画像形成装置および画像形成装置のトナーカートリッジ寿命判断方法
【課題】現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を考慮して、トナーカートリッジの寿命を判断すること。
【解決手段】感光体上の静電潜像をトナーカートリッジから供給されるトナーにより現像する現像装置を有する画像形成装置であって、あらかじめ設定されるトナー劣化の閾値からトナーカートリッジ内の残トナーの劣化を判断するトナー劣化判断部113と、トナー劣化判断部113の判断結果から、前記トナーカートリッジ寿命を判断するトナーカートリッジ寿命判断部111と、を備える。
【解決手段】感光体上の静電潜像をトナーカートリッジから供給されるトナーにより現像する現像装置を有する画像形成装置であって、あらかじめ設定されるトナー劣化の閾値からトナーカートリッジ内の残トナーの劣化を判断するトナー劣化判断部113と、トナー劣化判断部113の判断結果から、前記トナーカートリッジ寿命を判断するトナーカートリッジ寿命判断部111と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成装置のトナーカートリッジ寿命判断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタなどのトナーを使用して画像を形成する画像形成装置において、トナー補給等のメンテナンスの都合上、ユーザーに対してトナーの消費量、または残量を報知できることが望まれている。トナーの消費量を報知するものとしては、一般的には、トナー量検知センサを用いてトナー収容器内のトナー残量を検知し、その検知結果を報知するものと、画像情報を基にトナーの消費量を算出して報知するものとがある。
【0003】
画像情報を基にトナーの消費量を算出するものは、現像手段である現像装置のトナーが潜像担持体である感光体上に付着することによって消費されるトナーの予測量であるトナー消費予測量を算出する。感光体に付着することで消費されるトナーとしては、潜像をトナー像化するために消費されるトナーとは別に、感光体上の潜像部以外の非潜像部にトナーが付着する「かぶり」と呼ばれる現象で消費されるトナーがある。消費するトナーの予測量をより実際のトナーの消費量に近づけるためには、トナー像として消費されるトナー量のみならず、「かぶり」によって消費されるトナー量も考慮したトナー消費予測量算出方法が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、トナーカートリッジ寿命判断を行うにあたって、現像ローラ駆動時間の残量の演算を使用の実態に適合させた技術が知られている。現像ローラ駆動時間を累積カウントする際に、パッチ画像形成のための現像ローラ駆動時間を除くトナーカートリッジ寿命管理装置が開示されている(たとえば、特許文献2参照)。また、トナーカウンタの累積のカウント値に読取り誤差が生じた場合でも、トナーカートリッジ交換に対応できる構成としたトナー消費量演算装置が開示されている(たとえば、特許文献3参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記に示されるような従来のトナーカートリッジの寿命を判断する技術にあっては、消費するトナー量を予測して、トナーの残量を通知しても、正確に通知できない場合がある。それは、現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化して必要十分に潜像担持体に付着できないときであり、ユーザーにトナーカートリッジの寿命を通知する前に画像劣化が発生してしまうといった問題点があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を考慮して、トナーカートリッジの寿命を判断することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、感光体上の静電潜像をトナーカートリッジから供給されるトナーにより現像する現像装置を有する画像形成装置であって、あらかじめ設定されるトナー劣化の閾値からトナーカートリッジ内の残トナーの劣化を判断するトナー劣化判断手段と、前記トナー劣化判断手段の判断結果から、前記トナーカートリッジ寿命を判断するトナーカートリッジ寿命判断手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる画像形成装置は、現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を考慮して、トナーカートリッジの寿命を判断しているので、トナーカートリッジ寿命判断の精度を上げることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、この実施の形態にかかる複写機の概略構成を示す説明図である。
【図2】図2は、図1のプリンタ部の内部構成の一部を拡大して示す説明図である。
【図3】図3は、Y用のプロセスユニットを中間転写ベルトとともに拡大して示す説明図である。
【図4】図4は、Y用の現像装置の構成を示す説明図である。
【図5】図5は、画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、この実施の形態にかかる画像形成装置における要部の機能構成例を示すブロック図である。
【図7】図7は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例1を示すフローチャートである。
【図8】図8は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例2を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図8におけるトナーカートリッジ設置カウント処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例3を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図10におけるトナーカートリッジ回転距離計算の処理を示すフローチャートである。
【図12】図12は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例4を示すフローチャートである。
【図13】図13は、図12における濃度調整処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例5を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置および画像形成装置のトナーカートリッジ寿命判断方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
図1は、この実施の形態にかかる複写機の概略構成を示す説明図である。この複写機は、記録紙に画像を形成するプリンタ部1、このプリンタ部1に対して記録紙Pを供給する給紙装置200、原稿画像を読み取るスキャナ300、このスキャナ300に原稿を自動給紙する自動原稿搬送装置400等を備えている。
【0012】
スキャナ300では、原稿照明用光源やミラーなどを搭載した第1走行体303と、複数の反射ミラーを搭載した第2走行体304とが往復移動するのに伴って、コンタクトガラス301上に載置された図示しない原稿の読取り走査が行われる。第2走行体304から送り出される走査光は、結像レンズ305によってその後方に設置されている読取センサ306の結像面に集光せしめられた後、読取センサ306によって画像信号として読込まれる。
【0013】
プリンタ部1の筺体の側面には、筺体内に給紙する記録紙Pを手差しで載置する手差しトレイ2や、筐体内から排出された画像形成済みの記録紙Pをスタックする排紙トレイ3が設けられている。
【0014】
図2は、プリンタ部1の内部構成の一部を拡大して示す説明図である。プリンタ部1の筐体内には、像担持体としての無端状の中間転写ベルト51を複数の張架ローラによって張架している転写手段たる転写ユニット50が配設されている。中間転写ベルト51は、図示しない駆動手段によって図示における時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ52、2次転写バックアップローラ53、従動ローラ54、4つの1次転写ローラ55Y,C,M,Kによって張架されながら、駆動ローラ52の回転によって図中の時計回り方向に無端移動せしめられる。なお、1次転写ローラの符号の末端に付しているY,C,M,Kという添字は、イエロー,シアン,マゼンタ,黒用の部材であることを示している。以下、符号の末端に付しているY,C,M,Kという添字は、同様である。
【0015】
中間転写ベルト51は、駆動ローラ52、2次転写バックアップローラ53、従動ローラ54に対する掛け回し箇所でそれぞれ大きく湾曲していることで、底辺を鉛直方向上側に向ける逆三角形状の姿勢で張架されている。この逆三角形状の底辺にあたるベルト上部張架面は水平方向に延在しており、かかるベルト上部張架面の上方には、4つのプロセスユニット10Y,C,M,Kが上部張架面の延在方向に沿って水平方向に並ぶように配設されている。
【0016】
先に示した図1において、4つのプロセスユニット10Y,C,M,Kの上方には、光書込ユニット68が配設されている。光書込ユニット68は、スキャナ300によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、図示しないレーザー制御部によって4つの半導体レーザー(図示せず)を駆動して4つの書込光Lを出射する。そして、プロセスユニット10Y,C,M,Kの潜像担持体たるドラム状の感光体11Y,C,M,Kをそれぞれ書込光Lによって暗中にて走査して、感光体11Y,C,M,Kの表面にY,C,M,K用の静電潜像を書き込む。
【0017】
この実施の形態では、光書込ユニット68として、半導体レーザーから出射したレーザー光を図示しないポリゴンミラーによって偏向せしめながら、図示しない反射ミラーで反射させたり光学レンズに通したりすることで光走査を行うものを用いている。かかる構成のものに代えて、LEDアレイによって光走査を行うものを用いてもよい。
【0018】
図3は、Y用のプロセスユニット10Yを中間転写ベルト51とともに拡大して示す説明図である。Y用のプロセスユニット10Yは、ドラム状の感光体11Yの周囲に、帯電部材12Y、除電装置13Y、ドラムクリーニング装置14Y、現像手段たる現像装置20Y、電位センサ49Y等を有している。そして、これらを共通の保持体たるケーシングで保持しながらプリンタ部に対して1つのユニットとして一体的に着脱されるようになっている。
【0019】
帯電部材12Yは、感光体11Yに当接しながら、図示しない軸受けによって回転自在に支持されるローラ状の部材である。図示しないバイアス供給手段によって帯電バイアスが印加されながら感光体11Yに対して接触回転することで、感光体11Yの表面を例えばYトナーの帯電極性と同極性に一様帯電せしめる。かかる構成の帯電部材12Yに代えて、感光体11Yに対して非接触で一様帯電処理を施すスコロトロンチャージャなどを採用することもできる。
【0020】
図示しない磁性キャリアと非磁性のYトナーとを含有するY現像剤をケーシング21Yに内包している現像装置20Yは、現像剤搬送装置22Yと現像部23Yとを有している。現像部23Yでは、図示しない駆動手段によって回転駆動されることで表面を無端移動させる現像剤担持体としての現像スリーブ24Yがその周面の一部をケーシング21Yに設けられた開口から外部に露出させている。これにより、感光体11Yと現像スリーブ24Yとが所定の間隙を介して対向する現像領域が形成されている。
【0021】
非磁性の中空パイプ状の部材からなる現像スリーブ24Yの内部には、周方向に並ぶ複数の磁極を具備する図示しないマグネットローラが現像スリーブ24Yに連れ回らないように固定されている。現像スリーブ24Yは、後述する現像剤搬送装置22Y内のY現像剤をこのマグネットローラの発する磁力によって表面に吸着させながら回転駆動することで、Y現像剤を現像剤搬送装置22Y内から汲み上げる。そして、現像スリーブ24Yの回転に伴って上記現像領域に向けて搬送されるY現像剤は、現像スリーブ24Yの表面に対して所定の間隙を介して先端を対向させているドクタブレード25Yと、スリーブ表面との間に形成されているドクタギャップに進入する。この際、スリーブ上における層厚がドクタギャップとほぼ同じ厚みに規制される。そして、現像スリーブ24Yの回転に伴って感光体11Yと対向する現像領域の付近まで搬送されると、上記マグネットローラの図示しない現像磁極の磁力を受けてスリーブ上で穂立ちして磁気ブラシとなる。
【0022】
現像スリーブ24Yには、図示しないバイアス供給手段によってたとえばトナーの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加されている。これにより、現像領域では、現像スリーブ24Y表面と感光体11Yの非画像部(一様帯電部位=地肌部)との間に、Yトナーを非画像部側からスリーブ側に静電移動させる非現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブ24Y表面と感光体11Y上の静電潜像との間に、Yトナーをスリーブ側から静電潜像に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。この現像ポテンシャルの作用によってY現像剤中のYトナーが静電潜像に転移することで、感光体11Y上の静電潜像がYトナー像に現像される。
【0023】
現像スリーブ24Yの回転に伴って上記現像領域を通過したY現像剤は、図示しないマグネットローラに具備される反発磁極間によって形成される反発磁界の影響を受けて、現像スリーブ24Y上から離脱して現像剤搬送装置22Y内に戻る。
【0024】
現像剤搬送装置22Yは、2本の第1スクリュウ部材26Y、第2スクリュウ部材32Y、両スクリュウ部材間に介在する仕切壁、透磁率センサからなるトナー濃度検知センサ45Yなどを有している。仕切壁は、第1スクリュウ部材26Yが収容される現像剤搬送部たる第1搬送室と、第2スクリュウ部材32Yが収容される現像剤搬送部たる第2搬送室とを仕切っているが、両スクリュウ部材の軸線方向における両端部に対向する領域では、それぞれ図示しない開口を通じて両搬送室を連通させている。
【0025】
撹拌搬送部材としての第1スクリュウ部材26Y、第2スクリュウ部材32Yは、それぞれ図示しない軸受けによって両端部が回転自在に支持される棒状の回転軸部材と、これの周面に螺旋状に突設せしめられた螺旋羽根とを有している。そして、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられるのに伴って、Y現像剤を螺旋羽根によって回転軸線方向に搬送する。
【0026】
第1スクリュウ部材26Yが収容されている第1搬送室内では、第1スクリュウ部材26Yの回転駆動に伴って、Y現像剤が図紙面に直交する方向の手前側から奥側に向けて搬送される。そして、ケーシング21Yの奥側の端部付近まで搬送されると、仕切壁に設けられた図示しない開口を経由して第2搬送室内に進入する。
【0027】
第2スクリュウ部材32Yが収容されている第2搬送室の上方には、上述した現像部23Yが形成されており、第2搬送室と現像部23Yとは互いの対向部の全領域において連通している。これにより、第2スクリュウ部材32Yと、これの斜め上方に配設された現像スリーブ24Yとが、互いに平行な関係を維持しながら対向している。第2搬送室内では、第2スクリュウ部材32Yの回転駆動に伴って、Y現像剤が図紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送される。この搬送の過程において、第2スクリュウ部材32Yの回転方向周囲のY現像剤が現像スリーブ24Yに適宜汲み上げられたり、現像スリーブ24Yから現像後のY現像剤が適宜回収されたりする。そして、第2搬送室の図中手前側の端部付近まで搬送されたY現像剤は、仕切壁に設けられた図示しない開口を通って、第1搬送室内に戻る。
【0028】
第1搬送室の下壁には、透磁率センサからなるトナー濃度検知手段としてのトナー濃度検知センサ45Yが固定されており、第1スクリュウ部材26Yによって搬送されているY現像剤のトナー濃度を下方から検知して検知結果に応じた電圧を出力する。図示しない制御部は、トナー濃度検知センサ45Yからの出力電圧値に基づいて、必要に応じて図示しないYトナー補給装置を駆動することで、適量のYトナーを第1搬送室内に補給する。これにより、現像に伴ってトナー濃度を低下させたY現像剤のトナー濃度が回復する。
【0029】
感光体11Y上に形成されたYトナー像は、後述するY用の1次転写ニップで中間転写ベルト51上に1次転写される。この1次転写工程を経由した後の感光体11Y表面には、中間転写ベルト51上に1次転写されなかった転写残トナーが付着している。
【0030】
ドラムクリーニング装置14Yは、たとえばポリウレタンゴム等からなるクリーニングブレード15Yを片持ち支持しており、その自由端側を感光体11Yの表面に当接させている。また、図示しない駆動手段によって回転駆動される回転軸部材と、これの周面に立設せしめられた無数の導電性起毛とを具備するブラシローラ16Yのブラシ先端側を感光体11Yに接触させている。そして、上述の転写残トナーをこのクリーニングブレード15Yやブラシローラ16Yによって感光体11Y表面から掻き取る。ブラシローラ16Yには、これに当接する金属製の電界ローラ17Yを介してクリーニングバイアスが印加されており、電界ローラ17Yにはスクレーパ18Yの先端が押し当てられている。クリーニングブレード15Yやブラシローラ16Yによって感光体11Yから掻き取られた転写残トナーは、ブラシローラ16Yと電界ローラ17Yとを経た後、スクレーパ18Yによって電界ローラ17Yから掻き取られて、回収スクリュウ19Y上に落下する。そして、回収スクリュウ19Yの回転駆動に伴って、ケーシング外に排出された後、図示しないトナーリサイクル搬送手段を介して現像剤搬送装置22Y内に戻される。
【0031】
ドラムクリーニング装置14Yによって転写処理後の残トナーがクリーニングされた感光体11Yの表面は、除電ランプ等からなる除電装置13Yによって除電された後、帯電部材12Yによって再び一様帯電せしめられる。
【0032】
また、書込光Lによる光書込位置を通過した感光体11Yの非画像部の電位は、電位センサ49Yによって検知されて、その検知結果が図示しない制御部に送られる。
【0033】
Y用のプロセスユニット10Yについて詳述したが、他色のプロセスユニット(10C,M,K)は、使用するトナーの色が異なる点の他は、Y用のものと同様の構成になっている。
【0034】
先に示した図2において、プロセスユニット10Y,C,M,Kの感光体11Y,C,M,Kは、時計回り方向に無端移動せしめられる中間転写ベルト51の上部張架面に当接しながら回転してY,C,M,K用の1次転写ニップを形成している。これらY,C,M,K用の1次転写ニップの裏側では、上述した1次転写ローラ55Y,C,M,Kが中間転写ベルト51の裏面に当接している。そして、これら1次転写ローラ55Y,C,M,Kには、それぞれ図示しないバイアス供給手段によってトナーの帯電極性とは逆極性の1次転写バイアスが印加されている。この1次転写バイアスにより、Y,C,M,K用の1次転写ニップには、トナーを感光体側からベルト側に静電移動させる1次転写電界が形成される。感光体11Y,C,M,K上に形成されたY,C,M,Kトナー像は、感光体11Y,C,M,Kの回転に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップに進入すると、この1次転写電界やニップ圧の作用によって中間転写ベルト51上に順次重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト51のおもて面(ループ外周面)には、4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。なお、1次転写ローラ55Y,C,M,Kに代えて、1次転写バイアスが印加される導電性ブラシや、非接触方式のコロナチャージャなどを採用してもよい。
【0035】
K用のプロセスユニット10Kの図中右側方には、画像濃度検知部69が中間転写ベルト51のおもて面に対して所定の間隙を介して対向するように配設されている。この画像濃度検知部69は、中間転写ベルト51に転写された後述の基準トナーパッチ像に対する単位面積あたりのトナー付着量に応じた電圧を出力する。
【0036】
中間転写ベルト51の下方には2次転写ローラ56が配設されており、これは図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられながら、中間転写ベルト51のおもて面に当接して2次転写ニップを形成している。そして、この2次転写ニップの裏側では、2次転写バックアップローラ53が中間転写ベルト51を掛け回している。
【0037】
2次転写バックアップローラ53には、図示しない2次転写電源により、トナーの帯電極性と同極性の2次転写バイアスが印加される。これに対し、ベルトのおもて面に当接して2次転写ニップを形成している当接部材たる2次転写ローラ56は接地されている。これにより、2次転写バックアップローラ53と2次転写ローラ56との間に2次転写電界が形成されている。中間転写ベルト51のおもて面に形成された4色トナー像は、中間転写ベルト51の無端移動に伴って2次転写ニップに進入する。
【0038】
先に示した図1において、給紙装置200は、記録紙Pを収納する給紙カセット201、これらの給紙カセット201に収納された記録紙Pをカセット外に送り出す給紙ローラ202、送り出された記録紙Pを一枚ずつ分離する分離ローラ対203、分離後の記録紙Pを送り出し路204に沿って搬送する搬送ローラ対205などがそれぞれ複数配設されている。給紙装置200は、図示のようにプリンタ部1の直下に配設されている。そして、給紙装置200の送り出し路204は、プリンタ部1の給紙路70に連結している。これにより、給紙装置200の給紙カセット201から送り出された記録紙Pは、送り出し路204を経由してプリンタ部1の給紙路70内に送られる。
【0039】
プリンタ部1の給紙路70の末端付近には、送込手段としてのレジストローラ対71が配設されており、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを中間転写ベルト51上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り込む。そして、2次転写ニップ内では、中間転写ベルト51上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって記録紙Pに一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップから排出されると中間転写ベルト51から離間する。
【0040】
2次転写ニップの図中左側方には、無端状の紙搬送ベルト76を複数の張架ローラによって張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる搬送ベルトユニット75が配設されている。中間転写ベルト51から分離した記録紙Pは、この紙搬送ベルト76の上部張架面に受け渡されて、定着装置80に向けて搬送される。
【0041】
定着装置80内に送られた記録紙Pは、図示しないハロゲンヒータ等の発熱源を内包する加熱ローラ81と、これに向けて押圧される加圧ローラ82とによる定着ニップ内に挟み込まれる。そして、加圧されつつ加熱されることでフルカラー画像が表面に定着させしめられながら、定着装置80外に向けて送られる。
【0042】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト51表面には、記録紙Pに転写されなかった若干量の2次転写残トナーが付着している。この2次転写残トナーは、中間転写ベルト51のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置57によってベルトから除去される。
【0043】
定着装置80の下方には、スイッチバック装置85が配設されている。定着装置80から排出された記録紙Pは、揺動可能な切替爪86による搬送路切替位置までくると、切替爪86の揺動停止位置に応じて、排紙ローラ対87、あるいはスイッチバック装置85に向けて送られる。そして、排紙ローラ対87に向けて送られた場合には、機外へと排出された後に、排紙トレイ3上にスタックされる。
【0044】
一方、スイッチバック装置85に向けて送られた場合には、スイッチバック装置85によるスイッチバック搬送によって上下反転せしめられた後、再びレジストローラ対71に向けて搬送される。そして、2次転写ニップに再び進入して、もう片面にもフルカラー画像が形成される。
【0045】
なお、プリンタ部1の筺体の側面に設けられた手差しトレイ2上に手差しされた記録紙Pは、手差し供給ローラ72と、手差し分離ローラ対73とを経由した後、レジストローラ対71に向けて送られる。
【0046】
この実施の形態にかかる複写機によって原稿のコピーをとる場合、まず、自動原稿搬送装置400の原稿台401に原稿をセットする。あるいは、自動原稿搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス301上に原稿をセットし、自動原稿搬送装置400を閉じて押さえる。その後、図示しないスタートスイッチを押すと、自動原稿搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス301内に送られる。そして、スキャナ300が駆動して第1走行体303および第2走行体304による読取走査が開始する。これとほぼ同時に、転写ユニット50や各色プロセスユニット10Y,C,M,Kの駆動が開始する。さらには、給紙装置200からの記録紙Pの送り出しも開始する。なお、給紙カセット201にセットされていない記録紙Pを使用する場合には、手差しトレイ2にセットされた記録紙Pの送り出しが行われる。
【0047】
なお、本複写機のプリンタ部1は、後述するように、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムやパラメータなどを記憶しておくデータ記憶手段としてのROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/Oインターフェースなどから構成されている。そして、ROM内に格納している制御プログラムに基づいて、プリンタ部1内の各種機器の駆動を制御する。
【0048】
中間転写ベルト51の幅方向の一端部には、所定のタイミングでK色のトナーパッチパターンが形成される。このK色のトナーパッチパターンは、互いにベルト移動方向に所定間隔で並ぶ複数のK基準トナーパッチ像からなる。また、中間転写ベルト51の幅方向の他端部には、所定のタイミングでY,M,C色のトナーパッチパターンがそれぞれ形成される。これらトナーパッチパターンも、互いにベルト移動方向に所定間隔で並ぶ複数のY,M,Cトナーパッチ像からなる。本複写機では、何れのトナーパッチパターンも、7個の基準トナーパッチ像からなるが、トナーパッチパターンを構成する基準トナーパッチ像の個数は、それよりも多くても少なくてもよい。なお、以下、Y,M,C色の3つをまとめてカラー色という。
【0049】
先に図2に示した画像濃度検知部69は、中間転写ベルト51の幅方向の一端付近において、ベルト表面に向けて光を発射する図示しない発光素子と、ベルト表面で正反射した正反射光を受光する図示しない正反射受光素子とを具備する第1光学センサを有している。また、中間転写ベルト51の幅方向の他端付近において、ベルト表面に向けて光を発射する図示しない発光素子と、ベルト表面で拡散反射した拡散反射光を受光する図示しない拡散受光素子とを具備する第2光学センサも有している。
【0050】
中間転写ベルト51の幅方向の一端部に形成されたK色のトナーパッチパターン内における個々のK基準トナーパッチ像が、ベルトの無端移動に伴って画像濃度検知部69の直下に移動すると、第1光学センサからの出力電圧値が著しく低下する。これは、第1光学センサの発光素子から発せられた光がK基準トナーパッチ像のKトナー層に遮られて、ベルト表面で殆ど正反射しなくなるからである。このときの第1光学センサからの出力電圧値は、K基準トナーパッチ像に対する単位面積あたりのKトナー付着量(K画像濃度)に応じた値になる。そして、制御部は、第1光学センサからの出力電圧値に基づいて、K基準トナーパッチ像に対するKトナー付着量を把握することができる。
【0051】
また、中間転写ベルト51の幅方向の他端部に形成されたカラー色のトナーパッチパターン内におけるY,M,Cの基準トナーパッチ像が、ベルトの無端移動に伴って画像濃度検知部69の第2光学センサの直下に移動すると、第2光学センサからの出力電圧値が著しく上昇する。これは、第2光学センサの発光素子から発せられた光がY,M,Cの基準トナーパッチ像のY,M,Cトナー層の表面で拡散反射した後、拡散反射光として上述の拡散受光素子に受光されるからである。このときの第2光学センサからの出力電圧値は、Y,M,C基準トナーパッチ像に対する単位面積あたりのY,M,Cトナー付着量(Y,M,C画像濃度)に応じた値になる。そして、制御部は、第2光学センサからの出力電圧値に基づいて、Y,M,C基準トナーパッチ像に対するY,M,Cトナー付着量を把握することができる。
【0052】
プリンタ部1は、プロセスユニット10Y,M,C,Kの現像装置20Y,M,C,Kに対して、Y,M,C,Kトナーをそれぞれ個別に補給する図示しないY,M,C,K用のトナー補給装置を有している。また、補給用のY,M,C,Kをそれぞれ個別に収容する図示しないY,M,C,Kトナーカートリッジを、プリンタ部1に対して着脱可能に有している。
【0053】
現像装置20Y,M,C,Kは、内部のY,M,C,K現像剤のY,M,C,Kトナー像を検知する透磁率センサからなるY,M,C,K用のトナー濃度検知センサ45Y,M,C,Kを有している。
【0054】
以下、Y色の現像装置を例にとって説明する。図3では便宜上、図示を省略していたが、現像装置20Yは、Y色の初期剤を収容するトナーカートリッジとしての初期剤収容部27Yを現像剤搬送装置22Yの上方に有している。初期剤収容部27Yと現像剤搬送装置22Yとは初期剤投入開口を通じて連通しているが、初期状態の現像装置20Yにおいては、図示しない封止シールによってその初期剤の投入開口が閉鎖されている。ユーザーは、新品のY用のプロセスユニット10Yをプリンタ部1に装着するのに先立って、前述の封止シールを現像装置20Yから引き抜くことで、初期剤収容部27Yと現像剤搬送装置22Yとを連通させる。これにより、初期剤収容部27Yから現像剤搬送装置22Yへの初期剤の重力落下を可能にする。なお、図4に示した現像装置20Yの初期剤収容部27Yは、現像装置本体に対して着脱可能になっている。
【0055】
図5は、上述した画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。この図5において、CPU100は、プログラム命令を解釈し、実行するものである。操作パネル101は、画像形成装置を利用するユーザーが画像形成装置の状態把握や、画像形成装置の動作を変更することができるパネルである。ROM102は、CPU100で実行するプログラムを格納した読み出し専用の半導体メモリである。EEPROM103は、電気的に消去(書き換え)できる電源を切ってもデータは消えない記憶装置である。RAM104は、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能なワーキングメモリとして使用される半導体メモリである。画像メモリ105は、画像形成装置が印刷する画像データを格納するメモリである。I/O106は、センサやモータやクラッチなどの電装品の入出力を制御するものである。I/F107は、画像形成装置と画像形成装置に印刷要求を行う端末とのインターフェースである。
【0056】
図6は、この実施の形態にかかる画像形成装置における要部の機能構成例を示すブロック図である。なお、以下の説明では、トナーカートリッジを含む現像装置20を適宜、単にトナーカートリッジと記載する。この図6において、プリントジョブ管理部110は、画像形成装置に要求された印刷ジョブについて、印刷を行う順番を管理する。画像濃度検知部69は、中間転写ベルト51上のトナー濃度検知を行う。トナー寿命判断部111は、トナー寿命閾値とトナー消費量の比較を行い、トナー寿命を判断する。トナー消費量計算部112は、トナーカートリッジから消費されたトナー量を計算する。EEPROM103は、トナー消費量およびトナー寿命閾値を記憶している。トナー劣化判断部113は、トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を判断する。プロコン(プロセスコントロール)部114は、現像バイアスによりトナー濃度の調整を行う。トナーカートリッジ装着センサ115はトナーカートリッジを含む現像装置20の本体への装着を検知するセンサである。以下、上述した構成における制御部としてのCPU100が実行する動作例について説明する。
【0057】
上記のトナー寿命閾値は、あらかじめ評価実験などにより求め、EEPROM103に記憶しておく。たとえば現像装置の稼動時間とトナー帯電特性との関係、あるいは現像装置の装着時間とトナー帯電特性との関係、画像濃度と現像バイアスとの関係あるいは現像ポテンシャルとの関係を求めおく。このトナー寿命閾値から、適正な範囲の判断とトナー劣化の判断を行う。
【0058】
(動作例1)
図7は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例1を示すフローチャートである。まず、印刷要求の発生有無を判断し(ステップS11)、ここで印刷要求が発生したら(判断Yes)、トナー劣化判断部113において各色トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を評価し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS12)。続いて、印刷を開始し(ステップS13)、印刷動作中、トナー消費量計算部112においてトナー消費量を計算し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS14、S15)。印刷動作を終了した後、トナー寿命判断部111はEEPROM103からトナー劣化とトナー消費量の情報を取得し、残トナーが劣化しているか否かを判断する(ステップS16)。ここで残トナーが劣化していると判断した場合(判断Yes)、トナー劣化の情報から劣化している場合は予め実験により評価しておいた劣化した場合のトナー寿命閾値と比較してトナー寿命を判断する(ステップS17)。一方、残トナーが劣化していないと判断した場合(判断No)、通常のトナー寿命閾値によりトナーカートリッジ寿命を判断する(ステップS18)。
【0059】
したがって、現像装置20内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を考慮して、トナーカートリッジの寿命を判断しているので、トナーカートリッジ寿命判断の精度を上げることができる。
【0060】
(動作例2)
現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を検出するには高機能なセンサを設置する必要がありコストがかかる。そこで、現像装置の使用時間により現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を予測し、トナーカートリッジの寿命を判断する。
【0061】
図8は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例2を示すフローチャートである。まず、トナー劣化判断部113は一定間隔でトナーカートリッジを含む現像装置20が装着している時間をトナーカートリッジ装着センサ115による検知時間から計測し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS21)。印刷要求の発生有無を判断し(ステップS22)、ここで印刷要求が発生したら(判断Yes)、トナー劣化判断部113において各色トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を評価し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS23)。続いて、トナーカートリッジの設置をカウント処理(図9参照)し(ステップS24)、印刷を開始する(ステップS25)。印刷動作中、トナーカートリッジの設置をカウント処理(図9参照)し(ステップS26)、トナー消費量計算部112において、トナー消費量を計算しその結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS27)。続いて、トナーカートリッジの設置をカウント処理(図9参照)し(ステップS28)、印刷を終了する(ステップS29)。印刷動作を終了した後、トナー寿命判断部111はEEPROM103からトナー劣化とトナー消費量の情報を取得し、残トナーが劣化しているか否かを判断する(ステップS30)。ここで残トナーが劣化していると判断した場合(判断Yes)、トナー劣化の情報から劣化している場合は予め実験により評価しておいた劣化した場合のトナー寿命閾値と比較してトナー寿命を判断する(ステップS31)。一方、残トナーが劣化していないと判断した場合(判断No)、通常のトナー寿命閾値によりトナーカートリッジ寿命を判断する(ステップS32)。
【0062】
図9は、図8におけるトナーカートリッジ設置カウント処理を示すフローチャートである。ここではまず、トナー劣化判断部113は、EEPROM103から各色のトナーカートリッジの装着時間を取得し、その結果から各色トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を判断する(ステップS41)、トナーカートリッジがセットされていれば、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS42)。
【0063】
したがって、現像装置20内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を現像装置20の使用時間により予測しているので、コストを下げてトナーカートリッジ寿命判断の精度を上げることができる。
【0064】
(動作例3)
現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を現像装置の使用時間により予測すると、ユーザーの印刷頻度の違いにより予測が外れる可能性があり、トナーカートリッジの寿命判断が正確にできないことがある。そこで、現像装置内の現像ローラの回転時間により現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を予測し、トナーカートリッジの寿命を判断する。
【0065】
図10は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例3を示すフローチャートである。まず、トナー劣化判断部113は現像装置20内の現像スリーブ(現像ローラ)24Yを含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS51)。印刷要求の発生有無を判断し(ステップS52)、ここで印刷要求が発生したら(判断Yes)、トナー劣化判断部113において各色トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を評価し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS53)。続いて、トナー劣化判断部113は現像装置20Y内の現像スリーブ24を含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておき(ステップS54)、印刷を開始する(ステップS55)。印刷動作中、トナー劣化判断部111は現像装置20内の現像スリーブ24を含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておき(ステップS56)、トナー消費量計算部112において、トナー消費量を計算しその結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS57)。続いて、トナー劣化判断部111は現像装置20内の現像スリーブ24を含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておき(ステップS58)、印刷を終了する(ステップS59)。印刷動作を終了した後、トナー寿命判断部111はEEPROM103からトナー劣化とトナー消費量の情報を取得し、残トナーが劣化しているか否かを判断する(ステップS60)。ここで残トナーが劣化していると判断した場合(判断Yes)、トナー劣化の情報から劣化している場合は予め実験により評価しておいた劣化した場合のトナー寿命閾値と比較してトナー寿命を判断する(ステップS61)。一方、残トナーが劣化していないと判断した場合(判断No)、通常のトナー寿命閾値によりトナーカートリッジ寿命を判断する(ステップS62)。
【0066】
図11は、図10におけるトナーカートリッジ(現像装置20内の現像スリーブ(現像ローラ)24を含む回転部材)回転距離計算処理を示すフローチャートである。ここではまず、現像装置20が回転しているか否かを判断する(ステップS71)。ここで現像装置20が回転していれば、現像装置20内の現像スリーブ24を含む回転部材の回転距離を計算し、EEPROM103に記憶しておく(ステップS72)。
【0067】
したがって、現像装置20内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を現像スリーブ24の回転距離より予測しているので、コストを下げてトナーカートリッジ寿命判断の精度を上げることができる。
【0068】
(動作例4)
現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を現像装置の回転時間により予測すると、画像形成装置の使用環境により予測が外れる可能性があり、トナーカートリッジの寿命判断が正確にできないことがある。そこで、形成した画像の濃度をセンサで読み取った結果で、現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を予測し、トナーカートリッジの寿命を判断する。
【0069】
図12は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例4を示すフローチャートである。まず、トナーカートリッジを含む現像装置20(以下、単にトナーカートリッジという)が新品かまたは100ページ印刷済みのものであるか否かを判断する(ステップS81)。ここで、新品または100ページ印刷済みであると判断した場合、プロコン部114により画像濃度の調整を行い濃度が最適になる現像バイアスを検出(図13参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS82)。続いて、図11に示したトナーカートリッジ回転距離計算処理を行う(ステップS83)。印刷要求の発生有無を判断し(ステップS84)、ここで印刷要求が発生したら(判断Yes)、トナー劣化判断部113において各色トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を評価し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS85)。続いて、トナー劣化判断部113は現像装置20内の現像スリーブ24を含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておき(ステップS86)、印刷を開始する(ステップS87)。印刷動作中、トナー劣化判断部113は現像装置20内の現像スリーブ24を含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておき(ステップS88)、トナー消費量計算部112において、トナー消費量を計算しその結果をEPROM103に記憶しておく(ステップS89)。続いて、トナー劣化判断部113は現像装置20内の現像スリーブ24を含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておき(ステップS90)、印刷を終了する(ステップS91)。印刷動作を終了した後、トナー寿命判断部111はEEPROM103からトナー劣化とトナー消費量の情報を取得し、残トナーが劣化しているか否かを判断する(ステップS92)。ここで残トナーが劣化していると判断した場合(判断Yes)、トナー劣化の情報から劣化している場合は予め実験により評価しておいた劣化した場合のトナー寿命閾値と比較してトナー寿命を判断する(ステップS93)。一方、残トナーが劣化していないと判断した場合(判断No)、通常のトナー寿命閾値によりトナーカートリッジ寿命を判断する(ステップS94)。
【0070】
図13は、図12におけるステップS82の濃度調整処理を示すフローチャートである。まず、濃度調整が所定の範囲になるように行い(ステップS101,S102)、トナーカートリッジが新品であるか否かを判断する(ステップS103)。ここでトナーカートリッジが新品であると判断した場合(判断Yes)、トナーカートリッジ新品時の現像バイアス値をEEPROM103に記憶する(ステップS104)。一方、ステップS103でトナーカートリッジが新品でなければ(判断No)、現像バイアスを最適に調整し、その現像バイアス値を検出しその結果をEEPROM103に記憶する(ステップS105)。
【0071】
したがって、現像装置20内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を形成した画像の濃度を現像バイアスで調整した後に画像濃度検知部69で読み取った結果により予測しているので、トナーカートリッジ寿命判断の精度を上げることができる。
【0072】
(動作例5)
現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化していることを予測し、その結果をトナーカートリッジの寿命判断に考慮しても劣化の状態により、トナーカートリッジの寿命判断が正確にできないことがある。そこで、現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化している状態を評価し、その結果に応じてトナーカートリッジの寿命を判断するトナー消費量の閾値を変化させてトナーカートリッジの寿命を判断する。
【0073】
図14は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例5を示すフローチャートである。まず、トナー劣化判断部113は一定間隔でトナーカートリッジを含む現像装置20が装着している時間をトナーカートリッジ装着センサ115による検知時間から計測し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS111)。印刷要求の発生有無を判断し(ステップS112)、ここで印刷要求が発生したら(判断Yes)、トナー劣化判断部113において各色トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を評価し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップ113)。続いて、トナーカートリッジの設置をカウント処理(図9参照)し(ステップS114)、印刷を開始する(ステップS115)。印刷動作中、トナーカートリッジの設置をカウント処理(図9参照)し(ステップS116)、トナー消費量計算部112において、トナー消費量を計算しその結果をEPROM103に記憶しておく(ステップS117)。続いて、トナーカートリッジの設置をカウント処理(図9参照)し(ステップS118)、印刷を終了する(ステップS119)。印刷動作を終了した後、トナー寿命判断部111はEEPROM103からトナー劣化とトナー消費量の情報を取得し、トナー劣化の情報から最適なトナー寿命閾値を計算し(ステップS120)、トナー寿命を判断する(ステップS121)。
【0074】
したがって、現像装置20内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化している状態を評価し、その結果に応じてトナーカートリッジの寿命を判断するトナー消費量の閾値を変化させてトナーカートリッジの寿命を判断しているのでトナーカートリッジ寿命判断の精度を上げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上のように、本発明にかかる画像形成装置および画像形成装置のトナーカートリッジ寿命判断方法は、複写機やプリンタなどの画像形成装置などに有用であり、特に、トナー消費量と残トナーの劣化を考慮した現像装置のトナーカートリッジの寿命判断に適している。
【符号の説明】
【0076】
69 画像濃度検知部
100 制御部
101 操作パネル
105 EEPROM
111 トナー寿命判断部
112 トナー消費量計算部
113 トナー劣化判断部
114 プロコン部
115 トナーカートリッジ装着センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【特許文献1】特開2008−26844号公報
【特許文献2】特開2004−347933号公報
【特許文献3】特開2004−354666号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成装置のトナーカートリッジ寿命判断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタなどのトナーを使用して画像を形成する画像形成装置において、トナー補給等のメンテナンスの都合上、ユーザーに対してトナーの消費量、または残量を報知できることが望まれている。トナーの消費量を報知するものとしては、一般的には、トナー量検知センサを用いてトナー収容器内のトナー残量を検知し、その検知結果を報知するものと、画像情報を基にトナーの消費量を算出して報知するものとがある。
【0003】
画像情報を基にトナーの消費量を算出するものは、現像手段である現像装置のトナーが潜像担持体である感光体上に付着することによって消費されるトナーの予測量であるトナー消費予測量を算出する。感光体に付着することで消費されるトナーとしては、潜像をトナー像化するために消費されるトナーとは別に、感光体上の潜像部以外の非潜像部にトナーが付着する「かぶり」と呼ばれる現象で消費されるトナーがある。消費するトナーの予測量をより実際のトナーの消費量に近づけるためには、トナー像として消費されるトナー量のみならず、「かぶり」によって消費されるトナー量も考慮したトナー消費予測量算出方法が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、トナーカートリッジ寿命判断を行うにあたって、現像ローラ駆動時間の残量の演算を使用の実態に適合させた技術が知られている。現像ローラ駆動時間を累積カウントする際に、パッチ画像形成のための現像ローラ駆動時間を除くトナーカートリッジ寿命管理装置が開示されている(たとえば、特許文献2参照)。また、トナーカウンタの累積のカウント値に読取り誤差が生じた場合でも、トナーカートリッジ交換に対応できる構成としたトナー消費量演算装置が開示されている(たとえば、特許文献3参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記に示されるような従来のトナーカートリッジの寿命を判断する技術にあっては、消費するトナー量を予測して、トナーの残量を通知しても、正確に通知できない場合がある。それは、現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化して必要十分に潜像担持体に付着できないときであり、ユーザーにトナーカートリッジの寿命を通知する前に画像劣化が発生してしまうといった問題点があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を考慮して、トナーカートリッジの寿命を判断することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、感光体上の静電潜像をトナーカートリッジから供給されるトナーにより現像する現像装置を有する画像形成装置であって、あらかじめ設定されるトナー劣化の閾値からトナーカートリッジ内の残トナーの劣化を判断するトナー劣化判断手段と、前記トナー劣化判断手段の判断結果から、前記トナーカートリッジ寿命を判断するトナーカートリッジ寿命判断手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる画像形成装置は、現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を考慮して、トナーカートリッジの寿命を判断しているので、トナーカートリッジ寿命判断の精度を上げることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、この実施の形態にかかる複写機の概略構成を示す説明図である。
【図2】図2は、図1のプリンタ部の内部構成の一部を拡大して示す説明図である。
【図3】図3は、Y用のプロセスユニットを中間転写ベルトとともに拡大して示す説明図である。
【図4】図4は、Y用の現像装置の構成を示す説明図である。
【図5】図5は、画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、この実施の形態にかかる画像形成装置における要部の機能構成例を示すブロック図である。
【図7】図7は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例1を示すフローチャートである。
【図8】図8は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例2を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図8におけるトナーカートリッジ設置カウント処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例3を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図10におけるトナーカートリッジ回転距離計算の処理を示すフローチャートである。
【図12】図12は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例4を示すフローチャートである。
【図13】図13は、図12における濃度調整処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例5を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置および画像形成装置のトナーカートリッジ寿命判断方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
図1は、この実施の形態にかかる複写機の概略構成を示す説明図である。この複写機は、記録紙に画像を形成するプリンタ部1、このプリンタ部1に対して記録紙Pを供給する給紙装置200、原稿画像を読み取るスキャナ300、このスキャナ300に原稿を自動給紙する自動原稿搬送装置400等を備えている。
【0012】
スキャナ300では、原稿照明用光源やミラーなどを搭載した第1走行体303と、複数の反射ミラーを搭載した第2走行体304とが往復移動するのに伴って、コンタクトガラス301上に載置された図示しない原稿の読取り走査が行われる。第2走行体304から送り出される走査光は、結像レンズ305によってその後方に設置されている読取センサ306の結像面に集光せしめられた後、読取センサ306によって画像信号として読込まれる。
【0013】
プリンタ部1の筺体の側面には、筺体内に給紙する記録紙Pを手差しで載置する手差しトレイ2や、筐体内から排出された画像形成済みの記録紙Pをスタックする排紙トレイ3が設けられている。
【0014】
図2は、プリンタ部1の内部構成の一部を拡大して示す説明図である。プリンタ部1の筐体内には、像担持体としての無端状の中間転写ベルト51を複数の張架ローラによって張架している転写手段たる転写ユニット50が配設されている。中間転写ベルト51は、図示しない駆動手段によって図示における時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ52、2次転写バックアップローラ53、従動ローラ54、4つの1次転写ローラ55Y,C,M,Kによって張架されながら、駆動ローラ52の回転によって図中の時計回り方向に無端移動せしめられる。なお、1次転写ローラの符号の末端に付しているY,C,M,Kという添字は、イエロー,シアン,マゼンタ,黒用の部材であることを示している。以下、符号の末端に付しているY,C,M,Kという添字は、同様である。
【0015】
中間転写ベルト51は、駆動ローラ52、2次転写バックアップローラ53、従動ローラ54に対する掛け回し箇所でそれぞれ大きく湾曲していることで、底辺を鉛直方向上側に向ける逆三角形状の姿勢で張架されている。この逆三角形状の底辺にあたるベルト上部張架面は水平方向に延在しており、かかるベルト上部張架面の上方には、4つのプロセスユニット10Y,C,M,Kが上部張架面の延在方向に沿って水平方向に並ぶように配設されている。
【0016】
先に示した図1において、4つのプロセスユニット10Y,C,M,Kの上方には、光書込ユニット68が配設されている。光書込ユニット68は、スキャナ300によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、図示しないレーザー制御部によって4つの半導体レーザー(図示せず)を駆動して4つの書込光Lを出射する。そして、プロセスユニット10Y,C,M,Kの潜像担持体たるドラム状の感光体11Y,C,M,Kをそれぞれ書込光Lによって暗中にて走査して、感光体11Y,C,M,Kの表面にY,C,M,K用の静電潜像を書き込む。
【0017】
この実施の形態では、光書込ユニット68として、半導体レーザーから出射したレーザー光を図示しないポリゴンミラーによって偏向せしめながら、図示しない反射ミラーで反射させたり光学レンズに通したりすることで光走査を行うものを用いている。かかる構成のものに代えて、LEDアレイによって光走査を行うものを用いてもよい。
【0018】
図3は、Y用のプロセスユニット10Yを中間転写ベルト51とともに拡大して示す説明図である。Y用のプロセスユニット10Yは、ドラム状の感光体11Yの周囲に、帯電部材12Y、除電装置13Y、ドラムクリーニング装置14Y、現像手段たる現像装置20Y、電位センサ49Y等を有している。そして、これらを共通の保持体たるケーシングで保持しながらプリンタ部に対して1つのユニットとして一体的に着脱されるようになっている。
【0019】
帯電部材12Yは、感光体11Yに当接しながら、図示しない軸受けによって回転自在に支持されるローラ状の部材である。図示しないバイアス供給手段によって帯電バイアスが印加されながら感光体11Yに対して接触回転することで、感光体11Yの表面を例えばYトナーの帯電極性と同極性に一様帯電せしめる。かかる構成の帯電部材12Yに代えて、感光体11Yに対して非接触で一様帯電処理を施すスコロトロンチャージャなどを採用することもできる。
【0020】
図示しない磁性キャリアと非磁性のYトナーとを含有するY現像剤をケーシング21Yに内包している現像装置20Yは、現像剤搬送装置22Yと現像部23Yとを有している。現像部23Yでは、図示しない駆動手段によって回転駆動されることで表面を無端移動させる現像剤担持体としての現像スリーブ24Yがその周面の一部をケーシング21Yに設けられた開口から外部に露出させている。これにより、感光体11Yと現像スリーブ24Yとが所定の間隙を介して対向する現像領域が形成されている。
【0021】
非磁性の中空パイプ状の部材からなる現像スリーブ24Yの内部には、周方向に並ぶ複数の磁極を具備する図示しないマグネットローラが現像スリーブ24Yに連れ回らないように固定されている。現像スリーブ24Yは、後述する現像剤搬送装置22Y内のY現像剤をこのマグネットローラの発する磁力によって表面に吸着させながら回転駆動することで、Y現像剤を現像剤搬送装置22Y内から汲み上げる。そして、現像スリーブ24Yの回転に伴って上記現像領域に向けて搬送されるY現像剤は、現像スリーブ24Yの表面に対して所定の間隙を介して先端を対向させているドクタブレード25Yと、スリーブ表面との間に形成されているドクタギャップに進入する。この際、スリーブ上における層厚がドクタギャップとほぼ同じ厚みに規制される。そして、現像スリーブ24Yの回転に伴って感光体11Yと対向する現像領域の付近まで搬送されると、上記マグネットローラの図示しない現像磁極の磁力を受けてスリーブ上で穂立ちして磁気ブラシとなる。
【0022】
現像スリーブ24Yには、図示しないバイアス供給手段によってたとえばトナーの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加されている。これにより、現像領域では、現像スリーブ24Y表面と感光体11Yの非画像部(一様帯電部位=地肌部)との間に、Yトナーを非画像部側からスリーブ側に静電移動させる非現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブ24Y表面と感光体11Y上の静電潜像との間に、Yトナーをスリーブ側から静電潜像に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。この現像ポテンシャルの作用によってY現像剤中のYトナーが静電潜像に転移することで、感光体11Y上の静電潜像がYトナー像に現像される。
【0023】
現像スリーブ24Yの回転に伴って上記現像領域を通過したY現像剤は、図示しないマグネットローラに具備される反発磁極間によって形成される反発磁界の影響を受けて、現像スリーブ24Y上から離脱して現像剤搬送装置22Y内に戻る。
【0024】
現像剤搬送装置22Yは、2本の第1スクリュウ部材26Y、第2スクリュウ部材32Y、両スクリュウ部材間に介在する仕切壁、透磁率センサからなるトナー濃度検知センサ45Yなどを有している。仕切壁は、第1スクリュウ部材26Yが収容される現像剤搬送部たる第1搬送室と、第2スクリュウ部材32Yが収容される現像剤搬送部たる第2搬送室とを仕切っているが、両スクリュウ部材の軸線方向における両端部に対向する領域では、それぞれ図示しない開口を通じて両搬送室を連通させている。
【0025】
撹拌搬送部材としての第1スクリュウ部材26Y、第2スクリュウ部材32Yは、それぞれ図示しない軸受けによって両端部が回転自在に支持される棒状の回転軸部材と、これの周面に螺旋状に突設せしめられた螺旋羽根とを有している。そして、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられるのに伴って、Y現像剤を螺旋羽根によって回転軸線方向に搬送する。
【0026】
第1スクリュウ部材26Yが収容されている第1搬送室内では、第1スクリュウ部材26Yの回転駆動に伴って、Y現像剤が図紙面に直交する方向の手前側から奥側に向けて搬送される。そして、ケーシング21Yの奥側の端部付近まで搬送されると、仕切壁に設けられた図示しない開口を経由して第2搬送室内に進入する。
【0027】
第2スクリュウ部材32Yが収容されている第2搬送室の上方には、上述した現像部23Yが形成されており、第2搬送室と現像部23Yとは互いの対向部の全領域において連通している。これにより、第2スクリュウ部材32Yと、これの斜め上方に配設された現像スリーブ24Yとが、互いに平行な関係を維持しながら対向している。第2搬送室内では、第2スクリュウ部材32Yの回転駆動に伴って、Y現像剤が図紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送される。この搬送の過程において、第2スクリュウ部材32Yの回転方向周囲のY現像剤が現像スリーブ24Yに適宜汲み上げられたり、現像スリーブ24Yから現像後のY現像剤が適宜回収されたりする。そして、第2搬送室の図中手前側の端部付近まで搬送されたY現像剤は、仕切壁に設けられた図示しない開口を通って、第1搬送室内に戻る。
【0028】
第1搬送室の下壁には、透磁率センサからなるトナー濃度検知手段としてのトナー濃度検知センサ45Yが固定されており、第1スクリュウ部材26Yによって搬送されているY現像剤のトナー濃度を下方から検知して検知結果に応じた電圧を出力する。図示しない制御部は、トナー濃度検知センサ45Yからの出力電圧値に基づいて、必要に応じて図示しないYトナー補給装置を駆動することで、適量のYトナーを第1搬送室内に補給する。これにより、現像に伴ってトナー濃度を低下させたY現像剤のトナー濃度が回復する。
【0029】
感光体11Y上に形成されたYトナー像は、後述するY用の1次転写ニップで中間転写ベルト51上に1次転写される。この1次転写工程を経由した後の感光体11Y表面には、中間転写ベルト51上に1次転写されなかった転写残トナーが付着している。
【0030】
ドラムクリーニング装置14Yは、たとえばポリウレタンゴム等からなるクリーニングブレード15Yを片持ち支持しており、その自由端側を感光体11Yの表面に当接させている。また、図示しない駆動手段によって回転駆動される回転軸部材と、これの周面に立設せしめられた無数の導電性起毛とを具備するブラシローラ16Yのブラシ先端側を感光体11Yに接触させている。そして、上述の転写残トナーをこのクリーニングブレード15Yやブラシローラ16Yによって感光体11Y表面から掻き取る。ブラシローラ16Yには、これに当接する金属製の電界ローラ17Yを介してクリーニングバイアスが印加されており、電界ローラ17Yにはスクレーパ18Yの先端が押し当てられている。クリーニングブレード15Yやブラシローラ16Yによって感光体11Yから掻き取られた転写残トナーは、ブラシローラ16Yと電界ローラ17Yとを経た後、スクレーパ18Yによって電界ローラ17Yから掻き取られて、回収スクリュウ19Y上に落下する。そして、回収スクリュウ19Yの回転駆動に伴って、ケーシング外に排出された後、図示しないトナーリサイクル搬送手段を介して現像剤搬送装置22Y内に戻される。
【0031】
ドラムクリーニング装置14Yによって転写処理後の残トナーがクリーニングされた感光体11Yの表面は、除電ランプ等からなる除電装置13Yによって除電された後、帯電部材12Yによって再び一様帯電せしめられる。
【0032】
また、書込光Lによる光書込位置を通過した感光体11Yの非画像部の電位は、電位センサ49Yによって検知されて、その検知結果が図示しない制御部に送られる。
【0033】
Y用のプロセスユニット10Yについて詳述したが、他色のプロセスユニット(10C,M,K)は、使用するトナーの色が異なる点の他は、Y用のものと同様の構成になっている。
【0034】
先に示した図2において、プロセスユニット10Y,C,M,Kの感光体11Y,C,M,Kは、時計回り方向に無端移動せしめられる中間転写ベルト51の上部張架面に当接しながら回転してY,C,M,K用の1次転写ニップを形成している。これらY,C,M,K用の1次転写ニップの裏側では、上述した1次転写ローラ55Y,C,M,Kが中間転写ベルト51の裏面に当接している。そして、これら1次転写ローラ55Y,C,M,Kには、それぞれ図示しないバイアス供給手段によってトナーの帯電極性とは逆極性の1次転写バイアスが印加されている。この1次転写バイアスにより、Y,C,M,K用の1次転写ニップには、トナーを感光体側からベルト側に静電移動させる1次転写電界が形成される。感光体11Y,C,M,K上に形成されたY,C,M,Kトナー像は、感光体11Y,C,M,Kの回転に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップに進入すると、この1次転写電界やニップ圧の作用によって中間転写ベルト51上に順次重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト51のおもて面(ループ外周面)には、4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。なお、1次転写ローラ55Y,C,M,Kに代えて、1次転写バイアスが印加される導電性ブラシや、非接触方式のコロナチャージャなどを採用してもよい。
【0035】
K用のプロセスユニット10Kの図中右側方には、画像濃度検知部69が中間転写ベルト51のおもて面に対して所定の間隙を介して対向するように配設されている。この画像濃度検知部69は、中間転写ベルト51に転写された後述の基準トナーパッチ像に対する単位面積あたりのトナー付着量に応じた電圧を出力する。
【0036】
中間転写ベルト51の下方には2次転写ローラ56が配設されており、これは図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられながら、中間転写ベルト51のおもて面に当接して2次転写ニップを形成している。そして、この2次転写ニップの裏側では、2次転写バックアップローラ53が中間転写ベルト51を掛け回している。
【0037】
2次転写バックアップローラ53には、図示しない2次転写電源により、トナーの帯電極性と同極性の2次転写バイアスが印加される。これに対し、ベルトのおもて面に当接して2次転写ニップを形成している当接部材たる2次転写ローラ56は接地されている。これにより、2次転写バックアップローラ53と2次転写ローラ56との間に2次転写電界が形成されている。中間転写ベルト51のおもて面に形成された4色トナー像は、中間転写ベルト51の無端移動に伴って2次転写ニップに進入する。
【0038】
先に示した図1において、給紙装置200は、記録紙Pを収納する給紙カセット201、これらの給紙カセット201に収納された記録紙Pをカセット外に送り出す給紙ローラ202、送り出された記録紙Pを一枚ずつ分離する分離ローラ対203、分離後の記録紙Pを送り出し路204に沿って搬送する搬送ローラ対205などがそれぞれ複数配設されている。給紙装置200は、図示のようにプリンタ部1の直下に配設されている。そして、給紙装置200の送り出し路204は、プリンタ部1の給紙路70に連結している。これにより、給紙装置200の給紙カセット201から送り出された記録紙Pは、送り出し路204を経由してプリンタ部1の給紙路70内に送られる。
【0039】
プリンタ部1の給紙路70の末端付近には、送込手段としてのレジストローラ対71が配設されており、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを中間転写ベルト51上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り込む。そして、2次転写ニップ内では、中間転写ベルト51上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって記録紙Pに一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップから排出されると中間転写ベルト51から離間する。
【0040】
2次転写ニップの図中左側方には、無端状の紙搬送ベルト76を複数の張架ローラによって張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる搬送ベルトユニット75が配設されている。中間転写ベルト51から分離した記録紙Pは、この紙搬送ベルト76の上部張架面に受け渡されて、定着装置80に向けて搬送される。
【0041】
定着装置80内に送られた記録紙Pは、図示しないハロゲンヒータ等の発熱源を内包する加熱ローラ81と、これに向けて押圧される加圧ローラ82とによる定着ニップ内に挟み込まれる。そして、加圧されつつ加熱されることでフルカラー画像が表面に定着させしめられながら、定着装置80外に向けて送られる。
【0042】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト51表面には、記録紙Pに転写されなかった若干量の2次転写残トナーが付着している。この2次転写残トナーは、中間転写ベルト51のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置57によってベルトから除去される。
【0043】
定着装置80の下方には、スイッチバック装置85が配設されている。定着装置80から排出された記録紙Pは、揺動可能な切替爪86による搬送路切替位置までくると、切替爪86の揺動停止位置に応じて、排紙ローラ対87、あるいはスイッチバック装置85に向けて送られる。そして、排紙ローラ対87に向けて送られた場合には、機外へと排出された後に、排紙トレイ3上にスタックされる。
【0044】
一方、スイッチバック装置85に向けて送られた場合には、スイッチバック装置85によるスイッチバック搬送によって上下反転せしめられた後、再びレジストローラ対71に向けて搬送される。そして、2次転写ニップに再び進入して、もう片面にもフルカラー画像が形成される。
【0045】
なお、プリンタ部1の筺体の側面に設けられた手差しトレイ2上に手差しされた記録紙Pは、手差し供給ローラ72と、手差し分離ローラ対73とを経由した後、レジストローラ対71に向けて送られる。
【0046】
この実施の形態にかかる複写機によって原稿のコピーをとる場合、まず、自動原稿搬送装置400の原稿台401に原稿をセットする。あるいは、自動原稿搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス301上に原稿をセットし、自動原稿搬送装置400を閉じて押さえる。その後、図示しないスタートスイッチを押すと、自動原稿搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス301内に送られる。そして、スキャナ300が駆動して第1走行体303および第2走行体304による読取走査が開始する。これとほぼ同時に、転写ユニット50や各色プロセスユニット10Y,C,M,Kの駆動が開始する。さらには、給紙装置200からの記録紙Pの送り出しも開始する。なお、給紙カセット201にセットされていない記録紙Pを使用する場合には、手差しトレイ2にセットされた記録紙Pの送り出しが行われる。
【0047】
なお、本複写機のプリンタ部1は、後述するように、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムやパラメータなどを記憶しておくデータ記憶手段としてのROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/Oインターフェースなどから構成されている。そして、ROM内に格納している制御プログラムに基づいて、プリンタ部1内の各種機器の駆動を制御する。
【0048】
中間転写ベルト51の幅方向の一端部には、所定のタイミングでK色のトナーパッチパターンが形成される。このK色のトナーパッチパターンは、互いにベルト移動方向に所定間隔で並ぶ複数のK基準トナーパッチ像からなる。また、中間転写ベルト51の幅方向の他端部には、所定のタイミングでY,M,C色のトナーパッチパターンがそれぞれ形成される。これらトナーパッチパターンも、互いにベルト移動方向に所定間隔で並ぶ複数のY,M,Cトナーパッチ像からなる。本複写機では、何れのトナーパッチパターンも、7個の基準トナーパッチ像からなるが、トナーパッチパターンを構成する基準トナーパッチ像の個数は、それよりも多くても少なくてもよい。なお、以下、Y,M,C色の3つをまとめてカラー色という。
【0049】
先に図2に示した画像濃度検知部69は、中間転写ベルト51の幅方向の一端付近において、ベルト表面に向けて光を発射する図示しない発光素子と、ベルト表面で正反射した正反射光を受光する図示しない正反射受光素子とを具備する第1光学センサを有している。また、中間転写ベルト51の幅方向の他端付近において、ベルト表面に向けて光を発射する図示しない発光素子と、ベルト表面で拡散反射した拡散反射光を受光する図示しない拡散受光素子とを具備する第2光学センサも有している。
【0050】
中間転写ベルト51の幅方向の一端部に形成されたK色のトナーパッチパターン内における個々のK基準トナーパッチ像が、ベルトの無端移動に伴って画像濃度検知部69の直下に移動すると、第1光学センサからの出力電圧値が著しく低下する。これは、第1光学センサの発光素子から発せられた光がK基準トナーパッチ像のKトナー層に遮られて、ベルト表面で殆ど正反射しなくなるからである。このときの第1光学センサからの出力電圧値は、K基準トナーパッチ像に対する単位面積あたりのKトナー付着量(K画像濃度)に応じた値になる。そして、制御部は、第1光学センサからの出力電圧値に基づいて、K基準トナーパッチ像に対するKトナー付着量を把握することができる。
【0051】
また、中間転写ベルト51の幅方向の他端部に形成されたカラー色のトナーパッチパターン内におけるY,M,Cの基準トナーパッチ像が、ベルトの無端移動に伴って画像濃度検知部69の第2光学センサの直下に移動すると、第2光学センサからの出力電圧値が著しく上昇する。これは、第2光学センサの発光素子から発せられた光がY,M,Cの基準トナーパッチ像のY,M,Cトナー層の表面で拡散反射した後、拡散反射光として上述の拡散受光素子に受光されるからである。このときの第2光学センサからの出力電圧値は、Y,M,C基準トナーパッチ像に対する単位面積あたりのY,M,Cトナー付着量(Y,M,C画像濃度)に応じた値になる。そして、制御部は、第2光学センサからの出力電圧値に基づいて、Y,M,C基準トナーパッチ像に対するY,M,Cトナー付着量を把握することができる。
【0052】
プリンタ部1は、プロセスユニット10Y,M,C,Kの現像装置20Y,M,C,Kに対して、Y,M,C,Kトナーをそれぞれ個別に補給する図示しないY,M,C,K用のトナー補給装置を有している。また、補給用のY,M,C,Kをそれぞれ個別に収容する図示しないY,M,C,Kトナーカートリッジを、プリンタ部1に対して着脱可能に有している。
【0053】
現像装置20Y,M,C,Kは、内部のY,M,C,K現像剤のY,M,C,Kトナー像を検知する透磁率センサからなるY,M,C,K用のトナー濃度検知センサ45Y,M,C,Kを有している。
【0054】
以下、Y色の現像装置を例にとって説明する。図3では便宜上、図示を省略していたが、現像装置20Yは、Y色の初期剤を収容するトナーカートリッジとしての初期剤収容部27Yを現像剤搬送装置22Yの上方に有している。初期剤収容部27Yと現像剤搬送装置22Yとは初期剤投入開口を通じて連通しているが、初期状態の現像装置20Yにおいては、図示しない封止シールによってその初期剤の投入開口が閉鎖されている。ユーザーは、新品のY用のプロセスユニット10Yをプリンタ部1に装着するのに先立って、前述の封止シールを現像装置20Yから引き抜くことで、初期剤収容部27Yと現像剤搬送装置22Yとを連通させる。これにより、初期剤収容部27Yから現像剤搬送装置22Yへの初期剤の重力落下を可能にする。なお、図4に示した現像装置20Yの初期剤収容部27Yは、現像装置本体に対して着脱可能になっている。
【0055】
図5は、上述した画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。この図5において、CPU100は、プログラム命令を解釈し、実行するものである。操作パネル101は、画像形成装置を利用するユーザーが画像形成装置の状態把握や、画像形成装置の動作を変更することができるパネルである。ROM102は、CPU100で実行するプログラムを格納した読み出し専用の半導体メモリである。EEPROM103は、電気的に消去(書き換え)できる電源を切ってもデータは消えない記憶装置である。RAM104は、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能なワーキングメモリとして使用される半導体メモリである。画像メモリ105は、画像形成装置が印刷する画像データを格納するメモリである。I/O106は、センサやモータやクラッチなどの電装品の入出力を制御するものである。I/F107は、画像形成装置と画像形成装置に印刷要求を行う端末とのインターフェースである。
【0056】
図6は、この実施の形態にかかる画像形成装置における要部の機能構成例を示すブロック図である。なお、以下の説明では、トナーカートリッジを含む現像装置20を適宜、単にトナーカートリッジと記載する。この図6において、プリントジョブ管理部110は、画像形成装置に要求された印刷ジョブについて、印刷を行う順番を管理する。画像濃度検知部69は、中間転写ベルト51上のトナー濃度検知を行う。トナー寿命判断部111は、トナー寿命閾値とトナー消費量の比較を行い、トナー寿命を判断する。トナー消費量計算部112は、トナーカートリッジから消費されたトナー量を計算する。EEPROM103は、トナー消費量およびトナー寿命閾値を記憶している。トナー劣化判断部113は、トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を判断する。プロコン(プロセスコントロール)部114は、現像バイアスによりトナー濃度の調整を行う。トナーカートリッジ装着センサ115はトナーカートリッジを含む現像装置20の本体への装着を検知するセンサである。以下、上述した構成における制御部としてのCPU100が実行する動作例について説明する。
【0057】
上記のトナー寿命閾値は、あらかじめ評価実験などにより求め、EEPROM103に記憶しておく。たとえば現像装置の稼動時間とトナー帯電特性との関係、あるいは現像装置の装着時間とトナー帯電特性との関係、画像濃度と現像バイアスとの関係あるいは現像ポテンシャルとの関係を求めおく。このトナー寿命閾値から、適正な範囲の判断とトナー劣化の判断を行う。
【0058】
(動作例1)
図7は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例1を示すフローチャートである。まず、印刷要求の発生有無を判断し(ステップS11)、ここで印刷要求が発生したら(判断Yes)、トナー劣化判断部113において各色トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を評価し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS12)。続いて、印刷を開始し(ステップS13)、印刷動作中、トナー消費量計算部112においてトナー消費量を計算し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS14、S15)。印刷動作を終了した後、トナー寿命判断部111はEEPROM103からトナー劣化とトナー消費量の情報を取得し、残トナーが劣化しているか否かを判断する(ステップS16)。ここで残トナーが劣化していると判断した場合(判断Yes)、トナー劣化の情報から劣化している場合は予め実験により評価しておいた劣化した場合のトナー寿命閾値と比較してトナー寿命を判断する(ステップS17)。一方、残トナーが劣化していないと判断した場合(判断No)、通常のトナー寿命閾値によりトナーカートリッジ寿命を判断する(ステップS18)。
【0059】
したがって、現像装置20内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を考慮して、トナーカートリッジの寿命を判断しているので、トナーカートリッジ寿命判断の精度を上げることができる。
【0060】
(動作例2)
現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を検出するには高機能なセンサを設置する必要がありコストがかかる。そこで、現像装置の使用時間により現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を予測し、トナーカートリッジの寿命を判断する。
【0061】
図8は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例2を示すフローチャートである。まず、トナー劣化判断部113は一定間隔でトナーカートリッジを含む現像装置20が装着している時間をトナーカートリッジ装着センサ115による検知時間から計測し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS21)。印刷要求の発生有無を判断し(ステップS22)、ここで印刷要求が発生したら(判断Yes)、トナー劣化判断部113において各色トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を評価し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS23)。続いて、トナーカートリッジの設置をカウント処理(図9参照)し(ステップS24)、印刷を開始する(ステップS25)。印刷動作中、トナーカートリッジの設置をカウント処理(図9参照)し(ステップS26)、トナー消費量計算部112において、トナー消費量を計算しその結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS27)。続いて、トナーカートリッジの設置をカウント処理(図9参照)し(ステップS28)、印刷を終了する(ステップS29)。印刷動作を終了した後、トナー寿命判断部111はEEPROM103からトナー劣化とトナー消費量の情報を取得し、残トナーが劣化しているか否かを判断する(ステップS30)。ここで残トナーが劣化していると判断した場合(判断Yes)、トナー劣化の情報から劣化している場合は予め実験により評価しておいた劣化した場合のトナー寿命閾値と比較してトナー寿命を判断する(ステップS31)。一方、残トナーが劣化していないと判断した場合(判断No)、通常のトナー寿命閾値によりトナーカートリッジ寿命を判断する(ステップS32)。
【0062】
図9は、図8におけるトナーカートリッジ設置カウント処理を示すフローチャートである。ここではまず、トナー劣化判断部113は、EEPROM103から各色のトナーカートリッジの装着時間を取得し、その結果から各色トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を判断する(ステップS41)、トナーカートリッジがセットされていれば、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS42)。
【0063】
したがって、現像装置20内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を現像装置20の使用時間により予測しているので、コストを下げてトナーカートリッジ寿命判断の精度を上げることができる。
【0064】
(動作例3)
現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を現像装置の使用時間により予測すると、ユーザーの印刷頻度の違いにより予測が外れる可能性があり、トナーカートリッジの寿命判断が正確にできないことがある。そこで、現像装置内の現像ローラの回転時間により現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を予測し、トナーカートリッジの寿命を判断する。
【0065】
図10は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例3を示すフローチャートである。まず、トナー劣化判断部113は現像装置20内の現像スリーブ(現像ローラ)24Yを含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS51)。印刷要求の発生有無を判断し(ステップS52)、ここで印刷要求が発生したら(判断Yes)、トナー劣化判断部113において各色トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を評価し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS53)。続いて、トナー劣化判断部113は現像装置20Y内の現像スリーブ24を含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておき(ステップS54)、印刷を開始する(ステップS55)。印刷動作中、トナー劣化判断部111は現像装置20内の現像スリーブ24を含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておき(ステップS56)、トナー消費量計算部112において、トナー消費量を計算しその結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS57)。続いて、トナー劣化判断部111は現像装置20内の現像スリーブ24を含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておき(ステップS58)、印刷を終了する(ステップS59)。印刷動作を終了した後、トナー寿命判断部111はEEPROM103からトナー劣化とトナー消費量の情報を取得し、残トナーが劣化しているか否かを判断する(ステップS60)。ここで残トナーが劣化していると判断した場合(判断Yes)、トナー劣化の情報から劣化している場合は予め実験により評価しておいた劣化した場合のトナー寿命閾値と比較してトナー寿命を判断する(ステップS61)。一方、残トナーが劣化していないと判断した場合(判断No)、通常のトナー寿命閾値によりトナーカートリッジ寿命を判断する(ステップS62)。
【0066】
図11は、図10におけるトナーカートリッジ(現像装置20内の現像スリーブ(現像ローラ)24を含む回転部材)回転距離計算処理を示すフローチャートである。ここではまず、現像装置20が回転しているか否かを判断する(ステップS71)。ここで現像装置20が回転していれば、現像装置20内の現像スリーブ24を含む回転部材の回転距離を計算し、EEPROM103に記憶しておく(ステップS72)。
【0067】
したがって、現像装置20内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を現像スリーブ24の回転距離より予測しているので、コストを下げてトナーカートリッジ寿命判断の精度を上げることができる。
【0068】
(動作例4)
現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を現像装置の回転時間により予測すると、画像形成装置の使用環境により予測が外れる可能性があり、トナーカートリッジの寿命判断が正確にできないことがある。そこで、形成した画像の濃度をセンサで読み取った結果で、現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を予測し、トナーカートリッジの寿命を判断する。
【0069】
図12は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例4を示すフローチャートである。まず、トナーカートリッジを含む現像装置20(以下、単にトナーカートリッジという)が新品かまたは100ページ印刷済みのものであるか否かを判断する(ステップS81)。ここで、新品または100ページ印刷済みであると判断した場合、プロコン部114により画像濃度の調整を行い濃度が最適になる現像バイアスを検出(図13参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS82)。続いて、図11に示したトナーカートリッジ回転距離計算処理を行う(ステップS83)。印刷要求の発生有無を判断し(ステップS84)、ここで印刷要求が発生したら(判断Yes)、トナー劣化判断部113において各色トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を評価し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS85)。続いて、トナー劣化判断部113は現像装置20内の現像スリーブ24を含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておき(ステップS86)、印刷を開始する(ステップS87)。印刷動作中、トナー劣化判断部113は現像装置20内の現像スリーブ24を含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておき(ステップS88)、トナー消費量計算部112において、トナー消費量を計算しその結果をEPROM103に記憶しておく(ステップS89)。続いて、トナー劣化判断部113は現像装置20内の現像スリーブ24を含む回転部材が回転したらその回転距離を計算(図11参照)し、その結果をEEPROM103に記憶しておき(ステップS90)、印刷を終了する(ステップS91)。印刷動作を終了した後、トナー寿命判断部111はEEPROM103からトナー劣化とトナー消費量の情報を取得し、残トナーが劣化しているか否かを判断する(ステップS92)。ここで残トナーが劣化していると判断した場合(判断Yes)、トナー劣化の情報から劣化している場合は予め実験により評価しておいた劣化した場合のトナー寿命閾値と比較してトナー寿命を判断する(ステップS93)。一方、残トナーが劣化していないと判断した場合(判断No)、通常のトナー寿命閾値によりトナーカートリッジ寿命を判断する(ステップS94)。
【0070】
図13は、図12におけるステップS82の濃度調整処理を示すフローチャートである。まず、濃度調整が所定の範囲になるように行い(ステップS101,S102)、トナーカートリッジが新品であるか否かを判断する(ステップS103)。ここでトナーカートリッジが新品であると判断した場合(判断Yes)、トナーカートリッジ新品時の現像バイアス値をEEPROM103に記憶する(ステップS104)。一方、ステップS103でトナーカートリッジが新品でなければ(判断No)、現像バイアスを最適に調整し、その現像バイアス値を検出しその結果をEEPROM103に記憶する(ステップS105)。
【0071】
したがって、現像装置20内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化する現象を形成した画像の濃度を現像バイアスで調整した後に画像濃度検知部69で読み取った結果により予測しているので、トナーカートリッジ寿命判断の精度を上げることができる。
【0072】
(動作例5)
現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化していることを予測し、その結果をトナーカートリッジの寿命判断に考慮しても劣化の状態により、トナーカートリッジの寿命判断が正確にできないことがある。そこで、現像装置内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化している状態を評価し、その結果に応じてトナーカートリッジの寿命を判断するトナー消費量の閾値を変化させてトナーカートリッジの寿命を判断する。
【0073】
図14は、この実施の形態にかかる画像形成装置の動作例5を示すフローチャートである。まず、トナー劣化判断部113は一定間隔でトナーカートリッジを含む現像装置20が装着している時間をトナーカートリッジ装着センサ115による検知時間から計測し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップS111)。印刷要求の発生有無を判断し(ステップS112)、ここで印刷要求が発生したら(判断Yes)、トナー劣化判断部113において各色トナーカートリッジ内の残トナーの劣化を評価し、その結果をEEPROM103に記憶しておく(ステップ113)。続いて、トナーカートリッジの設置をカウント処理(図9参照)し(ステップS114)、印刷を開始する(ステップS115)。印刷動作中、トナーカートリッジの設置をカウント処理(図9参照)し(ステップS116)、トナー消費量計算部112において、トナー消費量を計算しその結果をEPROM103に記憶しておく(ステップS117)。続いて、トナーカートリッジの設置をカウント処理(図9参照)し(ステップS118)、印刷を終了する(ステップS119)。印刷動作を終了した後、トナー寿命判断部111はEEPROM103からトナー劣化とトナー消費量の情報を取得し、トナー劣化の情報から最適なトナー寿命閾値を計算し(ステップS120)、トナー寿命を判断する(ステップS121)。
【0074】
したがって、現像装置20内の現像される前のトナーが経時や摩擦により劣化している状態を評価し、その結果に応じてトナーカートリッジの寿命を判断するトナー消費量の閾値を変化させてトナーカートリッジの寿命を判断しているのでトナーカートリッジ寿命判断の精度を上げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上のように、本発明にかかる画像形成装置および画像形成装置のトナーカートリッジ寿命判断方法は、複写機やプリンタなどの画像形成装置などに有用であり、特に、トナー消費量と残トナーの劣化を考慮した現像装置のトナーカートリッジの寿命判断に適している。
【符号の説明】
【0076】
69 画像濃度検知部
100 制御部
101 操作パネル
105 EEPROM
111 トナー寿命判断部
112 トナー消費量計算部
113 トナー劣化判断部
114 プロコン部
115 トナーカートリッジ装着センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【特許文献1】特開2008−26844号公報
【特許文献2】特開2004−347933号公報
【特許文献3】特開2004−354666号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体上の静電潜像をトナーカートリッジから供給されるトナーにより現像する現像装置を有する画像形成装置であって、
あらかじめ設定されるトナー劣化の閾値からトナーカートリッジ内の残トナーの劣化を判断するトナー劣化判断手段と、
前記トナー劣化判断手段の判断結果から、前記トナーカートリッジ寿命を判断するトナーカートリッジ寿命判断手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記トナー劣化判断手段は、前記現像装置の使用時間から前記トナーカートリッジ内のトナー残量の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記トナー劣化判断手段は、前記現像装置内の回転部材の回転距離から前記トナーカートリッジ内のトナー残量の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナー劣化判断手段は、前記現像装置の濃度調整処理における現像バイアス値から前記トナーカートリッジ内のトナー残量の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記トナー劣化判断手段は、前記感光体に形成した画像の濃度値から前記トナーカートリッジ内のトナー残量の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記トナーカートリッジの寿命はトナーカートリッジから消費されたトナー量がある閾値を超えたら寿命と判断するものとして、前記トナーカートリッジ内の残トナーの状態が前記現像装置に付着しない状態に応じて、前記閾値の値を変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
感光体上の静電潜像をトナーカートリッジから供給されるトナーにより現像する現像装置を有する画像形成装置のトナーカートリッジ寿命判断方法であって、
トナー劣化判断手段があらかじめ設定されるトナー劣化の閾値からトナーカートリッジ内の残トナーの劣化を判断するトナー劣化判断工程と、
トナーカートリッジ寿命判断手段が前記トナー劣化判断工程の判断結果から、前記トナーカートリッジ寿命を判断するトナーカートリッジ寿命判断工程と、
を含むことを特徴とする画像形成装置のトナーカートリッジ寿命判断方法。
【請求項1】
感光体上の静電潜像をトナーカートリッジから供給されるトナーにより現像する現像装置を有する画像形成装置であって、
あらかじめ設定されるトナー劣化の閾値からトナーカートリッジ内の残トナーの劣化を判断するトナー劣化判断手段と、
前記トナー劣化判断手段の判断結果から、前記トナーカートリッジ寿命を判断するトナーカートリッジ寿命判断手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記トナー劣化判断手段は、前記現像装置の使用時間から前記トナーカートリッジ内のトナー残量の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記トナー劣化判断手段は、前記現像装置内の回転部材の回転距離から前記トナーカートリッジ内のトナー残量の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナー劣化判断手段は、前記現像装置の濃度調整処理における現像バイアス値から前記トナーカートリッジ内のトナー残量の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記トナー劣化判断手段は、前記感光体に形成した画像の濃度値から前記トナーカートリッジ内のトナー残量の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記トナーカートリッジの寿命はトナーカートリッジから消費されたトナー量がある閾値を超えたら寿命と判断するものとして、前記トナーカートリッジ内の残トナーの状態が前記現像装置に付着しない状態に応じて、前記閾値の値を変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
感光体上の静電潜像をトナーカートリッジから供給されるトナーにより現像する現像装置を有する画像形成装置のトナーカートリッジ寿命判断方法であって、
トナー劣化判断手段があらかじめ設定されるトナー劣化の閾値からトナーカートリッジ内の残トナーの劣化を判断するトナー劣化判断工程と、
トナーカートリッジ寿命判断手段が前記トナー劣化判断工程の判断結果から、前記トナーカートリッジ寿命を判断するトナーカートリッジ寿命判断工程と、
を含むことを特徴とする画像形成装置のトナーカートリッジ寿命判断方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−217555(P2010−217555A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64770(P2009−64770)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]