説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】滴吐出状態を検出して回復動作を行うときの無駄な液体消費量が多くなる。
【解決手段】ノズル欠損検知動作を開始し、滴吐出状態検出装置90のPD(受光)部95からの検出出力を取り込んで、滴速度に対応する正規の受光タイミングと実際に受光タイミングとの差分時間Δtを演算し、すべてのノズルについて時間Δtの演算が終了したときには、Δtが予め定めた閾値以上のノズルがあるか否かを判別し、時間Δtが閾値以上の異常吐出ノズルがあれば、当該時間Δtに対応する空吐出駆動波形を選択して当該異常吐出ノズルの圧力発生手段に与えて、当該異常吐出ノズルのみから空吐出滴を吐出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置及びプログラムに関し、特に滴吐出状態検出装置を備える画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0003】
なお、本願において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体にインクを着弾させて画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、樹脂、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。また、「用紙」とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。また、また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
【0004】
このような画像形成装置においては、記録ヘッドは、インクをノズルから用紙に吐出させて記録を行なう関係上、ノズルからの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより吐出不良が発生すると、画像品質が低下することになる。
【0005】
そこで、ヘッドからの滴吐出状態を検出する滴吐出状態検出装置を備え、滴吐出が正常でないノズルが検出されたときには、記録ヘッドの回復動作を行うことが知られている(特許文献1)。
【0006】
なお、ノズルから吐出される液滴の滴速度の測定方法としては特許文献2に開示されている技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−118264号公報
【特許文献2】特開2006−110774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、記録ヘッドの維持回復動作としては、記録ヘッドのノズル面をキャップでキャッピングして、キャップに接続された吸引手段を駆動することにより、ノズルから強制的にインクを吸引排出させる吸引方式、記録ヘッドに供給側からインクを加圧供給することでノズルから強制的にインクを加圧排出させる加圧方式、及び、これらの吸引と加圧を組み合わせた方式などが採用されるが、いずれにしてもヘッドの回復動作を行うときには、画像形成に寄与しないインク消費を伴うことになる。
【0009】
そのため、滴吐出状態検出装置で吐出異常が検出されたときに行う回復動作では、吐出が正常なノズルからもインクが排出され、インクが無駄に消費されるという課題がある。特に、滴吐出は行われているが、滴速度が正常でないノズルがある場合にも、全ノズルの回復動作を行なうのでは無駄なインク消費が一層多くなる。
【0010】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、滴速度不良に伴う回復動作における無駄な液体消費量を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルから液滴を吐出させる圧力を発生する圧力発生手段とを有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの各ノズルからの滴吐出状態を検出する滴吐出状態検出手段と、
前記記録ヘッドから画像形成に寄与しない空吐出滴を吐出させる空吐出制御手段と、を備え、
前記滴吐出状態検出手段は、前記吐出される液滴の滴速度を検出し、
前記検出された滴速度を予め定めた閾値と比較して正常吐出か異常吐出かを判定し、
前記空吐出制御手段は、前記異常吐出と判定されたノズルに対応する圧力発生手段に対し、前記検出された滴速度に応じた駆動波形を出力して、当該前記異常吐出と判定されたノズルから空吐出滴を吐出させる制御をする
構成とした。
【0012】
ここで、前記検出された滴速度に応じて吐出する空吐出滴の滴数を変更する構成とできる。
【0013】
また、前記空吐出を行うときに正常吐出のノズルの圧力発生手段に対しては液滴を吐出しない程度の駆動信号を与える構成とできる。
【0014】
本発明に係るプログラムは、
液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルから液滴を吐出させる圧力を発生する圧力発生手段とを有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの各ノズルからの滴吐出状態を検出する滴吐出状態検出手段と、を備える画像形成装置におけるノズルの滴吐出状態の回復動作を制御する処理をコンピュータに行わせるプログラムであって、
前記記録ヘッドの各ノズルからの滴吐出状態を検出する滴吐出状態検出手段で前記吐出される液滴の滴速度を検出し、前記検出された滴速度を予め定めた閾値と比較して正常吐出か異常吐出かを判定する処理と、
前記記録ヘッドから画像形成に寄与しない空吐出滴を吐出させる空吐出動作を制御する処理とを行なわせ、
前記空吐出動作を制御する処理では、前記異常吐出と判定されたノズルに対応する圧力発生手段に対し、前記検出された滴速度に応じた駆動波形を出力して、当該前記異常吐出と判定されたノズルから空吐出滴を吐出させる制御をする処理を行わせる
構成とした。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る画像形成装置によれば、滴吐出状態検出手段は、吐出される液滴の滴速度を検出し、検出された滴速度を予め定めた閾値と比較して正常吐出か異常吐出かを判定し、空吐出制御手段は、異常吐出と判定されたノズルに対応する圧力発生手段に対し、検出された滴速度に応じた駆動波形を出力して、当該異常吐出と判定されたノズルから空吐出滴を吐出させる制御をする構成としたので、滴速度が異常吐出のノズルからのみ空吐出による回復動作が行なわれて、滴速度不良に伴う回復動作における無駄な液体消費量を低減することができる。
【0016】
本発明に係るプログラムによれば、記録ヘッドの各ノズルからの滴吐出状態を検出する滴吐出状態検出手段で吐出される液滴の滴速度を検出し、検出された滴速度を予め定めた閾値と比較して正常吐出か異常吐出かを判定する処理と、記録ヘッドから画像形成に寄与しない空吐出滴を吐出させる空吐出動作を制御する処理とを行なわせ、空吐出動作を制御する処理では、異常吐出と判定されたノズルに対応する圧力発生手段に対し、検出された滴速度に応じた駆動波形を出力して、当該異常吐出と判定されたノズルから空吐出滴を吐出させる制御をする処理を行わせる構成としたので、滴速度が異常吐出のノズルからのみ空吐出による回復動作が行なわれて、滴速度不良に伴う回復動作における無駄な液体消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例の全体構成を説明する側面説明図である。
【図2】同装置の模式的平面説明図である。
【図3】記録ヘッドを構成する液体吐出ヘッドの一例を示すノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
【図4】同じく図3のX−X線に沿うノズル配列方向の要部断面説明図である。
【図5】滴吐出状態検出装置の一例の説明に供する説明図である。
【図6】同滴吐出状態検出装置における出力電圧(検出出力)の一例の説明に供する説明図である。
【図7】同画像形成装置の制御部の概要を説明するブロック説明図である。
【図8】同制御部の印刷制御部及びヘッドドライバの一例を示すブロック説明図である。
【図9】同じくノズル欠損検知及び回復動作に関わる部分の説明に供するブロック説明図である。
【図10】インクの乾燥度合いと滴速度との関係の一例を説明する説明図である。
【図11】滴速度と空吐出駆動波形の大きさ(入力波形倍率)との関係の一例を説明する説明図である。
【図12】同制御部によるノズル欠損検知及び回復制御の説明に供するフロー図である。
【図13】本発明の他の実施形態の説明に供する滴速度と空吐出滴数との関係の一例を説明する説明図である。
【図14】空吐出駆動波形の一例の説明に供する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図2は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型インクジェット記録装置であり、装置本体1の左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド31、32でキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、後述する主走査モータによってタイミングベルトを介してキャリッジ主走査方向に移動走査する。
【0019】
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0020】
記録ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
【0021】
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのサブタンク35a、35b(区別しないときは「サブタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク35には、カートリッジ装填部4に着脱自在に装着される各色のメインタンクであるインクカートリッジ10y、10m、10c、10kから、供給ポンプユニット24によって各色の供給チューブ36を介して、各色のインクが補充供給される。
【0022】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
【0023】
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
【0024】
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、後述する副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
【0025】
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロである拍車63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
【0026】
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
【0027】
さらに、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのワイパ部材(ワイパブレード)83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84と、キャリッジ33をロックするキャリッジロック87などとを備えている。また、このヘッドの維持回復機構81の下方側には維持回復動作によって生じる廃液を収容するための廃液タンク100が装置本体に対して交換可能に装着される。
【0028】
また、維持回復機構81と搬送ベルト51との間には、記録ヘッド34のノズルからの液滴吐出状態を検出する滴吐出状態検出手段(装置)90が配置され、所要のタイミングで滴吐出状態の検出が行われる。
【0029】
また、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
【0030】
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0031】
このとき、帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
【0032】
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0033】
そして、記録ヘッド34のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ33をホーム位置である維持回復機構81に対向する位置に移動して、キャップ部材82によるキャッピングを行ってノズルからの吸引を行うノズル吸引、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
【0034】
次に、記録ヘッド34を構成している液体吐出ヘッドの一例について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図4は同じく図3のA−A線に沿うノズル配列方向の要部断面説明図である。
【0035】
この液体吐出ヘッドは、流路板(流路基板、液室基板)101と、この流路板101の下面に接合した振動板部材102と、流路板101の上面に接合したノズル板103とを有し、これらによって液滴(液体の滴)を吐出する複数のノズル104がそれぞれノズル連通路105を介して連通する個別流路としての複数の液室(加圧液室、圧力室、加圧室、流路などとも称される。)106、液室106にインクを供給する流体抵抗部を兼ねた供給路107、この供給路107を介して液室106と連通する連通部108を形成し、連通部108に振動板部材102に形成した供給口109を介して後述するフレーム部材117に形成した共通液室110からインクを供給する。
【0036】
流路板101は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路105、液室106となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。例えば、SUS基板に酸性エッチング液でエッチング、あるいは打ち抜き(プレス)などの機械加工をすることで形成することもできる。流路板101の液室106の間は液室間隔壁106Aとなる。
【0037】
振動板部材102は、第1層102Aと第2層102Bとで形成されて、第1層102Aで薄肉部を形成し、第1層102A及び第2層102Bで厚肉部を形成している。そして、この振動板部材102は、各液室106に対応してその壁面を形成する第1層102Aで形成された各振動領域(ダイアフラム部)102aを有し、この振動領域102aの中に、面外側(液室106と反対面側)に第1層102A及び第2層102Bの厚肉部で形成された島状凸部102bが設けられ、この島状凸部102bに振動領域102aを変形(変位)させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての電気機械変換素子を含む圧電アクチュエータ100を配置している。
【0038】
この圧電アクチュエータ100は、ベース部材113上に接着剤接合した2つの積層型圧電部材112を有し、圧電部材112にはハーフカットダイシングによって溝を加工して1つの圧電部材112に対して所要数の圧電柱112A、112Bを所定の間隔で櫛歯状に形成している。なお、圧電部材112の圧電柱112A、112Bは、同じものであるが、駆動波形を与えて駆動させる圧電柱を駆動圧電柱112A、駆動波形を与えないで単なる支柱として使用する圧電柱を非駆動圧電柱112Bとして区別している。
【0039】
そして、駆動圧電柱112Aの上端面(接合面)を振動板部材102の島状凸部102bに接合している。
【0040】
ここで、圧電部材112は、圧電材料層121と内部電極122A、122Bとを交互に積層したものであり、内部電極122A、122Bをそれぞれ端面、即ち圧電部材112の振動板部材102に略垂直な側面に引き出して、この側面に形成された端面電極(外部電極)123、124に接続し、端面電極(外部電極)123、124間に電圧を印加することで積層方向の変位を生じる。ここで、外部電極123を個別外部電極(個別電極)とし、外部電極124を共通外部電極(共通電極)として使用する。
【0041】
また、圧電部材112には駆動圧電柱112Aに駆動信号を与えるための可撓性を有する配線部材としてのFPC115が接続されている。FPC115には、図示しないが駆動圧電柱112Aに駆動波形を与えるドライバIC(駆動回路)が搭載されている。
【0042】
ノズル板103は、ニッケル(Ni)の金属プレートから形成したもので、エレクトロフォーミング法(電鋳)で形成しているが、ステンレスなどの金属、ポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂、シリコン及びそれらの組み合わせからなるものなども用いることができる。このノズル板103には各液室106に対応して直径10〜35μmのノズル104を形成し、流路板1に接着剤接合している。そして、このノズル板103の液滴吐出側面(吐出方向の表面:吐出面、又は液室106側と反対の面)には撥水層を設けている。
【0043】
さらに、これらの圧電部材112、ベース部材であるベース部材113及びFPC115などで構成される圧電アクチュエータ100の外周側には、エポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成したフレーム部材117を接合している。そして、このフレーム部材117には前述した共通液室110を形成し、更に共通液室110に外部からインクを供給するための図示しない供給口を形成している。
【0044】
このように構成した液体吐出ヘッドヘッドにおいては、例えば圧電素子121に駆動圧電素子柱121Aが収縮し、振動板102が下降して液室106の体積が膨張することで、液室106内にインクが流入し、その後駆動圧電素子柱121Aに印加する電圧を上げて駆動圧電素子柱121Aを積層方向に伸長させ、振動板102をノズル104方向に変形させて液室106の体積を収縮させることにより、液室106内のインクが加圧され、ノズル104からインク滴が吐出(噴射)される。
【0045】
そして、駆動圧電素子柱121Aに印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板102が初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室108から液室106内にインクが充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
【0046】
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、記録する画像に応じて駆動圧電柱112Aに印加する電圧を基準電位Veから下げることによって、駆動圧電柱112Aが収縮し、振動板部材102の振動領域102aが下降して液室106の体積が膨張することで、液室106内にインクが流入し、その後駆動圧電柱112Aに印加する電圧を上げて駆動圧電柱112Aを積層方向に伸張させ、振動板部材102の振動領域102aをノズル板103方向に変形させることで、液室106内のインクが加圧され、ノズル104から液滴が吐出される。
【0047】
そして、駆動圧電柱112Aに印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材102の振動領域102aが初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室110から液室106内にインクが充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
【0048】
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
【0049】
次に、滴吐出状態検出装置90の一例について図5及び図6を参照して説明する。
この滴吐出状態検出装置90は、レーザーダイオード91から照射された光をコリメートレンズ92を通して集光してレーザー光93として射出し、レーザー光93が液滴201で散乱されて生じる散乱光94をフォトダイオード95で受光して電圧に変換して出力する。
【0050】
例えば、図5に示すように、記録ヘッド34の各ノズル104から順次液滴201を吐出するとき、同図で左から6番目のノズル104について吐出された液滴の滴速度が所定速度より遅いとき(図中符号202で示す)、当該ノズル104からの液滴を検出したときのフォトダイオード95の出力電圧(滴検出出力)は、図6に示すように、本来、破線図示のタイミングt1で出力される(同タイミングt1で液滴が検知される)にもかかわらず、実線図示のタイミングt2(正規のタイミングt1に対して時間Δtだけ遅れたタイミング))で出力されることになる。ここで、正規の滴検出出力タイミングに対する実際の滴検出出力のタイミングとの差分(時間)Δtは、滴速度に対応したものになり、滴速度が所定の滴速度よりも遅くなると時間Δtも大きくなる。
【0051】
そこで、実際の滴検出出力のタイミングと正規の滴検出出力タイミングとの差分(時間)Δtを、許容される滴速度の範囲に基づいて予め定めた値(閾値)と比較して、閾値以上であるときには、当該液滴を吐出したノズルを異常吐出と判定し、閾値未満であるときには正常吐出と判定することができる。
【0052】
なお、滴吐出状態検出装置90の構成はこれに限るものではない。また、不吐出ノズルは、ユーザーの長期使用によって紙紛などに代表される異物がノズル外部から詰まったり、インク内に含まれる突発的な異物により内部から詰まったりする場合がある。
【0053】
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図7を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部500は、この装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501が実行する本発明に係る空吐出制御を処理するプログラムなどの各種プログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505とを備えている。
【0054】
また、記録ヘッド34を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含む印刷制御部508と、キャリッジ33側に設けた記録ヘッド34を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509と、キャリッジ33を移動走査する主走査モータ554、搬送ベルト51を周回移動させる副走査モータ555、維持回復機構81の吸引ポンプ812及び詳細は省略するがキャップ82等を昇降させるキャップ昇降機構820を作動する維持回復モータ556を駆動するためのモータ駆動部510と、帯電ローラ56にACバイアスを供給するACバイアス供給部511とを備えている。
【0055】
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
【0056】
また、この制御部500には、滴吐出状態検出装置90からの滴吐出状態検出信号が入力されている。制御部500は、滴吐出状態の検出を行うときには、キャリッジ33を移動走査して記録ヘッド34を滴吐出状態検出装置90による検出位置まで移動させ、記録ヘッド34の各ノズル104から順次液滴を吐出させて滴吐出状態検出装置90による滴吐出状態の検出を行わせ、検出結果に応じて、記録ヘッド34のノズル104の回復動作としての空吐出動作を制御する。
【0057】
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F506を持っていて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してI/F506で受信する。
【0058】
そして、制御部500のCPU501は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
【0059】
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含み、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
【0060】
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド7の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド7を駆動する。このとき、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
【0061】
I/O部513は、装置に装着されている各種のセンサ群515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ制御部510、ACバイアス供給部511の制御に使用する。センサ群515は、用紙の位置を検出するための光学センサや、機内の温度、湿度を監視するためのサーミスタ、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O部513は様々のセンサ情報を処理することができる。
【0062】
次に、印刷制御部508及びヘッドドライバ509の一例について図8を参照して説明する。
印刷制御部508は、画像形成時に1印刷周期内に複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形(共通駆動波形)を生成して出力する駆動波形生成部701と、印刷画像に応じた2ビットの画像データ(階調信号0、1)と、クロック信号、ラッチ信号(LAT)、滴制御信号M0〜M3を出力するデータ転送部702と、空吐出用の駆動波形を生成して出力する空吐出駆動波形生成部703とを備えている。
【0063】
なお、滴制御信号は、ヘッドドライバ209のスイッチ手段であるアナログスイッチ715の開閉を滴毎に指示する2ビットの信号であり、共通駆動波形の印刷周期に合わせて選択すべき駆動パルス又は波形要素でHレベル(ON)に状態遷移し、非選択時にはLレベル(OFF)に状態遷移する。
【0064】
ヘッドドライバ509は、データ転送部702からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル画像データ(階調データ:2ビット/1チャンネル(1ノズル)を入力するシフトレジスタ711と、シフトレジスタ711の各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路712と、階調データと制御信号M0〜M3をデコードして結果を出力するデコーダ713と、デコーダ713のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ715が動作可能なレベルへとレベル変換するレベルシフタ714と、レベルシフタ714を介して与えられるデコーダ713の出力でオン/オフ(開閉)されるアナログスイッチ716とを備えている。
【0065】
このアナログスイッチ716は、各駆動柱112Aの選択電極(個別電極)123に接続され、駆動波形生成部701からの共通駆動波形が入力されている。したがって、シリアル転送された画像データ(階調データ)と制御信号MN0〜MN3をデコーダ713でデコードした結果に応じてアナログスイッチ715がオンにすることにより、共通駆動波形を構成する所要の駆動パルス及び波形要素が通過して(選択されて)圧力発生手段である駆動柱112Aに印加される。
【0066】
空吐出駆動波形生成部703は、空吐出動作を行うときに、空吐出駆動波形を生成してアナログスイッチ715に出力する。なお、駆動波形生成部701からの共通駆動波形と空吐出駆動波形生成部703からの空吐出駆動波形とは、選択的に生成され、あるいは、選択的にアナログスイッチ715に入力される。
【0067】
次に、この制御部における滴吐出状態の検出と空吐出制御にかかる部分の詳細について図9のブロック説明図を参照して説明する。
ノズル欠損検知部801は、液滴検知制御部802と、液滴速度演算部803とを有し、異常吐出ノズルの判定を行う。液滴検知制御部802は、I/F804を介して、発光部91を駆動制御して前述したようにレーザー光を射出させ、受光部95からの受光出力を入力し、液滴速度演算部803に与える。液滴速度演算部803は、液滴検知制御部802からの受光出力を受け取り、前述したように滴速度に対応する遅れ時間Δtを演算して、液滴検知制御部802に演算した遅れ時間Δtを与える。そして、液滴検知制御部802の判定手段を構成する部分で、遅れ時間Δtと予め定めた閾値とを比較して正常吐出か異常吐出かを判定する。
【0068】
また、液滴検知制御部802は、異常吐出と判定したときに、液滴速度演算部803を通じて当該異常判定したときの遅れ時間Δtを入力波形選択部805に出力させる。入力波形選択部805は、液滴検知制御部802が異常吐出と判定したときの滴速度に対応する遅れ時間Δtに対応するヘッド34の圧力発生手段に印加する駆動波形(入力波形)を選択してヘッド制御部805に与える。ヘッド制御部805は、入力波形選択部804で選択された駆動波形(入力波形)をヘッドドライバ509を通じて、記録ヘッド34の異常吐出と判定されたノズルの圧力発生手段に印加させて、当該ノズルから画像形成に寄与しない液滴(空吐出滴)を吐出させる。
【0069】
ここで、例えばノズル内のインクの乾燥度合いと吐出される滴速度の関係は、図10に示すように、乾燥度合いが高くなるに従って滴速度が遅くなる関係にある。そこで、図11に示すように、検出された滴速度が遅くなるに従ってノズルの圧力発生手段に与える駆動波形(入力波形)の倍率(%)を高くするように設定して、例えばより大きな電位の駆動波形を与えるようにしている。
【0070】
また、空吐出用の入力波形の選択は、例えば、前述した空吐出駆動波形生成部703に予めΔtに対応する複数の空吐出駆動信号を含む空吐出駆動波形データを格納しておき、データ転送部702から液滴速度演算部703からの時間Δtのデータに対応する駆動信号を選択する滴制御信号を出力させて、時間Δtに対応する駆動信号をヘッドドライバ509に与えるようにすることができる。
【0071】
あるいは、前述した空吐出駆動波形生成部703に予めΔtに対応する複数の空吐出駆動波形データを格納しておき、液滴速度演算部703からの時間Δtのデータに対応する空吐出駆動データを選択的に出力させるようにすることもできる。
【0072】
あるいは、前述した空吐出駆動波形生成部703に基準となる空吐出駆動波形データと、Δtに対応する倍率とを格納しておき、液滴速度演算部703からの時間Δtに応じた倍率を選択して基準となる空吐出駆動波形データを補正して出力するようにすることもできる。例えば、基本の空吐出駆動波形データに150%の倍率を乗じた空吐出駆動波形を異常吐出のノズルに与える。
【0073】
次に、この画像形成装置における本発明に係る回復制御(空吐出制御)について図12のフロー図を参照して説明する。
まず、滴吐出状態検出処理(ノズル欠損検知動作)を開始し、PD(受光)部95からの検出出力を取り込んで、Δtを演算し、すべてのノズルについて時間Δtの演算が終了したときには、Δtが予め定めた閾値以上のノズルがあるか否かを判別する。
【0074】
このとき、時間Δtが閾値以上の異常吐出ノズルがあれば、当該時間Δtに対応する空吐出駆動波形を選択して当該異常吐出ノズルの圧力発生手段に与えて、当該異常吐出ノズルのみから空吐出滴を吐出させる。なお、空吐出駆動波形の選択とは、前述した各例のいずれであってもよい。
【0075】
このように、滴吐出状態検出手段は、吐出される液滴の滴速度を検出し、検出された滴速度を予め定めた閾値と比較して正常吐出か異常吐出かを判定し、空吐出制御手段は、異常吐出と判定されたノズルに対応する圧力発生手段に対し、検出された滴速度に応じた駆動波形を出力して、当該異常吐出と判定されたノズルから空吐出滴を吐出させる制御をする構成とすることで、滴速度が異常吐出のノズルからのみ空吐出による回復動作が行なわれて、滴速度不良に伴う回復動作における無駄な液体消費量を低減することができる。
【0076】
次に、本発明の他の実施形態について図13を参照して説明する。
本実施形態では、時間Δtに応じて、空吐出する空吐出滴の滴数を変更している。すなわち、前述したように、乾燥度合いが大きいほど、ノズル欠損検知時の滴速度が低下するので、図13に示すように、滴速度が遅い場合ほど、空吐出の滴数を多く設定することで、異常吐出ノズルの回復性を向上させることができる。
【0077】
ここで、空吐出駆動波形の一例について図14を参照して説明する。
この空吐出駆動波形は、液滴を吐出させないでノズル近傍のインクを振動させる微駆動パルス(駆動信号)P1と、3種類の空吐出パルス(駆動信号)P2ないしP4を1駆動周期内で生成出力している。空吐出パルスP2ないしP4は、順次電位が高くなるパルスであって、時間Δtに応じて、例えば時間Δtが小さいときには空吐出パルスP2を選択して圧力発生手段に与え、時間Δtが長くなるに従って空吐出パルスP3、P4を選択して圧力発生手段に与える。
【0078】
また、時間Δtが長くなったときには、空吐出パルスP2ないしP4のうちの複数の空吐出パルスを選択する(滴数を多くする)ようにすることもできる。
【0079】
また、正常吐出と判定されたノズルについては、微駆動パルスP1を印加してノズル状態を良好に維持することができる。
【0080】
以上の回復制御や滴吐出状態検出処理など、本発明に係る処理は、ROM502に格納されている本発明に係るプログラムによってコンピュータに実行させる。このプログラムは、情報処理装置(ホスト600)側にダウンロードして画像形成装置にインストールすることができる。また、上記処理は、情報処理装置(ホスト600)側のプリンタドライバで行う構成とすることもできる。さらに、本発明に係る画像形成装置と情報処理装置又は画像形成装置と本発明に係る処理を行うプログラムを有する情報処理装置とを組み合わせて画像形成システムとして構成することもできる。
【符号の説明】
【0081】
10 インクカートリッジ
33 キャリッジ
34、34a、34b 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
90 滴吐出状態検出装置
104 ノズル
106 液室
112 圧電部材(圧力発生手段)
500 制御部
600 ホスト(情報処理装置)
801 ノズル欠損検知部
802 液滴検知制御部
803 液滴速度演算部
805 入力波形選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルから液滴を吐出させる圧力を発生する圧力発生手段とを有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの各ノズルからの滴吐出状態を検出する滴吐出状態検出手段と、
前記記録ヘッドから画像形成に寄与しない空吐出滴を吐出させる空吐出制御手段と、を備え、
前記滴吐出状態検出手段は、前記吐出される液滴の滴速度を検出し、
前記検出された滴速度を予め定めた閾値と比較して正常吐出か異常吐出かを判定し、
前記空吐出制御手段は、前記異常吐出と判定されたノズルに対応する圧力発生手段に対し、前記検出された滴速度に応じた駆動波形を出力して、当該前記異常吐出と判定されたノズルから空吐出滴を吐出させる制御をする
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検出された滴速度に応じて吐出する空吐出滴の滴数を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記空吐出を行うときに正常吐出のノズルの圧力発生手段に対しては液滴を吐出しない程度の駆動信号を与えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルから液滴を吐出させる圧力を発生する圧力発生手段とを有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの各ノズルからの滴吐出状態を検出する滴吐出状態検出手段と、を備える画像形成装置におけるノズルの滴吐出状態の回復動作を制御する処理をコンピュータに行わせるプログラムであって、
前記記録ヘッドの各ノズルからの滴吐出状態を検出する滴吐出状態検出手段で前記吐出される液滴の滴速度を検出し、前記検出された滴速度を予め定めた閾値と比較して正常吐出か異常吐出かを判定する処理と、
前記記録ヘッドから画像形成に寄与しない空吐出滴を吐出させる空吐出動作を制御する処理とを行なわせ、
前記空吐出動作を制御する処理では、前記異常吐出と判定されたノズルに対応する圧力発生手段に対し、前記検出された滴速度に応じた駆動波形を出力して、当該前記異常吐出と判定されたノズルから空吐出滴を吐出させる制御をする処理を行わせる
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−96516(P2012−96516A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248646(P2010−248646)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】