説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】プライベートプリントを実行中にユーザが画像形成装置1の近傍を離れる場合であっても、簡単に中断したり、後で再開したりすることができ、操作性の良く効率的にプリント処理を行える画像形成装置1を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、ユーザ認証を行って、認証されたユーザからの要求に応じてプライベートプリントを実行する。当該画像形成装置1は、実行中のプライベートプリントの中断を当該ユーザが要求した場合、あるいは、プライベートプリントの実行中に当該ユーザが当該画像形成装置1の近傍を離れたことを検知した場合、実行中のプライベートプリントを中断し、中断した時点でのプリント状況を保存する。さらに、当該画像形成装置1は、ユーザ認証を行って、認証されたユーザからの再開要求に応じて中断したプライベートプリントを再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば、ネットワークを介して接続されている端末装置からのプリント要求に応じてプリント処理を行うネットワークプリント機能を有する画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置には、ネットワークに接続されている各機器からのプリント要求に応じてプリント処理を行うネットワークプリント機能を有するものがある。上記のような画像形成形成では、ネットワーク上の各機器からのプリント要求をジョブ(プリントジョブ)としてジョブデータベースにスプールするようになっている。また、上記ネットワークプリントには、通常プリントとプライベートプリントとがある。
【0003】
上記通常プリントは、通常プリントの要求を受信したプリンタが順次プリント処理を実行するものである。このため、通常プリントでは、ユーザがプリント結果を取りに行くのを忘れてしまったり、誤って他人のプリント結果を持ち去ってしまう可能性がある。
【0004】
これに対して、上記プライベートプリントは、端末機器でプライベートプリントを要求したユーザが、プリンタの設置場所まで行き、当該プリンタに直接プライベートプリントの開始を指示することにより実行される。このため、このようなプライベートプリントでは、プライベートプリントを実行中にプリンタの近傍にユーザが存在することにより、プリント結果のセキュリティを高めることができる。
【0005】
上記のようなプライベートプリントに類似する技術が、特開平9−292802号公報に記載されている。上記特開平9−292802号公報では、暗証コードにより認識されたユーザ(暗証モードのユーザ)の操作によるコピー動作(暗証モードの複写処理)について記載されている。上記特開平9−292802号公報では、暗証モードにおいて、暗証モードのユーザ以外のユーザによるコピーを禁止するとともに、コピーを中断した場合に、暗証モードのユーザによる暗証コードの再入力に応じてコピーを再開する技術について記載されている。しかしながら、上述した従来技術では、操作性が低下し、効率的にプリント処理を実行できないという問題点がある。
【特許文献1】特開平9−292802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の一形態では、セキュリティ性および操作性を向上させ、効率的にプリント処理が行える画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一形態としての画像形成装置は、ユーザを認証するユーザ認証部と、外部機器からのプリント要求を受信するインターフェースと、前記インターフェースにより受信したプライベートプリント要求をプライベートプリントジョブとしてスプールするジョブデータベースと、前記ジョブデータベースにスプールしているプライベートプリントジョブを前記ユーザ認証部により認証されたユーザからの実行要求に応じて実行するプリンタと、前記プリンタにより実行されているプライベートプリントの中断を検知する検知部と、この検知部により実行中のプライベートプリントの中断が検知された場合、前記プリンタによるプライベートプリントジョブを中断するコントローラとを有する。
【発明の効果】
【0008】
この発明の一形態によれば、セキュリティ性および操作性を向上させ、効率的にプリント処理が行える画像形成装置および画像形成方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明に係る実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、この発明の実施の形態に係るネットワークプリントシステムについて説明する。
図1は、ネットワークプリントシステムの全体構成を概略的に示す図である。
図1に示すように、ネットワークプリントシステムは、画像形成装置1(1A、1B)、サーバ装置2、および端末装置3(3A、3B)がネットワーク4を介して接続されている。
【0010】
上記画像形成装置1は、たとえば、デジタル複合機(MFP)あるいはネットワークプリンタなどにより実現される。上記画像形成装置1は、ネットワークを介して上記端末装置3等からのプリント要求に応じてプリント処理を行う機能(ネットワークプリント機能)を有している。ネットワークプリント機能は、上記画像形成装置1が各端末装置3などからのプリント要求をプリントジョブとして後述するジョブデータベース20にスプールすることにより実現される。
【0011】
また、上記画像形成装置1には、リーダライタ装置5、カメラ6、センサ7などが接続される。上記リーダライタ装置5は、記憶媒体に記憶されている情報を読取る機能、および、記憶媒体に情報を書き込む機能を有するものである。上記リーダライタ装置5によりデータの読取りあるいはデータの書込みがなされる記憶媒体は、ユーザが携帯可能なものであれば良い。
【0012】
たとえば、上記記憶媒体としては、ICカード、メモリカード、携帯型の記憶装置あるいは携帯端末機器などが適用可能である。なお、本実施の形態では、上記記憶媒体として、各ユーザが所持するICカードCを想定するものとする。この場合、上記ICカードCには、各ユーザの認証データを含むユーザ情報が記憶される。また、上記ICカードCは、非接触式のICカード(無線によるデータ通信を行うICカード)であっても良いし、接触式のICカード(接触部を介してデータ通信を行うICカード)のであって良い。
【0013】
上記カメラ6は、当該画像形成装置1の近傍の映像を撮影するためのものである。上記カメラ6により撮影される映像は、当該画像形成装置1を操作した人物、あるいは、当該画像形成装置1がプリントした用紙(プリント結果)を持ち去った人物などを監視するために用いられる。また、上記カメラ6により撮影される映像は、特定の人物(認証されたユーザ)が当該画像形成装置1の近傍に存在するか否かを判定するために用いるようにしても良い。
【0014】
上記センサ7は、当該画像形成装置1の近傍に存在する人物を検知するものである。上記センサ7は、人物を検知するセンサにより構成される。上記センサ7の検知結果は、当該画像形成装置1の近傍に人物が存在するか否かを判定するために用いられる。たとえば、特定の人物(認証されたユーザ)を検知していたセンサ7の検知結果が当該人物を検知できなくなった状態に変移した場合、当該人物が画像形成装置1の近傍から離れたことが判定される。
【0015】
上記サーバ装置2は、たとえば、データサーバとして機能する。なお、本実施の形態のネットワークプリントシステムでは、サーバ装置2は省略するようにしても良い。
【0016】
上記端末装置3(3A、3B)は、ユーザが使用する装置である。上記端末装置3は、たとえば、パーソナルコンピュータ(PC)などにより構成される。上記端末装置3は、表示部3a、操作部3b及び処理部3cを有している。
【0017】
上記表示部3aは、表示装置により構成される。上記操作部3bは、キーボードあるいはマウスなどの操作装置により構成される。上記処理部3cは、制御部としてのCPU、記憶部としての各種のメモリ、表示部3aを制御するための表示制御部、操作部3bのためのインターフェース、ネットワーク通信のための通信インターフェースなどを有している。上記処理部3cでは、CPU等が記憶部に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することにより各種の処理を実行する機能を有している。
【0018】
次に、上記画像形成装置1の構成例について説明する。
図2は、上記画像形成装置1の構成例を概略的に示すブロック図である。
図2に示すように、この画像形成装置1は、メイン制御部11、操作パネル12、印刷部13、ネットワーク接続部14、印刷制御部15、格納制御部16およびハードディスクドライブ(HDD)17などを有している。
【0019】
上記メイン制御部11は、当該画像形成装置全体の制御を司るものである。上記メイン制御部11は、各部を制御する機能を有している。また、上記メイン制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリおよび画像処理部などを有している。上記メイン制御部11では、CPUがROM、不揮発性メモリあるいはHDD17などに記憶されている制御プログラムを実行することにより種々の処理あるいは種々の機能を実現するようになっている。
【0020】
上記操作パネル12は、ユーザからの操作指示が入力されるユーザインターフェースである。上記操作パネル12は、テンキーなどのハードキー、および、タッチパネル内蔵の表示装置からなる表示部12aを有している。上記操作パネル12の表示部12aには、操作案内、あるいは、タッチキーなどが表示される。上記操作パネル12では、上記表示部12aに表示されたタッチパネルによるタッチキーへの入力が検知されるようになっている。
【0021】
上記印刷部13は、被画像形成媒体上に画像を形成するものである。上記印刷部13は、被画像媒体を搬送する搬送部(図示しない)、搬送部により搬送される被画像形成媒体上にカラー画像あるいはモノクロ画像を形成する画像形成部(図示しない)などにより構成される。また、上記印刷部13では、上記印刷制御部15による制御に基づいて画像データを被画像形成媒体へのプリント処理を実行するようになっている。また、上記印刷制御部15は、上記メイン制御部11からの要求に応じて、上記印刷部13によるプリント処理のプリントモードなどを制御する。上記印刷制御部15は、設定情報を記憶する設定記憶部15aを有している。
【0022】
上記ネットワーク接続部14は、上記ネットワーク4を経由したデータ通信を制御するものである。上記ネットワーク接続部14は、たとえば、上記ネットワーク4に接続するためのネットワークインターフェースカード(NIC)などにより構成される。図1に示す構成例では、上記ネットワーク接続部14は、上記ネットワーク4を介してサーバ装置2あるいは、端末装置(PC)3とのデータ通信を実現する。
【0023】
上記格納制御部16は、上記HDD17へのデータの入出力を制御するものである。上記HDD17は、上記格納制御部16による制御によってデータの読出し、および、データの書込みが行なわれる。上記HDD17には、各種のデータのバックアップ用のメモリとしても用いられ、各種の設定データあるいは管理データが記憶される。また、上記HDD17には、必要に応じて上記ネットワーク4経由で受信したデータなども記憶される。
【0024】
また、上記HDD17には、ユーザ情報データベース(DB)18、ログ記録部19およびジョブデータベース(JobDB)20などが設けられている。
【0025】
上記ユーザ情報データベース18は、ユーザ情報を記憶するデータベースである。上記ユーザ情報データベース18には、各ユーザについて、ユーザIDと認証データとが対応づけられて記憶されている。上記ユーザIDは、各ユーザの識別情報である。上記認証データは、ユーザIDで特定されるユーザの認証処理を行うためのデータである。上記認証データには、たとえば、パスワードなどが用いられる。上記認証データは、ユーザを認証可能な情報であれば良く、たとえば、生体情報などを用いるようにしても良い。
【0026】
なお、上記ユーザ情報データベース18は、ネットワーク4上のサーバ装置2などの他の機器に設けるようにしても良い。つまり、上記ユーザ情報データベース18は、ネットワークシステムにおいて、当該画像形成装置1がユーザ認証処理などを実行する際に取得できるように設置されていれば良い。
【0027】
上記ログ記録部19は、処理履歴情報などを記憶するデータベースである。たとえば、上記ログ記録部19には、プリント履歴情報として、プリント日時、印刷者、排紙状況、操作状況、印刷画像などを示す情報を記録する。また、プリント履歴としては、当該プリント時に上記カメラ6が撮影した映像などもログ記録部19に記録するようにしても良い。なお、上記ログ記録部19は、サーバ装置2などの当該画像形成装置1がアクセス可能なネットワーク4上の機器に設置するようにしても良い。
【0028】
上記ジョブデータベース(スプーラ)20は、プリントジョブをスプールするものである。たとえば、当該画像形成装置1がネットワーク4を介して端末装置3からプリント要求を受信した場合、上記ジョブデータベース20には、受信したプリント要求がプリントジョブとしてスプールされる。
【0029】
なお、上記ジョブデータベース20は、サーバ装置2などの当該画像形成装置1がアクセス可能なネットワーク4上の機器に設置するようにしても良い。さらに、上記ジョブデータベースは、ネットワーク4に接続されている複数の画像形成装置が共有するようにしても良い。ただし、以下の説明では、各画像形成装置がそれぞれジョブデータベース20を有しているものとする。
【0030】
また、上記画像形成装置1には、インターフェース5a、6a、7aを介してリーダライタ装置5、カメラ6、センサ7が接続されている。
上記リーダライタ装置5は、上述したように、ユーザが提示する記憶媒体としてのICカードCに記憶されている情報の読取る機能、および、ICカードCに情報を書き込む機能を有している。たとえば、上記リーダライタ装置5により記憶媒体としてのICカードCから読取った情報は、上記インターフェース5aを介して上記メイン制御部11へ供給されるようになっている。
【0031】
たとえば、上記メイン制御部11では、上記リーダライタ装置5によりユーザが提示したICカードCから読取ったユーザ情報(認証データ)などに基づいてユーザ認証を行うようになっている。
【0032】
上記カメラ6は、上述したように、当該画像形成装置1の近傍の映像を撮影するものである。上記カメラ6により撮影された映像は、上記インターフェース6aを介して上記メイン制御部11へ供給されるようになっている。
【0033】
たとえば、上記メイン制御部11では、上記カメラ6により撮影された映像をHDD17のログ記録部19などに保存する。また、上記メイン制御部11では、上記カメラ6により撮影された映像から人物を検出するようにしても良い。たとえば、上記メイン制御部11では、上記カメラ6により撮影された映像から人物の顔を抽出することにより、当該画像形成装置1の近傍に人物が存在するか否かを判定することが可能である。
【0034】
上記センサ7は、上述したように、人物を検知するセンサである。上記センサ7は、当該画像形成装置1の近傍に存在する人物を検知するものである。上記センサ7による検知結果は、上記インターフェース7aを介して上記メイン制御部11へ供給されるようになっている。
【0035】
上記メイン制御部11では、上記センサ7の検知結果に基づいて当該画像形成装置1の近傍に人物が存在するか否かを判定する。たとえば、上記メイン制御部11では、センサ7の検知結果が人物を検知している状態から人物を検知していない状態に変化した際、当該人物が当該画像形成装置1の近傍を離れたことを判断するようになっている。
【0036】
なお、リーダライタ装置5、カメラ6およびセンサ7は、当該ネットワークプリントシステムの運用形態に応じて画像形成装置1に接続されるものである。たとえば、ICカードCを用いたユーザ認証を行わない場合、上記リーダライタ装置5は、省略するようにしても良い。また、当該画像形成装置1の近傍における映像による監視あるいは人物の検知を行なわない場合、上記カメラ6は、省略するようにしても良い。さらには、センサによる当該画像形成装置1の近傍に存在する人物の検知を行なわない場合、上記センサ7は、省略するようにしても良い。
【0037】
次に、上記ジョブデータベース20の構成例について説明する。
図3は、上記ジョブデータベース20の構成例を示す図である。
図3に示す例では、上記ジョブデータベース20には、ジョブID、受信日時、ユーザID、プライベートプリント情報、中断情報(中断中)、プリントデータ、プリント状態情報などが記憶される。
【0038】
上記ジョブIDは、プリントジョブを識別するための識別情報である。上記受信日時は、プリントジョブを受信した日時を示す情報である。上記ユーザIDは、ユーザを識別するための識別情報である。上記プライベートプリント情報は、当該プリントジョブが後述するプライベートプリントであるか否かを示す情報である。
【0039】
上記中断情報は、当該プリントジョブが中断されている状態であるか否かを示す情報である。上記プリントデータは、プリントすべきプリントデータ(文書のデータ)を示す情報である。たとえば、上記プリントデータとしては、プリントすべきプリントデータ(文書)のファイル名などが記憶される。
【0040】
上記プリント状態情報は、当該プリントジョブの進行状況など示す情報である。また、上記プリント状態情報は、当該プリントジョブが中断中である場合、中断した時点における当該プリントジョブの実行状況(プリント状態)などが記憶される。たとえば、中断されたプリントジョブのプリント状態情報としては、中断時点までにプリントしたページ数、あるいは、プリント時の設定情報などが記憶される。言い換えると、上記プリント状態情報は、中断中のプリントジョブを中断した時点から再開するための情報である。従って、中断中のプリントジョブは、上記プリント状態情報に基づいて中断して時点でのプリント状況に復元される。
【0041】
次に、上記のように構成される画像形成装置1におけるネットワークプリントについて概略的に説明する。
上記ネットワークプリントとは、ネットワーク4を介して上記端末装置3などから要求されたプリントジョブを画像形成装置1が実行するものである。また、ネットワークプリントとしては、プライベートプリント(あるいは、セキュリティプリントとも称する)と呼ばれる機能がある。上記プライベートプリントは、たとえば、端末装置3からプリントを要求したユーザが、画像形成装置1を直接的に操作することにより実行される。上記プライベートプリントでは、画像形成装置1がプリントを実行している間、ユーザが当該画像形成装置1の近傍に存在していることを前提としている。
【0042】
上記ようなネットワークシステムにおいては、画像形成装置1を複数のユーザが共有する。このため、通常のネットワークプリントとしてネットワーク4上の各機器からの種々のプリント要求に応じて順次プリント処理を行うと、上記画像形成装置1には、各プリント要求に応じてプリントされた用紙が順次排紙される。言い換えると、通常のネットワークプリントでは、上記画像形成装置1には、不特定多数のユーザからのプリント要求に対する処理結果としての用紙が排紙された状態となる。このような状態では、不特定のユーザが、他人のプリント要求によるプリント結果を簡単に見ることが可能となる。
【0043】
このような通常のネットワークプリントに対して、上記プライベートプリントは、あるユーザからのプリント要求に対して、セキュリティを確保した状態でプリント処理を実行するものである。すなわち、プライベートプリントでは、まず、ユーザからのプリント要求をプライベートプリントジョブとして画像形成装置1のジョブデータベース20に留め置く。上記画像形成装置1では、当該ユーザによる操作パネル12へのプライベートプリントの実行指示の入力に応じて、当該ユーザのプライベートプリントジョブを実行する。
【0044】
このようなプライベートプリントでは、ユーザが画像形成装置1の近傍にいる状態において、当該ユーザが要求したプリントを実行することを意味する。従って、上記プライベートプリントでは、ユーザが画像形成装置1の近傍にいる状態でプリントジョブを実行する。これにより、プライベートプリントでは、プリント結果のセキュリティを高めることが可能となる。
【0045】
次に、上記画像形成装置1におけるプライベートプリントについて概略的に説明する。
上記プライベートプリントは、プライベートプリントとして実行するプリントジョブ(プライベートプリントジョブ)をジョブデータベース20に登録する登録処理と、この登録処理により登録されたプライベートプリントジョブを画像形成装置が認証したユーザからの指示に応じて実行するプリント処理とにより実行される。
ここで、ユーザは、上記端末装置3により画像形成装置1に対して機密性の高い文書をプライベートプリントを要求する場合を想定するものとする。
この場合、ユーザは、まず、上記端末装置3において画像形成装置1でプライベートプリントするためのプリンタドライバを起動させる。プリンタドライバが起動すると、ユーザは、端末装置3の操作部3bを操作することにより画像形成装置1でプライベートプリントするプリントデータ(文書)を選択し、当該画像形成装置1によるプライベートプリントを指示する。
【0046】
たとえば、端末装置3で処理部3cにより実行されるプリンタドライバには、上記端末装置3の表示部3aに表示されるダイアログにおいて、プライベートプリントを指示するためのチェックボックスを設ける。この場合、ユーザは、端末装置3で操作部3bを操作することにより、プライベートプリントのチェックボックスをオンにした状態で画像形成装置1によるプリントデータ(文書)のプリントを指示する。また、プライベートプリントは、プライベートプリント専用のプリンタドライバを用いて画像形成装置1に要求するようにしても良い。
【0047】
上記画像形成装置1では、上記端末装置3からプライベートプリントの要求を受信した場合、当該プライベートプリントをプライベートプリントジョブとしてジョブデータベース20にスプールする処理(登録処理)を行なう。当該画像形成装置1のジョブデータベース20には、プライベートプリントジョブの情報として、たとえば、図3に示すように、ジョブID、受取日時、ユーザID、プライベートプリント情報、中断情報、プリントデータ、印刷状態などが記憶される。
【0048】
なお、画像形成装置1では、ジョブデータベース20にプライベートプリントジョブを蓄えているときに、プリントデータに対するRIP処理などを実行するようにしても良い。
【0049】
また、上記端末装置3から画像形成装置1へプライベートプリントの要求として送信されるプリントデータは、暗号化するようにしても良い。さらに、画像形成装置1のジョブデータベース20には、プリントデータを暗号化された状態のまま保存するようにしても良い。この場合、暗号方式としては、たとえば、公開鍵暗号方式を用いることが可能である。
【0050】
上記端末装置3において画像形成装置1にプライベートプリントを要求したユーザは、端末装置3の前から画像形成装置1の近傍に移動する。当該画像形成装置1の近傍に移動したユーザは、当該画像形成装置1においてユーザ情報(認証データ)を入力する。
【0051】
上記画像形成装置1では、ユーザが提示するICカードCからユーザ情報を読取るようにしても良いし、ユーザが操作パネル12に入力するユーザ情報を取得するようにようにしても良い。
【0052】
ユーザ情報を取得すると、上記画像形成装置1は、取得したユーザ情報によるユーザ認証を行う。ユーザから取得したユーザ情報によるユーザ認証が成功すると、画像形成装置1は、当該ユーザによる操作パネル12への操作に応じて当該ユーザのプライベートプリントジョブを実行する。
【0053】
上記プライベートプリントの実行中、当該画像形成装置1では、実行中のプライベートプリントを中断するか否かを判断している。なお、実行中のプライベートプリントを中断するか否かは、後述する中断検知処理の検知結果に基づいて判断される。たとえば、ユーザが画像形成装置1の近傍を離れた場合、当該画像形成装置1は、実行中のプライベートプリントジョブを中断する処理を行う。
【0054】
すなわち、上記中断検知処理により実行中のプライベートプリントの中断を検知すると、当該画像形成装置1は、実行中のプライベートプリント処理を中断し、中断時点までのプリント状況をプリント状態情報として上記ジョブデータベース20に保存する。この場合、ユーザは、中断時点までにプリントされた用紙(プリント結果)を手に持ち、画像形成装置1の前を離れることができる。
【0055】
また、中断されたプライベートプリントは、当該画像形成装置1において当該ユーザ(ユーザ認証により認証されたユーザ)の操作に応じて再開される。この場合、中断時点でのプリント状況は、ジョブデータベース20に保存した当該プライベートプリントジョブのプリント状態情報に基づいて復元される。
【0056】
次に、上記画像形成装置1におけるプライベートプリントの第1の処理例について説明する。
図4及び図5は、画像形成装置1におけるプライベートプリントの第1の処理例を説明するためのフローチャートである。
上記画像形成装置1のジョブデータベース20に登録されたプライベートプリントジョブは、上記画像形成装置1におけるプライベートプリント処理として実行される。
【0057】
すなわち、上記のような登録処理によりプライベートプリントのプリントジョブの登録処理を行ったユーザは、画像形成装置1の近傍に移動する。画像形成装置1の近傍に移動したユーザは、当該画像形成装置1の操作パネル12によりプライベートプリント機能を選択する。すると、当該画像形成装置1のメイン制御部11は、上記操作パネル12の表示部12aにユーザの認証画面(ログイン画面)を表示する(ステップS11)。上記ログイン画面は、ユーザ認証に必要な情報(認証データ)をユーザ自身から取得するための表示画面である。
【0058】
図6は、ユーザの認証画面(ログイン画面)の表示例を示す図である。図6に示す表示例では、ユーザが所持しているICカードの提示、あるいは、ユーザの認証データとしてユーザID及び当該ユーザIDに対応するパスワードの入力の案内を表示している。また、図6に示す表示例では、ユーザIDの入力欄、パスワードの入力欄も表示されている。
【0059】
なお、ログイン画面は、ICカードの提示のみを案内するものであっても良いし、ユーザIDおよびパスワードの入力のみを案内するものであっても良い。また、ログイン画面は、ユーザによるICカードの提示と当該ICカードに対応するパスワードの入力とを要求するようにしても良い。
【0060】
また、ユーザ情報は、ユーザが所持する磁気カードあるいはユーザが所持するRFID(Radio Frequency Identification)から取得するようにしても良い。また、ユーザ情報としては、2次元バーコード、1次元バーコード、生体情報(たとえば、顔認証、指紋認証、手のひらの静脈パターン、虹彩、声紋など)などを用いるようにしても良い。
【0061】
図6に示すようなログイン画面が表示された場合、ユーザは、ICカードCをリーダライタ装置5に提示するか、あるいは、上記操作パネル12によりユーザID及びパスワードを入力する。たとえば、ユーザがICカードCをリーダライタ装置5に提示した場合、上記メイン制御部11は、上記リーダライタ装置5によりICカードから読取ったユーザ情報(認証データ)を取得する。また、操作パネル12によりユーザID及びパスワードが入力された場合、上記メイン制御部11は、操作パネル12により入力されたユーザID及びパスワードをユーザ情報(認証データ)として取得する。
【0062】
ユーザ情報を取得すると、上記メイン制御部11は、取得したユーザ情報とユーザ情報データベース18に登録されているユーザ情報とを照合することによりユーザ認証を行う(ステップS12)。なお、ユーザ情報データベース18が外部装置に設けられる場合、ユーザ認証処理は、取得した認証データと外部装置のユーザ情報データベース18に登録されている認証データとを照合することにより実施される。
【0063】
上記ユーザ認証が成功すると、上記メイン制御部11は、認証が成功したユーザのユーザIDに対応するプライベートプリントジョブが存在するか否かを判断する(ステップS13)。この判断により当該ユーザのプライベートプリントジョブが存在しないと判断した場合(ステップS13、NO)、上記メイン制御部11は、プライベートプリント処理を終了する。なお、この場合、上記メイン制御部11は、上記表示部12aに当該ユーザのプライベートプリントジョブが存在しない旨を表示するようにしても良い。
【0064】
また、上記判断により当該ユーザのプライベートプリントジョブが存在すると判断した場合(ステップS13、YES)、上記メイン制御部11は、さらに、それらの当該ユーザのプライベートプリントジョブに中断中のプライベートプリントジョブが存在するか否かを判断する(ステップS14)。
【0065】
この判断により当該ユーザの中断中のプライベートプリントジョブがないと判断した場合(ステップS14、NO)、上記メイン制御部11は、プライベートプリントジョブの選択画面を上記表示部12aに表示する(ステップS15)。このプライベートプリントジョブの選択画面では、当該ユーザの各プライベートプリントジョブをタッチパネルにより選択可能な状態で上記表示部12aに一覧表示する。
【0066】
図7は、上記表示部12aに表示されるプライベートプリントジョブの選択画面の表示例を示す図である。図7に示すプライベートプリントジョブの選択画面では、操作案内31、プリントジョブ一覧32、プリントキー33、キャンセルキー34などが表示されている。
【0067】
上記操作案内31には、プリントするジョブを選択して下さいという案内が表示されている。また、上記プリントジョブ一覧32には、当該ユーザの各プライベートプリントジョブがタッチパネルにより選択可能な状態で表示されている。上記プリントキー33及び上記キャンセルキー34は、タッチパネルにより入力可能な状態で表示されている。上記プリントキー33は、選択状態となっているプリントジョブのプリント実行を指示するためのタッチキーである。上記キャンセルキー34は、プライベートプリントの実行をキャンセルするためのタッチキーである。
【0068】
上記のようなプライベートプリントジョブの選択画面が表示部12aに表示されると、ユーザは、プリントジョブ一覧32からプリントするプリントジョブを選択する(ステップS16)。上記プライベートプリントジョブの選択画面に表示されているプリントジョブは、プリントジョブ一覧32において所望のプリントジョブの表示欄をユーザがタッチすることにより選択される。また、上記プライベートプリントジョブの選択画面では、複数のプライベートプリントジョブを同時に選択状態とすることも可能となっている。つまり、ユーザは、複数のプライベートプリントジョブを1回のプライベートプリント処理として選択することができるようになっている。
【0069】
ユーザによりプライベートプリントジョブが選択されごとに、上記メイン制御部11では、選択されたプライベートプリントジョブを実行するのに要する時間(プリント所要時間)を予測する。また、ユーザが複数のプリントジョブを選択している場合、上記メイン制御部11は、選択されている全てのプリントジョブをプリントするのに要する時間(プリント所要時間)を予測する。このようにユーザが選択したプリントジョブをプリントするのに要する時間(プリント所要時間)は、上記表示部12aに表示される(ステップS17)。
【0070】
図8は、図7に示す選択画面において3つのプリントジョブが選択された状態の表示例を示す図である。図8に示す表示例では、ユーザが選択した3つのプリントジョブが反転表示されている。この反転表示は、選択状態のプリントジョブを示すものである。
【0071】
また、図8に示す表示例では、図7に示す表示画面に加えて、ページ数、プリント所要時間が表示されている。上記ページ数は、選択されているプリントジョブの総プリント数を示すものである。また、上記プリント所要時間は、選択されている全てのプリントジョブを実行するのに要する時間を示すものである。上記プリント所要時間は、ユーザが選択したプリントジョブの内容に基づいて上記メイン制御部11が予測するものである。
【0072】
なお、プライベートプリントジョブの選択画面が表示されている状態において、ユーザが上記操作パネル12により選択した各プリントジョブ(文書)のプリント部数を指定できるようにしても良い。この場合、上記プライベートプリントジョブの選択画面には、プリント部数を考慮した総プリント枚数、および、プリント所要時間が上記表示部12aに表示される。
【0073】
図8に示すような表示例によれば、ユーザは、選択したプリントジョブが完了するまでに要する時間を簡単に確認することができる。つまり、ユーザは、上記表示部12aに表示されているプリント所要時間などを確認して、上記プリントキー33によりプライベートプリントの開始を指示することができる。
【0074】
上記プライベートプリントジョブの選択画面において所望のプリントジョブを選択したユーザは、プリント所要時間などを確認しつつ、プリントの開始を指示するための上記プリントキー33にタッチする(ステップS18)。
【0075】
上記プリントキー33が入力されると、上記メイン制御部11は、選択されたプライベートプリントジョブに基づくプライベートプリント処理を実行する(ステップS21〜S27)。
【0076】
プライベートプリント処理が開始されると、上記メイン制御部11は、選択されたプライベートプリントジョブのプリントが完了するまでの間、つまり、プライベートプリントの実行中、当該プライベートプリント処理を中断するか否かを判断するための中断検知処理を行う(ステップS21)。
【0077】
この中断検知処理は、実行中のプライベートプリントを中断すべき状態となったか否かを検知する処理である。たとえば、上記中断検知処理では、ユーザが当該画像形成装置1の近傍から離れたか否かを検知する。
【0078】
上記プライベートプリントは、セキュリティを保つため、ユーザが画像形成装置の近傍に存在していることを前提条件としている。つまり、ユーザが画像形成装置の近傍から離れてしまった場合、プライベートプリントは、セキュリティを保てない。
【0079】
このため、本実施の形態の画像形成装置1では、中断検知処理として、ユーザが当該画像形成装置1の近傍から離れたことを検知する。また、上記中断検知処理としては、当該ユーザが実行中のプライベートプリントの中断を要求したか否かを検知するようにしても良い。
【0080】
上記のような中断検知処理の実現形態としては、以下の(1)〜(6)ような形態がある。
(1)ユーザによる一時中断キーへの入力を検知する。
この場合、上記メイン制御部11は、上記中断検知処理として、当該ユーザによる実行中のプライベートプリントジョブを一時中断するためのキー入力の有無を検知する。上記メイン制御部11は、当該ユーザにより一時中断するためのキーが入力されたことに基づいて、実行中のプライベートプリントを中断することを判断する。
【0081】
(2)ICカードCの有無を検知する。
この場合、メイン制御部11は、上記中断検知処理として、リーダライタ装置5が通信可能なICカードCが存在しているか否かを監視する。たとえば、リーダライタ装置5は、所定間隔ごとにICカードCに対して応答要求を送信し、その応答要求に対する応答を受信する。メイン制御部11は、ユーザが提示したICカードCが検出できなくなったことに基づいて、実行中のプライベートプリントを中断することを判断する。
【0082】
(3)センサ7の検知結果によりユーザの存在を検知する。
この場合、メイン制御部11は、上記中断検知処理として、上記センサ7の検知結果により当該ユーザが画像形成装置の近傍に存在するか否かを検知(監視)する。上記メイン制御部11は、上記センサ7が当該ユーザが検知できなくなったことに基づいて、ユーザが画像形成装置の近傍から離れたこと(つまり、実行中のプライベートプリントを中断すること)を判断する。
【0083】
(4)カメラ6が撮影する映像によりユーザの存在を検知する。
この場合、メイン制御部11は、上記中断検知処理として、上記カメラ6が撮影している映像により当該ユーザが画像形成装置の近傍に存在するか否かを検知(監視)する。上記メイン制御部11は、上記カメラ6が撮影される映像から当該ユーザが検出できなくなったことに基づいて、ユーザが画像形成装置の近傍から離れたこと(つまり、実行中のプライベートプリントを中断すること)を判断する。
【0084】
(5)ユーザが所持しているRFIDの有無を検知する。
この場合、当該画像形成装置1には、RFIDと通信を行うための通信ユニットが設けられる。この通信ユニットとユーザのRFIDとの通信状況に基づいて、上記メイン制御部11は、上記中断検知処理として、当該ユーザのRFIDが通信可能な状態であるか否かを検知(監視)する。たとえば、通信ユニットは、所定間隔ごとにRFIDに対して応答要求を送信し、その応答要求に対する応答をRFIDから受信する。上記メイン制御部11は、ユーザのRFIDが検出できなくなったことに基づいて、ユーザが画像形成装置の近傍から離れたこと(つまり、実行中のプライベートプリントを中断すること)を判断する。
【0085】
(6)一定時間毎にユーザ認証を行う。
この場合、メイン制御部11は、上記中断検知処理として、当該ユーザに対して、一定時間ごとにユーザ認証を要求し、そのユーザ認証による認証結果に基づいて、ユーザが画像形成装置1の近傍に存在するか否かを検知する。上記メイン制御部11は、当該ユーザのユーザ認証が失敗したことに基づいて、実行中のプライベートプリントを中断することを判断する。
【0086】
上記のような中断検知処理で実行中のプライベートプリントの中断が検知されなかった場合(ステップS22、NO)、上記メイン制御部11は、順次、選択された各プリントジョブ(文書)の各ページのプリント処理を行う(ステップS23)。
【0087】
すなわち、1ページ分のプリント処理が完了するごとに(ステップS23)、上記メイン制御部11は、当該文書(プリント中のプリントジョブのプリントデータ)の全ページがプリント済みであるか否かを判断する(ステップS24)。この判断により全ページがプリント済みでないと判断した場合(ステップS24、NO)、上記メイン制御部11は、上記ステップS21へ戻り、上述の処理を繰り返す。
【0088】
また、上記判断により当該文書の全ページがプリント済みであると判断した場合(ステップS24、YES)、上記メイン制御部11は、ユーザに指定された部数分の当該文書のプリントが完了したか否か判断する(ステップS25)。この判断により全部数分のプリントが完了していないと判断した場合(ステップS25、NO)、上記メイン制御部11は、上記ステップS21へ戻り、上述の処理を繰り返す。
【0089】
上記判断により全部数分のプリントが完了したと判断した場合(ステップS25、YES)、上記メイン制御部11は、当該文書のプライベートプリントジョブをジョブデータベース20から削除する(ステップS26)。当該文書のプリントジョブをジョブデータベース20から削除すると、上記メイン制御部11は、ユーザが選択した全ての文書のプリントが完了したか否かを判断する(ステップS27)。
【0090】
この判断によりユーザが選択した全ての文書のプリントが完了してないと判断した場合、つまり、ユーザが選択した全てのプライベートプリントジョブが完了していないと判断した場合(ステップS27、NO)、上記メイン制御部11は、上記ステップS21へ戻り、上述の処理を繰り返す。
【0091】
上記判断によりユーザが選択した全ての文書のプリントが完了したと判断した場合、つまり、ユーザが選択した全てのプライベートプリントジョブが完了したと判断した場合(ステップS27、YES)、上記メイン制御部11は、上記ステップS21へ戻り、上述の処理を繰り返す。
【0092】
次に、実行中のプライベートプリントを中断する中断処理(ステップS28〜S30)について説明する。
すなわち、上記ステップS21の中断検知処理により当該プライベートプリント処理の中断を検知した場合(ステップS22、YES)、上記メイン制御部11は、実行中のプライベートプリントジョブの中断処理を行う(ステップS28〜S30)。
【0093】
以下の説明では、上記中断検知処理として、上記(1)のように、ユーザによる指示に応じて、実行中のプライベートプリントジョブの中断を検知するものとする場合を想定する。
【0094】
図9は、プライベートプリントの実行中に表示部12aに表示される表示例を示す図である。図9に示す表示例では、プリント状況の案内41とともに、一時停止キー42、および、削除キー43が表示されている。
【0095】
上記プリント状況の案内41には、プリント中のユーザあるいは文書を示す情報、および、実行中のプライベートプリントの終了予定時間などが表示される。上記一時停止キー42及び上記削除キー43は、タッチパネルによりユーザが入力可能なタッチキーである。
【0096】
上記一時停止キー42は、実行中のプライベートプリントを一時的に中断する場合に指示されるタッチキーである。すなわち、実行中のプライベートプリントを一時的に中断するとともに、中断したプライベートプリントを後で実行したい場合、ユーザは、上記一時停止キー42にタッチする。
【0097】
上記削除キー43は、実行中のプライベートプリントを削除する場合に指示されるタッチキーである。すなわち、実行中のプライベートプリントを中断し、かつ、実行中であったプライベートプリントのプリントジョブを削除したい場合、ユーザは、上記削除キー43にタッチする。
【0098】
プライベートプリントの実行中に図9に示すような表示例を表示部12aに表示する場合、上記中断検知処理としては、一時停止キー42あるいは削除キー43が選択されたか否かを検知している。たとえば、ユーザが一時停止キー42をタッチした場合、上記メイン制御部11は、実行中のプライベートプリント処理を中断するものと判断する。また、ユーザが削除キー43をタッチした場合、上記メイン制御部11は、実行中のプライベートプリントを削除するものと判断する。
【0099】
すなわち、実行中のプライベートプリント処理を一時中断すると判断した場合(ステップS28、一時中断)、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリント処理を中断し、その中断時点までの当該プライベートプリント処理のプリント状況を示すプリント状態情報を上記ジョブデータベース20に保存する(ステップS29)。
【0100】
また、実行中のプライベートプリント処理を削除すると判断した場合(ステップS28、削除)、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリント処理を中断し、当該プライベートプリント処理に関するプライベートプリントジョブを全てジョブデータベース20から削除する(ステップS30)。
【0101】
次に、一時中断したプライベートプリントを再開する再開処理(ステップS11〜S14、ステップS41〜S44)について説明する。
すなわち、当該画像形成装置1では、上記のような中断処理により一時中断したプライベートプリントを当該ユーザによる操作に基づいて再開する。
まず、プライベートプリントを一時中断したユーザは、上記ステップS11〜S12と同様に、当該画像形成装置においてユーザ認証を行う。このユーザ認証が成功すると、当該画像形成装置のメイン制御部11は、上記ステップS14で上記ジョブデータベース20に当該ユーザの中断中のプライベートプリントジョブが存在すると判断する(ステップS14、YES)。上記ジョブデータベース20に中断中のプライベートプリントジョブが存在すると判断すると、上記メイン制御部11は、当該ユーザの中断中のプライベートプリントジョブの選択画面を上記表示部12aに表示する(ステップS41)。
【0102】
この中断中のプライベートプリントジョブの選択画面では、当該ユーザの中断中の各プライベートプリントジョブをタッチパネルにより選択可能な状態で上記表示部12aに一覧表示する。
【0103】
図10は、上記表示部12aに表示される中断中のプライベートプリントジョブの選択画面の表示例を示す図である。図10に示す選択画面では、操作案内51、プリントジョブ一覧52、継続プリントキー53、他のジョブ選択キー54などが表示されている。
【0104】
上記操作案内51には、印刷を中断しているジョブがあるという旨の案内が表示されている。
上記プリントジョブ一覧52には、当該ユーザの中断中の各プライベートプリントジョブがタッチパネルにより選択可能な状態で表示されている。プリントジョブ一覧52に表示されている各プリントジョブは、所望のプリントジョブの表示欄をユーザがタッチすることにより選択される。なお、上記プリントジョブ一覧52は、初期状態において中断中の全てのプライベートプリントジョブが選択状態となって表示されるようにしても良い。これにより、中断中のプライベートプリントを全て再開したいユーザが、中断中のプライベートプリントジョブをそれぞれ選択する手間が省ける。
【0105】
上記継続プリントキー53及び上記他のジョブ選択キー54は、タッチパネルにより入力可能な状態で表示されている。上記継続プリントキー53は、選択状態となっているプリントジョブのプリント再開を指示するためのタッチキーである。上記継続プリントキー53がタッチされた場合、上記メイン制御部11は、上記プリントジョブ一覧52において選択状態となっているプリントジョブのプリントを実行(再開)する。
【0106】
上記他のジョブ選択キー54は、中断中のプライベートプリントジョブ以外のプリントジョブを選択するためのタッチキーである。また、上記他のジョブ選択キー54がタッチされた場合、上記メイン制御部11は、たとえば、図7に示すようなプライベートプリントジョブの選択画面を上記表示部12aに表示する。
【0107】
上記のような中断中のプライベートプリントジョブの選択画面が表示部12aに表示されると、プライベートプリントを再開するユーザは、プリントジョブ一覧52からプリントを再開するプリントジョブを選択する(ステップS42)。再開するプリントジョブを選択すると、当該ユーザは、選択したプリントの再開(開始)を指示するための上記継続プリントキー53にタッチする(ステップS43)。
【0108】
上記継続プリントキー53が入力されると、上記メイン制御部11は、上記ジョブデータベース20における選択されたプライベートプリントジョブのプリント状態情報に基づいて中断時点での当該プライベートプリントジョブのプリント状況を復元する(ステップS44)。再開するプライベートプリントジョブのプリント状況を復元すると、上記メイン制御部11は、選択されたプライベートプリントジョブのプリントを再開し、上記ステップS21へ進む。
これにより、中断されたプライベートプリントは当該ユーザの操作に応じて再開される。また、再開されたプライベートプリントは、上記ステップS21〜S27と同様な処理により実行される。
【0109】
上記のように、第1の処理例では、ユーザが中断を要求した場合、あるいは、ユーザが当該画像形成装置の近傍を離れたことを検知した場合、実行中のプライベートプリントを中断し、中断した時点でのプリント状況を保存する。さらに、中断したジョブは、ユーザからの要求に応じて再開する。
これにより、プライベートプリントを実行中にユーザが当該画像形成装置の近傍を離れる場合であっても、簡単に中断し、後で再開することができる。
【0110】
次に、上記画像形成装置1におけるプライベートプリントの第2の処理例について説明する。
第2の処理例では、ジョブデータベース20に登録できる1つのプライベートプリントジョブのプリント量(プリント枚数あるいはプリント時間等)に制限を設けるものである。これは、1つのプライベートプリントジョブのプリント時間をユーザが待ちやすい時間内に限定することを目的とするものである。
【0111】
すなわち、第2の処理例では、1つのプライベートプリントジョブが所定時間内に完了するようにすることにより、ユーザがプライベートプリント中に画像形成装置の近傍を離れにくくするものである。この結果、ユーザがプリント中に画像形成装置の近傍を離れる可能性が低くなり、セキュリティが低下することを防止することができる。
【0112】
また、第2の処理例では、ユーザが長いプリント時間を要するプライベートプリントを要求した場合であっても、当該プライベートプリントジョブは、所定時間内に完了する複数のプライベートプリントジョブに分割され、ジョブデータベース20に登録される。このため、第2の処理例では、プライベートプリントジョブに対する処理の効率化を図ることもできる。
【0113】
図11は、第2の処理例を説明するためのフローチャートである。
以下に説明する第2の処理例では、1つのプライベートプリントジョブとしてジョブデータベース20に登録できるプリント量の制限値として、プリント枚数に対する許容枚数が予め設定されているものとする。このプリント量の制限値としての許容枚数は、印刷制御部15の設定記憶部15aに予め記憶しておくようにしても良いし、メイン制御部11内の内部メモリ(図示しない)に予め記憶しておくようにしても良い。
【0114】
まず、画像形成装置1がネットワーク4を介して端末装置3からプライベートプリント要求を受信したものとする(ステップS51)。このプライベートプリントの要求には、ユーザを示す情報、プリントデータ(プリントする文書)、プリントデータのページ数(プリントする文書のページ数)、プリント部数(プリントする文書の部数)などの情報が含まれる。
【0115】
上記のようなプライベートプリント要求を端末装置3からの受信すると(ステップS51)、上記画像形成装置1のメイン制御部11は、受信したプライベートプリントの総プリント枚数を算出する(ステップS52)。たとえば、上記メイン制御部11は、総プリント枚数を、プリントデータのページ数とプリント部数とを乗算することにより算出する。
【0116】
受信したプライベートプリントの総プリント枚数を算出すると、上記メイン制御部11は、総プリント枚数が許容枚数を超えているか否かを判断する(ステップS53)。この判断により総プリント枚数が許容枚数以下であると判断した場合(ステップS53、NO)、上記メイン制御部11は、受信したプライベートプリントを1つのプライベートプリントジョブとして上記ジョブデータベース20に登録する(ステップS54)。
【0117】
また、上記判断により総プリント枚数が許容枚数を超えていると判断した場合(ステップS53、YES)、上記メイン制御部11は、受信した当該プライベートプリントのプリント部数が複数部であるか否かを判断する(ステップS55)。
【0118】
この判断により受信したプライベートプリントのプリント部数が1部であると判断した場合(ステップS55、NO)、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントのプリントデータのページ数単位で、当該プライベートプリントをそれぞれが許容枚数以下となるように複数のプリントジョブに分割する(ステップS56)。
【0119】
当該プライベートプリントをプリントデータのページ数単位で複数のプリントジョブに分割すると、上記メイン制御部11は、分割したプリントジョブをそれぞれプライベートプリントジョブとしてジョブデータベース20に登録する(ステップS57)。
【0120】
また、上記判断により受信したプライベートプリントのプリント部数が複数部数であると判断した場合(ステップS55、YES)、上記メイン制御部11は、受信した当該プライベートプリントのプリントデータ(文書)のページ数が許容枚数を超えているか否かを判断する(ステップS58)。
【0121】
この判断により当該プライベートプリントのプリントデータ(文書)のページ数が許容枚数以下であると判断した場合(ステップS58、NO)、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントのプリント部数単位で、当該プライベートプリントを、それぞれが許容枚数以下となる複数のプリントジョブに分割する(ステップS59)。
【0122】
当該プライベートプリントをプリント部数単位で複数のプリントジョブに分割すると、上記メイン制御部11は、分割したプリントジョブをそれぞれプライベートプリントジョブとしてジョブデータベース20に登録する(ステップS60)。
【0123】
また、上記判断により受信したプライベートプリントのプリントデータのページ数が許容枚数を超えていると判断した場合(ステップS58、YES)、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントを当該プライベートプリントのプリント部数ごとに分割し、さらに、各部ごとのプライベートプリントを、プリントデータ(文書)のページ数単位で、それぞれが許容枚数以下となる複数のプリントジョブに分割する(ステップS59)。
つまり、この場合、当該プライベートプリントは、プリント部数が複数部数で、かつ、プリントデータのページ数が許容枚数を超えている。このため、上記メイン制御部11は、各部ごとにページ数に基づいて複数のプリントジョブに分割する。
【0124】
当該プライベートプリントを各部ごとにページ数単位で複数のプリントジョブに分割すると、上記メイン制御部11は、分割したプリントジョブをそれぞれプライベートプリントジョブとしてジョブデータベース20に登録する(ステップS62)。
【0125】
上記第2の処理例の具体例として、許容枚数が20枚にセットされている画像形成装置1に以下のようなプライベートプリントが要求された場合について説明する。
プリントデータ(文書)のページ数が6ページ、かつ、プリントデータ(文書)のプリント部数が3部であるプライベートプリントを受信した場合、当該プライベートプリントの総プリント数は、6(ページ)×3(部)=18枚である。つまり、当該プライベートプリントの総プリント数(18枚)は、許容枚数(20枚)以下である。
【0126】
この場合、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントを分割せずに1つのプライベートプリントジョブとして上記ジョブデータベース20に登録する。
【0127】
プリントデータ(文書)のページ数が25ページ、かつ、プリントデータ(文書)のプリント部数が1部であるプライベートプリントを受信した場合、当該プライベートプリントの総プリント数は、20(ページ)×1(部)=25枚である。つまり、当該プライベートプリントは、プリント部数が複数ではなく、総プリント数(25枚)が許容枚数(20枚)を超えている。
【0128】
この場合、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントを1−20ページまでの第1のプリントジョブと、21−25ページまでの第2のプリントジョブとに分割する。当該プライベートプリントを第1のプリントジョブと第2のプリントジョブとに分割すると、上記メイン制御部11は、上記第1のプリントジョブと第2のプリントジョブとをプライベートプリントジョブとして上記ジョブデータベース20に登録する。
【0129】
プリントデータ(文書)のページ数が6ページ、かつ、プリントデータ(文書)のプリント部数が5部であるプライベートプリントを受信した場合、当該プライベートプリントの総プリント数は、6(ページ)×5(部)=35枚である。つまり、当該プライベートプリントは、総プリント数(35枚)が許容枚数(20枚)を超えており、ページ数が許容枚数以下、かつ、プリント部数が複数である。
【0130】
この場合、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントを、プリント部数が3部(6×3=18≦20)の第1のプリントジョブと、プリント部数が2部(6×2=12≦20)の第2のプリントジョブとに分割する。当該プライベートプリントを上記第1のプリントジョブと第2のプリントジョブとに分割すると、上記メイン制御部11は、上記第1のプリントジョブと第2のプリントジョブとをプライベートプリントジョブとして上記ジョブデータベース20に登録する。
【0131】
プリントデータ(文書)のページ数が25ページ、かつ、プリントデータ(文書)のプリント部数が2部であるプライベートプリントを受信した場合、当該プライベートプリントの総プリント数は、25(ページ)×2(部)=50枚である。つまり、当該プライベートプリントは、総プリント数(50枚)が許容枚数(20枚)を超えており、ページ数が許容枚数を超え、かつ、プリント部数が複数である。
【0132】
この場合、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントを、1−20ページまでの第1のプリントジョブ(1部目の1−20ページのプリントジョブ)と、21−25ページまでの第2のプリントジョブ(1部目の20−25ページのプリントジョブ)と、1−20ページまでの第3のプリントジョブ(2部目の1−20ページのプリントジョブ)と、21−25ページまでの第4のプリントジョブ(2部目の20−25ページのプリントジョブ)とに分割する。
【0133】
当該プライベートプリントを上記第1〜第4のプリントジョブに分割すると、上記メイン制御部11は、上記第1のプリントジョブと上記第2のプリントジョブと上記第3のプリントジョブと上記第4のプリントジョブとをそれぞれプライベートプリントジョブとして上記ジョブデータベース20に登録する。
【0134】
なお、異なる許容量が設定されている複数の画像形成装置がネットワーク4上のジョブデータベースを共有する構成である場合、上述したようなプライベートプリントの分割処理は、ある画像形成装置で認証されたユーザがプライベートプリントを実行する際に実行するようにしても良い。
【0135】
上記のように、第2の処理例では、画像形成装置は、受信したプライベートプリントの総プリント数が許容枚数を超えている場合、プリント部数が複数であれば、部数ごとに複数のプリントジョブに分割し、プリント部数が1部であれば、ページ数単位で複数のプリントジョブが許容枚数以下になるように分割する。さらに、画像形成装置は、プリント部数が複数で、かつ、1部のページ数が許容枚数を超えていれば、部数ごとに分割し、さらに、ページ数単位で複数のプリントジョブに分割する。
【0136】
これにより、許容枚数を超えたプリント枚数のプリントジョブを1つのプライベートプリントジョブとしては、登録しないようにすることができる。つまり、ジョブデータベース20に登録されるプライベートプリントジョブは、許容枚数以内となるように制限できる。この結果、1つのプライベートプリントジョブの実行に要する時間が抑制される。これにより、ユーザがプライベートプリントジョブの実行中に画像形成装置の近傍を離れてしまうことを抑制することができ、当該プライベートプリントジョブのセキュリティが低下することを防止することができる。
【0137】
次に、上記画像形成装置1におけるプライベートプリントの第3の処理例について説明する。
第3の処理例では、1回のプライベートプリントとして実行できるプリント量に制限を設けるものである。この第3の処理例は、ユーザの操作によって実行される1回のプライベートプリントに要するプリント時間をユーザが待ちやすい時間内に抑制することを目的としている。
【0138】
すなわち、第3の処理例では、1回のプライベートプリントのプリント所要時間を所定の時間以内なるように抑制することにより、ユーザがプライベートプリントの実行中に画像形成装置の近傍を離れにくくするものである。この結果、ユーザがプリント中に画像形成装置の近傍を離れる可能性が低くなり、セキュリティが低下することを防止することができる。また、第3の処理例では、プリント所要時間の長いプライベートプリントを抑制することにより、プライベートプリントの効率を高めることもできる。
【0139】
図12は、画像形成装置1におけるプライベートプリントの第3の処理例を説明するためのフローチャートである。
なお、図12に示すフローチャートは、第1の処理例として説明した図4に示すフローチャートに置き換えることができるものである。つまり、第3の処理例としてのプライベートプリントは、第1の処理例の変形例であり、図12及び図5に示す処理手順により実行される。
【0140】
また、以下に説明では、1回のプライベートプリントとして実行されるプリント量の制限値(許容量)として、プリント所要時間に対する許容時間が予め設定されているものとする。このプリント量の制限値(許容量)としての許容時間は、印刷制御部15の設定記憶部15aに予め記憶しておくようにしても良いし、メイン制御部11内の内部メモリ(図示しない)に予め記憶しておくようにしても良い。
【0141】
まず、画像形成装置1の近傍に移動したユーザが操作パネル12によりプライベートプリント機能を選択すると、当該画像形成装置1のメイン制御部11は、上記ステップS11と同様に、上記操作パネル12の表示部12aにユーザの認証画面(ログイン画面)を表示する(ステップS71)。上記表示部12aにログイン画面が表示された状態において当該ユーザからユーザ情報を取得すると、上記メイン制御部11は、上記ステップS12と同様に、取得したユーザ情報とユーザ情報データベース18に登録されているユーザ情報とを照合することによりユーザ認証を行う(ステップS72)。
【0142】
上記ユーザ認証が成功すると、上記メイン制御部11は、上記ステップS13と同様に、認証が成功したユーザのユーザIDに対応するプライベートプリントジョブが存在するか否かを判断する(ステップS73)。上記判断により当該ユーザのプライベートプリントジョブが存在すると判断した場合(ステップS13、YES)、上記メイン制御部11は、上記ステップS14と同様に、それらの当該ユーザのプライベートプリントジョブに、中断中のプライベートプリントジョブが存在するか否かを判断する(ステップS74)。この判断により当該ユーザの中断中のプライベートプリントジョブがあると判断した場合(ステップS74、YES)、上記メイン制御部11は、上記ステップS41〜S44と同様に、中断中のプライベートプリントジョブを再開する再開処理を実行する(ステップS85〜S88)。
【0143】
また、上記判断により当該ユーザの中断中のプライベートプリントジョブがないと判断した場合(ステップS74、NO)、上記メイン制御部11は、当該ユーザのプライベートプリントジョブのうち、予め設定されている許容量(許容時間)以内で一括してプリント可能なプライベートプリントジョブのリストを選定する処理を行う(ステップS75)。この選定処理では、たとえば、受付日時の古い順(あるいはジョブIDの小さい順)に上記許容時間内で一括してプリント可能なプライベートプリントジョブを選定する。
【0144】
上記許容時間内で一括してプリント可能なプライベートプリントジョブを選定すると、上記メイン制御部11は、上記ステップS15と同様にプライベートプリントジョブの選択画面を上記表示部12aに表示するとともに、選定処理により選定した各プライベートプリントジョブを選択状態で表示する(ステップS75)。つまり、上記ステップS75では、上記メイン制御部11は、上記許容量内で一括してプリント可能なプライベートプリントジョブを選択状態としたプライベートプリントジョブの選択画面を表示する。
【0145】
図13は、上記ステップS75で表示されるプライベートプリントジョブの選択画面の表示例を示す図である。図13に示す表示例では、図7と同様に、操作案内31、プリントジョブ一覧32、プリントキー33、キャンセルキー34などが表示されている。また、図13に示す表示例では、選定された3つのプリントジョブが選択状態で表示(反転表示)されている。なお、図13に示す表示例では、許容量としての許容時間が1分である場合を想定している。このため、図13に示す表示例では、選択状態で表示されている3つのプリントジョブを実行するのに要する時間(プリント所要時間)が許容時間(1分)以内の0分51秒と表示されている。
【0146】
図13に示すようなプライベートプリントジョブの選択画面が表示部12aに表示されると、ユーザは、プリントジョブ一覧32からプリントするプライベートプリントジョブを選択する(ステップS77)。また、ユーザによりプライベートプリントジョブが選択されるごとに、上記メイン制御部11は、上記ステップS17と同様に、選択状態の全てのプライベートプリントジョブをプリントするのに要する時間(プリント所要時間)を予測し、その予測したプリント所要時間を上記表示部12aに表示する(ステップS78)。
【0147】
また、図13に示すようなプライベートプリントジョブの選択画面において上記プリントキー33がタッチされると(ステップS79)、上記メイン制御部11は、選択されている全プライベートプリントジョブのプリント所要時間が所定の許容量としての許容時間を超えているか否かを判断する(ステップS80)。
【0148】
上記プリント所要時間が許容時間を超えていない場合、つまり、上記プリント所要時間が許容時間以下である場合(ステップS80、YES)、上記メイン制御部11は、図5のステップS21へ進み、選択されているプライベートプリントジョブのプリント処理を実行する。
【0149】
また、上記プリント所要時間が許容時間を超えている場合(ステップS80、NO)、上記メイン制御部11は、プリント所要時間を許容時間以内とするための種々の条件(プリント条件)を判定する条件判定処理を行う(ステップS81)。この条件判定処理では、選択されているプライベートプリントジョブのプリント所要時間を許容時間以内とするためのプリント条件を判定する。
上記プリント条件としては、たとえば、以下の(1)〜(3)ようなものがある。
【0150】
(1)当該プライベートプリントジョブを他の画像形成装置のプライベートプリントジョブに変更する。
これは、ネットワーク4を介して当該画像形成装置1と通信可能な他の画像形成装置が当該プライベートプリントジョブを許容時間以内にプリント処理できるか否かにより判断される。
【0151】
たとえば、当該画像形成装置によりも高速な処理能力を有する他の画像形成装置(MFP2)が存在する場合、上記メイン制御部11は、条件判定処理として、上記MFP2で当該プライベートプリントジョブを実行した場合のプリント所要時間が許容時間以内であるか否かを判断する。
【0152】
この判断により上記MFP2で当該プライベートプリントジョブを実行した場合のプリント所要時間が許容時間以内であると判断した場合、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントジョブをMFP2のプライベートプリントジョブに変更することを条件の1つとして判定する。
【0153】
なお、このような判断を行なうため、当該画像形成装置では、データ通信可能な他の画像形成装置の処理能力を示す情報を取得する機能を有しているものとする。また、他の画像形成装置の処理能力を示す情報は、他の画像形成装置から必要に応じて取得するようにしても良いし、予め当該画像形成装置のHDD等の記憶装置に記憶しておくようにしても良い。
【0154】
(2)プリントモードを変更する。
これは、当該プライベートプリントジョブのプリントモードを変更した場合に当該プライベートプリントジョブのプリント所要時間が許容時間以内となるか否かにより判断される。
【0155】
たとえば、当該プライベートプリントジョブがプリントモードがカラープリントである場合、上記メイン制御部11は、条件判定処理として、当該プライベートプリントジョブのプリントモードをモノクロプリントに変更すれば、当該プライベートプリントジョブのプリント所要時間が許容時間以内となるか否かを判断する。
【0156】
この判断により当該プライベートプリントジョブのプリントモードをモノクロプリントに変更した場合のプリント所要時間が許容時間以内であると判断した場合、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントジョブをモノクロプリントに変更することを条件の1つとして判定する。
【0157】
すなわち、上記メイン制御部11では、条件判定処理として、当該プライベートプリントジョブのプリントモード(第1のプリントモード)を別のプリントモード(第2のプリントモード)に変更することによりプリント所要時間を短縮できるか否かを判断する。この判断により第1のプリントモードを第2のプリントモードに変更することによりプリント所要時間を短縮できると判断すると、メイン制御部11は、第2のプリントモードでのプリント所要時間を算出する。第2のプリントモードでのプリント所要時間を算出すると、メイン制御部11は、算出したプリント所要時間が許容時間以内であるか否かを判断する。
【0158】
この判断により算出したプリント所要時間が許容時間以内であると判断した場合、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントジョブのプリントモードを第2のプリントモードに変更することを条件の1つとして判定する。
【0159】
(3)プライベートプリントジョブを分割する。
これは、選択されているプライベートプリントジョブのうち1つのプライベートプリントジョブのプリント所要時間が許容時間を超えるか否かにより判断される。
【0160】
すなわち、上記メイン制御部11では、条件判定処理として、プリント所要時間が許容時間を超える1つのプライベートプリントジョブが選択されているか否かを判断する。この判断によりプリント所要時間が許容時間を超える1つのプライベートプリントジョブが選択されていると判断した場合、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントジョブを複数のプリントジョブに分割することを条件の1つとして判定する。
【0161】
上記のような条件判定処理により当該プライベートプリントジョブのプリント所要時間を許容時間以内とするための種々の条件を判定すると、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントの処理方法の選択画面を上記表示部12aに表示する(ステップS82)。この選択画面では、当該プライベートプリントジョブの処理方法を選択するための種々の選択キーと、プリント所要時間が許容時間を超えている旨の警告とが表示される。
【0162】
図14は、プライベートプリントジョブの処理方法の選択画面の表示例を示す図である。
図14に示す表示例では、案内61、第1条件選択キー62、第2条件選択キー63、第3条件選択キー64、強制プリントキー65、ジョブ再選択キー66、キャンセルキー67などが表示されている。
【0163】
上記案内61には、現在選択されているプライベートプリントジョブのプリントに時間がかかる可能性がある旨の警告が表示される。さらに、図14に示す表示例では、上記案内61に、上記のような警告とともに、現在選択されているプライベートプリントジョブのプリント完了予想時間が表示されている。
【0164】
上記第1条件選択キー62、上記第2条件選択キー63および上記第3条件選択キー64は、タッチパネルにより選択可能なタッチキーである。また、上記第1条件選択キー62、上記第2条件選択キー63および上記第3条件選択キー64は、当該プライベートプリントジョブに対する処理方法として、上記条件判定処理により判定された条件に応じた処理方法を選択するためのキーである。このため、上記第1条件選択キー62、上記第2条件選択キー63および上記第3条件選択キー64には、それぞれ処理方法の内容が表示される。
【0165】
上記第1条件選択キー62は、当該プライベートプリントジョブのプリント条件を第1の条件に変更するためのタッチキーである。図14に示す表示例では、上記第1条件選択キー62では、当該プライベートプリントジョブを他の画像形成装置で実行するように変更することが選択される。また、図14に示す表示例では、上記第1条件選択キー62には、処理内容として、当該他の画像形成装置でプリントした場合のプリント所要時間と当該画像形成装置で当該プライベートプリントジョブがキャンセルされる旨が表示されている。
【0166】
上記第2条件選択キー63は、当該プライベートプリントジョブのプリント条件を第2の条件に変更するためのタッチキーである。図14に示す表示例では、上記第2条件選択キー63では、当該プライベートプリントジョブをモノクロでプリントするように変更することが選択される。また、図14に示す表示例では、上記第2条件選択キー63には、処理内容として、当該プライベートプリントジョブをモノクロでプリントした場合のプリント所要時間が表示されている。
【0167】
上記第3条件選択キー64は、当該プライベートプリントジョブのプリント条件を第3の条件に変更するためのタッチキーである。図14に示す表示例では、上記第3条件選択キー64では、当該プライベートプリントジョブを複数のプリントジョブに分割して再選択するように変更することが選択される。また、図14に示す表示例では、上記第3条件選択キー64には、処理内容として、当該プライベートプリントジョブを複数に分割して再選択する旨が表示されている。
【0168】
上記強制プリントキー65、上記ジョブ再選択キー66および上記キャンセルキー67は、当該プライベートプリントジョブのプリント所要時間が許容時間を超えていれば、上記条件判定処理の結果に関わらずに処理方法の選択画面に表示されるタッチキーである。
【0169】
上記強制プリントキー65は、現在選択されているプライベートプリントジョブを強制的に実行させるためのタッチキーである。上記強制プリントキー65が選択された場合、画像形成装置1は、現在選択されているプライベートプリントジョブのプリント処理を強制的に実行する。
【0170】
上記ジョブ再選択キー66は、プライベートプリントジョブの再選択を行なうためのタッチキーである。上記ジョブ再選択キー66が選択された場合、画像形成装置1は、上記ステップS75へ戻り、上記表示部12aの表示画面をプライベートプリントジョブの選択画面に変更する。
【0171】
上記キャンセルキー67は、プライベートプリントの実行をキャンセルするためのタッチキーである。上記キャンセルキー67が選択された場合、画像形成装置1は、プライベートプリント処理を終了する。
【0172】
上記のような処理方法の選択画面によれば、ユーザは、選択したプライベートプリントジョブの開始を指示した直後に、当該プライベートプリントを所定の許容時間以内に完了させるための種々の条件を直ちに知ることができる。また、ユーザは、選択しているプライベートプリントジョブを所定の許容時間以内に完了させるための処理方法を1タッチで選択することもできる。
【0173】
上記のような処理方法の選択画面において処理方法が選択されると、上記メイン制御部11は、選択された処理方法に応じた設定処理を行う(ステップS84)。
図15は、選択された処理方法に応じた設定処理の例を説明するためのフローチャートである。なお、図15に示すフローチャートでは、図14に示す処理方法の選択画面において表示される各選択キーに対応した設定処理の例を示している。
【0174】
すなわち、上記キャンセルキー67が選択された場合(ステップS91、YES)、上記メイン制御部11は、プライベートプリント処理を終了する。また、上記ジョブ再選択キー66が選択された場合(ステップS92、YES)、上記メイン制御部11は、上記ステップS75へ戻る。この場合、上記表示部12aに表示される表示画面は、プライベートプリントジョブの選択画面に変更される。また、上記強制プリントキー65が選択された場合(ステップS93、YES)、上記メイン制御部11は、上記ステップS21へ進み、現在選択されているプライベートプリントジョブのプリント処理を強制的に実行する。
【0175】
また、上記第1条件選択キー62が選択された場合(ステップS94、YES)、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントジョブのプリント条件を第1の条件に変更するための設定処理を行う(ステップS95)。
【0176】
たとえば、図14に示す表示例では、第1の条件は、当該プライベートプリントジョブを他の画像形成装置のプライベートプリントジョブに変更する処理である。従って、図14に示す第1条件選択キー62が選択された場合、上記メイン制御部11は、第1の条件に応じた設定処理として、選択されているプライベートプリントジョブを他の画像形成装置へ移動させる処理を行う。
【0177】
すなわち、第1条件選択キー62が選択された場合、上記メイン制御部11は、まず、選択されているプライベートプリントジョブを他の画像形成装置へ転送する。転送したプライベートプリントジョブが他の画像形成装置のジョブデータベース20に登録されると、メイン制御部11は、選択されている他の画像形成装置へ転送したプライベートプリントジョブを当該画像形成装置1のジョブデータベース20から削除する。
【0178】
上記のような選択されているプライベートプリントジョブを他の画像形成装置へ移動させる処理を実行すると、上記メイン制御部11は、プライベートプリント処理を終了する。
また、上記第2条件選択キー63が選択された場合(ステップS96、YES)、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントジョブのプリント条件を第2の条件に変更するための設定処理を行う(ステップS97)。
【0179】
たとえば、図14に示す表示例では、第2の条件は、当該プライベートプリントジョブのプリントモード(第1のプリントモード)をモノクロプリントモード(第2のプリントモード)に変更する処理である。従って、図14に示す第2条件選択キー63が選択された場合、上記メイン制御部11は、第2の条件に応じた設定処理として、選択されているプライベートプリントジョブのプリントモードをモノクロプリントモード(第2のプリントモード)に変更する処理を行う。
【0180】
また、選択されているプライベートプリントジョブのプリントモードをモノクロプリントモード(第2のプリントモード)に変更した場合、上記メイン制御部11は、上記ステップS21へ進み、モノクロプリントモード(第2のプリントモード)で当該プライベートプリントジョブを実行する。
【0181】
また、上記第3条件選択キー64が選択された場合(ステップS98、YES)、上記メイン制御部11は、当該プライベートプリントジョブのプリント条件を第3の条件に変更するための設定処理を行う(ステップS99)。
【0182】
たとえば、図14に示す表示例では、第3の条件は、当該プライベートプリントジョブを複数のプリントジョブに分割する処理である。従って、図14に示す第3条件選択キー64が選択された場合、上記メイン制御部11は、選択されているプライベートプリントジョブを分割する処理を行う。この場合、分割された複数のプライベートプリントジョブは、上記ジョブデータベース20にスプールされる。また、分割の親となった1つのプライベートプリントジョブは、上記ジョブデータベース20から削除される。
【0183】
このため、プライベートプリントジョブを分割する処理を行った場合、メイン制御部11は、直ちにユーザにプライベートプリントジョブを再選択させるようにしても良い。この場合、上記メイン制御部11は、プライベートプリントジョブを分割すると、上記ステップS75へ進み、プライベートプリントジョブをユーザに選択させるための選択画面を表示部12aに表示する。
【0184】
また、プライベートプリントジョブを分割する処理を行った場合、メイン制御部11は、分割したプライベートプリントジョブのうちの1つのプライベートプリントジョブを直ちに実行するようにしても良い。この場合、上記メイン制御部11は、プライベートプリントジョブを分割すると、分割したうちの1つのプライベートプリントジョブをプリント対象として、上記ステップS21へ進む。なお、分割されたプリントジョブのうちプリントされなかったプリントジョブは、上記ステップS71からの処理を再度実行することによりプリントされる。
【0185】
上記のように、第3の処理例では、画像形成装置は、1回のプライベートプリントとして実行するプリント処理の所要時間が所定の許容時間を超えている場合、当該プライベートプリントのプリント所要時間が許容時間を超えていることを示す警告を表示するようにしたものである。
これにより、1回のプライベートプリントのプリント所要時間が所定の許容時間以内となるように抑制することができる。この結果、ユーザがプライベートプリントジョブの実行中に画像形成装置の近傍を離れてしまうことを抑制することができ、当該プライベートプリントジョブのセキュリティが低下することを防止することができる。さらに、プリント所要時間の長いプライベートプリントを抑制することにより、プライベートプリントの効率を高めることもできる。
【0186】
また、第3の処理例では、画像形成装置は、1回のプライベートプリントとして実行するプリント処理の所要時間が所定の許容時間を超えている場合、当該プライベートプリントのプリント所要時間を許容時間以内とするための種々の条件を判定し、判定した種々の条件への変更を含む処理方法を警告とともに表示するようにしたものである。
【0187】
これにより、1回のプライベートプリントのプリント所要時間が所定の許容時間以内となるように抑制し、かつ、当該プライベートプリントを許容時間以内とするための処理方法をユーザに提供することができる。この結果、ユーザがプライベートプリントジョブの実行中に画像形成装置の近傍を離れてしまうことを抑制することができ、当該プライベートプリントジョブのセキュリティが低下することを防止することができる。さらに、プリント時間の長いプライベートプリントを抑制することにより、プライベートプリントの効率を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【図1】ネットワークプリントシステムの全体構成を概略的に示す図である。
【図2】画像形成装置の構成例を概略的に示すブロック図である。
【図3】ジョブデータベースの構成例を示す図である。
【図4】画像形成装置におけるプライベートプリントの第1の処理例を説明するためのフローチャートである。
【図5】画像形成装置におけるプライベートプリントの第1の処理例を説明するためのフローチャートである。
【図6】ユーザの認証画面(ログイン画面)の表示例を示す図である。
【図7】プライベートプリントジョブの選択画面の表示例を示す図である。
【図8】プライベートプリントジョブの選択画面の表示例を示す図である。
【図9】プライベートプリントの実行中に表示部に表示される表示例を示す図である。
【図10】中断中のプライベートプリントジョブの選択画面の表示例を示す図である。
【図11】第2の処理例を説明するためのフローチャートである。
【図12】画像形成装置におけるプライベートプリントの第3の処理例を説明するためのフローチャートである。
【図13】プライベートプリントジョブの選択画面の表示例を示す図である。
【図14】プライベートプリントジョブの処理方法の選択画面の表示例を示す図である。
【図15】選択された処理方法に応じた設定処理の例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0189】
C…ICカード、1(1A、1B)…画像形成装置、2…サーバ装置(MFP)、3(3A、3B)…端末装置、3a…表示部、3b…操作部、3c…処理部、4…ネットワーク、5…リーダライタ装置、6…カメラ、7…センサ、11…メイン制御部、12…操作パネル、12a…表示部、13…印刷部、14…ネットワーク接続部、15…印刷制御部、15a…設定記憶部、16…格納制御部、17…ハードディスクドライブ(HDD)、18…ユーザ情報データベース、19…ログ記録部、20…ジョブデータベース、31…操作案内、32…プリントジョブ一覧、33…プリントキー、34…キャンセルキー、41…案内、42…一時停止キー、43…削除キー、51…操作案内、52…プリントジョブ一覧、53…継続プリントキー、54…他のジョブ選択キー、61…案内、62…条件選択キー、63…条件選択キー、64…条件選択キー、65…強制プリントキー、66…ジョブ再選択キー、67…キャンセルキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを認証するユーザ認証部と、
外部機器からのプリント要求を受信するインターフェースと、
前記インターフェースにより受信したプライベートプリント要求をプライベートプリントジョブとしてスプールするジョブデータベースと、
前記ジョブデータベースにスプールしているプライベートプリントジョブを前記ユーザ認証部により認証されたユーザからの実行要求に応じて実行するプリンタと、
前記プリンタにより実行されているプライベートプリントの中断を検知する検知部と、
この検知部により実行中のプライベートプリントの中断が検知された場合、前記プリンタによるプライベートプリントジョブを中断するコントローラと、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検知部は、実行中のプライベートプリントを中断する旨のキー入力を検知する、ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検知部は、ユーザが提示する記憶媒体との通信状態が維持されているか否かを検知するものである、ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検知部は、当該画像形成装置の近傍に当該ユーザが存在するか否かを検知するものである、ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ユーザ認証部は、所定時間ごとにユーザ認証処理を行い、
前記検知部は、前記ユーザ認証部による所定時間ごとのユーザ認証が成功したか否かを検知する、ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
ユーザを認証するユーザ認証部と、
外部機器からのプリント要求を受信するインターフェースと、
前記インターフェースにより受信したプライベートプリントのプリント量が所定の許容量を超えている場合、当該プライベートプリントを、プリント量が前記許容量以下の複数のプライベートプリントジョブに分割するコントローラと、
前記コントローラにより分割された複数のプライベートプリントジョブをスプールするジョブデータベースと、
前記ジョブデータベースにスプールしているプライベートプリントジョブを前記ユーザ認証部により認証されたユーザからの実行要求に応じて実行するプリンタと、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記許容量は、当該プライベートプリントによる総プリント枚数に対する許容枚数である、ことを特徴とする前記請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記インターフェースにより受信したプライベートプリントのプリント量が所定の許容量を超えている場合、当該プライベートプリントの処理内容を解析し、処理内容に応じてプリント量が前記許容量以下の複数のプライベートプリントジョブに分割する、ことを特徴とする前記請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記インターフェースにより受信したプライベートプリントの総プリント枚数が所定の許容枚数を超えている場合、当該プライベートプリントのプリントデータのページ数が許容枚数以下で、かつ、前記プリントデータのプリント部数が複数部数であれば、部数単位で総プリント枚数が前記許容枚数以下の複数のプライベートプリントジョブに分割する、ことを特徴とする前記請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
ユーザを認証するユーザ認証部と、
外部機器からのプリント要求を受信するインターフェースと、
前記インターフェースにより受信したプライベートプリント要求をプライベートプリントジョブとしてスプールするジョブデータベースと、
前記ユーザ認証部により認証されたユーザにより実行が要求されたプライベートプリントジョブのプリント量が所定の許容量を超えている場合、当該ユーザによる当該プライベートプリントジョブに対する処理方法の変更要求を受け付ける操作部と、
この操作部に入力された処理方法に従って当該プライベートプリントジョブに対する処理を行うコントローラと、
このコントローラが処理したプライベートプリントジョブを前記コントローラからの要求に応じて実行するプリンタと、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記許容量は、当該プライベートプリントジョブのプリントに要するプリント所要時間に対する許容時間である、ことを特徴とする前記請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
さらに、前記ユーザ認証部により認証されたユーザにより実行が要求されたプライベートプリントジョブのプリント量が所定の許容量を超えている場合、当該プライベートプリントジョブのプリント量を前記許容量以下とするための処理方法を表示する表示部を有する、ことを特徴とする前記請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記コントローラは、当該プライベートプリントジョブに対する処理方法として、当該プライベートプリントジョブを別の画像形成装置で実行する旨の要求が前記操作部に入力された場合、当該プライベートプリントジョブを別の画像形成装置へ転送し、前記ジョブデータベースから削除する、ことを特徴とする前記請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記コントローラは、当該プライベートプリントジョブに対する処理方法として、当該プライベートプリントジョブのプリントモードを変更する旨の要求が前記操作部に入力された場合、当該プライベートプリントジョブのプリントモードを変更し、変更したプリントモードで当該プライベートプリントジョブを前記プリントに実行させる、ことを特徴とする前記請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記コントローラは、当該プライベートプリントジョブに対する処理方法として、当該プライベートプリントジョブを分割する旨の要求が前記操作部に入力された場合、当該プライベートプリントジョブをプリント量が前記許容量以下となるような複数のプライベートプリントジョブに分割し、前記ジョブデータベースに登録する、ことを特徴とする前記請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記コントローラは、当該プライベートプリントジョブに対する処理方法として、当該プライベートプリントジョブを強制的に実行する旨の要求が前記操作部に入力された場合、当該プライベートプリントジョブを前記プリンタに実行させる、ことを特徴とする前記請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記コントローラは、当該プライベートプリントジョブに対する処理方法として、実行するプライベートプリントジョブを再選択する旨の要求が前記操作部に入力された場合、当該ユーザによる実行するプライベートプリントジョブの再選択を受け付ける、ことを特徴とする前記請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項18】
外部機器からのプリント要求を受信するインターフェースを有する画像形成装置に用いられる画像形成方法であって、
前記インターフェースにより受信したプライベートプリント要求をプライベートプリントジョブとしてジョブデータベースにスプールすることと、
ユーザを認証することと、
認証されたユーザからの実行要求に応じて前記ジョブデータベースにスプールしているプライベートプリントジョブを実行することと、
実行中のプライベートプリントの中断を検知することと、
実行中のプライベートプリントの中断を検知した場合、実行中のプライベートプリントジョブを中断すること、
を特徴とする画像形成方法。
【請求項19】
外部機器からのプリント要求を受信するインターフェースを有する画像形成装置に用いられる画像形成方法であって、
前記インターフェースにより受信したプライベートプリント要求を受信した場合、当該プライベートプリントのプリント量が所定の許容量を超えているか否かを判断することと、
この判断により受信したプライベートプリントのプリント量が所定の許容量を超えていると判断した場合、当該プライベートプリントを、プリント量が前記許容量以下の複数のプライベートプリントジョブに分割することと、
分割された複数のプライベートプリントジョブをジョブデータベースにスプールすることと、
ユーザを認証することと、
認証されたユーザからの実行要求に応じて前記ジョブデータベースにスプールしているプライベートプリントジョブを実行すること、
を特徴とする画像形成方法。
【請求項20】
外部機器からのプリント要求を受信するインターフェースを有する画像形成装置に用いられる画像形成方法であって、
前記インターフェースにより受信したプライベートプリント要求をプライベートプリントジョブとしてジョブデータベースにスプールすることと、
ユーザを認証することと、
認証されたユーザにより実行が要求されたプライベートプリントジョブのプリント量が所定の許容量を超えているか否かを判断することと、
この判断により認証されたユーザにより実行が要求されたプライベートプリントジョブのプリント量が所定の許容量を超えていると判断した場合、当該ユーザによる当該プライベートプリントジョブに対する処理方法の変更要求を受け付けることと、
当該ユーザが選択した変更を要求した当該プライベートプリントジョブに対する処理方法に従って当該プライベートプリントジョブを処理することと、
ユーザが選択した処理方法に従って処理されたプライベートプリントジョブを実行すること、
を特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−203735(P2007−203735A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−21273(P2007−21273)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】