説明

画像形成装置およびプログラム

【課題】文書データに基づくジョブの実行後、ユーザがその文書データを削除したい場合でも煩雑な操作を行う必要がなく、効率よく不要な文書データを削除できるようにする。
【解決手段】操作入力部18を介して指定される文書データ30を取得する文書データ取得部41と、その取得した文書データ30に対して削除処理設定情報31が付加されているか否かを確認する削除処理設定確認部42と、文書データ30に削除処理設定情報31が付加されている場合には該文書データ30に基づくジョブの実行後に削除処理設定情報31に応じた処理を行い、削除処理設定情報31が付加されていない場合には該文書データ30を削除するか否かの選択画面を表示部17に表示すると共に操作入力部18を介してユーザの選択操作を受け付け、該文書データ30に基づくジョブの実行後にその選択操作に応じた処理を行う文書データ管理部43とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書データを取得して印刷ジョブなどの各種ジョブを実行する画像形成装置およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像形成装置は、文書データを取得して印刷ジョブなどの各種ジョブを実行する。画像形成装置が文書データを取得して実行するジョブには、印刷ジョブの他、FAX送信ジョブやネットワークを介して接続されているコンピュータなどへのネットワーク送信ジョブなどがある。
【0003】
近年、このような画像形成装置は、ハードディスク装置などの不揮発性記憶装置を内蔵するものが普及してきている。不揮発性記憶装置には「BOX」などと称される複数の記憶領域が設定されており、各記憶領域は例えば画像形成装置を利用するユーザごとに割り当てられている。そのため、画像形成装置を利用するユーザはネットワークに接続された自身のコンピュータを操作することにより、文書データなどを画像形成装置内の自身に割り当てられた記憶領域に保存しておくことができる。
【0004】
このような画像形成装置において、従来、「BOX」などの記憶領域に対してさまざまな定型業務の自動化のための機能を付与するものが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の技術によると、各記憶領域において、格納されるデータに対する条件を登録する手段と、条件を満足したときの格納されるデータに対する処理とを登録する手段と、データが格納された時に条件を判断し処理を決める手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−203798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の場合、記憶領域に対して、条件を満足したときの格納されるデータに対する処理が登録されていない場合には、定型業務を自動で処理することはできない。例えば、文書データをある記憶領域に保存したとき、その記憶領域に対して条件が登録されていない場合には、その文書データに対する処理を自動で行うことができない。そのため、その記憶領域の保存された文書データは、ユーザによって何らかの操作が行われない限り、その記憶領域に保存され続けることになる。
【0007】
一方、記憶領域に文書データを保存したユーザは、画像形成装置を操作することにより、その文書データに基づく印刷ジョブを実行させることができる。これにより、ユーザは文書データを印刷した印刷出力を得ることができるので、画像形成装置においてジョブが実行された後、記憶領域から文書データを削除したい場合がある。このような場合、特許文献1のような条件がその記憶領域に登録されていなければ、ユーザは、画像形成装置における印刷ジョブの終了後、再び画像形成装置を操作して自身に割り当てられた記憶領域にアクセスし、そこに保存されている文書データの中から印刷を行った文書データを見つけ出し、その文書データの削除を手動操作で行わなければならない。そのため、印刷後に文書データを削除するための操作が煩雑であり、利便性に欠けるという問題がある。
【0008】
また近年の画像形成装置は、USBメモリなどの外部記憶装置が接続可能であり、そこに保存されている文書データを直接読み出して印刷ジョブや送信ジョブなどを行うことができるようになっている。ところが、上記特許文献1の技術では、このような外部記憶装置に対しての処理を自動化するための条件などを設定することはできない。そのため、画像形成装置が外部記憶装置から文書データを読み出してジョブを実行した後、ユーザがその文書データを外部記憶装置から削除したい場合には、その外部記憶装置を画像形成装置から切り離し、自身のコンピュータなどに接続してから文書データの削除操作を別途行わなければならない。それ故、この場合もまた文書データを削除するための操作が煩雑であるという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、上記課題を解決することを目的としてなされたものであり、文書データに基づくジョブの実行後、ユーザがその文書データを削除したい場合に煩雑な操作を行う必要がなく、効率よく不要な文書データを削除することができるようにした画像形成装置およびそのプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、画像形成装置であって、利用者に対して各種情報を表示可能な表示手段と、利用者による入力操作を受け付ける操作入力手段と、前記操作入力手段を介して指定される文書データを取得する文書データ取得手段と、前記文書データ取得手段が取得した文書データに対し、該文書データに基づくジョブの実行後に該文書データを削除するか否かを記述した削除処理設定情報が付加されているか否かを確認する削除処理設定確認手段と、前記文書データ取得手段が取得した文書データに対し、前記削除処理設定情報が付加されている場合には該文書データに基づくジョブの実行後に前記削除処理設定情報に応じた処理を行い、前記削除処理設定情報が付加されていない場合には該文書データを削除するか否かの選択画面を前記表示手段に表示すると共に前記操作入力手段を介して選択操作を受け付け、該文書データに基づくジョブの実行後に前記選択操作に応じた処理を行う文書データ管理手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
請求項2にかかる発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記文書データ管理手段は、前記文書データ取得手段が取得した文書データに対し、前記操作入力手段を介して入力する前記選択操作に基づいて前記削除処理設定情報を付加することを特徴としている。
【0012】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記文書データ管理手段は、前記文書データ取得手段が取得した文書データに基づいて前記表示手段にプレビュー表示を行い、該文書データに対して前記削除処理設定情報が付加されていない場合には前記プレビュー表示に伴って該文書データを削除するか否かの選択画面を前記表示手段に表示することを特徴としている。
【0013】
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、文書データを記憶する外部記憶装置と接続するためのインタフェースをさらに備え、前記文書データ取得手段は、前記インタフェースを介して前記外部記憶装置から文書データを取得し、前記データ管理手段は、前記文書データ取得手段が前記外部記憶装置から文書データを取得した場合、該文書データを削除するか否かの選択画面を前記表示手段に表示すると共に前記操作入力手段を介して選択操作を受け付け、該文書データに基づくジョブの実行後に前記選択操作に応じた処理を前記外部記憶装置に対して行うことを特徴としている。
【0014】
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、文書データを記憶するための記憶領域を有する記憶手段をさらに備え、前記記憶領域に記憶されている文書データに基づいてジョブの実行が行われた場合、該文書データを削除するか否かを示す文書削除条件を前記記憶手段又は前記記憶領域に対して設定可能であり、前記文書データ取得手段が前記記憶領域から取得した文書データに対して前記削除処理設定情報が付加されており、かつ、前記文書データ取得手段が文書データを取得した前記記憶手段又は前記記憶領域に対して前記文書削除条件が設定されている場合、前記文書データ管理手段は、予め設定された優先順位に従って前記削除処理設定情報および前記文書削除条件のいずれか一方に基づいて該文書データに基づくジョブの実行後の処理を行うことを特徴としている。
【0015】
請求項6にかかる発明は、利用者に対して各種情報を表示可能な表示手段と、利用者による入力操作を受け付ける操作入力手段とを備え、文書データに基づくジョブを実行する画像形成装置のコンピュータによって実行されるプログラムであって、前記コンピュータを、前記操作入力手段を介して指定される文書データを取得する文書データ取得手段、前記文書データ取得手段が取得した文書データに対し、該文書データに基づくジョブの実行後に該文書データを削除するか否かを記述した削除処理設定情報が付加されているか否かを確認する削除処理設定確認手段、前記文書データ取得手段が取得した文書データに対し、前記削除処理設定情報が付加されている場合には該文書データに基づくジョブの実行後に前記削除処理設定情報に応じた処理を行い、前記削除処理設定情報が付加されていない場合には該文書データを削除するか否かの選択画面を前記表示手段に表示すると共に前記操作入力手段を介して選択操作を受け付け、該文書データに基づくジョブの実行後に前記選択操作に応じた処理を行う文書データ管理手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画像形成装置を利用して文書データに基づくジョブを実行させる場合において、そのジョブの実行後にはユーザにとってその文書データが不要になるような場合でもユーザは文書データを削除するための煩雑な操作を行う必要がなく、画像形成装置において効率よく不要な文書データを削除することができるようになる。したがって、従来と比較すれば、ジョブ実行後に不要な文書データを削除するための操作性が著しく改善されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態として示した画像形成装置を含むネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態である画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】記憶部又は記憶部の記憶領域に対して設定可能な文書削除条件の一例を示す図である。
【図4】記憶部に保存される文書データに対して付加することが可能な削除処理設定情報の一例を示す図である。
【図5】画像形成装置のCPUがプログラムを実行することによって実現される機能の一例を示したブロック図である。
【図6】記憶部から文書データを読み出した場合に表示部に表示される選択画面の一例を示す図である。
【図7】外部記憶装置から文書データを読み出した場合に表示部に表示される選択画面の一例を示す図である。
【図8】画像形成装置において文書データに基づくジョブを実行する場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートにおける内部文書処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】図8のフローチャートにおける外部文書処理(ステップS4)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図9のフローチャートにおける処理部分Fとは異なった処理手順の一例を示す図である。
【図12】図9とは異なる内部文書処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図9とは異なる内部文書処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置1を含むネットワークシステムの構成を示す図である。画像形成装置1は一般に複合機やMFPなどと呼ばれる装置であり、装置本体の上部に画像読取部10を有し、下部に画像形成部13を有している。画像読取部10は、原稿の画像を読み取るスキャナ部11と、セットされた複数枚の原稿を1枚ずつスキャナ部11に自動搬送する自動原稿搬送装置(ADF)12とを備えている。画像形成部13は、用紙などの印刷媒体に対してトナー像を転写することにより画像形成を行うプリンタ部14と、プリンタ部14に対して印刷媒体を1枚ずつ供給する給紙部15とを備えている。画像形成装置1はこれら各部を動作させることにより、コピー機能、プリンタ機能、FAX機能、スキャナ機能などの各種機能が利用可能となり、スキャンジョブ、印刷ジョブ、FAX送信ジョブ、ネットワーク送信ジョブなどの各種ジョブのうちからユーザによって指定されたジョブを実行する。
【0020】
また画像形成装置1は、スキャナ部11の前面側にユーザが操作可能な操作パネル16を備えている。操作パネル16は、ユーザに対して各種情報を表示するための液晶表示ディスプレイなどの表示部17と、表示部17の表面に配置されたタッチパネルキーおよび表示部17の周囲に配置された押しボタン式の操作キーからなる操作入力部18とを備えている。操作入力部18は、ユーザによる入力操作を受け付けて画像形成装置1に入力するためのものである。
【0021】
また画像形成装置1の側面部には、USBインタフェース19が設けられている。USBインタフェース19は、外部記憶装置の一種であるUSBメモリ7を着脱可能に接続するためのインタフェース(接続手段)である。USBメモリ7には、例えば画像形成装置1においてジョブの実行対象となる文書データ30が格納される。そのため、画像形成装置1は、USBメモリ7に保存されている文書データ30を読み出し、そのまま印刷ジョブなどのジョブを実行することが可能である。
【0022】
上記画像形成装置1は、LANなどのネットワーク2に接続されると共に、電話回線などの通信網6に接続されている。そのため、画像形成装置1は、ネットワーク2に接続されているコンピュータ3および文書管理サーバ4とデータ通信を行うことができると共に、通信網6を介して他の画像形成装置などとFAXデータの送受信を行うことができる。
【0023】
ネットワーク2に接続されているコンピュータ3は、例えば個々のユーザに割り当てられたパーソナルコンピュータなどの一般的なコンピュータである。文書管理サーバ4はハードディスク装置5を備えた外部記憶装置の一種であり、コンピュータ3などから入力する文書データ30を保存しておくための装置である。そして画像形成装置1は、ネットワーク2を介して文書管理サーバ4のハードディスク装置5にアクセスし、そこに保存されている文書データ30を読み出して印刷ジョブなどのジョブを実行することも可能なように構成されている。
【0024】
図2は、画像形成装置1の内部構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、上述した画像読取部10、画像形成部13、操作パネル16およびUSBインタフェース19に加え、さらにCPU21、ROM22、RAM23、FAX通信部24、ネットワークインタフェース25、および、記憶部26を備えており、これら各部がデータバス8を介して相互にデータの送受信が可能なように接続された構成となっている。またCPU21、ROM22およびRAM23は、画像形成装置1の内部に設けられた制御コンピュータ20を構成している。
【0025】
CPU10は、記憶部26に記憶されているプログラム27を読み出して実行することにより、画像形成装置1における各種の動作を制御する。ROM11は、各種制御用パラメータや、操作パネル16の表示部17に表示するための画面情報などを格納しておくためのものである。RAM12は、CPU10が各種処理を実行する際の一時的なデータなどを記憶することによりCPU10のワークエリアとして機能するものである。FAX通信部24は、通信網6を介してFAXデータの送受信を行うための処理部である。ネットワークインタフェース25はネットワーク9を介してコンピュータ3や文書管理サーバ4と接続するためのインタフェース(接続手段)である。記憶部26は、例えばハードディスク装置などの不揮発性記憶装置で構成された記憶手段である。
【0026】
記憶部26には、上述のプログラム27が保存されている。また記憶部26には必要に応じて文書削除条件28が格納されている。さらに記憶部26には、BOX(ボックス)などと称される記憶領域29が設けられている。この記憶領域29は、記憶部26に対して複数設定可能であり、例えば画像形成装置1を使用するユーザに対して個別に割り当てた個人専用の記憶領域として設定したり、或いは複数のユーザが共有して使用するための記憶領域として設定することができる。記憶領域29は、画像形成装置1においてジョブの実行対象となる文書データ30などを記憶するものであり、例えば画像読取部10が原稿から読み取った文書データを保存したり、ネットワーク2を介してコンピュータ3や文書管理サーバ4などから入力する文書データを保存したり、USBメモリ7から入力する文書データを保存したり、或いは、通信網6を介して受信した文書データを保存したりすることができる。
【0027】
文書削除条件28は、記憶部26に保存されている文書データ30に基づくジョブが実行された後、そのジョブの実行対象となった文書データ30を削除するか否か設定する条件情報である。この文書削除条件28は、記憶部26の全体(すなわち、全て記憶領域29)に対して設定することができると共に、各記憶領域29に対して個別に設定することができる。
【0028】
図3は、文書削除条件28の一例を示す図である。図3に示すように文書削除条件28は、設定対象となる記憶領域と、その記憶領域に保存されている文書データに基づくジョブを実行した後の処理の設定値と、条件設定者に関する情報とが対応づけられた情報となっている。図例の場合、全記憶領域29に対する設定は画像形成装置1の管理者によって行われるが、ジョブ実行後の処理として何も設定されていないことを示している。また、ひとつの記憶領域Aに対する設定はユーザAによって行われており、ジョブ実行後の処理として文書データ30を削除しないことが設定されている。さらに、別の記憶領域Bに対する設定はユーザBによって行われるが、ジョブ実行後の処理として何も設定されていないことを示している。
【0029】
このような文書削除条件28が記憶領域29に設定されていると、画像形成装置1は、記憶領域29から文書データを読み出して印刷ジョブなどのジョブを実行した後、その記憶領域29に設定されている文書削除条件28の設定値に基づいて文書データ30に対する処理を行うことができる。例えばジョブ実行後の処理の設定値として「削除する」が設定されていれば、画像形成装置1はジョブの実行後に文書データ30を自動で削除する。またジョブ実行後の処理の設定値として「削除しない」が設定されていれば、画像形成装置1はジョブの実行後もその文書データ30を記憶領域29に保存した状態を継続する。さらに、ジョブ実行後の処理の設定値が「設定なし」となっていれば、文書データを削除するか否かが設定されていないことになるので、画像形成装置1はジョブの実行後も文書データ30の保存状態を継続する。
【0030】
また本実施形態の画像形成装置1は、記憶部26の記憶領域29に保存される文書データ30に対しても個別の付加情報として削除処理設定情報31を付加することができるようになっている。この削除処理設定情報31は、付加された文書データ30に基づいてジョブの実行が行われたことに伴い、その文書データ30を削除するか否か記述した情報である。図2の例では、記憶領域29に保存されている2つの文書データ30(30a,30b)のうち、一方の文書データ30aに対しては削除処理設定情報31が付加されておらず、他方の文書データ30bに対しては削除処理設定情報31が付加されている場合を例示している。このような削除処理設定情報31は、文書データ30をユーザによって指定された記憶領域29に格納保存する際、そのユーザによって削除処理設定が行われていれば、その設定に基づいて生成される。つまり、画像形成装置1はユーザの設定操作に基づいて削除処理設定情報31を生成し、その削除処理設定情報31を文書データ30に付加した状態で記憶領域29に保存する。これに対し、文書データ30を保存する際に、ユーザが削除処理設定を行わなかった場合、画像形成装置1において削除処理設定情報31の生成は行われず、文書データ30はそれ単独で記憶領域29に保存される。尚、ユーザによる削除処理設定は、例えば文書データ保存時に操作パネル16を操作することによって行うことができる。
【0031】
図4は、文書データ30に付加される削除処理設定情報31の一例を示す図である。図4(a)および(b)に示すように削除処理設定情報31は、付加された文書データ30に基づいて画像形成装置1が印刷ジョブなどのジョブを実行した場合、そのジョブの実行後に行う処理として文書データ30を削除するか、或いは削除しないかを示す情報が設定値として格納されている。そのため、文書データ30に削除処理設定情報31が付加されていれば、画像形成装置1は、その文書データ30が保存されている記憶領域29に上述した文書削除条件28が設定されていない場合でも、文書データ30に付加されている削除処理設定情報31に基づいてジョブの実行後に文書データ30を削除するか否かを自動判別することができ、文書データ30に対する処理を行うことができる。例えば、図4(a)に示す削除処理設定情報31は設定値が「削除しない」となっているので、この削除処理設定情報31が付加されている文書データ30は、ジョブ実行後も記憶領域29から削除されることなく保存状態が継続される。また図4(a)に示す削除処理設定情報31は設定値が「削除する」となっているので、この削除処理設定情報31が付加されている文書データ30は、ジョブ実行後に記憶領域29から自動で削除されることになる。
【0032】
このような削除処理設定情報31が文書データ30に付加されていると、例えばその文書データ30が保存されている記憶領域29に上述した文書削除条件28が設定されていない場合でも、画像形成装置1は、記憶領域29から文書データ30を読み出して印刷ジョブなどのジョブを実行した後、その文書データ30に付加されている削除処理設定情報31の設定値に基づいて文書データ30に対する処理を行うことができる。例えば削除処理設定情報31の設定値として「削除する」が設定されていれば、画像形成装置1はジョブの実行後に文書データ30を自動で削除する。また削除処理設定情報31の設定値として「削除しない」が設定されていれば、画像形成装置1はジョブの実行後もその文書データ30を記憶領域29に保存した状態を継続する。
【0033】
図5は、画像形成装置1のCPU21によって実現される機能を示したブロック図である。尚、図5には主として文書データ30を処理する機能を示している。CPU21は記憶部26に記憶されているプログラム27を読み出して実行することにより、図5に示すように、文書データ取得部41、削除処理設定確認部42、文書データ管理部43およびジョブ制御部44として機能する。
【0034】
文書データ取得部41は、ユーザにより操作パネル16を介して指定される保存先から文書データ30を読み出して取得する処理部である。図例の場合、記憶部26に保存されている文書データ30を取得する場合を示しているが、文書データ取得部41は、この他にも例えば外部記憶装置であるUSBメモリ7や、文書管理サーバ4のハードディスク装置5から文書データ30を読み出して取得することができる。そして文書データ取得部41は、指定された保存先から読み出した文書データ30をRAM23に格納する。RAM23に格納される文書データ30は、画像形成装置1におけるジョブの実行対象となる。また文書データ取得部41は、指定された保存先から読み出して取得した文書データ30に削除処理設定情報31が付加されている場合、文書データ30と共にその削除処理設定情報31を取得する。文書データ取得部41が削除処理設定情報31を取得した場合、例えば文書データ30と共にその削除処理設定情報31をRAM23に格納しておくようにしても良い。
【0035】
削除処理設定確認部42は、文書データ取得部41が取得した文書データ30に削除処理設定情報31が付加されているか否かを確認する処理部である。この削除処理設定確認部42は、文書データ取得部41が取得した文書データ30に削除処理設定情報31が付加されている場合、更にその削除処理設定情報31の設定値を確認し、ジョブ実行後の処理が「削除する」と「削除しない」のいずれであるかを判定する。そしてその確認結果を、文書データ管理部43に出力する。
【0036】
文書データ管理部43は、画像形成装置1がRAM23に格納された文書データ30に基づいてジョブを実行した後に、文書データ取得部41が取得した保存先の文書データ30を削除するか否かの処理を決定し、その処理を実行する処理部である。
【0037】
例えば、文書データ30が保存されていた記憶領域29に文書削除条件28が設定されていない場合でも、文書データ30に削除処理設定情報31が付加されていれば、文書データ管理部43は、その削除処理設定情報31に基づいて文書データ30を削除するか否かを決定することができる。また、文書データ30に削除処理設定情報31が付加されていない場合でも、その文書データ30が保存されていた記憶領域29に文書削除条件28が設定されていれば、文書データ管理部43は、その文書削除条件28に基づいて文書データ30を削除するか否かを決定することができる。
【0038】
しかし、文書データ30が保存されていた記憶領域29に文書削除条件28が設定されておらず、文書データ30に対する削除処理設定情報31も付加されていない場合、文書データ30を削除するか否かの処理を決定するための情報は予め設定されていないことになる。
【0039】
そのため、文書データ管理部43は、文書データ30が保存されていた記憶領域29に文書削除条件28が設定されておらず、文書データ30に対する削除処理設定情報31も付加されていない場合、ジョブの実行後に文書データ30を削除するか否かの選択画面を操作パネル16の表示部17に表示し、ユーザに対して文書データ30を削除するか否かの選択操作を行うことを促す。そして操作入力部18を介してユーザによる選択操作を受け付け、文書データ30に基づくジョブの実行後にその選択操作に応じた処理を行う。
【0040】
図6は、このとき表示部17に表示される選択画面の一例を示す図である。図6に示す選択画面51は、文書データ取得部41が画像形成装置1に設けられた記憶部26から文書データ30を取得した場合に表示される画面である。この選択画面51には、文書データ30に関するジョブ実行後の取り扱いが設定されていない旨の表示が行われる。そしてユーザに対して選択操作を行うことを促す。またこの選択画面51には、ジョブ実行後に文書データ30を削除することを指示するための削除ボタン52と、ジョブ実行後も文書データ30を削除せずに保存したままの状態とすることを指示するための保存ボタン53と、今回は文書データ30の取り扱いについて設定しないことを指示するための保留ボタン54とが表示される。そのため、ユーザは、この選択画面51が表示されると、削除ボタン52、保存ボタン53および保留ボタン54のうちのいずれか一つを選択して操作する。
【0041】
例えば、ユーザによって削除ボタン52が選択操作された場合、文書データ管理部43は、画像形成装置1においてRAM23に格納された文書データ30に基づくジョブが実行された後、その文書データ30が保存されている記憶部26の記憶領域29から該当する文書データ30を自動で削除する。したがって、ユーザは画像形成装置1におけるジョブの実行後、操作パネル16を操作して記憶領域29に保存されている文書データ30を削除するための作業を行う必要がなく、効率よく不要な文書データ30を削除することができるようになる。
【0042】
またユーザによって保存ボタン53が選択操作された場合、文書データ管理部43は、設定値を「削除しない」とした削除処理設定情報31を生成し、その文書データ30が保存されている記憶部26の記憶領域29にアクセスして該当する文書データ30に削除処理設定情報31を付加する。そして画像形成装置1においてRAM23に格納された文書データ30に基づくジョブが実行された後も、その文書データ30が保存されている記憶部26の記憶領域29において該当する文書データ30の保存を継続する。尚、この場合は、次回同じ文書データ30が文書データ取得部41によって取得されると、その時点では削除処理設定情報31が付加されているので、選択画面51は表示されなくなる。
【0043】
さらにユーザによって保留ボタン54が選択操作された場合、文書データ管理部43は、RAM23に格納された文書データ30に基づくジョブが実行されたとしても、元の保存先に保存されている文書データ30に対する処理は行わない。そのため、この場合もまた、記憶部26の記憶領域29において該当する文書データ30が継続して保存されることになる。但し、この場合は、記憶領域29に保存されている文書データ30に対して削除処理設定情報31は付加されないので、次回同じ文書データ30が文書データ取得部41によって取得されると、その時点で再び図6に示すような選択画面51が表示部17に表示されることになる。
【0044】
また画像形成装置1は、USBメモリ7や文書管理サーバ4のハードディスク装置5などの外部記憶装置が文書データ30の保存先として指定された場合、その外部記憶装置に保存されている文書データ30を取得してジョブを実行する場合もある。このような外部記憶装置に保存される文書データ30は画像形成装置1のみによって利用されるデータではないため、画像形成装置1がそのような外部記憶装置に対して文書削除条件28を予め設定しておくことは困難であり、また外部記憶装置に保存されている文書データ30に削除処理設定情報31を付加することも困難である。そのため、文書データ取得部41が外部記憶装置から文書データ30を取得した場合、その文書データ30が保存されていた外部記憶装置には文書削除条件28が設定されておらず、また文書データ30に対する削除処理設定情報31も付加されていないことになる。
【0045】
このような場合、文書データ管理部43は、外部記憶装置から取得した文書データ30に基づくジョブの実行後に、該文書データ30を外部記憶装置から削除するか否かの選択画面を操作パネル16の表示部17に表示し、ユーザに対して文書データ30を削除するか否かの選択操作を行うことを促す。そして操作入力部18を介してユーザによる選択操作を受け付け、文書データ30に基づくジョブの実行後にその選択操作に応じた処理を行う。
【0046】
図7は、このとき表示部17に表示される選択画面55の一例を示す図である。図7に示す選択画面55は、文書データ取得部41がUSBメモリ7や文書管理サーバ4のハードディスク装置5などの外部記憶装置から文書データ30を取得した場合に表示される画面である。この選択画面55には、外部記憶装置から文書データ30を取得した旨の表示および取得した文書データ30に基づいてジョブを実行した後、外部記憶装置からその文書データ30を削除するか否かを問い合わせる表示が行われ、ユーザに対して選択操作を行うことを促す。またこの選択画面51には、ジョブ実行後に文書データ30を削除することを指示するための削除ボタン56と、ジョブ実行後も文書データ30を削除せずに保存したままの状態とすることを指示するための保存ボタン57とが表示される。このような選択画面55が表示されると、ユーザは、削除ボタン56および保存ボタン57のいずれか一方を選択して操作する。
【0047】
例えば、ユーザが削除ボタン56を選択して操作した場合、文書データ管理部43は、外部記憶装置から取得されRAM23に格納されている文書データ30に基づくジョブが実行された後、その文書データ30が保存されている外部記憶装置から該当する文書データ30を自動で削除する。したがって、ユーザは画像形成装置1におけるジョブの実行後、外部記憶装置に保存されている文書データ30を削除するための作業を別途行う必要がなく、効率よく不要な文書データ30を削除することができるようになる。
【0048】
またユーザが保存ボタン57を選択して操作した場合、文書データ管理部43は、RAM23に格納されている文書データ30に基づくジョブが実行されたとしても、元の保存先である外部記憶装置に保存されている文書データ30に対する処理は行わない。そのため、この場合は、外部記憶装置において該当する文書データ30が継続して保存されることになる。そして、その外部記憶装置に保存されている文書データ30が再び文書データ取得部41によって取得されると、その時点においても再び図7に示すような選択画面55が表示部17に表示されることになる。
【0049】
図5に戻り、ジョブ制御部44は、文書データ取得部41が取得してRAM23に格納されている文書データ30に基づいてユーザによって指定されたジョブを実行する処理部である。ユーザが操作パネル16の操作入力部18に含まれるスタートキーを押下すると、ジョブ制御部44はそのスタートキー押下操作に基づいてジョブの実行制御を開始する。このときジョブ制御部44は、RAM23に格納された文書データ30を読み出し、必要に応じてデータ処理などを行ってから、画像形成部13、FAX通信部24又はネットワークインタフェース25にその文書データ30を出力する。例えばユーザの指定したジョブが印刷ジョブである場合、ジョブ制御部44は、画像形成部13のプリンタ部14に対して文書データ30を出力し、プリンタ部14と給紙部15とを駆動して印刷出力を行うように制御する。またユーザの指定したジョブがFAX送信ジョブである場合、ジョブ制御部44は、FAX通信部24に対して文書データ30を出力し、FAX通信部24がユーザの指定した宛先に対してFAX送信を行うように制御する。さらにユーザの指定したジョブがネットワーク送信ジョブである場合、ジョブ制御部44は、ネットワークインタフェース25に対して文書データ30を出力し、ネットワーク2を介してユーザの指定した宛先に文書データ30を送信するように制御する。
【0050】
このようなジョブ制御部44は、ユーザによって指定されたジョブの実行を完了させると、ジョブの実行が終了したことを示す信号を文書データ管理部43に出力する。文書データ管理部43は、ジョブ制御部44からその信号を受信すると、画像形成装置1においてユーザによって指定されたジョブの実行が終了したことを把握する。そして文書データ管理部43は、上述したように、文書データ30を削除するか否かの決定結果に基づいて文書データ30に対する処理を実行する。
【0051】
次に、上記のように構成された画像形成装置1における具体的な動作について説明する。図8乃至図10は、画像形成装置1において文書データ30に基づくジョブを実行する場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照し、画像形成装置1の動作について説明する。
【0052】
まず図8に示すように画像形成装置1は、ユーザによって文書データ30の読み出し指示が行われたか否かを判断し(ステップS1)、文書データ30の読み出し指示が行われていない場合にはその指示が行われるまで待機する(ステップS1でNO)。ユーザが文書データ30の読み出し指示を行う場合、読み出しの対象となる文書データ30の保存先が指定される。そのため、画像形成装置1は、文書データ30の読み出し指示が行われると(ステップS1でYES)、読み出しの対象となる文書データ30が記憶部26に保存されているデータか否かを判断する(ステップS2)。その結果、記憶部26に保存されている文書データ30であれば内部文書処理(ステップS3)に進み、外部記憶装置に保存されている文書データであれば外部文書処理(ステップS4)に進む。
【0053】
図9は、内部文書処理(ステップS3)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、記憶部26に対して文書削除条件28が設定されていない場合の処理を例示している。この内部文書処理(ステップS3)に進むと、画像形成装置1のCPU21では、文書データ取得部41が機能して記憶部26にアクセスし、ユーザによって指定された記録領域29から文書データ30の読み出しを行う(ステップS11)。文書データ取得部41が指定された文書データ30を取得すると、その文書データ30をRAM23に格納する。そしてCPU21では削除処理設定確認部42が機能し、文書データ取得部41によって取得された文書データ30に削除処理設定情報31が付加されているか否かを判断する(ステップS12)。
【0054】
そして削除処理設定情報31が付加されている場合(ステップS12でYES)、削除処理設定確認部42は、その設定値を確認する(ステップS14)。その設定値が「削除する」である場合(ステップS14でYES)、CPU21では文書データ管理部43が機能し、削除フラグをオンにする(ステップS15)。これに対し、設定値が「削除しない」である場合、ステップS15の処理をスキップする。この場合、削除フラグはオフとなる。そしてステップS16に進むと、CPU21ではジョブ制御部44が機能し、ユーザによるジョブ実行指示が行われたか否かを判断する(ステップS16)。ユーザがジョブ実行指示を行うまで待機する(ステップS16でNO)。ユーザがジョブ実行指示を行った場合(ステップS16でYES)、ジョブ制御部44は、RAM23の文書データ30を読み出し、ユーザによって指定されたジョブの実行を開始する(ステップS17)。そしてジョブの実行終了後、CPU21の文書データ管理部43が再び機能し、削除フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS18)。削除フラグがオンになっていれば(ステップS18でYES)、文書データ管理部43は、文書データ30の保存元である記憶領域29にアクセスし、そこに保存されている文書データ30を削除する(ステップS19)。また削除フラグがオフになっていれば(ステップS18でNO)、文書データ管理部43は、記憶領域29の文書データ30を削除せずにそのまま処理を終了する。
【0055】
一方、文書データ取得部41によって取得された文書データ30に削除処理設定情報31が付加されていなかった場合(ステップS12でNO)、文書データ管理部43は、その取得した文書データ30に基づく文書画像を操作パネル16の表示部17にプレビュー表示する(ステップS20)。このプレビュー表示により、ユーザは指定した文書データ30の内容を確認することができる。尚、このようなプレビュー表示は、上述したステップS11とS12の間で行うようにしても良い。そして文書データ管理部43は、操作パネル16の表示部17に対して図6に示したような選択画面51を表示する(ステップS21)。文書データ管理部43は、選択画面51を表示すると、ユーザによる選択操作を受け付ける。そして、「はい。削除します」と表示された削除ボタン52を選択操作したか否かを判断し(ステップS22)、削除ボタン52が選択操作された場合には(ステップS22でYES)、ステップS15に進んで削除フラグをオンにする。そしてその後はステップS16に進み、上記と同様の処理を実行する。この場合、削除フラグがオンであるので、ジョブの実行後、ステップS18でYESとなり、記憶領域29から文書データ30が削除される。
【0056】
またユーザが選択操作したボタンが削除ボタン52でない場合、文書データ管理部43は、「いいえ。削除しません」と表示された保存ボタン53を選択操作したか否かを判断する(ステップS23)。ユーザが保存ボタン53を選択操作していない場合(ステップS23でNO)、ステップS16に進み、これ以降は上記と同様の処理を実行する。この場合、削除フラグはオフであるので、ジョブの実行後、ステップS18でNOとなり、記憶領域29から文書データ30は削除されることなく処理が終了する。
【0057】
一方、ユーザが保存ボタン53を選択操作した場合(ステップS23でYES)、文書データ管理部43は、設定値を「削除しない」とした削除処理設定情報31を作成し、その削除処理設定情報31を記憶領域29に保存されている文書データ30に付加する(ステップS24)。そしてステップS16に進み、これ以降は上記と同様の処理を実行する。この場合も削除フラグはオフであるので、ジョブの実行後、ステップS18でNOとなり、記憶領域29から文書データ30は削除されることなく処理が終了する。
【0058】
このように図9に示す内部文書処理(ステップS3)では、画像形成装置1が取得した文書データ30に削除処理設定情報31が付加されている場合、その文書データ30に基づくジョブの実行後に、文書データ管理部43がその削除処理設定情報31に応じた処理を行う。また、画像形成装置1が取得した文書データ30に削除処理設定情報31が付加されていない場合には、その文書データ30を削除するか否かの選択画面51を表示部17に表示すると共に操作入力部18を介してユーザによる選択操作を受け付け、該文書データ30に基づくジョブの実行後にその選択操作に応じた処理を行う。したがって、ユーザは、画像形成装置1におけるジョブが実行した後、不要となった文書データ30を削除するために操作パネル16を手動操作して煩雑な操作を行う必要がない。そして画像形成装置1は、ユーザにとって不要な文書データ30をジョブの実行後に効率よく自動削除するので、画像形成装置1の操作性が著しく向上し、優れた利便性を発揮する。
【0059】
次に図10は、外部文書処理(ステップS4)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。この外部文書処理(ステップS4)に進むと、画像形成装置1のCPU21では、文書データ取得部41が機能して記憶部26にアクセスし、ユーザによって指定された外部記憶装置から文書データ30の読み出しを行う(ステップS31)。例えば、ユーザによってUSBメモリ7が指定されている場合には、そのUSBメモリ7から文書データ30の取得が行われる。また文書管理サーバ4のハードディスク装置5が指定されている場合には、ネットワーク2を介してそのハードディスク装置5の指定されたフォルダなどにアクセスし、ユーザによって指定された文書データ30の取得が行われる。そして文書データ取得部41が外部記憶装置から文書データ30を取得すると、その文書データ30をRAM23に格納する。
【0060】
ここで外部文書処理(ステップS4)の場合は、取得した文書データ30に削除処理設定情報31が付加されていることはないから、外部記憶装置から文書データ30が取得されると、CPU21では文書データ管理部43が機能し、その取得した文書データ30に基づく文書画像を操作パネル16の表示部17にプレビュー表示する(ステップS32)。このプレビュー表示により、ユーザは指定した文書データ30の内容を確認することができる。そしてプレビュー表示後、文書データ管理部43は、操作パネル16の表示部17に対して図7に示したような選択画面55を表示する(ステップS33)。文書データ管理部43は、選択画面55を表示すると、ユーザによる選択操作を受け付ける。そして、「はい。削除します」と表示された削除ボタン56を選択操作したか否かを判断し(ステップS34)、削除ボタン56が選択操作された場合には(ステップS34でYES)、削除フラグをオンにする(ステップS35)。これに対し、削除ボタン56ではなく、保存ボタン57が選択操作された場合には(ステップS34でNO)、ステップS35の処理をスキップするので、削除フラグはオフになる。
【0061】
そしてCPU21ではジョブ制御部44が機能し、ユーザによるジョブ実行指示が行われたか否かを判断する(ステップS36)。ここではユーザがジョブ実行指示を行うまで待機する(ステップS36でNO)。そしてユーザがジョブ実行指示を行った場合(ステップS36でYES)、ジョブ制御部44は、RAM23の文書データ30を読み出し、ユーザによって指定されたジョブの実行を開始する(ステップS37)。そしてジョブの実行終了後、CPU21の文書データ管理部43が再び機能し、削除フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS38)。削除フラグがオンになっていれば(ステップS38でYES)、文書データ管理部43は、文書データ30の保存元である外部記憶装置にアクセスし、そこに保存されている文書データ30を削除する(ステップS39)。また削除フラグがオフになっていれば(ステップS38でNO)、文書データ管理部43は、外部記憶装置の文書データ30を削除せずにそのまま処理を終了する。
【0062】
このように図10に示す外部文書処理(ステップS4)では、画像形成装置1が外部記憶装置から文書データ30を取得すると、文書データ管理部43は、その文書データ30に基づくジョブの実行後に外部記憶装置に保存されている文書データ30を削除するか否かを選択させるための選択画面55を表示する。そして画像形成装置1におけるジョブの実行後、文書データ管理部43は、その選択画面55に対して行われたユーザの選択操作に応じた処理を行う。したがって、ユーザは、画像形成装置1におけるジョブが実行した後、外部記憶装置に保存しておく必要がなくなった文書データ30を削除するために、自身のコンピュータを操作するなどの煩雑な消去操作を行う必要がない。そして画像形成装置1は、ユーザにとって不要となった文書データ30をジョブの実行後に効率よく自動削除するので、優れた利便性を発揮する。
【0063】
次に、図9に示した内部文書処理(ステップS3)の処理手順に関し、上述した処理手順とは異なる処理手順について説明する。図9に示した内部文書処理(ステップS3)のフローチャートにおいて、ステップS16〜S19の処理部分、すなわち、図中破線で囲った処理部分Fを、図11に示すような処理手順としても良い。図11は、図9のフローチャートにおける処理部分Fとは異なった処理手順の一例を示す図である。この図11に示す処理手順は、ユーザが画像形成装置1にジョブの実行を指示することなく、そのまま処理の終了を指示する場合の処理手順を盛り込んだものである。以下、この処理手順について詳しく説明する。
【0064】
画像形成装置1がユーザによるジョブの実行指示を待機しているとき、ジョブ制御部44は、ジョブの実行指示が行われた否か判断し(ステップS16)、ジョブの実行指示がない場合にはさらに終了指示が行われたか否かを判断する(ステップS41)。この待機状態においてユーザがジョブの実行指示を行った場合(ステップS16でYES)、図9と同様のステップS17,S18,S19の処理が順次行われる。
【0065】
一方、待機状態においてユーザがキャンセルキーやリセットキーなどを操作することにより終了指示を行った場合(ステップS41でYES)、CPU21において文書データ管理部43が機能する。文書データ管理部43は、削除フラグがオンであるか否かを判断し(ステップS42)、削除フラグがオンであれば(ステップS42でYES)、さらに削除処理設定情報31が文書データ30に付加されているか否かを判断する(ステップS43)。そして文書データ30に削除処理設定情報31が付加されていない場合(ステップS43でNO)、文書データ管理部43は、文書データ30に付加するための設定値が「削除する」である削除処理設定情報31を新たに作成する(ステップS44)。一方、削除フラグがオフであった場合(ステップS42でNO)、ステップS43およびS44の処理をスキップする。また文書データ30に対して既に削除処理設定情報31が付加されている場合(ステップS43でYES)は、ステップS44の処理をスキップする。そしてステップS45に進む。
【0066】
ステップS45に進むと、文書データ管理部43は、削除処理設定情報31を作成したか否かを判断し、削除処理設定情報31を作成した場合(ステップS45でYES)には、その作成した削除処理設定情報31を、記憶部26の記憶領域29に保存されている文書データ30に対して付加する(ステップS46)。また削除処理設定情報31を作成していない場合には、ステップS46の処理を行わない。そして処理を終了する。
【0067】
このような図11の処理手順を適用することにより、ユーザの指示によって取得した文書データ30に削除処理設定情報31が付加されておらず、しかも、その取得した文書データ30に基づくジョブが実行されなかった場合、文書データ管理部43は、その文書データ30に削除処理設定情報31を付加して処理を終了することができる。したがって、次回以降同じ文書データ30が文書データ取得部41に取得されると、その時点では削除処理設定情報31が付加されていることになるので、文書データ管理部43はその削除処理設定情報31の設定値に基づいた処理を行うことができるようになる。
【0068】
また次に、図9に示した内部文書処理(ステップS3)の処理手順に関して上述した処理手順とは異なる処理手順について説明する。図12および図13は、図9とは異なる内部文書処理(ステップS3)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、記憶部26に対して文書削除条件28が設定されている場合、予め設定された優先順位に基づいてジョブ実行後の文書データ30に対する処理を決定する手順を例示している。尚、図12のフローチャートに示す処理部分Fは、図9および図11に示した処理部分Fのいずれかと同様の処理を適用する部分である。以下、図12および図13のフローチャートについて詳しく説明する。
【0069】
図12の内部文書処理(ステップS3)に進むと、画像形成装置1のCPU21では、文書データ取得部41が機能して記憶部26にアクセスし、ユーザによって指定された記録領域29から文書データ30の読み出しを行う(ステップS51)。文書データ取得部41が指定された文書データ30を取得すると、その文書データ30をRAM23に格納する。そしてCPU21では削除処理設定確認部42が機能し、削除処理設定確認部42は、文書データ30を読み出した記憶領域29に対して文書削除条件28が設定されているか否かを判断する(ステップS52)。そして記憶領域29に文書削除条件28が設定されている場合(ステップS52でYES)、その設定は画像形成装置1の管理者によって行われたものであるか否かを判断する(ステップS53)。この判断は、文書削除条件28の条件設定者の欄を参照することで行える。そして管理者による設定であった場合(ステップS53でYES)、削除処理設定確認部42は、その管理者によって設定された文書削除条件28の設定値を読み出す(ステップS54)。
【0070】
一方、記憶領域29に対して文書削除条件28が設定されているものの、その設定者が画像形成装置1の管理者ではなく、非管理者(例えば一般ユーザ)であった場合(ステップS53でNO)、削除処理設定確認部42は、取得した文書データ30に削除処理設定情報31が付加されているか否かを判断する(ステップS55)。取得した文書データ30に削除処理設定情報31が付加されていない場合(ステップS55でNO)、削除処理設定確認部42は、その非管理者によって設定された文書削除条件28の設定値を読み出す(ステップS56)。これに対し、文書データ取得部41が取得した文書データ30に削除処理設定情報31が付加されている場合(ステップS55でYES)、削除処理設定確認部42は、その削除処理設定情報31の設定値を読み出す(ステップS58)。
【0071】
また、記憶領域29に対して文書削除条件28が設定されていなかった場合(ステップS52でNO)、削除処理設定確認部42は、取得した文書データ30に削除処理設定情報31が付加されているか否かを判断する(ステップS57)。そして取得した文書データ30に削除処理設定情報31が付加されている場合(ステップS57でYES)、削除処理設定確認部42は、その削除処理設定情報31の設定値を読み出す(ステップS58)。
【0072】
ステップS54、S56およびS58のいずれか一つにおいて設定値の読み出しを行った場合、削除処理設定確認部42は、その設定値を確認する(ステップS59)。そしてその設定値が「削除する」である場合(ステップS59でYES)、CPU21では文書データ管理部43が機能し、削除フラグをオンにする(ステップS60)。これに対し、設定値が「削除する」でない場合(ステップS59でNO)、ステップS60の処理をスキップする。この場合、削除フラグはオフとなる。そして処理部分Fに進み、上述した図9又は図11に示す処理部分Fの処理を実行する。
【0073】
一方、上記ステップS57において削除処理設定情報31が設定されていない場合(ステップS57でNO)、図13のフローチャートに進む。そして文書データ管理部43は、取得した文書データ30に基づく文書画像を操作パネル16の表示部17にプレビュー表示し(ステップS61)、その後、操作パネル16の表示部17に対して選択画面51(図6参照)を表示する(ステップS62)。文書データ管理部43は、選択画面51を表示すると、ユーザによる選択操作を受け付け、「はい。削除します」と表示された削除ボタン52を選択操作されたか否かを判断し(ステップS63)、削除ボタン52が選択操作された場合には(ステップS63でYES)、図12のステップS60に進んで削除フラグをオンにする。そしてその後は処理部分Fの処理を実行する。
【0074】
またユーザが選択操作したボタンが削除ボタン52でない場合(ステップS63でNO)、文書データ管理部43は、「いいえ。削除しません」と表示された保存ボタン53を選択操作したか否かを判断する(ステップS64)。ユーザが保存ボタン53を選択操作していない場合は(ステップS64でNO)、そのまま図12に示す処理部分Fに進む。これに対し、ユーザが保存ボタン53を選択操作した場合(ステップS64でYES)、文書データ管理部43は、設定値を「削除しない」とした削除処理設定情報31を作成する(ステップS65)。そしてその後、図12に示す処理部分Fに進む。
【0075】
このように図12および図13に示す処理手順では、文書データ30が保存されている記憶領域29に文書削除条件28が設定されている場合、その設定が画像形成装置1の管理者によるものであれば、その文書削除条件28の設定値が優先的に適用され、ジョブ実行後にその記憶領域29に保存されている文書データ30を削除するか否かが決定される。また記憶領域29に文書削除条件28が設定されている場合であっても、その設定が画像形成装置1の管理者によるものでなく、非管理者によるものであれば、文書データ30事態に削除処理設定情報31が付加されている否かを確認し、付加されている場合、削除処理設定情報31の設定値が適用される。また文書データ30に削除処理設定情報31が付加されていない場合には、非管理者によって設定された文書削除条件28の設定値が適用される。
【0076】
文書削除条件28が管理者によって設定されている場合、その管理者による設定値を優先的に適用することにより、画像形成装置1における文書データ30の取り扱いに関し、管理者が行った設定とは異なる設定が適用されることを防止することができ、管理者設定による統括したデータ管理が可能になる。また管理者による文書削除条件28が設定されていない場合には、ユーザがその文書データ30に対して個別に設定した削除処理設定情報31の設定値を優先適用することにより、その文書データ30に対するユーザの意図を優先的に反映した処理を行うことができる。ただし、管理者による文書削除条件28が設定されていない場合、必ずしも削除処理設定情報31の設定値を優先適用することに限定するものではなく、非管理者が設定した文書削除条件28が設定されていれば、その設定値を優先するようにしても良い。
【0077】
そして特に本実施形態の画像形成装置1は、上述したように文書データ30が保存されている記憶領域29に対して文書削除条件28が設定されておらず、また文書データ30自体に対しても削除処理設定情報31が付加されていない場合、その文書データ30に基づくジョブの実行後に記憶領域29或いは外部記憶装置に保存されている文書データ30を削除するか否かを問い合わせるための選択画面51又は55を操作パネル16の表示部17に表示し、ユーザによる選択操作を受け付ける。そして文書データ30に基づくジョブを実行した後には、ユーザによって行われた選択操作に応じた処理を行うように構成されている。つまり、ユーザがジョブの実行後に文書データ30を削除することを選択していれば、画像形成装置1は、ジョブの実行後にその文書データ30が保存されている保存先(記憶部26の記憶領域29や外部記憶装置)からその文書データ30を削除する。またユーザがジョブの実行後に文書データ30を保存することを選択していれば、画像形成装置1は、ジョブの実行後にその文書データ30が保存先(記憶部26の記憶領域29や外部記憶装置)に保存されている状態を継続させる。
【0078】
したがって、本実施形態の画像形成装置1は、文書データ30に基づくジョブを実行した後、その文書データ30がユーザにとって不要なデータとなる場合であっても、ユーザ自身がジョブの実行終了後に操作パネル16を操作して保存先にアクセスし、その保存先に保存されている文書データの中からジョブ実行済みの文書データ30を見つけ出して削除操作を行うといった手動操作は必要でなく、ジョブ実行後に文書データ30を削除するためのユーザの操作負担を著しく軽減することができる。
【0079】
また文書データ30の保存先がUSBメモリ7や文書管理サーバ4のハードディスク装置5などのような外部記憶装置である場合も同様であり、本実施形態の画像形成装置1は、外部記憶装置から読み出した文書データ30に基づくジョブを実行した後、その文書データ30を外部記憶装置から削除するためのユーザの操作負担を著しく軽減することができる。
【0080】
また管理者設定による文書削除条件28が設定されている場合など、ユーザに対してジョブ実行後の文書データ30の取り扱いについて問い合わせを行わなくても良い場合には、ユーザに選択操作を促すための選択画面51又は55は表示されないので、この場合、ユーザは選択操作を行う必要がない。つまり、画像形成装置1は選択画面51又は55を必要な場合にだけ表示するので、ユーザは選択画51又は55が表示されたときにだけ選択操作を行えば良い。それ以外の場合は画像形成装置1において自動的に文書データ30に対する処理を決定するので、ユーザが選択操作に煩わされることはなく、画像形成装置1の操作性をより一層向上させている。
【0081】
以上、本発明の一実施形態について例示したが、本発明は上述した例に限定されるものではない。
【0082】
例えば、上記実施形態では、画像形成装置1が記憶部26或いは外部記憶装置から文書データ30を取得した後、その文書データ30に基づくジョブを実行する前に、文書データ30を削除するか否かをユーザに問い合わせるための選択画面51又は55を操作パネル16の表示部17に表示する場合を例示した。しかし、選択画面51又は55を表示するタイミングはこれに限定するものではなく、例えば画像形成装置1において取得した文書データ30に基づくジョブを実行した後に、選択画面51又は55を表示し、文書データ30の保存先からその文書データ30を削除するか否かをユーザに選択させるようにしても良い。この場合であっても、ユーザはジョブの実行後に選択操作を行うだけで不要となった文書データ30を記憶領域29や外部記憶装置から削除することができるので、従来のように煩雑な操作を行う必要がなく、ユーザの操作負担を軽減することが可能である。
【0083】
また上記実施形態では、文書削除条件28を設定する場合、記憶部26の全体(すなわち、全て記憶領域29)に対する一括設定と、各記憶領域29に対する個別設定とを同時に成立させることができる場合を例示した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、記憶部26に対する一括設定と、各記憶領域29に対する個別設定とのいずれか一方のみを成立させるように構成しても良い。
【0084】
また上記実施形態では、文書削除条件28および削除処理設定情報31においてジョブの実行後に文書データ30を削除することが設定されている場合、画像形成装置1はジョブの実行が終了したことに伴ってその文書データ30を削除する形態を例示した。しかし、これに限らず、例えば文書削除条件28および削除処理設定情報31に対し、ジョブの実行後所定時間が経過してから文書データ30を削除することを設定しても良い。この場合、画像形成装置1においてジョブを実行してから所定時間が経過すると、その文書データ30が自動で削除される。そのため、例えば文書データ30に基づいて文書を1部印刷する印刷ジョブを実行した後、ユーザが2部必要であったことに気付いた場合、画像形成装置1によって自動削除される前の文書データ30を再び指定して印刷ジョブを実行させることができるという利点がある。
【0085】
またこの場合において、ジョブの実行後に文書データ30を削除するまでの所定時間は、文書削除条件28によって各記憶領域29に対して個別に設定可能であり、また削除処理設定情報31によって文書データ毎に個別に設定可能である。ここで図12および図13のフローチャートに基づく処理を行うことを考えると、文書データ30が保存されている記憶領域29に設定されている文書削除条件28が管理者によって設定されたものであれば、ジョブ実行後、その文書削除条件28の設定値に定められた時間が経過した後に文書データ30が削除される。これに対し、文書データ30が保存されている記憶領域29に設定されている文書削除条件28が非管理者によって設定されたものであれば、ジョブ実行後、文書データ30に付加された削除処理設定情報31の設定値に定められた時間が経過した後に文書データ30が削除される。そして文書削除条件28の設定値に定められた時間と、削除処理設定情報31の設定値に定められた時間とはそれぞれ異なる場合があるので、画像形成装置1において文書データ30に基づくジョブを実行した後、その文書データ30が画像形成装置1から削除されるタイミングが異なることもある。
【符号の説明】
【0086】
1 画像形成装置
4 文書管理サーバ
5 ハードディスク装置(外部記憶装置)
7 USBメモリ(外部記憶装置)
16 操作パネル
17 表示部(表示手段)
18 操作入力部(操作入力手段)
19 USBインタフェース(接続手段)
20 制御コンピュータ
25 ネットワークインタフェース(接続手段)
26 記憶部(記憶手段)
27 プログラム
28 文書削除条件
29 記憶領域
30 文書データ
31 削除処理設定情報
41 文書データ取得部(文書データ取得手段)
42 削除処理設定確認部(削除処理設定確認手段)
43 文書データ管理部(文書データ管理手段)
44 ジョブ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に対して各種情報を表示可能な表示手段と、
利用者による入力操作を受け付ける操作入力手段と、
前記操作入力手段を介して指定される文書データを取得する文書データ取得手段と、
前記文書データ取得手段が取得した文書データに対し、該文書データに基づくジョブの実行後に該文書データを削除するか否かを記述した削除処理設定情報が付加されているか否かを確認する削除処理設定確認手段と、
前記文書データ取得手段が取得した文書データに対し、前記削除処理設定情報が付加されている場合には該文書データに基づくジョブの実行後に前記削除処理設定情報に応じた処理を行い、前記削除処理設定情報が付加されていない場合には該文書データを削除するか否かの選択画面を前記表示手段に表示すると共に前記操作入力手段を介して選択操作を受け付け、該文書データに基づくジョブの実行後に前記選択操作に応じた処理を行う文書データ管理手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記文書データ管理手段は、前記文書データ取得手段が取得した文書データに対し、前記操作入力手段を介して入力する前記選択操作に基づいて前記削除処理設定情報を付加することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記文書データ管理手段は、前記文書データ取得手段が取得した文書データに基づいて前記表示手段にプレビュー表示を行い、該文書データに対して前記削除処理設定情報が付加されていない場合には前記プレビュー表示に伴って該文書データを削除するか否かの選択画面を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
文書データを記憶する外部記憶装置と接続するためのインタフェースをさらに備え、
前記文書データ取得手段は、前記インタフェースを介して前記外部記憶装置から文書データを取得し、
前記データ管理手段は、前記文書データ取得手段が前記外部記憶装置から文書データを取得した場合、該文書データを削除するか否かの選択画面を前記表示手段に表示すると共に前記操作入力手段を介して選択操作を受け付け、該文書データに基づくジョブの実行後に前記選択操作に応じた処理を前記外部記憶装置に対して行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
文書データを記憶するための記憶領域を有する記憶手段をさらに備え、
前記記憶領域に記憶されている文書データに基づいてジョブの実行が行われた場合、該文書データを削除するか否かを示す文書削除条件を前記記憶手段又は前記記憶領域に対して設定可能であり、
前記文書データ取得手段が前記記憶領域から取得した文書データに対して前記削除処理設定情報が付加されており、かつ、前記文書データ取得手段が文書データを取得した前記記憶手段又は前記記憶領域に対して前記文書削除条件が設定されている場合、前記文書データ管理手段は、予め設定された優先順位に従って前記削除処理設定情報および前記文書削除条件のいずれか一方に基づいて該文書データに基づくジョブの実行後の処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
利用者に対して各種情報を表示可能な表示手段と、利用者による入力操作を受け付ける操作入力手段とを備え、文書データに基づくジョブを実行する画像形成装置のコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記操作入力手段を介して指定される文書データを取得する文書データ取得手段、
前記文書データ取得手段が取得した文書データに対し、該文書データに基づくジョブの実行後に該文書データを削除するか否かを記述した削除処理設定情報が付加されているか否かを確認する削除処理設定確認手段、
前記文書データ取得手段が取得した文書データに対し、前記削除処理設定情報が付加されている場合には該文書データに基づくジョブの実行後に前記削除処理設定情報に応じた処理を行い、前記削除処理設定情報が付加されていない場合には該文書データを削除するか否かの選択画面を前記表示手段に表示すると共に前記操作入力手段を介して選択操作を受け付け、該文書データに基づくジョブの実行後に前記選択操作に応じた処理を行う文書データ管理手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−179515(P2010−179515A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23643(P2009−23643)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】