説明

画像形成装置及び画像形成装置制御方法

【課題】画像形成装置における部品交換時の自動調整を適切に実行する。
【解決手段】交換可能な部品を備えており、記録媒体上に画像を形成する画像形成部140と、各種情報を表示する表示部105と、各部を制御する制御部101と、を備えた画像形成装置100であって、前記制御部101は、前記画像形成部内で交換された部品について必要となる項目の調整(部品交換時調整)を行う際に、該部品交換時調整が予め定められた状態で完了しない場合には関連する他の部品(関連部品)の交換を促すよう前記表示部に表示する、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成装置制御方法に関し、特に、ユーザによる部品交換を適切に行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において部品交換がなされると、画像形成装置全体の一連の調整を自動的に行うように構成されているものがある。これは、部品交換により劣化した部品が新品になるために、その部分(新品部品)が他の部分に悪影響を与えることなく、全体として適正な状態で画像形成を行えるようにするためである。この種の自動調整については、以下の特許文献1に記載がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005―335164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、交換部品情報を記憶しておき、該交換部品に関連する自動調整を実施することが記載されている。
このような自動調整を実行する場合には、該自動調整が完了して装置が適正状態に達するまでは、画像形成を再開することはできない。
【0005】
ところで、この部品交換に伴う自動調整を行う際に、他の劣化部品の影響により、エラーが発生することがある。あるいは、部品交換に伴う自動調整を行う際に、他の劣化部品の影響によって該自動調整が収束せず、自動調整がなかなか終わらない場合がある。
【0006】
たとえば、検知部が汚損して正確な値を出力できないトナー濃度センサが使われていた場合には、それまでは誤差を含んだ検知結果により、適正トナー濃度ではなく実際には低いトナー濃度で画像形成装置が動作している。
【0007】
そこで、汚損したトナー濃度センサが交換されると、正確なトナー濃度が要求されることになるが、現像剤が劣化していて適切なトナー濃度を実現できないエラーが発生することがある。その場合には、それまでは見逃されていた現像剤の劣化が顕在化したのであるため、その現像剤についても交換の必要がある。
【0008】
また、感光体ドラムを交換した場合に、帯電極との相性が悪いと、適切な帯電がなされず、ドラム上で適切なトナー濃度を得ることができない。その場合には、帯電極についても、感光体ドラムと同時に交換することが望ましい。
【0009】
従来の画像形成装置の制御では、部品交換をした場合の自動調整において、上述した部品交換により連動して発生する不具合についての対処ができず、自動調整がエラーで停止したり、あるいは、いつまで経っても終了しないという問題が発生することになる。
【0010】
なお、近年の画像形成装置では、一定の部品に関しては、ユーザが交換して、交換後に装置が自動調整する機能を備えたものが存在している。これにより、画像形成装置の停止時間をできるだけ短縮しようとしているが、上述した交換部品関連の不具合が発生すると、ユーザには手に負えなくなる。この結果、サービス要員を呼ぶ必要が生じてしまい、結果として装置の停止時間がかえって増大してしまうという問題が発生する。
【0011】
本発明の課題は、画像形成装置における部品交換時の自動調整を適切に実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、交換可能な部品を備えており、記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、各種情報を表示する表示部と、各部を制御する制御部と、を備えた画像形成装置であって、前記制御部は、前記画像形成部内で交換された部品について必要となる項目の調整(部品交換時調整)を行う際に、該部品交換時調整が予め定められた状態で完了しない場合には関連する他の部品(関連部品)の交換を促すよう前記表示部に表示する、ことを特徴とする。
【0013】
また、この発明は、交換可能な部品を備えており、記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、各部を制御する制御部と、を備えた画像形成装置であって、前記制御部は、前記画像形成部内で交換された部品について必要となる項目の調整(部品交換時調整)を行う際に、該部品交換時調整が予め定められた状態で完了しない場合には関連する他の部品(関連部品)の交換を促すよう外部に接続される表示部に表示するための情報を出力する、ことを特徴とする。
【0014】
ここで、部品交換時調整において、エラーが発生した場合、あるいは、所定時間内に調整が終了しない場合を、完了しない状態と判定する。なお、部品交換時調整が完了しない場合に、関連部品として、交換された部品以外の未交換の部品を表示部に表示する。また、関連部品の交換がなされた場合に、該関連部品に対応する調整を行うよう制御する。ここでは、関連部品の交換がなされたことが操作部に入力された場合に、関連部品に対応する調整を行うよう制御する。
【発明の効果】
【0015】
この発明では、画像形成部が交換可能な部品を備えており、画像形成部内で交換部品が発生した場合には必要項目の調整(部品交換時調整)を行い、該部品交換時調整が予め定められた状態で完了しない場合には関連する他の部品(関連部品)の交換を促すよう表示部に表示する。
【0016】
これにより、部品交換をした場合の自動調整において、上述した部品交換により連動して発生する不具合についての対処が可能となり、自動調整がエラーで停止してしまうことなく、あるいは、いつまで経っても終了しないという問題は解消される。
【0017】
したがって、ユーザが部品を交換した場合であっても、ユーザには手に負えなくなる状況に陥ることなく、サービス要員を呼ぶ必要も生じないため、画像形成装置の停止時間を最小限に抑えることが可能になる。これにより、部品交換時の自動調整を適切に実行することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態の概略構成を示す構成図である
【図2】本発明の実施形態の概略構成を示す構成図である
【図3】本発明の実施形態の概略構成を示す構成図である
【図4】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態を説明する説明図である。
【図6】本発明の実施形態を説明する説明図である。
【図7】本発明の実施形態を説明する説明図である。
【図8】本発明の実施形態を説明する説明図である。
【図9】本発明の実施形態を説明する説明図である。
【図10】本発明の実施形態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の部品交換時調整制御を実施する画像形成装置および画像形成装置制御方法の実施形態を詳細に説明する。
〔画像形成装置100の構成〕
ここで、第一実施形態の第一例として、画像形成に伴い必要に応じて部品交換時調整制御を行う画像形成装置100の構成を、図1(ブロック図)に基づいて詳細に説明する。
【0020】
なお、この実施形態の画像形成装置100としては、各種の画像形成装置に適用が可能であるが、ここでは、ネットワークに接続された、スキャナ,複写機,プリンタ,ファクシミリ装置の機能を備えた複合機(MFP)、あるいは複写機を具体例にして説明を続ける。
【0021】
また、画像形成装置100として既知であって、本実施形態の特徴的な動作や制御に直接に関係しない一般的な部分についての説明は省略してある。
図1に示す画像形成装置100は、画像形成について各部を制御すると共に部品交換時調整制御を行う制御部101と、使用者やオペレータなどの操作者が各種操作入力を行うと共に各種表示を行う操作表示部105、ジョブデータや各種データを記憶する記憶部110、原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ120、画像形成すべき画像データに所定の画像処理を施す画像処理部130、画像データに基づいて用紙上に画像を形成するプリントエンジン140、画像形成された用紙に各種後処理を施すフィニッシャ150、を備えて構成されている。
【0022】
ここで、制御部101は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。ここで、CPUは、RAMの所定領域をワークエリアとし、ROMに記憶されている各種プログラムを実行して、画像形成装置100の各部を統括的に制御する。また、制御部101は、後述するように、フローチャートに示す部品交換時調整制御を実行する。
【0023】
ここで、操作表示部105は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスを備え、入力される各種指示信号を制御部101に送信する。また、操作表示部105は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等の表示手段を備え、制御部101から入力される各種画像データを表示する。なお、この操作表示部は操作部と表示部が別であってもよいが、表示されたアイコンあるいはキー(以下、「キー」と呼ぶ)を押下するタッチパネルが一般的であるため、以下の実施形態ではタッチパネル形式の操作表示部105であるとして説明を行う。
【0024】
また、記憶部110は、データの書き込み、消去、読み出しが自在に行えるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置であり、固定的に設けたものであってもよいし、また、着脱自在に設けたものであってもよい。この記憶部110は、登録済みの一又は複数のジョブを含むジョブデータ(処理済み、処理中のジョブや、未処理のジョブを含む。)を格納する。さらに、記憶部110は、部品交換時調整制御のため、各部品の交換日や、残存寿命など、各部品の関連についての情報を記憶している。
【0025】
プリントエンジン140は、電子写真方式や各種方式の画像形成部や印刷装置であり、複写機やプリンタやファクシミリ装置などにおいて所定の用紙上に画像を形成して出力するものであり、後述する図2のような構成により各種の交換可能な部品を含んで構成されている。
【0026】
フィニッシャ150は、ステープル、パンチ、折り、綴じ、製本、スタック、など、画像形成された用紙に対して各種の後処理を施す後処理装置である。
また、図1に示す画像形成システム1では、画像形成装置100は、通信手段200を介して、外部PCなどの外部機器と通信可能に接続されていてもよい。ここで、通信手段200は、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等を想定するが、電話回線網、ISDN(Integrated Services Digital Network)回線網、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線網、移動体通信網、通信衛星回線、CATV(Cable Television)回線、光通信回線、無線通信回線等の各種通信回線を含むような構成であってもよい。
【0027】
〔プリントエンジン140の構成〕
ここで、第一実施形態の画像形成装置100内のプリントエンジン140構成を、図2、図3に基づいて詳細に説明する。なお、プリントエンジン140として既知であって、本実施形態の特徴的な動作や制御に直接に関係しない一般的な部分についての説明は省略してある。
【0028】
また、この図2では1色分の基本的な構成を示しており、カラー画像形成装置の場合には図3の如く各部が各色数に対応するように構成される。
本実施形態のプリントエンジン140は、画像形成に関して各部を制御する制御手段としてCPU(Central Processing Unit)等により構成されたプリント制御部141、給紙トレイ1450Tに収容された記録紙を送り出す給紙部1450、給紙部1450により送り出された記録紙をセンサ1460sで画像形成のタイミングに合わせて所定の搬送速度で搬送する搬送部1460、回転する感光体ドラムや感光体ベルトなどの感光体上にトナー像を形成し、該トナー像を直接或いは間接に静電的に記録紙上に転写して画像を形成する画像形成部1470、記録紙上に転写されたトナー像を定着ローラによる熱と圧力とによって記録紙上に安定した状態で定着させる定着部1480、を備えて構成される。
【0029】
プリント制御部141は、制御部101や画像形成装置100の制御プログラムに従ってプリントエンジン140を構成する各部を制御して、各種の調整や制御を行うことによってプリントエンジン140を統括的に制御する。
【0030】
給紙部1450は、単数または複数の給紙トレイ1450Tに載置された記録紙を給紙ローラによって画像形成位置まで送り出す給紙手段である。搬送部1460は、給紙部1450から送り出された記録紙を所定の搬送速度で搬送する搬送手段であり、レジストローラやその他各種の搬送ローラ、搬送ベルトなどを備えて構成されている。さらに、搬送部1460の各部の所定位置には、記録紙の先端を検知する先端検知センサなどの搬送センサ1460sが配置されている。
【0031】
画像形成部1470は、感光体に所定の電圧を帯電させる帯電部1471(1471Y〜C)、帯電された感光体に画像データに応じた露光を行って帯電電圧を変化させることで静電潜像を形成する露光部1472(1472Y〜C)、以上の帯電と露光により表面に静電潜像が形成されて該静電潜像がトナー像とされる像担持体としての感光体1473(1473Y〜C)、感光体1473表面に形成された静電潜像にトナーを付着せしめて現像してトナー像とする現像部1474(1474Y〜C)、感光体1473表面に形成されたトナー像を静電的に記録紙に転写する転写部1475、を備えて構成されている。
【0032】
なお、帯電部1471、露光部1472、感光体1473、現像部1474については、図3に示す如く、画像形成に用いるYMCKの色毎にそれぞれ独立した構成であっても良い。
【0033】
また、転写部1475としては、図3のカラー画像形成装置の場合には、YMCKの各色のトナー像を合成する中間転写体1475A、合成されたトナー像を記録紙に転写する二次転写部1475Bを備えて構成されていてもよい。
【0034】
定着部180は、トナー像が転写された記録紙を挟持搬送しつつ、加熱と加圧とにより定着を実行してトナー像を記録紙上で安定した状態にする。
そして、以上のような構成において、帯電部1471、露光部1472、感光体1473、現像部1474、転写部1475などについては、各部を構成する部品をユニット単位で挿抜可能に構成され、必要に応じて交換可能に構成されている。なお、各部品の交換時期や寿命については、プリント制御部141や制御部101が管理を行っている。
【0035】
〔動作〕
以下、図4のフローチャート、図5以降の画面説明図などを参照して、本実施形態の画像形成装置の動作、および画像形成装置制御方法の手順を説明する。
【0036】
画像形成装置100の画像形成動作により、いずれかの部品に交換時期が到来する(図4中のステップS101でYES)と、制御部101の制御により、通常の画像形成動作は停止し、操作表示部105の表示画面には図5(1)に示すメッセージが表示される。あるいは、表示画面に交換部品存在を意味するマーク(図示せず)が表示され、それをクリックすることで図5(1)のメッセージが表示される。
【0037】
ここで、図5(1)のメッセージに従って、画像形成装置100の操作者(ユーザ)が図5(2)の「ユニット交換」のキーを押下すると、制御部101は、図6の表示画面に示すような交換すべき部品を一覧表示する画面を操作表示部105の表示画面に表示する(図4中のステップS102)。
【0038】
この図6の表示例では、交換可能な部品のうち、交換時期に達して交換が必要なものが黒字に白文字で明確にハイライト表示されており、後述するチェックマークの入力が可能に表示されている。また、この図6の表示例では、交換可能な部品のうち、交換時期不要なものはグレーに表示されており、後述するチェックマークの入力ができないように表示されている。
【0039】
操作者がこの図6の操作画面に従い、K(黒)の感光体1473Kを新品の部品に交換し(図4中のステップS103)、交換部品の交換済みのチェックマーク(図7(a))と交換理由の選択(図7(b))とを確認入力する(図4中のステップS104)と、制御部101は、交換時期が到来し交換必要な部品が全て交換完了したかを判断する(図4中のステップS105)。
【0040】
交換時期が到来していて交換必要な部品のうちで未交換のものがあれば(図4中のステップS105でNO)、制御部101は、メッセージ表示(図4中のステップS102)を繰り返し、操作者による交換(図4中のステップS103)と確認の入力(図4中のステップS104)とを、全て完了する(図4中のステップS105でYES)まで待機する。
【0041】
交換時期が到来していて交換必要な部品が全て交換完了となっていれば(図4中のステップS105でYES)、制御部101は部品の交換を検知し、交換された部品に応じて調整を行うべく、部品交換時調整制御を実行する(図4中のステップS106)。
【0042】
この部品交換時調整においては、現像剤におけるトナー濃度の調整、中間転写ベルトの調整、カラーレジストの調整、ガンマ調整などが存在しており、交換部品を含めてプリントエンジン140が適正な画像形成を実行できるように制御部101とプリント制御部141とが各部を調整する。そして、図8に示すように、実行中の作業の様子が制御部101により操作表示部105の表示画面に表示される。
【0043】
プリントエンジン140内の各部の調整が予め定められた所定の時間内に終了すれば、調整が適正に完了したものとして、制御部101は部品交換時調整を完了する(図4中のステップS107でYES、エンド)。なお、各部の状態や部品の相性により調整時間は変化することがあり、場合によっては調整が収束せず長時間にわたって調整を実行しても終了しないこともある。そのため、各部の調整毎に一般的に終了する時間の1.5倍〜2倍程度の時間を適正時間の閾値として定めておくことが望ましい。
【0044】
プリントエンジン140内の各部の調整が予め定められた所定の時間内に終了しない場合(図4中のステップS107でNO)、交換された新たな部品によって他の部品の不具合が顕在化してプリント制御部141がエラーコードを発生した場合(図4中のステップS107でNO)、交換された新たな部品と対応する部品との相性が悪くてプリント制御部141がエラーコードを発生した場合(図4中のステップS107でNO)、など、各種の理由(以下、「エラー等」)によって部品交換時調整が適正に終了しない場合(図4中のステップS107でNO)、制御部101は部品交換時調整中にエラーが発生した旨のメッセージ(図9(a))を操作表示部105の表示画面に表示すると共に、関連して交換すべき他の部品が存在する旨のメッセージ(図9(b))を操作表示部105の表示画面に表示する(図4中のステップS10)。
【0045】
なお、制御部101は、所定時間に終了しなかった調整項目の内容、発生したエラーコード、上述した相性などの情報を含む予め用意されたエラーに関するデータベースなどを参照し、関連して交換すべき他の部品を決定する。
【0046】
操作者が図9の交換部品選択のキーを押下すると(図4中のステップS109でYES)、制御部101はエラー等に関連して交換すべき他の部品を図10のように操作表示部105の表示画面に表示する。なお、操作者が図9の交換部品選択のキーを押下せずに調整再開のキーを押下すると(図4中のステップS109でNO)、制御部101は部品交換時調整制御に戻る(図4中のステップS106)。
【0047】
図10に示す関連して交換すべき他の部品の表示では、直前に既に交換した部品、ここでは感光体1473Kについては網掛けなどの表示(図10(a)参照)をすることで、操作者が間違って再び交換してしまうことがないようにする。また、この図10の表示例では、制御部101の判断により交換が必要とされたものが黒字に白文字で明確にハイライト表示されており(図10(b)(c))、チェックマークの入力が可能に表示されている(図4中のステップS110)。また、この図10の表示例では、交換可能な部品であっても、現時点で交換時期不要なものはグレーに表示されており、後述するチェックマークの入力ができないように表示されている。ここでは、関連するものとして、帯電極Kと現像ユニットKとがハイライト表示されている。
【0048】
この図10の操作画面に操作者が従い、帯電極Kと現像ユニットKとを新品の部品に交換し(図4中のステップS110)、交換部品の交換済みのチェックマークを確認入力する(図4中のステップS112)と、制御部101は、エラー等により関連して交換すべき他の部品の全て交換完了したかを判断する(図4中のステップS113)。
【0049】
エラー等に関連して交換必要な部品のうちで未交換のものがあれば(図4中のステップS113でNO)、制御部101は、交換すべき部品の表示(図4中のステップS110)を繰り返し、操作者による交換(図4中のステップS111)と確認の入力(図4中のステップS112)とを、全て完了する(図4中のステップS113でYES)まで待機する。
【0050】
エラー等に関連して交換すべき部品が全て交換完了となっていれば(図4中のステップS113でYES)、制御部101は部品の交換を検知し、エラーで中断していた部品交換時調整制御を再び実行する(図4中のステップS106)。なお、エラー等により部品交換時調整が途中で停止しており、かつ、関連して交換すべき他の部品が交換されているため、制御部101は、部品交換時調整を最初から行うことが望ましい。
【0051】
以上のようにして、プリントエンジン140内の各部の調整がエラー等の発生なく予め定められた所定の時間内に終了するまで、制御部101は、以上の制御を繰り返して実行し、各部の調整がエラー等の発生なく予め定められた所定の時間内に終了すれば、調整が適正に完了したものとして、制御部101は部品交換時調整を完了する(図4中のステップS107でYES、エンド)。
【0052】
なお、以上のエラー等に関連して交換すべき他の部品の交換(図4中のステップS111)によっても適正に調整が終了しない場合には(図4中のステップS106でNO)、制御部101は、調整項目の内容、発生したエラーコード、上述した相性などの情報を含む予め用意されたエラーに関するデータベースなどを参照し、更に関連して交換すべき他の部品を決定すればよい。
【0053】
このように、制御部101がデータベースなどを参照して次に交換すべき他の部品を決定することで、操作者が画像形成装置内部に詳しくない場合であっても、効率よく、エラーに関連して可能性の高い部品から順次交換できるようになる。
【0054】
以上説明してきたように、この実施形態では、プリントエンジン140が交換可能な部品を備えており、交換部品が発生した場合には必要項目の調整(部品交換時調整)を行い、該部品交換時調整が予め定められた状態で完了しない場合には関連する他の部品(関連部品)の交換を促すよう操作表示部105の表示画面に表示する。
【0055】
これにより、部品交換をした場合の自動調整において、部品交換により連動して発生あるいは顕在化する不具についての対処が可能となり、自動調整がエラーで停止してしまうことなく、あるいは、いつまで経っても終了しないという問題は解消される。
【0056】
したがって、ユーザが部品を交換した場合であっても、ユーザには手に負えなくなる状況に陥ることなく、サービス要員を呼ぶ必要も生じないため、画像形成装置の停止時間を最小限に抑えることが可能になる。これにより、部品交換時の自動調整を適切に実行することが可能になる。
【0057】
〔他の実施形態(1)〕
以上の説明では、画像形成装置100内で部品交換時調整制御を行うようにしていたが、これに限定されるものではない。
【0058】
たとえば、画像形成装置100と接続された外部PCを部品交換時調整制御部や表示部として利用し、外部PCを介して部品交換時調整制御を実行するようにしてもよい。
〔他の実施形態(2)〕
以上の説明では、画像形成装置100にて部品交換時調整制御を行うようにしていたが、これに限定されるものではない。
【0059】
たとえば、画像形成装置100と接続された外部表示装置に対して図5〜図10の表示を行うように、制御部101が情報出力の制御すると共に、外部の操作部から入力された指示に基づいて制御部101が部品交換時調整制御を行うことが可能である。
【0060】
これによれば、画像形成装置100の表示操作部が小さい場合などにも、以上の実施形態を確実に実施することが可能になる。この場合、制御部101は、外部の表示装置に対して表示信号(表示情報)を出力する。また、外部のキーボードなどの入力装置からの入力信号を受け付けるようにする。
【0061】
なお、このような外部表示・外部操作入力による場合は、ネットワーク接続された端末装置300などを用いるほか、汎用のディスプレイ装置やキーボードを画像形成装置100に直接接続する構成であってもよい。このため、必要に応じて、外部表示出力端子、操作入力端子などを備えればよい。
【0062】
〔他の実施形態(3)〕
なお、以上の実施形態において、画面表示は一例を示すものであり、各種の変形が可能である。また、具体例として示した画像形成装置100やプリントエンジン140の構成も一例であって、各種の変形が可能である。
【符号の説明】
【0063】
100 画像形成装置
101 制御部
105 操作表示部
110 記憶部
120 スキャナ
130 画像処理部
140 プリントエンジン
150 フィニッシャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能な部品を備えており、記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、
各種情報を表示する表示部と、
各部を制御する制御部と、を備えた画像形成装置であって、
前記制御部は、
前記画像形成部内で交換された部品について必要となる項目の調整(部品交換時調整)を行う際に、該部品交換時調整が予め定められた状態で完了しない場合には関連する他の部品(関連部品)の交換を促すよう前記表示部に表示する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
交換可能な部品を備えており、記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、
各部を制御する制御部と、を備えた画像形成装置であって、
前記制御部は、
前記画像形成部内で交換された部品について必要となる項目の調整(部品交換時調整)を行う際に、該部品交換時調整が予め定められた状態で完了しない場合には関連する他の部品(関連部品)の交換を促すよう外部に接続される表示部に表示するための情報を出力する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記部品交換時調整において、エラーが発生した場合、あるいは、所定時間内に調整が終了しない場合を、前記完了しない状態と判定する、
ことを特徴とする請求項1−2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記部品交換時調整が前記完了しない場合に、前記関連部品として、前記交換された部品以外の未交換の部品を前記表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記関連部品の交換がなされた場合に、該関連部品に対応する調整を行うよう制御する、
ことを特徴とする請求項1−4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記関連部品の交換がなされたことが操作部に入力された場合に、前記関連部品に対応する調整を行うよう制御する、
ことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
交換可能な部品を備えていて記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、各部を制御する制御部と、を備えた画像形成装置を制御する画像形成装置制御方法であって、
前記画像形成部内で交換された部品について必要となる項目の調整(部品交換時調整)を行う際に、該部品交換時調整が予め定められた状態で完了しない場合には関連する他の部品の交換を促すように表示部に表示するよう制御部が制御する、
ことを特徴とする画像形成装置制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−104825(P2011−104825A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260692(P2009−260692)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】