説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】画像形成動作において発生する異常に拘わらず、画像形成動作の連続実行を可能とし、且つ、オペレータの手間の発生を抑制する技術を提供する。
【解決手段】排出手段は、検知手段により異常が検知されない間は、画像が形成された記録材を複数の排出トレイのうちの正常用排出トレイに排出する一方、検知手段により異常が検知されると、当該異常に起因して正常に画像が形成されない記録材を異常記録材として、正常用排出トレイとは別の排出トレイに排出し、画像形成手段は、検知手段により異常が検知されると、異常記録材に対応する画像について画像形成動作を再実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記録材に画像を形成する画像形成技術に関するものであり、特に、画像が形成された記録材を排出トレイに排出する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成装置では、次のようにして用紙に画像を形成している。まず、一様に帯電された感光体の表面を露光して静電潜像を形成する。次に、静電潜像をトナー現像して像を顕在化するとともに、顕在化された像を中間転写ベルトに転写する。中間転写ベルトに転写された像は、二次転写部に搬送される。一方、用紙は、ゲートローラ対により二次転写部に搬送される。こうして、二次転写部において像が用紙に転写される。そして、用紙に転写された像は定着器により用紙に定着され、用紙に画像が形成される。そして、画像が形成された用紙は、排紙トレイに排紙される。
【0003】
【特許文献1】特開2006−133353号公報
【特許文献2】特開2004−284709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、用紙等の記録材に画像を形成する動作(画像形成動作)においては、様々な異常が発生する場合がある。例えば、特許文献2には、搬送される用紙にスキューが発生するとの異常について記載がある。ここで、スキューとは、用紙が搬送方向に対して傾きを持った状態で搬送されてしまう異常を意味する。そして、このようなスキューを持った状態で用紙が転写領域に搬送されると、画像と用紙とが互いに傾いた状態で転写が行なわれることとなり、記録材に良好な画像が形成できない。
【0005】
また、感光体を露光するに際して、回転するポリゴンミラーにより光ビームを感光体表面に走査する技術が知られている。かかる技術を用いて画像形成動作を実行する際に、ポリゴンミラーの回転周期が変動するという異常が発生する場合がある。その結果、感光体表面に所望の静電潜像が形成できず、記録材に良好な画像が形成できない場合がある。
【0006】
このように、画像形成動作においては様々な異常が発生する可能性があり、かかる異常に起因して、記録材に良好な画像が形成できない場合がある。そして、かかる異常の発生の有無に拘わらず画像が形成された記録材を排出トレイに排出すると、排出トレイにおいて、正常な画像形成動作に基づいて画像が形成された記録材と、異常が発生した画像形成動作に基づいて画像が形成された記録材とが、混在する場合があった。そして、このような混在が起こると、異常が発生した画像形成動作に基づいて画像が形成された記録材を、オペレータが分別して取り除く手間が発生する場合があった。さらに、このときオペレータは、取り除いた記録材の画像を再び記録材に形成するために、連続的に実行される画像形成動作を途中で止めて、取り除かれた画像についての画像形成動作を画像形成装置に実行させる必要が発生する場合があった。つまり、画像形成動作の異常に起因して、オペレータの手間の発生という問題と、画像形成動作を連続実行できないという問題とが引き起こされる場合があった。特に、ビジネス用途の画像形成装置では、ダイレクトメールや請求書等のバリアブル印刷を大量かつ長期間連続的に実行することが求められる。したがって、ビジネス用途の画像形成装置では、上述のような問題の発生は、大きな課題となる。
【0007】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、画像形成動作において発生する異常に拘わらず、画像形成動作の連続実行を可能とし、且つ、オペレータの手間の発生を抑制する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、記録材に画像を形成する画像形成動作を実行し、記録材を排出方向に搬送する画像形成手段と、画像形成手段の排出方向側で且つ互いに異なる位置にそれぞれ設けられて画像形成動作により画像が形成された記録材を受け入れる複数の排出トレイを有する排出トレイ部と、画像形成手段と排出トレイ部との間に配置され、画像形成手段から排出方向に搬送されてくる記録材を複数の排出トレイのうちの1つに選択的に排出する排出手段と、画像形成動作において異常が発生したか否かを検知する検知手段とを備え、排出手段は、検知手段により異常が検知されない間は、画像が形成された記録材を複数の排出トレイのうちの正常用排出トレイに排出する一方、検知手段により異常が検知されると、当該異常に起因して正常に画像が形成されない記録材を異常記録材として、正常用排出トレイとは別の排出トレイに排出し、画像形成手段は、検知手段により異常が検知されると、異常記録材に対応する画像について画像形成動作を再実行することを特徴としている。
【0009】
また、この発明にかかる画像形成方法は、上記目的を達成するために、画像を記録材に形成する画像形成処理を実行する画像形成工程と、画像形成処理における異常を検知する検知工程と、検知工程により異常が検知されない間は、画像が形成された記録材を複数の排出トレイのうちの正常用排出トレイに排出する一方、検知工程により異常が検知されると、当該異常に起因して正常に画像が形成されない記録材を異常記録材として、正常用排出トレイとは別の排出トレイに排出する排出工程とを備え、画像形成工程は、検知工程により異常が検知されると、異常記録材に対応する画像について画像形成処理を再実行することを特徴としている。
【0010】
このように構成された発明(画像形成装置、画像形成方法)は、画像を記録材に形成する画像形成動作(画像形成処理)を実行するとともに、画像形成動作における異常を検知する。そして、異常が検知されない間は、画像が形成された記録材を複数の排出トレイのうちの正常用排出トレイに排出する一方、異常が検知されると、当該異常に起因して正常に画像が形成されない記録材を異常記録材として、正常用排出トレイとは別の排出トレイに排出する。したがって、正常に画像が形成された記録材と、正常に画像が形成されなかった記録材(異常記録材)とが、同一の排出トレイにおいて混在するという問題の発生が抑制される。よって、異常記録材を分別して取り除くという、オペレータの手間の発生が抑制されており、好適である。
【0011】
さらに、上記発明は、異常が検知されると、異常記録材に対応する画像について画像形成動作を再実行する。つまり、上記発明は、異常が検知されたことを受けて、異常記録材に対応する画像の再形成を、自動的に実行する。したがって、正常に形成されなかった画像を、再び記録材に形成するために、連続的に実行される画像形成動作をオペレータが途中で止める必要性が軽減される。よって、異常の発生に拘わらず、画像形成動作の連続実行を可能とし、且つ、オペレータの手間の発生も抑制され、好適である。
【0012】
このとき、排出手段は、検知手段によって異常が検知された画像形成動作により画像が形成された記録材を、異常記録材として正常用排出トレイとは別の排出トレイに排出し、画像形成手段は、検知手段により異常が検知されると、異常検知にかかる画像形成動作を再実行してもよい。このように構成することで、異常が発生した画像形成動作により画像が形成された記録材(異常記録材)が、正常用排出トレイに排出された記録材に混入することが防止される。また、異常が検知された画像形成動作が、自動的に再実行される。よって、異常の発生に拘わらず、画像形成動作の連続実行を可能とし、且つ、オペレータの手間の発生も抑制され、好適である。
【0013】
また、搬送開始判断手段を更に備え、画像形成手段は、形成した画像を転写領域に搬送する画像搬送部と、転写領域に対して排出方向に上流側の停止位置から転写領域へと記録材を搬送する記録材搬送部と、転写領域において、画像搬送部により搬送されてきた画像を、記録材搬送部により搬送されてきた記録材に転写した後、当該記録材を排出方向に搬送する転写部とを有し、記録材搬送部は、画像搬送部による画像の転写領域への搬送に同期して記録材を停止位置から転写領域に搬送し、搬送開始判断手段は、検知手段により異常が検知された場合は、当該異常が検知された画像形成動作に対応する画像より後に形成する予定である後続画像のうち対応する記録材の停止位置からの搬送が開始している搬送開始後続画像が在るか否かを判断し、排出手段は、搬送開始判断手段の判断結果に基づいて、搬送開始後続画像に対する記録材を、複数の排出トレイのいずれに排出するかを選択しても良い。
【0014】
このような構成においては、転写領域において、画像搬送部により搬送されてきた画像を、記録材搬送部により搬送されてきた記録材に転写する。また、記録材搬送部は、画像搬送部による画像の転写領域への搬送に同期して記録材を停止位置から転写領域に搬送する。つまり、このような構成では、転写領域において画像を記録材に転写するが、かかる転写を良好に実行するためには、画像と記録材を相互に重ね合わせる必要がある。そこで、上記構成では、画像と記録材とを転写領域で相互に重ね合わせるために、記録材を停止位置で一度待機させる。そして、画像が転写領域に搬送されてくるタイミングに合わせて(画像の転写領域への搬送に同期して)、記録材を停止位置から転写領域へと搬送する。こうして、画像と記録材との転写領域への搬送タイミングが調整されることで、画像と記録材との良好な転写が実現される。
【0015】
ところで、それぞれ互いに異なる画像が形成された複数の記録材を連続的に排出するような場合、記録材の排出順序は、画像形成動作の異常に拘わらず前後しないことが好適である。しかしながら、記録材を転写領域に搬送する構成においては、例えば、画像形成動作に異常が検知されて、異常検知に伴う画像形成動作を再実行する際に、当該再実行より先に、既に、後続画像に対する記録材の停止位置からの搬送が開始している場合、当該記録材はそのまま転写領域に搬送されてしまう。
【0016】
そこで、上記構成では、検知手段により異常が検知された場合は、当該異常が検知された画像形成動作に対応する画像より後に形成する予定である後続画像のうち対応する記録材の停止位置からの搬送が開始している搬送開始後続画像が在るか否かを判断する搬送開始判断手段をさらに備えるとともに、排出手段は、搬送開始判断手段の判断結果に基づいて、搬送開始後続画像に対する記録材を、複数の排出トレイのいずれに排出するかを選択している。よって、画像形成動作の異常による、記録材の排出順序の前後を抑制することが可能となる。
【0017】
このとき、搬送開始後続画像が在ると、搬送開始判断手段が判断した場合は、排紙手段は、検知手段により異常が検知された画像形成動作により画像が形成された記録材および搬送開始後続画像に対する記録材の全てを、異常記録材として正常用排出トレイとは別の前記排出トレイに排出し、画像形成手段は、異常が検知された画像形成動作を再実行するのに続いて、後続画像について画像形成動作を実行するように構成しても良い。なんとなれば、このように構成することで、画像形成動作の異常に拘わらず、記録材の排出順序の前後という問題の発生を抑制することが可能となるからである。
【0018】
一方、それぞれ同じ画像が形成された複数の記録材を連続的に排出するような場合、記録材の排出順序の前後は問題とならない。そこで、画像が形成された記録材を複数連続的に排出トレイへ排出するに際して、排出順序の入れ替えが可能か否かを示す入替情報が設定される設定手段をさらに備えるように構成しても良い。そして、搬送開始判断手段が、搬送開始後続画像がある判断した場合であって、且つ、入替情報が入れ替え可能と示す場合は、排紙手段は、検知手段により異常が検知された画像形成動作により画像が形成された記録材を、異常記録材として正常用排出トレイとは別の排出トレイに排出し、画像形成手段は、搬送開始判断手段が停止位置からの搬送が開始していると判断した記録材に対して搬送開始後続画像を形成した後に、異常が検知された画像形成動作を再実行するように構成しても良い。このように、入替情報を参照して画像形成動作を実行することで、排出順序の調整のために、例えば、上述したような、異常検知に伴う画像形成動作の再実行より先に停止位置からの搬送が開始されている記録材(つまり、搬送開始後続画像に対する記録材)を、正常用排出トレイとは別の排出トレイに排出する等の動作を実行する必要が無く、動作の簡素化を図ることができる。
【0019】
また、画像形成手段に記録材を供給する記録材供給手段と、供給開始判断手段を更に備え、供給開始判断手段は、検知手段により異常が検知された場合は、当該異常が検知された画像形成動作に対応する画像より後に形成する予定である後続画像のうち対応する記録材の記録材供給手段による供給が開始している供給開始後続画像が在るか否かを判断し、
排出手段は、供給開始判断手段の判断結果に基づいて、供給開始後続画像に対する記録材を、複数の排出トレイのいずれに排出するかを選択してもよい。
【0020】
上述のような構成は、記録材供給手段により画像形成手段に記録材を供給する。そして、画像形成手段は、供給された記録材に対して画像形成する。ところで、それぞれ互いに異なる画像が形成された複数の記録材を連続的に排出するような場合、記録材の排出順序は、画像形成動作の異常に拘わらず前後しないことが好適である。しかしながら、画像形成動作に異常が検知されて、異常検知に伴う画像形成動作を再実行する際に、当該再実行より先に、既に、後続画像に対する記録材の供給が開始している場合、当該記録材はそのまま画像形成手段に供給されてしまう。
【0021】
そこで、上記構成では、検知手段により異常が検知された場合は、当該異常が検知された画像形成動作に対応する画像より後に形成する予定である後続画像のうち対応する記録材の供給が開始している供給開始後続画像が在るか否かを判断する供給開始判断手段をさらに備えるとともに、排出手段は、供給開始判断手段の判断結果に基づいて、供給開始後続画像に対する記録材を、複数の排出トレイのいずれに排出するかを選択している。よって、画像形成動作の異常による、記録材の排出順序の前後を抑制することが可能となる。
【0022】
このとき、供給開始後続画像が在ると供給開始判断手段が判断した場合は、排紙手段は、検知手段により異常が検知された画像形成動作により画像が形成された記録材および供給開始後続画像に対する記録材の全てを、異常記録材として正常用排出トレイとは別の排出トレイに排出し、画像形成手段は、異常が検知された画像形成動作を再実行するのに続いて、後続画像について画像形成動作を実行してもよい。なんとなれば、このように構成することで、画像形成動作の異常に拘わらず、記録材の排出順序の前後という問題の発生を抑制することが可能となるからである。
【0023】
また、画像が形成された記録材を複数連続的に排出トレイへ排出するに際して、排出順序の入れ替えが可能か否かを示す入替情報が設定される設定手段をさらに備え、供給開始判断手段が、供給開始後続画像が在ると判断した場合であって、且つ、入替情報が入れ替え可能と示す場合は、排紙手段は、検知手段により異常が検知された画像形成動作により画像が形成された記録材を、異常記録材として正常用排出トレイとは別の排出トレイに排出し、画像形成手段は、供給開始判断手段が記録材供給手段による供給が開始していると判断した記録材に対して供給開始後続画像を形成した後に、異常が検知された画像形成動作を再実行するように構成しても良い。このように、入替情報を参照して画像形成動作を実行することで、排出順序の調整のために、例えば、上述したような、異常検知に伴う画像形成動作の再実行より先に供給が開始されている記録材(つまり、供給開始後続画像に対する記録材)を、正常用排出トレイとは別の排出トレイに排出する等の動作を実行する必要が無く、動作の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1はこの発明に用いることができるプリンタ(画像形成手段)の一実施形態を示す図である。また、図2は図1のプリンタの電気的構成を示すブロック図である。このプリンタ1は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するプリンタである。このプリンタでは、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ10に設けられたCPU101がエンジン部EG各部を制御することで、画像形成動作を実行してシートST(記録材)に画像信号に対応する画像を形成する。
【0025】
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ローラ23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ローラ23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に帯電させる。クリーニング部25は一次転写後に感光体22の表面に残留付着したトナーを除去し、内部に設けられた廃トナータンクに回収する。これらの感光体22、帯電ローラ23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2は一体として装置本体に対し着脱自在となっている。
【0026】
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームLを感光体22上に走査して画像信号に対応する静電潜像を形成する。
【0027】
露光ユニット6の具体的構成としては、従来から提案されている様々な技術により実行でき、例えば、特開平9−71004号公報に記載の技術により実行することができる。つまり、同公報に記載の技術では、所定周期で回転するポリゴンミラーにより、光源からの光ビームを反射することで、感光体の表面を走査している。また、同公報にて指摘されているように、ポリゴンミラーの回転周期が変動すると、感光体の表面に所望の静電潜像が形成できない場合がある。これに対して同公報記載の技術では、ポリゴンミラーによる光ビームが走査される範囲内に光センサを配置している。かかる光センサは、いわゆる水平同期信号を検出する水平同期センサとして機能する。そして、同公報には、水平同期信号の検出周期の変動に基づいて、ポリゴンミラーの回転周期の変動が検知できる点が記載されている。そこで、本実施形態では、露光ユニット6に水平同期センサ601を設けるとともに、水平同期センサ601で検出した水平同期信号をCPU101に出力する。そして、CPU101は、水平同期信号の周期に基づいて、ポリゴンミラーの回転周期が変動したとの動作異常を検出する(ポリゴンミラー動作異常検出)。
【0028】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この装置では、現像ユニット4は、図1紙面に直交する回転軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色の非磁性一成分トナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、エンジンコントローラ10により制御されるステッピングモータである現像ユニット駆動モータ47により矢印方向D3に回転駆動されている。また、装置本体には、現像ユニット4に対し離当接するロータリーロック45が設けられている。必要に応じてこのロータリーロック45が現像ユニット4の支持フレーム40の外周部に当接することにより、現像ユニット4の回転を拘束し現像ユニット4を所定位置に停止位置決めするブレーキおよびロック機構として作用する。
【0029】
そして、エンジンコントローラ10からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y,4C,4M,4Kが選択的に感光体22と対向する現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラ44が、所定のギャップを隔てて感光体22に対し対向配置され、その対向位置において現像ローラ44から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化(現像)される。
【0030】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。そして、一次転写領域TR1に対して中間転写ベルト71の回転方向D2の下流側には、二次転写領域TR2が設けられている。つまり、中間転写ベルト71の表面に一次転写されたトナー像は、該中間転写ベルト71の移動に伴って、二次転写領域TR2へと搬送される。
【0031】
カラー画像をシートSTに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、当該カラー画像を二次転写領域TR2にまで搬送する。そして、カセット8から取り出され搬送経路FFに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシートST上にカラー画像を二次転写する。
【0032】
二次転写領域TR2(転写領域)は、ローラ73に掛け渡された中間転写ベルト71の表面と、該ベルト表面に対し離当接する二次転写ローラ86(転写部)とが当接するニップ部である。
【0033】
カセット8に積層貯留されたシートSTは、ピックアップローラ88の回転によって1枚ずつ取り出される。そして、取り出されたシートSTは、フィードローラ851、852により搬送経路FFに乗せられて、排出方向D5へ向けて供給される。また、手差しトレイ8hに積層貯留されたシートSTは、ピックアップローラ88hの回転によって1枚ずつ取り出される。そして、カセット8或いは手差しトレイ8hから取り出されたシートSTは、フィードローラ851、852により搬送経路FFに乗せられて、排出方向D5へ向けて供給される。そして、フィードローラ841、842、851、852およびゲートローラ811、812の回転によって、排出方向D5に搬送経路FFに沿って二次転写領域TR2まで搬送される。このように、本実施形態では、カセット8、手差しトレイ8h、フィードローラ851、852が、本発明の「記録材供給手段」として機能している。なお、以後の説明で、記録材供給手段によるシートSTの供給が開始しているか否かを判断する場合があるが、「供給が開始している状態」とは、フィードローラ851、852によるシートST(記録材)の排出方向D5への供給が開始している状態を指すものとする。つまり、シートSTの供給が開始している状態にあっては、排出方向D5においてシートST(記録材)の先端がフィードローラ851、852のニップ部を超えている。
【0034】
図3は、ゲートローラの周辺の構成を示す図である。同図が示すように、排出方向D5の上流側から順番に、フィード前シート検出センサ804と、フィードローラ851、852と、重送検出センサS81と、ゲート前シート検出センサ801と、ゲートローラ811、812と、スキュー検出センサS82と、二次転写位置TR2とが配置されている。また、ゲートローラ811、812は互いにに対向して配置されているとともに、フィードローラ851、852は互いに対向して配置されている。ゲートローラ811、812は、中間転写ベルト71上の画像をシートST上に正しく転写するため、中間転写ベルト77の回転移動に伴って二次転写領域TR2に搬送されてくる画像の搬送タイミングに同期して、シートSTを二次転写領域TR2に搬送する。具体的には次の通りである。
【0035】
排出方向D5の上流側から搬送経路FF上を搬送されてきたシートSTが到達したことがゲート前シート検出センサ801により検出されるとシートSTの搬送は、停止位置SPでいったん停止される。同図「停止位置」の欄に示すように、シートSTが停止位置SPに停止している状態において、シートSTの排出方向D5の下流側端部ED1は、ゲートローラ811、812が互いに当接して形成されるニップ部に、突き当てられている。また、このとき、フィード前シート検出センサ804はオンしている(つまり、フィードローラ851、852に対して排出方向D5の上流側に、シートSTが存在することを、フィード前シート検出センサ804は検出している)。そして、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに同期させてゲートローラ81の回転を再開することで、シートSTの停止位置SPから二次転写領域TR2に向けての搬送を開始する。こうして、シートSTは、所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。そして、二次転写領域TR2を通過するシートSTの表面に、中間転写ベルト71上に形成されたトナー像が二次転写される。そして、二次転写が実行されたシートSTは、排出方向D5に排出される。このように、本実施形態では、転写ユニット7が本発明の「画像搬送部」として機能する、また、ゲートローラ811、812が本発明の「記録材搬送部」として機能する。また、2次転写ローラ86が本発明の「転写部」として機能する。
【0036】
ところで、本実施形態では、停止位置SPから二次転写領域TR2までの搬送の間に、「サイズ異常検出」、「重送検出」「スキュー検出」の3つの検出動作を実行している。以下に、それぞれについて説明する。
【0037】
まず、サイズ異常検出について説明する。上述の通り、シートSTが停止位置SPに停止している状態において、フィード前シート検出センサ804はオンしている。そして、同図「フィード前シート検出センサOFF」の欄に示すように、シートSTの停止位置SPからの搬送が開始されて暫く経つと、シートSTの排出方向D5の上流側端部ED2がフィードローラ851、852を通過して、フィード前シート検出センサ804はオフする。ここで、シートSTの停止位置SPからの搬送が開始されてから、フィード前シート検出センサ804がオフするまでの時間間隔は、シートSTの排出方向D5への長さに依存する。そこで、本実施形態では、当該時間間隔を測定した結果に基づいてシートSTのサイズが適切か否かを判断している。
【0038】
具体的には、シートSTの停止位置SPからの搬送が開始されてから(つまり、ゲートローラ811、812の回転が再開してから)、フィード前シート検出センサ804がオフするまでの時間間隔が基準時間間隔未満である場合は、「紙短エラー」と判断する。一方、シートSTの停止位置SPからの搬送が開始されてから、フィード前シート検出センサ804がオフするまでの時間間隔が基準時間間隔を超える場合は、「紙長エラー」と判断する。なお、かかる判断はCPU101が行なう。ここで、「紙短エラー」とは、実際に搬送されているシートSTのサイズが、形成すべき画像のサイズよりも短いという動作異常を意味し、「紙長エラー」とは、実際に搬送されているシートSTのサイズが、形成すべき画像のサイズよりも長いという動作異常を意味する。このようにして、サイズ異常検出が実行される。
【0039】
次に、重送検出について説明する。ここで、重送とは、2枚以上のシートSTが互いに重なり合った状態で排出方向D5に搬送される動作異常を意味し、重送検出とは、かかる動作異常を検出することを意味する。かかる重送検出は、従来から提案されている様々な技術により実行でき、例えば、特開平4−32441号公報に記載の技術により実行することができる。以下に、同技術を用いる場合について説明する。
【0040】
重送検出センサS81は、光を射出する射出部S81aと、射出部S81aに対向して該射出部S81aから射出された光を受光する受光部S81bとを有する、透過型光センサである(図3)。また、これら射出部S81aと受光部S81bとは、搬送経路FFを挟むように配置されている。射出部S81aは、搬送経路FFに沿って搬送されるシートSTに向けて光を射出するとともに、受光部S81bは、シートSTを透過してくる光の量を検出する。そして、CPU101は、受光部S81bが検出した透過光量に基づいて重送を検出する。つまり、重送が発生しているときは、重送が発生しないときと比較して、検出される透過光量が少なくなる。そこで、CPU101は、透過光量が所定値をよりも少ないことをもって、重送を検出している。
【0041】
次にスキュー検出について説明する。スキューとは、シートSTが排出方向D5に対して傾きを持った状態で搬送されてしまう動作異常を意味し、スキュー検出とは、かかる動作異常を検出することを意味する。かかるスキュー検出は、従来から提案されている様々な技術により実行でき、例えば、特開2004−284709号公報に記載の技術により実行することができる。以下に、同技術を用いる場合について説明する。
【0042】
図4は、スキュー検出の説明図である。図5は、スキューが無い状態の説明図である。図6は、スキューがある状態の説明図である。スキュー検出センサS82は、搬送経路FFに対向して配置された2個の反射型光センサS82a、S82bとを有する。つまり、反射型光センサS82a、S82bのそれぞれは、搬送されてくるシートSTに対して光を射出するとともに、該シートSTにより反射される光の光量を検知している。CPU101は、反射型光センサS82a、S82bそれぞれが検出した反射光量が一定値以上であることをもって、反射型光センサS82a、S82bそれぞれが対向する位置にシートSTが搬送されてきたことを検出する。そして、CPU101は、反射型光センサS82a、S82bがシートSTを検出するタイミングの差に基づいて、スキューの有無を検出する。
【0043】
図4に示すように、反射型光センサS82a,S82bの配置位置は、搬送方向D5における位置は同じ位置D5-1であるとともに、該搬送方向D5に直交する幅方向WDにおける位置は、互いに異なる位置WD-1、WD-2である。したがって、スキューが無い状態でシートSTが排出方向D5に搬送されている場合、シートSTの排出方向D5の下流側端部ED1が、反射型光センサS82a,S82bに到達するタイミングは、反射型光センサS82a,S82bのいずれにおいても同じである(図5)。一方、スキューがある状態でシートSTが排出方向D5に搬送されている場合、シートSTの排出方向D5の下流側端部ED1が、反射型光センサS82a,S82bに到達するタイミングは、反射型光センサS82a,S82bそれぞれで異なる(図6)。なお、図6に示す例では、シートSTの端部ED1が反射型光センサS82bに到達するタイミングの方が、シートSTの端部ED1が反射型光センサS82aに到達するタイミングよりも早い。そこで、CPU101は、反射型光センサS82a,S82bそれぞれがシートSTの端部ED1を検出するタイミングの差が所定以上であることをもって、スキューを検出している。
【0044】
図1に戻って説明を続ける。二次転写領域TR2において、画像が転写されたシートSTは定着ユニット9によりトナー像を定着される。こうして、シートSTの一方面に画像が形成される。本実施形態では、上述してきた過程を経て、シートSTの一方面に画像を形成する動作を「画像形成動作」と称する。そして、画像が形成されたシートSTは、排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して、後述するマルチビンユニットへと搬送される。また、シートSTの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSTの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSTは反転搬送経路FRに沿って矢印D4方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路FFに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSTの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSTの両面に画像を形成することができる。
【0045】
また、シート搬送経路FFおよび反転搬送経路FR上の各位置には、前記したゲート前シート検出センサ801の他にも、当該経路上においてシート通過の有無を検出するためのシート検出センサ802〜804が設けられており、これらのセンサの出力に基づいて、シート搬送タイミングが管理されるとともに、各位置でのジャム検出が行われる。
【0046】
また、ローラ75の近傍には、クリーナ76が配置されている。このクリーナ76は図示を省略する電磁クラッチによってローラ75に対して近接・離間移動可能のクリーナブレード761と、廃トナータンク762とを備えている。そして、ローラ75側に移動した状態でクリーナブレード761がローラ75に掛け渡された中間転写ベルト71の表面に当接し、二次転写後に中間転写ベルト71の外周面に残留付着しているトナーを掻き落として除去する。掻き落とされたトナーは廃トナータンク762に蓄えられる。廃トナータンク762には、当該タンクの満杯を検出するための廃トナーセンサ763が設けられている。
【0047】
このクリーナブレード761は、二次転写領域TR2においてシートSTへの画像の転写が行われるときに、それと同じ周回において中間転写ベルト71上に残留付着するトナーを除去するように、離当接制御される。したがって、例えば装置がモノクロ画像を連続的に形成する場合には、一次転写領域TR1において中間転写ベルト71に転写された画像が直ちに二次転写領域TR2でシートSTに転写されるので、クリーナブレード761は当接状態に保持される。一方、カラー画像を形成する場合には、各色のトナー像が互いに重ね合わされる間、クリーナブレード761を中間転写ベルト71から離間させておく必要がある。そして、各色のトナー像が互いに重ね合わされてフルカラー画像が完成し、シートSTに二次転写されるのと同一の周回において、残留トナーを除去すべくクリーナブレード761が中間転写ベルト71に当接されることとなる。
【0048】
また、ローラ75の近傍には濃度センサ60および垂直同期センサ77が配置されている。この濃度センサ60は、中間転写ベルト71の表面に対向して設けられており、必要に応じ、中間転写ベルト71の外周面に形成されるトナー像の画像濃度を測定する。そして、その測定結果に基づき、この装置では、画像品質に影響を与える装置各部の動作条件、例えば各現像器に与える現像バイアスや、光ビームLの強度などの調整を行っている。この濃度センサ60は、例えば反射型フォトセンサを用いて、中間転写ベルト71上の所定面積の領域の画像濃度に対応した信号を出力するように構成されている。そして、CPU101は、中間転写ベルト71を周回移動させながらこの濃度センサ60からの出力信号を定期的にサンプリングすることで、中間転写ベルト71上のトナー像各部の画像濃度を検出することができる。
【0049】
また、垂直同期センサ77は、中間転写ベルト71の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト71の回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るためのセンサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色で形成されるトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。
【0050】
また、全体として略円筒形をなす現像ユニット4の側面に当たる各現像器4Y,4C,4Mおよび4Kの外周面には、それぞれメモリタグ49Y,49C,49Mおよび49Kが貼付されている。例えば、イエロー現像器4Yに装着されたメモリタグ49Yは、該現像器の製造ロットや使用履歴、内蔵トナーの残量などに関するデータを記憶するためのメモリ491Yと、該メモリと電気的に接続されたループアンテナ492Yとを備えている。また、他の現像器に設けられたメモリタグ49C,49Mおよび49Kにもそれぞれメモリチップ491C,491Mおよび491Kと、ループアンテナ492C,492Mおよび492Kとが設けられている。
【0051】
一方、装置本体側にも無線通信用アンテナ109が設けられている。この無線通信用アンテナ109は、CPU101と接続されたトランシーバ105によって駆動されており、現像器側の無線通信用アンテナとの間で無線通信を行うことにより、CPU101と現像器に設けられたメモリとの間でデータの送受を行って該現像器に関する消耗品管理等の各種情報の管理を行っている。
【0052】
また、この装置では、図2に示すように、メインコントローラ11のCPU111により制御される表示部12を備えている。この表示部12は、CPU111からの制御指令に応じて、ユーザへの操作案内や画像形成動作の進行状況、さらに装置の異常発生やいずれかのユニットの交換時期などを知らせるための所定のメッセージを表示する。また、本実施形態では、表示部12を例えばタッチパネル等で構成することで、表示部12を介してユーザが所定情報を入力可能であるようにしている。
【0053】
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリである。また、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
【0054】
図7はマルチビンユニットの構成を模式的に示す図である。このマルチビンユニット3(排出手段)は、プリンタ1の排出ローラ83によってユニット内に搬送されてきたシートSTを搬送する共通搬送路32を有している。そして、この共通搬送路32に対して互いに異なる分岐位置で分岐し、10個のビンBIN1〜BIN10(排出トレイ部)が垂直方向にスタック配置されている。なお、この実施形態では、共通搬送路32の上流側にビンBIN10が配置されるとともに、下流側(図面上では上方側)に進むにしたがってビンBIN9〜BIN1がこの順序で配列されている。
【0055】
また、各分岐位置に1対1で対応してシートSTの排出先を切り換える分岐爪33が揺動自在に設けられている。そして、後で説明するマルチビンユニットコントローラ31の排出先切換制御部315(図8)によって分岐爪33のそれぞれを揺動位置決めすることで、共通搬送路32に沿って搬送されてくるシートSTを複数のビンBIN1〜BIN10のうちの一のビン(排出トレイ)に選択的に排出する。つまり、ビンBIN1〜BIN10のそれぞれは、排出されてきたシートSTを受け入れる。
【0056】
各ビンBIN1〜BIN10には、ビン内にシートSTが収納されているか否かを検出するシート検出センサS31と、ビンへのシート収納量が予め設定されている上限量に達しているか否かを検出する収納限界検出センサS32とが一対で設けられている。さらに、各ビンBIN1〜BIN10へのシート排出を検出するための単一の排出センサS33が設けられている。
【0057】
この排出センサS33は、ユニット本体34の内底部に配置された投光部S33aと、ユニット本体34の内頂部に配置された受光部S33bとで構成されており、投光部S33aは分岐位置近傍で全てのビンBIN1〜BIN10に対して串刺し状に光線Lを照射し、この投光部S33aに対向配置された受光部S33bにより光線Lを受光可能となっている。このため、シートSTが光線Lの光路上を横切りながらビンに排出されている途中においては当該光線Lが遮光される一方、ビンへのシート排出が完了すると、シートSTが光路を通過してしまい光線Lが受光部S33bに受光されて光線Lの透過を検出する。こうして排出センサS33により、ビンへのシート排出を検出する。
【0058】
図8は、図7に示すマルチビンユニットを制御するために、マルチビンユニット本体内に設けられたマルチビンユニットコントローラの電気的構成を示す図である。このマルチビンユニットコントローラ31(排出手段)では、マルチビンユニット3に設けられたセンサ群S31〜S34から検出信号とともに、通信インターフェース311を介してプリンタ1のエンジンコントローラ10から種々の情報がCPU312に与えられるように構成されている。このCPU312は、これらの信号や情報などに基づき、予めROM313に記憶されているプログラムにしたがってマルチビンユニット各部を制御する。なお、符号S34は、マルチビンユニット3のシート搬入口341の近傍に配置されてシート搬入を検出する搬入検出センサである。
【0059】
また、マルチビンユニット3の各部を制御するため、CPU312には、以下の制御部が電気的に接続されている。
(a)メインモータ駆動制御部314:マルチビンユニット3の各部の駆動源たるメインモータ(図示省略)を駆動制御する。
(b)排出先切換制御部315:分岐爪33を揺動駆動してシートSTの排出先を複数のビンBIN1〜BIN10から選択する。
【0060】
また、マルチビンユニットコントローラ31には、AC入力部316を介して供給されるAC電源を電源部317で所定電圧の直流に変化し、マルチビンユニット3内での電力源としている。特に、この実施形態では、プリンタ1からのリレー制御信号に基づき電源部317に設けられたACリレー317aの導通/非導通を制御することで、AC入力部316からの電力供給をプリンタ1によって遠隔制御できるように構成されている。なお、同図における符号318は、マルチビンユニット3の各部を制御するための制御データやCPU312における演算結果などを一時的に記憶するためのRAMである。
【0061】
上述のように、上記プリンタ1で実行される画像形成動作においては、様々な異常(ポリゴンミラー動作異常、サイズ異常、重送、スキュー)が発生する。かかる異常が発生すると、シートSTへの良好な画像形成が実現できない。そして、かかる異常の発生の有無に拘わらず画像が形成されたシートSTをビンBIN(排出トレイ)に排出すると、ビンBINにおいて、正常な画像形成動作に基づいて画像が形成されたシートと、異常が発生した画像形成動作に基づいて画像が形成されたシートとが、混在する場合があった。そこで、上記実施形態では、画像形成動作における異常を検知するとともに、かかる検出結果に基づいて画像形成動作を制御する。
【0062】
図9は、画像形成動作の制御の一例を示すフローチャートである。図10は、図9のフローにおいて実行される具体的動作の一例を示す図である。図10では、4つの画像IM1〜IM4を、それぞれ異なるシートSTに形成する場合を示す。なお、図10において、例えば、「プリンタ」の欄のシートSTに「IM1」と付したものは、プリンタ1において画像形成動作が実行されて、画像IM1が形成されたシートSTを意味する。図10の「プリンタ」の欄における他の記載も同様である。また、図10に示す画像IM1〜IM4はそれぞれ互いに異なる画像であり、画像IM1〜IM4が形成されたシートSTは、画像IM1〜IM4の順番で排出されることが好適である。これらを前提として、画像形成動作の制御の一例を説明する。
【0063】
画像信号がメインコントローラ11に与えられると、CPU101は、エンジン部EGの各部を制御して、画像形成動作を開始する(ステップSTEP101)。画像形成動作が開始されると、CPU101(検知手段)は、ポリゴンミラー動作異常、サイズ異常、重送、スキューのいずれかの異常が検知されていないかを監視する(ステップSTEP102、検知工程)。いずれの異常も検知されない間は、画像形成動作により画像が形成されたシートSTは、マルチビンユニット3に搬送されて、ビンBIN1(正常用排出トレイ)に排出される(ステップSTEP103、排出工程)。図10に示す動作例おいては、1枚目の画像IM1の画像形成動作においては異常が検知されず、画像IM1が形成されたシートSTは、プリンタ1からビンBIN1に排出される。ステップSTEP102において、異常が検知されたと判断されると、異常検知に係る画像形成動作により画像が形成されたシートSTを、異常記録材としてビンBIN2に排出する(ステップSTEP104、排出工程)。図10に示す動作例においては、CPU101は、画像IM2に係る画像形成動作中に異常が検知されたと判断し、その結果、画像IM2が形成されたシートSTは、プリンタ1からビンBIN2に排出される。つまり、図10に示す動作例では、CPU101は、検知された異常に起因して正常に画像IM2がシートSTに形成されないと判断し、画像IM2が形成されたシートSTを、異常記録材として、ビンBIN1とは別のビンBIN2に排出する。
【0064】
また、異常が検知された場合は、当該異常が検知された画像形成動作に対応する画像(画像IM2)より後に形成する予定である、後続画像(画像IM3,IM4)に対してシートSTの停止位置SPからの搬送が開始しているか否か(つまり、ゲートローラ81の回転が再開されているか否か)を、CPU101(搬送開始判断手段)は判断する(ステップSTEP105)。図10に示す動作例は、ステップSTEP105において、後続画像に対してシートSTの停止位置SPからの搬送が開始していないと判断した場合に相当する。この場合は、ステップSTEP107に進んで、異常検知に係る画像形成動作(画像形成処理)の実行を開始する(画像形成工程)。つまり、画像IM2についての画像形成動作の再実行を開始する。また、これに続いて、後続画像IM3についての画像形成動作を開始する(ステップSTEP109)。そして、全ての画像IM1〜IM4についての画像形成動作が終了するまで、上述のフローを実行する。なお、図10に示す動作例は、画像IM2に係る画像形成動作の再実行以後の画像形成動作に異常が検知されなかった場合に相当する。上述の動作の結果、図10の「BIN1」の欄に示すように、それぞれ画像IM1〜IM4が正常に形成された4枚のシートSTが、画像IM1〜IM4の順番にビンBIN1に排出される。
【0065】
図11は、図9のフローにおいて実行される具体的動作の別の例を示す図である。図10に示す動作例では、ステップSTEP105において「NO」と判断された場合、つまり、後続画像に対してシートSTの停止位置SPからの搬送が開始していないと判断した場合を示した。一方、図11に示す動作例は、ステップSTEP105において「YES」と判断された場合、つまり、後続画像IM3に対してシートSTの停止位置SPからの搬送が開始していると判断した場合に相当する。なお、対応するシートSTの停止位置SPからの搬送が既に開始している後続画像を、特に搬送開始後続画像と称することとする。ステップSTEP105における判断以外の前提については、図10と図11は同様である。なお、ステップSTEP105より以前の動作については、図10に示す動作と同様であるので、説明を省略する。
【0066】
ステップSTEP105において「YES」と判断された場合は、既に搬送が開始しているシートSTに対して搬送開始後続画像IM3を形成するとともに、搬送開始後続画像IM3が形成されたシートSTを、異常記録材としてビンBIN2に排出する。この理由は、次の通りである。搬送開始後続画像IM3は、画像IM2の後にシートSTに形成されるべき画像である。しかしながら、図11に示す動作例では、画像IM2にかかる画像形成動作において検知された異常に起因して、本来画像IM2の後に続いて形成されるべき画像IM3が、画像IM2より先にシートSTに形成されてしまう。つまり、画像IM3は、画像IM2に係る画像形成動作において検知された異常に起因して、正常にシートSTに形成されない。そこで、図11に示す動作例では、搬送開始後続画像IM3が形成されたシートSTを、異常記録材としてビンBIN2に排出する。
【0067】
次に、ステップSTEP107に進んで、異常検知に係る画像形成動作の実行を開始する。つまり、画像IM2についての画像形成動作の再実行を開始する。また、これに続いて、後続画像IM3、IM4についての画像形成動作を、この順番で開始する(ステップSTEP109)。そして、全ての画像IM1〜IM4についての画像形成動作が終了するまで、上述のフローを実行する。なお、図11に示す動作例は、画像IM2に係る画像形成動作の再実行以後の画像形成動作に異常が検知されなかった場合に相当する。上述の動作の結果、図11の「BIN1」の欄に示すように、それぞれ画像IM1〜IM4が正常に形成された4枚のシートSTが、画像IM1〜IM4の順番にビンBIN1に排出される。
【0068】
このように上記実施形態では、画像をシートST(記録材)に形成する画像形成動作(画像形成処理)を実行するとともに、画像形成動作における異常を検知する(ステップSTEP102)。そして、異常が検知されない間は、画像が形成されたシートSTをビンBIN1(正常用排出トレイ)に排出する(ステップSTEP103)一方、異常が検知されると、当該異常に起因して正常に画像が形成されないシートSTを異常記録材として、ビンBIN1とは別のビンBIN2に排出する(ステップSTEP104)。したがって、図10、図11の「BIN1」の欄に示すように、正常に画像が形成されたシートSTと、正常に画像が形成されなかったシートST(異常記録材)とが、ビンBIN1において混在するという問題の発生が抑制される。よって、異常記録材を分別して取り除くという、オペレータの手間の発生が抑制されており、好適である。
【0069】
さらに、上記実施形態は、異常が検知されると、異常記録材に対応する画像について画像形成動作を再実行する(ステップSTEP107)。つまり、上記実施形態は、異常が検知されたことを受けて、異常記録材に対応する画像の再形成を、自動的に実行する。したがって、正常に形成されなかった画像を、再びシートST(記録材)に形成するために、連続的に実行される画像形成動作をオペレータが途中で止める必要性が軽減される。よって、異常の発生に拘わらず、画像形成動作の連続実行を可能とし、且つ、オペレータの手間の発生も抑制され、好適である。
【0070】
また、上記実施形態では、CPU101は、当該異常が検知された画像形成動作に対応する画像より後に形成する予定である後続画像のうち対応するシートSTの停止位置からの搬送が開始している搬送開始後続画像が在るか否かを判断している。そして、かかる判断の結果に基づいて、搬送開始後続画像に対するシートSTを、いずれのビンBINに排出するかを選択している。
【0071】
より具体的には、搬送開始後続画像があると判断した場合は、異常が検知された画像形成動作により画像が形成されたシートST(記録材)および搬送開始後続画像に対するシートST(記録材)の全てを、異常記録材としてビンBIN1(正常用排出トレイ)とは別のビンBIN2に排出している(ステップSTEP104〜STEP106)。そして、プリンタ1は、異常が検知された画像形成動作を再実行するのに続いて、後続画像について画像形成動作を実行するように構成している(ステップSTEP107、STEP108)。よって、上記実施形態では、画像形成動作の異常に拘わらず、シートST(記録材)の排出順序の前後という問題の発生を抑制することが可能となっており、好適である。
【0072】
ところで、それぞれ同じ画像が形成された複数のシートST(記録材)を連続的に排出するような場合や、あて先のみが異なるようなダイレクトメールを複数バリアブル印刷するような場合は、シートSTの排出順序の前後は問題とならない。そこで、次に、「画像IM1〜IM4が形成されたシートSTの排出順序は問題とならない」との前提で実行される画像形成動作について説明する。
【0073】
図12は、画像形成動作の制御の別の例を示すフローチャートである。図13は、図12のフローにおいて実行される具体的動作の一例を示す図である。図13では、4つの画像IM1〜IM4を、それぞれ異なるシートSTに形成する場合を示す。図12に示すフローと図9に示したフローとは、ステップSTEP105で「YES」と判断された後に、シートSTの排出順序の入れ替えが可能か否かを判断するステップSTEP201を設けたことと、これに続くステップSTEP202、STEP203を設けた点で異なる。その他の点については、図12に示すフローと図9に示したフローは、同様である。よって、以下では、異なる部分を中心に説明を行なう。
【0074】
画像信号がメインコントローラ11に与えられると、CPU101は、エンジン部EGの各部を制御して、画像形成動作を開始する(ステップSTEP101)。画像形成動作が開始されると、CPU101(検知手段)は、異常が検知されていないかを監視する(ステップSTEP102)。異常が検知されない間は、画像形成動作により画像が形成されたシートSTは、マルチビンユニット3に搬送されて、ビンBIN1(正常用排出トレイ)に排出される(ステップSTEP103)。図13に示す動作例おいては、1枚目の画像IM1の画像形成動作においては異常が検知されず、画像IM1が形成されたシートSTは、プリンタ1からビンBIN1に排出される。ステップSTEP102において、異常が検知されたと判断されると、異常検知に係る画像形成動作により画像が形成されたシートSTを、異常記録材としてビンBIN2に排出する(ステップSTEP104)。図13に示す動作例においては、CPU101は、画像IM2に係る画像形成動作中に異常が検知されたと判断し、その結果、画像IM2が形成されたシートSTは、プリンタ1からビンBIN2に排出される。つまり、図13に示す動作例では、CPU101は、検知された異常に起因して正常に画像IM2がシートSTに形成されないと判断し、画像IM2が形成されたシートSTを、異常記録材として、ビンBIN1とは別のビンBIN2に排出する。
【0075】
また、異常が検知された場合は、当該異常が検知された画像形成動作に対応する画像(画像IM2)より後に形成する予定である、後続画像(画像IM3、IM4)に対してシートSTの停止位置SPからの搬送が開始しているか否か(つまり、ゲートローラ81の回転が再開されているか否か)を、CPU101(搬送開始判断手段)は判断する(ステップSTEP105)。そして、ステップSTEP105で「YES」と判断されると、ステップSTEP201に進み、CPU101は、排出順序の入れ替えが可能か否かを示す入替情報を参照する。なお、図13に示す動作例は、後続画像IM3に対してシートSTの停止位置SPからの搬送が開始していると判断した場合に相当する。つまり、後続画像IM3は、搬送開始後続画像である。かかる入れ替え情報は、画像が形成されたシートを複数連続的に排出するに際して、排出順序の入れ替えが可能か否かを示す情報である。また、入替情報は、表示部12を介して、オペレータにより、エンジンコントローラ10のRAM107に設定される。具体的には、オペレータが排出順序については拘らない場合は、オペレータは表示部12に対して、排出順序の入替が可能である旨の入力を行なう。そして、表示部12に入力された入替情報は、CPU111、CPU101を介してRAM107(設定手段)に設定される。
【0076】
そして、ステップS201において、排出順序の入れ替えが可能であると判断した場合は、搬送開始後続画像IM3についての画像形成動作を開始する(ステップSTEP202)のに続いて、異常検知に係る画像IM2についての画像形成動作の再実行を開始する(ステップSTEP203)。このとき、搬送開始後続画像IM3は、搬送開始判断手段が停止位置SPからの搬送が開始していると判断したシートに対して画像形成が実行される。なお、図13に示す動作は、ステップSTEP105において「YES」と判断されたのに続いて、ステップSTEP201において「YES」と判断された場合に対応する。その結果、同図の「BIN1」の欄が示すように、画像IM2が形成されたシートSTと、画像IM3が形成されたシートSTとの、ビンBIN1への排出順序が前後している。
【0077】
そして、ステップSTEP201において「NO」と(つまり、排出順序の入れ替えは不可能と)判断された場合は、ステップSTEP106に進み、既に説明した実施形態と同様の動作を実行する。なお、図13に示す動作例は、画像IM3に係る画像形成動作の実行以後の画像形成動作に異常が検知されなかった場合に相当する。上述の動作の結果、図13の「BIN1」の欄に示すように、それぞれ画像IM1〜IM4が正常に形成された4枚のシートSTが、ビンBIN1に排出される。
【0078】
このように、図12、図13に示した実施形態では、異常が検知された画像形成動作により画像IM2が形成されたシートSTを、ビンBIN1とは異なるビンBIN2に排出している。よって、ビンBIN1には、正常に画像が形成されたシートSTのみが排出され好適である。
【0079】
また、異常が検知されると、異常記録材に対応する画像IM2について画像形成動作を再実行する(ステップSTEP203)。つまり、上記実施形態は、異常が検知されたことを受けて、異常記録材に対応する画像IM2の再形成を、自動的に実行する。したがって、正常に形成されなかった画像を、再びシートST(記録材)に形成するために、連続的に実行される画像形成動作をオペレータが途中で止める必要性が軽減される。よって、異常の発生に拘わらず、画像形成動作の連続実行を可能とし、且つ、オペレータの手間の発生も抑制され、好適である。
【0080】
また、上記実施形態では、RAM107に設定された入替情報を参照して排出順序の入れ替えが可能と判断される場合は、既に停止位置SPからの搬送が開始しているシートSTに対して搬送開始後続画像を形成するのに続いて(ステップSTEP202)、異常が検知された画像形成動作を再実行している。つまり、入替情報を参照して画像形成動作を実行することで、排出順序の調整のために、例えば、上述したような、異常検知に伴う画像形成動作の再実行より先に停止位置SPからの搬送が開始されているシートSTを、ビンBIN1とは別のビンBIN2に排出する等の動作を実行する必要が無く、動作の簡素化を図ることができる。
【0081】
図14は、画像形成動作の制御の他の例を示すフローチャートである。図15は、図14のフローにおいて実行される具体的動作の一例を示す図である。図15では、4つの画像IM1〜IM4を、それぞれ異なるシートSTに形成する場合を示す。なお、図15において、例えば、「プリンタ」の欄のシートSTに「IM1」と付したものは、プリンタ1において画像形成動作が実行されて、画像IM1が形成されたシートSTを意味する。図15の「プリンタ」の欄における他の記載も同様である。また、図15に示す画像IM1〜IM4はそれぞれ互いに異なる画像であり、画像IM1〜IM4が形成されたシートSTは、画像IM1〜IM4の順番で排出されることが好適である。これらを前提として、画像形成動作の制御の一例を説明する。
【0082】
画像信号がメインコントローラ11に与えられると、CPU101は、エンジン部EGの各部を制御して、画像形成動作を開始する(ステップSTEP101)。画像形成動作が開始されると、CPU101(検知手段)は、ポリゴンミラー動作異常、サイズ異常、重送、スキューのいずれかの異常が検知されていないかを監視する(ステップSTEP102、検知工程)。いずれの異常も検知されない間は、画像形成動作により画像が形成されたシートSTは、マルチビンユニット3に搬送されて、ビンBIN1(正常用排出トレイ)に排出される(ステップSTEP103、排出工程)。図15に示す動作例おいては、1枚目の画像IM1の画像形成動作においては異常が検知されず、画像IM1が形成されたシートSTは、プリンタ1からビンBIN1に排出される。ステップSTEP102において、異常が検知されたと判断されると、異常検知に係る画像形成動作により画像が形成されたシートSTを、異常記録材としてビンBIN2に排出する(ステップSTEP104、排出工程)。図15に示す動作例においては、CPU101は、画像IM2に係る画像形成動作中に異常が検知されたと判断し、その結果、画像IM2が形成されたシートSTは、プリンタ1からビンBIN2に排出される。つまり、図15に示す動作例では、CPU101は、検知された異常に起因して正常に画像IM2がシートSTに形成されないと判断し、画像IM2が形成されたシートSTを、異常記録材として、ビンBIN1とは別のビンBIN2に排出する。
【0083】
また、異常が検知された場合は、当該異常が検知された画像形成動作に対応する画像(画像IM2)より後に形成する予定である、後続画像(画像IM3,IM4)に対してシートST(記録材)の供給が開始しているか否か(つまり、フィードローラ851、852によるシートST(記録材)の排出方向D5への供給が開始しているか否か)を、CPU101(供給開始判断手段)は判断する(ステップSTEP305)。図15に示す動作例は、ステップSTEP305において、後続画像に対してシートSTの供給が開始していないと判断した場合に相当する。この場合は、ステップSTEP107に進んで、異常検知に係る画像形成動作(画像形成処理)の実行を開始する(画像形成工程)。つまり、画像IM2についての画像形成動作の再実行を開始する。また、これに続いて、後続画像IM3についての画像形成動作を開始する(ステップSTEP109)。そして、全ての画像IM1〜IM4についての画像形成動作が終了するまで、上述のフローを実行する。なお、図15に示す動作例は、画像IM2に係る画像形成動作の再実行以後の画像形成動作に異常が検知されなかった場合に相当する。上述の動作の結果、図15の「BIN1」の欄に示すように、それぞれ画像IM1〜IM4が正常に形成された4枚のシートSTが、画像IM1〜IM4の順番にビンBIN1に排出される。
【0084】
図16は、図14のフローにおいて実行される具体的動作の別の例を示す図である。図15に示す動作例では、ステップSTEP305において「NO」と判断された場合、つまり、後続画像に対してシートSTの供給が開始していないと判断した場合を示した。一方、図16に示す動作例は、ステップSTEP305において「YES」と判断された場合、つまり、後続画像IM3に対してシートSTの供給が開始していると判断した場合に相当する。なお、対応するシートSTの供給が既に開始している後続画像を、特に供給開始後続画像と称することとする。ステップSTEP305における判断以外の前提については、図15と図16は同様である。なお、ステップSTEP305より以前の動作については、図15に示す動作と同様であるので、説明を省略する。
【0085】
ステップSTEP305において「YES」と判断された場合は、既に供給が開始しているシートSTに対して供給開始後続画像IM3を形成するとともに、供給開始後続画像IM3が形成されたシートSTを、異常記録材としてビンBIN2に排出する。この理由は、次の通りである。供給開始後続画像IM3は、画像IM2の後にシートSTに形成されるべき画像である。しかしながら、図16に示す動作例では、画像IM2にかかる画像形成動作において検知された異常に起因して、本来画像IM2の後に続いて形成されるべき画像IM3が、画像IM2より先にシートSTに形成されてしまう。つまり、画像IM3は、画像IM2に係る画像形成動作において検知された異常に起因して、正常にシートSTに形成されない。そこで、図16に示す動作例では、供給開始後続画像IM3が形成されたシートSTを、異常記録材としてビンBIN2に排出する。
【0086】
次に、ステップSTEP107に進んで、異常検知に係る画像形成動作の実行を開始する。つまり、画像IM2についての画像形成動作の再実行を開始する。また、これに続いて、後続画像IM3、IM4についての画像形成動作を、この順番で開始する(ステップSTEP109)。そして、全ての画像IM1〜IM4についての画像形成動作が終了するまで、上述のフローを実行する。なお、図16に示す動作例は、画像IM2に係る画像形成動作の再実行以後の画像形成動作に異常が検知されなかった場合に相当する。上述の動作の結果、図16の「BIN1」の欄に示すように、それぞれ画像IM1〜IM4が正常に形成された4枚のシートSTが、画像IM1〜IM4の順番にビンBIN1に排出される。
【0087】
このように上記実施形態では、画像をシートST(記録材)に形成する画像形成動作(画像形成処理)を実行するとともに、画像形成動作における異常を検知する(ステップSTEP102)。そして、異常が検知されない間は、画像が形成されたシートSTをビンBIN1(正常用排出トレイ)に排出する(ステップSTEP103)一方、異常が検知されると、当該異常に起因して正常に画像が形成されないシートSTを異常記録材として、ビンBIN1とは別のビンBIN2に排出する(ステップSTEP104)。したがって、図15、図16の「BIN1」の欄に示すように、正常に画像が形成されたシートSTと、正常に画像が形成されなかったシートST(異常記録材)とが、ビンBIN1において混在するという問題の発生が抑制される。よって、異常記録材を分別して取り除くという、オペレータの手間の発生が抑制されており、好適である。
【0088】
さらに、上記実施形態は、異常が検知されると、異常記録材に対応する画像について画像形成動作を再実行する(ステップSTEP107)。つまり、上記実施形態は、異常が検知されたことを受けて、異常記録材に対応する画像の再形成を、自動的に実行する。したがって、正常に形成されなかった画像を、再びシートST(記録材)に形成するために、連続的に実行される画像形成動作をオペレータが途中で止める必要性が軽減される。よって、異常の発生に拘わらず、画像形成動作の連続実行を可能とし、且つ、オペレータの手間の発生も抑制され、好適である。
【0089】
また、上記実施形態では、CPU101は、当該異常が検知された画像形成動作に対応する画像より後に形成する予定である後続画像のうち対応するシートSTの供給が開始している供給開始後続画像が在るか否かを判断している。そして、かかる判断の結果に基づいて、供給開始後続画像に対するシートSTを、いずれのビンBINに排出するかを選択している。
【0090】
より具体的には、供給開始後続画像があると判断した場合は、異常が検知された画像形成動作により画像が形成されたシートST(記録材)および供給開始後続画像に対するシートST(記録材)の全てを、異常記録材としてビンBIN1(正常用排出トレイ)とは別のビンBIN2に排出している(ステップSTEP104、STEP305、STEP306)。そして、プリンタい1は、異常が検知された画像形成動作を再実行するのに続いて、後続画像について画像形成動作を実行するように構成している(ステップSTEP107、STEP108)。よって、上記実施形態では、画像形成動作の異常に拘わらず、シートST(記録材)の排出順序の前後という問題の発生を抑制することが可能となっており、好適である。
【0091】
ところで、それぞれ同じ画像が形成された複数のシートST(記録材)を連続的に排出するような場合や、あて先のみが異なるようなダイレクトメールを複数バリアブル印刷するような場合は、シートSTの排出順序の前後は問題とならない。そこで、次に、「画像IM1〜IM4が形成されたシートSTの排出順序は問題とならない」との前提で実行される画像形成動作について説明する。
【0092】
図17は、画像形成動作の制御の更に他の例を示すフローチャートである。図18は、図17のフローにおいて実行される具体的動作の一例を示す図である。図18では、4つの画像IM1〜IM4を、それぞれ異なるシートSTに形成する場合を示す。図17に示すフローと図14に示したフローとは、ステップSTEP305で「YES」と判断された後に、シートSTの排出順序の入れ替えが可能か否かを判断するステップSTEP401を設けたことと、これに続くステップSTEP402、STEP403を設けた点で異なる。その他の点については、図17に示すフローと図14に示したフローは、同様である。よって、以下では、異なる部分を中心に説明を行なう。
【0093】
画像信号がメインコントローラ11に与えられると、CPU101は、エンジン部EGの各部を制御して、画像形成動作を開始する(ステップSTEP101)。画像形成動作が開始されると、CPU101(検知手段)は、異常が検知されていないかを監視する(ステップSTEP102)。異常が検知されない間は、画像形成動作により画像が形成されたシートSTは、マルチビンユニット3に搬送されて、ビンBIN1(正常用排出トレイ)に排出される(ステップSTEP103)。図18に示す動作例おいては、1枚目の画像IM1の画像形成動作においては異常が検知されず、画像IM1が形成されたシートSTは、プリンタ1からビンBIN1に排出される。ステップSTEP102において、異常が検知されたと判断されると、異常検知に係る画像形成動作により画像が形成されたシートSTを、異常記録材としてビンBIN2に排出する(ステップSTEP104)。図18に示す動作例においては、CPU101は、画像IM2に係る画像形成動作中に異常が検知されたと判断し、その結果、画像IM2が形成されたシートSTは、プリンタ1からビンBIN2に排出される。つまり、図18に示す動作例では、CPU101は、検知された異常に起因して正常に画像IM2がシートSTに形成されないと判断し、画像IM2が形成されたシートSTを、異常記録材として、ビンBIN1とは別のビンBIN2に排出する。
【0094】
また、異常が検知された場合は、当該異常が検知された画像形成動作に対応する画像(画像IM2)より後に形成する予定である、後続画像(画像IM3、IM4)に対してシートSTの供給が開始しているか否か(つまり、フィードローラ851、852によるシートST(記録材)の排出方向D5への供給が開始しているか否か)を、CPU101(供給開始判断手段)は判断する(ステップSTEP305)。そして、ステップSTEP305で「YES」と判断されると、ステップSTEP401に進み、CPU101は、排出順序の入れ替えが可能か否かを示す入替情報を参照する。なお、図18に示す動作例は、後続画像IM3に対してシートSTの供給が開始していると判断した場合に相当する。つまり、後続画像IM3は、供給開始後続画像である。かかる入れ替え情報は、画像が形成されたシートを複数連続的に排出するに際して、排出順序の入れ替えが可能か否かを示す情報である。また、入替情報は、表示部12を介して、オペレータにより、エンジンコントローラ10のRAM107に設定される。具体的には、オペレータが排出順序については拘らない場合は、オペレータは表示部12に対して、排出順序の入替が可能である旨の入力を行なう。そして、表示部12に入力された入替情報は、CPU111、CPU101を介してRAM107(設定手段)に設定される。
【0095】
そして、ステップS401において、排出順序の入れ替えが可能であると判断した場合は、供給開始後続画像IM3についての画像形成動作を開始する(ステップSTEP402)のに続いて、異常検知に係る画像IM2についての画像形成動作の再実行を開始する(ステップSTEP403)。このとき、供給開始後続画像IM3は、供給開始判断手段が供給が開始していると判断したシートに対して画像形成が実行される。なお、図18に示す動作は、ステップSTEP305において「YES」と判断されたのに続いて、ステップSTEP401において「YES」と判断された場合に対応する。その結果、同図の「BIN1」の欄が示すように、画像IM2が形成されたシートSTと、画像IM3が形成されたシートSTとの、ビンBIN1への排出順序が前後している。
【0096】
そして、ステップSTEP401において「NO」と(つまり、排出順序の入れ替えは不可能と)判断された場合は、ステップSTEP306に進み、既に説明した実施形態と同様の動作を実行する。なお、図18に示す動作例は、画像IM3に係る画像形成動作の実行以後の画像形成動作に異常が検知されなかった場合に相当する。上述の動作の結果、図18の「BIN1」の欄に示すように、それぞれ画像IM1〜IM4が正常に形成された4枚のシートSTが、ビンBIN1に排出される。
【0097】
このように、図17、図18に示した実施形態では、異常が検知された画像形成動作により画像IM2が形成されたシートSTを、ビンBIN1とは異なるビンBIN2に排出している。よって、ビンBIN1には、正常に画像が形成されたシートSTのみが排出され好適である。
【0098】
また、異常が検知されると、異常記録材に対応する画像IM2について画像形成動作を再実行する(ステップSTEP403)。つまり、上記実施形態は、異常が検知されたことを受けて、異常記録材に対応する画像IM2の再形成を、自動的に実行する。したがって、正常に形成されなかった画像を、再びシートST(記録材)に形成するために、連続的に実行される画像形成動作をオペレータが途中で止める必要性が軽減される。よって、異常の発生に拘わらず、画像形成動作の連続実行を可能とし、且つ、オペレータの手間の発生も抑制され、好適である。
【0099】
また、上記実施形態では、RAM107に設定された入替情報を参照して排出順序の入れ替えが可能と判断される場合は、既に供給が開始しているシートSTに対して供給開始後続画像を形成するのに続いて(ステップSTEP402)、異常が検知された画像形成動作を再実行している。つまり、入替情報を参照して画像形成動作を実行することで、排出順序の調整のために、例えば、上述したような、異常検知に伴う画像形成動作の再実行より先に供給が開始されているシートSTを、ビンBIN1とは別のビンBIN2に排出する等の動作を実行する必要が無く、動作の簡素化を図ることができる。
【0100】
このように、上記実施形態では、プリンタ1のうち、カセット8、手差しトレイ8h、フィードローラ851、852(記録材供給手段)を除いた部分が本発明の「画像形成手段」として機能している。また、マルチビンユニット3が、本発明の「排出手段」として機能している。つまり、プリンタ1とマルチビンユニット3とが、本発明の画像形成装置として機能している。また、マルチビンユニット3のビンBIN1〜BIN10が、本発明の「排出トレイ部」として機能している。また、フィード前シート検出センサ804とCPU101とが、本発明の「検知手段」として機能している。また、重送検出センサS81とCPU101とが、本発明の「検知手段」として機能している。また、スキュー検出センサS82とCPU101とが、本発明の「検知手段」として機能している。また、水平同期センサ601とCPU101とが、本発明の「検知手段」として機能している。また、CPU101が本発明の「搬送開始判断手段」として機能している。
【0101】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、マルチビンユニット3の複数のビンBIN1〜10を「排出トレイ部」として機能させているが、「排出トレイ部」の構成はこれに限られない。つまり、シートSTを排出可能である複数の排出トレイを有するプリンタを用いる場合は、プリンタそのものが有する複数の排出トレイを本発明の「排出トレイ部」として機能させることができる。つまり、複数の排出トレイを本発明の「排出トレイ部」として機能させることで、マルチビンユニット3を設けずに、複数の排出トレイを有するプリンタを本発明の「画像形成装置」として機能させても良い。
【0102】
また、上記実施形態では、ステップSTEP102において、CPU101は、ポリゴンミラー動作異常、サイズ異常、重送、スキューの4つの異常が検知されていないかを監視している。しかしながら、これら全ての異常の検知を監視する必要は必ずしもなく、これら複数の異常のうち画像への影響が大きい異常のみを選択的に監視するように、CPU101を構成することもできる。
【0103】
また、画像形成装置で実行される画像形成動作において発生する異常は、上記4つの異常に限られず、これら以外に様々な異常が発生しうる。したがって、上記4つの異常以外の異常を検知する検知手段を設けるとともに、ステップSTEP102において該検知手段の検知結果の検出の有無を監視するように、CPU101を構成しても良い。
【0104】
また、図11を用いた動作例では、搬送開始後続画像が1個(画像IM3のみ)の場合について説明したが、発生しうる搬送開始後続画像の個数はこれに限られず2個以上発生する場合もある。そして、かかる場合においても本発明を適用可能である。つまり、ステップSTEP106において、搬送開始後続画像に対する全てのシートSTを異常記録材として排出するのに続いて、その後のステップSTEP107、STEP108を実行すればよい。
【0105】
また、図13を用いた動作例では、搬送開始後続画像が1個(画像IM3のみ)の場合について説明したが、発生しうる搬送開始後続画像の個数はこれに限られず2個以上発生する場合もある。そして、かかる場合においても本発明を適用可能である。つまり、ステップSTEP202において、全ての搬送開始後続画像について画像形成動作を開始するのに続いて、その後のステップを実行すればよい。
【0106】
また、図16を用いた動作例では、供給開始後続画像が1個(画像IM3のみ)の場合について説明したが、発生しうる供給開始後続画像の個数はこれに限られず2個以上発生する場合もある。そして、かかる場合においても本発明を適用可能である。つまり、ステップSTEP306において、供給開始後続画像に対する全てのシートSTを異常記録材として排出するのに続いて、その後のステップSTEP107、STEP108を実行すればよい。
【0107】
また、図18を用いた動作例では、供給開始後続画像が1個(画像IM3のみ)の場合について説明したが、発生しうる供給開始後続画像の個数はこれに限られず2個以上発生する場合もある。そして、かかる場合においても本発明を適用可能である。つまり、ステップSTEP402において、全ての供給開始後続画像について画像形成動作を開始するのに続いて、その後のステップを実行すればよい。
【0108】
また、上記実施形態では、ビンBIN1を正常用排出トレイとして用いているが、ビンBIN1以外のビンBIN2〜BIN10を正常用排出トレイとして用いることも可能であることは、いうまでも無い。
【0109】
また、上記実施形態では、いわゆるロータリー型のプリンタに対して本発明を適用した場合について説明したが、本発明が適用可能なプリンタの種類はこれに限られず、例えば、いわゆるタンデム型のプリンタに対して本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】この発明に用いることができるプリンタの一実施形態を示す図。
【図2】図1のプリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図3】ゲートローラの周辺の構成を示す図。
【図4】スキュー検出の説明図。
【図5】スキューが無い状態の説明図。
【図6】スキューがある状態の説明図。
【図7】マルチビンユニットの構成を模式的に示す図。
【図8】図7に示すマルチビンユニットを制御する電気的構成を示す図。
【図9】画像形成動作の制御の一例を示すフローチャート。
【図10】図9のフローにおいて実行される具体的動作の一例を示す図。
【図11】図9のフローにおいて実行される具体的動作の別の例を示す図。
【図12】画像形成動作の制御の別の例を示すフローチャート。
【図13】図12のフローにおいて実行される具体的動作の一例を示す図。
【図14】画像形成動作の制御の他の例を示すフローチャート。
【図15】図14のフローにおいて実行される具体的動作の一例を示す図。
【図16】図14のフローにおいて実行される具体的動作の別の例を示す図。
【図17】画像形成動作の制御の更に他の例を示すフローチャート。
【図18】図17のフローにおいて実行される具体的動作の一例を示す図。
【符号の説明】
【0111】
1…プリンタ(画像形成手段、画像形成装置)、 3…マルチビンユニット(排出手段、画像形成装置)、 31…マルチビンユニットコントローラ、 BIN1〜BIN10…ビン(排出トレイ部)、601…水平同期センサ、 804…フィード前シート検出センサ(検知手段)、 S81…重送検出センサ、 S82…スキュー検出センサ、 SP…停止位置、 ST…シート(記録材)、 TR2…二次転写領域(転写領域)、 101…CPU(検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成動作を実行し、前記記録材を排出方向に搬送する画像形成手段と、
前記画像形成手段の前記排出方向側で且つ互いに異なる位置にそれぞれ設けられて前記画像形成動作により前記画像が形成された前記記録材を受け入れる複数の排出トレイを有する排出トレイ部と、
前記画像形成手段と前記排出トレイ部との間に配置され、前記画像形成手段から前記排出方向に搬送されてくる前記記録材を前記複数の排出トレイのうちの1つに選択的に排出する排出手段と、
前記画像形成動作において異常が発生したか否かを検知する検知手段と
を備え、
前記排出手段は、前記検知手段により前記異常が検知されない間は、前記画像が形成された前記記録材を前記複数の排出トレイのうちの正常用排出トレイに排出する一方、前記検知手段により前記異常が検知されると、当該異常に起因して正常に前記画像が形成されない前記記録材を異常記録材として、前記正常用排出トレイとは別の前記排出トレイに排出し、
前記画像形成手段は、前記検知手段により前記異常が検知されると、前記異常記録材に対応する前記画像について前記画像形成動作を再実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記排出手段は、前記検知手段によって前記異常が検知された前記画像形成動作により前記画像が形成された前記記録材を、前記異常記録材として前記正常用排出トレイとは別の前記排出トレイに排出し、
前記画像形成手段は、前記検知手段により前記異常が検知されると、異常検知にかかる画像形成動作を再実行する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
搬送開始判断手段を更に備え、
前記画像形成手段は、形成した画像を転写領域に搬送する画像搬送部と、前記転写領域に対して前記排出方向に上流側の停止位置から前記転写領域へと前記記録材を搬送する記録材搬送部と、前記転写領域において、前記画像搬送部により搬送されてきた前記画像を、前記記録材搬送部により搬送されてきた前記記録材に転写した後、当該記録材を前記排出方向に搬送する転写部とを有し、
前記記録材搬送部は、前記画像搬送部による前記画像の前記転写領域への搬送に同期して前記記録材を前記停止位置から前記転写領域に搬送し、
前記搬送開始判断手段は、前記検知手段により前記異常が検知された場合は、当該異常が検知された前記画像形成動作に対応する前記画像より後に形成する予定である後続画像のうち対応する前記記録材の前記停止位置からの搬送が開始している搬送開始後続画像が在るか否かを判断し、
前記排出手段は、前記搬送開始判断手段の判断結果に基づいて、前記搬送開始後続画像に対する前記記録材を、前記複数の排出トレイのいずれに排出するかを選択する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送開始後続画像が在ると前記搬送開始判断手段が判断した場合は、
前記排紙手段は、前記検知手段により前記異常が検知された前記画像形成動作により前記画像が形成された前記記録材および前記搬送開始後続画像に対する前記記録材の全てを、前記異常記録材として前記正常用排出トレイとは別の前記排出トレイに排出し、
前記画像形成手段は、前記異常が検知された前記画像形成動作を再実行するのに続いて、前記後続画像について前記画像形成動作を実行する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像が形成された前記記録材を複数連続的に前記排出トレイへ排出するに際して、排出順序の入れ替えが可能か否かを示す入替情報が設定される設定手段をさらに備え、
前記搬送開始判断手段が、前記搬送開始後続画像が在ると判断した場合であって、且つ、前記入替情報が入れ替え可能と示す場合は、
前記排紙手段は、前記検知手段により前記異常が検知された前記画像形成動作により前記画像が形成された前記記録材を、前記異常記録材として前記正常用排出トレイとは別の前記排出トレイに排出し、
前記画像形成手段は、前記搬送開始判断手段が前記停止位置からの搬送が開始していると判断した前記記録材に対して前記搬送開始後続画像を形成した後に、前記異常が検知された前記画像形成動作を再実行する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成手段に前記記録材を供給する記録材供給手段と、
供給開始判断手段を更に備え、
前記供給開始判断手段は、前記検知手段により前記異常が検知された場合は、当該異常が検知された前記画像形成動作に対応する前記画像より後に形成する予定である後続画像のうち対応する前記記録材の前記記録材供給手段による供給が開始している供給開始後続画像が在るか否かを判断し、
前記排出手段は、前記供給開始判断手段の判断結果に基づいて、前記供給開始後続画像に対する前記記録材を、前記複数の排出トレイのいずれに排出するかを選択する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記供給開始後続画像が在ると前記供給開始判断手段が判断した場合は、
前記排紙手段は、前記検知手段により前記異常が検知された前記画像形成動作により前記画像が形成された前記記録材および前記供給開始後続画像に対する前記記録材の全てを、前記異常記録材として前記正常用排出トレイとは別の前記排出トレイに排出し、
前記画像形成手段は、前記異常が検知された前記画像形成動作を再実行するのに続いて、前記後続画像について前記画像形成動作を実行する請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像が形成された前記記録材を複数連続的に前記排出トレイへ排出するに際して、排出順序の入れ替えが可能か否かを示す入替情報が設定される設定手段をさらに備え、
前記供給開始判断手段が、前記供給開始後続画像が在ると判断した場合であって、且つ、前記入替情報が入れ替え可能と示す場合は、
前記排紙手段は、前記検知手段により前記異常が検知された前記画像形成動作により前記画像が形成された前記記録材を、前記異常記録材として前記正常用排出トレイとは別の前記排出トレイに排出し、
前記画像形成手段は、前記供給開始判断手段が前記記録材供給手段による供給が開始していると判断した前記記録材に対して前記供給開始後続画像を形成した後に、前記異常が検知された前記画像形成動作を再実行する請求項6記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像を記録材に形成する画像形成処理を実行する画像形成工程と、
前記画像形成処理における異常を検知する検知工程と、
前記検知工程により前記異常が検知されない間は、前記画像が形成された前記記録材を複数の排出トレイのうちの正常用排出トレイに排出する一方、前記検知工程により前記異常が検知されると、当該異常に起因して正常に前記画像が形成されない前記記録材を異常記録材として、前記正常用排出トレイとは別の前記排出トレイに排出する排出工程と
を備え、
前記画像形成工程は、前記検知工程により前記異常が検知されると、前記異常記録材に対応する前記画像について前記画像形成処理を再実行することを特徴とする画像形成方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−203498(P2008−203498A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39096(P2007−39096)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】