説明

画像形成装置

【課題】 ユーザが誤って、被記録用紙がOHPフィルムであるにも拘らず、穿孔指示した場合であっても、穿孔処理を施さないようにすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 画像形成がなされた被記録用紙4の所定位置に、穿孔処理を施す穿孔処理手段9を有する後処理装置10を備えた画像形成装置において,後処理装置10内の穿孔処理手段9の上流側に、用紙搬送検出用センサ22と、用紙搬送検出用センサ22の下流側に配設されたOHP判別用センサ21とからなり、搬送されてくる被記録用紙4がOHPフィルムであるか否かを検知するフィルム検知手段20を設けるとともに、フィルム検知手段20の検知結果に基づいて、穿孔処理手段9を制御する制御手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置、特に画像形成装置本体から出力された画像形成後の被記録用紙に、穿孔を行う穿孔処理手段を有する後処理装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置においては、画像形成装置本体より排出された画像形成後の被記録用紙に対して、所望位置に綴じ込み用の孔などを穿孔するため、穿孔処理手段を有する後処理装置をオプション機能として付加したものが種々提案されている。
【0003】
ところが、被記録用紙が、例えば、OHPフィルムの場合は、穿孔は不要であり、また、誤ってOHPフィルムに対して穿孔を行うと、穿孔処理手段のパンチ部のポンチとダイ穴との隙間にOHPフィルムが入り込み、ロックして、動かなくなる、などの問題があった。
【0004】
このような点を考慮し、従来では、例えば、画像形成部から搬送される画像形成後の被記録用紙の所定位置に、穿孔処理を施す穿孔処理手段を有する後処理装置を備えた画像形成装置において、事前に、複写枚数、穿孔の要否などの各種指示や画像が形成される被記録用紙の属性などの情報を入力する機器操作部と、機器操作部よりの情報を記憶し、所定のプログラムに基づいて穿孔処理などを制御する制御手段を設けたものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許2002−99182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の特許文献記載の構成では、ユーザが画像形成装置をスタートさせる前に、予め入力する被記録用紙の属性情報に誤りがあった場合や、OHPフィルムであるとの情報の入力を忘れた場合には、穿孔処理手段を駆動し、OHPフィルムに不必要な穿孔処理を施し、また、前述したように穿孔処理手段がロックして動かなくなることがあった。また、画像形成装置本体側に、被記録用紙の種別などを判別するセンサを設けることも考えられるが、これでは、オプション機能として穿孔処理手段が必要でないときには、全く無駄な機能となるとともに、本体価格の高騰を招来することとなる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ユーザが誤って、被記録用紙がOHPフィルムであるにも拘らず、穿孔指示した場合であっても、穿孔処理を施さないようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、画像形成がなされた被記録用紙の所定位置に、穿孔処理を施す穿孔処理手段を有する後処理装置を備えた画像形成装置において,後処理装置内の穿孔処理手段の上流側に、用紙搬送検出用センサと、前記用紙搬送検出用センサの下流側に配設されたOHP判別用センサとからなり、搬送されてくる被記録用紙がOHPフィルムであるか否かを検知するフィルム検知手段を設けるとともに、フィルム検知手段の検知結果に基づいて、穿孔処理手段を制御する制御手段を備える。
【0008】
請求項2記載の発明では、OHP判別用センサは、透過型センサからなり、用紙搬送検出用センサが被記録用紙を検知した後、OHP判別用センサが被記録用紙を検知しないときには、制御手段は、被記録用紙がOHPフィルムであると判断するとともに、穿孔処理手段を駆動しないように制御する。
【0009】
請求項3記載の発明では、穿孔処理手段は、穿孔処理を行うパンチ部とOHP判別用センサとを、穿孔処理手段の枠体に対して一体的に設けることによりユニット化されている。
【0010】
請求項4記載の発明では、用紙搬送検出用センサは、後処理装置内の他の処理のための、用紙検知機能を兼ねている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明の構成によれば、後処理装置内の穿孔処理手段の上流側に、用紙搬送検出用センサと、この用紙搬送検出用センサの下流側に配設されたOHP判別用センサとからなるフィルム検知手段を設け、搬送されてくる被記録用紙がOHPフィルムであるか否かを検知し、この検知結果に基づいて制御手段により穿孔処理手段を制御しているので、ユーザが誤って、穿孔処理を指示しても穿孔処理を施すことはない。この結果、OHPフィルムを穿孔処理することに起因する、穿孔装置のパンチ部がロックして動かなくなる、といった故障を皆無とすることができる。また、オプション機能として穿孔処理が必要でない場合には、フィルム検知手段を設ける必要がない、といった効果を奏する。
【0012】
請求項2記載の発明の構成によれば、OHP判別用センサは、透過型センサにより形成しているので、OHPフィルムであるか否かの判別が確実となり、しかも、フィルム検知手段からの検知信号を、穿孔が必要な場合のトリガー信号として兼用することができるので、都合が良い。
【0013】
請求項3記載の発明の構成によれば、OHP判別用センサが、穿孔処理手段に一体的に設けられユニット化されているので、後処理装置のオプション機能として、穿孔処理が必要な場合のみ、OHP判別用センサを付属すればよく、オプションとして穿孔処理が必要でないときには、全く無駄な機能を付属する必要がなく、ニーズにあった価格設定ができ、都合が良い。
【0014】
請求項4記載の発明の構成によれば、用紙搬送検出用センサは、後処理装置に付加されたステイプル処理や中折処理の際に、被記録用紙の通過を検知し、ステイプル処理や中折処理などの他の処理のトリガー信号に兼用することができるので、都合が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置としての複写機の全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、この画像形成装置である複写機1は、装置本体2の下部に配設された給紙部3と、この給紙部3から給紙された被記録用紙4を搬送する用紙搬送路5と、給紙部3の下流側に配設された画像形成部6と、この画像形成部6の更に下流側に配設された定着部7と、これら画像形成部6および定着部7の上方に配設された画像読取部8と、装置本体2の側部に設けられ、装置本体2から出力された画像が形成された被記録用紙4に、穿孔を行う穿孔処理手段9を有する後処理装置10が備えられている。
【0016】
給紙部3は、例えば、上下2段の給紙カセット31からなり、何れか一方の給紙カセット31に積載された被記録用紙4の束を、給紙ローラ32の回転動作によって最上位の被記録用紙4から1枚ずつ用紙搬送路5に給紙する。用紙搬送路5は、給紙部3から給紙された被記録用紙4を、上下一対のレジストローラ51、52および搬送ローラ対53などの各種ローラ対によって画像形成部6に搬送し、さらに画像形成部6および定着部7において画像形成がなされた被記録用紙4を排出ローラ対54によって装置本体2の側部に設けられた後処理装置10に搬送する。なお、下部側のレジストローラ52は駆動用であり、例えば、合成樹脂により形成されている。また、上部側のレジストローラ51は、従動用であり、例えば、ゴムにより形成されている。
【0017】
画像形成を行う際には、先ず、コンタクトガラス81上に載置された原稿に、露光ランプから光を照射し、反射鏡およびレンズを介してその反射光を図示しないCCDラインセンサなどからなる光電変換部に導くことにより、画像読取部8において原稿の画像情報を読み取る。
【0018】
画像形成部6は、上記画像読取部8の下方に配設され、電子写真プロセスによって、被記録用紙4上に所定のトナー像を形成するもので、回転可能に軸支された光導電性を有する、例えば、像担持体であるドラム状の感光体(以下、「感光体」という)61と、この感光体61の周囲にその回転方向に沿って、帯電装置62、露光装置63、現像手段64、転写装置65、クリーニング装置66、除電装置67を備えている。
【0019】
定着部7は、画像形成部6の被記録用紙4の搬送方向の下流側に配置され、画像形成部6においてトナー像が転写された被記録用紙4を、一対の定着ローラ71、72によって挟んで加熱、加圧し、被記録用紙4上にトナー像を定着させる。
【0020】
この複写機1の基本的な作動状態を簡単に説明すると、帯電装置62により図1で時計方向に回転する感光体61が一様に帯電され、上述の画像読取部8で読み取られた画像情報に基づいて、例えば、レーザー走査装置などからなる露光装置63からのレーザービームにより感光体61上に静電潜像が形成され、現像手段64により静電潜像に現像剤が付着されてトナー像が形成される。
【0021】
上記のようにしてトナー像が形成された感光体61に向けて、給紙部3から用紙搬送路5を通って被記録用紙4が画像形成部6に搬送される。このとき、被記録用紙4は、レジストローラ51、52により、感光体61に形成されたトナー像と同期を取りながら搬送される。その後、画像形成部6において転写ローラなどからなる転写装置65により感光体61の表面におけるトナー像が被記録用紙4に転写される。そして、トナー像が転写された被記録用紙4は、感光体61から分離され、搬送ベルト55などにより定着部7に搬送されてトナー像が定着される。定着部7を通過した被記録用紙4は、排出ローラ対54により排出口56を通して排出される。
【0022】
そして、転写装置65による転写後に感光体61は、クリーニング装置66および除電装置で残留トナー、残留電荷を除去して、必要に応じて再び帯電装置62で帯電される。
図2は、上述の複写機1の概略構成を示すブロック図である。複写機1には、画像形成部6、画像読取部8、給紙部3、各種入力キースイッチなどとして機能する操作表示部11、オプション機能である穿孔処理手段9を有する後処理装置10と、フィルム検知手段20および複写機1全体の制御を司る制御手段12が備えられている。この制御手段12によって、後述する穿孔処理手段9の穿孔処理の制御が行われる。
【0023】
制御手段12には、装置本体2および後処理装置10の制御プログラムを記憶するROMや、一時的にデータを保管および画像読取部8で得られた原稿の画像データを記憶するRAMが内蔵されたマイクロコンピュータなどからなり、操作表示部11の図示しないスタートキーが押圧されると、複写動作を行わせる制御信号を画像形成部6、画像読取部8、給紙部3、および後処理装置10の各ブロックに出力してその動作を制御する。
【0024】
而して、本発明に従い、装置本体2に接続され、複写機1から搬送される画像形成後の被記録用紙4の所定位置に穿孔処理を施す穿孔処理手段9について、図3、図4および上述した図1、図2を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施形態に係る複写機における穿孔処理手段の要部を示す概略構成図、図4は、本発明の実施形態に係る複写機の動作を説明するためのフローチャートである。
【0025】
図示する本実施形態における後処理装置10は、ハウジング101(図1参照)を備え、装置本体2側の一端に排出口56と対向する位置に、用紙搬入口111が設けられており、この用紙搬入口111から延びる第1の用紙搬送路110が配設されている。第1の用紙搬送路110における用紙搬入口111側は、排出口56側が上下に開いて形成された一対の案内板112、113によって構成されている。また、第1の用紙搬送路110の排出側端部には、駆動ローラと従動ローラとからなる排出ローラ対114(図1参照)が配設されている。第1の用紙搬送路110の中間部から第2の用紙搬送路120が接続されており、この第2の用紙搬送路120は、その後に施される他の処理、例えば、図1に示すステイプル処理部150およびステイプル処理部150を経由して第3の用紙搬送路123を介して中折処理部160に延びている。
【0026】
第1の用紙搬送路110と第2の用紙搬送路120との分岐部130には分岐爪131が配設されており、この分岐爪131は、例えば、電磁ソレノイド(不図示)によって上下に作動されるようになっている。電磁ソレノイドが除勢されているときは、分岐爪131が図に示す下側の位置に位置付けられ、用紙搬入口111から搬入された被記録用紙4は、第1の用紙搬送路110を通って排出ローラ対114(図1参照)に向けて搬送され、例えば、ノンソート用トレイであるサブトレイ141に排紙される。また、電磁ソレノイドが付勢されると、分岐爪131が上側の位置に位置付けられ、用紙搬入口111から搬入された被記録用紙4は、第1の用紙搬送路110の分岐部130から第2の用紙搬送路120を経て、例えば、ステイプル処理部150(図1参照)に向けて搬送され、ステイプル処理が施された後、ソート用トレイであるメイントレイ142に排紙される。メイントレイ142は、サブトレイ141の下方に配設され、上下方向に移動可能である。
【0027】
第1の用紙搬送路110における一対の案内板112、113と第2の用紙搬送路120の分岐部130との間には、オプション機能としての穿孔処理手段9が配設されている。また、穿孔処理手段9の前後(上流側および下流側)には、必要に応じて搬送ローラ対115、116が設けられている。
【0028】
穿孔処理手段9は、穿孔処理を行うパンチ部91と、このパンチ部91の下部に配設されたパンチ屑を収納する屑部92とが、枠体93に取付けられている。この穿孔処理手段9の上流側には、用紙搬送検出用センサ22と、この用紙搬送検出用センサ22の下流側に配設された、OHP判別用センサ21とからなるフィルム検知手段20が配設されている。OHP判別用センサ21は、例えば、発光部21aと、受光部21bとからなる透過型センサで形成され、これら発光部21aと、受光部21bとが、第1の用紙搬送路110を介して対向するように、枠体93に取付けられ、上記パンチ部91と一体的に形成され、ユニット化されている。用紙搬送検出用センサ22は、例えば、非接触型の反射型センサ、接触型のアクチュエータ型センサなどが用いられ、第1の用紙搬送路110を搬送される被記録用紙4を検知するように設けられている。
【0029】
次に、穿孔処理動作について、図4に基づいて説明する。先ず、操作表示部11に、操作画面が表示され、セットキー、穿孔キーやステイプルキー、および原稿処理モードキーの入力が受付けられる。そして、これらのキーが押圧されたことが検出されることにより、それぞれ複写枚数(セット数)、画像転写後の被記録用紙4に穿孔処理を行う設定、画像転写後の被記録用紙4にステイプル処理を行う設定、および原稿処理モードの設定など、各種設定が行われる(ステップS1)。
【0030】
次に、スタートキーが押圧されたことが検出されると(ステップS2でYES)、制御手段12からの指示により、例えば、コンタクトガラス81上に載置された原稿から画像を読み取るべくステップS3へ移行し、画像読取部8により画像が読み取られ、その画像情報が制御手段12に出力され、制御手段12に記憶される。これにより、画像読み取り処理を終了し、ステップS4に移行する。

ステップS4により、制御手段12からの指示に基づき、給紙部3から被記録用紙4が給紙され、次いでステップS5に移行し、画像形成部6において、制御手段12からの画像情報に基づき各種処理を行って、感光体61形成されたトナー画像を被記録用紙4に画像転写および定着処理を施し、装置本体2の排出口56から排出し、後処理装置10に搬送される。
【0031】
その後、ステップS6において、穿孔画像形成後の被記録用紙4の所定位置に穿孔処理を行う設定(ステップS1において)の有無が確認される。穿孔処理を行う設定がされている場合には(ステップS6でYES)、ステップS9における穿孔処理手段9による穿孔処理に先立ち、搬送されてくる被記録用紙4がOHPフィルムであるか否かをフィルム検知手段20により検知する。すなわち、ステップS7で用紙搬送検出用センサ22により、被記録用紙4の通過が確認され(ステップS7でYES)、その後、所定のタイミング(即ち、被記録用紙4が、用紙搬送検出用センサ22の検知位置からOHP判別用センサ21の検知位置までに要する時間)で、ステップ8において、OHP判別用センサ21がオンの状態を維持し、被記録用紙4の通過が確認されないとき(即ち、OHP判別用センサ21が被記録用紙4を検知しないとき)(ステップS7でNO)は、被記録用紙4がOHPフィルムであると制御手段12で判断する。そして、被記録用紙4に穿孔処理を行わないで、例えば、サブトレイ141に排紙する(ステップS10)。また、仮にその後に他の処理、例えば、ステイプル処理や中折処理などが設定(ステップS1において)されていても、その処理は行わずに、サブトレイ141に排紙する(ステップS10)。
【0032】
また、ステップ8において、上述の所定のタイミングで、OHP判別用センサ21がオフされることにより、被記録用紙4の通過が確認されたときは(ステップS8でYES)、被記録用紙4がOHPフィルムでないと制御手段12で判断し、ステップS9で穿孔処理手段9により穿孔処理を行ないステップS11に移行する。ステップS11において、ステイプル処理など、他の処理を行う設定(ステップS1において)の有無が確認される。例えば、ステイプル処理が設定されている場合には(ステップS11でYES)、そのステイプル処理を行うために、分岐部130から第2の用紙搬送路120を経て、例えば、ステイプル処理部150の用紙受台151に向けて搬送される。その後、ステップS12において用紙揃えおよび位置決めを行った後、ステイプル処理部152によりステイプル処理が施され、処理後に、例えば、メイントレイ142に排紙する(ステップS13)。
【0033】
また、その後の処理として、中折処理が設定されている場合には、第2の用紙搬送路120の延長部分に繋がれた第3の用紙搬送路123を介して中折処理部160に搬送される。その後、ステップS12において中折処理が施され、例えば、中折用トレイ143に排紙する。その後、ステップS14において、制御手段12により設定された複写枚数(セット数)分の画像形成処理が終了したか否かが確認され、終了していない場合には(ステップS14でNO)、再度、画像形成処理を行うべくステップS3に移行する。終了した場合(ステップS14でYES)、複写処理を終了する。
【0034】
以上の構成による本実施形態によれば、後処理装置10内の穿孔処理手段9の上流側に、用紙搬送検出用センサ22と、この用紙搬送検出用センサ22の下流側に配設されたOHP判別用センサ21とからなるフィルム検知手段20を設け、搬送されてくる被記録用紙4がOHPフィルムであるか否かを検知し、この検知結果に基づいて制御手段12により穿孔処理手段9を制御しているので、ユーザが誤って、穿孔処理を指示しても穿孔処理を施すことはない。この結果、OHPフィルムを穿孔処理することに起因する、穿孔処理手段9のパンチ部がロックして動かなくなる、といった故障を皆無とすることができる。また、オプション機能として穿孔処理が必要でない場合には、フィルム検知手段20を設ける必要がない、といった効果を奏する。
【0035】
また、OHP判別用センサ21は、透過型センサにより形成しているので、OHPフィルムであるか否かの判別が確実となり、しかも、フィルム検知手段20からの検知信号を、穿孔が必要な場合のトリガー信号として兼用することができるので、都合が良い。
【0036】
また、OHP判別用センサ21が、穿孔処理手段9に一体的に設けられユニット化されているので、後処理装置10のオプション機能として、穿孔処理が必要な場合のみ、OHP判別用センサ21を付属すればよく、オプションとして穿孔処理が必要でないときには、全く無駄な機能を付属する必要がなく、ニーズにあった価格設定ができ、都合が良い。
【0037】
また、用紙搬送検出用センサ22として、非接触型の反射型センサを用いると、接触型のアクチュエータ型センサに比べ、検知精度が優れており、また、搬送されてくる被記録用紙との衝突による磨耗の発生がないので、都合がよい。
【0038】
更に、用紙搬送検出用センサ22は、後処理装置に付加された他の処理機能、例えば、ステイプル処理や中折処理の際に、被記録用紙の通過を検知し、ステイプル処理や中折処理などの他の処理のトリガー信号に兼用することができるので、都合が良い。
【0039】
なお、上述した各実施形態は、本発明の好適な実施形態であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。
【0040】
例えば、上述した各実施形態では、複写機を例に挙げて説明したが、本発明は、例えばプリンタ装置、ファクシミリ装置、スキャナ装置、そしてコピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などの各種機能を兼ね備えた複合機などに対しても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の活用例としては、画像形成後の被記録用紙の所定位置に穿孔処理を施す穿孔処理手段を有する後処理装置を備えた画像形成装置が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置としての複写機の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る複写機の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る複写機における穿孔処理手段の要部を示す概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る複写機の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1 画像形成装置(複写機)
4 被記録用紙
6 画像形成部
9 穿孔処理手段
10 後処理装置
12 制御手段
20 フィルム検知手段
21 OHP判別用センサ
22 用紙搬送検出用センサ
91 パンチ部
93 枠体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成がなされた被記録用紙の所定位置に、穿孔処理を施す穿孔処理手段を有する後処理装置を備えた画像形成装置において,
前記後処理装置内の前記穿孔処理手段の上流側に、用紙搬送検出用センサと、前記用紙搬送検出用センサの下流側に配設されたOHP判別用センサとからなり、搬送されてくる被記録用紙がOHPフィルムであるか否かを検知するフィルム検知手段を設けるとともに、前記フィルム検知手段の検知結果に基づいて、前記穿孔処理手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記OHP判別用センサは、透過型センサからなり、前記用紙搬送検出用センサが前記被記録用紙を検知した後、前記OHP判別用センサが前記被記録用紙を検知しないときには、前記制御手段は、前記被記録用紙がOHPフィルムであると判断するとともに、前記穿孔処理手段を駆動しないように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記穿孔処理手段は、穿孔処理を行うパンチ部と前記OHP判別用センサとを、前記穿孔処理手段の枠体に対して一体的に設けることによりユニット化されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙搬送検出用センサは、前記後処理装置内の他の処理のための、用紙検知機能を兼ねていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−8392(P2006−8392A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191893(P2004−191893)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】