説明

画像形成装置及び処理液付与装置

【課題】処理液の付与動作を行っていない時に処理液が蒸発する量を少なく抑えることを課題とする。
【解決手段】液室206内の処理液201を用紙100に付与する塗布部208と、処理液を貯留する処理液容器202と、処理液容器内の処理液を液室へ供給する供給経路及び液室内の処理液を回収する回収経路となる液体流路205と、液体流路中に設けられ、内部の水平断面積が液体流路の断面積よりも大きく、液体流路を通じて回収された処理液を一時的に貯留する一時貯留部204とを備え、液体流路を通じて回収された処理液が液室に再供給されるように構成されており、処理液の回収動作の終了後に、液体流路中に存在する処理液の液面が、一時貯留部の水平断面積よりも小さい径路断面積をもつ第1液体流路205Aに保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録媒体に対して処理液を付与する画像形成装置及び画像記録媒体等の処理液付与対象に処理液を付与する処理液付与装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置としては、主に、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機などの製品として知られ、複数の画像形成方式が存在する。例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置が知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドから画像記録媒体に対してインク滴を吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用される場合がある。)を行う。なお、画像記録媒体とは、紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、画像を構成するインク滴等の液体あるいはトナー等の固体が付着可能なものを意味し、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称されることがある。液体吐出記録方式の画像形成装置には、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型の画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型の画像形成装置とがある。
【0003】
本願明細書における液体吐出方式の「画像形成装置」とは、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の画像記録媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。ここでいう「画像形成」には、文字や図形等の意味を持つ画像を画像記録媒体に付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を画像記録媒体に付与すること(単に液滴を画像記録媒体に着弾させること)も含まれる。また、吐出する「液体」は、インクと称されるものに限らず、吐出される時に液体であるものであれば特に限定されるものではない。したがって、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。また、「画像」とは、平面に付与されるものに限らず、立体物に付与されるもの、あるいは、立体物自体を造形して形成される像も含まれる。また、「画像形成装置」には、液体吐出方式のものに限らず、電子写真方式で画像形成を行うものなども含まれるが、以下の説明では、インクを吐出する液体吐出方式の画像形成装置を例に挙げて説明する。
【0004】
液体吐出方式の画像形成装置においては、液滴で形成される画像記録媒体上のドットがひげ状に乱れるフェザリングと呼ばれる不具合、異なる種類の液滴(例えば色の異なるインク液滴)が互いに隣接している箇所で液滴が相互に混ざり合うカラーブリード等の不具合が生じることがある。
また、液体吐出方式の画像形成装置においては、画像形成後の画像記録媒体上の液滴が乾くまでに時間がかかるという不具合も存在する。
【0005】
このような不具合を抑制する技術としては、従来、その不具合を抑制し得る所定の処理液を画像形成前の画像記録媒体に付与し、その処理液の効能によって、画像記録媒体に着弾した液滴が乱れるのを抑制したり、液滴の乾燥時間を短くしたりするものが知られている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、インクと反応して画像滲みやカラーブリードを抑制する処理液を画像形成前の画像記録媒体に塗布ローラで塗布する技術が開示されている。
また、例えば、特許文献3には、インクと反応して画像滲みやカラーブリードを抑制する処理液を液体吐出ヘッドから画像形成前の画像記録媒体へミスト状に吐出させて付与する技術が開示されている。
また、例えば、特許文献4には、色調が鮮明で定着性の良好な画像を得るための処理液を画像形成前の画像記録媒体に付与する技術が開示されている。
また、例えば、特許文献5には、画像形成前の画像記録媒体に付与する処理液を泡状にして画像記録媒体に付与する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像記録媒体へ処理液を付与する従来の画像形成装置の中には、処理液を画像記録媒体に付与する処理液付与手段に設けられる液室に対し、処理液容器(処理液貯留部)に貯留されている処理液を供給経路を通じて適宜補充しながら、その処理液付与手段により液室内の処理液を画像記録媒体に付与するものがある(例えば特許文献1)。このような画像形成装置においては、液室が外気と連通しているので、画像記録媒体への処理液付与動作を行っていない期間に液室内の処理液がその液面から蒸発し、処理液が無駄に消費されたり、処理液の濃度変化等によって特性が変化したりするという問題が生じる。特に揮発性の高い処理液を用いる場合には、この問題が顕著となる。
【0007】
この問題に対処する方法としては、例えば、以下のような特許文献1に記載の構成を利用することが可能である。
特許文献1に記載の画像形成装置は、塗布ローラと液体保持部材との間の液体保持空間(液室)に保持された処理液を塗布ローラで画像記録媒体へ塗布する。この画像形成装置では、交換タンク(処理液貯留部)内の処理液を液体保持空間へバッファタンク(一時貯留部)を通じて供給する供給経路のほか、液体保持空間から外方へ不用意に処理液が漏出することを防止または軽減するために、塗布ローラ停止時に液体保持空間内の処理液をバッファタンクへ回収する回収経路が設けられている。この構成においては、塗布ローラを停止している間(処理液付与動作を行っていない期間)、処理液の液面は液体保持空間ではなくバッファタンク内に位置する。液体保持空間は直接的に外気に露出しているが、バッファタンクは、液体保持空間に連通した細い回収経路を通じてのみ外気に連通している。回収経路の経路断面積は、液体保持空間に処理液が存在するときの液面の面積よりも小さいため、液体保持空間内の処理液をその液面がバッファタンク内に位置するように回収しておけば、液体保持空間にそのまま処理液を残しておく場合よりも、処理液が蒸発しにくい。
【0008】
しかしながら、この構成において、バッファタンク内に回収した処理液の液面は、バッファタンクの水平断面積に相当するものとなり、比較的広い範囲で空気と接触することになる。そのため、この構成であっても、処理液はバッファタンク内で蒸発し、処理液が無駄に消費されたり、処理液の濃度変化等によって特性が変化したりすることがある。
【0009】
なお、回収径路中にバッファタンクのような一時貯留部を設けない構成も考えられる。しかしながら、液体保持空間から処理液を回収する際には処理液とともに空気も回収される。回収した処理液中から空気を除去しないと、液体保持空間に再供給される処理液が泡状となり、液体保持空間へ処理液を適切に再供給できなくなり、構成によっては再供給自体が不能となる。したがって、回収経路を設けて回収した処理液を再供給する場合には、その回収経路中に上記バッファタンクのような一時貯留部を設け、そこに処理液を一時的に貯留させて処理液中から空気を分離する必要があり、上記問題を避けられない事情がある。
【0010】
なお、上記問題は、液体吐出記録方式の画像形成装置に限らず、何らかの処理液付与対象に処理液を付与する処理液付与装置を備えたものであれば、同様に生じ得るものである。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、処理液の付与動作を行っていない時に処理液が蒸発する量を少なく抑え、処理液の無駄な消費を抑制したり、処理液の特性変化を抑制したりすることが可能な画像形成装置及び処理液付与装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、画像記録媒体への処理液の付与と、画像形成とを行う画像形成装置であって、液室内に収容されている処理液を画像記録媒体に付与する処理液付与手段と、該液室に供給される処理液を貯留する処理液貯留部と、該処理液貯留部内の処理液を液室へ供給する供給経路を構成する供給経路構成部材と、該液室内の処理液を回収する回収経路を構成する回収経路構成部材と、該回収経路中に設けられ、内部の水平断面積が該回収径路の断面積よりも大きく、該回収径路を通じて回収された処理液を一時的に貯留する一時貯留部とを備え、上記回収経路を通じて回収された処理液が上記液室に再供給されるように構成された画像形成装置において、上記回収経路を通じて上記液室内の処理液を回収する回収動作の終了後に、該回収経路中に存在する処理液の液面が、該一時貯留部の水平断面積よりも小さい径路断面積をもつ回収経路部分に保持されるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記一時貯留部よりも上方に上記液室の底部を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記回収経路は、上記液室と上記処理液貯留部とを連通するように設けられ、上記回収経路における液室側の回収経路部分と連通する上記一時貯留部の開口部よりも上方に上記処理液貯留部を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記供給経路と上記回収経路の少なくとも一部を同一経路にしたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記回収動作を行う時には、処理液の液面を上記一時貯留部内に維持することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、上記回収動作の終了後に処理液の液面が保持される上記回収経路部分は、上記一時貯留部よりも上記液室側の回収経路部分であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記回収経路を通じて上記液室内の処理液を回収するために該処理液に対して上記一時貯留部へ向かう搬送力を付与する搬送力付与手段を、該一時貯留部よりも処理液回収方向下流側に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記処理液付与手段は、画像記録媒体に処理液を塗布する塗布ローラと、該塗布ローラの外周面上に液膜を形成するスクイーズローラと、上記液室から該スクイーズローラの外周面上に処理液を供給する処理液供給部とを備えたものであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、液室内に収容されている処理液を処理液付与対象に付与する処理液付与手段と、該液室に供給される処理液を貯留する処理液貯留部と、該処理液貯留部内の処理液を液室へ供給する供給経路を構成する供給経路構成部材と、該液室内の処理液を回収する回収経路を構成する回収経路構成部材と、該回収経路中に設けられ、内部の水平断面積が該回収径路の断面積よりも大きく、該回収径路を通じて回収された処理液を一時的に貯留する一時貯留部とを備え、上記回収経路を通じて回収された処理液が上記液室に再供給されるように構成された処理液付与装置において、上記回収経路を通じて上記液室内の処理液を回収する回収動作の終了後に、該回収経路中に存在する処理液の液面が、該一時貯留部の水平断面積よりも小さい径路断面積をもつ回収経路部分に保持されるように構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、回収動作の終了後に、回収経路中に存在する処理液の液面が一時貯留部の水平断面積よりも小さい径路断面積をもつ回収経路部分に保持される。したがって、処理液の液面が一時貯留部内に保持される構成と比較して、空気に触れる処理液の液面の面積を小さくすることができ、蒸発する処理液の量を少なく抑えることができる。これにより、処理液の無駄な消費を抑制したり、処理液の特性変化を抑制したりすることが可能となるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態における画像形成装置全体の概略構成を示す説明図である。
【図2】同画像形成装置における処理液塗布装置の概略構成を示す説明図である。
【図3】同処理液塗布装置における処理液の回収動作時の様子を示す説明図である。
【図4】回収動作時にメニスカス状態の処理液が空気と一緒に一時貯留部に到達した時の様子を示す説明図である。
【図5】本実施形態における液面検知器で一時貯留部内の液面高さを検知している状態を示す詳細図である。
【図6】本実施形態において採用可能な一時貯留部と処理液容器との良好な位置関係の一例を示す説明図である。
【図7】実施形態における処理液回収動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】変形例1の構成において、液室に処理液を供給している時の様子を示す説明図である。
【図9】変形例1の構成において、液室から処理液を回収している時の様子を示す説明図である。
【図10】変形例2の構成において、液室に処理液を供給している時の様子を示す説明図である。
【図11】変形例2の構成において、液室から処理液を回収している時の様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
まず、本実施形態における画像形成装置の一例について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態における画像形成装置全体の概略構成を示す説明図である。
この画像形成装置は、画像記録媒体である用紙100に液滴を吐出して画像を形成する画像形成手段としての記録ヘッドユニット101と、用紙100を搬送する搬送ベルト102と、用紙100を収容する給紙トレイ103と、記録ヘッドユニット101よりも用紙搬送方向上流側で処理液付与対象である用紙100に処理液を付与する処理液付与装置としての処理液塗布装置200とを備えている。
【0016】
記録ヘッドユニット101は、液滴を吐出する複数のノズルを用紙幅相当分の長さに配列したノズル列を有するライン型液体吐出ヘッドから構成され、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッド101y、101m、101c、101kを備えている。なお、シリアル型画像形成装置として記録ヘッドをキャリッジに搭載する構成とすることもできる。
【0017】
搬送ベルト102は、無端状ベルトであり、搬送ローラ121とテンションローラ122との間に掛け渡されて周回するように構成している。この搬送ベルト102に対する用紙100の保持は、例えば静電吸着、空気の吸引による吸着などを行う構成とすることやその他の公知の搬送手段を用いることができる。また、ローラ対による搬送手段を用いることもできる。
【0018】
給紙トレイ103に収容された用紙100はピックアップローラ131で1枚ずつ分離給紙されて搬送ローラ対132によってレジストローラ対133に送られ、レジストローラ対133から所定のタイミングで搬送ローラ対134によって搬送路135を介して処理液塗布装置200に送られ、処理液塗布装置200で処理液が塗布されて搬送ベルト102上に送り込まれて保持される。
そして、搬送ベルト102の周回移動で搬送されて記録ヘッドユニット101から各色の液滴が吐出されて画像が形成され、その後排紙トレイ104に排出される。
【0019】
処理液塗布装置200は、処理液201を収容した変形可能な例えばPETフィルムを袋状にした処理液貯留部としての処理液容器202と、この処理液容器202から供給された処理液201を圧送するポンプ203と、処理液201を用紙100に塗布する処理液付与手段としての塗布部208とを備えている。処理液容器202内の処理液201は、ポンプ203によって吸い上げられ、チューブ内に形成される供給経路としての液体流路205を通じて塗布部208内の液室206へと供給され、塗布の準備がなされる。
【0020】
塗布部208は、用紙100を搬送する搬送ローラ210と、搬送ローラ210に対向して用紙100に処理液201を塗布する塗布ローラ209と、塗布ローラ209に処理液201を供給して液膜を薄くするスクイーズローラ207とを有している。これらのローラは、搬送ローラ210に塗布ローラ209が接し、塗布ローラ209にスクイーズローラ207が接して配置されている。そして、スクイーズローラ207と塗布ローラ209とによって供給された処理液201の液膜層が塗布ローラ209上に形成されて、塗布ローラ209の回転によって塗布ローラ209と搬送ローラ210とに挟まれた用紙100に塗布される。
【0021】
本実施形態の処理液201は、用紙100の表面に付与されることで用紙100の表面を改質する改質材である。処理液201の具体例としては、例えば、予め用紙100(上述したように材質としての紙に限定されない。)にムラなく塗布しておくことで、インクの水分を速やかに用紙100に浸透させると共に色成分を増粘させ、更には乾燥も早めることによって滲み(フェザリング、ブリーディング等)や裏抜けを防止し、生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)をあげることを可能にする定着剤(セット剤)が挙げられる。この処理液201としては、組成的には、例えば界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれか、若しくはこれらを2種類以上混合させたもの)に対して、水分の浸透を促進するセルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース等)とタルク微粉体の様な基剤を加えた溶液等を挙げることができる。更に微粒子を含有することもできる。
【0022】
本実施形態では、塗布動作が終了して所定の時間を経過した場合、液室206内の処理液201を、ポンプ203により回収経路としての液体流路205を通じて処理液容器202に向けて回収する。本実施形態において、液体流路205は、供給経路と回収経路とを兼ねており、その液体流路205の途中に、処理液201がメニスカスを保持できない大きさの経路断面積(処理液移動方向を法線とする経路断面の面積)をもつ一時貯留部204が形成されている。以下、液体流路205のうち、液室206と一時貯留部204とを連結する部分を第1液体流路205Aとし、一時貯留部204とポンプ203とを連結する部分を第2液体流路205Bとし、ポンプ203と処理液容器202とを連結する部分を第3液体流路205Cとする。一時貯留部204以外の液体流路部分の経路断面積は、処理液201がメニスカスを保持できる大きさとなっているので、ポンプ203の吸引動作及び送出動作によって処理液201を回収方向及び供給方向へ移動させることができる。
【0023】
一時貯留部204は、処理液の回収動作時に処理液201とともに液室206から入ってくる空気を処理液201から分離させるためのものである。本実施形態においては、空気と一緒に液室206から回収されてきた処理液201が一時貯留部204に到達すると、処理液201が一時貯留部204に一時的に貯留されている処理液201に落下あるいは一時貯留部204の内壁を伝って移動して取り込まれる。一方、処理液と一緒に回収されてきた空気は一時貯留部204内の空気と一体化する。本実施形態においては、回収動作を継続することで一時貯留部204内に空気が溜まっていく。そして、一時貯留部204に規定量の空気が溜まると、回収動作が終了する。このような回収動作により、一時貯留部204の下部(本実施形態では底面)に開口している第2液体流路205Bに、空気が混入した処理液が入り込むことが防止される。したがって、第2液体流路205Bに入った空気によりポンプ203の適切な送液動作が妨げられるという事態が生じない。
【0024】
また、本実施形態では、処理液容器202がポンプ203の吸い出しによって減容可能な柔らかい袋状の容器であるため、この容器内に空気が入り込むと、ポンプ203の吸い出しによってその容器内から処理液を適切に吸い出すことができなくなるおそれがあるという不具合が生じる。また、このような容器内に空気が入り込むと、その容器内を最後まできちんと減容させることができなくなるという不具合も生じる。しかしながら、本実施形態では、処理液容器202内に空気が入り込むことが適切に防止されるので、このような不具合は生じない。
【0025】
このような回収動作が終了した後、本実施形態では、一時貯留部204が処理液201で満たされるようにして待機状態に移行する。この待機状態において、処理液201の液面は第1液体流路205Aの内部に維持される。したがって、処理液201の液面が一時貯留部204内に維持される場合よりも、空気と接する液面の面積が減り、蒸発による不具合(処理液の無駄な消費や処理液の特性変化)を抑制できる。
【0026】
以下、本実施形態の特徴的な構成及び動作について更に詳述する。
図2は、本実施形態における処理液塗布装置200の概略構成を示す説明図である。
上述したように、塗布動作が終了してから所定の時間が経過すると、液室206の処理液201は、双方向に送液可能なポンプ203の吸引動作により、液体流路205を通じて処理液容器202に向けて回収される。この回収動作中において、液室206に処理液201が十分に満たされている場合は、処理液201のみが回収され、空気は回収されない。しかしながら、回収動作により液室206内の処理液201が徐々に少なくなっていくと、第1液体流路205A内に処理液だけでなく空気も吸い込まれるようになる。このとき、第1液体流路205A内の処理液201は、図3に示すようなメニスカスが形成された状態となる。そのため、処理液201と一緒に回収された空気は、第1液体流路205Aを液室206側へ抜けることができなくなる。
【0027】
このようにして空気と一緒に回収されメニスカスが形成された状態の処理液201は、第1液体流路205Aから一時貯留部204に入り込むと、メニスカスの状態を保持していた表面張力が失われる。これにより、処理液201は、図4に示すように、落下もしくは一時貯留部204の内壁を伝って、一時貯留部204内の処理液に取り込まれる一方、空気は一時貯留部204内の空気と一体化する。このようにして、一時貯留部204において気液が分離される。本実施形態では、このようにして処理液201と一緒に回収されてしまう空気を一時貯留部204において処理液201から分離することができるので、処理液201と一緒に空気が回収されても特に不具合は生じない。
【0028】
図5は、本実施形態における液面検知器211で一時貯留部204内の液面高さを検知している状態を示す詳細図である。
一時貯留部204内の空気は回収動作に伴って徐々に増えていく。本実施形態では、一時貯留部204の容量を、液室206の処理液201をすべて回収したときに第1液体流路205Aから入ってくる空気の想定最大容量以上の大きさに設定してある。ここで空気の想定最大容量とは、回収動作時のポンプ203の吸引量と液室206及び第1液体流路205A内に保持管理される処理液201の量から算出されるが、好ましくは回収動作時のポンプ203の吸引量以上とすることが好ましい。このように設定することで、一時貯留部204が空気で満たされた時には液室206から処理液を完全に回収したことになる。本実施形態では、回収動作に伴って一時貯留部204内に空気が溜まっていき、一時貯留部204内の処理液201の液面が所定の高さまで下がると、これを液面検知器211が検知する。この検知結果を受けて、図示しない制御部は、ポンプ203の吸引動作を停止させ、これにより回収動作が終了する。
【0029】
回収動作の終了後、本実施形態では、上述したとおり、一時貯留部204が処理液201で満たされるようにし、処理液201の液面が第1液体流路205Aの内部に維持されるようにしてから待機状態に移行する。待機状態へ移行する具体的な方法としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
例えば、ポンプ203に送出動作を行わせ、ポンプ203の動力によって一時貯留部204内に処理液201を送り込み、処理液201の液面が第1液体流路205Aの内部に維持されるようにした後、ポンプ203の弁を閉じて、処理液201の液面位置を維持する方法である。
また、例えば、図6に示すように、第1液体流路205Aと連通する一時貯留部204の開口部よりも上方に処理液容器202を配置し、回収動作の終了後に、ポンプ203を開放して、第2液体流路205Bと第3液体流路205Cとを連通状態にする方法も挙げられる。この方法では、ポンプ203を開放することで、一時貯留部204内における処理液の液面が、処理液容器202内における処理液との水頭差により、第1液体流路205Aの内部まで上昇し、その位置に維持される。この方法によれば、ポンプ203に処理液の流れを遮断するための弁機能を付加する必要がなくなるか、もしくは、処理液201の液面位置を維持するための弁を別途設ける必要がなくなるので、構成を簡素化でき、低コスト化を図ることができる。しかも、この方法によれば、待機状態において制御動作や電力消費が不要である。この方法に使用可能なポンプ203としては、例えば双方向の送液が可能なチュービングポンプを用いることができる。ポンプの機能は公知の技術なので詳細な説明は割愛するが、ポンプの種類はこの限りではない。
【0030】
図7は、本実施形態における処理液回収動作の流れを示すフローチャートである。
なお、このフローチャートは、上述した図6に示す構成を採用した場合のものである。
画像出力要求を受信すると(S1)、液室206に所定量の処理液201が有るか無いかを判別する(S2)。このとき、液室206に所定量以上の処理液201が入っていなければ、ポンプ203に送出動作をさせて、処理液容器202から処理液201を補充する(S3)。次に、塗布部208のスクイーズローラ207、塗布ローラ209及び搬送ローラ210を回転させて(S4)、スクイーズローラ207と塗布ローラ209との加圧部に処理液を供給し、供給された処理液を加圧部で延展して塗布ローラ209に液膜を形成し、塗布に備える。そして、塗布部208に用紙が搬送されてくると、塗布ローラ209に形成された処理液の液膜が用紙に転写され、塗布される。
【0031】
次に、液室206に所定量の処理液201が有るか無いかを判別する(S5)。このとき、液室206に所定量以上の処理液201が入っていなければ、ポンプ203に送出動作をさせて、処理液容器202から処理液201を補充する(S6)。要求枚数出力完了まで上記S5の動作を繰り返し(S7)、要求枚数出力されると、スクイーズローラ207、塗布ローラ209及び搬送ローラ210を停止させる(S8)。そして、所定時間以内に次の画像出力(塗布)要求を受信すると(S9のYes)、上述したS2動作以降を繰り返す。一方、所定時間以内に次の画像出力(塗布)要求がこない場合は(S9のNo)、液室206内の処理液を回収する回収動作に移行する。
【0032】
回収動作においては、まず、ポンプ203を回収方向にONさせて吸引動作を行わせ、処理液201を処理液容器202に向けて送液する(S10)。そして、図5に示した液面検知器211の検知結果に基づいて一時貯留部204に所定量以上の処理液201が有るか否かを判別し(S11)、所定量以上の処理液がなくなったらポンプ203を停止する(S12)。その後、ポンプ203を開放状態にする(S13)。これにより、第2液体流路205Bと第3液体流路205Bとが連通状態になり、処理液容器202内の処理液201との水頭差によって一時貯留部204内の処理液の液面が第1液体流路205Aの内部まで上昇し、その位置で維持されて待機状態となる。
【0033】
〔変形例1〕
次に、上記実施形態における処理液塗布装置200の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図8は、本変形例1の構成において、液室206に処理液201を供給している時の様子を示す説明図である。
図9は、本変形例1の構成において、液室206から処理液201を回収している時の様子を示す説明図である。
本変形例1は、処理液容器202及び一時貯留部204が液室206の底部よりも上方に配置した例である。ただし、第1液体流路205Aと連通する一時貯留部204の開口部よりも上方に処理液容器202が配置されている点は、図6に示した上記実施形態の場合と同様である。したがって、本変形例1においても、ポンプ203を開放することで、図9に示すように、一時貯留部204内における処理液の液面が、処理液容器202内における処理液との水頭差によって、第1液体流路205Aの内部まで上昇し、その位置に維持される。よって、上記実施形態の図6に示した構成と同様に、ポンプ203の構成を簡素化でき、低コスト化を図ることができるとともに、待機状態において制御動作や電力消費が不要となる。
【0034】
〔変形例2〕
次に、上記実施形態における処理液塗布装置200の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図10は、本変形例2の構成において、液室206に処理液201を供給している時の様子を示す説明図である。
図11は、本変形例2の構成において、液室206から処理液201を回収している時の様子を示す説明図である。
本変形例2では、第2液体流路205Bと連通する一時貯留部204の開口部(本変形例2では一時貯留部204の底面)よりも下方に処理液容器202が配置されている。この場合、回収動作の終了後にポンプ203を開放することで、図11に示すように、一時貯留部204内における処理液の液面が、処理液容器202内における処理液との水頭差によって、第2液体流路205Bの内部まで下降し、その位置に維持される。よって、上記実施形態の図6に示した構成や上記変形例1の場合と同様に、ポンプ203の構成を簡素化でき、低コスト化を図ることができるとともに、待機状態において制御動作や電力消費が不要となる。
【0035】
以上、本実施形態(上記各変形例を含む。)に係る画像形成装置は、画像記録媒体としての用紙100に画像を形成する前にその用紙100に処理液を付与し、その処理液が付与された用紙100に画像を形成するものである。この画像形成装置は、液室206内に収容されている処理液201を用紙100に付与する処理液付与手段としての塗布部208と、液室206に供給される処理液201を貯留する処理液貯留部としての処理液容器202と、処理液容器202内の処理液201を液室206へ供給する供給経路及び液室206内の処理液201を回収する回収経路である液体流路205を構成する供給経路構成部材及び回収経路構成部材としてのチューブと、液体流路205中に設けられ、内部の水平断面積が液体流路205の断面積よりも大きく、液体流路205を通じて回収された処理液201を一時的に貯留する一時貯留部204とを備え、液体流路205を通じて回収された処理液201が液室206に再供給されるように構成されている。そして、本実施形態の画像形成装置では、液体流路205を通じて液室206内の処理液201を回収する回収動作の終了後に、液体流路205中に存在する処理液201の液面が、一時貯留部204の水平断面積よりも小さい径路断面積をもつ液体流路部分である第1液体流路205A又は第2液体流路205Bに保持されるように構成されている。これにより、処理液201の液面が一時貯留部204内に維持される場合よりも、空気と接する液面の面積が減り、蒸発による不具合(処理液の無駄な消費や処理液の特性変化)を抑制できる。
また、上記変形例2においては、一時貯留部204よりも上方に液室206の底部が配置されている。これにより、液室206内の処理液は、ポンプ203の開放により処理液の自重で一時貯留部204へと流れる。よって、液室206内の処理液を一時貯留部204へ回収する際、液室206内の処理液のすべてが一時貯留部204に回収される前にポンプ203の作動を停止しても、液室206内の処理液のすべてを一時貯留部204に回収することができる。したがって、ポンプ203の作動時間を短縮でき、消費電力を抑えることができる。
また、上記実施形態及び上記変形例1においては、液体流路205が液室206と処理液容器202とを連通するように設けられ、かつ、液体流路205における液室側の液体流路部分である第1液体流路205と連通する一時貯留部204の開口部よりも上方に処理液容器202が配置されている。このように配置することで、ポンプ203を開放することで、一時貯留部204内における処理液の液面が、処理液容器202内における処理液との水頭差により、第1液体流路205Aの内部まで上昇し、その位置に維持される。したがって、ポンプ203に処理液の流れを遮断するための弁機能を付加する必要がなくなるか、もしくは、処理液201の液面位置を維持するための弁を別途設ける必要がなくなるので、構成を簡素化でき、低コスト化を図ることができる。しかも、待機状態において制御動作や電力消費が不要である。
また、本実施形態(上記各変形例を含む。)においては、供給経路と回収経路の少なくとも一部を同一経路である液体流路205で構成しているので、より簡素な構成とすることができる。もちろん、供給経路の全域と回収経路の全域とを別の経路とする構成への本発明の適用を妨げるものではない。
また、本実施形態(上記各変形例を含む。)において、回収動作を行う時には、処理液201の液面を一時貯留部204内に維持するので、一時貯留部204において気液の分離を適切に行うことができる。
また、本実施形態(上記各変形例を含む。)において、回収動作の終了後に処理液201の液面が保持される液体流路部分は、一時貯留部204よりも液室側の液体流路部分すなわち第1液体流路205Aである。これにより、回収動作の終了後に処理液201の液面を、一時貯留部204よりも処理液容器側の液体流路部分すなわち第2液体流路205B又は第3液体流路205Cに保持する場合よりも、次の供給動作の開始時に液室206へ迅速に処理液を供給することが可能となる。
また、本実施形態(上記各変形例を含む。)においては、液体流路205を通じて液室206内の処理液201を回収するために処理液201に対して一時貯留部204へ向かう搬送力を付与する搬送力付与手段としてのポンプ203を、一時貯留部204よりも処理液回収方向下流側に設けている。これにより、ポンプ203に気泡が巻き込まれることなく、回収搬送量の正確な制御が可能となる。
また、本実施形態(上記各変形例を含む。)において、塗布部208は、用紙100に処理液201を塗布する塗布ローラ209と、塗布ローラ209の外周面上に液膜を形成するスクイーズローラ207と、液室206からスクイーズローラ207の外周面上に処理液201を供給する処理液供給部とを備えたものである。これにより、簡易な構成で、適量の処理液を用紙100に付与することができる。
また、本実施形態(上記各変形例を含む。)の画像形成装置が備える処理液付与装置としての処理液塗布装置200は、液室206内に収容されている処理液201を処理液付与対象である用紙100に付与する塗布部208と、液室206に供給される処理液201を貯留する処理液貯留部としての処理液容器202と、処理液容器202内の処理液201を液室206へ供給する供給経路及び液室206内の処理液201を回収する回収経路である液体流路205を構成する供給経路構成部材及び回収経路構成部材としてのチューブと、液体流路205中に設けられ、内部の水平断面積が液体流路205の断面積よりも大きく、液体流路205を通じて回収された処理液201を一時的に貯留する一時貯留部204とを備え、液体流路205を通じて回収された処理液201が液室206に再供給されるように構成されたものであって、液体流路205を通じて液室206内の処理液201を回収する回収動作の終了後に、液体流路205中に存在する処理液201の液面が、一時貯留部204の水平断面積よりも小さい径路断面積をもつ液体流路部分である第1液体流路205A又は第2液体流路205Bに保持されるように構成されている。このような処理液塗布装置200は、画像記録媒体以外の処理液付与対象に処理液を付与する場合にも、同様に適用することができる。
【0036】
なお、本実施形態においては、処理液塗布装置200は画像形成前に処理液201を塗布する構成をとるが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。具体的には、画像形成後に処理液201を塗布する構成をとることもでき、このような処理液201としては、画像記録媒体に光沢を与える光沢剤、画像記録媒体上のインクと反応してインクを固化させる凝固剤等がある。
また、画像形成手段についてもインクを吐出する記録ヘッドユニット101に限られず、電子写真方式を用いた画像形成手段でもよい。この場合、本発明の処理液塗布装置は化学反応によりトナーの画像記録媒体への定着を行う定着剤の塗布装置等に適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
100 用紙
101 記録ヘッドユニット
102 搬送ベルト
200 処理液塗布装置
201 処理液
202 処理液容器
203 ポンプ
204 一時貯留部
205 液体流路
205A 第1液体流路
205B 第2液体流路
205C 第3液体流路
206 液室
207 スクイーズローラ
208 塗布部
209 塗布ローラ
210 搬送ローラ
211 液面検知器
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】特開2008−168283号公報
【特許文献2】特開2002−137378号公報
【特許文献3】特開2005−138502号公報
【特許文献4】特開2003−205673号公報
【特許文献5】特開2009−012394号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像記録媒体への処理液の付与と、画像形成とを行う画像形成装置であって、
液室内に収容されている処理液を画像記録媒体に付与する処理液付与手段と、
該液室に供給される処理液を貯留する処理液貯留部と、
該処理液貯留部内の処理液を液室へ供給する供給経路を構成する供給経路構成部材と、
該液室内の処理液を回収する回収経路を構成する回収経路構成部材と、
該回収経路中に設けられ、内部の水平断面積が該回収径路の断面積よりも大きく、該回収径路を通じて回収された処理液を一時的に貯留する一時貯留部とを備え、
上記回収経路を通じて回収された処理液が上記液室に再供給されるように構成された画像形成装置において、
上記回収経路を通じて上記液室内の処理液を回収する回収動作の終了後に、該回収経路中に存在する処理液の液面が、該一時貯留部の水平断面積よりも小さい径路断面積をもつ回収経路部分に保持されるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記一時貯留部よりも上方に上記液室の底部を配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2の画像形成装置において、
上記回収経路は、上記液室と上記処理液貯留部とを連通するように設けられ、
上記回収経路における液室側の回収経路部分と連通する上記一時貯留部の開口部よりも上方に上記処理液貯留部を配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記供給経路と上記回収経路の少なくとも一部を同一経路にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記回収動作を行う時には、処理液の液面を上記一時貯留部内に維持することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
上記回収動作の終了後に処理液の液面が保持される上記回収経路部分は、上記一時貯留部よりも上記液室側の回収経路部分であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記回収経路を通じて上記液室内の処理液を回収するために該処理液に対して上記一時貯留部へ向かう搬送力を付与する搬送力付与手段を、該一時貯留部よりも処理液回収方向下流側に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記処理液付与手段は、画像記録媒体に処理液を塗布する塗布ローラと、該塗布ローラの外周面上に液膜を形成するスクイーズローラと、上記液室から該スクイーズローラの外周面上に処理液を供給する処理液供給部とを備えたものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
液室内に収容されている処理液を処理液付与対象に付与する処理液付与手段と、
該液室に供給される処理液を貯留する処理液貯留部と、
該処理液貯留部内の処理液を液室へ供給する供給経路を構成する供給経路構成部材と、
該液室内の処理液を回収する回収経路を構成する回収経路構成部材と、
該回収経路中に設けられ、内部の水平断面積が該回収径路の断面積よりも大きく、該回収径路を通じて回収された処理液を一時的に貯留する一時貯留部とを備え、
上記回収経路を通じて回収された処理液が上記液室に再供給されるように構成された処理液付与装置において、
上記回収経路を通じて上記液室内の処理液を回収する回収動作の終了後に、該回収経路中に存在する処理液の液面が、該一時貯留部の水平断面積よりも小さい径路断面積をもつ回収経路部分に保持されるように構成したことを特徴とする処理液付与装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−821(P2012−821A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136784(P2010−136784)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】