説明

画像形成装置及び画像送信方法

【課題】ジョブ実行までの一連の操作手順を表現した操作画面フローを作成して当該装置の操作支援を行う画像形成装置、画面フロー作成方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置は、操作パネルを備え、表示画面を生成する為の画面情報に基づき画像形成に関する表示画面を前記操作パネルに表示する画像形成装置であって、画面情報と、表示画面でのキー操作による設定状態を示す設定操作情報と、表示画面の画面遷移順序を示す画面順序情報と、を含む画面フロー作成情報を取得する画面フロー作成情報取得手段と、画面フロー作成情報に基づいて、表示画面におけるキー操作による設定状態を表現した画面イメージを作成し、画面イメージを画面遷移順に並べた画面フローを作成する画面フロー作成手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像送信方法の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ファックス、プリンタ、コピーおよびスキャナなどの各装置の機能を1つの筐体内に収納した画像形成装置が知られるようになった。この画像形成装置は、1つの筐体内に表示部、印刷部および撮像部などを設けると共に、ファックス、プリンタ、コピーおよびスキャナにそれぞれ対応する4種類のアプリケーションを設け、そのアプリケーションを切り替えることより、ファックス、プリンタ、コピーおよびスキャナとして動作させるものである。
【0003】
近年、画像形成装置の操作パネル上における液晶パネル(タッチパネル)も大型化してきており、その表示内容も充実している。例えば、アイコン等を用いた多彩な表示画面をソフトウェアの制御に基づいて表示させることにより、ユーザフレンドリなユーザインタフェースを提供している。
【0004】
その一方、画像形成装置の多機能化に伴い、操作画面においてその設定項目は益々増加しており、また設定を行う操作画面の階層も深くなってきている。従って操作に慣れない初心者や機械操作の苦手なユーザにとっては、うまく設定操作を行えず装置を使いこなせない。
【0005】
このような場合、一般にマニュアルやヘルプ画面を参照しながら、操作画面を操作することになる。マニュアルには管理者等により予め所定の操作手順が示されており、操作者はそのマニュアルに従って操作することで、日常業務等の定型操作に対応できる。
【0006】
画像形成装置の操作支援を行う技術として特許文献1に記載される発明がある。画像形成装置に対して、ユーザが行った一連の操作フローを呼び出して再実行できる。当該画像形成装置に対して行われた一連の操作フローが履歴情報としてメモリ等に記録されており、記録された履歴情報のうち、画像形成装置に対して実行させる操作フローを呼び出し、呼び出された操作フローを実行する。当該操作フローの実行を一時的に停止して、操作部を用いて操作フローを変更し変更された操作フローの実行を行うこともできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載される発明においては、一連の操作フローを記録しておきその同一操作を再現できるので、以降、例えば所定の一の操作を行えば、一連の複数操作を自動的に実行できる。しかしながら、記録された一連の操作フローに従って自動的に操作が進むため、自ら設定操作を学習したい場合、なかなかその操作を習得することができない。
【0008】
設定操作を習得するには、実際に自ら設定操作を行って、操作画面遷移や操作設定のための具体的なボタン操作を行うことが望ましい。従ってそのような場合、操作画面や操作項目を確認できる設定操作フローを含むマニュアルを利用するとよい。
【0009】
本発明では上記のような問題に鑑みて、ジョブ実行までの一連の操作手順を表現した操作画面フローを作成して当該装置の操作支援を行う画像形成装置、画面フロー作成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、操作パネルを備え、表示画面を生成する為の画面情報に基づき画像形成に関する表示画面を前記操作パネルに表示する画像形成装置であって、前記画面情報と、前記表示画面でのキー操作による設定状態を示す設定操作情報と、前記表示画面の画面遷移順序を示す画面順序情報と、を含む画面フロー作成情報を取得する画面フロー作成情報取得手段と、前記画面フロー作成情報に基づいて、表示画面におけるキー操作による設定状態を表現した画面イメージを作成し、前記画面イメージを画面遷移順に並べた画面フローを作成する画面フロー作成手段とを有する。
【0011】
また上記課題を解決するため、前記画像形成装置において、前記画面フロー作成情報取得手段は、前記表示画面でのキー操作単位で、画面フロー作成情報を取得することを特徴とする。
【0012】
また上記課題を解決するため、前記画像形成装置において、前記画面フロー作成情報取得手段は、前記表示画面遷移単位で、画面フロー作成情報を取得することを特徴とする。
【0013】
そこで上記課題を解決するため、本発明に係る画面フロー作成方法は、操作パネルを備え、表示画面を生成する為の画面情報に基づき画像形成に関する表示画面を前記操作パネルに表示する画像形成装置における画面フロー作成方法であって、前記画面情報と、前記表示画面でのキー操作による設定状態を示す設定操作情報と、前記表示画面の画面遷移順序を示す画面順序情報と、を含む画面フロー作成情報を取得する画面フロー作成情報取得手順と、前記画面フロー作成情報に基づいて、表示画面におけるキー操作による設定状態を表現した画面イメージを作成し、前記画面イメージを画面遷移順に並べた画面フローを作成する画面フロー作成手順を有する。
【0014】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ジョブ実行までの一連の操作手順を表現した操作画面フローを作成して当該装置の操作支援を行う画像形成装置、画面フロー作成方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置1の操作パネル11の外観(簡略図)の一例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る画像形成装置1の主要機能構成を示す機能ブロック図である。
【図4】操作画面とテンプレートとの関係を示す図(その1)である。
【図5】操作画面とテンプレートとの関係を示す図(その2)である。
【図6】仕様ファイルの定義例を示す図である。
【図7】レイアウトファイルの定義内容を示す概念図である。
【図8】操作画面とその設定操作情報を示す図(その1)の一例である。
【図9】操作画面とその設定操作情報を示す図(その2)の一例である。
【図10】設定操作情報を示す図(その1)の一例である。
【図11】設定操作情報を示す図(その2)の一例である。
【図12】画面フロー作成動作を説明するフローチャートである。
【図13】画面フロー作成開始を設定する画面の一例である。
【図14】画面遷移順序の情報を示す図の一例である。
【図15】ジョブ完了履歴画面の一例を示す図である。
【図16】画面イメージを示す図の一例である。
【図17】作成された画面フロー作成を示す図の一例である。
【図18】強調表示の画面イメージを示す図の一例である。
【図19】画面切り出しの画面イメージを示す図の一例である。
【図20】画面フロー削除画面を示す図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を各実施形態において図面を用いて説明する。画像形成装置に対して本発明を適用した実施形態を示す。画像形成装置は、プリンタ、コピーおよびスキャナなどの複数の機能を一つの筐体内に収納したデジタル複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)である。またこれら基本機能だけでなく、デジタル画像技術の高度化やMFPに関連する技術の進化に伴い多彩な機能を有し、ユーザ環境において様々な利用形態を提供している。
【0018】
[実施形態]
(ハードウェア)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態に係る画像形成装置1は、操作パネル11と、記憶メディアI/F12と、コントローラ13と、データ通信I/F14と、スキャナ15と、プロッタ16と、HDD(Hard Disk Drive)17とから構成され、それぞれ相互に接続されている。
【0019】
操作パネル11は、入力装置11aと表示装置11bとを有しており、入力装置11aは、ハードキーなどで構成され、画像形成装置1に各操作信号を入力するのに用いられる。また、表示装置11bは、ディスプレイなどで構成され、例えば画像形成動作に関する各種情報を表示する。データ通信I/F14は、インタフェース装置14aを有しており、画像形成装置1をネットワークやファックスなどのデータ伝送路に接続するインタフェースである。HDD17は、画像形成装置1で取り扱われる受信文書データや読み取り画像データなどの各種データを格納している。また、HDD17は、これらの各種データを、所定のファイルシステムやDB(Data Base)により管理している。
【0020】
HDD17に格納される各種データの中には、記録媒体12bから入力されるデータを含む。記録媒体12bは、記憶メディアI/F12が有するドライブ装置12aにセットされ各種データが記録媒体12bからドライブ装置12aを介してHDD17に格納される。
【0021】
コントローラ13は、ROM(Read Only Memory)13a、RAM(Random Access Memory)13b、及びCPU(Central Processing Unit)13cとを有しており、ROM13aは、画像形成装置1が起動されるときに実行されるプログラムや各種データを格納している。また、RAM13bは、ROM13aやHDD17から読み出された各種プログラムやデータを一時保持する。更に、CPU13cは、RAM13bが一時保持しているプログラムを実行する。コントローラ13は、例えば、データ通信I/F14を介して印刷データを受信した場合に、ROM13aからRAM13b上に読み出された、PDL(Page Description Language)を解釈可能なプログラム(PDLパーサ)をCPU13cにより実行し、印刷データを解釈してビットマップイメージを生成する。
【0022】
スキャナ15は、画像読取装置15aを有しており、読み取り面に配置された原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。プロッタ16は、印刷装置16aを有しており、例えば、電子写真プロセス方式によってビットマップイメージを記録紙に印刷する。
【0023】
図2は、画像形成装置1の操作パネル11の外観(簡略図)の一例を示す図である。上述したように、画像形成装置1は、ユーザが画像形成装置1の機能を利用するための操作指示を行うための操作パネル11を持つ。また操作パネル11は、使用者が操作した操作結果の確認、機器の状態などを表示することによって視覚的に可能となる表示手段にも共用できるディスプレイと、物理的なボタンやダイヤルのようなハードキーで構成される。ディスプレイは、触覚センサによるタッチパネル式ディスプレイ上に構成されるソフトウェアキーへの接触による操作指示が可能なものでもよいし、ハードキーによる操作結果がディスプレイで表示されるものでもよい。
【0024】
このように、本実施形態に係る画像形成装置1では、上記ハードウェア構成により、コピー、プリンタ、ファクシミリ、スキャナなどの複数の機能を実現している。
【0025】
(機能)
図3は、本実施形態に係る画像形成装置1の主要機能構成を示す機能ブロック図である。画像形成装置1は、画面管理部301、画面フロー作成情報取得部302、画面フロー作成部303、画面情報304及び画面フロー作成情報305を含む構成である。詳細に関しては後述するので、ここでは簡単に説明する。
【0026】
画面管理部301は、画像形成装置1において、表示画面に係る全ての機能を管理・制御する機能を有している。例えば、画像形成装置1に表示する表示画面を、画面情報304に基づき生成し、操作パネル11に表示する。またユーザの操作に応じて、どの表示画面(操作画面)を表示すべきか、どの表示画面を生成して応答すべきか、さらに当該表示画面で設定された設定操作内容を画像形成の各機能部と連動し、その設定操作内容の各機能部への伝達(反映)や各機能部からの処理結果等をユーザに表示する。
【0027】
画面フロー作成情報取得部302は、画面フロー作成に必要な情報(画面フロー作成情報305)を取得(収集)する機能を有している。詳細は後述するが、表示画面を生成する為の画面情報304、表示画面でのキー操作による設定状態を示す設定操作情報、表示画面の画面遷移順序を示す画面順序情報等を含む画面フロー作成情報305を取得する。
【0028】
画面フロー作成部303は、画面フロー作成情報305に基づいて、表示画面におけるキー操作による設定状態を表現した画面イメージを作成し、画面イメージを画面遷移順に並べた画面フローを作成する機能を有している。
【0029】
なおこれらの機能は、実際にはCPU13cが実行するプログラムによりコンピュータ(画像形成装置1)に実現させるものである。また上記各機能部は必ずしも画像形成装置1内に構築されなくともよく、ネットワーク上に接続された外部装置にその機能を設けることもできる。例えば、画面情報304は、複数の画像形成装置1で共有される共通の表示画面情報として、外部の記憶装置に構築できる。
【0030】
(画面管理)
画面管理部301は、画面構成の基本となる画面情報(操作画面情報)304、及び設定操作情報を管理する。本発明に係る画像形成装置1の動作を説明する前に、画面情報304及び設定操作情報について概略的に説明を行う。
【0031】
まず、画面情報304を説明する。画面構成の基本となる画面情報(操作画面情報)は、表示画面を生成する為のデータで、ディスプレイ上に表示される。従って表示画面は画面情報に基づいて生成され表示されている。画像形成装置1が予め例えば工場出荷時等から静的に有する情報である。
【0032】
図4は、操作画面とテンプレートとの関係を示す図(その1)である。タッチパネル式ディスプレイにおける操作画面の表示イメージを示す。図中では、一の操作画面に、複数のテンプレートが配置された例が示されている。図示されるように、テンプレートは、一つの操作画面に対して複数配置することが可能であり、各テンプレートは、区切られた一つの表示領域を形成する。また、テンプレート内に更にテンプレートを配置することも可能である。
【0033】
図5は、操作画面とテンプレートとの関係を示す図(その2)である。テンプレートには、図に示されるように、部品情報(部品ファイル)、仕様情報(仕様ファイル)、及びレイアウト情報(レイアウトファイル)を有している。つまり、各テンプレートは、複数の部品ファイルと、一つの仕様ファイル、一つのレイアウトファイルとによって構成される。
【0034】
部品ファイルは、テンプレート上に配置される各種の表示部品(ボタン、イメージ等)を実現するデータを格納するファイルであり、表示部品ごとに一つずつファイル化されている。それぞれの表示部品は、それぞれの特性に応じて画像データ、動画データ、テキストデータ、GUI部品を表現するデータ等の各種のデータ形式によって構成されている。なお、部品ファイルはそのテンプレートのみが使用している訳ではなく、共通部品として、他のテンプレートも共有して使用している。
【0035】
仕様ファイルは、テンプレート内に配置される表示部品の構成(一覧)を示す情報(部品構成情報)が定義されるファイルである(複数の部品ファイルから使用される表示部品を定義)。図6は、仕様ファイルの定義例を示す図である。図6において、部品構成情報は、XMLによって記述されている例が示されているが、部品構成情報の定義形式はXMLに限定されない。図中において、root要素の各子要素は、それぞれテンプレートに配置される一つの表示部品に対応する。各要素のタグ名は、当該要素が対応する表示部品の種類を示す。例えば「img」は、イメージデータ(画像データ)を示す。「btn」は、ボタンを示す。「msg」は、メッセージを示す。また、各要素には、id属性とname属性とが定義されている。id属性は、当該表示部品を一意に識別するためのIDである。name属性は、当該表示部品の部品ファイルのファイル名である。
【0036】
例えば、要素601には、IDが「1a」で、copy.jpgという部品ファイルに格納されたイメージデータに係る表示部品が定義されている。要素602には、IDが「3b」で、ok.xxxという部品ファイルに格納されたボタンが定義されている。このように、仕様ファイル内には、一つのテンプレートに配置される全ての部品について、そのID及びファイル名等が定義されている。
【0037】
レイアウトファイルは、テンプレート内における各表示部品の配置位置を示す情報(部品配置情報)が定義されるファイルである。図7は、レイアウトファイルの定義内容を示す概念図である。図7には、部品配置情報の具体的な定義形式ではなく、部品配置情報の内容が概念的に示されている。図中において矩形Tは、一つのテンプレートの表示領域を示す。テンプレートT内に配置されたそれぞれ円の中の符号は、仕様ファイル内で定義されている各表示部品のIDを示す。また、円の位置は、テンプレートT内における当該表示部品の配置位置を示す。すなわち、レイアウトファイルには、仕様ファイルに定義されている表示部品ごとに、その配置位置が定義されている。具体的な定義形式は、例えばXML形式であってもよい。この場合、表示部品ごとに要素を割り当て、その属性として配置位置を示す座標値を指定するようにしてもよい。以上このように、画面情報304は、表示画面を生成する為の情報というべきデータであり、ディスプレイ上に表示される画面は全て画面情報に基づいて生成され表示される。
【0038】
次に、設定操作情報を説明する。設定操作情報は、画面情報304に基づいて生成され表示されている操作画面において何らかの設定操作が行われた場合、一連のジョブのキー操作状態等のその操作画面における設定操作情報を示す。設定操作情報は、画面フロー作成情報305に含まれ、画面フロー作成の際に利用される。具体的に説明する。
【0039】
図8は、操作画面とその設定操作情報を示す図(その1)の一例である。操作画面801は、読み取り原稿面の設定操作を行なう画面例を示す。また、この操作画面801が有する設定操作情報を概念的に示す。操作画面801と対応するように、メッセージ(Message)領域と、セットボタン(SetButton)領域と、ボタン(Button)領域とに区分され、各領域における設定操作ボタンと、その設定操作ボタンが有する設定操作値が示されている。この例では各設定操作ボタンは、ON又はOFFの値をとりうる。
【0040】
図9は、操作画面とその設定操作情報を示す図(その2)の一例である。同様に、操作画面901は、読み取り原稿面の設定操作を行なう画面例を示す。また、この操作画面901が有する設定操作情報を概念的に示す。ボタン(Button)領域において、「両面」ボタンが操作され、新たなに「左右ひらき」及び「上下ひらき」ボタンが展開された場合の、各領域における設定操作ボタンと、その設定操作ボタンに関連付いた設定操作値が示されている。この例では各設定操作ボタンは、ON又はOFFの値をとりうる。
【0041】
図10は、設定操作情報を示す図(その1)の一例である。具体的には、図8の操作画面801及び設定操作値において、入力キー識別子が「片面(ID:key101)」である「片面」ボタンが操作された際の、設定操作情報(設定操作値)を示す。「片面」ボタンが操作され、設定値がONになっているので、これと相反する「両面」ボタンの各設定値はOFFとなっている。なお、画面識別子「Window1(ID:w001)」は、操作画面801を固有に識別する識別子である。
【0042】
図11は、設定操作情報を示す図(その2)の一例である。同様に、図9の操作画面901及び設定操作値において、入力キー識別子が「片面(ID:key101)」である「両面」ボタンが操作された際の、設定操作情報(設定操作値)を示す。「両面」ボタンが操作され、「両面」及び「上下ひらき」の設定値がONになっているので、これと相反する「片面」ボタンの各設定値はOFFとなっている。なお、画面識別子「Window1(ID:w001)」は、操作画面901を固有に識別する識別子であるが、操作画面801と操作画面901は同一の画面識別子であるので操作画面としては同一の画面として認識されている。しかしながら、設定操作情報は、入力キー識別子毎に生成されているので、同一の操作画面においても、その設定操作に応じて複数生成されうる。つまり、その操作画面での設定操作に伴い、入力キー識別子毎に動的生成される。
【0043】
(動作)
次に、本発明に係る画像形成装置1の動作を説明する。図12は、画面フロー作成動作を説明するフローチャートである。各ステップで適宜図面を参照しながら、当該フローチャートに沿って以下説明を行う。
【0044】
ステップS1201において、まずユーザにより画面フロー作成開始要求が行われる。画面フロー作成にあたっては画面フロー作成情報305が取得(収集)されるが、ユーザによる画面フロー作成開始要求によって取得のトリガーとする。特段、画面フロー作成が必要のないときにも画面フロー作成情報305が取得されて記憶容量(例えばHDD17)が増大してしまうことを防止するためである。
【0045】
図13は、画面フロー作成開始を設定する画面の一例である。操作画面1301は、例えばトップ画面の例を示す。「画面フロー設定」ボタン押下により操作画面1302に遷移すると、画面フローの設定を行うことができる。画面フロー機能「有効」とするボタン押下によりフロー作成開始要求がなされることになる。なお、操作画面1302の他の設定項目に関しては後述するのでここでは先に説明を進める。
【0046】
ステップS1202において、画面管理部301及び画面フロー作成情報取得部302は、フロー作成開始要求を受けて画面フロー作成の準備を開始する(画面フロー作成モード)。
【0047】
ステップS1203において、ユーザは操作画面を操作して、所望のジョブ操作を開始する。例えば、原稿面を「左右ひらき」、用紙の「ソート」等を設定し、コピージョブの実行を行う。
【0048】
ステップS1204において、コピージョブ実行までのユーザ操作に伴い、画面フロー作成情報取得部302は、画面フロー作成に必要な情報である画面フロー作成情報305を取得(収集)する。上述したように、画面フロー作成情報305は、表示画面を生成する為の画面情報304、表示画面でのキー操作による設定状態を示す設定操作情報、表示画面の画面遷移順序を示す画面順序情報等を含む。
【0049】
ここで再び図9を参照する。コピージョブ実行までの操作において、例えば操作画面901で、読み取り原稿面の設定操作(「両面」、「上下開き」とする)が行われた場合、画面フロー作成情報取得部302は、取得すべき画面フロー作成情報305として、当該読み取り原稿面の設定操作画面の画面情報304を取得する。また、図11に示されるような設定操作情報(「両面ON」、「上下開きON」等)を取得する。つまり、当該読み取り原稿面の設定操作画面を生成するに必要な画面情報(前述の部品ファイル、仕様ファイル及びレイアウトファイルを含むテンプレート)、当該読み取り原稿面の設定操作画面でのキー操作による設定状態を示す設定操作情報を取得する。
【0050】
さらに画面遷移順序の情報を含めて取得する。図14は、画面遷移順序の情報を示す図の一例である。画面遷移順序に基づく(フロー)画面作成順序が、設定操作情報に対応する入力キー識別子毎に示されている。なお、入力キー識別子は、図11に示される入力キー識別子に対応しているので、画面遷移順に、設定画面及びその設定画面における設定操作情報が再現することが可能である。なお、これら取得すべき画面フロー作成情報305の取得タイミングとしては、設定操作、具体的には操作キーが操作されたときである。操作キー単位で画面フロー作成情報305を取得するからである。なお、「キャンセル」が操作された際は、キャンセルに該当する画面フロー作成情報305を削除(取得破棄)する。
【0051】
ステップS1205において、所望のジョブ操作を終了する。実際においてはユーザが操作画面を操作してコピーを実行する「スタート」ボタン等を押下したとき、又はその後コピージョブが正常終了したときである。画面フロー作成情報取得部302は、このタイミングで画面フロー作成情報305の取得を停止する。
【0052】
ステップS1206において、ユーザにより画面フロー作成要求が行われる。図15は、ジョブ完了履歴画面の一例を示す図である。図に示されるように、履歴から前述のコピージョブは既に完了している。ここで、画面フロー作成を行うジョブをジョブ完了履歴から選択し、「画面フロー出力」ボタンを押下することにより、画面フロー作成要求が行われる。なお、画面フロー作成は全ての完了ジョブに対して行える訳ではない。画面フロー作成開始要求(S1201)が行われなかったジョブは、画面フロー作成情報305が作成されていないので、画面フロー作成を行うことはできない。即ち、画面フロー作成開始要求(S1201)が行われたジョブについてのみ作成可能である。なお、画面フロー作成の可否は、図に示されるように一例として、ジョブ完了履歴画面上「○」又は「×」で示されている。
【0053】
ステップS1207において、画面フロー作成部303は、取得された画面フロー作成情報305に基づいて、表示画面におけるキー操作による設定状態を表現した画面イメージを作成し、画面イメージを画面遷移順に並べた画面フローを作成する。図16は、画面イメージを示す図の一例である。図の画面イメージは、前述の読み取り原稿面の設定操作画面の画面情報304と、キー操作による設定状態を示す設定操作情報とから作成されている。つまり、設定操作情報の「両面」、「上下開き」が反映された前述の読み取り原稿面の設定操作画面と同一の画面が作成されている。このようにして、画面フロー作成部303は画面遷移順序の情報(図14)を参照して、順々に画面イメージを作成していく。
【0054】
ステップS1208において、画面フロー作成が出力される。図17は、作成された画面フロー作成を示す図の一例である。ユーザが操作画面を操作してコピージョブを完了するまでの操作画面の遷移(フロー)及びその設定操作(内容)が分かるようになっている。
【0055】
(画面フロー設定)
次に、再び図13の操作画面1302を参照して、画面フロー設定を説明する。図に示されるように、画面フロー設定に関するとして、画面フロー機能、フロー区切り単位、出力手段設定、表示効果が設けられている。画面フロー機能は、既に上述したように、画面フロー機能「有効」又は「無効」とする選択ボタンである。以下ではフロー区切り単位、出力手段設定、表示効果について説明を行う。
【0056】
・フロー区切り単位
フロー区切り単位とは、どのような単位で画面フローを作成するか、つまり画面フロー作成情報取得部302は、どのような単位で、画面フロー作成情報305を取得(収集)するかを示す。これまでフロー区切り単位は、「キー操作」単位であるものとして説明を行った。つまり図10、図11のように、「キー操作」(入力キー識別子)単位で設定操作情報を取得することで、逐一「キー操作」毎に画面フローを作成することができた。従って、フロー区切り単位として「キー操作」単位とすると、詳細な画面フローを作成できる。
【0057】
これに対して、「キー操作」毎の画面フローは詳細過ぎるという場合がある。具体的に、図8及び図9の操作画面801及び操作画面901は、「キー操作」がされて遷移する操作画面ではあるものの、画面識別子(図10及び図11、Windows1(ID:w001))においては、同一の操作画面である。つまり、操作画面901は操作画面801を含んでおり、操作画面901が画面フローとして表現されれば十分であるという場合は、フロー区切り単位として「画面遷移」単位とするとよい。この場合は、同一の画面識別子を有する複数の操作画面があると、最後の操作画面の画面情報及び設定操作情報が取得される。取得のトリガーとしては、操作画面上のセットボタン(SetButton)が押下されたときである。というのは、セットボタンは、その同一の画面識別子で特定される操作画面において、設定操作(情報)が最終的に確定するタイミングで押下されるボタンだからである。従って、フロー区切り単位として「画面遷移」が設定されると、例えば、図10のような設定操作情報は取得されず、図11の設定操作情報のみが取得される。このように、逐一「キー操作」毎に画面情報及び設定操作情報を取得するのでなく、同一の画面識別子が複数ある場合、最後の操作画面の画面情報及び設定操作情報を取得することで、画面フロー作成情報305を記憶する領域を節約できる。勿論、とりあえず「キー操作」毎に画面情報及び設定操作情報を取得しておき、画面フロー作成時、同一の画面識別子が複数ある場合は、最後(画面遷移順序)の操作画面の画面情報及び設定操作情報のみ取得して、画面フロー作成に利用してもよい。つまり、「キー操作」毎に画面情報及び設定操作情報を取得しておけば、「キー操作」毎又は「画面遷移」毎というように、いつでも画面フローの表示パターンを切替えることができる。
【0058】
・出力手段設定
出力手段設定により、作成された画面フロー作成がどのように出力されるかを設定可能である。例えば「印刷」であれば、画像形成装置1の印刷機能を利用し画面フローがプリントされて、マニュアルとして以後の手元で参照しながらの操作に活用できる。「E−mail」であれば、画像形成装置1のメール送信機能を利用し画面フロー(電子ファイル)がメールに添付され、ユーザ端末等に配布可能である。また、「画面表示」であれば、画像形成装置1の操作パネル11上、画面フローをいつでも表示・参照が可能となっている。
【0059】
・表示効果
画面フローの表示方法に関する設定項目である。図18は、強調表示の画面イメージを示す図の一例である。図に示されるように、当該操作画面の設定操作情報に基づき、操作されるボタンを強調枠等で囲むことで強調表示を行う。また画面遷移にあたり、操作されるボタンを示して(図中矢印上)、どのボタンが操作された際に次の画面に遷移するがの強調表示を行うこともできる。
【0060】
図19は、画面切り出しの画面イメージを示す図の一例である。図19(a)に、複数のウィンドウから構成される操作画面において、設定操作されたウィンドウ画面を切り出して表示を行う例を示す。上述したように、テンプレートは、一つの操作画面に対して複数配置することが可能である(図4)。このような複数のウィンドウから構成される画面は、機能のグルーピングでウィンドウを分けることが多く、お互いのウィンドウに存在する機能の依存関係はないことが多い。そのため、操作されたボタンが存在しているウィンドウのみを抽出して画面フローを作成することが可能となる。この操作されたボタンが存在しているウィンドウのみを抽出して画面フローを作成する設定が「画面切り出し」設定である。図19(b)は、(a)の変形例で、操作されたボタンが存在したウィンドウのみアイテム表示する設定(他ウィンドウ省略表示)である。勿論上述の「強調表示」及び「画面切り出し」の両方を、同時に設定することも可能である。
【0061】
(編集)
作成された画面フローの削除に関して説明する。図20は、画面フロー削除画面を示す図の一例である。画面フロー2001では、画面イメージを特定するための画面番号(Ope:01など)が付加されており、この画面番号を指示することにより画面フローから指定画面を削除することができる。画面番号は、画面作成順序(図14)に対応するようにすればよい。但し、画面フローの最終画面は、最終的な設定を示している画面なので、削除の対象とはならない。
【0062】
削除指定画面2002の例では、画面フローの画面番号に対応したボタンが表示され、選択・非選択ができる。削除したい画面番号のボタンを選択し、削除ボタンを押下することにより画面フローから指示された画面が削除される。
【0063】
削除指定画面2003の例では、画面イメージを添付表示するとともに、画面イメージを拡大して確認することができる。また、操作画面に画面イメージを添付するため、画面フローの全体を表示することが難しいので、上矢印、下矢印ボタンなどで表現されるページ切り替えによって画面イメージの切り替えを行なうとともに、画面フローのどの部分を表示しているかを示すスクロールバーなども提供する。また、ページ切り替えが頻繁に行なわれるため、選択数の表示も行なう。
【0064】
(総括)
以上本発明に係る画像形成装置1は、画面情報とともに一連の操作内容を記録しておき、視覚的に操作内容が分かるような画面イメージの遷移図を作成する。実際の表示画面上で、具体的にその設定操作内容が分かるような画面フローが容易に作成できるので、その画面フローをマニュアルとして利用すれば、操作に慣れない初心者や機械操作の苦手なユーザでも、少なくともマニュアルに沿った定型的な設定操作を行うことができる。
【0065】
以上本発明によれば、ジョブ実行までの一連の操作手順を表現した操作画面フローを作成して当該装置の操作支援を行う画像形成装置、画面フロー作成方法及びプログラムを提供することが可能となる。本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 画像形成装置
11 操作パネル
11a 入力装置
11b 表示装置
12 記憶メディアI/F
12a ドライブ装置
12b 記録媒体
13 コントローラ
13a ROM
13b RAM
13c CPU
14 データ通信I/F
14a インターフェース装置
15 スキャナ
15a 画像読取装置
16 プロッタ
16a 印刷装置
17 HDD
301 画面管理部
302 画面フロー作成情報取得部
303 画面フロー作成部
304 画面情報
305 画面フロー作成情報
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開2006−044167

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルを備え、表示画面を生成する為の画面情報に基づき画像形成に関する表示画面を前記操作パネルに表示する画像形成装置であって、
前記画面情報と、前記表示画面でのキー操作による設定状態を示す設定操作情報と、前記表示画面の画面遷移順序を示す画面順序情報と、を含む画面フロー作成情報を取得する画面フロー作成情報取得手段と、
前記画面フロー作成情報に基づいて、表示画面におけるキー操作による設定状態を表現した画面イメージを作成し、前記画面イメージを画面遷移順に並べた画面フローを作成する画面フロー作成手段と、
を有すること特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画面フロー作成情報取得手段は、前記表示画面でのキー操作単位で、画面フロー作成情報を取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画面フロー作成情報取得手段は、前記表示画面遷移単位で、画面フロー作成情報を取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
操作パネルを備え、表示画面を生成する為の画面情報に基づき画像形成に関する表示画面を前記操作パネルに表示する画像形成装置における画面フロー作成方法であって、
前記画面情報と、前記表示画面でのキー操作による設定状態を示す設定操作情報と、前記表示画面の画面遷移順序を示す画面順序情報と、を含む画面フロー作成情報を取得する画面フロー作成情報取得手順と、
前記画面フロー作成情報に基づいて、表示画面におけるキー操作による設定状態を表現した画面イメージを作成し、前記画面イメージを画面遷移順に並べた画面フローを作成する画面フロー作成手順と、
を有することを特徴とする画面フロー作成方法。
【請求項5】
請求項4に記載の画面フロー作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−212911(P2010−212911A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55695(P2009−55695)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】