説明

画像形成装置、配信処理システム、画像処理方法、プログラム及び記録媒体

【課題】同一機器内で、別プロセスで動作するアプリケーション間において、情報を直接やり取りすること。
【解決手段】画像形成装置の各機能を制御する第1制御手段231と、画像データの配信に関する各処理が組み合わされた処理フローの実行を制御する第2制御手段とを備え、第1及び第2制御手段232はそれぞれ別プロセスで動作し、それぞれユーザ認証を行なう画像形成装置であって、第1制御手段は、ユーザ認証が成功した場合、ユーザ識別情報及びパスワードを含むユーザ情報を第2制御手段に出力する出力手段303を有し、第2制御手段は、第1制御手段からユーザ情報を取得する取得手段401と、取得されたユーザ情報を記憶する記憶手段402と、記憶されたユーザ情報に含まれるユーザ識別情報及びパスワードを用いてユーザ認証を制御する認証制御手段403とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、配信処理システム、画像処理方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの企業において、多機能複合機などの画像入出力機器のネットワーク上への配置・接続が進んでいる。画像入出力機器は、業務の効率化を図る手段として大きな役割を担っている。特に、紙文書の電子化と配布を効率的に行う配信処理システムが重要になっている。このシステムを構成する大きな要素は、画像入出力機器(例えばスキャナなど)と配信管理サーバである。配信管理サーバには、あらかじめさまざまな業務・用途にあわせた複数の配信設定(処理フロー)メニューが登録されている。利用者は、画像入出力機器のオペレーションパネル(操作部)から、業務に適した処理フローを選択してスキャンを行う。
【0003】
例えば、特開2006−018640号公報(特許文献1)には、配信処理や画像変換処理をプラグイン化し、管理者がそれらプラグインを任意に組み合わせて入力、画像変換、出力の処理フローを作成し、その処理フローを利用して画像データの配信処理を行う技術が開示されている。このとき、処理フローの実行を制御するアプリケーションが画像形成装置にインストールされ、このアプリケーションを用いてユーザ認証を行ない、認証されたユーザが、自身が実行できる処理フローを用いて配信処理を行う。
【0004】
また、画像形成装置の各機能(コピー、FAXなど)の実行や操作画面のキーイベントを制御するEquitrac社のアプリケーションが知られている。このアプリケーションは、各機能のログを追跡したり、ユーザ認証を行なうことでユーザ毎の各機能の制御をより厳密に行うことができたりする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述したような別プロセスで動作する複数のアプリケーションを持つ画像形成装置では、アプリケーション間で情報を直接やり取りすることができないという問題点があった。例えば、それぞれのアプリケーションでログインを行う必要がある場合には、それぞれのアプリケーション機能を用いる際に、ユーザIDなどを入力してログインを行う必要があり、ユーザにとって煩雑な処理を必要としていた。また、機器内でログイン情報をやり取りしようとする場合でも、他のアプリケーションがサードベンダにより製作されている場合には、そのAPI(アプリケーションプログラムインタフェース)が隠されていることがある。よって、ログイン情報を取得するためのモジュールを外部のサーバに設け、そのモジュールを介してログイン情報を他のアプリケーションに送信していた。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、同一機器内で、別プロセスで動作するアプリケーション間において、情報を直接やり取りすることができる画像形成装置、配信処理システム、画像処理方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における一局面の画像形成装置は、当該画像形成装置の各機能を制御する第1制御手段と、画像データの配信に関する各処理が組み合わされた処理フローの実行を制御する第2制御手段とを備え、前記第1及び第2制御手段はそれぞれ別プロセスで動作し、それぞれユーザ認証を行なう画像形成装置であって、前記第1制御手段は、ユーザ認証が成功した場合、ユーザ識別情報及びパスワードを含むユーザ情報を前記第2制御手段に出力する出力手段を有し、前記第2制御手段は、前記第1制御手段から前記ユーザ情報を取得する取得手段と、取得されたユーザ情報を記憶する記憶手段と、記憶されたユーザ情報に含まれるユーザ識別情報及びパスワードを用いてユーザ認証を制御する認証制御手段とを有する。
【0008】
また、本発明における他の局面の配信処理システムは、当該画像形成装置の各機能を制御する第1制御手段と、画像データの配信に関する各処理が組み合わされた処理フローの実行を制御する第2制御手段とを備え、前記第1及び第2制御手段はそれぞれ別プロセスで動作し、それぞれユーザ認証を行なう画像形成装置と、前記第1制御手段のユーザ認証を行なう認証サーバと、前記第2制御手段のユーザ認証を行ない、前記処理フローの配信処理を行う配信サーバとを含む配信処理システムであって、前記第1制御手段は、前記認証サーバによるユーザ認証が成功した場合、ユーザ識別情報及びパスワードを含むユーザ情報を前記第2制御手段に出力する出力手段を有し、前記第2制御手段は、前記第1制御手段から前記ユーザ情報を取得する取得手段と、取得されたユーザ情報を記憶する記憶手段と、記憶されたユーザ情報に含まれるユーザ識別情報及びパスワードを用いて前記配信サーバにユーザ認証を要求する認証要求手段とを有する。
【0009】
また、本発明における他の局面の画像処理方法は、当該画像形成装置の各機能を制御する第1制御手段と、画像データの配信に関する各処理が組み合わされた処理フローの実行を制御する第2制御手段とを備え、前記第1及び第2制御手段はそれぞれ別プロセスで動作し、それぞれユーザ認証を行なう画像形成装置における画像処理方法であって、前記第1制御手段は、ユーザ認証が成功した場合、ユーザ識別情報及びパスワードを含むユーザ情報を前記第2制御手段に出力する出力段階を有し、前記第2制御手段は、前記第1制御手段から前記ユーザ情報を取得する取得段階と、取得されたユーザ情報を記憶手段に記憶する記憶段階と、記憶されたユーザ情報に含まれるユーザ識別情報及びパスワードを用いてユーザ認証を行なう認証段階とを有する。
【0010】
また、本発明の画像形成装置、配信処理システム、及び画像処理方法は、コンピュータにより実行可能なプログラムにより実現することができ、また、プログラムを記録した記録媒体をコンピュータに読み取らせて実現することも可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、同一機器内で、別プロセスで動作するアプリケーション間において、情報を直接やり取りすることができる画像形成装置、配信処理システム、画像処理方法、プログラム、及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1に係る配信処理システムの運用例を示す図。
【図2】実施例1に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
【図3】実施例1に係る画像形成装置の機能構成の一例を示すブロック図。
【図4】実施例1に係るMFPと機能管理サーバと配信サーバとの主要機能構成の一例を示すブロック図。
【図5】ユーザ情報の一例を示す図。
【図6】XML形式のユーザ情報の一例を示す図。
【図7】操作画面の遷移例を示す図。
【図8】実施例1における処理フローの例を示す図。
【図9】実施例1におけるログイン時の処理の一例を示すフローチャート。
【図10】実施例1におけるログアウト時の処理の一例を示すフローチャート。
【図11】実施例2に係るMFPと機能管理サーバと配信サーバとの主要機能構成の一例を示すブロック図。
【図12】実施例2における処理フローの例を示す図。
【図13】実施例2における課金処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る画像形成装置、配信処理システム、画像処理方法、プログラム及び記録媒体の実施例を詳細に説明する。
【0014】
また、以下に示す実施例では、画像データを入力する画像形成装置として、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を一つの筐体に搭載した複合機を例にあげて説明しているが、これに限定されるものではない。
【0015】
[実施例1]
<システム構成とハードウェア構成>
図1は、実施例1に係る配信処理システムの運用例を示す図である。図1に示すように、配信処理システムは、ネットワークを介してMFP(Multifunction Peripheral)10、機能管理サーバ20、配信サーバ30、情報処理端末(例えば、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Data Assistance)など)40が接続されている。なお、MFPの数やサーバの数や情報処理端末の数はこれに限定されるものではなく、任意数の各機器がネットワークを介して接続されていてもよい。
【0016】
MFP10は、スキャン機能、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能などを一つの筐体に搭載したものである。MFP10は、スキャナ機能により紙媒体等をスキャン処理して画像データを生成し、生成された画像データを配信サーバ30に送信する。MFPの詳細については後述する。以下、画像形成装置はMFPを例にして説明する。
【0017】
また、本実施例に係る画像形成装置10の制御システムは、SDK(Software Development Kit)によって構成され、ユーザによって構築された処理フローに従って文書の蓄積や配信処理を実行する。
【0018】
機能管理サーバ20は、MFPの機能を管理するサーバである。機能管理サーバ20は、ユーザ認証を行うことでユーザ毎に操作できる機能を管理したり、各ユーザに関する情報を保持したりする。機能管理サーバ20は、例えばユーザ情報の管理やログ管理を行うサーバ等である。
【0019】
配信サーバ30は、MFPでスキャンされた画像データを受信して、指定された処理フロー(プロジェクトともいう)に従って種々の処理や配信処理を実行するワークステーション等のコンピュータである。配信設定には、メール送信、FAX送信、フォルダ配信などがある。また、配信サーバ30は、配信処理を行ってエラーが発生した場合にエラー処理を行う。
【0020】
情報処理端末40は、管理者によりデータ配信に関する管理ツールが起動され、入力、画像変換、出力の各プラグインが順に選択されることで処理フローを作成する。作成された処理フローは配信サーバ30に保存される。
【0021】
次に、実施例1に係る画像形成装置10のハードウェア構成について説明する。図2は、実施例1に係る画像形成装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置10は、制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、外部デバイスI/F部14、ネットワークI/F部17、操作部18、表示部19、画像処理部21、画像出力部22を含む。
【0022】
制御部11は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部11は、主記憶部12に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0023】
主記憶部12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部11が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0024】
補助記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0025】
外部デバイスI/F部14は、認証のためのユーザ情報の入力に用いられるカードリーダー15と接続するためのインタフェースである。外部デバイスI/F部14は、例えば、USBポート(USBホストインタフェース)又はシリアルボート等によって構成される。
【0026】
カードリーダー15は、カード16から情報を読み取るいわゆるカードリーダーである。また、カードリーダー15は、外部デバイスI/F部14と接続可能なハードウェアインタフェース(例えば、USBコネクタ又はシリアルインタフェース等)を備える。但し、カードリーダー15は、画像形成装置10に内蔵されていてもよい。カードリーダー15は、接触型又は非接触型のいずれであってもよい。
【0027】
カード16は、ICカードに限定されず、磁気カード等、少なくとも各カード16に一意なカードID(カード番号)が記録可能なものであればよい。カードIDは、一般的に、Universal ID又はCard Serial Numberと呼ばれる。カード50の具体例の一部としては、Proximityカード、Mifareカード、Java(登録商標)Card等が挙げられる。
【0028】
実施例1において、カード16は各ユーザに配布されていることとする。但し、運用上必要とされるセキュリティのレベルに応じて、複数のユーザによって一枚のカード16を共用させてもよい。なお、各ユーザに配布されるカード16は一種類に限定されなくてもよい。上記のようにカードリーダー15は、USB等によって簡便に画像形成装置10に接続することが可能である。したがって、それぞれ対応するカード16の種類(Proximityカード、Mifareカード、Java(登録商標)Card等)が異なる複数のカードリーダー15を画像形成装置10に同時に接続させてもよい。この場合、複数種類のカード16を同時に利用することができる。
【0029】
ネットワークI/F部17は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された機能管理サーバ20、配信サーバ30と当該画像形成装置10とのインタフェースである。
【0030】
操作部18は、ハード的なボタン(キー)によって構成され、ユーザによる操作入力を受け付ける入力手段である。表示部19は、LCD(Liquid Crystal Display)等によって構成され、操作画面やメッセージなどを表示させる。なお、表示部19及び操作部18は、オペレーションパネルとして一体的に構成されてもよい。
【0031】
画像処理部21は、画像データを出力(印刷)等する際に必要とされる各種の画像処理を実行する。画像出力部22は、画像データの出力(例えば印刷)を行う。
【0032】
図2において、画像形成装置10は、ネットワーク(有線又は無線の別を問わない)を介して機能管理サーバ20と接続されている。機能管理サーバ20は、ユーザ認証機能を有しており、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)、Windows(登録商標)認証、Kerberos等、ユーザID及びパスワードに基づく認証方式によってユーザの認証を実行するコンピュータである。
【0033】
すなわち、機能管理サーバ20は、ユーザID及びパスワードとの対応情報が記録されたユーザ情報データベースを備える。機能管理サーバ20は、当該ユーザ情報データベースに記録された対応情報と、認証要求において入力されたユーザID及びパスワードとを照合することにより認証処理を実行する。なお、ユーザIDとは、ユーザを一意に識別するユーザ識別情報であり、一般的にユーザ名とも呼ばれる情報である。なお、ユーザ情報は、ユーザ毎に実行できる機能情報や残金情報を含む。
【0034】
また、画像形成装置10は、ネットワークを介して配信サーバ30と接続されている。配信サーバ30は、画像形成装置10においてスキャンされた画像データの配信処理を管理し、前述したようなユーザ認証機能を有する。
【0035】
<機能構成>
図3は、実施例1に係る画像形成装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、複合機10は、白黒ラインプリンタ(B&W LP)201と、カラーラインプリンタ(Color LP)202と、ネットワークコントローラ204と、ファクシミリ、メモリなどのハードウェアリソース205を有するとともに、プラットホーム220とアプリケーション230とから構成されるソフトウェア群210とを備える。
【0036】
プラットホーム220は、アプリケーション230からの処理要求を解釈してハードウェア資源の獲得要求を発生させるコントロールサービスと、一または複数のハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービスからの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャ(SRM)223と、汎用OS221とを有する。
【0037】
コントロールサービス層240は、複数のサービスモジュールから形成され、SCS(システムコントロールサービス)222と、ECS(エンジンコントロールサービス)224と、MCS(メモリコントロールサービス)225と、OCS(オペレーションパネルコントロールサービス)226と、FCS(ファックスコントロールサービス)227と、NCS(ネットワークコントロールサービス)228とから構成される。なお、このプラットホーム220は、あらかじめ定義された関数により前記アプリケーション230から処理要求を受信可能とするAPIを有する。
【0038】
汎用OS221は、UNIX(登録商標)などの汎用オペレーティングシステムであり、プラットホーム220並びにアプリケーション230の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。なお、実施例1では、汎用OS221としてUNIX(登録商標)を使用している。但し、汎用OS221は、UNIX(登録商標)に限定されるものではなく、いずれのOSを利用することができる。
【0039】
SRM223のプロセスは、SCS222とともにシステムの制御およびリソースの管理を行うものである。SRM223のプロセスは、スキャナ部やプリンタ部などのエンジン、メモリ、HDDファイル、ホストI/O(セントロI/F、ネットワークI/F、IEEE1394 I/F、RS232C I/Fなど)のハードウェア資源を利用する上位層からの要求にしたがって調停を行い、実行制御する。
【0040】
具体的には、SRM223は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、SRM223は、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングを行い、要求内容(例えば、プリンタエンジンにより紙搬送と作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を直接実施している。
【0041】
SCS222のプロセスは、アプリ管理、操作部制御、システム画面表示、LED表示、リソース管理、割り込みアプリ制御などを行う。
【0042】
ECS224のプロセスは、白黒ラインプリンタ(B&W LP)201、カラーラインプリンタ(Color LP)202、ファクシミリなどからなるハードウェアリソース205のエンジンの制御を行う。
【0043】
MCS225のプロセスは、画像メモリの取得および解放、ハードディスク装置(HDD)の利用、画像データの圧縮および伸張などを行う。
【0044】
FCS227のプロセスは、システムコントローラの各アプリ層からPSTN/ISDN網を利用したファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読みとり、ファクシミリ受信印刷、融合送受信を行うためのAPIを提供する。
【0045】
NCS228のプロセスは、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのプロセスである。また、NCS228は、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、アプリケーション230からデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行ったりする。具体的には、ftpd、lpd、snmpd、telnetd、smtpdなどのサーバデーモンや、同プロトコルのクライアント機能などを有している。
【0046】
OCS226は、オペレータ(ユーザ)と本体制御間の情報伝達手段となるオペレーションパネル(操作パネル)の制御を行う。OCS226は、オペレーションパネルからキー押下をキーイベントとして取得し、取得したキーに対応したキーイベント関数をSCS222に送信するOCSプロセスの部分と、アプリケーション230またはコントロールサービスからの要求によりオペレーションパネルに各種画面を描画出力する描画関数やその他オペレーションパネルに対する制御を行う関数などがあらかじめ登録されたOCSライブラリの部分とから構成される。このOCSライブラリは、アプリケーション230、コントロールサービスおよび後述する表示処理部の各モジュールにリンクされて実装されている。なお、OCS226のすべてをプロセスとして動作させるように構成しても良く、あるいはOCS226のすべてをOCSライブラリとして構成してもよい。
【0047】
アプリケーション230は、ページ記述言語(PDL)、PCLおよびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ211と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ212と、ファクシミリ用アプリケーションであるファックスアプリ213と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ215と、ネットワーク上の機器に対して、各種要求を行うアプリケーションであるリモート制御アプリ217とを有している。
【0048】
また、機能制御アプリ231(第1制御手段に相当)は、画像形成装置の各機能の動作を制御したり、各機能を実行する際にユーザ認証を行なったりするアプリケーションである。配信制御アプリ232(第2制御手段に相当)は、入力、画像変換、出力の各処理を任意に組み合わせた処理フローの実行を制御するアプリケーションである。
【0049】
このように、実施例1にかかる画像形成装置10には、複数のアプリケーション230および複数のサービスモジュールからなるコントロールサービス層240が存在し、いずれもプロセスとして動作している。そして、これらの各プロセス内部には、一または複数のスレッドが生成されて、スレッド単位の並列実行が行われる。そして、コントロールサービス層240の各サービスモジュールがアプリケーション230に対し共通サービスを提供しており、このため、これらの多数のプロセスが並列動作、およびスレッドの並列動作を行って互いに協調動作を行いながら、コピー、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成処理にかかるユーザサービスを提供するようになっている。
【0050】
なお、実施例1にかかる画像形成装置10では、複数のアプリケーション230のプロセスと複数のコントロールサービスのプロセスとが動作しているが、アプリケーション230とコントロールサービスのプロセスをそれぞれ単一の構成とすることも可能である。また、アプリケーション230が全く存在せず、コントロールサービスのプロセスと汎用OS221とハードウェア資源だけを設け、アプリケーション230をNCS228により接続されたネットワークを介して新規アプリケーションをネットワーク経由で搭載可能な構成とすることもできる。また、各アプリケーション230は、アプリケーションごとに追加または削除することができる。
【0051】
次に、実施例1において、別プロセスで動作するアプリケーション間でデータを直接やりとりするための主要な機能について説明する。図4は、実施例1に係るMFPと機能管理サーバと配信サーバとの主要機能構成の一例を示すブロック図である。
【0052】
図4に示すように、画像形成装置10は、機能制御アプリ231、配信制御アプリ232、ユーザ情報記憶手段402を含む。ここで、機能制御アプリ231と、配信制御アプリ232とは、別プロセスで並行して動作可能であり、それぞれ処理を実行するためにユーザ認証を行なうとする。
【0053】
機能制御アプリ231は、認証情報取得手段301、認証制御手段302、ユーザ情報出力手段303、ログアウト手段304を含む。配信制御アプリ232は、ユーザ情報取得手段401、認証制御手段403、ログアウト手段404を含む。まず、機能制御アプリ231と配信制御アプリ232とのユーザ認証について説明する。
【0054】
(認証)
認証情報取得手段301は、表示部19にログイン画面を表示させている状態において、ユーザによってカード16がカードリーダー15にセットされると、カードリーダー15がカード16より読み取ったカードIDを取得する。なお、カードリーダー15へのカード16のセットとは、カードリーダー15へカード16を挿入したり、カード16をかざしたりといったように、カードリーダー15がカード16に記録されている情報を読み取れる状態にすることをいう。
【0055】
また、認証情報取得手段301は、取得したカードIDに対応するユーザIDやパスワードを取得する。ここで、画像形成装置10は、カードID毎にユーザIDやパスワード、カード効力等を対応付けた対応情報を保持しているとする。なお、パスワードが登録されていない場合は、パスワード画面を表示部19に表示させ、パスワードをユーザに入力させるようにすれば良い。
【0056】
なお、実施例1では、認証についてカード16から認証情報を取得するようにしたが、カード16からの取得に限らず、指紋などの生体情報を取得したりユーザによる入力された情報を取得したりして認証を行なってもよい。
【0057】
認証制御手段302は、認証情報取得手段301からユーザID(カードIDでも良い)やパスワードを取得すると、取得したユーザIDとパスワードとを機能管理サーバ20に送信する。ここで、機能管理サーバ20において、画像形成装置10から送信されたユーザIDやパスワードを用いてユーザ認証が行なわれる(認証手段501)。
【0058】
機能管理サーバ20の認証手段501は、画像形成装置10から取得したユーザIDとパスワードと、自身が保持するユーザ情報DB502に記憶されるユーザIDとパスワードとに基づいて認証を行なう。
【0059】
ここで、機能管理サーバ20のユーザ情報DB502に記憶される情報について説明する。図5は、ユーザ情報の一例を示す図である。図5に示すように、ユーザ情報は、カードID、ユーザID、パスワード、Homeフォルダ、メールアドレス、所属、残金、スキャントータル数、スキャンモノクロ数、スキャンカラー数などを含む。
【0060】
「Homeフォルダ」は、ユーザのホームフォルダへのネットワークパスを示す情報である。「残金」は、ユーザがチャージしている金額を示す情報である。「スキャントータル数」、「スキャンモノクロ数」、「スキャンカラー数」は、画像形成装置10によりスキャンされた数のログ情報である。なお、ユーザ情報は、ユーザ毎に許可される機能情報を含むようにしてもよい。
【0061】
図4に戻り、機能管理サーバ20の認証手段501は、認証が成功すると、認証成功の結果と共に、認証が成功したユーザのユーザ情報を画像形成装置10に送信する。また、認証手段501は、認証が失敗すると、認証失敗の結果のみを画像形成装置10に送信する。
【0062】
ここで、送信されるユーザ情報について説明する。図6は、XML形式のユーザ情報の一例を示す図である。図6に示す例では、ユーザ情報は、<type>、<userName>、<password>、<emailaddress>、<homeDirectory>、<domain>、<option>を含む。
【0063】
ここで、<type>は、アプリケーションのタイプが記述される。また、<option>には、任意の情報を記述することができ、例えば残金情報を記述することができる。
【0064】
図4に戻り、認証制御手段302は、機能管理サーバ20から認証成功を示す返信を受信するとともに、図6に示すようなユーザ情報を受信した場合には、ユーザ情報出力手段303にユーザ情報を出力する。なお、説明の便宜上、認証制御手段302とユーザ情報出力手段303とを分けた構成にしたが、1つの構成でも良い。ユーザ情報出力手段303は、取得したユーザ情報を配信制御アプリ232に出力する。
【0065】
次に、配信制御アプリ232のユーザ情報取得手段401は、機能制御アプリ231からユーザ情報を取得する。ユーザ情報取得手段401は、取得したユーザ情報をユーザ情報記憶手段402に記憶する。ユーザ情報記憶手段402は、ユーザ情報を格納するデータ格納領域である。
【0066】
認証制御手段403は、配信サーバ30への配信処理要求を検知した場合、ユーザ情報記憶手段402に記憶されているユーザ情報に含まれるユーザIDとパスワードとを配信サーバ30に送信する。
【0067】
配信サーバ30の認証手段601は、画像形成装置10からユーザIDとパスワードとを取得すると、自身が管理するユーザ情報とパスワードと用いてユーザ認証を行なう。なお、配信サーバ30は、ユーザ認証を外部の認証サーバに行なわせるようにしてもよい。
【0068】
認証手段601は、ユーザ認証が成功すると、認証されたユーザに許可されている処理フロー(プロジェクト)情報を画像形成装置10に送信する。また、認証手段601は、ユーザ認証が失敗すると、認証画面を画像形成装置10の表示部19に表示するよう要求する。
【0069】
以上より、配信制御アプリ232は、機能制御アプリ231でユーザ認証が成功した場合のユーザIDとパスワードとを用いてユーザ認証を行なうことができる。つまり、別プロセスで動作する機能制御アプリ231と配信制御アプリ232とでそれぞれユーザ認証を行なう必要がない。これは、機能制御アプリ231と配信制御アプリ232とで行うユーザ認証において、同一ユーザであれば同じユーザIDとパスワードを用いるという考えに基づいている。仮にパスワードが異なっている場合でも、従来どおりそれぞれでユーザ認証を行なうようにすれば問題ない。
【0070】
よって、ユーザは、機能制御アプリ231を実行するときに一度ユーザ認証を行なえば、配信制御アプリ232を実行するときには装置内部でユーザ認証を行なうので、改めて認証画面からパスワード等を入力する必要がない。つまり、サードベンダなどによって開発されたアプリケーションからのデータの受け取り口をオープンにすることで、シングルサインオンによる認証を可能とすることができる。
【0071】
(ログアウト)
次に、機能制御アプリ231と配信制御アプリ232とのログアウトについて説明する。まず、それぞれのアプリのログアウトの関係について説明する。機能制御アプリ231においてユーザログアウトを行う時、配信制御アプリ232でログインしていたユーザがログアウトしていなければログアウトできない。これは、機能制御アプリ231と配信制御アプリ232とで、別々のユーザが処理することを防ぐためである。つまり、先に機能制御アプリ231でユーザログアウトしてしまうと、次に、機能制御アプリ231にログインしたユーザが、他人のユーザIDやパスワードを用いて配信制御アプリ232を実行できるため、これを防止する必要があるからである。
【0072】
一方、配信制御アプリ232は、独立してログアウトすることができる。これは、配信制御アプリ232は、機能制御アプリ231がログインしないとログインされないことからである。つまり、先に配信制御アプリ232においてユーザログアウトされたとしても、機能制御アプリ231と配信制御アプリ232とで別々のユーザに処理されることはないからである。
【0073】
以上、それぞれのアプリのログアウトの関係を踏まえ、Forceログアウトとログアウトリクエストとの2種類のログアウトについて説明する。以下、「ログイン中」について、ユーザが配信制御アプリ232にログインしていてオペレーションパネル上で操作している(配信先や読取条件を指定している)状態、又はログインはしているが、何の操作もしていない状態を、単に「ログイン中」と呼ぶ。
【0074】
「配信処理中」とは、ユーザが配信制御アプリ232にログインしていて、かつ、用紙の読み込み中であったり、読み込んだ用紙から画像データを作成したり、画像データを配信制御アプリに送信したり、機器自体に処理が発生している状態(処理を止められない状態)を指す。
【0075】
「Forceログアウト」は、配信制御アプリ232から、ログイン中のユーザを強制的にログアウトさせる命令である。ただし、「配信処理中」の場合のみ、「Forceログアウト」は失敗に終わる。
【0076】
「ログアウトリクエスト」は、「ログイン中」にユーザがいるか否かを問い合わせる命令である。「ログイン中」のユーザがいない場合(ユーザが配信制御アプリを一度も使わなかった場合、ユーザが配信制御アプリ232から明示的にログアウトした場合、配信制御アプリのタイムアウト発生によりユーザが配信制御アプリ232から自動的にログアウトされた場合など)にログアウトは成功する。また、配信制御アプリ232が「ログイン中」の場合、ログアウトは失敗に終わる。
【0077】
(1)Forceログアウト
(先に機能制御アプリ231のログアウトが要求された場合)
機能制御アプリ231のログアウト手段304は、表示部19に表示されるログアウトボタンが押下されたことを検知すると、「Forceログアウト」を配信制御アプリ232に発行する。配信制御アプリ232が「配信処理中」でなければ、配信制御アプリ232のログアウト手段404は、配信制御アプリ232にログインしていたユーザのログアウトを行う。このとき、ユーザ記憶手段402に記憶されているユーザ情報を削除する。これは、機能制御アプリ231にこの後ログインしてくるユーザに使用されないようにするためである。ユーザ情報の削除後、かつ、配信制御アプリ232のユーザログアウト後に、ログアウト手段304は、機能制御アプリ231にログインしていたユーザのログアウトを行う。
【0078】
一方、配信制御アプリ232が「配信処理中」であれば、配信制御アプリ232のユーザログアウトは失敗に終わる。次に、ログアウト手段304は、所定時間おきに、前述した「Forceログアウト」を配信制御アプリ232の配信処理が終わるまで繰り返し発行する。配信制御アプリ232の配信処理が終了すれば、機能制御アプリ231及び配信制御アプリ232は、前述した処理と同様の処理をし、ログアウトを行う。
【0079】
(先に配信制御アプリ232のログアウトが要求された場合)
配信制御アプリ232のログアウト手段404は、表示部19に表示されるログアウトボタンが押下されたことを検知すると、配信制御アプリ232が「配信処理中」であるか否かを判断する。配信制御アプリ232が「配信処理中」でなければ、ログアウト手段404は、配信制御アプリ232にログインしているユーザのログアウトを行う。このとき、ユーザ情報記憶手段402のユーザ情報は保存したままにしておく。このユーザが再度配信処理を実行する可能性があるからである。
【0080】
また、配信制御アプリ232が「配信処理中」であれば配信処理の終了を待って、ログアウト手段404は、配信制御アプリ232にログインしているユーザのログアウトを行う。
【0081】
なお、Forceログアウトの他の例として、配信制御アプリ232での配信処理中にユーザの残金が0になった場合は、ログアウト手段404は、配信制御アプリ232にログインしているユーザのログアウトを行う。
【0082】
ログアウトボタンを押下することで、機能制御アプリ231と配信制御アプリ232とのどちらのログアウトであるかを判断するかについては、ログアウトボタン押下時にどちらの機能が実行されているかにより決まる。つまり、機能制御アプリ231において、COPYやPRINTを実行しているとき等に、ユーザが操作画面からログアウトボタンを押下した場合は機能制御アプリ231によるユーザログアウトと判断する。
【0083】
一方、配信制御アプリ232において、処理フローによる配信処理を実行しているとき等に、ユーザが操作画面からログアウトボタンを押下した場合は配信制御アプリ232によるユーザログアウトと判断する。
【0084】
(2)ログアウトリクエスト
(先に機能制御アプリ231がタイムアウトした場合)
機能制御アプリ231のログアウト手段304は、機能制御アプリ231の機能が所定時間実行されなかった場合、配信制御アプリ232に「ログアウトリクエスト」を発行する。なお、機能制御アプリ231は、自身が有するタイマ機能を用いてカウンタをデクリメントしていくことにより、COPYなどの機能が何も動作していない時間を計測することができる。
【0085】
配信制御アプリ232に「ログイン中」のユーザがいない場合、ログアウト手段404は、配信制御アプリ232にログインしているユーザのログアウトを行う。
【0086】
このとき、ユーザ記憶手段402に記憶されているユーザ情報を削除する。これは、機能制御アプリ231にこの後ログインしてくるユーザに使用されないようにするためである。ユーザ情報の削除後、かつ、配信制御アプリ232のログアウト後に、ログアウト手段304は、機能制御アプリ231にログインしているユーザのログアウトを行う。
【0087】
一方、配信制御アプリ232に「ログイン中」のユーザがいる場合、ユーザログアウトの処理は失敗に終わる。この場合、ログアウト手段304は、タイマのカウンタを初期値に戻し、再度デクリメントを始める。
【0088】
(先に配信制御アプリ232がタイムアウトした場合)
配信制御アプリ232のログアウト手段404は、配信制御アプリ232の機能が所定時間実行されなかった場合、配信制御アプリ232にログインしているユーザのログアウトを行う。このとき、ユーザ情報記憶手段402のユーザ情報は保存したままにしておく。なお、配信制御アプリ232は、自身が有するタイマ機能を用いてカウンタをデクリメントしていくことにより、配信処理が行われていない時間を計測することができる。
【0089】
この後、機能制御アプリ231にログアウトが要求された場合には、ログアウト手段304は、配信制御アプリ232に「Forceログアウト」を発行する。これは、ユーザ記憶手段402に記憶されているユーザ情報を削除するためである。ユーザ情報の削除後に、ログアウト手段304は、機能制御アプリ231にログインしているユーザのログアウトを行う。
【0090】
これより、機能制御アプリ231は、配信制御アプリ232のログアウトを待ってログアウトすることができ、機能制御アプリ231と、配信制御アプリ232とが別々のユーザにより処理されることを防止することができる。
【0091】
<操作画面の遷移>
次に、操作画面の遷移例について説明する。図7は、MFPの操作画面の遷移例を示す図である。図7(A)に示すように、まずは、機能制御アプリ231のユーザ認証を行なうために、「カードをかざしてください」という操作画面が表示されている。このとき、「COPY」や「PRINT」の表示は半輝度になっており、処理できないようになっている。これらの各機能は、ユーザ認証が成功しなければ操作できない。
【0092】
次に、ユーザがICカードをかざすなどして認証が成功した場合、図7(B)の操作画面に遷移する。図7(B)に示すように、ログインしたユーザが利用できる操作が輝度状態になり、この例では「COPY」、「PRINT」、「APL」が処理できるようになる。また、「APL」とは、配信サーバ30による配信処理を可能とする拡張アプリケーションを意味する。
【0093】
次に、図7(B)に示す操作画面から「COPY」が押下されたとすると、図7(C)に示す操作画面に遷移する。図7(C)に示すように、「COPY」の設定画面が表示される。図7(A)〜(C)までは、機能制御アプリ231により制御される。
【0094】
次に、図7(B)又は図7(C)に示す操作画面から「APL」が押下されたとすると、図7(D)に示す操作画面に遷移する。図7(D)に示すように、処理フローを示すプロジェクト一覧が表示される。この例ではプロジェクトを「P」で示している。なお、図7(C)、図7(D)に示す「戻る」は、図7(B)の操作画面に戻るためのボタンである。
【0095】
次に、図7(C)に示す操作画面から「P」が押下された場合、ユーザ情報記憶手段403に記憶されているユーザIDとパスワードとを用いて認証が行なわれる。配信サーバ30での認証が成功すると、図7(E)に示す操作画面に遷移する。かかる処理は全て装置内部で行われるため、ユーザはユーザ認証が行なわれていることは分からない。図7(E)に示すように、処理フローの各処理の設定値の入力や確認を行い、処理フローによる配信処理が実行できるようになる。
【0096】
次に、図7(C)に示す操作画面から「P」が押下された場合、ユーザ認証に失敗したときには、図7(F)に示す操作画面に遷移する。図7(F)に示す例では、ユーザネーム(UN)は既に入力され半輝度状態になっており、パスワードのみを入力してユーザ認証を行なうようになっている。
【0097】
図7(F)における操作画面で認証が成功すると図7(E)に示す操作画面に遷移する。また、図7(D)に示す操作画面から「COPY」が押下された場合は、図7(C)に示す「COPY」の設定画面に遷移する。また、図7(D)〜(F)は、配信制御アプリ232により制御される。
【0098】
<処理フロー>
次に、配信制御アプリ232で用いられる処理フローについて説明する。図8は、実施例1における処理フローの例を示す図である。図8に示すように、処理フロー1(Scan to home)は、原稿をスキャン入力して、スキャン入力した画像データをフォルダに配信する処理を示す。処理フロー2(Scan to me)は、原稿をスキャン入力して、スキャン入力された画像データをPDF変換し、PDF変換された画像データをメールに添付して配信する処理を示す。
【0099】
このとき、ユーザ情報記憶手段402に記憶されているユーザ情報を用いて、処理フローにおける処理の設定値を自動で設定することができる。例えば、ユーザ情報には、図6に示したように、ユーザのメールアドレスやホームディレクトリが含まれているとする。
【0100】
処理フロー1の配信処理を行う場合、ユーザによりディレクトリなどを設定されなくても、ユーザ情報記憶手段402に記憶されているユーザ情報に含まれるホームディレクトリを設定することができる。同様に、処理フロー2の配信処理を行う場合、ユーザによりメールアドレスを入力されたり選択されたりしなくても、ユーザ情報記憶手段402に記憶されているユーザ情報に含まれるメールアドレスを自動設定することができる。
【0101】
前述したようにして設定された処理フローは、配信サーバ30の配信手段602により配信される。なお、配信サーバ30の配信設定DB603は、管理者により設定された処理フローや各処理のプラグインを保持する。
【0102】
よって、ユーザ情報記憶手段402に記憶されているユーザ情報に含まれる情報を用いることにより、ユーザによる入力や選択などを必要とせず、処理フローにおける処理の設定値を自動で設定することができる。
【0103】
<動作>
次に、実施例1における画像形成装置10の動作について説明する。図9は、実施例1におけるログイン時の処理の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、ステップS11において、認証情報取得手段301は、ICカードなどからカードIDを取得し、取得したカードIDに対応するユーザIDやパスワードを取得する。なお、カードを用いる以外にも指紋などの生体認証やユーザにより入力された情報を認証に用いてもよい。認証情報取得手段301は、認証制御手段302に取得した情報を出力する。
【0104】
ステップS12において、認証制御手段302は、取得した認証に用いる情報、例えばユーザID又はカードID、及びパスワードを機能管理サーバ20に送信する。機能管理サーバ20は、ユーザ認証を行なって認証結果を認証制御手段302に送信する。このとき、機能管理サーバ20は、認証が成功した場合、認証されたユーザのユーザ情報も画像形成装置10に送信する。
【0105】
ステップS12において、認証制御手段302は、認証が成功したか否かを判定する。ステップS12における判定結果がYES(認証成功)である場合はステップS13に進み、判定結果がNO(認証失敗)である場合はステップS11に戻る。
【0106】
ステップS13において、ユーザ情報出力手段303は、機能管理サーバ20から取得したユーザ情報を配信制御アプリ232に出力する。
【0107】
ステップS14において、配信制御アプリ232のユーザ情報取得手段401は、機能制御アプリ231からユーザ情報を取得する。
【0108】
ステップS15において、ユーザ情報取得手段401は、取得したユーザ情報をユーザ情報記憶手段402に出力して、ユーザ情報記憶手段402はユーザ情報を記憶する。
【0109】
ステップS16において、配信制御アプリ232は、処理フローの実行が要求されたか否かを判定する。配信制御アプリ232は、図7(D)に示す「P」が押下されたときに処理フローの実行が要求されたと判定する。ステップS16の判定結果がYES(要求あり)である場合ステップS17に進み、判定結果がNO(要求なし)である場合ステップS16に戻る。
【0110】
ステップS17において、配信制御アプリ232の認証制御手段403は、ユーザ情報記憶手段402に記憶されているユーザ情報のユーザIDとパスワードとを配信サーバ30に送信する。配信サーバ30の認証手段601は、受信したユーザIDとパスワードとを用いてユーザ認証を行なう。認証手段601は、認証結果を配信制御アプリ232に送信する。認証制御手段403は、配信サーバ30から認証結果を受信し、認証が成功したか否かを判定する。ステップS17の判定結果がYES(認証成功)である場合、ステップS19に進み、判定結果がNO(認証失敗)である場合ステップS18に進む。
【0111】
ステップS18において、認証制御手段403は、図7(F)に示すような認証画面を表示部19に表示させ、パスワードをユーザに入力させる。パスワードが入力されるとステップS17に戻り再び認証を行なう。
【0112】
ステップS19において、配信制御アプリ232は、処理フローの実行ボタンがユーザにより押下されると、配信サーバ30に対し、画像データや処理フローの情報、処理フローにおける処理の書誌情報などを送信する。配信サーバ30の配信手段602は、処理フローに従って、画像形成装置10から取得した画像データを配信処理する。
【0113】
これにより、ユーザは、機能制御アプリ231を実行するときに一度ユーザ認証を行なえば、配信制御アプリ232を実行するときにはシステム内でユーザ認証を行なうので、改めて認証画面からパスワード等を入力する必要がない。
【0114】
次に、実施例1に係る画像形成装置10のログアウト時の処理の動作について説明する。図10は、実施例1におけるログアウト時の処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、ステップS21において、ログアウト手段304又はログアウト手段404は、ログアウトイベントが検知されたか否かを判定する。ステップS21の判定結果がYES(検知された)である場合ステップS22に進み、判定結果がNO(未検知)である場合ステップS21に戻る。
【0115】
ステップS22において、画像形成装置10は、機能制御アプリ231によるユーザログアウト(以下、機能ログアウトという)なのか、配信制御アプリ232によるユーザログアウト(以下、配信ログアウトという)なのかを判定する。ステップS22の判定結果がYES(機能ログアウト)である場合ステップS24に進み、判定結果がNO(配信ログアウト)である場合ステップS23に進む。
【0116】
ステップS23において、配信制御アプリ232のログアウト手段404は、配信制御アプリ232にログインしているユーザのログアウトを行う。
【0117】
ステップS24において、機能制御アプリ231のログアウト手段304は、配信制御アプリ232に、配信処理中ではないかを問い合わせる。ステップS24の問合せ結果がYES(配信処理中ではない)を示す場合ステップS25に進み、問合せ結果がNO(配信処理中である)を示す場合ステップS24に戻り、再度問い合わせる。
【0118】
ステップS25において、配信制御アプリ232のログアウト手段404は、機能制御アプリ231からログアウトイベントを発行された場合、ユーザ情報記憶手段402に記憶されているユーザ情報を削除する。
【0119】
ステップS26において、配信制御アプリ232は、既にユーザログアウトされているか否かを判定する。ステップS26の判定結果がYES(配信ログアウトされている)である場合ステップS28に進み、判定結果がNO(配信ログアウトされていない)である場合ステップS27に進む。
【0120】
ステップS27において、ログアウト手段404は、配信制御アプリ232にログインしているユーザのログアウトを行う。
【0121】
ステップS28において、ログアウト手段304は、機能制御アプリ231にログインしているユーザのログアウトを行う。
【0122】
これにより、機能制御アプリ231は、配信制御アプリ232のログアウトを待ってログアウトすることができ、機能制御アプリ231と、配信制御アプリ232とが別々のユーザにより処理されることを防止することができる。
【0123】
以上、実施例1によれば、同一機器内で、別プロセスで動作するアプリケーション間であっても、情報を直接やり取りすることができる。
【0124】
[実施例2]
実施例2に係る画像形成装置について説明する。実施例2では、配信サーバを用いて配信処理を行う度に課金される場合、ユーザ情報に残金情報を含めて、この残金情報を用いて配信処理を行う。
【0125】
<機能構成>
図11は、実施例2に係るMFPと機能管理サーバと配信サーバとの主要機能構成の一例を示すブロック図である。図11に示す機能において、図4に示す機能と同様の機能のものは同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0126】
図11に示す画像形成装置50は、機能制御アプリ231におけるユーザ情報更新手段701、配信制御アプリ232における残金情報更新手段801が新たに追加されている。
【0127】
まず、実施例2における前提として、配信サーバ30により配信処理を行う度に課金される。図12は、実施例2における処理フローの例を示す図である。図12に示すように、処理フロー1(Scan to home)では、フォルダ配信をする度に10円課金される。処理フロー2(Scan to me)では、PDF変換する度に5円課金され、E−mail送信する度に5円課金される。
【0128】
配信処理を行う度に課金される場合、ユーザ情報記憶手段401に記憶されたユーザ情報に含まれる残金を用いて課金を行う。このとき、機能管理サーバ20から送信されるユーザ情報には残金情報が含まれる。
【0129】
配信制御アプリ232の残金情報更新手段801は、配信制御アプリ232により配信サーバ30に配信処理を要求するとき、ユーザ情報記憶手段402に記憶されているユーザ情報の残金を確認する。残金情報更新手段801は、残金が残っていることが確認できれば、配信処理の要求を許可し、残金を更新する。また、残金情報更新手段801は、残金が残っていないことが分かれば、配信処理の要求をストップし、ユーザにチャージを促す画面を表示したり、配信制御アプリ232におけるユーザログアウトを行ったりする。
【0130】
機能制御アプリ231のユーザ情報更新手段701は、機能制御アプリ231におけるユーザログアウトを行う際、ユーザ情報記憶手段402に記憶されているユーザ情報が削除される前に、ユーザ情報に含まれる残金情報を取得する。
【0131】
次に、ユーザ情報更新手段701は、取得した残金情報をユーザIDと共に機能管理サーバ20に送信する。機能管理サーバ20は、画像形成装置10から取得したユーザIDに対応する、ユーザ情報DB502に記憶されているユーザの残金情報を、画像形成装置10から取得した残金情報に更新する。
【0132】
これにより、機能管理サーバ20で管理しているユーザの残金情報を用いて、配信処理の課金を行うことができる。また、配信処理の課金が行われた場合は、機能管理サーバ20で管理しているユーザの残金情報を更新することができる。よって、機能制御アプリ231と配信制御アプリ232それぞれで残金情報を管理する必要がない。
【0133】
<動作>
次に、実施例2に係る画像形成装置50の課金動作について説明する。図13は、実施例2における課金処理の一例を示すフローチャートである。図13に示すように、ステップS31において、配信制御アプリ232は、処理フローの実行を要求されたか否かを判定する。ステップS31の判定結果がYES(要求あり)である場合ステップS32に進み、判定結果がNO(要求なし)である場合ステップS31に戻る。
【0134】
ステップS32において、残金情報更新手段801は、要求された配信処理を行うだけの残金があるか判定する。残金情報は、ユーザ情報記憶手段402に記憶されているユーザ情報に含まれる残金情報を用いる。ステップS32の判定結果がYES(残金ある)である場合ステップS34に進み、判定結果がNO(残金なし)である場合ステップS33に進む。
【0135】
ステップS33において、残金情報更新手段801は、エラー処理を行う。ここで、エラー処理とは、表示部19に残金が足りない旨を知らせる画面を表示したり、配信制御アプリ232にログインしているユーザのログアウトを行ったりする処理のことを言う。
【0136】
ステップS34において、配信制御アプリ232は、残金があると確認された場合、ユーザに要求された配信処理を配信サーバ30に要求する。配信サーバ30の配信手段602は、配信制御アプリ232から要求された配信処理を行う。
【0137】
ステップS35において、残金情報更新手段801は、配信処理を行うのに課金された分だけ、ユーザ情報記憶手段402に記憶されている残金情報から減算する(更新する)。
【0138】
ステップS36において、配信制御アプリ232は、要求された配信処理を全て行ったか否かを判定する。ステップS36の判定結果がYES(終了)である場合はステップS37に進み、判定結果がNO(未了)である場合ステップS32に戻る。
【0139】
ステップS37において、機能制御アプリ231のユーザ情報更新手段701は、ユーザログアウトのタイミングで、ユーザ情報記憶手段402に記憶されている残金情報を取得し、取得した残金情報をユーザIDと共に機能管理サーバ20に送信する。機能管理サーバ20は、ユーザ情報DB502に記憶されている残金情報であって、機能制御アプリ231から取得したユーザIDに対応するユーザIDの残金情報を、機能制御アプリ231から取得した残金情報に更新する。
【0140】
以上、実施例2によれば、機能管理サーバ20で管理しているユーザの残金情報を用いて、配信処理の課金を行うことができる。また、配信処理の課金が行われた場合は、機能管理サーバ20で管理しているユーザの残金情報を更新することができる。
【0141】
[変形例]
次に前述した各実施例の変形例について説明する。変形例では、前述した配信サーバ30が組み込まれた画像形成装置について説明する。配信サーバ30が組み込まれた画像形成装置の各機能は、基本的には図4、図11に示す画像形成装置10、50と配信サーバ30の機能と同様である。これより、変形例に係る画像形成装置によれば、MFP単体で、各実施例に示した処理を行なうことができる。
【0142】
なお、各実施例や変形例の画像形成装置で実行されるアプリ間連携プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0143】
また、各実施例や変形例の画像形成装置で実行されるアプリ間連携プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、各実施例や変形例の画像形成装置で実行されるアプリ間連携プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0144】
また、各実施例や変形例の画像形成装置で実行されるアプリ間連携プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0145】
各実施例や変形例の画像形成装置で実行されるアプリ間連携プログラムは、前述した各手段を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からアプリ間連携プログラムを読み出して実行することにより上記各手段が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0146】
また、機能管理サーバ20、配信サーバ30での認証を、外部の認証サーバに行なわせるようにしてもよい。
【0147】
なお、本発明は、上記実施例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0148】
10 MFP
20 機能管理サーバ
30 配信サーバ
40 情報処理端末
231 機能制御アプリ
232 配信制御アプリ
301 認証情報取得手段
302 認証制御手段
303 ユーザ情報出力手段
304 ログアウト手段
401 ユーザ情報取得手段
402 ユーザ情報記憶手段
403 認証制御手段
404 ログアウト手段
501 認証手段
502 ユーザ情報DB
601 認証手段
602 配信手段
603 配信設定DB
701 ユーザ情報更新手段
801 残金情報更新手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0149】
【特許文献1】特開2006−018640号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該画像形成装置の各機能を制御する第1制御手段と、画像データの配信に関する各処理が組み合わされた処理フローの実行を制御する第2制御手段とを備え、前記第1及び第2制御手段はそれぞれ別プロセスで動作し、それぞれユーザ認証を行なう画像形成装置であって、
前記第1制御手段は、
ユーザ認証が成功した場合、ユーザ識別情報及びパスワードを含むユーザ情報を前記第2制御手段に出力する出力手段を有し、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から前記ユーザ情報を取得する取得手段と、
取得されたユーザ情報を記憶する記憶手段と、
記憶されたユーザ情報に含まれるユーザ識別情報及びパスワードを用いてユーザ認証を制御する認証制御手段と
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記ユーザ情報はさらに、前記ユーザのメールアドレス、ホームフォルダのいずれか一つを少なくとも含み、
前記第2制御手段は、
前記記憶されたユーザ情報に含まれるメールアドレス又はホームフォルダを前記処理フローの配信先に設定して配信処理の実行を要求する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ユーザ情報はさらに、前記ユーザの残金情報を含み、
前記第2制御手段は、
前記処理フローを実行する場合に課金されるとき、前記記憶されたユーザ情報に含まれる残金情報を用いる請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1制御手段は、
ログインしているユーザのログアウトが要求された場合、前記第2制御手段においてログアウトされていた場合にのみ、ログアウトを行う請求項1乃至3いずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ログアウトは、前記ユーザにより明示的に要求される第1ログアウトと、装置内で自動的に要求される第2ログアウトがあり、
前記第2制御手段は、
前記第1ログアウトが要求された場合にのみ、前記記憶手段に記憶されているユーザ情報を削除する請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
当該画像形成装置の各機能を制御する第1制御手段と、画像データの配信に関する各処理が組み合わされた処理フローの実行を制御する第2制御手段とを備え、前記第1及び第2制御手段はそれぞれ別プロセスで動作し、それぞれユーザ認証を行なう画像形成装置と、前記第1制御手段のユーザ認証を行なう認証サーバと、前記第2制御手段のユーザ認証を行ない、前記処理フローの配信処理を行う配信サーバとを含む配信処理システムであって、
前記第1制御手段は、
前記認証サーバによるユーザ認証が成功した場合、ユーザ識別情報及びパスワードを含むユーザ情報を前記第2制御手段に出力する出力手段を有し、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から前記ユーザ情報を取得する取得手段と、
取得されたユーザ情報を記憶する記憶手段と、
記憶されたユーザ情報に含まれるユーザ識別情報及びパスワードを用いて前記配信サーバにユーザ認証を要求する認証要求手段と
を有する配信処理システム。
【請求項7】
前記ユーザ情報はさらに、前記ユーザのメールアドレス、ホームフォルダのいずれか一つを少なくとも含み、
前記第2制御手段は、
記憶されたユーザ情報に含まれるメールアドレス又はホームフォルダを配信先に設定して前記処理フローの実行を前記配信サーバに要求する請求項6記載の配信処理システム。
【請求項8】
前記ユーザ情報はさらに、前記ユーザの残金情報を含み、
前記第2制御手段は、
前記配信サーバを用いて前記処理フローを実行する場合に課金されるとき、記憶されたユーザ情報に含まれる残金情報を用いる請求項6又は7記載の配信処理システム。
【請求項9】
前記第1制御手段は、
ログインしていたユーザのログアウトが要求された場合、前記第2制御手段においてログアウトされた場合にのみ、ログアウトを行う請求項6乃至8いずれか一項に記載の配信処理システム。
【請求項10】
前記ログアウトは、前記ユーザにより明示的に要求される第1ログアウトと、当該画像形成装置内で自動的に要求される第2ログアウトがあり、
前記第2制御手段は、
前記第1ログアウトが要求された場合にのみ、前記記憶手段に記憶されているユーザ情報を削除する請求項9記載の配信処理システム。
【請求項11】
当該画像形成装置の各機能を制御する第1制御手段と、画像データの配信に関する各処理が組み合わされた処理フローの実行を制御する第2制御手段とを備え、前記第1及び第2制御手段はそれぞれ別プロセスで動作し、それぞれユーザ認証を行なう画像形成装置における画像処理方法であって、
前記第1制御手段は、
ユーザ認証が成功した場合、ユーザ識別情報及びパスワードを含むユーザ情報を前記第2制御手段に出力する出力段階を有し、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から前記ユーザ情報を取得する取得段階と、
取得されたユーザ情報を記憶手段に記憶する記憶段階と、
記憶されたユーザ情報に含まれるユーザ識別情報及びパスワードを用いてユーザ認証を行なう認証段階と
を有する画像処理方法。
【請求項12】
当該画像形成装置の各機能を制御する第1制御手段と、画像データの配信に関する各処理が組み合わされた処理フローの実行を制御する第2制御手段とを備え、前記第1及び第2制御手段はそれぞれ別プロセスで動作し、それぞれユーザ認証を行なう画像形成装置を制御するコンピュータを、
前記第1制御手段は、
ユーザ認証が成功した場合、ユーザ識別情報及びパスワードを含むユーザ情報を前記第2制御手段に出力する出力手段として機能させ、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から前記ユーザ情報を取得する取得手段と、
取得されたユーザ情報を記憶する記憶手段と、
記憶されたユーザ情報に含まれるユーザ識別情報及びパスワードを用いてユーザ認証を制御する認証制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項12記載のプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−198364(P2010−198364A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42881(P2009−42881)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】