説明

画像形成装置

【課題】 プリント出力された画像データの機密を保持することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 プリント出力された画像データを保持する排紙部14を開閉するシャッター13−1と、シャッター13−1を動作させる入力を行う操作部5と、その操作入力によりシャッターに動作指令を与える制御部1とを備えた画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、多機能複合機などの画像形成装置に関し、特にそのセキュリティ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスの情報セキュリティに対する関心は非常に高くなっており、電子機器あるいは電子媒体、書類などの情報媒体を安全且つ確実に管理することが求められている。
オフィスの情報セキュリティに関連して、例えば、特許文献1には、画像データを暗号化し、出力時にICカードに記憶された処理鍵情報により画像データを復号化し出力する技術が提案されている。
【特許文献1】特開2004−214958公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のように画像データを暗号化してセキュリティを図る技術はあるが、実際には、ファクシミリ受信、メール受信のために常時稼動している、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、メール送受信機能を備えた複合機において、プリント出力された画像データが長時間画像形成装置内に不用意に放置されることで機密の漏洩が生じるケースが多い。
本発明はこのような背景に基づいてなされたものであり、プリント出力された画像データの機密を保持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、プリント出力された記録紙を保持する排紙部を開閉するシャッターと、該シャッターを動作させるための情報を入力する操作部と、該操作部の入力情報に基づいて前記シャッターに動作指令を与える制御部とを備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記排紙部はスキャナ部と作像部の間の空間部に設けられ、前記シャッターは前記排紙部の手前側開口部を開閉することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、制御部はリアルタイムクロックを持ち、予め設定した時間に達するとシャッターを閉じることを特徴とする画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、制御部は、プリント出力された画像データが機密文書であるか否かを判定する判定機能を持ち、判定機能によって機密文書と判断された場合はシャッターを閉じる画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、制御部は、プリント出力された画像データがファクシミリ受信データであるか否かを判定する判定機能を持ち、判定機能によってファクシミリ受信データと判断された場合はシャッターを閉じる画像形成装置を主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、プリント出力された画像データを保持する排紙部を開閉するシャッターと、シャッターを動作させる入力を行う操作部と、その操作入力によりシャッターに動作指令を与える制御部とを備えたので、プリント出力された画像データの機密を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の実施形態に係る複合機の機能ブロック図である。制御部1は、メモリ(1)2に記憶されているシステムプログラムに従い装置全体を制御するリアルタイムクロックを内蔵し実時間を知ることができる。
メモリ(1)2は、ランダムアクセスメモリで装置全体を制御するシステムプログラムが記憶されている。メモリ(2)3は、ランダムアクセスメモリでプログラムのワークエリア等に使用され、シャッター部13を閉じる時間を格納する。圧縮伸張部4は、画像データの圧縮、伸張を行う。
操作部5は、各種キー、スイッチ情報を制御部1に渡し、制御部1からの表示情報等を表示する。コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、メール送受信機能に必要な各種キー、スイッチ、表示部を持ち、オペレータよるシャッター部13を開閉するための操作も行われる。
スキャナ6は、原稿を光学的にスキャンし、そのアナログ画像信号をA/D変換し、画像処理を施す。プロッタ7は、画像処理を施した画像データを物理的にイメージ化する。ホストI/F部8は、セントロニクスI/F、USBなどで構成され、ホストコンピュータとのインターフェースを行う。
通信制御部9は、通信制御と網制御を行う。LAN制御部10は、データリンク層制御及び物理層制御を行う。I/O制御部11は、シャッター部13の開閉に必要な、モータ制御、電磁クラッチ制御を行う。
上記各モジュールは、システムバス12を通してデータ転送を行う。シャッター部13は、ステッピングモータ、電磁クラッチ、シャッターからなり、I/O制御部11によって制御されシャッターの開閉を行う。
【0007】
図2は本発明の実施形態に係る複合機の正面図である。排紙部14は、プリント出力された画像データを保持する。本実施形態では、排紙部14は装置内空部、具体的にはスキャナ部15と作像部16の間の空間部に設けられている。シャッター部13のシャッター13−1は、排紙部14のプリント出力用紙の取り出し口(手前側開口)に配置され、取り出し口を開閉するように上下する。
即ち通常、シャッター13−1は用紙の取り出しを妨げない下方位置にあり取り出し口は開いている。ステッピングモータ、電磁クラッチの駆動により、シャッター13−1が上昇して取り出し口を閉じると、用紙は取り出せなくなる。
次に図3ないし図7のフローを基に本発明の複合機の制御動作を説明する。動作は制御部1がメモリ(1)2内のシステムプログラムを実行することで行われる。また各タスクの起動とそのスケジューリングはシステムプログラムのモニタ部により制御される。動作の同時性等については、現存するマルチタスク、リアルタイムOSの概念をモニタ部に用いることにより容易に実現できる。
図3は第1の制御例を示すフローチャートである。制御部1のシステムプログラムにより、プリント出力が実行されると図3のフローを実行する。
即ち、プリント出力が完了すると(S1)、シャッター13−1を閉じるか判断する(S2)。シャッター13−1を閉じる場合はI/O制御部11によりシャッター13−1を閉じ(S3)動作を終了する。シャッター13−1を閉じない場合は処理を終了する。
図4は第2の制御例を示すフローチャートである。操作部5により、シャッター13−1を開閉するための操作が行われると、図4のフローを実行する。
シャッター開閉制御指令が入力されると(S1)、シャッター13−1を閉じるか判断する(S2)。シャッター13−1を閉じる場合はI/O制御部11によりシャッター13−1を閉じ(S3)動作を終了する。シャッター13−1を開く場合はI/O制御部によりシャッター13−1を開き(S4)動作を終了する。
【0008】
図5は第3の制御例を示すフローチャートである。制御部1のシステムプログラムにより、プリント出力が実行されると図5のフローを実行する。
プリント出力が完了すると(S1)、シャッターを閉じる時間帯であるか判断する(S2)。シャッター13−1を閉じる時間帯である場合はI/O制御部11によりシャッター13−1を閉じ(S3)動作を終了する。シャッター13−1を閉じる時間帯でない場合は処理を終了する。
図6は第4の制御例を示すフローチャートである。制御部1のシステムプログラムにより、プリント出力が実行されると図6のフローを実行する。
プリント出力が完了すると(S1)、機密文書であるか判断する(S2)。機密文書である場合はI/O制御部11によりシャッター13−1を閉じ(S3)動作を終了する。機密文書でなければ処理を終了する。
図7は第5の制御例を示すフローチャートである。制御部1のシステムプログラムにより、プリント出力が実行されると図7のフローを実行する。
プリント出力が完了すると(S1)、ファクシミリ受信文書であるか判断する(S2)。ファクシミリ受信文書である場合はI/O制御部11によりシャッター13−1を閉じ(S3)動作を終了する。ファクシミリ受信文書でなければ処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機の機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係る複合機の正面図。
【図3】第1の制御例を示すフローチャート。
【図4】第2の制御例を示すフローチャート。
【図5】第3の制御例を示すフローチャート。
【図6】第4の制御例を示すフローチャート。
【図7】第5の制御例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0010】
1 制御部、5 操作部、13 シャッター部、13−1 シャッター、14 排紙部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント出力された記録紙を保持する排紙部を開閉するシャッターと、該シャッターを動作させるための情報を入力する操作部と、該操作部の入力情報に基づいて前記シャッターに動作指令を与える制御部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、前記排紙部はスキャナ部と作像部の間の空間部に設けられ、前記シャッターは前記排紙部の手前側開口部を開閉することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成装置において、前記制御部はリアルタイムクロックを持ち、予め設定した時間に達すると前記シャッターを閉じることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2記載の画像形成装置において、前記制御部は、プリント出力された画像データが機密文書であるか否かを判定する判定機能を持ち、該判定機能によって機密文書と判断された場合は前記シャッターを閉じることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2記載の画像形成装置において、前記制御部は、プリント出力された画像データがファクシミリ受信データであるか否かを判定する判定機能を持ち、該判定機能によってファクシミリ受信データと判断された場合は前記シャッターを閉じることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−326926(P2006−326926A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−151320(P2005−151320)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】