説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】トナーの消費量を削減する機能を備えた画像形成装置において、トナーの消費量を削減してプレビュー機能を備えた画像形成装置において、印刷した結果が、ユーザにとって無駄なものとなること設定を反映した印刷結果を確認し、印刷ミスの発生を防止することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、画像データを印刷する際の印刷濃度を設定する印刷濃度設定機能(S924)と、印刷濃度設定機能により設定された印刷濃度で印刷される画像データのプレビュー画像を表示するプレビュー画像表示機能(S912、S914、S928)と、プレビュー画像表示機能により表示されるプレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成する画像形成機能(S920)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを印刷する画像形成装置に関し、特にトナーの節約機能を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、印刷がされた後の記録紙に対し、ステープル、パンチングなどの後処理を行なうことができるものがある。そのような設定が適切なものか否かを確認する必要があるために、記録紙に印刷する前に表示パネルなどを用いて仕上り状態を表示して確認する、プレビュー機能が特許文献1に提案されている。
【0003】
特許文献1には、プレビュー画面に原稿上のステープル処理が施される位置を表示し、綴じ位置として問題がないことを確認してから印刷を行なうという技術が開示されている。
【0004】
また、画像形成装置には、画像形成の際にトナーを節約するモード、すなわち入力画像に対するトナー消費量を減少させて印刷する機能を有するものがある。トナーの消費量を調整することで、印刷時における消耗品に係るコストを削減する効果がある。
【0005】
そうした技術の一環として特許文献2には、トナー濃度の目標値であるトナー濃度基準値を複数通り記憶し、トナー節約モードにおいてトナー濃度基準値を切替えることで、画像形成装置において容易かつ正確にトナー消費量を変更することができる技術が開示されている。
【0006】
トナー消費の削減の技術の他の例として、特許文献3には、複数の画質モードを備えた画像形成装置において、印刷実行前に、入力された画像データに基づいて各画質モードにおけるトナー消費量及び印刷単価を算出して表示し、ユーザがこの表示を参照して選択した画質モードに基づいて印刷を行なう技術が開示されている。
【特許文献1】特開2007−36809号
【特許文献2】特開2006−235237号
【特許文献3】特開2006−227444号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ユーザが節約モードを選択することにより、画像形成装置が消費するトナー量を削減することができ、それにより印刷に係るコストを低減することが可能となる。しかし、節約モードを選択した場合でも、ユーザにとって有用な印刷物が作成されなかった場合には、かえって無駄な印刷を生じてしまうという問題点があった。
【0008】
特許文献1の技術は、後処理が施される位置に関するものであって、後処理についての確認はできるが、印刷結果がユーザにとって有用なものとなるか否か、つまり無駄な印刷となるか否かについて解決策を与えているわけではない。
【0009】
特許文献2の技術は、トナーの消費量を意図したとおりの量にすることはできるが、印刷結果がユーザにとって有用なものとなるか否かについて解決策を与えるものではないない。
【0010】
特許文献3の技術は、各画質モードにおけるトナー消費量又は印刷単価を元にユーザが印刷モードを選択する技術である。したがってこの技術も、印刷した結果がユーザにとって有用なものとなるか否かについて解決策を与えるものではない。
【0011】
それゆえに、本発明の目的は、トナーの消費量を削減する機能を備えた画像形成装置において、トナーの消費量を削減して印刷した結果が、ユーザにとって無駄なものとなることを防止できる画像形成装置を提供することである。
【0012】
さらに、本発明のもう一つの目的は、トナーの消費量を削減する機能を備えた画像形成装置において、トナー消費量の削減効率をさらに上げることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の局面に係る画像形成装置は、画像データを印刷する際の印刷濃度を設定するための印刷濃度設定手段と、印刷濃度設定手段により設定された印刷濃度で印刷される画像データのプレビュー画像を表示するためのプレビュー画像表示手段と、プレビュー画像表示手段により表示されるプレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成するための画像形成手段とを含む。
【0014】
印刷濃度設定手段は、画像データを印刷する際の印刷濃度を設定する。プレビュー画像表示手段は、印刷濃度設定手段によって設定された印刷濃度で印刷される画像データのプレビュー画像を表示する。画像形成手段は、プレビュー画像表示手段により表示されるプレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成する。
【0015】
第1の局面に係る画像形成装置は、利用者が設定した印刷濃度によって印刷される画像データのプレビュー画面を表示し、そのプレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成することができる。利用者は、設定した印刷濃度の印刷結果をプレビュー画像によって印刷前に確認することができるので、印刷ミスを防ぐことができる。その結果、トナーの消費量を削減する機能を備えた画像形成装置において、トナーの消費量を削減して印刷した結果が、ユーザにとって無駄なものとなることを防止できる画像形成装置を提供することができる。
【0016】
好ましくは、画像形成装置は、プレビュー画像表示手段によりプレビュー画像が表示されている時に、印刷濃度設定手段を用いて、画像データの印刷濃度を再設定するための印刷濃度再設定手段をさらに含む。
【0017】
印刷濃度再設定手段は、プレビュー画像表示手段によりプレビュー画像が表示されている時に、印刷濃度設定手段を用いて画像データの印刷濃度を再設定することができる。
【0018】
利用者は、プレビュー画像を見て所望の印刷濃度と異なる時は、印刷濃度再設定手段により画像データの印刷濃度を所望の濃度に再設定することができる。その結果、利用者の希望の印刷濃度を印刷前に随時設定することができ、利用者にとって無駄な印刷物の生成をすることを防ぐことができる。
【0019】
より好ましくは、画像形成装置は、印刷濃度再設定手段により再設定された印刷濃度を記憶するための濃度値記憶手段と、印刷濃度設定手段により設定される印刷濃度の初期値に、濃度値記憶手段により記憶された印刷濃度を設定するための初期値濃度設定手段とをさらに含む。
【0020】
濃度値記憶手段は、印刷濃度再設定手段により再設定された印刷濃度を記録する。初期値濃度設定手段は、印刷濃度設定手段により設定される印刷濃度の初期値に、濃度値記憶手段で記憶された印刷濃度を設定する。
【0021】
印刷濃度再設定手段により印刷濃度が再設定された場合は、再設定された印刷濃度を次回の印刷時の印刷濃度の初期値として用いることができる。印刷濃度の初期値に前回使用した印刷濃度が適用されることによって、利用者にとって所望の印刷濃度が設定される確率が高くなり、印刷濃度の再設定を行なうことを少なくすることができる。
【0022】
好ましくは、印刷濃度設定手段は、画像データの全てのページの印刷濃度を一括して設定するための一括濃度設定手段と、画像データの一部のページの印刷濃度のみを設定するための個別濃度設定手段とを含む。
【0023】
一括濃度設定手段は画像データの全てのページの印刷濃度を一括して設定する。個別濃度設定手段は、画像データの一部のページの印刷濃度を設定する。
【0024】
一括濃度設定手段により、画像データ全体の印刷濃度を一括して設定することができ、印刷濃度設定の手間を省くことができる。また、個別濃度設定手段を用いることで、印刷濃度が必要な写真画像などについては、そのページ個別に印刷濃度を設定することができる。その結果、印刷物の各ページにあわせた印刷濃度を簡単に設定することができる。
【0025】
本発明の第2の局面に係る画像形成装置は、画像データを印刷する際のトナー消費量を節約するトナー節約モード、及び標準モードのいずれかに画質モードを設定するための印刷モード設定手段と、印刷モード設定手段により画質モードがトナー節約モードに設定されたときに、トナー節約モードに対応する印刷濃度で印刷される画像データのプレビュー画像を表示するためのプレビュー画像表示手段と、利用者により印刷開始が指示されたことに応答して、プレビュー画像表示手段により表示されるプレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成するための画像形成手段とを含む。
【0026】
印刷モード設定手段は、画像データを印刷する際のトナー消費量を節約するトナー節約モード、及び標準モードのいずれかに画質モードを設定する。プレビュー画像表示手段は、印刷モード設定手段により画質モードがトナー節約モードに設定されたときに、トナー節約モードに対応する印刷濃度で印刷される画像データのプレビュー画像を表示する。画像形成手段は、利用者により印刷開始が指示されたことに応答して、プレビュー画像表示手段により表示されるプレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成する。
【0027】
第2の局面に係る画像形成装置は、画質モードとして画像データを印刷する際のトナー消費量を節約するトナー節約モードが設定できる。画像形成装置は、画質モードがトナー節約モードに設定されたとき、トナー節約モードに対応する印刷濃度で印刷される画像データのプレビュー画像を表示し、そのプレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成することができる。利用者は、トナー消費量を節約するトナー節約モードでの印刷結果をプレビュー画像によって印刷前に確認することができる。その結果、トナーの消費量を削減する機能を備えた画像形成装置において、トナーの消費量を削減して印刷した結果が、ユーザにとって無駄なものとなることを防止できる画像形成装置を提供することができる。加えて、印刷時においてトナー消費量を節約するトナー節約モードを設定することで、トナー消費量の削減効率をさらに上げることができる画像形成装置を提供できる。
【0028】
好ましくは、印刷モード設定手段は、互いに異なる印刷濃度に対応する複数のトナー節約モード、及び標準モードのいずれかを利用者に選択させるための手段を含む。
【0029】
利用者は、画質モードとして、互いに異なる印刷濃度に対応する複数のトナー節約モード、及び標準モードのいずれかを選択することができる。互いに異なる印刷濃度に対応した複数のトナー節約モードが選択できることで、所望の印刷濃度にあったトナー節約モードが選択でき、トナー消費量の削減効率をさらに上げることができる。
【0030】
好ましくは、画像形成装置は、プレビュー画像表示手段によりプレビュー画像が表示されている時に、印刷モード設定手段を用いて、画質モードを再設定するための印刷モード再設定手段をさらに含む。
【0031】
印刷モード再設定手段は、プレビュー画像表示手段によりプレビュー画像が表示されている時に、印刷モード設定手段を用いて画質モードを再設定することができる。
【0032】
利用者は、プレビュー画像を見て所望の印刷濃度と異なる時は、印刷モード再設定手段により画質モードを再設定することができる。利用者は希望にあった画質モードをプレビュー画像で確認しながら設定することができ、その結果、利用者にとって無駄な印刷物の生成をすることを防ぐことができる。
【0033】
好ましくは、画像形成装置は、印刷モード再設定手段により再設定された画質モードを記憶するためのモード記憶手段をさらに含む。印刷モード設定手段は、モード記憶手段に記憶された画質モードを初期値とする。
【0034】
モード記憶手段は、印刷モード再設定手段により再設定された画質モードを記憶する。印刷モード設定手段は、モード記憶手段に記憶された画質モードを初期値とする。
【0035】
印刷モード再設定手段により画質モードが再設定された場合は、再設定された画質モードを次回の印刷時の画質モードの初期値として設定できる。その結果、利用者にとって所望の画質モードが設定される確率が高くなり、画質モードの再設定を行なうことを少なくすることができる。
【0036】
本発明の第3の局面に係る画像形成方法は、画像データを印刷する際の印刷濃度を設定するための印刷濃度設定手段と、印刷濃度設定手段により設定された印刷濃度で印刷される画像データのプレビュー画像を表示するためのプレビュー画像表示手段と、プレビュー画像表示手段により表示されるプレビュー画像と同じ印刷濃度の印刷物を形成するための画像形成手段とを含む画像形成装置における画像形成方法であって、印刷濃度設定手段が、画像データを印刷する際の印刷濃度を設定するステップと、プレビュー画像表示手段が、印刷濃度を設定するステップにより設定された印刷濃度で印刷される画像データのプレビュー画像を表示するステップと、画像形成手段が、プレビュー画像を表示するステップにより表示されるプレビュー画像と同じ印刷濃度の印刷物を形成するステップとを含む。
【0037】
本発明の第4の局面に係る画像形成方法は、画像データを印刷する際のトナー消費量を節約するトナー節約モード、及び標準モードのいずれかに画質モードを設定するための印刷モード設定手段と、印刷モード設定手段により画質モードがトナー節約モードに設定されたときに、当該トナー節約モードに対応する印刷濃度で印刷される画像データのプレビュー画像を表示するためのプレビュー画像表示手段と、利用者により印刷開始が指示されたことに応答して、プレビュー画像表示手段により表示されるプレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成するための画像形成手段とを含む画像形成装置における画像形成方法であって、印刷モード設定手段が、利用者の操作に応答して画像形成装置の画質モードをトナー節約モード又は標準モードのいずれかに設定するステップと、設定するステップにおいて画質モードがトナー節約モードに設定されたときに、プレビュー画像表示手段が、印刷モード設定手段により設定された画質モードに対応した印刷濃度で印刷される画像データのプレビュー画像を表示するステップと、利用者により印刷開始が指示されたことに応答して、画像形成手段が、プレビュー画像を表示するステップにより表示されるプレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成するステップとを含む。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、この画像形成装置によると、実際に印刷される印刷物の印刷濃度をプレビュー画像において確認することができる。プレビュー画像に表示される印刷濃度が所望の濃度と異なる場合は再設定することも可能である。また、印刷物の一部のページのみの印刷することができる。その結果、トナーの消費量を削減する機能を備えた画像形成装置において、トナーの消費量を削減して印刷した結果が、ユーザにとって無駄なものとなることを防止できる画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下の説明及び図面においては、同一部品には同じ参照符号および名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0040】
[第1の実施の形態]
―構成―
図1は、第1の実施の形態に係るデジタル複合機40を含む、データ通信システム30の全体構成を表す模式図である。本発明に係るデジタル複合機40は、画像形成装置を含み、プリンタ機能、コピー機能及びファクシミリ機能を備えている。
【0041】
図1を参照し、デジタル複合機40は、電話回線網42及びLAN(Local Area Network)44に接続される。データ通信システム30はさらに、LAN44に接続されたコンピュータ46を含む。電話回線網42にはさらに、不特定多数の送信先ファクシミリ装置52が接続される。LAN44は、ゲートウェイ(図示せず)を介してインターネット網50に接続され、インターネット網50にはさらに、不特定多数のインターネットファクシミリ装置54(以下送信先ファクシミリ装置54という)と、外部コンピュータ48とが接続される。
【0042】
図2は、本実施の形態に係るデジタル複合機40の構成を表すブロック図である。図2を参照して、デジタル複合機40は、CPU(Central Processing Unit)で構成されデジタル複合機40の全体の制御を行なうための制御部60と、制御部60に接続されたバス94と、いずれもバス94に接続された、不揮発性のメモリなどからなる制御プログラムを記憶するための制御用メモリ62、RAM(Random Access Memory)からなるプログラムのデータ用として使用される制御用バッファ64、原稿画像を読取るための読取部70、記録紙に画像データを出力するための記録部72、読取部70で読取った画像データから送信ファクシミリ用画像データを作成するための画像処理部88、操作者からの入力指示を受付けるための操作パネル90、読取った画像データを符号化し、受信した符号化データを元の画像データに復号化するための符号/復号化制御部74、符号化された画像データを所定のファイルフォーマットに変換するためのフォーマット変換部68、符号化された状態の画像データ、及び読取部70で読取ったデータを記憶するための画像記憶部66、記録部72によって画像データが出力された記録紙にステープル処理などの後処理をするための後処理装置86、操作パネル90上に表示するプレビュー画像を生成するためのプレビュー画像生成部91、及び読取部70で読取ったカラー画像データに対し、操作パネル90が受け付けた設定に基づいてその色相を変換し2色カラーデータを生成する処理を行なうための色相処理部92を含む。
【0043】
デジタル複合機40はさらに、LANに接続するためのLANインターフェイス76と、電話回線網と接続され回線の制御を行なうための網制御部80と、電話回線網と接続しファクシミリ通信を行なうためのファクシミリモデム78とを含む。
【0044】
制御用メモリ62と、制御用バッファ64と、読取部70と、記録部72と、画像処理部88と、操作パネル90と、符号/復号化制御部74と、フォーマット変換部68と、画像記憶部66と、後処理装置86と、プレビュー画像生成部91と、色相処理部92と、LANインターフェイス76と、網制御部80と、ファクシミリモデム78とは、バス94を介して接続されており、全体の制御は制御部60によって行なわれる。
【0045】
色相処理部92は、読取部70で読取ったカラー画像データから、操作パネル90で設定入力を受付けた、ブラック(Bk)とシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の内のいずれか1つ選択された色データとで構成する2色カラーデータを生成する。フルカラー印刷対応可能であるデジタル複合機40は、生成された2色のカラーデータ信号を用いて、2色カラー画像を形成する。記録部72は、フルカラー画像、2色カラー画像、及び白黒画像のいずれについても記録紙上に出力できる。
【0046】
図3は本実施の形態に係るデジタル複合機40の、記録部72、読取部70、及び後処理装置86で構成される画像形成装置120の構造を示す断面図である。画像形成装置120では、後処理装置86は内蔵型後処理装置(インナーフィニッシャー)を用いている。
【0047】
図3を参照して、画像形成装置120は、記録部72と、読取部70と、後処理装置86とに加え、外付けで設置される2つの給紙装置130及び132を含む。
【0048】
読取部70は、原稿搬送装置を備えており、原稿が載置される原稿セットトレイ520と、原稿セットトレイ520に原稿が載置されたか否かを検出する原稿検知センサ522と、透明なプラテンガラス530と、原稿セットトレイ520上の原稿を1枚ずつ引き出すためのピックアップローラ524及びサバキ板526と、原稿をプラテンガラス530に向けて給送し、さらにプラテンガラス530上で副走査方向に搬送して排出するための搬送ローラ528と、排出された原稿を受ける原稿排出トレイ532とを含む。
【0049】
読取部70はさらに、搬送される原稿の下面(下側面)を読取るためにプラテンガラスの下方に配置された第1読取部534と、原稿の裏面(上側面)を読取るために、プラテンガラス530の上方に配置された第2読取部536とを含む。
【0050】
第1読取部534は、第1走査ユニット538及び第2走査ユニット540を含む。
【0051】
第1走査ユニット538は、原稿の表面をプラテンガラス530を介して照射するランプと、原稿からの反射光を反射し所定の結像位置に導く反射ミラーと、この光路上に配置された結像レンズ544と、反射光の結像位置に配置され、原稿の反射光を画像信号に変換するためのCCD546と、第1走査ユニット538及び第2走査ユニット540を副走査方向に移動させるための図示しない移動機構とを含む。
【0052】
第2読取部536は、原稿の裏面を照射するLED(Light Emitting Diode)アレイなどの露光ランプ、画素毎に原稿の反射光を集光するセルフォック(登録商標)レンズアレイ、及びセルフォックレンズアレイを通じて受光した原稿の反射光を光電変換して、アナログの画像信号を出力する密着イメージセンサ(CIS:Contact Image sensor)などを備えている。
【0053】
記録部72は、記録紙に記録する画像を形成するための画像形成部134と、記録紙を収容するための用紙収容部136と、用紙収容部136から画像形成部134まで用紙を搬送するための用紙搬送部138とを含む。
【0054】
画像形成部134は、画像情報に基づいた画像光を照射するための露光ユニット140と、カラー画像をシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色に色分解して得られる各色相の画像情報に基づいて画像形成を行なうための画像形成ステーション144A〜144Dと、画像形成ステーション144A〜144Dから各色のトナー像が転写される中間転写ベルト142と、用紙に対して画像形成を行なうために所定のニップ圧で中間転写ベルト142と圧接する二次転写ローラ146と、中間転写ベルト142に残留したトナーを回収するためのクリーニングユニット145とを含む。
【0055】
画像形成ステーション144A〜144Dの構造について、ブラックの画像形成ステーション144Aを例にして説明する。画像形成ステーション144Aは、露光ユニット140からブラックの画像情報に基づいた画像光が照射され表面に静電潜像を形成する感光体ドラム148Aと、静電潜像が形成された感光体ドラム148Aの表面にブラックのトナーを供給するための現像ユニット150Aと、感光体ドラム148Aの表面を所定の電位で均一に帯電させるための帯電ローラ152と、感光体ドラムに形成されたトナー像を中間転写ベルト142の外周面に転写させるためにトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加される一次転写ローラ154と、感光体ドラム148A表面に残留したトナーを回収するためのクリーニングユニット156とを含む。
【0056】
感光体ドラム148Aは帯電ローラ152によって所定の電位に帯電されている。そこに、露光ユニット140からブラックの画像情報に基づいた画像光が照射されることによって感光体ドラム148Aの表面に静電潜像が形成される。現像ユニット150Aからは感光体ドラムに対してブラックのトナーが供給され、感光体ドラム148A上にはブラックのトナー像が形成される。形成されたトナー像は、中間転写ベルト142の外周面に一次転写ローラ154により転写される。
【0057】
シアン、マゼンタ及びイエローの各色相の画像形成ステーション144B、144C、144Dは画像形成ステーション144Aと同様に構成され、それぞれ、感光体ドラム148B、148C、148Dと、現像ユニット150B、150C、150Dとを含む。
【0058】
画像形成ステーション144B、144C、144Dにはそれぞれ、シアン、マゼンタ及びイエローの各色相の画像情報によって変調された画像光が露光ユニット140から照射される。露光ユニット140から照射される光によって各画像形成ステーション内の感光体ドラム148B、148C、148Dはそれぞれ色相別に静電潜像が形成される。現像ユニット150B、150C、150Dはそれぞれ感光体ドラム148B、148C、148Dにシアン、マゼンタ及びイエローのトナーを供給し、感光体ドラム148B、148C、148Dには、それぞれシアン、マゼンタ及びイエローの各色相のトナー像が形成される。
【0059】
フルカラーの画像形成時には、画像形成ステーション144A、144B、144C、144Dの全てにおいて静電潜像の形成及びトナー像の転写が行なわれる。中間転写ベルト142の外周面にはイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー像が順次重ね合わされて転写される。
【0060】
イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの色相の一部のみの画像情報が入力された場合には、画像形成ステーション144A、144B、144C、144Dの入力された画像情報の色相に対応する一部のみにおいて静電潜像の形成及びトナー像の形成が行なわれ、中間転写ベルト142の外周面には形成されたトナー像のみが転写される。
【0061】
用紙収容部136は、単一種類の複数枚の用紙が収納される給紙カセット158A、158B、及び手差しトレイ162を含む。記録部72は外部に給紙装置130、132を備えており、記録部72の下方に配置された給紙装置130は、給紙カセット158C、158Dを含む。記録部72の側面に配置された給紙装置132は、単一種類の複数枚の用紙を大量に収納できる用紙トレイ160を含む。
【0062】
用紙搬送部138は、給紙カセット158A、158Bから、中間転写ベルト142からのトナー像の転写を受ける画像形成位置168を経由して、記録部72の上面に設置された後処理装置86に至るまでの第1用紙搬送路170を形成している。
【0063】
用紙搬送部138は、給紙カセット158A、158Bからそれぞれ用紙を引上げるためのピックアップローラ164A、164Bと、給紙カセット158A、158Bからそれぞれ用紙を第1用紙搬送路へ導くための給紙ローラ166A、166Bと、画像形成部134へ用紙を搬送する際のタイミングを調整するためのレジストローラ172と、記録紙表面に転写されたトナー像を定着させるための定着ユニット174と、定着ユニット174から排出される記録紙を後処理装置86内へ導入するための第1排紙ローラ180とを含む。
【0064】
定着ユニット174は、トナー融解温度まで昇温された加熱ローラ176と、加熱ローラ176に所定のニップ圧で圧接する加圧ローラ178とを含む。トナー像が転写された記録紙は、定着ユニット174を通過する際に加熱及び加圧され、トナー像が表面に定着した状態で後処理装置86に排出される。
【0065】
用紙搬送部138は、手差しトレイ162から第1用紙搬送路170内の用紙搬送方向におけるレジストローラ172の上流側に連絡するための、第2用紙搬送路182を形成している。用紙搬送部138はさらに、第1用紙搬送路170の定着ユニット174と第1排紙ローラ180との間を、第1用紙搬送路170の搬送方向におけるレジストローラ172の上流側に連絡するための第3用紙搬送路184を形成している。
【0066】
用紙搬送部138には、給紙装置132から第1用紙搬送路170に連絡するための第4用紙搬送路186が形成されている。給紙装置130にある給紙カセット158C、158Dは給紙装置130内部に設けられた第5用紙搬送路188を介して第1用紙搬送路170に連絡される。
【0067】
図4は操作パネル90を表す図である。操作パネル90は、各種ハードウェアキーからなる操作部220と、液晶ディスプレイ及びタッチパネルにより構成される表示部222とを含む。操作部220は、数値入力のためのテンキー224と、入力した設定値をクリアするためのクリアキー226と、入力した各種設定を全解除するための全解除キー228と、コピー開始、及び送信開始等の指示を入力するスタートキー230と、プリンタモードに切換えるプリンタキー232と、ファクシミリなどのイメージ送信モードに切換えるイメージ送信モードキー234と、コピーモードに切換えるコピーモードキー236と、利用者による設定モードに切換えるユーザ設定キー238とを含む。
【0068】
以下、デジタル複合機40における、コピーモードでの動作について説明を行なう。
【0069】
図5は、表示部222に表示される、コピーモードにおける初期画面250を示す図である。図5を参照して、初期画面250は、カラーモードを設定するためのカラーモード設定ボタン260と、コピー濃度を設定するためのコピー濃度設定ボタン262と、テンキー224により入力された印刷枚数を表示する印刷枚数表示264と、原稿読取動作後にプレビュー確認を行なうか否かを設定するプレビュー確認設定ボタン268とを含む。
【0070】
プレビュー確認設定ボタン268は、押すと表示が反転し、プレビュー確認を行なうように設定される。もう一度押すと表示が戻り、設定が解除される。初期画面250の例ではプレビュー確認を行なわない設定になっている。
【0071】
初期画面250では、カラーモード設定、コピー濃度設定の他に、原稿読取時の倍率設定、用紙設定、両面コピー設定、及びステープルなどの仕上げ処理の設定が行なえる。
【0072】
図6は、図5においてカラーモード設定ボタン260が押された時に表示される、カラーモード設定画面280を示す図である。図6を参照して、カラーモード設定画面280は、フルカラー印刷を行なうためのフルカラー印刷設定ボタン290と、白黒印刷を行なうためのモノクロ印刷設定ボタン292と、2色カラー印刷において、黒色とシアンとの2色印刷を設定するための2色印刷設定ボタン294と、黒色とマゼンタとの2色印刷を設定するための2色印刷設定ボタン296と、黒色と黄色との2色印刷を設定するための2色印刷設定ボタン298と、各設定ボタンで設定された項目を確定するためのOKボタン300と、設定を確定せずに初期画面250に戻るためのキャンセルボタン302とを含む。
【0073】
2色カラー印刷に係る画像データ信号は、読取部70で読取った原稿画像データをもとに、色相処理部92によって生成される。
【0074】
図7は、後述するデジタル複合機40の制御部60で実行されるプログラムにおいて、表示部222に表示されるプレビュー表示画面310を表す図である。プレビュー表示画面310は、後述するプログラムにおいて、ステップS914及びステップS928が実行された時に表示される。
【0075】
図7を参照して、プレビュー表示画面310は、プレビュー画像表示324と、再設定ボタン312と、コピー開始ボタン314と、ページ送りボタン316と、プレビュー画像表示324を拡大縮小表示するための拡大縮小ボタン318と、仕上り表示を確認するための仕上り表示ボタン320と、印刷枚数又は印刷設定モードを確認するための設定確認ボタン322とを含む。
【0076】
プレビュー画像表示324には、設定された印刷濃度設定を反映したプレビュー画像が表示される。ページ送りボタン316で、各ページの印刷濃度状態を確認し、問題がなければコピー開始ボタン314を押す。設定を変更する場合は、再設定ボタン312を押す。また、プレビュー表示画面310では、仕上り表示ボタン320は無効になる。
【0077】
図8は、プレビュー表示画面310で再設定ボタン312が押された時の印刷濃度設定画面330を示す図である。
【0078】
図8を参照して、印刷濃度設定画面330は、プレビュー画像表示336と、再設定ボタン312と、コピー開始ボタン314と、ページ送りボタン316と、プレビュー画像表示336を拡大縮小表示するための拡大縮小ボタン318と、仕上り表示を確認するための仕上り表示ボタン320と、印刷枚数又は印刷設定モードを確認するための設定確認ボタン322と、印刷濃度を設定するための濃度設定表示332と、ページ単位で濃度設定を行なう時にチェックを入れるページ濃度設定チェックボックス334とを含む。また、印刷濃度設定画面330では、再設定ボタン312、及びコピー開始ボタン314は無効になる。
【0079】
濃度設定表示332は、標準モードでのトナーの消費量を100%とし、矢印が指している場所の値が、設定されるトナー消費量の割合となる。
【0080】
印刷濃度設定画面330が表示された時のプレビュー画像表示336は、濃度設定表示332に対応した濃度で表示される。印刷物全体の印刷濃度を変更したい場合は、濃度設定表示332の矢印を所望する濃度の位置に設定し、仕上り表示ボタン320を押す。すると、プレビュー表示画面310に画面が切替わり、設定した濃度でプレビュー表示され、印刷物全体の濃度が変更される。
【0081】
特定のページだけの印刷濃度を変更したい場合は、ページ送りボタン316で濃度変更したいページを表示させ、ページ濃度設定チェックボックス334にチェックを入れ、所望の濃度に設定し、仕上り表示ボタン320を押す。すると、プレビュー表示画面310で、当該ページの印刷濃度のみが変更されたプレビュー表示が確認できる。印刷設定にもこの変更は反映される。
【0082】
図9は、図8の状態から濃度設定表示332を「70%」に合わせた時の状態を示す表示画面340を示す図である。表示画面340におけるプレビュー画像表示336は、仕上り表示ボタン320が押されていないことから、図8と同じ状態のプレビュー画像が表示されている。
【0083】
図10は、デジタル複合機40の制御部60で実行される、プレビュー画面によって印刷物の濃度を確認し、必要に応じて印刷濃度を再設定するプログラムの制御構造をフローチャート形式で表わす図である。このプログラムは、デジタル複合機40がコピーモードで動作する時に実行されるプログラムであり、操作者が読取部70に原稿をセットした時に実行される。
【0084】
図10を参照して、このプログラムは、操作者によって読取部70に読取原稿がセットされたことを検知するステップS902と、ステップS902に続き、操作パネル90からコピーモードにおける印刷設定の入力を受けるステップS904と、ステップS904に続き、スタートキー230が押されるまで待機するステップS906と、スタートキー230が押されると実行され、読取部70にセットされた原稿を読取るステップS908と、ステップS908に続き、操作者によりプレビュー表示をするように設定されているか否かを判定し、判定結果によって制御の流れを分岐させるステップS910とを含む。
【0085】
ステップS904で入力される印刷設定は、印刷部数、カラーモードの設定、プレビュー表示の実行の有無、印刷濃度設定を始めとする、コピーモードにおける初期画面250で設定する各種印刷設定である。印刷濃度設定に関して設定がなされていない場合は、初期モードとして設定されている印刷濃度が適用される。
【0086】
このプログラムはさらに、ステップS910で、プレビュー表示をするように設定されていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、ステップS908で読取った原稿をステップS904で入力された印刷設定にしたがって印刷するステップS932を含む。ステップS932実行後、このプログラムは終了する。
【0087】
このプログラムはさらに、ステップS910で、プレビュー表示をするように設定されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、ステップS904で入力された印刷設定に基づきプレビュー画像を生成するステップS912と、ステップS912に続き、表示部222にプレビュー表示画面310を表示するステップS914と、ステップS914に続き、プレビュー表示画面310において、再設定ボタン312が押されたか否かを判定し判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS916と、ステップS916で再設定ボタン312が押されていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、コピー開始ボタン314が押されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS918とを含む。ステップS918でコピー開始ボタン314が押されていないと判定された場合(NOの場合)、制御はステップS916に戻る。
【0088】
このプログラムはさらに、ステップS916で、再設定ボタン312が押されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、印刷濃度設定画面330を表示し、印刷濃度を再設定するステップS924と、ステップS924に続き、仕上り表示ボタン320が押されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS926と、ステップS926で、仕上り表示ボタン320が押されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、ステップS924で再設定した印刷濃度を反映したプレビュー表示画面310を表示するステップS928とを含む。ステップS928実行後、制御はステップS916に進む。ステップS926で仕上り表示ボタン320が押されていないと判定された場合(NOの場合)、制御はステップS924に戻る。なお、図8及び図9に示すページ濃度設定チェックボックス334にチェックが入っている場合、ステップS928では当該ページのみプレビュー画像が生成される。当該ページの印刷設定についても同様に変更される。それ以外の場合には、全ページのプレビュー画像が生成され、印刷設定も変更される。
【0089】
このプログラムはさらに、ステップS918でコピー開始ボタン314が押されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、ステップS908で読取った原稿を、ステップS904で入力された印刷設定と、設定された印刷濃度設定とに基づいて印刷するステップS920と、ステップS920に続き、ステップS924で印刷濃度条件が再設定されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS922と、ステップS922で再設定が行なわれたと判定された場合(YESの場合)に実行され、再設定された印刷濃度設定を初期モードとして登録するステップS930とを含む。ステップS922で印刷濃度条件が再設定されていないと判定された場合(NOの場合)、又はステップS930実行後、このプログラムは終了する。
【0090】
―動作―
第1の実施の形態に係るデジタル複合機40は、コピーモードにおいて以下のように動作する。
【0091】
利用者により、デジタル複合機40に原稿がセットされ、コピーに関する印刷設定が入力される(ステップS902、904)。入力される印刷設定は、印刷枚数(印刷部数)、カラーモードの選択(モノクロ、フルカラー、2色カラー印刷)、プレビュー表示の有無などである。
【0092】
印刷設定が入力され、スタートキーが押されると、読取部によって原稿の読取が行なわれ、プレビュー表示設定がされているか確認される(ステップS906、908、910)。プレビュー表示設定がなされていない場合は、入力された印刷設定に基づいて印刷を実行して終了する(ステップS932)。プレビュー表示設定がなされている場合は、デジタル複合機40は、入力された印刷設定に基づいたプレビュー画面を生成し、表示部にプレビュー画面を表示する(ステップS912、914)。
【0093】
利用者はプレビュー画面を見て印刷濃度を確認する。読取原稿が複数ページの場合は、ページ送りボタン316を操作して表示されるページを送り、印刷ページ全体の印刷濃度に問題がないか確認する。印刷濃度に関して再設定を行なう場合は再設定ボタンを押す。再設定ボタンの入力を受けたデジタル複合機40は、印刷濃度設定画面を表示させ、トナー消費量の再設定入力を受付ける。入力を受けた後、仕上り表示ボタンが押されたことに応答して、再設定された印刷濃度条件を記録し、その条件を反映したプレビュー画面を作成し、再表示する(ステップS924、926、928)。
【0094】
利用者は再びプレビュー画面を見て印刷濃度を確認し、問題がないと判断した場合はコピー開始ボタンを押す。コピー開始ボタンの入力を受けたデジタル複合機40は、入力された印刷設定及び印刷濃度に基づいて、印刷を実行する(ステップS920)。デジタル複合機40は印刷実行後、印刷濃度に関する設定の再設定が行なわれたか否かを判定し、行なわれた場合は、印刷が実行された印刷濃度を、印刷濃度に関する初期状態として登録して終了する(ステップS922、930)。初期状態として登録された印刷濃度は、利用者が次の印刷動作を行なう時の印刷濃度として適用される。
【0095】
以上のように、本実施の形態に係るデジタル複合機40は、デジタル複合機40に入力された設定をもとに、プレビュー画像を生成、表示して、利用者からの応答を待つ。利用者は、プレビュー画像から印刷物の濃度状態を確認し、必要に応じて再設定を行なう。デジタル複合機40は、印刷濃度の再設定を受けた後再度プレビュー画像を表示し、利用者からの応答を待つ。利用者はプレビュー画像を確認し、表示結果に問題がなければ印刷実行の指示を出し、それを受けて、デジタル複合機40は印刷設定に基づき作成されたプレビュー表示と同じ印刷物を作成する。その結果、トナーの消費量を削減する機能を備えた画像形成装置において、トナーの消費量を削減して印刷した結果が、ユーザにとって無駄なものとなることを防止できる画像形成装置を提供することができる。
【0096】
上記の動作説明では複数ページで構成される印刷物全体の濃度変更について述べたが、指定したページ毎に個別に印刷濃度の設定を行なっても良い。ページ毎に印刷濃度設定を行なう場合は、ページ送りボタン316を押して印刷濃度を変更したいページを表示し、ページ濃度設定チェックボックス334にチェックを入れてから再設定ボタンを押し、印刷濃度を再設定する。再設定後表示されるプレビュー画像にて該当ページを確認すると、設定された印刷濃度でプレビュー画像が表示され、ページ毎に印刷濃度設定がなされたことが確認できる。
【0097】
印刷物全体の濃度変更を行なう時は、ページ毎の設定の手間を省くことができるというメリットがある。また、ページ毎に印刷濃度が設定できることで、印刷濃度が必要な図や写真画像などが掲載されるページには適切な印刷濃度を設定することができる。その結果、ページ単位での細やかな印刷濃度設定ができ、その設定結果をプレビュー画像で確認できることで、特定のページのみ印刷濃度が不足した印刷物を作成することを防ぐことができる。同時に、印刷濃度を必要としないページに関しては、印刷濃度を下げることでトナーなどの消耗品を節約することができる。
【0098】
また、デジタル複合機40は、フルカラー印刷に関する印刷濃度の調整も同様に行なうことができる。フルカラー印刷においての印刷濃度の調整は、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローの4色それぞれのトナー消費量を入力設定に基づいて一律に減少させても良いし、トナー消費量の減少に伴う色調の変化を考慮にいれて、4色それぞれにあらかじめ設定された関数にしたがって、4色の総トナー使用量を減少させてもよい。利用者はカラー表示されるプレビュー画面を見て、印刷物の色調及び濃度を確認し、再設定又は印刷実行を選択する。その結果、プレビュー機能を備えた画像形成装置において、カラー印刷においての印刷設定を反映した印刷結果を確認し、印刷ミスの発生を防止することができる。
【0099】
また、デジタル複合機40は、4色フルカラーコピーよりも少ないトナー消費量でカラー画像を得ることができる2色カラー印刷機能を備えている。この2色カラー印刷機能についても上記したプレビュー表示機能を利用できる。2色カラー印刷機能は、ブラックとシアン、マゼンタ、イエローのいずれか1色とを組合せて印刷をする機能である。2色カラー印刷機能における印刷データは、読取部70で読み込まれたフルカラー印刷データをもとに、入力されたカラー印刷設定にしたがって色相処理部92で生成される。2色カラー印刷機能における印刷濃度の調整は、フルカラー印刷に関する印刷濃度の調整と同様に行なうことができる。2色カラー印刷においての印刷濃度の調整は、選択された2色それぞれのトナー消費量を入力設定に基づいて一律に減少させても良いし、トナー消費量の減少に伴う色調の変化を考慮にいれて、使用される色の組合せそれぞれにあらかじめ設定された関数にしたがって、使用されるトナーの総使用量を減少させてもよい。利用者はカラー表示されるプレビュー画面を見て、印刷物の色調及び濃度を確認し、再設定又は印刷実行を選択する。その結果、プレビュー機能を備えた画像形成装置において、2色カラー印刷においての印刷設定を反映した印刷結果を確認し、印刷ミスの発生を防止することができる。
【0100】
[第2の実施の形態]
―構成―
第2の実施の形態では、デジタル複合機40は、画質モードとして標準モード、及びトナー節約モード(節約モードa、節約モードb)を備え、それぞれのモードにあらかじめ印刷濃度が設定される。また、第2の実施の形態では、プレビュー画像生成時にあらかじめ各画質モードに対応した印刷プレビュー画像を作成しておき、利用者の選択に応じて切替える。
【0101】
第2の実施の形態において、デジタル複合機40のハードウェア構成は第1の実施の形態のデジタル複合機40と同一であるが、制御部60で実行されるプログラムが異なっている。
【0102】
第2の実施の形態では、図10で示されるプログラム構造を示すフローチャートにおいて、ステップS904で、印刷設定として画質モードが設定されるという点で異なる。画質モードとして、標準モード、及び複数のトナー節約モードのうちのいずれかが設定される。また、ステップS904で画質モードが設定されなかった場合は、前回の印刷時に使用した画質モードが初期モードとして設定される。加えて、第2の実施の形態では、ステップS926が無効になるという点で異なる。その結果、ステップS924で印刷濃度条件を再設定する入力を受けたデジタル複合機40は、再設定条件を反映したプレビュー画像を表示し(ステップS928)、制御はステップS916に戻る。
【0103】
図11は、第2の実施の形態で表示されるプレビュー表示画面350を示す図である。図11を参照して、プレビュー表示画面350は、画質モード選択ボタン352と、プレビュー画像表示354と、ページ送りボタン316と、再設定ボタン312と、コピー開始ボタン314と、拡大縮小ボタン318と、設定確認ボタン322とを含む。
【0104】
画質モード選択ボタン352で選択される標準モード、節約モードa、及び節約モードbには、標準モードのトナー消費量を100%とし、節約モードaは標準モードに対して80%、節約モードbは標準モードに対して70%のトナー消費量にするようにあらかじめ設定されている。画質モード選択ボタン352で画質モードを変更すると、プレビュー画像表示354が選択された画質モードの設定にあわせて変化する。
【0105】
―動作―
第2の実施の形態に係るデジタル複合機40においては、あらかじめ1又は複数の画質モードが設定されており、それぞれのモードに印刷濃度が設定されている。
【0106】
第2の実施の形態に係るデジタル複合機40は、コピーモードにおいて以下のように動作する。
【0107】
デジタル複合機40は、利用者からの印刷設定の入力を受け、原稿を読取り、プレビュー画像を生成する時に、それぞれの画質モードに対応したプレビュー画像を作成する。
【0108】
プレビュー表示画面350では、利用者はページ送りボタン316を押し印刷物のプレビュー内容を確認する。印刷濃度を変更したい場合、利用者は再設定ボタン312を押す。再設定ボタン312の入力を受けたデジタル複合機40は、画質モード選択ボタン352を有効にして利用者からの入力を待つ。利用者からの入力を受けたデジタル複合機40は、入力された画質モードに対応する濃度のプレビュー画像をプレビュー画像表示354に表示し、利用者からの再設定、又はコピー開始の入力を待つ。コピー開始の入力を受けたデジタル複合機40は、入力された印刷設定及び画質モードに基づいて印刷を実行し、画質モードが再設定された場合は、印刷を実行した画質モードを印刷における初期モードとして登録して終了する。初期モードとして登録された画質モードは、利用者が次の印刷動作を行なう時の画質モードとして適用される。
【0109】
以上のように、あらかじめ印刷濃度を記憶した画質モードを設定し、プレビュー画像を生成する時にそれぞれの画質モードに対応したプレビュー画像を作成することで、プレビュー画像をスムーズに切替えることができる。また、設定した画質モードとそれに対応したプレビュー画像とを同時に表示することによって、設定モードと設定結果とをより確実に確認することができる。その結果、トナーの消費量を削減する機能を備えた画像形成装置において、トナーの消費量を削減して印刷した結果が、ユーザにとって無駄なものとなることを防止できる画像形成装置を提供することができる。
【0110】
さらに、第2の実施の形態では、トナー消費量を少なくするための複数のトナー節約モードを設け、それぞれのモードに対してあらかじめ印刷濃度が設定される。利用者は、画質モードとして、標準モード及び複数のトナー節約モードのうちのいずれかを選択して印刷を行なう。その結果、トナーの消費量を削減する機能を備えた画像形成装置において、トナー消費量の削減効率をさらに上げることができる画像形成装置を提供することができる。
【0111】
[第3の実施の形態]
―構成―
第3の実施の形態では、データ通信システム30において、デジタル複合機40をプリンタとして用いて、LAN44上のコンピュータ46からデジタル複合機40に対して画像データのプリント指示を出す。プリント指示の中にプレビュー画面表示指示が含まれている場合は、デジタル複合機40は、コンピュータ46上にプレビュー画面を表示させる。利用者は表示されたプレビュー画面で印刷濃度の確認を行ない、あらかじめ設定されている画質モードのいずれかを選択して再度印刷指示を出す。
【0112】
図12は、コンピュータ46からデジタル複合機40へ印刷指示を出す時に表示される印刷指示画面370を示す図である。図12を参照して、印刷指示画面370は、印刷指示画面370で設定された内容を含んだ印刷指示を出すためのOKボタン372と、印刷指示を取り消すためのキャンセルボタン374と、印刷実行前にプレビュー画面を表示するように指示を出すためのプレビュー表示ボタン376と、トナーセーブの設定をするためのトナーセーブボタン378と、線幅調整設定ボタン380と、原稿中の文字を黒色で印刷するための文字色変更ボタン382と、原稿中の線を黒色で印刷するための線色変更ボタン384とを含む。
【0113】
図13は、コンピュータ46が、後述する図14のプログラムによってデジタル複合機40からプレビュー画像データを受けたことに応答して表示する、プレビュー画像表示画面390を示す図である。図13を参照して、プレビュー画像表示画面390は、プレビュー画像表示392と、画質モード選択ボタン394と、ページ送りボタン396と、デジタル複合機40に印刷指示を送信する印刷ボタン398と、印刷をキャンセルするためのキャンセルボタン400とを含む。
【0114】
デジタル複合機40から送信されるプレビュー画像データは選択可能な各画質モードに対応したプレビュー画像を含んでいる。そのため、画質モード選択ボタン394により画質モードを変更すると、画質モードに対応した印刷濃度のプレビュー画像がプレビュー画像表示392に表示される。
【0115】
印刷ボタン398を押して印刷指示を送信する時は、画質モード選択ボタン394で選択された画質モード情報を含んだ印刷指示がデジタル複合機40に送信される。
【0116】
図14は、デジタル複合機40の制御部60で実行される、コンピュータ46からのプリント指示を受信し、プレビュー画像データを生成してコンピュータ46に送信するまでのプログラムの制御構造をフローチャート形式で表す図である。このプログラムは、デジタル複合機40がコンピュータ46からのプリント指示を受信した時に起動される。
【0117】
図14を参照して、このプログラムは、コンピュータ46からのプリント指示を受信するステップS1402と、ステップS1402に続き、ステップS1402で受信したプリント指示の中にプレビュー表示を実行する指示が含まれているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1404と、ステップS1404で、プレビュー表示を実行する指示が含まれていると判定された場合(YESの場合)に実行され、プリント指示に含まれる画像データをもとにプレビュー画像データを作成するステップS1406と、ステップS1406に続き、ステップS1406で作成したプレビュー画像データをコンピュータ46に送信するステップS1408とを含む。ステップS1406では、プリント指示に含まれる画像データをもとに、利用者が選択可能な画質モードにそれぞれ対応したプレビュー画像データを作成する。ステップS1408を実行しプレビュー画像データを送信した後、このプログラムは終了し、コンピュータ46からの印刷指示を受信するまで待機する。
【0118】
このプログラムはさらに、ステップS1404でプレビュー表示を実行する指示が含まれていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、印刷指示に含まれた情報にしたがってプリント処理を実行するステップS1410を含む。ステップS1410実行後、このプログラムは終了する。
【0119】
図15は、デジタル複合機40の制御部60で実行され、コンピュータ46で表示されるプレビュー画像表示画面390から送信された印刷指示を受信し、印刷を実行するまでのプログラムの制御構造をフローチャート形式で表す図である。このプログラムは、図14のフローチャートでのステップS1408を実行後に起動する。
【0120】
図15を参照して、このプログラムは、コンピュータ46からの印刷指示信号の受信を待つステップS1502と、ステップS1502で印刷指示信号を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、印刷指示に含まれる画質モードに対応した濃度で印刷を実行するステップS1504とを含む。ステップS1504実行後、このプログラムは終了する。
【0121】
―動作―
第3の実施の形態では、デジタル複合機40で1又は複数の画質モードが設定されており、それぞれのモードに対して印刷濃度があらかじめ設定されている。
【0122】
第3の実施の形態では、デジタル複合機40はプリンタモードとして以下のように動作する。
【0123】
LAN44に接続されたコンピュータ46から印刷指示を受けたデジタル複合機40は、受信した印刷指示の中にプレビュー表示を実行する指示が含まれていないかを判定する(ステップS1402、1404)。プレビュー表示を実行する指示が含まれている場合は、受信した印刷指示に含まれている画像データをもとに、デジタル複合機40で印刷可能な画質モードでのプレビュー画像を生成し、コンピュータ46に送信する(ステップS1406、1408)。プレビュー表示を実行する指示が含まれていない場合は、受信した画像データをもとにプリント処理を実行する(ステップS1410)。
【0124】
デジタル複合機40からのプレビュー画像データを受信したコンピュータ46は、プレビュー画像表示画面390を表示して、各画質モードでの印刷濃度状態を確認する。画質モード選択ボタン394により画質モードを変更すると、各画質モードに対応したプレビュー画像がプレビュー画像表示392に表示される。利用者は、プレビュー画像表示画面390で画像を確認し、画質モード選択ボタン394で画質モードを選択し、印刷ボタン398を押してデジタル複合機40に、画質モード情報及び画像データを含んだ印刷指示を送信する。
【0125】
コンピュータ46のプレビュー画像表示画面390から印刷指示を受信したデジタル複合機40は、印刷指示に含まれた画質モード情報にしたがって画像データのプリント処理を実行する(ステップS1502、1504)。
【0126】
以上のように、デジタル複合機40をプリンタモードで動作させ、あらかじめ設定しておいた画質モードでのプレビュー画像を生成し、印刷指示を出すコンピュータ46に送信しプレビュー表示させることで、プリント指示においても印刷濃度に関するプレビュー確認が可能になる。その結果、プリント処理においてもプレビュー画面において印刷設定を反映した印刷結果を確認することでき、印刷した結果が、ユーザにとって無駄なものとなることを防止できる画像形成装置を提供することができる。
【0127】
また、トナーの消費量を削減するという点では、コンピュータ46の印刷指示画面で指示が可能なトナーセーブ機能、線幅調整機能、文字色変更機能、及び線色変更機能などは有効な機能である。これらの機能を設定することで、全体的に画像濃度が低い、線幅が細い、又はカラートナーの使用を抑えたなどの画像データをコンピュータ46内のプリンタドライバ上で作成することができ、トナーの消費量を削減するという点では効果のある画像データを作成できる。
【0128】
以上のように、デジタル複合機40を用いることで、プレビュー機能を備えた画像形成装置において、印刷設定を反映した印刷結果を確認し、印刷ミスの発生を防止することができる画像形成装置を提供することができる。
【0129】
第1、及び第2の実施の形態については、デジタル複合機40のコピーモードでの動作時について説明したが、ファクシミリ送信時に行なっても良い。
【0130】
また、プレビュー表示画面に印刷あたりに消費されるトナー消費量について表示させても良い。それにより、具体的な消費量の削減について利用者に通知することによって、印材に関する消費量削減に対する取組み意欲の向上が期待される。
【0131】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】第1の実施の形態に係るデジタル複合機40を含む、データ通信システム30の全体構成を表す模式図である。
【図2】本実施の形態に係るデジタル複合機40の構成を表すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係るデジタル複合機40の、記録部72、読取部70、及び後処理装置86で構成される画像形成装置120の構造を示す断面図である。
【図4】デジタル複合機40の操作パネル90を表す図である。
【図5】表示部222に表示される、コピーモードにおける初期画面250を示す図である。
【図6】カラーモード設定画面280を示す図である。
【図7】表示部222に表示されるプレビュー表示画面310を示す図である。
【図8】印刷濃度設定画面330を示す図である。
【図9】印刷濃度設定画面330において、濃度設定表示332を「70%」に合わせた時の状態を示す表示画面340を示す図である。
【図10】デジタル複合機40の制御部60で実行される、プレビュー画面によって印刷物の濃度を確認し、必要に応じて印刷濃度を再設定するプログラムの制御構造をフローチャート形式で表わす図である。
【図11】第2の実施の形態で表示されるプレビュー表示画面350を示す図である。
【図12】コンピュータ46からデジタル複合機40へ印刷指示を出す時に表示される印刷指示画面370を示す図である。
【図13】コンピュータ46でデジタル複合機40からプレビュー画像データを受けたことに応答して表示するプレビュー画像表示画面390を示す図である。
【図14】デジタル複合機40の制御部60で実行される、コンピュータ46からのプリント指示を受信し、プレビュー画像データを生成してコンピュータ46に送信するまでのプログラムの制御構造をフローチャート形式で表す図である。
【図15】デジタル複合機40の制御部60で実行され、コンピュータ46で表示されるプレビュー画像表示画面390から送信された印刷指示を受信し、印刷を実行するまでのプログラムの制御構造をフローチャート形式で表す図である。
【符号の説明】
【0133】
40 デジタル複合機
46 コンピュータ
60 制御部
70 読取部
72 記録部
91 プレビュー画像生成部
92 色相処理部
222 表示部
230 スタートキー
312 再設定ボタン
314 コピー開始ボタン
320 仕上がり表示ボタン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを印刷する際の印刷濃度を設定するための印刷濃度設定手段と、
前記印刷濃度設定手段により設定された印刷濃度で印刷される前記画像データのプレビュー画像を表示するためのプレビュー画像表示手段と、
前記プレビュー画像表示手段により表示される前記プレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成するための画像形成手段とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記プレビュー画像表示手段により前記プレビュー画像が表示されている時に、前記印刷濃度設定手段を用いて、前記画像データの印刷濃度を再設定するための印刷濃度再設定手段をさらに含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷濃度再設定手段により再設定された前記印刷濃度を記憶するための濃度値記憶手段と、
前記印刷濃度設定手段により設定される印刷濃度の初期値に、前記濃度値記憶手段により記憶された前記印刷濃度を設定するための初期値濃度設定手段とをさらに含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷濃度設定手段は、
前記画像データの全てのページの前記印刷濃度を一括して設定するための一括濃度設定手段と、
前記画像データの一部のページの前記印刷濃度のみを設定するための個別濃度設定手段とを含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像データを印刷する際のトナー消費量を節約するトナー節約モード、及び標準モードのいずれかに画質モードを設定するための印刷モード設定手段と、
前記印刷モード設定手段により画質モードが前記トナー節約モードに設定されたときに、前記トナー節約モードに対応する印刷濃度で印刷される前記画像データのプレビュー画像を表示するためのプレビュー画像表示手段と、
利用者により印刷開始が指示されたことに応答して、前記プレビュー画像表示手段により表示される前記プレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成するための画像形成手段とを含む、画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷モード設定手段は、互いに異なる印刷濃度に対応する複数のトナー節約モード、及び前記標準モードのいずれかを利用者に選択させるための手段を含む、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記プレビュー画像表示手段により前記プレビュー画像が表示されている時に、前記印刷モード設定手段を用いて、前記画質モードを再設定するための印刷モード再設定手段をさらに含む、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷モード再設定手段により再設定された前記画質モードを記憶するためのモード記憶手段をさらに含み、
前記印刷モード設定手段は、前記モード記憶手段に記憶された画質モードを初期値とする、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像データを印刷する際の印刷濃度を設定するための印刷濃度設定手段と、
前記印刷濃度設定手段により設定された印刷濃度で印刷される前記画像データのプレビュー画像を表示するためのプレビュー画像表示手段と、
前記プレビュー画像表示手段により表示される前記プレビュー画像と同じ印刷濃度の印刷物を形成するための画像形成手段とを含む画像形成装置における画像形成方法であって、
前記印刷濃度設定手段が、画像データを印刷する際の印刷濃度を設定するステップと、
前記プレビュー画像表示手段が、前記印刷濃度を設定するステップにより設定された印刷濃度で印刷される前記画像データのプレビュー画像を表示するステップと、
前記画像形成手段が、前記プレビュー画像を表示するステップにより表示される前記プレビュー画像と同じ印刷濃度の印刷物を形成するステップとを含む、画像形成方法。
【請求項10】
画像データを印刷する際のトナー消費量を節約するトナー節約モード、及び標準モードのいずれかに画質モードを設定するための印刷モード設定手段と、
前記印刷モード設定手段により画質モードが前記トナー節約モードに設定されたときに、当該トナー節約モードに対応する印刷濃度で印刷される前記画像データのプレビュー画像を表示するためのプレビュー画像表示手段と、
利用者により印刷開始が指示されたことに応答して、前記プレビュー画像表示手段により表示される前記プレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成するための画像形成手段とを含む画像形成装置における画像形成方法であって、
前記印刷モード設定手段が、利用者の操作に応答して前記画像形成装置の画質モードを前記トナー節約モード又は前記標準モードのいずれかに設定するステップと、
前記設定するステップにおいて前記画質モードが前記トナー節約モードに設定されたときに、前記プレビュー画像表示手段が、前記印刷モード設定手段により設定された画質モードに対応した印刷濃度で印刷される前記画像データのプレビュー画像を表示するステップと、
前記利用者により印刷開始が指示されたことに応答して、前記画像形成手段が、前記プレビュー画像を表示するステップにより表示される前記プレビュー画像と同じ印刷濃度で印刷物を形成するステップとを含む、画像形成方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−122387(P2010−122387A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294717(P2008−294717)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】