画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法
【課題】複数の像担持体の周速度の周期的変動による相対位相ずれを簡単な装置構成で補正することができる画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法を提供する。
【解決手段】像担持体3a〜3dを駆動部100によって一定の周速度Vで回転させ、像担持体3a〜3dに対応するパターンPa〜Pdをパターン形成部302によって周方向Cのピッチθp毎に記録媒体7上に形成し、像担持体3a〜3dのうち、何れか一つの調整対象像担持体3bの回転ムラに対する調整対象像担持体3b以外の被調整対象像担持体3c,3d,3aの回転ムラの相対位相ずれを示す位相ずれ量をパターンPa〜Pdに基づいて測定部307によって測定し、測定部307による測定結果に基づいて被調整対象像担持体3c,3d,3aが装置本体Aからの離脱対象の像担持体であることを通知部304によって通知する。
【解決手段】像担持体3a〜3dを駆動部100によって一定の周速度Vで回転させ、像担持体3a〜3dに対応するパターンPa〜Pdをパターン形成部302によって周方向Cのピッチθp毎に記録媒体7上に形成し、像担持体3a〜3dのうち、何れか一つの調整対象像担持体3bの回転ムラに対する調整対象像担持体3b以外の被調整対象像担持体3c,3d,3aの回転ムラの相対位相ずれを示す位相ずれ量をパターンPa〜Pdに基づいて測定部307によって測定し、測定部307による測定結果に基づいて被調整対象像担持体3c,3d,3aが装置本体Aからの離脱対象の像担持体であることを通知部304によって通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体を備え、前記複数の画像を中間転写体等の記録媒体上に重ね合わせる画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の画像(例えば、トナー像)のそれぞれに対応する複数の感光体等の像担持体を一定の周速度でそれぞれ回転させて、電子写真方式等の画像形成プロセスにより形成し、前記複数の画像を重ね合わせる画像形成装置、いわゆるタンデム型の画像形成装置が従来から知られている。例えば、フルカラー画像を形成する場合、互いに異なる複数色(通常、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色成分)のトナー像をそれらに対応する複数の像担持体にタイミングを合わせて形成し、各トナー像を中間転写体や記録材(例えば用紙)等の記録媒体に重ねて転写し、該記録媒体が中間転写体のときはさらに記録材に転写する。
【0003】
ところで、複数の画像が複数の像担持体にそれぞれタイミングを合わせて形成されていても、各像担持体の画像を重ね合わせるときに画像がずれることがある。このような画像ずれの発生を防止するべく各像担持体の画像を精度よく重ねることは重要なことである。
【0004】
画像ずれ発生の要因としては、例えば、各像担持体の偏芯、駆動部から各像担持体への回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材の偏芯等に起因した周速度の周期的変動(いわゆる回転ムラ)による相対的な位相ずれ(相対位相ずれ)を例示できる。
【0005】
この点に関し、特許文献1には、基準色用のパターンとして、基準色用の複数のラインを搬送方向に等時間間隔で形成し、検出色用のパターンとして、検出色用の複数のラインを搬送方向に等時間間隔でかつ基準色用のラインと交互に並ぶように形成し、基準色用のラインとこれに対応する検出色用のラインの間隔を検出し、検出した基準色用のラインとこれに対応する検出色用のラインの間隔に基づいて基準色に対する検出色の位置ずれ量を演算し、演算結果に基づいて像担持体の回転位相を調整するカラー画像形成装置を開示している。
【0006】
また、特許文献2には、黒位相用計時手段及び非黒位相用計時手段による計時を同時に開始して黒位相信号及び非黒位相信号がそれぞれ変化するまでに要する時間を計時する一方、その計時開始時における黒位相信号及び非黒位相信号のそれぞれ値を記憶しておき、それらの計時値及び信号値に基づいて黒感光体駆動手段及び非黒感光体駆動手段を制御して黒感光体及び非黒感光体の回転位相差を所定の許容範囲内に調整するカラー画像形成装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−78850号公報
【特許文献2】特開2005−181787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1,2に記載しているような従来の画像形成装置では、装置本体に対して複数の像担持体が装着された状態で、該複数の像担持体の少なくとも一つを停止させたり、或いは、該複数の像担持体の少なくとも一つの回転速度を変更したりして駆動制御しながら該像担持体の周速度の周期的変動による相対位相ずれを補正するため、それだけ、相対位相ずれの補正のための制御構成等の装置構成が複雑化する。
【0009】
また、従来の画像形成装置では、各像担持体を個別に駆動する各モータを備え、各モータを個別に調整する場合には、基準色用の像坦持体(具体的にはブラック用感光体ドラム)の周速度の周期的変動と複数の検出色用の像担持体(具体的にはイエロー、マゼンタ、シアン用の各感光体ドラム)の周速度の周期的変動との相対位相ずれをそれぞれ最適なものに補正できるものの、複数の検出色用の像担持体が互いに連動して回転する場合には次のような不都合がある。
【0010】
すなわち、従来の画像形成装置では、複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体のうち第1像担持体を含む第1グループ像担持体と、残りの像担持体のうち複数の第2像担持体を含む第2グループ像担持体とを独立して駆動することがある。
【0011】
具体的には、ブラックの画像は、通常、モノクロの画像形成時に他の色の画像が形成されることなく単独で形成される。この場合、ブラックに対応する第1像担持体(例えばブラック用感光体ドラム)及び該第1像担持体上に画像を形成するための画像形成部材(ブラックの現像装置を含む部材)を、その他の画像(イエロー、マゼンタ、シアンの画像)にそれぞれ対応する複数の第2像担持体(例えばイエロー、マゼンタ、シアン用の各感光体ドラム)及び該複数の第2像担持体上に画像を形成するための画像形成部材(イエロー、マゼンタ、シアンの各現像装置を含む部材)を駆動する第2駆動部とは異なる第1駆動部で駆動する。
【0012】
一方、ブラック以外の画像(例えばイエロー、マゼンタ、シアンの画像)用のものを駆動する必要があるが、駆動部品の点数を削減して画像形成装置の小型化を実現すべく、互いに連動して回転する複数の第2像担持体(例えばイエロー、マゼンタ、シアン用の各感光体ドラム)及び該第2像担持体に対応する画像形成部材を共通の(一つの)第2駆動部で同時に駆動するようにすれば、部品点数を削減できる。
【0013】
このように、複数の第2像担持体が互いに連動して回転する構成の画像形成装置では、前述したように、第1像担持体の偏芯、複数の第2像担持体のそれぞれの偏芯、第1駆動部から第1像担持体への回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材の偏芯、第2駆動部から複数の第2像担持体への回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材のそれぞれの偏芯等に起因した周速度の周期的変動による周方向の位置ずれが発生すると、第2グループ感光体における複数の第2像担持体(例えばイエロー、マゼンタ、シアン用の各感光体ドラム)が互いに連動して回転するために、該複数の第2像担持体の間において互いに周速度の周期的変動による相対位相ずれを調整できない上、第1像坦持体(例えばブラック用感光体ドラム)と、複数の第2像担持体とのそれぞれの間においても相対位相ずれをそれぞれ調整することができない。
【0014】
そこで、本発明は、複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体を備え、前記複数の画像を記録媒体上に重ね合わせる画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法であって、前記複数の像担持体の周速度の周期的変動による相対位相ずれを簡単な装置構成で補正することができる画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前記課題を解決するために、次の画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法を提供する。
【0016】
(1)画像形成装置
複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体を備え、前記複数の画像を記録媒体上に重ね合わせる画像形成装置であって、前記複数の像担持体を一定の周速度で回転させる駆動部と、前記複数の像担持体にそれぞれ対応する複数のパターンを周方向のピッチ毎に前記記録媒体上にそれぞれ形成するパターン形成部と、前記複数の像担持体のうち、何れか一つの調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する該調整対象像担持体以外の被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを示す位相ずれ量を前記複数のパターンに基づいて測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記被調整対象像担持体が装置本体からの離脱対象の像担持体であることを通知する通知部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【0017】
(2)像担持体の相対位相ずれの補正方法
複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体を備え、前記複数の画像を記録媒体上に重ね合わせる画像形成装置における前記像担持体の相対位相ずれの補正方法であって、前記複数の像担持体を駆動部によって一定の周速度で回転させる駆動ステップと、前記複数の像担持体にそれぞれ対応する複数のパターンをパターン形成部によって周方向のピッチ毎に前記記録媒体上にそれぞれ形成するパターン形成ステップと、前記複数の像担持体のうち、何れか一つの調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する該調整対象像担持体以外の被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを示す位相ずれ量を前記複数のパターンに基づいて測定部によって測定する測定ステップと、前記測定部による測定結果に基づいて前記被調整対象像担持体が装置本体からの離脱対象の像担持体であることを通知部によって通知する通知ステップとを含むことを特徴とする像担持体の相対位相ずれの補正方法。
【0018】
本発明に係る画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法では、前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを示す位相ずれ量を前記複数のパターンに基づいて前記測定部によって測定し、前記測定部による測定結果に基づいて前記被調整対象像担持体が前記装置本体からの離脱対象の像担持体であることを前記通知部によって通知する。そうすると、ユーザやサービスマン等の作業者によって、前記被調整対象像担持体が前記装置本体から離脱される。このとき、前記被調整対象像担持体の回転を前記駆動部の駆動制御に関わらず停止状態にすることができる。これにより、前記装置本体から離脱されて停止状態にある前記被調整対象像担持体のうち何れか一つの像担持体を補正対象像担持体として自動的に又は人為的に前記測定部による測定結果に基づいて前記調整対象像担持体を回転させることができる。従って、簡単な装置構成でありながら、前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記補正対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを補正することができる。
【0019】
本発明に係る画像形成装置において、前記装置本体に対する前記複数の像担持体の着脱状態を検出する着脱検出部と、前記被調整対象像担持体のうち何れか一つの像担持体を補正対象像担持体として前記測定部による測定結果に基づいて前記駆動部を作動制御して前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記補正対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを補正する補正部とを備え、前記補正部は、前記着脱検出部による検出結果に基づいて補正動作を開始する態様を例示できる。また、本発明に係る像担持体の相対位相ずれの補正方法において、前記装置本体に対する前記複数の像担持体の着脱状態を着脱検出部によって検出する着脱検出ステップと、前記被調整対象像担持体のうち何れか一つの像担持体を補正対象像担持体として前記測定部による測定結果に基づいて前記駆動部を作動制御して前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記補正対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを補正部によって補正する補正ステップとを含み、前記補正ステップは、前記着脱検出部による検出結果に基づいて前記補正部による補正動作を開始する態様を例示できる。
【0020】
この特定事項では、前記着脱検出部による検出結果に基づいて前記被調整対象像担持体が前記装置本体から離脱されていると判断した場合に前記補正部による補正動作を開始することができる。これにより、前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記補正対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを自動的に補正することができる。
【0021】
本発明に係る画像形成装置において、前記通知部は、前記補正部による補正動作の終了後に、前記補正対象像担持体が前記調整対象像担持体として前記装置本体への装着対象の像担持体であることを通知する態様を例示できる。また、本発明に係る像担持体の相対位相ずれの補正方法において、前記通知ステップは、前記補正部による補正動作の終了後に、前記補正対象像担持体が前記調整対象像担持体として前記装置本体への装着対象の像担持体であることを前記通知部によって通知する態様を例示できる。
【0022】
この特定事項では、前記補正部による補正動作の終了後に、前記補正対象像担持体(前記被調整対象像担持体である前記補正対象像担持体)が前記調整対象像担持体として前記装置本体への装着対象の像担持体であることを前記通知部によって通知する。そうすると、前記作業者によって、前記補正対象像担持体(前記被調整対象像担持体である前記補正対象像担持体)が前記調整対象像担持体として前記装置本体に装着される。このとき、前記調整対象像担持体として装着された前記補正対象像担持体を前記駆動部の駆動制御によって既存の前記調整対象像担持体と共に回転させることができる。従って、前記着脱検出部による検出結果に基づいて前記補正対象像担持体(前記調整対象像担持体とされた前記補正対象像担持体)が前記装置本体に装着されていると判断した場合に、さらに、前記補正部による補正動作を行うことができる。これにより、前記被調整対象像担持体が複数の被調整対象像担持体とされていても、該複数の被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動を前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対して順次補正することができる。
【0023】
本発明に係る画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法において、前記複数の像担持体のうち少なくとも二つの像担持体を含みかつ該少なくとも二つの像担持体が互いに連動して回転するグループ像担持体とを備え、前記駆動部は、前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体以外の像担持体を前記周速度で回転させる第1駆動部と、前記グループ像担持体を前記周速度で回転させる第2駆動部とを備えている態様を例示できる。
【0024】
この特定事項では、前記少なくとも二つの像担持体が互いに連動して回転しても、装着状態の像担持体が離脱状態の像担持体に対して独立して回転することができ、これにより、該少なくとも二つの像担持体の間において互いに周速度の周期的変動による相対位相ずれを補正することができる。
【0025】
本発明に係る画像形成装置において、前記補正部は、前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体の相対位相ずれを補正した後、前記グループ像担持体以外の像担持体の相対位相ずれを補正する態様を例示できる。また、本発明に係る像担持体の相対位相ずれの補正方法において、前記補正ステップは、前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体の相対位相ずれを前記補正部によって補正した後、前記グループ像担持体以外の像担持体の相対位相ずれを前記補正部によって補正する態様を例示できる。
【0026】
この特定事項では、前記グループ像担持体以外の像担持体の駆動と前記グループ像担持体の像担持体の駆動とは別駆動であるため、前記グループ像担持体以外の像担持体を前記第1駆動部にて駆動させなく済み、それだけ該第1駆動部に関与する部材への駆動負荷や該第1駆動部の消費電力を軽減させることができ、従って、前記グループ像担持体以外の像担持体の前記装置本体からの離脱操作を省くことができる。
【0027】
本発明に係る画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法において、画像を形成するにあたって、ブラックは文字が印字される色であることが多いため、文字原稿の画質向上を考慮して前記グループ像担持体以外の像担持体でブラックの画像形成を行って、前記グループ像担持体でカラーの画像形成を行うことが好ましい。すなわち、前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体は、カラーの画像形成を行うためのものであり、前記グループ像担持体以外の像担持体は、ブラックの画像形成を行うためのものであることが好ましい。
【0028】
本発明に係る画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法において、文字を表示する表示部を備え、前記通知部による通知は、前記表示部に表示するメッセージである態様を例示できる。
【0029】
この特定事項では、前記通知部による通知を文字のメッセージとして前記表示部に表示することができ、これにより、前記通知部による通知を前記作業者に明確にかつ確実に伝えることができる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明によると、前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを示す位相ずれ量を前記複数のパターンに基づいて前記測定部によって測定し、前記測定部による測定結果に基づいて前記被調整対象像担持体が前記装置本体からの離脱対象の像担持体であることを前記通知部によって通知することで、前記複数の像担持体の周速度の周期的変動による相対位相ずれを簡単な装置構成で補正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置を概略的に示す側面図である。
【図2】図1に示すカラー画像形成装置における駆動装置の駆動伝達系を概略的に示すシステム構成図であって、第1及び第2駆動部から感光体ドラムへの回転駆動を伝達するギヤトレイン並びに第1位相センサ、第2位相センサ、第3位相センサ及び第4位相センサを示す図である。
【図3】図1に示すカラー画像形成装置における駆動装置を詳細に示す斜視図である。
【図4A】図1に示すカラー画像形成装置におけるシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【図4B】図4Aに示す制御部を詳細に示すブロック図である。
【図5】中間転写ベルト上にブラック用パターン、シアン用パターン、マゼンタ用パターン及びイエロー用パターンを形成した一例を示す平面図である。
【図6】中間転写ベルト上において中間転写ベルトの幅方向における両端部に形成された各パターンとパターン検知センサとの位置関係を示す平面図である。
【図7】シアン用感光体ドラムの回転ムラに対するブラック用感光体ドラムの回転ムラの相対位相ずれを説明するための説明図であって、(a)は、シアン用感光体ドラムの回転ムラに対するブラック用感光体ドラムの回転ムラの相対位相ずれがない状態でのシアン用パターン及びブラック用パターンの例を示す図であり、(b)は、シアン用感光体ドラムの回転ムラに対するブラック用感光体ドラムの回転ムラの相対位相ずれがある状態でのシアン用パターン及びブラック用パターンの例を示す図である。
【図8】シアン粗密波、マゼンタ粗密波、イエロー粗密波及びブラック粗密波を示すグラフである。
【図9】第2位相センサの検知信号に対して、第3位相センサの検知信号、第4位相センサの検知信号及び第1位相センサの検知信号を示すタイミングチャートである。
【図10】図1に示すカラー画像形成装置の操作部における表示部に表示される第1通知画面を示す平面図である。
【図11】図1に示すカラー画像形成装置の操作部における表示部に表示される第2通知画面を示す平面図である。
【図12】図1に示すカラー画像形成装置における制御部による相対位相ずれの補正動作処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【図13】シアン用感光体ドラムの回転ムラに対してマゼンタ用感光体ドラム、イエロー用感光体ドラム及びブラック用感光体ドラムの回転ムラの相対位相ずれをこの順で補正する補正過程を示す状態遷移図であって、(a)から(h)は、それぞれ、第1補正状態から第8状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置Dを概略的に示す側面図である。
【0034】
図1に示すカラー画像形成装置Dは、原稿の画像を読み取る原稿読取装置B1と、この原稿読取装置B1により読み取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で普通紙等の記録材に記録形成する装置本体Aとを備えている。
【0035】
原稿読取装置B1では、原稿が原稿セットトレイ41にセットされると、ピックアップローラ44が原稿表面に押し付けられて回転され、原稿がトレイ41から引き出され、サバキローラ45と分離パッド46間を通過して1枚ずつに分離されてから搬送経路47へと搬送される。
【0036】
この搬送経路47では、原稿の先端がレジストローラ49に当接して、レジストローラ49と平行に揃えられ、この後に原稿がレジストローラ49により搬送されて原稿ガイド51と読取ガラス52との間を通過する。このとき、第1走査部53の光源からの光が読取ガラス52を介して原稿表面に照射され、その反射光が読取ガラス52を介して第1走査部53に入射し、この反射光が第1及び第2走査部53,54のミラーで反射されて結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によって原稿表面の画像がCCD(Charge Coupled Device)56上に結像される。CCD56は、原稿表面の画像を読み取り、その画像を示す画像データを出力する。さらに、原稿は、搬送ローラ57により搬送され、排紙ローラ58を介して原稿排紙トレイ59に排出される。
【0037】
また、原稿読取装置B1は、原稿台ガラス61上に載置された原稿を読み取ることができる。レジストローラ49、原稿ガイド51、原稿排紙トレイ59等とそれらよりも上側の部材とは、一体化されたカバー体となっており、原稿読取装置B1の背面側で副走査方向に沿った軸線回りに開閉可能に枢支されている。この上側のカバー体が開かれると、原稿台ガラス61が開放されて、原稿台ガラス61上に原稿を載置することができる。原稿台ガラス61上に載置された原稿はカバー体が閉じられることで該カバー体に保持される。そして、原稿読み取りの指示があると、第1及び第2走査部53,54が副走査方向に移動されつつ、第1走査部53によって原稿台ガラス61上の原稿表面が露光される。原稿表面からの反射光は、第1及び第2走査部53,54によって結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によってCCD56上に結像され、ここで原稿画像が読み取られる。このとき、第1及び第2走査部53,54が相互に所定の速度関係を維持しつつ移動されて、原稿表面→第1及び第2走査部53,54→結像レンズ55→CCD56という反射光の光路の長さが変化しないように第1及び第2走査部53,54の位置関係が常に維持され、これによりCCD56上での原稿表面の画像のピントが常に正確に維持される。
【0038】
こうして読み取られた原稿画像全体は、画像データとしてカラー画像形成装置Dの装置本体Aへと送受され、装置本体Aにおいて画像が記録材に記録される。
【0039】
一方、カラー画像形成装置Dの装置本体Aは、感光体ユニット20(20a,20b,20c,20d)を備えている。感光体ユニット20(20a,20b,20c,20d)は、像担持体として作用する感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)をそれぞれ有しており、装置本体Aに対して着脱可能とされている。装置本体Aは、露光装置1、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、記録材の搬送方向に沿って並設された感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナ装置4(4a,4b,4c,4d)、転写部として作用する中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)を含む中間転写ベルト装置8、定着装置12、搬送装置18、給紙部として作用する給紙トレイ10及び排紙部として作用する排紙トレイ15を備えている。
【0040】
カラー画像形成装置Dの装置本体Aにおいて扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。従って、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)を有する感光体ユニット20(20a,20b,20c,20d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナ装置4(4a,4b,4c,4d)、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)は各色に応じた4種類の画像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれの末尾符号a〜dのうち、符号aがブラックに、符号bがシアンに、符号cがマゼンタに、符号dがイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションが構成されている。以下、末尾符号a〜dは省略して説明する。
【0041】
感光体ドラム3は、装置本体Aの上下方向のほぼ中央に配置されている。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャ型の帯電器が用いられる。
【0042】
露光装置1は、ここでは、レーザ光源42a〜42d(図1では図示せず、後述する図4A参照)及び走査光学系43を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された感光体ドラム3の表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0043】
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を(K,C,M,Y)のトナーにより現像する。クリーナ装置4は、現像及び画像転写後に感光体ドラム3表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0044】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルト装置8は、中間転写ローラ6に加えて、記録媒体として作用する中間転写ベルト(中間転写体の一例)7、中間転写ベルト駆動ローラ21、従動ローラ22、テンションローラ23及び中間転写ベルトクリーニング装置9を備えている。
【0045】
中間転写ベルト駆動ローラ21、中間転写ローラ6、従動ローラ22、テンションローラ23等のローラ部材は、中間転写ベルト7を張架して支持し、中間転写ベルト7を所定の移動方向(図中矢印C方向)に周回移動させる。
【0046】
中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7内側に回転可能に支持され、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に圧接されており、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7に転写するための転写バイアスが印加される。
【0047】
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられており、各感光体ドラム3表面のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、カラーのトナー像(各色のトナー像)を形成する。この転写ベルト7は、ここでは、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。
【0048】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7内側(裏面)に圧接されている中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。中間転写ローラ6は、ここでは、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われたローラである。この導電性の弾性材により、記録材に対して均一に高電圧を印加することができる。
【0049】
カラー画像形成装置Dの装置本体Aは、転写部として作用する転写ローラ11aを含む2次転写装置11をさらに備えている。転写ローラ11aは、中間転写ベルト7の中間転写ベルト駆動ローラ21とは反対側(外側)に接触している。
【0050】
上述のように各感光体ドラム3表面のトナー像は、中間転写ベルト7で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト7と共に搬送され、2次転写装置11によって記録材上に転写される。
【0051】
中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11aとは、相互に圧接されてニップ域を形成する。また、2次転写装置11の転写ローラ11aには、中間転写ベルト7上の各色のトナー像を記録材に転写させるための電圧(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、2次転写装置11の転写ローラ11aもしくは中間転写ベルト駆動ローラ21の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラや発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0052】
また、2次転写装置11によって中間転写ベルト7上のトナー像が記録材上に完全に転写されず、中間転写ベルト7上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置9によって残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置9には、例えばクリーニング部材として中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレードが備えられており、このクリーニングブレードで残留トナーを除去及び回収することができる。従動ローラ22は、中間転写ベルト7を内側(裏側)から支持しており、クリーニングブレードは、外側から従動ローラ22に向けて押圧するように中間転写ベルト7に接触している。
【0053】
給紙トレイ10は、記録材を格納しておくためのトレイであり、装置本体Aの画像形成部の下側に設けられている。また、画像形成部の上側に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みの記録材をフェイスダウンで載置するためのトレイである。
【0054】
また、装置本体Aには、給紙トレイ10の記録材を2次転写装置11や定着装置12を経由させて排紙トレイ15に送るための搬送装置18が設けられている。この搬送装置18は、Sの字形状の搬送路Sを有し、この搬送路Sに沿って、ピックアップローラ16、各搬送ローラ13、レジスト前ローラ19、レジストローラ14、定着装置12及び排紙ローラ17等の搬送部材を配置したものである。
【0055】
ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の記録材搬送方向下流側端部に設けられ、給紙トレイ10から記録材を1枚ずつ搬送路Sに供給する呼び込みローラである。各搬送ローラ13及びレジスト前ローラ19は、記録材の搬送を促進補助するための小型のローラである。各搬送ローラ13は、搬送路Sに沿って複数箇所に設けられている。レジスト前ローラ19は、レジストローラ14の搬送方向上流側の直近に設けられており、記録材をレジストローラ14へと搬送するようになっている。
【0056】
レジストローラ14は、レジスト前ローラ19にて搬送されてきた記録材を一旦停止させて、記録材の先端を揃え、中間転写ベルト7と2次転写装置11間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラートナー像が記録材に転写されるように、感光体ドラム3及び中間転写ベルト7の回転にあわせて、記録材をタイミングよく搬送する。
【0057】
例えば、レジストローラ14は、中間転写ベルト7と2次転写装置11との間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラートナー像の先端が記録材における画像形成範囲の先端に合うように、記録材を搬送する。
【0058】
定着装置12は、ヒートローラ31及び加圧ローラ32を備えている。ヒートローラ31及び加圧ローラ32は、記録材を挟み込んで搬送する。
【0059】
ヒートローラ31は、所定の定着温度となるように温度制御され、加圧ローラ32と共に記録材を熱圧着することにより、記録材に転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録材に対して熱定着させる機能を有している。
【0060】
各色のトナー像の定着後での記録材は、排紙ローラ17によって排紙トレイ15上に排出される。
【0061】
なお、4つの画像形成ステーションのうち少なくとも一つを用いて、モノクロ画像を形成し、モノクロ画像を中間転写ベルト装置8の中間転写ベルト7に転写することも可能である。このモノクロ画像も、カラー画像と同様に、中間転写ベルト7から記録材に転写され、記録材上に定着される。
【0062】
また、記録材の表(オモテ)面だけではなく、両面の画像形成を行う場合は、記録材の表面の画像を定着装置12により定着した後に、記録材を材搬送路Sの排紙ローラ17により搬送する途中で、排紙ローラ17を停止させてから逆回転させ、記録材を表裏反転経路Srに通して、記録材の表裏を反転させてから、記録材を再びレジストローラ14へと導き、記録材の表面と同様に、記録材の裏面に画像を記録して定着し、記録材を排紙トレイ15に排出する。
【0063】
[パターン検知センサの構成]
カラー画像形成装置Dは、パターン検知センサ34をさらに備えている。なお、以下の説明では、感光体ドラムの符号3、感光体ユニット20、現像装置の符号2及び転写部6の末尾符号は省略せずに感光体ドラム3a,3b,3c,3d、感光体ユニット20a,20b,20c,20d、現像装置(ここでは現像ユニット)2a,2b,2c,2d及び転写部(ここでは中間転写ローラ)6a,6b,6c,6dとする。
【0064】
パターン検知センサ34は、無端状の中間転写ベルト7の移動方向Cにおいて感光体ドラム(ここではブラック用感光体ドラム3a)よりも下流側に配置されている。具体的には、パターン検知センサ34は、中間転写ベルト7の表面と対向するように配置されている。
【0065】
パターン検知センサ34は、ここでは、発光部341及び受光部342を有する反射型の光センサ(フォトインタラプタ)とされている。パターン検知センサ34は、後述するように、中間転写ベルト7に形成された各パターンPa〜Pd(後述する図5及び図6参照)を検出するようになっている。詳しくは、パターン検知センサ34は、発光部341から中間転写ベルト7の表面又は各パターンPa〜Pdにて反射される入射光を受光部342で検知するようになっている。
【0066】
[駆動装置の構成]
カラー画像形成装置Dは、感光体ユニット20a,20b,20c,20dに設けられた感光体ドラム3a,3b,3c,3dを駆動する駆動装置100(図1では図示せず、後述する図2及び図3参照)をさらに備えている。
【0067】
図2は、図1に示すカラー画像形成装置Dにおける駆動装置(駆動部の一例)100の駆動伝達系を概略的に示すシステム構成図であって、第1及び第2駆動部110,120から感光体ドラム3a,3b,3c,3dへの回転駆動を伝達するギヤトレイン並びに第1位相センサ170a、第2位相センサ170b、第3位相センサ170c及び第4位相センサ170dを示す図である。また、図3は、図1に示すカラー画像形成装置Dにおける駆動装置100を詳細に示す斜視図である。
【0068】
カラー画像形成装置Dは、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3a,3b,3c,3dのうち第1感光体ドラム(ここではブラック用感光体ドラム3a)を含む第1グループ感光体30aと、残りの複数の第2感光体ドラム(ここではシアン用感光体ドラム3b、マゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d)を含みかつ第2感光体ドラム3b,3c,3dが互いに連動して回転する第2グループ感光体30b(グループ像担持体の一例)とを備えている。ここでは、第1グループ感光体30aは、モノクロの画像形成(モノクロ印刷)を行うためのものであり、第2グループ感光体30bは、第1グループ感光体30aと協働してフルカラーの画像形成を行うためのものである。なお、各感光体ドラム3a,3b,3c,3dの直径は何れも同一径とされている。
【0069】
駆動装置100は、第1駆動部110と、第2駆動部120と、第1回転部材(ここでは第1駆動伝達用回転部材)150と、第2回転部材(ここでは第2駆動伝達用回転部材)160と、第1から第4位相センサ170a〜170dとを備えている。
【0070】
第1駆動部110は、第1グループ感光体30aを駆動するためのものである。第2駆動部120は、第2グループ感光体30bを駆動するためのものである。ここでは、第1駆動部110及び第2駆動部120は、ステッピングモータとされている。
【0071】
第1駆動伝達用回転部材150は、第1駆動部110から第1グループ感光体30aへの回転駆動を伝達するものであり、ここでは、第1軸ギヤ111と、第1中間ギヤ112と、ブラック用感光体駆動ギヤ130とからなっている。第2駆動伝達用回転部材160は、第2駆動部120から第2グループ感光体30bへの回転駆動を伝達するものであり、ここでは、第2軸ギヤ121と、第2から第4中間ギヤ122〜124と、カラー用(シアン用、マゼンタ用及びイエロー用)感光体駆動ギヤ140(140b〜140d)とからなっている。なお、これらのギヤは、回転軸線の方向が互いに平行となっている。
【0072】
具体的には、ブラック用感光体駆動ギヤ130は、ブラック用感光体ドラム3aの回転軸と同軸上に連結されており、第1中間ギヤ112に噛合している。第1駆動部110の回転軸に設けられた第1軸ギヤ111は、第1中間ギヤ112に噛合している。これにより、第1駆動部110が回転駆動することで、第1軸ギヤ111、第1中間ギヤ112及びブラック用感光体駆動ギヤ130を介して、ブラック用感光体駆動ギヤ130に連結されたブラック用感光体ドラム3aを回転させることができる。
【0073】
また、シアン用感光体駆動ギヤ140bは、シアン用感光体ドラム3bの回転軸と同軸上に連結されており、第3中間ギヤ123に噛合している。マゼンタ用感光体駆動ギヤ140cは、マゼンタ用感光体ドラム3cの回転軸と同軸上に連結されており、第2中間ギヤ122、第3中間ギヤ123及び第4中間ギヤ124に噛合している。イエロー用感光体駆動ギヤ140dは、イエロー用感光体ドラム3dの回転軸と同軸上に連結されており、第4中間ギヤ124に噛合している。第2駆動部120の回転軸に設けられた第2軸ギヤ121は、第2中間ギヤ122に噛合している。これにより、第2駆動部120が回転駆動することで、第2軸ギヤ121、第2中間ギヤ122及びマゼンタ用感光体駆動ギヤ140cを介して、マゼンタ用感光体駆動ギヤ140cに連結されたマゼンタ用感光体ドラム3cを、マゼンタ用感光体駆動ギヤ140c、第3中間ギヤ123及びシアン用感光体駆動ギヤ140bを介して、シアン用感光体駆動ギヤ140bに連結されたシアン用感光体ドラム3bを、また、マゼンタ用感光体駆動ギヤ140c、第4中間ギヤ124及びイエロー用感光体駆動ギヤ140dを介して、イエロー用感光体駆動ギヤ140dに連結されたイエロー用感光体ドラム3dを回転させることができる。
【0074】
これにより、カラー用の各感光体ドラム3b、3c、3bの第2駆動部120を共通のものにすることができる。また、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dが共通の第2駆動部120によって互いに連動して回転する。こうして、第1駆動部110によって感光体ドラム3aをモノクロ印刷時に単独で回転させることができる。
【0075】
そして、感光体ドラム3a,3b,3c,3dの回転軸には感光体駆動ギヤ130,140b,140c,140dに噛合する感光体側ギヤ31a,31b,31c,31d(図3参照)がそれぞれ設けられており、感光体ユニット20a,20b,20c,20dが装置本体Aに装着されることで、感光体駆動ギヤ130,140b,140c,140dと感光体側ギヤ31a,31b,31c,31dとがそれぞれ噛み合うようになっている。
【0076】
なお、第1駆動部110は、ブラック用現像ユニット2aも駆動するようになっており、第2駆動部120は、シアン用現像ユニット2b、マゼンタ用現像ユニット2c及びイエロー用現像ユニット2dも駆動するようになっている。
【0077】
[位相センサの構成]
第1から第4位相センサ170a〜170dは、ここでは、何れも発光部171及び受光部172を有する透過型の光センサ(フォトインタラプタ)とされている。
【0078】
第1から第4位相センサ170a〜170dは、それぞれ、感光体ドラム3a〜3dの回転によって回転する回転部材の突起部又は切り欠き部(ここでは駆動ギヤ130,140b〜140dの周方向に沿って形成されたリング状のリブ部131,141を切り欠いた切り欠き部131a,141a)を検出するようになっている。
【0079】
詳しくは、第1から第4位相センサ170a〜170dは、発光部171から受光部172に入射される入射光をそれぞれ駆動ギヤ130,140b〜140dの回転に伴う突起部又は切り欠き部(ここでは切り欠き部131a,141a)の周回移動によって突起部又は切り欠き部(ここでは切り欠き部131a,141a)で遮断又は通過させることで、入射光の有無を受光部172で検知するようになっている。
【0080】
なお、第1から第4位相センサ170a〜170dは、反射型の光センサであってもよい。
【0081】
[制御システムの構成]
カラー画像形成装置Dは、当該装置の全体を制御する制御部300をさらに備えている。
【0082】
図4Aは、図1に示すカラー画像形成装置Dにおけるシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【0083】
制御部300は、図4Aに示す制御装置100の駆動負荷の駆動を制御する。駆動装置100は、さらに、駆動制御部として作用する駆動制御回路200、第1駆動部制御回路210、第2駆動部制御回路220及びベルト駆動部28を備えている。
【0084】
既述したように、第1駆動部110は、第1グループ感光体30aのブラック用感光体3a及びブラック用現像ユニット2aを駆動するモータとされている。第2駆動部120は、第2グループ感光体30bのカラー用感光体3b,3b,3d及びカラー用現像ユニット2b,2c,2dを駆動するモータとされている。
【0085】
駆動制御回路200は、制御部300からの指示信号を基に第1駆動部110及び第2駆動部120の作動制御を行うようになっている。
【0086】
第1駆動部制御回路210は、駆動制御回路200と第1駆動部110との間に接続されている。第2駆動部制御回路220は、駆動制御回路200と第2駆動部120との間に接続されている。
【0087】
駆動制御回路200は、第1駆動部制御回路210に対し、第1駆動部110の起動及び停止の指令を与えるようになっている。第1駆動部制御回路210は、駆動制御回路200の指示の下、第1駆動部110の起動、停止及び駆動速度を制御する回路であり、ここでは、駆動制御回路200から指令される目標速度に第1駆動部110の駆動速度を一致させるように制御するサーボ制御回路とされている。そして、駆動制御回路200は、画像形成時に第1駆動部110を予め定められたプロセス速度(画像形成用の駆動速度)で駆動するように第1駆動部制御回路210に指令するようになっている。
【0088】
また、駆動制御回路200は、第2駆動部制御回路220に対し、第2駆動部120の起動及び停止の指令を与えるようになっている。第2駆動部制御回路220は、駆動制御回路200の指示の下、第2駆動部120の起動、停止及び駆動速度を制御する回路であり、ここでは、駆動制御回路200から指令される目標速度に第2駆動部120の駆動速度を一致させるように制御するサーボ制御回路とされている。駆動制御回路200は、画像形成時に第2駆動部120を前記プロセス速度で駆動するように第2駆動部制御回路220に指令するようになっている。
【0089】
そして、第1駆動部110は、駆動制御回路200の指示の下に作動制御されて、ブラック用感光体ドラム3aを一定の周速度Vで回転駆動する。第2駆動部120は、駆動制御回路200の指示の下に作動制御されて、第2グループ感光体30bにおいて互いに連動して回転するシアン用感光体ドラム3b、マゼンタ用感光体ドラム3c及びイエロー用感光体ドラム3dを周速度Vで回転駆動する。
【0090】
ベルト駆動部28は、中間転写ベルト駆動ローラ21を駆動する駆動モータとされている。ベルト駆動部28は、中間転写ベルト駆動ローラ32を介して中間転写ベルト7を回転駆動する。ベルト駆動部28は、駆動制御回路200の指示の下に作動制御されて、中間転写ベルト7を周速度Vで周回移動させるようになっている。
【0091】
駆動制御回路200は、入力系に第1位相センサ170a、第2位相センサ170b、第3位相センサ170c及び第4位相センサ170dが接続されている。
【0092】
第1位相センサ170a、第2位相センサ170b、第3位相センサ170c及び第4位相センサ170dは、ブラック用感光体ドラム3a、シアン感光体3b、マゼンタ感光体3c及びイエロー感光体3dの回転タイミングをそれぞれ検知する。
【0093】
[着脱センサの構成]
カラー画像形成装置Dは、ブラック用着脱センサ35a、シアン用着脱センサ35b、マゼンタ用着脱センサ35c及びイエロー用着脱センサ35dをさらに備えている。
【0094】
ブラック用着脱センサ35aは、装置本体Aに対してブラック用感光体ユニット20aすなわちブラック用感光体ドラム3a)が装着されているか否かを検知するようになっている。シアン用着脱センサ35aは、装置本体Aに対してシアン用感光体ユニット20bすなわちシアン用感光体ドラム3b)が装着されているか否かを検知するようになっている。マゼンタ用着脱センサ35cは、装置本体Aに対してマゼンタ用感光体ユニット20cすなわちマゼンタ用感光体ドラム3c)が装着されているか否かを検知するようになっている。イエロー用着脱センサ35dは、装置本体Aに対してイエロー用感光体ユニット20dすなわちイエロー用感光体ドラム3d)が装着されているか否かを検知するようになっている。
【0095】
各着脱センサ35a〜35dは、各感光体ユニット20a〜20dが装置本体Aに装着されたときに装着信号を出力する一方、各感光体ユニット20a〜20dが装置本体Aから離脱されたときに離脱信号を出力することができるものであれば、何れのものでもよい。各着脱センサ35a〜35dとしては、例えば、各感光体ユニット20a〜20dの装着時にオン(又はオフ)し、各感光体ユニット20a〜20dの離脱時にオフ(又はオン)するマイクロスイッチや、各感光体ユニット20a〜20dの装着時に遮光(又は受光)し、各感光体ユニット20a〜20dの離脱時に光を検出する(又は検出しない)光学センサ(透過型光学センサや反射型光学センサ)を用いた光学スイッチを挙げることができる。
【0096】
制御部300は、入力系に各着脱センサ35a〜35dが接続されている。そして、制御部300は、着脱センサ35a〜35dで検知した各感光体ユニット20a〜20dの着脱状態を着脱検出部305で検出する。
【0097】
[制御部について]
制御部300は、さらに、カラー画像形成装置Dの構成部であって、図示していない各部の動作も制御する。
【0098】
制御部300は、入力系に画像入力部62及びパターン検知センサ34が接続され、かつ、出力系にLSU1が接続されている。
【0099】
画像入力部62は、出力すべき画像の画像データを外部から取得する。画像データを提供するソースは、通信線を介してカラー画像形成装置Dに接続される機器である。この機器の一例は、パーソナルコンピュータなどのホストである。他の一例は、イメージスキャナである。取得された画像データは、印刷処理のために、後述する記憶手段320(図4B参照)のRAMに格納される。画像入力部62から取得される画像データには、その属性を示す情報が付与されている。付与された属性には、各画像の縦横のサイズ、モノクロ画像とカラー画像の種別等が含まれる。
【0100】
LSU1は、ブラック用レーザダイオード42aと、シアン用レーザダイオード42bと、マゼンタ用レーザダイオード42cとイエロー用レーザダイオード42dとを備えている。
【0101】
LSU1は、図示しない画像処理部から記憶手段320のRAMにおける画像メモリ領域に格納された画像データに基づく信号(画素信号)を受領する。画像処理部は、画像データを処理して出力すべき画像の各画素に応じた変調信号をLSU1に提供する。
【0102】
なお、変調信号は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの色成分ごとに提供される。ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各変調信号は、LSU1内のレーザダイオード42a,42b,42c,42dの発光をそれぞれ変調するために用いられる。
【0103】
ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3a〜3dに静電潜像を形成する場合、制御部300は、ブラック用レーザダイオード42aと、カラー用レーザダイオードであるシアン用レーザダイオード42b、マゼンタ用レーザダイオード42c及びイエロー用レーザダイオード42dとをそれぞれ発光させ、一様に帯電されたブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3a〜3d上をそれぞれ露光するように制御する。
【0104】
また、制御部300は、パターン検知センサ34で読み取った各パターンPa〜Pd(図5及び図6参照)の検出タイミングを正規のタイミングと比較して偏差を求める。タイミングの偏差は、中間転写ベルト7の周速度Vを用いて位置の偏差に換算することができる。
【0105】
図4Bは、図4Aに示す制御部300を詳細に示すブロック図である。図4Bに示すように、制御部300は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部310と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やデータ書き換え可能な不揮発性メモリ等の記憶装置を含む記憶手段320と含んでいる。
【0106】
制御部300は、処理部310が記憶手段320のROMに予め格納された制御プログラムを記憶手段320のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行うようになっている。記憶手段320のRAMは、制御部300に対して作業用のワークエリアおよび画像データを格納する画像メモリとしての領域を提供する。
【0107】
詳しくは、制御部300は、取得された画像データを、付与された属性に対応付けてRAMに格納する。画像データは、ジョブ単位でRAMに格納され、さらに一つのジョブが複数ページからなる場合は、ページ単位で格納される。画像データが、外部のホストから、ページ記述言語の形式で入力される場合、制御部300は、入力された画像データを展開して画像メモリ領域に格納する。記憶手段320のROMは、制御部300が実行する処理手順を定めたプログラムを格納する。
【0108】
記憶手段320は、後述するパターン形成部301、パターン検出部302、演算部303、通知部304、着脱検出部305及び補正部306で用いられる各種データや演算式を格納する。
【0109】
[相対位相ずれの補正]
ところで、複数の感光体ドラムの偏芯、駆動部から複数の感光体ドラムへの回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材の偏芯等に起因した周速度の周期的変動(以下、回転ムラという)の位相ずれを補正する場合、従来のカラー画像形成装置では、装置本体に対して複数の感光体ドラムが装着された状態で、該複数の感光体ドラムの少なくとも一つを停止したり、或いは、該複数の感光体ドラムの少なくとも一つの回転速度を変更したりして駆動制御しながら該感光体ドラムの周速度の周期的変動による相対位相ずれを補正するため、それだけ装置構成が複雑化する。
【0110】
また、カラー画像形成装置では、シアン用感光体ドラム、マゼンタ用感光体ドラム及びイエロー用感光体ドラムが互いに連動して回転するように構成されているので、ブラック用感光体ドラムの偏芯、シアン用感光体ドラム、マゼンタ用感光体ドラム及びイエロー用感光体ドラムのそれぞれの偏芯、第1駆動部からブラック用感光体ドラムへの回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材の偏芯、第2駆動部からシアン用感光体ドラム、マゼンタ用感光体ドラム及びイエロー用感光体ドラムへの回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材のそれぞれの偏芯等に起因した回転ムラによる周方向の位置ずれが発生すると、第2グループ感光体におけるシアン用感光体ドラム、マゼンタ用感光体ドラム及びイエロー用感光体ドラムが互いに連動して回転するために、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラムの間において互いに回転ムラによる相対位相ずれを調整できない上、ブラック用感光体ドラムと、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラムとのそれぞれの間においても回転ムラによる相対位相ずれをそれぞれ調整することができない。
【0111】
このため、本実施の形態に係るカラー画像形成装置Dは、次のような相対位相ずれの調整モードを備えている。
【0112】
すなわち、制御部300は、パターン形成部301、パターン検出部302、演算部303及び通知部304として機能するように構成されている。なお、パターン検出部302及び演算部303で測定部307を構成している。
【0113】
相対位相ずれの調整モードの実行は、例えば、画像形成装置Dにおける文字表示可能な表示部117(後述する図10及び図11参照)に表示されるサービスシミュレーション画面等の設定画面や、画像形成装置Dにおける操作部115(図10及び図11参照)に設けられたモードキー118への選択操作によって開始される。なお、ユーザがユーザシミュレーションやモードキーを選択操作して相対位相ずれの調整モードを実行し、相対位相ずれの補正を行ってもよい。
【0114】
[パターン形成部について]
図5は、中間転写ベルト7上にブラック用パターンPa(図示例ではPa1,Pa2,Pa3)、シアン用パターンPb(図示例ではPb1,Pb2,Pb3)、マゼンタ用パターンPc(図示例ではPc1,Pc2,Pc3)及びイエロー用パターンPd(図示例ではPd1,Pd2,Pd3)を形成した一例を示す平面図である。
【0115】
パターン形成部301は、本実施の形態では、ブラック画像であるブラック用パターンPa、及び、カラー画像であるシアン用パターンPb、マゼンタ用パターンPc及びイエロー用パターンPdをそれぞれ形成する。
【0116】
すなわち、パターン形成部301は、ブラック用感光体ドラム3aで形成されるブラック用パターンPaを周方向における所定の一定ピッチ(ここでは回転角度θp=120°)毎に中間転写ベルト7(記録媒体の一例)上に形成する。
【0117】
また、パターン形成部301は、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b〜3dでそれぞれ形成されるシアン用パターンPb、マゼンタ用パターンPc及びイエロー用パターンPdを何れもブラック用パターンPaと同一ピッチ(ここでは回転角度θp=120°)毎に中間転写ベルト7上にそれぞれ形成する。
【0118】
詳しくは、パターン形成部301は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3a〜3d上にLSU1にて各パターンPa〜Pdに対応する静電潜像を形成し、形成した静電潜像を現像装置(ここでは現像ユニット)2a〜2dにてトナー像に現像し、現像したトナー像を各パターンPa〜Pdとして転写部(ここでは中間転写ローラ)6a〜6dにて中間転写ベルト7に静電的に転写する。
【0119】
具体的には、パターン形成部301は、各パターンPa〜Pdを形成するにあたり、記憶手段320に予め格納されている各パターンPa〜Pdのパターンデータを取得する。パターン形成部301は、取得したパターンデータを画像メモリ領域に展開して各パターンPa〜Pdを準備する。その後、パターン形成部301は、展開した各パターンPa〜PdのデータをLSU1に転送する。
【0120】
そして、LSU1において、データを受領した各レーザダイオード42a〜42dは、感光体ドラム3a〜3d上に各パターンPa〜Pdに対応する静電潜像をそれぞれ形成する。
【0121】
現像ユニット2a〜2dは、LSU1で形成された静電潜像を現像して各パターンPa〜Pdのトナー像を形成する。各パターンPa〜Pdのトナー像は、中間転写ローラ6a〜6dにて中間転写ベルト7上にそれぞれ転写される。こうして、中間転写ベルト7上にブラック用パターンPa、シアン用パターンPb、マゼンタ用パターンPc及びイエロー用パターンPdが形成される。
【0122】
各パターンPa〜Pdは、中間転写ベルト7上において中間転写ベルト7の幅方向(主走査方向)Eに延びる直線状に、かつ、移動方向Cに揃うように整列して形成されている。本実施の形態では、異なる色の各パターンは、中間転写ベルト7の移動方向(副走査方向)Cの異なる位置に形成されており、各パターン間の間隔(距離h、例えば3mm程度、図5参照)を開けている。
【0123】
中間転写ベルト7の移動方向Cの下流側から上流側に向けて、各パターンが同じ順序で、ここでは、各シアン用パターンPb1,Pb2,Pb3、各ブラック用パターンPa1,Pa2,Pa3、各マゼンタ用パターンPc1,Pc2,Pc3及び各イエロー用パターンPd1,Pd2,Pd3がこの順で形成される。なお、各パターンPa〜Pdは、中間転写ベルト7の幅方向Eにおける複数箇所で検知されてもよい。例えば、各パターンPa〜Pdは、中間転写ベルト7の幅方向Eにおける一方の端部に形成されてもよいし、両端部に形成されてもよい。
【0124】
図6は、中間転写ベルト7上において中間転写ベルト7の幅方向Eにおける両端部に形成された各パターンPa〜Pdとパターン検知センサ34(図示例では第1及び第2パターン検知センサ34a,34b)との位置関係を示す平面図である。
【0125】
パターン検知センサ34は、中間転写ベルト7の幅方向(主走査方向)Eの異なる位置に形成される各パターンPa〜Pdに対応して設けられている。図6に示す例では、パターン検知センサ34は、第1及び第2パターン検知センサ34a、34bからなっている。中間転写ベルト7上の幅方向Eにおける複数箇所の各パターンPa〜Pdが形成されるべき位置に対向して配置されている。なお、中間転写ベルト7の幅方向Eにおける複数箇所で各パターンPa〜Pdを検知する場合、その値は、該複数箇所で検知した値の平均値をとすることができる。
【0126】
そして、中間転写ベルト7に形成された各パターンPa〜Pdには、各感光体ドラム3a〜3dの回転ムラによるピッチ変動成分がそれぞれ含まれる。このピッチ変動に不一致があると、画像の色ずれとして認識される。
【0127】
図7は、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対するブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれを説明するための説明図である。図7(a)は、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対するブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれがない状態でのシアン用パターンPb及びブラック用パターンPaの例を示しており、図7(b)は、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対するブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれがある状態でのシアン用パターンPb及びブラック用パターンPaの例を示している。
【0128】
なお、図7において、シアン用感光体ドラム3bと、ブラック用感光体ドラム3aとの間の回転ムラによる相対位相ずれについて示しているが、シアン用感光体ドラム3bと、マゼンタ及びイエロー用パターンPc,Pdとのそれぞれの間の回転ムラによる相対位相ずれについても同様に説明することができる。
【0129】
図7に示すように、シアン用感光体ドラム3b及びブラック用パターンPaは、回転ムラがあると、ピッチが広い状態と狭い状態とが周期的に発生する。
【0130】
この回転ムラは、シアン用パターンPbでは、シアン用パターンPbにおける周速度Vによる周方向の位置ずれを示す位置ずれ量の周期的変化を表したシアン粗密波α(1)(図8参照)で表すことができ、マゼンタ、イエロー及びブラック用パターンPc,Pd,Paでは、マゼンタ、イエロー及びブラック用パターンPc,Pd,Paにおける周速度Vによる周方向の位置ずれを示す位置ずれ量の周期的変化を表したマゼンタ、イエロー及びブラック粗密波α(2),α(3),αa(図8参照)でそれぞれ表すことができる。
【0131】
図8は、シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaを示すグラフである。
【0132】
図8に示すように、シアン粗密波α(1)とマゼンタ粗密波α(2)とイエロー粗密波α(3)とブラック粗密波αaとの間で相対位相ずれが存在すると、色ずれが生じ、画質が悪化する。すなわち、シアン粗密波α(1)とマゼンタ粗密波α(2)とイエロー粗密波α(3)とブラック粗密波αaとの間で相対位相ずれが大きくなればなる程、それぞれ、シアン用パターンPbとマゼンタ用パターンPcとイエロー用パターンPdとブラック用パターンPaとの間のずれが大きくなり、それだけ画像に対する影響が大きくなる。
【0133】
[パターン検出部について]
パターン検出部302は、シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaを検出する。
【0134】
シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaは、本出願人が既に出願した発明(特開2009−251109号公報)のサインカーブフィッティング計算式により求めることができる。よって、ここでは、シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaの検出についての詳しい説明は省略する。
【0135】
なお、シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaの検出は、サインカーブフィッティング計算式による検出に限定されるものではなく、他の公知の手法を用いてもよい。
【0136】
[演算部について]
演算部303は、パターン検出部302で検出した結果(シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaに関するデータ)に基づいてシアン用感光体ドラム3b、マゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d及びブラック用感光体ドラム3aのうち、何れか一つの調整対象感光体ドラム(ここではシアン用感光体ドラム3b)の回転ムラに対するシアン用感光体ドラム3b以外の被調整対象像担持体(ここではマゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d及びブラック用感光体ドラム3a)の回転ムラの相対位相ずれを示す位相ずれ量を測定する。
【0137】
詳しくは、演算部303aはシアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaに関するデータに基づいて、シアン粗密波α(1)に対するマゼンタ粗密波α(2)のマゼンタ用相対位相角度θ(1)と、シアン粗密波α(1)に対するイエロー粗密波α(3)のイエロー用相対位相角度θ(2)と、シアン粗密波α(1)に対するブラック粗密波αaのブラック用相対位相角度θ(3)とをそれぞれ演算する。なお、相対位相角度θ(1),θ(2),θ(3)は、記憶部320aに記憶される。
【0138】
図9は、第2位相センサ170bの検知信号に対して、第3位相センサ170cの検知信号、第4位相センサ170dの検知信号及び第1位相センサ170aの検知信号の状態を示すタイミングチャートである。なお、図9では、これらのタイミングチャートを一つの図で示している。
【0139】
図9に示すように、補正部306は、調整対象像担持体(ここではシアン用感光体ドラム3b)の位相を検知する第2位相センサ170bの検知信号Tbに対して、マゼンタ用感光体ドラム3cの位相を検知する第3位相センサ170cの検知信号Tcのマゼンタ用検知タイミングTbcと、イエロー用感光体ドラム3dの位相を検知する第4位相センサ170dの検知信号Tdのイエロー用検知タイミングTbdと、ブラック用感光体ドラム3aの位相を検知する第1位相センサ170aの検知信号Taのブラック用検知タイミングTbaとを検出する。これにより、シアン粗密波α(1)に対して、マゼンタ用相対位相角度θ(1)によりマゼンタ粗密波α(2)の位相を、イエロー用相対位相角度θ(2)によりイエロー粗密波α(3)の位相を、また、ブラック用相対位相角度θ(3)によりブラック粗密波αaの位相をそれぞれ調整することができる。
【0140】
[通知部について]
図10は、図1に示すカラー画像形成装置Dの操作部115における表示部117に表示される第1通知画面G1を示す平面図である。
【0141】
図10に示すように、操作部115は、ここでは、カラー画像形成装置Dの外装カバーにおける正面上部に設けられた操作パネルとされている。操作部115は、入力部116にて装置全体の各種設定情報や各機能を動作させるための情報が入力されるようになっている。また、操作部115は、表示部117にて入力内容や装置全体の動作状況が表示されるようになっている。入力部116は、ここでは、複数の入力キー116aを有し、操作者によりキー入力操作可能なキー入力操作部とされている。
【0142】
そして、通知部304は、パターン検出部302及び演算部303による測定結果によって、感光体ドラムの回転ムラの相対位相ずれを調整するべきであると判断した場合(具体的には相対位相角度θ(1)〜θ(3)の少なくとも一つが所定角度を超えていると判断した場合)には、被調整対象像担持体(ここではマゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d及びブラック用感光体ドラム3a)が装置本体Aからの離脱対象の感光体ドラムであることを示す文字の第1メッセージM1(ここでは「マゼンタ、イエロー及びブラックの感光体ドラムを引き抜いて下さい。」というメッセージ)を表示部117の第1通知画面G1に表示させる。
【0143】
なお、制御部300は、第1通知画面G1におけるキャンセルボタンBTの作業者による押下操作を受け付けると、相対位相ずれの調整モードを終了するようになっている。このことは、後述する第2通知画面G1についても同様である。
【0144】
[着脱検出部について]
制御部300は、前記の構成に加えて、着脱検出部305として機能するように構成されている。
【0145】
詳しくは、着脱検出部305は、着脱センサ35a〜35dで検知した各感光体ユニット20a〜20dの着脱状態(各感光体ユニット20a〜20dが装置本体Aに対して装着されているか否か)を検出する。具体的には、着脱検出部305は、着脱センサ35a〜35dから装着信号が送られている場合には各感光体ユニット20a〜20dが装置本体Aに対して装着されていることをそれぞれ認識し、着脱センサ35a〜35dから離脱信号が送られている場合には各感光体ユニット20a〜20dが装置本体Aに対して離脱されていることをそれぞれ認識する。
【0146】
[補正部について]
制御部300は、前記の構成に加えて、補正部306として機能するように構成されている。
【0147】
補正部306は、被調整対象像担持体(ここではブラック用感光体ドラム3a、マゼンタ用感光体ドラム3c及びイエロー用感光体ドラム3d)のうち何れか一つの像担持体を補正対象像担持体としてパターン検出部302及び演算部303による測定結果(具体的にはマゼンタ用相対位相角度θ(1)、イエロー用相対位相角度θ(2)及びブラック用相対位相角度θ(3))に基づいて駆動装置100(具体的には第2駆動部120)を作動制御して調整対象像担持体(ここではシアン用感光体ドラム3b)の回転ムラに対する補正対象像担持体の回転ムラの相対位相ずれを補正する。
【0148】
詳しくは、補正部306は、マゼンタ用相対位相角度θ(1)、イエロー用相対位相角度θ(2)及びブラック用相対位相角度θ(3)によって、それぞれ、マゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d及びブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれをこの順で補正する。
【0149】
そして、補正部306は、着脱検出部305による検出結果に基づいて被調整対象像担持体が装置本体Aから離脱されていると判断した場合に補正動作を開始する。
【0150】
図11は、図1に示すカラー画像形成装置Dの操作部115における表示部117に表示される第2通知画面G2を示す平面図である。
【0151】
図11に示すように、通知部304は、補正部306による補正動作の終了後に、補正対象像担持体が調整対象像担持体として装置本体Aへの装着対象の感光体ドラムであることを示す文字の第2メッセージM2(ここでは「○○○感光体ドラムを挿入して下さい。」というメッセージ)を表示部117の第2通知画面G2に表示させる。
【0152】
なお、第2通知画面G2における○○○の中には、後述する補正状態に応じて「マゼンタ」、「イエロー」及び「ブラック」のうちの何れかの語句が入る。
【0153】
そして、補正部306は、着脱検出部305による検出結果に基づいて補正対象像担持体が装置本体Aに装着されていると判断した場合に(具体的にはメッセージに対応する感光体ドラムが挿入されたことを検出すると)、さらに、補正動作を行うことができる。
【0154】
[制御部による制御例について]
次に、カラー画像形成装置Dにおける制御部300による相対位相ずれの補正例について図12及び図13を参照しながら説明する。
【0155】
図12は、図1に示すカラー画像形成装置Dにおける制御部300による相対位相ずれの補正動作処理の一例の流れを示すフローチャートである。また、図13は、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対してマゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d及びブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれをこの順で補正する補正過程を示す状態遷移図である。図13(a)から図13(h)は、それぞれ、第1補正状態から第8補正状態を示している。なお、図13において斜線は、感光体ユニット20a〜20d(すなわち感光体ドラム3a〜3d)が装置本体Aに装着されている状態を示している。
【0156】
(第1補正状態)
図12に示す相対位相ずれの補正動作処理では、先ず、作業者による相対位相ずれの調整モードの開始指示があるまで待機し(ステップS1:No)、作業者による相対位相ずれの調整モードの開始指示があると(ステップS1:Yes)、パターン形成部301により、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各パターンPb,Pc,Pd,Paをそれぞれ形成する(ステップS2)。次に、パターン検出部302により、ブラック粗密波αa、シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)及びイエロー粗密波α(3)を検出し(ステップS3)、さらに、演算部303により、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対するマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aの回転ムラの相対位相ずれ(すなわち、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各相対位相角度θ(1)〜θ(3))をそれぞれ演算する(ステップS4)。
【0157】
図13(a)に示す第1補正状態では、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3b,3c,3d,3aは、装置本体Aに装着された状態となっている。ここでは、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対して、マゼンタ用感光体ドラム3cの回転ムラの相対位相ずれは、マゼンタ用感光体ドラム3cがシアン用感光体ドラム3bに対して90°進んだ位置とされ、イエロー用感光体ドラム3dの回転ムラの相対位相ずれは、イエロー用感光体ドラム3dがシアン用感光体ドラム3bに対して180°進んだ位置とされ、また、ブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれは、ブラック用感光体ドラム3aがシアン用感光体ドラム3bに対して270°進んだ位置とされている。すなわち、相対位相角度θ(1)〜θ(3)は、それぞれ、90°、180°、270°となっている。
【0158】
次に、調整対象像担持体とされたシアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対する被調整対象像担持体とされたマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aの回転ムラの相対位相ずれを調整すべきか否か、具体的には、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各相対位相角度θ(1)〜θ(3)の少なくとも一つが所定角度を超えているか否かを判断し(ステップS5)、所定角度以下であると判断した場合には(ステップS5:No)、相対位相ずれの調整をする必要がない旨を表示部117に表示(図示せず)して処理を終了する一方、所定角度を超えていると判断した場合には(ステップS5:Yes)、通知部304により、被調整対象像担持体とされたマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが装置本体Aから引き抜く離脱対象の感光体ドラムであることを示す第1メッセージM1(図10参照)を表示部117に表示する(ステップS6)。
【0159】
(第2補正状態)
次に、着脱検出部305により、被調整対象像担持体とされたマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが装置本体Aから引き抜かれているか否かを判断する(ステップS7)。そして、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが装置本体Aから引き抜かれるまで待機し(ステップS7:No)、引き抜かれると(ステップS7:Yes)、ステップS8に移行する。
【0160】
すなわち、図13(b)に示す第2補正状態では、調整対象像担持体とされたシアン用感光体ドラム3bが装置本体Aに装着された状態で、被調整対象像担持体とされたマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが作業者によって引き抜かれ、装置本体Aから離脱される。
【0161】
(第3補正状態)
次に、補正部306により、装置本体A内に残っている調整対象像担持体とされたシアン用感光体ドラム3bに対して、被調整対象像担持体の何れか一つの補正対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cの相対位相ずれを補正する(ステップS8)。
【0162】
すなわち、図13(c)に示す第3補正状態では、図13(b)に示す第2補正状態において、現在の補正対象像担持体の相対位相角度(ここではマゼンタ用相対位相角度θ(1)=90°)を調整角度θc(1)として、調整角度θc(1)(ここでは90°)だけ第2駆動部120を駆動して調整対象像担持体とされたシアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対する補正対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cの回転ムラの相対位相ずれを補正する。
【0163】
次に、通知部304により、補正対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aへの装着対象の感光体ドラムであることを示す第2メッセージM2(図11参照)を表示部117に表示する(ステップS9)。
【0164】
(第4補正状態)
次に、着脱検出部305により、補正対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aに装着されているか否かを判断する(ステップS10)。そして、マゼンタ用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aに装着されるまで待機し(ステップS10:No)、装着されると(ステップS10:Yes)、ステップS11に移行する。
【0165】
すなわち、図13(d)に示す第4補正状態では、補正対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として作業者によって挿入され、調整対象像担持体とされたシアン及びマゼンタ用の各感光体ドラム3b,3cが装置本体Aに装着された状態とされる。
【0166】
次に、被調整対象像担持体が存在しているか否かを判断し(ステップS11)、被調整対象像担持体が存在していない場合には(ステップS11:No)、相対位相ずれの調整が完了した旨を表示部117に表示(図示せず)して処理を終了する一方、被調整対象像担持体が存在している場合には(ステップS11:Yes)、ステップS8に移行する。図13(d)に示す第4補正状態では、被調整対象像担持体がイエロー及びブラック用の各感光体ドラム3d,3aであるので、ステップS8に移行する。
【0167】
(第5補正状態)
次に、補正部306により、装置本体A内に残っている調整対象像担持体とされたシアン及びマゼンタ用の各感光体ドラム3b,3cに対して、被調整対象像担持体の何れか一つの補正対象像担持体とされたイエロー用感光体ドラム3dの相対位相ずれを補正する(ステップS8)。
【0168】
すなわち、図13(e)に示す第5補正状態では、図13(d)に示す第4補正状態において、現在の補正対象像担持体の相対位相角度(ここではイエロー用相対位相角度θ(2)=180°)から前回の補正対象像担持体の相対位相角度(ここではマゼンタ用相対位相角度θ(1)=90°)を差し引いた調整角度θc(2)(ここでは90°)だけ第2駆動部120を駆動して調整対象像担持体とされたシアン及びマゼンタ用の各感光体ドラム3b,3cの回転ムラに対する補正対象像担持体とされたイエロー用感光体ドラム3dの回転ムラの相対位相ずれを補正する。
【0169】
次に、通知部304により、補正対象像担持体とされたイエロー用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aへの装着対象の感光体ドラムであることを示す第2メッセージM2(図11参照)を表示部117に表示する(ステップS9)。
【0170】
(第6補正状態)
次に、着脱検出部305により、補正対象像担持体とされたイエロー用感光体ドラム3dが調整対象像担持体として装置本体Aに装着されているか否かを判断する(ステップS10)。そして、イエロー用感光体ドラム3dが調整対象像担持体として装置本体Aに装着されるまで待機し(ステップS10:No)、装着されると(ステップS10:Yes)、ステップS11に移行する。
【0171】
すなわち、図13(f)に示す第6補正状態では、補正対象像担持体とされたイエロー用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として作業者によって挿入され、調整対象像担持体とされたシアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dが装置本体Aに装着された状態とされる。
【0172】
次に、被調整対象像担持体が存在しているか否かを判断し(ステップS11)、被調整対象像担持体が存在していない場合には(ステップS11:No)、相対位相ずれの調整が完了した旨を表示部117に表示(図示せず)して処理を終了する一方、被調整対象像担持体が存在している場合には(ステップS11:Yes)、ステップS8に移行する。図13(f)に示す第6補正状態では、被調整対象像担持体がブラック用感光体ドラム3aであるので、ステップS8に移行する。
【0173】
(第7補正状態)
次に、補正部306により、装置本体A内に残っている調整対象像担持体とされたシアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dに対して、被調整対象像担持体の何れか一つの補正対象像担持体とされたブラック用感光体ドラム3aの相対位相ずれを補正する(ステップS8)。
【0174】
すなわち、図13(g)に示す第7補正状態では、図13(f)に示す第6補正状態において、現在の補正対象像担持体の相対位相角度(ここではブラック用相対位相角度θ(3)=270°)から前回の補正対象像担持体の相対位相角度(ここではイエロー用相対位相角度θ(2)=180°)を差し引いた調整角度θc(3)(ここでは90°)だけ第2駆動部120を駆動して調整対象像担持体とされたシアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dの回転ムラに対する補正対象像担持体とされたブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれを補正する。
【0175】
次に、通知部304により、補正対象像担持体とされたブラック用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aへの装着対象の感光体ドラムであることを示す第2メッセージM2(図11参照)を表示部117に表示する(ステップS9)。
【0176】
(第8補正状態)
次に、着脱検出部305により、補正対象像担持体とされたブラック用感光体ドラム3aが調整対象像担持体として装置本体Aに装着されているか否かを判断する(ステップS10)。そして、ブラック用感光体ドラム3aが調整対象像担持体として装置本体Aに装着されるまで待機し(ステップS10:No)、装着されると(ステップS10:Yes)、ステップS11に移行する。
【0177】
すなわち、図13(h)に示す第8補正状態では、補正対象像担持体とされたブラック用感光体ドラム3aが調整対象像担持体として作業者によって挿入され、調整対象像担持体とされたシアン、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3b,3c,3d,3aが装置本体Aに装着された状態とされる。
【0178】
次に、被調整対象像担持体が存在しているか否かを判断し(ステップS11)、被調整対象像担持体が存在していない場合には(ステップS11:No)、相対位相ずれの調整が完了した旨を表示部117に表示(図示せず)して処理を終了する一方、被調整対象像担持体が存在している場合には(ステップS11:Yes)、ステップS8に移行する。図13(h)に示す第8補正状態では、被調整対象像担持体がないので、処理を完了する。
【0179】
なお、以上説明したステップS8の処理において、第2駆動部120を駆動する調整角度がマイナスの値になった場合には、第2駆動部120を逆回転させてもよいが、装置構成上の都合で逆回転できない場合等のように、逆回転させない場合には、そのマイナスの値に対して360°加算した値を調整角度とすることができる。例えば、図13(e)に示す第5補正状態において、イエロー用相対位相角度θ(2)が90°、前回のマゼンタ用相対位相角度θ(1)が180°である場合、第2駆動部120の調整角度は90°−180°=−90°となるため、この値−90°に360°を加算した270°を調整角度とすることができる。
【0180】
また、本実施の形態では、ブラック用感光体ドラム3aを駆動する第1駆動部110と、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dを駆動する第2駆動部120とは独立して作動するので、図12に示す相対位相ずれの補正動作処理において、第2駆動部120を作動させるときに第1駆動部110を作動させないようにすれば、ブラック用感光体ドラム3bを装置本体Aに装着したままにすることができる。この場合、「ステップS6」の処理において、被調整対象像担持体とされたマゼンタ及びイエローの各感光体ドラム3c,3dが装置本体Aから引き抜く離脱対象の感光体ドラムであることを示す第1メッセージM1を表示部117に表示し、さらに、「ステップS9」の処理において、ブラック用感光体ドラム3cが装置本体Aへの装着対象の感光体ドラムであることを示す第2メッセージM2の表示部117への表示処理、及び、「ステップS10」の処理において、ブラック用感光体ドラム3aが装置本体Aに装着されているか否かを判断する判断処理を省くことができる。
【0181】
また、本実施の形態では、最初の調整対象像担持体をシアン用感光体ドラム3bとしたが、他の色の感光体ドラム3c,3dであってもよい。調整対象像担持体をブラック用感光体ドラム3aとしてもよいが、この場合、第1駆動部110及び第2駆動部120の双方を駆動させる必要があるため、調整対象像担持体を第1グループ感光体30bにおけるシアン用感光体ドラム3a、マゼンタ用感光体ドラム3c及びイエロー用感光体ドラム3dのうちの何れかとすることが好ましい。
【0182】
以上説明したように、本実施の形態に係るカラー画像形成装置Dでは、調整対象像担持体とされたシアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対する被調整対象像担持体とされたマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aの回転ムラの相対位相ずれを示す位相ずれ量をシアン、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各パターンPb,Pc,Pd,Paに基づいて測定部307によって測定し、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが装置本体Aからの離脱対象の感光体ドラムであることを測定部307による測定結果に基づいて通知部304によって通知する。そうすると、ユーザやサービスマン等の作業者によって、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが装置本体Aから離脱される。このとき、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aの回転を駆動装置100の駆動制御に関わらず停止状態にすることができる。これにより、装置本体Aから離脱されて停止状態にあるマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aのうち何れか一つの感光体ドラムを補正対象像担持体として測定部307による測定結果に基づいてシアン用感光体ドラム3bを回転させることができる。従って、簡単な装置構成でありながら、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対するマゼンタ用感光体ドラム3cの回転ムラの相対位相ずれを補正することができる。
【0183】
また、本実施の形態では、着脱検出部305による検出結果に基づいて被調整対象像担持体とされたマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが装置本体Aから離脱されていると判断した場合に補正部306による補正動作を開始するので、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対するマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aの回転ムラの相対位相ずれを示す位相ずれ量を自動的に補正することができる。
【0184】
また、本実施の形態では、補正部306による補正動作の終了後に、被調整対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aへの装着対象の感光体ドラムであることを通知部304によって通知する。そうすると、作業者によって、被調整対象像担持体とされたゼンタ用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aに装着される。このとき、調整対象像担持体として装着されたマゼンタ用感光体ドラム3cを駆動装置100(ここでは第2駆動部120)の駆動制御によって既存の調整対象像担持体とされたシアン用感光体ドラム3bと共に回転させることができる。従って、着脱検出部305による検出結果に基づいて調整対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cが装置本体Aに装着されていると判断した場合に、さらに、補正部306による補正動作を行うことができる。これにより、本実施の形態のように、被調整対象像担持体がマゼンタ、イエロー及びブラック用感光体ドラム3c,3d,3aと複数のものとされていても、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aの回転ムラをシアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対して順次補正することができる。
【0185】
また、本実施の形態のように、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dが互いに連動して回転しても、装着状態の感光体ドラム(例えば、シアン用感光体ドラム3b)が離脱状態の感光体ドラム(例えば、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3c,3d)に対して独立して回転することができ、これにより、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c3dの間において互いに回転ムラによる相対位相ずれを補正することができる。
【0186】
また、本実施の形態では、第1グループ像担持体30aの駆動と第2グループ像担持体30bの駆動とは別駆動であるため、第2グループ像担持体30bのシアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dの相対位相ずれを補正部306によって補正した後、第1グループ像担持体30aのブラック用感光体ドラム3aの相対位相ずれを補正部306によって補正することで、第1グループ像担持体30aのブラック用感光体ドラム3aを第1駆動部110にて駆動させなく済み、それだけ第1駆動部110に関与する部材への駆動負荷や第1駆動部100の消費電力を軽減させることができ、従って、ブラック用感光体ドラム3aの装置本体Aからの離脱操作を省くことができる。
【0187】
また、本実施の形態では、通知部304による通知を文字の第1及び第2メッセージM1,M2として表示部117に表示するので、通知部304による通知を作業者に明確にかつ確実に伝えることができる。
【0188】
なお、ブラック用感光体ドラム3aは、ブラックの画像形成を行うためのものであり、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c、3dは、カラーの画像形成を行うためのものであるので、通常は文字が印字されるブラックの文字原稿の画質を効果的に向上させることができる。なお、カラー用感光体ドラムは2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0189】
3a ブラック用感光体ドラム(像担持体の一例)
3b シアン用感光体ドラム(像担持体の一例)
3c マゼンタ用感光体ドラム(像担持体の一例)
3d イエロー用感光体ドラム(像担持体の一例)
7 中間転写ベルト(記録媒体の一例)
30a 第1グループ感光体
30b 第2グループ感光体(グループ像担持体の一例)
100 駆動装置(駆動部の一例)
110 第1駆動部
117 表示部
120 第2駆動部
301 パターン形成部
302 パターン検出部
303 演算部
304 通知部
305 着脱検出部
306 補正部
307 測定部
A 装置本体
D カラー画像形成装置
Pa ブラック用パターン
Pb シアン用パターン
Pc マゼンタ用パターン
Pd イエロー用パターン
V 周速度
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体を備え、前記複数の画像を中間転写体等の記録媒体上に重ね合わせる画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の画像(例えば、トナー像)のそれぞれに対応する複数の感光体等の像担持体を一定の周速度でそれぞれ回転させて、電子写真方式等の画像形成プロセスにより形成し、前記複数の画像を重ね合わせる画像形成装置、いわゆるタンデム型の画像形成装置が従来から知られている。例えば、フルカラー画像を形成する場合、互いに異なる複数色(通常、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色成分)のトナー像をそれらに対応する複数の像担持体にタイミングを合わせて形成し、各トナー像を中間転写体や記録材(例えば用紙)等の記録媒体に重ねて転写し、該記録媒体が中間転写体のときはさらに記録材に転写する。
【0003】
ところで、複数の画像が複数の像担持体にそれぞれタイミングを合わせて形成されていても、各像担持体の画像を重ね合わせるときに画像がずれることがある。このような画像ずれの発生を防止するべく各像担持体の画像を精度よく重ねることは重要なことである。
【0004】
画像ずれ発生の要因としては、例えば、各像担持体の偏芯、駆動部から各像担持体への回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材の偏芯等に起因した周速度の周期的変動(いわゆる回転ムラ)による相対的な位相ずれ(相対位相ずれ)を例示できる。
【0005】
この点に関し、特許文献1には、基準色用のパターンとして、基準色用の複数のラインを搬送方向に等時間間隔で形成し、検出色用のパターンとして、検出色用の複数のラインを搬送方向に等時間間隔でかつ基準色用のラインと交互に並ぶように形成し、基準色用のラインとこれに対応する検出色用のラインの間隔を検出し、検出した基準色用のラインとこれに対応する検出色用のラインの間隔に基づいて基準色に対する検出色の位置ずれ量を演算し、演算結果に基づいて像担持体の回転位相を調整するカラー画像形成装置を開示している。
【0006】
また、特許文献2には、黒位相用計時手段及び非黒位相用計時手段による計時を同時に開始して黒位相信号及び非黒位相信号がそれぞれ変化するまでに要する時間を計時する一方、その計時開始時における黒位相信号及び非黒位相信号のそれぞれ値を記憶しておき、それらの計時値及び信号値に基づいて黒感光体駆動手段及び非黒感光体駆動手段を制御して黒感光体及び非黒感光体の回転位相差を所定の許容範囲内に調整するカラー画像形成装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−78850号公報
【特許文献2】特開2005−181787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1,2に記載しているような従来の画像形成装置では、装置本体に対して複数の像担持体が装着された状態で、該複数の像担持体の少なくとも一つを停止させたり、或いは、該複数の像担持体の少なくとも一つの回転速度を変更したりして駆動制御しながら該像担持体の周速度の周期的変動による相対位相ずれを補正するため、それだけ、相対位相ずれの補正のための制御構成等の装置構成が複雑化する。
【0009】
また、従来の画像形成装置では、各像担持体を個別に駆動する各モータを備え、各モータを個別に調整する場合には、基準色用の像坦持体(具体的にはブラック用感光体ドラム)の周速度の周期的変動と複数の検出色用の像担持体(具体的にはイエロー、マゼンタ、シアン用の各感光体ドラム)の周速度の周期的変動との相対位相ずれをそれぞれ最適なものに補正できるものの、複数の検出色用の像担持体が互いに連動して回転する場合には次のような不都合がある。
【0010】
すなわち、従来の画像形成装置では、複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体のうち第1像担持体を含む第1グループ像担持体と、残りの像担持体のうち複数の第2像担持体を含む第2グループ像担持体とを独立して駆動することがある。
【0011】
具体的には、ブラックの画像は、通常、モノクロの画像形成時に他の色の画像が形成されることなく単独で形成される。この場合、ブラックに対応する第1像担持体(例えばブラック用感光体ドラム)及び該第1像担持体上に画像を形成するための画像形成部材(ブラックの現像装置を含む部材)を、その他の画像(イエロー、マゼンタ、シアンの画像)にそれぞれ対応する複数の第2像担持体(例えばイエロー、マゼンタ、シアン用の各感光体ドラム)及び該複数の第2像担持体上に画像を形成するための画像形成部材(イエロー、マゼンタ、シアンの各現像装置を含む部材)を駆動する第2駆動部とは異なる第1駆動部で駆動する。
【0012】
一方、ブラック以外の画像(例えばイエロー、マゼンタ、シアンの画像)用のものを駆動する必要があるが、駆動部品の点数を削減して画像形成装置の小型化を実現すべく、互いに連動して回転する複数の第2像担持体(例えばイエロー、マゼンタ、シアン用の各感光体ドラム)及び該第2像担持体に対応する画像形成部材を共通の(一つの)第2駆動部で同時に駆動するようにすれば、部品点数を削減できる。
【0013】
このように、複数の第2像担持体が互いに連動して回転する構成の画像形成装置では、前述したように、第1像担持体の偏芯、複数の第2像担持体のそれぞれの偏芯、第1駆動部から第1像担持体への回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材の偏芯、第2駆動部から複数の第2像担持体への回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材のそれぞれの偏芯等に起因した周速度の周期的変動による周方向の位置ずれが発生すると、第2グループ感光体における複数の第2像担持体(例えばイエロー、マゼンタ、シアン用の各感光体ドラム)が互いに連動して回転するために、該複数の第2像担持体の間において互いに周速度の周期的変動による相対位相ずれを調整できない上、第1像坦持体(例えばブラック用感光体ドラム)と、複数の第2像担持体とのそれぞれの間においても相対位相ずれをそれぞれ調整することができない。
【0014】
そこで、本発明は、複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体を備え、前記複数の画像を記録媒体上に重ね合わせる画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法であって、前記複数の像担持体の周速度の周期的変動による相対位相ずれを簡単な装置構成で補正することができる画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前記課題を解決するために、次の画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法を提供する。
【0016】
(1)画像形成装置
複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体を備え、前記複数の画像を記録媒体上に重ね合わせる画像形成装置であって、前記複数の像担持体を一定の周速度で回転させる駆動部と、前記複数の像担持体にそれぞれ対応する複数のパターンを周方向のピッチ毎に前記記録媒体上にそれぞれ形成するパターン形成部と、前記複数の像担持体のうち、何れか一つの調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する該調整対象像担持体以外の被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを示す位相ずれ量を前記複数のパターンに基づいて測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記被調整対象像担持体が装置本体からの離脱対象の像担持体であることを通知する通知部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【0017】
(2)像担持体の相対位相ずれの補正方法
複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体を備え、前記複数の画像を記録媒体上に重ね合わせる画像形成装置における前記像担持体の相対位相ずれの補正方法であって、前記複数の像担持体を駆動部によって一定の周速度で回転させる駆動ステップと、前記複数の像担持体にそれぞれ対応する複数のパターンをパターン形成部によって周方向のピッチ毎に前記記録媒体上にそれぞれ形成するパターン形成ステップと、前記複数の像担持体のうち、何れか一つの調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する該調整対象像担持体以外の被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを示す位相ずれ量を前記複数のパターンに基づいて測定部によって測定する測定ステップと、前記測定部による測定結果に基づいて前記被調整対象像担持体が装置本体からの離脱対象の像担持体であることを通知部によって通知する通知ステップとを含むことを特徴とする像担持体の相対位相ずれの補正方法。
【0018】
本発明に係る画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法では、前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを示す位相ずれ量を前記複数のパターンに基づいて前記測定部によって測定し、前記測定部による測定結果に基づいて前記被調整対象像担持体が前記装置本体からの離脱対象の像担持体であることを前記通知部によって通知する。そうすると、ユーザやサービスマン等の作業者によって、前記被調整対象像担持体が前記装置本体から離脱される。このとき、前記被調整対象像担持体の回転を前記駆動部の駆動制御に関わらず停止状態にすることができる。これにより、前記装置本体から離脱されて停止状態にある前記被調整対象像担持体のうち何れか一つの像担持体を補正対象像担持体として自動的に又は人為的に前記測定部による測定結果に基づいて前記調整対象像担持体を回転させることができる。従って、簡単な装置構成でありながら、前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記補正対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを補正することができる。
【0019】
本発明に係る画像形成装置において、前記装置本体に対する前記複数の像担持体の着脱状態を検出する着脱検出部と、前記被調整対象像担持体のうち何れか一つの像担持体を補正対象像担持体として前記測定部による測定結果に基づいて前記駆動部を作動制御して前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記補正対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを補正する補正部とを備え、前記補正部は、前記着脱検出部による検出結果に基づいて補正動作を開始する態様を例示できる。また、本発明に係る像担持体の相対位相ずれの補正方法において、前記装置本体に対する前記複数の像担持体の着脱状態を着脱検出部によって検出する着脱検出ステップと、前記被調整対象像担持体のうち何れか一つの像担持体を補正対象像担持体として前記測定部による測定結果に基づいて前記駆動部を作動制御して前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記補正対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを補正部によって補正する補正ステップとを含み、前記補正ステップは、前記着脱検出部による検出結果に基づいて前記補正部による補正動作を開始する態様を例示できる。
【0020】
この特定事項では、前記着脱検出部による検出結果に基づいて前記被調整対象像担持体が前記装置本体から離脱されていると判断した場合に前記補正部による補正動作を開始することができる。これにより、前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記補正対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを自動的に補正することができる。
【0021】
本発明に係る画像形成装置において、前記通知部は、前記補正部による補正動作の終了後に、前記補正対象像担持体が前記調整対象像担持体として前記装置本体への装着対象の像担持体であることを通知する態様を例示できる。また、本発明に係る像担持体の相対位相ずれの補正方法において、前記通知ステップは、前記補正部による補正動作の終了後に、前記補正対象像担持体が前記調整対象像担持体として前記装置本体への装着対象の像担持体であることを前記通知部によって通知する態様を例示できる。
【0022】
この特定事項では、前記補正部による補正動作の終了後に、前記補正対象像担持体(前記被調整対象像担持体である前記補正対象像担持体)が前記調整対象像担持体として前記装置本体への装着対象の像担持体であることを前記通知部によって通知する。そうすると、前記作業者によって、前記補正対象像担持体(前記被調整対象像担持体である前記補正対象像担持体)が前記調整対象像担持体として前記装置本体に装着される。このとき、前記調整対象像担持体として装着された前記補正対象像担持体を前記駆動部の駆動制御によって既存の前記調整対象像担持体と共に回転させることができる。従って、前記着脱検出部による検出結果に基づいて前記補正対象像担持体(前記調整対象像担持体とされた前記補正対象像担持体)が前記装置本体に装着されていると判断した場合に、さらに、前記補正部による補正動作を行うことができる。これにより、前記被調整対象像担持体が複数の被調整対象像担持体とされていても、該複数の被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動を前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対して順次補正することができる。
【0023】
本発明に係る画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法において、前記複数の像担持体のうち少なくとも二つの像担持体を含みかつ該少なくとも二つの像担持体が互いに連動して回転するグループ像担持体とを備え、前記駆動部は、前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体以外の像担持体を前記周速度で回転させる第1駆動部と、前記グループ像担持体を前記周速度で回転させる第2駆動部とを備えている態様を例示できる。
【0024】
この特定事項では、前記少なくとも二つの像担持体が互いに連動して回転しても、装着状態の像担持体が離脱状態の像担持体に対して独立して回転することができ、これにより、該少なくとも二つの像担持体の間において互いに周速度の周期的変動による相対位相ずれを補正することができる。
【0025】
本発明に係る画像形成装置において、前記補正部は、前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体の相対位相ずれを補正した後、前記グループ像担持体以外の像担持体の相対位相ずれを補正する態様を例示できる。また、本発明に係る像担持体の相対位相ずれの補正方法において、前記補正ステップは、前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体の相対位相ずれを前記補正部によって補正した後、前記グループ像担持体以外の像担持体の相対位相ずれを前記補正部によって補正する態様を例示できる。
【0026】
この特定事項では、前記グループ像担持体以外の像担持体の駆動と前記グループ像担持体の像担持体の駆動とは別駆動であるため、前記グループ像担持体以外の像担持体を前記第1駆動部にて駆動させなく済み、それだけ該第1駆動部に関与する部材への駆動負荷や該第1駆動部の消費電力を軽減させることができ、従って、前記グループ像担持体以外の像担持体の前記装置本体からの離脱操作を省くことができる。
【0027】
本発明に係る画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法において、画像を形成するにあたって、ブラックは文字が印字される色であることが多いため、文字原稿の画質向上を考慮して前記グループ像担持体以外の像担持体でブラックの画像形成を行って、前記グループ像担持体でカラーの画像形成を行うことが好ましい。すなわち、前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体は、カラーの画像形成を行うためのものであり、前記グループ像担持体以外の像担持体は、ブラックの画像形成を行うためのものであることが好ましい。
【0028】
本発明に係る画像形成装置及び像担持体の相対位相ずれの補正方法において、文字を表示する表示部を備え、前記通知部による通知は、前記表示部に表示するメッセージである態様を例示できる。
【0029】
この特定事項では、前記通知部による通知を文字のメッセージとして前記表示部に表示することができ、これにより、前記通知部による通知を前記作業者に明確にかつ確実に伝えることができる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明によると、前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを示す位相ずれ量を前記複数のパターンに基づいて前記測定部によって測定し、前記測定部による測定結果に基づいて前記被調整対象像担持体が前記装置本体からの離脱対象の像担持体であることを前記通知部によって通知することで、前記複数の像担持体の周速度の周期的変動による相対位相ずれを簡単な装置構成で補正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置を概略的に示す側面図である。
【図2】図1に示すカラー画像形成装置における駆動装置の駆動伝達系を概略的に示すシステム構成図であって、第1及び第2駆動部から感光体ドラムへの回転駆動を伝達するギヤトレイン並びに第1位相センサ、第2位相センサ、第3位相センサ及び第4位相センサを示す図である。
【図3】図1に示すカラー画像形成装置における駆動装置を詳細に示す斜視図である。
【図4A】図1に示すカラー画像形成装置におけるシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【図4B】図4Aに示す制御部を詳細に示すブロック図である。
【図5】中間転写ベルト上にブラック用パターン、シアン用パターン、マゼンタ用パターン及びイエロー用パターンを形成した一例を示す平面図である。
【図6】中間転写ベルト上において中間転写ベルトの幅方向における両端部に形成された各パターンとパターン検知センサとの位置関係を示す平面図である。
【図7】シアン用感光体ドラムの回転ムラに対するブラック用感光体ドラムの回転ムラの相対位相ずれを説明するための説明図であって、(a)は、シアン用感光体ドラムの回転ムラに対するブラック用感光体ドラムの回転ムラの相対位相ずれがない状態でのシアン用パターン及びブラック用パターンの例を示す図であり、(b)は、シアン用感光体ドラムの回転ムラに対するブラック用感光体ドラムの回転ムラの相対位相ずれがある状態でのシアン用パターン及びブラック用パターンの例を示す図である。
【図8】シアン粗密波、マゼンタ粗密波、イエロー粗密波及びブラック粗密波を示すグラフである。
【図9】第2位相センサの検知信号に対して、第3位相センサの検知信号、第4位相センサの検知信号及び第1位相センサの検知信号を示すタイミングチャートである。
【図10】図1に示すカラー画像形成装置の操作部における表示部に表示される第1通知画面を示す平面図である。
【図11】図1に示すカラー画像形成装置の操作部における表示部に表示される第2通知画面を示す平面図である。
【図12】図1に示すカラー画像形成装置における制御部による相対位相ずれの補正動作処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【図13】シアン用感光体ドラムの回転ムラに対してマゼンタ用感光体ドラム、イエロー用感光体ドラム及びブラック用感光体ドラムの回転ムラの相対位相ずれをこの順で補正する補正過程を示す状態遷移図であって、(a)から(h)は、それぞれ、第1補正状態から第8状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置Dを概略的に示す側面図である。
【0034】
図1に示すカラー画像形成装置Dは、原稿の画像を読み取る原稿読取装置B1と、この原稿読取装置B1により読み取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で普通紙等の記録材に記録形成する装置本体Aとを備えている。
【0035】
原稿読取装置B1では、原稿が原稿セットトレイ41にセットされると、ピックアップローラ44が原稿表面に押し付けられて回転され、原稿がトレイ41から引き出され、サバキローラ45と分離パッド46間を通過して1枚ずつに分離されてから搬送経路47へと搬送される。
【0036】
この搬送経路47では、原稿の先端がレジストローラ49に当接して、レジストローラ49と平行に揃えられ、この後に原稿がレジストローラ49により搬送されて原稿ガイド51と読取ガラス52との間を通過する。このとき、第1走査部53の光源からの光が読取ガラス52を介して原稿表面に照射され、その反射光が読取ガラス52を介して第1走査部53に入射し、この反射光が第1及び第2走査部53,54のミラーで反射されて結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によって原稿表面の画像がCCD(Charge Coupled Device)56上に結像される。CCD56は、原稿表面の画像を読み取り、その画像を示す画像データを出力する。さらに、原稿は、搬送ローラ57により搬送され、排紙ローラ58を介して原稿排紙トレイ59に排出される。
【0037】
また、原稿読取装置B1は、原稿台ガラス61上に載置された原稿を読み取ることができる。レジストローラ49、原稿ガイド51、原稿排紙トレイ59等とそれらよりも上側の部材とは、一体化されたカバー体となっており、原稿読取装置B1の背面側で副走査方向に沿った軸線回りに開閉可能に枢支されている。この上側のカバー体が開かれると、原稿台ガラス61が開放されて、原稿台ガラス61上に原稿を載置することができる。原稿台ガラス61上に載置された原稿はカバー体が閉じられることで該カバー体に保持される。そして、原稿読み取りの指示があると、第1及び第2走査部53,54が副走査方向に移動されつつ、第1走査部53によって原稿台ガラス61上の原稿表面が露光される。原稿表面からの反射光は、第1及び第2走査部53,54によって結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によってCCD56上に結像され、ここで原稿画像が読み取られる。このとき、第1及び第2走査部53,54が相互に所定の速度関係を維持しつつ移動されて、原稿表面→第1及び第2走査部53,54→結像レンズ55→CCD56という反射光の光路の長さが変化しないように第1及び第2走査部53,54の位置関係が常に維持され、これによりCCD56上での原稿表面の画像のピントが常に正確に維持される。
【0038】
こうして読み取られた原稿画像全体は、画像データとしてカラー画像形成装置Dの装置本体Aへと送受され、装置本体Aにおいて画像が記録材に記録される。
【0039】
一方、カラー画像形成装置Dの装置本体Aは、感光体ユニット20(20a,20b,20c,20d)を備えている。感光体ユニット20(20a,20b,20c,20d)は、像担持体として作用する感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)をそれぞれ有しており、装置本体Aに対して着脱可能とされている。装置本体Aは、露光装置1、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、記録材の搬送方向に沿って並設された感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナ装置4(4a,4b,4c,4d)、転写部として作用する中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)を含む中間転写ベルト装置8、定着装置12、搬送装置18、給紙部として作用する給紙トレイ10及び排紙部として作用する排紙トレイ15を備えている。
【0040】
カラー画像形成装置Dの装置本体Aにおいて扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。従って、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)を有する感光体ユニット20(20a,20b,20c,20d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナ装置4(4a,4b,4c,4d)、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)は各色に応じた4種類の画像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれの末尾符号a〜dのうち、符号aがブラックに、符号bがシアンに、符号cがマゼンタに、符号dがイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションが構成されている。以下、末尾符号a〜dは省略して説明する。
【0041】
感光体ドラム3は、装置本体Aの上下方向のほぼ中央に配置されている。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャ型の帯電器が用いられる。
【0042】
露光装置1は、ここでは、レーザ光源42a〜42d(図1では図示せず、後述する図4A参照)及び走査光学系43を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された感光体ドラム3の表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0043】
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を(K,C,M,Y)のトナーにより現像する。クリーナ装置4は、現像及び画像転写後に感光体ドラム3表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0044】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルト装置8は、中間転写ローラ6に加えて、記録媒体として作用する中間転写ベルト(中間転写体の一例)7、中間転写ベルト駆動ローラ21、従動ローラ22、テンションローラ23及び中間転写ベルトクリーニング装置9を備えている。
【0045】
中間転写ベルト駆動ローラ21、中間転写ローラ6、従動ローラ22、テンションローラ23等のローラ部材は、中間転写ベルト7を張架して支持し、中間転写ベルト7を所定の移動方向(図中矢印C方向)に周回移動させる。
【0046】
中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7内側に回転可能に支持され、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に圧接されており、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7に転写するための転写バイアスが印加される。
【0047】
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられており、各感光体ドラム3表面のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、カラーのトナー像(各色のトナー像)を形成する。この転写ベルト7は、ここでは、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。
【0048】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7内側(裏面)に圧接されている中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。中間転写ローラ6は、ここでは、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われたローラである。この導電性の弾性材により、記録材に対して均一に高電圧を印加することができる。
【0049】
カラー画像形成装置Dの装置本体Aは、転写部として作用する転写ローラ11aを含む2次転写装置11をさらに備えている。転写ローラ11aは、中間転写ベルト7の中間転写ベルト駆動ローラ21とは反対側(外側)に接触している。
【0050】
上述のように各感光体ドラム3表面のトナー像は、中間転写ベルト7で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト7と共に搬送され、2次転写装置11によって記録材上に転写される。
【0051】
中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11aとは、相互に圧接されてニップ域を形成する。また、2次転写装置11の転写ローラ11aには、中間転写ベルト7上の各色のトナー像を記録材に転写させるための電圧(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、2次転写装置11の転写ローラ11aもしくは中間転写ベルト駆動ローラ21の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラや発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0052】
また、2次転写装置11によって中間転写ベルト7上のトナー像が記録材上に完全に転写されず、中間転写ベルト7上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置9によって残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置9には、例えばクリーニング部材として中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレードが備えられており、このクリーニングブレードで残留トナーを除去及び回収することができる。従動ローラ22は、中間転写ベルト7を内側(裏側)から支持しており、クリーニングブレードは、外側から従動ローラ22に向けて押圧するように中間転写ベルト7に接触している。
【0053】
給紙トレイ10は、記録材を格納しておくためのトレイであり、装置本体Aの画像形成部の下側に設けられている。また、画像形成部の上側に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みの記録材をフェイスダウンで載置するためのトレイである。
【0054】
また、装置本体Aには、給紙トレイ10の記録材を2次転写装置11や定着装置12を経由させて排紙トレイ15に送るための搬送装置18が設けられている。この搬送装置18は、Sの字形状の搬送路Sを有し、この搬送路Sに沿って、ピックアップローラ16、各搬送ローラ13、レジスト前ローラ19、レジストローラ14、定着装置12及び排紙ローラ17等の搬送部材を配置したものである。
【0055】
ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の記録材搬送方向下流側端部に設けられ、給紙トレイ10から記録材を1枚ずつ搬送路Sに供給する呼び込みローラである。各搬送ローラ13及びレジスト前ローラ19は、記録材の搬送を促進補助するための小型のローラである。各搬送ローラ13は、搬送路Sに沿って複数箇所に設けられている。レジスト前ローラ19は、レジストローラ14の搬送方向上流側の直近に設けられており、記録材をレジストローラ14へと搬送するようになっている。
【0056】
レジストローラ14は、レジスト前ローラ19にて搬送されてきた記録材を一旦停止させて、記録材の先端を揃え、中間転写ベルト7と2次転写装置11間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラートナー像が記録材に転写されるように、感光体ドラム3及び中間転写ベルト7の回転にあわせて、記録材をタイミングよく搬送する。
【0057】
例えば、レジストローラ14は、中間転写ベルト7と2次転写装置11との間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラートナー像の先端が記録材における画像形成範囲の先端に合うように、記録材を搬送する。
【0058】
定着装置12は、ヒートローラ31及び加圧ローラ32を備えている。ヒートローラ31及び加圧ローラ32は、記録材を挟み込んで搬送する。
【0059】
ヒートローラ31は、所定の定着温度となるように温度制御され、加圧ローラ32と共に記録材を熱圧着することにより、記録材に転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録材に対して熱定着させる機能を有している。
【0060】
各色のトナー像の定着後での記録材は、排紙ローラ17によって排紙トレイ15上に排出される。
【0061】
なお、4つの画像形成ステーションのうち少なくとも一つを用いて、モノクロ画像を形成し、モノクロ画像を中間転写ベルト装置8の中間転写ベルト7に転写することも可能である。このモノクロ画像も、カラー画像と同様に、中間転写ベルト7から記録材に転写され、記録材上に定着される。
【0062】
また、記録材の表(オモテ)面だけではなく、両面の画像形成を行う場合は、記録材の表面の画像を定着装置12により定着した後に、記録材を材搬送路Sの排紙ローラ17により搬送する途中で、排紙ローラ17を停止させてから逆回転させ、記録材を表裏反転経路Srに通して、記録材の表裏を反転させてから、記録材を再びレジストローラ14へと導き、記録材の表面と同様に、記録材の裏面に画像を記録して定着し、記録材を排紙トレイ15に排出する。
【0063】
[パターン検知センサの構成]
カラー画像形成装置Dは、パターン検知センサ34をさらに備えている。なお、以下の説明では、感光体ドラムの符号3、感光体ユニット20、現像装置の符号2及び転写部6の末尾符号は省略せずに感光体ドラム3a,3b,3c,3d、感光体ユニット20a,20b,20c,20d、現像装置(ここでは現像ユニット)2a,2b,2c,2d及び転写部(ここでは中間転写ローラ)6a,6b,6c,6dとする。
【0064】
パターン検知センサ34は、無端状の中間転写ベルト7の移動方向Cにおいて感光体ドラム(ここではブラック用感光体ドラム3a)よりも下流側に配置されている。具体的には、パターン検知センサ34は、中間転写ベルト7の表面と対向するように配置されている。
【0065】
パターン検知センサ34は、ここでは、発光部341及び受光部342を有する反射型の光センサ(フォトインタラプタ)とされている。パターン検知センサ34は、後述するように、中間転写ベルト7に形成された各パターンPa〜Pd(後述する図5及び図6参照)を検出するようになっている。詳しくは、パターン検知センサ34は、発光部341から中間転写ベルト7の表面又は各パターンPa〜Pdにて反射される入射光を受光部342で検知するようになっている。
【0066】
[駆動装置の構成]
カラー画像形成装置Dは、感光体ユニット20a,20b,20c,20dに設けられた感光体ドラム3a,3b,3c,3dを駆動する駆動装置100(図1では図示せず、後述する図2及び図3参照)をさらに備えている。
【0067】
図2は、図1に示すカラー画像形成装置Dにおける駆動装置(駆動部の一例)100の駆動伝達系を概略的に示すシステム構成図であって、第1及び第2駆動部110,120から感光体ドラム3a,3b,3c,3dへの回転駆動を伝達するギヤトレイン並びに第1位相センサ170a、第2位相センサ170b、第3位相センサ170c及び第4位相センサ170dを示す図である。また、図3は、図1に示すカラー画像形成装置Dにおける駆動装置100を詳細に示す斜視図である。
【0068】
カラー画像形成装置Dは、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3a,3b,3c,3dのうち第1感光体ドラム(ここではブラック用感光体ドラム3a)を含む第1グループ感光体30aと、残りの複数の第2感光体ドラム(ここではシアン用感光体ドラム3b、マゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d)を含みかつ第2感光体ドラム3b,3c,3dが互いに連動して回転する第2グループ感光体30b(グループ像担持体の一例)とを備えている。ここでは、第1グループ感光体30aは、モノクロの画像形成(モノクロ印刷)を行うためのものであり、第2グループ感光体30bは、第1グループ感光体30aと協働してフルカラーの画像形成を行うためのものである。なお、各感光体ドラム3a,3b,3c,3dの直径は何れも同一径とされている。
【0069】
駆動装置100は、第1駆動部110と、第2駆動部120と、第1回転部材(ここでは第1駆動伝達用回転部材)150と、第2回転部材(ここでは第2駆動伝達用回転部材)160と、第1から第4位相センサ170a〜170dとを備えている。
【0070】
第1駆動部110は、第1グループ感光体30aを駆動するためのものである。第2駆動部120は、第2グループ感光体30bを駆動するためのものである。ここでは、第1駆動部110及び第2駆動部120は、ステッピングモータとされている。
【0071】
第1駆動伝達用回転部材150は、第1駆動部110から第1グループ感光体30aへの回転駆動を伝達するものであり、ここでは、第1軸ギヤ111と、第1中間ギヤ112と、ブラック用感光体駆動ギヤ130とからなっている。第2駆動伝達用回転部材160は、第2駆動部120から第2グループ感光体30bへの回転駆動を伝達するものであり、ここでは、第2軸ギヤ121と、第2から第4中間ギヤ122〜124と、カラー用(シアン用、マゼンタ用及びイエロー用)感光体駆動ギヤ140(140b〜140d)とからなっている。なお、これらのギヤは、回転軸線の方向が互いに平行となっている。
【0072】
具体的には、ブラック用感光体駆動ギヤ130は、ブラック用感光体ドラム3aの回転軸と同軸上に連結されており、第1中間ギヤ112に噛合している。第1駆動部110の回転軸に設けられた第1軸ギヤ111は、第1中間ギヤ112に噛合している。これにより、第1駆動部110が回転駆動することで、第1軸ギヤ111、第1中間ギヤ112及びブラック用感光体駆動ギヤ130を介して、ブラック用感光体駆動ギヤ130に連結されたブラック用感光体ドラム3aを回転させることができる。
【0073】
また、シアン用感光体駆動ギヤ140bは、シアン用感光体ドラム3bの回転軸と同軸上に連結されており、第3中間ギヤ123に噛合している。マゼンタ用感光体駆動ギヤ140cは、マゼンタ用感光体ドラム3cの回転軸と同軸上に連結されており、第2中間ギヤ122、第3中間ギヤ123及び第4中間ギヤ124に噛合している。イエロー用感光体駆動ギヤ140dは、イエロー用感光体ドラム3dの回転軸と同軸上に連結されており、第4中間ギヤ124に噛合している。第2駆動部120の回転軸に設けられた第2軸ギヤ121は、第2中間ギヤ122に噛合している。これにより、第2駆動部120が回転駆動することで、第2軸ギヤ121、第2中間ギヤ122及びマゼンタ用感光体駆動ギヤ140cを介して、マゼンタ用感光体駆動ギヤ140cに連結されたマゼンタ用感光体ドラム3cを、マゼンタ用感光体駆動ギヤ140c、第3中間ギヤ123及びシアン用感光体駆動ギヤ140bを介して、シアン用感光体駆動ギヤ140bに連結されたシアン用感光体ドラム3bを、また、マゼンタ用感光体駆動ギヤ140c、第4中間ギヤ124及びイエロー用感光体駆動ギヤ140dを介して、イエロー用感光体駆動ギヤ140dに連結されたイエロー用感光体ドラム3dを回転させることができる。
【0074】
これにより、カラー用の各感光体ドラム3b、3c、3bの第2駆動部120を共通のものにすることができる。また、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dが共通の第2駆動部120によって互いに連動して回転する。こうして、第1駆動部110によって感光体ドラム3aをモノクロ印刷時に単独で回転させることができる。
【0075】
そして、感光体ドラム3a,3b,3c,3dの回転軸には感光体駆動ギヤ130,140b,140c,140dに噛合する感光体側ギヤ31a,31b,31c,31d(図3参照)がそれぞれ設けられており、感光体ユニット20a,20b,20c,20dが装置本体Aに装着されることで、感光体駆動ギヤ130,140b,140c,140dと感光体側ギヤ31a,31b,31c,31dとがそれぞれ噛み合うようになっている。
【0076】
なお、第1駆動部110は、ブラック用現像ユニット2aも駆動するようになっており、第2駆動部120は、シアン用現像ユニット2b、マゼンタ用現像ユニット2c及びイエロー用現像ユニット2dも駆動するようになっている。
【0077】
[位相センサの構成]
第1から第4位相センサ170a〜170dは、ここでは、何れも発光部171及び受光部172を有する透過型の光センサ(フォトインタラプタ)とされている。
【0078】
第1から第4位相センサ170a〜170dは、それぞれ、感光体ドラム3a〜3dの回転によって回転する回転部材の突起部又は切り欠き部(ここでは駆動ギヤ130,140b〜140dの周方向に沿って形成されたリング状のリブ部131,141を切り欠いた切り欠き部131a,141a)を検出するようになっている。
【0079】
詳しくは、第1から第4位相センサ170a〜170dは、発光部171から受光部172に入射される入射光をそれぞれ駆動ギヤ130,140b〜140dの回転に伴う突起部又は切り欠き部(ここでは切り欠き部131a,141a)の周回移動によって突起部又は切り欠き部(ここでは切り欠き部131a,141a)で遮断又は通過させることで、入射光の有無を受光部172で検知するようになっている。
【0080】
なお、第1から第4位相センサ170a〜170dは、反射型の光センサであってもよい。
【0081】
[制御システムの構成]
カラー画像形成装置Dは、当該装置の全体を制御する制御部300をさらに備えている。
【0082】
図4Aは、図1に示すカラー画像形成装置Dにおけるシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【0083】
制御部300は、図4Aに示す制御装置100の駆動負荷の駆動を制御する。駆動装置100は、さらに、駆動制御部として作用する駆動制御回路200、第1駆動部制御回路210、第2駆動部制御回路220及びベルト駆動部28を備えている。
【0084】
既述したように、第1駆動部110は、第1グループ感光体30aのブラック用感光体3a及びブラック用現像ユニット2aを駆動するモータとされている。第2駆動部120は、第2グループ感光体30bのカラー用感光体3b,3b,3d及びカラー用現像ユニット2b,2c,2dを駆動するモータとされている。
【0085】
駆動制御回路200は、制御部300からの指示信号を基に第1駆動部110及び第2駆動部120の作動制御を行うようになっている。
【0086】
第1駆動部制御回路210は、駆動制御回路200と第1駆動部110との間に接続されている。第2駆動部制御回路220は、駆動制御回路200と第2駆動部120との間に接続されている。
【0087】
駆動制御回路200は、第1駆動部制御回路210に対し、第1駆動部110の起動及び停止の指令を与えるようになっている。第1駆動部制御回路210は、駆動制御回路200の指示の下、第1駆動部110の起動、停止及び駆動速度を制御する回路であり、ここでは、駆動制御回路200から指令される目標速度に第1駆動部110の駆動速度を一致させるように制御するサーボ制御回路とされている。そして、駆動制御回路200は、画像形成時に第1駆動部110を予め定められたプロセス速度(画像形成用の駆動速度)で駆動するように第1駆動部制御回路210に指令するようになっている。
【0088】
また、駆動制御回路200は、第2駆動部制御回路220に対し、第2駆動部120の起動及び停止の指令を与えるようになっている。第2駆動部制御回路220は、駆動制御回路200の指示の下、第2駆動部120の起動、停止及び駆動速度を制御する回路であり、ここでは、駆動制御回路200から指令される目標速度に第2駆動部120の駆動速度を一致させるように制御するサーボ制御回路とされている。駆動制御回路200は、画像形成時に第2駆動部120を前記プロセス速度で駆動するように第2駆動部制御回路220に指令するようになっている。
【0089】
そして、第1駆動部110は、駆動制御回路200の指示の下に作動制御されて、ブラック用感光体ドラム3aを一定の周速度Vで回転駆動する。第2駆動部120は、駆動制御回路200の指示の下に作動制御されて、第2グループ感光体30bにおいて互いに連動して回転するシアン用感光体ドラム3b、マゼンタ用感光体ドラム3c及びイエロー用感光体ドラム3dを周速度Vで回転駆動する。
【0090】
ベルト駆動部28は、中間転写ベルト駆動ローラ21を駆動する駆動モータとされている。ベルト駆動部28は、中間転写ベルト駆動ローラ32を介して中間転写ベルト7を回転駆動する。ベルト駆動部28は、駆動制御回路200の指示の下に作動制御されて、中間転写ベルト7を周速度Vで周回移動させるようになっている。
【0091】
駆動制御回路200は、入力系に第1位相センサ170a、第2位相センサ170b、第3位相センサ170c及び第4位相センサ170dが接続されている。
【0092】
第1位相センサ170a、第2位相センサ170b、第3位相センサ170c及び第4位相センサ170dは、ブラック用感光体ドラム3a、シアン感光体3b、マゼンタ感光体3c及びイエロー感光体3dの回転タイミングをそれぞれ検知する。
【0093】
[着脱センサの構成]
カラー画像形成装置Dは、ブラック用着脱センサ35a、シアン用着脱センサ35b、マゼンタ用着脱センサ35c及びイエロー用着脱センサ35dをさらに備えている。
【0094】
ブラック用着脱センサ35aは、装置本体Aに対してブラック用感光体ユニット20aすなわちブラック用感光体ドラム3a)が装着されているか否かを検知するようになっている。シアン用着脱センサ35aは、装置本体Aに対してシアン用感光体ユニット20bすなわちシアン用感光体ドラム3b)が装着されているか否かを検知するようになっている。マゼンタ用着脱センサ35cは、装置本体Aに対してマゼンタ用感光体ユニット20cすなわちマゼンタ用感光体ドラム3c)が装着されているか否かを検知するようになっている。イエロー用着脱センサ35dは、装置本体Aに対してイエロー用感光体ユニット20dすなわちイエロー用感光体ドラム3d)が装着されているか否かを検知するようになっている。
【0095】
各着脱センサ35a〜35dは、各感光体ユニット20a〜20dが装置本体Aに装着されたときに装着信号を出力する一方、各感光体ユニット20a〜20dが装置本体Aから離脱されたときに離脱信号を出力することができるものであれば、何れのものでもよい。各着脱センサ35a〜35dとしては、例えば、各感光体ユニット20a〜20dの装着時にオン(又はオフ)し、各感光体ユニット20a〜20dの離脱時にオフ(又はオン)するマイクロスイッチや、各感光体ユニット20a〜20dの装着時に遮光(又は受光)し、各感光体ユニット20a〜20dの離脱時に光を検出する(又は検出しない)光学センサ(透過型光学センサや反射型光学センサ)を用いた光学スイッチを挙げることができる。
【0096】
制御部300は、入力系に各着脱センサ35a〜35dが接続されている。そして、制御部300は、着脱センサ35a〜35dで検知した各感光体ユニット20a〜20dの着脱状態を着脱検出部305で検出する。
【0097】
[制御部について]
制御部300は、さらに、カラー画像形成装置Dの構成部であって、図示していない各部の動作も制御する。
【0098】
制御部300は、入力系に画像入力部62及びパターン検知センサ34が接続され、かつ、出力系にLSU1が接続されている。
【0099】
画像入力部62は、出力すべき画像の画像データを外部から取得する。画像データを提供するソースは、通信線を介してカラー画像形成装置Dに接続される機器である。この機器の一例は、パーソナルコンピュータなどのホストである。他の一例は、イメージスキャナである。取得された画像データは、印刷処理のために、後述する記憶手段320(図4B参照)のRAMに格納される。画像入力部62から取得される画像データには、その属性を示す情報が付与されている。付与された属性には、各画像の縦横のサイズ、モノクロ画像とカラー画像の種別等が含まれる。
【0100】
LSU1は、ブラック用レーザダイオード42aと、シアン用レーザダイオード42bと、マゼンタ用レーザダイオード42cとイエロー用レーザダイオード42dとを備えている。
【0101】
LSU1は、図示しない画像処理部から記憶手段320のRAMにおける画像メモリ領域に格納された画像データに基づく信号(画素信号)を受領する。画像処理部は、画像データを処理して出力すべき画像の各画素に応じた変調信号をLSU1に提供する。
【0102】
なお、変調信号は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの色成分ごとに提供される。ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各変調信号は、LSU1内のレーザダイオード42a,42b,42c,42dの発光をそれぞれ変調するために用いられる。
【0103】
ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3a〜3dに静電潜像を形成する場合、制御部300は、ブラック用レーザダイオード42aと、カラー用レーザダイオードであるシアン用レーザダイオード42b、マゼンタ用レーザダイオード42c及びイエロー用レーザダイオード42dとをそれぞれ発光させ、一様に帯電されたブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3a〜3d上をそれぞれ露光するように制御する。
【0104】
また、制御部300は、パターン検知センサ34で読み取った各パターンPa〜Pd(図5及び図6参照)の検出タイミングを正規のタイミングと比較して偏差を求める。タイミングの偏差は、中間転写ベルト7の周速度Vを用いて位置の偏差に換算することができる。
【0105】
図4Bは、図4Aに示す制御部300を詳細に示すブロック図である。図4Bに示すように、制御部300は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部310と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やデータ書き換え可能な不揮発性メモリ等の記憶装置を含む記憶手段320と含んでいる。
【0106】
制御部300は、処理部310が記憶手段320のROMに予め格納された制御プログラムを記憶手段320のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行うようになっている。記憶手段320のRAMは、制御部300に対して作業用のワークエリアおよび画像データを格納する画像メモリとしての領域を提供する。
【0107】
詳しくは、制御部300は、取得された画像データを、付与された属性に対応付けてRAMに格納する。画像データは、ジョブ単位でRAMに格納され、さらに一つのジョブが複数ページからなる場合は、ページ単位で格納される。画像データが、外部のホストから、ページ記述言語の形式で入力される場合、制御部300は、入力された画像データを展開して画像メモリ領域に格納する。記憶手段320のROMは、制御部300が実行する処理手順を定めたプログラムを格納する。
【0108】
記憶手段320は、後述するパターン形成部301、パターン検出部302、演算部303、通知部304、着脱検出部305及び補正部306で用いられる各種データや演算式を格納する。
【0109】
[相対位相ずれの補正]
ところで、複数の感光体ドラムの偏芯、駆動部から複数の感光体ドラムへの回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材の偏芯等に起因した周速度の周期的変動(以下、回転ムラという)の位相ずれを補正する場合、従来のカラー画像形成装置では、装置本体に対して複数の感光体ドラムが装着された状態で、該複数の感光体ドラムの少なくとも一つを停止したり、或いは、該複数の感光体ドラムの少なくとも一つの回転速度を変更したりして駆動制御しながら該感光体ドラムの周速度の周期的変動による相対位相ずれを補正するため、それだけ装置構成が複雑化する。
【0110】
また、カラー画像形成装置では、シアン用感光体ドラム、マゼンタ用感光体ドラム及びイエロー用感光体ドラムが互いに連動して回転するように構成されているので、ブラック用感光体ドラムの偏芯、シアン用感光体ドラム、マゼンタ用感光体ドラム及びイエロー用感光体ドラムのそれぞれの偏芯、第1駆動部からブラック用感光体ドラムへの回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材の偏芯、第2駆動部からシアン用感光体ドラム、マゼンタ用感光体ドラム及びイエロー用感光体ドラムへの回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材のそれぞれの偏芯等に起因した回転ムラによる周方向の位置ずれが発生すると、第2グループ感光体におけるシアン用感光体ドラム、マゼンタ用感光体ドラム及びイエロー用感光体ドラムが互いに連動して回転するために、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラムの間において互いに回転ムラによる相対位相ずれを調整できない上、ブラック用感光体ドラムと、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラムとのそれぞれの間においても回転ムラによる相対位相ずれをそれぞれ調整することができない。
【0111】
このため、本実施の形態に係るカラー画像形成装置Dは、次のような相対位相ずれの調整モードを備えている。
【0112】
すなわち、制御部300は、パターン形成部301、パターン検出部302、演算部303及び通知部304として機能するように構成されている。なお、パターン検出部302及び演算部303で測定部307を構成している。
【0113】
相対位相ずれの調整モードの実行は、例えば、画像形成装置Dにおける文字表示可能な表示部117(後述する図10及び図11参照)に表示されるサービスシミュレーション画面等の設定画面や、画像形成装置Dにおける操作部115(図10及び図11参照)に設けられたモードキー118への選択操作によって開始される。なお、ユーザがユーザシミュレーションやモードキーを選択操作して相対位相ずれの調整モードを実行し、相対位相ずれの補正を行ってもよい。
【0114】
[パターン形成部について]
図5は、中間転写ベルト7上にブラック用パターンPa(図示例ではPa1,Pa2,Pa3)、シアン用パターンPb(図示例ではPb1,Pb2,Pb3)、マゼンタ用パターンPc(図示例ではPc1,Pc2,Pc3)及びイエロー用パターンPd(図示例ではPd1,Pd2,Pd3)を形成した一例を示す平面図である。
【0115】
パターン形成部301は、本実施の形態では、ブラック画像であるブラック用パターンPa、及び、カラー画像であるシアン用パターンPb、マゼンタ用パターンPc及びイエロー用パターンPdをそれぞれ形成する。
【0116】
すなわち、パターン形成部301は、ブラック用感光体ドラム3aで形成されるブラック用パターンPaを周方向における所定の一定ピッチ(ここでは回転角度θp=120°)毎に中間転写ベルト7(記録媒体の一例)上に形成する。
【0117】
また、パターン形成部301は、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b〜3dでそれぞれ形成されるシアン用パターンPb、マゼンタ用パターンPc及びイエロー用パターンPdを何れもブラック用パターンPaと同一ピッチ(ここでは回転角度θp=120°)毎に中間転写ベルト7上にそれぞれ形成する。
【0118】
詳しくは、パターン形成部301は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3a〜3d上にLSU1にて各パターンPa〜Pdに対応する静電潜像を形成し、形成した静電潜像を現像装置(ここでは現像ユニット)2a〜2dにてトナー像に現像し、現像したトナー像を各パターンPa〜Pdとして転写部(ここでは中間転写ローラ)6a〜6dにて中間転写ベルト7に静電的に転写する。
【0119】
具体的には、パターン形成部301は、各パターンPa〜Pdを形成するにあたり、記憶手段320に予め格納されている各パターンPa〜Pdのパターンデータを取得する。パターン形成部301は、取得したパターンデータを画像メモリ領域に展開して各パターンPa〜Pdを準備する。その後、パターン形成部301は、展開した各パターンPa〜PdのデータをLSU1に転送する。
【0120】
そして、LSU1において、データを受領した各レーザダイオード42a〜42dは、感光体ドラム3a〜3d上に各パターンPa〜Pdに対応する静電潜像をそれぞれ形成する。
【0121】
現像ユニット2a〜2dは、LSU1で形成された静電潜像を現像して各パターンPa〜Pdのトナー像を形成する。各パターンPa〜Pdのトナー像は、中間転写ローラ6a〜6dにて中間転写ベルト7上にそれぞれ転写される。こうして、中間転写ベルト7上にブラック用パターンPa、シアン用パターンPb、マゼンタ用パターンPc及びイエロー用パターンPdが形成される。
【0122】
各パターンPa〜Pdは、中間転写ベルト7上において中間転写ベルト7の幅方向(主走査方向)Eに延びる直線状に、かつ、移動方向Cに揃うように整列して形成されている。本実施の形態では、異なる色の各パターンは、中間転写ベルト7の移動方向(副走査方向)Cの異なる位置に形成されており、各パターン間の間隔(距離h、例えば3mm程度、図5参照)を開けている。
【0123】
中間転写ベルト7の移動方向Cの下流側から上流側に向けて、各パターンが同じ順序で、ここでは、各シアン用パターンPb1,Pb2,Pb3、各ブラック用パターンPa1,Pa2,Pa3、各マゼンタ用パターンPc1,Pc2,Pc3及び各イエロー用パターンPd1,Pd2,Pd3がこの順で形成される。なお、各パターンPa〜Pdは、中間転写ベルト7の幅方向Eにおける複数箇所で検知されてもよい。例えば、各パターンPa〜Pdは、中間転写ベルト7の幅方向Eにおける一方の端部に形成されてもよいし、両端部に形成されてもよい。
【0124】
図6は、中間転写ベルト7上において中間転写ベルト7の幅方向Eにおける両端部に形成された各パターンPa〜Pdとパターン検知センサ34(図示例では第1及び第2パターン検知センサ34a,34b)との位置関係を示す平面図である。
【0125】
パターン検知センサ34は、中間転写ベルト7の幅方向(主走査方向)Eの異なる位置に形成される各パターンPa〜Pdに対応して設けられている。図6に示す例では、パターン検知センサ34は、第1及び第2パターン検知センサ34a、34bからなっている。中間転写ベルト7上の幅方向Eにおける複数箇所の各パターンPa〜Pdが形成されるべき位置に対向して配置されている。なお、中間転写ベルト7の幅方向Eにおける複数箇所で各パターンPa〜Pdを検知する場合、その値は、該複数箇所で検知した値の平均値をとすることができる。
【0126】
そして、中間転写ベルト7に形成された各パターンPa〜Pdには、各感光体ドラム3a〜3dの回転ムラによるピッチ変動成分がそれぞれ含まれる。このピッチ変動に不一致があると、画像の色ずれとして認識される。
【0127】
図7は、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対するブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれを説明するための説明図である。図7(a)は、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対するブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれがない状態でのシアン用パターンPb及びブラック用パターンPaの例を示しており、図7(b)は、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対するブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれがある状態でのシアン用パターンPb及びブラック用パターンPaの例を示している。
【0128】
なお、図7において、シアン用感光体ドラム3bと、ブラック用感光体ドラム3aとの間の回転ムラによる相対位相ずれについて示しているが、シアン用感光体ドラム3bと、マゼンタ及びイエロー用パターンPc,Pdとのそれぞれの間の回転ムラによる相対位相ずれについても同様に説明することができる。
【0129】
図7に示すように、シアン用感光体ドラム3b及びブラック用パターンPaは、回転ムラがあると、ピッチが広い状態と狭い状態とが周期的に発生する。
【0130】
この回転ムラは、シアン用パターンPbでは、シアン用パターンPbにおける周速度Vによる周方向の位置ずれを示す位置ずれ量の周期的変化を表したシアン粗密波α(1)(図8参照)で表すことができ、マゼンタ、イエロー及びブラック用パターンPc,Pd,Paでは、マゼンタ、イエロー及びブラック用パターンPc,Pd,Paにおける周速度Vによる周方向の位置ずれを示す位置ずれ量の周期的変化を表したマゼンタ、イエロー及びブラック粗密波α(2),α(3),αa(図8参照)でそれぞれ表すことができる。
【0131】
図8は、シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaを示すグラフである。
【0132】
図8に示すように、シアン粗密波α(1)とマゼンタ粗密波α(2)とイエロー粗密波α(3)とブラック粗密波αaとの間で相対位相ずれが存在すると、色ずれが生じ、画質が悪化する。すなわち、シアン粗密波α(1)とマゼンタ粗密波α(2)とイエロー粗密波α(3)とブラック粗密波αaとの間で相対位相ずれが大きくなればなる程、それぞれ、シアン用パターンPbとマゼンタ用パターンPcとイエロー用パターンPdとブラック用パターンPaとの間のずれが大きくなり、それだけ画像に対する影響が大きくなる。
【0133】
[パターン検出部について]
パターン検出部302は、シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaを検出する。
【0134】
シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaは、本出願人が既に出願した発明(特開2009−251109号公報)のサインカーブフィッティング計算式により求めることができる。よって、ここでは、シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaの検出についての詳しい説明は省略する。
【0135】
なお、シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaの検出は、サインカーブフィッティング計算式による検出に限定されるものではなく、他の公知の手法を用いてもよい。
【0136】
[演算部について]
演算部303は、パターン検出部302で検出した結果(シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaに関するデータ)に基づいてシアン用感光体ドラム3b、マゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d及びブラック用感光体ドラム3aのうち、何れか一つの調整対象感光体ドラム(ここではシアン用感光体ドラム3b)の回転ムラに対するシアン用感光体ドラム3b以外の被調整対象像担持体(ここではマゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d及びブラック用感光体ドラム3a)の回転ムラの相対位相ずれを示す位相ずれ量を測定する。
【0137】
詳しくは、演算部303aはシアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)、イエロー粗密波α(3)及びブラック粗密波αaに関するデータに基づいて、シアン粗密波α(1)に対するマゼンタ粗密波α(2)のマゼンタ用相対位相角度θ(1)と、シアン粗密波α(1)に対するイエロー粗密波α(3)のイエロー用相対位相角度θ(2)と、シアン粗密波α(1)に対するブラック粗密波αaのブラック用相対位相角度θ(3)とをそれぞれ演算する。なお、相対位相角度θ(1),θ(2),θ(3)は、記憶部320aに記憶される。
【0138】
図9は、第2位相センサ170bの検知信号に対して、第3位相センサ170cの検知信号、第4位相センサ170dの検知信号及び第1位相センサ170aの検知信号の状態を示すタイミングチャートである。なお、図9では、これらのタイミングチャートを一つの図で示している。
【0139】
図9に示すように、補正部306は、調整対象像担持体(ここではシアン用感光体ドラム3b)の位相を検知する第2位相センサ170bの検知信号Tbに対して、マゼンタ用感光体ドラム3cの位相を検知する第3位相センサ170cの検知信号Tcのマゼンタ用検知タイミングTbcと、イエロー用感光体ドラム3dの位相を検知する第4位相センサ170dの検知信号Tdのイエロー用検知タイミングTbdと、ブラック用感光体ドラム3aの位相を検知する第1位相センサ170aの検知信号Taのブラック用検知タイミングTbaとを検出する。これにより、シアン粗密波α(1)に対して、マゼンタ用相対位相角度θ(1)によりマゼンタ粗密波α(2)の位相を、イエロー用相対位相角度θ(2)によりイエロー粗密波α(3)の位相を、また、ブラック用相対位相角度θ(3)によりブラック粗密波αaの位相をそれぞれ調整することができる。
【0140】
[通知部について]
図10は、図1に示すカラー画像形成装置Dの操作部115における表示部117に表示される第1通知画面G1を示す平面図である。
【0141】
図10に示すように、操作部115は、ここでは、カラー画像形成装置Dの外装カバーにおける正面上部に設けられた操作パネルとされている。操作部115は、入力部116にて装置全体の各種設定情報や各機能を動作させるための情報が入力されるようになっている。また、操作部115は、表示部117にて入力内容や装置全体の動作状況が表示されるようになっている。入力部116は、ここでは、複数の入力キー116aを有し、操作者によりキー入力操作可能なキー入力操作部とされている。
【0142】
そして、通知部304は、パターン検出部302及び演算部303による測定結果によって、感光体ドラムの回転ムラの相対位相ずれを調整するべきであると判断した場合(具体的には相対位相角度θ(1)〜θ(3)の少なくとも一つが所定角度を超えていると判断した場合)には、被調整対象像担持体(ここではマゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d及びブラック用感光体ドラム3a)が装置本体Aからの離脱対象の感光体ドラムであることを示す文字の第1メッセージM1(ここでは「マゼンタ、イエロー及びブラックの感光体ドラムを引き抜いて下さい。」というメッセージ)を表示部117の第1通知画面G1に表示させる。
【0143】
なお、制御部300は、第1通知画面G1におけるキャンセルボタンBTの作業者による押下操作を受け付けると、相対位相ずれの調整モードを終了するようになっている。このことは、後述する第2通知画面G1についても同様である。
【0144】
[着脱検出部について]
制御部300は、前記の構成に加えて、着脱検出部305として機能するように構成されている。
【0145】
詳しくは、着脱検出部305は、着脱センサ35a〜35dで検知した各感光体ユニット20a〜20dの着脱状態(各感光体ユニット20a〜20dが装置本体Aに対して装着されているか否か)を検出する。具体的には、着脱検出部305は、着脱センサ35a〜35dから装着信号が送られている場合には各感光体ユニット20a〜20dが装置本体Aに対して装着されていることをそれぞれ認識し、着脱センサ35a〜35dから離脱信号が送られている場合には各感光体ユニット20a〜20dが装置本体Aに対して離脱されていることをそれぞれ認識する。
【0146】
[補正部について]
制御部300は、前記の構成に加えて、補正部306として機能するように構成されている。
【0147】
補正部306は、被調整対象像担持体(ここではブラック用感光体ドラム3a、マゼンタ用感光体ドラム3c及びイエロー用感光体ドラム3d)のうち何れか一つの像担持体を補正対象像担持体としてパターン検出部302及び演算部303による測定結果(具体的にはマゼンタ用相対位相角度θ(1)、イエロー用相対位相角度θ(2)及びブラック用相対位相角度θ(3))に基づいて駆動装置100(具体的には第2駆動部120)を作動制御して調整対象像担持体(ここではシアン用感光体ドラム3b)の回転ムラに対する補正対象像担持体の回転ムラの相対位相ずれを補正する。
【0148】
詳しくは、補正部306は、マゼンタ用相対位相角度θ(1)、イエロー用相対位相角度θ(2)及びブラック用相対位相角度θ(3)によって、それぞれ、マゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d及びブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれをこの順で補正する。
【0149】
そして、補正部306は、着脱検出部305による検出結果に基づいて被調整対象像担持体が装置本体Aから離脱されていると判断した場合に補正動作を開始する。
【0150】
図11は、図1に示すカラー画像形成装置Dの操作部115における表示部117に表示される第2通知画面G2を示す平面図である。
【0151】
図11に示すように、通知部304は、補正部306による補正動作の終了後に、補正対象像担持体が調整対象像担持体として装置本体Aへの装着対象の感光体ドラムであることを示す文字の第2メッセージM2(ここでは「○○○感光体ドラムを挿入して下さい。」というメッセージ)を表示部117の第2通知画面G2に表示させる。
【0152】
なお、第2通知画面G2における○○○の中には、後述する補正状態に応じて「マゼンタ」、「イエロー」及び「ブラック」のうちの何れかの語句が入る。
【0153】
そして、補正部306は、着脱検出部305による検出結果に基づいて補正対象像担持体が装置本体Aに装着されていると判断した場合に(具体的にはメッセージに対応する感光体ドラムが挿入されたことを検出すると)、さらに、補正動作を行うことができる。
【0154】
[制御部による制御例について]
次に、カラー画像形成装置Dにおける制御部300による相対位相ずれの補正例について図12及び図13を参照しながら説明する。
【0155】
図12は、図1に示すカラー画像形成装置Dにおける制御部300による相対位相ずれの補正動作処理の一例の流れを示すフローチャートである。また、図13は、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対してマゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d及びブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれをこの順で補正する補正過程を示す状態遷移図である。図13(a)から図13(h)は、それぞれ、第1補正状態から第8補正状態を示している。なお、図13において斜線は、感光体ユニット20a〜20d(すなわち感光体ドラム3a〜3d)が装置本体Aに装着されている状態を示している。
【0156】
(第1補正状態)
図12に示す相対位相ずれの補正動作処理では、先ず、作業者による相対位相ずれの調整モードの開始指示があるまで待機し(ステップS1:No)、作業者による相対位相ずれの調整モードの開始指示があると(ステップS1:Yes)、パターン形成部301により、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各パターンPb,Pc,Pd,Paをそれぞれ形成する(ステップS2)。次に、パターン検出部302により、ブラック粗密波αa、シアン粗密波α(1)、マゼンタ粗密波α(2)及びイエロー粗密波α(3)を検出し(ステップS3)、さらに、演算部303により、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対するマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aの回転ムラの相対位相ずれ(すなわち、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各相対位相角度θ(1)〜θ(3))をそれぞれ演算する(ステップS4)。
【0157】
図13(a)に示す第1補正状態では、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3b,3c,3d,3aは、装置本体Aに装着された状態となっている。ここでは、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対して、マゼンタ用感光体ドラム3cの回転ムラの相対位相ずれは、マゼンタ用感光体ドラム3cがシアン用感光体ドラム3bに対して90°進んだ位置とされ、イエロー用感光体ドラム3dの回転ムラの相対位相ずれは、イエロー用感光体ドラム3dがシアン用感光体ドラム3bに対して180°進んだ位置とされ、また、ブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれは、ブラック用感光体ドラム3aがシアン用感光体ドラム3bに対して270°進んだ位置とされている。すなわち、相対位相角度θ(1)〜θ(3)は、それぞれ、90°、180°、270°となっている。
【0158】
次に、調整対象像担持体とされたシアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対する被調整対象像担持体とされたマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aの回転ムラの相対位相ずれを調整すべきか否か、具体的には、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各相対位相角度θ(1)〜θ(3)の少なくとも一つが所定角度を超えているか否かを判断し(ステップS5)、所定角度以下であると判断した場合には(ステップS5:No)、相対位相ずれの調整をする必要がない旨を表示部117に表示(図示せず)して処理を終了する一方、所定角度を超えていると判断した場合には(ステップS5:Yes)、通知部304により、被調整対象像担持体とされたマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが装置本体Aから引き抜く離脱対象の感光体ドラムであることを示す第1メッセージM1(図10参照)を表示部117に表示する(ステップS6)。
【0159】
(第2補正状態)
次に、着脱検出部305により、被調整対象像担持体とされたマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが装置本体Aから引き抜かれているか否かを判断する(ステップS7)。そして、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが装置本体Aから引き抜かれるまで待機し(ステップS7:No)、引き抜かれると(ステップS7:Yes)、ステップS8に移行する。
【0160】
すなわち、図13(b)に示す第2補正状態では、調整対象像担持体とされたシアン用感光体ドラム3bが装置本体Aに装着された状態で、被調整対象像担持体とされたマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが作業者によって引き抜かれ、装置本体Aから離脱される。
【0161】
(第3補正状態)
次に、補正部306により、装置本体A内に残っている調整対象像担持体とされたシアン用感光体ドラム3bに対して、被調整対象像担持体の何れか一つの補正対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cの相対位相ずれを補正する(ステップS8)。
【0162】
すなわち、図13(c)に示す第3補正状態では、図13(b)に示す第2補正状態において、現在の補正対象像担持体の相対位相角度(ここではマゼンタ用相対位相角度θ(1)=90°)を調整角度θc(1)として、調整角度θc(1)(ここでは90°)だけ第2駆動部120を駆動して調整対象像担持体とされたシアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対する補正対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cの回転ムラの相対位相ずれを補正する。
【0163】
次に、通知部304により、補正対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aへの装着対象の感光体ドラムであることを示す第2メッセージM2(図11参照)を表示部117に表示する(ステップS9)。
【0164】
(第4補正状態)
次に、着脱検出部305により、補正対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aに装着されているか否かを判断する(ステップS10)。そして、マゼンタ用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aに装着されるまで待機し(ステップS10:No)、装着されると(ステップS10:Yes)、ステップS11に移行する。
【0165】
すなわち、図13(d)に示す第4補正状態では、補正対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として作業者によって挿入され、調整対象像担持体とされたシアン及びマゼンタ用の各感光体ドラム3b,3cが装置本体Aに装着された状態とされる。
【0166】
次に、被調整対象像担持体が存在しているか否かを判断し(ステップS11)、被調整対象像担持体が存在していない場合には(ステップS11:No)、相対位相ずれの調整が完了した旨を表示部117に表示(図示せず)して処理を終了する一方、被調整対象像担持体が存在している場合には(ステップS11:Yes)、ステップS8に移行する。図13(d)に示す第4補正状態では、被調整対象像担持体がイエロー及びブラック用の各感光体ドラム3d,3aであるので、ステップS8に移行する。
【0167】
(第5補正状態)
次に、補正部306により、装置本体A内に残っている調整対象像担持体とされたシアン及びマゼンタ用の各感光体ドラム3b,3cに対して、被調整対象像担持体の何れか一つの補正対象像担持体とされたイエロー用感光体ドラム3dの相対位相ずれを補正する(ステップS8)。
【0168】
すなわち、図13(e)に示す第5補正状態では、図13(d)に示す第4補正状態において、現在の補正対象像担持体の相対位相角度(ここではイエロー用相対位相角度θ(2)=180°)から前回の補正対象像担持体の相対位相角度(ここではマゼンタ用相対位相角度θ(1)=90°)を差し引いた調整角度θc(2)(ここでは90°)だけ第2駆動部120を駆動して調整対象像担持体とされたシアン及びマゼンタ用の各感光体ドラム3b,3cの回転ムラに対する補正対象像担持体とされたイエロー用感光体ドラム3dの回転ムラの相対位相ずれを補正する。
【0169】
次に、通知部304により、補正対象像担持体とされたイエロー用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aへの装着対象の感光体ドラムであることを示す第2メッセージM2(図11参照)を表示部117に表示する(ステップS9)。
【0170】
(第6補正状態)
次に、着脱検出部305により、補正対象像担持体とされたイエロー用感光体ドラム3dが調整対象像担持体として装置本体Aに装着されているか否かを判断する(ステップS10)。そして、イエロー用感光体ドラム3dが調整対象像担持体として装置本体Aに装着されるまで待機し(ステップS10:No)、装着されると(ステップS10:Yes)、ステップS11に移行する。
【0171】
すなわち、図13(f)に示す第6補正状態では、補正対象像担持体とされたイエロー用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として作業者によって挿入され、調整対象像担持体とされたシアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dが装置本体Aに装着された状態とされる。
【0172】
次に、被調整対象像担持体が存在しているか否かを判断し(ステップS11)、被調整対象像担持体が存在していない場合には(ステップS11:No)、相対位相ずれの調整が完了した旨を表示部117に表示(図示せず)して処理を終了する一方、被調整対象像担持体が存在している場合には(ステップS11:Yes)、ステップS8に移行する。図13(f)に示す第6補正状態では、被調整対象像担持体がブラック用感光体ドラム3aであるので、ステップS8に移行する。
【0173】
(第7補正状態)
次に、補正部306により、装置本体A内に残っている調整対象像担持体とされたシアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dに対して、被調整対象像担持体の何れか一つの補正対象像担持体とされたブラック用感光体ドラム3aの相対位相ずれを補正する(ステップS8)。
【0174】
すなわち、図13(g)に示す第7補正状態では、図13(f)に示す第6補正状態において、現在の補正対象像担持体の相対位相角度(ここではブラック用相対位相角度θ(3)=270°)から前回の補正対象像担持体の相対位相角度(ここではイエロー用相対位相角度θ(2)=180°)を差し引いた調整角度θc(3)(ここでは90°)だけ第2駆動部120を駆動して調整対象像担持体とされたシアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dの回転ムラに対する補正対象像担持体とされたブラック用感光体ドラム3aの回転ムラの相対位相ずれを補正する。
【0175】
次に、通知部304により、補正対象像担持体とされたブラック用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aへの装着対象の感光体ドラムであることを示す第2メッセージM2(図11参照)を表示部117に表示する(ステップS9)。
【0176】
(第8補正状態)
次に、着脱検出部305により、補正対象像担持体とされたブラック用感光体ドラム3aが調整対象像担持体として装置本体Aに装着されているか否かを判断する(ステップS10)。そして、ブラック用感光体ドラム3aが調整対象像担持体として装置本体Aに装着されるまで待機し(ステップS10:No)、装着されると(ステップS10:Yes)、ステップS11に移行する。
【0177】
すなわち、図13(h)に示す第8補正状態では、補正対象像担持体とされたブラック用感光体ドラム3aが調整対象像担持体として作業者によって挿入され、調整対象像担持体とされたシアン、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3b,3c,3d,3aが装置本体Aに装着された状態とされる。
【0178】
次に、被調整対象像担持体が存在しているか否かを判断し(ステップS11)、被調整対象像担持体が存在していない場合には(ステップS11:No)、相対位相ずれの調整が完了した旨を表示部117に表示(図示せず)して処理を終了する一方、被調整対象像担持体が存在している場合には(ステップS11:Yes)、ステップS8に移行する。図13(h)に示す第8補正状態では、被調整対象像担持体がないので、処理を完了する。
【0179】
なお、以上説明したステップS8の処理において、第2駆動部120を駆動する調整角度がマイナスの値になった場合には、第2駆動部120を逆回転させてもよいが、装置構成上の都合で逆回転できない場合等のように、逆回転させない場合には、そのマイナスの値に対して360°加算した値を調整角度とすることができる。例えば、図13(e)に示す第5補正状態において、イエロー用相対位相角度θ(2)が90°、前回のマゼンタ用相対位相角度θ(1)が180°である場合、第2駆動部120の調整角度は90°−180°=−90°となるため、この値−90°に360°を加算した270°を調整角度とすることができる。
【0180】
また、本実施の形態では、ブラック用感光体ドラム3aを駆動する第1駆動部110と、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dを駆動する第2駆動部120とは独立して作動するので、図12に示す相対位相ずれの補正動作処理において、第2駆動部120を作動させるときに第1駆動部110を作動させないようにすれば、ブラック用感光体ドラム3bを装置本体Aに装着したままにすることができる。この場合、「ステップS6」の処理において、被調整対象像担持体とされたマゼンタ及びイエローの各感光体ドラム3c,3dが装置本体Aから引き抜く離脱対象の感光体ドラムであることを示す第1メッセージM1を表示部117に表示し、さらに、「ステップS9」の処理において、ブラック用感光体ドラム3cが装置本体Aへの装着対象の感光体ドラムであることを示す第2メッセージM2の表示部117への表示処理、及び、「ステップS10」の処理において、ブラック用感光体ドラム3aが装置本体Aに装着されているか否かを判断する判断処理を省くことができる。
【0181】
また、本実施の形態では、最初の調整対象像担持体をシアン用感光体ドラム3bとしたが、他の色の感光体ドラム3c,3dであってもよい。調整対象像担持体をブラック用感光体ドラム3aとしてもよいが、この場合、第1駆動部110及び第2駆動部120の双方を駆動させる必要があるため、調整対象像担持体を第1グループ感光体30bにおけるシアン用感光体ドラム3a、マゼンタ用感光体ドラム3c及びイエロー用感光体ドラム3dのうちの何れかとすることが好ましい。
【0182】
以上説明したように、本実施の形態に係るカラー画像形成装置Dでは、調整対象像担持体とされたシアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対する被調整対象像担持体とされたマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aの回転ムラの相対位相ずれを示す位相ずれ量をシアン、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各パターンPb,Pc,Pd,Paに基づいて測定部307によって測定し、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが装置本体Aからの離脱対象の感光体ドラムであることを測定部307による測定結果に基づいて通知部304によって通知する。そうすると、ユーザやサービスマン等の作業者によって、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが装置本体Aから離脱される。このとき、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aの回転を駆動装置100の駆動制御に関わらず停止状態にすることができる。これにより、装置本体Aから離脱されて停止状態にあるマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aのうち何れか一つの感光体ドラムを補正対象像担持体として測定部307による測定結果に基づいてシアン用感光体ドラム3bを回転させることができる。従って、簡単な装置構成でありながら、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対するマゼンタ用感光体ドラム3cの回転ムラの相対位相ずれを補正することができる。
【0183】
また、本実施の形態では、着脱検出部305による検出結果に基づいて被調整対象像担持体とされたマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aが装置本体Aから離脱されていると判断した場合に補正部306による補正動作を開始するので、シアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対するマゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aの回転ムラの相対位相ずれを示す位相ずれ量を自動的に補正することができる。
【0184】
また、本実施の形態では、補正部306による補正動作の終了後に、被調整対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aへの装着対象の感光体ドラムであることを通知部304によって通知する。そうすると、作業者によって、被調整対象像担持体とされたゼンタ用感光体ドラム3cが調整対象像担持体として装置本体Aに装着される。このとき、調整対象像担持体として装着されたマゼンタ用感光体ドラム3cを駆動装置100(ここでは第2駆動部120)の駆動制御によって既存の調整対象像担持体とされたシアン用感光体ドラム3bと共に回転させることができる。従って、着脱検出部305による検出結果に基づいて調整対象像担持体とされたマゼンタ用感光体ドラム3cが装置本体Aに装着されていると判断した場合に、さらに、補正部306による補正動作を行うことができる。これにより、本実施の形態のように、被調整対象像担持体がマゼンタ、イエロー及びブラック用感光体ドラム3c,3d,3aと複数のものとされていても、マゼンタ、イエロー及びブラック用の各感光体ドラム3c,3d,3aの回転ムラをシアン用感光体ドラム3bの回転ムラに対して順次補正することができる。
【0185】
また、本実施の形態のように、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dが互いに連動して回転しても、装着状態の感光体ドラム(例えば、シアン用感光体ドラム3b)が離脱状態の感光体ドラム(例えば、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3c,3d)に対して独立して回転することができ、これにより、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c3dの間において互いに回転ムラによる相対位相ずれを補正することができる。
【0186】
また、本実施の形態では、第1グループ像担持体30aの駆動と第2グループ像担持体30bの駆動とは別駆動であるため、第2グループ像担持体30bのシアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c,3dの相対位相ずれを補正部306によって補正した後、第1グループ像担持体30aのブラック用感光体ドラム3aの相対位相ずれを補正部306によって補正することで、第1グループ像担持体30aのブラック用感光体ドラム3aを第1駆動部110にて駆動させなく済み、それだけ第1駆動部110に関与する部材への駆動負荷や第1駆動部100の消費電力を軽減させることができ、従って、ブラック用感光体ドラム3aの装置本体Aからの離脱操作を省くことができる。
【0187】
また、本実施の形態では、通知部304による通知を文字の第1及び第2メッセージM1,M2として表示部117に表示するので、通知部304による通知を作業者に明確にかつ確実に伝えることができる。
【0188】
なお、ブラック用感光体ドラム3aは、ブラックの画像形成を行うためのものであり、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体ドラム3b,3c、3dは、カラーの画像形成を行うためのものであるので、通常は文字が印字されるブラックの文字原稿の画質を効果的に向上させることができる。なお、カラー用感光体ドラムは2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0189】
3a ブラック用感光体ドラム(像担持体の一例)
3b シアン用感光体ドラム(像担持体の一例)
3c マゼンタ用感光体ドラム(像担持体の一例)
3d イエロー用感光体ドラム(像担持体の一例)
7 中間転写ベルト(記録媒体の一例)
30a 第1グループ感光体
30b 第2グループ感光体(グループ像担持体の一例)
100 駆動装置(駆動部の一例)
110 第1駆動部
117 表示部
120 第2駆動部
301 パターン形成部
302 パターン検出部
303 演算部
304 通知部
305 着脱検出部
306 補正部
307 測定部
A 装置本体
D カラー画像形成装置
Pa ブラック用パターン
Pb シアン用パターン
Pc マゼンタ用パターン
Pd イエロー用パターン
V 周速度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体を備え、前記複数の画像を記録媒体上に重ね合わせる画像形成装置であって、
前記複数の像担持体を一定の周速度で回転させる駆動部と、
前記複数の像担持体にそれぞれ対応する複数のパターンを周方向のピッチ毎に前記記録媒体上にそれぞれ形成するパターン形成部と、
前記複数の像担持体のうち、何れか一つの調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する該調整対象像担持体以外の被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを示す位相ずれ量を前記複数のパターンに基づいて測定する測定部と、
前記測定部による測定結果に基づいて前記被調整対象像担持体が装置本体からの離脱対象の像担持体であることを通知する通知部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記装置本体に対する前記複数の像担持体の着脱状態を検出する着脱検出部と、
前記被調整対象像担持体のうち何れか一つの像担持体を補正対象像担持体として前記測定部による測定結果に基づいて前記駆動部を作動制御して前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記補正対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを補正する補正部と
を備え、
前記補正部は、前記着脱検出部による検出結果に基づいて補正動作を開始することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記通知部は、前記補正部による補正動作の終了後に、前記補正対象像担持体が前記調整対象像担持体として前記装置本体への装着対象の像担持体であることを通知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記複数の像担持体のうち少なくとも二つの像担持体を含みかつ該少なくとも二つの像担持体が互いに連動して回転するグループ像担持体とを備え、
前記駆動部は、前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体以外の像担持体を前記周速度で回転させる第1駆動部と、前記グループ像担持体を前記周速度で回転させる第2駆動部とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置であって、
前記補正部は、前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体の相対位相ずれを補正した後、前記グループ像担持体以外の像担持体の相対位相ずれを補正することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置であって、
前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体は、カラーの画像形成を行うためのものであり、前記グループ像担持体以外の像担持体は、ブラックの画像形成を行うためのものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
文字を表示する表示部を備え、
前記通知部による通知は、前記表示部に表示するメッセージであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体を備え、前記複数の画像を記録媒体上に重ね合わせる画像形成装置における前記像担持体の相対位相ずれの補正方法であって、
前記複数の像担持体を駆動部によって一定の周速度で回転させる駆動ステップと、
前記複数の像担持体にそれぞれ対応する複数のパターンをパターン形成部によって周方向のピッチ毎に前記記録媒体上にそれぞれ形成するパターン形成ステップと、
前記複数の像担持体のうち、何れか一つの調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する該調整対象像担持体以外の被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを示す位相ずれ量を前記複数のパターンに基づいて測定部によって測定する測定ステップと、
前記測定部による測定結果に基づいて前記被調整対象像担持体が装置本体からの離脱対象の像担持体であることを通知部によって通知する通知ステップと
を含むことを特徴とする像担持体の相対位相ずれの補正方法。
【請求項1】
複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体を備え、前記複数の画像を記録媒体上に重ね合わせる画像形成装置であって、
前記複数の像担持体を一定の周速度で回転させる駆動部と、
前記複数の像担持体にそれぞれ対応する複数のパターンを周方向のピッチ毎に前記記録媒体上にそれぞれ形成するパターン形成部と、
前記複数の像担持体のうち、何れか一つの調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する該調整対象像担持体以外の被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを示す位相ずれ量を前記複数のパターンに基づいて測定する測定部と、
前記測定部による測定結果に基づいて前記被調整対象像担持体が装置本体からの離脱対象の像担持体であることを通知する通知部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記装置本体に対する前記複数の像担持体の着脱状態を検出する着脱検出部と、
前記被調整対象像担持体のうち何れか一つの像担持体を補正対象像担持体として前記測定部による測定結果に基づいて前記駆動部を作動制御して前記調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する前記補正対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを補正する補正部と
を備え、
前記補正部は、前記着脱検出部による検出結果に基づいて補正動作を開始することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記通知部は、前記補正部による補正動作の終了後に、前記補正対象像担持体が前記調整対象像担持体として前記装置本体への装着対象の像担持体であることを通知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記複数の像担持体のうち少なくとも二つの像担持体を含みかつ該少なくとも二つの像担持体が互いに連動して回転するグループ像担持体とを備え、
前記駆動部は、前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体以外の像担持体を前記周速度で回転させる第1駆動部と、前記グループ像担持体を前記周速度で回転させる第2駆動部とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置であって、
前記補正部は、前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体の相対位相ずれを補正した後、前記グループ像担持体以外の像担持体の相対位相ずれを補正することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置であって、
前記複数の像担持体のうち、前記グループ像担持体は、カラーの画像形成を行うためのものであり、前記グループ像担持体以外の像担持体は、ブラックの画像形成を行うためのものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
文字を表示する表示部を備え、
前記通知部による通知は、前記表示部に表示するメッセージであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
複数の画像をそれぞれ形成する複数の像担持体を備え、前記複数の画像を記録媒体上に重ね合わせる画像形成装置における前記像担持体の相対位相ずれの補正方法であって、
前記複数の像担持体を駆動部によって一定の周速度で回転させる駆動ステップと、
前記複数の像担持体にそれぞれ対応する複数のパターンをパターン形成部によって周方向のピッチ毎に前記記録媒体上にそれぞれ形成するパターン形成ステップと、
前記複数の像担持体のうち、何れか一つの調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動に対する該調整対象像担持体以外の被調整対象像担持体の前記周速度の周期的変動の相対位相ずれを示す位相ずれ量を前記複数のパターンに基づいて測定部によって測定する測定ステップと、
前記測定部による測定結果に基づいて前記被調整対象像担持体が装置本体からの離脱対象の像担持体であることを通知部によって通知する通知ステップと
を含むことを特徴とする像担持体の相対位相ずれの補正方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−242477(P2011−242477A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112515(P2010−112515)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]