説明

画像形成装置及び後処理装置

【課題】排紙された印刷物のセキュリティを確保すること、装置が動作しても、その際に発生する動作音(機械音)が気にならないようにすること、これら2つを満足する仕組みを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、複数の排紙トレイ313を単一の密閉扉323で密閉する後処理装置101を備える。ユーザからの密閉扉323の密閉の解除の指示に基づいて、密閉扉323の密閉を解除する前に、動作モードを静音動作モードに切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成した用紙を排紙する画像形成装置及びその後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタや複写機等の画像形成装置であって、画像形成(印字)した複数枚のシートの端部を整合し、ステープル(針打ち)やパンチ穴開け処理等の後処理を行い、シート束を排出して積載する後処理装置を備える画像形成装置がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】米国特許第6145826号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1は、排紙された印刷物のセキュリティを確保すること、装置が動作しても、その際に発生する動作音(機械音)が気にならないようにすること、これら2つを満足する仕組みを備えた提案については、なされていない。
【0004】
本発明の目的は、排紙された印刷物のセキュリティを確保すること、装置が動作しても、その際に発生する動作音(機械音)がユーザにとって気にならないようにすること、これら2つを満足する仕組みを備えた画像形成装置を提供することにある。特に、ユーザが後処理装置の密閉を解除してから排紙トレイにある印刷物を取得するまでの間に他のユーザの印刷ジョブ処理中であっても、印刷物の排紙や後処理に伴って発生する動作音がユーザにとって気にならない仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、複数の排紙トレイを単一の扉で密閉する後処理装置を備え、ユーザからの印刷要求に応じて印刷データをシートに印字した後に、当該シートを前記複数の排紙トレイのうちいずれか一つに排紙する画像形成装置であって、前記後処理装置は、後処理における動作モードを通常動作モードと静音動作モードのいずれかに切り替える切替手段と、前記扉の密閉を実行/解除する密閉手段とを備え、ユーザからの前記扉の密閉の解除の指示に基づいて、前記密閉手段で前記扉の密閉を解除する前に、前記切替手段は、前記動作モードを前記静音動作モードに切り替えることを特徴とする。
【0006】
請求項9記載の後処理装置は、画像形成装置のシート搬送方向の下流側に設置され、複数の排紙トレイと、前記複数の排紙トレイを密閉する単一の扉とを備え、ユーザからの印刷要求に応じて印刷データが印字されたシートを前記画像形成装置から受け入れ、当該シートを前記複数の排紙トレイのうちいずれか一つに排紙する後処理装置であって、後処理における動作モードを通常動作モードと静音動作モードのいずれかに切り替える切替手段と、前記扉の密閉を実行/解除する密閉手段とを備え、ユーザからの前記扉の密閉の解除の指示に基づいて、前記密閉手段で前記扉の密閉を解除する前に、前記切替手段は、前記動作モードを前記静音動作モードに切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、排紙された印刷物のセキュリティを確保すること、動作音を抑えることの、2つを満足する仕組みを備えた画像形成装置を提供できる。また、ユーザが後処理装置の密閉を解除してから排紙トレイにある印刷物を取得するまでの間に他のユーザの印刷ジョブ処理中であっても、印刷物の排紙や後処理に伴って発生する動作音を低減できる印刷環境が構築できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
尚、本発明においては、より簡素で安価な装置を用いて同等のセキュリティレベルを確保した画像形成装置を提供できるという観点から、N個の排紙トレイが1個の扉で施錠された構成を備えた画像形成装置を対象として説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
<システム構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置と複数のネットワーク端末が接続されたネットワークシステムの構成図である。
【0011】
図1において、画像形成装置は、装置本体100とそのシート搬送方向下流側に設置される後処理装置101とから構成される。この画像形成装置と、3台のネットワーク端末20a〜20cが、ネットワーク用サーバ22を介してネットワーク21に接続されている。
【0012】
即ち、図1の構成例では、単一の画像形成装置が、複数のネットワーク端末20a〜20cによって共有される。尚、図1の構成例で示した各装置の台数は、各装置の接続可能な台数を制限するものではなく、各装置を任意の台数で接続して良い。
【0013】
装置本体100は、複数のネットワーク端末20a〜20cのそれぞれからネットワーク21を介して受信した印刷要求に応じて画像形成し、シートに印字する。後処理装置101は、ネットワーク21を介して受信した後処理要求に従い、シートに対してステープル処理やパンチ処理を実行した後に、シートを排紙する。
【0014】
<装置のブロック構成>
図2は、図1における画像形成装置のブロック図である。
【0015】
図2に示すように、装置本体100は、通信部201を介して外部のネットワーク21と接続され、プリンタ部205で後処理装置101と接続されている。一方、後処理装置101は、出力I/F部400で装置本体100と接続される。後処理装置101は、この出力I/F部400を経由したデータ通信によって、印刷データ及び後処理動作に関わる情報を送受信する。
【0016】
装置本体100は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、FAX機能等の異なる複数の機能を実現可能な複合機(MFP)を想定している。
【0017】
そして、装置本体100は、プリンタコントローラ200、通信部201、操作部202、表示部203、スキャナ部204、プリンタ部205、画像処理部206、メモリ部207、及び、電源209を備える。
【0018】
プリンタコントローラ200は、装置本体100全体の制御部である。プリンタプリンタコントローラ200200は、プリンタ部205やスキャナ部204を始めとする各処理部と電気的に接続されており、各処理部の動作を連携させて制御することで、装置本体100全体としての機能をユーザに提供する。
【0019】
例えば、プリンタコントローラ200は、スキャナ部204を制御して原稿の画像データを読み込み、プリンタ部205を制御して画像データをシートに印字することで、コピー機能を提供する。
【0020】
また、プリンタコントローラ200は、スキャナ部204から読み取った画像データを、通信部201を経由してネットワーク21へ送信することで、スキャナ機能(ネットワーク送信)を提供する。
【0021】
また、プリンタコントローラ200は、ネットワーク21から通信部201を経由して受信したコードデータを画像処理部206によって画像データに変換した後に、プリンタ部205に出力することで、プリンタ機能(PDL出力)を提供する。
【0022】
通信部201は、外部機器(ネットワーク端末)とのデータの送受信を行う処理部である。通信部201は、インターネットやLAN等のネットワーク21に接続され、外部機器との間でデータの送受信を行う。また、通信部201は、公衆電話回線に接続することでFAX通信を行い、あるいは、PCとのUSBインタフェースで直接接続することでデータ通信を行う。
【0023】
操作部202は、ユーザが行いたい動作をキー操作150(図3を参照)にて選択させるものである。操作部202は、例えば、操作ボタンや液晶タッチパネルで構成され、ユーザが装置本体100を操作するためのユーザインタフェースを提供する。
【0024】
表示部203は、ユーザに対しての動作指示を行い、あるいは、印字すべき画像の印字プレビューを表示するものであり、例えば、液晶パネル等が挙げられる。
【0025】
尚、近年では、液晶パネルの大型化に伴い、表示部203と操作部202を一体化して液晶パネルで実現することが多く、図3に示した表示部203も同様に、操作可能なユーザインタフェースを提供するものである。
【0026】
従って、装置本体100は、操作部202におけるハードキー、または、表示部203における表示キーのいずれかからキー操作150を受け付ける。
【0027】
スキャナ部204は、原稿画像を光学的に読み取って電気的な画像信号に変換する処理部であり、密着型イメージセンサ、読み取り駆動部、読み取り点灯制御部等により構成される。
【0028】
読み取り駆動部によって搬送される密着型イメージセンサによって原稿全体がスキャンされる際、読み取り点灯制御部によって密着型イメージセンサ内部のLEDが点灯制御される。同時に、密着型イメージセンサ内部のフォトセンサが原稿画像を光学的に読み取って電気的な画像信号に変換する。
【0029】
プリンタ部205は、電気的な画像信号をシート上に可視像としてプリントするブロックであり、レーザービームプリンタやインクジェットプリンタにより構成される。
【0030】
画像処理部206は、読み取り画像処理、通信画像処理、記録画像処理を行うブロックである。
【0031】
読み取り画像処理は、スキャナ部204から受信した画像データにシェーディング補正等を施し、ガンマ処理、2値化処理、中間調処理、そしてRGBtOCMYK等色変換処理を行って高精細な画像データに変換する処理である。
【0032】
記録画像処理は、画像データを記録解像度に合わせて解像度変換するものであり、画像の変倍、スムージング、濃度補正等の各種画像処理を施して高精細は画像データに変換しレーザービームプリンタ等に出力する。
【0033】
通信画像処理部は、読み取った画像データを通信性能に合わせて解像度変換、色変換をし、あるいは、通信により受け取った画像データを記録性能に合わせて解像度変換等する処理である。
【0034】
メモリ部207は、例えば、DDR−SDRAMやHDD等のメモリデバイスであり、画像データを一時的に格納するだけでなく、画像形成装置の機能を実現するために、プリンタコントローラ200が使用する制御プログラムや、データ等を格納する。
【0035】
電源209は、装置本体100及び後処理装置101への電力供給部であり、プリンタコントローラ200及び後述する後処理装置コントローラ300に接続される。そして、電源209は、それぞれのコントローラに接続された各処理部(装置)が動作(駆動)するために必要な電力を供給する。
【0036】
後処理装置101は、後処理装置コントローラ300、搬送部301、後処理器としてのステープラ302、及び、排紙部303を備える。
【0037】
後処理装置コントローラ300は、後処理装置101全体の制御部であり、出力I/F部400、駆動回路制御部401、搬送部301やステープラ302等の各処理部に関する駆動回路411、412を備える。
【0038】
また、後処理装置コントローラ300は、電流制限回路421、422、位置検知回路431、432、密閉駆動回路402、開閉検知回路433を備える。
【0039】
出力I/F部400は、装置本体100と接続されたデータ通信部である。後処理装置101は、この出力I/F部400を経由した装置本体100とのデータ通信によって、印刷データ及び後処理動作に関わる情報を送受信する。
【0040】
駆動回路制御部401は、中央演算処理装置(CPU)500、制御手段を記述したプログラムを格納する不揮発性メモリ(ROM)501、制御手段を記述したプログラムを実行する際に一時的にデータを保持する揮発性メモリ(RAM)502を備える。
【0041】
但し、プログラムの格納、実行、及びデータの保持は、特に上記例の構成に限定するものではなく、別の記憶媒体やメモリを使用する構成であっても良い。
【0042】
密閉駆動回路402は、排紙部303が備える密閉扉323の開閉動作を制御する駆動回路であり、開閉検知回路433は、排紙部303が備える密閉扉323の開閉状態を検知する検知回路である。
【0043】
開閉検知回路433は、排紙部303の密閉扉323の位置を検知する密閉扉センサ333からの検知信号を入力として、検知信号から開閉状態信号への電気的な変換を行い、変換して生成した開閉状態信号を密閉駆動回路402に出力する。
【0044】
密閉駆動回路402は、開閉検知回路433からの開閉状態信号に基づき、密閉扉323がユーザによって閉じられた状態において、密閉扉323の密閉を実行/解除する。
【0045】
駆動回路(搬送系駆動回路411、ステープラ駆動回路412)は、搬送部301やステープラ302等の各処理部を駆動制御するための制御信号を生成する処理部である。
【0046】
電流制限回路421、422は、搬送部301やステープラ302等の各処理部を駆動制御する際の、駆動電流の上限値を制御する処理部である。
【0047】
電流制限回路421、422は、駆動電流の上限値を制御することで、搬送部301の搬送モータ311を低速動作(一時停止も含む)させ、あるいは、ステープラ302のステープラモータ312を低速動作(一時停止も含む)させる。
【0048】
位置検知回路431、432は、搬送部301やステープラ302等の各処理部を駆動制御するための位置情報を生成する処理部である。
【0049】
位置検知回路431、432は、各処理部の検知センサ321、322からの検知信号を入力として、検知信号から位置情報信号への電気的な変換を行い、変換して生成した位置情報信号を各処理部の駆動回路411、412に出力する。
【0050】
搬送部301は、搬送モータ311、搬送センサ321を備える。
【0051】
搬送モータ311は、印字済みのシートを搬送及び排紙するためのモータであり、電流制限回路421を介した搬送系駆動回路411からの制御信号を入力として、制御信号に従った速度(一時停止も含む)で駆動される。
【0052】
搬送センサ321は、当該搬送センサ321の設置位置において搬送中のシートの有無を検知するセンサであり、検知信号をこれに対応する位置検知回路431に出力する。
【0053】
ステープラ302は、ステープラモータ312、ステープラセンサ322を備える。
【0054】
ステープラモータ312は、印字済みのシートに対する後処理としてステープル動作を実行するためのモータであり、電流制限回路422を介したステープラ駆動回路412からの制御信号を入力として、制御信号に従った速度(一時停止も含む)で駆動される。
【0055】
ステープラセンサ322は、当該ステープルセンサ322の設置位置においてステープル準備中のシートの有無を検知するセンサであり、検知信号をこれに対応する位置検知回路432に出力する。
【0056】
排紙部303は、排紙トレイ313(313a〜313d(図3を参照))、密閉扉323、密閉扉センサ333を備える。
【0057】
排紙トレイ313は、装置本体100で画像データを印字した後に、後処理装置101で後処理を実行したシートを積載する積載部である。
【0058】
密閉扉323は、排紙トレイ313a〜313d全体を包含した扉である。密閉扉323は、排紙部303内部の排紙トレイ313a〜313dに積載された印刷物(印字済みのシート)のセキュリティを確保すると共に、装置外部に漏れうる装置動作音を遮断する。
【0059】
密閉扉センサ333は、密閉扉323の位置を検知するセンサであり、検知信号を開閉検知回路433に出力する。
【0060】
ここで、電流制限回路421、422は、後処理における動作モードを通常動作モードと静音動作モードのいずれかに切り替える切替手段として機能する。また、密閉駆動回路402は、密閉扉323の密閉を実行/解除する密閉手段として機能する。
【0061】
<装置のメカ構成と動作>
図3は、図2の画像形成装置の概略構成図である。
【0062】
以下、メカ構成と、プリンタ機能(PDL出力)の動作を併せて説明する。
【0063】
図3に示すように、装置本体100は、図1で説明した外部のネットワーク21を介して印刷要求を受信すると、ピックアップローラ221やフィードリタードローラ222等の給紙部に備えたローラを駆動して給紙トレイ220からシートを搬送する。
【0064】
その後、装置本体100は、図2で説明した画像処理部206によって印刷要求に応じた画像データを生成し、トナーカートリッジ223を含む電子写真プロセス部224によって当該画像データをシートの上面に形成する。その後、定着部225によって当該画像データをシートの上面に定着(固定)し、シートを後処理装置101に排出(排紙)する。
【0065】
図3に示すように、後処理装置101は、装置本体100から排出されたシートを取得し、図2で説明した搬送部301を用いて搬送する。
【0066】
ここで、後処理装置101は、装置本体100が受信した印刷要求にステープル等の後処理要求が含まれる場合に、出力I/F部400を経由したデータ通信によって後処理要求の通知信号を受信する。そして、図2で説明したステープラ302等の後処理器を用いて通知信号により指示された所望の後処理を実行する。
【0067】
その後、後処理装置101は、所望の後処理を実行した印刷物(印字済みのシート)を、排紙部303の排紙トレイ313a〜313dのうちいずれか一つに排紙して積載する。
【0068】
続いて、本発明の特徴となる後処理装置101の動作概略を説明する。
【0069】
後処理装置101は、例えば、ユーザBによる印刷要求によって排紙トレイ313bに印刷物を出力中に、排紙トレイ313aに印刷物を出力したユーザAによる操作部202からの指示を受け付ける。
【0070】
その後、後処理装置101は、搬送部301やステープラ302等のモータ311、312を制御して静音動作モードに移行してから、密閉扉323の密閉を解除する。
【0071】
その後、後処理装置101は、密閉扉センサ333を用いることで、ユーザAによって密閉扉323が開けられたことを検知し、更に、排紙トレイ313aからユーザAの印刷物が取り出された後に、密閉扉323が閉じられることを検知する。
【0072】
その後、後処理装置101は、密閉扉323の密閉を実行してから、搬送部301やステープラ302等のモータ311、312を制御して通常動作モードに復帰する。
【0073】
以上の動作により、後処理装置101は、上記例で密閉扉323がユーザAに開けられた状態において、装置外部に漏れうる装置動作音を低減する。
【0074】
尚、図2、図3では、後処理器の具体的な構成例としてステープラ302を挙げているが、特に上記例の構成に限定するものではない。例えば、シートの端部を幅方向に整合する整合装置、シートにパンチ穴を穿孔するパンチャー等、ステープラ以外の後処理器を用いる構成であっても同様である。
【0075】
また、図2、図3では、操作部202(及び、操作可能な表示部203)が装置本体100側に含まれる構成を図示しているが、操作部202(及び表示部203における操作)が後処理装置101側に含まれる構成であっても良い。
【0076】
<装置制御>
図4は、図2の画像形成装置によって実行される後処理制御の手順の第1の実施の形態を示すフローチャートである。
【0077】
より具体的には、図4のフローは、図2における後処理装置101の後処理装置コントローラ300の制御の下に実行される(S100)。
【0078】
後処理装置コントローラ300は、操作部202(または、操作可能な表示部203)からの、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)の解除を指示するユーザ入力を待ち、密閉の解除が指示されたならば(YES)、S101に遷移する(S101)。
【0079】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路421、422を用いて、各装置の駆動電流の上限値を制限しない動作モード(通常動作モード)から、各装置の駆動電流の上限値を制限した動作モード(静音動作モード)に移行する。静音動作モード処理については、別途、図5を用いて説明を加える(S102)。
【0080】
後処理装置コントローラ300は、密閉駆動回路402を用いて、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)を解除する(S103)。
【0081】
後処理装置コントローラ300は、開閉検知回路433を用いて、閉じられた状態の密閉扉323がユーザによって開けられたか否かを検知する。
【0082】
具体的には、開閉検知回路433は、密閉扉センサ333からの検知信号に基づいた開閉状態信号として、オープン(開けられた状態)/クローズ(閉じられた状態)のいずれかを意味する内部信号を生成し、これを密閉扉に関するステータス情報として保持する。ここで、このステータス情報が、初期状態であるクローズからオープンに遷移したならば(YES)、S104に遷移し、クローズのままであれば(NO)、オープンになるまで待つ(S104)。
【0083】
後処理装置コントローラ300は、開閉検知回路433を用いて、開けられた状態の密閉扉323がユーザによって閉じられたか否かを検知する。
【0084】
具体的には、開閉検知回路433は、密閉扉センサ333からの検知信号に基づいた開閉状態信号として、オープン(開けられた状態)/クローズ(閉じられた状態)のいずれかを意味する内部信号を生成し、これを密閉扉に関するステータス情報として保持する。ここで、このステータス情報が、S103のオープンからクローズに遷移したならば(YES)、S105に遷移し、オープンのままであれば(NO)、クローズになるまで待つ
(S105)。
【0085】
後処理装置コントローラ300は、密閉駆動回路402を用いて、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)を実行する(S106)。
【0086】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路421、422を用いて、各装置の駆動電流の上限値を制限した動作モード(静音動作モード)から、各装置の駆動電流の上限値を制限しない動作モード(通常動作モード)に移行する。静音動作モードの解除(通常動作モードへの移行)については、別途、図6を用いて説明を加える。
【0087】
尚、図4のS103では、後処理装置コントローラ300は、密閉扉323がユーザによって開かれるまで待機するフローを示しているが、本発明は、特に上記フローに限定されるものではない。
【0088】
密閉扉323がユーザによって開かれなかった場合の対処フローとしては、例えば、後処理装置コントローラ300が、密閉扉323の密閉を解除してからの経過時間を計測するタイマを備えるようにしても良い。当該タイマが一定時間の経過を検知した場合に、S105に遷移して、再び密閉扉323の密閉(ロック、施錠)を実行しても良い。この点については、後述する、図7、図8、図9、図12に関しても全く同様である。
【0089】
また、図4のS104では、後処理装置コントローラ300は、密閉扉323がユーザによって閉じられるまで待機するフローを示しているが、本発明は、特に上記フローに限定されるものではない。
【0090】
密閉扉323がユーザによって閉じられなかった場合の対処フローとしては、例えば、後処理装置コントローラ300が、開閉検知回路433におけるステータス情報がオープンになってからの経過時間を計測するタイマを備えるようにしても良い。当該タイマによって一定時間が経過した場合に、表示部203に「密閉扉を閉じてください」等のエラーメッセージを表示しても良い。この点については、図7、図8、図9、図12に関しても全く同様である。
【0091】
図5は、図4のS101で実行される静音動作モード処理の手順を示すフローチャートである(S200)。
【0092】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路421を用いて、搬送部301の搬送モータ311における駆動電流の上限値を制限する。尚、ここで述べる駆動電流の上限値の制限とは、搬送部301の搬送モータ311に対して、例えば、上限値を通常時の1/2に設定することで低速動作させ、あるいは、上限値をゼロに設定することで一時停止させる制御を意味したものである(S201)。
【0093】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路422を用いて、ステープラ302のステープラモータ312における駆動電流の上限値を制限する。尚、ここで述べる駆動電流の上限値の制限とは、ステープラ302のステープラモータ312に対して、例えば、上限値を通常時の1/2に設定することで低速動作させ、あるいは、上限値をゼロに設定することで一時停止させる制御を意味したものである。
【0094】
図6は、図4のS106で実行される静音動作モードの解除処理の手順を示すフローチャートである(S300)。
【0095】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路421を用いて、搬送部301の搬送モータ311に対して、図5のS200で制限していた駆動電流の制限を解除する(S301)。
【0096】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路422を用いて、ステープラ302のステープラモータ312に対して、図5のS201で制限していた駆動電流の制限を解除する。
【0097】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を、図2、図7、図8を用いて説明する。
【0098】
第2の実施の形態では、図2において、後処理装置101の後処理装置コントローラ300における駆動回路制御部401に、印刷ジョブ検知部503を備える。
【0099】
印刷ジョブ検知部503は、排紙トレイ313a〜313dのいずれか一つに排紙完了した印刷要求とは別に、他の印刷要求に応じた印字済みのシートに対して排紙及び後処理の動作を行っているか否かを検知する。
【0100】
印刷ジョブ検知部503は、ユーザからの印刷要求に応じて少なくとも一つの印刷データを処理中であるか否かを検知する検知手段して機能する。
【0101】
尚、図2では印刷ジョブ検知部503を独立して図示したが、当該印刷ジョブ検知部503の機能を、前述したCPU500、ROM501、RAM502を用いて実現しても良い。
【0102】
図7は、図2の画像形成装置(ジョブ検知部を含む)によって実行される後処理制御の手順の第2の実施の形態を示すフローチャートである。
(S400)
後処理装置コントローラ300は、操作部202(または、操作可能な表示部203)からの密閉扉323の密閉(ロック、施錠)の解除を指示するユーザ入力を待ち、密閉の解除が指示されたならば(YES)、S401に遷移する(S401)。
【0103】
後処理装置コントローラ300は、印刷ジョブ検知部503を用いて、他の印刷要求に応じた印字済みのシートに対して排紙及び後処理の動作を行っているか否かを検知する。印刷ジョブを処理中であれば(YES)、S402に遷移し、印刷ジョブを処理中でなければ(NO)、S408に遷移する(S402)〜(S407)。
【0104】
図4を用いて説明した、S101〜S106と同様の処理が実行される(S408)。
【0105】
後処理装置コントローラ300は、密閉駆動回路402を用いて、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)を解除する(S409)。
【0106】
後処理装置コントローラ300は、開閉検知回路433を用いて、閉じられた状態の密閉扉323がユーザによって開けられたか否かを検知する。
【0107】
具体的には、開閉検知回路433は、密閉扉センサ333からの検知信号に基づいた開閉状態信号として、オープン(開けられた状態)/クローズ(閉じられた状態)のいずれかを意味する内部信号を生成し、これを密閉扉に関するステータス情報として保持する。ここで、このステータス情報が、初期状態であるクローズからオープンに遷移したならば(YES)、S410に遷移し、クローズのままであれば(NO)、オープンになるまで待つ(S410)。
【0108】
後処理装置コントローラ300は、開閉検知回路433を用いて、開けられた状態の密閉扉323がユーザによって閉じられたか否かを検知する。
【0109】
具体的には、開閉検知回路433は、密閉扉センサ333からの検知信号に基づいた開閉状態信号として、オープン(開けられた状態)/クローズ(閉じられた状態)のいずれかを意味する内部信号を生成し、これを密閉扉に関するステータス情報として保持する。ここで、このステータス情報が、S409のオープンからクローズに遷移したならば(YES)、S411に遷移し、オープンのままであれば(NO)、クローズになるまで待つ(S411)。
【0110】
後処理装置コントローラ300は、密閉駆動回路402を用いて、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)を実行する。
【0111】
図8は、図2の画像形成装置(ジョブ検知部を含む)によって実行される後処理制御の手順の第2の実施の形態の変形例を示すフローチャートである(S500)〜(S507)。
【0112】
図7を用いて説明した、S400〜S407と同様の処理が実行されるである(S508)。
【0113】
後処理装置コントローラ300は、密閉駆動回路402を用いて、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)を解除する(S509)。
【0114】
後処理装置コントローラ300は、開閉検知回路433を用いて、閉じられた状態の密閉扉323がユーザによって開けられたか否かを検知する。
【0115】
具体的には、開閉検知回路433は、密閉扉センサ333からの検知信号に基づいた開閉状態信号として、オープン(開けられた状態)/クローズ(閉じられた状態)のいずれかを意味する内部信号を生成し、これを密閉扉に関するステータス情報として保持する。ここで、このステータス情報が、初期状態であるクローズからオープンに遷移したならば(YES)、S510に遷移し、クローズのままであれば(NO)、オープンになるまで待つ(S510)。
【0116】
後処理装置コントローラ300は、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)を解除中に、印刷ジョブ検知部503を用いて、新規に他の印刷要求に応じて印字済みのシートに対する排紙及び後処理の動作を開始する要求を検知したか否か判断する。要求を検知した場合は(YES)、S511に遷移し、検知していなければ(NO)、S512に遷移する(S511)。
【0117】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路421、422を用いて、各装置の駆動電流の上限値を制限しない動作モード(通常動作モード)から、各装置の駆動電流の上限値を制限した動作モード(静音動作モード)に移行する(S512)。
【0118】
後処理装置コントローラ300は、開閉検知回路433を用いて、開けられた状態の密閉扉323がユーザによって閉じられたか否かを検知する。
【0119】
具体的には、開閉検知回路433は、密閉扉センサ333からの検知信号に基づいた開閉状態信号として、オープン(開けられた状態)/クローズ(閉じられた状態)のいずれかを意味する内部信号を生成し、これを密閉扉に関するステータス情報として保持する。ここで、このステータス情報が、S509のオープンからクローズに遷移したならば(YES)、S513に遷移し、オープンのままであれば(NO)、クローズになるまで待つ(S513)。
【0120】
後処理装置コントローラ300は、密閉駆動回路402を用いて、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)を実行する(S514)。
【0121】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路421、422を用いて、各装置の駆動電流の上限値を制限した動作モード(静音動作モード)から、各装置の駆動電流の上限値を制限しない動作モード(通常動作モード)に移行する。
【0122】
尚、図8では、密閉扉323の密閉解除中に新規に他の印刷要求を検知した際の追加フローとして、静音動作モードに移行する例を挙げたが、特に上記対応例に限定するものではない。
【0123】
他の例としては、例えば、以下の例等が挙げられる。
【0124】
即ち、ジョブ検知部503で新規に検知した印刷要求をCPU500がRAM502に退避しておき、密閉扉323の密閉実行後に、CPU500がRAM502から印刷要求を読み出す。そして、印刷要求に応じた印字済みのシートに対する排紙及び後処理の動作を開始する。
【0125】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を、図9〜図11を用いて説明する。
【0126】
図9は、図2の画像形成装置によって実行される後処理制御の手順の第3の実施の形態を示すフローチャートである(S600)。
【0127】
後処理装置コントローラ300は、操作部202(または、操作可能な表示部203)からの密閉扉323の密閉(ロック、施錠)の解除を指示するユーザ入力を待ち、密閉の解除が指示されたならば(YES)、S601に遷移する(S601)。
【0128】
後処理装置コントローラ300は、CPU500を用いてRAM502に格納された設定情報を参照し、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)が解除された際に動作モードとして、静音動作モードを優先するように設定されているか否かを検知する。静音動作モードの優先設定があれば(YES)、S602に遷移し、静音動作モードの優先設定がなければ(NO)、S608に遷移する(S602)。
【0129】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路421、422を用いて、各装置の駆動電流の上限値を制限しない動作モード(通常動作モード)から、各装置の駆動電流の上限値を制限した動作モード(静音動作モード)に移行する。静音動作モード処理については、別途、図10を用いて説明を加える(S603)。
【0130】
後処理装置コントローラ300は、密閉駆動回路402を用いて、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)を解除する(S604)。
【0131】
後処理装置コントローラ300は、開閉検知回路433を用いて、閉じられた状態の密閉扉323がユーザによって開けられたか否かを検知する。
【0132】
具体的には、開閉検知回路433は、密閉扉センサ333からの検知信号に基づいた開閉状態信号として、オープン(開けられた状態)/クローズ(閉じられた状態)のいずれかを意味する内部信号を生成し、これを密閉扉に関するステータス情報として保持する。ここで、このステータス情報が、初期状態であるクローズからオープンに遷移したならば(YES)、S605に遷移し、クローズのままであれば(NO)、オープンになるまで待つ(S605)。
【0133】
後処理装置コントローラ300は、開閉検知回路433を用いて、開けられた状態の密閉扉323がユーザによって閉じられたか否かを検知する。
【0134】
具体的には、開閉検知回路433は、密閉扉センサ333からの検知信号に基づいた開閉状態信号として、オープン(開けられた状態)/クローズ(閉じられた状態)のいずれかを意味する内部信号を生成し、これを密閉扉に関するステータス情報として保持する。ここで、このステータス情報が、S604のオープンからクローズに遷移したならば(YES)、S606に遷移し、オープンのままであれば(NO)、クローズになるまで待つ(S606)。
【0135】
後処理装置コントローラ300は、密閉駆動回路402を用いて、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)を実行する(S607)。
【0136】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路421、422を用いて、各装置の駆動電流の上限値を制限した動作モード(静音動作モード)から、各装置の駆動電流の上限値を制限しない動作モード(通常動作モード)に移行する。静音動作モードの解除(通常動作モードへの移行)については、別途、図11を用いて説明を加える(S608)。
【0137】
後処理装置コントローラ300は、密閉駆動回路402を用いて、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)を解除する(S609)。
【0138】
後処理装置コントローラ300は、開閉検知回路433を用いて、閉じられた状態の密閉扉323がユーザによって開けられたか否かを検知する。
【0139】
具体的には、開閉検知回路433は、密閉扉センサ333からの検知信号に基づいた開閉状態信号として、オープン(開けられた状態)/クローズ(閉じられた状態)のいずれかを意味する内部信号を生成し、これを密閉扉に関するステータス情報として保持する。ここで、このステータス情報が、初期状態であるクローズからオープンに遷移したならば(YES)、S610に遷移し、クローズのままであれば(NO)、オープンになるまで待つ(S610)。
【0140】
後処理装置コントローラ300は、開閉検知回路433を用いて、開けられた状態の密閉扉323がユーザによって閉じられたか否かを検知する。
【0141】
具体的には、開閉検知回路433は、密閉扉センサ333からの検知信号に基づいた開閉状態信号として、オープン(開けられた状態)/クローズ(閉じられた状態)のいずれかを意味する内部信号を生成し、これを密閉扉に関するステータス情報として保持する。ここで、このステータス情報が、S609のオープンからクローズに遷移したならば(YES)、S611に遷移し、オープンのままであれば(NO)、クローズになるまで待つ(S611)。
【0142】
後処理装置コントローラ300は、密閉駆動回路402を用いて、密閉扉323の密閉(ロック、施錠)を実行する。
【0143】
図10は、図9のS602で実行される静音動作モード処理の手順を示すフローチャートである(S700)。
【0144】
後処理装置コントローラ300は、CPU500を用いてRAM502に格納された設定情報を参照し、静音動作モードで搬送部301やステープラ302等の各処理部を動作させる際の駆動電流の設定値を取得する(S701)。
【0145】
後処理装置コントローラ300は、CPU500を用いてRAM502に格納された設定情報を参照し、搬送部301の搬送モータ311における駆動電流の設定値の有無を検知する。設定値があれば(YES)、S702に遷移し、設定値がなければ(NO)、S703に遷移する(S702)。
【0146】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路421を用いて、搬送部301の搬送モータ311における駆動電流の上限値を制限する。尚、ここで述べる駆動電流の上限値の制限とは、搬送部301の搬送モータ311に対して、例えば、上限値を通常時の1/2に設定することで低速動作させ、あるいは、上限値をゼロに設定することで一時停止させる制御を意味したものである(S703)。
【0147】
後処理装置コントローラ300は、CPU500を用いてRAM502に格納された設定情報を参照し、ステープラ302のステープラモータ312における駆動電流の設定値の有無を検知する。設定値があれば(YES)、S704に遷移し、設定値がなければ(NO)、終了して、図9のS603に戻る(S704)。
【0148】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路422を用いて、ステープラ302のステープラモータ312における駆動電流の上限値を制限する。尚、ここで述べる駆動電流の上限値の制限とは、ステープラ302のステープラモータ312に対して、例えば、上限値を通常時の1/2に設定することで低速動作させ、あるいは、上限値をゼロに設定することで一時停止させる制御を意味したものである。
【0149】
図11は、図9のS607で実行される静音動作モードの解除処理の手順を示すフローチャートである(S800)。
【0150】
後処理装置コントローラ300は、CPU500を用いてRAM502に格納された設定情報を参照し、静音動作モードで搬送部301やステープラ302等の各処理部を動作させる際の駆動電流の設定値を取得する(S801)。
【0151】
後処理装置コントローラ300は、CPU500を用いてRAM502に格納された設定情報を参照し、搬送部301の搬送モータ311における駆動電流の設定値の有無を検知する。設定値があれば(YES)、S802に遷移し、設定値がなければ(NO)、S803に遷移する(S802)。
【0152】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路421を用いて、搬送部301の搬送モータ311に対して、図10のS702で制限していた駆動電流の制限を解除する(S803)。
【0153】
後処理装置コントローラ300は、CPU500を用いてRAM502に格納された設定情報を参照し、ステープラ302のステープラモータ312における駆動電流の設定値の有無を検知する。設定値があれば(YES)、S804に遷移し、設定値がなければ(NO)、終了する(S804)。
【0154】
後処理装置コントローラ300は、電流制限回路422を用いて、ステープラ302のステープラモータ312に対して、図10のS704で制限していた駆動電流の制限を解除する。
【0155】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態を、図2、図3、図12を用いて説明する。
【0156】
第4の実施の形態では、図2において、装置本体100において、プリンタコントローラ200に接続されたユーザ認証部208を備える。
【0157】
ユーザ認証部208は、ユーザが所持するIDカード(RFID等の非接触ICカード)151(図3)からユーザ情報を取得し、メモリ部207に格納されたユーザ情報と照合して、当該ユーザが予め登録済みのユーザであるか否かを判定する。
【0158】
図12は、図2の画像形成装置(ユーザ認証部を含む)によって実行される後処理制御の手順の第4の実施の形態を示すフローチャートである(S900)。
【0159】
プリンタコントローラ200は、ユーザ認証部208を用いてユーザが所持するIDカード151との間で無線通信を行い、認証可能なIDカードを検知しない場合には(NO)、検知するまで待機する。また、プリンタコントローラ200は、認証可能なIDカード151を検知した場合には(YES)、S901に遷移する(S901)。
【0160】
プリンタコントローラ200は、ユーザ認証部208を用いてユーザが所持するIDカード151からユーザ情報を取得する(S902)。
【0161】
プリンタコントローラ200は、ユーザ認証部208を用いてユーザが所持するIDカード151から取得したユーザ情報と、メモリ部207に格納されたユーザ情報とを照合して、当該ユーザが予め登録済みのユーザであるか否かを判定する。プリンタコントローラ200は、このことによってユーザ認証を行う。ユーザ認証ができた場合には(YES)、S903に遷移し、ユーザ認証ができない場合には(NO)、S900に遷移する(S903)〜(S908)。
【0162】
図4を用いて説明した、S101〜S106と同様の処理が行われる。
【0163】
尚、ユーザ認証の方法としては、特に上記例に限定するものではなく、例えば、ユーザを特定できる生体情報(指紋等)を読み取って、メモリ部207に格納されたユーザ情報と照合して、当該ユーザが予め登録済みのユーザであるか否かを判定しても良い。
【0164】
以上、第1〜第4の実施の形態では、静音動作モードの具体的な制御方法として、いずれも駆動電流の制限(及び供給の停止)を例に挙げて説明を続けたが、本発明の請求の範囲は、特に上記例に限定するものではない。
【0165】
他の例としては、例えば、後処理装置101の駆動部材に対して物理的に緩衝材を挿入する機構を設け、あるいは、駆動部材に対して物理的に一時停止をさせるストッパーを作動させる機構を設け、駆動部材の動作を妨げるようにしても良い。
【0166】
また、各実施の形態で説明したフローチャートの処理についての制御プログラムは、本形態の画像形成装置100内部のメモリに予め格納されており、該装置100の所定のCPUによって読み出し実行される。これにより、上述した各種の処理が本装置100にて実行される。
【0167】
このように、本実施の形態の仕組みを実現するためのプログラムが格納されたコンピュータ読取可能な記憶媒体が当該装置100にて適用される。この際、プリンタコントローラ200のCPUと、後処理装置コントローラ300のCPUが協働する構成でも良いし、何れかCPUのみが単独で機能する構成でも良い。
【0168】
このように、上述した各フローチャートの処理に係る仕組みが実現できるならば、それを実現する具体的な仕組みは、種々の変形、応用が可能である。
【0169】
(他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また一つの機器からなる装置に適用しても良い。例えば、装置本体(画像形成装置)100として適用可能なプリンタ、後処理装置101として適用可能なフィニッシャ、これら2台を接続した画像形成システムで、上述の各種実施の形態の制御を行うよう構成しても良い。
【0170】
また、本発明は、前述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムを読み出して実行することによっても達成され得る。
【0171】
この場合、例えば、上記画像形成システムを遠隔操作するリモートコンピュータに当該プログラムをダウンロードし、上記各種の実施の形態の制御を当該コンピュータのCPUによって実行するよう構成する。このような実施の形態に適用できる。
【0172】
このように、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0173】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0174】
プログラムを供給するためのコンピュータが読取可能な記憶媒体としては、様々なものが使用できる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)等である。
【0175】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページからハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。その場合、ダウンロードされるのは、本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルであっても良い。
【0176】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0177】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布する形態としても良い。その場合、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムが実行可能な形式でコンピュータにインストールされるようにする。
【0178】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される形態以外の形態でも実現可能である。例えば、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0179】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれるようにしても良い。この場合、その後で、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される。
【0180】
以上、本発明の様々な例と実施の形態について説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるものではないことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置と複数のネットワーク端末が接続されたネットワークシステムの構成図である。
【図2】図1における画像形成装置のブロック図である。
【図3】図2の画像形成装置の概略構成図である。
【図4】図2の画像形成装置によって実行される後処理制御の手順の第1の実施の形態を示すフローチャートである。
【図5】図4のS101で実行される静音動作モード処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図4のS106で実行される静音動作モードの解除処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図2の画像形成装置(ジョブ検知部を含む)によって実行される後処理制御の手順の第2の実施の形態を示すフローチャートである。
【図8】図2の画像形成装置(ジョブ検知部を含む)によって実行される後処理制御の手順の第2の実施の形態の変形例を示すフローチャートである。
【図9】図2の画像形成装置によって実行される後処理制御の手順の第3の実施の形態を示すフローチャートである。
【図10】図9のS602で実行される静音動作モード処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図9のS607で実行される静音動作モードの解除処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図2の画像形成装置(ユーザ認証部を含む)によって実行される後処理制御の手順の第4の実施の形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0182】
100 装置本体
101 後処理装置
200 プリンタコントローラ
201 通信部
202 操作部
203 表示部
207 メモリ部
208 ユーザ認証部
300 後処理装置コントローラ
301 搬送部
302 ステープラ
303 排紙部
313 排紙トレイ
323 密閉扉
402 密閉駆動回路
421、422 電流制限回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の排紙トレイを単一の扉で密閉する後処理装置を備え、ユーザからの印刷要求に応じて印刷データをシートに印字した後に、当該シートを前記複数の排紙トレイのうちいずれか一つに排紙する画像形成装置であって、
前記後処理装置は、
後処理における動作モードを通常動作モードと静音動作モードのいずれかに切り替える切替手段と、
前記扉の密閉を実行/解除する密閉手段とを備え、
ユーザからの前記扉の密閉の解除の指示に基づいて、前記密閉手段で前記扉の密閉を解除する前に、前記切替手段は、前記動作モードを前記静音動作モードに切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ユーザからの印刷要求に応じて少なくとも一つの印刷データを処理中であるか否かを検知する検知手段を備え、
前記検知手段で印刷データを処理中であると検知した場合に限り、前記密閉手段で前記扉の密閉を解除する前に、前記切替手段は、前記動作モードを前記静音動作モードに切り替えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記切替手段は、前記後処理に伴う駆動電流の値を制限することで、前記動作モードを前記静音動作モードに切り替えることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記切替手段は、前記後処理に伴う駆動電流の供給を停止することで、前記動作モードを前記静音動作モードに切り替えることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記切替手段は、前記後処理に伴う駆動部材の動作を妨げることで、前記動作モードを前記静音動作モードに切り替えることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記切替手段は、前記密閉手段で前記扉の密閉を実行した後に、前記動作モードを前記通常動作モードに切り替えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記切替手段は、前記後処理に伴う駆動電流の値に対する制限を解除することで、前記動作モードを前記通常動作モードに切り替えることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記切替手段は、前記後処理に伴う駆動電流の供給を開始することで、前記動作モードを前記通常動作モードに切り替えることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置のシート搬送方向の下流側に設置され、複数の排紙トレイと、前記複数の排紙トレイを密閉する単一の扉とを備え、ユーザからの印刷要求に応じて印刷データが印字されたシートを前記画像形成装置から受け入れ、当該シートを前記複数の排紙トレイのうちいずれか一つに排紙する後処理装置であって、
後処理における動作モードを通常動作モードと静音動作モードのいずれかに切り替える切替手段と、
前記扉の密閉を実行/解除する密閉手段とを備え、
ユーザからの前記扉の密閉の解除の指示に基づいて、前記密閉手段で前記扉の密閉を解除する前に、前記切替手段は、前記動作モードを前記静音動作モードに切り替えることを特徴とする後処理装置。
【請求項10】
ユーザからの印刷要求に応じて少なくとも一つの印刷データを処理中であるか否かを検知する検知手段を備え、
前記検知手段で印刷データを処理中であると検知した場合に限り、前記密閉手段で前記扉の密閉を解除する前に、前記切替手段は、前記動作モードを前記静音動作モードに切り替えることを特徴とする請求項9記載の後処理装置。
【請求項11】
前記切替手段は、前記後処理に伴う駆動電流の値を制限することで、前記動作モードを前記静音動作モードに切り替えることを特徴とする請求項9または10記載の後処理装置。
【請求項12】
前記切替手段は、前記後処理に伴う駆動電流の供給を停止することで、前記動作モードを前記静音動作モードに切り替えることを特徴とする請求項9または10記載の後処理装置。
【請求項13】
前記切替手段は、前記後処理に伴う駆動部材の動作を妨げることで、前記動作モードを前記静音動作モードに切り替えることを特徴とする請求項9または10記載の後処理装置。
【請求項14】
前記切替手段は、前記密閉手段で前記扉の密閉を実行した後に、前記動作モードを前記通常動作モードに切り替えることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の後処理装置。
【請求項15】
前記切替手段は、前記後処理に伴う駆動電流の値に対する制限を解除することで、前記動作モードを前記通常動作モードに切り替えることを特徴とする請求項11記載の後処理装置。
【請求項16】
前記切替手段は、前記後処理に伴う駆動電流の供給を開始することで、前記動作モードを前記通常動作モードに切り替えることを特徴とする請求項12記載の後処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−13203(P2010−13203A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172247(P2008−172247)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】