説明

画像形成装置

【課題】 画質を低下させることなく、騒音を低減する。
【解決手段】 第2の開閉ドア18は、第2の開閉ドア本体110、吸音部材112及び吸音部材カバー114を有する。吸音部材112は、第2の開閉ドア本体110のガイド部材20側の略全面を覆っている。吸音部材カバー114は、黒色に染められ、帯電防止加工された通気性を有する布材であり、吸音部材112のガイド部材20側の略全面を覆うことができるようにされている。また、吸音部材カバー114は、炭素を含まない染料によって染められることにより、画像形成装置内の遮光効果を維持しつつ、炭素を含んだ繊維を画像形成装置10内に浮遊させないようにされている。第2の開閉ドア18は、ガイド部材20の背面に取り付けられることにより、レジストロール31及び搬送ロール32の背面側を含む搬送路28の背面側に配置されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機又はファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば電子写真方式の画像形成装置を稼動させると、装置の稼動に伴う騒音(ノイズ)が発生してしまう。画像形成装置の騒音には、例えば画像を転写される記録媒体が搬送される時に発生する摺擦音などが含まれる。
この種の画像形成装置において、装置を囲む外筐体の内面に、可聴領域で吸音機能を有するポリエステル繊維などの繊維状の吸音材を貼付し、騒音が画像形成装置外に漏れ出ないようにすることは公知である(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−365985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者らは、上記従来例においては、吸音材などの微小な繊維が画像形成装置内で浮遊し、記録媒体に転写される画像の画質が低下するという問題があることを発見した。
【0005】
例えば画像形成装置内に設けられた繊維状の吸音部材などが炭素を含んでいると、微小な炭素を含んだ繊維が画像形成装置内で浮遊する。画像形成装置内において、例えば所定の電位にされた中間転写ベルト1の近傍を炭素を含んだ繊維が浮遊すると、図9に示すように炭素を含んだ繊維が中間転写ベルト1から突出するように立上がった状態で中間転写ベルト1に付着し易い。このように中間転写ベルト1に付着した炭素を含んだ繊維は、中間転写ベルト1がベルト張架ロール2,3に沿って回転する場合に、一次転写ロール4近傍で感光体5に突き刺さり、感光体5の表面の光導電層を突き破ることが本願発明者らによって確認された。
【0006】
感光体5の光導電層は、炭素を含んだ繊維が突き破った部分が復帰不可能な損傷となり、画質に欠陥を発生させてしまう。また、吸音部材から繊維の遊離を防止するために、吸音部材を通気性のある布製の吸音部材カバーで覆う場合にも、吸音部材カバーの繊維が炭素を含む顔料により黒色に着色されていると、画像形成装置内の遮光効果を維持しつつ画像形成装置から騒音が漏れ出ないようにすることはできても吸音部材カバーから炭素を含んだ繊維が遊離し、同様の問題が生じてしまう。
【0007】
さらに、画像形成装置内で浮遊する炭素を含んだ繊維は、単に感光体5又は中間転写ベルト1などに付着するだけでも画質低下の原因になる。例えば、感光体5又は中間転写ベルト1それぞれにおいて、クリーニングされた後から転写をするまでに炭素を含んだ繊維が付着すると、画質に欠陥を発生させてしまう。
【0008】
本発明の目的は、画質を低下させることなく、騒音を低減することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴とするところは、帯電した現像剤像を担持する像担持体と、この像担持体を収容する画像形成装置本体とを具備する画像形成装置であって、前記画像形成装置本体内のノイズ源を前記画像形成装置本体外側に対して遮蔽する吸音部を有し、前記吸音部は、染料によって暗色に染められている画像形成装置にある。したがって、画像形成装置内の迷光の拡散を抑えつつ、画像形成装置本体内のノイズ源を画像形成装置本体外側に対して遮蔽することができるので、迷光により画質を低下させることなく、騒音を低減することができる。
【0010】
なお、像担持体は、中間転写ベルトなどの中間転写体を含む。
【0011】
また、本発明の第2の特徴とするところは、帯電した現像剤像を担持する像担持体と、この像担持体を収容する画像形成装置本体とを具備する画像形成装置であって、前記画像形成装置本体内のノイズ源を前記画像形成装置本体外側に対して遮蔽する吸音部材と、この吸音部材を覆う吸音部材カバーとを有し、前記吸音部材カバーは、染料によって暗色に染められている画像形成装置にある。したがって、上記同様に迷光により画質を低下させることなく、騒音を低減することができる。
【0012】
また、本発明の第3の特徴とするところは、帯電した現像剤像を担持する像担持体と、この像担持体を収容する画像形成装置本体とを具備する画像形成装置であって、前記画像形成装置本体内のノイズ源を前記画像形成装置本体外側に対して遮蔽する繊維状の吸音部材と、この吸音部材を覆う布状の吸音部材カバーとを有し、前記吸音部材カバーは、炭素を含まない染料によって暗色に染められている画像形成装置にある。したがって、炭素を含んだ繊維が像担持体などに静電力によって付着することを防止することができ、形成される画像の画質が低下することを防止することができるとともに、画像形成装置内の遮光効果を維持しつつ、画像形成装置本体内のノイズ源を画像形成装置本体外側に対して遮蔽することができるので、画質を低下させることなく、騒音を低減することができる。
【0013】
好適には、前記染料は、炭素繊維を含まない。したがって、静電力を利用した画像形成装置内に炭素を含んだ繊維が浮遊することを防止することができるので、炭素を含んだ繊維が像担持体などに静電力によって付着することを防止することができ、形成される画像の画質が低下することを防止することができる。
【0014】
また、好適には、前記吸音部又は前記吸音部材カバーは、黒色に染められている。したがって、吸音部又は吸音部材カバーの明度が低いので、吸音部又は吸音部材カバーによる遮光効果を高くすることができる。また、現像剤による画像形成装置内の汚れを目立たなくすることができると共に、使用頻度が高い白色などの明色の記録媒体を画像形成装置内で目立たせることができるので、画像形成装置内に詰った記録媒体を取り除く場合などの操作性をよくすることができる。
【0015】
また、好適には、前記吸音部又は、前記吸音部材及び前記吸音部材カバーは、記録媒体を搬送する搬送路に臨む開閉ドアの内側に設けられている。また、好適には、前記開閉ドアは、ガイド部材を介して前記搬送路に臨んでいる。したがって、画像形成装置本体内のノイズ源を画像形成装置本体外側に対して遮蔽することができるように、前記吸音部又は、吸音部材及び吸音部材カバーを容易に配設することができる。
【0016】
また、好適には、前記吸音部又は、前記吸音部材及び前記吸音部材カバーは、前記画像形成装置本体と前記ガイド部材との間に形成された空隙を覆うように設けられている。したがって、画像形成装置本体内のノイズ源を画像形成装置本体外側に対して効率的に遮蔽することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画質を低下させることなく、騒音を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2において、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の概要が示されている。
画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12の上部には、回動支点14を中心に回動自在の第1の開閉ドア16が設けられている。また、画像形成装置本体12の背面側(図1において右側)には、第2の開閉ドア18が設けられており、この第2の開閉ドア18は、後述するガイド部材20の背面側に設けられ、ガイド部材20の回動支点21を軸としてガイド部材20と共に画像形成装置本体12に対して回動自在にされている。
【0019】
画像形成装置本体12の下部には、例えば1段の記録媒体供給ユニット22が配置されている。記録媒体供給ユニット22は、記録媒体供給ユニット本体23と、記録媒体が収納される記録媒体供給カセット24とを有する。記録媒体供給カセット24の奥端近傍上部には、記録媒体供給カセット24から記録媒体を供給するフィードロール25、及び、供給される記録媒体を1枚ずつ捌くリタードロール26が配置されている。リタードロール26の近傍には、記録媒体を案内する可動部材27が回動自在に設けられている。
【0020】
搬送路28は、画像形成装置本体12の背面側から画像形成装置本体12内側に向けて複数のリブが設けられたガイド部材20などによって形成されたフィードロール25から排出口30までの記録媒体通路である。この搬送路28は、記録媒体供給ユニット22から後述する定着装置90まで略垂直に形成されている。ガイド部材20は、下部に回動支点21が設けられており、この回動支点21を軸として、回動自在にされている。搬送路28の定着装置90の上流側に後述する二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72とが配置され、二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72の上流側にレジストロール31が配置されている。このレジストロール31と、フィードロール25及びリタードロール26との間には、搬送ロール32が設けられている。また、搬送路28の排出口30の近傍には排出ロール34が配置されている。
【0021】
したがって、記録媒体供給ユニット22の記録媒体供給カセット24からフィードロール25により送り出された記録媒体は、リタードロール26により捌かれて最上部の記録媒体のみ搬送路28に導かれ、搬送ロール32の間を通ってレジストロール31により一時停止され、タイミングをとって後述する二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72との間を通って現像剤像が転写され、この転写された現像剤像が定着装置90により定着され、排出ロール34により排出口30から第1の開閉ドア16の上部に設けられた排出部36へ排出される。この排出部36は、排出口部分が低く、正面方向(図1の左方向)に向けて徐々に高くなるよう傾斜している。
【0022】
画像形成装置本体12には、例えば略中央部にロータリ現像器38が配置されている。ロータリ現像器38は、現像器本体40内にイエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)及び黒(Black)の4色の現像剤像をそれぞれ形成する現像器42a〜42dを有し、ロータリ現像器中心44を中心として左回り(図1において反時計回り)に回転する。現像器42a〜42dそれぞれは、現像ロール46a〜46dを有し、例えばコイルスプリングなどの弾性体48a〜48dにより、現像器本体40の法線方向に押圧されている。つまり、現像器42a〜42dの現像ロール46a〜46dは、ロータリ現像器中心44を中心として、それぞれ90°の間隔で現像器本体40の外周に配置され、後述する像担持体50に当接して像担持体50上の静電潜像をそれぞれの色の現像剤で可視化する。
【0023】
ロータリ現像装置38には、像担持体50が当接するように配置されている。像担持体50は、例えば管状のアルミパイプからなり、表面に光導電層が形成されている。この光導電層により、像担持体50は、レーザ光などの光線によって形成される静電潜像、及び現像剤で可視化される現像剤像を担持する。
【0024】
像担持体50の下方には、該像担持体50を一様帯電する例えば帯電ロールからなる帯電装置52が設けられている。また、像担持体50には、該像担持体50の回転方向の帯電装置52よりも上流側に像担持体用クリーナ54が当接している。像担持体用クリーナ54は、例えば一次転写後に像担持体50に残留する現像剤を掻き取るクリーニングブレード56と、クリーニングブレード56が掻き取った現像剤を回収する現像剤回収ボトル58とから構成される。
なお、現像剤回収ボトル58の背面側(図1において右側)は、例えばリブなどが形成され、記録媒体が滑らかに搬送されるように曲面にされて搬送路28の一部を形成している。
【0025】
ロータリ現像装置38の下方には、帯電装置52により帯電された像担持体50に、レーザ光などの光線により潜像を書き込む露光装置60が配置されている。また、ロータリ現像装置38の上方には、ロータリ現像装置38によって可視化された現像剤像を一次転写位置で一次転写され、後述する二次転写位置まで搬送する中間転写装置62が設けられている。
【0026】
中間転写装置62は、例えば中間転写ベルトなどの中間転写体64、一次転写ロール66、ラップインロール68、ラップアウトロール70、二次転写バックアップロール72、スクレーパバックアップロール74及びブラシバックアップロール76から構成される。中間転写体64は、例えば弾性を有し、ロータリ現像装置38の上方で長辺と短辺とを有するように略扁平に張られている。中間転写体64の上面側の長辺は、例えば画像形成装置本体12の上部に設けられた排出部36に対して略平行となるように張られている。また、中間転写体64は、該中間転写体64の長辺下方で一次転写ロール66の上流に配置されたラップインロール68と、一次転写ロール66の下流に配置されたラップアウトロール70との間で像担持体50にラップ状に当接する一次転写部(像担持体ラップ領域)を有し、像担持体50に所定の範囲だけ巻きついて、像担持体50の回転に従動する。このように、中間転写体64は、一次転写ロール66によって像担持体50上の現像剤像を例えばイエロー、マゼンタ、シアン、黒の順に重ねて一次転写され、この一次転写された現像剤像を後述する二次転写ロール80に向けて搬送する。
なお、ラップインロール68及びラップアウトロール70は、像担持体50から離間している。
【0027】
さらに、中間転写体64の裏側(図1の右側面)には、ラップアウトロール70及び二次転写バックアップロール72により、平面部(短辺)が形成されており、この平面部が二次転写部となって搬送路28に臨むようにされている。
なお、二次転写部において、中間転写体64と搬送路28との間が、例えば12°の角度になるように、ラップアウトロール70は配置されている。
【0028】
スクレーパバックアップロール74は、二次転写後に中間転写体64に残留する現像剤を後述するスクレーパ84が掻き取ることを補助し、ブラシバックアップロール76は、二次転写後に中間転写体64に残留する現像剤を後述するブラシロール86が掻き取ることを補助する。
【0029】
中間転写体64の長辺上方には、例えば反射型フォトセンサなどのセンサ78が第1の開閉ドア16の裏面(内側)に固定されることによって設けられている。センサ78は、中間転写体64上に形成された現像剤のパッチを読取り、中間転写体64の回転方向における位置を検出するとともに、現像剤の濃度検知を行う。
【0030】
中間転写装置62の二次転写バックアップロール72には、搬送路28を挟んで二次転写ロール80が対峙している。つまり、二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72との間が二次転写部における二次転写位置となっており、二次転写ロール80は、二次転写バックアップロール72の補助により、中間転写体64に一次転写された現像剤像を二次転写位置で記録媒体に二次転写する。ここで、二次転写ロール80は、中間転写体64が3回転する間、すなわちイエロー、マゼンタ、シアンの3色の現像剤像を搬送する間は中間転写体64から離間しており、黒の現像剤像が転写されると中間転写体64に当接するようにされている。なお、二次転写ロール80は、二次転写位置で露出するように二次転写ロール収容部81内に収容されており、この二次転写ロール収容部81は、画像形成装置本体12に固定されている。
【0031】
なお、二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72との間には、所定の電位差が生じるようにされており、例えば二次転写ロール80を高電圧にした場合には、二次転写バックアップロール72はグランド(GND)などに接続される。つまり、中間転写体64は、二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72との間で所定の電位にされている。
【0032】
中間転写体64の反像担持体側端には、中間転写体用クリーナ82が当接するように設けられている。中間転写体用クリーナ82は、例えば二次転写後に中間転写体64に残留する現像剤を掻き取ってクリーニングするスクレーパ84、スクレーパ84によるクリーニング後に残った現像剤をさらに掻き取るブラシロール86、スクレーパ84及びブラシロール86によって掻き取られた現像剤を回収する現像剤回収ボトル88から構成される。スクレーパ84は、例えばステンレスの薄板からなり、現像剤とは逆極性の電圧がかけられている。ブラシロール86は、例えば導電性の処理がなされたアクリルなどのブラシからなる。また、中間転写体64が現像剤像を搬送する間は、スクレーパ84及びブラシロール86は、中間転写体64から離間しており、所定のタイミングでこれらが一体となって中間転写体64に当接するようにされている。
【0033】
二次転写位置の上方には、定着装置90が配置されている。定着装置90は、加熱ロール92と加圧ロール94とを有し、二次転写ロール80及び二次転写バックアップロール72により記録媒体に二次転写された現像剤像を記録媒体に定着させ、排出ロール34に向けて搬送する。
【0034】
像形成ユニット96は、中間転写装置62、像担持体50、帯電装置52、像担持体用クリーナ54及び中間転写体用クリーナ82を一体化したものである。この像形成ユニット96は、第1の開閉ドア16の排出部36の直近下方に配置され、画像形成装置本体12に対して着脱自在となっており、第1の開閉ドア16を開くことにより着脱される。
【0035】
また、画像形成装置10の内部には、画像形成装置10を構成する各部を制御する制御部98が設けられている。
【0036】
次に、ガイド部材20及びその周辺について詳述する。
図3乃至図5において、ガイド部材20及びその周辺の詳細が示されている。
ガイド部材20は、板状の本体部100を有し、この本体部100には、画像形成装置本体12内に向けて突出する多数のリブ102が形成されている。本体部100の背面には、第2の開閉ドア18が取り付けられるようになっている。また、ガイド部材20は、下端側に設けられた回動支点21を軸として回動する。リブ102それぞれの下方には、可動部材27が摺接する摺接部104が形成されている。
【0037】
可動部材27は、リタードロール26を回転自在に保持する保持部材106の端部に設けられた支軸108に対し、図示しない接続部材を介して揺動自在に支持されている。また、可動部材27の上面側には、記録媒体を搬送ロール32に向けて案内する複数のリブ109が形成されている。リブ109は、ガイド部材20に設けられたリブ102と共に、搬送路28の一部を構成する。また、可動部材27は、ガイド部材20が画像形成装置本体12の背面側に開かれると、ガイド部材20の摺接部104に摺接しつつ搬送路28を開放するようにされている。
【0038】
したがって、ガイド部材20が閉じられている場合、フィードロール25により送り出された記録媒体は、可動部材27のリブ109によって搬送ロール32に案内され、搬送ロール32を通ってガイド部材20のリブ102によってレジストロール31に案内される。
【0039】
次に、ガイド部材20に取り付けられる第2の開閉ドア18について詳述する。
図6において、第2の開閉ドア18を分解した状態が示されている。第2の開閉ドア18は、第2の開閉ドア本体110、吸音部材112及び吸音部材カバー114を有する。
第2の開閉ドア本体110は、例えば把手部116、係合部118a,118b及び弾性爪120a,120bが設けられた略四角形の樹脂製の板状部材である。把手部116は、第2の開閉ドア本体110の略中央上部に設けられた開口部122、及び、画像形成装置本体12内側に突出する突出部124から構成され、ユーザが開口部122に手を入れて握ることができるようにされている。第2の開閉ドア18は、係合部118a,118bそれぞれがガイド部材20の背面側下部に設けられた受け部(図示せず)に係合し、弾性爪120a,120bがガイド部材20の背面側両側方に設けられた孔部(図示せず)に係合することにより、ガイド部材20の背面に取り付けられるようになっている。つまり、第2の開閉ドア18は、ガイド部材20を介して搬送路28に臨んでいる。
なお、第2の開閉ドア本体110の上側及び両側方、並びに把手部116の上側及び両側方には、第2の開閉ドア本体110、吸音部材112及び吸音部材カバー114が一体になるように固定するための固定用領域125a,125bがそれぞれ設けられている。
【0040】
吸音部材112は、例えばシンサレート(登録商標)等の繊維状の吸音部材であり、把手部116、係合部118a,118b及び弾性爪120a,120bそれぞれが貫通する穴部126,128a,128b,130a,130bを除いて第2の開閉ドア本体110のガイド部材20側の略全面を覆うことができるようにされている。
【0041】
吸音部材カバー114は、把手部116、係合部118a,118b及び弾性爪120a,120bそれぞれが貫通する穴部132,134a,134b,136a,136bを除いて吸音部材112のガイド部材20側の略全面を覆うことができるようにされた布材である。この吸音部材カバー114は、例えば黒色などの暗色に染められ、帯電防止加工されたポリエステル繊維、ナイロン繊維又はPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維からなり、通気性を有する。また、吸音部材カバー114は、炭素を含まない染料によって黒色などの暗色に染められることにより、画像形成装置内の遮光効果を維持しつつ、炭素繊維を画像形成装置10内に浮遊させないようにされている。
また、吸音部材カバー114の上側及び両側方、並びに穴部132の上側及び両側方には、第2の開閉ドア本体110、吸音部材112及び吸音部材カバー114が一体になるように固定するための固定用領域138a,138bがそれぞれ設けられている。
【0042】
つまり、第2の開閉ドア18は、第2の開閉ドア本体110のガイド部材20側に吸音部材112及び吸音部材カバー114が順に重ねられ、第2の開閉ドア本体110の固定用領域125a,125bと吸音部材カバー114の固定用領域138a,138bとが吸音部材112を挟んで例えば圧接部材(図示せず)によって圧接されることにより、第2の開閉ドア本体110、吸音部材112及び吸音部材カバー114が一体化されたものである。
また、第2の開閉ドア18は、第2の開閉ドア本体110、吸音部材112及び吸音部材カバー114が一体化された状態で突出部124、係合部118a,118b及び弾性爪120a,120bがガイド部材20側に突出している。第2の開閉ドア本体110の係合部118a,118b及び弾性爪120a,120bそれぞれがガイド部材20の背面に係合することにより、第2の開閉ドア本体110は、吸音部材112及び吸音部材カバー114を介してガイド部材20の背面に密着し、取り付けられるようになっている。
【0043】
なお、炭素(又は炭素繊維)を含まない染料によって例えば黒色などの暗色に染められ、画像形成装置10内のノイズを吸音することができる吸音部材(吸音部)を、吸音部材112及び吸音部材カバー114に代えて第2の開閉ドア本体110に固定することにより、第2の開閉ドア18が構成されてもよい。
【0044】
図7において、第2の開閉ドア本体110に取り付けられた吸音部材112の配置が示されている。また、図8において、画像形成装置本体12とガイド部材20との間に形成された空隙が示されている。
記録媒体が搬送路28を通る時には、記録媒体が搬送路28を構成する部材に摺接するので、摺擦音が発生する。特に、レジストロール31及び搬送ロール32近傍では、レジストロール31及び搬送ロール32に記録媒体が当接した後に記録媒体が搬送されるので、記録媒体を搬送する時に騒音が発生する。
【0045】
一方、ユーザは、第2の開閉ドア18の把手部116を握ることにより、第2の開閉ドア18をガイド部材20と共に回動支点21を軸として回動させ、搬送路28を開放することができる。つまり、ガイド部材20が第2の開閉ドア18と共に開閉可能にされているので、搬送路28に記録媒体が詰った場合などに、ユーザはガイド部材20を開くことにより、搬送路28に詰った記録媒体を取り除くことができる。ここで、搬送路28の一部を形成するガイド部材20が開閉するので、画像形成装置本体12とガイド部材20の周囲との間には空隙140がある。
【0046】
上述したように、吸音部材112は、第2の開閉ドア本体110のガイド部材20側の略全面を覆っている。第2の開閉ドア18は、ガイド部材20の背面に取り付けられることにより、レジストロール31及び搬送ロール32の背面側(図7において右側)を含む搬送路28の背面側に配置されるようになっている。また、第2の開閉ドア本体110の吸音部材112に覆われた面は、空隙140に囲まれる領域よりも大きくされており、ガイド部材20が第2の開閉ドア18と共に閉じられることにより、吸音部材112が吸音部材カバー114を介して空隙140を覆って密閉するようにされている。
【0047】
このように、吸音部材112は、搬送路28の背面側を覆うと共に、空隙140を密閉するので、記録媒体が搬送路28を通る時に発生する摺擦音などを遮蔽することができ、画像形成装置10の背面側に騒音が漏れ出ないようにしている。
なお、ガイド部材20の本体部100の背面側に吸音部材を設け、この吸音部材を吸音部材カバーで覆うことにより、画像形成装置10の背面側に騒音が漏れ出ないようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概要を示す側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】ガイド部材に第2の開閉ドアが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図4】ガイド部材に第2の開閉ドアが取り付けられた状態を搬送路側からみた正面図である。
【図5】ガイド部材の回動支点近傍及びその周辺の詳細を示す斜視図である。
【図6】第2の開閉ドアを示す分解斜視図である。
【図7】第2の開閉ドア本体に取り付けられた吸音部材の配置を示す拡大側面図である。
【図8】画像形成装置本体とガイド部材との間の空隙を示す斜視図である。
【図9】画像形成装置の比較例における像担持体近傍の拡大図である。
【符号の説明】
【0049】
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体
18 第2の開閉ドア
20 ガイド部材
21 回動支点
28 搬送路
31 レジストロール
32 搬送ロール
38 ロータリ現像器
50 像担持体
60 露光装置
64 中間転写体
66 一次転写ロール
68 ラップインロール
70 ラップアウトロール
72 二次転写バックアップロール
80 二次転写ロール
110 第2の開閉ドア本体
112 吸音部材
114 吸音部材カバー
118a,118b 係合部
120a,120b 弾性爪
140 空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電した現像剤像を担持する像担持体と、この像担持体を収容する画像形成装置本体とを具備する画像形成装置であって、前記画像形成装置本体内のノイズ源を前記画像形成装置本体外側に対して遮蔽する吸音部を有し、前記吸音部は、染料によって暗色に染められていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記染料は、炭素繊維を含まないことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記吸音部は、黒色に染められていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記吸音部は、記録媒体を搬送する搬送路に臨む開閉ドアの内側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記開閉ドアは、ガイド部材を介して前記搬送路に臨んでいることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記吸音部は、前記画像形成装置本体と前記ガイド部材との間に形成された空隙を覆うように設けられていることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
帯電した現像剤像を担持する像担持体と、この像担持体を収容する画像形成装置本体とを具備する画像形成装置であって、前記画像形成装置本体内のノイズ源を前記画像形成装置本体外側に対して遮蔽する吸音部材と、この吸音部材を覆う吸音部材カバーとを有し、前記吸音部材カバーは、染料によって暗色に染められていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
帯電した現像剤像を担持する像担持体と、この像担持体を収容する画像形成装置本体とを具備する画像形成装置であって、前記画像形成装置本体内のノイズ源を前記画像形成装置本体外側に対して遮蔽する繊維状の吸音部材と、この吸音部材を覆う布状の吸音部材カバーとを有し、前記吸音部材カバーは、炭素を含まない染料によって暗色に染められていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記染料は、炭素繊維を含まないことを特徴とする請求項7又は8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記吸音部材カバーは、黒色に染められていることを特徴とする請求項7乃至9いずれか記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記吸音部材及び前記吸音部材カバーは、記録媒体を搬送する搬送路に臨む開閉ドアの内側に設けられていることを特徴とする請求項7乃至10いずれか記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記開閉ドアは、ガイド部材を介して前記搬送路に臨んでいることを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記吸音部材及び前記吸音部材カバーは、前記画像形成装置本体と前記ガイド部材との間に形成された空隙を覆うように設けられていることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−47569(P2006−47569A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226936(P2004−226936)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】