説明

画像形成装置

【課題】 厚紙の用紙ジャムを抑制するとともに、OHPなどの乾き難い用紙であっても画像の劣化が生じることがない画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 手差しトレイ46から供給された用紙は、反転することなく、ストレート排紙トレイ67のみに排出される。これにより、手差しトレイ46に厚紙などの反転時に用紙ジャムが発生し易い用紙をセットすることで、厚紙は反転することなく排紙される。その結果、厚紙による用紙ジャムが抑制される。また、OHPなどのインクが乾き難い用紙においても、手差しトレイ46にセットして画像形成を行うことで、OHPなどのインクが乾き難い用紙は、反転することなくストレート排紙トレイ67に排出される。その結果、OHPなどのインクが乾き難い用紙がガイド部材と接触して、用紙に形成された画像を乱すことが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを吐出する吐出口を備えたインク吐出ヘッドと、該ヘッドを備えたキャリッジを有し、該吐出口からインクを吐出して記録紙上に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ヘッド部を備えたインクジェットプリンタが知られている。例えば、特許文献1には、給紙カセットから供給された用紙を反転させてヘッドと対向する位置に給紙するとももに、画像が形成された用紙を反転させて排紙トレイに排紙している。一般的に画像形成装置に使用される普通紙は柔軟性に優れており、反転搬送の過程で用紙が大きく湾曲しても用紙が搬送ガイド部材に引っ掛かって用紙ジャム等を発生することなく排紙トレイへ排出することができる。また、普通紙は、インクの速乾性にも優れており、画像が形成された用紙が反転搬送過程で搬送ガイド部材と接触して擦れても既にインクが乾いているため、用紙に形成された画像を乱すことなく排紙トレイに排出される。
【0003】
【特許文献1】特開2003−292224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、葉書など厚紙は、コシが強いため搬送過程で曲がり難く反転搬送の過程で搬送ガイド部材に引っ掛かって用紙ジャムが発生する場合があった。また、OHPなどのインクが乾き難い用紙は、反転搬送過程でインクが乾いておらずガイド部材と接触して擦れたときに場合があった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、厚紙の用紙ジャムを抑制するとともに、OHPなどの乾き難い用紙であっても画像の劣化が生じることがない画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、インクを吐出する吐出口を備えたインク吐出ヘッドと、該ヘッドを備えたキャリッジとを有し、該吐出口からインクを吐出して記録紙上に画像を形成する画像形成装置において、該ヘッドと対向する位置で記録紙を搬送する搬送部と、手差し供給部から記録紙を供給して該搬送部へ搬送する手差し供給経路と、多数枚用紙を収納した用紙収納部から記録紙を一枚づつ供給して該搬送部へ搬送する収納部供給経路と、画像が形成された記録紙を直線的に搬送してストレート排紙部に排紙するストレート排紙経路と、画像が形成された記録紙を反転させて反転排紙部に排紙する反転排紙経路とを有し、該手差し供給経路と該搬送部と該ストレート排紙経路とが同一直線上に位置しており、該手差し供給経路を通過した記録紙は、該ストレート排紙経路のみに搬送されることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記手差し供給部は、画像形成装置に対して開閉自在に取り付けられ、該手差し供給部が開位置あるとき、上記手差し供給経路が開かれており、上記ストレート排紙部は、画像形成装置に対して開閉自在に取り付けられ、該ストレート排紙部が開位置あるとき、上記ストレート排紙経路が開かれており、該手差し供給部が開位置にあるか、閉位置にあるかを検知する手差し供給部開閉位置検知手段と、該ストレート排紙部が開位置にあるか、閉位置にあるかを検知するストレート排紙部開閉位置検知手段とを有し、該手差し供給部開閉位置検知手段が開位置を検知したとき、該ストレート排紙部開閉位置検知手段でストレート排紙部が開位置にあるかどうかを検知して、該ストレート排紙部が開位置にない場合は、画像形成動作を禁止する禁止手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記手差し給紙部にセットされた記録紙の厚み情報を取得する取得手段と、上記キャリッジの記録紙搬送方向に対して垂直な方向の位置を検知する位置検知手段と、該位置検知手段で検知したキャリッジの記録紙搬送方向に対して垂直な方向の位置と、該取得手段により取得された記録紙の厚み情報に対応したキャリッジの記録紙搬送方向に対して垂直な方向の位置とを比較する比較手段とを有し、該比較手段により比較した結果、該位置検知手段で検知したキャリッジの記録紙搬送方向に対して垂直な方向の位置が、該取得手段により取得された記録紙の厚み情報に対応したキャリッジの記録紙搬送方向に対して垂直な方向の位置でない場合、該取得手段により取得された記録紙の厚み情報に対応した位置となるように、キャリッジを記録紙搬送方向に対して垂直方向に移動させるようユーザまたはキャリッジの移動を制御する制御手段に対して指示する指示手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記取得手段は、手差し給紙部にセットされた記録紙の厚みを検知する厚み検知手段であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3または4の画像形成装置において、上記指示手段は、上記制御手段に対して指示を行うものであって、該制御手段は、上記取得手段により取得された記録紙の厚み情報に対応した位置に上記キャリッジを自動的に移動させることを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記キャリッジを記録紙搬送方向に対して垂直方向に移動させる移動手段をステッピングモータとしたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、上記手差し供給経路と上記搬送部と上記ストレート排紙経路とが直線上に配置されて形成された直線的な搬送経路に対してキャリッジ側で、該ストレート排紙経路に対向するよう設けられたキャリッジ側ガイド部材をキャリッジの移動に応じて移動することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記手差し給紙部に給紙された記録紙に応じて、上記搬送部を記録紙搬送方向に対して垂直方向に移動することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、上記手差し供給経路と上記搬送部と上記ストレート排紙経路とが直線上に配置されて形成された直線的な搬送経路に対してキャリッジと反対側で、該ストレート排紙経路に対向するよう設けられたガイド部材を搬送部の移動に応じて移動することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1乃至9の発明によれば、手差し供給経路とストレート排紙経路とを同一直線上に形成しており、手差し供給経路を通過した記録紙は、ストレート排紙経路のみに搬送されるようにしている。これにより、手差し供給部から供給される記録紙は、反転することなく直線的に搬送されて画像形成装置から排出される。よって、手差し供給部に厚紙をセットして、画像形成を行うようにすれば、厚紙は、反転することなく画像が形成されて排出される。その結果、厚紙の用紙ジャムを抑制することができる。また、OHPなどの乾き難い用紙においても、手差し供給部にセットして、画像形成を行うようにすれば、OHP等のインクの乾き難い用紙は、反転することなく画像が形成されて排出される。よって、ガイド部材と接触することが抑制されるのでOHPなどの乾き難い用紙に形成された画像の乱れを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を適用した画像形成装置について説明する。
まず、本画像形成装置の基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【0009】
この画像形成装置は、装置本体1の内部に、画像を形成するための画像形成部2、装置本体1の前面側から抜き差し可能で、多数枚の用紙Pを積載して収納する給紙カセット41を備えている。また、用紙Pを画像形成部2と対向する位置に搬送する搬送部3と、搬送部3へ給紙カセット41の用紙Pを供給する供給部5と、画像形成部2によって画像が記録された用紙Pを切り換え部100に搬送する排紙部7を備えている。また、用紙の両面に画像を形成させるために、スイッチバック搬送を行って、再度、供給部5に搬送する両面ユニット10を備えている。切り換え部100は、排紙部7から搬送された用紙Pを、排紙トレイ8へ搬送する反転搬送経路70、ストレート排紙トレイ67へ搬送するストレート搬送経路80、両面ユニット10へ搬送する両面ユニット搬送経路90のいずれかに搬送するかを切り換える。装置本体1の上方には、原稿を読み取る画像読取部11が配設されている。
【0010】
また、この装置本体1は、手差しトレイ46と排紙トレイ67を備えている。手差しトレイ46は、装置本体1の図中右側側部に設けられており、装置本体1に対して開倒可能になっている。また、排紙トレイ67は、装置本体1の図中左側側部に設けられており、装置本体1に対して開倒可能になっている。そして、手差しトレイ46にセットされた用紙Pが排紙トレイ67に排紙されることで、ストレートで用紙の給排紙が行えるようになっている。
【0011】
上記両面ユニット10は、両面ユニット搬送経路90から搬送された用紙を本体装置1の下方へ搬送するための垂直両面搬送経路90cを備えた垂直搬送部101aを有している。また、垂直両面搬送経路90cから搬送された用紙を水平方向に搬送する水平両面搬送経路90a及びスイッチバック搬送径路90bを備えた水平搬送部101bも有している。
【0012】
上記画像形成部2は、キャリッジ23、キャリッジ23をガイドするキャリッジガイド21を備えている。また、キャリッジ23には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)色のそれぞれインク液を用紙に吐出する吐出口を備えたヘッド24がそれぞれ設けられている。
【0013】
上記搬送部3は、搬送ベルト31を備えており、この搬送ベルト31は、駆動ローラ32及び従動ローラ33に適当なテンションで掛け渡されている。駆動ローラ32は、図示しない駆動モータによって所定の回転速度で回転駆動され、それに伴い搬送ベルト31も所定の速度で回転する。また、搬送ベルト31表面を帯電させる帯電ローラ34を有しており、帯電ローラ34には図示しない高圧電源から電圧が印加されている。また、この搬送部3は、搬送ベルト31を画像形成部2の対向する領域でガイドするガイド部材(プラテン)35と、用紙Pを駆動ローラ32に対向する位置で搬送ベルト31に押し付ける押さえコロ36とを備えている。
【0014】
上記画像読取部11は、コンタクトガラス12上に載置された原稿(不図示)の読み取り走査を行うための、原稿照明用光源13とミラー14よりなる第1走行体15と、2つのミラー16、17からなる第2走行体18とが往復移動自在に配設されている。読み取り走行体15、18により走査された画像情報は、レンズ19の後方に設置されているCCDなどの画像読み取り素子20に画像信号として読み込まれる。この読み込まれた画像信号は、デジタル化され画像処理される。画像処理された信号に基づいて、上記画像形成部2により、用紙Pに画像が形成される。
【0015】
上記切り換え部100は、図2に示すように、第1の分岐板101と第2の分岐板102とを有している。第1の分岐板101は、反転排紙経路70を形成するための可動反転ガイド板104を一体に形成し、第2の分岐板102に設けた支軸103で揺動可能に軸支している。第2の分岐板102は、上面側にストレート排紙経路80のガイド面を有し、底面側に両面搬送経路90のガイド面を有している。この第2の分岐板102は装置本体1の図示しないフレームに支軸103と同じ位置で揺動可能に軸支している。そして、第1分岐板101は、第1分岐板101と第2分岐板101との間にストレート排紙経路80が形成されるように、第2分岐板101上方に配置されている。
ストレート排紙トレイ67は装置本体1のフレームに支軸110で開倒可能に軸支し、このストレート排紙トレイ67と第1の分岐板101とを連動させるために、ストレート排紙トレイ67と第1の分岐板101との間に連動機構111を設けている。この連動機構111は、揺動部材112を軸113で揺動可能に軸支しており、この揺動部材112は、ストレート排紙トレイ67の下端部67aと第1の分岐板101との間に配置されている。この揺動部材112は、ストレート排紙トレイ67が開倒位置に開かれたときにだけ、ストレート排紙トレイ67の下端部67aに当接して押し上げられる板バネなどの弾性部材からなるリンク片114を取り付けている。また、揺動部材112には、第1の分岐板101に一体的に設けた突起部115に係合可能なアーム部116を一体的に設けている。
【0016】
図3は、ストレート排紙トレイ67が開倒した状態を示す図である。図3に示すように、ストレート排紙トレイ67が開倒した状態においては、ストレート排紙トレイ67の下端部67aが連動機構111のリンク片114の一端部に係合して押し上げる。すると、揺動部材112が矢示B方向に回動する。そして、この揺動部材112のアーム部116が第1の分岐板101の突起部115に係合して押し下げ、第1の分岐板101が矢示C方向に回動(揺動)する。これによって、第1の分岐板101は先端部101aが排紙搬送ローラ対75の排紙出口部よりも上側になる状態になる。その結果、第1の分岐板101と第2の分岐板102が離れて入口側(先端部101a、102a)が開口した状態になり、ストレート排紙経路80が開放されることになる。
このように、ストレート排紙経路80はストレート排紙トレイ67の動きに連動して切り替わるので、ストレート排紙トレイ67が開いた状態の時には、確実に切り換え部100は、ストレート排紙経路80を選択する。
【0017】
両面印刷を行うときには、図2に示すように、第2の分岐板102を図2中の矢示D方向に揺動させて先端部102aが排紙搬送ローラ対75の排紙出口部より上側になる位置にさせる。
【0018】
また、この画像形成装置は、画像形成部2で形成する画像データを外部の機器から通信ケーブル或いはネットワークを介して受信可能であり、受信した画像データを処理して画像形成することができる。画像形成部2で形成する画像データを入力する外部機器としては、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読取装置、デジタルカメラなどの撮像装置などが挙げられる。
【0019】
次に、本実施形態の画像形成装置1の画像形成動作について説明する。
まず、画像読取部11のコンタクトガラス12上に原稿をセットし、不図示のスタートスイッチを押す。すると、第1走行体15および第2走行体18が走行して、第1走行体15で光源13から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体18に向ける。第2走行体18に向けられた原稿面からの反射光は、第2走行体18のミラーで反射され、レンズ19を通して画像読み取り素子20に入れられ、原稿内容が読み取られ、画像データが生成される。または、図示しないパーソナルコンピュータ等の外部機器から通信ケーブル等を介して画像情報である画像データが送られる。
【0020】
次に、給紙カセット41から用紙Pを繰り出し、分離ローラ42及びフリクションパッド43で1枚ずつ分離して供給部5へ搬送する。供給部5に搬送された用紙は、供給部5の給紙ローラ49で収納部供給経路50を経て搬送部3へ搬送される。搬送部3へ搬送された用紙Pは、押さえコロ36により搬送ベルト31に押さえつけられる。搬送ベルト31の表面は帯電ローラ34によって帯電されており、用紙Pを静電的に吸着させる。静電的に吸着させられた用紙Pは、搬送ベルト31によって画像形成部2と対向する位置へ搬送させられる。用紙Pが画像形成部2と対向する位置まできたら、搬送ベルト31の移動を停止して、キャリッジ23が画像データに応じて主走査線方向に往復移動しながら、停止した用紙の所定箇所に所定のインク液を吐出して1ライン分の画像を用紙Pに記録する。ここで、1ラインとは、用紙Pを停止させた状態で、ヘッド24が用紙Pへ記録可能な副走査線方向の範囲を言う。主走査線方向に1ライン分の記録が終了したら、搬送ベルト31を所定時間駆動させ、用紙を1ライン分排紙部7側へ移動させて停止する。そして、上述同様、キャリッジ23が画像データに応じて主走査線方向に往復移動しなが1ライン分の画像を記録する。このような工程を所定回数繰り返し行い、用紙に所望の画像を形成する。所望の画像が形成された用紙Pは、分離爪71で搬送ベルト31から分離され、排紙ローラ72対によって排紙部7へ搬送される。排紙部7に搬送された用紙Pは、第1および第2のガイド対701、702と、第1および第2の排紙搬送ローラ対74、75に案内・搬送されながら、切り換え部100へ搬送される。
【0021】
切り換え部100によって排紙トレイ8へ搬送する反転搬送経路70が選択されている。そして、排紙部7から搬送された用紙Pは、切り換え部100に案内されて反転搬送経路70へ搬送される。反転搬送経路70へ搬送された用紙Pは、反転ローラ対77及び反転排紙ローラ対78に案内されて排紙トレイ8へ排出される。
【0022】
一方、両面印刷の場合は、切り換え部100によって両面ユニット10へ搬送する両面ユニット搬送経路90が選択されている。そして、排紙部7から搬送された用紙Pは、切り換え部100に案内されて両面ユニット搬送経路90へ搬送される。両面ユニット搬送経路90に搬送された用紙Pは、両面入口ローラ対91に案内されて用紙Pを装置本体1の下方に搬送する垂直両面搬送経路90cへ搬送される。垂直両面搬送経路90cへ搬送された用紙Pは、第1、第2両面搬送ローラ対92a、92bによって案内搬送されて水平両面搬送路90aへ搬送される。水平両面搬送路90aへ搬送された用紙Pは、分岐板96に案内されてスイッチバック搬送路90bへ搬送される。用紙Pがスイッチバック搬送路90bへ搬送されたら、分岐板96上方へ回転移動させて、リバースローラ94を駆動させる。すると、用紙Pは、3個のスイッチバック搬送ローラ対95、分岐板96に案内されて供給部5へ搬送させられる。供給部5へ搬送された用紙Pは、両面給紙搬送ローラ対48および給紙ローラ49で搬送部3へ搬送される。用紙が画像形成部2と対向する位置に達したら、上述同様の動作を行い用紙Pの他方の面に所望の画像を形成する。そして、両面に所望の画像が形成された用紙Pは、排紙部7、反転搬送経路70を通って、排紙トレイ8へ排出される。
【0023】
次に、本実施形態の特徴点である手差しトレイ46にセットされた用紙Pに画像を形成する場合について説明する。本実施形態の画像形成装置は、一般的使用される普通紙は給紙カセット41に搭載し、葉書などの厚紙やOHPなどの特殊紙を手差しトレイ46で行うことによって、様々な種類の用紙を使用できるようにしている。上記給紙カセット41に搭載される普通紙は、柔軟性、インクの速乾性に優れており、反転搬送経路70を通って用紙が大きく湾曲して反転してもジャムや画像の乱れなどが発生することなく排紙トレイ8へ排出することができる。しかしながら、普段あまり使用されない葉書などの厚紙の場合、反転搬送経路70を通って、用紙が大きく湾曲して反転する過程で用紙ジャムが発生したり、用紙Pがカールした状態で排出されたりするなどの問題がある。また、OHPなどインクが乾きにくい材質の場合は、反転時にガイド部材と擦れて画像の品質を劣化させる場合がある。また、ヘッド24と用紙との間隔は普通紙を基準に設定されている。このため厚紙に画像を形成する場合、ヘッド24に厚紙が接触してヘッド23表面の吐出口付近に付着しているインクが付着して厚紙を汚染してしまう。また、厚紙がヘッド23に引っ掛かり用紙ジャムが発生してしまう。そこで、本実施形態においては、手差しトレイ46にセットされた用紙Pは、ストレート排紙トレイ67のみに排紙されるように設定し、ストレートな経路で用紙Pを排出するようにしている。
【0024】
本実施形態においては、手差しトレイ46にセットされた用紙Pは、ストレート排紙トレイ67のみに排紙されるように設定している。このため、手差しトレイ46にセットされた用紙Pに画像を形成するときは、ストレート排紙トレイ67が開かれているかどうかを確認し、開かれていない場合は手差しトレイ46にセットされた用紙Pを印刷できないようにしている。また、手差しトレイ46にセットされた用紙Pは、厚紙の可能性があるので、手差しトレイ46にセットされた用紙Pに画像を形成する場合、厚紙であるかどうかの情報を取得し、厚紙である場合はキャリッジを上方へ移動させるようにしている。
【0025】
具体的には、図4に示すように、手差しトレイ46の開閉を検知する手差しトレイオープンセンサ201と、ストレート排紙トレイ67の開閉を検知する排紙トレイオープンセンサ202とを有している。手差しトレイオープンセンサ201が手差しトレイ46が開いた状態を検知した場合は、手差しトレイ46から用紙を給紙し、ストレート排紙トレイのみに排紙を行うストレート排紙モードとなる。
【0026】
図5は、ストレート排紙モードのフローチャートである。図5に示すように、まず手差しトレイオープンセンサ201によって、手差しトレイ46の開閉状態を検知する(S1)。手差しトレイ46が開いた状態を検知した場合(S1のYES)は、ストレート排紙トレイ67が開いた状態となっているかを排紙トレイオープンセンサ202で検知する(S2)。ストレート排紙トレイ67が開いてない場合(S2のNO)は、画像形成装置あるいは外部機器の表示部に、ストレート排紙トレイ67を開けるよう警告表示する(S3)。警告表示を行ったら、画像形成動作を禁止(S4)して、終了する。一方、ストレート排紙トレイ67が開いている場合(S2のYES)は、画像形成動作を実行して(S5)、終了する。
また、手差しトレイ46が開いてない場合(S1のYES)、ストレート排紙トレイ67の開閉を検知する(S6)。ストレート排紙トレイ67が開いている場合(S6YES)は、ストレート排紙トレイ67を閉じるよう警告表示(S7)をして終了する。一方、ストレート排紙トレイ67が閉じている場合(S6YES)は、そのまま終了する。
【0027】
本実施形態においては、ユーザから手差しトレイにセットされた用紙の情報を取得し、位置検知手段でキャリッジ23の高さを検知する。そして、位置検知手段で検知したキャリッジの高さが取得した用紙に対応した位置でないときは、表示部に警告表示を出してユーザにキャリッジ23を移動させるように指示を出す。あるいは、画像形成装置の制御部にキャリッジを移動させるように指示を出すようにしている。
図6は、手差しトレイ46にセットされた用紙Pに画像を形成するときのフローチャートである。まず、手差しトレイ46に用紙があるかどうかを図示しない用紙検知センサで検知する(S1)。用紙Pがある(S1のYES)場合は、駆動ローラ32が一定時間駆動する(S2)。すると、用紙Pが押さえコロ36と搬送ベルト31との間にはさみ込まれる。そして、画像形成装置あるいは外部機器の表示部に、画像を形成する用紙が葉書などの厚紙であるかどうかをユーザに確認する表示を行う(S3)。そして、ユーザが確認表示に従い、画像を形成する用紙が厚紙でないことを入力した場合(S3のNO)、図示しない位置検知手段でキャリッジ23の高さが普通紙に画像を形成する時の高さ(以下、標準位置)であるかどうかを検知する(S4)。キャリッジ23の高さが標準位置でない場合(S4のNO)、すなわち、キャリッジ23の高さが厚紙に画像を形成するための高さである場合は、標準位置になるまでキャリッジ23を下降させる(S5)。なお、キャリッジ23の下降は、画像形成装置内で自動で行ってもよいし、キャリッジ23を上下させるレバーを設けて、ユーザにレバーを操作させてキャリッジ23を下降させるようにしても良い。ユーザ操作の場合、キャリッジ23の高さが普通紙に画像を形成する高さでないときは、ユーザにレバーを操作するよう表示部に警告表示を行う。
キャリッジ23を下降させたら、駆動ローラ32を駆動させて押さえコロ36と搬送ベルト31との間にはさみ込まれた用紙Pをヘッド24と対向する位置に搬送して画像形成を実行する(S6)。用紙に画像が形成し終わったら、排紙部7に用紙Pを搬送して、ストレート排紙トレイ67に排紙する。キャリッジ23が標準位置にある場合(S4のYES)は、駆動ローラ32を駆動させて押さえコロ36と搬送ベルト31との間にはさみ込まれた用紙Pをヘッド24と対向する位置に搬送して画像形成を実行する(S6)。用紙に画像が形成し終わったら、排紙部7に用紙Pを搬送して、ストレート排紙トレイ67に排紙する。
一方、ユーザが確認表示に従い、画像を形成する用紙が厚紙であると入力した場合(S3のYES)、キャリッジ23の高さが厚紙に画像形成するときの位置(以下、特殊位置)であるかどうかを検知する(S7)。キャリッジ23の高さが特殊位置でない場合(S7のNO)は、特殊位置の高さになるまでキャリッジ23を上昇させる(S8)。このキャリッジ23の上昇においても、上記同様、画像形成装置内で自動で行ってもよいし、ユーザにレバー操作を行うように警告表示するようにしてもよい。キャリッジ23を上昇させたら、駆動ローラ32を駆動させて押さえコロ36と搬送ベルト31との間にはさみ込まれた用紙Pをヘッド24と対向する位置に搬送して画像形成を実行する(S6)。用紙に画像が形成し終わったら、排紙部7に用紙Pを搬送して、ストレート排紙トレイ67に排紙する。
また、キャリッジ23の高さが厚紙に画像形成する高さである場合(S7のYES)は、駆動ローラ32を駆動させて押さえコロ36と搬送ベルト31との間にはさみ込まれた用紙Pをヘッド24と対向する位置に搬送して画像形成を実行する(S6)。用紙に画像が形成し終わったら、排紙部7に用紙Pを搬送して、ストレート排紙トレイ67に排紙する。
【0028】
上記においては、厚紙の場合キャリッジ23を上昇させることで厚紙がヘッド24と接触することを防止することができるが、用紙の厚さによって用紙とヘッド24との間隔が異なってしまう。すると、インクの着弾位置が異なり色ずれや罫線ズレが生じてしまう。そこで、キャリッジ23を用紙搬送方向に対して垂直方向に移動させる手段をステッピングモータとして、用紙の厚みに応じてキャリッジ23の高さを自動的に変更できるようにしてもよい。例えば、画像形成装置に不揮発性メモリを設け、この不揮発性メモリに使用される用紙とこれに対応したキャリッジ23の高さ(位置)情報とを記憶させておく。ユーザが手差しプリントを選択し、実行するときにユーザに用紙の種類を選択させる。この選択情報に基づき不揮発性メモリに記憶されているキャリッジ23の高さ情報を読み出す。そして、この高さ情報に基づきステッピングモータを所定角度回転させて、キャリッジ23を画像が形成される用紙に対応した高さ位置に移動させる。
【0029】
また、上記においては、手差しトレイ46にセットされた用紙の厚み情報は、ユーザの選択によって取得しているが、例えば、手差しトレイ46に厚み検知センサを取り付けてこの厚み検知センサで手差しトレイ46にセットされた用紙の厚み情報を取得するようにしてもよい。
図7は、用紙厚み検知センサ300の概略構成図である。図7に示すように、厚み検知センサ300は、LEDなどからなる発光部301と、フォトダイオードなどからなる受光部302とからなり、発光部301と受光部302とが用紙Pを挟んで設けられている。用紙Pが薄い場合、発光部301から発生した光の多くが用紙Pを透過して、受光部302で受光される。一方、用紙Pの厚みが厚くなると、用紙Pを透過する光の量が減少して、受光部302で受光される光の量が減少し検出電圧が低下する。このように、受光部302の検出電圧を検知することによって、用紙Pの厚みを判断することができる。そして、この検出電圧に基づき、ステッピングモータを所定角度回転させて、キャリッジ23を画像が形成される用紙に対応した高さ位置に移動させる。
【0030】
厚紙に画像が形成される場合、キャリッジ23を上昇させることによって、厚紙がヘッド24と引っ掛ることを防止し、用紙ジャムを防止することができる。しかし、画像が形成された厚紙が排紙部7に搬送されたとき、排紙部7の第1ガイド対701や第2ガイド対702等と擦れて、厚紙に形成された画像を乱す場合がある。また、排紙部7の第1ガイド対701や第2ガイド対702等に引っ掛って、排紙部7で用紙ジャムが発生する場合がある。そこで、厚紙を印刷する場合は、キャリッジ23を上昇させるとともに、第1ガイド対701や第2ガイド対702の用紙厚み方向の間隔が広がるように構成してもよい。
【0031】
図8は、排紙部7を示す概略断面図である。図8に示すように、第1ガイド対701は、排紙経路7aに対して上方に位置する上方第1ガイド対701aと、この上方第1ガイド701aに対向して排紙経路7aに対して下方に位置する下方第1ガイド701bとからなっている。同様に、第2ガイド対702は、排紙経路7aに対して上方に位置する上方第2ガイド702aと、この上方第2ガイド702aに対向して排紙経路7aに対して下方に位置する下方第2ガイド702bとからなっている。また、第1の排紙搬送ローラ対74も同様に、排紙経路7aに対して上方に位置する上方第1排紙搬送ローラ74aと、排紙経路7aに対して下方に位置する下方第1排紙搬送ローラ74bとからなっている。また、第2の排紙搬送ローラ対75は、排紙経路7aに対して上方に位置する上方第2排紙搬送ローラ75aと、排紙経路7aに対して下方に位置する下方第2排紙搬送ローラ75bとからなっている。また、排紙ローラ対72も排紙経路7aに対して上方に位置する上方排紙ローラ72aと、排紙経路7aに対して下方に位置する下方排紙ローラ72bとからなっている。上方排紙ローラ72a、上方第1排紙搬送ローラ74aおよび上方第2排紙搬送ローラ75aは、複数の拍車から構成されている。また、下方第1排紙搬送ローラ74bおよび下方第2排紙搬送ローラ75bは、それぞれ駆動源により駆動力が伝達され、回転駆動するようになっている。上方排紙ローラ72a、上方第1ガイド701a、上方第1排紙搬送ローラ74a、上方第2ガイド702a、上方第2排紙搬送ローラ75aは、上方保持部材76に備えられている。また、下方排紙ローラ72b、下方第1ガイド701b、下方第1排紙搬送ローラ74b、下方第2ガイド702b、下方第1排紙搬送ローラ75bは、下方保持部材77に備えられている。
【0032】
図9は、上方保持部材76の斜視図である。図9に示すように、上方保持部材76の両側面には、図中上下方向に長い第1の長孔76c、第2の長孔76d、第3の長孔76eが設けられている。第1の長孔76cには、上方排紙ローラ72aの支持軸72a´が回転可能、かつ、図中上下方向に移動可能に取り付けられている。第2の長孔76dには、上方第1排紙搬送ローラ74aの支持軸74a´が回転可能、かつ、長孔76dに沿って上下動可能となっている。また、第3の長孔76eには、上方第2排紙搬送ローラ75aの支持軸75a´が回転可能、かつ、長孔76eに沿って上下動可能に取り付けられている。また、上方排紙ローラ72aと上方第1排紙搬送ローラ74aとの間には、板状の上方第1ガイド701aが設けられている。上方第1排紙搬送ローラ74aと上方第2排紙搬送ローラ75aとの間には上方第2ガイド702aが設けられている。上方保持部材76は、図示しないリンク機構が設けられており、キャリッジ23を高さ方向に移動させる移動手段とリンクしている。キャリッジ23を高さ方向に移動させる移動手段がレバーの場合、ユーザのレバー操作に伴い、上方保持部材76がリンク機構を介してキャリッジ23と同様に上下動するようになる。また、キャリッジ23を高さ方向に移動させる移動手段がステッピングモータなどの場合は、モータの駆動軸にリンク機構を接続してこのリンク機構を介してキャリッジ23と同様に上方保持部材76が上下動するようになる。また、これに限らず、上方保持部材76を上下動するためのモータなどの駆動手段を別に設けて、キャリッジ23と別々に移動させてもよい。この場合、上方保持部材76の位置を検知する位置検知手段を設け、この位置検知手段の検知結果と上記厚み検知センサなどから取得した用紙に対応した位置でない場合は、駆動手段を駆動させて上方保持部材76を移動させる。
【0033】
図10は、下方保持部材77の斜視図である。図10に示すように、下方部材77の両側面には、円形状の第1の孔77c、第2の孔77d、第3の長孔77eが設けられている。第1の孔77cには、下方排紙ローラ72bの支持軸72b´が回転可能に取り付けられている。第2の孔77dには、下方第1排紙搬送ローラ74bの支持軸74b´が回転可能に取り付けられている。また、第3の孔77eには、下方第2排紙搬送ローラ75bの支持軸75b´が回転可能に取り付けられている。また、排紙ローラ72と下方第1排紙搬送ローラ74bとの間には、板状の下方第1ガイド701bが設けられている。下方第1排紙搬送ローラ74bと下方第2排紙搬送ローラ75bとの間には下方第2ガイド702bが設けられている。
【0034】
図8に示すように、手差しトレイ46の用紙が厚紙の場合、上方保持部材76が図中矢印Aに示すように上方へ移動する。すると、これに伴い上方排紙ローラ72a、上方第1ガイド701a、上方第1排紙搬送ローラ74a、上方第2ガイド702a、上方第1排紙搬送ローラ75aも上方へ移動する。その結果、上方第1ガイド701aと下方第1ガイド701bとの間隔、上方第2ガイド702aと下方第2ガイド702bとの間隔が広がる。これにより、排紙経路7aの用紙厚み方向の間隔が広がり、厚紙が排紙部7へ搬送されても、第1ガイド対701や第2ガイド対702等と擦れて、厚紙に形成された画像を乱すことがない。また、厚紙が引っ掛って用紙ジャムが発生することを抑制することができる。
上方保持部材76を設けて、上方排紙ローラ72a、上方第1ガイド701a、上方第1排紙搬送ローラ74a、上方第2ガイド702a、上方第1排紙搬送ローラ75aも上方へ移動させているが、上方保持部材76を設けずに、上方排紙ローラ72a、上方第1ガイド701a、上方第1排紙搬送ローラ74a、上方第2ガイド702a、上方第1排紙搬送ローラ75aをそれぞれ個別に上方へ移動させるようにしてもよい。
【0035】
上記においては、上方保持部材76やキャリッジ23を上方に移動させることで、厚紙の画像乱れや用紙ジャムを抑制しているが、搬送部3、下方保持部材77を下降させることで、厚紙の画像乱れや用紙ジャムを抑制してもよい。搬送部3と下方保持部材77とをそれぞれ別々に移動させて良いし、また、図8中点線に示すように、下方保持部材77と搬送部3とを一体として下方ユニット400とし、この下方ユニット400を下方に移動させるようにしても良い。下方ユニット400の移動は、上述同様、下方ユニット400の位置を検知する位置検知手段を設け、この位置検知手段の検知結果が上記厚み検知センサなどから取得された用紙に対応した位置でない場合は、駆動手段を駆動させて下方ユニット400を所定の位置に移動させる。
【0036】
(1)
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、手差しトレイ46から供給された用紙は、反転することなく、ストレート排紙トレイ67のみに排出されるように構成されている。これにより、手差しトレイ46に厚紙などの反転時に用紙ジャムが発生し易い用紙をセットすることで、厚紙は反転することなく排紙される。その結果、厚紙による用紙ジャムが抑制される。また、OHPなどのインクが乾き難い用紙においても、手差しトレイ46にセットして画像形成を行うことで、OHPなどのインクが乾き難い用紙は、反転することなくストレート排紙トレイ67に排出される。その結果、OHPなどのインクが乾き難い用紙がガイド部材と接触して、用紙に形成された画像を乱すことが抑制される。
(2)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、手差しトレイ46にセットされた用紙Pに画像を形成するときは、ストレート排紙トレイ67が開かれているかどうかを確認し、開かれていない場合は手差しトレイ46にセットされた用紙Pを印刷できないようにしている。これにより、手差しトレイ46にセットされた用紙Pは、確実にストレート排紙トレイ67に排出される。これにより、手差しトレイ46にセットされた用紙Pが反転搬送されることを確実に防止することができる。
(3)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、手差しトレイにセットされた用紙Pの厚み情報を取得し、キャリッジ23の用紙搬送方向に対して垂直方向の位置を検知して、キャリッジの位置が取得した用紙厚み情報に対応した位置でない場合は、キャリッジを用紙搬送方向に対して垂直方向に移動させるよう指示している。これにより、キャリッジ23を用紙の厚みに対応した位置に移動させることができる。よって、用紙がヘッド24と接触して、用紙ジャムを起こしたり、ヘッド表面に付着しているインクが用紙に付着して用紙汚染を起こしたりすることを防止することができる。
(4)
また、キャリッジを自動的に用紙厚み情報に対応した位置に移動させることで、ユーザの作業の手間を省くことができる。
(5)
また、厚み検知センサ300で手差しトレイにセットされている用紙の厚みを検知することで、用紙の厚みを正確に取得することができる。
(6)
また、ステッピングモータでキャリッジの用紙搬送方向に対して垂直方向の移動を行っている。ステッピングモータで移動を行うことで、キャリッジの移動を容易に制御することができる。よって、用紙とヘッドとの間隔を容易に一定に保つことができる。このため、用紙に形成される画像に色ずれや罫線ずれが生じることがなく、用紙の厚みに関係なく良好な画像を得ることができる。特に、上記厚み検知センサ300でトレイにセットされている用紙の厚みを検知して、その検知結果に基づいてステッピングモータでキャリッジの用紙搬送方向に対して垂直方向の移動させることで、用紙とヘッドとの間隔を確実に一定に保つことができる。
(7)
また、本実施形態の画像形成装置においては、排紙経路7aに対してキャリッジ23側にあるガイド部材としての上方第1ガイド701a、上方第1排紙搬送ローラ74a、上方第2ガイド702a、上方第1排紙搬送ローラ75aをキャリッジの用紙搬送方向に対して垂直方向の移動に応じて、用紙搬送方向に対して垂直方向に移動するようにしている。これにより、厚紙が排紙経路7aに搬送されても厚紙が上方第1ガイド701aや上方第2ガイド702aと接触することが防止される。その結果、用紙ジャムの発生を抑制することができる。また厚紙に形成された画像を乱すことが抑制される。
(8)
また、本実施形態の画像形成装置においては、手差しトレイにセットされている用紙の厚みに応じて、搬送部3を用紙搬送方向に対して垂直方向に移動させるようにしている。これにより、キャリッジを用紙搬送方向に対して垂直方向に移動させなくても、ヘッド23と用紙とが接触することを防止することができる。
(9)
また、搬送部3を用紙搬送方向に対して垂直方向の移動に応じて、排紙経路7aに対して搬送部3側にあるガイド部材としての下方第1ガイド701aや下方第2ガイド702aが用紙搬送方向に対して垂直方向の移動する。これにより、厚紙が排紙経路7aに搬送されても厚紙と下方第1ガイド701aや下方第2ガイド702aとの接触を防止することができ、用紙ジャムや画像の乱れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本実施形態の画像形成装置の概略構成図。
【図2】切り換え部の要部断面図
【図3】ストレート排紙トレイを開倒した状態における切り換え部の要部断面図
【図4】手差しトレイオープンセンサと排紙トレイオープンセンサとを示す図。
【図5】ストレート排紙モードのフローチャート。
【図6】手差しトレイにセットされた用紙に画像を形成するときのフローチャート。
【図7】用紙厚み検知センサの概略構成図。
【図8】排紙部の概略断面図。
【図9】上方保持部材の概略斜視図。
【図10】下方保持部材の概略斜視図。
【符号の説明】
【0038】
3 搬送部
7 排紙部
23 キャリッジ
46 手差しトレイ
67 ストレート排紙トレイ
76 上方保持部材
77 下方保持部材
100 帯電装置
300 厚み検知センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出する吐出口を備えたインク吐出ヘッドと、該ヘッドを備えたキャリッジとを有し、該吐出口からインクを吐出して記録紙上に画像を形成する画像形成装置において、
該ヘッドと対向する位置で記録紙を搬送する搬送部と、
手差し供給部から記録紙を供給して該搬送部へ搬送する手差し供給経路と、
多数枚用紙を収納した用紙収納部から記録紙を一枚づつ供給して該搬送部へ搬送する収納部供給経路と、
画像が形成された記録紙を直線的に搬送してストレート排紙部に排紙するストレート排紙経路と、
画像が形成された記録紙を反転させて反転排紙部に排紙する反転排紙経路とを有し、
該手差し供給経路と該搬送部と該ストレート排紙経路とが同一直線上に位置しており、該手差し供給経路を通過した記録紙は、該ストレート排紙経路のみに搬送されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記手差し供給部は、画像形成装置に対して開閉自在に取り付けられ、該手差し供給部が開位置あるとき、上記手差し供給経路が開かれており、
上記ストレート排紙部は、画像形成装置に対して開閉自在に取り付けられ、該ストレート排紙部が開位置あるとき、上記ストレート排紙経路が開かれており、
該手差し供給部が開位置にあるか、閉位置にあるかを検知する手差し供給部開閉位置検知手段と、
該ストレート排紙部が開位置にあるか、閉位置にあるかを検知するストレート排紙部開閉位置検知手段とを有し、
該手差し供給部開閉位置検知手段が開位置を検知したとき、該ストレート排紙部開閉位置検知手段でストレート排紙部が開位置にあるかどうかを検知して、該ストレート排紙部が開位置にない場合は、画像形成動作を禁止する禁止手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
上記手差し給紙部にセットされた記録紙の厚み情報を取得する取得手段と、
上記キャリッジの記録紙搬送方向に対して垂直な方向の位置を検知する位置検知手段と、
該位置検知手段で検知したキャリッジの記録紙搬送方向に対して垂直な方向の位置と、該取得手段により取得された記録紙の厚み情報に対応したキャリッジの記録紙搬送方向に対して垂直な方向の位置とを比較する比較手段とを有し、
該比較手段により比較した結果、該位置検知手段で検知したキャリッジの記録紙搬送方向に対して垂直な方向の位置が、該取得手段により取得された記録紙の厚み情報に対応したキャリッジの記録紙搬送方向に対して垂直な方向の位置でない場合、該取得手段により取得された記録紙の厚み情報に対応した位置となるように、キャリッジを記録紙搬送方向に対して垂直方向に移動させるようユーザまたはキャリッジの移動を制御する制御手段に対して指示する指示手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、上記取得手段は、手差し給紙部にセットされた記録紙の厚みを検知する厚み検知手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3または4の画像形成装置において、上記指示手段は、上記制御手段に対して指示を行うものであって、該制御手段は、上記取得手段により取得された記録紙の厚み情報に対応した位置に上記キャリッジを自動的に移動させることを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5の画像形成装置において、上記キャリッジを記録紙搬送方向に対して垂直方向に移動させる移動手段をステッピングモータとしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、上記手差し供給経路と上記搬送部と上記ストレート排紙経路とが直線上に配置されて形成された直線的な搬送経路に対してキャリッジ側で、該ストレート排紙経路に対向するよう設けられたキャリッジ側ガイド部材をキャリッジの移動に応じて移動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1の画像形成装置において、上記手差し給紙部に給紙された記録紙に応じて、上記搬送部を記録紙搬送方向に対して垂直方向に移動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8の画像形成装置において、上記手差し供給経路と上記搬送部と上記ストレート排紙経路とが直線上に配置されて形成された直線的な搬送経路に対してキャリッジと反対側で、該ストレート排紙経路に対向するよう設けられたガイド部材を搬送部の移動に応じて移動することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−27159(P2006−27159A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211209(P2004−211209)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】