説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】UIによらずにユーザが望む消費電力に関する内容をユーザに通知することが可能な画像形成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】電源オンが検知され(S101)、ユーザにより電力表示の初期設定が行われる(S102)。電力測定が開始され(S103,S104)、測定結果が格納される(S105)。ユーザによる使用があると判断すると(S106,S107)、電力情報をユーザの情報に関連付けて格納部に格納する(S108)。そして、印刷指示があり、かつ電力表示機能がオンになっていれば(S109,S110)、ユーザの情報に対応する測定結果を読み出して、電力情報を計算する(S111)。画像生成部は、ユーザによる印刷指示の画像データに電力情報通知の画像データを加えた画像データを生成し(S112)、印刷装置はその画像データを所定の用紙に印刷する(S113)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、複数の動作状態で作動する画像形成装置の各動作状態毎の消費電力量を測定し、この測定された動作状態毎の消費電力量及び/若しくは消費電力量に関連する関連情報(電気料金等)を動作状態毎に分別して表示出力する画像形成装置が開示されている。
また、特許文献2には、通常電力モード時の単位時間当たりの単位消費電力量をあらかじめ測定しておき、省電力モードに入ると、そのとき省電力モードに入っていた省電力モード時間とそのときの省電力モード消費電力を測定し、単位消費電力量とその省電力モード時間から、省電力モードに入っていた時間が通常電力モードであった場合の通常電力モード消費電力を算出し、その通常電力モード消費電力から省電力モード消費電力を減じることにより省電力モードによる電力削減量を算出する画像形成装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−39443号公報
【特許文献2】特開2005−132045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、電力量や電力削減値などの電力をUI(User Interface)で表示する際には、UIの電源をオフにすることができないため、UIの動作が必要でない場合(例えば印刷中)であってもUIの電源をオンにしておく必要がある。また、UIが小寸であれば表示することが困難であり、また、UIの無い機種では表示することができない。また、別の用紙にて印刷する場合には出力するための追加の用紙が必要になる。
また、電力消費量、電力削減値、電気料金等の消費電力に関する表示では、どれだけの電力を使用したかを把握し難い。
【0005】
本発明は、UIによらずに消費電力に関する内容をユーザに通知することが可能な画像形成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、装置本体の消費電力を計測する計測手段と、消費電力に関して通知する電力通知の画像を、前記計測手段による計測結果を基に作成する作成手段と、前記作成手段により作成される前記電力通知の画像を、ユーザにより印刷の指示がなされた画像と共に印刷する印刷手段と、を含む画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記計測手段による前記計測結果を格納する格納手段を更に含み、前記作成手段は、前記格納手段に格納されている前記計測結果を用いて前記電力通知の画像を作成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記装置本体に対して指示を行うユーザの情報を取得する取得手段を更に含み、前記格納手段は、前記取得手段による前記ユーザの情報と対応付けて前記計測手段による前記計測結果を格納することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記作成手段は、前記取得手段により前記ユーザの情報を取得した際に当該ユーザの情報に対応する前記計測結果を前記格納手段から読み出し、消費電力に関して通知する前記電力通知の画像を作成することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記格納手段は、前記作成手段により前記電力通知の画像を作成する際に用いられる基準値を格納し、前記作成手段は、前記計測手段による前記計測結果と前記格納手段に格納されている前記基準値との相対的な関係を計算して前記電力通知の画像を作成することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記作成手段は、ユーザの指示またはユーザによる設定に従って前記電力通知の画像を作成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項7に記載の発明は、装置本体の消費電力を計測する計測手段を含む画像形成装置が備えるコンピュータに、消費電力に関して通知する電力通知の画像を、前記計測手段による計測結果を基に作成する作成機能と、前記作成機能により作成される前記電力通知の画像を、ユーザにより印刷の指示がなされた画像に合成する画像合成機能と、を実現させるプログラムである。
請求項8に記載の発明は、前記計測手段による前記計測結果を格納する格納機能を更に実現させ、前記作成機能は、前記格納機能により格納されている前記計測結果を用いて前記電力通知の画像を作成することを特徴とする請求項7に記載のプログラムである。
請求項9に記載の発明は、前記装置本体に対して指示を行うユーザの情報を取得する取得機能を更に実現させ、前記格納機能は、前記取得機能による前記ユーザの情報と対応付けて前記計測手段による前記計測結果を格納することを特徴とする請求項8に記載のプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1によれば、UIによらずに消費電力に関する内容をユーザに通知することが可能になる。
請求項2によれば、過去の測定結果を利用して電力通知の画像を作成することが可能になる。
請求項3によれば、ユーザ毎という指標で電力状態を把握することによって電力管理を従来よりも効率的に行うことが可能になる。
請求項4によれば、ユーザごとの電力情報の電力通知画像を作成することが可能になる。
請求項5によれば、予め設定した基準値に対する消費電力の状態を通知することが可能になる。
請求項6によれば、ユーザが望むタイミングで電力通知の画像を印刷することが可能になる。
請求項7によれば、UIによらずに消費電力に関する内容をユーザに通知することが可能になる。
請求項8によれば、過去の測定結果を利用して電力通知の画像を作成することが可能になる。
請求項9によれば、ユーザ毎という指標で電力状態を把握することによって電力管理を従来よりも効率的に行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態のプリントシステムの構成の一例を示す図である。
同図に示すように、このプリントシステムは、複数の端末装置10と画像形成装置20とがネットワークNWに互いに接続されることにより構成されている。このプリントシステムは、例えば複数の端末装置10の各々から印刷指示がネットワークNWを介して画像形成装置20に送信されると、画像形成装置20は、その印刷指示を受けて用紙に印刷を行うように構成されている。このように、プリントシステムは、ネットワークNWの環境下で画像形成装置20を複数のユーザで使用することが可能に構成されている。なお、プリントシステムは、ケーブルCで画像形成装置20と接続され、ユーザを認識するユーザ認識部30を備えている。
【0010】
端末装置10は、画像データを作成し外部に出力する機器であり、例えば、ソフトウェアを実行して演算等を行うコンピュータ本体、ディスプレイ等の表示装置、コンピュータ本体に対して入力を行うための入力装置等により構成される。この端末装置10としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータが用いられる。
【0011】
画像形成装置20は、媒体に画像を印刷し、印刷文書として出力する装置である。更に説明すると、画像形成装置20は、ネットワークNWを介して端末装置10に接続され、又は、USB(Universal Serial Bus)を介して端末装置10に接続されている。そして、画像形成装置20は、端末装置10からのプリント指示によりプリントするプリント機能、コピー機能及びスキャン機能や通信の機能を備えた所謂「複合機」である。
【0012】
ユーザ認識部30は、ユーザを認識し、認識結果としてのユーザデータをケーブルCを介して画像形成装置20に送信する。なお、このユーザ認識部30を、例えばIDカードリーダで構成することが考えられる。また、ユーザ認識部30を、パスワード入力やユーザの指紋画像読み取り等の他の手段で構成することも考えられる。すなわち、ユーザ認識部30を、単なるユーザ認識ではなく、ユーザを識別して認証し認証結果を画像形成装置20にケーブルCを介して送信するように構成することが考えられる。なお、ユーザ認識部30は、画像形成装置20から給電される。
【0013】
ネットワークNWとしては、例えばイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))によるLAN(Local Area Network)で構成することができる。更に説明すると、このネットワークNWを介して、端末装置10と画像形成装置20との間でデータを相互に送受信することができる。すなわち、端末装置10は、画像形成装置20に対してネットワークNWを介して印刷データを送信して印刷を指示することができる。
なお、端末装置10と画像形成装置20との間でネットワークNWを介してデータ転送を行う際に、送信元と送信先との間でデータ通信を確立するためのネゴシエーション(negotiation)を行う。このネゴシエーションという用語は、ハードウェアデバイス同士が通信(通信条件)に関する情報交換を行うものともいうことができる。
【0014】
また、本実施の形態では、端末装置10と画像形成装置20との間は、上述したように、例えばイーサネット(登録商標)による通信環境で構成されているが、他の既存通信環境例えばUSB(Universal Serial Bus)接続による通信環境で構成することも考えられる。
【0015】
図2は、画像形成装置20の構成例を示すブロック図である。
同図に示すように、本実施の形態での画像形成装置20は、各装置(各部)の動作を制御する制御部21と、用紙に画像を印刷する印刷手段の一例としての印刷装置22と、消費電力を測定する計測手段の一例としての電力測定部23と、を本実施の形態における主要部として備えている。
また、画像形成装置20は、制御部21から印刷装置22に画像データを送信するための信号路s1と、電力測定部23から制御部21へ測定結果を送信するための信号路s2と、を備えている。
【0016】
制御部21は、電力測定部23の測定結果等の情報を格納する格納手段の一例としての格納部24と、格納部24に格納されている情報を基に電力表示内容を計算する電力計算部25と、印刷装置22で印刷される画像データを生成する画像生成部26と、を備えている。なお、ユーザに通知すべき電力情報の画像(図5又は図6の電力情報通知43,44参照)を電力測定部23による測定結果を基に作成する作成手段は、電力計算部25及び画像生成部26によって構成することが考えられる。
【0017】
印刷装置22は、例えば、電子写真方式により用紙に画像を形成するものである。印刷装置22での画像形成を簡単に説明すると、まず有機感光体等からなる像保持体の表面に、公知の電子写真プロセスにより形成した静電潜像をトナー像保持体に現像する。次いでこのトナー像を転写装置により記録媒体に静電的に転写した後、定着装置によりトナー像を記録媒体に定着させることにより画像形成が行われる。なお、このような電子写真方式に限らず、インクジェット方式や感熱フィルム方式などで印刷装置22を構成することも考えられる。
【0018】
電力測定部23は、図示しない商用電源から画像形成装置20本体に供給される電力の電流値を検出すると共に電力の電圧値を検出する。そして、これら電流値及び電力値から電力を算出する。算出した電力の情報は、測定結果として信号路s2を介して制御部21に送られる。この測定結果は、電力使用量ないし消費電力である。
【0019】
格納部24は、各種の電力管理情報を格納する。例えば、格納部24は、電力測定部23による測定結果を格納する。また、格納部24は、ユーザ認識部30から取得したユーザ認識情報を格納する。また、格納部24は、測定結果や認識結果に対応付けて計時情報を格納する。
付言すると、格納部24は、不揮発性メモリ(NVM(Non Volatile Memory))であり、データの書き換えと電源を切った後のデータ保持が可能である。格納部24としては、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などを用いることができる。
【0020】
電力計算部25は、予め定められたタイミングで格納部24から電力管理情報を読み出し、通知すべき電力情報を計算により取得し、画像生成部26に送る。電力計算部25は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)とCPUの作業用メモリとして用いられる図示しないRAM(Random Access Memory)とにより構成することが考えられる。図示しないCPUにより実行される処理プログラムや処理プログラムにて用いられる設定値等のデータ等は、図示しないROM(Read Only Memory)に格納され、この処理プログラムを読み込むことによって電力情報を計算する。
【0021】
画像生成部26は、端末装置10からネットワークNWを介して印刷指示があった画像や図示しない画像読取部により読み取られた画像等を基にして画像データを生成する。なお、図示しない画像読取部により読み取られた画像を基にして生成された画像データは、ユーザにより複写指示があれば、信号路s1を介して印刷装置22に送られ(コピー機能)、また、ユーザによりスキャン指示があれば、ネットワークNWを介して端末装置10に送られる(スキャン機能)。
なお、画像生成部26は、生成する画像データには、印刷指示があった画像等のほかに、電力計算部25により計算されて得た電力情報通知43,44(図5又は図6参照)が含まれる。すなわち、画像生成部26は、ユーザにより印刷の指示がなされた画像に、電力情報通知43,44を合成する画像合成機能を果たす。電力情報通知43,44の詳細については後述する。
【0022】
ここで、制御部21は、動作状態に関するモード(動作モード)を制御する。この動作モードの例としては、画像形成装置20の電源が投入された時のウォームアップモードと、発生したジョブを実行するランモードと、ジョブの発生に備えて待機するスタンバイモード、スタンバイモードが予め定められた時間継続されると消費電力を低減するために移行するローパワーモード(低電力モード)と、ローパワーモードが予め定められた時間継続されると更に消費電力を低減するために移行するスリープモードと、がある。以下、ランモード及びスタンバイモードを、通常の動作状態で動作するモードとしての通常モードということがあり、また、ローパワーモード及びスリープモードを省電力モード(節電モード)ということがある。通常モードの消費電力よりも省電力モードの消費電力の方が低く、また、省電力モードの中では、ローパワーモードの消費電力よりもスリープモードの消費電力(スリープ電力)の方が低い。すなわち、これらのモードのうちスリープモードの消費電力が最も低い。
【0023】
図3は、格納部24に記憶されている電力管理情報を説明する図である。同図の(a)は、ユーザごとの電力使用量を示す表であり、(b)に示す表は、画像形成装置20全体の電力使用量を示す表である。
同図の(a)の表では、横欄に、ユーザ名、電力使用量及び閾値を示している。閾値は基準値の一例である。電力使用量は、今週分、今月分、先週分及び先月分の4つに区分けされている。そして、縦欄は、ユーザ名の別を示している。この表では、ユーザ名として、A,B及びXが設定されている。具体的に説明すると、ユーザAの電力使用量は、今週分が176Wh、今月分が750Wh、先週分が200Wh、先月分が1000Whである。また、ユーザBの電力使用量は、今週分が203Wh、今月分が790Wh、先週分が240Wh、先月分が1200Whである。ユーザA及びユーザBの閾値はいずれも、1000Whである。また、ユーザXの電力使用量は、今週分がxxxWh、今月分がxxxWh、先週分がxxxWh、先月分がxxxxWhであり、ユーザXの閾値はxxxxWhである。
【0024】
同図の(b)の表では、横欄に電力使用量及び閾値を示している。電力使用量は、今週分、今月分、先週分及び先月分の4つに区分けされている。具体的に説明すると、画像形成装置20の全体の電力使用量は、今週分が1904Wh、今月分が8023Wh、先週分が2059Wh、先月分が10007Whであり、全体の閾値は10000Whである。
【0025】
図4は、電力表示に関する処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すフローチャートでは、画像形成装置20の制御部21は、図示しない主電源がオン(電源オン)になったことを検知すると(ステップ101)、予め定められた手順に従いシステム立ち上げを行う。その後、図示しないUI部に、電力表示の初期設定を促す画像を表示させる。これにより、ユーザは、表示させたい電力表示情報を図示しないUI部にて入力することで電力表示の初期設定を行う(ステップ102)。このような電力表示の初期設定には、電力表示機能をオンにすることが含まれる。
なお、本実施の形態では、電力表示の初期設定は、画像形成装置20の図示しないUI部を通じて行っているが、端末装置10からネットワークNWを介してユーザが初期設定を行うことも考えられる。
【0026】
ここで、電力表示情報としては、画像形成装置20全体の電力使用量の今月分、先月分、今週分及び先週分を表示する例や、ユーザごとの電力使用量の今月分、先月分、今週分及び先週分を表示する例がある。また、先月ないし先週と比較した消費電力増加量、その増加割合を表示する例や、先月の電力使用量から今月の使用量を減じた値を予測電力使用量として表示する例、電気料金を表示する例がある。また、これらの内容を記号、マーク又はグラフ等で表示する例がある。また、予め設定された閾値からの残りの電力量、電力料金又は可能作業内容等を表示する例がある。
【0027】
そして、制御部21は、電力測定部23に対して電力測定の開始を指示し、これに応じて、電力測定部23は、電力測定を開始する(ステップ103)。電力測定部23が電力を測定すると(ステップ104)、その測定結果として電力情報を信号路s2を介して制御部21の格納部24に送る。格納部24は、電力測定部23から送られた電力情報を格納する(ステップ105)。なお、電力測定部23は、スリープモード以外のモード(アクティブ状態)での待機電力を格納部24に送る。
【0028】
制御部21は、ユーザによる使用があるか否かを判断し(ステップ106)、ユーザによる使用があると判断すると、ユーザ認識部30によりユーザの認識が行われ(ステップ107)、その認識結果としてのユーザ認識情報(ユーザの情報、ユーザに関連する情報)がユーザ認識部30からケーブルCを介して、取得手段の一例としての制御部21に送られる。なお、コピーや印刷等を行う際にユーザがIDカードをユーザ認識部30に認識させることで、ユーザ認識が行われる。また、他のユーザ認識の方法としては、ネットワークNWを介して印刷指示を行う際のIPアドレスによりユーザの認識を行うことも考えられる。
ステップ106において、制御部21は、ユーザによる使用がないと判断すると、ステップ104に戻る。
【0029】
制御部21は、電力測定部23からの電力情報をユーザ認識部30からのユーザ認識情報に関連付けて格納部24に格納する(ステップ108)。このような関連付けにより、ユーザごとの電力使用量を表したり(図3の(a)参照)、画像形成装置20全体の電力使用量を表したり(同図の(b)参照)することが可能になる。
【0030】
制御部21は、印刷指示があるか否かを判断し(ステップ109)、印刷指示が無いとの判断のときにはステップ104に戻り、印刷指示が有るとの判断のときにはステップ110に進む。
ステップ110では、制御部21は、電力表示機能がオンになっているか否かを判断し(ステップ110)、オンになっているとの判断のときにはステップ111に進み、オンになっていないとの判断のときにはステップ113に進む。
【0031】
電力表示機能はオンになっていると制御部21が判断すると、電力計算部25は、ステップ107で取得したユーザ認識情報に対応する測定結果を格納部24から読み出して、電力情報を計算する(ステップ111)。その後、電力計算部25は、電力情報を画像生成部26に送る。
画像生成部26は、電力計算部25からの電力情報を基に電力情報通知の画像データを生成する。そして、画像生成部26は、ユーザによる印刷指示の画像データに電力情報通知の画像データを加えた画像データ(合成画像データ)を生成し(ステップ112)、生成した合成画像データを印刷装置22に信号路s1を介して送る。
【0032】
印刷装置22は、画像生成部26からの合成画像データを用紙に印刷する(ステップ113)。これにより、画像形成装置20がどれだけの電力を使用しているのかを、UI部が小さかったりUI部を備えていなかったりしても、ユーザにとってわかり易い表示で通知することが可能になる。
画像形成装置20は印刷した後には、ステップ104に戻る。このような一連の処理手順を、画像形成装置20の図示しない主電源がオフになるまで繰り返される。
【0033】
なお、電力情報通知を行うタイミングとしては、電力表示機能をオンにしている場合の他に、設定日(例えば月終わり、週終わり等)になった場合又は、先月や先週よりも電力消費量が超えそうな場合も考えられる。
このような一連の処理手順を実行することにより、UIによらずに消費電力に関する内容をユーザに通知することが可能になる。また、その場合に、画像形成装置20全体についての通知又はユーザごとの通知が可能であり、また、閾値との相対関係での通知も可能である。このため、ユーザの希望に沿う形で通知することが可能になる。
【0034】
図5及び図6は、電力情報通知例を示す図である。
図5の場合には、(a)に示すように、用紙41の中央に画像表示領域42が表示されている。この画像表示領域42は、ユーザにより印刷の指示がなされた画像が印刷される範囲である。そして、用紙41の画像表示領域42の周囲の余白部分に、電力通知の画像の一例としての電力情報通知43が表示されている。電力情報通知43は、装置本体の消費電力に関して通知する部分である。
この電力情報通知43には、例えば図5の(b)〜(d)のいずれかに示す内容が含まれる。具体的に説明すると、(b)は、画像形成装置20全体の電気料金についての通知例であり、今月電気料金、先月電気料金及び予測電気料金が表示されるものである。(c)は、画像形成装置20全体での残り可能作業内容についての通知であり、プリント、コピー及びスキャンの各々の枚数が表示されるものである。(d)は、ユーザAの電気使用量についての通知であり、今月使用量、先月使用量及び予測使用量が表示されるものである。
【0035】
図6の場合には、同図の(a)に示すように、用紙41の画像表示領域42の周囲の余白部分に、電力通知の画像の一例としての電力情報通知44が表示されている。この場合の電力情報通知44は、格納部24に格納された電力測定部23の測定結果と基準値の一例としての閾値と相対的な関係を計算して得た図形等の画像を含むものである。
具体的に説明すると、電力情報通知44には、例えば同図の(b)〜(e)のいずれかに示す内容が含まれる。(b)は、閾値に対する電力使用量の割合を円グラフで通知する例であり、(c)は、閾値に対する電力使用量の割合を棒グラフで通知する例である。電力使用量が多くなるほど塗りつぶす領域が広くなる。
【0036】
また、(d)は、4つの矩形を連ねた図形を用いた通知例である。すなわち、4つの矩形の左から順に今月分、先月分、今週分及び先週分と対応付けられており、いずれかの電気使用量が閾値よりも超えた場合に、対応する矩形を塗りつぶすことで通知する例である。
【0037】
また、(e)は、1つの矩形からなる図形を用いた通知例であり、カラー印刷であれば、例えば今月分の電気使用量が閾値に近づくに従って色彩を変えていくようにする場合が考えられる。また、白黒印刷であれば、今月の電気使用量が閾値に近づくに従って白色から灰色、黒色に変わっていくようにする場合が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施の形態のプリントシステムの構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】格納部に記憶されている電力管理情報を説明する図である。
【図4】電力表示に関する処理手順を示すフローチャートである。
【図5】電力情報通知例を示す図である。
【図6】電力情報通知例を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
10…端末装置、20…画像形成装置、21…制御部、22…印刷装置、23…電力測定部、24…格納部、25…電力計算部、26…画像生成部、30…ユーザ認識部、41…用紙、43,44…電力情報通知、C…ケーブル、NW…ネットワーク、s1,s2…信号路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の消費電力を計測する計測手段と、
消費電力に関して通知する電力通知の画像を、前記計測手段による計測結果を基に作成する作成手段と、
前記作成手段により作成される前記電力通知の画像を、ユーザにより印刷の指示がなされた画像と共に印刷する印刷手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記計測手段による前記計測結果を格納する格納手段を更に含み、
前記作成手段は、前記格納手段に格納されている前記計測結果を用いて前記電力通知の画像を作成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体に対して指示を行うユーザの情報を取得する取得手段を更に含み、
前記格納手段は、前記取得手段による前記ユーザの情報と対応付けて前記計測手段による前記計測結果を格納することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記作成手段は、前記取得手段により前記ユーザの情報を取得した際に当該ユーザの情報に対応する前記計測結果を前記格納手段から読み出し、消費電力に関して通知する前記電力通知の画像を作成することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記格納手段は、前記作成手段により前記電力通知の画像を作成する際に用いられる基準値を格納し、
前記作成手段は、前記計測手段による前記計測結果と前記格納手段に格納されている前記基準値との相対的な関係を計算して前記電力通知の画像を作成することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記作成手段は、ユーザの指示またはユーザによる設定に従って前記電力通知の画像を作成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
装置本体の消費電力を計測する計測手段を含む画像形成装置が備えるコンピュータに、
消費電力に関して通知する電力通知の画像を、前記計測手段による計測結果を基に作成する作成機能と、
前記作成機能により作成される前記電力通知の画像を、ユーザにより印刷の指示がなされた画像に合成する画像合成機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項8】
前記計測手段による前記計測結果を格納する格納機能を更に実現させ、
前記作成機能は、前記格納機能により格納されている前記計測結果を用いて前記電力通知の画像を作成することを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記装置本体に対して指示を行うユーザの情報を取得する取得機能を更に実現させ、
前記格納機能は、前記取得機能による前記ユーザの情報と対応付けて前記計測手段による前記計測結果を格納することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−5809(P2010−5809A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164842(P2008−164842)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】