画像形成装置およびプログラム
【課題】接続配線数の増加を招くことなく、異常温度に起因する不具合の発生を防止することのできる画像形成装置およびプログラムを得る。
【解決手段】用紙の通過を検出するフォトセンサと、装置筐体内の予め定められた位置に設けられ、設けられた位置の温度を検出するサーミスタT1と、フォトセンサによる検出結果を示す信号およびサーミスタT1による検出結果を示す信号が重畳されて伝送されるようにフォトセンサとサーミスタT1とに接続されたケーブルCBLと、を備え、ケーブルCBLにより伝送された信号が入力されるようにケーブルCBLに接続されたCPUにより、ケーブルCBLにより伝送された信号により示されるフォトセンサ35による検出結果に基づいて画像形成動作を制御すると共に、ケーブルCBLにより伝送された信号により示されるサーミスタT1により検出された温度が異常である場合に当該異常に対処する制御を行う。
【解決手段】用紙の通過を検出するフォトセンサと、装置筐体内の予め定められた位置に設けられ、設けられた位置の温度を検出するサーミスタT1と、フォトセンサによる検出結果を示す信号およびサーミスタT1による検出結果を示す信号が重畳されて伝送されるようにフォトセンサとサーミスタT1とに接続されたケーブルCBLと、を備え、ケーブルCBLにより伝送された信号が入力されるようにケーブルCBLに接続されたCPUにより、ケーブルCBLにより伝送された信号により示されるフォトセンサ35による検出結果に基づいて画像形成動作を制御すると共に、ケーブルCBLにより伝送された信号により示されるサーミスタT1により検出された温度が異常である場合に当該異常に対処する制御を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、事故解析に必要な情報を検知する検知手段と、この検知手段で検知した情報を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、印刷装置内に本体とは独立した系で通信ユニットと電源管理ユニットそして熱センサおよび発煙感知センサを備えることにより、一定時間以上規定温度を超えた状態が続いたり、発煙を装置内に設置されたセンサが感知したりした場合に印刷装置の主電源を落として管理者に通知を行うことを特徴とする印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−254309号公報
【特許文献2】特開2003−154739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、接続配線数の増加を招くことなく、異常温度に起因する不具合の発生を防止することのできる画像形成装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像形成装置は、画像形成動作に関する予め定められた検出対象を検出する検出手段と、装置筐体内の予め定められた位置に設けられ、設けられた位置の温度を検出する温度検出手段と、前記検出手段による検出結果を示す信号および前記温度検出手段による検出結果を示す信号が重畳されて伝送されるように前記検出手段と前記温度検出手段とに接続された接続配線と、前記接続配線により伝送された信号が入力されるように前記接続配線に接続され、当該接続配線により伝送された信号により示される前記検出手段による検出結果に基づいて前記画像形成動作を制御すると共に、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度検出手段により検出された温度が異常である場合に当該異常に対処する異常対処制御を行う制御手段と、を備えている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記接続配線が、オープン・コレクタ回路またはオープン・ドレイン回路を介して前記検出手段と前記温度検出手段とに接続されるものである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記画像形成動作が、記録媒体を搬送させた状態で当該記録媒体に画像を形成する動作であり、前記予め定められた検出対象が、搬送されている前記記録媒体の先端位置、搬送されている前記記録媒体の後端位置、および前記記録媒体の搬送経路上での詰まり状態の少なくとも1つであるものである。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記異常対処制御が、異常の発生を報知する制御、画像形成動作を停止させる制御、および異常の発生を記録する制御の少なくとも1つであるものである。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記制御手段が、前記画像形成動作が停止しているときに前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度が異常である場合に前記異常対処制御を行うものである。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の発明において、前記制御手段が、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度が予め定められた閾値より高い場合に前記異常対処制御を行うものである。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の発明において、前記制御手段が、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度の上昇速度が予め定められた閾値より速い場合に前記異常対処制御を行うものである。
【0013】
さらに、請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の発明において、前記検出手段と前記温度検出手段が一体的に構成されているものである。
【0014】
一方、上記目的を達成するために、請求項9に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の画像形成装置における制御手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1および請求項9に記載の発明によれば、接続配線数の増加を招くことなく、異常温度に起因する不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明によれば、従前から広く用いられている回路素子を用いて本発明を実現することができる結果、より低コストで異常温度に起因する不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【0017】
また、請求項3に記載の発明によれば、接続配線数の増加を招くことなく、適用した検出対象に基づく画像形成動作の制御と、異常温度に起因する不具合の発生の防止とを両立することができる、という効果が得られる。
【0018】
また、請求項4に記載の発明によれば、異常温度に起因する不具合の発生を、適用した異常対処制御によって防止することができる、という効果が得られる。
【0019】
また、請求項5に記載の発明によれば、画像形成動作時に行う場合に比較して、より高精度に、異常温度に起因する不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明によれば、本発明を適用しない場合に比較して、より簡易に異常温度に起因する不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明によれば、本発明を適用しない場合に比較して、より高精度に異常温度に起因する不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【0022】
さらに、請求項8に記載の発明によれば、検出手段と温度検出手段を別体で構成する場合に比較して、より省スペースで異常温度に起因する不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の正面図である。
【図2】実施の形態に係る画像形成装置の内部の要部構成を示す概略破断側面図である。
【図3】実施の形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係る接続回路の構成を示す回路図(一部ブロック図)である。
【図5】第1の実施の形態に係る電圧変換部の構成を示す回路図である。
【図6】実施の形態に係るサーミスタによる検出温度に対する当該サーミスタの出力電圧の一例を示すグラフである。
【図7】第1の実施の形態に係る接続回路の動作の説明に供する図であり、(A)は画像形成時においてサーミスタによる検出温度が上昇した場合における当該検出温度とサーミスタの出力電圧との関係の一例を示すグラフであり、(B)は(A)に対応する電圧変換部の出力電圧を示すグラフである。
【図8】実施の形態に係る異常温度対応機能の実行タイミングの説明に供するグラフである。
【図9】実施の形態に係る異常温度対応処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態に係る接続回路の構成を示す回路図(一部ブロック図)である。
【図11】第2の実施の形態に係る接続回路の動作の説明に供する図であり、(A)は画像形成時においてサーミスタによる検出温度が上昇した場合における当該検出温度と出力電圧との関係の一例を示すグラフであり、(B)は(A)に対応する電圧変換部の出力電圧を示すグラフである。
【図12】実施の形態に係る接続回路の他の構成例を示す回路図(一部ブロック図)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
[第1の実施の形態]
図1には、本実施の形態に係る画像形成装置10の正面図が示されている。
【0026】
同図に示すように、この画像形成装置10は、予め定められた画像読み取り位置に載せられた原稿から画像を読み取り、当該画像を示す画像データを取得するスキャナ11と、スキャナ11により取得した画像データや外部装置から取得した画像データ等の各種画像データを用いて画像形成処理を行う装置本体12と、装置本体12に記録媒体としての用紙31(図2も参照。)を供給する給紙装置13と、操作メニューやメッセージ等の各種情報を表示すると共に表示面に透過型のタッチパネルが一体的に設けられたタッチパネル・ディスプレイ(以下、「ディスプレイ」という。)14と、画像が形成されて装置本体12から排出された用紙31を保持する排出トレイ39と、を有している。
【0027】
次に、図2を参照して、装置本体12の内部構成を説明する。
【0028】
同図に示すように、本実施の形態に係る装置本体12は、電子写真方式により用紙31に対して画像形成処理を行う画像形成エンジン部15を備えている。
【0029】
本実施の形態に係る画像形成エンジン部15はフルカラータイプのものであり、4個の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kを備えている。これら画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは中間転写体ベルト18の長手方向に沿って予め定められた間隔で配置されている。中間転写体ベルト18は複数のローラに張架され、予め定められた速度で図2の矢印E方向に搬送される無端ベルト状とされている。
【0030】
画像形成ユニット20Yはイエロー(Y)に、画像形成ユニット20Mはマゼンタ(M)に、画像形成ユニット20Cはシアン(C)に、画像形成ユニット20Kはブラック(K)に、各々対応しており、各々対応する色の画像を形成するものとされている。なお、図2では、符号の末尾に対応する色を示すアルファベット(Y/M/C/K)を付与して示すが、以下では、特に色を区別しない場合、この符号末尾のアルファベットを省略して説明する。
【0031】
画像形成ユニット20には、図2の矢印F方向へ予め定められた回転速度で回転駆動する円筒状の感光体ドラム22が配設されている。また、各感光体ドラム22の周囲には感光体ドラム22の表面を一様に帯電させる帯電器24が配置されている。この帯電器24による感光体ドラム22への帯電が一連の画像形成工程の初段階となる。さらに、各感光体ドラム22の回転方向に沿って帯電器24より下流側には、帯電器24により一様に帯電された感光体ドラム22の軸線方向に、所望の画像に基づく光ビームを照射し、感光体ドラム22上に静電潜像を形成するROS(Raster Output Scanner)26が配置されている。
【0032】
また、各感光体ドラム22の周囲には、感光体ドラム22の回転方向に沿ってROS26よりも下流側に、感光体ドラム22上に形成された静電潜像をそれぞれが受け持つ色(イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックの何れか)のトナーによって現像してトナー像を形成させる現像器28が配設されている。この現像器28の下流側に中間転写体ベルト18との接触点が位置しており、中間転写体ベルト18を感光体ドラム22とで挟持するように第1の転写器29が配設されている。第1の転写器29は、予め定められた電圧が印加されて感光体ドラム22上のトナー像を中間転写体ベルト18に転写するものである。
【0033】
各感光体ドラム22上に形成された互いに異なる色のトナー像は、中間転写体ベルト18のベルト面上で、互いに重なり合うように(同じ領域に)中間転写体ベルト18に各々転写される。これにより、中間転写体ベルト18上にフルカラーのトナー像が形成される。なお、本実施の形態では、このようにして4色のトナー像が重ねて転写されたトナー像を「最終トナー像」と言う。
【0034】
中間転写体ベルト18の感光体ドラム22からのトナー像転写位置よりも搬送方向(図2の矢印E方向)下流側には、一対のローラからなる第2の転写器34が配設されている。この第2の転写器34における各ローラの間には、給紙装置13の給紙トレイからピックアップロールによって取り出され、複数の搬送ローラにより搬送されてきた用紙31が挟持されるようになっており、この挟持搬送によって中間転写体ベルト18から用紙31へ最終トナー像が転写される構成となっている。
【0035】
また、この用紙31が搬送される搬送経路の第2の転写器34よりも上流側には、フォトセンサ35が配置されており、フォトセンサ35により用紙31の先端位置および後端位置が通過したことを検出している。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、フォトセンサ35としてフォト・インタラプタを適用しているが、これに限らず、光学的に用紙31の通過を検出する従来既知の他の透過型や反射型のセンサを適用してもよい。さらに、このような光学的に用紙31の通過を検出するものにも限らず、メカニカル・スイッチ等を用いて機械的に検出する従来既知の機械式のセンサを適用してもよい。
【0036】
最終トナー像が転写された用紙31は、互いに対向配置された加圧ローラと加熱ローラからなる定着器36の各ローラ間のニップ部に搬送されて加熱定着が施される。これにより、最終トナー像が用紙31に定着されて、用紙31上に所望の画像(カラー画像)が形成される。画像が形成された用紙31は定着器36の用紙搬送方向下流側に配置された一対の排紙ローラ38によって排出トレイ39へ排出される。
【0037】
次に、図3を参照して、画像形成装置10の電気系の要部構成を説明する。
【0038】
画像形成装置10は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)40と、各種プログラムの実行時におけるワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)41と、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)42と、各種情報を記憶するフラッシュメモリ43と、ディスプレイ14に対する各種情報の表示のための制御を行うディスプレイドライバ44と、ディスプレイ14へのタッチ操作を検出する操作入力検出部46と、を備えている。
【0039】
また、画像形成装置10は、スキャナ11による光学的な画像の読み取り動作を制御するスキャナドライバ50と、画像形成エンジン部15の各部を制御する画像形成エンジン制御部54と、給紙装置13による用紙31の搬送動作を制御する給紙装置制御部56と、電力によって駆動する各部に対して対応する電圧の電力を供給する電源58と、を備えている。
【0040】
CPU40、RAM41、ROM42、フラッシュメモリ43、ディスプレイドライバ44、操作入力検出部46、スキャナドライバ50、画像形成エンジン制御部54、給紙装置制御部56、および電源58は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU40は、RAM41、ROM42、フラッシュメモリ43へのアクセスと、ディスプレイドライバ44を介したディスプレイ14への各種情報の表示と、スキャナドライバ50を介したスキャナ11の作動の制御と、画像形成エンジン制御部54を介した画像形成エンジン部15の各部の作動の制御と、給紙装置制御部56を介した給紙装置13の各給紙トレイに格納された用紙31の搬送動作の制御と、電源58による各部への電力供給の制御と、を各々行うことができる。また、CPU40は、ディスプレイ14に対するユーザのタッチ操作による操作指示と、スキャナドライバ50を介してスキャナ11により読み取った原稿のサイズと、を各々把握することができる。
【0041】
ところで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、フォトセンサ35から出力された用紙31の通過状態を示す信号(以下、「通過検出信号」という。)に基づいて、CPU40により、画像形成エンジン制御部54を介して画像形成エンジン部15の作動を制御する。
【0042】
ここで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、フォトセンサ35が設けられている基板(以下、「第1基板」という。)と、CPU40が設けられている基板(以下、「第2基板」という。)と、が別体として構成されており、各基板の配置位置も離れている。すなわち、第1基板は、フォトセンサ35によるセンシング位置の近傍に設けられる一方、第2基板は、各部の作動時における発熱、振動等の影響を受けにくい位置(一例として、図2における定着器36と給紙装置13の間の位置)に設けられている。このため、第1基板と第2基板とは、ケーブルを介して電気的に接続されている。
【0043】
次に、図4を参照して、第1基板に設けられたフォトセンサ35と、第2基板に設けられたCPU40との間を電気的に接続する、本実施の形態に係る接続回路60の構成を説明する。
【0044】
同図に示すように、本実施の形態に係る接続回路60は、前述した第1基板62に設けられ、ベースがフォトセンサ35における受光素子の出力端子に電気的に接続されたトランジスタQ1が備えられている。ここで、トランジスタQ1のコレクタは抵抗器R1を介して予め定められた電圧(本実施の形態では、5V)にプル・アップされる一方、トランジスタQ1のエミッタは接地されている。
【0045】
一方、本実施の形態に係る接続回路60は、前述した第2基板64に設けられ、入力された電圧の上限値を予め定められた電圧値に制限するように変換して出力する電圧変換部66が備えられている。なお、本実施の形態に係る電圧変換部66は、図5に示すように、抵抗器R2およびツェナー・ダイオードZ1により構成されたクリップ回路により構成されている。本実施の形態に係る電圧変換部66では、ツェナー・ダイオードZ1として、ツェナー電圧Vzが3.3Vのものを適用している。従って、本実施の形態に係る電圧変換部66では、入力電圧が3.3Vを超える場合に出力電圧を3.3Vに降圧する。
【0046】
また、トランジスタQ1のコレクタはケーブルCBLを介して電圧変換部66の入力端子に接続されており、電圧変換部66の出力端子はCPU40に接続されている。このように、本実施の形態に係る接続回路60では、トランジスタQ1によってオープン・コレクタ回路を構成している。
【0047】
ここで、本実施の形態に係る接続回路60には、設けられた位置の温度を検出する温度検出手段としてのNTC型のサーミスタT1が備えられており、サーミスタT1の一方の端子はトランジスタQ1のコレクタに接続される一方、他方の端子は接地されている。なお、図2に示されるように、本実施の形態に係る画像形成装置10では、サーミスタT1がフォトセンサ35に一体的に設けられている。
【0048】
一方、第2基板64において電圧変換部66の入力端子は分岐されてA/D変換器68の入力端子に接続されており、A/D変換器68の出力端子はCPU40に接続されている。
【0049】
本実施の形態に係る接続回路60では、サーミスタT1として、基準抵抗値が10kΩ、基準温度が25°C、B定数が4000の定格のものを適用しており、サーミスタT1により検出される温度が異常であるときの下限温度(以下、「異常下限温度」という。)を120°Cとし、当該異常下限温度を中心としてサーミスタT1のリニアライズを行う。
【0050】
図6には、上記リニアライズするためのプル・アップ抵抗として抵抗器R1の抵抗値を200ΩとしたときのサーミスタT1による検出温度に対するサーミスタT1の出力電圧Vthが示されている。
【0051】
同図に示すように、この場合、サーミスタT1による検出温度が異常下限温度(120°C)のときの出力電圧Vthは約3.3Vとなり、検出温度が0°Cから120°Cまでの範囲内、すなわち正常時における温度範囲(以下、「正常温度範囲」という。)内であるときの出力電圧Vthは5Vから3.3Vまでの範囲内に収まる。従って、検出温度が正常温度範囲内にあるときは、出力電圧Vthが電圧変換部66によって3.3Vにクリップされるので、CPU40は、電圧変換部66から入力された信号を、フォトセンサ35から出力され、ハイ・レベル(High Level)が3.3Vとされた2値を示す通過検出信号として取り扱う。
【0052】
図7(A)には、画像形成動作時においてサーミスタT1による検出温度が徐々に上昇した場合における、当該検出温度と出力電圧Vthとの関係の一例を示すグラフが示されている。
【0053】
同図に示すように、出力電圧Vthはフォトセンサ35による検出結果を示す2値出力のハイ・レベルに対して検出温度に応じた電圧が重畳された状態となる。このため、CPU40は、A/D変換器68から出力された電圧レベルを示す値を参照することによって、サーミスタT1により検出された温度を把握する。
【0054】
なお、図7(B)には、画像形成動作時においてサーミスタT1による検出温度の上昇が図7(A)に示されるものである場合の電圧変換部66の出力電圧が示されている。同図からも明らかなように、検出温度が正常温度範囲内にあるときは、3.3Vから5Vまでの範囲内の出力電圧Vthが電圧変換部66によって3.3Vにクリップされる結果、CPU40は、電圧変換部66から入力された信号を、フォトセンサ35から出力された2値を示す通過検出信号として取り扱う点は前述した通りである。そして、CPU40は、電圧変換部66から得られた通過検出信号に基づいて、画像形成エンジン部15による画像形成動作を、画像形成エンジン制御部54を介して制御する。
【0055】
ところで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、サーミスタT1によって検出された温度が異常である場合に当該異常に対処する異常対処処理を実行する異常温度対応機能が搭載されている。
【0056】
なお、一例として図8に示すように、フォトセンサ35からの出力電圧Voltは、画像形成動作時には用紙31の検出状態に応じて頻繁に変化するため、サーミスタT1による検出温度を把握することが難しい。そこで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、出力電圧Voltが殆ど変化しない、スタンバイ・モード、スリープ・モード等の省電力モードに移行している期間や、一連の画像形成動作が終了した時点から次の画像形成動作が開始されるまでの期間等の非画像形成期間に異常温度対応機能が実行される。
【0057】
次に、図9を参照して、異常温度対応機能が実行される際の本実施の形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。なお、図9は、上記非画像形成期間にCPU40によって実行される異常温度対応処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM42に予め記憶されている。
【0058】
同図のステップ100では、A/D変換器68からの出力値を取得することによりサーミスタT1による検出温度T1を取得する。なお、A/D変換器68から取得される出力値はサーミスタT1による出力電圧Vthの電圧レベルを示す値となっているため、CPU40は、予め定められた変換情報(一例として、図6に示される出力電圧Vthと検出温度との関係を示す情報)に基づいて、A/D変換器68から取得した出力値を検出温度T1に変換する。
【0059】
次のステップ102では、検出温度T1が上記異常下限温度(本実施の形態では、120°C)より高いか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ116に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ104に移行する。
【0060】
ステップ104では、検出温度T1をフラッシュメモリ43に記憶し、次のステップ106にて、サーミスタT1による検出温度の上昇速度を導出する際のインターバルとして予め定められた期間(本実施の形態では、10秒間)の経過待ちを行う。
【0061】
次のステップ108では、この時点のサーミスタT1による検出温度T2を上記ステップ100と同様に取得し、次のステップ110にて、検出温度T2から検出温度T1を減算することによって上記予め定められた期間当たりの上昇温度(以下、「温度上昇速度」という。)Sを算出する。
【0062】
次のステップ112では、温度上昇速度Sが予め定められた速度閾値Sth以上であるか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ116に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ114に移行する。なお、上記ステップ112において適用する速度閾値Sthは、サーミスタT1による検出温度が異常に速く上昇していることを検出するための閾値であり、予め固定的に保持しておいてもよく、画像形成装置10の設置環境や画像形成装置10の使用頻度等に応じて、ユーザによりディスプレイ14等の受付手段を介して設定するようにしてもよい。
【0063】
ステップ114では、予め定められた異常対処処理を実行し、その後にステップ116に移行する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、上記異常対処処理として、異常の発生をディスプレイ14等の表示手段や外部装置等を介して報知する処理、および異常の発生をフラッシュメモリ43等の記憶手段に記憶する処理を適用しているが、これに限らず、これらの処理に加えて、何らかの画像形成動作が実行されている場合の当該動作を強制的に停止させる処理等の、異常温度に対処する予め定められた処理の1つ、または複数の組み合わせを適用してもよい。
【0064】
ステップ116では、本異常温度対応処理プログラムを終了するタイミングとして予め定められたタイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ100に戻る一方、肯定判定となった時点で本異常温度対応処理プログラムを終了する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、上記予め定められたタイミングとして、上記非画像形成期間が終了したタイミングを適用しているが、これに限らず、このタイミングに加えて、ユーザによって画像形成装置10のメイン・スイッチがオフされたタイミング、ユーザからの異常温度対応処理プログラムの停止を指示する指示入力がディスプレイ14等の受付手段を介して受け付けられたタイミング等の1つ、または複数の組み合わせを適用してもよい。
【0065】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、オープン・コレクタ回路による2値出力のハイ・レベルにサーミスタT1からの出力を重畳させる場合の形態例について説明したが、本第2の実施の形態では、オープン・コレクタ回路による2値出力のロー・レベル(Low Level)にサーミスタT1からの出力を重畳させる場合の形態例について説明する。なお、本第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成は、上記第1の実施の形態に係る画像形成装置10(図1〜図3参照。)と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0066】
以下、図10を参照して、第1基板62に設けられたフォトセンサ35と、第2基板64に設けられたCPU40との間を電気的に接続する、本第2の実施の形態に係る接続回路60’の構成を説明する。
【0067】
同図に示すように、本第2の実施の形態に係る接続回路60’は、第1基板62に設けられ、ベースがフォトセンサ35における受光素子の出力端子に電気的に接続されたトランジスタQ2が備えられている。ここで、トランジスタQ2のコレクタは抵抗器R3を介して予め定められた電圧(本実施の形態では、5V)にプル・アップされている。
【0068】
一方、本第2の実施の形態に係る接続回路60’は、第2基板64に設けられ、入力された電圧の下限値を予め定められた電圧値に制限するように変換して出力する電圧変換部70が備えられている。なお、本実施の形態に係る電圧変換部70は、同図に示すように、コンデンサC1およびダイオードD1により構成されたクランプ回路により構成されている。
【0069】
また、トランジスタQ2のコレクタはケーブルCBLを介して電圧変換部70の入力端子に接続されており、電圧変換部70の出力端子はCPU40に接続されている。このように、本第2の実施の形態に係る接続回路60’でも、トランジスタQ2によってオープン・コレクタ回路を構成している。
【0070】
ここで、本第2の実施の形態に係る接続回路60’では、フォトセンサ35に一体的に設けられたサーミスタT2の一方の端子がトランジスタQ2のエミッタに接続される一方、他方の端子は接地されている。また、トランジスタQ2のエミッタは抵抗器R4を介して接地されている。
【0071】
一方、第2基板64において電圧変換部70の入力端子は分岐されてA/D変換器72の入力端子に接続されており、A/D変換器72の出力端子はCPU40に接続されている。
【0072】
図11(A)には、画像形成動作時においてサーミスタT2による検出温度が徐々に上昇した場合における、当該検出温度と図10に示される出力電圧Vthとの関係の一例を示すグラフが示されている。
【0073】
同図に示すように、本第2の実施の形態に係る接続回路60’においては、出力電圧Vthがフォトセンサ35による検出結果を示す2値出力のロー・レベル側に対してサーミスタT2による検出温度に応じた電圧が重畳された状態となる。このため、CPU40は、A/D変換器72から出力された電圧レベルを示す値を参照することによって、サーミスタT2により検出された温度を把握する。
【0074】
なお、図11(B)には、画像形成動作時においてサーミスタT2による検出温度の上昇が図11(A)に示されるものである場合の電圧変換部70の出力電圧が示されている。同図からも明らかなように、出力電圧Vthのロー・レベルが電圧変換部70によって0Vにクランプされる結果、CPU40は、電圧変換部70から入力された信号を、フォトセンサ35から出力された2値を示す通過検出信号として取り扱う。そして、CPU40は、電圧変換部70から得られた通過検出信号に基づいて、画像形成エンジン部15による画像形成動作を、画像形成エンジン制御部54を介して制御する。
【0075】
なお、本第2の実施の形態に係る画像形成装置10においても、図9に示した異常温度対応処理プログラムが上記第1の実施の形態と同じタイミングでCPU40により実行されるが、この説明については省略する。
【0076】
以上詳細に説明したように、上記各実施の形態では、画像形成動作に関する予め定められた検出対象を検出する検出手段(ここでは、フォトセンサ35)と、装置筐体内の予め定められた位置に設けられ、設けられた位置の温度を検出する温度検出手段(ここでは、サーミスタT1)と、前記検出手段による検出結果を示す信号および前記温度検出手段による検出結果を示す信号が重畳されて伝送されるように前記検出手段と前記温度検出手段とに接続された接続配線(ここでは、ケーブルCBL)と、を備え、前記接続配線により伝送された信号が入力されるように前記接続配線に接続された制御手段(ここでは、CPU40)により、当該接続配線により伝送された信号により示される前記検出手段による検出結果に基づいて前記画像形成動作を制御すると共に、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度検出手段により検出された温度が異常である場合に当該異常に対処する異常対処制御を行っている。
【0077】
以上、本発明を上記実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の主旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0078】
また、上記実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、また、上記実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における状況に応じた組み合わせにより種々の発明が抽出される。上記実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出される。
【0079】
例えば、上記各実施の形態では、接続回路にオープン・コレクタ回路を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一例として図12に示すようなトーテムポール出力回路を接続回路に適用する形態としてもよい。なお、同図における図4と同一の構成要素には図4と同一の符号が付してある。
【0080】
また、上記各実施の形態では、錯綜を回避するために、本発明を1つのみのセンサ出力(上記各実施の形態では、フォトセンサ35の出力)を伝送する接続回路に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のセンサ出力に適用する形態としてもよいことは言うまでもない。画像形成装置には、一般に、多数の用紙検出用のセンサが用紙の搬送経路上に分散して設けられているため、これらのセンサに対して上記各実施の形態に係る接続回路と同様の構成を採用することにより、接続配線数の増加の抑制効果が、より多く享受される。
【0081】
また、上記各実施の形態では、接続回路60および接続回路60’で用いるトランジスタとしてバイポーラ・トランジスタを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電界効果トランジスタを適用する形態としてもよい。なお、この場合、上記各実施の形態におけるオープン・コレクタ回路に代えてオープン・ドレイン回路が適用されることになる。
【0082】
また、上記各実施の形態では、本発明の検出手段による検出対象として用紙31の通過状態を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、用紙31の紙詰まり、現像器28におけるトナー残量、給紙トレイにおける用紙残量等、他の検出対象を適用する形態としてもよい。
【0083】
また、上記各実施の形態では、異常温度対応処理プログラムにおいてサーミスタT1による検出温度が異常下限温度より高く、かつ当該検出温度の温度上昇速度が速度閾値Sth以上である場合に異常対処処理を実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記検出温度が異常下限温度より高い場合に異常対処処理を実行する形態や、上記温度上昇速度が速度閾値Sth以上である場合に異常対処処理を実行する形態としてもよい。
【0084】
また、上記各実施の形態では、非画像形成時に異常温度対応処理プログラムを実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像形成時に実行する形態や、画像形成時および非画像形成時の双方で実行する形態としてもよい。
【0085】
また、上記各実施の形態では、本発明の画像形成装置を、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、液滴吐出装置(所謂インクジェットプリンタ)等の他の画像形成装置に本発明の画像形成装置を適用する形態としてもよい。
【0086】
また、上記各実施の形態では、異常温度対応処理プログラムがROM42に予め記憶されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該プログラムをCD−ROMやDVD−ROM、USBメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納した状態で提供する形態を適用してもよいし、有線又は無線による通信手段を介して配信する形態を適用してもよい。
【0087】
また、上記各実施の形態では、本発明の温度検出手段として、NTC型のサーミスタを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、PTC型,CTR型等の他のサーミスタや、熱電対、バイメタル、測温抵抗体等の他の温度センサを適用してもよい。
【0088】
その他、上記各実施の形態で説明した画像形成装置の構成(図1〜図3参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部位を削除したり、新たな部位を追加したり、各部位の配設位置を変更したりしてもよい。
【0089】
また、上記各実施の形態で説明した接続回路の構成(図4,図10参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部位を削除したり、新たな部位を追加したり、各部位の配設位置を変更したりしてもよい。
【0090】
さらに、上記各実施の形態で説明した異常温度対応処理プログラムの処理の流れ(図9参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0091】
10 画像形成装置
15 画像形成エンジン部
31 用紙(記録媒体)
35 フォトセンサ(検出手段)
40 CPU(制御手段)
42 ROM
60,60’,60’’ 接続回路
62 第1基板
64 第2基板
66 電圧変換部
68 A/D変換器
70 電圧変換部
72 A/D変換器
C1 コンデンサ
CBL ケーブル(接続配線)
D1 ダイオード
Q1〜Q4 トランジスタ
R1〜R5 抵抗器
T1,T2 サーミスタ(温度検出手段)
Z1 ツェナー・ダイオード
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、事故解析に必要な情報を検知する検知手段と、この検知手段で検知した情報を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、印刷装置内に本体とは独立した系で通信ユニットと電源管理ユニットそして熱センサおよび発煙感知センサを備えることにより、一定時間以上規定温度を超えた状態が続いたり、発煙を装置内に設置されたセンサが感知したりした場合に印刷装置の主電源を落として管理者に通知を行うことを特徴とする印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−254309号公報
【特許文献2】特開2003−154739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、接続配線数の増加を招くことなく、異常温度に起因する不具合の発生を防止することのできる画像形成装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像形成装置は、画像形成動作に関する予め定められた検出対象を検出する検出手段と、装置筐体内の予め定められた位置に設けられ、設けられた位置の温度を検出する温度検出手段と、前記検出手段による検出結果を示す信号および前記温度検出手段による検出結果を示す信号が重畳されて伝送されるように前記検出手段と前記温度検出手段とに接続された接続配線と、前記接続配線により伝送された信号が入力されるように前記接続配線に接続され、当該接続配線により伝送された信号により示される前記検出手段による検出結果に基づいて前記画像形成動作を制御すると共に、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度検出手段により検出された温度が異常である場合に当該異常に対処する異常対処制御を行う制御手段と、を備えている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記接続配線が、オープン・コレクタ回路またはオープン・ドレイン回路を介して前記検出手段と前記温度検出手段とに接続されるものである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記画像形成動作が、記録媒体を搬送させた状態で当該記録媒体に画像を形成する動作であり、前記予め定められた検出対象が、搬送されている前記記録媒体の先端位置、搬送されている前記記録媒体の後端位置、および前記記録媒体の搬送経路上での詰まり状態の少なくとも1つであるものである。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記異常対処制御が、異常の発生を報知する制御、画像形成動作を停止させる制御、および異常の発生を記録する制御の少なくとも1つであるものである。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記制御手段が、前記画像形成動作が停止しているときに前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度が異常である場合に前記異常対処制御を行うものである。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の発明において、前記制御手段が、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度が予め定められた閾値より高い場合に前記異常対処制御を行うものである。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の発明において、前記制御手段が、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度の上昇速度が予め定められた閾値より速い場合に前記異常対処制御を行うものである。
【0013】
さらに、請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の発明において、前記検出手段と前記温度検出手段が一体的に構成されているものである。
【0014】
一方、上記目的を達成するために、請求項9に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の画像形成装置における制御手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1および請求項9に記載の発明によれば、接続配線数の増加を招くことなく、異常温度に起因する不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明によれば、従前から広く用いられている回路素子を用いて本発明を実現することができる結果、より低コストで異常温度に起因する不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【0017】
また、請求項3に記載の発明によれば、接続配線数の増加を招くことなく、適用した検出対象に基づく画像形成動作の制御と、異常温度に起因する不具合の発生の防止とを両立することができる、という効果が得られる。
【0018】
また、請求項4に記載の発明によれば、異常温度に起因する不具合の発生を、適用した異常対処制御によって防止することができる、という効果が得られる。
【0019】
また、請求項5に記載の発明によれば、画像形成動作時に行う場合に比較して、より高精度に、異常温度に起因する不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明によれば、本発明を適用しない場合に比較して、より簡易に異常温度に起因する不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明によれば、本発明を適用しない場合に比較して、より高精度に異常温度に起因する不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【0022】
さらに、請求項8に記載の発明によれば、検出手段と温度検出手段を別体で構成する場合に比較して、より省スペースで異常温度に起因する不具合の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の正面図である。
【図2】実施の形態に係る画像形成装置の内部の要部構成を示す概略破断側面図である。
【図3】実施の形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係る接続回路の構成を示す回路図(一部ブロック図)である。
【図5】第1の実施の形態に係る電圧変換部の構成を示す回路図である。
【図6】実施の形態に係るサーミスタによる検出温度に対する当該サーミスタの出力電圧の一例を示すグラフである。
【図7】第1の実施の形態に係る接続回路の動作の説明に供する図であり、(A)は画像形成時においてサーミスタによる検出温度が上昇した場合における当該検出温度とサーミスタの出力電圧との関係の一例を示すグラフであり、(B)は(A)に対応する電圧変換部の出力電圧を示すグラフである。
【図8】実施の形態に係る異常温度対応機能の実行タイミングの説明に供するグラフである。
【図9】実施の形態に係る異常温度対応処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態に係る接続回路の構成を示す回路図(一部ブロック図)である。
【図11】第2の実施の形態に係る接続回路の動作の説明に供する図であり、(A)は画像形成時においてサーミスタによる検出温度が上昇した場合における当該検出温度と出力電圧との関係の一例を示すグラフであり、(B)は(A)に対応する電圧変換部の出力電圧を示すグラフである。
【図12】実施の形態に係る接続回路の他の構成例を示す回路図(一部ブロック図)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
[第1の実施の形態]
図1には、本実施の形態に係る画像形成装置10の正面図が示されている。
【0026】
同図に示すように、この画像形成装置10は、予め定められた画像読み取り位置に載せられた原稿から画像を読み取り、当該画像を示す画像データを取得するスキャナ11と、スキャナ11により取得した画像データや外部装置から取得した画像データ等の各種画像データを用いて画像形成処理を行う装置本体12と、装置本体12に記録媒体としての用紙31(図2も参照。)を供給する給紙装置13と、操作メニューやメッセージ等の各種情報を表示すると共に表示面に透過型のタッチパネルが一体的に設けられたタッチパネル・ディスプレイ(以下、「ディスプレイ」という。)14と、画像が形成されて装置本体12から排出された用紙31を保持する排出トレイ39と、を有している。
【0027】
次に、図2を参照して、装置本体12の内部構成を説明する。
【0028】
同図に示すように、本実施の形態に係る装置本体12は、電子写真方式により用紙31に対して画像形成処理を行う画像形成エンジン部15を備えている。
【0029】
本実施の形態に係る画像形成エンジン部15はフルカラータイプのものであり、4個の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kを備えている。これら画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは中間転写体ベルト18の長手方向に沿って予め定められた間隔で配置されている。中間転写体ベルト18は複数のローラに張架され、予め定められた速度で図2の矢印E方向に搬送される無端ベルト状とされている。
【0030】
画像形成ユニット20Yはイエロー(Y)に、画像形成ユニット20Mはマゼンタ(M)に、画像形成ユニット20Cはシアン(C)に、画像形成ユニット20Kはブラック(K)に、各々対応しており、各々対応する色の画像を形成するものとされている。なお、図2では、符号の末尾に対応する色を示すアルファベット(Y/M/C/K)を付与して示すが、以下では、特に色を区別しない場合、この符号末尾のアルファベットを省略して説明する。
【0031】
画像形成ユニット20には、図2の矢印F方向へ予め定められた回転速度で回転駆動する円筒状の感光体ドラム22が配設されている。また、各感光体ドラム22の周囲には感光体ドラム22の表面を一様に帯電させる帯電器24が配置されている。この帯電器24による感光体ドラム22への帯電が一連の画像形成工程の初段階となる。さらに、各感光体ドラム22の回転方向に沿って帯電器24より下流側には、帯電器24により一様に帯電された感光体ドラム22の軸線方向に、所望の画像に基づく光ビームを照射し、感光体ドラム22上に静電潜像を形成するROS(Raster Output Scanner)26が配置されている。
【0032】
また、各感光体ドラム22の周囲には、感光体ドラム22の回転方向に沿ってROS26よりも下流側に、感光体ドラム22上に形成された静電潜像をそれぞれが受け持つ色(イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックの何れか)のトナーによって現像してトナー像を形成させる現像器28が配設されている。この現像器28の下流側に中間転写体ベルト18との接触点が位置しており、中間転写体ベルト18を感光体ドラム22とで挟持するように第1の転写器29が配設されている。第1の転写器29は、予め定められた電圧が印加されて感光体ドラム22上のトナー像を中間転写体ベルト18に転写するものである。
【0033】
各感光体ドラム22上に形成された互いに異なる色のトナー像は、中間転写体ベルト18のベルト面上で、互いに重なり合うように(同じ領域に)中間転写体ベルト18に各々転写される。これにより、中間転写体ベルト18上にフルカラーのトナー像が形成される。なお、本実施の形態では、このようにして4色のトナー像が重ねて転写されたトナー像を「最終トナー像」と言う。
【0034】
中間転写体ベルト18の感光体ドラム22からのトナー像転写位置よりも搬送方向(図2の矢印E方向)下流側には、一対のローラからなる第2の転写器34が配設されている。この第2の転写器34における各ローラの間には、給紙装置13の給紙トレイからピックアップロールによって取り出され、複数の搬送ローラにより搬送されてきた用紙31が挟持されるようになっており、この挟持搬送によって中間転写体ベルト18から用紙31へ最終トナー像が転写される構成となっている。
【0035】
また、この用紙31が搬送される搬送経路の第2の転写器34よりも上流側には、フォトセンサ35が配置されており、フォトセンサ35により用紙31の先端位置および後端位置が通過したことを検出している。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、フォトセンサ35としてフォト・インタラプタを適用しているが、これに限らず、光学的に用紙31の通過を検出する従来既知の他の透過型や反射型のセンサを適用してもよい。さらに、このような光学的に用紙31の通過を検出するものにも限らず、メカニカル・スイッチ等を用いて機械的に検出する従来既知の機械式のセンサを適用してもよい。
【0036】
最終トナー像が転写された用紙31は、互いに対向配置された加圧ローラと加熱ローラからなる定着器36の各ローラ間のニップ部に搬送されて加熱定着が施される。これにより、最終トナー像が用紙31に定着されて、用紙31上に所望の画像(カラー画像)が形成される。画像が形成された用紙31は定着器36の用紙搬送方向下流側に配置された一対の排紙ローラ38によって排出トレイ39へ排出される。
【0037】
次に、図3を参照して、画像形成装置10の電気系の要部構成を説明する。
【0038】
画像形成装置10は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)40と、各種プログラムの実行時におけるワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)41と、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)42と、各種情報を記憶するフラッシュメモリ43と、ディスプレイ14に対する各種情報の表示のための制御を行うディスプレイドライバ44と、ディスプレイ14へのタッチ操作を検出する操作入力検出部46と、を備えている。
【0039】
また、画像形成装置10は、スキャナ11による光学的な画像の読み取り動作を制御するスキャナドライバ50と、画像形成エンジン部15の各部を制御する画像形成エンジン制御部54と、給紙装置13による用紙31の搬送動作を制御する給紙装置制御部56と、電力によって駆動する各部に対して対応する電圧の電力を供給する電源58と、を備えている。
【0040】
CPU40、RAM41、ROM42、フラッシュメモリ43、ディスプレイドライバ44、操作入力検出部46、スキャナドライバ50、画像形成エンジン制御部54、給紙装置制御部56、および電源58は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU40は、RAM41、ROM42、フラッシュメモリ43へのアクセスと、ディスプレイドライバ44を介したディスプレイ14への各種情報の表示と、スキャナドライバ50を介したスキャナ11の作動の制御と、画像形成エンジン制御部54を介した画像形成エンジン部15の各部の作動の制御と、給紙装置制御部56を介した給紙装置13の各給紙トレイに格納された用紙31の搬送動作の制御と、電源58による各部への電力供給の制御と、を各々行うことができる。また、CPU40は、ディスプレイ14に対するユーザのタッチ操作による操作指示と、スキャナドライバ50を介してスキャナ11により読み取った原稿のサイズと、を各々把握することができる。
【0041】
ところで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、フォトセンサ35から出力された用紙31の通過状態を示す信号(以下、「通過検出信号」という。)に基づいて、CPU40により、画像形成エンジン制御部54を介して画像形成エンジン部15の作動を制御する。
【0042】
ここで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、フォトセンサ35が設けられている基板(以下、「第1基板」という。)と、CPU40が設けられている基板(以下、「第2基板」という。)と、が別体として構成されており、各基板の配置位置も離れている。すなわち、第1基板は、フォトセンサ35によるセンシング位置の近傍に設けられる一方、第2基板は、各部の作動時における発熱、振動等の影響を受けにくい位置(一例として、図2における定着器36と給紙装置13の間の位置)に設けられている。このため、第1基板と第2基板とは、ケーブルを介して電気的に接続されている。
【0043】
次に、図4を参照して、第1基板に設けられたフォトセンサ35と、第2基板に設けられたCPU40との間を電気的に接続する、本実施の形態に係る接続回路60の構成を説明する。
【0044】
同図に示すように、本実施の形態に係る接続回路60は、前述した第1基板62に設けられ、ベースがフォトセンサ35における受光素子の出力端子に電気的に接続されたトランジスタQ1が備えられている。ここで、トランジスタQ1のコレクタは抵抗器R1を介して予め定められた電圧(本実施の形態では、5V)にプル・アップされる一方、トランジスタQ1のエミッタは接地されている。
【0045】
一方、本実施の形態に係る接続回路60は、前述した第2基板64に設けられ、入力された電圧の上限値を予め定められた電圧値に制限するように変換して出力する電圧変換部66が備えられている。なお、本実施の形態に係る電圧変換部66は、図5に示すように、抵抗器R2およびツェナー・ダイオードZ1により構成されたクリップ回路により構成されている。本実施の形態に係る電圧変換部66では、ツェナー・ダイオードZ1として、ツェナー電圧Vzが3.3Vのものを適用している。従って、本実施の形態に係る電圧変換部66では、入力電圧が3.3Vを超える場合に出力電圧を3.3Vに降圧する。
【0046】
また、トランジスタQ1のコレクタはケーブルCBLを介して電圧変換部66の入力端子に接続されており、電圧変換部66の出力端子はCPU40に接続されている。このように、本実施の形態に係る接続回路60では、トランジスタQ1によってオープン・コレクタ回路を構成している。
【0047】
ここで、本実施の形態に係る接続回路60には、設けられた位置の温度を検出する温度検出手段としてのNTC型のサーミスタT1が備えられており、サーミスタT1の一方の端子はトランジスタQ1のコレクタに接続される一方、他方の端子は接地されている。なお、図2に示されるように、本実施の形態に係る画像形成装置10では、サーミスタT1がフォトセンサ35に一体的に設けられている。
【0048】
一方、第2基板64において電圧変換部66の入力端子は分岐されてA/D変換器68の入力端子に接続されており、A/D変換器68の出力端子はCPU40に接続されている。
【0049】
本実施の形態に係る接続回路60では、サーミスタT1として、基準抵抗値が10kΩ、基準温度が25°C、B定数が4000の定格のものを適用しており、サーミスタT1により検出される温度が異常であるときの下限温度(以下、「異常下限温度」という。)を120°Cとし、当該異常下限温度を中心としてサーミスタT1のリニアライズを行う。
【0050】
図6には、上記リニアライズするためのプル・アップ抵抗として抵抗器R1の抵抗値を200ΩとしたときのサーミスタT1による検出温度に対するサーミスタT1の出力電圧Vthが示されている。
【0051】
同図に示すように、この場合、サーミスタT1による検出温度が異常下限温度(120°C)のときの出力電圧Vthは約3.3Vとなり、検出温度が0°Cから120°Cまでの範囲内、すなわち正常時における温度範囲(以下、「正常温度範囲」という。)内であるときの出力電圧Vthは5Vから3.3Vまでの範囲内に収まる。従って、検出温度が正常温度範囲内にあるときは、出力電圧Vthが電圧変換部66によって3.3Vにクリップされるので、CPU40は、電圧変換部66から入力された信号を、フォトセンサ35から出力され、ハイ・レベル(High Level)が3.3Vとされた2値を示す通過検出信号として取り扱う。
【0052】
図7(A)には、画像形成動作時においてサーミスタT1による検出温度が徐々に上昇した場合における、当該検出温度と出力電圧Vthとの関係の一例を示すグラフが示されている。
【0053】
同図に示すように、出力電圧Vthはフォトセンサ35による検出結果を示す2値出力のハイ・レベルに対して検出温度に応じた電圧が重畳された状態となる。このため、CPU40は、A/D変換器68から出力された電圧レベルを示す値を参照することによって、サーミスタT1により検出された温度を把握する。
【0054】
なお、図7(B)には、画像形成動作時においてサーミスタT1による検出温度の上昇が図7(A)に示されるものである場合の電圧変換部66の出力電圧が示されている。同図からも明らかなように、検出温度が正常温度範囲内にあるときは、3.3Vから5Vまでの範囲内の出力電圧Vthが電圧変換部66によって3.3Vにクリップされる結果、CPU40は、電圧変換部66から入力された信号を、フォトセンサ35から出力された2値を示す通過検出信号として取り扱う点は前述した通りである。そして、CPU40は、電圧変換部66から得られた通過検出信号に基づいて、画像形成エンジン部15による画像形成動作を、画像形成エンジン制御部54を介して制御する。
【0055】
ところで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、サーミスタT1によって検出された温度が異常である場合に当該異常に対処する異常対処処理を実行する異常温度対応機能が搭載されている。
【0056】
なお、一例として図8に示すように、フォトセンサ35からの出力電圧Voltは、画像形成動作時には用紙31の検出状態に応じて頻繁に変化するため、サーミスタT1による検出温度を把握することが難しい。そこで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、出力電圧Voltが殆ど変化しない、スタンバイ・モード、スリープ・モード等の省電力モードに移行している期間や、一連の画像形成動作が終了した時点から次の画像形成動作が開始されるまでの期間等の非画像形成期間に異常温度対応機能が実行される。
【0057】
次に、図9を参照して、異常温度対応機能が実行される際の本実施の形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。なお、図9は、上記非画像形成期間にCPU40によって実行される異常温度対応処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM42に予め記憶されている。
【0058】
同図のステップ100では、A/D変換器68からの出力値を取得することによりサーミスタT1による検出温度T1を取得する。なお、A/D変換器68から取得される出力値はサーミスタT1による出力電圧Vthの電圧レベルを示す値となっているため、CPU40は、予め定められた変換情報(一例として、図6に示される出力電圧Vthと検出温度との関係を示す情報)に基づいて、A/D変換器68から取得した出力値を検出温度T1に変換する。
【0059】
次のステップ102では、検出温度T1が上記異常下限温度(本実施の形態では、120°C)より高いか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ116に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ104に移行する。
【0060】
ステップ104では、検出温度T1をフラッシュメモリ43に記憶し、次のステップ106にて、サーミスタT1による検出温度の上昇速度を導出する際のインターバルとして予め定められた期間(本実施の形態では、10秒間)の経過待ちを行う。
【0061】
次のステップ108では、この時点のサーミスタT1による検出温度T2を上記ステップ100と同様に取得し、次のステップ110にて、検出温度T2から検出温度T1を減算することによって上記予め定められた期間当たりの上昇温度(以下、「温度上昇速度」という。)Sを算出する。
【0062】
次のステップ112では、温度上昇速度Sが予め定められた速度閾値Sth以上であるか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ116に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ114に移行する。なお、上記ステップ112において適用する速度閾値Sthは、サーミスタT1による検出温度が異常に速く上昇していることを検出するための閾値であり、予め固定的に保持しておいてもよく、画像形成装置10の設置環境や画像形成装置10の使用頻度等に応じて、ユーザによりディスプレイ14等の受付手段を介して設定するようにしてもよい。
【0063】
ステップ114では、予め定められた異常対処処理を実行し、その後にステップ116に移行する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、上記異常対処処理として、異常の発生をディスプレイ14等の表示手段や外部装置等を介して報知する処理、および異常の発生をフラッシュメモリ43等の記憶手段に記憶する処理を適用しているが、これに限らず、これらの処理に加えて、何らかの画像形成動作が実行されている場合の当該動作を強制的に停止させる処理等の、異常温度に対処する予め定められた処理の1つ、または複数の組み合わせを適用してもよい。
【0064】
ステップ116では、本異常温度対応処理プログラムを終了するタイミングとして予め定められたタイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ100に戻る一方、肯定判定となった時点で本異常温度対応処理プログラムを終了する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、上記予め定められたタイミングとして、上記非画像形成期間が終了したタイミングを適用しているが、これに限らず、このタイミングに加えて、ユーザによって画像形成装置10のメイン・スイッチがオフされたタイミング、ユーザからの異常温度対応処理プログラムの停止を指示する指示入力がディスプレイ14等の受付手段を介して受け付けられたタイミング等の1つ、または複数の組み合わせを適用してもよい。
【0065】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、オープン・コレクタ回路による2値出力のハイ・レベルにサーミスタT1からの出力を重畳させる場合の形態例について説明したが、本第2の実施の形態では、オープン・コレクタ回路による2値出力のロー・レベル(Low Level)にサーミスタT1からの出力を重畳させる場合の形態例について説明する。なお、本第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成は、上記第1の実施の形態に係る画像形成装置10(図1〜図3参照。)と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0066】
以下、図10を参照して、第1基板62に設けられたフォトセンサ35と、第2基板64に設けられたCPU40との間を電気的に接続する、本第2の実施の形態に係る接続回路60’の構成を説明する。
【0067】
同図に示すように、本第2の実施の形態に係る接続回路60’は、第1基板62に設けられ、ベースがフォトセンサ35における受光素子の出力端子に電気的に接続されたトランジスタQ2が備えられている。ここで、トランジスタQ2のコレクタは抵抗器R3を介して予め定められた電圧(本実施の形態では、5V)にプル・アップされている。
【0068】
一方、本第2の実施の形態に係る接続回路60’は、第2基板64に設けられ、入力された電圧の下限値を予め定められた電圧値に制限するように変換して出力する電圧変換部70が備えられている。なお、本実施の形態に係る電圧変換部70は、同図に示すように、コンデンサC1およびダイオードD1により構成されたクランプ回路により構成されている。
【0069】
また、トランジスタQ2のコレクタはケーブルCBLを介して電圧変換部70の入力端子に接続されており、電圧変換部70の出力端子はCPU40に接続されている。このように、本第2の実施の形態に係る接続回路60’でも、トランジスタQ2によってオープン・コレクタ回路を構成している。
【0070】
ここで、本第2の実施の形態に係る接続回路60’では、フォトセンサ35に一体的に設けられたサーミスタT2の一方の端子がトランジスタQ2のエミッタに接続される一方、他方の端子は接地されている。また、トランジスタQ2のエミッタは抵抗器R4を介して接地されている。
【0071】
一方、第2基板64において電圧変換部70の入力端子は分岐されてA/D変換器72の入力端子に接続されており、A/D変換器72の出力端子はCPU40に接続されている。
【0072】
図11(A)には、画像形成動作時においてサーミスタT2による検出温度が徐々に上昇した場合における、当該検出温度と図10に示される出力電圧Vthとの関係の一例を示すグラフが示されている。
【0073】
同図に示すように、本第2の実施の形態に係る接続回路60’においては、出力電圧Vthがフォトセンサ35による検出結果を示す2値出力のロー・レベル側に対してサーミスタT2による検出温度に応じた電圧が重畳された状態となる。このため、CPU40は、A/D変換器72から出力された電圧レベルを示す値を参照することによって、サーミスタT2により検出された温度を把握する。
【0074】
なお、図11(B)には、画像形成動作時においてサーミスタT2による検出温度の上昇が図11(A)に示されるものである場合の電圧変換部70の出力電圧が示されている。同図からも明らかなように、出力電圧Vthのロー・レベルが電圧変換部70によって0Vにクランプされる結果、CPU40は、電圧変換部70から入力された信号を、フォトセンサ35から出力された2値を示す通過検出信号として取り扱う。そして、CPU40は、電圧変換部70から得られた通過検出信号に基づいて、画像形成エンジン部15による画像形成動作を、画像形成エンジン制御部54を介して制御する。
【0075】
なお、本第2の実施の形態に係る画像形成装置10においても、図9に示した異常温度対応処理プログラムが上記第1の実施の形態と同じタイミングでCPU40により実行されるが、この説明については省略する。
【0076】
以上詳細に説明したように、上記各実施の形態では、画像形成動作に関する予め定められた検出対象を検出する検出手段(ここでは、フォトセンサ35)と、装置筐体内の予め定められた位置に設けられ、設けられた位置の温度を検出する温度検出手段(ここでは、サーミスタT1)と、前記検出手段による検出結果を示す信号および前記温度検出手段による検出結果を示す信号が重畳されて伝送されるように前記検出手段と前記温度検出手段とに接続された接続配線(ここでは、ケーブルCBL)と、を備え、前記接続配線により伝送された信号が入力されるように前記接続配線に接続された制御手段(ここでは、CPU40)により、当該接続配線により伝送された信号により示される前記検出手段による検出結果に基づいて前記画像形成動作を制御すると共に、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度検出手段により検出された温度が異常である場合に当該異常に対処する異常対処制御を行っている。
【0077】
以上、本発明を上記実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の主旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0078】
また、上記実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、また、上記実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における状況に応じた組み合わせにより種々の発明が抽出される。上記実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出される。
【0079】
例えば、上記各実施の形態では、接続回路にオープン・コレクタ回路を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一例として図12に示すようなトーテムポール出力回路を接続回路に適用する形態としてもよい。なお、同図における図4と同一の構成要素には図4と同一の符号が付してある。
【0080】
また、上記各実施の形態では、錯綜を回避するために、本発明を1つのみのセンサ出力(上記各実施の形態では、フォトセンサ35の出力)を伝送する接続回路に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のセンサ出力に適用する形態としてもよいことは言うまでもない。画像形成装置には、一般に、多数の用紙検出用のセンサが用紙の搬送経路上に分散して設けられているため、これらのセンサに対して上記各実施の形態に係る接続回路と同様の構成を採用することにより、接続配線数の増加の抑制効果が、より多く享受される。
【0081】
また、上記各実施の形態では、接続回路60および接続回路60’で用いるトランジスタとしてバイポーラ・トランジスタを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電界効果トランジスタを適用する形態としてもよい。なお、この場合、上記各実施の形態におけるオープン・コレクタ回路に代えてオープン・ドレイン回路が適用されることになる。
【0082】
また、上記各実施の形態では、本発明の検出手段による検出対象として用紙31の通過状態を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、用紙31の紙詰まり、現像器28におけるトナー残量、給紙トレイにおける用紙残量等、他の検出対象を適用する形態としてもよい。
【0083】
また、上記各実施の形態では、異常温度対応処理プログラムにおいてサーミスタT1による検出温度が異常下限温度より高く、かつ当該検出温度の温度上昇速度が速度閾値Sth以上である場合に異常対処処理を実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記検出温度が異常下限温度より高い場合に異常対処処理を実行する形態や、上記温度上昇速度が速度閾値Sth以上である場合に異常対処処理を実行する形態としてもよい。
【0084】
また、上記各実施の形態では、非画像形成時に異常温度対応処理プログラムを実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像形成時に実行する形態や、画像形成時および非画像形成時の双方で実行する形態としてもよい。
【0085】
また、上記各実施の形態では、本発明の画像形成装置を、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、液滴吐出装置(所謂インクジェットプリンタ)等の他の画像形成装置に本発明の画像形成装置を適用する形態としてもよい。
【0086】
また、上記各実施の形態では、異常温度対応処理プログラムがROM42に予め記憶されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該プログラムをCD−ROMやDVD−ROM、USBメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納した状態で提供する形態を適用してもよいし、有線又は無線による通信手段を介して配信する形態を適用してもよい。
【0087】
また、上記各実施の形態では、本発明の温度検出手段として、NTC型のサーミスタを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、PTC型,CTR型等の他のサーミスタや、熱電対、バイメタル、測温抵抗体等の他の温度センサを適用してもよい。
【0088】
その他、上記各実施の形態で説明した画像形成装置の構成(図1〜図3参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部位を削除したり、新たな部位を追加したり、各部位の配設位置を変更したりしてもよい。
【0089】
また、上記各実施の形態で説明した接続回路の構成(図4,図10参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部位を削除したり、新たな部位を追加したり、各部位の配設位置を変更したりしてもよい。
【0090】
さらに、上記各実施の形態で説明した異常温度対応処理プログラムの処理の流れ(図9参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0091】
10 画像形成装置
15 画像形成エンジン部
31 用紙(記録媒体)
35 フォトセンサ(検出手段)
40 CPU(制御手段)
42 ROM
60,60’,60’’ 接続回路
62 第1基板
64 第2基板
66 電圧変換部
68 A/D変換器
70 電圧変換部
72 A/D変換器
C1 コンデンサ
CBL ケーブル(接続配線)
D1 ダイオード
Q1〜Q4 トランジスタ
R1〜R5 抵抗器
T1,T2 サーミスタ(温度検出手段)
Z1 ツェナー・ダイオード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成動作に関する予め定められた検出対象を検出する検出手段と、
装置筐体内の予め定められた位置に設けられ、設けられた位置の温度を検出する温度検出手段と、
前記検出手段による検出結果を示す信号および前記温度検出手段による検出結果を示す信号が重畳されて伝送されるように前記検出手段と前記温度検出手段とに接続された接続配線と、
前記接続配線により伝送された信号が入力されるように前記接続配線に接続され、当該接続配線により伝送された信号により示される前記検出手段による検出結果に基づいて前記画像形成動作を制御すると共に、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度検出手段により検出された温度が異常である場合に当該異常に対処する異常対処制御を行う制御手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記接続配線は、オープン・コレクタ回路またはオープン・ドレイン回路を介して前記検出手段と前記温度検出手段とに接続される
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成動作は、記録媒体を搬送させた状態で当該記録媒体に画像を形成する動作であり、
前記予め定められた検出対象は、搬送されている前記記録媒体の先端位置、搬送されている前記記録媒体の後端位置、および前記記録媒体の搬送経路上での詰まり状態の少なくとも1つである
請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記異常対処制御は、異常の発生を報知する制御、画像形成動作を停止させる制御、および異常の発生を記録する制御の少なくとも1つである
請求項1〜請求項3の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記画像形成動作が停止しているときに前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度が異常である場合に前記異常対処制御を行う
請求項1〜請求項4の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度が予め定められた閾値より高い場合に前記異常対処制御を行う
請求項1〜請求項5の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度の上昇速度が予め定められた閾値より速い場合に前記異常対処制御を行う
請求項1〜請求項6の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記検出手段と前記温度検出手段は一体的に構成されている
請求項1〜請求項7の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の画像形成装置における制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
画像形成動作に関する予め定められた検出対象を検出する検出手段と、
装置筐体内の予め定められた位置に設けられ、設けられた位置の温度を検出する温度検出手段と、
前記検出手段による検出結果を示す信号および前記温度検出手段による検出結果を示す信号が重畳されて伝送されるように前記検出手段と前記温度検出手段とに接続された接続配線と、
前記接続配線により伝送された信号が入力されるように前記接続配線に接続され、当該接続配線により伝送された信号により示される前記検出手段による検出結果に基づいて前記画像形成動作を制御すると共に、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度検出手段により検出された温度が異常である場合に当該異常に対処する異常対処制御を行う制御手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記接続配線は、オープン・コレクタ回路またはオープン・ドレイン回路を介して前記検出手段と前記温度検出手段とに接続される
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成動作は、記録媒体を搬送させた状態で当該記録媒体に画像を形成する動作であり、
前記予め定められた検出対象は、搬送されている前記記録媒体の先端位置、搬送されている前記記録媒体の後端位置、および前記記録媒体の搬送経路上での詰まり状態の少なくとも1つである
請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記異常対処制御は、異常の発生を報知する制御、画像形成動作を停止させる制御、および異常の発生を記録する制御の少なくとも1つである
請求項1〜請求項3の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記画像形成動作が停止しているときに前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度が異常である場合に前記異常対処制御を行う
請求項1〜請求項4の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度が予め定められた閾値より高い場合に前記異常対処制御を行う
請求項1〜請求項5の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記接続配線により伝送された信号により示される前記温度の上昇速度が予め定められた閾値より速い場合に前記異常対処制御を行う
請求項1〜請求項6の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記検出手段と前記温度検出手段は一体的に構成されている
請求項1〜請求項7の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の画像形成装置における制御手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−208200(P2010−208200A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58147(P2009−58147)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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