画像形成装置、画像形成装置の制御方法、およびプログラム
【課題】データを記憶した格納部に異常が発生した場合において、より適切に対応することが可能な画像形成装置およびそれに関連する技術を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、データを格納する格納部と、当該格納部に格納された前記データのエラーを検出する検出部と、当該データを用いてジョブを実行するジョブ制御部とを備える。ジョブ制御部は、ジョブの実行に際して当該ジョブに係るデータにエラーが検出される場合(ステップS12でYes)においても当該データに基づく出力(印刷出力等)を実行する(ステップS17,S15)。
【解決手段】画像形成装置は、データを格納する格納部と、当該格納部に格納された前記データのエラーを検出する検出部と、当該データを用いてジョブを実行するジョブ制御部とを備える。ジョブ制御部は、ジョブの実行に際して当該ジョブに係るデータにエラーが検出される場合(ステップS12でYes)においても当該データに基づく出力(印刷出力等)を実行する(ステップS17,S15)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral))などの画像形成装置およびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MFPなどの画像形成装置の中には、ハードディスクドライブ(記憶装置)を備え、当該ハードディスクドライブに格納されたデータに基づいて印刷出力動作等を実行するものが存在する。
【0003】
ハードディスクドライブにおいては、衝撃の付与等に起因して、修復不可能なエラー(アンコレクタブルエラー)等が発生することがある。このアンコレクタブルエラーは、データの書き込み時ではなくデータの読み出し時に検出される。
【0004】
画像形成装置において、ハードディスクドライブに記憶されたデータを読み出す際にこのようなエラーが検出されると、当該エラーに係る当該データは、正常のデータではないため、通常破棄される。
【0005】
また、特許文献1においては、画像形成装置(ディジタル複写機)がエラー発生ページ(発生したエラーに対応するページ)を特定し、当該エラー発生ページの画像データを再入力するようにユーザに指示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−13593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような画像形成装置においては、「ボックス」(次述)を利用したジョブが実行される。
【0008】
たとえば、画像データがハードディスクドライブ内の格納領域(「ボックス領域」あるいは単に「ボックス」とも称する)に保存された後に、当該画像データが任意の時点において「ボックス」から読み出されて印刷出力が行われる。なお、ボックス領域への保存処理は「ボックス保存」とも称され、ボックス領域から画像を読み出して印刷出力する処理は、「ボックスプリント」とも称される。
【0009】
或る画像が画像形成装置内のハードディスクドライブから読み出されている途中でアンコレクタブルエラーが発生した場合には、当該アンコレクタブルエラーに起因する劣化画像の出力を回避するため、上述のように当該或る画像に係る当該エラー発生データは破棄される。
【0010】
このようなエラー発生データに関しては、原稿(原本)を再度スキャンすることなどを伴う再入力操作を行うことが考えられる。
【0011】
しかしながら、「ボックスプリント時点」(ボックスに保存された画像を印刷出力する時点)は、「ボックス保存時点」(ボックスに画像を保存する時点)と同一ではなく、むしろボックス保存時点から比較的長い時間(例えば、1ヶ月)が経過した後の時点であることも多い。ユーザは、原稿(原本)のスキャンによる電子化がボックス保存時点にて正常に終了していると認識しているため、後のボックスプリント時点では当該原稿を既に廃棄していることもある。この場合には、当該原稿に係る画像データの再入力(すなわち再度の電子化)を行うことが困難である。
【0012】
そこで、この発明は、データを記憶した格納部に異常が発生した場合において、より適切に対応することが可能な画像形成装置およびそれに関連する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、画像形成装置であって、データを格納する格納部と、前記格納部に格納された前記データのエラーを検出する検出部と、前記データを用いてジョブを実行するジョブ制御手段であって、前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においても前記データに基づく出力を実行するジョブ制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像形成装置において、前記エラーに起因する画像欠損部分を補って前記データに係る画像を補完する画像処理手段、をさらに備え、前記ジョブ制御手段は、前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においては、前記画像補完手段により補完された画像に基づいて前記出力を実行することを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る画像形成装置において、前記ジョブ制御手段は、前記ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合において、前記データに基づく出力を実行する第1の動作と前記データに関する再入力を依頼する第2の動作とのいずれの動作を実行するかを、所定の基準に基づいて決定することを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明は、請求項3の発明に係る画像形成装置において、前記ジョブ制御手段は、前記ジョブがコピージョブであるときには前記第2の動作を実行する旨を決定し、前記ジョブがコピージョブ以外の所定のジョブであるときには前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明は、請求項3の発明に係る画像形成装置において、前記ジョブ制御手段は、前記データの読出時刻と前記データの書込時刻との時間差が所定値よりも大きいときには前記第1の動作を実行する旨を決定し、前記時間差が前記所定値よりも小さいときには前記第2の動作を実行する旨を決定することを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明は、請求項3の発明に係る画像形成装置において、前記ジョブ制御手段は、前記データの読出時点におけるログインユーザと前記データの書込時点におけるログインユーザとの両者が一致するときには、前記第2の動作を実行する旨を決定し、前記両者が互いに異なるときには、前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明は、請求項3の発明に係る画像形成装置において、前記ジョブは、ファクシミリ受信ジョブであり、前記ジョブ制御手段は、前記ファクシミリ受信ジョブにおける相手側装置である送信元装置の送信モードが即時送信モードであるときには前記第2の動作を実行する旨を決定し、前記送信元装置の前記送信モードが前記即時送信モード以外の所定のモードであるときには前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明は、請求項3の発明に係る画像形成装置において、前記ジョブは、ウェブサーバからダウンロードされたデータを出力するジョブであり、前記ジョブ制御手段は、前記ウェブサーバからダウンロードされて前記格納部に保存されている第1のデータのファイル情報と前記エラーの検出後の所定の時点において前記ウェブサーバに格納されている第2のデータのファイル情報との両者が一致しているときには、前記第2の動作を実行する旨を決定し、前記両者が一致していないときには、前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする。
【0021】
請求項9の発明は、請求項3のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記所定の基準に従って決定された動作を変更する変更指示入力を受け付ける入力手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0022】
請求項10の発明は、画像形成装置の制御方法であって、a)ジョブに係るデータを前記画像形成装置の格納部に格納するステップと、b)前記格納部に格納された前記データのエラーを検出するステップと、c)前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においても、前記データに基づく出力を実行するステップと、を備えることを特徴とする。
【0023】
請求項11の発明は、画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、a)ジョブに係るデータを前記画像形成装置の格納部に格納するステップと、b)前記格納部に格納された前記データのエラーを検出するステップと、c)前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においても、前記データに基づく出力を実行するステップと、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1ないし請求項11に記載の発明によれば、ジョブの実行に際して当該ジョブに係るデータにエラーが検出される場合においても当該データに基づく出力動作が実行されるので、当該データに基づく出力が行われないまま当該データが破棄されることを抑制できる。特に、当該データのオリジナルが存在せずデータの再入力ができない状況であるにもかかわらず、当該データに基づく出力が行われないまま当該データが破棄されることを抑制できる。したがって、データにエラーが検出された状況に対して、適切に対応することが可能である。
【0025】
特に、請求項2に記載の発明によれば、補完されたデータに基づく出力動作が実行されるので、画像欠損部分の影響が低減された画像を得ることが可能である。
【0026】
また特に、請求項3に記載の発明によれば、所定の基準に基づいて第1の動作と第2の動作とが使い分けられ得るので、より適切な対応を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】MFPの概略構成等を示す図である。
【図2】MFPの動作を示すフローチャートである。
【図3】MFPの動作を示すフローチャートである。
【図4】画像内の欠損部分およびその周辺を拡大して示す図である。
【図5】第3実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図7】第4実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図8】第5実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図9】第6実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図10】第7実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図11】変形例に係る動作を示すフローチャートである。
【図12】変更指示入力を受け付ける操作入力画面を示す図である。
【図13】変形例に係る動作を示すフローチャートである。
【図14】選択入力を受け付ける操作入力画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
<1.第1実施形態>
<1−1.構成>
図1は、画像形成装置1の概略構成等を示すブロック図である。画像形成装置1は、この実施形態ではMFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral))として構成されている。
【0030】
図1のブロック図に示すように、MFP1は、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部(記憶部)5、入出力部6および全体制御部9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0031】
画像読取部2は、MFP1の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って、当該原稿の画像データ(原稿画像とも称する)を生成する処理部である。
【0032】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0033】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、通信ネットワークを介したネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP1は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。
【0034】
格納部(記憶部とも称する)5は、比較的大きな容量を有する格納装置(記憶装置)として構成される。この格納部5には、画像読取部2等で生成された原稿画像(画像データ)が格納(記憶)される。この実施形態では、ハードディスクドライブ(HDD)が格納装置として用いられる。また、ハードディスクドライブは、ハードディスクドライブ内に設けられたエラー検知部を用いて、そのステータス情報(エラー情報)を検出することができる。
【0035】
入出力部6は、MFP1に対する入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。詳細には、MFP1には操作パネル63(図12等参照)が設けられている。この操作パネル(タッチスクリーン)63は、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部6bの一部として機能するとともに、操作入力部6aの一部としても機能する。
【0036】
全体制御部9は、MFP1に内蔵され、MFP1を統括的に制御する制御装置である。全体制御部9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM等)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。全体制御部9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM等)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。
【0037】
具体的には、全体制御部9は、ユーザ認証部31、ジョブ制御部32、画像処理部33、エラー情報取得部34および表示制御部35等を備える。
【0038】
ユーザ認証部31は、ユーザ認証処理を行う処理部である。ユーザ認証処理は、たとえば、ユーザIDとパスワードとのそれぞれに関して、正規データと入力データとを照合することによって行われる。
【0039】
ジョブ制御部32は、格納部5に格納(記憶)される各画像データ等を用いて各ジョブを実行する処理部である。
【0040】
画像処理部33は、画像処理(画像データの生成処理および変更処理等)を実行する処理部である。
【0041】
エラー情報取得部34は、格納部5との間で通信を行うことなどにより、当該格納部5のエラー(詳細には、修復不可能なエラー(アンコレクタブルエラー)等)を検出する処理部である。
【0042】
表示制御部35は、表示部6bにおける表示内容等を制御する処理部である。
【0043】
<1−2.動作>
図2および図3は、このMFP1の動作を示すフローチャートである。
【0044】
ここでは、MFP1においてボックス保存ジョブJBa(JSaとも表記する)が予め受け付けられているものとする。ボックス保存ジョブJBa(JSa)は、ユーザUAの操作に基づいて原稿(オリジナル)のスキャン画像データD1をボックス(ハードディスクドライブ内の所定フォルダ)に保存するジョブである。
【0045】
そして、ボックス保存ジョブJSaによりボックスに保存された画像データD1に基づいて、印刷出力ジョブ(ボックスプリントジョブ)JBa(JPaとも表記する)が実行される状況を想定する。画像データD1は、ボックス保存ジョブJSaに係る画像データであると表現されるとともに、ボックスプリントジョブJPaに係る画像データであるとも表現される。
【0046】
なお、各ジョブの実行に際しては、各ユーザによるMFP1へのログイン処理(ユーザ認証処理)が行われるものとする。たとえば、ボックスプリントジョブJBa(JPa)の実行に際しては、図2のステップS11の処理の前の時点において、予めユーザUAによるユーザ認証処理が実行されているものとする。
【0047】
ここにおいて、ボックスプリントジョブJBaの実行中においてエラーが検出されない場合には、通常の動作が実行される。
【0048】
具体的には、図2に示すように、まず、ハードディスクドライブ5に格納されているプリントデータ(ボックスプリントジョブJBa(JPa)に関する画像データD1)に基づき、画像処理(詳細には、印刷出力用画像の生成処理)が開始される(ステップS11)。ハードディスクドライブ5にエラーが検出されることなく(ステップS12でNo)ハードディスクドライブ5からの読出処理が終了し(ステップS13でYes)、当該画像処理が完了する(ステップS14)と、印刷出力用画像を用いた印刷出力処理が実行される(ステップS15)。これにより、ボックスプリントジョブJBaが完了する。
【0049】
一方、ボックスプリントジョブJBaの実行中にエラーが検出される場合には、次述するような動作が実行される。ここでは、ボックスプリントジョブJBaに関する印刷出力処理実行中(具体的には、ハードディスクドライブ5からの画像データD1の読出動作中)において、アンコレクタブルエラー(修復不可能なエラー)が検出される状況を想定する。
【0050】
なお、このようなアンコレクタブルエラーは、例えば、MFP1における原稿トレイの開閉機構が強い力で閉じられる際にMFP1およびその内部のハードディスクドライブに衝撃が加わること等によって発生する。また、アンコレクタブルエラーは、データ書込時に検出されるのではなく、データ読出時に検出される。
【0051】
ハードディスクドライブのエラー検知部によって当該エラーが検出されると、エラー情報取得部34は、ハードディスクドライブとの間で情報を授受すること等によって、当該エラーの情報(エラー情報)を取得する。
【0052】
詳細には、エラー情報取得部34は、ハードディスクドライブ内の或るセクタからボックスプリントジョブJBaの画像データD1を読み出しているときにエラーER1が発生していることを検出し、当該画像データD1にエラーが発生していることを検出する。
【0053】
そして、ステップS12(図2)からステップS17(図2)に進む。
【0054】
ステップS17において、MFP1(ジョブ制御部32)は、ボックスプリントジョブJBaの画像処理(印刷出力用画像の生成処理)を中断することなくそのまま継続する。当該画像データに基づき印刷出力用画像の生成処理が実行され、印刷出力用データが生成される(ステップS13,S14)。その後、ステップS15で生成された印刷出力用データに基づく印刷出力動作が実行される。出力された画像は、その一部にエラーに起因する欠損部分(画像欠損部分)を有している。たとえば、ハードディスクドライブにおける1セクタ〜数セクタのみにエラーが発生している状況においては、出力画像上に数ミリ角程度の欠損が生じ得る。ただし、出力画像における他の大部分は、正常な状態で出力される。
【0055】
第1実施形態においては、以上のような動作が実行される。
【0056】
このような動作によれば、ジョブの実行に際して当該ジョブに係る画像データにエラーが検出される場合においても当該画像データに基づく出力が常に実行されるので、当該画像データに基づく出力が行われないまま当該画像データが破棄されることを抑制できる。特に、当該画像データのオリジナル(原本)が存在せず画像データの再入力ができない状況であるにもかかわらず、当該画像データに基づく出力が行われないまま当該画像データが破棄されることを抑制できる。
【0057】
詳細には、上述したように、「ボックスプリント時点」(ボックスに保存された画像を印刷出力する時点)は、「ボックス保存時点」(ボックスに画像を保存する時点)から比較的長い時間(例えば、1ヶ月)が経過した後の時点であることも多い。ユーザは、原稿(原本)のスキャンによる電子化がボックス保存時点にて正常に終了しているものと認識しているため、後のボックスプリント時点では当該原稿を既に廃棄してしまっていることもある。この場合には、当該原稿に係る画像データの再入力(すなわち再度の電子化)を行うことが困難である。そのため、当該画像データに基づく出力が行われないまま当該画像データが破棄されると、当該画像データを再現することが困難な状況が生じ得る。
【0058】
一方、上記実施形態によれば、ジョブの実行に際して当該ジョブに係る画像データにエラーが検出される場合においても当該画像データに基づく出力が実行される。そのため、当該画像データに基づく出力物(ここでは印刷出力物)が少なくとも得られる。したがって、原本(オリジナル)が破棄されている場合であっても、(欠損部分を有するものではあるが)当該出力物を得ることが可能である。あるいは当該出力物に基づく回復処理を行うことも可能である。
【0059】
このように、画像データにエラーが検出された状況に対して、適切に対応することが可能である。
【0060】
<2.第2実施形態>
上記第1実施形態においては、ハードディスクドライブからの画像データの読み出し中にエラーが検出される場合において、元の画像データがそのまま利用されて、当該画像データに基づく印刷出力が実行される場合が例示されているが、これに限定されない。たとえば、ハードディスクドライブからの画像データの読み出し中にエラーが検出される場合において、元の画像データにおける欠損部分(エラーに起因する欠損部分)を補って画像データに係る画像が補完され、当該補完後の画像に基づいて印刷出力が実行されるようにしてもよい。
【0061】
第2実施形態は、このような態様について説明する。第2実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0062】
図3は、第2実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【0063】
図3に示すように、第2実施形態においては、図2のステップS17に代えて、ステップS18が実行される。ステップS18では、画像の欠損部分を補償する画像補完処理が実行される。
【0064】
図4は、画像内の欠損部分(画像欠損部分)RG0およびその周辺を拡大して示す図である。
【0065】
MFP1の画像処理部33は、欠損部分である部分画像領域RG0(図4参照)のサイズとそれぞれ同じサイズ(たとえば、16画素×16画素)を有する8つの周辺領域RG1〜RG8(図4参照)を抽出する。周辺領域RG1〜RG8は、それぞれ、欠損部分である部分画像領域RG0の周辺の領域である。そして、当該画像処理部33は、欠損部分(部分画像領域)RG0内の各画素PE(x,y)の値を周辺領域RG1〜RG8の各対応画素の値を用いて決定する。たとえば、各周辺領域RG1〜RG8における対応位置の画素PE(x,y)の平均値が当該欠損部分の各画素PE(x,y)の値として決定されればよい。このようにして欠損部分が補完される。なお、画像の補完手法は、このような手法に限定されず、様々な手法を利用することが可能である。
【0066】
そして、ステップS15においては、補完された画像に基づく出力動作が実行される。
【0067】
このような態様によれば、ジョブの実行に際して当該ジョブに係る画像データにエラーが検出される場合においても当該画像データに基づく出力が実行されるので、当該画像データに基づく出力が行われないまま当該画像データが破棄されることを抑制できる。
【0068】
また特に、補完された画像に基づいて印刷出力動作が実行されるので、欠損部分の影響が低減された良好な画像を得ることが可能である。
【0069】
<3.第3実施形態>
上記第1および第2実施形態においては、エラーが検出される場合においては、画像データに基づく出力が常に実行される場合が例示されているが、これに限定されない。
【0070】
たとえば、当該画像データに関する「オリジナル」(原本)の存否を所定の判定基準に基づいて判定し、その判定結果に応じて、次述する2つの動作B1,B2のいずれを実行するかが決定されるようにしてもよい。
【0071】
一方の動作B1は、画像データに基づく出力を実行する動作である。この動作B1は、(画像データにエラーが発生しているにもかかわらず)画像データを強制的に出力する動作であり、「強制出力動作」とも称される。他方の動作B2は、画像データに関する再入力(再スキャン動作等)をMFP1のユーザに依頼する動作であり、「リトライ」動作であるとも称される。なお、画像データに基づく出力動作は、画像データに対する画像補完処理(第2実施形態参照)を伴うものであってもよく、画像データに対する画像補完処理を伴わないものであってもよい。
【0072】
この第3実施形態においては、上述のような態様、すなわち、画像データの読出エラーが検出される場合において、2つの動作B1,B2のいずれを実行するかが所定の基準に基づいて決定される態様について説明する。より詳細には、エラー発生中の画像データに係るジョブが「コピージョブ」であるか否か、との判定基準に基づいて、「オリジナル」(原本)の存否が判定され、2つの動作B1,B2のいずれを実行するかが決定される場合について説明する。
【0073】
「コピージョブ」は、スキャン動作によるスキャン画像をハードディスクドライブに一旦保存する段階(スキャン処理)と、当該ハードディスクドライブに保存されたスキャン画像を読み出して印刷出力する段階(印刷出力処理)との2つの段階の処理を含む。コピージョブに関しては、第1の段階(スキャン処理)と第2の段階(印刷出力処理)とが比較的小さな時間間隔(例えば数秒〜数十秒)で順次に実行される。そのため、後者の印刷出力処理の段階(第2の段階)でエラーが検出されるとしても、当該コピージョブの実行を指示したユーザは、未だMFP1の前に存在する可能性が高い。換言すれば、当該コピージョブの実行を指示したユーザは、エラー検出時点では未だオリジナル(コピージョブに係る原稿)を廃棄していない可能性が高い。
【0074】
そこで、この第3実施形態においては、エラー発生中の画像データに係るジョブが「コピージョブ」であるときには、「オリジナル有り」と判定され、ジョブ制御部32は、エラーが検出された画像データを用いることなく(画像データに基づく出力を実行することなく)、「リトライ」動作B2を実行する旨を決定する。一方、エラー発生中の画像データに係るジョブがコピージョブ以外の所定のジョブ(たとえば、プリントジョブ、ファックス受信ジョブ等)であるときには、「オリジナル無し」と判定され、ジョブ制御部32は、「強制出力」動作B1を実行する旨を決定する。
【0075】
第3実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0076】
図5および図6は、第3実施形態に係る動作を示すフローチャートである。図5等に示すように、第3実施形態に係る動作は、ステップS17に代えて、ステップS30,S21〜S25の処理が行われる点において、第1実施形態に係る動作と相違する。
【0077】
ジョブ(ここではコピージョブ)の印刷出力処理の実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係る画像データの読出中)にエラーが発生すると、ステップS12からステップS30に進む。ステップS30の処理は、所定の基準に基づいて、「オリジナル」の有無を判定する処理である。
【0078】
図6に示すように、ステップS31aでは、印刷出力処理の対象ジョブの種類(コピージョブ)がジョブ制御部32によって取得される。そして、対象ジョブの種類が「コピージョブ」であるか、「コピージョブ以外のジョブ」であるか否かが判定され、分岐処理が実行される(ステップS32a)。
【0079】
そして、対象ジョブの種類が「コピージョブ」であることが判定されると、ステップS32aからステップS34に進む。ステップS34では、オリジナルが未だ廃棄されずに存在している可能性が高い、と判定される。すなわち、「オリジナル有り」と判定される。
【0080】
一方、対象ジョブの種類が「コピージョブ以外のジョブ」であることが判定されると、ステップS32aからステップS33に進む。ステップS33では、オリジナルが既に廃棄されている可能性が高い、と判定される。すなわち、「オリジナル無し」と判定される。
【0081】
そして、次のステップS21(図5)において、ステップS30での判定結果に基づく分岐処理が実行される。
【0082】
「オリジナル無し」と判定された場合には、ステップS21からステップS22に進む。ステップS22では、そのまま画像処理が継続され、その後、ステップS15においてコピージョブが印刷出力される。すなわちエラーに係る画像データを用いた印刷出力動作(強制出力動作B1)が実行される。
【0083】
一方、「オリジナル有り」と判定された場合には、ステップS21からステップS23に進む。ステップS23では、画像処理が中断され、コピージョブに係る画像データは破棄される。その後、ステップS24において、コピージョブに係る画像データの再入力処理がユーザに依頼される。そして、再びコピージョブが実行され、当該コピージョブに係る印刷出力用の画像処理が再開される(ステップS25)。その後、ステップS15においてコピージョブに係る再入力画像を用いて印刷出力が行われる。このように、「オリジナル有り」と判定された場合には、リトライ動作B2が実行される。
【0084】
以上のような動作によれば、ジョブの実行に際して当該ジョブに係る画像データにエラーが検出される場合においても当該画像データに基づく出力動作が実行されるので、当該画像データに基づく出力動作が行われないまま当該画像データが破棄されることを抑制できる。
【0085】
特に、当該画像データのオリジナルが存在しない(より正確には、「存在しない可能性が高い」)旨が所定の基準に従って判定される場合には、強制出力動作B1が実行される。したがって、画像データの再入力ができない状況であるにもかかわらず、当該画像データに基づく出力動作が行われないまま当該画像データが破棄されることを抑制できる。また、当該画像データのオリジナルが存在する(より正確には、「存在する可能性が高い」)旨が所定の基準に従って判定される場合には、リトライ動作B2が実行される。したがって、より正確な画像データに基づく印刷出力が行われ得る。
【0086】
このように、所定の基準に基づいて第1の動作と第2の動作とが使い分けられるので、より適切な対応を行うことが可能である。換言すれば、画像データにエラーが検出された状況に対して、さらに適切に対応することが可能である。
【0087】
<4.第4実施形態>
第4実施形態は、第3実施形態の変形例であり、以下では、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
【0088】
第4実施形態においては、画像データの読出時刻Trと画像データの書込時刻Twとの差ΔT(=Tr−Tw)が所定値Th(たとえば、数秒〜数十秒)よりも大きいとき(ΔT>Th)には、「オリジナル無し」と判定され、強制出力動作B1が実行される。また、差ΔTが所定値Thよりも小さいとき(ΔT<Th)には、「オリジナル有り」と判定され、リトライ動作B2が実行される。
【0089】
たとえば、或るジョブ(ボックスプリントジョブあるいはコピージョブ等)において、印刷出力処理の段階で画像データにアンコレクタブルエラーが検出されるとしても、或る画像データのハードディスクドライブへの書込時点Twと、或る画像データのハードディスクドライブからの読出時点Trとが近いときには、当該ジョブの実行を指示したユーザは、未だMFP1の前に存在する可能性が高い。換言すれば、当該ジョブの実行を指示したユーザは、エラー検出時点では未だオリジナル(コピージョブに係る原稿)を廃棄していない可能性が高い。
【0090】
この第4実施形態においては、オリジナルの有無が時間差ΔTに関する基準に基づいて判定され、強制出力動作B1とリトライ動作B2とのいずれを実行するかが時間差ΔTに関する基準に基づいて決定される。詳細には、上記の差ΔT(=Tr−Tw)が所定値Thよりも小さいとき(ΔT<Th)には、「オリジナル有り」と判定され、ジョブ制御部32は、リトライ動作B2を実行する旨を決定する。一方、差ΔTが所定値Thよりも大きいとき(ΔT>Th)には、「オリジナル無し」と判定され、ジョブ制御部32は、強制出力動作B1を実行する旨を決定する。
【0091】
図7は、第4実施形態に係る動作を示すフローチャートである。図7に示すように、第4実施形態に係る動作は、ステップS30a(図6)に代えて、ステップS30b(図7)の処理が行われる点において、第3実施形態に係る動作と相違する。
【0092】
ジョブ(例えばボックス保存あるいはコピージョブ等)の印刷出力処理の実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係る画像データの読出中)にエラーが発生すると、ステップS12からステップS30bに進む。
【0093】
図7に示すように、ステップS31bでは、画像データのハードディスクドライブへの書込時刻(保存時刻)Twに関する情報と、或る画像データのハードディスクドライブからの読出時刻Trに関する情報とが取得され、両者の時間差ΔT(=Tr−Tw)が算出される。
【0094】
そして、当該時間差ΔTと所定値Thとの大小関係に基づいて、分岐処理が実行される(ステップS32b)。
【0095】
時間差ΔTが所定値Thよりも小さいこと(ΔT<Th)が判定されると、ステップS32bからステップS34に進む。ステップS34では、オリジナルが未だ廃棄されずに存在している可能性が高いことが判定される。すなわち、「オリジナル有り」と判定される。
【0096】
一方、時間差ΔTが所定値Thよりも大きいこと(ΔT>Th)が判定されると、ステップS32bからステップS33に進む。ステップS33では、オリジナルが既に廃棄されている可能性が高いことが判定される。すなわち、「オリジナル無し」と判定される。
【0097】
その後、第3実施形態と同様にして、ステップS21(図5)以降の処理が実行される。
【0098】
以上のような動作によれば、第3実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0099】
<5.第5実施形態>
第5実施形態も、第3実施形態の変形例である。以下では、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
【0100】
第5実施形態においては、画像データのデータ書込時点TwにおけるログインユーザUwと当該画像データのデータ読出時点TrにおけるログインユーザUrとの同一性に基づいて、当該画像データに関する「オリジナル」の有無が判定される場合を例示する。詳細には、データ書込時点TwにおけるログインユーザUwとデータ読出時点TrにおけるログインユーザUrとが同一であるときには、「オリジナル有り」と判定され、強制出力動作B1が実行される。一方、データ書込時点TwにおけるログインユーザUwとデータ読出時点TrにおけるログインユーザUrとが互いに異なるときには、「オリジナル無し」と判定され、リトライ動作B2が実行される。
【0101】
或るジョブ(コピージョブ等)において、印刷出力処理の段階で画像データにアンコレクタブルエラーが検出される場合を想定する。たとえば、コピージョブにおいては、スキャン動作によるスキャン画像をハードディスクドライブに一旦保存する処理(スキャン処理)と、当該ハードディスクドライブに保存されたスキャン画像を読み出して印刷出力する処理(印刷出力処理)とが順次に実行される。
【0102】
コピージョブ等に関しては、原則として、画像データの書込処理を含むスキャン処理と画像データの読出処理を含む印刷出力処理とが比較的小さな時間間隔(例えば数秒〜数十秒)で順次に実行される。そのため、当該ジョブの画像データをハードディスクドライブへ書き込んだ時点Twでのログインユーザと、当該画像データをハードディスクドライブから読み出した時点Trでのログインユーザとが同一人物である場合には、当該ジョブの実行を指示したユーザがそのままMFP1の前に存在している可能性が高い。換言すれば、当該ジョブの実行を指示したユーザは、エラー検出時点では未だオリジナル(コピージョブに係る原稿)を廃棄していない可能性が高い。
【0103】
また、コピージョブに関する印刷出力処理は、コピージョブに関するスキャン処理の直後に実行されないこともある。たとえば、コピージョブに関する印刷出力は、現在実行中の他のジョブに関する印刷出力処理の完了を待った後に行われることがある。あるいは、割り込み処理によって、他のユーザのジョブが当該コピージョブよりも優先的に実行されることもある。これらの状況等においては、当該コピージョブの実行を指示したユーザは、コピーに関する印刷物(複写物)が出力される前にMFP1の載置場所から一旦離れ、MFP1には他のユーザがログインしていることも多い。また、MFP1の載置場所から離れたユーザ(当該コピージョブのユーザ)は、電子化が正常に完了していると考え、エラー発生を知らずにオリジナル(コピージョブに係る原稿)を廃棄しまうこともある。
【0104】
そこで、この第5実施形態に係るMFP1は、「オリジナル」の有無をログインユーザの同一性に関する基準に基づいて判定し、強制出力動作B1とリトライ動作B2とのいずれを実行するかをその判定結果に基づいて決定する。詳細には、データ書込時点TwにおけるログインユーザUwとデータ読出時点TrにおけるログインユーザUrとが同一人物であるときには、「オリジナル有り」と判定され、ジョブ制御部32は、リトライ動作B2を実行する旨を決定する。一方、データ書込時点TwにおけるログインユーザUwとデータ読出時点TrにおけるログインユーザUrとが互いに異なる人物であるときには、「オリジナル無し」と判定され、ジョブ制御部32は、強制出力動作B1を実行する旨を決定する。
【0105】
図8は、第5実施形態に係る動作を示すフローチャートである。図8に示すように、第5実施形態に係る動作は、ステップS30a(図6)に代えて、ステップS30c(図8)の処理が行われる点において、第3実施形態に係る動作と相違する。
【0106】
ジョブ(例えばコピージョブ等)の印刷出力処理の実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係る画像データの読出中)にエラー(アンコレクタブルエラー)が検出されると、ステップS12からステップS30cに進む。
【0107】
図8に示すように、ステップS31cでは、エラー発生データ(画像データ)に係るデータ書込時点Tw(コピージョブにおけるスキャン処理時点等)におけるログインユーザUwの情報が取得される。また、コピージョブにおける印刷出力処理時点TrにおけるログインユーザUrの情報が取得される。なお、ログインユーザの情報は、各ユーザのログイン時刻およびログアウト時刻を記録したログインデータに基づいて取得されればよい。
【0108】
そして、ログインユーザUw,Urの同一性に基づいて、分岐処理が実行される(ステップS32c)。
【0109】
両ログインユーザUw,Urが同一であること(例えば、いずれもユーザUAであること)が判定されると、ステップS32cからステップS34に進む。ステップS34では、オリジナルが未だ廃棄されずに存在している可能性が高いことが判定される。すなわち、「オリジナル有り」と判定される。
【0110】
一方、両ログインユーザUw,Urが互いに異なること(例えば、一方がユーザUAであり、他方がユーザUBであること)が判定されると、ステップS32cからステップS33に進む。ステップS33では、オリジナルが既に廃棄されている可能性が高いことが判定される。すなわち、「オリジナル無し」と判定される。
【0111】
その後、第3実施形態と同様にして、ステップS21(図5)以降の処理が実行される。
【0112】
以上のような動作によれば、第3実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0113】
<6.第6実施形態>
第6実施形態も、第3実施形態の変形例である。以下では、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
【0114】
第6実施形態においては、ファクシミリ受信ジョブにおいて、送信元の装置(MFP1の相手側装置)90(不図示)における「ファクシミリ送信モード」の種類に応じて、画像データに関する「オリジナル」の有無が判定される場合を例示する。なお、受信側の装置(MFP1)におけるファクシミリ受信モードは、「即時印刷出力モード」(受信データに基づく印刷出力が即時に実行されるモード)に設定されていることが好ましい。
【0115】
この第6実施形態においては、ファクシミリ受信ジョブにおける相手側装置90の送信モードが「即時送信モード」であるときには、「オリジナル有り」と判定され、リトライ動作B2が実行される。一方、ファクシミリ受信ジョブにおける相手側装置90の送信モードが即時送信モード以外の所定のモード(ここでは、「メモリ送信モード」および「予約送信モード」のいずれか)であるときには、「オリジナル無し」と判定され、強制出力動作B1が実行される。
【0116】
ここでは、ファクシミリ受信ジョブにおいて、印刷出力処理の段階で画像データにアンコレクタブルエラーが検出される場合を想定する。ファクシミリ受信ジョブにおいては、受信データ(画像データ)をハードディスクドライブに一旦保存する処理(データ保存処理)と、当該ハードディスクドライブに保存された受信データを読み出して印刷出力する処理(印刷出力処理)とが順次に実行される。
【0117】
ファクシミリ受信ジョブにおいては、送信元装置90における複数のファクシミリ送信モード(ここでは、「即時送信モード」、「メモリ送信モード」および「予約送信モード」)のいずれかで送信されてきたデータが受信される。
【0118】
「即時送信モード」は、送信対象の原稿のスキャン処理とファクシミリ送信処理とが当該原稿のページごとにほぼ同時並列的に送信元装置90において実行されるモードである。すなわち、送信対象原稿のスキャン処理が行われると即時にファクシミリ送信処理が行われるモードである。
【0119】
「メモリ送信モード」は、送信元装置90において、まず送信対象原稿のスキャン処理が纏めて実行され、生成された送信用の画像データがメモリあるいはハードディスクドライブに格納され、その後、格納されたデータを用いたファクシミリ送信処理が纏めて実行されるモードである。
【0120】
「予約送信モード」は、「メモリ送信モード」と同様に、送信元装置90において、まず送信対象原稿のスキャン処理が纏めて実行され、生成された送信用の画像データがメモリあるいはハードディスクドライブに格納され、その後、格納されたデータを用いたファクシミリ送信処理が纏めて実行されるモードである。予約送信モードは、「送信予約時刻」を設定可能である点(送信予定時刻を予約できる点)において、メモリ送信モードと相違する。
【0121】
これらのモードのうち、「即時送信モード」においては、原稿のスキャン処理とファクシミリ送信処理とがほぼ同時期に実行される。そのため、「即時送信モード」によるファクシミリ送信ジョブの実行を相手側装置90で指示したユーザ(送信ユーザ)は、相手側装置90の送信先装置であるMFP1でのファクシミリ受信中(特に印刷出力中)においても、そのまま相手側装置90の前に存在している可能性が高い。換言すれば、当該ジョブの実行を指示したユーザは、エラー検出時点では未だオリジナル(コピージョブに係る原稿)を廃棄していない可能性が高い。
【0122】
一方、「即時送信モード」以外のモード(具体的には「メモリ送信モード」および「予約送信モード」の各モード)においては、ファクシミリ送信処理(伝送処理)は、原稿のスキャン処理が完了して所定期間が経過した後(たとえば、数分あるいは数時間後等)に行われる。そのため、当該ファクシミリ送信の実行を指示した送信ユーザは、スキャン処理終了後においてファクシミリ送信が完了する前に相手側装置90の載置場所から一旦離れることもある。そして、当該送信ユーザは、ファクシミリ送信ジョブが正常に完了していると考え、エラー発生を知らずにオリジナル(コピージョブに係る原稿)を廃棄しまうこともある。
【0123】
そこで、この第6実施形態に係るMFP1は、相手側装置90におけるファクシミリ送信モードの種類に基づいて「オリジナル」の有無を判定し、強制出力動作B1とリトライ動作B2とのいずれを実行するかをその判定結果に基づいて決定する。
【0124】
詳細には、ファクシミリ受信ジョブにおける相手側装置90の送信モードが「即時送信モード」であるときには、「オリジナル有り」と判定され、リトライ動作B2が実行される。一方、ファクシミリ受信ジョブにおける相手側装置90の送信モードが即時送信モード以外のモード(ここでは、「メモリ送信モード」および「予約送信モード」のいずれか)であるときには、「オリジナル無し」と判定され、強制出力動作B1が実行される。
【0125】
図9は、第6実施形態に係る動作を示すフローチャートである。図9に示すように、第6実施形態に係る動作は、ステップS30a(図6)に代えて、ステップS30d(図9)の処理が行われる点において、第3実施形態に係る動作と相違する。
【0126】
ファクシミリ受信ジョブの印刷出力処理の実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係る画像データの読出中)にエラー(アンコレクタブルエラー)が検出されると、ステップS12(図5)からステップS30d(図9)に進む。
【0127】
図9に示すように、ステップS31dでは、MFP1は、相手側装置90のファクシミリ送信モードの情報を取得する。当該情報は、相手側装置90との通信により取得される。
【0128】
そして、相手側装置90のファクシミリ送信モードの種類に基づいて、分岐処理が実行される(ステップS32d)。
【0129】
ファクシミリ送信モードが「即時送信モード」であると判定されると、ステップS32dからステップS34に進む。ステップS34では、オリジナルが未だ廃棄されずに存在している可能性が高いことが判定される。すなわち、「オリジナル有り」と判定される。
【0130】
一方、ファクシミリ送信モードが「即時送信モード」以外のモードであると判定されると、ステップS32dからステップS33に進む。ステップS33では、オリジナルが既に廃棄されている可能性が高いことが判定される。すなわち、「オリジナル無し」と判定される。
【0131】
その後、第3実施形態と同様にして、ステップS21(図5)以降の処理が実行される。
【0132】
以上のような動作によれば、第3実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0133】
<7.第7実施形態>
第7実施形態も、第3実施形態の変形例である。以下では、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
【0134】
第7実施形態においては、ウェブサーバからダウンロードされたデータを印刷出力するダウンロードデータ出力ジョブにおいて、ウェブサーバからダウンロードされMFP1のハードディスクドライブ内にローカル保存されていたデータが当該ハードディスクドライブから読み出される際にアンコレクタブルエラーが検出される状況を想定する。そして、MFP1のハードディスクドライブ内に保存(ローカル保存)されているデータ(データファイルFL1)のファイル情報と、当該エラー検出後の現時点においてウェブサーバに格納されているデータ(データファイルFL2)のファイル情報との同一性に応じて、データに関する「オリジナル」の有無が判定される場合を例示する。なお、ファイル情報としては、たとえば、ファイル更新時刻および/またはファイルサイズ等が用いられ得る。
【0135】
この第7実施形態においては、データファイルFL1のファイル情報とデータファイルFL2のファイル情報とが一致するときには、「オリジナル有り」と判定され、リトライ動作B2が実行される。一方、データファイルFL1のファイル情報とデータファイルFL2のファイル情報とが一致しない(すなわちサーバ上のデータが更新されている)ときには、「オリジナル無し」と判定され、強制出力動作B1が実行される。
【0136】
図10は、第7実施形態に係る動作を示すフローチャートである。図10に示すように、第7実施形態に係る動作は、ステップS30a(図6)に代えて、ステップS30e(図10)の処理が行われる点において、第3実施形態に係る動作と相違する。
【0137】
ダウンロードデータの印刷出力処理の実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係る画像データの読出中)にエラー(アンコレクタブルエラー)が検出されると、ステップS12(図5)からステップS30e(図10)に進む。
【0138】
図10に示すように、ステップS31eでは、MFP1は、エラー発生に係るデータファイル(ハードディスクドライブ内にローカル保存されているデータファイル)FL1のファイル情報を取得する。また、MFP1は、この時点でデータファイルFL1のダウンロード先のURL(データファイルFL1のサーバ上での格納アドレス)に再びアクセスし、現時点で当該サーバに格納されているデータファイルFL2のファイル情報をも取得する。なお、ここでは、各ファイルのファイル情報として、「ファイル更新時刻」を利用する。
【0139】
そして、データファイルFL1のファイル情報(ファイル更新時刻)とデータファイルFL2のファイル情報(ファイル更新時刻)との一致性に応じて、分岐処理が実行される(ステップS32e)。
【0140】
データファイルFL1のファイル情報(ファイル更新時刻)とデータファイルFL2のファイル情報(ファイル更新時刻)とが同一であると判定されると、ステップS32eからステップS34に進む。ステップS34では、同一のオリジナルデータが未だ存在していると判定される。すなわち、「オリジナル有り」と判定される。
【0141】
一方、データファイルFL1のファイル情報(ファイル更新時刻)とデータファイルFL2のファイル情報(ファイル更新時刻)とが互いに異なると判定されると、ステップS32eからステップS33に進む。ステップS33では、元のデータが変更されており「オリジナル」が既に存在しないと判定される。すなわち、「オリジナル無し」と判定される。
【0142】
その後、第3実施形態と同様にして、ステップS21(図5)以降の処理が実行される。
【0143】
以上のような動作によれば、第3実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0144】
<8.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0145】
たとえば、上記第3〜第7実施形態においては、ハードディスクエラー発生時において2種類の動作B1,B2のうちのいずれが実行されるかが所定の基準に応じてMFP1によって自動的に決定される場合が例示されているが、これに限定されない。具体的には、MFP1によって決定された内容を、ユーザがさらに変更できるようにしてもよい。
【0146】
図11は、このような変形例に係る動作を示すフローチャートである。
【0147】
或るジョブの実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係るデータの読出中)にエラー(アンコレクタブルエラー)が検出されると、ステップS12からステップS30に進む。
【0148】
そして、ステップS30においては、上記第3〜第7実施形態と同様の動作が行われ、「オリジナル」の有無が判定される。
【0149】
次のステップS41においては、ステップS30での判定結果に基づく分岐処理が実行される。
【0150】
「オリジナル無し」と判定された場合には、ステップS41からステップS42に進む。ステップS42では、強制出力動作B1がエラー対応動作として仮に選択される。そして、ステップS44に進む。
【0151】
一方、「オリジナル有り」と判定された場合には、ステップS41からステップS43に進む。ステップS43では、リトライ動作B2がエラー対応動作として仮に選択される。そして、ステップS44に進む。
【0152】
ステップS44においては、エラー発生を通知する画面GA1がタッチスクリーン63に表示される。図12に示すように、画面GA1内のメッセージ欄MS1において、「現在実行中のジョブのデータに関してハードディスクエラーが発生しています。」の文字が表示されており、エラーが通知されている。また、その右側には、ハードディスクドライブエラーに係るデータに関する情報(ジョブ実行ユーザ名、ボックス名、ファイル名、ファイル保存日時等)が表示されている。
【0153】
また、メッセージ欄MS1においては、「次の対応策を採用して良いですか?」の文字が表示されているとともに、2つのボタンBN11,BN12が表示されている。ボタンBN11は、「OK」ボタンであり、ボタンBN12は、「変更」ボタンである。さらに、メッセージ欄MS1には、上記ステップS30の判定結果(ここでは「強制出力」(強制出力動作B1)が推奨されること)も記載されている。
【0154】
ボタンBN11,BN12にも上記ステップS30の判定結果が反映されている。たとえば、ステップS30にて「オリジナル無し」と判定され強制出力動作B1が仮選択されている(ステップS42)場合には、ボタンBN11が「強制出力」(強制出力動作B1)を指示するボタンであることが、文字等で示されている。また、ボタンBN12は、「リトライ」(リトライ動作B2)を指示するボタンであることが、文字等で示されている。
【0155】
ユーザによって「OK」ボタンBN11が押下されると、仮選択された選択肢「強制出力」が最終的なエラー対応動作としてそのまま決定される。この場合には、「強制出力」が最終的に選択された旨がステップS45にて判定され、ステップS22に進む。ステップS22では、そのまま画像処理が継続され、その後、ステップS15においてジョブに係る画像データが印刷出力される。すなわちエラーに係る画像データを用いた印刷出力動作(強制出力動作B1)が実行される。
【0156】
一方、ユーザによって「変更」ボタンBN12が押下されると、仮選択された選択肢「強制出力」が別の選択肢「リトライ」に変更される旨を確認する画面がさらに表示され、変更内容が確認されると、最終的なエラー対応動作として「リトライ」が決定される。この場合には、「リトライ」が最終的に選択された旨がステップS45にて判定され、ステップS23に進む。ステップS23では、画像処理が中断され、ジョブに係る画像データは破棄される。その後、ステップS24において、当該ジョブに係る画像データの再入力処理がユーザに依頼される。そして、当該ジョブに係る画像入力動作(スキャン動作等)が再び実行され、当該ジョブに係る印刷出力用の画像処理が再開される(ステップS25)。その後、ステップS15において当該ジョブに係る再入力画像を用いて印刷出力が行われる。このようにして、リトライ動作B2が実行される。
【0157】
なお、上記の画面GA1は、変更指示入力NPを受け付ける操作入力画面であるとも表現される。ここで、変更指示入力NPは、所定の基準に従ってステップS30で決定された動作を変更すべき旨を指示する操作入力である。
【0158】
以上のような動作によれば、MFP1によって自動的に選択(仮決定)された対応動作を、エラー発生時における各種の事情等に応じて、ユーザが変更することも可能である。たとえば、MFP1が「強制出力」を決定した場合において、ユーザの手元にオリジナルが未だ残っているときには、画面GA1を用いて、「強制出力」を「リトライ」に変更する変更指示入力NPをユーザが付与することが可能である。このように、より柔軟な対応が可能である。
【0159】
あるいは、MFP1による対応動作の選択動作(仮決定動作)を経ることなく、エラー対応策の複数の選択肢の中から所望の選択肢がユーザによって指定されるようにしてもよい。たとえば、図13に示すような動作が実行されるようにしてもよい。
【0160】
具体的には、図13に示すように、或るジョブの実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係るデータの読出中)にエラー(アンコレクタブルエラー)が検出されると、ステップS12からステップS51に進む。
【0161】
ステップS51では、ユーザによる指示入力を受け付ける画面GA2(図14)がタッチスクリーン63に表示される。図14に示すように、画面GA2は、各選択肢(「強制出力」および「リトライ」)に対応する2つのボタンBN21,BN22を有している。ユーザが所望のボタンを押下すると、MFP1は押下されたボタンに対応する選択肢をエラー対応動作として決定する。
【0162】
たとえば、「強制出力」ボタンBN21が押下される場合には、ステップS52からステップS22に進み、そのまま画像処理が継続され、その後、ステップS15においてジョブに係る画像データが印刷出力される。すなわちエラーに係る画像データを用いた印刷出力動作(強制出力動作B1)が実行される。
【0163】
一方、「リトライ」ボタンBN22が押下される場合には、ステップS52からステップS23に進み、画像処理が中断され、ジョブに係る画像データは破棄される。その後、ステップS24において、当該ジョブに係る画像データの再入力処理がユーザに依頼される。そして、当該ジョブに係る画像入力動作(スキャン動作等)が再び実行され、当該ジョブに係る印刷出力用の画像処理が再開される(ステップS25)。その後、ステップS15において当該ジョブに係る再入力画像を用いて印刷出力が行われる。このようにして、リトライ動作B2が実行される。
【0164】
以上のようにして、エラー対応策がユーザによって指定されるようにしてもよい。
【0165】
また、上記各実施形態等においては、ジョブに係る出力動作として、印刷出力動作を例示したが、これに限定されない。ジョブに係る出力動作(データに基づく出力動作)は、たとえば、データ送信出力動作(電子メールによる送信出力動作等)であってもよい。
【0166】
また、上記第3〜第7実施形態等では、リトライ動作B2において、エラーが検出された画像データの全部分について再入力が依頼される場合が例示されているが、これに限定されない。たとえば、リトライ動作B2において、エラーが検出された画像データの一部分(例えば、エラー発生部分を含むページのみ)について再入力が依頼されるようにしてもよい。この際には、エラー検出時において、エラーが検出された画像データの全部分を削除するのではなく、画像データの一部分を、再入力された内容(再入力画像データ)に置き換えるようにすればよい。
【符号の説明】
【0167】
1 MFP(画像形成装置)
2 画像読取部
3 印刷出力部
5 ハードディスクドライブ(格納部)
63 タッチスクリーン
B1 強制出力動作
B2 リトライ動作
【技術分野】
【0001】
本発明は、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral))などの画像形成装置およびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MFPなどの画像形成装置の中には、ハードディスクドライブ(記憶装置)を備え、当該ハードディスクドライブに格納されたデータに基づいて印刷出力動作等を実行するものが存在する。
【0003】
ハードディスクドライブにおいては、衝撃の付与等に起因して、修復不可能なエラー(アンコレクタブルエラー)等が発生することがある。このアンコレクタブルエラーは、データの書き込み時ではなくデータの読み出し時に検出される。
【0004】
画像形成装置において、ハードディスクドライブに記憶されたデータを読み出す際にこのようなエラーが検出されると、当該エラーに係る当該データは、正常のデータではないため、通常破棄される。
【0005】
また、特許文献1においては、画像形成装置(ディジタル複写機)がエラー発生ページ(発生したエラーに対応するページ)を特定し、当該エラー発生ページの画像データを再入力するようにユーザに指示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−13593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような画像形成装置においては、「ボックス」(次述)を利用したジョブが実行される。
【0008】
たとえば、画像データがハードディスクドライブ内の格納領域(「ボックス領域」あるいは単に「ボックス」とも称する)に保存された後に、当該画像データが任意の時点において「ボックス」から読み出されて印刷出力が行われる。なお、ボックス領域への保存処理は「ボックス保存」とも称され、ボックス領域から画像を読み出して印刷出力する処理は、「ボックスプリント」とも称される。
【0009】
或る画像が画像形成装置内のハードディスクドライブから読み出されている途中でアンコレクタブルエラーが発生した場合には、当該アンコレクタブルエラーに起因する劣化画像の出力を回避するため、上述のように当該或る画像に係る当該エラー発生データは破棄される。
【0010】
このようなエラー発生データに関しては、原稿(原本)を再度スキャンすることなどを伴う再入力操作を行うことが考えられる。
【0011】
しかしながら、「ボックスプリント時点」(ボックスに保存された画像を印刷出力する時点)は、「ボックス保存時点」(ボックスに画像を保存する時点)と同一ではなく、むしろボックス保存時点から比較的長い時間(例えば、1ヶ月)が経過した後の時点であることも多い。ユーザは、原稿(原本)のスキャンによる電子化がボックス保存時点にて正常に終了していると認識しているため、後のボックスプリント時点では当該原稿を既に廃棄していることもある。この場合には、当該原稿に係る画像データの再入力(すなわち再度の電子化)を行うことが困難である。
【0012】
そこで、この発明は、データを記憶した格納部に異常が発生した場合において、より適切に対応することが可能な画像形成装置およびそれに関連する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、画像形成装置であって、データを格納する格納部と、前記格納部に格納された前記データのエラーを検出する検出部と、前記データを用いてジョブを実行するジョブ制御手段であって、前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においても前記データに基づく出力を実行するジョブ制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像形成装置において、前記エラーに起因する画像欠損部分を補って前記データに係る画像を補完する画像処理手段、をさらに備え、前記ジョブ制御手段は、前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においては、前記画像補完手段により補完された画像に基づいて前記出力を実行することを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る画像形成装置において、前記ジョブ制御手段は、前記ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合において、前記データに基づく出力を実行する第1の動作と前記データに関する再入力を依頼する第2の動作とのいずれの動作を実行するかを、所定の基準に基づいて決定することを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明は、請求項3の発明に係る画像形成装置において、前記ジョブ制御手段は、前記ジョブがコピージョブであるときには前記第2の動作を実行する旨を決定し、前記ジョブがコピージョブ以外の所定のジョブであるときには前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明は、請求項3の発明に係る画像形成装置において、前記ジョブ制御手段は、前記データの読出時刻と前記データの書込時刻との時間差が所定値よりも大きいときには前記第1の動作を実行する旨を決定し、前記時間差が前記所定値よりも小さいときには前記第2の動作を実行する旨を決定することを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明は、請求項3の発明に係る画像形成装置において、前記ジョブ制御手段は、前記データの読出時点におけるログインユーザと前記データの書込時点におけるログインユーザとの両者が一致するときには、前記第2の動作を実行する旨を決定し、前記両者が互いに異なるときには、前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明は、請求項3の発明に係る画像形成装置において、前記ジョブは、ファクシミリ受信ジョブであり、前記ジョブ制御手段は、前記ファクシミリ受信ジョブにおける相手側装置である送信元装置の送信モードが即時送信モードであるときには前記第2の動作を実行する旨を決定し、前記送信元装置の前記送信モードが前記即時送信モード以外の所定のモードであるときには前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明は、請求項3の発明に係る画像形成装置において、前記ジョブは、ウェブサーバからダウンロードされたデータを出力するジョブであり、前記ジョブ制御手段は、前記ウェブサーバからダウンロードされて前記格納部に保存されている第1のデータのファイル情報と前記エラーの検出後の所定の時点において前記ウェブサーバに格納されている第2のデータのファイル情報との両者が一致しているときには、前記第2の動作を実行する旨を決定し、前記両者が一致していないときには、前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする。
【0021】
請求項9の発明は、請求項3のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記所定の基準に従って決定された動作を変更する変更指示入力を受け付ける入力手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0022】
請求項10の発明は、画像形成装置の制御方法であって、a)ジョブに係るデータを前記画像形成装置の格納部に格納するステップと、b)前記格納部に格納された前記データのエラーを検出するステップと、c)前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においても、前記データに基づく出力を実行するステップと、を備えることを特徴とする。
【0023】
請求項11の発明は、画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、a)ジョブに係るデータを前記画像形成装置の格納部に格納するステップと、b)前記格納部に格納された前記データのエラーを検出するステップと、c)前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においても、前記データに基づく出力を実行するステップと、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1ないし請求項11に記載の発明によれば、ジョブの実行に際して当該ジョブに係るデータにエラーが検出される場合においても当該データに基づく出力動作が実行されるので、当該データに基づく出力が行われないまま当該データが破棄されることを抑制できる。特に、当該データのオリジナルが存在せずデータの再入力ができない状況であるにもかかわらず、当該データに基づく出力が行われないまま当該データが破棄されることを抑制できる。したがって、データにエラーが検出された状況に対して、適切に対応することが可能である。
【0025】
特に、請求項2に記載の発明によれば、補完されたデータに基づく出力動作が実行されるので、画像欠損部分の影響が低減された画像を得ることが可能である。
【0026】
また特に、請求項3に記載の発明によれば、所定の基準に基づいて第1の動作と第2の動作とが使い分けられ得るので、より適切な対応を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】MFPの概略構成等を示す図である。
【図2】MFPの動作を示すフローチャートである。
【図3】MFPの動作を示すフローチャートである。
【図4】画像内の欠損部分およびその周辺を拡大して示す図である。
【図5】第3実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図7】第4実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図8】第5実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図9】第6実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図10】第7実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【図11】変形例に係る動作を示すフローチャートである。
【図12】変更指示入力を受け付ける操作入力画面を示す図である。
【図13】変形例に係る動作を示すフローチャートである。
【図14】選択入力を受け付ける操作入力画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
<1.第1実施形態>
<1−1.構成>
図1は、画像形成装置1の概略構成等を示すブロック図である。画像形成装置1は、この実施形態ではMFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral))として構成されている。
【0030】
図1のブロック図に示すように、MFP1は、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部(記憶部)5、入出力部6および全体制御部9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0031】
画像読取部2は、MFP1の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って、当該原稿の画像データ(原稿画像とも称する)を生成する処理部である。
【0032】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0033】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、通信ネットワークを介したネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP1は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。
【0034】
格納部(記憶部とも称する)5は、比較的大きな容量を有する格納装置(記憶装置)として構成される。この格納部5には、画像読取部2等で生成された原稿画像(画像データ)が格納(記憶)される。この実施形態では、ハードディスクドライブ(HDD)が格納装置として用いられる。また、ハードディスクドライブは、ハードディスクドライブ内に設けられたエラー検知部を用いて、そのステータス情報(エラー情報)を検出することができる。
【0035】
入出力部6は、MFP1に対する入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。詳細には、MFP1には操作パネル63(図12等参照)が設けられている。この操作パネル(タッチスクリーン)63は、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部6bの一部として機能するとともに、操作入力部6aの一部としても機能する。
【0036】
全体制御部9は、MFP1に内蔵され、MFP1を統括的に制御する制御装置である。全体制御部9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM等)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。全体制御部9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM等)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。
【0037】
具体的には、全体制御部9は、ユーザ認証部31、ジョブ制御部32、画像処理部33、エラー情報取得部34および表示制御部35等を備える。
【0038】
ユーザ認証部31は、ユーザ認証処理を行う処理部である。ユーザ認証処理は、たとえば、ユーザIDとパスワードとのそれぞれに関して、正規データと入力データとを照合することによって行われる。
【0039】
ジョブ制御部32は、格納部5に格納(記憶)される各画像データ等を用いて各ジョブを実行する処理部である。
【0040】
画像処理部33は、画像処理(画像データの生成処理および変更処理等)を実行する処理部である。
【0041】
エラー情報取得部34は、格納部5との間で通信を行うことなどにより、当該格納部5のエラー(詳細には、修復不可能なエラー(アンコレクタブルエラー)等)を検出する処理部である。
【0042】
表示制御部35は、表示部6bにおける表示内容等を制御する処理部である。
【0043】
<1−2.動作>
図2および図3は、このMFP1の動作を示すフローチャートである。
【0044】
ここでは、MFP1においてボックス保存ジョブJBa(JSaとも表記する)が予め受け付けられているものとする。ボックス保存ジョブJBa(JSa)は、ユーザUAの操作に基づいて原稿(オリジナル)のスキャン画像データD1をボックス(ハードディスクドライブ内の所定フォルダ)に保存するジョブである。
【0045】
そして、ボックス保存ジョブJSaによりボックスに保存された画像データD1に基づいて、印刷出力ジョブ(ボックスプリントジョブ)JBa(JPaとも表記する)が実行される状況を想定する。画像データD1は、ボックス保存ジョブJSaに係る画像データであると表現されるとともに、ボックスプリントジョブJPaに係る画像データであるとも表現される。
【0046】
なお、各ジョブの実行に際しては、各ユーザによるMFP1へのログイン処理(ユーザ認証処理)が行われるものとする。たとえば、ボックスプリントジョブJBa(JPa)の実行に際しては、図2のステップS11の処理の前の時点において、予めユーザUAによるユーザ認証処理が実行されているものとする。
【0047】
ここにおいて、ボックスプリントジョブJBaの実行中においてエラーが検出されない場合には、通常の動作が実行される。
【0048】
具体的には、図2に示すように、まず、ハードディスクドライブ5に格納されているプリントデータ(ボックスプリントジョブJBa(JPa)に関する画像データD1)に基づき、画像処理(詳細には、印刷出力用画像の生成処理)が開始される(ステップS11)。ハードディスクドライブ5にエラーが検出されることなく(ステップS12でNo)ハードディスクドライブ5からの読出処理が終了し(ステップS13でYes)、当該画像処理が完了する(ステップS14)と、印刷出力用画像を用いた印刷出力処理が実行される(ステップS15)。これにより、ボックスプリントジョブJBaが完了する。
【0049】
一方、ボックスプリントジョブJBaの実行中にエラーが検出される場合には、次述するような動作が実行される。ここでは、ボックスプリントジョブJBaに関する印刷出力処理実行中(具体的には、ハードディスクドライブ5からの画像データD1の読出動作中)において、アンコレクタブルエラー(修復不可能なエラー)が検出される状況を想定する。
【0050】
なお、このようなアンコレクタブルエラーは、例えば、MFP1における原稿トレイの開閉機構が強い力で閉じられる際にMFP1およびその内部のハードディスクドライブに衝撃が加わること等によって発生する。また、アンコレクタブルエラーは、データ書込時に検出されるのではなく、データ読出時に検出される。
【0051】
ハードディスクドライブのエラー検知部によって当該エラーが検出されると、エラー情報取得部34は、ハードディスクドライブとの間で情報を授受すること等によって、当該エラーの情報(エラー情報)を取得する。
【0052】
詳細には、エラー情報取得部34は、ハードディスクドライブ内の或るセクタからボックスプリントジョブJBaの画像データD1を読み出しているときにエラーER1が発生していることを検出し、当該画像データD1にエラーが発生していることを検出する。
【0053】
そして、ステップS12(図2)からステップS17(図2)に進む。
【0054】
ステップS17において、MFP1(ジョブ制御部32)は、ボックスプリントジョブJBaの画像処理(印刷出力用画像の生成処理)を中断することなくそのまま継続する。当該画像データに基づき印刷出力用画像の生成処理が実行され、印刷出力用データが生成される(ステップS13,S14)。その後、ステップS15で生成された印刷出力用データに基づく印刷出力動作が実行される。出力された画像は、その一部にエラーに起因する欠損部分(画像欠損部分)を有している。たとえば、ハードディスクドライブにおける1セクタ〜数セクタのみにエラーが発生している状況においては、出力画像上に数ミリ角程度の欠損が生じ得る。ただし、出力画像における他の大部分は、正常な状態で出力される。
【0055】
第1実施形態においては、以上のような動作が実行される。
【0056】
このような動作によれば、ジョブの実行に際して当該ジョブに係る画像データにエラーが検出される場合においても当該画像データに基づく出力が常に実行されるので、当該画像データに基づく出力が行われないまま当該画像データが破棄されることを抑制できる。特に、当該画像データのオリジナル(原本)が存在せず画像データの再入力ができない状況であるにもかかわらず、当該画像データに基づく出力が行われないまま当該画像データが破棄されることを抑制できる。
【0057】
詳細には、上述したように、「ボックスプリント時点」(ボックスに保存された画像を印刷出力する時点)は、「ボックス保存時点」(ボックスに画像を保存する時点)から比較的長い時間(例えば、1ヶ月)が経過した後の時点であることも多い。ユーザは、原稿(原本)のスキャンによる電子化がボックス保存時点にて正常に終了しているものと認識しているため、後のボックスプリント時点では当該原稿を既に廃棄してしまっていることもある。この場合には、当該原稿に係る画像データの再入力(すなわち再度の電子化)を行うことが困難である。そのため、当該画像データに基づく出力が行われないまま当該画像データが破棄されると、当該画像データを再現することが困難な状況が生じ得る。
【0058】
一方、上記実施形態によれば、ジョブの実行に際して当該ジョブに係る画像データにエラーが検出される場合においても当該画像データに基づく出力が実行される。そのため、当該画像データに基づく出力物(ここでは印刷出力物)が少なくとも得られる。したがって、原本(オリジナル)が破棄されている場合であっても、(欠損部分を有するものではあるが)当該出力物を得ることが可能である。あるいは当該出力物に基づく回復処理を行うことも可能である。
【0059】
このように、画像データにエラーが検出された状況に対して、適切に対応することが可能である。
【0060】
<2.第2実施形態>
上記第1実施形態においては、ハードディスクドライブからの画像データの読み出し中にエラーが検出される場合において、元の画像データがそのまま利用されて、当該画像データに基づく印刷出力が実行される場合が例示されているが、これに限定されない。たとえば、ハードディスクドライブからの画像データの読み出し中にエラーが検出される場合において、元の画像データにおける欠損部分(エラーに起因する欠損部分)を補って画像データに係る画像が補完され、当該補完後の画像に基づいて印刷出力が実行されるようにしてもよい。
【0061】
第2実施形態は、このような態様について説明する。第2実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0062】
図3は、第2実施形態に係る動作を示すフローチャートである。
【0063】
図3に示すように、第2実施形態においては、図2のステップS17に代えて、ステップS18が実行される。ステップS18では、画像の欠損部分を補償する画像補完処理が実行される。
【0064】
図4は、画像内の欠損部分(画像欠損部分)RG0およびその周辺を拡大して示す図である。
【0065】
MFP1の画像処理部33は、欠損部分である部分画像領域RG0(図4参照)のサイズとそれぞれ同じサイズ(たとえば、16画素×16画素)を有する8つの周辺領域RG1〜RG8(図4参照)を抽出する。周辺領域RG1〜RG8は、それぞれ、欠損部分である部分画像領域RG0の周辺の領域である。そして、当該画像処理部33は、欠損部分(部分画像領域)RG0内の各画素PE(x,y)の値を周辺領域RG1〜RG8の各対応画素の値を用いて決定する。たとえば、各周辺領域RG1〜RG8における対応位置の画素PE(x,y)の平均値が当該欠損部分の各画素PE(x,y)の値として決定されればよい。このようにして欠損部分が補完される。なお、画像の補完手法は、このような手法に限定されず、様々な手法を利用することが可能である。
【0066】
そして、ステップS15においては、補完された画像に基づく出力動作が実行される。
【0067】
このような態様によれば、ジョブの実行に際して当該ジョブに係る画像データにエラーが検出される場合においても当該画像データに基づく出力が実行されるので、当該画像データに基づく出力が行われないまま当該画像データが破棄されることを抑制できる。
【0068】
また特に、補完された画像に基づいて印刷出力動作が実行されるので、欠損部分の影響が低減された良好な画像を得ることが可能である。
【0069】
<3.第3実施形態>
上記第1および第2実施形態においては、エラーが検出される場合においては、画像データに基づく出力が常に実行される場合が例示されているが、これに限定されない。
【0070】
たとえば、当該画像データに関する「オリジナル」(原本)の存否を所定の判定基準に基づいて判定し、その判定結果に応じて、次述する2つの動作B1,B2のいずれを実行するかが決定されるようにしてもよい。
【0071】
一方の動作B1は、画像データに基づく出力を実行する動作である。この動作B1は、(画像データにエラーが発生しているにもかかわらず)画像データを強制的に出力する動作であり、「強制出力動作」とも称される。他方の動作B2は、画像データに関する再入力(再スキャン動作等)をMFP1のユーザに依頼する動作であり、「リトライ」動作であるとも称される。なお、画像データに基づく出力動作は、画像データに対する画像補完処理(第2実施形態参照)を伴うものであってもよく、画像データに対する画像補完処理を伴わないものであってもよい。
【0072】
この第3実施形態においては、上述のような態様、すなわち、画像データの読出エラーが検出される場合において、2つの動作B1,B2のいずれを実行するかが所定の基準に基づいて決定される態様について説明する。より詳細には、エラー発生中の画像データに係るジョブが「コピージョブ」であるか否か、との判定基準に基づいて、「オリジナル」(原本)の存否が判定され、2つの動作B1,B2のいずれを実行するかが決定される場合について説明する。
【0073】
「コピージョブ」は、スキャン動作によるスキャン画像をハードディスクドライブに一旦保存する段階(スキャン処理)と、当該ハードディスクドライブに保存されたスキャン画像を読み出して印刷出力する段階(印刷出力処理)との2つの段階の処理を含む。コピージョブに関しては、第1の段階(スキャン処理)と第2の段階(印刷出力処理)とが比較的小さな時間間隔(例えば数秒〜数十秒)で順次に実行される。そのため、後者の印刷出力処理の段階(第2の段階)でエラーが検出されるとしても、当該コピージョブの実行を指示したユーザは、未だMFP1の前に存在する可能性が高い。換言すれば、当該コピージョブの実行を指示したユーザは、エラー検出時点では未だオリジナル(コピージョブに係る原稿)を廃棄していない可能性が高い。
【0074】
そこで、この第3実施形態においては、エラー発生中の画像データに係るジョブが「コピージョブ」であるときには、「オリジナル有り」と判定され、ジョブ制御部32は、エラーが検出された画像データを用いることなく(画像データに基づく出力を実行することなく)、「リトライ」動作B2を実行する旨を決定する。一方、エラー発生中の画像データに係るジョブがコピージョブ以外の所定のジョブ(たとえば、プリントジョブ、ファックス受信ジョブ等)であるときには、「オリジナル無し」と判定され、ジョブ制御部32は、「強制出力」動作B1を実行する旨を決定する。
【0075】
第3実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0076】
図5および図6は、第3実施形態に係る動作を示すフローチャートである。図5等に示すように、第3実施形態に係る動作は、ステップS17に代えて、ステップS30,S21〜S25の処理が行われる点において、第1実施形態に係る動作と相違する。
【0077】
ジョブ(ここではコピージョブ)の印刷出力処理の実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係る画像データの読出中)にエラーが発生すると、ステップS12からステップS30に進む。ステップS30の処理は、所定の基準に基づいて、「オリジナル」の有無を判定する処理である。
【0078】
図6に示すように、ステップS31aでは、印刷出力処理の対象ジョブの種類(コピージョブ)がジョブ制御部32によって取得される。そして、対象ジョブの種類が「コピージョブ」であるか、「コピージョブ以外のジョブ」であるか否かが判定され、分岐処理が実行される(ステップS32a)。
【0079】
そして、対象ジョブの種類が「コピージョブ」であることが判定されると、ステップS32aからステップS34に進む。ステップS34では、オリジナルが未だ廃棄されずに存在している可能性が高い、と判定される。すなわち、「オリジナル有り」と判定される。
【0080】
一方、対象ジョブの種類が「コピージョブ以外のジョブ」であることが判定されると、ステップS32aからステップS33に進む。ステップS33では、オリジナルが既に廃棄されている可能性が高い、と判定される。すなわち、「オリジナル無し」と判定される。
【0081】
そして、次のステップS21(図5)において、ステップS30での判定結果に基づく分岐処理が実行される。
【0082】
「オリジナル無し」と判定された場合には、ステップS21からステップS22に進む。ステップS22では、そのまま画像処理が継続され、その後、ステップS15においてコピージョブが印刷出力される。すなわちエラーに係る画像データを用いた印刷出力動作(強制出力動作B1)が実行される。
【0083】
一方、「オリジナル有り」と判定された場合には、ステップS21からステップS23に進む。ステップS23では、画像処理が中断され、コピージョブに係る画像データは破棄される。その後、ステップS24において、コピージョブに係る画像データの再入力処理がユーザに依頼される。そして、再びコピージョブが実行され、当該コピージョブに係る印刷出力用の画像処理が再開される(ステップS25)。その後、ステップS15においてコピージョブに係る再入力画像を用いて印刷出力が行われる。このように、「オリジナル有り」と判定された場合には、リトライ動作B2が実行される。
【0084】
以上のような動作によれば、ジョブの実行に際して当該ジョブに係る画像データにエラーが検出される場合においても当該画像データに基づく出力動作が実行されるので、当該画像データに基づく出力動作が行われないまま当該画像データが破棄されることを抑制できる。
【0085】
特に、当該画像データのオリジナルが存在しない(より正確には、「存在しない可能性が高い」)旨が所定の基準に従って判定される場合には、強制出力動作B1が実行される。したがって、画像データの再入力ができない状況であるにもかかわらず、当該画像データに基づく出力動作が行われないまま当該画像データが破棄されることを抑制できる。また、当該画像データのオリジナルが存在する(より正確には、「存在する可能性が高い」)旨が所定の基準に従って判定される場合には、リトライ動作B2が実行される。したがって、より正確な画像データに基づく印刷出力が行われ得る。
【0086】
このように、所定の基準に基づいて第1の動作と第2の動作とが使い分けられるので、より適切な対応を行うことが可能である。換言すれば、画像データにエラーが検出された状況に対して、さらに適切に対応することが可能である。
【0087】
<4.第4実施形態>
第4実施形態は、第3実施形態の変形例であり、以下では、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
【0088】
第4実施形態においては、画像データの読出時刻Trと画像データの書込時刻Twとの差ΔT(=Tr−Tw)が所定値Th(たとえば、数秒〜数十秒)よりも大きいとき(ΔT>Th)には、「オリジナル無し」と判定され、強制出力動作B1が実行される。また、差ΔTが所定値Thよりも小さいとき(ΔT<Th)には、「オリジナル有り」と判定され、リトライ動作B2が実行される。
【0089】
たとえば、或るジョブ(ボックスプリントジョブあるいはコピージョブ等)において、印刷出力処理の段階で画像データにアンコレクタブルエラーが検出されるとしても、或る画像データのハードディスクドライブへの書込時点Twと、或る画像データのハードディスクドライブからの読出時点Trとが近いときには、当該ジョブの実行を指示したユーザは、未だMFP1の前に存在する可能性が高い。換言すれば、当該ジョブの実行を指示したユーザは、エラー検出時点では未だオリジナル(コピージョブに係る原稿)を廃棄していない可能性が高い。
【0090】
この第4実施形態においては、オリジナルの有無が時間差ΔTに関する基準に基づいて判定され、強制出力動作B1とリトライ動作B2とのいずれを実行するかが時間差ΔTに関する基準に基づいて決定される。詳細には、上記の差ΔT(=Tr−Tw)が所定値Thよりも小さいとき(ΔT<Th)には、「オリジナル有り」と判定され、ジョブ制御部32は、リトライ動作B2を実行する旨を決定する。一方、差ΔTが所定値Thよりも大きいとき(ΔT>Th)には、「オリジナル無し」と判定され、ジョブ制御部32は、強制出力動作B1を実行する旨を決定する。
【0091】
図7は、第4実施形態に係る動作を示すフローチャートである。図7に示すように、第4実施形態に係る動作は、ステップS30a(図6)に代えて、ステップS30b(図7)の処理が行われる点において、第3実施形態に係る動作と相違する。
【0092】
ジョブ(例えばボックス保存あるいはコピージョブ等)の印刷出力処理の実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係る画像データの読出中)にエラーが発生すると、ステップS12からステップS30bに進む。
【0093】
図7に示すように、ステップS31bでは、画像データのハードディスクドライブへの書込時刻(保存時刻)Twに関する情報と、或る画像データのハードディスクドライブからの読出時刻Trに関する情報とが取得され、両者の時間差ΔT(=Tr−Tw)が算出される。
【0094】
そして、当該時間差ΔTと所定値Thとの大小関係に基づいて、分岐処理が実行される(ステップS32b)。
【0095】
時間差ΔTが所定値Thよりも小さいこと(ΔT<Th)が判定されると、ステップS32bからステップS34に進む。ステップS34では、オリジナルが未だ廃棄されずに存在している可能性が高いことが判定される。すなわち、「オリジナル有り」と判定される。
【0096】
一方、時間差ΔTが所定値Thよりも大きいこと(ΔT>Th)が判定されると、ステップS32bからステップS33に進む。ステップS33では、オリジナルが既に廃棄されている可能性が高いことが判定される。すなわち、「オリジナル無し」と判定される。
【0097】
その後、第3実施形態と同様にして、ステップS21(図5)以降の処理が実行される。
【0098】
以上のような動作によれば、第3実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0099】
<5.第5実施形態>
第5実施形態も、第3実施形態の変形例である。以下では、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
【0100】
第5実施形態においては、画像データのデータ書込時点TwにおけるログインユーザUwと当該画像データのデータ読出時点TrにおけるログインユーザUrとの同一性に基づいて、当該画像データに関する「オリジナル」の有無が判定される場合を例示する。詳細には、データ書込時点TwにおけるログインユーザUwとデータ読出時点TrにおけるログインユーザUrとが同一であるときには、「オリジナル有り」と判定され、強制出力動作B1が実行される。一方、データ書込時点TwにおけるログインユーザUwとデータ読出時点TrにおけるログインユーザUrとが互いに異なるときには、「オリジナル無し」と判定され、リトライ動作B2が実行される。
【0101】
或るジョブ(コピージョブ等)において、印刷出力処理の段階で画像データにアンコレクタブルエラーが検出される場合を想定する。たとえば、コピージョブにおいては、スキャン動作によるスキャン画像をハードディスクドライブに一旦保存する処理(スキャン処理)と、当該ハードディスクドライブに保存されたスキャン画像を読み出して印刷出力する処理(印刷出力処理)とが順次に実行される。
【0102】
コピージョブ等に関しては、原則として、画像データの書込処理を含むスキャン処理と画像データの読出処理を含む印刷出力処理とが比較的小さな時間間隔(例えば数秒〜数十秒)で順次に実行される。そのため、当該ジョブの画像データをハードディスクドライブへ書き込んだ時点Twでのログインユーザと、当該画像データをハードディスクドライブから読み出した時点Trでのログインユーザとが同一人物である場合には、当該ジョブの実行を指示したユーザがそのままMFP1の前に存在している可能性が高い。換言すれば、当該ジョブの実行を指示したユーザは、エラー検出時点では未だオリジナル(コピージョブに係る原稿)を廃棄していない可能性が高い。
【0103】
また、コピージョブに関する印刷出力処理は、コピージョブに関するスキャン処理の直後に実行されないこともある。たとえば、コピージョブに関する印刷出力は、現在実行中の他のジョブに関する印刷出力処理の完了を待った後に行われることがある。あるいは、割り込み処理によって、他のユーザのジョブが当該コピージョブよりも優先的に実行されることもある。これらの状況等においては、当該コピージョブの実行を指示したユーザは、コピーに関する印刷物(複写物)が出力される前にMFP1の載置場所から一旦離れ、MFP1には他のユーザがログインしていることも多い。また、MFP1の載置場所から離れたユーザ(当該コピージョブのユーザ)は、電子化が正常に完了していると考え、エラー発生を知らずにオリジナル(コピージョブに係る原稿)を廃棄しまうこともある。
【0104】
そこで、この第5実施形態に係るMFP1は、「オリジナル」の有無をログインユーザの同一性に関する基準に基づいて判定し、強制出力動作B1とリトライ動作B2とのいずれを実行するかをその判定結果に基づいて決定する。詳細には、データ書込時点TwにおけるログインユーザUwとデータ読出時点TrにおけるログインユーザUrとが同一人物であるときには、「オリジナル有り」と判定され、ジョブ制御部32は、リトライ動作B2を実行する旨を決定する。一方、データ書込時点TwにおけるログインユーザUwとデータ読出時点TrにおけるログインユーザUrとが互いに異なる人物であるときには、「オリジナル無し」と判定され、ジョブ制御部32は、強制出力動作B1を実行する旨を決定する。
【0105】
図8は、第5実施形態に係る動作を示すフローチャートである。図8に示すように、第5実施形態に係る動作は、ステップS30a(図6)に代えて、ステップS30c(図8)の処理が行われる点において、第3実施形態に係る動作と相違する。
【0106】
ジョブ(例えばコピージョブ等)の印刷出力処理の実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係る画像データの読出中)にエラー(アンコレクタブルエラー)が検出されると、ステップS12からステップS30cに進む。
【0107】
図8に示すように、ステップS31cでは、エラー発生データ(画像データ)に係るデータ書込時点Tw(コピージョブにおけるスキャン処理時点等)におけるログインユーザUwの情報が取得される。また、コピージョブにおける印刷出力処理時点TrにおけるログインユーザUrの情報が取得される。なお、ログインユーザの情報は、各ユーザのログイン時刻およびログアウト時刻を記録したログインデータに基づいて取得されればよい。
【0108】
そして、ログインユーザUw,Urの同一性に基づいて、分岐処理が実行される(ステップS32c)。
【0109】
両ログインユーザUw,Urが同一であること(例えば、いずれもユーザUAであること)が判定されると、ステップS32cからステップS34に進む。ステップS34では、オリジナルが未だ廃棄されずに存在している可能性が高いことが判定される。すなわち、「オリジナル有り」と判定される。
【0110】
一方、両ログインユーザUw,Urが互いに異なること(例えば、一方がユーザUAであり、他方がユーザUBであること)が判定されると、ステップS32cからステップS33に進む。ステップS33では、オリジナルが既に廃棄されている可能性が高いことが判定される。すなわち、「オリジナル無し」と判定される。
【0111】
その後、第3実施形態と同様にして、ステップS21(図5)以降の処理が実行される。
【0112】
以上のような動作によれば、第3実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0113】
<6.第6実施形態>
第6実施形態も、第3実施形態の変形例である。以下では、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
【0114】
第6実施形態においては、ファクシミリ受信ジョブにおいて、送信元の装置(MFP1の相手側装置)90(不図示)における「ファクシミリ送信モード」の種類に応じて、画像データに関する「オリジナル」の有無が判定される場合を例示する。なお、受信側の装置(MFP1)におけるファクシミリ受信モードは、「即時印刷出力モード」(受信データに基づく印刷出力が即時に実行されるモード)に設定されていることが好ましい。
【0115】
この第6実施形態においては、ファクシミリ受信ジョブにおける相手側装置90の送信モードが「即時送信モード」であるときには、「オリジナル有り」と判定され、リトライ動作B2が実行される。一方、ファクシミリ受信ジョブにおける相手側装置90の送信モードが即時送信モード以外の所定のモード(ここでは、「メモリ送信モード」および「予約送信モード」のいずれか)であるときには、「オリジナル無し」と判定され、強制出力動作B1が実行される。
【0116】
ここでは、ファクシミリ受信ジョブにおいて、印刷出力処理の段階で画像データにアンコレクタブルエラーが検出される場合を想定する。ファクシミリ受信ジョブにおいては、受信データ(画像データ)をハードディスクドライブに一旦保存する処理(データ保存処理)と、当該ハードディスクドライブに保存された受信データを読み出して印刷出力する処理(印刷出力処理)とが順次に実行される。
【0117】
ファクシミリ受信ジョブにおいては、送信元装置90における複数のファクシミリ送信モード(ここでは、「即時送信モード」、「メモリ送信モード」および「予約送信モード」)のいずれかで送信されてきたデータが受信される。
【0118】
「即時送信モード」は、送信対象の原稿のスキャン処理とファクシミリ送信処理とが当該原稿のページごとにほぼ同時並列的に送信元装置90において実行されるモードである。すなわち、送信対象原稿のスキャン処理が行われると即時にファクシミリ送信処理が行われるモードである。
【0119】
「メモリ送信モード」は、送信元装置90において、まず送信対象原稿のスキャン処理が纏めて実行され、生成された送信用の画像データがメモリあるいはハードディスクドライブに格納され、その後、格納されたデータを用いたファクシミリ送信処理が纏めて実行されるモードである。
【0120】
「予約送信モード」は、「メモリ送信モード」と同様に、送信元装置90において、まず送信対象原稿のスキャン処理が纏めて実行され、生成された送信用の画像データがメモリあるいはハードディスクドライブに格納され、その後、格納されたデータを用いたファクシミリ送信処理が纏めて実行されるモードである。予約送信モードは、「送信予約時刻」を設定可能である点(送信予定時刻を予約できる点)において、メモリ送信モードと相違する。
【0121】
これらのモードのうち、「即時送信モード」においては、原稿のスキャン処理とファクシミリ送信処理とがほぼ同時期に実行される。そのため、「即時送信モード」によるファクシミリ送信ジョブの実行を相手側装置90で指示したユーザ(送信ユーザ)は、相手側装置90の送信先装置であるMFP1でのファクシミリ受信中(特に印刷出力中)においても、そのまま相手側装置90の前に存在している可能性が高い。換言すれば、当該ジョブの実行を指示したユーザは、エラー検出時点では未だオリジナル(コピージョブに係る原稿)を廃棄していない可能性が高い。
【0122】
一方、「即時送信モード」以外のモード(具体的には「メモリ送信モード」および「予約送信モード」の各モード)においては、ファクシミリ送信処理(伝送処理)は、原稿のスキャン処理が完了して所定期間が経過した後(たとえば、数分あるいは数時間後等)に行われる。そのため、当該ファクシミリ送信の実行を指示した送信ユーザは、スキャン処理終了後においてファクシミリ送信が完了する前に相手側装置90の載置場所から一旦離れることもある。そして、当該送信ユーザは、ファクシミリ送信ジョブが正常に完了していると考え、エラー発生を知らずにオリジナル(コピージョブに係る原稿)を廃棄しまうこともある。
【0123】
そこで、この第6実施形態に係るMFP1は、相手側装置90におけるファクシミリ送信モードの種類に基づいて「オリジナル」の有無を判定し、強制出力動作B1とリトライ動作B2とのいずれを実行するかをその判定結果に基づいて決定する。
【0124】
詳細には、ファクシミリ受信ジョブにおける相手側装置90の送信モードが「即時送信モード」であるときには、「オリジナル有り」と判定され、リトライ動作B2が実行される。一方、ファクシミリ受信ジョブにおける相手側装置90の送信モードが即時送信モード以外のモード(ここでは、「メモリ送信モード」および「予約送信モード」のいずれか)であるときには、「オリジナル無し」と判定され、強制出力動作B1が実行される。
【0125】
図9は、第6実施形態に係る動作を示すフローチャートである。図9に示すように、第6実施形態に係る動作は、ステップS30a(図6)に代えて、ステップS30d(図9)の処理が行われる点において、第3実施形態に係る動作と相違する。
【0126】
ファクシミリ受信ジョブの印刷出力処理の実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係る画像データの読出中)にエラー(アンコレクタブルエラー)が検出されると、ステップS12(図5)からステップS30d(図9)に進む。
【0127】
図9に示すように、ステップS31dでは、MFP1は、相手側装置90のファクシミリ送信モードの情報を取得する。当該情報は、相手側装置90との通信により取得される。
【0128】
そして、相手側装置90のファクシミリ送信モードの種類に基づいて、分岐処理が実行される(ステップS32d)。
【0129】
ファクシミリ送信モードが「即時送信モード」であると判定されると、ステップS32dからステップS34に進む。ステップS34では、オリジナルが未だ廃棄されずに存在している可能性が高いことが判定される。すなわち、「オリジナル有り」と判定される。
【0130】
一方、ファクシミリ送信モードが「即時送信モード」以外のモードであると判定されると、ステップS32dからステップS33に進む。ステップS33では、オリジナルが既に廃棄されている可能性が高いことが判定される。すなわち、「オリジナル無し」と判定される。
【0131】
その後、第3実施形態と同様にして、ステップS21(図5)以降の処理が実行される。
【0132】
以上のような動作によれば、第3実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0133】
<7.第7実施形態>
第7実施形態も、第3実施形態の変形例である。以下では、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
【0134】
第7実施形態においては、ウェブサーバからダウンロードされたデータを印刷出力するダウンロードデータ出力ジョブにおいて、ウェブサーバからダウンロードされMFP1のハードディスクドライブ内にローカル保存されていたデータが当該ハードディスクドライブから読み出される際にアンコレクタブルエラーが検出される状況を想定する。そして、MFP1のハードディスクドライブ内に保存(ローカル保存)されているデータ(データファイルFL1)のファイル情報と、当該エラー検出後の現時点においてウェブサーバに格納されているデータ(データファイルFL2)のファイル情報との同一性に応じて、データに関する「オリジナル」の有無が判定される場合を例示する。なお、ファイル情報としては、たとえば、ファイル更新時刻および/またはファイルサイズ等が用いられ得る。
【0135】
この第7実施形態においては、データファイルFL1のファイル情報とデータファイルFL2のファイル情報とが一致するときには、「オリジナル有り」と判定され、リトライ動作B2が実行される。一方、データファイルFL1のファイル情報とデータファイルFL2のファイル情報とが一致しない(すなわちサーバ上のデータが更新されている)ときには、「オリジナル無し」と判定され、強制出力動作B1が実行される。
【0136】
図10は、第7実施形態に係る動作を示すフローチャートである。図10に示すように、第7実施形態に係る動作は、ステップS30a(図6)に代えて、ステップS30e(図10)の処理が行われる点において、第3実施形態に係る動作と相違する。
【0137】
ダウンロードデータの印刷出力処理の実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係る画像データの読出中)にエラー(アンコレクタブルエラー)が検出されると、ステップS12(図5)からステップS30e(図10)に進む。
【0138】
図10に示すように、ステップS31eでは、MFP1は、エラー発生に係るデータファイル(ハードディスクドライブ内にローカル保存されているデータファイル)FL1のファイル情報を取得する。また、MFP1は、この時点でデータファイルFL1のダウンロード先のURL(データファイルFL1のサーバ上での格納アドレス)に再びアクセスし、現時点で当該サーバに格納されているデータファイルFL2のファイル情報をも取得する。なお、ここでは、各ファイルのファイル情報として、「ファイル更新時刻」を利用する。
【0139】
そして、データファイルFL1のファイル情報(ファイル更新時刻)とデータファイルFL2のファイル情報(ファイル更新時刻)との一致性に応じて、分岐処理が実行される(ステップS32e)。
【0140】
データファイルFL1のファイル情報(ファイル更新時刻)とデータファイルFL2のファイル情報(ファイル更新時刻)とが同一であると判定されると、ステップS32eからステップS34に進む。ステップS34では、同一のオリジナルデータが未だ存在していると判定される。すなわち、「オリジナル有り」と判定される。
【0141】
一方、データファイルFL1のファイル情報(ファイル更新時刻)とデータファイルFL2のファイル情報(ファイル更新時刻)とが互いに異なると判定されると、ステップS32eからステップS33に進む。ステップS33では、元のデータが変更されており「オリジナル」が既に存在しないと判定される。すなわち、「オリジナル無し」と判定される。
【0142】
その後、第3実施形態と同様にして、ステップS21(図5)以降の処理が実行される。
【0143】
以上のような動作によれば、第3実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0144】
<8.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0145】
たとえば、上記第3〜第7実施形態においては、ハードディスクエラー発生時において2種類の動作B1,B2のうちのいずれが実行されるかが所定の基準に応じてMFP1によって自動的に決定される場合が例示されているが、これに限定されない。具体的には、MFP1によって決定された内容を、ユーザがさらに変更できるようにしてもよい。
【0146】
図11は、このような変形例に係る動作を示すフローチャートである。
【0147】
或るジョブの実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係るデータの読出中)にエラー(アンコレクタブルエラー)が検出されると、ステップS12からステップS30に進む。
【0148】
そして、ステップS30においては、上記第3〜第7実施形態と同様の動作が行われ、「オリジナル」の有無が判定される。
【0149】
次のステップS41においては、ステップS30での判定結果に基づく分岐処理が実行される。
【0150】
「オリジナル無し」と判定された場合には、ステップS41からステップS42に進む。ステップS42では、強制出力動作B1がエラー対応動作として仮に選択される。そして、ステップS44に進む。
【0151】
一方、「オリジナル有り」と判定された場合には、ステップS41からステップS43に進む。ステップS43では、リトライ動作B2がエラー対応動作として仮に選択される。そして、ステップS44に進む。
【0152】
ステップS44においては、エラー発生を通知する画面GA1がタッチスクリーン63に表示される。図12に示すように、画面GA1内のメッセージ欄MS1において、「現在実行中のジョブのデータに関してハードディスクエラーが発生しています。」の文字が表示されており、エラーが通知されている。また、その右側には、ハードディスクドライブエラーに係るデータに関する情報(ジョブ実行ユーザ名、ボックス名、ファイル名、ファイル保存日時等)が表示されている。
【0153】
また、メッセージ欄MS1においては、「次の対応策を採用して良いですか?」の文字が表示されているとともに、2つのボタンBN11,BN12が表示されている。ボタンBN11は、「OK」ボタンであり、ボタンBN12は、「変更」ボタンである。さらに、メッセージ欄MS1には、上記ステップS30の判定結果(ここでは「強制出力」(強制出力動作B1)が推奨されること)も記載されている。
【0154】
ボタンBN11,BN12にも上記ステップS30の判定結果が反映されている。たとえば、ステップS30にて「オリジナル無し」と判定され強制出力動作B1が仮選択されている(ステップS42)場合には、ボタンBN11が「強制出力」(強制出力動作B1)を指示するボタンであることが、文字等で示されている。また、ボタンBN12は、「リトライ」(リトライ動作B2)を指示するボタンであることが、文字等で示されている。
【0155】
ユーザによって「OK」ボタンBN11が押下されると、仮選択された選択肢「強制出力」が最終的なエラー対応動作としてそのまま決定される。この場合には、「強制出力」が最終的に選択された旨がステップS45にて判定され、ステップS22に進む。ステップS22では、そのまま画像処理が継続され、その後、ステップS15においてジョブに係る画像データが印刷出力される。すなわちエラーに係る画像データを用いた印刷出力動作(強制出力動作B1)が実行される。
【0156】
一方、ユーザによって「変更」ボタンBN12が押下されると、仮選択された選択肢「強制出力」が別の選択肢「リトライ」に変更される旨を確認する画面がさらに表示され、変更内容が確認されると、最終的なエラー対応動作として「リトライ」が決定される。この場合には、「リトライ」が最終的に選択された旨がステップS45にて判定され、ステップS23に進む。ステップS23では、画像処理が中断され、ジョブに係る画像データは破棄される。その後、ステップS24において、当該ジョブに係る画像データの再入力処理がユーザに依頼される。そして、当該ジョブに係る画像入力動作(スキャン動作等)が再び実行され、当該ジョブに係る印刷出力用の画像処理が再開される(ステップS25)。その後、ステップS15において当該ジョブに係る再入力画像を用いて印刷出力が行われる。このようにして、リトライ動作B2が実行される。
【0157】
なお、上記の画面GA1は、変更指示入力NPを受け付ける操作入力画面であるとも表現される。ここで、変更指示入力NPは、所定の基準に従ってステップS30で決定された動作を変更すべき旨を指示する操作入力である。
【0158】
以上のような動作によれば、MFP1によって自動的に選択(仮決定)された対応動作を、エラー発生時における各種の事情等に応じて、ユーザが変更することも可能である。たとえば、MFP1が「強制出力」を決定した場合において、ユーザの手元にオリジナルが未だ残っているときには、画面GA1を用いて、「強制出力」を「リトライ」に変更する変更指示入力NPをユーザが付与することが可能である。このように、より柔軟な対応が可能である。
【0159】
あるいは、MFP1による対応動作の選択動作(仮決定動作)を経ることなく、エラー対応策の複数の選択肢の中から所望の選択肢がユーザによって指定されるようにしてもよい。たとえば、図13に示すような動作が実行されるようにしてもよい。
【0160】
具体的には、図13に示すように、或るジョブの実行中(詳細にはハードディスクドライブからの当該ジョブに係るデータの読出中)にエラー(アンコレクタブルエラー)が検出されると、ステップS12からステップS51に進む。
【0161】
ステップS51では、ユーザによる指示入力を受け付ける画面GA2(図14)がタッチスクリーン63に表示される。図14に示すように、画面GA2は、各選択肢(「強制出力」および「リトライ」)に対応する2つのボタンBN21,BN22を有している。ユーザが所望のボタンを押下すると、MFP1は押下されたボタンに対応する選択肢をエラー対応動作として決定する。
【0162】
たとえば、「強制出力」ボタンBN21が押下される場合には、ステップS52からステップS22に進み、そのまま画像処理が継続され、その後、ステップS15においてジョブに係る画像データが印刷出力される。すなわちエラーに係る画像データを用いた印刷出力動作(強制出力動作B1)が実行される。
【0163】
一方、「リトライ」ボタンBN22が押下される場合には、ステップS52からステップS23に進み、画像処理が中断され、ジョブに係る画像データは破棄される。その後、ステップS24において、当該ジョブに係る画像データの再入力処理がユーザに依頼される。そして、当該ジョブに係る画像入力動作(スキャン動作等)が再び実行され、当該ジョブに係る印刷出力用の画像処理が再開される(ステップS25)。その後、ステップS15において当該ジョブに係る再入力画像を用いて印刷出力が行われる。このようにして、リトライ動作B2が実行される。
【0164】
以上のようにして、エラー対応策がユーザによって指定されるようにしてもよい。
【0165】
また、上記各実施形態等においては、ジョブに係る出力動作として、印刷出力動作を例示したが、これに限定されない。ジョブに係る出力動作(データに基づく出力動作)は、たとえば、データ送信出力動作(電子メールによる送信出力動作等)であってもよい。
【0166】
また、上記第3〜第7実施形態等では、リトライ動作B2において、エラーが検出された画像データの全部分について再入力が依頼される場合が例示されているが、これに限定されない。たとえば、リトライ動作B2において、エラーが検出された画像データの一部分(例えば、エラー発生部分を含むページのみ)について再入力が依頼されるようにしてもよい。この際には、エラー検出時において、エラーが検出された画像データの全部分を削除するのではなく、画像データの一部分を、再入力された内容(再入力画像データ)に置き換えるようにすればよい。
【符号の説明】
【0167】
1 MFP(画像形成装置)
2 画像読取部
3 印刷出力部
5 ハードディスクドライブ(格納部)
63 タッチスクリーン
B1 強制出力動作
B2 リトライ動作
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
データを格納する格納部と、
前記格納部に格納された前記データのエラーを検出する検出部と、
前記データを用いてジョブを実行するジョブ制御手段であって、前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においても前記データに基づく出力を実行するジョブ制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記エラーに起因する画像欠損部分を補って前記データに係る画像を補完する画像処理手段、
をさらに備え、
前記ジョブ制御手段は、前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においては、前記画像補完手段により補完された画像に基づいて前記出力を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、
前記ジョブ制御手段は、前記ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合において、前記データに基づく出力を実行する第1の動作と前記データに関する再入力を依頼する第2の動作とのいずれの動作を実行するかを、所定の基準に基づいて決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記ジョブ制御手段は、
前記ジョブがコピージョブであるときには前記第2の動作を実行する旨を決定し、
前記ジョブがコピージョブ以外の所定のジョブであるときには前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記ジョブ制御手段は、
前記データの読出時刻と前記データの書込時刻との時間差が所定値よりも大きいときには前記第1の動作を実行する旨を決定し、
前記時間差が前記所定値よりも小さいときには前記第2の動作を実行する旨を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記ジョブ制御手段は、
前記データの読出時点におけるログインユーザと前記データの書込時点におけるログインユーザとの両者が一致するときには、前記第2の動作を実行する旨を決定し、
前記両者が互いに異なるときには、前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記ジョブは、ファクシミリ受信ジョブであり、
前記ジョブ制御手段は、
前記ファクシミリ受信ジョブにおける相手側装置である送信元装置の送信モードが即時送信モードであるときには前記第2の動作を実行する旨を決定し、
前記送信元装置の前記送信モードが前記即時送信モード以外の所定のモードであるときには前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記ジョブは、ウェブサーバからダウンロードされたデータを出力するジョブであり、
前記ジョブ制御手段は、
前記ウェブサーバからダウンロードされて前記格納部に保存されている第1のデータのファイル情報と前記エラーの検出後の所定の時点において前記ウェブサーバに格納されている第2のデータのファイル情報との両者が一致しているときには、前記第2の動作を実行する旨を決定し、
前記両者が一致していないときには、前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記所定の基準に従って決定された動作を変更する変更指示入力を受け付ける入力手段、
をさらに備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置の制御方法であって、
a)ジョブに係るデータを前記画像形成装置の格納部に格納するステップと、
b)前記格納部に格納された前記データのエラーを検出するステップと、
c)前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においても、前記データに基づく出力を実行するステップと、
を備えることを特徴とする、画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、
a)ジョブに係るデータを前記画像形成装置の格納部に格納するステップと、
b)前記格納部に格納された前記データのエラーを検出するステップと、
c)前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においても、前記データに基づく出力を実行するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
画像形成装置であって、
データを格納する格納部と、
前記格納部に格納された前記データのエラーを検出する検出部と、
前記データを用いてジョブを実行するジョブ制御手段であって、前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においても前記データに基づく出力を実行するジョブ制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記エラーに起因する画像欠損部分を補って前記データに係る画像を補完する画像処理手段、
をさらに備え、
前記ジョブ制御手段は、前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においては、前記画像補完手段により補完された画像に基づいて前記出力を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、
前記ジョブ制御手段は、前記ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合において、前記データに基づく出力を実行する第1の動作と前記データに関する再入力を依頼する第2の動作とのいずれの動作を実行するかを、所定の基準に基づいて決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記ジョブ制御手段は、
前記ジョブがコピージョブであるときには前記第2の動作を実行する旨を決定し、
前記ジョブがコピージョブ以外の所定のジョブであるときには前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記ジョブ制御手段は、
前記データの読出時刻と前記データの書込時刻との時間差が所定値よりも大きいときには前記第1の動作を実行する旨を決定し、
前記時間差が前記所定値よりも小さいときには前記第2の動作を実行する旨を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記ジョブ制御手段は、
前記データの読出時点におけるログインユーザと前記データの書込時点におけるログインユーザとの両者が一致するときには、前記第2の動作を実行する旨を決定し、
前記両者が互いに異なるときには、前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記ジョブは、ファクシミリ受信ジョブであり、
前記ジョブ制御手段は、
前記ファクシミリ受信ジョブにおける相手側装置である送信元装置の送信モードが即時送信モードであるときには前記第2の動作を実行する旨を決定し、
前記送信元装置の前記送信モードが前記即時送信モード以外の所定のモードであるときには前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記ジョブは、ウェブサーバからダウンロードされたデータを出力するジョブであり、
前記ジョブ制御手段は、
前記ウェブサーバからダウンロードされて前記格納部に保存されている第1のデータのファイル情報と前記エラーの検出後の所定の時点において前記ウェブサーバに格納されている第2のデータのファイル情報との両者が一致しているときには、前記第2の動作を実行する旨を決定し、
前記両者が一致していないときには、前記第1の動作を実行する旨を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記所定の基準に従って決定された動作を変更する変更指示入力を受け付ける入力手段、
をさらに備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置の制御方法であって、
a)ジョブに係るデータを前記画像形成装置の格納部に格納するステップと、
b)前記格納部に格納された前記データのエラーを検出するステップと、
c)前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においても、前記データに基づく出力を実行するステップと、
を備えることを特徴とする、画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、
a)ジョブに係るデータを前記画像形成装置の格納部に格納するステップと、
b)前記格納部に格納された前記データのエラーを検出するステップと、
c)前記ジョブの実行に際して当該ジョブに係る前記データにエラーが検出される場合においても、前記データに基づく出力を実行するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−179809(P2012−179809A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44577(P2011−44577)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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