説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】種々の高解像度に柔軟に対応しつつ、画像処理のより一層の高速化と、低消費電力化を効果的に図ることのできる画像形成装置および画像形成方法を提供する。
【解決手段】画像データを画像処理する画像処理部35Y,35M,35C,35Kと、これらの画像処理部が接続可能な第1ないし第4のコネクター部35b,35d,35f,35hと、第1ないし第4のコネクター部のうち、画像処理部が接続されたコネクター部への画像データの送信を切り替えるデータ転送切り替え部35aと、データ転送切り替え制御部33a及び画像処理部数決定テーブル33bと、を有し、処理するデータの量または印刷設定によって、処理に必要な画像処理部の数を決定し、使用しない画像処理部と関連するデータ転送路を省電力モードとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンター等の画像形成装置として、例えば、整列された有機EL素子等の発光素子を有するラインヘッドにより潜像担持体である感光体に静電潜像を形成する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の画像形成装置では、画像形成指令に含まれる画像データに対して画像処理コントローラーで画像処理を施してビデオデータを形成する。そして、ヘッドコントローラーがこのビデオデータに基づいてラインヘッドの発光素子を点灯制御することで、潜像担持体に静電潜像を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−137237号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような画像形成装置では、近年、高速化や高解像度化がますます求められている。このため、高速化や高解像度化等に伴う画像処理のデータ量が肥大化している。そこで、画像形成装置に複数の画像処理部を備え、画像処理する方法が考えられる。
【0005】
しかしながら、複数の画像処理部を動作させるための消費電力が増えてしまうという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]複数の画像処理部と、前記画像処理部と接続可能な複数のコネクター部と複数の前記コネクター部のうち、画像処理部が接続されたコネクター部への画像データの送信を切り替えるデータ転送切り替え部と、前記データ転送切り替え部に対し、必要な画像処理部に対してのみデータ送信を行うように制御するデータ転送切り替え制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0008】
この構成によれば、処理するデータの量または印刷設定によって、処理に必要な画像処理部の数を決定し、使用しない画像処理部と関連するデータ転送路を省電力モードとすることで、不要な電力を削減することが可能となる。
【0009】
[適用例2]前記画像処理部の接続数を記憶する画像処理部数記憶部を有することを特徴とする上記画像形成装置。
この構成によれば、コネクター部に接続されている画像処理部の個数がわかる。
【0010】
[適用例3]前記画像処理部の接続数を検出する画像処理部数検出部を有することを特徴とする上記画像形成装置。
この構成によれば、コネクター部に接続されている画像処理部の個数が検出できる。
【0011】
[適用例4]前記データ転送切り替え部は、処理する画像データの量に基づいて切り替えることを特徴とする上記画像形成装置。
この構成によれば、処理する画像データの量に基づいて、画像処理部を省電力モードに設定できる。
【0012】
[適用例5]前記データ転送切り替え部は、印刷設定に基づいて切り替えることを特徴とする上記画像形成装置。
この構成によれば、印刷設定に基づいて、画像処理部を省電力モードに設定できる。
【0013】
[適用例6]前記データ転送切り替え部は、使用しない画像処理部とデータ転送路を低消費電力モードへ切り替えることを特徴とする上記画像形成装置。
【0014】
[適用例7]画像処理コントローラーから供給される画像データに基づいてラインヘッドに静電潜像形成信号を出力するヘッドコントローラーを備えることを特徴とする上記画像形成装置。
【0015】
[適用例8]データ転送切り替え部により、画像データをk(k≧2)個に分割した分割画像データのうち、いずれか異なる分割画像データを、n(n≧2)個のコネクター部のうち、画像処理部が接続されたいずれか異なるコネクター部に、画像データの量または印刷設定に基づいて切り替え送信し、前記画像処理部で画像処理された分割画像データをラインヘッドに供給し、前記ラインヘッドに供給された分割画像データに基づいて、前記ラインヘッドにより潜像担持体に静電潜像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像形成装置の実施の形態の一例を模式的にかつ部分的に示す図。
【図2】図1に示す例のラインヘッドの部分斜視図。
【図3】図1に示す例のエンジン制御部およびエンジン部のブロック図。
【図4】分割画像データの一例を示す図。
【図5】画像処理部の数を変えた場合のエンジン制御部およびエンジン部を示すブロック図。
【図6】画像処理部の数を検出する処理のフローの一例を示す図。
【図7】ヘッド制御モジュールにおける画像データ処理を説明するブロック図。
【図8】画像データの画像処理のフローの一例を示す図。
【図9】画像データの画像処理の具体的な一例を説明するブロック図。
【図10】画像データの画像処理の具体的な他の例を説明するブロック。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる画像形成装置の一例を模式的にかつ部分的に示す図である。
図1に示すように、この例の画像形成装置1はハウジング本体2を備えている。このハウジング本体2内には、画像形成ユニット3、転写部4、転写紙等の転写材を収容する転写材供給部5、定着部6、エンジン制御部7、および排紙トレイ8が配設されている。
【0018】
画像形成ユニット3は、イエロー(Y)の画像形成ステーションである第1の画像形成ステーション9Y、マゼンタ(M)の画像形成ステーションである第2の画像形成ステーション9M、シアン(C)の画像形成ステーションである第3の画像形成ステーション9C、およびブラック(K)の画像形成ステーションである第4の画像形成ステーション9Kを有している。第1ないし第4の画像形成ステーション9Y,9M,9C,9Kは、これらの順にタンデムに配置されている。なお、第1ないし第4の画像形成ステーション9Y,9M,9C,9Kの配置順は任意である。以下、図1に示す第1ないし第4の画像形成ステーション9Y,9M,9C,9Kの配置順で説明する。
【0019】
第1ないし第4の画像形成ステーション9Y,9M,9C,9Kはいずれも同一に構成されている。したがって、イエロー(Y)の第1の画像形成ステーション9Yについて説明し、他の色の第2ないし第4の画像形成ステーション9M,9C,9Kについてはそれらの詳細な説明は省略する。なお、第2ないし第4の画像形成ステーション9M,9C,9Kの各構成要素については、イエロー(Y)の画像形成ステーション4Yの対応する構成要素と同じ符号とM,C,Kの添え字を付して示す。
【0020】
第1の画像形成ステーション9Yは、潜像担持体である第1の感光体10Yを有している。また、第1の画像形成ステーション9Yは第1の感光体10Yの周囲に、第1の帯電部11Y、像書込部である第1のラインヘッド12Y、第1の現像部13Y、および第1の感光体クリーナー14Yを有している。
第1の帯電部11Yは従来公知の第1の帯電ローラー15Yを備えている。この第1の帯電ローラー15Yは第1の感光体10Yの表面を予め設定された表面電位に帯電する。
【0021】
図2に示すように、第1のラインヘッド12Yは、第1のベース基板16Y、第1のLEDアレイ17Y、第1のドライバIC18Y、および第1のロッドレンズアレイ19Yを有している。第1のLEDアレイ17Yは発光素子であるLED素子を備える。その場合、LED素子は第1のベース基板16Yに、転写材の搬送方向(移動方向)と直交もしくはほぼ直交する第1の方向α(いわゆる、主走査方向)に沿って配設される。
【0022】
また、第1のドライバIC18Yは第1のベース基板16Yに、転写材の搬送方向と同方向もしくはほぼ同方向である第2の方向β(いわゆる、副走査方向)に沿ってLED素子に隣接して配設されるとともに第1の方向αに沿って配設される。このとき、1つの第1のドライバIC18Yに対して、予め設定された設定数のLED素子が接続される。したがって、1つの第1のドライバIC18Yは接続されたLED素子を駆動する。その場合、LED素子は、後述するヘッドコントローラー36からビデオ信号が与えられると、このビデオ信号に基づいてこの第1のドライバIC18Yが駆動されて発光する。
【0023】
更に、第1のロッドレンズアレイ19Yは第1の屈折率分布型ロッドレンズ20Yを有している。第1の屈折率分布型ロッドレンズ20Yは第1の方向αに沿って2列千鳥状に配設されるとともに、LED素子に対向して配設される。そして、第1の屈折率分布型ロッドレンズ20YはLED素子からの光を光学的に結像して第1の感光体10Yを露光して、第1の感光体10Yにイエロー(Y)の静電潜像を形成する。なお、第1の屈折率分布型ロッドレンズ20Yは2列に限定されることはなく、3列以上任意に配設することができる。
【0024】
図1に示すように、第1の現像部13Yは第1の現像ローラー21Yを有している。この第1の現像ローラー21Yはイエロー(Y)のトナーを第1の感光体10Yに供給する。このトナーにより、第1の感光体10Yの静電潜像が現像されて、第1の感光体10Yにイエロー(Y)のトナー像が形成される。
第1の感光体クリーナー14Yは、トナー像が転写された第1の感光体10Yをクリーニングする。
【0025】
転写部4は、イエロー(Y)の第1の転写部22Y、マゼンタ(M)の第2の転写部22M、シアン(C)の第3の転写部22C、ブラック(K)の第4の転写部22K、転写媒体である無端状の転写ベルト23、第5の転写部24、および転写ベルトクリーナー25を有している。
【0026】
第1の転写部22Yは第1の転写ローラー26Yを有している。また、第2の転写部22Mは第2の転写ローラー26Mを有している。更に、第3の転写部22Cは第3の転写ローラー26Cを有している。更に、第4の転写部22Kは第4の転写ローラー26Kを有している。第1ないし第4の転写ローラー26Y,26M,26C,26Kは、転写ベルト23を対応する第1ないし第4の感光体10Y,10M,10C,10Kに圧接させるとともに第1ないし第4の転写バイアスにより第1ないし第4の感光体10Y,10M,10C,10Kのトナー像を転写ベルト23に転写する。
【0027】
転写ベルト23は駆動ローラー27と従動ローラー28に掛け渡されるとともに駆動ローラー27により矢印γ方向に回転される。
第5の転写部24は第5の転写ローラー29を有している。第5の転写ローラー29は転写材を転写ベルト23に圧接させるとともに第5の転写バイアスにより転写ベルト23のトナー像を転写材に転写する。
転写ベルトクリーナー25は、トナー像が転写された転写ベルト23をクリーニングする。
【0028】
転写材供給部5は、転写紙等の転写材を収容する転写材収容部5aと、この転写材収容部5aから転写材を第5の転写部24に供給する転写材供給部5bとを有している。この転写材供給部5は、画像形成時に転写材収容部5aから転写材を1枚ずつ第5の転写部24に供給する。
【0029】
定着部6は加熱ローラー30と加圧ベルト31を有している。加圧ベルト31は第5の転写部24でトナー像が転写された転写材を加熱ローラー30に圧接する。加熱ローラー30は転写材のトナー像転写面を加熱する。これにより、トナー像が転写材に定着され、転写材に画像が形成される。
【0030】
そして、画像形成ユニット3、転写部4、転写材供給部5、および定着部6により、画像形成装置1のエンジン部32が構成される。
エンジン制御部7はこのエンジン部32を制御する。図3に示すように、このエンジン制御部7は、電源回路基板(不図示)、メインコントローラー33、エンジンコントローラー34、画像処理コントローラー35、およびヘッドコントローラー36を有している。
【0031】
メインコントローラー33は、ホストコンピューターなどの外部装置(不図示)から画像形成指令を与えられると、UART(汎用非同期送受信)通信線(不図示)を介してエンジンコントローラー34にエンジン部32を起動させるための制御信号を送信する。
エンジンコントローラー34はメインコントローラー33から制御信号を受けると、エンジン部32の初期化およびウォームアップを開始する。そして、初期化およびウォームアップが完了して画像形成動作が実行可能な状態になると、エンジンコントローラー34は、ヘッドコントローラー36に画像形成動作の開始のトリガーとなる同期信号を、UART通信線を介して出力する。更に、エンジンコントローラー34とヘッドコントローラー36との間の通信においては、この同期信号の送信の他に各ラインヘッド11Y,11M,11C,11Kを制御するための種々の制御パラメーターの信号の授受が行われる。
【0032】
更に、メインコントローラー33は、画像形成指令に含まれる画像データを任意の数の分割データに分割する。分割データは、例えば、1ページの画像データがいくつかのライン(行)からなる1つのバンドデータを単位として分割されたもので、1ページの画像データが2以上の任意の数に分割されたバンドデータから構成される。あるいは、分割データは、例えばいくつかのページの画像データが1ページを単位として分割されたもので、2以上の任意の数に分割されたバンドデータから構成される。メインコントローラー33は、これらの分割データの先頭にアドレスを付して画像処理コントローラー35に出力する。分割データの数は、画像処理コントローラー35に配設される画像処理部35の数以上に分割される。
【0033】
画像処理コントローラー35はデータ転送切り替え部35aを備えている。また、画像処理コントローラー35は、第1のコネクター35bとこの第1のコネクター35bに着脱可能に接続される第1の画像処理部35c、第2のコネクター35dとこの第2のコネクター35dに着脱可能に接続される第2の画像処理部35e、第3のコネクター35fとこの第3のコネクター35fに着脱可能に接続される第3の画像処理部35g、および第4のコネクター35hとこの第4のコネクター35hに着脱可能に接続される第4の画像処理部35iを備えている。更に、画像処理コントローラー35は、第1の画像処理側通信モジュール35j、第2の画像処理側通信モジュール35k、第3の画像処理側通信モジュール35m、および第4の画像処理側通信モジュール35nを備えている。更に、図示しないが画像処理コントローラー35は、画像処理部の配設数を検出する画像処理部検出部と、この画像処理部検出部によって検出された画像処理部の数あるいは予め設定された画像処理部の数を記憶する画像処理部数記憶部を備えている。なお、画像処理部数記憶部に予め画像処理部の数を記憶するようにする場合には、画像処理部検出部は省略することもできる。
【0034】
また、メインコントローラー33は、データ転送切り替え部35aを制御するためのデータ転送切り替え制御部33aを備えている。データ転送切り替え制御部33aは、メインコントローラー33が受け取る画像形成指令に含まれる情報を元に、画像処理に使用する画像処理部の個数を特定し、データ転送切り替え部35aに対してどのようにデータ送信を切り替えるかを制御する。画像形成指令に含まれる情報とは、画像データをレンダリングする時に分かるページあたりの処理データ量や、ユーザが画像処理に処理スピードを要求しない設定で印刷を開始したかどうか等である。メインコントローラー33には、その画像形成指令に含まれる情報に対して、いくつの画像処理部を使用するかを決めるための画像処理部数決定テーブル33bがあり、これを元に使用する画像処理部数を決定し、データ転送切り替え部35aを制御する。これにより、処理するデータ量が多い、または処理スピードが求められる印刷設定の場合は画像処理部数を多くし、逆に処理するデータ量が少ない、またはスピードが求められない印刷設定の場合は画像処理部数を制限する。
【0035】
そして、分割データがメインコントローラー33から画像処理コントローラー35のデータ転送切り替え部35aに供給される。すると、データ転送切り替え部35aは、供給された分割データのうち、例えば分割データのアドレスに基づいて第1の画像処理部35cで処理される分割データを第1のコネクター35bを介して第1の画像処理部35cに出力する。第1の画像処理部35cは、供給された分割データに対して画像処理を行い、この分割データに関する各トナー色のビデオデータ(Video Data)を生成する。
【0036】
同様にして、データ転送切り替え部35aは、第2ないし第4の画像処理部35e,35g,35iで処理される分割データを対応する第2ないし第4のコネクター35d,35f,35hを介して対応する第2ないし第4の画像処理部35e,35g,35iに出力する。こうして、画像データはデータ転送切り替え部35aを通して第1ないし第4のレーン35o,35p,35q,35rに分けられて送信される。
【0037】
ここで、データ転送切り替え制御部33aが画像処理部数決定テーブル33bを参照した結果、第1ないし第4の画像処理部35c,35e,35g,35iの全てを使用する必要がないと判断される場合には、画像処理部数決定テーブル33bの参照結果に基づいて、第1ないし第4の画像処理部35c,35e,35g,35iのうち、必要な画像処理部にコネクターを介して分割データを出力する。この時、メインコントローラー33は、使用しない画像処理部を省電力モードにする。また、画像処理部に接続される画像処理側の通信モジュールも省電力モードにする。更にメインコントローラー33は、エンジンコントローラー34を介してヘッドコントローラー36へ、対応するヘッド側通信モジュールを省電力モードにするよう指示する。
【0038】
この例の画像形成装置1に用いられる分割画像データは、インターリーブ(InterLeave)形式の画像データである。このインターリーブ形式の画像データは、図4(a)に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の画像データがピクセル毎にYMCKの4つのトナー色に色展開されてまとめられた画像データである。そして、分割画像データは、1ラインにつき、数ピクセルのデータに構成される。更に、1ページの画像データを第2の方向β(副走査方向)に数ライン毎に分割してバンドデータとして構成されるか、あるいは数ページの画像データを1ページ毎に分割してページデータとして構成される。したがって、分割画像データは、Y、M、C、およびKの各色毎に分けた形式のデータではない。
【0039】
ところで、前述の図3に示す画像処理コントローラー35では、第1ないし第4のコネクター35b,35d,35f,35hのすべてに第1ないし第4の画像処理部35c,35e,35g,35iを接続している。しかし、本実施形態の画像形成装置1はこれに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、画像処理コントローラー35には4つの第1ないし第4のコネクター35b,35d,35f,35hが設ける。そして、これらの第1ないし第4のコネクター35b,35d,35f,35hのうち、第1のコネクター35bおよび第2のコネクター35dに第1の画像処理部35cおよび第2の画像処理部35eを接続するようにすることも可能である。この場合には、第3のコネクター35fおよび第4のコネクター35hに第3の画像処理部35gおよび第4の画像処理部35iは接続されない。もちろん、第1ないし第3のコネクター35b,35d,35fに第ないし第3の画像処理部35c,35e,35gを接続することも可能である。この場合には、第4のコネクター35hに第4の画像処理部35iは接続されない。
【0040】
このように、この例の画像形成装置1においては、画像処理コントローラー35に4個の第1ないし第4の画像処理部35c,35e,35g,35iのうち、2個以上の任意の数(最大でコネクターの数、つまり4個)の画像処理部を配設することが可能となっている。
そして、2個以上の任意の数の画像処理部が配設されることで、印字しようとする画像データが画像処理部の数以上の数に分割され、これらの分割画像データが各画像処理部で並列分散されて画像処理される。
【0041】
ところで、任意の数の画像処理部が配設可能となることから、画像形成装置1の画像処理コントローラー35が有する画像処理部の数を検知する必要がある。
図6は、画像処理コントローラーに設けられる画像処理部(つまり、デバイス)の数を検出する処理のフローの一例を示す図である。
【0042】
図6に示すように、ステップS1でデバイス数が検出される。次いで、ステップS2で検出されたデバイス数が0であるか否かが判断される。デバイス数が0であると判断されると、デバイス検出処理が終了する。また、ステップS2でデバイス数が0でないと判断されると、ステップS3で1つのデバイスに関する情報(例えば、何番のデバイスで何番の分割画像データの画像処理を行うかの情報等)が取得される。そして、ステップS4で取得されたデバイス情報が、例えばメインコントローラー33のメモリーに格納される。次いでステップS5ですべてのデバイスの情報が取得されたか否かが判断される。すべてのデバイスの情報が取得されたと判断されると、デバイス検出処理が終了する。また、ステップS5ですべてのデバイスの情報が取得されていないと判断されると、ステップS3に移行し、ステップS3ないしS5の各処理を繰り返し実行される。
【0043】
このようにして接続された画像処理部の数を検出すると、データ転送切り替え制御部33aは、使用する画像処理部の数を決定する時に、この検出数と画像処理部数決定テーブルによって、使用する画像処理部数を決定する。接続されている画像処理部の数が、予め画像処理部数記憶部に記憶されている場合も同様である。
【0044】
図3に示すように、ヘッドコントローラー36は、第1のヘッド側通信モジュール36a、第2のヘッド側通信モジュール36b、第3のヘッド側通信モジュール36c、および第4のヘッド側通信モジュール36dを有している。また、ヘッドコントローラー36は、ヘッド制御モジュール36eおよびページメモリー36fを有している。第1ないし第4の画像処理側通信モジュール35j,35k,35m,35nと、第1ないし第4のヘッド側通信モジュール36a,36b,36c,36dとの通信を、例えば図9のようにバンドデータ分割している場合の例で図3を参照し説明すると以下のようになる。
【0045】
図3の第1の画像処理側通信モジュール35jと第1のヘッド側通信モジュール36aとが双方向に通信可能とされている。そして、第1のヘッド側通信モジュール36aから第1の画像処理側通信モジュール35jに向けて、1ページの画像データの先頭を示すページリクエスト信号Preqおよびこの画像データの第1のバンドデータおよび第5のバンドデータを構成するラインのうち、1ライン分のビデオデータを要求するラインリクエスト信号Lreqが送信される。
【0046】
また、第1の画像処理側通信モジュール35jから第1のヘッド側通信モジュール36aに向けて、第1のビデオデータおよび第5のビデオデータを出力する。すなわち、第1の画像処理側通信モジュール35jは、第1のヘッド側通信モジュール36aからページリクエスト信号Preqを受信した後、第1のヘッド側通信モジュール36aからラインリクエスト信号Lreqを受信する度に、第1のバンドデータの先頭部分から1ライン分ずつビデオデータを順次第1のヘッド側通信モジュール36aに出力する。更に、同様にして第5のバンドデータの先頭部分から1ライン分ずつビデオデータを順次第1のヘッド側通信モジュール36aに出力する。
【0047】
同様に、第2の画像処理側通信モジュール35kと第2のヘッド側通信モジュール36bとが双方向に通信可能とされている。そして、第2のヘッド側通信モジュール36bから第2の画像処理側通信モジュール35kに向けて、1ページの画像データの先頭を示すページリクエスト信号Preqと、この画像データの第2のバンドデータおよび第6のバンドデータを構成するラインのうち、1ライン分のビデオデータを要求するラインリクエスト信号Lreqが送信される。
【0048】
また、第2の画像処理側通信モジュール35kから第2のヘッド側通信モジュール36bに向けて、第2のビデオデータおよび第6のビデオデータを出力する。すなわち、第2の画像処理側通信モジュール35kは、第2のヘッド側通信モジュール36bからページリクエスト信号Preqを受信した後、第2のヘッド側通信モジュール36bからラインリクエスト信号Lreqを受信する度に、第2のバンドデータの先頭部分から1ライン分ずつビデオデータを順次第2のヘッド側通信モジュール36bに出力する。更に、同様にして第6のバンドデータの先頭部分から1ライン分ずつビデオデータを順次第2のヘッド側通信モジュール36bに出力する。
【0049】
更に、第3の画像処理側通信モジュール35mと第3のヘッド側通信モジュール36cとが双方向に通信可能とされている。そして、第3のヘッド側通信モジュール36cから第3の画像処理側通信モジュール35mに向けて、1ページの画像データの先頭を示すページリクエスト信号Preqと、この画像データの第3のバンドデータおよび第7のバンドデータを構成するラインのうち、1ライン分のビデオデータを要求するラインリクエスト信号Lreqが送信される。
【0050】
また、第3の画像処理側通信モジュール35mから第3のヘッド側通信モジュール36cに向けて、第3のビデオデータおよび第7のビデオデータを出力する。すなわち、第3の画像処理側通信モジュール35mは、第3のヘッド側通信モジュール36cからページリクエスト信号Preqを受信した後、第3のヘッド側通信モジュール36cからラインリクエスト信号Lreqを受信する度に、第3のバンドデータの先頭部分から1ライン分ずつビデオデータを順次第3のヘッド側通信モジュール36cに出力する。更に、同様にして第7のバンドデータの先頭部分から1ライン分ずつビデオデータを順次第3のヘッド側通信モジュール36cに出力する。
【0051】
更に、第4の画像処理側通信モジュール35nと第4のヘッド側通信モジュール36dとが双方向に通信可能とされている。そして、第4のヘッド側通信モジュール36dから第4の画像処理側通信モジュール35nに向けて、1ページの画像データの先頭を示すページリクエスト信号Preqと、この画像データの第4のバンドデータおよび第8のバンドデータを構成するラインのうち、1ライン分のビデオデータを要求するラインリクエスト信号Lreqが送信される。
【0052】
また、第4の画像処理側通信モジュール35nから第4のヘッド側通信モジュール36dに向けて、第4のビデオデータおよび第8のビデオデータを出力する。すなわち、第4の画像処理側通信モジュール35nは、第4のヘッド側通信モジュール36dからページリクエスト信号Preqを受信した後、第4のヘッド側通信モジュール36dからラインリクエスト信号Lreqを受信する度に、第4のバンドデータの先頭部分から1ライン分ずつビデオデータを順次第4のヘッド側通信モジュール36dに出力する。更に、同様にして第8のバンドデータの先頭部分から1ライン分ずつビデオデータを順次第4のヘッド側通信モジュール36dに出力する。
【0053】
なお、例えば図5に示すように、第3の画像処理部35gと第3の画像処理側通信モジュール35m、および第4の画像処理部35iと第4の画像処理側通信モジュール35nが配設されない場合には、対応する第3のヘッド側通信モジュール36cおよび第4のヘッド側通信モジュール36dから、ページリクエスト信号Preqおよびラインリクエスト信号Lreqは送信されない。
【0054】
図7に示すように、ヘッド制御モジュール36eは、第1ないし第4のFIFOバッファFIFO−1,FIFO−2,FIFO−3,FIFO−4、イエロー(Y)のYラインバッファ36e1、マゼンタ(M)のMラインバッファ36e2、シアン(C)のCラインバッファ36e3、およびブラック(K)のKラインバッファ36e4を有している。また、ページメモリ36fは、イエローページデータメモリ部36f1、マゼンタページデータメモリ部36f2、シアンページデータメモリ部36f3、およびブラックページデータメモリ部36f4を有している。
【0055】
そして、第1レーン35oにおいては、図4(a)に示すインターリーブ形式の分割画像データが第1のヘッド側通信モジュール36aを介して第1のFIFOバッファFIFO−1に格納される。第1のFIFOバッファFIFO−1に格納された分割画像データは図4(b)に示すように色分けされて、順次、Yラインバッファ36e1、Mラインバッファ36e2、Cラインバッファ36e3、およびKラインバッファ36e4に振り分けられて格納される。また、第2ないし第4レーン35p,35q,35rにおいても、インターリーブ形式の他の分割画像データが第2ないし第4のヘッド側通信モジュール36b,36c,36dを介して第2ないし第4のFIFOバッファFIFO−1,FIFO−2,FIFO−3,FIFO−4に格納される。第2ないし第4のFIFOバッファFIFO−2,FIFO−3,FIFO−4に格納された分割画像データは色分けされて、順次、Yラインバッファ36e1、Mラインバッファ36e2、Cラインバッファ36e3、およびKラインバッファ36e4に振り分けられて格納される。
【0056】
そして、Yラインバッファ36e1に1ライン分のイエロー(Y)のデータが溜まると、このラインデータがページメモリ36fのイエローページデータメモリ部36f1に転送されて格納される。同様にして、MないしKラインバッファ36e2,36e3,36e4に1ライン分のマゼンタ(M)のデータ、シアン(C)のデータ、およびブラック(K)のデータが溜まると、これらのラインデータがページメモリ36fのマゼンタページデータメモリ部36f2,シアンページデータメモリ部36f3,ブラックページデータメモリ部36f4に転送されて格納される。
【0057】
このとき、ラインバッファからページデータメモリ部にラインデータを転送する際には、ラインデータはラインヘッドに必要なデータの並べ替えが行われて、各色のラインデータとされる。このように並べ替えられた後の各色のラインデータが各ページデータメモリ部の対応するメモリアドレスに転送されて格納される。そして、ヘッド制御モジュール36eは要求に応じてページメモリ36fから各色のラインデータを取り出して対応する色の第1ないし第4のラインヘッド12Y,12M,12C,12Kに出力する(図3参照)。これにより、第1ないし第4のラインヘッド12Y,12M,12C,12Kは、供給されたラインデータに応じて、第1ないし第4の感光体10Y,10M,10C,10Kに各色の像を書き込む。
【0058】
以上の画像データに対する画像処理のフローについて説明する。図8は、このフローを示す図である。
図8に示すように、画像形成の開始により、まずステップS10で画像データが生成される。次いで、ステップS11でこの画像データが、バンドデータあるいはページデータに分割されて分割データが形成される。次に、ステップS12でデータ転送切り替え制御部33が画像処理部数決定テーブルを参照し、使用する画像処理部数を決定する。その後、分割データが順次画像処理コントローラー35のデータ転送切り替え部35aに送られる。次に、ステップS13で1つの分割データが第1の画像処理部35cで処理できるか否かが判断される。分割データが第1の画像処理部35cで処理できると判断されると、ステップS14でこの分割データに対して第1の画像処理部35cで画像処理が行われる。画像処理された分割データは、ステップS15で第1のレーン35oにより第1のFIFOバッファFIFO−1に転送される。次に、ステップS16で分割データが第1のFIFOバッファFIFO−1で各色Y,M,C,Kのプレーン毎に分けられて、各色のラインバッファ36e1,36e2,36e3,36e4に送られる。次に、ステップS17で各ラインバッファ36e1,36e2,36e3,36e4でプレーンデータの並べ替え処理が行われる。そして、ステップS18で、並べ替えられたプレーンデータ(ラインデータ)はページメモリ36fに転送され、対応するメモリアドレスの各ページデータメモリー部に格納される。その後、フローには示されないが、前述のようにヘッド制御モジュール36eが要求に応じてページメモリー36fから各色のラインデータを取り出して、第1ないし第4のラインヘッド12Y,12M,12C,12Kが取り出されたラインデータに応じて第1ないし第4の感光体10Y,10M,10C,10Kに各色の像を書き込む。こうして、この画像データの画像形成が終了する。
【0059】
また、ステップS13で分割データが第1の画像処理部35cで処理できないと判断されると、ステップS19で分割データが第2の画像処理部35eで処理できるか否かが判断される。分割データが第2の画像処理部35eで処理できると判断されると、ステップS20でこの分割データに対して第2の画像処理部35eで画像処理が行われる。画像処理された分割データは、ステップS21で第2のレーン35pにより第2のFIFOバッファFIFO−2に転送される。次に、ステップS16で分割データが第2のFIFOバッファFIFO−2で各色Y,M,C,Kのプレーン毎に分けられて、各色のラインバッファ36e1,36e2,36e3,36e4に送られる。次に、ステップS17で各ラインバッファ36e1,36e2,36e3,36e4でプレーンデータの並べ替え処理が行われる。そして、ステップS18で、並べ替えられたプレーンデータはページメモリ36fに転送され、対応するメモリアドレスの各ページデータメモリ部に格納される。その後、前述と同様にして、第1ないし第4のラインヘッド12Y,12M,12C,12Kが取り出されたラインデータに応じて第1ないし第4の感光体10Y,10M,10C,10Kに各色の像を書き込む。こうして、この画像データの画像形成が終了する。
【0060】
更に、ステップS19で分割データが第2の画像処理部35eで処理できないと判断されると、ステップS22で分割データが第3の画像処理部35gで処理できるか否かが判断される。分割データが第3の画像処理部35gで処理できると判断されると、ステップS23でこの分割データに対して第3の画像処理部35gで画像処理が行われる。画像処理された分割データは、ステップS24で第3のレーン35qにより第3のFIFOバッファFFIFO−3に転送される。次に、ステップS16で分割データが第3のFIFOバッファFIFO−3で各色Y,M,C,Kのプレーン毎に分けられて、各色のラインバッファ36e1,36e2,36e3,36e4に送られる。次に、ステップS17で各ラインバッファ36e1,36e2,36e3,36e4でプレーンデータの並べ替え処理が行われる。そして、ステップS18で、並べ替えられたプレーンデータはページメモリ36fに転送され、対応するメモリアドレスの各ページデータメモリ部に格納される。その後、前述と同様にして、第1ないし第4のラインヘッド12Y,12M,12C,12Kが取り出されたラインデータに応じて第1ないし第4の感光体10Y,10M,10C,10Kに各色の像を書き込む。こうして、この画像データの画像形成が終了する。
【0061】
更に、ステップS22で分割データが第3の画像処理部35gで処理できないと判断されると、ステップS25で分割データが第4の画像処理部35iで処理できるか否かが判断される。分割データが第4の画像処理部35iで処理できると判断されると、ステップS26でこの分割データに対して第4の画像処理部35iで画像処理が行われる。画像処理された分割データは、ステップS27で第4のレーン35rにより第4のFIFOバッファFIFO-4に転送される。次に、ステップS16で分割データが第4のFIFOバッファFIFO-4で各色Y,M,C,Kのプレーン毎に分けられて、各色のラインバッファ36e1,36e2,36e3,36e4に送られる。次に、ステップS17で各ラインバッファ36e1,36e2,36e3,36e4でプレーンデータの並べ替え処理が行われる。そして、ステップS18で、並べ替えられたプレーンデータはページメモリ36fに転送され、対応するメモリアドレスの各ページデータメモリ部に格納される。その後、前述と同様にして、第1ないし第4のラインヘッド12Y,12M,12C,12Kが取り出されたラインデータに応じて第1ないし第4の感光体10Y,10M,10C,10Kに各色の像を書き込む。こうして、この画像データの画像形成が終了する。
【0062】
更に、ステップS25で分割データが第4の画像処理部35gで処理できないと判断されると、再びステップS13へ戻り、処理できるまで確認を繰り返す。
【0063】
もし、データ転送切り替え制御部33aによって、使用する画像処理部が、接続されている画像処理部の数以下に制限される場合は、その範囲内で上記の判断がなされる。
【0064】
次に、この例の画像形成装置1における画像データの画像処理の具体例について説明する。図9は、1ページの画像データの画像処理の具体例について説明する図である。
図9に示すように、この画像処理の具体例では、1ページの画像データが第2の方向β(副走査方向)に第1ないし第8のバンドデータの8つのバンドデータに分割されている。そして、これらのバンドデータがデータ転送切り替え部35aに入力されると、データ転送切り替え部35aは、第1のバンドデータおよび第5のバンドデータを第1のコネクター35bを介して第1の画像処理部35cに転送する。そして、前述のように、第1の画像処理部35cにおいて第1のバンドデータおよび第5のバンドデータに対して画像処理が行われる。また、データ転送切り替え部35aは、第2のバンドデータおよび第6のバンドデータを、第2のコネクター35dを介して第2の画像処理部35eに転送する。そして、前述のように、第2の画像処理部35eにおいて第2のバンドデータおよび第6のバンドデータに対して画像処理が行われる。更に、データ転送切り替え部35aは、第3のバンドデータおよび第7のバンドデータを第3のコネクター35fを介して第3の画像処理部35gに転送する。そして、前述のように、第3の画像処理部35gにおいて第3のバンドデータおよび第7のバンドデータに対して画像処理が行われる。更に、データ転送切り替え部35aは、第4のバンドデータおよび第8のバンドデータを第4のコネクター35hを介して第4の画像処理部35iに転送する。そして、前述のように、第4の画像処理部35iにおいて第4のバンドデータおよび第8のバンドデータに対して画像処理が行われる。
【0065】
図示しないが、データ転送切り替え制御部33aによって、使用する画像処理部が第1の画像処理部のみと判断された場合には、全てのバンドデータは、第1のコネクター35bを介して第1の画像処理部35cに転送される。この時、第2ないし第4の画像処理部、第2ないし第4の画像処理側通信モジュール、第2ないし第4のヘッド側通信モジュールは、データ転送切り替え制御部33aによって低消費電力モードに設定される。
【0066】
図10は、8ページの画像データの画像処理の具体例について説明する図である。
図10に示すように、この画像処理の具体例では、8ページの画像データが1ページ毎に8つのページデータに分割されている。そして、これらのページデータがデータ転送切り替え部35aに入力されると、データ転送切り替え部35aは、第1のページデータおよび第5のページデータを第1のコネクター35bを介して第1の画像処理部35cに転送する。そして、前述のように、第1の画像処理部35cにおいて第1のページデータおよび第5のページデータに対して画像処理が行われる。また、データ転送切り替え部35aは、第2のページデータおよび第6のページデータを第2のコネクター35dを介して第2の画像処理部35eに転送する。そして、前述のように、第2の画像処理部35eにおいて第2のページデータおよび第6のページデータに対して画像処理が行われる。更に、データ転送切り替え部35aは、第3のページデータおよび第7のページデータを第3のコネクター35fを介して第3の画像処理部35gに転送する。そして、前述のように、第3の画像処理部35gにおいて第3のページデータおよび第7のページデータに対して画像処理が行われる。更に、データ転送切り替え部35aは、第4のページデータおよび第8のページデータを第4のコネクター35hを介して第4の画像処理部35iに転送する。そして、前述のように、第4の画像処理部35iにおいて第4のページデータおよび第8のページデータに対して画像処理が行われる。

図示しないが、データ転送切り替え制御部33aによって、使用する画像処理部が第1の画像処理部のみと判断された場合には、全てのページデータは、第1のコネクター35bを介して第1の画像処理部35cに転送される。この時、第2ないし第4の画像処理部、第2ないし第4の画像処理側通信モジュール、第2ないし第4のヘッド側通信モジュールは、データ転送切り替え制御部33aによって低消費電力モードに設定される。
【0067】
以上のように、この例の画像形成装置1によれば、画像処理コントローラー35が、画像データの画像処理を行う画像処理部が接続可能な4個の第1ないし第4コネクター部35c,35e,35g,35iを有している。また、画像処理コントローラー35は、第1ないし第4コネクター部35c,35e,35g,35iのいずれかに画像データを切り替え送信するデータ転送切り替え部35aを有している。これにより、画像処理コントローラー35に、画像処理部を1個以上でコネクター部の数と同数まで配設可能となる。したがって、画像処理部を、画像形成装置1に求められる高速化や高解像度化に対応する数だけ配設することができる。その結果、画像データを分割した分割画像データに対して画像処理の分散処理が可能となる。また、メインコントローラー33は、データ転送切り替え制御部33a及び画像処理部数決定テーブル33bを擁し、処理するデータの量または印刷設定によって、処理に必要な画像処理部の数を特定し、使用しない画像処理部と関連するデータ転送路を省電力モードとすることで、不要な電力を削減することが可能となる。このようにして、この例の画像形成装置1によれば、高解像度、大容量の画像データの画像処理をより一層迅速に実行することが可能となる。また、一方で不必要な消費電力を抑えることを可能にしている。
【0068】
本実施形態のデータ転送切り替え制御部(33a)及び画像処理部数決定テーブル(33b)は、メインコントローラー33が有する構成で説明したが、画像処理コントローラー(35)が有する構成でも良い。
また、本発明は、前述の各例に限定されることはなく、例えば、コネクター部の数n(2≦n≦4)、画像処理部の数m(1≦m≦4)、分割画像データの数k(k≧2)など任意に設定することが可能である。
【符号の説明】
【0069】
1…画像形成装置、3…画像形成ユニット、7…エンジン制御部、10Y…第1の感光体、10M…第2の感光体、10C…第3の感光体、10K…第4の感光体、12Y…第1のラインヘッド、12M…第2のラインヘッド、12C…第3のラインヘッド、12K…第4のラインヘッド、32…エンジン部、33…メインコントローラー、33a…データ転送切り替え制御部、33b…画像処理部数決定テーブル、34…エンジンコントローラー、35…画像処理コントローラー、35a…データ転送切り替え部、35b…第1のコネクター、35d…第2のコネクター、35f…第3のコネクター、35h…第4のコネクター、35c…第1の画像処理部、35e…第2の画像処理部、35g…第3の画像処理部、35i…第4の画像処理部、35j…第1の画像処理側通信モジュール、35k…第2の画像処理側通信モジュール、35m…第3の画像処理側通信モジュール、35n…第4の画像処理側通信モジュール、35o…第1のレーン、35p…第2のレーン、35q…第3のレーン、35r…第4のレーン、36…ヘッドコントローラー、36a…第1のヘッド側通信モジュール、36b…第2のヘッド側通信モジュール、36c…第3のヘッド側通信モジュール、36d…第4のヘッド側通信モジュール、36e…ヘッド制御モジュール、36e1…Yラインバッファ、36e2…Mラインバッファ、36e3…Cラインバッファ、36e4…Kラインバッファ、36f…ページメモリ、36f1…イエローページデータメモリ部、36f2…マゼンタページデータメモリ部、36f3…シアンページデータメモリ部、36f4…ブラックページデータメモリ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像処理部と、
前記画像処理部と接続可能な複数のコネクター部と
複数の前記コネクター部のうち、画像処理部が接続されたコネクター部への画像データの送信を切り替えるデータ転送切り替え部と、
前記データ転送切り替え部に対し、必要な画像処理部に対してのみデータ送信を行うように制御するデータ転送切り替え制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像処理部の接続数を記憶する画像処理部数記憶部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像処理部の接続数を検出する画像処理部数検出部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記データ転送切り替え部は、処理する画像データの量に基づいて切り替えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記データ転送切り替え部は、印刷設定に基づいて切り替えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記データ転送切り替え部は、使用しない画像処理部とデータ転送路を低消費電力モードへ切り替えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像処理コントローラーから供給される画像データに基づいてラインヘッドに静電潜像形成信号を出力するヘッドコントローラーを備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
データ転送切り替え部により、画像データをk(k≧2)個に分割した分割画像データのうち、いずれか異なる分割画像データを、n(n≧2)個のコネクター部のうち、画像処理部が接続されたいずれか異なるコネクター部に、画像データの量または印刷設定に基づいて切り替え送信し、
前記画像処理部で画像処理された分割画像データをラインヘッドに供給し、
前記ラインヘッドに供給された分割画像データに基づいて、前記ラインヘッドにより潜像担持体に静電潜像を形成することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−240859(P2010−240859A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88734(P2009−88734)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】