説明

画像形成装置制御システム、画像形成装置制御方法、画像形成装置制御プログラム

【課題】異なる画像形成装置から成るシステムの消費電力を効率的に軽減する。
【解決手段】画像形成装置に含まれる各動作ユニットそれぞれを認証された各利用者が過去に利用した利用量を前記利用履歴として記憶する利用履歴記憶部と、画像形成装置の利用が認証された利用者それぞれの画像形成装置の利用履歴に基づき画像形成装置がこの利用者により利用される予測業務利用量を導出する利用量予測部と、利用者の設置部屋における在室状況および予測された業務利用量に基づき対応する各画像形成装置の電源稼働状態を制御する前記電源制御部備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者からの操作に応じて画像形成処理を行う画像形成装置の稼働状態を制御する画像形成装置制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、スキャナ、ファックス装置などの画像形成を行う情報機器である画像形成装置では、顧客情報の誤送信や不正使用による漏洩を防ぐために、画像形成装置それぞれを利用する際に、ユーザごとの動作制限が行われるケースが増えてきている。この場合、通常、個人認証を実施し、認証に成功した場合に対象の画像形成装置が利用可能な状態に設定される。
【0003】
また、環境問題への対応という観点から、画像形成装置を使用していない時間帯においては、電子写真式のプリンタにおける定着器のヒータ部分への電力を停止、または低減することにより、節電を図るという利用形態が一般的になっている。
【0004】
しかしながら、例えば、プリンタにおける定着器のヒータ部分の電力停止を実施した場合、プリント時に定着温度に達するまでの時間がかかるため、使い勝手が著しく悪くなってしまうという不都合があった。
【0005】
これに対して、特定エリアの現時点の在籍人数を記憶する勤務管理装置と画像形成装置を接続し、勤務管理装置からユーザの現時点の在室人数を取得し、その在室人数から省電力状態へ移行時間を増減する画像形成装置が開示されている(特許文献1)。
【0006】
また、この関連技術として、ユーザが所持しているICタグと無線通信を行い、ユーザが装置に近づいてくる事を認識し、装置からの距離がある閾値より近づいてきた場合に節電状態を解除して動作状態にする技術が開示されている(特許文献2,3)。
【0007】
更に、この関連技術として、接続された異なる画像形成装置の利用状況からオプションの実装状態や、画像形成装置の状況などに基づき、消費効率の良い画像形成装置を選んで稼働するよう制御することにより消費電力を軽減するシステムが開示されている(特許文献4)。
【0008】
さらに、この関連技術として、画像形成装置などの情報機器に対してアクセスしてきたユーザが正規ユーザか否かを判断し、正規ユーザである場合、そのユーザの利用履歴からユーザが使用すると予測される機能モジュールを選択しその機能モジュールを電力供給対象として制御するシステムが開示されている(特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−014997号公報
【特許文献2】特開2010−135993号公報
【特許文献3】特開2007−049308号公報
【特許文献4】特開2004−074530号公報
【特許文献5】特開2010−072097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1〜3を組み合わせた内容では、画像形成装置が設置された部屋における利用者の在室人数に応じて、画像生成装置における動作状態を、通常動作状態、節電動作状態、またはスリープ状態と切り替える制御を行うものであるが、これは、例えば、在室人数が一定人数より少ないときには画像形成装置における節電移行時間が短く設定する、といった制御が行われる。
【0011】
しかしながら、この場合、利用者の画像形成装置の利用頻度や使用量はそれぞれ異なるものであるため、例えば、在室人数が少ない場合であっても、その在室利用者の中に画像形成装置の使用頻度が高いユーザがいる場合などには、画像形成装置における動作状態を
各利用者の使用ペースや使用量に合わせて制御することができず、各利用者にとって使い勝手のよい動作状態に設定することができないという不都合が生じ得る。
【0012】
また、上記関連技術である特許文献2,3では、ICタグを読み取る無線装置やカメラなどの装置周辺機器を配備しなければならず、システム構成としての構成機器が大規模かつ煩雑なものとなることから運用コストが膨大となってしまう、といった不都合がある。
【0013】
さらに、上記特許文献2、3を組み合わせた内容では、画像形成装置へ近づいてくる利用者と画像形成装置との距離を検知し、一定の距離に近づいたことを検知した場合に画像形成装置における節電状態を解除する。
これは、画像形成装置のうち、例えば、コピー機などのように、利用者が装置に近づいて操作を行う場合には有効であるが、プリンタやFAXのように、必ずしも装置に対して近づいて操作を行う必要のない機器については、有効な節電効果を得ることができないという不都合がある。
【0014】
また、上記特許文献4では、複数の異なる画像形成装置が接続される大掛かりなシステム構成となった場合、通常は自分の近くの画像形成装置から出力するのが使用者にとっては使い勝手が良いが、本システムを使用した場合には、ユーザに対して物理的に近くにある画像形成装置が必ずしも選択されるわけではなく、ユーザから物理的に遠い位置にある画像形成装置が利用可能な装置として選択された場合は、ユーザにとって使い勝手の悪いシステムとなってしまう不都合がある。
【0015】
更に、上記特許文献5では、記録されたユーザの装置使用履歴の情報が、例えば、1週間、1ヶ月以内、6ヶ月以内等と粗く設定されているため、各ユーザによる装置の使用状況を適切に予測することができないという不都合がある。また、ユーザの在室状況や現在時間等の状況も確認しておらず、システム全体としての大まかな節電設定を行うことはできても、各ユーザの使用状況に応じたフレキシブルな節電設定の切り替えができないため、効率的な節電を実現することが困難である。
【0016】
[発明の目的]
本発明は、上記関連技術の有する不都合を改善し、異なる画像形成装置から成るシステムの消費電力を効率的に軽減し得る画像形成装置制御システム、画像形成装置制御方法、および画像形成装置制御プログラムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置制御システムは、画像形成処理を行う画像形成装置における電源稼働状態を制御する電源制御部と、前記画像形成装置の利用者の認証判定を行うと共に前記画像形成装置が設置された設置部屋における前記利用者の在室状況を記憶管理する利用者認証部とを備えた画像形成装置制御システムであって、前記画像形成装置に含まれる各動作ユニットそれぞれを前記認証された各利用者が過去に利用した利用量を前記利用履歴として記憶する利用履歴記憶部と、前記画像形成装置の利用が認証された利用者それぞれの前記画像形成装置の利用履歴に基づき前記画像形成装置が前記利用者よって利用される予測業務利用量を導出する利用量予測部とを備え、前記電源制御部は、前記利用者の前記設置部屋における在室状況および前記予測された業務利用量に基づき前記対応する画像形成装置の電源稼働状態を制御する電源利用量制御手段を備えたことを特徴としている。
【0018】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置制御方法は、画像形成処理を行う画像形成装置の利用者の認証判定を行うと共に、前記画像形成装置が設置された設置部屋における前記利用者の在室状況を記憶管理する利用者認証部を備えた画像形成装置制御システムにあって、前記画像形成装置における電源稼働状態を制御する画像形成装置制御方法であって、前記画像形成装置に含まれる各動作ユニットそれぞれを前記認証された各利用者が過去に利用した利用量を前記利用履歴として記憶する処理を行い、前記画像形成装置の利用が認証された利用者それぞれの前記画像形成装置の利用履歴に基づき前記画像形成装置が前記利用者よって利用される予測業務利用量を導出し、前記電源制御部は、前記利用者の前記設置部屋における在室状況および前記予測された業務利用量に基づき前記対応する画像形成装置の電源稼働状態を制御することを特徴としている。
【0019】
また、本発明にかかる画像形成装置制御プログラムは、画像形成処理を行う画像形成装置の利用者の認証判定を行うと共に、前記画像形成装置が設置された設置部屋における前記利用者の在室状況を記憶管理する利用者認証部を備えた画像形成装置制御システムにあって、前記画像形成装置における電源稼働状態を制御するための画像形成装置制御プログラムであって、前記画像形成装置に含まれる各動作ユニットそれぞれを前記認証された各利用者が過去に利用した利用量を前記利用履歴として記憶する処理を行う利用履歴記憶処理機能と、前記画像形成装置の利用が認証された利用者それぞれの前記画像形成装置の利用履歴に基づき前記画像形成装置が前記利用者よって利用される予測業務利用量を導出する利用量予測機能と、前記電源制御部は、前記利用者の前記設置部屋における在室状況および前記予測された業務利用量に基づき前記対応する画像形成装置の電源稼働状態を制御する電源利用量制御機能とを、前記画像形成装置制御システムのコンピュータにより実現することを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、異なる動作ユニットからなる画像形成装置における各動作ユニットの稼働状態を利用者の人数および使用状況に応じて効率的に制御することにより、画像形成装置における消費電力を効率的に軽減し得る画像形成装置制御システム、画像形成装置制御方法、および画像形成装置制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による画像形成装置制御システムにおける一実施形態を示す概略ブロック図である。
【図2】図1に開示した画像形成装置制御システムにおけるユーザ認証部および入力操作部における動作内容を示すフローチャートである。
【図3】図1に開示した画像形成装置制御システムにおけるRFID部および入力操作部の動作状態の一例を示す説明図である。
【図4】図1に開示した画像形成装置制御システムにおける画像形成装置それぞれの動作状態を示すテーブル情報の一例を示す説明図である。
【図5】図1に開示した画像形成装置制御システムにおける一実施形態を示す概略ブロック図である。
【図6】本発明による画像形成装置制御システムにおける一実施形態(変形例)を示す概略ブロック図である。
【図7】本発明による画像形成装置制御システムにおける一実施形態を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[実施形態]
次に、本発明の実施形態について、その基本的構成内容を説明する。
【0023】
本実施形態である画像形成装置制御システム100は、図1に示すように、ユーザが保持するIDカードのRFIDタグから発信された電波を検知しこの電波からユーザIDを読み取るRFID部5と、RFID部5で読み取られたユーザIDに基づき個人認証を行うユーザ認証部7と、ユーザからの入力を受けるタッチパネルを備えた入力操作部6と、予め設定された画像形成機能を備えユーザからの操作に応じて機能する画像形成装置を備えた構成を有する。
尚、上記画像形成装置として本実施形態では、スキャナ部8、FAX通信部9、プリンタ部10が含まれるものとする。
【0024】
また、画像形成装置制御システム100は、上記ユーザ認証部7や画像形成装置を構成する各動作ユニット(スキャナ部8、FAX通信部9、プリンタ部10)それぞれの動作を制御する主制御部3と、主制御部3からの制御信号に基づき動作し、上記画像形成装置として予め設けられたスキャナ部8、FAX通信部9、およびプリンタ部10における電源のON/OFF状態、またはプリンタ部10の定着ヒータ部の温度段階を制御する電源制御部11と、画像形成装置を利用する各ユーザの在室状況や業務、ジョブ数をテーブル情報として記憶保持するメモリ部4を備えている。
【0025】
更に、画像形成装置制御システム100は、主制御部3に対して現在時刻を通知する時計部12と、主制御部3に対してプリント対象のデータを送り込むPCプリントデータ入力部1と、このPCプリントデータ入力部1に接続されて動作するパーソナルコンピュータ13と、このパソコン13と主制御部3とを相互に接続するLAN通信部2を有する。
【0026】
尚、本実施形態では、上記構成を有する画像形成装置制御システム100がある部屋に設置されているものとする。
例えば、出社したユーザがこの画像形成装置制御システム100に実装されているRFID部5に対してIDカードをかざすことにより、ユーザIDが読み取られ、個人認証を行う。
本実施形態では、画像形成装置制御システム100が設置された部屋に対する入退室や各ユーザの在室状況を上記RFID部5により読み取ったユーザIDに基づき画像形成装置制御システム100が監視する。
【0027】
ユーザ認証部7は、RFID部5で読み取られたユーザ個別のユーザIDを取得し、このユーザIDに対応するユーザが予め設定された画像形成装置の操作可能ユーザであるか否か、つまり、予め登録されたユーザであるか否かを認証判定する。
これにより、画像形成装置の利用にかかるセキュリティを有効に高めることが可能となる。
【0028】
尚、この時のユーザIDによる認証判定については、本画像形成装置制御システムの管理者がRFIDタグの情報とユーザ情報(ユーザID)を結び付けて、ユーザ認証部7に予め登録されているものとする。
【0029】
ここで、取得されたユーザIDが操作可能ユーザのIDであることがユーザ認証部7で認証された場合に、主制御部3は、入力操作部6の表示部61(図3)には、「在室」、「不在」、「会議」を選択指定可能な画面を出力表示する設定であってもよい。
【0030】
ユーザ認証部7が、主制御部3を介して取得したIDに基づきユーザを認証(判定を行い)し、画像形成装置 の操作可能者であるか否かを判定する。
ここで、操作可能者と認証された場合には、主制御部3は、メモリ部4に予め配置されたユーザ情報メモリ部42に各種情報を登録する。
【0031】
尚、ユーザ情報メモリ部42には、通知されたユーザIDをキーとして、このIDに対応するユーザの在室状況、本日の業務状況、使用履歴、FAX受信JOBの状況などの情報が格納されており、主制御部3は、これらの情報から機能ユニットの使用予定枚数を予測する使用予定数予測機能を有する。
【0032】
電源制御部11には、画像形成装置の各機能ユニットが内部の主要ブロックごとに電源ON/OFFの切り替えができるように接続されているものとする。
【0033】
また、電源制御部11は、画像形成装置の機能ユニットとしての表示や操作入力を行う入力操作部6、原稿を読み取るスキャナ部8、FAX通信を行うFAX通信部9、印刷データを出力するプリンタ部10の内部の主要ブロックごとの電源制御を、ユーザ情報メモリ部42に格納された情報から各機能ユニットごとの電源制御をフレキシブルに切り替えることにより、消費電力削減を行う。
【0034】
尚、本画像形成装置の動作は、RFIDによる認証が通らない場合、各機能を動かすことができない(すなわち、起動不能に設定されるものとする)ものとする。これにより、コピー出力時、プリント出力時、スキャナ動作時、FAX送信時にRFIDをかざして認証OKとなった場合に限って、それぞれの操作を行うことが可能となる。また、これにより、ひとつのユニットを動作させた時に、同時に他の機能も動作させるようにすることが可能となる。
【0035】
スキャナ部8は、図1に示すように、メカ系の制御ユニットやセンサ関係のユニットで構成されるメカ制御部81と、読み取った画像に対して画像形成処理を行う画処理部82から成る。
【0036】
また、ファックス通信部9は、FAX通信を行う通信部91と相手からの着信を認識する着信部92から成る。また、プリント部10は印刷するデータを感光体ドラムに形成する画像生成部101と用紙に転写されたトナー画像をヒータで過熱したローラで熱定着させる定着ヒータ部102から成る。
【0037】
更に、入力操作部6は、枚数指示や相手先指定など装置の動作起動を行うタッチパネルやボタンで構成されるタッチパネル・ボタン部6bと表示を行う表示部61に分けられた設定であるものとする。
【0038】
次に、電源制御部11における、上記画像形成ユニット(スキャナ部8、FAX通信部9、プリンタ部10)ごとの電源制御について、図5に基づき説明する。図5は、電源制御部11で制御するパターンテーブル表の一例を示す。
【0039】
尚、入力操作部6(図5:501)については3つの状態(状態(1)〜(3))が想定される。
ここで、状態(1)は、表示部がON、タッチパネルがON状態に設定され、入力操作部6全体の電源がON状態に設定されている。
この状態は、全機能が動作可能で、且つ消費電力が高い状態となっており、入力操作部6からの装置動作指示が行われたときがこの状態に相当する。
【0040】
また、状態(2)は、表示部がOFF、タッチパネルがON状態に設定され、画面表示が消えているが入力操作部のタッチパネルやスイッチが押下されると、表示部をON状態に設定する、つまり、通常の起動状態に復帰可能な状態(表示スリープ状態)に相当する。
【0041】
また、状態(3)は、表示部がOFF、タッチパネルがOFF状態に設定され、更には、入力操作部全体の電源がOFFされている状態であり、入力操作部としては消費電力が最も低い状態である。この状態下では、入力操作部を使用しない機能は動作可能であるものとする。
【0042】
同様にスキャナ部8についても、図5のカラム502に示すように、3つの状態が想定される。
スキャナ部8の状態(1)では、メカ制御部81がON状態、画処理部82がON状態であり、スキャナ部8全体の電源がON状態に設定されており、全機能が動作可能である状態を示す。尚、この状態は消費電力が最も高い状態であり、この時は、スキャナ機能を動作させる状態に相当する。
【0043】
スキャナ部8の状態(2)では、メカ制御部81がOFF状態、画処理部82がON状態であり、画像処理部の初期設定が完了している状態でメカ制御部の電源がONになるとすぐに動作可能な状態に設定される、つまり復帰動作可能な状態を示す。
【0044】
スキャナ部8の状態(3)は、メカ制御部81がOFF状態、画処理部82がOFF状態であり、スキャナ部8全体の電源がOFFされている状態であり、スキャナ部8としては消費電力が最も低い状態である。この状態下では、スキャナ部8を使用しない他の機能は動作可能であるものとする。
【0045】
更に、FAX通信部9についても、図5のカラム503に示すように、3つの状態が想定される。
FAX(ファックス)通信部9の状態(1)では、通信部91がON状態、着信部92がON状態であり、ファックス通信部9全体の電源がON状態に設定されており、全機能が動作可能である状態を示す。尚、この状態は消費電力が最も高い状態であり、この時は、ファックス機能(送信および受信機能)を動作させる状態に相当する。
【0046】
ファックス通信部9の状態(2)では、通信部91がOFF状態、着信部92がON状態であり、ファックス通信部9のリンガ着信が可能な状態で、リンガ着信後通信部がONになると受信が可能な状態を示す。
【0047】
ファックス通信部9の状態(3)は、通信部91がOFF状態、着信部92がOFF状態であり、ファックス部9全体の電源がOFFされている状態であり、消費電力が最も低い状態である。この状態下では、ファックス機能以外の他の機能は動作可能であるものとする。
【0048】
また、プリンタ部10の画像生成部については、図5のカラム504に示すように、2つの場合が想定される。プリンタ部10の状態(1)では、画像生成部101がON状態で印刷するデータを感光体ドラムに形成することが可能な状態であるものとする。
【0049】
定着ヒータ部102については、消費電力を削減するためには、最も効果的なユニットであり、ここでは、例えば、5段階の温度設定が可能であるものとする(図5のカラム505)。この段階数については任意に設定できるようにしてもよい。
【0050】
消費電力に付いては定着ヒータ部102の状態(1)>(2)>(3)>(4)>(5)の順番で大きく、記録紙への画像定着までの待ち時間についても、同様に(1)>(2)>(3)>(4)>(5)の順番で復帰までが速い(つまり、復帰までの時間が短い)。
【0051】
ここで、装置の消費電力を低く抑えるためには、上記機能ユニットの何れの場合においても数字が大きい方(例えば、(1)、(2)、(3)では(3)側)の状態をできる限り選択するものとする。
【0052】
[変形例]
本実施形態は、その変形例として、図6に示すように、ユーザ認証が通らない場合に、このユーザから要求される画像形成JOBを記憶保持し、その後ユーザ認証が通った場合に、記憶保持した画像形成ジョブを電源制御部11が一括して実行する一括動作制御部111を備えた構成であってもよい。
【0053】
この場合、本画像形成装置の動作はRFIDによる認証が通らない場合に、画像形成装置の各機能を稼働することができないように制御されるものとする。
【0054】
これにより、コピー出力時、プリント出力時、スキャナ動作時、FAX通信時にRFIDをかざして認証OKとなった場合に、それぞれの動作を可能にすることによって、ひとつのJOBにてRFIDをかざして起動した場合に他のJOBも合わせて動作するものとする。
【0055】
ここで、例えば、プリントJOBを行う場合には、認証OKとならなければ印刷を行わず、ユーザがRFIDカードをかざし認証OKと判定されたときに、それまで印刷(プリントアウト)されずにデータとして記憶されていた内容をまとめてプリントアウトする構成であってもよい。
【0056】
また、その時にFAX受信した受信文書や、コピーの記録なども同様に、JOBストックとして記憶されたJOBがまとめて実行される設定であってもよい。
【0057】
これは、例えば、図3の入力操作部6の表示部61の下段に記載している内容で説明する。RFIDをかざし、ユーザ認証された後に、機能ボタンを押下して、その機能を動作させる。
【0058】
そのJOBを行った後、同時にメモリ内に残っているそのユーザのJOBを合わせて動作させように制御する。
【0059】
このようにすることで、ユーザごとのJOBをユーザ認証時にまとめて動作させることが可能となるため、これにより、画像形成装置を稼働する時間が短縮され、このため、消費電力の削減とセキュリティを更に向上することが可能となる。
【0060】
また、図7に示すように、上記実施形態におけるユーザ認証部7に代えて、ユーザの認証及びユーザ情報の登録を行う、インターネットなどのネットワーク回線を介して主制御部3に接続された認証サーバ20を備えた構成としてもよい。
【0061】
これにより、画像形成装置を利用するユーザ数が増大した場合や、画像形成装置を構成する動作ユニットの数が増大した場合、また、メモリ部4で管理されるテーブル情報が増大し履歴管理を曜日、月、または年単位で行う必要がある場合などにも、これらの情報を、メモリ部4に代えて認証サーバ20で管理することが可能となる。
【0062】
[実施形態の動作説明]
次に、上記実施形態における全体的な動作内容について説明する。
まず、認証された各利用者が画像形成装置に含まれる各動作ユニットそれぞれを過去に利用した利用量を利用履歴としてメモリ部4に記憶する(利用履歴記憶処理工程)。
主制御部3は、画像形成装置の利用が認証された利用者それぞれの前記画像形成装置の利用履歴に基づき前記画像形成装置が前記利用者よって利用される予測業務利用量を導出し(利用量予測工程)、次いで、電源制御部11が、利用者の設置部屋における在室状況および前記予測された業務利用量に基づき、対応する画像形成装置の電源稼働状態を制御する(電源利用量制御工程)。
【0063】
ここで、上記利用履歴記憶処理工程、利用量予測工程、および電源利用量制御工程については、その実行内容をプログラム化し、コンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0064】
また、本プログラムは、非一時的な記憶媒体、例えば、DVD、CD、フラッシュメモリなどに記録されてもよい。その場合、本プログラムは、記録媒体からコンピュータによって読み出され、実行される。
【0065】
次に、本実施形態の画像形成装置制御システム100における入力操作部6の表示部61およびタッチパネル・ボタン部62の動作について、図2のフローチャートに基づき具体的に説明する。
【0066】
まず、出社したユーザが、本実施形態である画像形成装置制御システム100に実装されているRFID部5に対してIDカードをかざす(ステップS201(図2))。
ここでは、ユーザ個別のユーザIDを示す情報がIDカードのRFIDタグ内に予め記憶されているものとする。
【0067】
次いで、ユーザ認証部7が、RFID部5で読み取られたユーザ個別のユーザIDを取得し(ステップS202)、このユーザIDに対応するユーザが予め設定された画像形成装置の操作可能ユーザであるか否か、つまり、予め登録されたユーザであるか否かを認証判定する(ステップS203)。
尚、この時のユーザIDによる認証判定については、本画像形成装置制御システムの管理者がRFIDタグの情報とユーザ情報(ユーザID)を結び付けて、ユーザ認証部7に予め登録されているものとする。
【0068】
ここで、取得されたユーザIDが操作可能ユーザのIDであることがユーザ認証部7で認証された場合に(イエス:認証OK)、主制御部3は、入力操作部6の表示部61(図3)には、「在室」、「不在」、「会議」を選択指定可能な画面を出力表示する(ステップS204:在室状況入力画面表示)。
尚、表示部61はタッチパネル機能を備えた構成であり、ユーザが画面を触る(タップする)ことで、「在室」、「不在」、「会議」を選択入力することが可能であるものとする。
【0069】
ここでは、ユーザが、出社したことを示す「在室」を押下(タップ)するものとする(ステップS205)。
次いで、主制御部3は、RFID部5から入力されたユーザIDに基づき本画像形成装置制御システム100が設置された部屋の在室人数をカウントする(ステップS208)。
【0070】
このとき、表示部61は、引き続き「業務状況」を入力する画面として「使用→多」、「使用→中」、または「使用→少」を表示しているものとする。
【0071】
次いで、ユーザは本日の業務に基づき、予め設定された画像形成装置(6、8、9、10)の使用頻度の予定を入力する(ステップS209)。
また、出社した他のユーザも、上記ユーザと同様に、RFID部5および入力操作部6を使用して同様の情報を入力するものとする。これにより、画像形成装置を使用する人数や状況が登録される。
【0072】
ここで、表示部61は、在室状況入力画面が表示された状態に待機状態として設定されるものとする。
【0073】
次いで、画像形成装置が置かれた位置を含む一定のエリアからユーザが離れる場合や、画像形成装置が置かれた部屋からユーザが退出する場合には、ユーザは自己の保持するカードをRFID部5にかざして読み取らせ、表示部61に出力表示された、「不在」または「会議」などのダイアログ表示を選択指定した後、退出するものとする(ステップS206、S207)。
【0074】
ここで、「不在」が選ばれた場合には(ステップS207)、主制御部3は、在室人数をカウントし登録内容を更新した後、次にRFIDカードがかざされるまで、対応するユーザの在室状態は不在(状態設定)状態に設定する。
【0075】
また、「会議」が選択された場合(ステップS206)、主制御部3は、N時間後(Nは別途登録する)などに自動で「在室(会議前の状態)」のモード切り替える(ステップS212)。予め設定されたN時間が経過した場合は会議押下された前の状態に在室状況入力画面に設定されるものとする。
【0076】
ここで、ステップS204の状態で選択された情報(「在室」、「不在」、または「会議」)はメモリ部4のユーザメモリ部42に登録される。
【0077】
次に、入力操作部6に対するユーザからの入力に基づき、主制御部3がユーザメモリ部42に記憶されたテーブル情報の内容を更新する動作について、図4に基づき具体的に説明する。
【0078】
まず、主制御部3は、表示部61に対する入力があった場合に、この入力内容に応じてユーザメモリ部42に格納されたテーブル情報におけるユーザID(401:001〜004)をキーとしてユーザA〜D(402)を確認する。
【0079】
また、主制御部3は、ユーザにより表示部61を介して入力された情報、つまり、入力操作部6から入力されたユーザの在室状況(403)を示す情報(「在室」、「会議中」、「不在」)、および業務状況(404)を示す情報(「多」、「中」、または「少」)を取得する。
【0080】
ここで、ユーザメモリ部42に格納されたテーブル情報における、使用履歴を示す各カラム(405〜408)は、本日から1日前、2日前、・・・、n日前までの各動作モードごとのある決まった時間における、コピー、プリント、FAX受信、FAX送信、スキャナそれぞれの使用枚数をユーザごとに記録したものである。
【0081】
具体的には、ID001であるユーザAは、2日前の8時〜10時の間にコピー15枚、プリント30枚、ファックス送信1枚、ファックス受信1枚、スキャナ7枚のジョブを実施していることが示されている(407:図4)。
【0082】
また、主制御部3は、本日の使用状況も随時確認すると共に、使用履歴の本日の使用履歴カラム(405)に使用枚数を登録する。
次いで、主制御部3は、ユーザメモリ部42のテーブル情報を使用し、特定の時間ごとのコピー、プリント、FAX受信・送信、スキャナ各機能(画像形成機能)の使用予定枚数を予測し、その値をテーブル情報に登録する(図4)。
【0083】
このとき、入力操作部6にて「不在」、「会議」を選択しているユーザがいる場合には(図4では、ID003のC、ID004のDが該当)、そのユーザのデータは使用せずに使用予定枚数を予測するものとする。
【0084】
次に、電源制御部11が、使用予測の枚数(409)と本日の使用履歴(305)に基づき、各機能ユニットの電源制御を行う動作内容について、図4に基づき説明する。
【0085】
ここで、ユーザが画像形成装置ユニットを利用する現在時間は13:30であるものとする。このとき、ID001のユーザAは在室中で、本日は画像形成装置を使うことが多く、FAX機能はほとんど使用しないが、プリントとコピー動作を多く行い、スキャナも少し使用することが予想されているものとする。
【0086】
また、ID0002のユーザBが在室中で、本日は装置を使うことは普通で(通常通り)、ファックス機能とスキャナ機能はほとんど使用しないがプリント動作、コピー動作は少し使用することが予想されている。
【0087】
尚、ID0003のユーザCは会議中のため検討から除外。ID0004のユーザDも不在のため検討から除外する。
【0088】
ここで、メモリ部に格納されたテーブル情報の枚数予測(409)と本日の使用履歴(405)を確認すると、ほぼ予測通りに使用されていることが示されている(図4)。
このとき、電源制御部11は、使用予測の枚数(409)と本日の使用履歴(305)に基づき、各機能ユニットの電源制御を行う。
【0089】
電源制御部11は、13:30の登録内容(図4)に基づき、ファックス通信部9の電源をOFF(図5:503→(3)の状態)、スキャナ部8の電源はON(図5:502→(1)の状態)、入力操作部6は表示部61をON(図5:501→(2)の状態)、プリンタ部10の画像生成部101はON(図5:502→(1)の状態)、定着ヒータ部102は定着温度の3/4(図5:505→(2)の状態)になるように機能ユニットの電源を制御する。
【0090】
また、電源制御部11は、12〜13時頃の昼の時間などは、画像形成装置を使用するユーザはほとんどいないため、全ての機能ユニットの電源をOFF状態に設定する。
また、業務時間が終わり、ユーザが帰宅する時にも「不在」にしていくことから、在室の人数も把握できフレキシブルに電源制御が可能となる。
【0091】
以上のように、本実施形態では、画像形成装置としてのスキャナ部8、FAX通信部9、およびプリンタ部10はそれぞれ予測された使用見込みと現在の使用枚数から必要な機能のON/OFF制御を行うことで消費電力をできる限り削減しながらも、ユーザの待ち時間を削減できることが可能となる。
【0092】
また、本実施形態では、画像形成装置それぞれをユーザが操作するときに、RFID機能等の無線通信による個人認証を実施することにより、ユーザごとの動作制限を行いつつ、認証されたユーザの在室状況や画像形成装置の使用履歴、ユーザの業務の状況、FAX受信ジョブの状況などに基づいて画像形成装置の各機能であるスキャナ部、FAX通信部、プリンタ部、入力操作部の稼働状態をフレキシブルに切り替える制御を行うことができる。
【0093】
これにより、画像形成装置全体としての消費電力を軽減することが可能となり、また、画像形成装置の動作待ち時間を軽減することができ、更には、スリープ状態に設定された各画像形成装置の動作状態を稼動状態へと迅速に復帰させることが可能となる。
【0094】
上述した実施形態については、その新規な技術的内容の要点をまとめると、以下のようになる。
尚、上記の実施形態の一部又は全部は、新規な技術として以下のようにまとめられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0095】
(付記1)
画像形成処理を行う画像形成装置における電源稼働状態を制御する電源制御部と、前記画像形成装置の利用者の認証判定を行うと共に前記画像形成装置が設置された設置部屋における前記利用者の在室状況を記憶管理する利用者認証部とを備えた画像形成装置制御システムであって、
前記画像形成装置に含まれる各動作ユニットそれぞれを前記認証された各利用者が過去に利用した利用量を前記利用履歴として記憶する利用履歴記憶部と、
前記画像形成装置の利用が認証された利用者それぞれの前記画像形成装置の利用履歴に基づき前記画像形成装置が前記利用者よって利用される予測業務利用量を導出する利用量予測部とを備え、
前記電源制御部は、前記利用者の前記設置部屋における在室状況および前記予測された業務利用量に基づき前記対応する画像形成装置の電源稼働状態を制御する電源利用量制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置制御システム。
【0096】
(付記2)
付記1に記載の画像形成装置制御システムにおいて、
前記認証された各利用者の前記設置部屋における在室または不在状態を示す入力を受け付けると共に前記入力内容を前記利用者認証部に通知する在室状況通知入力部を備えたことを特徴とする画像形成装置制御システム。
【0097】
(付記3)
付記1に記載の画像形成装置制御システムにおいて、
前記画像形成装置に対する前記利用者からの動作要求を受け付け記憶保持すると共に、前記利用者が認証された場合に前記記憶保持した動作要求に応じた画像形成処理を実行する一括動作制御部を備えたことを特徴とする画像形成装置制御システム。
【0098】
(付記4)
付記1に記載の画像形成装置制御システムにおいて、
前記利用者認証部は、前記設置部屋に設置され、前記設置部屋における各利用者の入退室時に各ユーザのユーザIDが記憶されたID機器が当該利用者認証部から一定範囲内に近接した場合に近接通信を介して前記ユーザIDを取得する近接通信手段を備えたことを特徴とする画像形成装置制御システム。
【0099】
(付記5)
付記1に記載の画像形成装置制御システムにおいて、
前記電源制御部は、前記画像形成装置に含まれる各動作ユニットの電源のON/OFF状態または各動作ユニットにおけるヒータの温度段階の高低を段階的に制御する電源利用量段階制御手段を備えたこと特徴とする画像形成装置制御システム。
【0100】
(付記6)
付記5に記載の画像形成装置制御システムにおいて、
電源利用量段階制御手段は、前記予測業務利用量がより高い前記動作ユニットが稼働状態に設定されるまでの動作待機時間がより短くなるように設定する待機時間制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置制御システム。
【0101】
(付記7)
画像形成処理を行う画像形成装置の利用者の認証判定を行うと共に、前記画像形成装置が設置された設置部屋における前記利用者の在室状況を記憶管理する利用者認証部を備えた画像形成装置制御システムにあって、前記画像形成装置における電源稼働状態を制御する画像形成装置制御方法であって、
前記画像形成装置に含まれる各動作ユニットそれぞれを前記認証された各利用者が過去に利用した利用量を前記利用履歴として記憶する処理を行い、
前記画像形成装置の利用が認証された利用者それぞれの前記画像形成装置の利用履歴に基づき前記画像形成装置が前記利用者よって利用される予測業務利用量を導出し、
前記電源制御部は、前記利用者の前記設置部屋における在室状況および前記予測された業務利用量に基づき前記対応する画像形成装置の電源稼働状態を制御することを特徴とした画像形成装置制御方法。
【0102】
(付記8)
画像形成処理を行う画像形成装置の利用者の認証判定を行うと共に、前記画像形成装置が設置された設置部屋における前記利用者の在室状況を記憶管理する利用者認証部を備えた画像形成装置制御システムにあって、前記画像形成装置における電源稼働状態を制御するための画像形成装置制御プログラムであって、
前記画像形成装置に含まれる各動作ユニットそれぞれを前記認証された各利用者が過去に利用した利用量を前記利用履歴として記憶する処理を行う利用履歴記憶処理機能と、
前記画像形成装置の利用が認証された利用者それぞれの前記画像形成装置の利用履歴に基づき前記画像形成装置が前記利用者よって利用される予測業務利用量を導出する利用量予測機能と、
前記電源制御部は、前記利用者の前記設置部屋における在室状況および前記予測された業務利用量に基づき前記対応する画像形成装置の電源稼働状態を制御する電源利用量制御機能とを、前記画像形成装置制御システムのコンピュータにより実現することを特徴とした画像形成装置制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、特定の部屋に設置された装置の電源状態のON/OFFまたは各装置における温度段階の高低を上記部屋内における利用者の在室状況に応じて制御する装置稼働状態制御システムに対して有効に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 PCプリントデータ入力部
2 LAN通信部
3 主制御部
4 メモリ部
5 RFID部
6 入力操作部
7 ユーザ認証部
8 スキャナ部
9 ファックス(FAX)部
10 プリンタ部
11 電源制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成処理を行う画像形成装置における電源稼働状態を制御する電源制御部と、前記画像形成装置の利用者の認証判定を行うと共に前記画像形成装置が設置された設置部屋における前記利用者の在室状況を記憶管理する利用者認証部とを備えた画像形成装置制御システムであって、
前記画像形成装置に含まれる各動作ユニットそれぞれを前記認証された各利用者が過去に利用した利用量を前記利用履歴として記憶する利用履歴記憶部と、
前記画像形成装置の利用が認証された利用者それぞれの前記画像形成装置の利用履歴に基づき前記画像形成装置が前記利用者よって利用される予測業務利用量を導出する利用量予測部とを備え、
前記電源制御部は、前記利用者の前記設置部屋における在室状況および前記予測された業務利用量に基づき前記対応する画像形成装置の電源稼働状態を制御する電源利用量制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置制御システムにおいて、
前記認証された各利用者の前記設置部屋における在室または不在状態を示す入力を受け付けると共に前記入力内容を前記利用者認証部に通知する在室状況通知入力部を備えたことを特徴とする画像形成装置制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置制御システムにおいて、
前記画像形成装置に対する前記利用者からの動作要求を受け付け記憶保持すると共に、前記利用者が認証された場合に前記記憶保持した動作要求に応じた画像形成処理を実行する一括動作制御部を備えたことを特徴とする画像形成装置制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置制御システムにおいて、
前記利用者認証部は、前記設置部屋に設置され、前記設置部屋における各利用者の入退室時に各ユーザのユーザIDが記憶されたID機器が当該利用者認証部から一定範囲内に近接した場合に近接通信を介して前記ユーザIDを取得する近接通信手段を備えたことを特徴とする画像形成装置制御システム。
【請求項5】
請求項1に記載の画像形成装置制御システムにおいて、
前記電源制御部は、前記画像形成装置に含まれる各動作ユニットの電源のON/OFF状態または各動作ユニットにおけるヒータの温度段階の高低を段階的に制御する電源利用量段階制御手段を備えたこと特徴とする画像形成装置制御システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置制御システムにおいて、
電源利用量段階制御手段は、前記予測業務利用量がより高い前記動作ユニットが稼働状態に設定されるまでの動作待機時間がより短くなるように設定する待機時間制御機能を備えたことを特徴とする画像形成装置制御システム。
【請求項7】
画像形成処理を行う画像形成装置の利用者の認証判定を行うと共に、前記画像形成装置が設置された設置部屋における前記利用者の在室状況を記憶管理する利用者認証部を備えた画像形成装置制御システムにあって、前記画像形成装置における電源稼働状態を制御する画像形成装置制御方法であって、
前記画像形成装置に含まれる各動作ユニットそれぞれを前記認証された各利用者が過去に利用した利用量を前記利用履歴として記憶する処理を行い、
前記画像形成装置の利用が認証された利用者それぞれの前記画像形成装置の利用履歴に基づき前記画像形成装置が前記利用者よって利用される予測業務利用量を導出し、
前記電源制御部は、前記利用者の前記設置部屋における在室状況および前記予測された業務利用量に基づき前記対応する画像形成装置の電源稼働状態を制御することを特徴とした画像形成装置制御方法。
【請求項8】
画像形成処理を行う画像形成装置の利用者の認証判定を行うと共に、前記画像形成装置が設置された設置部屋における前記利用者の在室状況を記憶管理する利用者認証部を備えた画像形成装置制御システムにあって、前記画像形成装置における電源稼働状態を制御するための画像形成装置制御プログラムであって、
前記画像形成装置に含まれる各動作ユニットそれぞれを前記認証された各利用者が過去に利用した利用量を前記利用履歴として記憶する処理を行う利用履歴記憶処理機能と、
前記画像形成装置の利用が認証された利用者それぞれの前記画像形成装置の利用履歴に基づき前記画像形成装置が前記利用者よって利用される予測業務利用量を導出する利用量予測機能と、
前記電源制御部は、前記利用者の前記設置部屋における在室状況および前記予測された業務利用量に基づき前記対応する画像形成装置の電源稼働状態を制御する電源利用量制御機能とを、前記画像形成装置制御システムのコンピュータにより実現することを特徴とした画像形成装置制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−46211(P2013−46211A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182533(P2011−182533)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】