説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置の寸法及び占有面積を小さくすることができ、構造を簡素化することができるようにする。
【解決手段】画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12C、現像剤像を媒体に転写するための転写ユニット17、及び定着ユニット18を備えるようになっている。ラミネートモードが選択されたときに、画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cと転写ユニット17とを離間させる離間処理手段と、画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cと転写ユニット17とが離間させられた状態で、媒体とラミネート媒体とを積層させて形成されたラミネート積層体を定着ユニット18に送る媒体搬送制御処理手段と、ラミネート積層体を加熱する加熱処理手段とを有する。画像を形成する際の搬送路を変更することなく、ラミネートを行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像が形成された印刷媒体に対してラミネート処理を行う画像形成装置においては、複写機とラミネート処理装置とが並べて配設される。そして、複写機において、リーダによって画像が読み取られて印刷媒体に形成され、次に、ラミネート処理装置において、画像が形成された印刷媒体がラミネートフィルムによって包まれ、密封され、印刷媒体の見栄え及び保存性がよくされる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、画像が形成された印刷媒体を搬送するための搬送路と、ラミネートフィルムを搬送する搬送路とが分けられた画像形成装置が提供されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平5−338039号公報
【特許文献2】特開平9−150456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の画像形成装置においては、複写機とラミネート処理装置とを並べて配設するようにした画像形成装置の場合、ラミネート処理装置が複写機に対するオプション周辺機器として配設されるので、寸法及び占有面積が大きくなってしまう。
【0005】
また、印刷媒体を搬送するための搬送路と、ラミネートフィルムを搬送する搬送路とが分けられた画像形成装置の場合、構造が複雑になってしまう。
【0006】
本発明は、前記従来の画像形成装置の問題点を解決して、寸法及び占有面積を小さくすることができ、構造を簡素化することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明の画像形成装置においては、媒体の搬送路に配設された画像形成ユニット、該画像形成ユニットにおいて形成された現像剤像を媒体に転写するための転写ユニット、及び媒体に転写された現像剤像を媒体に定着させる定着ユニットを備えるようになっている。
【0008】
そして、ラミネートモードが選択されたときに、前記画像形成ユニットと転写ユニットとを離間させる離間処理手段と、前記画像形成ユニットと転写ユニットとが離間させられた状態で、媒体とラミネート媒体とを積層させて形成されたラミネート積層体を定着ユニットに送る媒体搬送制御処理手段と、前記定着ユニットにおいて、ラミネート積層体を加熱する加熱処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置においては、媒体の搬送路に配設された画像形成ユニット、該画像形成ユニットにおいて形成された現像剤像を媒体に転写するための転写ユニット、及び媒体に転写された現像剤像を媒体に定着させる定着ユニットを備えるようになっている。
【0010】
そして、ラミネートモードが選択されたときに、前記画像形成ユニットと転写ユニットとを離間させる離間処理手段と、前記画像形成ユニットと転写ユニットとが離間させられた状態で、媒体とラミネート媒体とを積層させて形成されたラミネート積層体を定着ユニットに送る媒体搬送制御処理手段と、前記定着ユニットにおいて、ラミネート積層体を加熱する加熱処理手段とを有する。
【0011】
この場合、前記画像形成ユニットと転写ユニットとが離間させられた状態で、媒体とラミネート媒体とを積層させて形成されたラミネート積層体が定着ユニットに送られるので、画像を形成する際の搬送路を変更することなく、ラミネートを行うことができる。しかも、画像形成装置の寸法及び占有面積を小さくすることができ、構造を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の現像剤像としてのトナー像を積層してカラーの画像を形成するようにした画像形成装置としてのカラー画像形成装置について説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるカラー画像形成装置の概略図、図2は本発明の第1の実施の形態におけるカラー画像形成装置の制御装置のブロック図、図3は本発明の第1の実施の形態における印刷モード時のカラー画像形成装置を示す概念図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるラミネートモード時のカラー画像形成装置を示す概念図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるモードの切換え時の画像形成ユニットの状態を示す図である。
【0014】
図において、11は装置本体であり、該装置本体11内には、媒体としての印刷媒体16を搬送するための搬送路に配設され、カラーの画像を形成する画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cが配設される。該画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cの下部には、印刷媒体16を搬送するとともに、前記トナー像を印刷媒体16に転写するための転写ユニット17が配設され、各画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cと転写ユニット17との間に前記搬送路が形成される。前記転写ユニット17の下流には転写されたトナー像を印刷媒体16に定着するための定着ユニット18が配設される。
【0015】
また、前記装置本体11の下部には印刷媒体16をセットするための第1の媒体積載部としてのトレイ19が、前記装置本体11の右側面には比較的少量の印刷媒体16を給紙するための第2の媒体積載部としての手差しトレイ20が、前記装置本体11の左側面にはカラーの画像が形成された後の印刷媒体16を、画像形成面が上向きになるように蓄積するためのスタッカ21が配設される。
【0016】
そして、印刷媒体16をトレイ19から給紙する場合、ホスト側から印刷起動が送られると、トレイ19の近傍に配設された給紙ローラ22によってトレイ19に積載されている印刷媒体16を繰り出して給紙する。そして、給紙された印刷媒体16は、搬送ローラ23a、23b及びレジストローラ24a、24bによって転写ユニット17に送られる。さらに、印刷媒体16は、転写ユニット17の搬送部材としてのシームレスベルト26に吸着され、シームレスベルト26の走行に伴って搬送される。
【0017】
一方、前記画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cにそれぞれ配設された像担持体としての感光体ドラム27Bk、27Y、27M、27Cは、シームレスベルト26に接触している。これにより、該シームレスベルト26に吸着されて搬送される印刷媒体16は、その表面が前記感光体ドラム27Bk、27Y、27M、27Cに接触しながら搬送される。このとき、感光体ドラム27Bk、27Y、27M、27C上に形成された各色のトナー像は、転写ユニット17の転写装置としての転写ローラ31Bk、31Y、31M、31Cによって印刷媒体16に転写される。
【0018】
そして、各色のトナー像を重ねることによってカラーのトナー像が形成された印刷媒体16は、定着ユニット18に送られ、定着ユニット18内に配設された加熱及び加圧可能な第1、第2のローラとしての一対の定着ローラ35a、35bによって定着させられ、カラーの画像が形成される。なお、前記定着ローラ35a、35bの表面は弾性部材から成る。
【0019】
次に、カラーの画像が形成された印刷媒体16は、排出ローラ36a、36b、37a、37bによって搬送された後、搬送路に配設された切換部材としての切換ガイド41によって、スタッカ21への排出と、装置本体11の上部カバー42への排出とが選択され、スタッカ21又は上部カバー42に排出される。前記スタッカ21に排出される場合、印刷媒体16はそのままスタッカ21に送られ、上部カバー42に排出される場合、印刷媒体16は、更に排出ローラ38a、38b、39a、39bによって搬送され、上部カバー42に送られる。
【0020】
また、印刷媒体16を手差しトレイ20から給紙する場合、ホスト側から印刷起動が送られると、手差しトレイ20に積載された印刷媒体16は、給紙ローラ40によって繰り出され、給紙される。そして、給紙された印刷媒体16は、搬送ローラ25a、25bによって転写ユニット17に送られる。以降、前述された動作を行う。
【0021】
次に、カラー画像形成装置の制御装置について説明する。
【0022】
図2において、51はカラー画像形成装置とホストとを接続するインタフェース、52は操作部、53は制御部であり、該制御部53は、ホスト又は操作部52の指示によってモードを印刷モードとラミネートモードとで切り換えるモード切換処理手段としてのモード切換部53aを有する。また、54は上昇用の駆動部としてのモータ、55は定着ローラ35a内に配設された加熱源としてのヒータ、57は、切換ガイド41を切り換えたり、シームレスベルト26を走行させて印刷媒体16を搬送するための媒体搬送制御処理手段としての媒体搬送制御部である。
【0023】
印刷モードが設定されると、図3に示されるように、各画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cは、印刷位置に置かれ、各感光体ドラム27Bk、27Y、27M、27Cは、シームレスベルト26に接触させられる。
【0024】
そして、ホストからラミネートモードを選択するコマンドが送られるか、又はオペレータが前記操作部52を操作してラミネートモードを選択すると、前記モード切換部53aは、モードを印刷モードからラミネートモードに切り換える。これに伴って、前記モード切換部53aは、モータ54を駆動し、各画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cを上昇させて退避位置に置き、図4に示されるように、各感光体ドラム27Bk、27Y、27M、27Cとシームレスベルト26との間に隙(すき)間δを形成する。
【0025】
次に、モードの切換え時の画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cの状態について説明する。本実施の形態においては、各画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cは同じ構造を有するので、画像形成ユニット12Bkについてだけ説明する。
【0026】
図5において、frは転写ユニット17のフレームであり、該フレームfrの所定の箇所に支持体としての揺動リンク91が、軸sh1を揺動中心にして揺動自在に支持され、フレームfrと平行な印刷モード位置とフレームfrに対して傾斜させられるラミネートモード位置とを採る。そして、フレームfr上に画像形成ユニット12Bkが載置される。
【0027】
また、前記フレームfrに、回転体としてのギヤ92が回動自在に配設され、該ギヤ92と前記モータ54とが図示されない回転伝達系を介して連結され、モータ54が駆動されると、ギヤ92が所定の角度だけ回動させられる。前記ギヤ92の外周縁にはピン93が配設され、該ピン93と前記揺動リンク91の先端に形成された溝94とが係止させられる。したがって、ギヤ92の回動に伴って、ピン93が弧状の軌跡を描いて移動させられると、揺動リンク91が揺動させられ、前記画像形成ユニット12Bkを下降させて印刷位置に、又は上昇させて退避位置に置く。なお、95は揺動リンク91に形成された弧状の形状を有する長溝、96は該長溝95と係止させられ、揺動リンク91を案内するピンである。
【0028】
次に、印刷媒体16をラミネート媒体としてのラミネートフィルムでラミネートするラミネート処理の動作について説明する。なお、図1と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付すことによって、説明を省略する。
【0029】
図6は本発明の第1の実施の形態におけるラミネートフィルムの構成を示す斜視図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるラミネートフィルムによって印刷媒体を挟んだ状態を示す斜視図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるラミネートモードで使用される場合のカラー画像形成装置の概略図である。
【0030】
この場合、ラミネートフィルム60は、図6に示されるように、その前部(図6及び7において左部)が接着され、後部(図6及び7において右部)が開口させられた2枚の透明合成樹脂フィルム60a、60bから成り、印刷媒体16と接触する側の面に特殊な接着層が形成される。図7に示されるように、印刷媒体16を挟んだ状態で、ラミネートフィルム60を加熱し、加圧すると、透明合成樹脂フィルム60a、60bと印刷媒体16とが前記接着層によって接着し、ラミネートが行われる。
【0031】
ところで、本実施の形態においては、カラー画像形成装置をラミネートモードで使用する場合、図7に示されるような、ラミネートフィルム60に印刷媒体16を挟んだ積層体(以下「ラミネート積層体」という。)43を装置本体11の手差しトレイ20にセットする。そして、ホストからラミネートモードを選択するコマンドが送られるか、又はオペレータが前記操作部52(図2)を操作してラミネートモードを選択すると、前記モード切換部53aの図示されない離間処理手段は、離間処理を行い、モードを印刷モードからラミネートモードに切り換え、モータ54を駆動し、図4に示されるように画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cを上昇させ、退避位置に置く。この動作によって、各画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cにおいて、感光体ドラム27Bk、27Y、27M、27Cとシームレスベルト26とは離間させられる。
【0032】
また、前記媒体搬送制御部57は、媒体搬送制御処理を行い、シームレスベルト26を走行させてラミネート積層体43を搬送し、定着ユニット18まで到達すると、前記制御部53の図示されない加熱処理手段は、加熱処理を行い、ヒータ55を通電してラミネート積層体43を加熱する。そのために、前記制御部53の図示されない温度制御処理手段は、温度制御処理を行い、ヒータ55の通電を制御し、定着ローラ35aの温度をあらかじめ設定された目標温度にする。
【0033】
続いて、手差しトレイ20に積載されたラミネート積層体43は、給紙ローラ40によって繰り出され、給紙され、更にシームレスベルト26によって搬送されて定着ユニット18に送られる。その後、ラミネート積層体43は、定着ローラ35a、35bによって加熱され、加圧されてラミネートされる。
【0034】
ラミネートされたラミネート積層体43は、装置本体11の外に排出されるが、ラミネートフィルム60は特性上熱硬化するので、あらかじめ選択されたスタッカ21に排出される。そのために、前記モード切換部53aは、図示されないモータを駆動することによって、切換ガイド41を操作してスタッカ21への排出を選択し、ラミネート積層体43をスタッカ21に排出する。なお、前記切換ガイド41を手動で操作することもできる。
【0035】
このように、本実施の形態においては、各画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cを上昇させ、感光体ドラム27Bk、27Y、27M、27Cとシームレスベルト26とを離間させ、この状態で、ラミネート積層体43を搬送し、定着ユニット18で加熱し、加圧することによってラミネートすることができる。したがって、カラーの画像を形成する際の印刷媒体16の搬送路を変更することなく、ラミネートを行うことができる。その結果、カラー画像形成装置の寸法及び占有面積を小さくすることができ、構造を簡素化することができる。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0037】
図9は本発明の第2の実施の形態におけるカラー画像形成装置の概略図、図10は本発明の第2の実施の形態におけるカラー画像形成装置の制御装置のブロック図である。
【0038】
図に示されるように、第1の媒体積載部としてのトレイ19と装置本体11との間にはカラーの画像が形成された媒体としての印刷媒体16を回帰させ、再び転写ユニット17に送るための搬送路が配設された回帰搬送部としての回帰搬送ユニット61が配設される。該回帰搬送ユニット61には、搬送される印刷媒体16を帯電させるための帯電部材としての帯電ローラ62が配設される。また、装置本体11において、排出ローラ36a、36bと回帰搬送ユニット61との間に、印刷媒体16を再び転写ユニット17に送るための搬送路63が形成され、印刷媒体16、ラミネートが行われたラミネート積層体43(図8)等をスタッカ21に排出したり、印刷媒体16を回帰搬送ユニット61に送ったりするための切換部材としての切換ガイド64が配設される。
【0039】
さらに、トレイ19の下部には、1枚のシート状のラミネート媒体としてのラミネートフィルム60をセットするための媒体積載部としてのトレイ66が配設される。そして、該トレイ66の近傍に繰出部材としての供給ローラ73が配設され、該供給ローラ73の近傍に、搬送ローラ74a、74bが配設される。また、前記トレイ19には、トレイ66から給紙されたラミネートフィルム60をレジストローラ24a、24bまで搬送するための搬送路67が形成され、該搬送路67に搬送ローラ68a、68b及びラミネート媒体検出部としての検出センサ75が配設される。なお、前記搬送ローラ68aは、ラミネートフィルム60を帯電させるための電荷を与えることができるようになっている。
【0040】
次に、カラー画像形成装置の制御装置について説明する。
【0041】
図10において、51はカラー画像形成装置とホストとを接続するインタフェース、52は操作部、53は制御部であり、該制御部53は、ホスト又は操作部52の指示によってモードを印刷モードとラミネートモードとで切り換えるモード切換処理手段としてのモード切換部53aを有する。また、54は上昇用の駆動部としてのモータ、55は定着ローラ35a内に配設された加熱源としてのヒータ、56は、給紙ローラ22、73、搬送ローラ23a、23b、74a、74b、レジストローラ24a、24b等を回転させるための給紙部駆動制御処理手段としての給紙部駆動制御部、57は、切換ガイド64を切り換えたり、シームレスベルト26を走行させたり、搬送ローラ69a、69b、70a、70b、71、帯電ローラ62等を回転させたりして、印刷媒体16を搬送するための媒体搬送制御処理手段としての媒体搬送制御部である。
【0042】
次に、ラミネートモードが選択された場合の前記構成のカラー画像形成装置の動作について説明する。
【0043】
ホストからラミネートモードを選択するコマンドが送られるか、又はオペレータが前記操作部52を操作してラミネートモードを選択すると、まず、制御部53の図示されない印刷処理手段は、印刷処理を行い、給紙部駆動制御部56を駆動し、給紙ローラ22によってトレイ19にセットされている印刷媒体16を繰り出し、給紙する。そして、給紙された印刷媒体16は、搬送ローラ23a、23b及びレジストローラ24a、24bによって転写ユニット17に送られ、シームレスベルト26に吸着され、搬送される。
【0044】
一方、前記画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cにおいて、像担持体としての感光体ドラム27Bk、27Y、27M、27Cとシームレスベルト26とが接触させられていて、印刷媒体16は、シームレスベルト26の走行に伴って、表面が前記感光体ドラム27Bk、27Y、27M、27Cに接触しながら搬送される。このとき、感光体ドラム27Bk、27Y、27M、27Cの各色のトナー像が、転写ローラ31Bk、31Y、31M、31Cによって順次印刷媒体16に転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0045】
そして、カラーのトナー像が形成された印刷媒体16は、定着ユニット18に送られ、定着ユニット18において定着させられ、カラーの画像が形成される。
【0046】
続いて、前記媒体搬送制御部57は、媒体搬送制御処理を行い、切換ガイド64を切り換えるとともに、搬送ローラ69a、69b、70a、70b、71、帯電ローラ62等を回転させる。これにより、印刷媒体16は、搬送路63を通過して回帰搬送ユニット61に送られ、搬送ローラ69a、69b、70a、70b、71、帯電ローラ62等によって搬送される。
【0047】
そして、前記印刷媒体16の前端が、搬送中に媒体検出部としての検出センサ72によって検出されると、前記媒体搬送制御部57は、検出センサ72の検出位置からレジストローラ24a、24bまでの距離Aだけ印刷媒体16を搬送し、印刷媒体16の前端がレジストローラ24a、24bに到達すると、印刷媒体16の搬送を停止させる。このとき、前記媒体搬送制御部57は、ホストからのコマンドによって、レジストローラ24a、24bを停止させる。
【0048】
この状態において、前記給紙部駆動制御部56は、給紙部駆動制御処理を行い、供給ローラ73を回転させて、トレイ66に積載されたラミネートフィルム60を繰り出し、供給し、搬送ローラ74a、74bを回転させてトレイ19の搬送路67に送る。
【0049】
前記ラミネートフィルム60は、帯電機能を有する搬送ローラ68aによって印刷媒体16の帯電と逆の極性に帯電させられる。そして、前記ラミネートフィルム60の前端が、搬送中に検出センサ75によって検出されると、給紙部駆動制御部56は、検出位置からレジストローラ24a、24bまでの距離Bだけラミネートフィルム60を搬送し、ラミネートフィルム60の前端がレジストローラ24a、24bに到達すると、ラミネートフィルム60の搬送を停止させる。このとき、給紙部駆動制御部56は、ホストからのコマンドによって、レジストローラ24a、24bを停止させる。
【0050】
この動作によって、印刷媒体16とラミネートフィルム60とはレジストローラ24a、24bの直前で接触させられることになるが、前記印刷媒体16とラミネートフィルム60とは互いに逆の極性に帯電させられているので、密着し、ラミネート積層体43になる。
【0051】
一方、印刷媒体16の前端が検出センサ72によって検出されると、前記モード切換部53aは、モードを印刷モードからラミネートモードに切り換える。これに伴って、前記モード切換部53aの図示されない離間処理手段は、離間処理を行い、モータ54を駆動し、各画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cを上昇させて退避位置に置き、図4に示されるように、各感光体ドラム27Bk、27Y、27M、27Cとシームレスベルト26とを離間させ、隙間δを形成する。
【0052】
また、前記制御部53の図示されない加熱処理手段は、加熱処理を行い、ラミネート積層体43を加熱し、前記制御部53の図示されない温度制御処理手段は、温度制御処理を行い、ヒータ55の通電を制御し、定着ローラ35aの温度をあらかじめ設定された目標温度にする。そして、前記媒体搬送制御部57は、媒体搬送制御処理を行い、切換ガイド64を切り換え、転写ユニット17における搬送路とスタッカ21とを接続する。
【0053】
この状態において、前記給紙部駆動制御部56は、ラミネート積層体43の搬送を再開し、レジストローラ24a、24b、搬送ローラ25a、25bによって前記印刷媒体16とラミネートフィルム60とを互いに密着させた状態で搬送し、転写ユニット17に送る。このとき、印刷媒体16はシームレスベルト26側に位置させられ、ラミネートフィルム60は感光体ドラム27Bk、27Y、27M、27C側に位置させられる。
【0054】
さらに、前記媒体搬送制御部57は、前記ラミネート積層体43を定着ユニット18に送る。その結果、定着ユニット18によって、印刷媒体16の画像が形成された面側にラミネートフィルム60がラミネートされる。このようにラミネート処理が終了すると、ラミネート積層体43は、排出ローラ36a、36b及び切換ガイド64を介して排出ローラ37a、37bによってスタッカ21に排出される。
【0055】
このように、本実施の形態においては、装置本体11とトレイ19との間に回帰搬送ユニット61が配設され、トレイ19の下部にシート状のラミネートフィルム60の供給用のトレイ66が配設され、さらに、図示されない帯電部材によって、印刷媒体16及びラミネートフィルム60が互いに逆の極性に帯電させられるので、カラーの画像が形成された印刷媒体16のラミネート処理を自動で行うことができる。
【0056】
なお、前記第1、第2の実施の形態においては、カラー画像形成装置に適用した例について説明したが、本発明を白黒の画像を形成するようにした画像形成装置に適用することができる。
【0057】
また、前記第2の実施の形態においては、印刷媒体16用のトレイ19とラミネートフィルム60用のトレイ66とがそれぞれ1個ずつ配設されているが、複数のトレイを配設することができる。
【0058】
さらに、前記第2の実施の形態においては、カラー画像形成装置に適用した例について説明したが、ラミネート専用機において、ラミネートの対象物とラミネートフィルムとを自動で供給してラミネート処理を行うこともできる。
【0059】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるカラー画像形成装置の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるカラー画像形成装置の制御装置のブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における印刷モード時のカラー画像形成装置を示す概念図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるラミネートモード時のカラー画像形成装置を示す概念図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるモードの切換え時の画像形成ユニットの状態を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるラミネートフィルムの構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるラミネートフィルムによって印刷媒体を挟んだ状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるラミネートモードで使用される場合のカラー画像形成装置の概略図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態におけるカラー画像形成装置の概略図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるカラー画像形成装置の制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
12Bk、12Y、12M、12C 画像形成ユニット
16 印刷媒体
17 転写ユニット
18 定着ユニット
19 トレイ
20 手差しトレイ
35a、35b 定着ローラ
43 ラミネート積層体
53 制御部
53a モード切換部
57 媒体搬送制御部
60 ラミネートフィルム
61 回帰搬送ユニット
66 トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の搬送路に配設された画像形成ユニット、該画像形成ユニットにおいて形成された現像剤像を媒体に転写するための転写ユニット、及び媒体に転写された現像剤像を媒体に定着させる定着ユニットを備える画像形成装置において、
(a)ラミネートモードが選択されたときに、前記画像形成ユニットと転写ユニットとを離間させる離間処理手段と、
(b)前記画像形成ユニットと転写ユニットとが離間させられた状態で、媒体とラミネート媒体とを積層させて形成されたラミネート積層体を定着ユニットに送る媒体搬送制御処理手段と、
(c)前記定着ユニットにおいて、ラミネート積層体を加熱する加熱処理手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ラミネート積層体をセットするための媒体積載部を有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
(a)前記媒体をセットするための第1の媒体積載部と、
(b)前記ラミネート媒体をセットするための第2の媒体積載部と、
(c)前記ラミネートモードが選択されたときに、画像が形成された媒体を回帰させるための回帰搬送部とを有するとともに、
(d)前記媒体搬送制御処理手段は、ラミネートモードが選択されたときに、前記第2の媒体積載部から供給されたラミネート媒体と、回帰搬送部を回帰させられた媒体とを接触させて搬送する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記定着ユニットは、表面が弾性部材から成る一対のローラを備える請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−17752(P2006−17752A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192425(P2004−192425)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】