説明

画像形成装置及びプリンタドライバプログラム

【課題】カラー画像データからモノクロ画像データに変換して出力する際に、ユーザが意図した、識別可能な出力結果を得ることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、スキャナ部を介して取得したカラー画像データをモノクロ画像データに変換する。カラー画像データのカラー画像の内、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、モノクロ画像データのモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定する。判定が肯定の場合、モノクロ画像における隣接する2つの領域の濃度を異ならせた代替画像データを操作パネルにプレビュー表示する。そして、ユーザに選択されたいずれかの代替画像データを出力する。一方、判定が否定の場合、モノクロ画像データに基づくモノクロ画像を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプリンタドライバプログラムに関し、特に、カラー画像データをモノクロ画像データに変換して出力する画像形成装置及びプリンタドライバプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
モノクロからカラーへの移り変わりに伴い、MFP(Multifunction Peripheral:複合機)及びプリンタ等に代表される画像形成装置においても、モノクロ機からカラー機への置き換えが進んでいる。
【0003】
近年、普及比率において、カラー機がモノクロ機を逆転する状態になっている。それに伴い、カラー機とモノクロ機との出力コスト差(印刷コスト差)も従来に比べて小さくなりつつある。そのため、出力(印刷)する原稿がカラー画像を含むカラー原稿の場合は、カラーで出力(印刷)することが多くなっている。
【0004】
しかし、カラー機とモノクロ機との出力コスト差が小さくなりつつあるとはいえ、出力コストはいまだモノクロ機の方が小さい。出力枚数が多くなるとそのコスト差も大きくなる。そのため、経費節減の観点、並びにエコロジーの観点等から、カラー出力を制限或いは禁止する企業及びユーザも多い。また、昨今の経済不況により、そのような企業、ユーザも増加する傾向にある。このようなユーザ等においては、データの作成及び閲覧はカラーモード(カラー表示)で行なうものの、印刷はモノクロモード(モノクロ出力)で実行するといったことが行なわれている。
【0005】
一方、印刷の際のカラー画像データからモノクロ画像データへの変換は、RGB情報(R:赤、G:緑、B:青)をグレースケール情報に変換する色処理だけであるため、出力物内(印刷原稿内)に印刷された領域を識別し難い場合がある。例えば、カラー画像データが複数の領域を持ち、領域別に異なる色で着色されている場合に、そのカラー画像データをモノクロ画像として印刷すると、各領域が色の違いではなく明るさの違いだけで表示されるため、隣接する領域の濃度差が小さいと、隣接する領域の境界が見分けにくくなるという不都合がある。
【0006】
このような不都合を解消するために、後掲の特許文献1は、互いに隣接する領域に対して濃度差が所定値以上となるように一方の領域の濃度を書き換える画像調整装置を提案する。特許文献1の画像調整装置では、上記構成より、カラー画像データからモノクロ画像データに変換して印刷を行なった場合でも、隣接する領域の境界が識別可能となるため、内容を識別し易い印刷物(ハードコピー)が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−67124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1では、隣接する各領域が識別可能な印刷物は得られるものの、印刷物の見え方はユーザ毎に異なり、またユーザ毎の好みもあるため、得られる印刷物はユーザが意図するイメージの印刷物ではないことがある。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、カラー画像データからモノクロ画像データに変換して出力する際に、ユーザが意図した、識別可能な出力結果を得ることが可能な画像形成装置及びプリンタドライバプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による画像形成装置は、表示装置と、入力されたカラー画像データをモノクロ画像データに変換するための変換手段と、カラー画像データにより表されるカラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定するための判定手段と、判定手段による判定が肯定のときに、モノクロ画像データにおける2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成するための生成手段と、生成手段によって生成された複数の代替画像データをプレビュー情報として表示装置に表示させるためのプレビュー表示手段と、プレビュー表示手段によって表示装置に表示される複数の代替画像データのいずれかをユーザに選択させるための第1の選択手段と、判定手段による判定が否定のときにはモノクロ画像データに基づく画像を、判定手段による判定が肯定のときには、選択手段を用いてユーザにより選択された代替画像データを、それぞれ出力するための出力手段とを含む。なお、生成手段が複数の代替画像を生成するときの、2つの領域の濃度の変換パターンの組合せは、代替画像ごとに異なっている。
【0011】
この第1の局面では、上記のように、判定手段による判定が肯定のときに、モノクロ画像データにおける2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成する。生成した複数の代替画像データはプレビュー情報として表示装置に表示されるので、ユーザは、表示された代替画像データから所望の代替画像データを選択できる。判定手段による判定が否定のときにはモノクロ画像データに基づく画像が、判定手段による判定が肯定のときには、ユーザにより選択された代替画像データが、それぞれ出力される。そのため、ユーザの意図したイメージに近い出力結果が得られる。すなわち、ユーザが意図した、識別可能な出力結果を得ることができる。また、モノクロ画像データにおける2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを表示することにより、見やすい出力結果を提案できるので、得られる出力結果において可読性を向上させることもできる。
【0012】
好ましくは、プレビュー表示手段は、生成手段によって生成された複数の代替画像データのプレビュー画像と、モノクロ画像のプレビュー画像とをプレビュー情報として表示装置に表示させるための手段を含む。これにより、ユーザは、表示されたモノクロ画像のプレビュー画像によって変換されたモノクロ画像データを確認することができる。
【0013】
より好ましくは、判定手段による判定が肯定であることに応答して、モノクロ画像をそのまま出力するか、生成手段による代替画像データの生成を行うかをユーザに選択させるための第2の選択手段をさらに含み、出力手段は、判定手段による判定が否定のとき、及び判定手段による判定が肯定であって、かつ、第2の選択手段によるモノクロ画像を印刷することがユーザにより選択されたときにはモノクロ画像データに基づく画像を出力し、判定手段による判定が肯定であって、かつ、第2の選択手段による代替画像データを生成することが選択されたときには、第1の選択手段を用いてユーザにより選択された代替画像データを、それぞれ出力するための手段とを含む。これにより、容易に、ユーザの意図したイメージに近い出力結果を得ることができる。
【0014】
さらに好ましくは、カラー画像データは、複数ページのカラー画像を表すことがあり、判定手段は、カラー画像データにより表される、1ページ又は複数ページのカラー画像の各々について、当該カラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定するためのページ別判定手段を含み、生成手段は、1ページ又は複数ページのカラー画像の各々について、判定手段による判定が肯定のときに、モノクロ画像データにおける2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成するためのページ別生成手段を含み、プレビュー表示手段は、1ページ又は複数ページのカラー画像の各々について、判定手段による判定が肯定のときに、生成手段によって生成された複数の代替画像データをプレビュー情報として表示装置に表示させるためのページ別プレビュー表示手段を含む。これにより、ユーザは、プレビュー情報として表示された代替画像データから所望の代替画像データを選択できるので、ユーザが意図して、識別可能な出力結果を容易に得ることができる。
【0015】
さらに好ましくは、カラー画像データは、複数ページのカラー画像を表すことがあり、判定手段は、カラー画像データにより表される、1ページ又は複数ページのカラー画像の各々について、当該カラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定し、その枚数を計数するためのページ別判定手段を含み、画像形成装置はさらに、ページ別判定手段による計数結果が0でないことに応答して計数結果をユーザに通知するための通知手段を含む。これにより、ユーザは、モノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在することを瞬時に認識できるので、このようなモノクロ画像データの出力を抑制することができる。このため、境界が識別不可能なモノクロ画像データのそのままの状態での出力を中止することにより、不要な出力結果(例えば不要な印刷)を削減できる。
【0016】
さらに好ましくは、ユーザの指示に応答して、複数の代替画像データとは異なる濃淡表示の代替画像データを追加で生成するための追加生成手段をさらに含み、プレビュー表示手段は、追加生成手段によって生成された異なる濃淡表示の代替画像データのプレビュー画像、生成手段によって生成された複数の代替画像データのプレビュー画像、及びモノクロ画像のプレビュー画像を、プレビュー情報として表示装置に表示させるための代替画像追加表示手段を含む。これにより、表示された代替画像データの中にユーザの意図するイメージの代替画像が含まれない場合に、プレビュー情報として表示する代替画像データを追加できるので、ユーザが意図したイメージにより近い出力結果が得られる。
【0017】
この場合において、好ましくは、カラー画像データは、複数ページのカラー画像を表し、画像形成装置はさらに、変換手段によって変換された複数のモノクロ画像データのプレビュー画像をプレビュー情報として表示装置に表示させるための複数画像表示手段と、複数画像表示手段により表示された複数のモノクロ画像のいずれかをユーザに選択させるための第2の選択手段とを含み、追加生成手段は、複数のモノクロ画像のうち、第2の選択手段により選択されたモノクロ画像に対して、複数の代替画像データとは異なる濃淡表示の代替画像データを生成するための手段を含み、代替画像追加表示手段は、第2の選択手段によるモノクロ画像に対して生成された代替画像データのプレビュー画像、生成手段によって生成された複数の代替画像データのプレビュー画像、及びモノクロ画像のプレビュー画像を、プレビュー情報として表示装置に表示させるための手段を含む。これにより、所望のページ(選択されたページ)に対して、プレビュー情報として表示する代替画像データを追加できるので、ユーザが意図したイメージにより近い出力結果が得られる。また、代替画像データの追加が必要でないページに対しては、代替画像データは追加されないので、ユーザは、表示された代替画像データを容易に選択できる。
【0018】
また好ましくは、変換手段によって変換されたモノクロ画像データのモノクロ画像を表示装置に表示させるための表示手段と、表示手段によって表示されたモノクロ画像の領域のうちユーザに指定された領域を、生成手段によって生成された代替画像データの代替画像とは異なる濃淡表示に変更した代替画像データを追加で生成するための追加生成手段とをさらに含み、プレビュー表示手段は、追加生成手段によって生成された代替画像データのプレビュー画像を表示装置に表示させるための手段を含む。これにより、モノクロ画像データ内の所望の領域を別の濃淡表示(別パターン)とした代替画像データが得られる。そのため、これによっても、ユーザが意図したイメージにより近い出力結果が得られる。
【0019】
この発明の第2の局面による画像形成装置は、表示装置と、入力されたカラー画像データをモノクロ画像データに変換するための変換手段と、カラー画像データにより表されるカラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かをユーザに判定させるために、変換手段によって変換されたモノクロ画像のプレビュー画像をプレビュー情報として表示装置に表示させる第1のプレビュー表示手段と、ユーザの指示に応答して、モノクロ画像データにおける2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成するための生成手段と、生成手段によって生成された複数の代替画像データをプレビュー情報として表示装置に表示させるための第2のプレビュー表示手段と、第2のプレビュー表示手段によって表示装置に表示される複数の代替画像データのいずれかをユーザに選択させるための選択手段と、選択手段によるユーザの選択に応答して、モノクロ画像データに基づく画像を出力する処理と、選択手段を用いてユーザにより選択された代替画像データを出力する処理とを選択的に実行するための出力手段とを含む。
【0020】
この第2の局面では、上記のように、変換されたモノクロ画像データのモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かをユーザに判定させるために、表示装置にモノクロ画像データのプレビュー画像を表示する。ユーザは、表示されたプレビュー画像を参照することにより、境界が識別不可能なモノクロ画像データが存在するか否かを確認できる。ユーザの判定が肯定のとき(境界が識別不可能なモノクロ画像データが存在するとユーザが判断したとき)は、ユーザの指示に応答して、モノクロ画像データにおける2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データのプレビュー画像を表示装置に表示する。ユーザは、表示された代替画像データから所望の代替画像データを選択できる。そして、ユーザによる判定が否定のときにはモノクロ画像データに基づく画像が、ユーザによる判定が肯定のときには、ユーザにより選択された代替画像データが、それぞれ出力される。そのため、ユーザの意図したイメージに近い出力結果が得られる。すなわち、ユーザが意図した、識別可能な出力結果を得ることができる。また、モノクロ画像データにおける2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを表示することにより、見やすい出力結果を提案できるので、得られる出力結果において可読性を向上させることもできる。
【0021】
この発明の第3の局面によるプリンタドライバプログラムは、表示装置に接続されたコンピュータを、入力されたカラー画像データをモノクロ画像データに変換するための変換手段と、カラー画像データにより表されるカラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定するための判定手段と、判定手段による判定が肯定のときに、モノクロ画像データにおける2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成するための生成手段と、生成手段によって生成された複数の代替画像データをプレビュー情報として表示装置に表示させるためのプレビュー表示手段と、プレビュー表示手段によって表示装置に表示される複数の代替画像データのいずれかをユーザに選択させるための第1の選択手段と、判定手段による判定が否定のときにはモノクロ画像データに基づく画像を、判定手段による判定が肯定のときには、選択手段を用いてユーザにより選択された代替画像データを、それぞれ出力するための出力手段として機能させる。
【0022】
この第3の局面では、上記のように、判定手段による判定が肯定のときに、モノクロ画像データにおける2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成する。生成した複数の代替画像データはプレビュー情報として表示装置に表示されるので、ユーザは、表示された代替画像データから所望の代替画像データを選択できる。判定手段による判定が否定のときにはモノクロ画像データに基づく画像が、判定手段による判定が肯定のときには、ユーザにより選択された代替画像データが、それぞれ出力される。そのため、ユーザの意図したイメージに近い出力結果が得られる。すなわち、ユーザが意図した、識別可能な出力結果を得ることができる。また、モノクロ画像データにおける2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを表示することにより、見やすい出力結果を提案できるので、得られる出力結果において可読性を向上させることもできる。
【0023】
好ましくは、プレビュー表示手段は、生成手段によって生成された複数の代替画像データのプレビュー画像と、モノクロ画像のプレビュー画像とをプレビュー情報として表示装置に表示させるための手段を含む。
【0024】
より好ましくは、コンピュータを、判定手段による判定が肯定であることに応答して、モノクロ画像をそのまま出力するか、生成手段による代替画像データの生成を行うかをユーザに選択させるための第2の選択手段としてさらに機能させ、出力手段は、判定手段による判定が否定のとき、及び判定手段による判定が肯定であって、かつ、第2の選択手段によるモノクロ画像を印刷することがユーザにより選択されたときにはモノクロ画像データに基づく画像を出力し、判定手段による判定が肯定であって、かつ、第2の選択手段による代替画像データを生成することが選択されたときには、第1の選択手段を用いてユーザにより選択された代替画像データを、それぞれ出力するための手段を含む。
【0025】
さらに好ましくは、カラー画像データは、複数ページのカラー画像を表すことがあり、判定手段は、カラー画像データにより表される、1ページ又は複数ページのカラー画像の各々について、当該カラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定するためのページ別判定手段を含み、生成手段は、1ページ又は複数ページのカラー画像の各々について、判定手段による判定が肯定のときに、モノクロ画像データにおける2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成するためのページ別生成手段を含み、プレビュー表示手段は、1ページ又は複数ページのカラー画像の各々について、判定手段による判定が肯定のときに、生成手段によって生成された複数の代替画像データをプレビュー情報として表示装置に表示させるためのページ別プレビュー表示手段を含む。
【0026】
さらに好ましくは、カラー画像データは、複数ページのカラー画像を表すことがあり、判定手段は、カラー画像データにより表される、1ページ又は複数ページのカラー画像の各々について、当該カラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定し、その枚数を計数するためのページ別判定手段を含み、プリンタドライバプログラムはさらに、ページ別判定手段による計数結果が0でないことに応答して計数結果をユーザに通知するための通知手段としてコンピュータを機能させる。
【0027】
さらに好ましくは、コンピュータを、ユーザの指示に応答して、複数の代替画像データとは異なる濃淡表示の代替画像データを追加で生成するための追加生成手段としてさらに機能させ、プレビュー表示手段は、追加生成手段によって生成された異なる濃淡表示の代替画像データのプレビュー画像、生成手段によって生成された複数の代替画像データのプレビュー画像、及びモノクロ画像のプレビュー画像を、プレビュー情報として表示装置に表示させるための代替画像追加表示手段を含む。
【0028】
この場合において、好ましくは、カラー画像データは、複数ページのカラー画像を表し、コンピュータを、変換手段によって変換された複数のモノクロ画像データのプレビュー画像をプレビュー情報として表示装置に表示させるための複数画像表示手段と、複数画像表示手段により表示された複数のモノクロ画像のいずれかをユーザに選択させるための第2の選択手段としてさらに機能させ、追加生成手段は、複数のモノクロ画像のうち、第2の選択手段によるモノクロ画像に対して、複数の代替画像データとは異なる濃淡表示の代替画像データを生成するための手段を含み、代替画像追加表示手段は、第2の選択手段によるモノクロ画像に対して生成された代替画像データのプレビュー画像、生成手段によって生成された複数の代替画像データのプレビュー画像、及びモノクロ画像のプレビュー画像を、プレビュー情報として表示装置に表示させるための手段を含む。
【0029】
また好ましくは、コンピュータを、変換手段によって変換されたモノクロ画像データのモノクロ画像を表示装置に表示させるための表示手段と、表示手段によって表示されたモノクロ画像の領域のうちユーザに指定された領域を、生成手段によって生成された代替画像データの代替画像とは異なる濃淡表示に変更した代替画像データを追加で生成するための追加生成手段としてさらに機能させ、プレビュー表示手段は、追加生成手段によって生成された代替画像データのプレビュー画像を表示装置に表示させるための手段を含む。
【0030】
この発明の第4の局面によるプリンタドライバプルグラムは、表示装置に接続されたコンピュータを、入力されたカラー画像データをモノクロ画像データに変換するための変換手段と、カラー画像データにより表されるカラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かをユーザに判定させるために、変換手段によって変換されたモノクロ画像のプレビュー画像をプレビュー情報として表示装置に表示させる第1のプレビュー表示手段と、ユーザの指示に応答して、モノクロ画像データにおける2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成するための生成手段と、生成手段によって生成された複数の代替画像データをプレビュー情報として表示装置に表示させるための第2のプレビュー表示手段と、第2のプレビュー表示手段によって表示装置に表示される複数の代替画像データのいずれかをユーザに選択させるための選択手段と、選択手段によるユーザの選択に応答して、モノクロ画像データに基づく画像を出力する処理と、選択手段を用いてユーザにより選択された代替画像データを出力する処理とを選択的に実行するための出力手段として機能させる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明によれば、カラー画像データからモノクロ画像データに変換して出力する際に、ユーザが意図した、識別可能な出力結果を得ることが可能な画像形成装置及びプリンタドライバプログラムを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の操作パネル部分を拡大して示した平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るカラー/モノクロ変換コピー処理の制御構造を示すフローチャートである。
【図5】図4に示すステップS312において、操作パネルに表示される画面の構成を示す図である。
【図6】図4に示すステップS314において、操作パネルに表示される画面の構成を示す図である。
【図7】図4に示すステップS316において、操作パネルに表示される画面の構成を示す図である。
【図8】図4に示すステップS302の詳細なフローである。
【図9】カラー画像データをモノクロ画像データに変換した際に、隣接する領域の境界が識別困難となっているイメージを示す図である。
【図10】図4に示すステップS308の詳細なフローである。
【図11】図10に示すステップS504において、操作パネルに表示される画面の構成を示す図である。
【図12】図10に示すステップS502において、操作パネルに表示される画面の構成を示す図である。
【図13】図4に示すステップS316の詳細なフローである。
【図14】代替画像データの生成について説明するための図である。
【図15】図4に示すステップS326の詳細なフローである。
【図16】図15に示すステップS712及びステップS714を説明するための図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係るカラー/モノクロ変換コピー処理の制御構造を示すフローチャートである。
【図18】図17に示すステップS1300において、操作パネルに表示される画面の構成を示す図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置の画像形成装置との接続を示す図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態に係るカラー/モノクロ変換印刷の制御構造を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の説明及び図面においては、同一の部品には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0034】
(第1の実施の形態)
〈ハードウェア構成〉
[画像形成装置100]
図1を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置100は、デジタル複合機である。画像形成装置100は、LAN(Local Area Network)回線等からなるネットワーク30を介して情報処理装置200と互いに接続される。画像形成装置100及び情報処理装置200は、画像データを含む各種データを相互に送受できる。
【0035】
情報処理装置200は、画像形成装置100を利用するために一般のユーザによって操作される、例えば、PC(Personal Computer)等の端末装置である。情報処理装置200には、図形描画ツール及びワードプロセッサ等のアプリケーションプログラム、並びに、画像データの印刷ジョブを実現するためのプリンタドライバプログラム(以下単に「プリンタドライバ」と記す。)がインストールされている。情報処理装置200は、上記アプリケーションプログラムを使用するユーザの指示に応じて、文字及び図形等を含む画像を出力するための画像データを作成し、作成した画像データをプリンタドライバによってプリンタ記述言語に変換して、画像形成装置100に対して送信できる。なお、図1には情報処理装置200を1つのみ図示するが、実際には多数存在する場合もある。
【0036】
画像形成装置100は、電子写真方式により記録用紙に画像を形成する。画像形成装置100は、コピーモード、プリンタモード及びスキャナモードを備える。画像形成装置100はさらに、カラー画像データを取得するとともに、取得したカラー画像データをモノクロ画像データ(グレースケールデータ)に変換してモノクロ画像として出力(印刷)する機能を備える。
【0037】
画像形成装置100は、制御部110、スキャナ部120、画像処理部130、プリンタ部140、操作パネル150、NIC(Network Interface Card)160、及び、電源制御部170を含む。図1及び図2を参照して、画像形成装置100はさらに、排紙トレイ180、及び排紙処理装置182を含む。
【0038】
制御部110は、実質的にコンピュータであって、CPU112、ROM114、RAM116及びHDD118を含む。CPU112には、BUSライン190が接続されており、このBUSライン190には、ROM114、RAM116及びHDD118が電気的に接続される。CPU112は、操作パネル150等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、画像形成装置100の各部の動作及び情報処理装置200との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM114又はHDD118に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM114又はHDD118から読出されてRAM116に転送される。CPU112は、CPU112内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM116内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU112はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM116、HDD118及びCPU112内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
【0039】
HDD118には、画像形成装置100の一般的な動作を実現するためのコンピュータプログラムとともに、後述する、代替画像を提示する処理、及び画像データ内の境界を識別する処理等の各種処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。このコンピュータプログラムは、ネットワーク30及びNIC160を介して情報処理装置200から提供される。なお、このコンピュータプログラムは、そのコンピュータプログラムが記録された、例えばDVD等の記録媒体によって提供されてもよい。すなわち、コンピュータプログラムの記録媒体としてのDVDが、画像形成装置100内に内蔵されるDVDドライブ(図示せず。)に装着され、そのDVDからコンピュータプログラムが読出されてHDD118にインストールされてもよい。HDD118は、他に、画像データ等を含む各種データを記憶する。
【0040】
BUSライン190には、さらに、スキャナ部120、プリンタ部140、画像処理部130、操作パネル150、NIC160、及び、電源制御部170が電気的に接続される。
【0041】
スキャナ部120は、原稿の画像情報を読取ることによって画像データを取得する。原稿がカラー画像を含むカラー原稿の場合、スキャナ部120はカラー画像データを取得する。このスキャナ部120は、原稿検知センサ及びCCD(Charge−Coupled Device)ラインセンサ(以上いずれも図示せず。)を含む。原稿検知センサは、ユーザによって手動で、又は、自動原稿搬送装置によって、原稿載置台上に載置された原稿の画像表面に対し光源(図示せず。)から光を照射することによって得られる反射光像をCCDラインセンサ上に結像させる。CCDラインセンサは、結像された反射光源を順次光電変換して画像データとして画像処理部130に対して出力する。すなわち、スキャナ部120は、原稿のコピー時及びスキャン時に、原稿載置台に載置される原稿から原稿検知センサによって画像情報を読取り、読取った画像情報をCCDラインセンサによって電気信号に変換して画像データとして画像処理部130に対して出力する。
【0042】
読取る原稿がカラー原稿の場合、スキャナ部120は、CCDラインセンサから入力される画像データに対して、例えば、シェーディング補正等を含む、スキャナ特性に応じた各種補正処理を施して、RGB(R:赤、G:緑、B:青)形式の画像データ(以下「RGBデータ」と記す。)を作成し、作成したRGBデータ(カラー画像データ)を画像処理部130に対して順次出力する。
【0043】
画像処理部130は、MPU(Micro Processing Unit、図示せず。)を含む。画像処理部130は、スキャナ部120、又は、情報処理装置200から受信した画像データに対して、例えば、ラスタライズ処理等の所定の画像処理を含む各種処理を施して所定の階調の印刷データを作成し、プリンタ部140に対して出力する。
【0044】
スキャナ部120、又は、情報処理装置200から受信した画像データがカラー画像データであって、そのカラー画像データをモノクロ画像として出力(印刷)する場合、画像処理部130は、受信したカラー画像データをモノクロ画像データ(グレースケール画像データ)に変換し、変換したモノクロ画像データをプリンタ部140に対して出力する。カラー画像データからモノクロのグレースケール画像データへの変換(Gray変換)は、カラー画像データのRGB情報に所定の係数を掛けることによって実行される。
【0045】
ここで、カラー画像データのカラー画像が境界で区切られた複数の領域を持ち、領域別に異なる色で着色されている場合に、そのカラー画像データをモノクロ画像として印刷すると、モノクロ画像において各領域が色の違いではなく明るさの違い(濃度差)だけで表示される。そのため、隣接する領域の濃度差が小さいと、隣接する領域の境界が見分けにくくなる。
【0046】
本実施の形態に係る画像形成装置100は、変換されたモノクロ画像データのモノクロ画像が、このような、隣接する領域の境界が見分けにくいモノクロ画像の画像データであるか否かを判定する。具体的には、画像処理部130は、変換されたモノクロ画像データにおいて隣接する領域の境界が識別可能か否か(識別不可能な画像データが存在するか否か)を判定する、境界識別部132を含む。この境界識別部132は、受信したカラー画像データの色差及び濃度差に基づいて領域分離を行ない、隣接する領域間の色差及び濃度差を算出する。境界識別部132はさらに、隣接する領域間における色差及び濃度差の閾値が予め記憶されたメモリ(図示せず。)を含み、算出した算出値と閾値とを比較することで、隣接する領域の境界が識別可能か否かついて判定する。算出値が閾値より小さい場合(色合い又は濃度が近い場合)は、隣接する領域の境界が識別困難(識別不可)と判定し、この結果をメモリに記憶する。算出置が閾値以上の場合は、隣接する領域の境界が識別可能と判定し、この結果をメモリに記憶する。する。上記閾値としては、例えば、モノクロ画像データ(グレースケール画像データ)に変換後の隣接する領域間の濃度差が「64」(256階調の1/4)となる値とすることができる。
【0047】
画像処理部130はさらに代替画像生成部134を含む。代替画像生成部134は、隣接する領域間の濃度差が予め設定(記憶)された閾値(例えば「64」)より大きくなるように各領域の濃度を変更したモノクロの代替画像(代替画像データ)を複数生成し、記憶する。すなわち、所定の変換パターンにしたがって、モノクロ画像データにおける隣接する領域の濃度を異ならせた代替画像データを複数生成し、記憶する。具体的には、モノクロ画像データに変換した際に、隣接する領域間で予め設定された閾値よりも大きな差ができるように、一方の領域をより黒く、或いはより白く色を変化させるように処理を行なう(この時点で2パターンの代替画像パターンが生成される。)。さらに他の箇所(領域)についても、隣接する領域間の濃度差が閾値より小さい場合、同様にして閾値よりも大きな差ができるように処理をし、それぞれの箇所(領域)での組み合わせで複数のパターン(異なる濃淡表示の複数の代替画像データ)を生成し、記憶する。
【0048】
プリンタ部140は、画像メモリ142及び印刷部144を含む。画像メモリ142は、RAMを含み、印刷データをページ単位で一時的に記憶する。画像メモリ142は、制御部110等からの指示に応じて、印刷部144に送信するための、例えば、画像処理部130から入力される印刷データをページ単位で一時的に記憶し、記憶した印刷データを印刷部144による画像形成に同期して、印刷部144に対して出力する。
【0049】
印刷部144は、感光体ドラム、帯電器、LSU(Laser、Scanning Unit)、現像装置、転写装置、クリーニング装置及び定着装置(以上いずれも図示せず。)、並びに、画像形成装置100に着脱自在に装着されるトナーカートリッジを含む。印刷部144は、さらに、画像形成装置100に着脱自在に装着される、手差し給紙トレイ(図示せず。)、第1給紙トレイ186及び第2給紙トレイ188を含む。これらの給紙トレイは、この順で上下に並ぶように設置され、記録用紙を保持し、用紙搬送部(図示せず)に記録用紙を送給する。手差し給紙トレイは、ユーザが手動により所望の記録用紙を設置するためのトレイであり、第1給紙トレイ186及び第2給紙トレイ188は、異なる大きさの記録用紙を保持するためのトレイである。印刷部144は、制御部110等からの指示に応じて、上記給紙トレイのいずれかから用紙搬送部を介して搬送される記録用紙上に、画像メモリ142から送信される印刷データに基づく画像を印刷する。
【0050】
印刷された記録用紙は、排紙トレイ180又は排紙処理装置182の方へと導かれて排紙トレイ180に排出され、又は排紙処理装置182の各排紙トレイ184のいずれかに排出される。
【0051】
排紙処理装置182では、複数の記録用紙を各排紙トレイ184に仕分けして排出する処理、各記録用紙にパンチングする処理、及び各記録用紙にステープルする処理を施す。例えば、複数部の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイ184に印刷物の一部ずつが割り当てられるように、各記録用紙を各排紙トレイ184に仕分けして排出し、排紙トレイ184毎に、排紙トレイ184上の各記録用紙にパンチング処理又はステープル処理を施して印刷物を作成する。
【0052】
図2及び図3を参照して、操作パネル150は、液晶ディスプレイからなる表示出力部152と、操作キー154及びタッチパネル156等からなる操作インターフェイス部とを含む。表示出力部152は、画像形成装置100の状態及び各種処理の状態に関する情報等の各種情報をユーザに提供する。表示出力部152はタッチパネル156を備える。
【0053】
操作インターフェイス部は、ユーザが画像形成装置100を操作するためのインターフェイスを提供する。操作パネル150は、また、液晶ディスプレイとタッチパネル156とを重ねて構成される、ユーザに対して対話的な操作インターフェイスを提供する。この対話的な操作インターフェイスは、タッチパネル156から画像形成装置100全体の動作に対するユーザの指示を受付けて、その指示の内容を液晶ディスプレイに表示するとともに、その指示に応じた制御信号を制御部110又は画像処理部130のMPU等に対して出力する。操作パネル150は、電源オン指示及び電源オフ指示を入力するための電源キー、印刷ジョブを開始させるための印刷スタートキー154a等を含む。
【0054】
操作パネル150の表示出力部152は、カラー画像データから変換したモノクロ画像データのプレビュー画像をプレビュー表示する。表示出力部152は、さらに、代替画像生成部134(図1参照)で生成した複数の代替画像データのプレビュー画像をプレビュー表示する。
【0055】
図1を参照して、NIC160は、ネットワーク30とのインターフェイスをとる。画像形成装置100は、このNIC160を介して、ネットワーク30上の情報処理装置200とのデータ通信が可能である。画像形成装置100は、NIC160を介して、情報処理装置200から印刷ジョブ等の各種処理の実行を命令する命令信号を受信することができる。
【0056】
電源制御部170は、外部電源50と電気的に接続される。電源制御部170は、画像形成装置100の各部の動作に必要な電力を外部電源50から取得し、取得した電力を画像形成装置100の各部に供給する。
【0057】
画像形成装置100は、上述した各部を動作させることによって、操作パネル150からのユーザの入力操作による指示又は情報処理装置200等からの指示に応じて、原稿画像を読取り記録用紙に印刷するコピーモード、情報処理装置200等から送信される画像データを受信して記録用紙に印刷するプリンタモード、及び、原稿画像を読取り情報処理装置200等に送信するスキャナモード等の各種のモードのいずれかを実行する。
【0058】
〈ソフトウェア構成〉
[画像形成装置100]
本実施の形態に係る画像形成装置100は、カラー画像データをモノクロ画像として出力する場合に、モノクロ画像において隣接する領域の境界が識別可能か否かを判定し、隣接する領域の境界が識別困難と判定された場合に、代替画像を複数提案する処理を実行する。このような処理は、上述したハードウェア構成を用いて実行されるソフトウェアにより実現される。以下において、カラー/モノクロ変換コピーを例にして、このソフトウェア構成について説明する。
【0059】
図4を参照して、このプログラムは、スキャナ部120を介して原稿を読取る(スキャンする)ことにより、カラー画像データを取得するステップS300と、ステップS300の後、取得したカラー画像データをモノクロ画像データ(グレースケール画像データ)に変換した際に変換されたモノクロ画像データにおいて隣接する領域の境界を識別するための境界識別処理を実行するステップS302と、ステップS302の後、取得したカラー画像データをモノクロ画像データに変換するステップS304とを含む。
【0060】
このプログラムはさらに、ステップS304の後、変換されたモノクロ画像データにおいて隣接する領域の境界が識別可能か否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS306と、ステップS306において隣接する領域の境界が識別不可と判定された場合に、その旨を操作パネル150の液晶ディスプレイに表示してユーザに通知(警告)するステップS308と、ステップS308の後、変換されたモノクロ画像データを液晶ディスプレイにプレビュー表示する指示がユーザによってされたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS310と、ステップS310において、変換されたモノクロ画像データをプレビュー表示する指示がユーザによってされたと判定された場合に、代替画像データのプレビュー表示の指示がユーザによってされたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS312と、ステップS310においてモノクロ画像データのプレビュー表示指示がユーザによってされていないと判定された場合、及び、ステップS312において代替画像データのプレビュー表示指示がユーザによってされていないと判定された場合に、印刷を実行する指示がユーザによってされたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS314とを含む。
【0061】
図5を参照して、ステップS312において、操作パネル150の液晶ディスプレイには変換されたモノクロ画像データ(モノクロ変換画像)のプレビュー画像をプレビュー表示するプレビュー画面250が表示される。図5では、境界が識別困難な原稿が複数枚(複数ページ)検出され、それに対応する複数のモノクロ画像データがプレビュー表示されている例が示されている。プレビュー表示されるモノクロ画像データには対応するページ番号が付されている。プレビュー画面250には、画面をスライドするためのスライドバー252、選択した原稿に対して代替画像をプレビュー表示させる「代替画像表示」キー254、表示されたモノクロ画像データの全てに対して代替画像をプレビュー表示させるために操作されるチェックボックス256、及び、プレビュー表示を取り消すための「キャンセル」キー258が表示される。なお、境界が識別困難な原稿が1枚のみの場合は、それに対応するモノクロ画像データのみがプレビュー表示される。
【0062】
図6を参照して、ステップS310においてモノクロ画像データのプレビュー表示指示がユーザによってされていないと判定された場合、及び、ステップS312において代替画像データのプレビュー表示指示がユーザによってされていないと判定された場合(図5に示した「キャンセル」キー258がユーザに押下された場合)、操作パネル150の液晶ディスプレイにはユーザからの指示を受付ける操作画面260が表示される。操作画面260には「印刷を実行しますか?」との問いかけに対して印刷を実行する「はい」キー262と、印刷を実行しない「いいえ」キー264とが表示される。ユーザによって「はい」キー262が押下されると、変換されたそのままのモノクロ画像データで印刷が実行される。一方、ユーザによって「いいえ」キー264が押下されると、印刷が実行されずにこの印刷処理が中止される。
【0063】
再び図4を参照して、このプログラムはさらに、ステップS312において代替画像データのプレビュー表示指示がユーザによってされたと判定された場合に、モノクロ画像データの代替画像として提案する複数の代替画像データ(グレースケール画像データ)を生成して、生成した代替画像データを操作パネル150の液晶ディスプレイにプレビュー表示するためのプレビュー表示処理を実行するステップS316と、ステップS316の後、プレビュー表示された代替画像データがユーザによって選択されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS318と、ステップS318においてプレビュー表示された複数の代替画像データのうちの1つがユーザによって選択されたと判定された場合に、選択された代替画像データを、印刷するための画像データ(変換されたモノクロ画像データ)と入れ替える処理を実行するステップS320とを含む。
【0064】
このプログラムはさらに、ステップS320の後、読取られた原稿が複数枚ある場合に代替画像データを表示させる原稿がさらに選択されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS322と、ステップS318においてプレビュー表示された代替画像データがユーザによって選択されていないと判定された場合に、代替画像データの変更指示がユーザによってされたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS324と、ステップS324において代替画像データの変更指示がユーザによってされたと判定された場合に、代替画像データの変更処理を実行するステップS326とを含む。ステップS326の処理が実行されるとステップS318に戻る。また、ステップS322において代替画像データを表示させるために他の原稿が選択された場合には、ステップS316に戻る。
【0065】
図7を参照して、図5に示した「代替画像表示」キー254をユーザが押下すると、操作パネル150の液晶ディスプレイに、複数の代替画像データをプレビュー表示するプレビュー画面270が表示される。このプレビュー画面270には、表示された代替画像データとは異なるパターンの代替画像データを追加するための「別のパターンを表示」キー272、境界の識別が困難と判定されたモノクロ画像データの全てに対して、異なるパターンの代替画像データを追加するために操作されるチェックボックス274、図5に示したプレビュー画面250に戻るための「戻る」キー276、及び、「OK」キー278が表示される。
【0066】
プレビュー画面270にはさらに、変換されたモノクロ画像データの一部の領域の表示を変更するための「一部変更」キー280、選択した代替画像データを、印刷するモノクロ画像データと入れ替えるための「入替」キー282、及び、変換した後に再び元のモノクロ画像データに戻すための「元画像」キー284が表示される。プレビュー画面270にはさらに、代替画像データをスライドさせるためのスライドバー286、境界の識別が困難と判定されたモノクロ画像データ(原稿のページ)を移動させる矢印キー288が表示される。
【0067】
「別のパターンを表示」キー272をユーザが押下すると、選択されているモノクロ画像データに対して、異なるパターン(濃淡表示)の代替画像データが追加される。チェックボックス274をチェックした状態で「別のパターンを表示」キー272をユーザが押下すると、境界の識別が困難と判定されたモノクロ画像データの全てに対して、異なるパターン(濃淡表示)の代替画像データが追加される。個別のモノクロ画像データに対して異なるパターン(濃淡表示)の代替画像データを追加する場合は、矢印キー288で所望のモノクロ画像データを選択し、この状態で「別のパターンを表示」キー272をユーザが押下すると上記処理が実行される。
【0068】
「一部変更」キー280をユーザが押下すると、変換されたモノクロ画像データの一部の領域の表示を変更するためのモードに切り替わる。後述するように、表示されたモノクロ画像データの所望の領域をユーザがタッチ(指定)すると、その領域がすでに表示されている複数の代替画像データとは異なるパターン(濃度)の表示に変更される。変更された画像データは、選択された代替画像データとされる。さらに、プレビュー表示された複数の代替画像データの1つをユーザが選択(タッチ)した後、又は、変換されたモノクロ画像データの一部の領域の表示を変更した後、「入替」キー282を押下すると、印刷するための画像データ(変換されたモノクロ画像データ)が、選択した代替画像データに入れ替えられる。「OK」キー278がユーザに押下されることにより、印刷が実行される。
【0069】
再び図4を参照して、このプログラムは、ステップS322において代替画像データを表示させるための他の原稿が選択されない場合に、ユーザによって印刷の実行指示がされたか否かを判定(図7の「OK」キー278がユーザに押下されたか否かを判定)し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS324と、ステップS324においてユーザによって印刷の実行指示がされたと判定された場合に、印刷を実行するステップS326とを含む。
【0070】
図8は、図4のステップS302の詳細なフローである。図8を参照して、このルーチンは、取得したカラー画像データから色差及び濃度差に基づいて領域分離(領域を検出)するステップS400と、ステップS400の後、隣接する領域の色差及び濃度差を算出するステップS402と、ステップS402の後、算出した算出値nと予め記憶された閾値とを比較するステップS404と、ステップS404の後、算出値nが閾値より小さいか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS406とを含む。
【0071】
このルーチンはさらに、ステップS406において算出値nが閾値より小さいと判定された場合に、その結果(境界の識別不可)を記憶するステップS408と、ステップS406において算出値nが閾値以上と判定された場合に、その結果(境界の識別可)を記憶するステップS410と、ステップS408又はステップS410の後、境界を識別した原稿が最終の原稿であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS412とを含む。ステップS412において、境界を識別した原稿が最終の原稿ではないと判定された場合は、ステップS400に戻り、上記の処理を繰返す。なお、ステップS408では、境界の識別不可という情報に加えて、どの箇所が識別不可であるかの情報とも記憶する。
【0072】
図9を参照して、例えば、図9(A)に示すような、図形及び文字を含むカラー画像原稿をスキャナ部120(図1参照)で読取り、取得したカラー画像データをモノクロ画像データ(グレースケール画像データ)に変換した場合、図9(B)に示すように、各領域が色の違いではなく明るさの違い(濃度差)だけで表示される。この場合、隣接する領域の濃度差が小さいと、隣接する領域の境界が見分けにくくなる。図4に示すステップS302では、このような隣接する領域の境界が識別困難か否かを判定する。また、図4のステップS312において、変換されたモノクロ画像データがプレビュー表示された際に、図9(B)に示すように、識別困難な領域を枠60及び62で囲むことで、どの部分が識別困難であるのかユーザにわかりやすく表示する。
【0073】
図10は、図4のステップS308の詳細なフローである。図10を参照して、このルーチンは、境界識別不可の原稿が複数枚あるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS500と、ステップS500において境界識別不可の原稿が複数枚と判定された場合に、境界の識別が困難な原稿が何枚あるかを通知するステップS502と、ステップS500において境界識別不可の原稿が単数枚(1枚)と判定された場合に、境界の識別が困難な原稿があることを通知するステップS504とを含む。
【0074】
図11を参照して、読取られた原稿が1枚であってその原稿が境界の識別が困難(識別不可)と判定された場合、その旨を通知(警告)する通知画面290が操作パネル150の液晶ディスプレイに表示される。この通知画面290には、「一度プレビュー画面で確認しますか?」との問いかけに対して、確認する(プレビュー画面を表示する)ための「はい」キー292と、確認しない(プレビュー画面を表示しない)「いいえ」キー294とが表示される。
【0075】
図12を参照して、読取られた原稿が複数枚であってその原稿の一部又は全てにおいて境界の識別が困難(識別不可)と判定された場合、その旨を通知(警告)する通知画面295が操作パネル150の液晶ディスプレイに表示される。この通知画面295には、識別困難な原稿のページ番号、及び、識別困難な原稿の合計枚数が表示される。また、通知画面295には、「一度プレビュー画面で確認しますか?」との問いかけに対して、確認する(プレビュー画面を表示する)ための「はい」キー296と、確認しない(プレビュー画面を表示しない)「いいえ」キー298とが表示される。
【0076】
図11及び図12において、ユーザによって「はい」キー292又は296が押下された場合、図4のステップS312に進み、図5に示したプレビュー画面270が液晶ディスプレイに表示される。一方、ユーザによって「いいえ」キー294又は298が押下された場合、図4のステップS314に進み、図6に示した操作画面260が液晶ディスプレイに表示される。
【0077】
図13は、図4のステップS316の詳細なフローである。図13を参照して、このルーチンは、変換されたモノクロ画像データにおいて隣接する領域間の濃度差が予め設定(記憶)された閾値(例えば「64」)より大きくなるように各領域の濃度を変更した代替画像(代替画像データ)を複数生成し、記憶するステップS600と、ステップS600の後、生成した複数の代替画像データをプレビュー画像として液晶ディスプレイに表示(図7参照)するステップS602とを含む。
【0078】
図14を参照して、隣接する領域間で、予め設定された閾値よりも大きな差ができるように、例えば、一方の領域をより黒く、或いはより白く色を変化させるように処理を行なう。この時点で図14(A)及び図14(B)の2パターンの代替画像パターンが生成される。さらに他の箇所(領域)についても、隣接する領域間の濃度差が閾値より小さい場合に、同様の方法で閾値外となるように(領域間で色差或いは濃度差がでるように)処理をし、それぞれの箇所(領域)での組み合わせで複数のパターン(複数の代替画像データ)を生成し、記憶する。
【0079】
図15は、図4のステップS326の詳細なフローである。図15を参照して、このルーチンは、代替画像データを追加する指示がユーザによってされているか否かを判定(図7に示した「別のパターンを表示」キー272がユーザに押下されたか否かを判定)し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS700と、ステップS700において代替画像データの追加指示がされたと判定された場合に、境界の判別不可の原稿が複数枚あるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS702と、ステップS702において境界の判別不可の原稿が複数枚あると判定された場合に、一括して別のパターンの代替画像データを追加する指示がユーザによってされたか否かを判定(図7のチェックボックス274がチェックされているか否かを判定)し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS704とを含む。
【0080】
このルーチンはさらに、ステップS702において境界の判別不可の原稿が複数枚でない(単数枚である)と判定された場合、及び、ステップS704において一括して別のパターンの代替画像データを追加する指示がユーザによってされたと判定された場合に、プレビュー表示されている代替画像データとは異なるパターン(濃淡表示)の代替画像データを代替画像生成部134によって生成するステップS706と、ステップS706の後、生成した別パターンの代替画像データをプレビュー表示するステップS708とを含む。このステップS708では、図7に示したプレビュー画面270に、生成した別パターン(他のパターン)の代替画像データが追加される。
【0081】
このルーチンはさらに、ステップS704において一括して別のパターンの代替画像データ(異なる濃淡表示の代替画像データ)を追加する指示がユーザによってされていない(図7のチェックボックス274がチェックされていない)と判定された場合に、選択されている原稿について他のパターンの代替画像データを、代替画像データを代替画像生成部134によって生成するステップS710を含む。ステップS710において生成された他のパターンの代替画像データは、ステップS708においてプレビュー表示される。
【0082】
このルーチンはさらに、ステップS700において代替画像データを追加する指示がユーザによってされていない場合に、変換されたモノクロ画像データの一部の領域の表示変更(パターン変更)の指示がユーザによってされたか否かを判定(図7に示した「一部変更」キー280がユーザに押下されたか否かを判定)し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS712と、ステップS712においてモノクロ画像データの一部の領域の表示変更の指示がユーザによってされたと判定された場合に、ユーザによって指定された領域の表示を、すでに表示されている複数の代替画像データとは異なるパターン(濃度)の表示に変更するステップS714とを含む。ステップS712においてモノクロ画像データの一部の領域の表示変更の指示がユーザによってされていないと判定された場合には、ステップS700に戻り、図7に示した別のパターンを表示」キー272又は「一部変更」キー280のいずれかがユーザに押下されるまで待機する。
【0083】
図16を参照して、図7に示した「一部変更」キー280をユーザが押下すると、変換されたモノクロ画像データの一部の領域の表示を変更するためのモードに切り替わる。図16(A)に示すように、表示を変更したい領域にユーザが指70でタッチすると、図16(B)に示すように、タッチした領域の表示(濃度)が変更される。さらに他の領域をユーザが指70でタッチすると、タッチした領域の表示が変更される。
【0084】
なお、本プログラムにおいて、図4に示すステップS302とステップS304との順序は図4とは逆であってもよい。すなわち、モノクロ変換処理を実行した後に、境界識別処理を実行する構成であってもよい。また、図16に示した、モノクロ画像データにおける一部の領域の表示を変更する指定は、ユーザの指70以外にタッチペン等であってもよい。
【0085】
〈動作〉
図1〜図13、図15、及び、図16を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置100は以下のように動作する。なお、現在、画像形成装置100はコピーモードが開始されており、ユーザはカラー画像を含むカラー原稿をモノクロ原稿としてコピー印刷するものとする。
【0086】
操作パネル150の印刷スタートキー154aが押下されると、ユーザによって手動で、又は、自動原稿搬送装置によって、原稿載置台上に載置された原稿の画像情報をスキャナ部120(図1及び図2参照)が読取り、カラー画像データを取得する(図4に示すステップS300)。画像形成装置100は、取得したカラー画像データから色差及び濃度差に基づいて領域分離を行ない、境界識別処理を実行する(図4に示すステップS302及び図8)。この境界識別処理によって、変換されたモノクロ画像データにおいて隣接する領域の境界が識別可能か否かを判定し、その結果を記憶する。
【0087】
画像形成装置100は、取得したカラー画像データをモノクロ画像データに変換(図4に示すステップS304)し、境界識別処理の結果を参照することによって変換したモノクロ画像データが境界の識別が困難な画像データであるか否かを判定する(図4に示すステップS306)。変換されたモノクロ画像データが、境界の識別が困難ではない(境界が識別可能である)画像データであれば(ステップS306においてYES)、変換したモノクロ画像データをモノクロ原稿として印刷する(図4に示すステップS326)。
【0088】
一方、変換されたモノクロ画像データが、境界の識別が困難な(境界が識別不可能である)画像データであれば(ステップS306においてNO)、図11に示す通知画面290又は図12に示す通知画面295を操作パネル150(図3参照)の液晶ディスプレイに表示し、その旨をユーザに通知する(図10の通知処理)。通知画面290及び295では、ユーザに対してプレビュー画面を表示させるか否かを問いかける。ユーザが「いいえ」キー294又は298を押下した場合(ステップS310においてNO)、変換したモノクロ画像データはプレビュー表示されず、図6に示す操作画面260を液晶ディスプレイに表示する。ユーザが操作画面260の「はい」キー262を押下すると(ステップS314においてYES)、変換したままのモノクロ画像データをモノクロ原稿としてコピー印刷する。一方、ユーザが操作画面260の「いいえ」キー264を押下すると(ステップS314においてNO)、印刷を実行せずにこの印刷処理を中止する。
【0089】
通知画面290又は295において、ユーザが「はい」キー292又は296を押下した場合(ステップS314においてYES)、操作パネル150の液晶ディスプレイに図5に示すプレビュー画面250を表示する。このプレビュー画面250において、モノクロ画像データ(モノクロ変換画像)をプレビュー表示する。その際、図9(B)に示すように、境界の識別困難な箇所を枠60及び62で囲むことで、どの部分が識別困難であるかをユーザに対してわかりやすく表示する。
【0090】
図5に示すプレビュー画面250には「代替画像表示」キー254及び「キャンセル」キー258が表示されている。ユーザが「代替画像表示」キー254を押下すると(ステップS312においてYES)、代替画像生成部134(図1参照)が複数の代替画像データを生成し、生成した複数の代替画像データをプレビュー表示する(図13のプレビュー表示処理)。具体的には、操作パネル150の液晶ディスプレイに、図7に示すプレビュー画面270を表示する。一方、図5に示すプレビュー画面250において、ユーザが「キャンセル」キー258を押下すると(ステップS312においてNO)、図6に示す操作画面260を表示し、上記と同様の動作を行なう。
【0091】
図7に示すプレビュー画面270において、表示された代替画像データのなかにユーザのイメージ通りの又はイメージに近い代替画像があればユーザはそれを選択する(ステップS318においてYES)。ユーザは「入替」キー282を押下することで、選択した代替画像データを印刷するための画像データ(変換されたモノクロ画像データ)と入れ替えることができる(図4に示すステップS320)。
【0092】
図7に示すプレビュー画面270において、表示された代替画像データのなかにユーザのイメージ通りの又はイメージに近い代替画像がない場合、代替画像データの変更を行なうことができる。図7に示すプレビュー画面270の「別のパターンを表示」キー272又は「一部変更」キー280のいずれかを押下することで、代替画像データの変更が可能となる。なお、「別のパターンを表示」キー272又は「一部変更」キー280がユーザに押下されると、代替画像データの変更指示があったと判定される(ステップS324においてYES)。
【0093】
ユーザが「別のパターンを表示」キー272を押下した場合(図15に示すステップS700においてYES)、選択されている原稿に対して、表示された代替画像データとは異なるパターンの代替画像データを追加表示する。これにより、ユーザは自分のイメージ通りの又はイメージにより近い代替画像データを選択することが可能となる。境界の判別困難な原稿が複数枚ある場合は、図7におけるチェックボックス274にチェックを入れた状態で「別のパターンを表示」キー272を押下することにより、境界の識別が困難と判定されたモノクロ画像データの全てに対して、異なるパターンの代替画像データを一括して追加する。
【0094】
ユーザが「一部変更」キー280を押下した場合(図15に示すステップS712においてYES)、変換されたモノクロ画像データの一部の領域の表示を変更するためのモードに切り替わる。図16に示すように、表示されたモノクロ画像データの所望の領域をユーザがタッチ(指定)すると、その領域がすでに表示されている複数の代替画像データとは異なるパターン(濃度)の表示に変更される。変更された画像データは、ユーザが選択した代替画像データとされる。
【0095】
このような操作により、ユーザは所望の原稿に対して、イメージ通りの又はイメージにより近い代替画像データを、印刷するモノクロ画像データと入れ替えることが可能となる。その後、図7に示す「OK」キー278を押下することで(ステップS324においてYES)、入れ替えた代替画像データをモノクロ原稿として印刷する。
【0096】
〈作用・効果〉
本実施の形態による画像形成装置100では、上記のように、モノクロ画像データにおける隣接する領域の濃度を異ならせた代替画像データを複数生成し、生成した複数の代替画像データをプレビュー表示する。ユーザは、プレビュー表示された代替画像データから所望の代替画像データを選択できる。このため、選択した代替画像データに基づいて、変換されたモノクロ画像データを調整することにより、ユーザの意図したイメージに近い出力結果(モノクロの印刷原稿)が得られる。すなわち、ユーザが意図した、識別可能なモノクロ原稿を得ることができる。また、隣接する領域の濃度を異ならせた代替画像データを表示することにより、見やすい印刷原稿を提案できるので、得られるモノクロの印刷原稿において可読性を向上させることもできる。
【0097】
画像形成装置100はまた、プレビュー表示された複数の代替画像データのなかの1つをユーザが選択すると、ユーザによる代替画像データの選択に応答して、印刷するためのモノクロ画像データを選択された代替画像データに入れ替えて印刷する。これにより、プレビュー表示された代替画像データから所望の代替画像データをユーザが選択することにより、ユーザが意図した、識別可能なモノクロ印刷原稿を容易に得ることができる。
【0098】
画像形成装置100はまた、変換されたモノクロ画像データにおいて隣接する領域の境界が識別困難な場合にその旨をユーザに通知するため、ユーザは、容易に、不要な印刷を削減できる。
【0099】
画像形成装置100はまた、ユーザの指示によって、複数の代替画像データとは異なるパターンの代替画像データをプレビュー画面270に追加する。このため、ユーザが意図した通りの又は意図したイメージにより近い、モノクロの印刷原稿が得られる。代替画像データの追加は個別に行なうことができるため、所望の原稿(選択された原稿)に対して代替画像データを追加することにより、ユーザが意図したイメージにより近い、モノクロの印刷原稿が得られる。代替画像データの追加が必要でない原稿に対しては、代替画像データは追加されないので、この場合、ユーザは、表示された代替画像データを容易に選択できる。代替画像データの追加は、一括して行なうことも可能である。
【0100】
画像形成装置100はさらに、表示されたモノクロ画像データにおいて、ユーザが指定した領域を、複数の代替画像データとは異なるパターン(表示)に変換することもできる。これにより、ユーザは自分のイメージにより近い代替画像データを作ることができるので、これによっても、ユーザが意図したイメージ通りの又は意図したイメージにより近いモノクロの印刷原稿を得ることができる。
【0101】
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係る画像形成装置は、コピー印刷の実行前に、変換されたモノクロ画像データをプレビュー表示させることでユーザに境界の識別が可能か否かを判断させる。
【0102】
〈ハードウェア構成〉
本実施の形態に係る画像形成装置は、第1の実施の形態に係る画像形成装置100と同様である。本実施の形態と第1の実施の形態とは、例えば、設定ボタン(図示せず。)を操作することで切り替え可能とすることができる。
【0103】
〈ソフトウェア構成〉
図17を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置において、ステップS1300、ステップS1302及びステップS1304における処理を除く各処理は、図4に示すコンピュータプログラムによって実行される各処理と同様である。また本実施の形態は、上記第1の実施の形態とは異なり、ユーザに境界の識別が可能か否かを判断させる構成であるため、図4に示すステップS302、ステップS306、ステップS308及びステップS310は含まない。以下、異なる部分について説明する。
【0104】
このプログラムは、カラー画像データをモノクロ画像データに変換するステップS304の後、変換したモノクロ画像データをプレビュー表示するステップS1300と、ステップS1300の後、変換されたモノクロ画像データにおいて隣接する領域の境界を識別可能か否かを、ユーザに対して判定させるステップS1302と、ステップS1302においてユーザが境界の識別が困難ではないと判断した場合に、印刷を実行するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1304とを含む。
【0105】
図18を参照して、ステップS1300において、操作パネル150(図3参照)の液晶ディスプレイには変換されたモノクロ画像データ(モノクロ変換画像)をプレビュー表示するプレビュー画面800が表示される。プレビュー画面800には、画面をスライドするためのスライドバー802、選択した原稿に対して代替画像をプレビュー表示させる「代替画像表示」キー804、印刷を実行するための「OK」キー806、及び、印刷処理を中止させるための「キャンセル」キー808が表示される。
【0106】
ステップS1302において、ユーザが境界の識別不可のモノクロ画像データがあると判断した場合、ユーザは、該当するモノクロ画像データを選択し、その後、「代替画像表示」キー804を押下する。これにより、選択したモノクロ画像データに対して代替画像データがプレビュー表示される。ステップS1304では、「OK」キー806、又は、「キャンセル」キー808のいずれが押下されたかを判定する。「OK」キー806がユーザによって押下された場合、変換されたままのモノクロ画像データで印刷が実行される。一方、「キャンセル」キー808がユーザによって押下された場合、印刷処理が中止される。
【0107】
〈動作〉
図17及び図18を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置は以下のように動作する。なお、モノクロ画像データ及び代替画像データの表示動作を除いた動作は、上記第1の実施の形態で示した画像形成装置100と同様である。したがって、同様の動作についての詳細な説明は繰返さない。
【0108】
カラー画像データをモノクロ画像データに変換した後、変換したモノクロ画像データを操作パネル150の液晶ディスプレイにプレビュー表示する。具体的には、操作パネル150の液晶ディスプレイに図18に示すプレビュー画面800を表示する(図17に示すステップS1300)。
【0109】
ユーザは、表示されたプレビュー画面800を見て、変換されたモノクロ画像データにおいて隣接する領域の境界が識別可能か否かを判断する(図17に示すステップS1302)。識別困難なモノクロ画像データが見つかった場合(ステップS1302においてNO)、ユーザは、その画像データを選択して「代替画像表示」キー804を押下する(ステップS312においてYES)。これにより、選択したモノクロ画像データに対して代替画像データがプレビュー表示される。
【0110】
一方、プレビュー表示されたモノクロ画像データのなかに隣接する領域の境界が識別困難なモノクロ画像データが見つからなかった場合(ステップS1302においてYES)、そのままの状態で印刷を実行しても何ら問題はない。ユーザは「OK」キー806を押下することで(ステップS1304においてYES)、印刷を実行できる。なお、ユーザは「キャンセル」キー808を押下することで(ステップS1304においてNO)、印刷処理を中止できる。
【0111】
プレビュー表示されたモノクロ画像データのなかに隣接する領域の境界が識別困難なモノクロ画像データが見つかった場合(ステップS1302においてNO)、ユーザは「キャンセル」キー808を押下することで(ステップS1304においてNO)、印刷処理を中止できる。なお、隣接する領域の境界が識別困難なモノクロ画像データが見つかったが、このままの状態で印刷する場合は、「OK」キー806を押下すればよい。
【0112】
〈作用・効果〉
本実施の形態による画像形成装置では、上記のように、カラー画像データから変換されたモノクロ画像データをプレビュー表示することによって、ユーザは、モノクロ画像データにおける隣接する領域の境界が識別可能か否かを判断できる。このため、隣接する領域の境界が識別困難であるモノクロ画像データについては、そのままの状態での出力を中止することにより、不要な印刷を削減できる。
【0113】
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、画像形成装置に対して画像データを送信する情報処理端末が、代替画像を提示する処理、及び画像データ内の境界を識別する処理等の各種処理を実行する。
【0114】
〈ハードウェア構成〉
[情報処理装置2200]
図19を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置2200は、画像形成装置3000を利用するために一般のユーザによって操作される、例えば、PC(Personal Computer)等の端末装置である。情報処理装置2200は、LAN(Local Area Network)回線等からなるネットワーク30を介して画像形成装置3000と互いに接続される。画像形成装置3000は、例えば、プリンタ3010、3020、又は、デジタル複合機3030のいずれかを含む。情報処理装置2200及び画像形成装置3000は、画像データを含む各種データを相互に送受できる。
【0115】
情報処理装置2200には、図形描画ツール及びワードプロセッサ等のアプリケーションプログラム、並びに、画像データの印刷ジョブを実現するためのプリンタドライバがインストールされている。情報処理装置2200は、上記アプリケーションプログラムを使用するユーザの指示に応じて、文字及び図形等を含む画像を出力するための画像データを作成し、作成した画像データをプリンタドライバによってプリンタ記述言語に変換して、画像形成装置3000に対して送信できる。
【0116】
図20を参照して、情報処理装置2200は、制御部2230、HDD2212、操作部2214、表示部2216、及び、NIC2218を含む。
【0117】
制御部2230は、実質的にコンピュータであって、CPU2232、ROM2234、及び、RAM2236を含む。CPU2232には、BUSライン2228が接続されており、このBUSライン2228には、ROM2234及びRAM2236が電気的に接続される。CPU2232は、画像形成装置等を含む外部装置又は操作部2214等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、情報処理装置2200の各部の動作及び外部装置との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM2234又はHDD2212に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM2234又はHDD2212から読出されてRAM2236に転送される。CPU2232は、CPU2232内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM2236内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU2232はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM2236、HDD2212及びCPU2232内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
【0118】
BUSライン2228には、さらに、HDD2212、操作部2214、表示部2216、及び、NIC2218が電気的に接続される。HDD2212は、磁気記憶媒体を備え、表示部2216に各種画面を表示させるための画像データ等を含む各種データを記憶する。
【0119】
HDD2212は、画像形成装置3000に対し、印刷ジョブを実行させるためのプリンタドライバを記憶する。情報処理装置2200は、このプリンタドライバを実行することによって、ユーザによって指定されたファイルの内容に基づく画像を画像形成装置3000に印刷させる動作等を実現することができる。
【0120】
本実施の形態では、プリンタドライバは、代替画像を提示する処理、及び画像データ内の境界を識別する処理等の各種処理を実現するためのコンピュータプログラムでもある。このプリンタドライバにより、カラー画像データをモノクロ画像として印刷する場合に、モノクロ画像において隣接する領域の境界が識別可能か否かを判定し、隣接する領域の境界が識別困難と判定された場合に、代替画像を複数提案する処理を実行する。
【0121】
HDD2212はまた、上記処理において、画像形成装置3000に出力するモノクロ画像データにおける隣接する領域の境界が識別可能か否かを判定するための、予め定める閾値を記憶する。この閾値は、情報処理装置2200で生成する画像データにおいて、隣接する領域間における色差及び濃度差の閾値より小さい場合に、カラー画像データから変換されたモノクロ画像データにおける隣接する領域の境界が識別不可と判定されるように設定される。例えば、モノクロ画像データ(グレースケール画像データ)に変換後の隣接する領域間の濃度差が「64」(256階調の1/4)となる値とすることができる。
【0122】
なお、このプリンタドライバは、そのプリンタドライバが記録された外部記憶装置、例えばDVD等の記録媒体によって提供されてもよい。すなわち、プリンタドライバの記録媒体としてのDVDが、情報処理装置2200内に内蔵されるDVDドライブ(図示せず。)に装着され、そのDVDからプリンタドライバが読出されてHDD2212にインストールされてもよい。
【0123】
HDD2212は、さらに、図形描画ツール及びワードプロセッサ等の各種アプリケーションソフトを記憶する。情報処理装置2200は、このアプリケーションソフトを実行することによって、ファイルの内容を編集する動作、及び、ファイルの内容を閲覧する動作等を実現することができる。
【0124】
操作部2214は、ユーザの指示等に応じた各種入力及び文字入力等を行なうためのキーボード、及び、マウス等のポインティングデバイス等を含む入力装置である。操作部2214は、インターフェイス(図示せず。)を介してBUSライン2228と接続される。
【0125】
表示部2216は、情報処理装置2200の処理結果等を表示するための、液晶ディスプレイ等からなる表示装置である。表示部2216は、表示部2216を駆動させるためのビデオ回路(図示せず。)を介してBUSライン2228と接続される。
【0126】
情報処理装置2200は、NIC2218を介してネットワーク30に接続されており、ネットワーク30上に接続される画像形成装置3000等を含む外部装置とのデータ通信が可能である。情報処理装置2200は、NIC2218を介して、印刷ジョブ等の各種処理の実行を命令する命令信号を、画像形成装置3000に対して送信することができる。なお、図形描画ツール及びワードプロセッサ等の各種アプリケーションソフトで作成したカラー画像データは、プリンタドライバにより、モノクロ画像データに変換してモノクロ原稿として印刷できる。
【0127】
情報処理装置2200の各部には電源(図示せず。)が接続され、この電源から電力が供給されることで、情報処理装置2200の各部が動作する。
【0128】
〈ソフトウェア構成〉
[情報処理装置2200]
図21を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置2200のカラー/モノクロ変換印刷は、図4に示したステップS300に代えてステップS2300とされている点を除き、各処理は、図4に示すコンピュータプログラムによって実行される各処理と同様である。ステップS2300では、アプリケーションプログラムによる作成、又は、受信等によりカラー画像データを取得する処理を実行する。なお、画像形成装置100の操作パネル150で実行される操作及び表示は、操作部2214及び表示部2216等によって実行される。
【0129】
〈動作〉
図21を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置2200は以下のように動作する。なお、カラー画像データの取得動作を除いたカラー/モノクロ変換印刷の処理動作は、上記第1の実施の形態で示した画像形成装置100のカラー/モノクロ変換コピーの動作と同様である。したがって、同様の動作についての詳細な説明は繰返さない。
【0130】
本実施の形態に係る情報処理装置2200は、アプリケーションプログラムを用いて作成、或いは、記録媒体又は通信等を介して取得する。取得したカラー画像データをモノクロ印刷する場合、プリンタドライバによってモノクロ画像データに変換される。その際、プリンタドライバにより、変換されたモノクロ画像データにおいて隣接する領域の境界が識別可能か否かが判定される。以降の動作は、画像形成装置100のカラー/モノクロ変換コピーの処理動作と同様である。
【0131】
〈作用・効果〉
本実施の形態に係る情報処理装置2200は、上記第1の実施の形態で示した画像形成装置100と同様の効果を有する。
【0132】
(第4の実施の形態)
本実施の形態に係る情報処理装置は、印刷の実行前に、変換されたモノクロ画像データをプレビュー表示させることでユーザに境界の識別が可能か否かを判断させる。
【0133】
〈ハードウェア構成〉
本実施の形態に係る情報処理装置は、第3の実施の形態に係る情報処理装置2200と同様である。本実施の形態と第3の実施の形態とは、例えば、設定ボタン(図示せず。)を操作することで切り替え可能とすることができる。
【0134】
〈ソフトウェア構成〉
本実施の形態に係る情報処理装置のカラー/モノクロ変換印刷は、図17に示すステップS300に代えて図21に示すステップS2300とされている点を除き、各処理は、図17に示すコンピュータプログラムによって実行される各処理と同様である。なお、上記第3の実施の形態と同様、画像形成装置100の操作パネル150で実行される操作及び表示は、操作部2214及び表示部2216等によって実行される。
【0135】
〈動作〉
カラー画像データの取得動作を除いたカラー/モノクロ変換印刷の動作は、上記第2の実施の形態で示した画像形成装置のカラー/モノクロ変換コピーの動作と同様である。
【0136】
〈作用・効果〉
本実施の形態に係る情報処理装置は、上記第2の実施の形態で示した画像形成装置と同様の効果を有する。
【0137】
(第1〜第4の実施の形態の変形例)
上記第1及び第2の実施の形態では、画像形成装置の一例であるデジタル複合機に本発明を適用した例を示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、プリンタ及びコピー機等の画像形成装置に本発明を適用させてもよい。また、カラー印刷ができないモノクロ機であっても、カラー画像データを取得してモノクロ画像データに変換可能な画像形成装置であれば、そのような画像形成装置に対しても本発明を適用できる。ただし、画面表示が可能な表示装置を備えているのが好ましい。
【0138】
また上記第1及び第2の実施の形態では、レーザプリンタ機能を有する画像形成装置を例に説明したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。画像形成装置はレーザプリンタ以外のプリンタ機能を有する装置であってもよい。画像形成装置は、例えばインクジェットプリンタ機能を有する装置であってもよい。
【0139】
また上記第3及び第4の実施の形態では、情報処理端末の一例であるPCに本発明を適用した例を示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。画像形成装置に対して画像データを出力可能な情報処理端末であれば、PC以外の情報処理端末であってもよい。PC以外の情報処理端末としては、例えば、携帯電話及びスマートフォン等の携帯情報端末等が挙げられる。
【0140】
また上記第2及び第4の実施の形態において、図17に示すステップS312及びステップS1304の少なくとも一方を含まない構成としてもよい。例えば、ユーザが、境界の識別が困難な画像データが存在すると判断した場合、該当するプレビュー画像を選択することにより、選択した画像データに対応する代替画像データを生成してそのプレビュー画像を表示するように構成してもよい。また、例えば、ユーザが、境界の識別が困難な画像が存在しないと判断した場合には、変換されたモノクロ画像データを印刷するように構成してもよい。
【0141】
なお、画像形成装置の操作パネル及び情報処理装置の表示部に表示する画面については、その構成及びレイアウト等を適宜変更できる。
【0142】
上記で開示された技術を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0143】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、この発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0144】
100 画像形成装置
110 制御部
120 スキャナ部
130 画像処理部
132 境界識別部
134 代替画像生成部
140 プリンタ部
142 画像メモリ
144 印刷部
150 操作パネル
152 表示出力部
154 操作キー
250、270、800 プレビュー画面
260 操作画面
290、295 通知画面
2200 情報処理装置
2214 操作部
2216 表示部
2228 BUSライン
2230 制御部
3000 画像形成装置














【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
入力されたカラー画像データをモノクロ画像データに変換するための変換手段と、
前記カラー画像データにより表されるカラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、前記モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定するための判定手段と、
前記判定手段による判定が肯定のときに、前記モノクロ画像データにおける前記2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成するための生成手段と、
前記生成手段によって生成された複数の前記代替画像データをプレビュー情報として前記表示装置に表示させるためのプレビュー表示手段と、
前記プレビュー表示手段によって前記表示装置に表示される前記複数の代替画像データのいずれかをユーザに選択させるための第1の選択手段と、
前記判定手段による判定が否定のときには前記モノクロ画像データに基づく画像を、前記判定手段による判定が肯定のときには、前記選択手段を用いてユーザにより選択された前記代替画像データを、それぞれ出力するための出力手段とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記プレビュー表示手段は、前記生成手段によって生成された複数の前記代替画像データのプレビュー画像と、前記モノクロ画像のプレビュー画像とをプレビュー情報として前記表示装置に表示させるための手段を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記判定手段による判定が肯定であることに応答して、前記モノクロ画像をそのまま出力するか、前記生成手段による代替画像データの生成を行うかをユーザに選択させるための第2の選択手段をさらに含み、
前記出力手段は、前記判定手段による判定が否定のとき、及び前記判定手段による判定が肯定であって、かつ、前記第2の選択手段による前記モノクロ画像を印刷することがユーザにより選択されたときには前記モノクロ画像データに基づく画像を出力し、前記判定手段による判定が肯定であって、かつ、前記第2の選択手段による前記代替画像データを生成することが選択されたときには、前記第1の選択手段を用いてユーザにより選択された前記代替画像データを、それぞれ出力するための手段とを含む、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カラー画像データは、複数ページのカラー画像を表すことがあり、
前記判定手段は、前記カラー画像データにより表される、1ページ又は複数ページの前記カラー画像の各々について、当該カラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、前記モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定するためのページ別判定手段を含み、
前記生成手段は、前記1ページ又は複数ページのカラー画像の各々について、前記判定手段による判定が肯定のときに、前記モノクロ画像データにおける前記2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成するためのページ別生成手段を含み、
前記プレビュー表示手段は、前記1ページ又は複数ページのカラー画像の各々について、前記判定手段による判定が肯定のときに、前記生成手段によって生成された複数の前記代替画像データをプレビュー情報として前記表示装置に表示させるためのページ別プレビュー表示手段を含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カラー画像データは、複数ページのカラー画像を表すことがあり、
前記判定手段は、前記カラー画像データにより表される、1ページ又は複数ページの前記カラー画像の各々について、当該カラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、前記モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定し、その枚数を計数するためのページ別判定手段を含み、
前記画像形成装置はさらに、前記ページ別判定手段による計数結果が0でないことに応答して前記計数結果をユーザに通知するための通知手段を含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
ユーザの指示に応答して、前記複数の代替画像データとは異なる濃淡表示の代替画像データを追加で生成するための追加生成手段をさらに含み、
前記プレビュー表示手段は、前記追加生成手段によって生成された前記異なる濃淡表示の代替画像データのプレビュー画像、前記生成手段によって生成された複数の前記代替画像データのプレビュー画像、及び前記モノクロ画像のプレビュー画像を、プレビュー情報として前記表示装置に表示させるための代替画像追加表示手段を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カラー画像データは、複数ページのカラー画像を表し、
前記画像形成装置はさらに、
前記変換手段によって変換された複数のモノクロ画像データのプレビュー画像をプレビュー情報として前記表示装置に表示させるための複数画像表示手段と、
前記複数画像表示手段により表示された複数のモノクロ画像のいずれかをユーザに選択させるための第2の選択手段とを含み、
前記追加生成手段は、前記複数のモノクロ画像のうち、前記第2の選択手段により選択されたモノクロ画像に対して、前記複数の代替画像データとは異なる濃淡表示の代替画像データを生成するための手段を含み、
前記代替画像追加表示手段は、前記第2の選択手段によるモノクロ画像に対して生成された前記代替画像データのプレビュー画像、前記生成手段によって生成された複数の前記代替画像データのプレビュー画像、及び前記モノクロ画像のプレビュー画像を、プレビュー情報として前記表示装置に表示させるための手段を含む、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記変換手段によって変換された前記モノクロ画像データのモノクロ画像を前記表示装置に表示させるための表示手段と、
前記表示手段によって表示された前記モノクロ画像の前記領域のうちユーザに指定された領域を、前記生成手段によって生成された前記代替画像データの代替画像とは異なる濃淡表示に変更した代替画像データを追加で生成するための追加生成手段とをさらに含み、
前記プレビュー表示手段は、前記追加生成手段によって生成された前記代替画像データのプレビュー画像を前記表示装置に表示させるための手段を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
表示装置と、
入力されたカラー画像データをモノクロ画像データに変換するための変換手段と、
前記カラー画像データにより表されるカラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、前記モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かをユーザに判定させるために、前記変換手段によって変換された前記モノクロ画像のプレビュー画像をプレビュー情報として前記表示装置に表示させる第1のプレビュー表示手段と、
ユーザの指示に応答して、前記モノクロ画像データにおける前記2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成するための生成手段と、
前記生成手段によって生成された複数の前記代替画像データをプレビュー情報として前記表示装置に表示させるための第2のプレビュー表示手段と、
前記第2のプレビュー表示手段によって前記表示装置に表示される前記複数の代替画像データのいずれかをユーザに選択させるための選択手段と、
前記選択手段によるユーザの選択に応答して、前記モノクロ画像データに基づく画像を出力する処理と、前記選択手段を用いてユーザにより選択された前記代替画像データを出力する処理とを選択的に実行するための出力手段とを含む、画像形成装置。
【請求項10】
表示装置に接続されたコンピュータを、
入力されたカラー画像データをモノクロ画像データに変換するための変換手段と、
前記カラー画像データにより表されるカラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、前記モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定するための判定手段と、
前記判定手段による判定が肯定のときに、前記モノクロ画像データにおける前記2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成するための生成手段と、
前記生成手段によって生成された複数の前記代替画像データをプレビュー情報として前記表示装置に表示させるためのプレビュー表示手段と、
前記プレビュー表示手段によって前記表示装置に表示される前記複数の代替画像データのいずれかをユーザに選択させるための第1の選択手段と、
前記判定手段による判定が否定のときには前記モノクロ画像データに基づく画像を、前記判定手段による判定が肯定のときには、前記選択手段を用いてユーザにより選択された前記代替画像データを、それぞれ出力するための出力手段として機能させる、プリンタドライバプログラム。
【請求項11】
前記プレビュー表示手段は、前記生成手段によって生成された複数の前記代替画像データのプレビュー画像と、前記モノクロ画像のプレビュー画像とをプレビュー情報として前記表示装置に表示させるための手段を含む、請求項10に記載のプリンタドライバプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータを、前記判定手段による判定が肯定であることに応答して、前記モノクロ画像をそのまま出力するか、前記生成手段による代替画像データの生成を行うかをユーザに選択させるための第2の選択手段としてさらに機能させ、
前記出力手段は、前記判定手段による判定が否定のとき、及び前記判定手段による判定が肯定であって、かつ、前記第2の選択手段による前記モノクロ画像を印刷することがユーザにより選択されたときには前記モノクロ画像データに基づく画像を出力し、前記判定手段による判定が肯定であって、かつ、前記第2の選択手段による前記代替画像データを生成することが選択されたときには、前記第1の選択手段を用いてユーザにより選択された前記代替画像データを、それぞれ出力するための手段を含む、請求項10又は請求項11に記載のプリンタドライバプログラム。
【請求項13】
前記カラー画像データは、複数ページのカラー画像を表すことがあり、
前記判定手段は、前記カラー画像データにより表される、1ページ又は複数ページの前記カラー画像の各々について、当該カラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、前記モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定するためのページ別判定手段を含み、
前記生成手段は、前記1ページ又は複数ページのカラー画像の各々について、前記判定手段による判定が肯定のときに、前記モノクロ画像データにおける前記2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成するためのページ別生成手段を含み、
前記プレビュー表示手段は、前記1ページ又は複数ページのカラー画像の各々について、前記判定手段による判定が肯定のときに、前記生成手段によって生成された複数の前記代替画像データをプレビュー情報として前記表示装置に表示させるためのページ別プレビュー表示手段を含む、請求項10〜請求項12のいずれかに記載のプリンタドライバプログラム。
【請求項14】
前記カラー画像データは、複数ページのカラー画像を表すことがあり、
前記判定手段は、前記カラー画像データにより表される、1ページ又は複数ページの前記カラー画像の各々について、当該カラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、前記モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かを判定し、その枚数を計数するためのページ別判定手段を含み、
前記プリンタドライバプログラムはさらに、前記ページ別判定手段による計数結果が0でないことに応答して前記計数結果をユーザに通知するための通知手段として前記コンピュータを機能させる、請求項10〜請求項12のいずれかに記載のプリンタドライバプログラム。
【請求項15】
前記コンピュータを、ユーザの指示に応答して、前記複数の代替画像データとは異なる濃淡表示の代替画像データを追加で生成するための追加生成手段としてさらに機能させ、
前記プレビュー表示手段は、前記追加生成手段によって生成された前記異なる濃淡表示の代替画像データのプレビュー画像、前記生成手段によって生成された複数の前記代替画像データのプレビュー画像、及び前記モノクロ画像のプレビュー画像を、プレビュー情報として前記表示装置に表示させるための代替画像追加表示手段を含む、請求項10に記載のプリンタドライバプログラム。
【請求項16】
前記カラー画像データは、複数ページのカラー画像を表し、
前記コンピュータを、
前記変換手段によって変換された複数のモノクロ画像データのプレビュー画像をプレビュー情報として前記表示装置に表示させるための複数画像表示手段と、
前記複数画像表示手段により表示された複数のモノクロ画像のいずれかをユーザに選択させるための第2の選択手段としてさらに機能させ、
前記追加生成手段は、前記複数のモノクロ画像のうち、前記第2の選択手段によるモノクロ画像に対して、前記複数の代替画像データとは異なる濃淡表示の代替画像データを生成するための手段を含み、
前記代替画像追加表示手段は、前記第2の選択手段によるモノクロ画像に対して生成された前記代替画像データのプレビュー画像、前記生成手段によって生成された複数の前記代替画像データのプレビュー画像、及び前記モノクロ画像のプレビュー画像を、プレビュー情報として前記表示装置に表示させるための手段を含む、請求項15に記載のプリンタドライバプログラム。
【請求項17】
前記コンピュータを、
前記変換手段によって変換された前記モノクロ画像データのモノクロ画像を前記表示装置に表示させるための表示手段と、
前記表示手段によって表示された前記モノクロ画像の前記領域のうちユーザに指定された領域を、前記生成手段によって生成された前記代替画像データの代替画像とは異なる濃淡表示に変更した代替画像データを追加で生成するための追加生成手段としてさらに機能させ、
前記プレビュー表示手段は、前記追加生成手段によって生成された前記代替画像データのプレビュー画像を前記表示装置に表示させるための手段を含む、請求項10に記載のプリンタドライバプログラム。
【請求項18】
表示装置に接続されたコンピュータを、
入力されたカラー画像データをモノクロ画像データに変換するための変換手段と、
前記カラー画像データにより表されるカラー画像内の、互いに異なる色で着色された隣接する2つの領域であって、前記モノクロ画像データにより表されるモノクロ画像において互いの境界が識別不可能なものが存在するか否かをユーザに判定させるために、前記変換手段によって変換された前記モノクロ画像のプレビュー画像をプレビュー情報として前記表示装置に表示させる第1のプレビュー表示手段と、
ユーザの指示に応答して、前記モノクロ画像データにおける前記2つの領域の濃度をそれぞれ所定の変換パターンにしたがって変換した複数の代替画像データを生成するための生成手段と、
前記生成手段によって生成された複数の前記代替画像データをプレビュー情報として前記表示装置に表示させるための第2のプレビュー表示手段と、
前記第2のプレビュー表示手段によって前記表示装置に表示される前記複数の代替画像データのいずれかをユーザに選択させるための選択手段と、
前記選択手段によるユーザの選択に応答して、前記モノクロ画像データに基づく画像を出力する処理と、前記選択手段を用いてユーザにより選択された前記代替画像データを出力する処理とを選択的に実行するための出力手段として機能させる、プリンタドライバプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−77961(P2013−77961A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216387(P2011−216387)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】