説明

画像形成装置における接地板組立て品

画像形成装置のための感光体ドラムである。ドラムは第1及び第2の開口端を規定している。フランジは前記第1の開口端に部分的に配置されている。接地板組立て品は、ドラム接触部材と軸接触部材とを含んでいる。前記ドラム接触部材は前記ドラムの内部表面から電気的に抵抗性の被覆を取り除くように形づくられている。前記軸接触部材は接地軸と接触するように形づくられている。前記軸接触部材は完全に前記フランジの内部に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、特に、画像形成装置の感光体ドラムのようなドラムのための改良された接触子組立て品に関する。特に、本発明は、感光体ドラムのための改良された接地板組立て品を提供する。
【背景技術】
【0002】
例えば、プリンター、コピー機のような画像形成装置は、典型的には感光体ドラムの形態で感光性部材を含んでいる。生成(又は再生成)される前記画像は前記ドラム上で形成され現像されるので、前記感光体ドラムの性能は極めて重要である。それから、前記現像された画像は、前記ドラムから例えば紙のシートに転写される。典型的には、前記ドラムはアルミニウムのような金属から形成され、前記金属は、薄い誘電層を準備するために陽極酸化処理されるかコーティングされている。それから、前記ドラムは、前記誘電層の上に光生起性で光導電性の層でコーティングされる。
【0003】
画像を形成する際に、前記ドラム上に静電画像が形成され、該画像はトナーのような現像材で現像される。前記画像は静電的に形成されるので、如何なる望ましくない電荷も、蓄積した電荷も、接地手段を用いている前記ドラムから徐荷されるか、あるいは接地されることが非常に重要である。前記ドラム上に配置され、絶縁体として作用する前記陽極酸化処理されるかコーティングされている層にかかわらず、この接地は行われなければならない。
【0004】
公知の接地装置においては、接地板が感光体ドラムの一端部内に延びているフランジに固定されている。前記フランジは、例えば接着剤で定位置に固定されている。このフランジは2つの放射状の突起を含んでおり、前記感光体ドラムの内部表面と接触している。さらに、より良い接触を得るために、前記感光体の内部表面の部分は、例えばレーザを使用して表面に線が刻みつけられている。この表面に線を刻みつけることは、前記陽極酸化処理された層(あるいは、導電性を減少させている他のコーティング層又は酸化層)を切り、前記ドラムは前記接地板により接地される。前記接地板の前記放射状の突起の1つは、この表面に線が刻みつけられている区画と精密に調整されており、それによって、前記感光性ドラムと前記接地板との間の充分な接触と導電性を確実なものにしている。前記接地板は、前記ドラムフランジを貫通して延びている軸と接触している内方向に突出した接触部材を含んでいる。前記軸は接地され、このことにより、前記感光体ドラムも前記接地板により前記軸に対して接地されている。
【0005】
前記レーザにより表面に線を刻みつけることは、時間を消費するので、単に相対的に小さなレーザにより表面に線が刻みつけられた区画を提供することが望ましい。前記フランジが前記ドラムに挿入されたとき、前記接地板の突起の1つは、前記レーザにより表面に線が刻みつけられた区画と精密に調整されなければならない。
【0006】
上述の配置は、前記放射状に突出する接触要素が前記感光性ドラムの前記内部表面上に形成された表面に線が刻みつけられた区画と精密に調整される必要性のために、不十分かもしれない。もし、放射状に延びている突起が、前記ドラム内部の前記表面に線が刻みつけられた区画又は接触領域と接触しなければ、ある程度の接地は起こるかもしれないが、間違いなく最適よりも少ない。結果として、前記ドラムは、機能しないか質の悪い画像品質になる。質の悪い画像は、おびただしい数の問題点に起因し得るので、この問題はまた検知するのが困難で、質の悪い画像形成物の全般的な概念に帰着する。このように、先行技術は、前記フランジを前記ドラムの端部に挿入するという作業の気苦労をあてにするという点で問題を含んでいる。さらに、たとえ前記接地板の前記接触突起と前記ドラムの内部の接触表面とを精密に調整することに注意しても、挿入後の前記フランジの何らかの動き(例えば、前記フランジを前記ドラムに固定するのに使用されている前記粘着材が硬化する前に、前記フランジが動く)、質の悪い接触は、やはり結果として生ずる。前記接地板の前記接触突起と前記ドラムの内部表面上の前記接触領域とを精密に調整することの必要性は、自動化に対する複雑さもしくは障害をもたらす。もし、自動的挿入が従来の接地板装置に利用されたら、前記機器は、前記接触突起と前記ドラムの内部表面上に形成された接触領域(例えば、レーザにより画線された区画)との精密な調整に備えなければならない。
【発明の詳細な概要】
【0007】
本発明の目的は、画像形成装置のための改良された接触組立て品を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、改良された感光体ドラムから電荷を接地又は除去するための組立て品を提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、画像形成装置のための改良された接触組立て品及び感光体ドラムを提供することであり、前記感光体ドラムに関しての前記フランジの回転位置又は角度位置にかかわらず、前記接触組立て品又は接地板は、前記接地板と前記感光体ドラムの内部表面との間の有効な接触がなされることを確実にする。
【0010】
上述の及び他の目的と効果は、画像形成装置のための感光体ドラム組立て品を提供することによって、本発明に従って達成される。ドラムは第1及び第2の開口端を規定している。フランジは前記第1の開口端に部分的に配置されている。接地板組立て品は、ドラム接触部材と軸接触部材とを含んでいる。前記ドラム接触部材は前記ドラムの内部表面から電気的に抵抗性の被覆を取り除くように形づくられている。前記軸接触部材は接地軸と接触するように形づくられている。前記軸接触部材は完全に前記フランジの内部に配置されている。
【0011】
本発明は、さらにドラム組立て品を備えた画像形成装置を提供する。前記組立て品においては、ドラムは第1及び第2の開口端を規定している。フランジは前記第1の開口端に部分的に配置されている。接地板組立て品は、ドラム接触部材と軸接触部材とを含んでいる。前記ドラム接触部材は前記ドラムの内部表面から電気的に抵抗性の被覆を取り除くように形づくられている。前記軸接触部材は接地軸と接触するように形づくられている。前記軸接触部材は完全に前記フランジの内部に配置されている。
【0012】
本発明の他の目的及び効果は、下記の詳細な説明を、特に添付の図面を考慮して参照することにより、直ちに明らかになるだろうし、同時に、より理解されるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明が適用されたコピー機の形態の画像形成装置を概略的に示している。そのような装置では、原稿が前記コピー機のガラス10上に置かれ、ランプ12によって照明される。結果として生ずる光は、光学システム14によって、感光体ドラム上に投射される。そして、前記ドラムは、例えば帯電ローラ16を使用することで、予め帯電させられている。結果として、静電潜像が前記ドラム上に形成され、この像が、前記ドラムへトナーを供給する現像ユニット18のトナーによって現像される。紙が、供給源20から前記ドラム1と背面ローラ22の間の位置まで種々のローラによって送られ、前記ドラムの前記トナー像が前記紙に転写される。その後、前記紙は、典型的には熱を利用して前記トナー像を前記紙に固定する定着装置24に送られ、その後前記紙は前記装置の外部に搬送される。前記感光体ドラムが適切に接地されていなければ、前記像は形成されないか、品質が劣っている。なぜならば、帯電ローラ16による初期帯電の1回もしくはそれ以上、前記光学システム14を用いた潜像の形成、及び、現像及び/又はクリーニング(図示しないクリーニング機器によって前記ドラムから残余のトナーを除去すること)は、最適のものより劣っているからである。さらに、前記機器の多数の構成部品のために、品質の劣った像の原因を決定することは困難である。たとえ像の品質の劣った点が前記感光体ドラムに特定されたとしても、前記像の品質の悪さは、単に、例えば、前記ドラムの光受容体表面を形成するのに使用されている複数の材料を含む前記ドラムの製造物の品質の悪さにあるとするかも知れない。しかしながら、品質の劣った像は前記感光体ドラムの最適の接地によらないとすることができるが、品質の劣った像の原因を検知することは困難であり、使用者/購買者は、製品の品質が劣っていることを全く理解しないままに単に置かれる。このように、品質の劣った像の発生を減じ、そしてまた、品質の劣った像が発生しそうなときの問題解決を簡単にするために、信頼性のある接地あるいは徐電を提供することが重要である。
【0014】
図2は、本発明が適用されたプリンターを概略的に示している。図2に示されるように、前記コピー機と比較して、前記プリンターは、例えばレーザ走査装置30によるビデオ信号を提供する制御装置によって画像を提供する。このように、レーザ走査装置30は、帯電ローラ34によって一様に帯電している前記感光体ドラム32上に潜像を提供する。前記画像は、現像装置36によって現像され、供給源38から搬送される紙が前記感光体ドラム32と背面ローラ40との間を通過する時に、前記紙に転写される。その後、前記紙は定着器42を通過し、種々の搬送ローラ及びガイドによって前記プリンター外部に出て行く。前記コピー機と同様に、もし前記感光体ドラム32が適切に接地されていなければ、品質の劣った画像となり得、製品の品質が劣っていることを全く理解しないことになる。
【0015】
添付の図面は画像形成装置の好ましい実施例を示しているが、前記接地板組立て品は、例えば、デジタル複写機/レーザプリンターを含む種々の画像形成装置に用いられることを理解すべきである。
【0016】
本発明による感光体ドラム組立体が示されている図3を参照すると、そこには前記ドラム部分と前記ドラムフランジの内部に配置された部分とが、断面図として示されている。前記ドラム50は、第1端部52及び第2端部54を有し、前記ドラムはさらに内部表面56と外部表面58を有する中空の管状部材として形成されている。フランジ60,62は、前記ドラム50の前記第1及び第2の端部52,54にそれぞれ挿入されており、前記フランジは、それぞれ、前記ドラムの内部に配置された第1の部分60a,62a及び前記ドラムの外部に配置された第2の部分60b,62bを含んでいる。内部に配置された第1の部分60a,62aは、例えば接着剤を用いて前記ドラムに固着されており、好ましくは、前記第1の部分60a,62aと前記ドラム50の前記内部表面56との間で固い嵌合い又は締まりばめが提供される。前記複数のフランジを前記ドラムへ接着剤を用いないで(例えば締まりばめを用いて)、固着又は結合することも可能である。さらに、下記に述べるように、前記接地板組立て品68の特性のために、前記フランジ60は前記ドラム50に付加的な保証なしで固着されなければならない。1つ又は双方の前記第2の外部に配置された部分60b,62bは、典型的にはその上に形成された歯車表面を有している。前記歯車表面は前記ドラムを駆動するための駆動力を受け取るために利用され、他の複数の構成部品を駆動する駆動力を伝達するためにも利用される。例えば、前記ドラム50を回転するために、部分60b上の歯車は画像形成装置の駆動歯車からの駆動力を受け取ることができる。それから部分62b上の歯車は、例えば紙送りローラの如き他の構成部品の歯車を駆動するために前記歯車62bと結合することによって、他の複数の構成部品のための駆動力を供給するために利用することができる。このように、前記フランジ60は前記ドラムを回転するための駆動力を受け取ることができ、前記フランジ62は紙送り機器を駆動する駆動力を与えることができる。前記歯車60b,62bは平歯車として示されているが、種々の歯車形状が利用できるものと理解されるべきであり、本発明は前記ドラムの前記複数のフランジ上に用いられる特定の歯車に限定されない。前記フランジ上に形成された歯車表面を有さないドラムフランジに対して本発明を利用することも可能である。
【0017】
前記フランジ60,62は、それぞれ、支軸64を受け入れるために貫通して延びる空孔を有しており、前記支軸上に前記ドラム50が回転可能に取り付けられている。前記支軸64は完全な軸、即ち前記ドラムを貫通して延びている軸、として描写されているが、部分的な軸配置も知られており、そのような軸内に、複数の部分あるいはピンが各フランジを貫通して前記ドラムの各端部内に延びているが、前記ドラムの全長までは延びていない。本発明は、部分的あるいは完全な軸の装置のいずれにも利用することができる。図式的に66で示されているように、前記感光体ドラムを接地するために前記軸64は接地されている。前記ドラム50の前記内部表面56と前記軸64とを結合するために、接触組立て品あるいは接地組立て品68が、後ほど詳述するように設けられている。目下の好ましい形態においては、前記接触組立て品68は、前記複数のフランジはプラスチック製であるが、前記複数のフランジの1つに固着されている金属(例えば銅)の接地板として備えられている。しかしながら、種々の他の手段が可能であることを理解しなければならない。例えば、接地用接触組立て品は前記フランジと一体的に形成することができ、前記接触/接地組立て品及び/又はフランジの部分を金属あるいは導電性プラスチックで製造することができる。図3に示すように、目下の好ましい形態においては、前記接地板組立て品68は、内方に突出した前記軸64と接触する接触部材又は舌70を含んでいる。さらに、図6に示され、後述の説明より明らかになるように、前記接地組立て品68は、前記ドラム50の内部表面56と接触し、そこから電気抵抗被覆を除去する半径方向外方に突出した複数の接触部材101−105を含んでいる。しばしば、前記複数の端部の内部(即ち、前記ドラムの縦軸中心に向けて)に配置されている前記管の部分は、縮約した内部半径を有し、隆起が形成されるだろう(図示せず)。前記ドラムの性能に対する如何なる不利な効果をも除外するため、及び/又は前記ドラム内への複数の前記フランジの動きを制限するために、前記ドラムの縮約した内部半径へのこの隆起又は変化は、前記管の縦軸方向に内方部分への接着剤の流れ(接着剤が用いられる場合)を制限するために備えることができる。
【0018】
過去には、1又は2個の半径方向へ突出した接触部材が、前記ドラムフランジに取り付けられている前記接地板上に備えられていた。前記フランジが前記ドラム内に挿入されると、複数の前記接触部材の1つが整合しなければならず、前記ドラムの画線器で線を刻みつけられた接触領域と整列する。そのような配置は多くの理由で決して最適ではない。例えば、もし、前記フランジが手動で挿入されたら、不注意な作業の結果として、前記接地板の前記接触部材は適切に整合しないかもしれない。さらに、もし、前記接触部材が適切に挿入されたら、その後の操作中に、前記フランジは前記ドラム内で回転するかもしれない。典型的には、前記フランジは前記ドラム内に堅く適合し、回転しないような寸法に作られている。しかしながら、製造の変動により、前記ドラムへ前記フランジを固着するために用いられる接着剤が硬化する前に、フランジは前記ドラムの端部内で回転することができるかも知れない。米国特許第5845173号明細書には、整合が必要ではないような、画線器で線を刻みつけられた接触領域と多くの接触部材が開示されているが、この装置は、接地板の挿入前に予め画線器で線を刻みつけることが必要である。
【特許文献1】米国特許第5845173号明細書
【0019】
本発明は、上述の欠点を除去するものである。特に、本発明は、前記ドラムの内部表面と接触し、前記ドラム50の内部表面56上の陽極酸化処理された層(又は、導電性を減ずる他の被覆又は酸化表面)を除去するために形づくられた前記接触部材の1又はそれ以上であり、前記内部表面56を画線器で線を刻みつける必要を減ずるもしくは除去するものである、一連の接触部材を提供する。さらに、複数の前記接触部材は、前記接地板組立て品68と前記フランジ60が相対的に前記ドラム50に対して回転するのを防止する。このように、本発明の装置は、前記ドラムの内部を予め画線器で線を刻みつけることなしに利用できるという点で有利である。さらに、もしも予め画線器で線を刻みつけるとしたら、不十分な画線操作、前記画線に関しての前記接地板の不十分な位置決め、及び/又は、前記ドラムに関しての前記接地板のその後の動きに起因するかも知れない不十分な接地の結果、前記装置はより劣った性能になる傾向がある。
【0020】
図4を詳細に参照すると、フランジの端部(前記接地組立て品はない)の概観が示されている。前述したように、そのようなフランジ60は、支軸64が貫通して延びる孔80を有しており、前記支軸64は前記感光体ドラムを接地するためにも利用され得る。前記ドラムの内部へ延びる前記フランジ60の前記第1部分60aは、しばしば前記フランジの縦方向の最内部端(即ち、前記ドラム内部へ最も遠く延びている前記フランジの端部)から延びる穴の形態で、凹部82,84を備えている。これらの凹部82,84は、前記フランジが相対的に硬い材料から形成されることを可能にし、同時にまた、前記ドラム内への前記フランジの挿入を可能にし、前記フランジが前記ドラム内に固く保持されることを確実にするために、前記フランジの前記内側部分60aが降伏するのを可能にする。複数の突出しているピンPは前記フランジから延びることができ、前記接地板を前記フランジに固着するために使用される(図3に複数のピンPの1つが示されている)。複数のピンPは、前記フランジの材料と同じプラスチック材料で形成することができ、前記複数のピンPは、前記接地板内に形成されている複数の孔を利用して、前記接地板を前記フランジに対して適切に位置決めすることを可能にする。一旦、前記複数のピンPが前記接地板の複数の孔に受け入れられたら、複数のピンの頭は、前記複数のピンの前記複数の頭が平坦になるように加熱されることができ、こうすることで、前記複数のピンから前記接地板が抜けることを禁止し、前記接地板が前記フランジに固着される。しかしながら、本発明の前記接地板又は接触組立て品をドラムフランジに対して固着又は結合するために、いくつかの他の手段もまた可能であることに注意すべきである。
【0021】
図5は、本発明の接触組立て品又は接地板を示している。目下の好ましい形態においては、前記接地板は、例えば銅又は銅合金から形成された導電性金属シートから打ち出すことができる。図5は、接地板組立て品の打ち出し形、即ち、接地板がシート金属から切断された後で、如何なる形状を整える工程、又は曲げ工程以前の形状を示している。図5の破線90は、前記接地板68が最終形成操作で曲げられる位置を示している。図6から図8は、形状を整える操作、曲げ操作の後の前記接地板組立て品68の種々の概観を提供する。この形状を整える操作、曲げ操作は、単一の打ち出し工程で行うことができ、もし望むならば、多数の形状を整える操作を実行することができる。図6A、図6Bは、図5に示したような、しかし形状を整える操作、曲げ操作が実行された後の頂部及び底部からの概観である。図7は、前記接地板組立て品と前記フランジとの等角分解組立図であり、図8は、前記接地板組立て品と前記フランジの断面図である。
【0022】
図5、図6A、図6Bに示すように、複数の孔92は前記接地板68を貫通して延びており、前記複数の孔92は、前記接地板を前記ドラムの前記複数のフランジに対して位置決めし固着するための前述した前記複数のピンPを受け入れることができる。前述したように、異なるいくつかの他の手段もまた可能であり、望むならば、前記接地板を前記フランジと一体的に形成もしくは成形することも可能である。目下の好ましい形態においては、5個の半径方向外方に延出している接触部材101−105が備えられている。前記複数の接触部材のサイズは、前記接触部材(前記フランジと共に)が前記ドラムの端部内に挿入され、前記ドラムの内部表面との接触を確実にするように、曲げることができ充分な降伏可能性を残すことができる程度のサイズである。
【0023】
図5,図6A,図6Bに示すように、第1の接触部材101は他の接触部材102−105のそれよりも長い半径方向長さを有している。(曲げ工程前の半径方向長さが101Lとして図5に示されている)。前記フランジは前記凹部82,84の位置で前記接地板をほとんど支持しないだろうから、前記接触部材101は、前記フランジ60内の前記凹部82,84の1つと順応することができる。このように、前記接地板は、前記フランジの前記凹部82,84に隣接する位置での付加的変形の可能性に順応することができる。図6A,図6B,図7に示すように、接触部材101−105の各々は好ましくは曲げることができ、一旦前記接地板が前記ドラム内部へ挿入されたなら、挿入を可能にするために前記接触部材はさらに変形することができ、前記ドラム内部への挿入後、前記接触部材が前記ドラムの内部表面との接触を維持することを確実にし、それによって前記ドラム50に対する前記接地板組立て品68と前記フランジ60の回転を防止するために、前記接触部材101−105は外方に偏向するだろう。
【0024】
さらに、1又はそれ以上の前記接触部材101−105は、前記ドラム50の内部表面56上の陽極酸化処理層(又は、導電性を減ずる他の被覆又は酸化表面)を取り除くために形成することができる。本発明の好ましい実施例においては、前記接触部材101−105の少なくとも1つはそのような層を取り除くために形づくられている。より長い接触部材101を備えた前記接地板組立て品68の挿入は、結果として前記ドラムの内部表面上の力の集中になり、それによって、充分な接地が成されるように前記層を除去する。この配置によって、前記接地板組立て品68は、前記ドラム50の内部表面56を画線するための必要性を減じるもしくは除去することができる。本発明の好ましい実施例は、前記陽極酸化処理層を取り除くために少なくとも1つの接触部材101−105を含んでいるが、例えば前記接触部材の先鋭にされた表面のような種々の形状によって、前記被覆を取り除くためにどのような接触部材でも形づくられることができることを理解しなければならない。
【0025】
図5から図8にも示されているように、前記接地板組立て品68は、放射状に内方に向けて延びている曲がることができる複数の接触部材70を含んでいる。即ち、前記ドラム50が前記支軸64上に装着されたときに、放射状に内方に向けて延びている複数の接触部材(又は、複数の舌)70は、前記支軸64によって半径方向外方に動かされ、又は変形させられる。その結果、前記複数の舌70が半径方向内方に偏向もしくは動かされ、それによって前記複数の舌70が前記支軸64との接触を維持されることが確実になる。
【0026】
図5から図8に示された本発明の実施例において、前記複数の接触部材(又は、複数の舌)70は前記フランジ60の内部に配置されている。このように、前記接地板組立て品68が前記フランジ60と共に輸送され、装着され又は他の取り扱いがされた時、前記複数の接触部材70を含めて、前記フランジ60は前記接地板組立て品68に対する損傷を防止することができる。
【0027】
図5から図8に示されるように、前記接地板組立て品68の好ましい実施例は、軸部120に加えて複数の接触部材101−105を含んでいる板部110を有している。前記板部110は、好ましくは、上述した方法で曲げられる前記複数の接触部材101−105を除いて、前記接地板組立て品68の曲げ工程/形づくり工程の前後において平板である。前記軸部120は、好ましくは、前記接触部材70に加えて第1部分から第3部分121−123を含んである。前記第1部分121は前記板部110に結合されており、前記接地板組立て品68の曲げ工程/形づくり工程の後、前記板部110に垂直に延びている。第2及び第3部分122,123は前記第1部分121に角度をなして延びており、前記接地板組立て品68の曲げ工程/形づくり工程の後、お互いに対向しており、前記軸64は、“V”又は“U”形状の開口内に位置している。内部方向に突出している複数の接触部材(又は、複数の舌)70は前記第2及び第3部分122,123に結合されており、前記軸64に接触している。前記複数の接触部材70の自由端部は、前記板部110と前記第2及び第3部分122,123の間に位置している。上述したように、前記接触部材70を含めて上記軸部120は、好ましくは前記フランジ60の内部に配置されている。
【0028】
図9は本発明の他の実施例を示しており、前記複数の接触部材(又は、複数の舌)70は前記フランジ60の外部に配置されている。この実施例は、図5から図8に示された本発明の実施例と反対方向に前記接地板組立て品68の複数の部分を曲げることによって得ることができることが理解される。好ましい実施例においては、前記複数の接触部材70の自由端部は、前記板部110と前記第2及び第3部分122,123の両者の上方に配置されている。
【0029】
このように、本発明はプリンターやコピー機のような画像形成装置のための改良された接触板組立て品又は接地板組立て品を提供することが高く評価されるだろう。本発明は、(1)放射状に外方に延びている前記接地板の複数の接触部材と前記ドラムの内部表面との接触、(2)放射状に内方に延びている複数の接触部材と前記接地軸との接触、(3)前記接地板組立て品が順応している前記フランジに設けられた複数の凹部、の結果として発生し得る種々の偏向又は曲げ工程にもかかわらず、接地板(又は、接触組立て品)、前記ドラムの内部表面、及び接地軸間の望ましい接触を確実にする点で効果がある。
【0030】
上述の開示に照らせば、本発明の多くの改変及び変形が可能である。それ故、添付の請求項の範囲内で、ここで特に開示したと別の方法で発明を実施し得ることを理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明が適用されたコピー機の概略図である。
【図2】本発明が適用されたプリンターの概略図である。
【図3】本発明の感光体ドラムの部分断面図である。
【図4】フランジの一例である。
【図5】本発明の接地あるいは接触組立て部品を、その「切断」態様で示す図である。
【図6A】図5に示した本発明の接地あるいは接触組立て部品の好ましい態様の上面からみた図である。
【図6B】図5に示した本発明の接地あるいは接触組立て部品の好ましい態様の下面からみた図である。
【図7】接地組立て部品と図4のフランジの分解組立等角図である。
【図8】接地組立て部品と図4のフランジの断面図である。
【図9】他の実施例の接地組立て部品とフランジの等角図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置のための感光体ドラム組立て品であって、
第1及び第2の開口端が規定されるドラムと;
前記第1の開口端に部分的に配置されたフランジと;
接地板組立て品であって、ドラム接触部材と軸接触部材とを含み、前記ドラム接触部材は前記ドラムの内部表面から電気的に抵抗性の被覆を取り除くように形づくられ、前記軸接触部材は接地軸と接触するように形づくられ、前記軸接触部材は完全に前記フランジの内部に配置されている接地板組立て品と、
を備えた感光体ドラム組立て品。
【請求項2】
前記フランジ内に規定された空隙を貫通して配置された軸をさらに備え、前記軸と前記接地板は前記ドラムの内部に対して接地通路を提供する請求項1記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項3】
前記接地板は複数のドラム接触部材を備え、少なくとも1つの前記ドラム接触部材は、前記電気的に抵抗性の被覆を取り除くよう形づくられている請求項2記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項4】
少なくとも1つの前記ドラム接触部材は、他の複数のドラム接触部材よりも長い長さである請求項3記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項5】
前記接地板は導電板と前記導電板の外周から放射状に突出している複数のドラム接触部材とを備える請求項1記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項6】
前記複数のドラム接触部材は少なくとも3つの円周方向に離間したドラム接触部材を備える請求項5記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項7】
前記複数のドラム接触部材は少なくとも5つの円周方向に離間したドラム接触部材を備え、前記複数のドラム接触部材の第1番目は第1の長さを有し、前記複数のドラム接触部材の一対は第2の長さを有し、前記第1の長さは前記第2の長さよりも大きい請求項6記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項8】
前記フランジは第1の凹部を規定し、前記第1のドラム接触部材は前記第1の凹部に隣接して配置されている請求項7記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項9】
前記接地板は平板部と前記平板部に対して曲げられた複数のドラム接触部材とを備えた請求項1記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項10】
前記軸接触部材は曲げられている請求項1記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項11】
前記接地板は複数の軸接触部材を備えた請求項10記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項12】
前記接地板は2つの軸接触部材を備えた請求項11記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項13】
前記2つの軸接触部材の自由端は前記フランジの内側表面と前記接地板の平板部表面との間に配置されている請求項12記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項14】
前記フランジは歯車表面を備えている請求項1記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項15】
前記フランジはプラスチックであり前記接地板は金属である請求項14記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項16】
前記フランジは前記ドラムの外部に配置された部分上の歯車表面を備え、前記フランジは接地軸を受け入れるように形づくられた孔を規定している請求項1記載の感光体ドラム組立て品。
【請求項17】
ドラム組立て品を備えた画像形成装置であって、
前記ドラム組立て品は:
第1及び第2の開口端が規定されるドラムと;
前記第1の開口端に配置されたフランジと;
接地板組立て品であって、ドラム接触部材と軸接触部材とを含み、前記ドラム接触部材は前記ドラムの内部表面から電気的に抵抗性の被覆を取り除くように形づくられ、前記軸接触部材は接地軸と接触するように形づくられ、前記軸接触部材は完全に前記フランジの内部に配置されている接地板組立て品と、
を備えた画像形成装置。
【請求項18】
前記接地板は複数のドラム接触部材を備え、少なくとも1つの前記前記ドラム接触部材は、他の複数のドラム接触部材よりも長い長さである請求項17記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記接地板組立て品は導電板を備え、複数のドラム接触部材が前記導電板の外周から放射状に突出している請求項18記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記複数のドラム接触部材は少なくとも5つの円周方向に離間した接触部材を備え、前記複数のドラム接触部材の第1番目は第1の長さを有し、前記複数のドラム接触部材の一対は第2の長さを有し、前記第1の長さは前記第2の長さよりも大きい請求項19記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記フランジは第1の凹部を規定し、前記第1のドラム接触部材は前記第1の凹部に隣接して配置されている請求項20記載の画像形成装置。
【請求項22】
前記接地板は平板部と前記平板部に対して曲げられた複数のドラム接触部材とを備えた請求項17記載の画像形成装置。
【請求項23】
前記フランジは歯車表面を備えている請求項17記載の画像形成装置。
【請求項24】
前記歯車表面は前記ドラムの外部に配置された前記フランジ部上に形成されている請求項23記載の画像形成装置。
【請求項25】
前記軸接触部材は曲げられている請求項17記載の画像形成装置。
【請求項26】
前記接地板は複数の軸接触部材を備えた請求項25記載の画像形成装置。
【請求項27】
前記接地板は2つの軸接触部材を備えた請求項26記載の画像形成装置。
【請求項28】
前記2つの軸接触部材の自由端は前記フランジの内側表面と前記接地板の平板部表面との間に配置されている請求項27記載の画像形成装置。
【請求項29】
画像形成装置のための感光体ドラム組立て品であって、
第1及び第2の開口端が規定されるドラムと;
前記第1の開口端に部分的に配置されたフランジと;
接地板組立て品であって、複数のドラム接触部材と軸接触部材とを含み、前記複数のドラム接触部材の1つは、他のドラム接触部材よりも長い長さであり、前記軸接触部材は接地軸と接触するように形づくられており、前記軸接触部材は完全に前記フランジの内部に配置されている接地板組立て品と、
を備えた感光体ドラム組立て品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−512574(P2007−512574A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541149(P2006−541149)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/032776
【国際公開番号】WO2005/057292
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(506254444)ミツビシ・カガク・イメージング・コーポレイション (3)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI KAGAKU IMAGING CORPORATION
【住所又は居所原語表記】401 Volvo Parkway, Chesapeake, Virginia 23320, U.S.A
【Fターム(参考)】