、一の画像形成装置が前記印刷ジョブを中断した場合、
前記印刷再開手段は、他の画像形成装置に、ユーザが指定する頁以降を印刷させることを特徴とする請求項4又は5に記載のプリントサーバ。
【請求項7】
複数頁を所定の順序で印刷する印刷ジョブを実行する画像形成装置の画像形成方法であって、
中断原因検出手段が、前記印刷ジョブを中断した場合、該印刷ジョブを中断した原因を検出するステップと、
印刷再開手段が、前記中断原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因である場合、前記印刷ジョブに関し、ユーザが指定する頁以降を印刷するステップと、を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
前記エラー原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因以外である場合、
前記印刷再開手段は、前記印刷ジョブに関し、印刷未済の頁以降を印刷することを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記印刷再開手段は、他の画像形成装置に、ユーザが指定する頁以降を印刷させる制御要求を行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成方法。
【請求項10】
画像形成装置と接続され、該画像形成装置に複数頁を所定の順序で印刷する印刷ジョブを実行させるプリントサーバのプリンタ制御方法であって、
中断原因検出手段が、前記画像形成装置が前記印刷ジョブを中断した場合、該印刷ジョブを中断した原因を検出するステップと、
印刷再開手段が、前記中断原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因である場合、前記印刷ジョブに関し、ユーザが指定する頁以降を前記画像形成装置に印刷させるステップと、を有することを特徴とするプリンタ制御方法。
【請求項11】
前記中断原因検出手段により検出された前記原因が所定の原因以外である場合、
前記印刷再開手段は、前記印刷ジョブに関し、印刷未済の頁以降を前記画像形成装置に印刷させることを特徴とする請求項10に記載のプリンタ制御方法。
【請求項12】
複数の画像形成装置と接続され、一の画像形成装置が前記印刷ジョブを中断した場合、
前記印刷再開手段は、他の画像形成装置に、ユーザが指定する頁以降を印刷させることを特徴とする請求項10又は11に記載のプリンタ制御方法。
【請求項13】
請求項7乃至9の何れか一に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるための画像形成プログラム。
【請求項14】
請求項10乃至12の何れか一に記載のプリンタ制御方法をコンピュータに実行させるためのプリンタ制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−64399(P2010−64399A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233829(P2008−233829)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】