説明

画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ

【課題】繰り返し印刷しても残像の発生や残留電位上昇等の電子写真感光体に起因する画像劣化が生じない画像形成装置を提供すること。
【解決手段】電子写真感光体と、前記電子写真感光体に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上または転写材上の現像剤像のトナー付着濃度を検出するトナー付着濃度検出手段とを有する画像形成装置において、前記トナー付着濃度検出手段は、前記露光手段によって静電潜像を形成した場所において、電子写真感光体1周期後に再び前記露光手段によって静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(A)と、前記露光手段によって静電潜像を形成しなかった場所において、電子写真感光体1周期後に前記露光手段によって静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(B)とを検出し、前記トナー付着濃度(A)と前記トナー付着濃度(B)の濃度差に応じて除電光量を制御する除電光量制御手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関し、特に繰り返し印刷しても電子写真感光体に起因する画像劣化が生じない画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、ドラム状の電子写真感光体が回転する等により電子写真感光体表面が移動し、当該電子写真感光体表面を帯電手段により帯電させる工程、帯電後の電子写真感光体表面を露光手段により露光して静電潜像を形成する工程、静電潜像を現像手段によってトナー像として現像する工程、トナー像を転写手段により電子写真感光体表面から記録紙等の転写材上に転写させる工程を経ることによって、画像形成を行う。
【0003】
この画像形成装置は、初期あるいは繰り返し印刷を行った後に、電子写真感光体上に光書込みを行なった前工程の履歴が、後工程の画像に写り込むいわゆる「残像」と呼ばれる現象(あるいは「ゴースト」、「フォトメモリ」とも呼ぶ)が生じる場合がある。
【0004】
ここで、残像現象について説明する。
電子写真方式の画像形成装置において、例えば、図1に示す明暗のはっきりした画像に次いで中間濃度画像をプリントすると、中間濃度画像が本来なら一様で均一な画像とならなければならない画像の中に、中間濃度画像の前にプリントした画像パターンが浮き出てしまうケースがある。この現象を示す模式図を図2に示す。このような画像劣化は、「ポジ残像」あるいは「ポジゴースト」と称される現象で、特に高画質フルカラー画像形成装置ではこの画像劣化の抑制が必要となる。
【0005】
上述の残像現象は、幾つかの機構が考えられるが、その一つとして例えば特許文献1に記載の如く、感光体表面電位のゆらぎによってもたらされると解釈することができる。
図3に潜像形成、現像、転写後の各工程における感光体表面電位の変化を模式的に示し、ポジ残像現象の例について以下に詳述する。
まず、図3(a)の潜像形成時には、感光体表面を一様に−700Vに帯電した後、画像情報を露光させる(矢印は露光箇所を示す)。露光部分の電位は大凡0Vとしている。次いで、図3(b)の現像時に、現像ポテンシャルと感光体表面との電位差に応じて、トナーを感光体表面に付着させて現像する。さらに、転写時においてプリント用紙側をプラスに帯電させてトナー像を感光体からプリント用紙へ転写させる。感光体が転写手段によって逆バイアスが印加されてしまう場合、図3(c)に示すように、転写後の感光体表面電位は全体的にプラス方向に遷移し、露光部分の電位は0Vを越えて極性が逆転しプラス電位(図では+10Vとしている)となってしまう。
【0006】
これら潜像形成、現像、転写等の作像工程が繰り返し行われると、帯電手段によって像露光前に感光体表面を一様にマイナス帯電しても、プラス寄りとなってしまった露光部分の感光体表面電位は、一様マイナス帯電後の帯電電位もその分プラス寄りとなってしまう。その結果、プラス方向に遷移した部分は、他の部分よりも現像ポテンシャル差が大きくなるため、濃いトナー像が形成されてしまう。この部分がポジ残像として識別されることとなる。
【0007】
これに対して特許文献2に示される様に、例えばインクジェットプリンタで広く用いられているプリンティング方式の様に、画像の濃淡をドットの有無で(2値的に)処理する方式があるが、この場合でも残像は発生してしまう。
【0008】
また、ドット形状を書き込むビームスポットには僅かながらも照度分布を有する。このため、帯電電位がプラス寄りに遷移した部分にビームスポットを照射すると、表面電位が低電位側にオフセットされた分、現像可能となるドットの輪郭部分が広がってしまい、ドット径の太りが生じてしまう。不要に大きくなったドット画像は、画像全体として見た場合に濃く感じられてしまい、この場合もポジ残像が識別される画像となる。ドット径の太りが生じるケースでは、例えば600dpiよりも1200dpiとする高解像度で画像出力するほど、残像度合いが強く感じられることから、電子写真方式の画像形成装置を高解像度化するとこの問題の深刻度合いが大きくなる。
このような残像の発生を防止するため、帯電の前工程として除電手段により電子写真感光体表面を除電することが有効である。
【0009】
しかしながら、除電光を常時点灯させて繰り返し除電を行いながら電子写真感光体を使用すると少なからず電子写真感光体が光疲労してしまい、残留電位上昇が大きくなっていき、トナー付着濃度低下し画像品質が劣化していくという問題が生じる。
【0010】
そこで、特許文献3には、電子写真感光体の1面目での画像形成の際には残像が発生し難いため除電を行わず、2面目以降について除電を行う画像形成装置が開示されている。しかしながら、1面目のみ除電を行わないようにするだけでは電子写真感光体の残留電位上昇抑制の効果は少なく充分とは言えない。
【0011】
また、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7においては、画像形成装置の使用状況に応じて除電光の強度を制御する技術が開示されているが、いずれも残像の発生に対して最適に除電光を制御することはできていない。
【0012】
【特許文献1】特開平11−133825号公報
【特許文献2】特開2002−123067号公報
【特許文献3】特開2002−123067号公報
【特許文献4】特開2003−76076号公報
【特許文献5】特開平8−6449号公報
【特許文献6】特開2004−163536号公報
【特許文献7】特開2005−55624号公報
【特許文献8】特開2005−196057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、繰り返し印刷しても、残像の発生や残留電位上昇等の電子写真感光体に起因する画像劣化が生じない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、少なくともトナー付着濃度検出手段が、露光手段によって静電潜像を形成した場所において、電子写真感光体1周期後に再び前記露光手段によって、静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(A)と、前記露光手段によって静電潜像を形成しなかった場所において、電子写真感光体1周期後に前記露光手段によって、静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(B)とを検出し、前記トナー付着濃度(A)と前記トナー付着濃度(B)の濃度差に応じて除電光量を制御する除電光量制御手段を有することで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
即ち、上記課題を解決するために本発明に係る画像形成装置、画像形成方法、画像形成用プロセスカートリッジは、具体的には下記(1)〜(21)に記載の技術的特徴を有する。
(1):電子写真感光体と、該電子写真感光体上に電荷を一様に与えて帯電させる帯電手段と、前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に現像剤像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体上に形成された現像剤像を転写材に転写する転写手段と、前記電子写真感光体上の電荷を除去する除電手段と、前記電子写真感光体上または前記転写材上の現像剤像のトナー付着濃度を検出するトナー付着濃度検出手段とを有する画像形成装置において、前記トナー付着濃度検出手段は、前記露光手段によって静電潜像を形成した場所において、電子写真感光体1周期後に再び前記露光手段によって静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(A)と、前記露光手段によって静電潜像を形成しなかった場所において、電子写真感光体1周期後に前記露光手段によって静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(B)とを検出し、前記トナー付着濃度(A)と前記トナー付着濃度(B)の濃度差に応じて除電光量を制御する除電光量制御手段を有することを特徴とする画像形成装置である。
(2):前記除電光量制御手段は、トナー付着濃度(A)とトナー付着濃度(B)の濃度差が所望の値以下になるように除電光量を調整して制御することを特徴とする上記(1)に記載の画像形成装置。
(3):前記除電光量制御手段は、前記トナー付着濃度検出手段が検出したトナー付着濃度(A)とトナー付着濃度(B)の濃度差から予め決められた除電光量に制御することを特徴とする上記(1)に記載の画像形成装置である。
(4):前記トナー付着濃度(A)は、中間調トナー付着濃度(A)であり、前記トナー付着濃度(B)は、中間調トナー付着濃度(B)であり、前記除電光量制御手段は、前記トナー付着濃度検出手段によって検出した中間調トナー付着濃度(A)と中間調トナー付着濃度(B)の濃度差が0.02以内になるように除電光量を制御することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
(5):電子写真感光体の最表面層に保護層を有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
(6):前記保護層に無機酸化物材料のフィラーを含有することを特徴とする上記(5)に記載の画像形成装置である。
(7):前記電子写真感光体は、最表面層にジアルキルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ベンジルアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基のいずれかを有するアミノ化合物の電荷輸送物質を含有することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
(8):前記電子写真感光体に当接し、該電子写真感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段を有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
(9):前記帯電手段が、前記電子写真感光体に接触もしくは非接触状態で配置され、直流および交流電圧を重畳印加することによって電子写真感光体表面を帯電することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
(10):前記電子写真感光体表面に潤滑性付与剤を塗布する潤滑性付与剤塗布手段を有することを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
(11):前記潤滑性付与剤が、金属石鹸であることを特徴とする上記(10)に記載の画像形成装置である。
(12):前記金属石鹸が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸カルシウムから選択される少なくとも一種であることを特徴とする上記(11)に記載の画像形成装置である。
(13):複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成することを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(14):デジタル方式で前記静電潜像を形成することを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
(15):前記露光手段は、LDあるいはLEDであることを特徴とする上記(1)〜(14)のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
(16):電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、除電手段、及び定着手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型であることを特徴とする上記(1)〜(15)のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
(17):前記電子写真感光体上に形成された現像剤像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持された現像剤像を記録媒体に二次転写する二次転写手段とを備え、前記中間転写体上は、複数色のトナー画像が順次重ね合わせられてカラー画像が形成され、前記二次転写手段は、前記カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写することを特徴とする上記(1)〜(16)のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【0016】
(18):上記(1)〜(17)のいずれか1項に記載の画像形成装置が有する電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段、除電手段及びクリーニング手段の中から選ばれる1以上を備えることを特徴とするプロセスカートリッジである。
(19):電子写真感光体に電荷を一様に与えて帯電させる帯電工程と、該帯電工程後に電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を現像剤で可視化して現像剤像を形成する現像工程と、前記現像剤像を転写材に転写する転写工程と、該転写工程後の電子写真感光体上の電荷を除去する除電工程とを有する画像形成工程と、前記電子写真感光体上もしくは前記転写材上の現像剤像のトナー付着濃度を検出するトナー付着濃度検出工程と、を備える画像形成方法において、前記トナー付着濃度検出工程は、前記露光工程によって、静電潜像を形成した場所において、電子写真感光体1周期後に再び前記露光工程によって、静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(A)と、前記露光工程によって、静電潜像を形成しなかった場所において、電子写真感光体1周期後に前記露光工程によって、静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(B)とを検出し、前記トナー付着濃度(A)と前記トナー付着濃度(B)の濃度差に応じて除電光量を制御する除電光量制御工程を有することを特徴とする画像形成方法である。
(20):前記除電光量制御工程は、トナー付着濃度(A)とトナー付着濃度(B)の濃度差が所望の濃度差になるように除電光量を調整して制御することを特徴とする上記(19)に記載の画像形成方法である。
(21):前記除電光量制御工程は、前記トナー付着濃度検出工程が検出したトナー付着濃度(A)とトナー付着濃度(B)の濃度差から予め決められた除電光量に制御することを特徴とする上記(19)に記載の画像形成方法である。
(22):前記トナー付着濃度(A)は、中間調トナー付着濃度(A)であり、前記トナー付着濃度(B)は、中間調トナー付着濃度(B)であり、前記除電光量制御工程は、前記トナー付着濃度検出工程によって検出された中間調トナー付着濃度(A)と中間調トナー付着濃度(B)の濃度差が0.02以内になるように除電光量を制御することを特徴とする上記(18)〜(20)のいずれか1項に記載の画像形成方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、繰り返し印刷しても残像の発生や残留電位上昇等の電子写真感光体に起因する画像劣化が生じない画像形成装置、画像形成方法、画像形成用プロセスカートリッジを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の画像形成装置について図面を用いて詳細に説明する。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、該電子写真感光体上に電荷を一様に与えて帯電させる帯電手段と、前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に現像剤像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体上に形成された現像剤像を転写材に転写する転写手段と、前記電子写真感光体上の電荷を除去する除電手段と、前記電子写真感光体上または前記転写材上の現像剤像のトナー付着濃度を検出するトナー付着濃度検出手段とを有する画像形成装置において、前記トナー付着濃度検出手段は、前記露光手段によって静電潜像を形成した場所において、電子写真感光体1周期後に再び前記露光手段によって静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(A)と、前記露光手段によって静電潜像を形成しなかった場所において、電子写真感光体1周期後に前記露光手段によって静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(B)とを検出し、前記トナー付着濃度(A)と前記トナー付着濃度(B)の濃度差に応じて除電光量を制御する除電光量制御手段を有することを特徴とする。
【0019】
(トナー付着濃度差|A−B|について)
即ち本発明は、図4に示すように、前工程において光書込みを行わなかった場合の後工程のトナー付着濃度Aと前工程において光書込みを行った場合の後工程のトナー付着濃度Bとの濃度差|A−B|をトナー付着濃度検出手段によって検出し、濃度差|A−B|に応じて除電光量を制御することによって、残留電位上昇と残像の発生を抑制することを見出した。
ここで、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及び除電工程を含む画像形成工程において、トナー付着濃度検出を行う画像を形成する画像形成工程を後工程、該後工程の直前に行う画像形成工程のことを前工程と言う。
トナー付着濃度(A)とは、前工程において露光を行わなかった場合に後工程で形成された画像の濃度であり、トナー付着濃度(B)とは、前工程において露光を行った場合に後工程で形成された画像の濃度である。
【0020】
図5は、中間調画像におけるトナー付着濃度差|A−B|と残像ランクの関係を示したものである。このように、トナー付着濃度差|A−B|と残像ランクには関係があり、トナー付着濃度差|A−B|が大きくなると残像ランクは減少していく。中間調トナー付着濃度において残像ランクを4以上にするためにはトナー付着濃度差|A−B|が0.02以内でなければならない。
尚、中間調トナー付着濃度とは一般的に白部(非画像部)とベタ部との間のトナー付着濃度であれば良いが、より残像現象を明確にする為には、白を0%、ベタを100%としたときの10〜50%の間のトナー付着濃度とすることが好ましい。
トナー付着濃度を検出するタイミングについては、特に限定されるものではないが、画像印刷時以外のタイミングが望ましい。
【0021】
ここで残像ランクとは、中間調トナー付着濃度で印刷した画像を以下に示す評価基準に従い目視で判定した判定結果である。
〔残像ランク〕
5:残像が全く現れない。
4:残像の発生が少し認められるが許容レベルである。
3:残像の発生が認められ、実用上問題がある。
1〜2:残像がはっきり認識でき、実用不可である。
【0022】
また、図6は、除電光量と初期印刷時と繰り返し印刷後の残像ランクの関係を示したものである。図6によれば、除電光量を大きくすることによって残像ランクが大きくすることができる。ただし、除電光量を大きくした状態で繰り返し印刷を行うと残留電位が大きくなってしまうため、本発明では除電を行わない状態で残像ランクが小さい場合、すなわちトナー付着濃度差|A−B|が大きい場合には、残像ランクを4乃至5まで大きくさせる最小の除電光量を選択して、繰り返し印刷での残留電位の上昇を抑制させることが可能である。このとき、最小の除電光量を求める方法は、除電光量を変化させながらトナー付着濃度差|A−B|の値から決定しても良く、あらかじめトナー付着濃度差|A−B|の値から除電光量を決めておいても良い。
【0023】
次に、本発明の画像形成装置の実施の形態を図7に基づいて説明する。図7は、本実施の形態で用いる画像形成装置の概略断面図である。
本実施の形態では、電子写真感光体であるドラム状電子写真感光体(1)の周りに、帯電手段である帯電ローラ(2)、露光手段である露光器(3)、現像手段である現像ローラ(4)、中間転写ベルト(5)、除電手段である除電器(6)、クリーニング手段クリーニングブレード(7)が配置されており、さらに転写手段(二次転写手段)である中間転写ベルト(5)の表面(作像面)に対向する位置にトナー付着濃度検出手段であるトナー付着濃度検出器(8)が配置されている。
【0024】
電子写真感光体(1)の形状は、ドラム状に限定されるものではなく、例えば、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。また、帯電ローラ(2)も、これに限定されものではなく、コロトロン、スコトロン、固体帯電器(ソリッドステートチャージャ)、接触配置又はギャップテープを介して連れ回るように近接配置された帯電ローラをはじめとする公知の手段を用いることができる。しかしながら、コロトロンチャージャやスコロトロンチャージャは帯電ローラに比べてオゾンやNOx等の酸化性ガスの発生量が大きいため、電子写真感光体の帯電性が劣化してしまう場合があるため、残像の発生を軽減するためには、帯電ローラ方式が望ましい。
【0025】
露光器(3)、除電器(6)の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
また、除電器(6)には、制御装置が備わっており、除電器がLEDであれば、制御装置から所望の電圧が送られ、その電圧に応じた光量でLEDが発光する。
【0026】
トナー付着濃度検出装置(8)は光反射型のトナー付着濃度センサ(Pセンサ)で、発光部と受光部とをもつ乱反射型光学センサを用いることができる。そして、発光部から中間転写ベルト(5)表面に向けて光を照射して、そこで乱反射した光の量を受光部で検出することで、中間転写ベルト(5)表面に形成された画像の濃度を検知する。そして、検知したトナー付着濃度から、画像の現像量(トナー付着量)が求められる。また、トナー付着濃度検出装置(8)は、中間転写ベルト表面のトナー付着濃度でなくても、例えば、電子写真感光体表面のトナー付着濃度を検出してもよい。
【0027】
ここで、トナー付着濃度検出装置(8)は図7に図示の位置に配置されても良く、二次転写バックアップローラ(12)とベルト駆動ローラ(11a)との間において張架されている中間転写ベルト(5)表面のトナー付着濃度を検出可能な位置に配置されても良い。
トナー付着濃度検出装置(8)が図7に図示の位置に配置されている場合は、トナー付着濃度の検知の際には張架ローラ(11)及び二次転写バックアップローラ(12)を中間転写ベルト(5)から離間させることで、接触による中間転写ベルト(5)上の画像の乱れを防ぐ方法が採られている。
また、トナー付着濃度検出装置(8)が二次転写バックアップローラ(12)とベルト駆動ローラ(11a)との間において張架されている中間転写ベルト(5)表面のトナー付着濃度を検出可能な位置に配置されている場合は、中間転写ベルト(5)上の画像が張架ローラ(11)及び二次転写バックアップローラ(12)と接触する前にトナー付着濃度検出装置(8)で検知することが可能であることから、張架ローラ(11)及び二次転写バックアップローラ(12)を中間転写ベルト(5)から離間させる必要はないが、未定着画像によって張架ローラ(11)及び二次転写バックアップローラ(12)が汚染されるため、夫々にクリーニング機構を設ける必要がある。尚、もちろん上記配置位置においても張架ローラ(11)及び二次転写バックアップローラ(12)を中間転写ベルト(5)から離間させる構成としても良い。
【0028】
図7は、フルカラー画像形成装置であり、電子写真感光体(1)等を複数備えたタンデム型画像形成装置であるが、本発明の画像形成装置は、モノクロの画像形成装置であっても、リボルバ式の画像形成装置であっても同様に使用できる。さらにまた、図7は、中間転写方式であるが、直接転写方式であっても問題はない。
【0029】
現像ローラ(4)により電子写真感光体(1)上に現像されたトナーは、転写材(5)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1)上にトナーが残存する。このような残存トナーがクリーニングされずに、次の複写プロセスが行なわれる場合、帯電不良や露光による潜像形成時の不具合が発生してしまう。そのため、一般的にはクリーニング手段を用いて残留トナーを除去する必要がある。クリーニング手段としては、クリーングブレード(7)又は図示してはいないがクリーニングブラシそれぞれ単独もしくは組み合わせて使用されることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0030】
クリーニングブレード(7)は、摩擦係数の低い弾性体としては、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマー、などが挙げられる。このクリーニングブレード(7)としては、熱硬化性のウレタン樹脂が好ましく、特に、ウレタンエラストマーが、耐摩耗性、耐オゾン性、耐汚染性の観点から好ましい。エラストマーには、ゴムも含まれる。クリーニングブレード(7)は、硬度(JIS−A)が、65〜85度の範囲が好ましい。また、クリーニングブレード(7)は、厚さが0.8〜3.0mmで、突き出し量が3〜15mmの範囲にあることが好ましい。更に、その他の条件として当接圧、当接角度、食い込み量等は適宜決定することができる。
【0031】
さらに本発明の画像形成装置には、図示を省略しているが、電子写真感光体表面に潤滑性付与剤を塗布する機構を備えていてもよい。特に、近年、電子写真の高画質化に有利とされている球形トナーの実用化が進んでいるが、球形トナーは、従来の粉砕型のトナーと比較して、ブレードクリーニングが困難であることが知られている。そのため、クリーニングブレードの当接圧を強めることや、硬度の高いウレタンゴムブレードを用いるなどの対策が行なわれている。
ところが、上記方法はブレードが当接する電子写真感光体表面に対するハザードが大きくなる傾向がある。従って、実際に球形トナーをクリーニングするために上記方法を用いると、電子写真感光体の表面摩耗量は増加する傾向にあることが分かってきている。
【0032】
そこで、本発明の画像形成装置においては、電子写真感光体表面に潤滑性付与剤を塗布する潤滑性付与剤塗布手段を備えることによって、クリーニングブレードに対する電子写真感光体表面の摩擦係数を長期間にわたって低減することができ、上記不具合を解消することができる画像形成装置、及び画像形成方法を得ることができる。
【0033】
図8に示す潤滑性付与剤塗布手段では、潤滑性付与剤(17)を棒状にした固形物をクリーニングブラシ(16)に押し当てており、該クリーニングブラシ(16)が回転する際に潤滑性付与剤を掻き取り、ブラシに付着した潤滑性付与剤が感光体表面に塗布される仕組みとなっている。前記潤滑性付与剤は固形である必要はなく、液体や粉体、半練り状でも、感光体表面に塗布することができ、電子写真特性を満たすものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記潤滑性付与剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸;カルナウバ、ラノリン、木ろう等のワックス類;シリコーンオイル等の潤滑性オイル;などが挙げられる。これらの中でも、棒状に加工することが比較的容易で、潤滑性付与効果が高い点から、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウムが特に好ましい。
また、この潤滑性付与剤を塗布する際には、ブレード(15)を用いて平滑に均す構成とすることが好ましい。
【0034】
図8に示す潤滑性付与剤塗布手段をクリーニングユニットに備えることで、ドラム周りのレイアウト設計が容易になったり、装置を簡略化することができるなどのメリットがある反面、クリーニングされたトナーに潤滑性付与剤が多量に混入するためトナーリサイクルが困難になったり、ブラシのクリーニング効率が低下するなどの不具合が発生する場合もある。また、図示を省略しているが、潤滑性付与剤塗布手段を有した塗布ユニットをクリーニングユニットと別に独立して設けることで、上記不具合を解消することもできる。その場合、塗布ユニットは、クリーニングユニットの下流に設けることが好ましい。更に、塗布ユニットを複数箇所に設け、それらを同時、又は順次働かせることで、潤滑性付与剤の塗布効率を高めることや、消費量をコントロールするなどの効果を持たせることができる。
【0035】
また、現像ローラ(4)の位置から電子写真感光体(1)において回転下流側には中間転写ユニットが配設されている。これは、張架ローラ(11)、転写手段たる中間転写バイアスローラ(10)、二次転写バックアップローラ(12)、ベルト駆動ローラ(11a)によって張架している中間転写ベルト(5)を、ベルト駆動ローラ(11a)の回転駆動によって図中時計回りに無端移動せしめる。電子写真感光体(1)上で現像されたイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像は、電子写真感光体(1)と中間転写ベルト(5)とが接触する中間転写ニップに進入する。そして、中間転写バイアスローラ(10)からのバイアスの影響を受けながら、中間転写ベルト(5)上に重ね合わせて中間転写されて、4色重ね合わせトナー像となる。このような中間転写ベルトを用いてトナー像を重ね合わせる中間転写方式は、電子写真感光体と中間転写体との相対的な位置決めが比較的容易でかつ正確に行なえるため、色ずれに対して有利であることから、高画質なフルカラー画像を得るには有効な手段であるといえる。
【0036】
図7中の中間転写ユニットの下側には、転写ベルトと転写バイアスローラ(13)、駆動ローラ等各種ローラからなる転写ユニットが配設されており、さらに該転写ユニットの図7中左側には、定着ユニット(14)が配設されている。転写ユニットは、無端移動する転写ベルトは、図示しない移動手段によって、図7中上下方向に移動するようになっていてもよく、少なくとも、中間転写ベルト(5)上の1色トナー像(イエロートナー像)や、2色又は3色重ね合わせトナー像が紙転写バイアスローラ(13)との対向位置を通過する際には、中間転写ベルト(5)に接触しない位置まで待避移動する。そして、中間転写ベルト(5)上の4色重ね合わせトナー像の先端が紙転写バイアスローラ(13)との対向位置に進入してくる前に、中間転写ベルト(5)との接触位置まで移動して二次転写ニップを形成する。
【0037】
一方、図示しない給紙カセットから送られてきた記録媒体を2つのローラ間に挟み込んでいる図示しないレジストローラ対は、記録媒体を中間転写ベルト(5)上の4色重ね合わせトナー像に重ね合わせ得るタイミングで上記二次転写ニップに向けて送り込む。中間転写ベルト(5)上の4色重ね合わせトナー像は、二次転写ニップ内で紙転写バイアスローラ(13)からの二次転写バイアスの影響を受けて記録媒体上に一括して二次転写される。この二次転写により、記録媒体上にはフルカラー画像が形成される。そして、フルカラー画像が形成された記録媒体は、まで定着ユニット(14)移動する。
【0038】
定着ユニット(14)は、送り込まれた記録媒体を加熱ローラとバックアップローラとの当接によって形成された定着ニップに挟み込みながら搬送する。記録媒体上のフルカラー画像は、加熱ローラからの加熱や、定着ニップ内での加圧力の影響を受けて記録媒体上に定着せしめられる。
【0039】
<プロセスカートリッジ>
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像形成手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段の少なくとも1つと、本発明の前記電子写真感光体とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、その他の手段を有してなる。
【0040】
前記現像手段としては、本発明の前記トナーあるいは前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナーあるいは現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
【0041】
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図9に示すように、感光体(101)を内蔵し、帯電器(102)、露光器(103)、現像手段(104)、クリーニング手段(107)を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。(105)は記録媒体、(108)は搬送ローラである。
【0042】
<電子写真感光体>
本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されている。
また、電子写真感光体の表面層に保護層を設けることがより好ましく、最表面に保護層を設けることで感光体の膜が削れにくくなる。そのため、感光体の静電容量が変化しにくいので、帯電性が悪化しない。仮に電子写真感光体が転写後にプラスに帯電していたとしても、マイナス帯電によって安定に帯電させることができるので残像の発生が悪化するのを抑制することが可能である。この保護層には、無機酸化物材料のフィラーを含有させることで耐摩耗性を向上させることができる。また、電子写真感光体の最表面層にジアルキルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ベンジルアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基のいずれかを有するアミノ化合物の電荷輸送物質を有することで、帯電器等から生じるオゾンやNOx等の酸化性ガス暴露によって帯電性が悪化し、残像が助長されるのを防止することが可能である。
【0043】
以下、本発明の画像形成装置に用いられる感光体を図面に沿って説明する。
図10は、導電性支持体(201)上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(202)が設けられている。
図11は、導電性支持体(201)上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(202)が設けられ、更に感光層表面に保護層(205)が設けられている。
図12は、導電性支持体(201)上に、電荷発生層を主成分とする電荷発生層(203)と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(204)とが積層された構成をとっている。
図13は、導電性支持体(201)上に、電荷発生層を主成分とする電荷発生層(203)と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(204)とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に保護層(205)が設けられてなる。
【0044】
次に本発明の画像形成装置に用いられる感光体を構成する各層について説明する。
(導電性支持体について)
前記導電性支持体(201)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(201)として用いることができる。
【0045】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体(201)として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0046】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
【0047】
(下引き層について)
本発明の画像形成装置に用いられる感光体においては、導電性支持体と感光層との間に図示しないが、下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0048】
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0049】
(感光層について)
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層(203)と電荷輸送機能を有する電荷輸送層(204)とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層(202)は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
【0050】
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
(感光層が積層のものについて)
i)電荷発生層について
電荷発生層(203)は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層(203)には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合してもかまわない。
【0051】
電荷発生層(203)は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
【0052】
必要に応じて電荷発生層(203)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0053】
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
【0054】
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0055】
電荷発生層(203)は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
【0056】
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
【0057】
電荷発生層(203)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0058】
(ii)電荷輸送層について
電荷輸送層(204)は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(203)上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0059】
電荷輸送物質には、正孔輸送物質を用いる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0060】
結着樹脂としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルぺンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、フェノキシ樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0061】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
【0062】
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
【0063】
以上のようにして得られた塗工液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、従来の塗工方法を用いることができる。
【0064】
<感光層が単層のものについて>
次に感光層が単層構成である図9および図10の場合について述べる。上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0065】
電荷輸送物質としては、電荷輸送層で挙げた電荷輸送物質を使用することができる。結着樹脂としては、先に電荷輸送層(204)で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層(203)で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
【0066】
<感光体の表面保護層について>
次に感光体の表面層が保護層である場合について説明する。また、耐摩耗性を向上させる目的でフィラーを含有させることができる。また、分散剤として酸化が10〜300(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種を添加することができる。
【0067】
上記フィラーには、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料がある。有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化クロム、シリカ、酸化錫、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中でも処理効率並びに硬度の点から金属酸化物を用いることが、耐摩耗性の向上に対して有利である。
【0068】
さらに、画像ボケが発生しにくいフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラーが好ましく、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が特に有効に使用できる。また、これらのフィラーを単独で使用することはもちろん、2種類以上を混合して用いることも可能である。また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
【0069】
フィラーの平均一次粒径は、0.01〜1.0、好ましくは0.1〜0.5μmであることが表面層の光透過率や耐摩耗性の点から好ましく、さらに望ましくは0.3〜0.5μmである。フィラーの平均一次粒径が0.01μm未満の場合は、耐摩耗性の低下、分散性の低下等を引き起こし、1.0μmより大きい場合には、分散液中においてフィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
【0070】
フィラーの含有量としては、好ましくは0.1〜50重量%で、より好ましくは5〜30重量%である。0.1重量%未満であると耐摩耗性はあるものの十分ではなく、50重量%を越えると、透明性が損なわれる恐れがある。
【0071】
さらに、これらのフィラーは少なくとも一種の分散剤で分散させて用いられる。これにより、分散性の向上、フィラー添加に起因する残留電位上昇の抑制に対し有効となる。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇に影響するだけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。
【0072】
次に、この分散剤である酸価が10〜300(mgKOH/g)の有機化合物について説明する。酸価が10〜300(mgKOH/g)の有機化合物を含有させると、フィラーの添加によって発生した、残留電位上昇を抑制することができる。酸価とは、1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数で定義される。これらの酸価が10〜300(mgKOH/g)の有機化合物としては、一般に知られている有機脂肪酸や高酸価樹脂等、酸価が10〜300(mgKOH/g)の有機化合物であれば使用することができる。しかし、非常に低分子のマレイン酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸やアクセプター等はフィラーの分散性を大幅に低下させてしまう可能性があるため、残留電位低減効果が十分に発揮されなくなる場合がある。従って、感光体の残留電位を低減させ、かつフィラーの分散性を高めるためには低分子量ポリマーや樹脂、共重合体等、さらにはそれらを混合させて使用することが好ましい。
【0073】
それらの有機化合物の構造としては、立体障害が少ないリニアの構造を有することがより好ましい。分散性を向上させるためにはフィラーと結着樹脂との双方に親和性を持たせることが必要であり、立体障害が大きな材料は、それらの親和性が低下することにより、分散性が低下し、前述のような多くの問題を発生させることにつながる。かかる観点から、酸価が10〜300(mgKOH/g)の有機化合物としては、ポリカルボン酸が好ましい。該ポリカルボン酸は、カルボン酸をポリマーあるいはコポリマー中に含む構造を有する化合物であって、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル酸やメタクリル酸を用いた共重合体、スチレン−カルボキシル含有又はフェノール性ヒドロキシ基含有アクリル共重合体等、カルボン酸を含む有機化合物あるいはその誘導体は使用することが可能である。また、これらの材料は2種以上混合して用いることが可能であり、かつ有用である。場合によっては、これらの材料と有機脂肪酸とを混合させることによって、フィラーの分散性あるいはそれに伴う残留電位の低減効果が高まることがある。
【0074】
本発明においては、酸価が10〜300mgKOH/gの有機化合物を用いるが、酸価が30〜200mgKOH/gの有機化合物を用いることが好ましい。酸価が必要以上に高いと抵抗が下がりすぎて画像ボケの影響が大きくなり、酸価が低すぎると添加量を多くする必要が生じる上、残留電位の低減効果が不十分となる。有機化合物の酸価は、その添加量とのバランスにより決めることが必要である。同じ添加量でも酸価が高ければ残留電位低減効果が高いというわけではなく、その効果はこれら酸価が10〜300mgKOH/gの有機化合物のフィラーへの吸着性にも大きく関係している。
【0075】
保護層に含有させるフィラー材料は、少なくとも有機溶剤、酸価が10〜300(mgKOH/g)の有機化合物等とともにボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用いて分散することができる。この中でも、フィラーと酸価が10〜300(mgKOH/g)の有機化合物との接触効率を高くすることができ、外界からの不純物の混入が少ないボールミルによる分散が分散性の点からより好ましい。使用されるメディアの材質については、従来使用されているジルコニア、アルミナ、メノウ等すべてのメディアを使用することができるが、フィラーの分散性及び残留電位低減効果の点から特にアルミナを使用することがより好ましい。ジルコニアは分散時のメディアの摩耗量が大きく、それらの混入によって残留電位が著しく増加する。さらに、その摩耗粉の混入によって分散性が大きく低下し、フィラーの沈降性が促進される。一方、メディアにアルミナを使用した場合には、分散時にメディアは摩耗されるものの、摩耗量は低く抑えられる上に、混入した摩耗粉が残留電位に与える影響が非常に小さい。また、摩耗粉が混入しても分散性に対して悪影響が少ない。従って、分散に使用するメディアにはアルミナを使用することがより好ましい。
【0076】
また、酸価が10〜300(mgKOH/g)の有機化合物は、フィラーや有機溶剤とともに分散前より添加することによって、塗工液中のフィラーの凝集、さらにはフィラーの沈降性を抑制し、フィラーの分散性が著しく向上することから、分散前より添加することが好ましい。一方、結着樹脂や電荷輸送物質は、分散前に添加することも可能であるが、その場合分散性が若干低下する場合が見られる。従って、結着樹脂や電荷輸送物質は、有機溶剤に溶解された状態で分散後に添加することが好ましい。
塗工液に含有させる酸化防止剤としては、後述する一般の酸化防止剤が使用できるが、ヒンダードフェノールの化合物が特に効果的である。
【0077】
次に、保護層に使用される結着樹脂に関して説明する。樹脂材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、フェノキシ樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点から、特にポリカーボネートあるいはポリアリレートが有効かつ有用である。
【0078】
<中間層について>
本発明の画像形成装置に用いられる感光体においては、感光層と保護層との間に図示しないが中間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0079】
<各層への添加剤について>
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下防止、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0080】
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロ−ル類など。
【0081】
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0082】
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0083】
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートなど。
【0084】
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0085】
各層には可塑剤を添加できる。可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0086】
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
【0087】
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0088】
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0089】
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
【0090】
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
【0091】
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
【0092】
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0093】
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0094】
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0095】
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0096】
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
【0097】
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
【0098】
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0099】
各層には滑剤を添加できる。滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0100】
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
【0101】
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0102】
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
【0103】
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0104】
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
【0105】
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0106】
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
【0107】
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0108】
各層には紫外線吸収剤を添加できる。紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0109】
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど。
【0110】
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
【0111】
(c)ベンゾトリアゾール系
(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−3′−ターシャリブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなど。
【0112】
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなど。
【0113】
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル[2,2′−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート]ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
【0114】
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【実施例】
【0115】
以下、本発明の画像形成装置について実施例を挙げて説明する。但し、本発明が実施例により制約を受けるものではない。
【0116】
<実施例1>
株式会社RICOH社製Imagio Neo C600の画像形成装置を用いて、除電器および除電制御装置は、中間調トナー付着濃度(A)と中間調トナー付着濃度(B)の濃度差が0.02以下となるように除電光量を調整して制御を行うように改造を行い、また電子写真感光体は下記のものを用いて1ジョブあたり5枚印刷で、200枚毎に除電制御を行い、合計5万枚印刷を行った。
【0117】
(電子写真感光体1)
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を形成した。
【0118】
下引き層塗工液
二酸化チタン粉末: 400 重量部
メラミン樹脂: 65
アルキッド樹脂: 120
2−ブタノン: 400
【0119】
電荷発生層塗工液
下記構造式(い)で表されるビスアゾ顔料: 12 重量部
ポリビニルブチラール: 5
2−ブタノン: 200
シクロヘキサノン: 400
【0120】
【化1】

【0121】
電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製): 10 重量部
下記構造式(ろ)で表される電荷輸送物質: 10
テトラヒドロフラン: 100
【0122】
【化2】

【0123】
電荷輸送層上にさらに、下記組成の保護層をスプレー塗工によって約5.0μmの保護層を形成し、電子写真感光体1を作製した。
【0124】
保護層塗工液
アルミナフィラー(平均一次粒径:0.3μm、
スミコランダムAA−03住友化学工業製): 1 重量部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液(酸価180mgKOH/g、
固形分50%、BYK−P104BYKケミー製): 0.02
下記構造式(は)で表される電荷輸送物質: 0.6
【0125】
【化3】

【0126】
下記構造式(ろ)で表される電荷輸送物質: 3 重量部
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製): 5
テトラヒドロフラン: 250
シクロヘキサノン: 70
【0127】
【化4】

【0128】
(実施例2)
実施例1で用いられる電子写真感光体の保護層を除いた以外は全て実施例1と同様に5万枚印刷を行った。
【0129】
(実施例3)
実施例1で用いられる電子写真感光体の保護層に含有される上記構造式(は)で表される電荷輸送物質を下記構造式(ろ)で表される電荷輸送物質に置換した以外は全て実施例1と同様に5万枚印刷を行なった。
【0130】
【化5】

【0131】
(実施例4)
実施例1で用いられる電子写真感光体の保護層に含有される構造式(は)で表される電荷輸送物質を下記構造式(に)で表される電荷輸送物質に置換した以外は全て実施例1と同様に5万枚印刷を行なった。
【0132】
【化6】

【0133】
(実施例5)
実施例1で用いられる電子写真感光体の保護層に含有される構造式(は)で表される電荷輸送物質を下記構造式(ほ)で表される電荷輸送物質に置換した以外は全て実施例1と同様に5万枚印刷を行なった。
【0134】
【化7】

【0135】
(実施例6)
実施例1で用いられる電子写真感光体の保護層に含有される構造式(は)で表される電荷輸送物質を下記構造式(へ)で表される電荷輸送物質に置換した以外は全て実施例1と同様に5万枚印刷を行なった。
【0136】
【化8】

【0137】
(実施例7)
実施例1で用いられる電子写真感光体の保護層に含有される構造式(は)で表される電荷輸送物質を下記構造式(と)で表される電荷輸送物質に置換した以外は全て実施例1と同様に5万枚印刷を行なった。
【0138】
【化9】

【0139】
(比較例1)
実施例1において除電光を常時点灯にする以外は全て実施例1と同じように5万枚印刷を行った。
【0140】
(比較例2)
実施例1おいて除電光を点灯しない以外は全て実施例1と同じように5万枚印刷を行った。
【0141】
(比較例3)
実施例1において、電子写真感光体の保護層を設けないことと除電光を点灯しない以外は全て実施例1と同じように5万枚印刷を行った。
【0142】
実施例1〜7、比較例1〜3の初期画像品質と5万枚印刷後の画像品質を表1に示す。
【表1】

【0143】
(実施例8)
実施例1において除電の制御を、中間調トナー付着濃度(A)と中間調トナー付着濃度(B)の濃度差が0.02以下となるように除電光量を調整する方法から、中間調トナー付着濃度(A)と中間調トナー付着濃度(B)の濃度差から予め決められた除電光量にする方法に変更した以外は同じようにして5万枚印刷を行ったところ、初期、繰り返し印刷後でも良好な画像を得ることができた。
【0144】
上記の結果のとおり、本発明により繰り返し印刷後でも良好な画像品質を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】画像パターンの一例を示す図である。
【図2】ポジ残像の例を示す模式図である。
【図3】電子写真装置の各プロセス時における感光体表面電位の電位状態を説明する図である。
【図4】本発明で用いられるトナー付着濃度を検出する際のパターンの一例を示す模式図である。
【図5】図4のパターンで生じるトナー付着濃度差と実際の残像ランクとの関係を示したグラフである。
【図6】除電光量と残像ランクの関係を示したグラフである。
【図7】本発明の画像形成装置の一実施の形態の構成を示す概略図である。
【図8】本発明の画像形成装置に用いられる潤滑剤塗布機構の一例を示す概略構成図である。
【図9】本発明のプロセスカートリッジの一実施の形態の構成を示す概略図である。
【図10】本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体の層構成の第1の実施の形態を示す模式断面図である。
【図11】本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体の層構成の第2の実施の形態を示す模式断面図である。
【図12】本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体の層構成の第3の実施の形態を示す模式断面図である。
【図13】本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体の層構成の第4の実施の形態を示す模式断面図である。
【符号の説明】
【0146】
1K ブラック用電子写真感光体
1M マゼンタ用電子写真感光体
1C シアン用電子写真感光体
1Y イエロー用電子写真感光体
2 帯電ローラ
3 露光器
4 現像ローラ
5 中間転写ベルト
6 除電器
7 クリーニングブレード
8 トナー付着濃度検出装置
9 除電光量制御装置
10 中間転写バイアスローラ
11 張架ローラ
11a ベルト駆動ローラ1
12 二次転写バイアスローラ
13 紙転写バイアスローラ
14 定着ユニット
15 ブレード
16 クリーニングブラシ
17 潤滑性付与剤
101 電子写真感光体
102 帯電器
103 露光器
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 搬送ローラ
201 導電性支持対
202 電荷発生物質と電荷輸送物質を含む感光層
203 電荷発生層
204 電荷輸送層
205 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真感光体と、
該電子写真感光体上に電荷を一様に与えて帯電させる帯電手段と、
前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
前記電子写真感光体上に現像剤像を形成する現像手段と、
前記電子写真感光体上に形成された現像剤像を転写材に転写する転写手段と、
前記電子写真感光体上の電荷を除去する除電手段と、
前記電子写真感光体上または前記転写材上の現像剤像のトナー付着濃度を検出するトナー付着濃度検出手段とを有する画像形成装置において、
前記トナー付着濃度検出手段は、前記露光手段によって静電潜像を形成した場所において、電子写真感光体1周期後に再び前記露光手段によって静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(A)と、前記露光手段によって静電潜像を形成しなかった場所において、電子写真感光体1周期後に前記露光手段によって静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(B)とを検出し、
前記トナー付着濃度(A)と前記トナー付着濃度(B)の濃度差に応じて除電光量を制御する除電光量制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記除電光量制御手段は、トナー付着濃度(A)とトナー付着濃度(B)の濃度差が所望の値以下になるように除電光量を調整して制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記除電光量制御手段は、前記トナー付着濃度検出手段が検出したトナー付着濃度(A)とトナー付着濃度(B)の濃度差から予め決められた除電光量に制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナー付着濃度(A)は、中間調トナー付着濃度(A)であり、
前記トナー付着濃度(B)は、中間調トナー付着濃度(B)であり、
前記除電光量制御手段は、前記トナー付着濃度検出手段によって検出した中間調トナー付着濃度(A)と中間調トナー付着濃度(B)の濃度差が0.02以内になるように除電光量を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
電子写真感光体の最表面層に保護層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記保護層に無機酸化物材料のフィラーを含有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記電子写真感光体は、最表面層にジアルキルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ベンジルアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基のいずれかを有するアミノ化合物の電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記電子写真感光体に当接し、該電子写真感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記帯電手段が、前記電子写真感光体に接触もしくは非接触状態で配置され、直流および交流電圧を重畳印加することによって電子写真感光体表面を帯電することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記電子写真感光体表面に潤滑性付与剤を塗布する潤滑性付与剤塗布手段を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記潤滑性付与剤が、金属石鹸であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記金属石鹸が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸カルシウムから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
デジタル方式で前記静電潜像を形成することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記露光手段は、LDあるいはLEDであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、除電手段、及び定着手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記電子写真感光体上に形成された現像剤像が一次転写される中間転写体と、
該中間転写体上に担持された現像剤像を記録媒体に二次転写する二次転写手段とを備え、
前記中間転写体上は、複数色のトナー画像が順次重ね合わせられてカラー画像が形成され、
前記二次転写手段は、前記カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置が有する電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段、除電手段及びクリーニング手段の中から選ばれる1以上を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項19】
電子写真感光体に電荷を一様に与えて帯電させる帯電工程と、該帯電工程後に電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を現像剤で可視化して現像剤像を形成する現像工程と、前記現像剤像を転写材に転写する転写工程と、該転写工程後の電子写真感光体上の電荷を除去する除電工程とを有する画像形成工程と、
前記電子写真感光体上もしくは前記転写材上の現像剤像のトナー付着濃度を検出するトナー付着濃度検出工程と、を備える画像形成方法において、
前記トナー付着濃度検出工程は、前記露光工程によって、静電潜像を形成した場所において、電子写真感光体1周期後に再び前記露光工程によって、静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(A)と、前記露光工程によって、静電潜像を形成しなかった場所において、電子写真感光体1周期後に前記露光工程によって、静電潜像を形成したときのトナー付着濃度(B)とを検出し、
前記トナー付着濃度(A)と前記トナー付着濃度(B)の濃度差に応じて除電光量を制御する除電光量制御工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項20】
前記除電光量制御工程は、トナー付着濃度(A)とトナー付着濃度(B)の濃度差が所望の濃度差になるように除電光量を調整して制御することを特徴とする請求項18に記載の画像形成方法。
【請求項21】
前記除電光量制御工程は、前記トナー付着濃度検出工程が検出したトナー付着濃度(A)とトナー付着濃度(B)の濃度差から予め決められた除電光量に制御することを特徴とする請求項18に記載の画像形成方法。
【請求項22】
前記トナー付着濃度(A)は、中間調トナー付着濃度(A)であり、
前記トナー付着濃度(B)は、中間調トナー付着濃度(B)であり、
前記除電光量制御工程は、前記トナー付着濃度検出工程によって検出された中間調トナー付着濃度(A)と中間調トナー付着濃度(B)の濃度差が0.02以内になるように除電光量を制御することを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載の画像形成方法。

【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−310311(P2008−310311A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127976(P2008−127976)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】