画像形成装置及び画像形成システム
【課題】高い省電力効果を発揮できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、主制御部101〜103と、副制御部109〜110と、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部105とを含む。副制御部109〜110は、電子メールサーバに対し自装置宛ての電子メールの有無の問い合わせを実行し、電子メールサーバ内に自装置宛ての電子メールの存在を確認したとき、主制御部101〜103を起動させて自装置をスリープモードから通常モードに移行させる。主制御部101〜103は、通常モードに移行した後に電子メールサーバから電子メールを取得する。画像形成部105は、主制御部101〜103により取得された電子メールの添付ファイルに基づいて被記録媒体上に画像を形成する。
【解決手段】画像形成装置100は、主制御部101〜103と、副制御部109〜110と、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部105とを含む。副制御部109〜110は、電子メールサーバに対し自装置宛ての電子メールの有無の問い合わせを実行し、電子メールサーバ内に自装置宛ての電子メールの存在を確認したとき、主制御部101〜103を起動させて自装置をスリープモードから通常モードに移行させる。主制御部101〜103は、通常モードに移行した後に電子メールサーバから電子メールを取得する。画像形成部105は、主制御部101〜103により取得された電子メールの添付ファイルに基づいて被記録媒体上に画像を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールシステムを利用して送信された電子ファイルに基づいて被記録媒体上に画像を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IP(Internet Protocol)通信網を介したファクシミリ通信が普及しつつある。この種のファクシミリ通信の1つが、電子メールシステムを利用するものである。具体的には、送信端末は、TIFF(Tag Image File Format)形式やPDF(Portable Document Format)形式の電子ファイルが添付された電子メールを印刷機能を有する受信端末に宛てて送信する。受信端末は、電子メールサーバを介して送信端末から電子メールを受信し、この電子メールの添付ファイルに基づいて被印刷媒体に画像を形成(印刷)する。近年のデジタル複合機の中には、スキャナ機能、印刷機能及びコピー機能の他に、前述の電子メールシステムを利用したファクシミリ通信機能を有するものも存在する(たとえば、特許文献1:特開2006−262096号公報)。
【0003】
電子メールシステムを利用したファクシミリ通信では、電子メールサーバに対して、添付ファイルを有する電子メールの有無を問い合わせるためのコマンドを発行する必要がある。コマンドの発行周期が短いほど利便性は向上するが、コマンドを頻繁に発行すると、電子メールサーバに対するコマンドの送信処理と、当該コマンドに対する電子メールサーバからの応答メッセージの受信処理とが頻繁に行われて受信端末の消費電力が増大する。このような消費電力の増大を抑制するために、特許文献1のデジタル複合機は、ユーザの操作に応じて全ての機能を即座に動作させることができるスタンバイモードと、操作パネルなどの幾つかの機能を停止もしくは制限する省電力モードという2種類の動作モードを有している。このデジタル複合機は、電子メールサーバに対する電子メールの有無の問い合わせを省電力モードで実行することで、消費電力の低減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−262096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の省電力モードは、操作パネルなどの幾つかの機能を停止もしくは制限するものに過ぎず、省電力効果が十分とはいえない。
【0006】
上記に鑑みて本発明の目的は、電子メールの添付ファイルに基づいて被記録媒体上に画像を形成する機能を有する場合でも、高い省電力効果を発揮することができる画像形成装置及び画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様による画像形成装置は、通常モード及びスリープモードを動作モードとして有する画像形成装置であって、通信ネットワークに接続された電子メールサーバとの間で通信可能なネットワーク・インタフェース部と、前記通常モードで自装置の全体動作を制御し、前記スリープモードで動作しない主制御部と、前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバに対し自装置宛ての電子メールの有無の問い合わせを実行する副制御部と、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、を備え、前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記電子メールサーバ内に自装置宛ての電子メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させて自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させ、前記主制御部は、起動して自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させた後に、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバから前記電子メールを取得し、前記画像形成部は、前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の態様による画像形成システムは、通信ネットワークに接続された電子メールサーバと、前記画像形成装置とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の態様による画像形成システムは、通信ネットワークに接続された第1及び第2の電子メールサーバと、通常モード及びスリープモードを動作モードとして有し、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、を備え、前記第1の電子メールサーバは、通信ネットワークに接続されたクライアント端末から前記画像形成装置に宛てて送信された電子メールを受信して保管するサーバ機能部と、前記サーバ機能部に保管されている前記電子メールの添付ファイルが被記録媒体上に画像を形成させことができる形式を有する場合に、印刷指示情報の記述を含む印刷指示メールを前記第2の電子メールサーバに格納する事前検査部と、を含み、前記画像形成装置は、前記通信ネットワークを介して前記第1及び第2の電子メールサーバとの間で通信可能なネットワーク・インタフェース部と、前記通常モードで自装置の全体動作を制御し、前記スリープモードで動作しない主制御部と、前記通常モードで前記主制御部への電源供給を行い、前記スリープモードでは前記主制御部への電源供給を制限して前記主制御部の動作を停止させる電源制御部と、前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記第2の電子メールサーバに対し自装置宛ての当該印刷指示メールの有無の問い合わせを実行する副制御部と、を含み、前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記第2の電子メールサーバ内に自装置宛ての当該印刷指示メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させて自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させ、前記主制御部は、起動して自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させた後に、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記第1の電子メールサーバから前記電子メールを取得し、前記画像形成部は、前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成することを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の態様による画像形成システムは、通信ネットワークに接続された電子メールサーバと、通常モード及びスリープモードを動作モードとして有し、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、を備え、前記電子メールサーバは、前記通信ネットワークに接続されたクライアント端末から前記画像形成装置に宛てて送信されたステータス要求の記述を含む電子メールをステータス要求メールとして受信して保管し、前記画像形成装置は、前記通信ネットワークを介して前記電子メールサーバとの間で通信可能なネットワーク・インタフェース部と、前記通常モードで自装置の全体動作を制御し、前記スリープモードで動作しない主制御部と、前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバに対し自装置宛ての電子メールの有無の問い合わせを実行する副制御部と、を含み、前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記電子メールサーバ内に前記ステータス要求メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させずに、前記画像形成部の現在状態を示すステータス情報の記述を含む電子メールを前記クライアント端末に宛てて返信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子メールの添付ファイルに基づいて被記録媒体上に画像を形成する処理を利便性を損なうことなく省電力で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1の画像処理システムの構成の一例を概略的に示す図である。
【図2】実施の形態1のプリンタの構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【図3】実施の形態1のプリンタの各機能ブロックの通常モードでの動作状態と、スリープモードでの動作状態とを一覧形式で示す図である。
【図4】実施の形態1に係るスリープモード設定用画面の一例を示す図である。
【図5】実施の形態1に係る電子メール受信・印刷設定用画面の一例を示す図である。
【図6】図5の電子メール受信・印刷設定用画面で設定された設定情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図7】プリンタに関するネットワーク設定情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図8】実施の形態1に係る電子メール受信・印刷処理の手順を概略的に示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1の画像形成システムの処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係るステータス返信設定用画面の一例を示す図である。
【図11】図10のステータス返信設定用画面で設定された設定情報の一例を示す図である。
【図12】実施の形態2に係るステータス情報の一例を示す図である。
【図13】実施の形態2に係るステータス返信処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図14】図13の電子メール受信・印刷処理(ステップS210)の手順を概略的に示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2に係る画像形成システムの処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【図16】本発明の実施の形態3に係るサーバ装置の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【図17】実施の形態3に係る電子メール受信・印刷設定用画面の一例を示す図である。
【図18】図17の電子メール受信・印刷設定用画面で設定された設定情報の一例を示す図である。
【図19】実施の形態3に係るサーバ装置におけるメールサーバによる事前検査処理の手順を概略的に示すフローチャートである。
【図20】実施の形態3に係るプリンタにおけるメインプロセッサによるスリープモードへの移行処理の手順を概略的に示すフローチャートである。
【図21】実施の形態3に係る画像形成システムの処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【図22】添付ファイルを有する電子メールの内容の一例を示す図である。
【図23】印刷指示メールの内容の一例を示す図である。
【図24】実施の形態3に係るプリンタの処理手順(メインルーチン)を概略的に示すフローチャートである。
【図25】実施の形態3に係るプリンタの処理手順(サブルーチン)を概略的に示すフローチャートである。
【図26】実施の形態3に係る画像形成システムの処理シーケンスの他の例を概略的に示す図である。
【図27】本発明の実施の形態4に係る電子メール受信・印刷設定用画面の一例を示す図である。
【図28】図27の電子メール受信・印刷設定用画面で設定された設定情報1500の一例を示す図である。
【図29】実施の形態4に係るプリンタの処理手順を概略的に示すフローチャートである。
【図30】スリープモードにおける実施の形態4に係る画像形成システムの処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【図31】ステータス要求メールの内容の一例を示す図である。
【図32】ステータス情報(STinfo)の記述を含む電子メールの内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る実施の形態の画像処理システム1の構成の一例を概略的に示す図である。図1に示されるように、この画像処理システム1は、いずれも通信ネットワーク400に接続されたプリンタ(画像形成装置)100、パーソナル・コンピュータ(PC)200及びサーバ装置300を含む。通信ネットワーク400としては、たとえば、LAN(Local Area Network)や広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)が挙げられる。プリンタ100、PC200及びサーバ装置300はいずれも、通信ネットワーク400を介して他の機器と通信可能なネットワーク・インタフェース機能を有する。
【0015】
サーバ装置300は、たとえば、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)やPOP3(Post Office Protocol − Version 3)といったIETF(Internet Engineering Task Force)策定のプロトコルに従った電子メール送受信用のサーバ機能を有する。なお、本実施の形態では、サーバ装置300は、送信用サーバ機能と受信用サーバ機能の双方を有するが、これに限定されるものではない。通信ネットワーク400に接続された別々の通信機器にそれぞれ送信用サーバ機能と受信用サーバ機能とが構成されていてもよい。
【0016】
PC200は、サーバ装置300を利用してプリンタ100宛てに(すなわち、プリンタ100の電子メールアドレスを宛先とする)電子メールを送信する送信用クライアント機能と、PC200宛てに届いた電子メールのデータをサーバ装置300から受信する受信用クライアント機能とを有する。
【0017】
サーバ装置300とPC200との間は、秘密鍵暗号方式や公開鍵暗号方式を利用した暗号化通信や、電子署名や電子証明書を利用した通信を行うことができる。たとえば、公知のSSL(Secure Sockets Layer)/TLS(Transport Layer Security)あるいはS/MIME(Secure MIME)といった暗号通信プロトコルを用いた暗号化通信を行うことができる。サーバ装置300とプリンタ100との間の通信も同様である。
【0018】
ユーザは、PC200の送信用クライアント機能を利用して、電子ファイルが添付された電子メールをプリンタ100宛てに送信することができる。後述するように、プリンタ100は、サーバ装置300からその電子メールのデータを受信し、その電子メールの添付ファイルに基づいて紙などの被記録媒体上に画像を形成する機能を有する。
【0019】
また、ユーザは、PC200の送信用クライアント機能を利用して、プリンタ100の現在状態(たとえば、現在の設定状態や動作状態)を問い合わせる電子メールをプリンタ100宛てに(すなわち、プリンタ100の電子メールアドレスを宛先として)送信することができる。後述するように、プリンタ100は、その電子メールに応じて、自装置(プリンタ100)の現在状態の記述を含む電子メールをPC200宛てに返信する機能を有する。これにより、PC200のユーザは、返信された電子メールの記述内容から、プリンタ100が正常に動作しているかどうか、あるいは、プリンタ100において用紙切れやトナー切れなどの障害が発生しているかどうかを簡易に確認することができる。
【0020】
図2は、プリンタ100の構成を概略的に示す機能ブロック図である。プリンタ100は、2種類の動作モード、すなわち通常モードとスリープモードとを有している。本実施の形態では、プリンタ100はページプリンタとして使用される。図2に示されるように、プリンタ100は、メインプロセッサ101を含む主機能部100Aと、サブプロセッサ109とを有する。プリンタ100は、主機能部100Aの構成要素として、通常モードでプリンタ100の全体動作を制御するメインプロセッサ101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、画像データに対する画像処理を行う画像処理部104と、紙媒体などの被記録媒体上に画像を形成(印刷)する画像形成部105と、表示部114Dと、操作入力部114Mとを備える。なお、本発明に係る「主制御部」は、たとえば、メインプロセッサ101、RAM102及びROM103によって構成することができ、また、本発明に係る「副制御部」は、たとえば、サブプロセッサ109及びRAM110によって構成することができる。
【0021】
RAM102は、メインプロセッサ101によるデータ処理及び制御処理に使用される作業用メモリである。ROM103には、データ処理及び制御処理を実行するための命令群が格納されている。メインプロセッサ101は、ROM103から命令群を読み出し実行することでデータ処理及び制御処理を実行することができる。また、画像処理部104は、メインプロセッサ101からの指令に従って、入力データに対して、たとえば圧縮/伸張処理や色変換やディザ処理といった画像処理を実行することにより入力データを印刷可能な形式の画像データに変換する機能を有する。
【0022】
表示部114Dは、LCD(Liquid Crystal Display)などの小型表示装置を有しており、メインプロセッサ101は、たとえば、プリンタ100の動作状況を示す情報あるいは条件設定用の情報を表示部114Dに表示させることができる。操作入力部114Mは、この表示部114Dの表示画面近傍に配置された接触型入力装置(タッチパネル)である。ユーザが表示部114Dの表示画面に指先や指示具を接触させると、操作入力部114Mは、その接触位置の座標情報またはこれに対応する情報をメインプロセッサ101に出力する機能を有する。メインプロセッサ101は、操作入力部114Mに入力された情報に応じたデータ処理や制御処理を行う。
【0023】
プロセッサ間通信制御部107は、メインプロセッサ101とサブプロセッサ109との間のコマンドやデータの送受信を制御する回路である。
【0024】
サブプロセッサ109は、メインプロセッサ101よりも低い消費電力で動作し、画像形成部105、電源制御部106及びネットワークI/F部108の動作を制御する機能を有する。RAM110は、サブプロセッサ109による制御処理に使用される作業用メモリである。プリンタ100が通常モードで動作するとき、サブプロセッサ109は、メインプロセッサ101からの指令に従って画像形成部105及び電源制御部106の動作を制御するが、ネットワークI/F部108の動作はメインプロセッサ101によって制御される。一方、プリンタ100がスリープモードで動作するとき、メインプロセッサ101を含む主機能部100Aの動作は停止する。このときに、サブプロセッサ109はネットワークI/F部108の動作を制御することとなる。
【0025】
第1プログラム格納部112及び第2プログラム格納部113は、サブプロセッサ109で実行される制御命令群を格納するメモリである。第1プログラム格納部112には、通常モードで実行される制御命令群が格納されており、第2プログラム格納部113には、スリープモードで実行される制御命令群が格納されている。第2プログラム格納部113に格納される制御命令群には、ネットワークI/F部108の動作制御のための命令群や、通信ネットワーク400を介して他の機器との間で通信を実行するためのプロトコルスタックが含まれている。切替制御部111は、図示されない制御線を介してメインプロセッサ101から供給された切替制御指令に応じて、第1プログラム格納部112及び第2プログラム格納部113のうちのいずれか一方から制御命令群を読み出し、サブプロセッサ109に供給することができる。
【0026】
画像形成部105は、サブプロセッサ109の制御を受けて通常モードで動作し、印刷可能な形式の画像データに基づいて被記録媒体上に画像を形成(印刷)する機能を有する。画像形成部105は、たとえば、電子写真方式による画像形成プロセスを行う構成を有することができる。
【0027】
電源制御部106は、プリンタ100全体の構成要素への電源供給を制御する電源回路である。電源制御部106は、サブプロセッサ109またはメインプロセッサ101からの指令に応じて、図2に示される電源ライン106a〜106dを通じて、主機能部100Aの構成要素101,102,103,104,105,107への電源供給を個別に制御する。電源制御部106は通常モードでは主機能部100Aへの電源供給を行い、スリープモードでは主機能部100Aへの電源供給を制限して主機能部100Aの構成要素101,102,103,104,105,107の動作を停止させる。
【0028】
図3は、プリンタ100の各機能ブロックの通常モードでの動作状態と、スリープモードでの動作状態とを一覧形式で示す図である。図3において、電源供給を受けて動作する状態(アクティブ状態)を「ON」で表し、電源供給の制限(または停止)を受けて動作が停止する状態(非アクティブ状態)を「OFF」で表している。なお、スリープモードのときは、電源制御部106のうち主機能部100Aへの電源供給を制御する部分のみが非アクティブ状態となる。
【0029】
図4は、表示部114Dに表示されるスリープモード設定用画面500の一例を示す図である。メインプロセッサ101は、スリープモード設定処理を実行してこのスリープモード設定用画面500を生成し、表示部114Dに表示することができる。スリープモード設定用画面500は、スリープモードの「有効」または「無効」のいずれか一方を選択するためのラジオボタン501と、所望のスリープモード移行時間を操作入力するための入力ボックス502と、入力内容を設定し不揮発性メモリ(設定情報記憶部)101Mに保存するための決定ボタン503と、スリープモード設定処理をキャンセル(中止)するためのキャンセルボタン504とを含む。
【0030】
ユーザは、操作入力部114Mを操作してスリープモード設定用画面500の「有効」のラジオボタン501を選択し決定ボタン503を押すことで、スリープモードを有効にし、且つ、入力ボックス502に入力されたスリープモード移行時間(単位:分)を設定することができる。ユーザが決定ボタン503を押下してからスリープモード移行時間が経過すると、言い換えれば、現在時刻がスリープモード移行時間で指定された時刻に達すると、メインプロセッサ101は、プリンタ100を通常モードからスリープモードに移行させる。一方、ユーザは、操作入力部114Mを操作してスリープモード設定用画面500の「無効」のラジオボタン501を選択し決定ボタン503を押すことで、スリープモードは無効となり、スリープモード移行時間が経過しても、プリンタ100は通常モードからスリープモードへ移行しない。
【0031】
図5は、表示部114Dに表示される電子メール受信・印刷設定用画面600の一例を示す図である。メインプロセッサ101は、電子メール受信・印刷設定処理を実行してこの電子メール受信・印刷設定用画面600を表示部114Dに表示することができる。電子メール受信・印刷設定用画面600は、電子メール受信・印刷機能の「有効」または「無効」のいずれか一方を選択するためのラジオボタン601と、サーバ装置300(電子メールサーバ)のネットワーク・アドレス(メールサーバアドレス)を設定するための入力ボックス602と、サーバ装置300に登録されたユーザ識別子(ユーザID)を設定するための入力ボックス603と、サーバ装置300に登録された認証用パスワードを設定するための入力ボックス604と、電子メール受信間隔(電子メールの有無を問い合わせる時間間隔)を分単位で設定するための入力ボックス605とを含む。さらに、電子メール受信・印刷設定用画面600は、入力内容を設定し不揮発性メモリ101Mに保存するための決定ボタン606と、電子メール受信・印刷設定処理をキャンセル(中止)するためのキャンセルボタン607とを含む。
【0032】
ユーザは、操作入力部114Mを操作して電子メール受信・印刷設定用画面600の「有効」のラジオボタン501を選択し決定ボタン503を押すことで、入力ボックス602〜605への入力内容を設定して、後述する電子メール受信・印刷処理の機能を有効にすることができる。一方、ユーザは、操作入力部114Mを操作して電子メール受信・印刷設定用画面600の「無効」のラジオボタン501を選択し決定ボタン503を押すことで、後述する電子メール受信・印刷処理の機能を無効化することができる。
【0033】
図6は、図5の電子メール受信・印刷設定用画面600で設定された設定情報700のデータ構造の一例を示す図である。図6に示されるように、この設定情報700は、図5の電子メール受信・印刷設定用画面600で設定された「有効」または「無効」を示す値701と、メールサーバアドレス702と、サーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせる際に使用されるユーザID703と、認証用パスワード704と、電子メールの受信間隔705と、次にサーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせる時刻までの残り時間(単位:分)706とを含む。図6の設定情報700には、「有効」を示す値(「enable」の値)が設定されている。
【0034】
図7は、プリンタ100(またはネットワークI/F部108)に関するネットワーク設定情報800のデータ構造の一例を示す図である。図7に示されるように、ネットワーク設定情報800は、プリンタ100(またはネットワークI/F部108)に割り当てられたIPアドレス801と、サブネットマスク802と、プリンタ100(またはネットワークI/F部108)に固有のMAC(Media Access Control)アドレス803と、ゲートウェイアドレス804とを含む。
【0035】
上記構成を有するプリンタ100の動作を図8及び図9を参照しつつ以下に説明する。図8は、電子メール受信・印刷処理の手順を概略的に示すフローチャートであり、図9は、実施の形態1に係る画像形成システム1の処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【0036】
プリンタ100への電源投入後、プリンタ100は通常モードで動作する。ユーザが操作入力部114Mを操作してスリープモード設定指示を入力したとき、メインプロセッサ101は、このスリープモード設定指示に応じて、図4のスリープモード設定用画面500を生成し表示部114Dに表示させる。ユーザはこのスリープモード設定用画面500を通じて設定情報を入力する(図9のステップPS11)。次に、ユーザが操作入力部114Mを操作して電子メール受信・印刷設定指示を入力したとき、メインプロセッサ101は、この電子メール受信・印刷設定指示に応じて、図5の電子メール受信・印刷設定用画面600を生成し表示部114Dに表示させる。ユーザは、この電子メール受信・印刷設定用画面600を通じて設定情報を入力する(図9のステップPS12)。その後、スリープモード設定処理(図9のステップPS11)で設定されたスリープモード移行時間Tsが経過すると、図9に示されるように、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介して図7のネットワーク設定情報(Ncfg)をサブプロセッサ109に受け渡した後、プリンタ100を通常モードからスリープモードに移行させる。この結果、メインプロセッサ101は、非アクティブ状態となる(図9のステップPS13)。
【0037】
一方、サブプロセッサ109は、ネットワーク設定情報(Ncfg)を用いて、プロトコルスタックおよびネットワークI/F部108の初期化を行い、電子メール受信処理を開始する。
【0038】
まず、図8に示されるように、サブプロセッサ109は、サーバ装置300にアクセスする(ステップS101)。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してサーバ装置300との接続を確立する。その後、サブプロセッサ109は、サーバ装置300に自装置宛て(すなわち、プリンタ100の電子メールアドレス宛て)の電子メールの有無を問い合わせるコマンドを含む要求RQTをサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、サブプロセッサ109からの問い合わせ要求RQTに応じて、電子メールの有無を示す応答メッセージRESをサブプロセッサ109に送信する。サブプロセッサ109は、サーバ装置300からの応答メッセージRESの内容に基づいて、自装置宛て電子メールの有無を判断することができる。
【0039】
サーバ装置300に自装置宛て電子メールが保管されていない場合(ステップS102のNO)、サブプロセッサ109は、図8の処理を終了する。その後、電子メール受信間隔ΔTが経過すると、サブプロセッサ109は、再度、図8の処理を実行する。このように、サブプロセッサ109は、スリープモードの間、サーバ装置300に自装置宛て電子メールの有無を時間間隔ΔTで繰り返し問い合わせる。
【0040】
図9に示されるように、サーバ装置300が、PC200からプリンタ100宛て電子メール(E−mail(PRT))を送信し保管したとき、図8のステップS102で自装置宛て電子メールが保管されていることが確認される(図8のステップS102のYES)。このとき、サブプロセッサ109は、電源制御部106に対して起動コマンドを発行してメインプロセッサ101を起動させる(図8のステップS103、及び、図9のステップPS21,PS14)。具体的には、電源制御部106は、サブプロセッサ109からの起動コマンドに応じて、メインプロセッサ101を含む主機能部100Aへの電源供給を再開することでメインプロセッサ101を起動させる。そして、サブプロセッサ109は、プロセッサ間通信制御部107を介して印刷要求コマンドをメインプロセッサ101に送信する。その後、サブプロセッサ109は、切替制御部111を介して第1プログラム格納部112から通常モード用制御命令群をロードし実行する。
【0041】
アクティブ状態に遷移したメインプロセッサ101は、サブプロセッサ109からの印刷要求コマンドに応じて、ネットワーク設定情報(Ncfg)を用いてプロトコルスタックおよびネットワークI/F部108の初期化を行い、サーバ装置300にアクセスする(図8のステップS104)。具体的には、メインプロセッサ101は、ネットワークI/F部108を介してサーバ装置300との接続を確立し、サーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、サーバ装置300から電子メールリストを取得する。その後、メインプロセッサ101は、電子メールリストに従って、サーバ装置300に自装置宛て電子メールの受信要求RQTmを送信する。サーバ装置300は、この受信要求RQTmに応じて、指定された電子メール(E−mail(PRT))をプリンタ100に送信する。この結果、メインプロセッサ101は、サーバ装置300から自装置宛て電子メールを受信することができる(図8のステップS106)。
【0042】
次に、メインプロセッサ101は、受信した電子メールの添付ファイルを印刷させる(図8のステップS107)。具体的には、メインプロセッサ101は、画像処理部104を用いて、受信した電子メールの添付ファイルから印刷用画像データを生成する。そして、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介してサブプロセッサ109に印刷指令を発する。サブプロセッサ109は、この印刷指令に応じて、画像形成部105の動作を制御して、印刷用画像データに基づく画像を被記録媒体上に形成(印刷)させる(図9のステップPS22)。画像形成が完了すると、サブプロセッサ109は、プロセッサ間通信制御部107を介してメインプロセッサ101に完了通知を送信する。
【0043】
メインプロセッサ101は、電子メールリストに記述された電子メールの全てが受信され画像形成が完了するまで、図8のステップS105A,S105B間の手順(ステップS106〜S107)を繰り返し実行する。全ての電子メールについて画像形成が完了すると、図8の電子メール受信・印刷処理は終了する。
【0044】
その後、スリープモード移行時間Tsが経過すると、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介してネットワーク設定情報(Ncfg)をサブプロセッサ109に受け渡した後、プリンタ100を通常モードからスリープモードに移行させる。この結果、メインプロセッサ101は、非アクティブ状態となる(図9のステップPS15)。
【0045】
上記したように実施の形態1のプリンタ100は、スリープモードのときにメインプロセッサ101を含む主機能部100Aの動作を停止させ、サブプロセッサ109に電子メールの有無を確認させている(図8のステップS101,S102)。自装置宛ての電子メールの存在が確認されると(ステップS102のYES)、サブプロセッサ109は、メインプロセッサ101を起動させ、起動したメインプロセッサ101は、電子メールを取得し(ステップS106)、その添付ファイルの画像形成制御を行う(ステップS107)。したがって、電子メールシステムを利用した画像形成処理を、利便性を損なうことなく省電力で行うことができる。
【0046】
実施の形態2.
次に、本発明に係る実施の形態2について説明する。本実施の形態に係る画像形成システムは、上記実施の形態1のプリンタ100を用いて実現される。本実施の形態では、プリンタ100は、上記実施の形態1で説明した機能に加えて、電子メールシステムのクライアント端末(たとえばPC200)からの要求に応じて、自装置(すなわちプリンタ100)の現在の動作状態や設定状態などの現在状態を示すステータス情報を返信するステータス返信機能を有する。以下、実施の形態2に係るステータス返信機能について説明する。
【0047】
図10は、表示部114Dに表示されるステータス返信設定用画面1000の一例を示す図である。メインプロセッサ101は、ステータス返信設定処理を実行してこのステータス返信設定用画面1000を生成し、表示部114Dに表示させることができる。ステータス返信設定用画面1000は、ステータス返信機能の「有効」または「無効」のいずれか一方を選択するためのラジオボタン1001と、サーバ装置300(電子メールサーバ)のネットワーク・アドレス(メールサーバアドレス)を設定するための入力ボックス1002と、サーバ装置300に登録されたユーザ識別子(ユーザID)を設定するための入力ボックス1003と、サーバ装置300に登録された認証用パスワードを設定するための入力ボックス1004と、電子メール受信間隔(電子メールの有無を問い合わせる時間間隔)を分単位で設定するための入力ボックス1005とを含む。さらに、ステータス返信設定用画面1000は、入力内容を設定し不揮発性メモリ101Mに保存するための決定ボタン1006と、電子メール受信・印刷設定処理をキャンセル(中止)するためのキャンセルボタン1007とを含む。
【0048】
ユーザは、操作入力部114Mを操作してステータス返信設定用画面1000の「有効」のラジオボタン1001を選択し決定ボタン1006を押すことで、ステータス返信機能を有効にすることができる。一方、ユーザが操作入力部114Mを操作してステータス返信設定用画面1000の「無効」のラジオボタン1001を選択し決定ボタン10006を押すことで、ステータス返信機能は無効となる。
【0049】
図11は、図10のステータス返信設定用画面1000で設定された設定情報1100の一例を示す図である。図11に示されるように、この設定情報1000は、図10のステータス返信設定用画面1000で設定された「有効」または「無効」を示す値1101と、メールサーバアドレス1102と、サーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせる際に使用されるユーザID1103と、認証用パスワード1104と、電子メールの受信間隔1105と、次にサーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせる時刻までの残り時間(単位:分)1106とを含む。図11の設定情報1100には、「有効」を示す値(「enable」の値)が設定されている。
【0050】
図12は、ステータス情報1200の一例を示す図である。図12に示されるように、ステータス情報1200は、画像形成部105が4色トナー(たとえば、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナー)を使用する場合に、4色のトナーそれぞれの残量1201,1202,1203,1204をパーセンテージ単位で示すものである。なお、ステータス情報は、図12のものに限定されるものではない。たとえば、ステータス情報は、用紙切れなどの障害の有無を示す情報や、現在の設定情報を示す情報を含むものであってもよい。
【0051】
次に、図13〜図15を参照しつつ本実施の形態に係るステータス返信処理について説明する。図13及び図14は、ステータス返信処理の手順を概略的に示すフローチャートであり、図13は、ステータス返信処理のメインルーチンを示すフローチャートであり、図14は、図13の電子メール受信・印刷処理(ステップS210)の手順を概略的に示すフローチャートである。また、図15は、実施の形態2に係る画像形成システム1の処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【0052】
プリンタ100への電源投入後、プリンタ100は、通常モードで動作する。図15に示されるように、スリープモード設定処理(ステップPS31)が実行された後、ユーザが操作入力部114Mを操作してステータス返信設定指示を入力したとき、メインプロセッサ101は、このステータス返信設定指示に応じて、図10のステータス返信設定用画面1000を生成し、表示部114Dに表示させる。ユーザは、このステータス返信設定用画面1000を通じて設定情報を入力する(ステップPS32)。その後、スリープモード設定処理(ステップPS31)で設定されたスリープモード移行時間Tsが経過すると、図15に示されるように、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介して、図7のネットワーク設定情報(Ncfg)と図11のステータス返信設定情報(STinfo)とをサブプロセッサ109に受け渡した後、プリンタ100を通常モードからスリープモードに移行させる。この結果、メインプロセッサ101は、非アクティブ状態となる(ステップPS33)。
【0053】
サブプロセッサ109は、ネットワーク設定情報(Ncfg)を用いて、プロトコルスタックおよびネットワークI/F部108の初期化を行い、電子メール受信処理を開始する。
【0054】
まず、図13に示されるように、サブプロセッサ109は、サーバ装置300にアクセスする(ステップS201)。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してサーバ装置300との接続を確立する。その後、サブプロセッサ109は、サーバ装置300に自装置宛ての電子メールの有無を問い合わせるコマンドを含む要求RQTをサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、サブプロセッサ109からの問い合わせ要求RQTに応じて、電子メールの有無を示す応答メッセージRESをサブプロセッサ109に送信する。サブプロセッサ109は、サーバ装置300からの応答メッセージRESの内容に基づいて、自装置宛て電子メールの有無を判断することができる(ステップS202)。
【0055】
サーバ装置300に自装置宛て電子メールが保管されていない場合(ステップS202のNO)、サブプロセッサ109は、図13の処理を終了する。その後、電子メール受信間隔ΔTが経過すると、サブプロセッサ109は、再度、図13の処理を実行する。このように、サブプロセッサ109は、スリープモードの間、サーバ装置300に自装置宛て電子メールの有無を時間間隔ΔTで繰り返し問い合わせる。
【0056】
図15に示されるように、サーバ装置300が、PC200からプリンタ100宛て電子メール(E−mail(STreq))を送信し保管したとき、図13のステップS202で電子メールが保管されていることが確認される(ステップS202のYES、及び、図15のステップPS41)。このとき、サブプロセッサ109は、サーバ装置300にアクセスして電子メールを受信する(図13のステップS204)。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してサーバ装置300との接続を確立し、サーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、サーバ装置300から電子メールリストを取得する。その後、サブプロセッサ109は、電子メールリストに従って、サーバ装置300に自装置宛て電子メールの受信要求RQTmを送信する。サーバ装置300は、この受信要求RQTmに応じて、指定された電子メール(E−mail(STreq))をプリンタ100に送信する。この結果、サブプロセッサ109は、サーバ装置300から自装置宛て電子メールを受信することができる。
【0057】
次に、サブプロセッサ109は、受信した電子メールの本文を解析し(図13のステップS205)、その解析結果に基づいて電子メールがステータス要求の記述を含むか否かを判定する(ステップS206)。受信した電子メールがステータス要求ではない場合(ステップS206のNO)、サブプロセッサ109は、印刷フラグをONに、すなわち印刷フラグの値を真に設定し(ステップS209)、ステップS203Bの直前に処理を移行させる。
【0058】
一方、ステップS206で電子メールがステータス要求の記述を含むステータス要求メールであると判定したとき(図13のステップS206のYES、及び、図15のステップPS42)、サブプロセッサ109は、メインプロセッサ101を起動させずに、ステータス情報(STinfo)の記述を含む電子メール(E−mail(STinfo))を生成し、これをネットワークI/F部108を介してPC200宛てに送信する(図13のステップS207)。サーバ装置300は、その電子メール(E−mail(STinfo))を受信し、保管することとなる。
【0059】
その後、サブプロセッサ109は、当該ステータス要求メールを削除する(ステップS208)。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してサーバ装置300との接続を確立し、サーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、サーバ装置300から電子メールリストを取得する。その後、サブプロセッサ109は、電子メールリストに従って、サーバ装置300にステータス要求メールの削除要求RQTdを送信する。サーバ装置300は、この削除要求RQTdに応じて、指定されたステータス要求メール(E−mail(STreq))を削除する(図15のステップPS51)。その削除が完了すると、サーバ装置300は応答メッセージRESを返す。
【0060】
サブプロセッサ109は、電子メールリストに記述されたステータス要求メールの全てについてステータス情報を発信しステータス要求メールを削除するまで、ステップS203A,S203B間の手順(ステップS204〜S209)を繰り返し実行する。全ての電子メールについてステータス情報の発信及びステータス要求メールの削除が完了すると、サブプロセッサ109は、印刷フラグがONである否かを判定し(ステップS210)、印刷フラグがONでなければ(ステップS210のNO)、図13の処理を終了する。
【0061】
一方、印刷フラグがONであれば(ステップS210のYES)、図14の電子メール受信・印刷処理が実行される(ステップS211)。この電子メール受信・印刷処理の手順は、上記実施の形態1の電子メール受信・印刷処理(図8)の手順(ステップS103〜S105B)と同じである。受信した電子メールの添付ファイルの印刷が完了したとき、図13のメインルーチンに処理が戻り、ステータス返信処理は終了する。
【0062】
PC200は、サーバ装置300にアクセスして、サーバ装置300に保管されている返信メール(E−mail(STinfo))を取得することができる。ユーザは、返信メールの内容から、プリンタ100の現在状態を把握することができる。その現在状態に基づいて、たとえば、プリンタ100に対して印刷ジョブを発行するかどうかを決めることができる。
【0063】
上記したように実施の形態2のプリンタ100は、スリープモードで返信メール(E−mail(STinfo))を送信することができるので、ステータス返信処理を省電力で行うことができる。
【0064】
実施の形態3.
次に、本発明に係る実施の形態3について説明する。本実施の形態に係る画像形成システムは、上記実施の形態1のプリンタ100と、図16に示す構成を有するサーバ装置300とを有する。図16に示されるように、実施の形態3に係るサーバ装置300は、互いに連携して動作するメールサーバ300A,300Bと、ネットワーク・インタフェース部(ネットワークI/F部)330とを含む。メールサーバ300A,300Bは、ネットワークI/F部330を介して通信ネットワーク400と接続されている。
【0065】
一方のメールサーバ300Aは、図16に示されるように、電子メール送受信用のサーバ機能部311と、クライアント端末(たとえばPC200)から受信した電子メールを保管する記憶部312とを有する。他方のメールサーバ300Bも、電子メール送受信用のサーバ機能部321と、記憶部322とを有している。
【0066】
メールサーバ300Aのサーバ機能部311は、PC200などのクライアント端末との間並びにプリンタ100との間で、SSL/TLSあるいはS/MIMEといった暗号化通信プロトコルを用いた暗号化通信機能を有する。本実施の形態では、この暗号化通信機能を用いて、メールサーバ300AとPC200との間、並びに、メールサーバ300Aとプリンタ100との間で暗号化通信が行われる。一方、メールサーバ300BとPC200との間、並びに、メールサーバ300Bとプリンタ100との間では平文で通信が行われる。
【0067】
メールサーバ300Aは、さらに事前検査部313を有する。事前検査部313は、サーバ機能部311により受信された電子メールの添付ファイルが、プリンタ100で被記録媒体上に画像を形成させることができる形式を有するか否かを検査する機能を有している。その検査に基づいて電子メールの添付ファイルがプリンタ100で画像形成可能な形式を有すると判定した場合、事前検査部313は、当該電子メールのメッセージヘッダに関連付けた印刷指示の記述を含む電子メール(以下「印刷指示メール」と呼ぶ。)を生成し、この印刷指示メールをメールサーバ300Bの記憶部322に格納する機能を有する。メールサーバ300Bのサーバ機能部321は、外部のクライアント端末(たとえばプリンタ100)からの要求に応じて、記憶部322に保管されている印刷指示メールの有無を示すリスト情報と印刷指示メールのデータとを送信する。
【0068】
なお、メールサーバ300A,300Bを構成する機能ブロック群は、1台の実計算機または1台の仮想計算機に組み込まれてもよいし、あるいは、複数台の実計算機または複数台の仮想計算機に分散して組み込まれてもよい。
【0069】
プリンタ100は、上記メールサーバ300A,300Bを利用した電子メール受信・印刷処理を実行する機能を有する。以下、実施の形態3に係る電子メール受信・印刷処理について説明する。
【0070】
図17は、表示部114Dに表示される電子メール受信・印刷設定用画面610の一例を示す図である。メインプロセッサ101は、本実施の形態3に係る電子メール受信・印刷設定処理を実行して電子メール受信・印刷設定用画面610を表示部114Dに表示することができる。電子メール受信・印刷設定用画面610は、電子メール受信・印刷機能の「有効」または「無効」のいずれか一方を選択するためのラジオボタン611と、電子メール受信間隔(電子メールの有無を問い合わせる時間間隔)を分単位で設定するための入力ボックス612と、サーバ装置300(またはネットワークI/F部330)のネットワーク・アドレスを設定するための入力ボックス613と、メールサーバ300Aに登録されたユーザ識別子(ユーザID)を設定するための入力ボックス614と、メールサーバ300Aに登録された認証用パスワードを設定するための入力ボックス615と、メールサーバ300Bに登録されたユーザ識別子(ユーザID)を設定するための入力ボックス616と、メールサーバ300Bに登録された認証用パスワードを設定するための入力ボックス617とを含む。さらに、電子メール受信・印刷設定用画面610は、入力内容を設定し不揮発性メモリ101Mに保存するための決定ボタン618と、電子メール受信・印刷設定処理をキャンセル(中止)するためのキャンセルボタン619とを含む。
【0071】
ユーザは、操作入力部114Mを操作して電子メール受信・印刷設定用画面610の「有効」のラジオボタン611を選択し決定ボタン618を押すことで、入力ボックス612〜617への入力内容を設定して、後述する電子メール受信・印刷処理の機能を有効にすることができる。一方、ユーザは、操作入力部114Mを操作して電子メール受信・印刷設定用画面610の「無効」のラジオボタン611を選択し決定ボタン618を押すことで、後述する電子メール受信・印刷処理の機能を無効化することができる。
【0072】
図18は、図17の電子メール受信・印刷設定用画面610で設定された設定情報710の一例を示す図である。図18に示されるように、この設定情報710は、図17の電子メール受信・印刷設定用画面610で設定された「有効」または「無効」を示す値711と、電子メール受信間隔712と、次にメールサーバ300Bに電子メールの有無を問い合わせる時刻までの残り時間(単位:分)713と、サーバ装置300のネットワーク・アドレス(メールサーバアドレス)714と、メールサーバ300Aに電子メールの有無を問い合わせる際に使用されるユーザID715と、その認証用パスワード716と、メールサーバ300Bに電子メールの有無を問い合わせる際に使用されるユーザID717と、その認証用パスワード718とを含む。図18の設定情報710には、「有効」を示す値(「enable」の値)が設定されている。
【0073】
なお、メインプロセッサ101は、実施の形態1の場合と同様に、スリープモード設定用画面500(図4)の設定情報を不揮発性メモリ101Mに保存し利用する機能と、ネットワーク設定情報800(図7)を不揮発性メモリ101Mに保存し利用する機能とを有している。
【0074】
次に、図19〜図21を参照しつつ本実施の形態に係る処理について説明する。図19は、サーバ装置300におけるメールサーバ300Aによる事前検査処理の手順を概略的に示すフローチャートであり、図20は、プリンタ100におけるメインプロセッサ101によるスリープモードへの移行処理の手順を概略的に示すフローチャートである。また、図21は、実施の形態3に係る画像形成システム1の処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【0075】
ユーザは、PC200の送信用クライアント機能と暗号化通信機能とを利用して、画像形成可能な形式を有する添付ファイルを有する電子メールをプリンタ100宛てに送信することができる。図21に示されるように、メールサーバ300Aのサーバ機能部311がネットワークI/F部330を介して電子メール(E−mail(PRT))を受信すると(図19のステップS301)、事前検査部313は、電子メールの添付ファイルの拡張子がプリンタ100でサポートされた拡張子であるか否かを判定する(図19のステップS302)。図22は、この添付ファイルを有する電子メール1300の内容の一例を示す図である。この例では、添付ファイルは、RFC策定のMIME(Multipurpose Internet Mail Extension)規格に基づいて符号化された状態で電子メールに組み込まれている。
【0076】
添付ファイルの拡張子がプリンタ100でサポートされた拡張子であると判定したとき(図19のステップS302のYES)、事前検査部313は、その添付ファイルがプリンタ100で画像形成可能な形式を有すると判断して、印刷指示メール(E−mail(Pinst))を生成し(図19のステップS303及び図21のステップPS91)、印刷指示メールをメールサーバ300Bの記憶部322に格納する(ステップS305)。図23は、印刷指示メール1301の内容の一例を示す図である。この例では、印刷指示メール1301のヘッダが「Subject:ORDER」との記述を含み、印刷指示メール1301の本文が印刷指示を表す「ORDER:PRINT」との記述を含んでいる。その後、メールサーバ300Aのサーバ機能部311は、電子メール(E−mail(PRT))のデータを記憶部312に格納する(ステップS306)。
【0077】
一方、ステップS302で、事前検査部313が電子メールの添付ファイルの拡張子がプリンタ100でサポートされた拡張子ではないと判定したとき(ステップS302のNO)、メールサーバ300Aのサーバ機能部311はその添付ファイル付き電子メールを削除する(ステップS304)。以上で図19の事前検査処理は終了する。
【0078】
次に、図20のフローチャートを参照しつつ、プリンタ100におけるメインプロセッサ101によるスリープモードへの移行処理の手順を説明する。
【0079】
プリンタ100への電源投入後、プリンタ100は通常モードで動作する。ユーザが操作入力部114Mを操作してスリープモード設定指示を入力したとき、メインプロセッサ101は、このスリープモード設定指示に応じて、図4のスリープモード設定用画面500を生成し表示部114Dに表示させる。ユーザはこのスリープモード設定用画面500を通じて設定情報を入力する(図21のステップPS61)。次に、ユーザが操作入力部114Mを操作して電子メール受信・印刷設定指示を入力したとき、メインプロセッサ101は、この電子メール受信・印刷設定指示に応じて、図17の電子メール受信・印刷設定用画面610を生成し表示部114Dに表示させる。ユーザは、この電子メール受信・印刷設定用画面610を通じて設定情報を入力する(図21のステップPS62)。その後、スリープモード設定処理(図21のステップPS61)で設定されたスリープモード移行時間Tsが経過すると、メインプロセッサ101は、図20のスリープモード移行処理を開始する。
【0080】
まず、メインプロセッサ101は、メールサーバ300Bにアクセスして、このメールサーバ300Bに保管されている印刷指示メールの全てを削除する(ステップS402)。具体的には、メインプロセッサ101は、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Bとの接続を確立し、メールサーバ300Bに電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、メールサーバ300Bから電子メールリストを平文で取得する。その後、メインプロセッサ101は、取得した電子メールリストに従って、メールサーバ300Bに印刷指示メールの削除要求RQTdを送信する。メールサーバ300Bは、この削除要求RQTdに応じて、指定された印刷指示メール(E−mail(Pinst))を記憶部322から削除する(図21のステップPS81)。その削除が完了すると、メールサーバ300Bは応答メッセージRESを返す。
【0081】
次に、メインプロセッサ101は、メールサーバ300Aから電子メールを受信する(図20のステップS404)。具体的には、メインプロセッサ101は、暗号化通信機能を用いて、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Aとの接続を確立し、メールサーバ300Aに電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、メールサーバ300Aから電子メールリストを取得する。その後、メインプロセッサ101は、取得した電子メールリストに従って、メールサーバ300Aに自装置宛て電子メールの受信要求RQTmを送信する。メールサーバ300Aは、この受信要求RQTmに応じて、指定された電子メール(E−mail(PRT))をプリンタ100に送信する。この結果、メインプロセッサ101は、メールサーバ300Aから自装置宛て電子メールを受信することができる(図20のステップS404)。
【0082】
次に、メインプロセッサ101は、受信した電子メールの添付ファイルを印刷させる(図20のステップS405)。具体的には、メインプロセッサ101は、画像処理部104を用いて、受信した電子メールの添付ファイルから印刷用画像データを生成する。そして、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介してサブプロセッサ109に印刷指令を発する。サブプロセッサ109は、この印刷指令に応じて、画像形成部105の動作を制御して、印刷用画像データを被記録媒体上に形成(印刷)させる(図21のステップPS71)。画像形成が完了すると、サブプロセッサ109は、プロセッサ間通信制御部107を介してメインプロセッサ101に完了通知を送信する。
【0083】
メインプロセッサ101は、電子メールリストに記述された電子メールの全てが受信され画像形成が完了するまで、図20のステップS403A,S403B間の手順(ステップS404〜S405)を繰り返し実行する。全ての電子メールについて画像形成が完了すると、ステップS406が実行される。
【0084】
ステップS406では、図21に示されるように、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介して図7のネットワーク設定情報(Ncfg)をサブプロセッサ109に受け渡した後、プリンタ100を通常モードからスリープモードに移行させる。この結果、メインプロセッサ101は、非アクティブ状態となる(図21のステップPS63)。以上で、図20の処理は終了する。その後のスリープモードの間、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bに自装置宛て電子メールの有無を時間間隔ΔTで繰り返し問い合わせる。
【0085】
次に、図24、図25及び図26を参照しつつ、プリンタ100がスリープモードへ移行した後の画像形成システム1の動作を以下に説明する。図24及び図25は、実施の形態3に係るプリンタ100の処理手順を概略的に示すフローチャートである。図26は、実施の形態3に係る画像形成システム1の処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。プリンタ100がスリープモードへ移行した後は、サブプロセッサ109は、図24の処理を繰り返し実行する。
【0086】
まず、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bにアクセスして、メールサーバ300Bに自装置宛て電子メールの有無を問い合わせる(ステップS501)。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Bとの接続を確立する。その後、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bに自装置宛ての電子メールの有無を問い合わせるコマンドを含む要求RQTをメールサーバ300Bに送信する。メールサーバ300Bは、サブプロセッサ109からの問い合わせ要求RQTに応じて、電子メールの有無を示す応答メッセージRESをサブプロセッサ109に送信する。サブプロセッサ109は、サーバ装置300からの応答メッセージRESの内容に基づいて、自装置宛て電子メールの有無を判断することができる(図24のステップS502)。
【0087】
メールサーバ300Aがプリンタ100宛て印刷指示メール(E−mail(Pinst))を生成し(図26のステップPS92)、メールサーバ300Bに保管したとき、ステップS502で電子メールが保管されていることが確認される(図24のステップS502のYES、及び、図26のステップPS72)。このとき、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bにアクセスして電子メールを受信する(図24のステップS504)。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Bとの接続を確立し、メールサーバ300Bに電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、メールサーバ300Bから電子メールリストを取得する。その後、図26に示されるように、サブプロセッサ109は、電子メールリストに従って、メールサーバ300Bに自装置宛て電子メールの受信要求RQTmを送信する。メールサーバ300Bは、この受信要求RQTmに応じて、指定された電子メール(E−mail(Pinst))をプリンタ100に送信する。この結果、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bから自装置宛て電子メールを受信することができる。
【0088】
次に、サブプロセッサ109は、受信された電子メールの記述内容に印刷指示情報があるか否かを判定する(図24のステップS505)。印刷指示情報がない場合(ステップS505のNO)、サブプロセッサ109は、ステップS507に処理を移行させる。一方、印刷指示情報がある場合(ステップS505のYES)、サブプロセッサ109は、印刷指示フラグをONに、すなわち印刷指示フラグの値を真に設定して(ステップS506、及び、図26のステップSPS73)、ステップS507に処理を移行させる。
【0089】
ステップS507では、サブプロセッサ109は、当該電子メールを削除する。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Bとの接続を確立し、メールサーバ300Bに電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、メールサーバ300Bから電子メールリストを取得する。その後、サブプロセッサ109は、電子メールリストに従って、図26に例示されるようにメールサーバ300Bに当該電子メールの削除要求RQTdを送信する。メールサーバ300Bは、この削除要求RQTdに応じて、指定された電子メールを削除する(図26のステップPS82)。その削除が完了すると、メールサーバ300Bは応答メッセージRESを返す。
【0090】
サブプロセッサ109は、電子メールリストに記述された電子メールの全てについて、ステップS503A,S503B間の手順(ステップS504〜S507)を繰り返し実行する。全ての電子メールの削除が完了すると、サブプロセッサ109はステップS508に処理を移行させる。
【0091】
ステップS508では、サブプロセッサ109は、印刷指示フラグがONであるか否かを判定し、印刷指示フラグがONでなければ(ステップS508のNO)、図24の処理を終了させる。一方、印刷指示フラグがONであれば(ステップS508のYES)、サブプロセッサ109は、電源制御部106に対して起動コマンドを発行してメインプロセッサ101を起動させる(ステップS509、及び、図26のステップPS74,PS75,PS64)。具体的には、電源制御部106は、サブプロセッサ109からの起動コマンドに応じて、メインプロセッサ101を含む主機能部100Aへの電源供給を再開することでメインプロセッサ101を起動させる。そして、サブプロセッサ109は、プロセッサ間通信制御部107を介して印刷要求コマンドをメインプロセッサ101に送信する(図24のステップS509)。その後、サブプロセッサ109は、切替制御部111を介して第1プログラム格納部112から通常モード用制御命令群をロードし実行する。
【0092】
アクティブ状態に遷移したメインプロセッサ101は、図25の電子メール受信・印刷処理を実行する(ステップS510)。すなわち、メインプロセッサ101は、サブプロセッサ109からの印刷要求コマンドに応じて、ネットワーク設定情報(Ncfg)を用いてプロトコルスタックおよびネットワークI/F部108の初期化を行い、メールサーバ300Aにアクセスする(図25のステップS601)。具体的には、メインプロセッサ101は、暗号化通信機能を用いて、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Aとの接続を確立し、メールサーバ300Aに電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、メールサーバ300Aから電子メールリストを取得する。その後、メインプロセッサ101は、電子メールリストに従って、メールサーバ300Aに自装置宛て電子メールの受信要求RQTmを送信する。メールサーバ300Aは、この受信要求RQTmに応じて、指定された電子メールをプリンタ100に送信する。この結果、メインプロセッサ101は、サーバ装置300から自装置宛て電子メールを受信することができる(図25のステップS604)。
【0093】
次に、メインプロセッサ101は、受信した電子メールの添付ファイルが画像形成可能(印刷可能)な形式を有しているか否かを判定し(ステップS605)、添付ファイルが画像形成可能な形式を有していれば(ステップS605のYES)、添付ファイルを印刷させる(ステップS606)。具体的には、メインプロセッサ101は、画像処理部104を用いて、受信した電子メールの添付ファイルから印刷用画像データを生成する。そして、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介してサブプロセッサ109に印刷指令を発する。サブプロセッサ109は、この印刷指令に応じて、画像形成部105の動作を制御して、印刷用画像データを被記録媒体上に形成(印刷)させる(図26のステップPS76)。画像形成が完了すると、サブプロセッサ109は、プロセッサ間通信制御部107を介してメインプロセッサ101に完了通知を送信する。
【0094】
メインプロセッサ101は、電子メールリストに記述された電子メールの全てが受信され画像形成が完了するまで、ステップS603A,S603B間の手順(ステップS604〜S606)を繰り返し実行する。全ての電子メールについて画像形成が完了すると、メインプロセッサ101は、図24のメインルーチンへ処理を戻し、図24の処理を終了する。
【0095】
上記したように、実施の形態3に係るサーバ装置300は事前検査部313を有し、この事前検査部313が、電子メールの添付ファイルが被記録媒体上に画像を形成させることができる形式を有する場合に印刷指示メールを生成しこれをメールサーバ300Bに格納する。よって、プリンタ100では、サブプロセッサ109がメールサーバ300Bに印刷指示メールの有無を問い合わせて印刷指示メールの存在を確認したときにのみ、メインプロセッサ101が起動してメールサーバ300Aから電子メールのデータを取得し(図24のステップS508のYES及びステップS509)、その添付ファイルに基づいて被記録媒体上に画像を形成することができる(図24のステップS510)。よって、メールサーバ300Aに保管されている電子メールの添付ファイルが画像形成可能な形式を有していない場合にはメインプロセッサ101は起動されない。したがって、上記実施の形態1と比べると、電子メールシステムを利用した画像形成処理を、さらなる省電力で行うことができる。
【0096】
また、メインプロセッサ101は、プリンタ100を通常モードからスリープモードへ移行させる直前に、メールサーバ300Bに保管されている印刷指示メールの全てを削除するとともに、メールサーバ300Aから電子メールを取得し、この電子メールの添付ファイルに基づいて被記録媒体上に画像を形成することができる。このため、プリンタ100がスリープモードに移行した直後にメインプロセッサ101が起動して画像形成のための電力を消費することを回避することができる。
【0097】
さらに、サブプロセッサ109とサーバ装置300との通信は平文で行われるので、サブプロセッサ109の処理負荷は小さく、スリープモード時のプリンタ100の消費電力が低くなるという利点がある。なお、プリンタ100の消費電力を低減させるために、サブプロセッサ109のスリープモード時の動作クロック数を通常モード時のそれよりも低くすることが好ましい。
【0098】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態に係る画像形成システムは、上記実施の形態3のプリンタ100、メールサーバ300A及びメールサーバ300Bの機能を用いて実現される。本実施の形態では、プリンタ100は、上記実施の形態3で説明した機能に加えて、電子メールシステムのクライアント端末(たとえばPC200)からの要求に応じて、自装置(すなわちプリンタ100)の現在の動作状態や設定状態などの現在状態を示すステータス情報を返信するステータス返信機能を有する。以下、実施の形態4に係るステータス返信機能について説明する。
【0099】
図27は、表示部114Dに表示される電子メール受信・印刷設定用画面1400の一例を示す図である。メインプロセッサ101は、本実施の形態4に係る電子メール受信・印刷設定処理を実行して電子メール受信・印刷設定用画面1400を表示部114Dに表示することができる。電子メール受信・印刷設定用画面1400は、上記した図17の電子メール受信・印刷設定用画面610と同様の設定項目611〜617,618,619を有し、さらに、電子メール送信用のサーバアドレスを設定するための入力ボックス1401を有する。
【0100】
図28は、図27の電子メール受信・印刷設定用画面1400で設定された設定情報1500の一例を示す図である。図28に示されるように、この設定情報1500は、図18の設定情報710と同様に、「有効」または「無効」を示す値711と、電子メール受信間隔712と、残り時間(単位:分)713と、メールサーバアドレス714と、メールサーバ300Aに対するユーザID715及びその認証用パスワード716と、メールサーバ300Bに対するユーザID717及びその認証用パスワード718とを含み、さらに、図27の入力ボックス1401に入力された電子メール送信用のサーバアドレス1501を含む。
【0101】
メインプロセッサ101は、プリンタ100を通常モードからスリープモードへ移行させる際に、プロセッサ間通信制御部107を介して、図7のネットワーク設定情報(Ncfg)に加えて、電子メール送信用のサーバアドレス1501をサブプロセッサ109に受け渡した後、プリンタ100を通常モードからスリープモードに移行させる。
【0102】
なお、メインプロセッサ101は、実施の形態1の場合と同様に、スリープモード設定用画面500(図4)を通じてその設定情報を不揮発性メモリ101Mに保存し利用する機能と、ネットワーク設定情報800(図7)を不揮発性メモリ101Mに保存し利用する機能とを有している。
【0103】
次に、図29及び図30を参照しつつ、実施の形態4に係る画像形成システム1の動作を以下に説明する。図29は、実施の形態4に係るプリンタ100の処理手順を概略的に示すフローチャートである。図29のフローチャートの手順は、ステップS701〜S703を除いて、図24のフローチャートの手順と同じである。また、図30は、スリープモードにおける実施の形態4に係る画像形成システム1の処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【0104】
上記実施の形態3の場合と同様に、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bにアクセスして、メールサーバ300Bに自装置宛て電子メールの有無を問い合わせ(ステップS501)、その後、ステップS504,S505を順次実行する。ステップS505で、受信された電子メールの記述内容に印刷指示情報があると判定されたとき(ステップS505のYES)、上記実施の形態3の場合と同様の処理が実行される。
【0105】
一方、ステップS505で、受信された電子メールの記述内容に印刷指示情報がないと判定されたとき(ステップS505のNO)、サブプロセッサ109は、受信した電子メールの本文を解析し、その解析結果に基づいて電子メールがステータス要求の記述を含むか否かを判定する(ステップS701)。受信した電子メールがステータス要求の記述を含まない場合(ステップS701のNO)、上記ステップS507が実行される。
【0106】
受信した電子メールがステータス要求の記述を含むステータス要求メール(E−mail(STreq))である場合(ステップS701のYES、及び、図30のステップSPS78)、サブプロセッサ109は、メインプロセッサ101を起動させずに、ステータス情報(STinfo)の記述を含む電子メール(E−mail(STinfo))を生成し(ステップS702)、ネットワークI/F部108を介してPC200宛てに送信する(ステップS703)。メールサーバ300Bは、その電子メール(E−mail(STinfo))を受信し、保管することとなる。
【0107】
図31は、ステータス要求メール1600の内容の一例を示す図である。この例では、メール本文がステータス要求を表す「ORDER:STATUS」との記述を含む。図32は、ステータス情報(STinfo)の記述を含む電子メールの内容の一例を示す図である。この例では、メール本文が、プリンタ100がスリープモードにあること示す「STATUS:SLEEP MODE」との記述を含む。
【0108】
その後、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bから電子メール(E−mail(STinfo))を削除する(ステップS507)。具体的には、図30に例示されるように、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Bとの接続を確立し、その後、メールサーバ300Bにステータス要求メールの削除要求RQTdを送信する。メールサーバ300Bは、この削除要求RQTdに応じて、指定されたステータス要求メール(E−mail(STreq))を削除する(図30のステップPS83)。その削除が完了すると、サーバ装置300は応答メッセージRESを返す。
【0109】
PC200は、メールサーバ300Bにアクセスして、メールサーバ300Bに保管されている返信メール(E−mail(STinfo))を取得することができる。ユーザは、返信メールの内容から、プリンタ100の現在状態を把握することができる。その現在状態に基づいて、たとえば、プリンタ100に対して印刷ジョブを発行するかどうかを決めることができる。プリンタ100は、スリープモードで返信メール(E−mail(STinfo))を送信することができるので、ステータス返信処理を省電力で行うことができる。
【0110】
実施の形態1〜4の変形例.
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。たとえば、多機能周辺装置(MFP:Multifunction Peripheral or Multifunction Printer)、複写機、ファクシミリ機器といった印刷機能を有する装置にも、上記プリンタ100の構成を適用することができる。
【符号の説明】
【0111】
1 画像形成システム、 100 プリンタ(画像形成装置)、 100A 主機能部、 101 メインプロセッサ、 102,110 RAM(Random Access Memory)、 103 ROM(Read Only Memory)、 104 画像処理部、 105 画像形成部、 106 電源制御部、 107 プロセッサ間通信制御部、 108 ネットワーク・インタフェース部(ネットワークI/F部)、 109 サブプロセッサ、 111 切替制御部、 112 第1プログラム格納部、 113 第2プログラム格納部、 114D 表示部、 114M 操作入力部、 200 パーソナル・コンピュータ(PC)、 300 サーバ装置、 300A,300B メールサーバ、 311,321 サーバ機能部、 312,322 記憶部、 313 事前検査部、 330 ネットワーク・インタフェース部(ネットワークI/F部)、 400 通信ネットワーク。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールシステムを利用して送信された電子ファイルに基づいて被記録媒体上に画像を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IP(Internet Protocol)通信網を介したファクシミリ通信が普及しつつある。この種のファクシミリ通信の1つが、電子メールシステムを利用するものである。具体的には、送信端末は、TIFF(Tag Image File Format)形式やPDF(Portable Document Format)形式の電子ファイルが添付された電子メールを印刷機能を有する受信端末に宛てて送信する。受信端末は、電子メールサーバを介して送信端末から電子メールを受信し、この電子メールの添付ファイルに基づいて被印刷媒体に画像を形成(印刷)する。近年のデジタル複合機の中には、スキャナ機能、印刷機能及びコピー機能の他に、前述の電子メールシステムを利用したファクシミリ通信機能を有するものも存在する(たとえば、特許文献1:特開2006−262096号公報)。
【0003】
電子メールシステムを利用したファクシミリ通信では、電子メールサーバに対して、添付ファイルを有する電子メールの有無を問い合わせるためのコマンドを発行する必要がある。コマンドの発行周期が短いほど利便性は向上するが、コマンドを頻繁に発行すると、電子メールサーバに対するコマンドの送信処理と、当該コマンドに対する電子メールサーバからの応答メッセージの受信処理とが頻繁に行われて受信端末の消費電力が増大する。このような消費電力の増大を抑制するために、特許文献1のデジタル複合機は、ユーザの操作に応じて全ての機能を即座に動作させることができるスタンバイモードと、操作パネルなどの幾つかの機能を停止もしくは制限する省電力モードという2種類の動作モードを有している。このデジタル複合機は、電子メールサーバに対する電子メールの有無の問い合わせを省電力モードで実行することで、消費電力の低減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−262096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の省電力モードは、操作パネルなどの幾つかの機能を停止もしくは制限するものに過ぎず、省電力効果が十分とはいえない。
【0006】
上記に鑑みて本発明の目的は、電子メールの添付ファイルに基づいて被記録媒体上に画像を形成する機能を有する場合でも、高い省電力効果を発揮することができる画像形成装置及び画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様による画像形成装置は、通常モード及びスリープモードを動作モードとして有する画像形成装置であって、通信ネットワークに接続された電子メールサーバとの間で通信可能なネットワーク・インタフェース部と、前記通常モードで自装置の全体動作を制御し、前記スリープモードで動作しない主制御部と、前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバに対し自装置宛ての電子メールの有無の問い合わせを実行する副制御部と、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、を備え、前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記電子メールサーバ内に自装置宛ての電子メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させて自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させ、前記主制御部は、起動して自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させた後に、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバから前記電子メールを取得し、前記画像形成部は、前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の態様による画像形成システムは、通信ネットワークに接続された電子メールサーバと、前記画像形成装置とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の態様による画像形成システムは、通信ネットワークに接続された第1及び第2の電子メールサーバと、通常モード及びスリープモードを動作モードとして有し、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、を備え、前記第1の電子メールサーバは、通信ネットワークに接続されたクライアント端末から前記画像形成装置に宛てて送信された電子メールを受信して保管するサーバ機能部と、前記サーバ機能部に保管されている前記電子メールの添付ファイルが被記録媒体上に画像を形成させことができる形式を有する場合に、印刷指示情報の記述を含む印刷指示メールを前記第2の電子メールサーバに格納する事前検査部と、を含み、前記画像形成装置は、前記通信ネットワークを介して前記第1及び第2の電子メールサーバとの間で通信可能なネットワーク・インタフェース部と、前記通常モードで自装置の全体動作を制御し、前記スリープモードで動作しない主制御部と、前記通常モードで前記主制御部への電源供給を行い、前記スリープモードでは前記主制御部への電源供給を制限して前記主制御部の動作を停止させる電源制御部と、前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記第2の電子メールサーバに対し自装置宛ての当該印刷指示メールの有無の問い合わせを実行する副制御部と、を含み、前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記第2の電子メールサーバ内に自装置宛ての当該印刷指示メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させて自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させ、前記主制御部は、起動して自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させた後に、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記第1の電子メールサーバから前記電子メールを取得し、前記画像形成部は、前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成することを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の態様による画像形成システムは、通信ネットワークに接続された電子メールサーバと、通常モード及びスリープモードを動作モードとして有し、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、を備え、前記電子メールサーバは、前記通信ネットワークに接続されたクライアント端末から前記画像形成装置に宛てて送信されたステータス要求の記述を含む電子メールをステータス要求メールとして受信して保管し、前記画像形成装置は、前記通信ネットワークを介して前記電子メールサーバとの間で通信可能なネットワーク・インタフェース部と、前記通常モードで自装置の全体動作を制御し、前記スリープモードで動作しない主制御部と、前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバに対し自装置宛ての電子メールの有無の問い合わせを実行する副制御部と、を含み、前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記電子メールサーバ内に前記ステータス要求メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させずに、前記画像形成部の現在状態を示すステータス情報の記述を含む電子メールを前記クライアント端末に宛てて返信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子メールの添付ファイルに基づいて被記録媒体上に画像を形成する処理を利便性を損なうことなく省電力で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1の画像処理システムの構成の一例を概略的に示す図である。
【図2】実施の形態1のプリンタの構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【図3】実施の形態1のプリンタの各機能ブロックの通常モードでの動作状態と、スリープモードでの動作状態とを一覧形式で示す図である。
【図4】実施の形態1に係るスリープモード設定用画面の一例を示す図である。
【図5】実施の形態1に係る電子メール受信・印刷設定用画面の一例を示す図である。
【図6】図5の電子メール受信・印刷設定用画面で設定された設定情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図7】プリンタに関するネットワーク設定情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図8】実施の形態1に係る電子メール受信・印刷処理の手順を概略的に示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1の画像形成システムの処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係るステータス返信設定用画面の一例を示す図である。
【図11】図10のステータス返信設定用画面で設定された設定情報の一例を示す図である。
【図12】実施の形態2に係るステータス情報の一例を示す図である。
【図13】実施の形態2に係るステータス返信処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図14】図13の電子メール受信・印刷処理(ステップS210)の手順を概略的に示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2に係る画像形成システムの処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【図16】本発明の実施の形態3に係るサーバ装置の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【図17】実施の形態3に係る電子メール受信・印刷設定用画面の一例を示す図である。
【図18】図17の電子メール受信・印刷設定用画面で設定された設定情報の一例を示す図である。
【図19】実施の形態3に係るサーバ装置におけるメールサーバによる事前検査処理の手順を概略的に示すフローチャートである。
【図20】実施の形態3に係るプリンタにおけるメインプロセッサによるスリープモードへの移行処理の手順を概略的に示すフローチャートである。
【図21】実施の形態3に係る画像形成システムの処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【図22】添付ファイルを有する電子メールの内容の一例を示す図である。
【図23】印刷指示メールの内容の一例を示す図である。
【図24】実施の形態3に係るプリンタの処理手順(メインルーチン)を概略的に示すフローチャートである。
【図25】実施の形態3に係るプリンタの処理手順(サブルーチン)を概略的に示すフローチャートである。
【図26】実施の形態3に係る画像形成システムの処理シーケンスの他の例を概略的に示す図である。
【図27】本発明の実施の形態4に係る電子メール受信・印刷設定用画面の一例を示す図である。
【図28】図27の電子メール受信・印刷設定用画面で設定された設定情報1500の一例を示す図である。
【図29】実施の形態4に係るプリンタの処理手順を概略的に示すフローチャートである。
【図30】スリープモードにおける実施の形態4に係る画像形成システムの処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【図31】ステータス要求メールの内容の一例を示す図である。
【図32】ステータス情報(STinfo)の記述を含む電子メールの内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る実施の形態の画像処理システム1の構成の一例を概略的に示す図である。図1に示されるように、この画像処理システム1は、いずれも通信ネットワーク400に接続されたプリンタ(画像形成装置)100、パーソナル・コンピュータ(PC)200及びサーバ装置300を含む。通信ネットワーク400としては、たとえば、LAN(Local Area Network)や広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)が挙げられる。プリンタ100、PC200及びサーバ装置300はいずれも、通信ネットワーク400を介して他の機器と通信可能なネットワーク・インタフェース機能を有する。
【0015】
サーバ装置300は、たとえば、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)やPOP3(Post Office Protocol − Version 3)といったIETF(Internet Engineering Task Force)策定のプロトコルに従った電子メール送受信用のサーバ機能を有する。なお、本実施の形態では、サーバ装置300は、送信用サーバ機能と受信用サーバ機能の双方を有するが、これに限定されるものではない。通信ネットワーク400に接続された別々の通信機器にそれぞれ送信用サーバ機能と受信用サーバ機能とが構成されていてもよい。
【0016】
PC200は、サーバ装置300を利用してプリンタ100宛てに(すなわち、プリンタ100の電子メールアドレスを宛先とする)電子メールを送信する送信用クライアント機能と、PC200宛てに届いた電子メールのデータをサーバ装置300から受信する受信用クライアント機能とを有する。
【0017】
サーバ装置300とPC200との間は、秘密鍵暗号方式や公開鍵暗号方式を利用した暗号化通信や、電子署名や電子証明書を利用した通信を行うことができる。たとえば、公知のSSL(Secure Sockets Layer)/TLS(Transport Layer Security)あるいはS/MIME(Secure MIME)といった暗号通信プロトコルを用いた暗号化通信を行うことができる。サーバ装置300とプリンタ100との間の通信も同様である。
【0018】
ユーザは、PC200の送信用クライアント機能を利用して、電子ファイルが添付された電子メールをプリンタ100宛てに送信することができる。後述するように、プリンタ100は、サーバ装置300からその電子メールのデータを受信し、その電子メールの添付ファイルに基づいて紙などの被記録媒体上に画像を形成する機能を有する。
【0019】
また、ユーザは、PC200の送信用クライアント機能を利用して、プリンタ100の現在状態(たとえば、現在の設定状態や動作状態)を問い合わせる電子メールをプリンタ100宛てに(すなわち、プリンタ100の電子メールアドレスを宛先として)送信することができる。後述するように、プリンタ100は、その電子メールに応じて、自装置(プリンタ100)の現在状態の記述を含む電子メールをPC200宛てに返信する機能を有する。これにより、PC200のユーザは、返信された電子メールの記述内容から、プリンタ100が正常に動作しているかどうか、あるいは、プリンタ100において用紙切れやトナー切れなどの障害が発生しているかどうかを簡易に確認することができる。
【0020】
図2は、プリンタ100の構成を概略的に示す機能ブロック図である。プリンタ100は、2種類の動作モード、すなわち通常モードとスリープモードとを有している。本実施の形態では、プリンタ100はページプリンタとして使用される。図2に示されるように、プリンタ100は、メインプロセッサ101を含む主機能部100Aと、サブプロセッサ109とを有する。プリンタ100は、主機能部100Aの構成要素として、通常モードでプリンタ100の全体動作を制御するメインプロセッサ101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、画像データに対する画像処理を行う画像処理部104と、紙媒体などの被記録媒体上に画像を形成(印刷)する画像形成部105と、表示部114Dと、操作入力部114Mとを備える。なお、本発明に係る「主制御部」は、たとえば、メインプロセッサ101、RAM102及びROM103によって構成することができ、また、本発明に係る「副制御部」は、たとえば、サブプロセッサ109及びRAM110によって構成することができる。
【0021】
RAM102は、メインプロセッサ101によるデータ処理及び制御処理に使用される作業用メモリである。ROM103には、データ処理及び制御処理を実行するための命令群が格納されている。メインプロセッサ101は、ROM103から命令群を読み出し実行することでデータ処理及び制御処理を実行することができる。また、画像処理部104は、メインプロセッサ101からの指令に従って、入力データに対して、たとえば圧縮/伸張処理や色変換やディザ処理といった画像処理を実行することにより入力データを印刷可能な形式の画像データに変換する機能を有する。
【0022】
表示部114Dは、LCD(Liquid Crystal Display)などの小型表示装置を有しており、メインプロセッサ101は、たとえば、プリンタ100の動作状況を示す情報あるいは条件設定用の情報を表示部114Dに表示させることができる。操作入力部114Mは、この表示部114Dの表示画面近傍に配置された接触型入力装置(タッチパネル)である。ユーザが表示部114Dの表示画面に指先や指示具を接触させると、操作入力部114Mは、その接触位置の座標情報またはこれに対応する情報をメインプロセッサ101に出力する機能を有する。メインプロセッサ101は、操作入力部114Mに入力された情報に応じたデータ処理や制御処理を行う。
【0023】
プロセッサ間通信制御部107は、メインプロセッサ101とサブプロセッサ109との間のコマンドやデータの送受信を制御する回路である。
【0024】
サブプロセッサ109は、メインプロセッサ101よりも低い消費電力で動作し、画像形成部105、電源制御部106及びネットワークI/F部108の動作を制御する機能を有する。RAM110は、サブプロセッサ109による制御処理に使用される作業用メモリである。プリンタ100が通常モードで動作するとき、サブプロセッサ109は、メインプロセッサ101からの指令に従って画像形成部105及び電源制御部106の動作を制御するが、ネットワークI/F部108の動作はメインプロセッサ101によって制御される。一方、プリンタ100がスリープモードで動作するとき、メインプロセッサ101を含む主機能部100Aの動作は停止する。このときに、サブプロセッサ109はネットワークI/F部108の動作を制御することとなる。
【0025】
第1プログラム格納部112及び第2プログラム格納部113は、サブプロセッサ109で実行される制御命令群を格納するメモリである。第1プログラム格納部112には、通常モードで実行される制御命令群が格納されており、第2プログラム格納部113には、スリープモードで実行される制御命令群が格納されている。第2プログラム格納部113に格納される制御命令群には、ネットワークI/F部108の動作制御のための命令群や、通信ネットワーク400を介して他の機器との間で通信を実行するためのプロトコルスタックが含まれている。切替制御部111は、図示されない制御線を介してメインプロセッサ101から供給された切替制御指令に応じて、第1プログラム格納部112及び第2プログラム格納部113のうちのいずれか一方から制御命令群を読み出し、サブプロセッサ109に供給することができる。
【0026】
画像形成部105は、サブプロセッサ109の制御を受けて通常モードで動作し、印刷可能な形式の画像データに基づいて被記録媒体上に画像を形成(印刷)する機能を有する。画像形成部105は、たとえば、電子写真方式による画像形成プロセスを行う構成を有することができる。
【0027】
電源制御部106は、プリンタ100全体の構成要素への電源供給を制御する電源回路である。電源制御部106は、サブプロセッサ109またはメインプロセッサ101からの指令に応じて、図2に示される電源ライン106a〜106dを通じて、主機能部100Aの構成要素101,102,103,104,105,107への電源供給を個別に制御する。電源制御部106は通常モードでは主機能部100Aへの電源供給を行い、スリープモードでは主機能部100Aへの電源供給を制限して主機能部100Aの構成要素101,102,103,104,105,107の動作を停止させる。
【0028】
図3は、プリンタ100の各機能ブロックの通常モードでの動作状態と、スリープモードでの動作状態とを一覧形式で示す図である。図3において、電源供給を受けて動作する状態(アクティブ状態)を「ON」で表し、電源供給の制限(または停止)を受けて動作が停止する状態(非アクティブ状態)を「OFF」で表している。なお、スリープモードのときは、電源制御部106のうち主機能部100Aへの電源供給を制御する部分のみが非アクティブ状態となる。
【0029】
図4は、表示部114Dに表示されるスリープモード設定用画面500の一例を示す図である。メインプロセッサ101は、スリープモード設定処理を実行してこのスリープモード設定用画面500を生成し、表示部114Dに表示することができる。スリープモード設定用画面500は、スリープモードの「有効」または「無効」のいずれか一方を選択するためのラジオボタン501と、所望のスリープモード移行時間を操作入力するための入力ボックス502と、入力内容を設定し不揮発性メモリ(設定情報記憶部)101Mに保存するための決定ボタン503と、スリープモード設定処理をキャンセル(中止)するためのキャンセルボタン504とを含む。
【0030】
ユーザは、操作入力部114Mを操作してスリープモード設定用画面500の「有効」のラジオボタン501を選択し決定ボタン503を押すことで、スリープモードを有効にし、且つ、入力ボックス502に入力されたスリープモード移行時間(単位:分)を設定することができる。ユーザが決定ボタン503を押下してからスリープモード移行時間が経過すると、言い換えれば、現在時刻がスリープモード移行時間で指定された時刻に達すると、メインプロセッサ101は、プリンタ100を通常モードからスリープモードに移行させる。一方、ユーザは、操作入力部114Mを操作してスリープモード設定用画面500の「無効」のラジオボタン501を選択し決定ボタン503を押すことで、スリープモードは無効となり、スリープモード移行時間が経過しても、プリンタ100は通常モードからスリープモードへ移行しない。
【0031】
図5は、表示部114Dに表示される電子メール受信・印刷設定用画面600の一例を示す図である。メインプロセッサ101は、電子メール受信・印刷設定処理を実行してこの電子メール受信・印刷設定用画面600を表示部114Dに表示することができる。電子メール受信・印刷設定用画面600は、電子メール受信・印刷機能の「有効」または「無効」のいずれか一方を選択するためのラジオボタン601と、サーバ装置300(電子メールサーバ)のネットワーク・アドレス(メールサーバアドレス)を設定するための入力ボックス602と、サーバ装置300に登録されたユーザ識別子(ユーザID)を設定するための入力ボックス603と、サーバ装置300に登録された認証用パスワードを設定するための入力ボックス604と、電子メール受信間隔(電子メールの有無を問い合わせる時間間隔)を分単位で設定するための入力ボックス605とを含む。さらに、電子メール受信・印刷設定用画面600は、入力内容を設定し不揮発性メモリ101Mに保存するための決定ボタン606と、電子メール受信・印刷設定処理をキャンセル(中止)するためのキャンセルボタン607とを含む。
【0032】
ユーザは、操作入力部114Mを操作して電子メール受信・印刷設定用画面600の「有効」のラジオボタン501を選択し決定ボタン503を押すことで、入力ボックス602〜605への入力内容を設定して、後述する電子メール受信・印刷処理の機能を有効にすることができる。一方、ユーザは、操作入力部114Mを操作して電子メール受信・印刷設定用画面600の「無効」のラジオボタン501を選択し決定ボタン503を押すことで、後述する電子メール受信・印刷処理の機能を無効化することができる。
【0033】
図6は、図5の電子メール受信・印刷設定用画面600で設定された設定情報700のデータ構造の一例を示す図である。図6に示されるように、この設定情報700は、図5の電子メール受信・印刷設定用画面600で設定された「有効」または「無効」を示す値701と、メールサーバアドレス702と、サーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせる際に使用されるユーザID703と、認証用パスワード704と、電子メールの受信間隔705と、次にサーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせる時刻までの残り時間(単位:分)706とを含む。図6の設定情報700には、「有効」を示す値(「enable」の値)が設定されている。
【0034】
図7は、プリンタ100(またはネットワークI/F部108)に関するネットワーク設定情報800のデータ構造の一例を示す図である。図7に示されるように、ネットワーク設定情報800は、プリンタ100(またはネットワークI/F部108)に割り当てられたIPアドレス801と、サブネットマスク802と、プリンタ100(またはネットワークI/F部108)に固有のMAC(Media Access Control)アドレス803と、ゲートウェイアドレス804とを含む。
【0035】
上記構成を有するプリンタ100の動作を図8及び図9を参照しつつ以下に説明する。図8は、電子メール受信・印刷処理の手順を概略的に示すフローチャートであり、図9は、実施の形態1に係る画像形成システム1の処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【0036】
プリンタ100への電源投入後、プリンタ100は通常モードで動作する。ユーザが操作入力部114Mを操作してスリープモード設定指示を入力したとき、メインプロセッサ101は、このスリープモード設定指示に応じて、図4のスリープモード設定用画面500を生成し表示部114Dに表示させる。ユーザはこのスリープモード設定用画面500を通じて設定情報を入力する(図9のステップPS11)。次に、ユーザが操作入力部114Mを操作して電子メール受信・印刷設定指示を入力したとき、メインプロセッサ101は、この電子メール受信・印刷設定指示に応じて、図5の電子メール受信・印刷設定用画面600を生成し表示部114Dに表示させる。ユーザは、この電子メール受信・印刷設定用画面600を通じて設定情報を入力する(図9のステップPS12)。その後、スリープモード設定処理(図9のステップPS11)で設定されたスリープモード移行時間Tsが経過すると、図9に示されるように、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介して図7のネットワーク設定情報(Ncfg)をサブプロセッサ109に受け渡した後、プリンタ100を通常モードからスリープモードに移行させる。この結果、メインプロセッサ101は、非アクティブ状態となる(図9のステップPS13)。
【0037】
一方、サブプロセッサ109は、ネットワーク設定情報(Ncfg)を用いて、プロトコルスタックおよびネットワークI/F部108の初期化を行い、電子メール受信処理を開始する。
【0038】
まず、図8に示されるように、サブプロセッサ109は、サーバ装置300にアクセスする(ステップS101)。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してサーバ装置300との接続を確立する。その後、サブプロセッサ109は、サーバ装置300に自装置宛て(すなわち、プリンタ100の電子メールアドレス宛て)の電子メールの有無を問い合わせるコマンドを含む要求RQTをサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、サブプロセッサ109からの問い合わせ要求RQTに応じて、電子メールの有無を示す応答メッセージRESをサブプロセッサ109に送信する。サブプロセッサ109は、サーバ装置300からの応答メッセージRESの内容に基づいて、自装置宛て電子メールの有無を判断することができる。
【0039】
サーバ装置300に自装置宛て電子メールが保管されていない場合(ステップS102のNO)、サブプロセッサ109は、図8の処理を終了する。その後、電子メール受信間隔ΔTが経過すると、サブプロセッサ109は、再度、図8の処理を実行する。このように、サブプロセッサ109は、スリープモードの間、サーバ装置300に自装置宛て電子メールの有無を時間間隔ΔTで繰り返し問い合わせる。
【0040】
図9に示されるように、サーバ装置300が、PC200からプリンタ100宛て電子メール(E−mail(PRT))を送信し保管したとき、図8のステップS102で自装置宛て電子メールが保管されていることが確認される(図8のステップS102のYES)。このとき、サブプロセッサ109は、電源制御部106に対して起動コマンドを発行してメインプロセッサ101を起動させる(図8のステップS103、及び、図9のステップPS21,PS14)。具体的には、電源制御部106は、サブプロセッサ109からの起動コマンドに応じて、メインプロセッサ101を含む主機能部100Aへの電源供給を再開することでメインプロセッサ101を起動させる。そして、サブプロセッサ109は、プロセッサ間通信制御部107を介して印刷要求コマンドをメインプロセッサ101に送信する。その後、サブプロセッサ109は、切替制御部111を介して第1プログラム格納部112から通常モード用制御命令群をロードし実行する。
【0041】
アクティブ状態に遷移したメインプロセッサ101は、サブプロセッサ109からの印刷要求コマンドに応じて、ネットワーク設定情報(Ncfg)を用いてプロトコルスタックおよびネットワークI/F部108の初期化を行い、サーバ装置300にアクセスする(図8のステップS104)。具体的には、メインプロセッサ101は、ネットワークI/F部108を介してサーバ装置300との接続を確立し、サーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、サーバ装置300から電子メールリストを取得する。その後、メインプロセッサ101は、電子メールリストに従って、サーバ装置300に自装置宛て電子メールの受信要求RQTmを送信する。サーバ装置300は、この受信要求RQTmに応じて、指定された電子メール(E−mail(PRT))をプリンタ100に送信する。この結果、メインプロセッサ101は、サーバ装置300から自装置宛て電子メールを受信することができる(図8のステップS106)。
【0042】
次に、メインプロセッサ101は、受信した電子メールの添付ファイルを印刷させる(図8のステップS107)。具体的には、メインプロセッサ101は、画像処理部104を用いて、受信した電子メールの添付ファイルから印刷用画像データを生成する。そして、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介してサブプロセッサ109に印刷指令を発する。サブプロセッサ109は、この印刷指令に応じて、画像形成部105の動作を制御して、印刷用画像データに基づく画像を被記録媒体上に形成(印刷)させる(図9のステップPS22)。画像形成が完了すると、サブプロセッサ109は、プロセッサ間通信制御部107を介してメインプロセッサ101に完了通知を送信する。
【0043】
メインプロセッサ101は、電子メールリストに記述された電子メールの全てが受信され画像形成が完了するまで、図8のステップS105A,S105B間の手順(ステップS106〜S107)を繰り返し実行する。全ての電子メールについて画像形成が完了すると、図8の電子メール受信・印刷処理は終了する。
【0044】
その後、スリープモード移行時間Tsが経過すると、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介してネットワーク設定情報(Ncfg)をサブプロセッサ109に受け渡した後、プリンタ100を通常モードからスリープモードに移行させる。この結果、メインプロセッサ101は、非アクティブ状態となる(図9のステップPS15)。
【0045】
上記したように実施の形態1のプリンタ100は、スリープモードのときにメインプロセッサ101を含む主機能部100Aの動作を停止させ、サブプロセッサ109に電子メールの有無を確認させている(図8のステップS101,S102)。自装置宛ての電子メールの存在が確認されると(ステップS102のYES)、サブプロセッサ109は、メインプロセッサ101を起動させ、起動したメインプロセッサ101は、電子メールを取得し(ステップS106)、その添付ファイルの画像形成制御を行う(ステップS107)。したがって、電子メールシステムを利用した画像形成処理を、利便性を損なうことなく省電力で行うことができる。
【0046】
実施の形態2.
次に、本発明に係る実施の形態2について説明する。本実施の形態に係る画像形成システムは、上記実施の形態1のプリンタ100を用いて実現される。本実施の形態では、プリンタ100は、上記実施の形態1で説明した機能に加えて、電子メールシステムのクライアント端末(たとえばPC200)からの要求に応じて、自装置(すなわちプリンタ100)の現在の動作状態や設定状態などの現在状態を示すステータス情報を返信するステータス返信機能を有する。以下、実施の形態2に係るステータス返信機能について説明する。
【0047】
図10は、表示部114Dに表示されるステータス返信設定用画面1000の一例を示す図である。メインプロセッサ101は、ステータス返信設定処理を実行してこのステータス返信設定用画面1000を生成し、表示部114Dに表示させることができる。ステータス返信設定用画面1000は、ステータス返信機能の「有効」または「無効」のいずれか一方を選択するためのラジオボタン1001と、サーバ装置300(電子メールサーバ)のネットワーク・アドレス(メールサーバアドレス)を設定するための入力ボックス1002と、サーバ装置300に登録されたユーザ識別子(ユーザID)を設定するための入力ボックス1003と、サーバ装置300に登録された認証用パスワードを設定するための入力ボックス1004と、電子メール受信間隔(電子メールの有無を問い合わせる時間間隔)を分単位で設定するための入力ボックス1005とを含む。さらに、ステータス返信設定用画面1000は、入力内容を設定し不揮発性メモリ101Mに保存するための決定ボタン1006と、電子メール受信・印刷設定処理をキャンセル(中止)するためのキャンセルボタン1007とを含む。
【0048】
ユーザは、操作入力部114Mを操作してステータス返信設定用画面1000の「有効」のラジオボタン1001を選択し決定ボタン1006を押すことで、ステータス返信機能を有効にすることができる。一方、ユーザが操作入力部114Mを操作してステータス返信設定用画面1000の「無効」のラジオボタン1001を選択し決定ボタン10006を押すことで、ステータス返信機能は無効となる。
【0049】
図11は、図10のステータス返信設定用画面1000で設定された設定情報1100の一例を示す図である。図11に示されるように、この設定情報1000は、図10のステータス返信設定用画面1000で設定された「有効」または「無効」を示す値1101と、メールサーバアドレス1102と、サーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせる際に使用されるユーザID1103と、認証用パスワード1104と、電子メールの受信間隔1105と、次にサーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせる時刻までの残り時間(単位:分)1106とを含む。図11の設定情報1100には、「有効」を示す値(「enable」の値)が設定されている。
【0050】
図12は、ステータス情報1200の一例を示す図である。図12に示されるように、ステータス情報1200は、画像形成部105が4色トナー(たとえば、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナー)を使用する場合に、4色のトナーそれぞれの残量1201,1202,1203,1204をパーセンテージ単位で示すものである。なお、ステータス情報は、図12のものに限定されるものではない。たとえば、ステータス情報は、用紙切れなどの障害の有無を示す情報や、現在の設定情報を示す情報を含むものであってもよい。
【0051】
次に、図13〜図15を参照しつつ本実施の形態に係るステータス返信処理について説明する。図13及び図14は、ステータス返信処理の手順を概略的に示すフローチャートであり、図13は、ステータス返信処理のメインルーチンを示すフローチャートであり、図14は、図13の電子メール受信・印刷処理(ステップS210)の手順を概略的に示すフローチャートである。また、図15は、実施の形態2に係る画像形成システム1の処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【0052】
プリンタ100への電源投入後、プリンタ100は、通常モードで動作する。図15に示されるように、スリープモード設定処理(ステップPS31)が実行された後、ユーザが操作入力部114Mを操作してステータス返信設定指示を入力したとき、メインプロセッサ101は、このステータス返信設定指示に応じて、図10のステータス返信設定用画面1000を生成し、表示部114Dに表示させる。ユーザは、このステータス返信設定用画面1000を通じて設定情報を入力する(ステップPS32)。その後、スリープモード設定処理(ステップPS31)で設定されたスリープモード移行時間Tsが経過すると、図15に示されるように、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介して、図7のネットワーク設定情報(Ncfg)と図11のステータス返信設定情報(STinfo)とをサブプロセッサ109に受け渡した後、プリンタ100を通常モードからスリープモードに移行させる。この結果、メインプロセッサ101は、非アクティブ状態となる(ステップPS33)。
【0053】
サブプロセッサ109は、ネットワーク設定情報(Ncfg)を用いて、プロトコルスタックおよびネットワークI/F部108の初期化を行い、電子メール受信処理を開始する。
【0054】
まず、図13に示されるように、サブプロセッサ109は、サーバ装置300にアクセスする(ステップS201)。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してサーバ装置300との接続を確立する。その後、サブプロセッサ109は、サーバ装置300に自装置宛ての電子メールの有無を問い合わせるコマンドを含む要求RQTをサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、サブプロセッサ109からの問い合わせ要求RQTに応じて、電子メールの有無を示す応答メッセージRESをサブプロセッサ109に送信する。サブプロセッサ109は、サーバ装置300からの応答メッセージRESの内容に基づいて、自装置宛て電子メールの有無を判断することができる(ステップS202)。
【0055】
サーバ装置300に自装置宛て電子メールが保管されていない場合(ステップS202のNO)、サブプロセッサ109は、図13の処理を終了する。その後、電子メール受信間隔ΔTが経過すると、サブプロセッサ109は、再度、図13の処理を実行する。このように、サブプロセッサ109は、スリープモードの間、サーバ装置300に自装置宛て電子メールの有無を時間間隔ΔTで繰り返し問い合わせる。
【0056】
図15に示されるように、サーバ装置300が、PC200からプリンタ100宛て電子メール(E−mail(STreq))を送信し保管したとき、図13のステップS202で電子メールが保管されていることが確認される(ステップS202のYES、及び、図15のステップPS41)。このとき、サブプロセッサ109は、サーバ装置300にアクセスして電子メールを受信する(図13のステップS204)。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してサーバ装置300との接続を確立し、サーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、サーバ装置300から電子メールリストを取得する。その後、サブプロセッサ109は、電子メールリストに従って、サーバ装置300に自装置宛て電子メールの受信要求RQTmを送信する。サーバ装置300は、この受信要求RQTmに応じて、指定された電子メール(E−mail(STreq))をプリンタ100に送信する。この結果、サブプロセッサ109は、サーバ装置300から自装置宛て電子メールを受信することができる。
【0057】
次に、サブプロセッサ109は、受信した電子メールの本文を解析し(図13のステップS205)、その解析結果に基づいて電子メールがステータス要求の記述を含むか否かを判定する(ステップS206)。受信した電子メールがステータス要求ではない場合(ステップS206のNO)、サブプロセッサ109は、印刷フラグをONに、すなわち印刷フラグの値を真に設定し(ステップS209)、ステップS203Bの直前に処理を移行させる。
【0058】
一方、ステップS206で電子メールがステータス要求の記述を含むステータス要求メールであると判定したとき(図13のステップS206のYES、及び、図15のステップPS42)、サブプロセッサ109は、メインプロセッサ101を起動させずに、ステータス情報(STinfo)の記述を含む電子メール(E−mail(STinfo))を生成し、これをネットワークI/F部108を介してPC200宛てに送信する(図13のステップS207)。サーバ装置300は、その電子メール(E−mail(STinfo))を受信し、保管することとなる。
【0059】
その後、サブプロセッサ109は、当該ステータス要求メールを削除する(ステップS208)。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してサーバ装置300との接続を確立し、サーバ装置300に電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、サーバ装置300から電子メールリストを取得する。その後、サブプロセッサ109は、電子メールリストに従って、サーバ装置300にステータス要求メールの削除要求RQTdを送信する。サーバ装置300は、この削除要求RQTdに応じて、指定されたステータス要求メール(E−mail(STreq))を削除する(図15のステップPS51)。その削除が完了すると、サーバ装置300は応答メッセージRESを返す。
【0060】
サブプロセッサ109は、電子メールリストに記述されたステータス要求メールの全てについてステータス情報を発信しステータス要求メールを削除するまで、ステップS203A,S203B間の手順(ステップS204〜S209)を繰り返し実行する。全ての電子メールについてステータス情報の発信及びステータス要求メールの削除が完了すると、サブプロセッサ109は、印刷フラグがONである否かを判定し(ステップS210)、印刷フラグがONでなければ(ステップS210のNO)、図13の処理を終了する。
【0061】
一方、印刷フラグがONであれば(ステップS210のYES)、図14の電子メール受信・印刷処理が実行される(ステップS211)。この電子メール受信・印刷処理の手順は、上記実施の形態1の電子メール受信・印刷処理(図8)の手順(ステップS103〜S105B)と同じである。受信した電子メールの添付ファイルの印刷が完了したとき、図13のメインルーチンに処理が戻り、ステータス返信処理は終了する。
【0062】
PC200は、サーバ装置300にアクセスして、サーバ装置300に保管されている返信メール(E−mail(STinfo))を取得することができる。ユーザは、返信メールの内容から、プリンタ100の現在状態を把握することができる。その現在状態に基づいて、たとえば、プリンタ100に対して印刷ジョブを発行するかどうかを決めることができる。
【0063】
上記したように実施の形態2のプリンタ100は、スリープモードで返信メール(E−mail(STinfo))を送信することができるので、ステータス返信処理を省電力で行うことができる。
【0064】
実施の形態3.
次に、本発明に係る実施の形態3について説明する。本実施の形態に係る画像形成システムは、上記実施の形態1のプリンタ100と、図16に示す構成を有するサーバ装置300とを有する。図16に示されるように、実施の形態3に係るサーバ装置300は、互いに連携して動作するメールサーバ300A,300Bと、ネットワーク・インタフェース部(ネットワークI/F部)330とを含む。メールサーバ300A,300Bは、ネットワークI/F部330を介して通信ネットワーク400と接続されている。
【0065】
一方のメールサーバ300Aは、図16に示されるように、電子メール送受信用のサーバ機能部311と、クライアント端末(たとえばPC200)から受信した電子メールを保管する記憶部312とを有する。他方のメールサーバ300Bも、電子メール送受信用のサーバ機能部321と、記憶部322とを有している。
【0066】
メールサーバ300Aのサーバ機能部311は、PC200などのクライアント端末との間並びにプリンタ100との間で、SSL/TLSあるいはS/MIMEといった暗号化通信プロトコルを用いた暗号化通信機能を有する。本実施の形態では、この暗号化通信機能を用いて、メールサーバ300AとPC200との間、並びに、メールサーバ300Aとプリンタ100との間で暗号化通信が行われる。一方、メールサーバ300BとPC200との間、並びに、メールサーバ300Bとプリンタ100との間では平文で通信が行われる。
【0067】
メールサーバ300Aは、さらに事前検査部313を有する。事前検査部313は、サーバ機能部311により受信された電子メールの添付ファイルが、プリンタ100で被記録媒体上に画像を形成させることができる形式を有するか否かを検査する機能を有している。その検査に基づいて電子メールの添付ファイルがプリンタ100で画像形成可能な形式を有すると判定した場合、事前検査部313は、当該電子メールのメッセージヘッダに関連付けた印刷指示の記述を含む電子メール(以下「印刷指示メール」と呼ぶ。)を生成し、この印刷指示メールをメールサーバ300Bの記憶部322に格納する機能を有する。メールサーバ300Bのサーバ機能部321は、外部のクライアント端末(たとえばプリンタ100)からの要求に応じて、記憶部322に保管されている印刷指示メールの有無を示すリスト情報と印刷指示メールのデータとを送信する。
【0068】
なお、メールサーバ300A,300Bを構成する機能ブロック群は、1台の実計算機または1台の仮想計算機に組み込まれてもよいし、あるいは、複数台の実計算機または複数台の仮想計算機に分散して組み込まれてもよい。
【0069】
プリンタ100は、上記メールサーバ300A,300Bを利用した電子メール受信・印刷処理を実行する機能を有する。以下、実施の形態3に係る電子メール受信・印刷処理について説明する。
【0070】
図17は、表示部114Dに表示される電子メール受信・印刷設定用画面610の一例を示す図である。メインプロセッサ101は、本実施の形態3に係る電子メール受信・印刷設定処理を実行して電子メール受信・印刷設定用画面610を表示部114Dに表示することができる。電子メール受信・印刷設定用画面610は、電子メール受信・印刷機能の「有効」または「無効」のいずれか一方を選択するためのラジオボタン611と、電子メール受信間隔(電子メールの有無を問い合わせる時間間隔)を分単位で設定するための入力ボックス612と、サーバ装置300(またはネットワークI/F部330)のネットワーク・アドレスを設定するための入力ボックス613と、メールサーバ300Aに登録されたユーザ識別子(ユーザID)を設定するための入力ボックス614と、メールサーバ300Aに登録された認証用パスワードを設定するための入力ボックス615と、メールサーバ300Bに登録されたユーザ識別子(ユーザID)を設定するための入力ボックス616と、メールサーバ300Bに登録された認証用パスワードを設定するための入力ボックス617とを含む。さらに、電子メール受信・印刷設定用画面610は、入力内容を設定し不揮発性メモリ101Mに保存するための決定ボタン618と、電子メール受信・印刷設定処理をキャンセル(中止)するためのキャンセルボタン619とを含む。
【0071】
ユーザは、操作入力部114Mを操作して電子メール受信・印刷設定用画面610の「有効」のラジオボタン611を選択し決定ボタン618を押すことで、入力ボックス612〜617への入力内容を設定して、後述する電子メール受信・印刷処理の機能を有効にすることができる。一方、ユーザは、操作入力部114Mを操作して電子メール受信・印刷設定用画面610の「無効」のラジオボタン611を選択し決定ボタン618を押すことで、後述する電子メール受信・印刷処理の機能を無効化することができる。
【0072】
図18は、図17の電子メール受信・印刷設定用画面610で設定された設定情報710の一例を示す図である。図18に示されるように、この設定情報710は、図17の電子メール受信・印刷設定用画面610で設定された「有効」または「無効」を示す値711と、電子メール受信間隔712と、次にメールサーバ300Bに電子メールの有無を問い合わせる時刻までの残り時間(単位:分)713と、サーバ装置300のネットワーク・アドレス(メールサーバアドレス)714と、メールサーバ300Aに電子メールの有無を問い合わせる際に使用されるユーザID715と、その認証用パスワード716と、メールサーバ300Bに電子メールの有無を問い合わせる際に使用されるユーザID717と、その認証用パスワード718とを含む。図18の設定情報710には、「有効」を示す値(「enable」の値)が設定されている。
【0073】
なお、メインプロセッサ101は、実施の形態1の場合と同様に、スリープモード設定用画面500(図4)の設定情報を不揮発性メモリ101Mに保存し利用する機能と、ネットワーク設定情報800(図7)を不揮発性メモリ101Mに保存し利用する機能とを有している。
【0074】
次に、図19〜図21を参照しつつ本実施の形態に係る処理について説明する。図19は、サーバ装置300におけるメールサーバ300Aによる事前検査処理の手順を概略的に示すフローチャートであり、図20は、プリンタ100におけるメインプロセッサ101によるスリープモードへの移行処理の手順を概略的に示すフローチャートである。また、図21は、実施の形態3に係る画像形成システム1の処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【0075】
ユーザは、PC200の送信用クライアント機能と暗号化通信機能とを利用して、画像形成可能な形式を有する添付ファイルを有する電子メールをプリンタ100宛てに送信することができる。図21に示されるように、メールサーバ300Aのサーバ機能部311がネットワークI/F部330を介して電子メール(E−mail(PRT))を受信すると(図19のステップS301)、事前検査部313は、電子メールの添付ファイルの拡張子がプリンタ100でサポートされた拡張子であるか否かを判定する(図19のステップS302)。図22は、この添付ファイルを有する電子メール1300の内容の一例を示す図である。この例では、添付ファイルは、RFC策定のMIME(Multipurpose Internet Mail Extension)規格に基づいて符号化された状態で電子メールに組み込まれている。
【0076】
添付ファイルの拡張子がプリンタ100でサポートされた拡張子であると判定したとき(図19のステップS302のYES)、事前検査部313は、その添付ファイルがプリンタ100で画像形成可能な形式を有すると判断して、印刷指示メール(E−mail(Pinst))を生成し(図19のステップS303及び図21のステップPS91)、印刷指示メールをメールサーバ300Bの記憶部322に格納する(ステップS305)。図23は、印刷指示メール1301の内容の一例を示す図である。この例では、印刷指示メール1301のヘッダが「Subject:ORDER」との記述を含み、印刷指示メール1301の本文が印刷指示を表す「ORDER:PRINT」との記述を含んでいる。その後、メールサーバ300Aのサーバ機能部311は、電子メール(E−mail(PRT))のデータを記憶部312に格納する(ステップS306)。
【0077】
一方、ステップS302で、事前検査部313が電子メールの添付ファイルの拡張子がプリンタ100でサポートされた拡張子ではないと判定したとき(ステップS302のNO)、メールサーバ300Aのサーバ機能部311はその添付ファイル付き電子メールを削除する(ステップS304)。以上で図19の事前検査処理は終了する。
【0078】
次に、図20のフローチャートを参照しつつ、プリンタ100におけるメインプロセッサ101によるスリープモードへの移行処理の手順を説明する。
【0079】
プリンタ100への電源投入後、プリンタ100は通常モードで動作する。ユーザが操作入力部114Mを操作してスリープモード設定指示を入力したとき、メインプロセッサ101は、このスリープモード設定指示に応じて、図4のスリープモード設定用画面500を生成し表示部114Dに表示させる。ユーザはこのスリープモード設定用画面500を通じて設定情報を入力する(図21のステップPS61)。次に、ユーザが操作入力部114Mを操作して電子メール受信・印刷設定指示を入力したとき、メインプロセッサ101は、この電子メール受信・印刷設定指示に応じて、図17の電子メール受信・印刷設定用画面610を生成し表示部114Dに表示させる。ユーザは、この電子メール受信・印刷設定用画面610を通じて設定情報を入力する(図21のステップPS62)。その後、スリープモード設定処理(図21のステップPS61)で設定されたスリープモード移行時間Tsが経過すると、メインプロセッサ101は、図20のスリープモード移行処理を開始する。
【0080】
まず、メインプロセッサ101は、メールサーバ300Bにアクセスして、このメールサーバ300Bに保管されている印刷指示メールの全てを削除する(ステップS402)。具体的には、メインプロセッサ101は、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Bとの接続を確立し、メールサーバ300Bに電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、メールサーバ300Bから電子メールリストを平文で取得する。その後、メインプロセッサ101は、取得した電子メールリストに従って、メールサーバ300Bに印刷指示メールの削除要求RQTdを送信する。メールサーバ300Bは、この削除要求RQTdに応じて、指定された印刷指示メール(E−mail(Pinst))を記憶部322から削除する(図21のステップPS81)。その削除が完了すると、メールサーバ300Bは応答メッセージRESを返す。
【0081】
次に、メインプロセッサ101は、メールサーバ300Aから電子メールを受信する(図20のステップS404)。具体的には、メインプロセッサ101は、暗号化通信機能を用いて、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Aとの接続を確立し、メールサーバ300Aに電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、メールサーバ300Aから電子メールリストを取得する。その後、メインプロセッサ101は、取得した電子メールリストに従って、メールサーバ300Aに自装置宛て電子メールの受信要求RQTmを送信する。メールサーバ300Aは、この受信要求RQTmに応じて、指定された電子メール(E−mail(PRT))をプリンタ100に送信する。この結果、メインプロセッサ101は、メールサーバ300Aから自装置宛て電子メールを受信することができる(図20のステップS404)。
【0082】
次に、メインプロセッサ101は、受信した電子メールの添付ファイルを印刷させる(図20のステップS405)。具体的には、メインプロセッサ101は、画像処理部104を用いて、受信した電子メールの添付ファイルから印刷用画像データを生成する。そして、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介してサブプロセッサ109に印刷指令を発する。サブプロセッサ109は、この印刷指令に応じて、画像形成部105の動作を制御して、印刷用画像データを被記録媒体上に形成(印刷)させる(図21のステップPS71)。画像形成が完了すると、サブプロセッサ109は、プロセッサ間通信制御部107を介してメインプロセッサ101に完了通知を送信する。
【0083】
メインプロセッサ101は、電子メールリストに記述された電子メールの全てが受信され画像形成が完了するまで、図20のステップS403A,S403B間の手順(ステップS404〜S405)を繰り返し実行する。全ての電子メールについて画像形成が完了すると、ステップS406が実行される。
【0084】
ステップS406では、図21に示されるように、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介して図7のネットワーク設定情報(Ncfg)をサブプロセッサ109に受け渡した後、プリンタ100を通常モードからスリープモードに移行させる。この結果、メインプロセッサ101は、非アクティブ状態となる(図21のステップPS63)。以上で、図20の処理は終了する。その後のスリープモードの間、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bに自装置宛て電子メールの有無を時間間隔ΔTで繰り返し問い合わせる。
【0085】
次に、図24、図25及び図26を参照しつつ、プリンタ100がスリープモードへ移行した後の画像形成システム1の動作を以下に説明する。図24及び図25は、実施の形態3に係るプリンタ100の処理手順を概略的に示すフローチャートである。図26は、実施の形態3に係る画像形成システム1の処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。プリンタ100がスリープモードへ移行した後は、サブプロセッサ109は、図24の処理を繰り返し実行する。
【0086】
まず、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bにアクセスして、メールサーバ300Bに自装置宛て電子メールの有無を問い合わせる(ステップS501)。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Bとの接続を確立する。その後、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bに自装置宛ての電子メールの有無を問い合わせるコマンドを含む要求RQTをメールサーバ300Bに送信する。メールサーバ300Bは、サブプロセッサ109からの問い合わせ要求RQTに応じて、電子メールの有無を示す応答メッセージRESをサブプロセッサ109に送信する。サブプロセッサ109は、サーバ装置300からの応答メッセージRESの内容に基づいて、自装置宛て電子メールの有無を判断することができる(図24のステップS502)。
【0087】
メールサーバ300Aがプリンタ100宛て印刷指示メール(E−mail(Pinst))を生成し(図26のステップPS92)、メールサーバ300Bに保管したとき、ステップS502で電子メールが保管されていることが確認される(図24のステップS502のYES、及び、図26のステップPS72)。このとき、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bにアクセスして電子メールを受信する(図24のステップS504)。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Bとの接続を確立し、メールサーバ300Bに電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、メールサーバ300Bから電子メールリストを取得する。その後、図26に示されるように、サブプロセッサ109は、電子メールリストに従って、メールサーバ300Bに自装置宛て電子メールの受信要求RQTmを送信する。メールサーバ300Bは、この受信要求RQTmに応じて、指定された電子メール(E−mail(Pinst))をプリンタ100に送信する。この結果、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bから自装置宛て電子メールを受信することができる。
【0088】
次に、サブプロセッサ109は、受信された電子メールの記述内容に印刷指示情報があるか否かを判定する(図24のステップS505)。印刷指示情報がない場合(ステップS505のNO)、サブプロセッサ109は、ステップS507に処理を移行させる。一方、印刷指示情報がある場合(ステップS505のYES)、サブプロセッサ109は、印刷指示フラグをONに、すなわち印刷指示フラグの値を真に設定して(ステップS506、及び、図26のステップSPS73)、ステップS507に処理を移行させる。
【0089】
ステップS507では、サブプロセッサ109は、当該電子メールを削除する。具体的には、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Bとの接続を確立し、メールサーバ300Bに電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、メールサーバ300Bから電子メールリストを取得する。その後、サブプロセッサ109は、電子メールリストに従って、図26に例示されるようにメールサーバ300Bに当該電子メールの削除要求RQTdを送信する。メールサーバ300Bは、この削除要求RQTdに応じて、指定された電子メールを削除する(図26のステップPS82)。その削除が完了すると、メールサーバ300Bは応答メッセージRESを返す。
【0090】
サブプロセッサ109は、電子メールリストに記述された電子メールの全てについて、ステップS503A,S503B間の手順(ステップS504〜S507)を繰り返し実行する。全ての電子メールの削除が完了すると、サブプロセッサ109はステップS508に処理を移行させる。
【0091】
ステップS508では、サブプロセッサ109は、印刷指示フラグがONであるか否かを判定し、印刷指示フラグがONでなければ(ステップS508のNO)、図24の処理を終了させる。一方、印刷指示フラグがONであれば(ステップS508のYES)、サブプロセッサ109は、電源制御部106に対して起動コマンドを発行してメインプロセッサ101を起動させる(ステップS509、及び、図26のステップPS74,PS75,PS64)。具体的には、電源制御部106は、サブプロセッサ109からの起動コマンドに応じて、メインプロセッサ101を含む主機能部100Aへの電源供給を再開することでメインプロセッサ101を起動させる。そして、サブプロセッサ109は、プロセッサ間通信制御部107を介して印刷要求コマンドをメインプロセッサ101に送信する(図24のステップS509)。その後、サブプロセッサ109は、切替制御部111を介して第1プログラム格納部112から通常モード用制御命令群をロードし実行する。
【0092】
アクティブ状態に遷移したメインプロセッサ101は、図25の電子メール受信・印刷処理を実行する(ステップS510)。すなわち、メインプロセッサ101は、サブプロセッサ109からの印刷要求コマンドに応じて、ネットワーク設定情報(Ncfg)を用いてプロトコルスタックおよびネットワークI/F部108の初期化を行い、メールサーバ300Aにアクセスする(図25のステップS601)。具体的には、メインプロセッサ101は、暗号化通信機能を用いて、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Aとの接続を確立し、メールサーバ300Aに電子メールの有無を問い合わせるコマンドを送信して、メールサーバ300Aから電子メールリストを取得する。その後、メインプロセッサ101は、電子メールリストに従って、メールサーバ300Aに自装置宛て電子メールの受信要求RQTmを送信する。メールサーバ300Aは、この受信要求RQTmに応じて、指定された電子メールをプリンタ100に送信する。この結果、メインプロセッサ101は、サーバ装置300から自装置宛て電子メールを受信することができる(図25のステップS604)。
【0093】
次に、メインプロセッサ101は、受信した電子メールの添付ファイルが画像形成可能(印刷可能)な形式を有しているか否かを判定し(ステップS605)、添付ファイルが画像形成可能な形式を有していれば(ステップS605のYES)、添付ファイルを印刷させる(ステップS606)。具体的には、メインプロセッサ101は、画像処理部104を用いて、受信した電子メールの添付ファイルから印刷用画像データを生成する。そして、メインプロセッサ101は、プロセッサ間通信制御部107を介してサブプロセッサ109に印刷指令を発する。サブプロセッサ109は、この印刷指令に応じて、画像形成部105の動作を制御して、印刷用画像データを被記録媒体上に形成(印刷)させる(図26のステップPS76)。画像形成が完了すると、サブプロセッサ109は、プロセッサ間通信制御部107を介してメインプロセッサ101に完了通知を送信する。
【0094】
メインプロセッサ101は、電子メールリストに記述された電子メールの全てが受信され画像形成が完了するまで、ステップS603A,S603B間の手順(ステップS604〜S606)を繰り返し実行する。全ての電子メールについて画像形成が完了すると、メインプロセッサ101は、図24のメインルーチンへ処理を戻し、図24の処理を終了する。
【0095】
上記したように、実施の形態3に係るサーバ装置300は事前検査部313を有し、この事前検査部313が、電子メールの添付ファイルが被記録媒体上に画像を形成させることができる形式を有する場合に印刷指示メールを生成しこれをメールサーバ300Bに格納する。よって、プリンタ100では、サブプロセッサ109がメールサーバ300Bに印刷指示メールの有無を問い合わせて印刷指示メールの存在を確認したときにのみ、メインプロセッサ101が起動してメールサーバ300Aから電子メールのデータを取得し(図24のステップS508のYES及びステップS509)、その添付ファイルに基づいて被記録媒体上に画像を形成することができる(図24のステップS510)。よって、メールサーバ300Aに保管されている電子メールの添付ファイルが画像形成可能な形式を有していない場合にはメインプロセッサ101は起動されない。したがって、上記実施の形態1と比べると、電子メールシステムを利用した画像形成処理を、さらなる省電力で行うことができる。
【0096】
また、メインプロセッサ101は、プリンタ100を通常モードからスリープモードへ移行させる直前に、メールサーバ300Bに保管されている印刷指示メールの全てを削除するとともに、メールサーバ300Aから電子メールを取得し、この電子メールの添付ファイルに基づいて被記録媒体上に画像を形成することができる。このため、プリンタ100がスリープモードに移行した直後にメインプロセッサ101が起動して画像形成のための電力を消費することを回避することができる。
【0097】
さらに、サブプロセッサ109とサーバ装置300との通信は平文で行われるので、サブプロセッサ109の処理負荷は小さく、スリープモード時のプリンタ100の消費電力が低くなるという利点がある。なお、プリンタ100の消費電力を低減させるために、サブプロセッサ109のスリープモード時の動作クロック数を通常モード時のそれよりも低くすることが好ましい。
【0098】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態に係る画像形成システムは、上記実施の形態3のプリンタ100、メールサーバ300A及びメールサーバ300Bの機能を用いて実現される。本実施の形態では、プリンタ100は、上記実施の形態3で説明した機能に加えて、電子メールシステムのクライアント端末(たとえばPC200)からの要求に応じて、自装置(すなわちプリンタ100)の現在の動作状態や設定状態などの現在状態を示すステータス情報を返信するステータス返信機能を有する。以下、実施の形態4に係るステータス返信機能について説明する。
【0099】
図27は、表示部114Dに表示される電子メール受信・印刷設定用画面1400の一例を示す図である。メインプロセッサ101は、本実施の形態4に係る電子メール受信・印刷設定処理を実行して電子メール受信・印刷設定用画面1400を表示部114Dに表示することができる。電子メール受信・印刷設定用画面1400は、上記した図17の電子メール受信・印刷設定用画面610と同様の設定項目611〜617,618,619を有し、さらに、電子メール送信用のサーバアドレスを設定するための入力ボックス1401を有する。
【0100】
図28は、図27の電子メール受信・印刷設定用画面1400で設定された設定情報1500の一例を示す図である。図28に示されるように、この設定情報1500は、図18の設定情報710と同様に、「有効」または「無効」を示す値711と、電子メール受信間隔712と、残り時間(単位:分)713と、メールサーバアドレス714と、メールサーバ300Aに対するユーザID715及びその認証用パスワード716と、メールサーバ300Bに対するユーザID717及びその認証用パスワード718とを含み、さらに、図27の入力ボックス1401に入力された電子メール送信用のサーバアドレス1501を含む。
【0101】
メインプロセッサ101は、プリンタ100を通常モードからスリープモードへ移行させる際に、プロセッサ間通信制御部107を介して、図7のネットワーク設定情報(Ncfg)に加えて、電子メール送信用のサーバアドレス1501をサブプロセッサ109に受け渡した後、プリンタ100を通常モードからスリープモードに移行させる。
【0102】
なお、メインプロセッサ101は、実施の形態1の場合と同様に、スリープモード設定用画面500(図4)を通じてその設定情報を不揮発性メモリ101Mに保存し利用する機能と、ネットワーク設定情報800(図7)を不揮発性メモリ101Mに保存し利用する機能とを有している。
【0103】
次に、図29及び図30を参照しつつ、実施の形態4に係る画像形成システム1の動作を以下に説明する。図29は、実施の形態4に係るプリンタ100の処理手順を概略的に示すフローチャートである。図29のフローチャートの手順は、ステップS701〜S703を除いて、図24のフローチャートの手順と同じである。また、図30は、スリープモードにおける実施の形態4に係る画像形成システム1の処理シーケンスの一例を概略的に示す図である。
【0104】
上記実施の形態3の場合と同様に、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bにアクセスして、メールサーバ300Bに自装置宛て電子メールの有無を問い合わせ(ステップS501)、その後、ステップS504,S505を順次実行する。ステップS505で、受信された電子メールの記述内容に印刷指示情報があると判定されたとき(ステップS505のYES)、上記実施の形態3の場合と同様の処理が実行される。
【0105】
一方、ステップS505で、受信された電子メールの記述内容に印刷指示情報がないと判定されたとき(ステップS505のNO)、サブプロセッサ109は、受信した電子メールの本文を解析し、その解析結果に基づいて電子メールがステータス要求の記述を含むか否かを判定する(ステップS701)。受信した電子メールがステータス要求の記述を含まない場合(ステップS701のNO)、上記ステップS507が実行される。
【0106】
受信した電子メールがステータス要求の記述を含むステータス要求メール(E−mail(STreq))である場合(ステップS701のYES、及び、図30のステップSPS78)、サブプロセッサ109は、メインプロセッサ101を起動させずに、ステータス情報(STinfo)の記述を含む電子メール(E−mail(STinfo))を生成し(ステップS702)、ネットワークI/F部108を介してPC200宛てに送信する(ステップS703)。メールサーバ300Bは、その電子メール(E−mail(STinfo))を受信し、保管することとなる。
【0107】
図31は、ステータス要求メール1600の内容の一例を示す図である。この例では、メール本文がステータス要求を表す「ORDER:STATUS」との記述を含む。図32は、ステータス情報(STinfo)の記述を含む電子メールの内容の一例を示す図である。この例では、メール本文が、プリンタ100がスリープモードにあること示す「STATUS:SLEEP MODE」との記述を含む。
【0108】
その後、サブプロセッサ109は、メールサーバ300Bから電子メール(E−mail(STinfo))を削除する(ステップS507)。具体的には、図30に例示されるように、サブプロセッサ109は、ネットワークI/F部108を介してメールサーバ300Bとの接続を確立し、その後、メールサーバ300Bにステータス要求メールの削除要求RQTdを送信する。メールサーバ300Bは、この削除要求RQTdに応じて、指定されたステータス要求メール(E−mail(STreq))を削除する(図30のステップPS83)。その削除が完了すると、サーバ装置300は応答メッセージRESを返す。
【0109】
PC200は、メールサーバ300Bにアクセスして、メールサーバ300Bに保管されている返信メール(E−mail(STinfo))を取得することができる。ユーザは、返信メールの内容から、プリンタ100の現在状態を把握することができる。その現在状態に基づいて、たとえば、プリンタ100に対して印刷ジョブを発行するかどうかを決めることができる。プリンタ100は、スリープモードで返信メール(E−mail(STinfo))を送信することができるので、ステータス返信処理を省電力で行うことができる。
【0110】
実施の形態1〜4の変形例.
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。たとえば、多機能周辺装置(MFP:Multifunction Peripheral or Multifunction Printer)、複写機、ファクシミリ機器といった印刷機能を有する装置にも、上記プリンタ100の構成を適用することができる。
【符号の説明】
【0111】
1 画像形成システム、 100 プリンタ(画像形成装置)、 100A 主機能部、 101 メインプロセッサ、 102,110 RAM(Random Access Memory)、 103 ROM(Read Only Memory)、 104 画像処理部、 105 画像形成部、 106 電源制御部、 107 プロセッサ間通信制御部、 108 ネットワーク・インタフェース部(ネットワークI/F部)、 109 サブプロセッサ、 111 切替制御部、 112 第1プログラム格納部、 113 第2プログラム格納部、 114D 表示部、 114M 操作入力部、 200 パーソナル・コンピュータ(PC)、 300 サーバ装置、 300A,300B メールサーバ、 311,321 サーバ機能部、 312,322 記憶部、 313 事前検査部、 330 ネットワーク・インタフェース部(ネットワークI/F部)、 400 通信ネットワーク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常モード及びスリープモードを動作モードとして有する画像形成装置であって、
通信ネットワークに接続された電子メールサーバとの間で通信可能なネットワーク・インタフェース部と、
前記通常モードで自装置の全体動作を制御し、前記スリープモードで動作しない主制御部と、
前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバに対し自装置宛ての電子メールの有無の問い合わせを実行する副制御部と、
被記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、
を備え、
前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記電子メールサーバ内に自装置宛ての電子メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させて自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させ、
前記主制御部は、起動して自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させた後に、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバから前記電子メールを取得し、
前記画像形成部は、前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
ユーザの操作入力により設定された時間間隔を記憶する設定情報記憶部をさらに備え、
前記副制御部は、前記電子メールサーバに対して前記時間間隔で繰り返し前記問い合わせを実行する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記設定情報記憶部は、ユーザの操作入力により設定されたスリープモード移行用時間情報をさらに記憶し、
前記主制御部は、現在時刻が前記スリープモード移行用時間情報で指定された時刻に達すると自装置を前記通常モードから前記スリープモードへ移行させる、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の画像形成装置であって、前記操作入力を受け付ける操作入力部をさらに備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記電子メールサーバ内に自装置宛ての電子メールの存在を確認したとき、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバから前記電子メールを取得し、該電子メールがステータス要求の記述を含む場合には前記主制御部を起動させずに、前記画像形成部の現在状態を示すステータス情報の記述を含む電子メールを前記ネットワーク・インタフェース部を介して返信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置であって、前記主制御部は、自装置を前記通常モードから前記スリープモードに移行させる直前に前記ステータス情報を前記副制御部に受け渡すことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置であって、
前記電子メールサーバは、
前記通信ネットワークを介して前記電子メールを受信し保管するサーバ機能部と、
前記電子メールの添付ファイルが被記録媒体上に画像を形成させることができる形式を有する場合に、印刷指示情報の記述を含む電子メールを印刷指示メールとして別の電子メールサーバに格納する事前検査部と、
を含み、
前記副制御部は、前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記別の電子メールサーバに対し自装置宛ての当該印刷指示メールの有無の問い合わせを実行し、その結果に基づいて前記別の電子メールサーバ内に自装置宛ての当該印刷指示メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させて自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させ、
前記主制御部は、起動して自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させた後に、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバから前記電子メールを取得し、
前記画像形成部は、前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置であって、
前記主制御部は、自装置を前記通常モードから前記スリープモードへ移行させる直前に、前記第2の電子メールサーバに保管されている前記印刷指示メールの全てを削除するとともに、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記別の電子メールサーバから前記電子メールを取得し、
前記画像形成部は、自装置が前記通常モードから前記スリープモードへ移行する直前に前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の画像形成装置であって、
前記別の電子メールサーバは、前記通信ネットワークに接続されたクライアント端末から、前記画像形成装置に宛てて送信されたステータス要求の記述を含む電子メールをステータス要求メールとして受信して保管し、
前記副制御部は、前記別の電子メールサーバに対する前記問い合わせの結果に基づいて前記別の電子メールサーバ内に前記ステータス要求メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させずに、前記画像形成部の現在状態を示すステータス情報の記述を含む電子メールを前記クライアント端末に宛てて返信する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項7から9のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記主制御部は、前記電子メールサーバとの間で暗号化通信を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項7から10のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記副制御部は、前記別の電子メールサーバとの間で平文で通信を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1から11のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記副制御部は、前記主制御部よりも低い消費電力で動作することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1から12のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記スリープモードでは前記画像形成部への電源供給を制限して前記画像形成部の動作を停止させる電源制御部をさらに含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
通信ネットワークに接続された電子メールサーバと、
請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項15】
通信ネットワークに接続された第1及び第2の電子メールサーバと、
通常モード及びスリープモードを動作モードとして有し、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、
を備え、
前記第1の電子メールサーバは、
通信ネットワークに接続されたクライアント端末から前記画像形成装置に宛てて送信された電子メールを受信して保管するサーバ機能部と、
前記サーバ機能部に保管されている前記電子メールの添付ファイルが被記録媒体上に画像を形成させことができる形式を有する場合に、印刷指示情報の記述を含む印刷指示メールを前記第2の電子メールサーバに格納する事前検査部と、
を含み、
前記画像形成装置は、
前記通信ネットワークを介して前記第1及び第2の電子メールサーバとの間で通信可能なネットワーク・インタフェース部と、
前記通常モードで自装置の全体動作を制御し、前記スリープモードで動作しない主制御部と、
前記通常モードで前記主制御部への電源供給を行い、前記スリープモードでは前記主制御部への電源供給を制限して前記主制御部の動作を停止させる電源制御部と、
前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記第2の電子メールサーバに対し自装置宛ての当該印刷指示メールの有無の問い合わせを実行する副制御部と、
を含み、
前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記第2の電子メールサーバ内に自装置宛ての当該印刷指示メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させて自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させ、
前記主制御部は、起動して自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させた後に、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記第1の電子メールサーバから前記電子メールを取得し、
前記画像形成部は、前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項16】
請求項15に記載の画像形成システムであって、
前記主制御部は、自装置を前記通常モードから前記スリープモードへ移行させる直前に、前記第2の電子メールサーバに保管されている前記印刷指示メールの全てを削除するとともに、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記第1の電子メールサーバから前記電子メールを取得し、
前記画像形成部は、自装置が前記通常モードから前記スリープモードへ移行する直前に前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項17】
請求項15または16に記載の画像形成システムであって、前記主制御部は、前記第1の電子メールサーバとの間で暗号化通信を行うことによって前記第1の電子メールサーバから前記電子メールを取得することを特徴とする画像形成システム。
【請求項18】
請求項15から17のうちのいずれか1項に記載の画像形成システムであって、前記副制御部は、前記第2の電子メールサーバとの間で平文で通信を行うことによって前記印刷指示メールを取得することを特徴とする画像形成システム。
【請求項19】
請求項15から18のうちのいずれか1項に記載の画像形成システムであって、
前記第2の電子メールサーバは、前記通信ネットワークに接続されたクライアント端末から、前記画像形成装置に宛てて送信されたステータス要求の記述を含む電子メールをステータス要求メールとして受信して保管し、
前記副制御部は、前記第2の電子メールサーバに対する前記問い合わせの結果に基づいて前記第2の電子メールサーバ内に前記ステータス要求メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させずに、前記画像形成部の現在状態を示すステータス情報の記述を含む電子メールを前記クライアント端末に宛てて返信する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項20】
通信ネットワークに接続された電子メールサーバと、
通常モード及びスリープモードを動作モードとして有し、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、
を備え、
前記電子メールサーバは、前記通信ネットワークに接続されたクライアント端末から前記画像形成装置に宛てて送信されたステータス要求の記述を含む電子メールをステータス要求メールとして受信して保管し、
前記画像形成装置は、
前記通信ネットワークを介して前記電子メールサーバとの間で通信可能なネットワーク・インタフェース部と、
前記通常モードで自装置の全体動作を制御し、前記スリープモードで動作しない主制御部と、
前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバに対し自装置宛ての電子メールの有無の問い合わせを実行する副制御部と、
を含み、
前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記電子メールサーバ内に前記ステータス要求メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させずに、前記画像形成部の現在状態を示すステータス情報の記述を含む電子メールを前記クライアント端末に宛てて返信する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項21】
請求項20に記載の画像形成システムであって、前記副制御部は、前記電子メールサーバとの間で平文で通信を行うことを特徴とする画像形成システム。
【請求項1】
通常モード及びスリープモードを動作モードとして有する画像形成装置であって、
通信ネットワークに接続された電子メールサーバとの間で通信可能なネットワーク・インタフェース部と、
前記通常モードで自装置の全体動作を制御し、前記スリープモードで動作しない主制御部と、
前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバに対し自装置宛ての電子メールの有無の問い合わせを実行する副制御部と、
被記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、
を備え、
前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記電子メールサーバ内に自装置宛ての電子メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させて自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させ、
前記主制御部は、起動して自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させた後に、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバから前記電子メールを取得し、
前記画像形成部は、前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
ユーザの操作入力により設定された時間間隔を記憶する設定情報記憶部をさらに備え、
前記副制御部は、前記電子メールサーバに対して前記時間間隔で繰り返し前記問い合わせを実行する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記設定情報記憶部は、ユーザの操作入力により設定されたスリープモード移行用時間情報をさらに記憶し、
前記主制御部は、現在時刻が前記スリープモード移行用時間情報で指定された時刻に達すると自装置を前記通常モードから前記スリープモードへ移行させる、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の画像形成装置であって、前記操作入力を受け付ける操作入力部をさらに備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記電子メールサーバ内に自装置宛ての電子メールの存在を確認したとき、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバから前記電子メールを取得し、該電子メールがステータス要求の記述を含む場合には前記主制御部を起動させずに、前記画像形成部の現在状態を示すステータス情報の記述を含む電子メールを前記ネットワーク・インタフェース部を介して返信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置であって、前記主制御部は、自装置を前記通常モードから前記スリープモードに移行させる直前に前記ステータス情報を前記副制御部に受け渡すことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置であって、
前記電子メールサーバは、
前記通信ネットワークを介して前記電子メールを受信し保管するサーバ機能部と、
前記電子メールの添付ファイルが被記録媒体上に画像を形成させることができる形式を有する場合に、印刷指示情報の記述を含む電子メールを印刷指示メールとして別の電子メールサーバに格納する事前検査部と、
を含み、
前記副制御部は、前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記別の電子メールサーバに対し自装置宛ての当該印刷指示メールの有無の問い合わせを実行し、その結果に基づいて前記別の電子メールサーバ内に自装置宛ての当該印刷指示メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させて自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させ、
前記主制御部は、起動して自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させた後に、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバから前記電子メールを取得し、
前記画像形成部は、前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置であって、
前記主制御部は、自装置を前記通常モードから前記スリープモードへ移行させる直前に、前記第2の電子メールサーバに保管されている前記印刷指示メールの全てを削除するとともに、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記別の電子メールサーバから前記電子メールを取得し、
前記画像形成部は、自装置が前記通常モードから前記スリープモードへ移行する直前に前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の画像形成装置であって、
前記別の電子メールサーバは、前記通信ネットワークに接続されたクライアント端末から、前記画像形成装置に宛てて送信されたステータス要求の記述を含む電子メールをステータス要求メールとして受信して保管し、
前記副制御部は、前記別の電子メールサーバに対する前記問い合わせの結果に基づいて前記別の電子メールサーバ内に前記ステータス要求メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させずに、前記画像形成部の現在状態を示すステータス情報の記述を含む電子メールを前記クライアント端末に宛てて返信する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項7から9のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記主制御部は、前記電子メールサーバとの間で暗号化通信を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項7から10のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記副制御部は、前記別の電子メールサーバとの間で平文で通信を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1から11のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記副制御部は、前記主制御部よりも低い消費電力で動作することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1から12のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記スリープモードでは前記画像形成部への電源供給を制限して前記画像形成部の動作を停止させる電源制御部をさらに含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
通信ネットワークに接続された電子メールサーバと、
請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の画像形成装置と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項15】
通信ネットワークに接続された第1及び第2の電子メールサーバと、
通常モード及びスリープモードを動作モードとして有し、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、
を備え、
前記第1の電子メールサーバは、
通信ネットワークに接続されたクライアント端末から前記画像形成装置に宛てて送信された電子メールを受信して保管するサーバ機能部と、
前記サーバ機能部に保管されている前記電子メールの添付ファイルが被記録媒体上に画像を形成させことができる形式を有する場合に、印刷指示情報の記述を含む印刷指示メールを前記第2の電子メールサーバに格納する事前検査部と、
を含み、
前記画像形成装置は、
前記通信ネットワークを介して前記第1及び第2の電子メールサーバとの間で通信可能なネットワーク・インタフェース部と、
前記通常モードで自装置の全体動作を制御し、前記スリープモードで動作しない主制御部と、
前記通常モードで前記主制御部への電源供給を行い、前記スリープモードでは前記主制御部への電源供給を制限して前記主制御部の動作を停止させる電源制御部と、
前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記第2の電子メールサーバに対し自装置宛ての当該印刷指示メールの有無の問い合わせを実行する副制御部と、
を含み、
前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記第2の電子メールサーバ内に自装置宛ての当該印刷指示メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させて自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させ、
前記主制御部は、起動して自装置を前記スリープモードから前記通常モードに移行させた後に、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記第1の電子メールサーバから前記電子メールを取得し、
前記画像形成部は、前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項16】
請求項15に記載の画像形成システムであって、
前記主制御部は、自装置を前記通常モードから前記スリープモードへ移行させる直前に、前記第2の電子メールサーバに保管されている前記印刷指示メールの全てを削除するとともに、前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記第1の電子メールサーバから前記電子メールを取得し、
前記画像形成部は、自装置が前記通常モードから前記スリープモードへ移行する直前に前記主制御部により取得された前記電子メールの添付ファイルに基づいて前記被記録媒体上に画像を形成する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項17】
請求項15または16に記載の画像形成システムであって、前記主制御部は、前記第1の電子メールサーバとの間で暗号化通信を行うことによって前記第1の電子メールサーバから前記電子メールを取得することを特徴とする画像形成システム。
【請求項18】
請求項15から17のうちのいずれか1項に記載の画像形成システムであって、前記副制御部は、前記第2の電子メールサーバとの間で平文で通信を行うことによって前記印刷指示メールを取得することを特徴とする画像形成システム。
【請求項19】
請求項15から18のうちのいずれか1項に記載の画像形成システムであって、
前記第2の電子メールサーバは、前記通信ネットワークに接続されたクライアント端末から、前記画像形成装置に宛てて送信されたステータス要求の記述を含む電子メールをステータス要求メールとして受信して保管し、
前記副制御部は、前記第2の電子メールサーバに対する前記問い合わせの結果に基づいて前記第2の電子メールサーバ内に前記ステータス要求メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させずに、前記画像形成部の現在状態を示すステータス情報の記述を含む電子メールを前記クライアント端末に宛てて返信する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項20】
通信ネットワークに接続された電子メールサーバと、
通常モード及びスリープモードを動作モードとして有し、被記録媒体上に画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、
を備え、
前記電子メールサーバは、前記通信ネットワークに接続されたクライアント端末から前記画像形成装置に宛てて送信されたステータス要求の記述を含む電子メールをステータス要求メールとして受信して保管し、
前記画像形成装置は、
前記通信ネットワークを介して前記電子メールサーバとの間で通信可能なネットワーク・インタフェース部と、
前記通常モードで自装置の全体動作を制御し、前記スリープモードで動作しない主制御部と、
前記スリープモードで前記ネットワーク・インタフェース部を介して前記電子メールサーバに対し自装置宛ての電子メールの有無の問い合わせを実行する副制御部と、
を含み、
前記副制御部は、前記問い合わせの結果に基づいて前記電子メールサーバ内に前記ステータス要求メールの存在を確認したとき、前記主制御部を起動させずに、前記画像形成部の現在状態を示すステータス情報の記述を含む電子メールを前記クライアント端末に宛てて返信する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項21】
請求項20に記載の画像形成システムであって、前記副制御部は、前記電子メールサーバとの間で平文で通信を行うことを特徴とする画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2011−254205(P2011−254205A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125679(P2010−125679)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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