説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】 本発明の目的は、中間転写体を用いた画像形成装置を用いて良好なカラーの電子写真画像を作製できる画像形成装置、画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】 発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源で形成された有機感光体上の静電潜像に各着色トナー像を形成し、該形成されたトナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー複写機やカラープリンタとして用いられる画像形成装置及び該画像形成装置を用いた画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真感光体には有機感光体(以下、単に感光体とも云う)が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安い事など他の感光体に対して有利な点があるが、欠点としては機械的強度が弱く異物が付着しやすいこと、化学的な耐久性が弱く、多数枚のプリント時に感光体の静電特性の劣化や、表面の擦過傷の発生等がある。
【0003】
即ち、有機感光体は、該感光体上に形成されたトナー像を紙等の転写材に転写する時や感光体上の残留トナーをクリーニングする時等に加えられる機械的な外力で発生する表面の異物付着やキズに対する耐久性(耐摩耗性)が要求されている。
【0004】
又、カラー複写機やカラープリンタにおいても、高画質のデジタルカラー画像を求める傾向が強い。このような要求に対し、露光光源として短波長のレーザ光を用い、高密度のデジタル画像を形成することが提案されている(特許文献1)。しかしながら、該短波長レーザ光を用いて有機感光体上に静電潜像を形成しても、前記した異物付着やキズに対する耐久性が尚十分に解決されていないので、多数枚のカラー画像の作製では、有機感光体への異物付着によるダッシュマークの発生や、擦り傷等によるドット再現性の劣化により、徐々に画質が劣化しやすい。
【0005】
高画質のカラー画像を形成する方式として、中間転写方式のカラー画像形成装置が公知であるが、この中間転写方式のカラー画像形成装置は、トナー画像を有機感光体から中間転写体に転写する一次転写と中間転写体から記録紙へ転写する二次転写の2段階の転写工程があり、また、クリーニングも一次転写後の有機感光体のクリーニングと二次転写後の中間体のクリーニングの2段階あるため、しばしば、トナー画像の転写不良に伴う画像不良やクリーニングに伴う画像欠陥が発生しやすい。
【0006】
特に、有機感光体は繰り返し使用に伴う摩耗劣化や表面への異物の付着(トナー成分や紙粉成分の付着)のため、有機感光体から中間転写体へのトナー像の一次転写では、トナーの転写性が変化し、画像濃度の低下及び色ずれ(色度の変化が大きいこと)等の画像不良が発生しやく、短波長レーザ光等を用いて、有機感光体上に高精細の静電潜像を形成したとしても、これら静電潜像に相当する高精細のカラー画像を得ることは困難であった。
【0007】
この有機感光体から中間転写体へのトナー像の一次転写の問題を解決するために、有機感光体表面を低表面エネルギー化するために、フッ素樹脂粉体を含有させた有機感光体が報告されている(特許文献2)。しかしながら、これまでに公開されたフッ素樹脂粉体を含有した表面層を有する感光体では、表面層の内部に均一にフッ素樹脂粉体を分散させることができず、含フッ素樹脂微粒子の分散不良により、ダッシュマーク(彗星状の小さな斑点)や画像ムラが発生しやすく、このような感光体を中間転写方式の画像形成装置に用いると、繰り返し使用中に、トナーの一次転写性が変化し、画像濃度の低下及び色ずれ等の画像不良が発生しやすいという問題があった。
【特許文献1】特開2000−250239号公報
【特許文献2】特開昭63−56658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされた。本発明の目的は、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源で形成された有機感光体上の静電潜像を各着色トナー像に変換した後、中間転写体を用いた画像形成装置を用いて高精細なカラーの電子写真画像を提供することであり、特に多数枚のカラー画像形成において、感光体から中間転写体へのトナーの転写性を改善し、感光体の繰り返し使用中でのトナーの一次転写性の変化を小さくし、画像濃度の低下及び色ずれ等の画像不良の発生を防止して、鮮鋭性が良好で鮮やかな色相のカラー画像を再現する電子写真方式の画像形成装置、画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源で形成された有機感光体上の静電潜像を各着色トナー像に変換した後、中間転写体を用いるカラー画像を形成する画像形成装置において、感光体から中間転写体へのカラートナー像の一次転写性について詳しく検討した結果、感光体の使用初期と繰り返し使用後でのトナーの一次転写性の変化を小さくするには、有機感光体の表面層に含有される含フッ素樹脂微粒子の分散性を改善し、表面層の接触角のバラツキを小さくすることが必要であることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
即ち、本発明の目的は下記構成の何れかを採ることにより達成される。
(請求項1)
少なくとも現像手段を有する画像形成ユニットを複数有し、該複数の画像形成ユニット毎の着色を変えたトナーを用いて、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源で形成された有機感光体上の静電潜像に各着色トナー像を形成し、該形成されたトナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする画像形成装置。
(請求項2)
少なくとも有機感光体、帯電手段、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源を有する露光手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に形成された各着色トナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする画像形成装置。
(請求項3)
少なくとも現像手段を有する画像形成ユニットを複数有し、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源で形成された有機感光体上の静電潜像に各着色トナー像を形成し、該形成されたトナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、且つ水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0°以下であることを特徴とする画像形成装置。
(請求項4)
少なくとも有機感光体、帯電手段、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源を有する露光手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に形成された各着色トナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、且つ水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0°以下であることを特徴とする画像形成装置。
(請求項5)
前記表面層のバインダー樹脂の少なくとも1つがシロキサン変成ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項6)
前記表面層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項7)
前記有機感光体が導電性支持体上に電荷発生層及び複数の電荷輸送層を積層した構成を有し、該複数の電荷輸送層の1つが表面層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項8)
前記導電性支持体と電荷発生層の間に、N型半導性粒子を含有する中間層を有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
(請求項9)
前記N型半導性粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
(請求項10)
前記N型半導性粒子が酸化チタン又は酸化亜鉛であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
(請求項11)
前記酸化チタンがルチル型酸化チタン顔料又はアナターゼ型酸化チタン顔料であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
(請求項12)
前記N型半導性粒子が表面処理を施されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項13)
前記中間層がポリアミド樹脂のバインダーを含有することを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項14)
前記ポリアミド樹脂が融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
(請求項15)
前記中間層のバインダー樹脂とN型半導性粒子の体積比はバインダー樹脂を1とした時、N型半導性粒子が1〜2であることを特徴とする請求項13又は14に記載の画像形成装置。
(請求項16)
請求項1〜15のいずれか1項に記載の画像形成装置を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明を用いることにより、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源で形成された有機感光体上の静電潜像を各着色トナー像に変換した後、中間転写体を用いるカラー画像を形成する画像形成装置において、中間転写体を用いた電子写真方式のトナーの一次転写性を改善でき、感光体の使用初期と繰り返し使用後でのトナーの一次転写性の変化を小さくし、画像濃度の低下及び色ずれ等の画像不良の発生を防止して、高精細の鮮鋭性が良好で鮮やかな色相のカラー画像を再現する電子写真方式の画像形成装置、画像形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の画像形成装置は、少なくとも現像手段を有する画像形成ユニットを複数有し、該複数の画像形成ユニット毎の着色を変えたトナーを用いて、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源で形成された有機感光体上の静電潜像に各着色トナー像を形成し、該形成されたトナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする。
【0013】
又、本発明の画像形成装置は、少なくとも有機感光体、帯電手段、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源を有する露光手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に形成された各着色トナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする。
【0014】
又、本発明の画像形成装置は、少なくとも現像手段を有する画像形成ユニットを複数有し、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源で形成された有機感光体上の静電潜像に各着色トナー像を形成し、該形成されたトナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、且つ水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0°以下であることを特徴とする。
【0015】
又、本発明の画像形成装置は、少なくとも有機感光体、帯電手段、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源を有する露光手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に形成された各着色トナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、且つ水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0°以下であることを特徴とする。
【0016】
本発明の画像形成装置は上記した構成の有機感光体を用いることにより、ダッシュマークの発生や画像ムラを防止できると共に、中間転写方式での感光体から中間転写体へのトナー画像の一次転写性を改善でき、感光体の使用初期に達成された目標性能が繰り返し使用が十分に進行した感光体においても、十分に達成され、画像濃度の低下及び色ずれ等の画像不良の発生を防止して、短波長レーザ光等で形成された高精細の静電潜像を明瞭にトナー像として再現し、鮮鋭性が良好で鮮やかな色相のカラー画像を提供することができる。
【0017】
以下、本発明に係わる有機感光体の構成について説明する。
【0018】
即ち、含フッ素樹脂微粒子は前記したように分散均一性に乏しく、凝集物のない均一で平滑な膜を形成することは困難であった。即ち、結晶化度が90%未満になり、延展性が高い含フッ素樹脂微粒子は分散液中での均一な分散粒子を維持することが難しく、分散粒子が凝集し、接触角が均一な表面層を形成することが困難であった。このような低結晶化度で且つ平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満の含フッ素樹脂微粒子の分散性を改善し、水に対する接触角が90°以上であり且つ接触角のばらつきが±2.0°以下の表面層を形成することにより、長期にわって、ダッシュマークや画像ムラを防止し、画像濃度や色ずれの劣化を防止し、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードで形成した高精細のドット潜像を忠実に再現し、鮮鋭性が良好なカラーの電子写真画像を形成可能な有機感光体を提供することができる。
【0019】
本発明の特性を有する表面層は、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で且つ結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂とを低沸点溶媒、好ましくは、大気圧下で120℃以下の沸点を有する有機溶媒(例えば、THF(テトラヒドロフラン)、エタノール、トルエン、ジクロルエタン等)を用いて分散することにより、前記含フッ素樹脂微粒子相互の凝集性を抑えて安定した分散液を製造することができる。同時に、該分散液を塗布液として、塗布液供給型の塗布装置を用いて表面層を形成し、乾燥させることにより表面層中の含フッ素樹脂微粒子の凝集を防止し、水に対する接触角のばらつきを小さくした表面層を形成する。
【0020】
上記塗布液供給型の塗布装置とは、層形成に必要な塗布液を導電性支持体上に供給して塗布する塗布装置を意味し、例えば、スライドホッパー型塗布装置、押し出し型塗布装置、スプレー塗布装置等が挙げられる。このような塗布液供給型の塗布装置は、導電性支持体を塗布液に浸積して塗布する浸積塗布に比し、塗布装置内で分散液を滞留させず、ワンウエイで表面層を形成するので、含フッ素樹脂微粒子の分散粒子は、分散液中で凝集シェアを繰り返し受けることなく、含フッ素樹脂微粒子の凝集が少ない均一な表面層を形成することができる。しかも、感光体製造毎に分散液を作製できるので、分散液の経時による凝集を防止でき、且つ表面層形成時に、導電性支持体に既に形成されている下層を溶解せずに塗布できることから、塗布乾燥時も含フッ素樹脂微粒子の凝集が少なく、均一な分散性を有する表面層を形成することができる。
【0021】
上記塗布液供給型の塗布装置の中でもスライドホッパー型塗布装置を用いた塗布加方法は、前記した低沸点溶媒を用いた分散液を塗布液として用いる場合に最も適しており、円筒状の感光体の場合は特開昭58−189061号公報等に詳細に記載されている円形スライドホッパー型塗布装置等を用いて塗布することが好ましい。
【0022】
以下に簡単に円形スライドホッパー型塗布装置について簡単に説明する。
【0023】
本発明において、含フッ素樹脂微粒子を分散した塗布液は、円形スライドホッパー型塗布装置を用いて有利に塗布される。円形スライドホッパー型塗布装置の一例として、例えば図1に縦断面図で示されるように中心線XXに沿って垂直状に重ね合わせた円筒状基材251A,251Bを連続的に矢示方向に上昇移動させ、その周囲を取り囲み、基材251の外周面に対しスライドホッパー型塗布装置の塗布に直接係わる部分(塗布ヘッドと略称する)260により塗布液Lが塗布される。なお、基材としては中空ドラム、例えば、アルミニウムドラム、プラスチックドラムのほかシームレスベルト型の基材でも良い。図2に示す如く前記塗布ヘッド260には、基材251側に開口する塗布液流出口261を有する幅狭の塗布液分配スリット(スリットと略称する)262が水平方向に形成されている。このスリット262は環状の塗布液分配室263に連通し、この環状の塗布液分配室263には貯留タンク254内の塗布液Lを圧送ポンプ255により供給管264を介して供給するようになっている。他方、スリット262の塗布液流出口261の下側には、連続して下方に傾斜し基材の外寸よりやや大なる寸法で終端をなすように形成されたスライド面265が形成されている。更に、このスライド面265終端より下方に延びる唇状部(ビード;液溜まり部)266が形成されている。かかる塗布装置による塗布においては、基材251を引き上げる過程で、塗布液Lをスリット262から押し出し、スライド面265に沿って流下させると、スライド面終端に至った感光液は、そのスライド面終端と基材251の外周面との間にビードを形成した後、基材表面に塗布される。過剰の感光液は排出部267から排出される。
【0024】
上記円形スライドホッパ型塗布装置は、塗布液をスライド面265に沿って流下させ、スライド面265の終端に至った塗布液は、そのスライド面265の終端と円筒状基材251Aとの間にビードを形成した後、円筒状基材上に塗布膜が形成されることを特徴とする。
【0025】
円形スライドホッパー型塗布装置を用いる塗布方法では、スライド面終端と基材は、ある間隙(約2μm〜2mm)を持って配置されているため基材を傷つける事なく、また性質の異なる層を多層形成させる場合においても、既に塗布された層を損傷することなく塗布できる。更に性質が異なり同一溶媒に溶解する層を多層形成させる際にも、浸漬塗布方法と比べて溶媒中に存在する時間がはるかに短いので、下層成分が上層側へ殆ど溶出せず、塗布槽にも溶出することなく塗布できるので、含フッ素樹脂微粒子の分散性を劣化させずに塗布することができる。
【0026】
本発明に係わる含フッ素樹脂微粒子は、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満であるが、平均一次粒径が0.02μm未満では分散液の安定性が劣化し、含フッ素樹脂微粒子同士の凝集が発生し、表面層中に均一に分散することができにくく、接触角のバラツキが大きくなりやすい。接触角のバラツキが大きい有機感光体を本画像形成装置に適用すると、前記した色ずれやダッシュマーク或いは画像ムラが発生しやすい。また、平均一次粒径が0.20μmより大きいと、沈降による凝集粒子ができやすく、その結果、表面の接触角のバラツキも大きくなり、同様に、色ずれやダッシュマーク或いは画像ムラが発生しやすいと同時にレーザ光等の像露光を散乱させ、鮮鋭性を劣化させる。含フッ素樹脂微粒子の平均一次粒径は0.02μm以上、0.18μm以下がより好ましい。
【0027】
本明細書中、平均一次粒径は動的光散乱法を利用したDLS−6000(大塚電子社製)によって測定された値を用いている。しかし、上記装置によって測定されなければならないというわけではなく、上記装置と同様の原理あるいはレーザ回折法、遠心沈降法によって測定可能であればいかなる装置によって測定されてもよい。又、前記装置と同様の測定が可能であれば、感光層の断面観察より測定してもよい
また、表面層の水に対する接触角が90°未満では、感光体を繰り返し使用中に、トナーの一次転写性が変化しやすく、本発明の画像形成装置に用いると色ずれが発生しやすい。又、トナー中のシリカ等の無機外添剤の付着が多くなり、ダッシュマークが発生しやすい。又、クリーニングブレード等の感光体の接触部材との摩擦抵抗も大きく、擦過による摩耗が大きくなり、筋状の画像ムラが発生し、色ずれが発生しやすい。より好ましい接触角は95°以上120°以下である。120°より接触角を大きくしようとすると、表面層中に含フッ素樹脂微粒子の含有量が高く成りすぎ、表面層が柔らくなり、擦り傷が発生しやすく、画像ムラも発生しやすい。又、表面層の接触角のばらつきが±2.0°より大きいと、表面層の含フッ素樹脂微粒子の分散性が不均一となっており、トナー中の或いは紙粉中の無機成分、例えばトナー中のシリカや酸化チタン等の無機外添剤や紙粉中のタルク成分等が表面層に埋め込まれて、ダッシュマークや色ずれが発生しやすい。接触角のばらつきは±1.7°以下がより好ましい。
【0028】
接触角及び接触角のバラツキ測定
本発明で云う接触角とは感光体表面への純水に対する接触角を云う。感光体の接触角は純水に対する接触角を接触角計(CA−DT・A型:協和界面科学社製)を用いて20℃50%RHの環境下で測定する。
【0029】
接触角のバラツキの測定は20℃50%RHの環境下で測定する。測定は感光体が画像形成に十分なじんだ時点(少なくとも数枚のプリント画像形成後)に行う。測定個所は感光体が円筒状の場合は、中央部、左右端部から5cmの位置の3カ所について、それぞれ円周方向90°づつの4カ所、計12カ所を測定し、この平均値を本発明の接触角とし、この平均値から最も大きく正又は負にずれた値をバラツキの値とした。感光体がシートの場合は、同様に中央部、左右端部から5cmの位置の3カ所の位置で、それぞれ等間隔をあけて4カ所、計12ケ所を測定し、この平均値を本発明の接触角とし、この平均値から最も大きく正又は負にずれた値をバラツキの値とした。
【0030】
含フッ素樹脂微粒子は平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で且つ結晶化度が90%未満である。結晶化度が90%以上では、含フッ素樹脂微粒子の分散性は向上するが、含フッ素樹脂微粒子自体の延展性が小さくなり、接触角のばらつきが大きくなりやすい。また前記結晶化度の下限値は本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではないが、含フッ素樹脂微粒子の結晶化度が小さくなりすぎと延展性が過大になり、分散性が劣化しやすいことから、40%以上の結晶化度の含フッ素樹脂微粒子が好ましい。
【0031】
含フッ素樹脂微粒子の結晶化度の測定は広角X線回折測定により、発生した回折ピークを結晶質と非晶質に分離し、ベースライン補正を行なった後、結晶質と非晶質の全X線積分強度(分母)に対する結晶質のX線積分強度(分子)の百分率(%)で表示する。
【0032】
本発明では広角X線回折測定装置及び測定条件を下記のようにして測定したが、同じ結果が得られれば、他の測定装置等を用いてもよい。
【0033】
X線発生装置:Rigaku RU−200B
出力:50kV,150mA
モノクロメータ:グラファイト
線源:CuKα(0.154184nm)
走査範囲:3°≦2θ≦60°
走査方法:θ−2θ
走査速度:2°/min
含フッ素樹脂微粒子の構成材料は含フッ素重合性モノマーの単独重合体または共重合体、または含フッ素重合性モノマーとフッ素フリー重合性モノマーとの共重合体である。含フッ素重合性モノマーは一般式(1);
【0034】
【化1】

【0035】
(一般式(1)中、R4〜R7のうち少なくとも1つの基はフッ素原子であり、残りの基はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子、メチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、またはトリフルオロメチル基である)で表されるモノマーである。好ましい含フッ素重合性モノマーとして、四フッ化エチレン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、六フッ化プロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、二フッ化二塩化エチレン等が挙げられる。含フッ素重合性モノマーとして、2種類以上のモノマーが使用されてもよい。
【0036】
フッ素フリー重合性モノマーとして、例えば、塩化ビニル等が挙げられる。フッ素フリー重合性モノマーとして、2種類以上のモノマーが使用されてもよい。
【0037】
含フッ素樹脂微粒子はいずれも、上記構成材料の中で、含フッ素重合性モノマーの単独重合体または共重合体からなることが好ましく、より好ましくはポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、特にポリ四フッ化エチレンである。
【0038】
含フッ素樹脂微粒子を構成する重合体の平均分子量は本発明の目的を達成できる限り特に制限されないが、通常はいずれも1万から100万の範囲が好適である。
【0039】
本発明に係わる含フッ素樹脂微粒子の結晶化度は含フッ素樹脂微粒子の構成材料によっても変わるが、含フッ素樹脂微粒子を熱処理することによっても変えられる。例えば、平均一次粒径0.12μmおよび結晶化度91.3のPTFE微粒子(ポリエチレンテレフタレート微粒子)を250℃で65分間加熱処理すると、結晶化度を82.8に低下させることができる。熱処理手段は特に制限されず、公知の乾燥機または加熱炉を使用できる。
【0040】
前記表面層中のバインダー樹脂としては、含フッ素樹脂微粒子の分散性を助ける界面活性基を樹脂の部分構造に有する樹脂を用いることが好ましく、例えば、シロキサン基を部分構造に有するポリカーボネートやポリアリレートが好ましい。特に、下記に示すシロキサン基を部分構造に有するシロキサン変成ポリカーボネートが好ましい。
【0041】
【化2】

【0042】
【化3】

【0043】
分子量は10,000〜100,000が好ましい。
【0044】
又、本発明に係わる含フッ素樹脂微粒子を用いて水に対する接触角が90°以上であり且つ接触角のバラツキが±2.0°以下の表面層を形成するためには、表面層中の含フッ素樹脂微粒子の比率を高くすることが好ましく、質量比でバインダー樹脂100質量部に対し、少なくとも20質量部以上200質量部以下の量で用いることが好ましい。20質量量部未満では接触角の90°以上と接触角のバラツキが±2.0°以下を同時に満足させる表面層を形成するのが難しく、200質量部より多いと表面層が脆弱な膜となり、擦り傷等が発生しやすい。
【0045】
本発明は上記したような表面層を有する有機感光体であるが、表面層以外の有機感光体の構成について以下に記載する。
【0046】
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
【0047】
本発明に係わる感光体の構成は、感光体が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満の含フッ素樹脂微粒子を含有し、水に対する接触角が90°以上であり且つ接触角のバラツキが±2.0°以下の表面層を有する限り特に制限されるものではなく、例えば、以下に示すような構成が挙げられる;
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層した構成;
3)導電性支持体上に感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層を形成した構成;
4)導電性支持体上に感光層として電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した構成;
5)上記1)〜5)の感光体の感光層上にさらに表面保護層を形成した構成。
【0048】
感光体が上記いずれの構成を有する場合であってもよい。感光体の表面層とは、感光体が空気界面と接触する層であり、導電性支持体上に単層式の感光層のみが形成されている場合は当該感光層が表面層であり、導電性支持体上に単層式または積層式感光層と表面保護層とが積層されている場合は表面保護層が最表面層である。本発明では上記2)の構成が最も好ましく用いられる。尚、本発明に係わる感光体はいずれの構成を有する場合であっても、導電性支持体上、感光層の形成に先だって、下引層が形成されていてもよい。
【0049】
本発明に係わる電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
【0050】
以下に本発明に最も好ましく用いられる上記2)の層構成を例にして具体的な感光体の構成について記載する。
【0051】
(導電性支持体)
本発明に係わる感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
【0052】
円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、円筒度が5〜40μmが好ましく、7〜30μmがより好ましい。
【0053】
この円筒度とは、JIS規格(B0621−1984)による。即ち、円筒基体を2つの同軸の幾何学的円筒で挟んだとき、同軸2円筒の間隔が最小となる位置の半径の差で表し、本発明では該半径の差をμmで表す。円筒度の測定方法は円筒状基体の両端10mmの2点、中心部、両端と中心部の間を3等分した点の4点、計7点の真円度を測定し求める。測定器は非接触万能ロール径測定機((株)ミツトヨ製)を用いて測定できる。
【0054】
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
【0055】
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0056】
(中間層)
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0057】
本発明においては導電性支持体と前記感光層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μmが好ましい。
【0058】
又、本発明に好ましく用いられる中間層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0059】
又、本発明に好ましく用いられる中間層は無機粒子をバインダー樹脂中に分散した中間層が挙げられる。無機粒子の平均粒径は0.01〜1μmが好ましい。特に、表面処理をしたN型半導性微粒子をバインダー中に分散した中間層が好ましい。例えばシリカ・アルミナ処理及びシラン化合物で表面処理した平均粒径が0.01〜1μmの酸化チタンをポリアミド樹脂中に分散した中間層が挙げられる。このような中間層の膜厚は、1〜20μmが好ましい。
【0060】
N型半導性微粒子とは、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、該N型半導性微粒子を絶縁性バインダーに含有させることにより、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性を示さない性質を有するものをいう。
【0061】
ここで、N型半導性粒子の判別方法について説明する。
【0062】
導電性支持体上に膜厚5μmの中間層(中間層を構成するバインダー樹脂中に粒子を50質量%分散させた分散液を用いて中間層を形成する)を形成する。該中間層に負極性に帯電させて、光減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に光減衰特性を評価する。
【0063】
N型半導性粒子とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の光減衰が正極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい場合に、中間層に分散された粒子をN型半導性粒子という。
【0064】
前記N型半導性微粒子は、具体的には酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)等の微粒子が挙げられるが、本発明では、特に酸化チタンが好ましく用いられる。
【0065】
本発明に用いられるN型半導性微粒子の平均粒径は、数平均一次粒径において10nm以上500nm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは10nm〜200nm、特に好ましくは、15nm〜50nmである。
【0066】
数平均一次粒径の値が前記範囲内にあるN型半導性微粒子を用いた中間層は層内での分散を緻密なものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ発生防止機能を有する。
【0067】
前記N型半導性微粒子の数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。
【0068】
本発明に用いられるN型半導性微粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状のN型半導性微粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型及びアナターゼ型が好ましく、ルチル型が最も好ましい。
【0069】
N型半導性微粒子に行われる疎水化表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理であり、最後に反応性有機ケイ素化合物の表面処理を行うことが好ましい。
【0070】
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはN型半導性微粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0071】
この様に、酸化チタン粒子の様なN型半導性微粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、N型半導性微粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたN型半導性微粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型半導性微粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0072】
(感光層)
(電荷発生層)
本発明に係わる有機感光体には、電荷発生物質として350nm〜500nmの波長領域に高感度特性を有する電荷発生物質(CGM)を用いることが好ましい。このような電荷発生物質としてはアゾ顔料、ペリレン顔料、多感キノン顔料等が好ましく用いられる。又、これらの顔料を併用して用いることができる。本発明に好ましく用いられる顔料化合物を下記に例示する。
【0073】
【化4】

【0074】
【化5】

【0075】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
【0076】
(電荷輸送層)
前記したように、本発明では電荷輸送層を複数の電荷輸送層から構成し、且つ最上層の電荷輸送層にフッ素系樹脂粒子を含有させた構成が好ましい。
【0077】
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により前記したフッ素系樹脂粒子の他に酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0078】
電荷輸送物質(CTM)としては公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることが好ましい。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。特に、像露光のレーザ光の波長を吸収しない電荷輸送物質が好ましく用いられる。本発明に好ましく用いられる電荷輸送物質としては下記のような化合物が挙げられる。
【0079】
【化6】

【0080】
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
【0081】
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の合計膜厚は20μm以下が好ましく、10〜16μmがより好ましい。該膜厚が20μmを超えると、電荷輸送層内での、短波長レーザの吸収や散乱が大きくなり、鮮鋭性の低下や、残留電位の増加が発生しやすい。
【0082】
又、本発明に係わる含フッ素樹脂微粒子を含有する表面層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。含フッ素樹脂微粒子を含有する表面層は感光体の帯電時の活性ガス、例えばNOxやオゾン等で酸化されやすく、画像ボケが発生しやすいが、酸化防止剤を共存させることにより、画像ボケの発生を防止することが出来る。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。代表的には下記の化合物群が挙げられる。
【0083】
【化7】

【0084】
【化8】

【0085】
【化9】

【0086】
【化10】

【0087】
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0088】
図3は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【0089】
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
【0090】
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
【0091】
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Kと、像露光手段3Y、3M、3C、3Kと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4K、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Kより構成されている。
【0092】
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
【0093】
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
【0094】
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
【0095】
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
【0096】
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いることを前提としている。これらの像露光光源を用いて、像露光のスポット径(露光ビームのスポット径のこと)を60nm以下に、好ましくは30nm以下、15nm以上に絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、600dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2400dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
【0097】
前記露光ビームのスポット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の光強度に対応する面積を真円面積に換算し、該真円面積の直径とする。
【0098】
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2までの部分をスポット面積とする。
【0099】
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
【0100】
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての用紙Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、用紙P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
【0101】
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
【0102】
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに圧接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
【0103】
二次転写ローラ5bは、ここを用紙Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
【0104】
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
【0105】
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
【0106】
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
【0107】
次に図4は本発明に係わる有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザービームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
【0108】
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
【0109】
感光体1は回転過程で、帯電手段2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像に対応した静電潜像が形成される。
【0110】
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
【0111】
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0112】
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
【0113】
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
【0114】
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
【0115】
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0116】
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
【0117】
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
【0118】
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
【実施例】
【0119】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
【0120】
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
【0121】
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、十点表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター)し、中間層塗布液を作製した。
【0122】
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1部
無機粒子:酸化チタン(数平均一次粒径35nm:シリカ・アルミナ処理及びメチルハイドロジェンポリシロキサン処理の酸化チタン) 3部
メタノール 10部
を混合し、分散機としてサンドミルを用い、バッチ式で10時間の分散を行い、中間層分散液を作製した。
【0123】
上記塗布液を用いて前記支持体上に、乾燥膜厚1.0μmとなるよう塗布した。
【0124】
〈電荷発生層:CGL〉
電荷発生物質(CGM):前記CGM−1 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0125】
〈電荷輸送層1(CTL1)〉
電荷輸送物質(前記CTM−4) 225部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
ジクロロメタン 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚10.0μmの電荷輸送層1を形成した。
【0126】
〈ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(PTFE粒子)分散液の調製〉
PTFE粒子(平均一次粒径0.12μmおよび結晶化度91.3のPTFE粒子)を250℃で40分間加熱処理し、結晶化度を82.8にしたPTFE粒子を用い、下記のPTFE粒子分散液を調製した。
【0127】
PTFE粒子(PT1:平均一次粒径0.12μm、結晶化度を82.8)200部
トルエン 600部
フッ素系クシ型グラフトポリマー(商品名GF300、東亜合成化学(株)製)15部を混合した後ガラスビーズを用いたサンドグラインダー((株)アメックス製)にて分散し、PTFE粒子分散液を調製した。
【0128】
〈電荷輸送層2(CTL2)〉
PTFE粒子分散液 815部
電荷輸送物質(前記CTM−4) 150部
シロキサン変性ポリカーボネート樹脂(PC−1) 150部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 150部
酸化防止剤(例示化合物2−1) 12部
THF:テトラヒドロフラン 2800部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 4部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液2を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層1の上に円形スライドホッパ型塗布機で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚2.0μmの電荷輸送層2を形成し、感光体1を作製した。
【0129】
感光体2〜12の作製
感光体1の作製において、電荷輸送層1の膜厚、電荷輸送層2(CTL2)のフッ素系樹脂粒子の種類と添加量を表1のように変化させた以外は感光体1と同様にして感光体2〜12を作製した。
【0130】
感光体13の作製
感光体1の作製において、電荷輸送層塗布液2の塗布を円形スライドホッパ型塗布装置に変えて、基本的に特開平9−304949号公報に記載の構造を有し、多数本同時塗布できる浸積塗布装置を用いて塗布した他は感光体1と同様にして感光体13を作製した。
【0131】
【表1】

【0132】
表1中、
PTFE、Hは下記のフッ素系樹脂微粒子を示す。
【0133】
PTFE:ポリエチレンテレフタレート樹脂粒子
H:三フッ化エチレン−四フッ化エチレンの共重合樹脂粒子
塗布装置欄の
*1は円形スライドホッパ型塗布装置
*2は浸積塗布装置を表す
又、表1中の接触角及び接触角のバラツキは前記した方法で測定し、接触角のバラツキは絶対値で表示した。
【0134】
《評価1》
上記で得られた各感光体を、基本的に図3で示した構造を有する中間転写体を有するデジタル複写機を用いて、べた画像やハーフトーン画像が混在するカラー画像を1万プリント印刷し、評価した。(複数の感光体上に着色を変えたトナー像を形成し、中間転写体上に転写してカラー画像を形成する方式(タンデム型)での画質評価)
プロセス条件
画像形成のライン速度L/S:180mm/s
上記各感光体1〜13を各々4本(感光体1Y、1M、1C及び1Bk用に4本)用いた。
【0135】
感光体(40mmφ)の帯電条件:非画像部の電位は、電位センサで検知し、フィードバック制御できるようにし、各感光体には−750Vの帯電電位を付与し、全露光した場合の感光体の表面電位は−50〜0Vの範囲にした。
【0136】
露光器:半導体レーザ(発振波長;405nm)
現像:各現像手段(4Y、4M、4C、4Br)に用いるイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーには、各々平均粒径4.5μmで、0.3μmの疎水性酸化チタン及び15nmの疎水性シリカの外添剤を含有した重合トナーを用いた二成分現像剤を用いた。反転現像法
中間転写体:シームレスの無端ベルト状中間転写体70を用い、半導電樹脂製のベルトで体積抵抗率が1×108Ω・cm、Rzが0.9μmのものを用いた。
【0137】
一次転写条件
一次転写ローラ(図1の5Y、5M、5C、5Bk(各6.05mmφ)):芯金に弾性ゴムを付した構成:表面比抵抗1×106Ω、転写電圧印加
二次転写条件
中間転写体としての無端ベルト状中間転写体70とそれを挟み込むようにバックアップローラ74と二次転写ローラ5bが配置され、バックアップローラ74の抵抗値が1×106Ωであり、二次転写手段としての二次転写ローラの抵抗値が1×106Ωであり定電流制御(約80μA)をするようにしてある。
【0138】
定着はローラ内部にヒータを配置した定着ローラによる熱定着方式である。
【0139】
評価項目と評価基準
鮮鋭性
評価スタート時に、レーザビームのスポット径を変化し、600dpi(スポット径を50nm)、1200dpi(スポット径を30nm)、2400dpi(スポット径を15nm)のハーフトーン画像を作製して評価した。
【0140】
ランクA:600dpi〜2400dpi迄、各dpiのハーフトーン画像が明瞭に(各ドットが独立して)再現されている(高画質特性が非常に良好)。
【0141】
ランクB:600dpi〜1200dpi迄、各dpiのハーフトーン画像が明瞭に再現されているが、2400dpiのハーフトーン画像は明瞭さ(各ドットの独立性)が不十分(高画質特性が良好)。
【0142】
ランクC:600dpiのハーフトーン画像が明瞭に再現されているが、1200及び2400dpiのハーフトーン画像は明瞭さが不十分(高画質特性を有する)。
【0143】
ランクD:600dpiのハーフトーン画像でも明瞭さ(各ドットの独立性)が不十分(高画質特性が不十分)
画像濃度
マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。多数枚の印刷で残留電位が増加すると、画像濃度が低下する。各1万枚印刷後の各色のべた画像部で測定した。
【0144】
◎:Bk、及びY、M、Cのソリッド(べた)画像部の各濃度が1.2以上(良好)
○:Bk、及びY、M、Cのソリッド(べた)画像部の各濃度が0.8以上(実用上問題なし)
×:Bk、及びY、M、Cのソリッド(べた)画像部の少なくとも1つの濃度が0.8未満(実用上問題あり)
ダッシュマーク
ハーフトーン画像上に周期性が感光体の周期と一致するダッシュマーク(彗星状の小さなすじ画像)の発生状況を下記の基準で判定した。
【0145】
◎;0.4mm以上のダッシュマークの頻度:全ての印刷画像が5個/A4以下(良好)
○;0.4mm以上のダッシュマークの頻度:6個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×;0.4mm以上のダッシュマーク画像欠陥の頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
画像ムラ
◎:1万枚の印刷を通して、感光体表面の傷と一致したハーフトーン画像のいずれにおいてもスジ状のムラが全く見られなかった;
○:1万枚の印刷を通して、感光体表面の一部に軽微なスジ状のムラが見られたものの、ハーフトーン画像においてはスジ状のムラが全く見られなかった;
×:1万枚の印刷中に、感光体表面の傷と一致したハーフトーン画像の全面にはっきりとしたスジ状のムラが見れた。
【0146】
色差(色ずれ)
20℃、60%RH環境下で、連続プリントランニングを実施し、初期、及び1万プリント後の画像における二次色(レッド、グリーン、ブルー)のソリッド画像部(べた画像部)の色を「Macbeth Color−Eye7000」により測定し、CMC(2:1)色差式を用いて色差を算出した。上記二次色の中で最も色差の大きいものを選び出し、CMC(2:1)色差式で求められた色差が、5以下のものを許容範囲内のものとし、下記の基準で評価した。
【0147】
◎:色差が3未満(良好)
○:色差が3以上5未満(実用上問題なし)
×:色差が5以上(実用上問題有り)
結果を表2に記す。
【0148】
【表2】

【0149】
表2より、中間転写体を用いたタンデム方式の画像形成装置に、本発明の感光体、即ち、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、且つ水に対する接触角が90°以上の表面層(=電荷輸送層2)を有し、接触角のばらつきが±2.0以内の有機感光体1〜3、6、8、10〜12はいずれの感光体も画像濃度が十分に高く、ダッシュマークや画像ムラが改善され、1万印刷後の色差(色ずれ)も小さく、初期から1万印刷まで、鮮鋭性が良好なカラー画像が得られている。一方、平均一次粒径が0.01μmのPTFE−4を用いた感光体4は表面層の含フッ素樹脂微粒子の分散性が劣り、接触角のバラツキが2.2と大きくなり、ダッシュマークや画像ムラが発生し、色差も大きくなっており、鮮鋭性も劣化している。又、平均一次粒径が0.22μmのPTFE−5を用いた感光体5も表面層の接触角のバラツキが2.3と大きくなり、ダッシュマークや画像ムラが発生し、色差も大きい。又、結晶化度が91.3のPTFE−7を用いた感光体7も表面層の接触角のバラツキが2.2と大きくなり、ダッシュマークや画像ムラが発生し、色差も大きく、鮮鋭性も劣化している。又、表面層(=電荷輸送層2)にPTEF−1の含有量を少なくして、接触角を88に低下させた感光体9はダッシュマークの発生が特に多く、画像濃度も低下し、カラー画像の色差も大きい。又、浸漬塗布装置で表面層(=電荷輸送層2)を塗布した感光体13は接触角のバラツキが2.6と大きくなり、ダッシュマークの発生がみられ、カラー画像の色度の変化が大きく、鮮鋭性が劣化していることが見いだされる。
【0150】
《評価2》
基本的に図4で示した構造を有する中間転写体を有するデジタル複写機を用いて評価した。(1つの感光体上に着色を変えたトナー像を形成し、これらのトナー像を順次中間転写体上に転写してカラー画像を形成する方式での画質評価)
得られた感光体を市販のカラープリンターmagicolor2300DeskLaser(ミノルタキューエムエス社製)に搭載し、低温低湿(LL:10℃20%RH)で耐久試験を行った。詳しくは、画素率が7%の文字画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にある画像画像を計1万枚印刷し、スタート時及び1万枚印刷後に評価した。評価項目と評価基準を以下に示す。
【0151】
尚、上記カラープリンターのプロセス条件は下記の条件で実施した。
【0152】
帯電器:鋸歯電極
露光器:半導体レーザ(発振波長;405nm)
現像:各現像手段(4Y、4M、4C、4Br)に用いるイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーには、各々平均粒径4.5μmで、0.3μmのチタン酸ストロンチウム及び15nmの疎水性シリカの外添剤を含有した非磁性重合トナーを用いた。反転現像法。
【0153】
転写:中間転写ベルト使用
クリーニング:クリーニングブレード
定着:加熱定着
プロセススピード:100mm/sec
評価項目及び評価基準は《評価1》と同様に行った結果、各感光体1〜13の評価結果は、《評価1》とほぼ同様な結果が得られた。
【0154】
《評価3》
前記評価2の評価条件で、露光器の半導体レーザを発光ダイオード(発振波長:430nm)に変更した以外は評価2と同様にして評価した。発光ダイオードを像露光光源として用いても、評価結果はほぼ評価2と同様であった。
【0155】
感光体14〜17の作製
感光体1の作製において、電荷発生層の電荷発生物質をCGM−1から表3に記載の如くCGM−2、CGM−3、CGM−4、CGM−1に変更し、電荷輸送層1及び電荷輸送層2の電荷輸送物質もCTM−4から表3に記載の如くCTM−1、CTM−2、CTM−3、CTM−5に変更した以外は同様にして感光体14〜17を作製した。これら感光体14〜17の接触角及び接触角のバラツキの測定結果(接触角のバラツキは絶対値で表示)は表3のような結果が得られた。
【0156】
【表3】

【0157】
《評価3》
前記評価1の評価条件で、露光器の半導体レーザの発振波長を(発振波長:480nm)に変更した以外は評価1と同様にして感光体14〜17を評価した。感光体14〜17の評価結果を表4に示す。
【0158】
【表4】

【0159】
表4より、感光体14〜17はいずれの感光体も画像濃度、ダッシュマーク、画像ムラ及び色差が改善され、鮮鋭性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明に係わる円形スライドホッパー型塗布装置例の断面図である。
【図2】本発明に係わる円形スライドホッパー型塗布装置例の斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図4】本発明に係わる有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。
【符号の説明】
【0161】
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
5b 二次転写ローラ(二次転写手段)
5Y、5M、5C、5Bk 一次転写ローラ(一次転写手段)
6b、6Y、6M、6C、6Bk クリーニング手段
7 無端ベルト状中間転写体ユニット
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成部(画像形成ユニット)
61 ブレード
62 ブラケット
63 支軸
70 無端ベルト状中間転写体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも現像手段を有する画像形成ユニットを複数有し、該複数の画像形成ユニット毎の着色を変えたトナーを用いて、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源で形成された有機感光体上の静電潜像に各着色トナー像を形成し、該形成されたトナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
少なくとも有機感光体、帯電手段、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源を有する露光手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に形成された各着色トナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
少なくとも現像手段を有する画像形成ユニットを複数有し、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源で形成された有機感光体上の静電潜像に各着色トナー像を形成し、該形成されたトナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、且つ水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0°以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
少なくとも有機感光体、帯電手段、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光光源を有する露光手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に形成された各着色トナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体の表面層が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満で、結晶化度が90%未満の含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂を含有し、且つ水に対する接触角が90°以上であり、接触角のばらつきが±2.0°以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記表面層のバインダー樹脂の少なくとも1つがシロキサン変成ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記表面層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記有機感光体が導電性支持体上に電荷発生層及び複数の電荷輸送層を積層した構成を有し、該複数の電荷輸送層の1つが表面層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記導電性支持体と電荷発生層の間に、N型半導性粒子を含有する中間層を有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記N型半導性粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記N型半導性粒子が酸化チタン又は酸化亜鉛であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記酸化チタンがルチル型酸化チタン顔料又はアナターゼ型酸化チタン顔料であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記N型半導性粒子が表面処理を施されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記中間層がポリアミド樹脂のバインダーを含有することを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記ポリアミド樹脂が融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記中間層のバインダー樹脂とN型半導性粒子の体積比はバインダー樹脂を1とした時、N型半導性粒子が1〜2であることを特徴とする請求項13又は14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の画像形成装置を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−64719(P2006−64719A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−243533(P2004−243533)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】