画像形成装置およびプログラム
【課題】複写対象の原稿の枚数に関わらず、複写元の原稿に付加されていた複写制限に関する情報を複写先の原稿に反映させる。
【解決手段】画像形成装置1は、複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについては、前記抽出手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段とを有する。
【解決手段】画像形成装置1は、複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについては、前記抽出手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿に複写制限情報を付与する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複写禁止となる原稿について、所定のコードやこのコードに基づき生成された画像等を原稿とともに用紙に印刷しておき、ユーザがこの原稿をコピーしようとして複写元の原稿が印刷された用紙を複写機にセットすると、複写機が原稿とともにこの情報を読取ってこの原稿が複写禁止対象であることを認識し、この原稿に係る複写処理が中止されるという仕組みが提案されている(特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2002−305646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、コピー処理の対象となる一つの原稿が複数の用紙に印刷されている場合、ユーザは、手間を省くため、自動紙送り装置(ADF)等に複数枚の用紙をセットし、これらをまとめてコピーするように複写機に指示するという形態が一般的である。ところが、複写対象の用紙の全てに同じ内容のコードが付加されているとは限らない。本発明は、複写対象の原稿の枚数に関わらず、複写元の原稿に付加されていた複写制限に関する情報を、複写先の原稿に反映させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、複写制限情報を取得する取得手段と、前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについて、前記取得手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段とを有すること特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の発明は、複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについて、前記抽出手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段とを有することを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の発明は、複写制限情報を複写原稿に付加する態様を表す付加態様情報を取得する取得手段と、複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、前記取得手段にて取得された付加態様情報と前記抽出手段にて抽出された複写制限情報とに基づいた複写制限情報を複写原稿に付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段とを有することを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記第2生成手段は、前記被複写原稿のうち複写制限情報が付加されていないものに対し、前記第1生成手段にて最初に読取られた被複写原稿に付加されていた複写禁止情報を付加することを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記抽出手段にて異なる複数の複写制限情報が抽出された場合、前記第2生成手段は、前記付加態様情報と前記複写制限情報とに基づいて新たな複写制限情報を生成し、該生成された複写制限情報を前記複写原稿に付加することを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記抽出手段にて異なる複数の複写制限情報が抽出された場合、前記第2生成手段は、一つの複写制限情報を選択し、該選択された複写制限情報を前記複写原稿に付加することを特徴とする。
【0010】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の構成において、前記第2生成手段は、前記被複写原稿のうち複写制限情報が付加されていないものについてのみ、複写制限情報の付加を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項8に記載の発明は、請求項5ないし7のいずれか1つの記載の構成において、前記第2生成手段は、前記被複写原稿のうち複写制限情報が付加されているものについては、当該複写制限情報をそのまま対応する複写原稿に付加する。
【0012】
請求項9に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記取得手段は外部記憶媒体に記憶された前記付加態様情報を読み出す手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項10に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、表示部と入力部とを更に有し、前記取得手段にて前記付加態様情報が複数取得された場合、前記第2生成部は、その旨を前記表示部に表示し、前記入力部から入力された情報に基づいて、一の前記付加態様情報を決定することを特徴とする。
【0014】
請求項11に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記第2生成手段は、前記複数の被複写原稿の読取りと前記複写制限情報の抽出とを前記複数の原稿に対して一括して行った後、前記複写原稿の原稿情報の生成を行う第1の動作態様と、前記被複写原稿の読取り、前記複写制限情報の抽出、および前記複写原稿の原稿情報の生成を原稿ごとに実行する第2の動作態様とのいずれかを採用するかを決定することを特徴とする。
【0015】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の構成において、前記第2生成手段は複写部数に応じて前記第1の動作態様または第2の動作態様を選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1または13に記載の発明によれば、複写処理にともない、複写制限情報が付されていない原稿に複写制限情報が付加される。
請求項2または14に記載の発明によれば、複写処理にともない、複写制限情報が付されていない原稿に、他の原稿に付加されていた複写制限情報が付加される。
請求項3または15に記載の発明によれば、複写処理にともない、取得手段にて取得された付加態様情報と抽出手段にて抽出された複写制限情報と基づいた複写制限情報が付加される。
請求項4に記載の発明によれば、複写処理にともない、被複写原稿のうち複写制限情報が付加されていないものに対し、最初に読取られた被複写原稿に付加されていた複写禁止情報が付加される。
請求項5に記載の発明によれば、複写処理にともない、付加態様情報と前記複写制限情報とに基づいて新たな複写制限情報が生成され付加される。
請求項6に記載の発明によれば、複写処理にともない、異なる複数の複写制限情報が抽出された場合、一つの複写制限情報が選択され付加される。
請求項7に記載の発明によれば、被複写原稿のうち複写制限情報が付加されていないものについて、選択的に複写制限情報が付加される。
請求項8に記載の発明によれば、被複写原稿のうち複写制限情報が付加されているものについては、当該複写制限情報が保持される。
請求項9に記載の発明によれば、付加態様情報を外部記憶媒体から取得することができる。
請求項10に記載の発明によれば、付加態様情報が複数取得されたことを提示し、ユーザが一の前記付加態様情報を選択することができる。
請求項11または12に記載の発明によれば、画像形成装置の複写処理に係る動作態様を選択的に決定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<実施例>
1.構成
図1は、本発明の一実施例に係る画像形成装置1の機能ブロック図である。
同図に示すように、画像形成装置1は、制御部10、カードリーダ11、画像形成部12、印刷部13、通信部14、記憶部15、入力部16、表示部17およびバス18から構成される。
【0018】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、第1の機能として、バス18を介して、カードリーダ11、画像形成部12、印刷部13、通信部14、記憶部15、入力部16、表示部17との間で信号の授受を行い、これら各部を制御する。第2の機能として、複写元の原稿(被複写原稿)に付加されていた複写禁止コードと、これ以外の情報(記憶部15に記憶された情報、カードリーダ11や入力部16から入力された情報の少なくともいずれか)とに基づき、複写先の原稿(複写原稿)に付加すべき複写禁止コードを決定する。複写禁止コードの生成方法や付加方法の詳細については後述する。
なお、以下において「原稿」とは、所定の方法を用いて一枚のシート状の記録材(用紙)に形成(印刷)された情報の内容またはその情報が印刷された状態の用紙を指す。なお、この情報は、文字情報だけでなく画像情報も含む概念である。
【0019】
カードリーダ11は、ICカード20に記録された情報を読取る装置である。具体的には、ICカード20の挿入口とデータ転送回路(図示せず)とを備えており、ICカード20がカードリーダ11に挿入されると、ICカード20に記憶されている情報を読み出す。読み出した情報は記憶部15へ転送される。
【0020】
画像形成部12は、大別するとスキャナ部(図示省略)と画像処理プロセッサ(図示省略)とからなり、制御部10の制御の下、原稿の複写処理および複写禁止コードの生成および付加を行う。具体的には、スキャナ部で原稿を読取り、原稿情報をビットマップデータ等の画像データとして保存し、この原稿情報を必要に応じて印刷部13または通信部14に出力する。なお、複写禁止コードが原稿に付加されている場合、原稿情報とともに複写禁止コードを抽出し、制御部10へ送信する。また、各用紙に対し制御部から複写禁止コードを付加する要求を制御部10から受けると、各用紙について、当該用紙に印刷すべき原稿の原稿情報に当該複写禁止コードを付加して、印刷部13または通信部14に出力する。より具体的には、以下の通りである。
【0021】
スキャナ部は、図示せぬ光学系(光源、結像レンズ)、駆動系(ラインセンサ)および用紙搬送機構を有する。光源は例えば蛍光ランプであり、可視画像が形成された用紙(つまり原稿)に光を照射する。結像レンズは、被撮像物からの反射光をラインセンサの位置に結像する。ラインセンサは、用紙に対して所定の走査方向に従って走査されるものであって、結像された光を受光しその光に応じた画像信号を生成して出力する。例えば、ラインセンサは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色にて撮像可能な撮像素子を備え、これら3色の画像信号を生成する。そして、画像処理プロセッサは、画像信号に対してA/D変換およびシェーディング補正等の処理を施して、用紙の一面に対応する画像情報を生成する。生成される画像情報のサイズや階調は任意であるが、例えばA4サイズ(210mm×297mm)を1インチ当たり600ドット(画素)の入力解像度で読取り、各ドットが8ビットの階調(256階調)を示すデータであるとする。画像処理プロセッサは、読取った原稿に所定の複写禁止コードが画像情報(地紋)として付されている場合、これを抽出する。具体的には、スキャン処理によって取得したビットマップデータに対して処理の画像解析処理を行い、原稿に付加されている地紋画像データを判別し、地紋データに対応する複写禁止コードを特定する。特定されたコードは制御部10へ供給され、その記述内容が解釈される。
【0022】
なお、複写禁止コードの原稿への埋め込み方法は任意であるが、読者が原稿の読取りに不都合とならない程度で、且つ原稿がスキャン処理された場合に複写禁止コードの読取り漏れがなるべく発生しないような態様であることが好ましい。また、複写元の原稿に付加されたコードをそのまま複写先の原稿に付加する場合であっても、複写禁止コードのフォーマットを同一にする必要は必ずしもない。要は、制御部10は、複写元の原稿の少なくとも1枚の用紙に付加されていた複写禁止コードに基づいて、複写先の原稿を構成する全ての用紙に付加すべき情報(複写禁止コード)を決定する。
【0023】
また、複写禁止コードの記述内容については任意である。例えば、複写禁止コードには、原稿の識別IDと当該原稿の複写の禁止または許可を表すフラグ情報とが内包される。あるいは、単に複写の禁止/許可だけではなく、複写を禁止または許可する対象のユーザに関する情報や、複写の枚数や実行時間等を制限する情報であってもよい。あるいは、出力の態様(用紙への印字や原稿情報のコピー(転送)など)に関する制限の内容を記述する情報であってもよい。要するに、複写禁止コードとは、画像形成装置が行う複写元の原稿に対する出力処理の内容を記述した情報である。
【0024】
印刷部13は、図示せぬ画像形成ユニットを有し、制御部10の制御の下、画像形成部12にて生成された画像データに従って用紙への印刷処理を行う。画像形成ユニットは、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色トナー毎に設けられ、その各々が、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、転写部を有する(いずれも図示省略)。感光体ドラムは、軸を中心にして所定の速度で周回するドラム状の部材であり、帯電部によって所定の電位に帯電される。露光部は、帯電した感光体ドラムにレーザ光を照射して静電潜像を形成する。現像部は、感光体ドラムに形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する。転写部は、感光体ドラムに現像された各色のトナー像を、給紙トレイから画像の形成にあわせて搬送される原稿に転写する。用紙上のトナー像が定着されたら、用紙は装置外へ排出される。画像形成部12から供給される画像データが原稿に複写禁止コードを埋め込んだものである場合は、原稿(テキスト、画像、図表など)と複写禁止コードを反映した地紋等の画像とが用紙に印刷されることになる。
【0025】
なお、本実施例においては、原稿は用紙の片面のみに印刷されている場合を想定しているが、両面に印刷されている場合にも対応可能である。具体的には、画像形成部12に用紙を反転する搬送機構を設け、片面の読取り処理が終わると用紙を反転させて裏面の読取り処理を行うようにする。
【0026】
通信部14は、ネットワークインタフェースであって、画像形成部12にて生成された画像データを他の装置へ送信する。
【0027】
記憶部15は、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置であって、制御部10のワークエリアとして用いられ、画像形成装置1を動作させるプログラムが記憶されている他、カードリーダ11から読取ったデータ、画像形成部12から出力された原稿情報や複写禁止情報、入力部16から入力された各種情報を記憶する。また、記憶部15にはICカード20の所有者が予め登録されている。
【0028】
入力部16は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスを備え、ユーザは入力部16を介して画像形成装置1に対し複写等の各種命令を行うとともに、複写等に関連した条件やパラメータ等の情報(例えば複写の部数や割付方法など)を入力することができるようになっている。加えて、ユーザが複写禁止コードを付加する付加パターンを選択する権限を有している場合、ユーザが所望する一の付加態様に関する情報を入力することができるようになっている。
【0029】
表示部17は、液晶ディスプレイ等であって、ユーザに入力部16から各種情報や命令を入力させるためのガイド表示を行う。
【0030】
ICカード20は、ICチップ等の半導体記憶素子と外部とのデータ転送を担うプロセッサとを有する情報記録媒体である。ICカード20は、ユーザが画像形成装置1で複写を実行させるために必要なものであり、例えば画像形成装置1の管理者が各ユーザに対して1枚ずつ発行する。図2は、ICカード20に記憶される情報を表す図である。同図の(a)に示すように、ICカード20には、ユーザを識別するユーザID、複写元の原稿に付加された複写禁止コードを複写先の原稿に反映させる権限(以下、付加権限という)を有するか否かを表す情報、および当該権限を有する場合に、当該ユーザに認められている、複写禁止コードの付加態様を記述する情報(以下、付加パターンという)が含まれる。同図の(b)は、あるユーザの有するICカード20に記憶される情報の一例を示す。このユーザは、01234のユーザIDで識別され、複写元の原稿に付加された複写禁止コードを複写先の原稿に反映させる権限を有しており、付加パターンCで複写禁止コードを付加することが認められていることを表している。この付加パターンの内容について後述する。なお、ICカード20は可搬性のある外部記憶媒体の一例であり、情報の記録態様はこれに限定されず、磁気カードなどの他の媒体を用いてもよい。
【0031】
2.動作
2−1.動作例1
図3は画像形成装置1の動作の一例を表す図である。なお、この例では、少なくとも先頭(第1枚目)の原稿には複写禁止コードが含まれているが、2枚目以降については複写禁止コードが含まれているか否かはユーザが視認できないものとする。これは、最初のページには複写禁止コードを付加しておき他のページには付加しないようにすることで、印刷コストの低減を図りつつ原稿全体の複写禁止を実現することが行われるケースが多いという実情に配慮したものである。
【0032】
同図に示すように、まず、ユーザは、複写対象となる複数枚からなる原稿を画像形成装置1のADF(図示せず)にセットし、続いてICカード20をカードリーダ11にセットする。カードリーダ11からの情報を受信しない限り、制御部10は入力部16を介したユーザからの複写命令等の操作を受け付けないようになっている。ICカード20から情報が抽出されると、制御部10はユーザ認証を行う。具体的には、読み出したユーザIDが、記憶部15に登録されているIDであるか否かを判定する。ユーザIDが登録されていることを確認すると、カードリーダ11から読み出した権限情報に基づき、複写元の原稿の複写禁止コードを複写先の原稿に反映させる権限があるか否かを判定する(S101)。
【0033】
IDが登録されていないかまたは権限がない場合は、制御部10は表示部17にその旨を表示する。すなわち、画像形成装置1は、このようなユーザに対しては複写元の原稿の複写禁止コードを複写先の原稿に反映させる処理を認めない。このように、複写禁止コードの付加を行う権限を有するユーザを一定の者に制限した理由は、後述するように、複写制限コードが付加されたページが含まれる原稿がコピーされると、ユーザに認められている付加パターンの内容によっては、複写された原稿に付加される複写禁止コードに記述される制限の内容が緩くなる場合があることを考慮したものである。なお、IDが登録されていないかまたは付加権限がない場合、原稿自体(=複写禁止コードを含まない原稿)の複写については、複写処理の対象となっている原稿のうち複写禁止コードの付加されていないページの原稿については複写を行ってもよいし、全てのページの原稿について複写を行わないようにしてもよい。
【0034】
ユーザ認証が完了すると、1枚目の原稿について原稿の読取り処理が行われ、原稿と複写禁止コードとが抽出される。制御部10は、抽出された原稿情報および複写禁止コードはそのまま印刷部13へ転送し、印刷処理が行われる。すなわち、1枚目の原稿については、元の複写禁止コードと同一の複写禁止コードが付加された状態で複写される(S102)。
【0035】
続いて、2枚目の原稿を読取り、複写禁止コードが付加されているか否かを判定する(S103)。付加されていた場合は(S103;Y)、そのまま複写禁止コードが原稿に付加された状態で複写を行う(S105)。付加されていなかった場合は(S103;N)、1枚目原稿から抽出された複写禁止コードを2枚目の原稿データに付加して印刷する(S104)。3枚目以降についても同様にして処理を行い、全ての用紙に対して複写処理が行われると当該原稿の複写が完了する(S106;Y)。
【0036】
以上の動作例によれば、複写元原稿の1枚目にしか複写禁止コードが印刷されていなくとも、複写された原稿の全ての用紙には当該複写禁止コードが付加される。これにより、複写元の原稿では可能であった行為(例えば第1枚目以外の原稿を個別にコピーしようとする行為)が複写された原稿に対してはできなくなる。すなわち、原稿の複写処理に伴って原稿の複製抑止効果が向上する。
【0037】
2−2.動作例2
次に、図4および図5(a)〜図5(f)を用いて、画像形成装置1の他の動作例について説明する。以下では、原稿が計4枚の用紙に印刷される場合について説明する。なお、図5(a)〜図5(f)において、左側が複写元の原稿、右側が複写先の原稿(複写結果)を表す。また、1〜4の数字はそれぞれ1枚目、2枚目、3枚目、4枚目の原稿を表す。なお、この枚数は、必ずしも原稿のページ数に一致するものである必要はなく、画像形成装置1のADF(図示せず)にセットされたときの順番、すなわちスキャンされる順番である。また、図中、白紙として表されている原稿は複写禁止コードが何も付加されていない原稿であることを表し、斜線等が描かれている用紙は何らかの複写禁止コードが付加された原稿であることを表す。
【0038】
まず、図4を用いて動作の概要を説明する。まず、カードリーダ11がICカード20から情報を読取ってユーザ認証を行う点は動作例1と同様である(S201)。以下、ユーザIDが登録済みで、付加権限を有していることが確認されたものとする。また、読取った情報に含まれていた付加パターンが記憶部15へ記憶される。続いて、画像形成装置1は、1枚目から順に原稿の読取りを開始する。まず1枚目の原稿について読取りを行う(S202)。このとき複写禁止コードが付加されていれば、当該複写禁止コードも抽出される。そして、S201で抽出された付加パターンと、1枚目の複写禁止コードの情報(複写禁止コードが抽出されなかった場合は複写禁止コードが抽出されないという事実、複写禁止コードが抽出された場合はその複写禁止コードの内容)とに基づき、1枚目の原稿の複写先に付加すべき複写禁止コードの内容(以下、付加態様という)を決定する(S203)。そして、決定した付加態様を複写先の1枚目の原稿に付加する(S204)。このようにして、順次、各原稿に対して、付加態様の決定および決定した態様での複写禁止コード付加を行う。
【0039】
次に、上述した付加態様の決定の具体的な方法を、図5(a)〜図5(f)を用いて説明する。
まず図5(a)に示す付加処理の例について説明する。これは、複写元原稿の1枚目に複写禁止コードが付されており、2〜4枚目には複写禁止コードが付加されていない場合に、付加態様として付加パターンAに従って付加処理を行った結果を表したものである。付加パターンAとは、1枚目については同じ複写禁止コードを付加し、2枚目以降については、複写禁止コードが付加されていない場合に限り、1枚目と同じ複写禁止コードを付加するというものである。
すなわち、この場合、2枚目以降の全ての原稿については、1枚目に付加された複写禁止コードと同一の複写禁止コードを付加する。この結果、複写された原稿の全ての用紙には、同一のコードが付加されることになる。なお、この付加パターンAでは、1枚ずつ原稿の読取りを行って付加態様の決定処理と決定された態様での付加処理とを行うことができるが、全ての原稿(4枚分の原稿)をまとめて読み込んだ後、それぞれの原稿について付加態様を決定し、最後に複写禁止コードの付加処理を4枚分まとめて行ってもよい。
【0040】
次に図5(b)に示す例について説明する。これは、付加パターンAに従って付加処理を行う点では図5(a)と同じであるが、複写元の原稿の3枚目にも1枚目と同じコードが付加されている点において、図5(a)に示した例と異なる。付加パターンAが適用されると、3枚目については、複写元の3枚目の原稿に付されている複写禁止コードと同一の複写禁止コードが複写先の3枚目の原稿に付されるが、これは1枚目の複写禁止コードと同じであるから、結果的には、図5(a)と同様に、複写された原稿の全ての用紙に同一の複写禁止コードが付される。
なお、付加パターンAに従って処理を行う場合において、複数の原稿から異なるコードが検出された場合は、制御部10は、その検出された時点以降の複写処理を中止する。読取った複数の原稿に対して一括して付加態様の決定を行う動作態様の場合は、当該検出の時点で処理を中止すれば、複写禁止コードの付加処理(印刷)を実行しなくて済むので、不必要なトナーやインクが消費されることがない。
このようなエラー制御を行う理由は、例えば複写禁止コードがそもそも1種類しか存在しない場合は、複写禁止コードの読取りエラーが発生したと考えられるからである。あるいは、複写対象原稿には様々な複写禁止コードが含まれうる状況において、そのような異なる原稿をまとめて一度に複写されることを禁止したい場合は、この付加パターンAの適用が有効である。
【0041】
以上説明した通り、図5(a)または図5(b)の付加態様によれば、複写元原稿の一部の用紙にしか複写禁止コードが印刷されていなくとも、複写された原稿の全ての用紙には複写禁止コードが付加される。これにより、複写元の原稿では可能であった行為(例えば第1枚目以外を個別にコピーしようとする行為)が複写された原稿に対しては不可能となる。すなわち、複写処理に伴って原稿の複製抑制効果が向上する。
【0042】
次に図5(c)の例について説明する。この例は、付加パターンBに従って付加処理を行うものである。付加パターンBとは、2枚目以降のある原稿において、その前の原稿において抽出した複写禁止コードとは異なる複写禁止コードを抽出した場合に、当該原稿については、後に抽出した複写禁止コードの方を付加するというものである。また、複写禁止コードが抽出されなかった原稿については、読み取られた原稿のうちで最初に抽出された複写禁止コードを付加する。図5(c)においては、複写元の原稿において、1枚目と3枚目の原稿にそれぞれ複写禁止コードが付されているが、この2つの複写禁止コードの内容が異なっている。この状態は、典型的には、先頭のページのみに複写禁止コードが付加された1枚目、2枚目の計2枚からなる第1の原稿群と、同じ先頭のページのみに複写禁止コードが付加された3枚目と4枚目の計2枚からなる第2の原稿群とを束ねてADFにセットしたような場合に生じうる。
【0043】
このような複写元原稿に対して付加パターンBが適用されると、同図の右側に示す通りの結果となる。すなわち、2枚目の原稿については、元の原稿には複写禁止コードが何も付加されていないので、図5(a)または(b)の場合と同様、1枚目で検出された複写禁止コードと同一の複写禁止コードが付加される。続いて、3枚目の原稿の読取りが行われ、既に抽出された複写禁止コードとは異なる内容の複写禁止コードを抽出すると、3枚目の原稿に付加されていた複写禁止コードを付加する。4枚目については、2枚目と同様に、1枚目に検出されたコードと同一のコードが付加される。
この結果、複写先原稿においては2種類の複写禁止コードが付加されることになる。2枚目と4枚目について複写禁止コードが新たに付与されるので、これらの原稿を単独でコピーしようとするような行為を防止することができるという点で、複製禁止効果が向上する。また、3枚目については、元の複写禁止情報が複写先の原稿についても保持される。
【0044】
図5(d)〜図5(f)の例は、原稿ごとに付加方法を順次決定していくのではなく、複写対象の全ての原稿群(同図においては1枚目〜4枚目)を読み込み、複写禁止コードを抽出し、抽出した全てのコードに基づき付加態様を決定する方式を採用する。
まず図5(d)の例について説明する。この例は、図5(c)と同じように2種類以上の複写禁止コードが含まれている複写元原稿に対し、付加パターンCに従って処理を行った場合を表している。付加パターンCとは、複写元原稿に複写禁止コードが付されている原稿についてはそのまま同一のコードを付加する一方、コードが付されていないものについては、制御部10が、抽出した全ての複写禁止コードを合成して新たなコードを生成して付加するという処理である。この結果、同図に示すように、複写先の2枚目と4枚目の原稿には、抽出されたコードとは異なるコードがそれぞれ付加される。
ここで、コードを「合成する」とは、例えば、複写禁止コード1および2がそれぞれ1枚目と3枚目から抽出され、複写禁止コード1が複写許可対象のユーザをユーザ群Aに制限するという内容であり、複写禁止コード2が複写許可対象のユーザをユーザ群Bに制限するという内容であった場合、合成される複写禁止コードは、ユーザ群Aまたはユーザ群Bのいずれかに属するユーザに複写を許可するという内容となる。もっとも、複写禁止コードの合成方法はこのようなにもの限らず、他の既存のアルゴリズムを用いることも可能である。
【0045】
次に、図5(e)の例について説明する。この例は、図5(d)と同じように2種類以上の複写禁止コードが含まれている複写元原稿に対し、付加パターンDに従って処理を行った場合を表している。付加パターンDとは、複写元原稿に複写禁止コードが付されている原稿についてはそのまま同一の複写禁止コードを付加する一方、複写禁止コードが付されていないものについては、制御部10が、抽出した全ての複写禁止コードを比較し、最も複写禁止の内容が厳しい複写禁止コードを一つ特定し、該特定した複写禁止コードを付与するというものである。
同図に示す例においては、1枚目に付されていた複写禁止コードと3枚目に付された複写禁止コードとが比較された結果、後者の方が最も禁止の内容が厳しいと特定され、2枚目および4枚目の原稿に対し、3枚目に付された複写禁止コードが付加されている。
ここで、最も複写禁止の内容が厳しいコードであるか否かの判定は、例えば、複写を許可するユーザの人数の多さに基づいて行う。具体的には、複写禁止コード1および2がそれぞれ1枚目と3枚目から抽出され、複写禁止コード1が複写許可対象のユーザが10人であり、複写禁止コード2が複写許可対象のユーザが5人であるという内容であった場合、複写禁止コード2が選択される。ただし、複数のなかから一の複写禁止コードを特定する方法はこれに限らず、他のアルゴリズムに従ってもよい。あるいは、逆に、最も禁止の内容が緩やかなコードを特定・付加してもよい。
【0046】
次に、図5(f)の例について説明する。この例は、図5(d)と同じように2種類以上の複写禁止コードが含まれている複写元原稿に対し、付加パターンEに従って処理を行った場合を表している。付加パターンEとは、複写元原稿に複写禁止コードが付されているか否かに関わらず、上述した複写禁止コードの合成を行って、複写先の全ての原稿に対し、このコードを付加するというものである。
この処理の結果、同図に示すように、複写先の原稿には全て同一のコードが付される。なお、上述の通り、合成の方法は任意である。例えば、複写禁止コード1および2が抽出され、複写禁止コード1が複写許可対象のユーザをユーザ群Aに制限するという内容であり、複写禁止コード2が複写許可対象のユーザをユーザ群Bに制限するという内容であった場合、ユーザAまたはBのいずれかに複写を許可するという内容の複写禁止コードを生成する。この場合、2枚目および4枚目については複写制限が新たに課せられるので複写防止の効果が向上する一方、1枚目および4枚目については複写制限が実質的に緩和され、ユーザ群AおよびBのいずれのユーザに対しても原稿全体の複写を許容させることが可能となる。
【0047】
<他の実施例>
本発明は、上述した実施例に限らず、例えば以下に示すような変形を行うことが可能である。
【0048】
複写禁止コードは必ずしも原稿に付加されている必要はなく、原稿とは別途独立に取得されるものであってもよい。例えば、原稿が印刷されていない状態の用紙に、複写禁止コードのみを印刷したもの(以下、コピー禁止シートという)を導入してもよい。
【0049】
コピー禁止シート活用して複写制限を実現する方法としては、例えば以下のような方法が考えられる。画像形成装置1はユーザから複写の指示を受けると、ユーザ認証後に、コピー禁止シートを要求するメッセージを表示する。ユーザは画像形成装置1の管理者から予め配布されているコピー禁止シートをプラテンガラスにセットする。コピー禁止シートがスキャンされ、複写禁止コードが抽出されると、上述した複写禁止コードの決定および付加が開始される。
【0050】
また、ICカード20の機能とコピー禁止の機能が統合された記憶媒体ないしは用紙を導入してもよい。具体的には、コピー禁止シートにユーザID、付加権限、付加パターン、および少なくとも1つの複写禁止コードを記録しておき、画像形成装置1にこの情報を読取らせ、付加パターンと複写禁止コードとに基づいて付加態様を決定されるようにすればよい。
【0051】
上述した実施例においては、複写(用紙への印刷)を行う場合について説明したが、読取った複写元原稿(および付されている複写禁止コード)をビットマップ等のデータとして画像形成装置1の記憶部15へ記憶し、外部装置への転送する処理に対して、上述した複写禁止コードのような原稿の出力を制限する情報の付加を実行してもよい。具体的には、記憶部15への格納や外部装置への転送がユーザにより指示された場合は、画像形成装置1はICカード20やコピー禁止シートに記憶された情報を要求し、当該情報に基づいて記憶(または転送)される元の原稿データに付加すべき複写禁止コードの決定・付加を実行した後、記憶(または転送)を行うようにすればよい。
【0052】
また、ICカード20に記憶される付加パターンは一つに限らず、複数記憶されてもよい。例えば付加パターンA、C、Dが記憶されていることを画像形成装置1が認識した場合、その3つが選択可能である旨を表示部17に表示し、ユーザにそのうちの一つを選択するように促す。あるいは、付加パターンについては、ICカード20等の外部記憶媒体に記憶しておくのではなく、複写指示の度にユーザが入力部16を介して付加パターンを入力してもよい。
【0053】
また、一人のユーザが、複数の複写禁止コードまたは付加パターン(あるいはその両方)やコピー禁止シートを複数有していてもよい。この場合、例えば、複数のコピー禁止シートを全て画像形成装置1に読み込ませ、制御部10が、付加パターンおよび複写禁止コードの内容の少なくともいずれかを解析し、複写処理に用いるべき付加パターンおよび複写禁止コードの少なくともいずれかを所定のアルゴリズムに従って決定してもよい。
【0054】
上述した実施例においては、読取り処理、付加態様の決定処理、付加処理を1枚ずつ順次行う動作態様(以下、動作モード1という)と、一度にまとめて行う動作態様(以下、動作モード2という)とについて説明したが、図5(a)〜図5(c)に示す動作例のように、どちらの態様も適用可能である付加パターンを使用する場合は、画像形成装置1は、その旨を表示部17に表示し、ユーザが所望する動作態様を選択するのかを指定させてもよい。あるいは、この動作態様を指定する情報を原稿の先頭(1枚目)、ICカード20、またはコピー禁止シートに記憶させておき、画像形成装置1がこの情報を読取って動作態様を設定してもよい。
【0055】
また、ユーザが指示した複写部数に応じて、制御部10がこの動作態様を設定してもよい。例えば、複写枚数が一部の場合は動作モード1に設定し、複写部数が2部以上の場合は動作モード2に設定する。
【0056】
また、画像形成装置1は、先頭原稿(1枚目)から複写禁止コードを抽出した場合に、2枚目以降の複写禁止情報の有無に関わらず、付加パターンA(1枚目の複写禁止コードを他の全ての原稿に付加する態様)を選択する一方、1枚目から複写禁止コードが抽出されなかった場合は、ICカード20等に記憶された付加パターンに従って付加処理を行ってもよい。
【0057】
上述した機能を画像形成装置1によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FDD(Flexible Disk Drive))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットのような ネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】画像形成装置1の機能ブロック図である。
【図2】ICカード20に記憶される情報を表す図である。
【図3】画像形成装置1の動作例を表す図である。
【図4】画像形成装置1の他の動作例を表す図である。
【図5(a)】複写禁止コードの付加態様の一例である。
【図5(b)】複写禁止コードの付加態様の他の一例である。
【図5(c)】複写禁止コードの付加態様のさらに他の一例である。
【図5(d)】複写禁止コードの付加態様のさらに他の一例である。
【図5(e)】複写禁止コードの付加態様のさらに他の一例である。
【図5(f)】複写禁止コードの付加態様のさらに他の一例である。
【符号の説明】
【0059】
1・・・画像形成装置、10・・・制御部、11・・・カードリーダ、12・・・画像形成部、13・・・印刷部、14・・・通信部、15・・記憶部、16・・・入力部、17・・・表示部、18・・・バス、20・・・ICカード。
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿に複写制限情報を付与する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複写禁止となる原稿について、所定のコードやこのコードに基づき生成された画像等を原稿とともに用紙に印刷しておき、ユーザがこの原稿をコピーしようとして複写元の原稿が印刷された用紙を複写機にセットすると、複写機が原稿とともにこの情報を読取ってこの原稿が複写禁止対象であることを認識し、この原稿に係る複写処理が中止されるという仕組みが提案されている(特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2002−305646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、コピー処理の対象となる一つの原稿が複数の用紙に印刷されている場合、ユーザは、手間を省くため、自動紙送り装置(ADF)等に複数枚の用紙をセットし、これらをまとめてコピーするように複写機に指示するという形態が一般的である。ところが、複写対象の用紙の全てに同じ内容のコードが付加されているとは限らない。本発明は、複写対象の原稿の枚数に関わらず、複写元の原稿に付加されていた複写制限に関する情報を、複写先の原稿に反映させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、複写制限情報を取得する取得手段と、前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについて、前記取得手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段とを有すること特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の発明は、複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについて、前記抽出手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段とを有することを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の発明は、複写制限情報を複写原稿に付加する態様を表す付加態様情報を取得する取得手段と、複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、前記取得手段にて取得された付加態様情報と前記抽出手段にて抽出された複写制限情報とに基づいた複写制限情報を複写原稿に付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段とを有することを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記第2生成手段は、前記被複写原稿のうち複写制限情報が付加されていないものに対し、前記第1生成手段にて最初に読取られた被複写原稿に付加されていた複写禁止情報を付加することを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記抽出手段にて異なる複数の複写制限情報が抽出された場合、前記第2生成手段は、前記付加態様情報と前記複写制限情報とに基づいて新たな複写制限情報を生成し、該生成された複写制限情報を前記複写原稿に付加することを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記抽出手段にて異なる複数の複写制限情報が抽出された場合、前記第2生成手段は、一つの複写制限情報を選択し、該選択された複写制限情報を前記複写原稿に付加することを特徴とする。
【0010】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の構成において、前記第2生成手段は、前記被複写原稿のうち複写制限情報が付加されていないものについてのみ、複写制限情報の付加を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項8に記載の発明は、請求項5ないし7のいずれか1つの記載の構成において、前記第2生成手段は、前記被複写原稿のうち複写制限情報が付加されているものについては、当該複写制限情報をそのまま対応する複写原稿に付加する。
【0012】
請求項9に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記取得手段は外部記憶媒体に記憶された前記付加態様情報を読み出す手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項10に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、表示部と入力部とを更に有し、前記取得手段にて前記付加態様情報が複数取得された場合、前記第2生成部は、その旨を前記表示部に表示し、前記入力部から入力された情報に基づいて、一の前記付加態様情報を決定することを特徴とする。
【0014】
請求項11に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記第2生成手段は、前記複数の被複写原稿の読取りと前記複写制限情報の抽出とを前記複数の原稿に対して一括して行った後、前記複写原稿の原稿情報の生成を行う第1の動作態様と、前記被複写原稿の読取り、前記複写制限情報の抽出、および前記複写原稿の原稿情報の生成を原稿ごとに実行する第2の動作態様とのいずれかを採用するかを決定することを特徴とする。
【0015】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の構成において、前記第2生成手段は複写部数に応じて前記第1の動作態様または第2の動作態様を選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1または13に記載の発明によれば、複写処理にともない、複写制限情報が付されていない原稿に複写制限情報が付加される。
請求項2または14に記載の発明によれば、複写処理にともない、複写制限情報が付されていない原稿に、他の原稿に付加されていた複写制限情報が付加される。
請求項3または15に記載の発明によれば、複写処理にともない、取得手段にて取得された付加態様情報と抽出手段にて抽出された複写制限情報と基づいた複写制限情報が付加される。
請求項4に記載の発明によれば、複写処理にともない、被複写原稿のうち複写制限情報が付加されていないものに対し、最初に読取られた被複写原稿に付加されていた複写禁止情報が付加される。
請求項5に記載の発明によれば、複写処理にともない、付加態様情報と前記複写制限情報とに基づいて新たな複写制限情報が生成され付加される。
請求項6に記載の発明によれば、複写処理にともない、異なる複数の複写制限情報が抽出された場合、一つの複写制限情報が選択され付加される。
請求項7に記載の発明によれば、被複写原稿のうち複写制限情報が付加されていないものについて、選択的に複写制限情報が付加される。
請求項8に記載の発明によれば、被複写原稿のうち複写制限情報が付加されているものについては、当該複写制限情報が保持される。
請求項9に記載の発明によれば、付加態様情報を外部記憶媒体から取得することができる。
請求項10に記載の発明によれば、付加態様情報が複数取得されたことを提示し、ユーザが一の前記付加態様情報を選択することができる。
請求項11または12に記載の発明によれば、画像形成装置の複写処理に係る動作態様を選択的に決定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<実施例>
1.構成
図1は、本発明の一実施例に係る画像形成装置1の機能ブロック図である。
同図に示すように、画像形成装置1は、制御部10、カードリーダ11、画像形成部12、印刷部13、通信部14、記憶部15、入力部16、表示部17およびバス18から構成される。
【0018】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、第1の機能として、バス18を介して、カードリーダ11、画像形成部12、印刷部13、通信部14、記憶部15、入力部16、表示部17との間で信号の授受を行い、これら各部を制御する。第2の機能として、複写元の原稿(被複写原稿)に付加されていた複写禁止コードと、これ以外の情報(記憶部15に記憶された情報、カードリーダ11や入力部16から入力された情報の少なくともいずれか)とに基づき、複写先の原稿(複写原稿)に付加すべき複写禁止コードを決定する。複写禁止コードの生成方法や付加方法の詳細については後述する。
なお、以下において「原稿」とは、所定の方法を用いて一枚のシート状の記録材(用紙)に形成(印刷)された情報の内容またはその情報が印刷された状態の用紙を指す。なお、この情報は、文字情報だけでなく画像情報も含む概念である。
【0019】
カードリーダ11は、ICカード20に記録された情報を読取る装置である。具体的には、ICカード20の挿入口とデータ転送回路(図示せず)とを備えており、ICカード20がカードリーダ11に挿入されると、ICカード20に記憶されている情報を読み出す。読み出した情報は記憶部15へ転送される。
【0020】
画像形成部12は、大別するとスキャナ部(図示省略)と画像処理プロセッサ(図示省略)とからなり、制御部10の制御の下、原稿の複写処理および複写禁止コードの生成および付加を行う。具体的には、スキャナ部で原稿を読取り、原稿情報をビットマップデータ等の画像データとして保存し、この原稿情報を必要に応じて印刷部13または通信部14に出力する。なお、複写禁止コードが原稿に付加されている場合、原稿情報とともに複写禁止コードを抽出し、制御部10へ送信する。また、各用紙に対し制御部から複写禁止コードを付加する要求を制御部10から受けると、各用紙について、当該用紙に印刷すべき原稿の原稿情報に当該複写禁止コードを付加して、印刷部13または通信部14に出力する。より具体的には、以下の通りである。
【0021】
スキャナ部は、図示せぬ光学系(光源、結像レンズ)、駆動系(ラインセンサ)および用紙搬送機構を有する。光源は例えば蛍光ランプであり、可視画像が形成された用紙(つまり原稿)に光を照射する。結像レンズは、被撮像物からの反射光をラインセンサの位置に結像する。ラインセンサは、用紙に対して所定の走査方向に従って走査されるものであって、結像された光を受光しその光に応じた画像信号を生成して出力する。例えば、ラインセンサは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色にて撮像可能な撮像素子を備え、これら3色の画像信号を生成する。そして、画像処理プロセッサは、画像信号に対してA/D変換およびシェーディング補正等の処理を施して、用紙の一面に対応する画像情報を生成する。生成される画像情報のサイズや階調は任意であるが、例えばA4サイズ(210mm×297mm)を1インチ当たり600ドット(画素)の入力解像度で読取り、各ドットが8ビットの階調(256階調)を示すデータであるとする。画像処理プロセッサは、読取った原稿に所定の複写禁止コードが画像情報(地紋)として付されている場合、これを抽出する。具体的には、スキャン処理によって取得したビットマップデータに対して処理の画像解析処理を行い、原稿に付加されている地紋画像データを判別し、地紋データに対応する複写禁止コードを特定する。特定されたコードは制御部10へ供給され、その記述内容が解釈される。
【0022】
なお、複写禁止コードの原稿への埋め込み方法は任意であるが、読者が原稿の読取りに不都合とならない程度で、且つ原稿がスキャン処理された場合に複写禁止コードの読取り漏れがなるべく発生しないような態様であることが好ましい。また、複写元の原稿に付加されたコードをそのまま複写先の原稿に付加する場合であっても、複写禁止コードのフォーマットを同一にする必要は必ずしもない。要は、制御部10は、複写元の原稿の少なくとも1枚の用紙に付加されていた複写禁止コードに基づいて、複写先の原稿を構成する全ての用紙に付加すべき情報(複写禁止コード)を決定する。
【0023】
また、複写禁止コードの記述内容については任意である。例えば、複写禁止コードには、原稿の識別IDと当該原稿の複写の禁止または許可を表すフラグ情報とが内包される。あるいは、単に複写の禁止/許可だけではなく、複写を禁止または許可する対象のユーザに関する情報や、複写の枚数や実行時間等を制限する情報であってもよい。あるいは、出力の態様(用紙への印字や原稿情報のコピー(転送)など)に関する制限の内容を記述する情報であってもよい。要するに、複写禁止コードとは、画像形成装置が行う複写元の原稿に対する出力処理の内容を記述した情報である。
【0024】
印刷部13は、図示せぬ画像形成ユニットを有し、制御部10の制御の下、画像形成部12にて生成された画像データに従って用紙への印刷処理を行う。画像形成ユニットは、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色トナー毎に設けられ、その各々が、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、転写部を有する(いずれも図示省略)。感光体ドラムは、軸を中心にして所定の速度で周回するドラム状の部材であり、帯電部によって所定の電位に帯電される。露光部は、帯電した感光体ドラムにレーザ光を照射して静電潜像を形成する。現像部は、感光体ドラムに形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する。転写部は、感光体ドラムに現像された各色のトナー像を、給紙トレイから画像の形成にあわせて搬送される原稿に転写する。用紙上のトナー像が定着されたら、用紙は装置外へ排出される。画像形成部12から供給される画像データが原稿に複写禁止コードを埋め込んだものである場合は、原稿(テキスト、画像、図表など)と複写禁止コードを反映した地紋等の画像とが用紙に印刷されることになる。
【0025】
なお、本実施例においては、原稿は用紙の片面のみに印刷されている場合を想定しているが、両面に印刷されている場合にも対応可能である。具体的には、画像形成部12に用紙を反転する搬送機構を設け、片面の読取り処理が終わると用紙を反転させて裏面の読取り処理を行うようにする。
【0026】
通信部14は、ネットワークインタフェースであって、画像形成部12にて生成された画像データを他の装置へ送信する。
【0027】
記憶部15は、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置であって、制御部10のワークエリアとして用いられ、画像形成装置1を動作させるプログラムが記憶されている他、カードリーダ11から読取ったデータ、画像形成部12から出力された原稿情報や複写禁止情報、入力部16から入力された各種情報を記憶する。また、記憶部15にはICカード20の所有者が予め登録されている。
【0028】
入力部16は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスを備え、ユーザは入力部16を介して画像形成装置1に対し複写等の各種命令を行うとともに、複写等に関連した条件やパラメータ等の情報(例えば複写の部数や割付方法など)を入力することができるようになっている。加えて、ユーザが複写禁止コードを付加する付加パターンを選択する権限を有している場合、ユーザが所望する一の付加態様に関する情報を入力することができるようになっている。
【0029】
表示部17は、液晶ディスプレイ等であって、ユーザに入力部16から各種情報や命令を入力させるためのガイド表示を行う。
【0030】
ICカード20は、ICチップ等の半導体記憶素子と外部とのデータ転送を担うプロセッサとを有する情報記録媒体である。ICカード20は、ユーザが画像形成装置1で複写を実行させるために必要なものであり、例えば画像形成装置1の管理者が各ユーザに対して1枚ずつ発行する。図2は、ICカード20に記憶される情報を表す図である。同図の(a)に示すように、ICカード20には、ユーザを識別するユーザID、複写元の原稿に付加された複写禁止コードを複写先の原稿に反映させる権限(以下、付加権限という)を有するか否かを表す情報、および当該権限を有する場合に、当該ユーザに認められている、複写禁止コードの付加態様を記述する情報(以下、付加パターンという)が含まれる。同図の(b)は、あるユーザの有するICカード20に記憶される情報の一例を示す。このユーザは、01234のユーザIDで識別され、複写元の原稿に付加された複写禁止コードを複写先の原稿に反映させる権限を有しており、付加パターンCで複写禁止コードを付加することが認められていることを表している。この付加パターンの内容について後述する。なお、ICカード20は可搬性のある外部記憶媒体の一例であり、情報の記録態様はこれに限定されず、磁気カードなどの他の媒体を用いてもよい。
【0031】
2.動作
2−1.動作例1
図3は画像形成装置1の動作の一例を表す図である。なお、この例では、少なくとも先頭(第1枚目)の原稿には複写禁止コードが含まれているが、2枚目以降については複写禁止コードが含まれているか否かはユーザが視認できないものとする。これは、最初のページには複写禁止コードを付加しておき他のページには付加しないようにすることで、印刷コストの低減を図りつつ原稿全体の複写禁止を実現することが行われるケースが多いという実情に配慮したものである。
【0032】
同図に示すように、まず、ユーザは、複写対象となる複数枚からなる原稿を画像形成装置1のADF(図示せず)にセットし、続いてICカード20をカードリーダ11にセットする。カードリーダ11からの情報を受信しない限り、制御部10は入力部16を介したユーザからの複写命令等の操作を受け付けないようになっている。ICカード20から情報が抽出されると、制御部10はユーザ認証を行う。具体的には、読み出したユーザIDが、記憶部15に登録されているIDであるか否かを判定する。ユーザIDが登録されていることを確認すると、カードリーダ11から読み出した権限情報に基づき、複写元の原稿の複写禁止コードを複写先の原稿に反映させる権限があるか否かを判定する(S101)。
【0033】
IDが登録されていないかまたは権限がない場合は、制御部10は表示部17にその旨を表示する。すなわち、画像形成装置1は、このようなユーザに対しては複写元の原稿の複写禁止コードを複写先の原稿に反映させる処理を認めない。このように、複写禁止コードの付加を行う権限を有するユーザを一定の者に制限した理由は、後述するように、複写制限コードが付加されたページが含まれる原稿がコピーされると、ユーザに認められている付加パターンの内容によっては、複写された原稿に付加される複写禁止コードに記述される制限の内容が緩くなる場合があることを考慮したものである。なお、IDが登録されていないかまたは付加権限がない場合、原稿自体(=複写禁止コードを含まない原稿)の複写については、複写処理の対象となっている原稿のうち複写禁止コードの付加されていないページの原稿については複写を行ってもよいし、全てのページの原稿について複写を行わないようにしてもよい。
【0034】
ユーザ認証が完了すると、1枚目の原稿について原稿の読取り処理が行われ、原稿と複写禁止コードとが抽出される。制御部10は、抽出された原稿情報および複写禁止コードはそのまま印刷部13へ転送し、印刷処理が行われる。すなわち、1枚目の原稿については、元の複写禁止コードと同一の複写禁止コードが付加された状態で複写される(S102)。
【0035】
続いて、2枚目の原稿を読取り、複写禁止コードが付加されているか否かを判定する(S103)。付加されていた場合は(S103;Y)、そのまま複写禁止コードが原稿に付加された状態で複写を行う(S105)。付加されていなかった場合は(S103;N)、1枚目原稿から抽出された複写禁止コードを2枚目の原稿データに付加して印刷する(S104)。3枚目以降についても同様にして処理を行い、全ての用紙に対して複写処理が行われると当該原稿の複写が完了する(S106;Y)。
【0036】
以上の動作例によれば、複写元原稿の1枚目にしか複写禁止コードが印刷されていなくとも、複写された原稿の全ての用紙には当該複写禁止コードが付加される。これにより、複写元の原稿では可能であった行為(例えば第1枚目以外の原稿を個別にコピーしようとする行為)が複写された原稿に対してはできなくなる。すなわち、原稿の複写処理に伴って原稿の複製抑止効果が向上する。
【0037】
2−2.動作例2
次に、図4および図5(a)〜図5(f)を用いて、画像形成装置1の他の動作例について説明する。以下では、原稿が計4枚の用紙に印刷される場合について説明する。なお、図5(a)〜図5(f)において、左側が複写元の原稿、右側が複写先の原稿(複写結果)を表す。また、1〜4の数字はそれぞれ1枚目、2枚目、3枚目、4枚目の原稿を表す。なお、この枚数は、必ずしも原稿のページ数に一致するものである必要はなく、画像形成装置1のADF(図示せず)にセットされたときの順番、すなわちスキャンされる順番である。また、図中、白紙として表されている原稿は複写禁止コードが何も付加されていない原稿であることを表し、斜線等が描かれている用紙は何らかの複写禁止コードが付加された原稿であることを表す。
【0038】
まず、図4を用いて動作の概要を説明する。まず、カードリーダ11がICカード20から情報を読取ってユーザ認証を行う点は動作例1と同様である(S201)。以下、ユーザIDが登録済みで、付加権限を有していることが確認されたものとする。また、読取った情報に含まれていた付加パターンが記憶部15へ記憶される。続いて、画像形成装置1は、1枚目から順に原稿の読取りを開始する。まず1枚目の原稿について読取りを行う(S202)。このとき複写禁止コードが付加されていれば、当該複写禁止コードも抽出される。そして、S201で抽出された付加パターンと、1枚目の複写禁止コードの情報(複写禁止コードが抽出されなかった場合は複写禁止コードが抽出されないという事実、複写禁止コードが抽出された場合はその複写禁止コードの内容)とに基づき、1枚目の原稿の複写先に付加すべき複写禁止コードの内容(以下、付加態様という)を決定する(S203)。そして、決定した付加態様を複写先の1枚目の原稿に付加する(S204)。このようにして、順次、各原稿に対して、付加態様の決定および決定した態様での複写禁止コード付加を行う。
【0039】
次に、上述した付加態様の決定の具体的な方法を、図5(a)〜図5(f)を用いて説明する。
まず図5(a)に示す付加処理の例について説明する。これは、複写元原稿の1枚目に複写禁止コードが付されており、2〜4枚目には複写禁止コードが付加されていない場合に、付加態様として付加パターンAに従って付加処理を行った結果を表したものである。付加パターンAとは、1枚目については同じ複写禁止コードを付加し、2枚目以降については、複写禁止コードが付加されていない場合に限り、1枚目と同じ複写禁止コードを付加するというものである。
すなわち、この場合、2枚目以降の全ての原稿については、1枚目に付加された複写禁止コードと同一の複写禁止コードを付加する。この結果、複写された原稿の全ての用紙には、同一のコードが付加されることになる。なお、この付加パターンAでは、1枚ずつ原稿の読取りを行って付加態様の決定処理と決定された態様での付加処理とを行うことができるが、全ての原稿(4枚分の原稿)をまとめて読み込んだ後、それぞれの原稿について付加態様を決定し、最後に複写禁止コードの付加処理を4枚分まとめて行ってもよい。
【0040】
次に図5(b)に示す例について説明する。これは、付加パターンAに従って付加処理を行う点では図5(a)と同じであるが、複写元の原稿の3枚目にも1枚目と同じコードが付加されている点において、図5(a)に示した例と異なる。付加パターンAが適用されると、3枚目については、複写元の3枚目の原稿に付されている複写禁止コードと同一の複写禁止コードが複写先の3枚目の原稿に付されるが、これは1枚目の複写禁止コードと同じであるから、結果的には、図5(a)と同様に、複写された原稿の全ての用紙に同一の複写禁止コードが付される。
なお、付加パターンAに従って処理を行う場合において、複数の原稿から異なるコードが検出された場合は、制御部10は、その検出された時点以降の複写処理を中止する。読取った複数の原稿に対して一括して付加態様の決定を行う動作態様の場合は、当該検出の時点で処理を中止すれば、複写禁止コードの付加処理(印刷)を実行しなくて済むので、不必要なトナーやインクが消費されることがない。
このようなエラー制御を行う理由は、例えば複写禁止コードがそもそも1種類しか存在しない場合は、複写禁止コードの読取りエラーが発生したと考えられるからである。あるいは、複写対象原稿には様々な複写禁止コードが含まれうる状況において、そのような異なる原稿をまとめて一度に複写されることを禁止したい場合は、この付加パターンAの適用が有効である。
【0041】
以上説明した通り、図5(a)または図5(b)の付加態様によれば、複写元原稿の一部の用紙にしか複写禁止コードが印刷されていなくとも、複写された原稿の全ての用紙には複写禁止コードが付加される。これにより、複写元の原稿では可能であった行為(例えば第1枚目以外を個別にコピーしようとする行為)が複写された原稿に対しては不可能となる。すなわち、複写処理に伴って原稿の複製抑制効果が向上する。
【0042】
次に図5(c)の例について説明する。この例は、付加パターンBに従って付加処理を行うものである。付加パターンBとは、2枚目以降のある原稿において、その前の原稿において抽出した複写禁止コードとは異なる複写禁止コードを抽出した場合に、当該原稿については、後に抽出した複写禁止コードの方を付加するというものである。また、複写禁止コードが抽出されなかった原稿については、読み取られた原稿のうちで最初に抽出された複写禁止コードを付加する。図5(c)においては、複写元の原稿において、1枚目と3枚目の原稿にそれぞれ複写禁止コードが付されているが、この2つの複写禁止コードの内容が異なっている。この状態は、典型的には、先頭のページのみに複写禁止コードが付加された1枚目、2枚目の計2枚からなる第1の原稿群と、同じ先頭のページのみに複写禁止コードが付加された3枚目と4枚目の計2枚からなる第2の原稿群とを束ねてADFにセットしたような場合に生じうる。
【0043】
このような複写元原稿に対して付加パターンBが適用されると、同図の右側に示す通りの結果となる。すなわち、2枚目の原稿については、元の原稿には複写禁止コードが何も付加されていないので、図5(a)または(b)の場合と同様、1枚目で検出された複写禁止コードと同一の複写禁止コードが付加される。続いて、3枚目の原稿の読取りが行われ、既に抽出された複写禁止コードとは異なる内容の複写禁止コードを抽出すると、3枚目の原稿に付加されていた複写禁止コードを付加する。4枚目については、2枚目と同様に、1枚目に検出されたコードと同一のコードが付加される。
この結果、複写先原稿においては2種類の複写禁止コードが付加されることになる。2枚目と4枚目について複写禁止コードが新たに付与されるので、これらの原稿を単独でコピーしようとするような行為を防止することができるという点で、複製禁止効果が向上する。また、3枚目については、元の複写禁止情報が複写先の原稿についても保持される。
【0044】
図5(d)〜図5(f)の例は、原稿ごとに付加方法を順次決定していくのではなく、複写対象の全ての原稿群(同図においては1枚目〜4枚目)を読み込み、複写禁止コードを抽出し、抽出した全てのコードに基づき付加態様を決定する方式を採用する。
まず図5(d)の例について説明する。この例は、図5(c)と同じように2種類以上の複写禁止コードが含まれている複写元原稿に対し、付加パターンCに従って処理を行った場合を表している。付加パターンCとは、複写元原稿に複写禁止コードが付されている原稿についてはそのまま同一のコードを付加する一方、コードが付されていないものについては、制御部10が、抽出した全ての複写禁止コードを合成して新たなコードを生成して付加するという処理である。この結果、同図に示すように、複写先の2枚目と4枚目の原稿には、抽出されたコードとは異なるコードがそれぞれ付加される。
ここで、コードを「合成する」とは、例えば、複写禁止コード1および2がそれぞれ1枚目と3枚目から抽出され、複写禁止コード1が複写許可対象のユーザをユーザ群Aに制限するという内容であり、複写禁止コード2が複写許可対象のユーザをユーザ群Bに制限するという内容であった場合、合成される複写禁止コードは、ユーザ群Aまたはユーザ群Bのいずれかに属するユーザに複写を許可するという内容となる。もっとも、複写禁止コードの合成方法はこのようなにもの限らず、他の既存のアルゴリズムを用いることも可能である。
【0045】
次に、図5(e)の例について説明する。この例は、図5(d)と同じように2種類以上の複写禁止コードが含まれている複写元原稿に対し、付加パターンDに従って処理を行った場合を表している。付加パターンDとは、複写元原稿に複写禁止コードが付されている原稿についてはそのまま同一の複写禁止コードを付加する一方、複写禁止コードが付されていないものについては、制御部10が、抽出した全ての複写禁止コードを比較し、最も複写禁止の内容が厳しい複写禁止コードを一つ特定し、該特定した複写禁止コードを付与するというものである。
同図に示す例においては、1枚目に付されていた複写禁止コードと3枚目に付された複写禁止コードとが比較された結果、後者の方が最も禁止の内容が厳しいと特定され、2枚目および4枚目の原稿に対し、3枚目に付された複写禁止コードが付加されている。
ここで、最も複写禁止の内容が厳しいコードであるか否かの判定は、例えば、複写を許可するユーザの人数の多さに基づいて行う。具体的には、複写禁止コード1および2がそれぞれ1枚目と3枚目から抽出され、複写禁止コード1が複写許可対象のユーザが10人であり、複写禁止コード2が複写許可対象のユーザが5人であるという内容であった場合、複写禁止コード2が選択される。ただし、複数のなかから一の複写禁止コードを特定する方法はこれに限らず、他のアルゴリズムに従ってもよい。あるいは、逆に、最も禁止の内容が緩やかなコードを特定・付加してもよい。
【0046】
次に、図5(f)の例について説明する。この例は、図5(d)と同じように2種類以上の複写禁止コードが含まれている複写元原稿に対し、付加パターンEに従って処理を行った場合を表している。付加パターンEとは、複写元原稿に複写禁止コードが付されているか否かに関わらず、上述した複写禁止コードの合成を行って、複写先の全ての原稿に対し、このコードを付加するというものである。
この処理の結果、同図に示すように、複写先の原稿には全て同一のコードが付される。なお、上述の通り、合成の方法は任意である。例えば、複写禁止コード1および2が抽出され、複写禁止コード1が複写許可対象のユーザをユーザ群Aに制限するという内容であり、複写禁止コード2が複写許可対象のユーザをユーザ群Bに制限するという内容であった場合、ユーザAまたはBのいずれかに複写を許可するという内容の複写禁止コードを生成する。この場合、2枚目および4枚目については複写制限が新たに課せられるので複写防止の効果が向上する一方、1枚目および4枚目については複写制限が実質的に緩和され、ユーザ群AおよびBのいずれのユーザに対しても原稿全体の複写を許容させることが可能となる。
【0047】
<他の実施例>
本発明は、上述した実施例に限らず、例えば以下に示すような変形を行うことが可能である。
【0048】
複写禁止コードは必ずしも原稿に付加されている必要はなく、原稿とは別途独立に取得されるものであってもよい。例えば、原稿が印刷されていない状態の用紙に、複写禁止コードのみを印刷したもの(以下、コピー禁止シートという)を導入してもよい。
【0049】
コピー禁止シート活用して複写制限を実現する方法としては、例えば以下のような方法が考えられる。画像形成装置1はユーザから複写の指示を受けると、ユーザ認証後に、コピー禁止シートを要求するメッセージを表示する。ユーザは画像形成装置1の管理者から予め配布されているコピー禁止シートをプラテンガラスにセットする。コピー禁止シートがスキャンされ、複写禁止コードが抽出されると、上述した複写禁止コードの決定および付加が開始される。
【0050】
また、ICカード20の機能とコピー禁止の機能が統合された記憶媒体ないしは用紙を導入してもよい。具体的には、コピー禁止シートにユーザID、付加権限、付加パターン、および少なくとも1つの複写禁止コードを記録しておき、画像形成装置1にこの情報を読取らせ、付加パターンと複写禁止コードとに基づいて付加態様を決定されるようにすればよい。
【0051】
上述した実施例においては、複写(用紙への印刷)を行う場合について説明したが、読取った複写元原稿(および付されている複写禁止コード)をビットマップ等のデータとして画像形成装置1の記憶部15へ記憶し、外部装置への転送する処理に対して、上述した複写禁止コードのような原稿の出力を制限する情報の付加を実行してもよい。具体的には、記憶部15への格納や外部装置への転送がユーザにより指示された場合は、画像形成装置1はICカード20やコピー禁止シートに記憶された情報を要求し、当該情報に基づいて記憶(または転送)される元の原稿データに付加すべき複写禁止コードの決定・付加を実行した後、記憶(または転送)を行うようにすればよい。
【0052】
また、ICカード20に記憶される付加パターンは一つに限らず、複数記憶されてもよい。例えば付加パターンA、C、Dが記憶されていることを画像形成装置1が認識した場合、その3つが選択可能である旨を表示部17に表示し、ユーザにそのうちの一つを選択するように促す。あるいは、付加パターンについては、ICカード20等の外部記憶媒体に記憶しておくのではなく、複写指示の度にユーザが入力部16を介して付加パターンを入力してもよい。
【0053】
また、一人のユーザが、複数の複写禁止コードまたは付加パターン(あるいはその両方)やコピー禁止シートを複数有していてもよい。この場合、例えば、複数のコピー禁止シートを全て画像形成装置1に読み込ませ、制御部10が、付加パターンおよび複写禁止コードの内容の少なくともいずれかを解析し、複写処理に用いるべき付加パターンおよび複写禁止コードの少なくともいずれかを所定のアルゴリズムに従って決定してもよい。
【0054】
上述した実施例においては、読取り処理、付加態様の決定処理、付加処理を1枚ずつ順次行う動作態様(以下、動作モード1という)と、一度にまとめて行う動作態様(以下、動作モード2という)とについて説明したが、図5(a)〜図5(c)に示す動作例のように、どちらの態様も適用可能である付加パターンを使用する場合は、画像形成装置1は、その旨を表示部17に表示し、ユーザが所望する動作態様を選択するのかを指定させてもよい。あるいは、この動作態様を指定する情報を原稿の先頭(1枚目)、ICカード20、またはコピー禁止シートに記憶させておき、画像形成装置1がこの情報を読取って動作態様を設定してもよい。
【0055】
また、ユーザが指示した複写部数に応じて、制御部10がこの動作態様を設定してもよい。例えば、複写枚数が一部の場合は動作モード1に設定し、複写部数が2部以上の場合は動作モード2に設定する。
【0056】
また、画像形成装置1は、先頭原稿(1枚目)から複写禁止コードを抽出した場合に、2枚目以降の複写禁止情報の有無に関わらず、付加パターンA(1枚目の複写禁止コードを他の全ての原稿に付加する態様)を選択する一方、1枚目から複写禁止コードが抽出されなかった場合は、ICカード20等に記憶された付加パターンに従って付加処理を行ってもよい。
【0057】
上述した機能を画像形成装置1によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FDD(Flexible Disk Drive))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットのような ネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】画像形成装置1の機能ブロック図である。
【図2】ICカード20に記憶される情報を表す図である。
【図3】画像形成装置1の動作例を表す図である。
【図4】画像形成装置1の他の動作例を表す図である。
【図5(a)】複写禁止コードの付加態様の一例である。
【図5(b)】複写禁止コードの付加態様の他の一例である。
【図5(c)】複写禁止コードの付加態様のさらに他の一例である。
【図5(d)】複写禁止コードの付加態様のさらに他の一例である。
【図5(e)】複写禁止コードの付加態様のさらに他の一例である。
【図5(f)】複写禁止コードの付加態様のさらに他の一例である。
【符号の説明】
【0059】
1・・・画像形成装置、10・・・制御部、11・・・カードリーダ、12・・・画像形成部、13・・・印刷部、14・・・通信部、15・・記憶部、16・・・入力部、17・・・表示部、18・・・バス、20・・・ICカード。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、
複写制限情報を取得する取得手段と、
前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについて、前記取得手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段と
を有する画像形成装置。
【請求項2】
複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、
前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、
前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについて、前記抽出手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段と
を有する画像形成装置。
【請求項3】
複写制限情報を複写原稿に付加する態様を表す付加態様情報を取得する取得手段と、
複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、
前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、
前記取得手段にて取得された付加態様情報と前記抽出手段にて抽出された複写制限情報とに基づいた複写制限情報を複写原稿に付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段と
を有する画像形成装置。
【請求項4】
前記第2生成手段は、前記被複写原稿のうち複写制限情報が付加されていないものに対し、前記第1生成手段にて最初に読取られた被複写原稿に付加されていた複写禁止情報を付加する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記抽出手段にて異なる複数の複写制限情報が抽出された場合、前記第2生成手段は、前記付加態様情報と前記複写制限情報とに基づいて新たな複写制限情報を生成し、該生成された複写制限情報を前記複写原稿に付加する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記抽出手段にて異なる複数の複写制限情報が抽出された場合、前記第2生成手段は、一つの複写制限情報を選択し、該選択された複写制限情報を前記複写原稿に付加する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2生成手段は、前記被複写原稿のうち複写制限情報が付加されていないものについてのみ、複写制限情報の付加を行う
ことを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2生成手段は、前記被複写原稿のうち複写制限情報が付加されているものについては、当該複写制限情報をそのまま対応する複写原稿に付加する
ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記取得手段は外部記憶媒体に記憶された前記付加態様情報を読み出す手段を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
表示部と入力部とを更に有し、
前記取得手段にて前記付加態様情報が複数取得された場合、前記第2生成部は、その旨を前記表示部に表示し、前記入力部から入力された情報に基づいて一の前記付加態様情報を決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第2生成手段は、前記複数の被複写原稿の読取りと前記複写制限情報の抽出とを前記複数の原稿に対して一括して行った後、前記複写原稿の原稿情報の生成を行う第1の動作態様と、前記被複写原稿の読取り、前記複写制限情報の抽出、および前記複写原稿の原稿情報の生成を、原稿ごとに実行する第2の動作態様とのいずれか採用するかを決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第2生成手段は、複写部数に応じて前記第1の動作態様または第2の動作態様を選択する
ことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
コンピュータを
複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、
複写制限情報を取得する取得手段と、
前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについて、前記取得手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段と
して機能させるプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、
前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、
前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについて、前記抽出手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段と
して機能させるプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
複写制限情報を複写原稿に付加する態様を表す付加態様情報を取得する取得手段と、
複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、
前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、
前記取得手段にて取得された付加態様情報と前記抽出手段にて抽出された複写制限情報と基づいた複写制限情報を複写原稿に付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段と
して機能させるプログラム。
【請求項1】
複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、
複写制限情報を取得する取得手段と、
前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについて、前記取得手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段と
を有する画像形成装置。
【請求項2】
複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、
前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、
前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについて、前記抽出手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段と
を有する画像形成装置。
【請求項3】
複写制限情報を複写原稿に付加する態様を表す付加態様情報を取得する取得手段と、
複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、
前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、
前記取得手段にて取得された付加態様情報と前記抽出手段にて抽出された複写制限情報とに基づいた複写制限情報を複写原稿に付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段と
を有する画像形成装置。
【請求項4】
前記第2生成手段は、前記被複写原稿のうち複写制限情報が付加されていないものに対し、前記第1生成手段にて最初に読取られた被複写原稿に付加されていた複写禁止情報を付加する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記抽出手段にて異なる複数の複写制限情報が抽出された場合、前記第2生成手段は、前記付加態様情報と前記複写制限情報とに基づいて新たな複写制限情報を生成し、該生成された複写制限情報を前記複写原稿に付加する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記抽出手段にて異なる複数の複写制限情報が抽出された場合、前記第2生成手段は、一つの複写制限情報を選択し、該選択された複写制限情報を前記複写原稿に付加する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2生成手段は、前記被複写原稿のうち複写制限情報が付加されていないものについてのみ、複写制限情報の付加を行う
ことを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2生成手段は、前記被複写原稿のうち複写制限情報が付加されているものについては、当該複写制限情報をそのまま対応する複写原稿に付加する
ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記取得手段は外部記憶媒体に記憶された前記付加態様情報を読み出す手段を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
表示部と入力部とを更に有し、
前記取得手段にて前記付加態様情報が複数取得された場合、前記第2生成部は、その旨を前記表示部に表示し、前記入力部から入力された情報に基づいて一の前記付加態様情報を決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第2生成手段は、前記複数の被複写原稿の読取りと前記複写制限情報の抽出とを前記複数の原稿に対して一括して行った後、前記複写原稿の原稿情報の生成を行う第1の動作態様と、前記被複写原稿の読取り、前記複写制限情報の抽出、および前記複写原稿の原稿情報の生成を、原稿ごとに実行する第2の動作態様とのいずれか採用するかを決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第2生成手段は、複写部数に応じて前記第1の動作態様または第2の動作態様を選択する
ことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
コンピュータを
複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、
複写制限情報を取得する取得手段と、
前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについて、前記取得手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段と
して機能させるプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、
前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、
前記第1生成手段にて生成された原稿情報のうち前記複写制限情報が付されていないものについて、前記抽出手段にて取得した複写制限情報を付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段と
して機能させるプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
複写制限情報を複写原稿に付加する態様を表す付加態様情報を取得する取得手段と、
複数の被複写原稿を読取って原稿情報を生成する第1生成手段と、
前記複数の被複写原稿に付加されている複写制限情報を抽出する抽出手段と、
前記取得手段にて取得された付加態様情報と前記抽出手段にて抽出された複写制限情報と基づいた複写制限情報を複写原稿に付加することにより、複写原稿の原稿情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段にて生成された原稿情報に従って複写原稿を出力する出力手段と
して機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図5(d)】
【図5(e)】
【図5(f)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図5(d)】
【図5(e)】
【図5(f)】
【公開番号】特開2009−237052(P2009−237052A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80298(P2008−80298)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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