説明

画像形成装置

【課題】作動部の作動音の反射音を低減すること。
【解決手段】画像形成装置は、筐体24の外壁22から内方に離間した現像器3と、筐体24の外壁22の外部で受け止め部53に衝突して衝撃音を発するピックアップ支持板金52とを備えている。現像器3とピックアップ支持板金52との間の外壁22に開口部57を形成して、開口部57に発泡金属からなる吸音部材55を設けた構成になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、LBP(レーザービームプリンタ)などの画像形成装置に関し、詳しくは装置の作動部の作動音の反響を減衰した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の騒音対策として、モータ、ソレノイド、ローラなどの騒音となる作動音を発する作動部(音源)に対し、作動音をいかに小さくするか、あるいは作動部を密閉して騒音を遮断するかしていた。
【0003】
ところが、画像形成装置の作動部には、画像形成装置の筐体外部に設けられて、完全に密閉されない、シート手差し給紙部、排紙部の可動トレイ等がある。これらの作動部の作動音は、密閉されていない直接開空間から出る音と、作動部周辺の外装壁で跳ねかえって反射音として開空間から出る音との総和となって人に伝わる。反射音を減衰させるために少量の吸音部材を外装壁に貼り付けた構成がある。吸音部材としては、ポリウレタンフォーム等の多孔質体の他、グラスウール等の無機繊維が広く用いられている。
【0004】
吸音のために発泡金属を用いるものがある(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特公平5−9036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の画像形成装置は、反射音の吸音効果が少ないという問題があった。すなわち、密閉できない作動部の作動音の中心周波数は主に1kHz以下である。上記ポリウレタンフォーム等の多孔質体の吸音部材あるいは無機繊維の吸音部材は、一般に、1kHz以上の周波数帯に吸音効果を発揮する。このため、従来の反射音減衰機構は、低周波には不向きであった。
【0007】
また、騒音の中心周波数を500Hzとして吸音率0.8以上を達成させた場合、吸音部材の厚みを約50mm乃至約100mmにする必要がある。このようなことから、従来の画像形成装置は、吸音部材の貼付け空間を広く必要として、画像形成装置に使用することが困難であった。仮に、使用したとしても、画像形成装置を大型にするという問題があった。
【0008】
以上の説明は、作動部が筐体の外部に設けられている場合についての問題であるが、筐体の開口部に対向して筐体内に作動部を有している場合も同様な問題があった。すなわち、作動部の作動音が、筐体内の内部部品に反射して開口部から筐体外に騒音となって、漏れるという問題があった。
【0009】
本発明は、作動部の作動音の反射音の低減効果を高めた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置は、筐体の壁から内方に離間した内部部品と、前記筐体の外部で作動音を発する作動部とを備えており、前記内部部品と前記作動部との間の前記壁に開口部を形成して、前記開口部に発泡金属からなる吸音部材を設けた、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成装置は、内部部品が壁から離間して配設されているので内部部品と壁との間に空間が形成されている。このため、開口部に設けられた発泡金属と内部部品との間に空間が形成されていることになる。したがって、作動部の作動音は、発泡金属だけでなく、空間によっても減衰される。よって、画像形成装置は、作動音の反射音を減衰されて、作動音を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の画像形成装置を図面に基づいて説明する。なお、本発明の実施形態において取り上げている数値は、参考数値であって、必ずしも本発明を限定する数値ではない。
【0013】
図6は、本発明の実施形態における画像形成装置の概略構成を示す正面断面図である。
【0014】
画像形成装置20は、画像読取部8で原稿の画像を読み取って、読み取られた画像データに基づいたコントローラ(図示せず)からの指令により、潜像担持体である感光ドラム1の表面に画像書き込み部9から露光によって静電潜像を形成する。露光の前に、感光ドラム1の表面は、帯電器2により所定の電位に一様に帯電されている。一様に帯電された感光ドラム1上に、画像書き込み部9からレーザー光等を照射することにより、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像器3によって現像剤であるトナーによってトナー現像されてトナー画像になる。その後、現像されたトナー画像は、感光ドラム1の回転により転写装置4との対向部へ搬送される。
【0015】
現像されたトナー画像の搬送に対応して、手差し給紙ユニット5のピックアップローラ51が、記録媒体であるシートSをシートトレイ25から1枚ずつ給送する。シートは、レジストローラ対6によってタイミングを取られて感光ドラム1と転写装置4との間に搬送される。そして、シートSが感光ドラム1と転写装置4との間を通過する際に、転写装置4が感光ドラム1上のトナー画像をシートSに転写する。なお、シートは、カセット13からも送り出されて、トナー画像が転写されるようになっている。
【0016】
トナー画像が転写されたシートSは、搬送装置12により定着器7に搬送される。定着器7はシートを加熱しながら挟圧する。定着器7は、定着器7の定着ローラ内に設けられたヒーター(図示せず)により加熱されて、シートS上のトナー画像をシートSに溶融定着する。その後、トナー画像が定着されたシートSは、排出ローラ対10により筐体21の外部のトレイ11に排出される。これによって、画像形成装置20による一連の画像形成プロセスが終了する。
【0017】
次に、本発明の特徴である反射音低減構造を図1、図2に基づいて説明する。
【0018】
図1は、図6における反射音低減構造24の拡大図である。手差し給紙ユニット5は、筐体21の外壁22の一部を構成している。手差し給紙ユニット5は、ピックアップローラ51と、ピックアップローラ51を回転自在に軸支してシートSに接離させるピックアップ支持板金52と、ピックアップ支持板金52の上昇位置を決定するための受け止め部53等によって構成されている。ピックアップ支持板金52が上昇したとき、ピックアップローラ51は、シートSから離間するようになっている。給紙ユニット5の手差しカバー54は、ABSの樹脂材で受け止め部53と一体に成形されて、外観部品としての塗装が施されている。
【0019】
図2は、図1の右側面図である。受け止め部53に近接する手差しカバー54の外装壁中央部には、開口部57を形成してある。開口部57には、開口部57を塞ぐようにして、通気性多孔体を有する発泡金属板55を配設してある。発泡金属板55にも外観部品としての塗装が施されている。発泡金属板55は、孔あけ加工された左右両端部をネジ56により手差しカバー54に締結されている。現像器3の発泡金属板55に対向する反射壁3aと、発泡金属板55との間は、後述する所定の間隔をあけられて、空間69を形成されている。この空間69は、音を減衰する空間である。発泡金属板55の下側には、手差しトレイ25に積載されたシートが供給されるシート供給口26が形成されている。
【0020】
以上の構成において、不図示のソレノイドによってピックアップ支持板金52を昇降させると、ピックアップ支持板金52が受け止め部53に面当たりして、衝突音が発生する。なお、ピックアップローラ51、ピックアップ支持板金52と受け止め部53は、作動音を発する作動部である。
【0021】
衝突音は、空気中を放射状に伝播し、音源であるピックアップ支持板金52及び受け止め部53の傍に壁がある場合、反射音となって壁面に対向する開空間での音圧が増大する。ピックアップ支持板金52及び受け止め部53の左側には発泡金属板55が配置されている。この発泡金属板55は、反射音を大幅に低減する。特に、音源である作動部と開口部57とを結んだ直線と、現像器3の一側面(ここでは反射面3a)と、が垂直な場合、作動部からの音が反射面3aによって反射されて開口部から漏れ出る恐れがつよい。しかしながら、本実施形態では、作動部と現像器3との間に発泡金属板55が設けられているために発泡金属板55の吸音効果によって反射音が低減される。
【0022】
ここで、発泡金属板55の吸音メカニズムを説明する。図3は、発泡金属板55の板厚方向に音波を伝播させた場合の反射音低減構造44を示してある。互いに独立して形成された気泡62(図3の黒い部分)は、発泡金属板55を貫通して形成された貫通孔64によって互いに連通している。音波66は、表面に露出した気泡62の金属殻63で乱反射して、反射波68により干渉減衰される。また、音波66の一部は貫通孔64を通過する。この通過した音波は、次の気泡62で膨張、減衰し、以下、同様に隣接する気泡に移るたびに膨張、減衰を繰り返す。そして、音波は、発泡金属板55の反対側に達すると空間69による所定の間隔をあけて設けた反射壁3aにより反射波81となり、干渉、膨張、金属殻(気泡壁面)63との摩擦等により消音される。
【0023】
図4は、発泡金属板55と他の吸音部材の吸音性能を比較したグラフである。同図において、符号(a)から(c)で示すグラフの吸音部材は板厚10mmの発泡金属Aである。符号(d)で示すグラフの吸音部材はグラスウール(板厚25mm)である。符号(e)で示すグラフの吸音部材はウレタン(板厚15mm)である。
【0024】
発泡金属Aは、アルミニウム製であり、独立発泡成形後に切断し、圧縮工程を行うことで形成された通気性多孔体である。また、符号(a)から(c)で示すグラフの吸音部材の背後には、図3に示す空間69を設けてある。空間69の間隔は、符号(a)で示すグラフの吸音部材は30mmであり、符号(b)で示すグラフの吸音部材は60mmであり、符号(c)で示すグラフの吸音部材は90mmである。
【0025】
図4に示すように、周波数1kHz以下の比較的低周波の音を吸音するためには、吸音部材として通気性多孔体の発泡金属板を用いて、発泡金属板の背後に空間を設けると、従来の吸音部材の吸音率と比較して格段に吸音率が高まる。
【0026】
図5は、反射音低減構造の概略構成図である。衝突音は、発泡金属板55を通過する過程で乱反射による干渉減衰と膨張減衰を繰り返して、発泡金属板55の反対側に到達する。発泡金属板55の反対側には、画像形成工程に必要な内部部品としての現像器3(図1参照)が配置されている。発泡金属板55に対向する位置に配設された現像器3の反射壁3aと、発泡金属板55との間には幅W(例えば、20mm)の空間が形成されている。発泡金属板55を通過した進行波は反射壁3aで反射して、20mmの空間69を往復伝播する。この過程で進行波と反射波が干渉減衰する。減衰反射音は再び発泡金属板55を通過する。したがって、音源から発した作動音(入射音)は、音源側に戻ってくるときには80%程度が吸音されている。
【0027】
本実施形態では、手差し給紙ユニット5の外装壁である手差しカバー54の一部に発泡金属板55を配置してあるが、発泡金属板55は曲げや孔あけ等の機械加工を容易に行うことができる。このため、手差しカバー54全体を発泡金属で形成してもよい。
【0028】
また、外装壁に発泡金属を用いる例は、手差し給紙ユニットに限定されるものではなく、シートが排出される排紙部における可動トレイ近傍の外装カバーなどの、比較的低周波の作動音を発する作動部が開空間に配置されている部分にも適用できる。
【0029】
さらに、本実施形態では反射壁に相当する面が現像器3の反射壁3aであるが、他の画像形成装置の内部部品であってもよい。また、筐体の外壁と内部部品との間に空間があり、装置外装壁の外側に開空間を有する騒音源がある構成においても、同様の効果が得られる。
【0030】
また、本発明は、図7に示すように、筐体21の外壁22に形成した開口部としてのシート排出口27に対向して筐体21の内部に配設された作動部としてのシート搬送ローラ対41の作動音を減衰するのにも適用することができる。
【0031】
すなわち、シート搬送ローラ対41と、内部部品としての定着器7の反射壁7aとの間に吸音部材としての発泡金属板71を、反射壁7aから離間して配設して、発泡金属板71と反射壁7aとの間に空間72を形成する。この反射音低減構造28によって、シート搬送ローラ対41の作動音が、発泡金属板71と空間72とによって減衰されて、反射壁7aに反射して増幅されることがない。
【0032】
次に、本実施形態における各種構成要件適用範囲について以下に記載する。
【0033】
1.発泡金属の気孔率について
一般的に、発泡金属の吸音性能は気孔率が高い方が良好である。また、代表的な製造方法で作成される発泡金属の吸音部材の材質は主にアルミニウム(鋳物もある)である。ここで、発泡金属の材質をアルミニウム、気孔率を約50%とすると、アルミニウムの比重は2.74gf/ccとなり、見かけの比重は1.37gf/ccとなり、一般的な外装樹脂材として用いられるABSの比重1.3gf/ccと同等になる。
【0034】
すなわち、気孔率を約50%以上にすることによって、吸音性能はもちろんのこと、本体重量軽減による物流、設置コストや、手差し給紙ユニットの扉開閉操作性等、人間工学的観点からしても従来性能と比較して好ましい。本実施形態では気孔率が50%以上であり95%以下の、アルミ製の発泡金属を用いている。
【0035】
2.空間の幅(厚み)について
発泡金属板55,71背後の空間69,72の幅を大きくすると低周波域での吸音率が向上するが、内部部品(機体内蔵物)とのクリアランスは無制限に設定できるものではない。図8は、発泡金属板の背後の空間と吸音率の関係を示したグラフである。同図において、符号(f)乃至(j)で示す各グラフの吸音部材は板厚10mmの発泡金属板Bである。なお、発泡金属板Bは、前述した発泡金属板Aと板厚が同じ10mmであるが、発泡金属板Aよりも発泡率が高い部材である。
【0036】
発泡金属板Bの材料はアルミニウムである。発泡金属板Bは、アルミニウムを独立発泡成形後に切断して、貫通孔を形成した通気性多孔体である。発泡金属板B背後の空間の幅が、符号(f)で示すグラフでは0mm、符号(g)で示すグラフでは20mm、符号(h)で示すグラフでは40mm、符号(j)で示すグラフでは60mmである。
【0037】
図8において、空間を全く設けない符号(f)で示したグラフの発泡金属板は、吸音率が0.8、周波数が2.5kHzであり、1kHz以下で吸音率が0.8以上を達成することがない。しかし、空間の幅を20mm設けた符号(g)で示す発泡金属板は、1kHzにおける吸音率が0.8であることから、空間の幅を20mm以上に設定すれば作動音を減衰することができる。また、本実施形態の画像形成装置において、外壁22の内面から20mm程度の空間を確保して内部部品を配設することは、現実的であり、効果的な反射音低減機構を従来のスペースに配置することができる。
【0038】
なお、機体内部空間に余裕がある適用箇所においては、騒音の中心周波数が空気中を伝播する波長をλとすると、空間69,72の厚みを(1/4)λに設定するのが、理論上干渉相殺効果が最大限に発揮されるため好ましい。
【0039】
3.発泡金属の板厚について
発泡金属の板厚に関しては、発泡金属板55,71の成形方法の都合、および吸音性能の面から特に限定されるものではない。図9は、上記実施形態で説明した吸音部材とは異なる発泡金属板の吸音性能を示したグラフである。同図において、符号(k)、(m)で示すグラフの吸音部材は板厚2.5mmの発泡金属Cである。発泡金属C背後の空間の幅は、符号(k)で示すグラフでは50mm、符号(m)で示すグラフでは100mmである。実施形態の説明で用いた図4および図7の発泡金属板の板厚は10mmであるが、図8に示すように板厚2.5mmでも背後の空間によっては、1kHz以下の吸音率0.8以上を達成することが可能であることがわかる。また、画像形成装置の外装壁に用いる樹脂材の板厚は約2.5mm乃至約3mm程度が一般的であり、厚みの観点で従来の外装壁と置き換え可能である。
【0040】
すなわち、外装壁面位置の変更あるいは筐体内の内部部品のスペースを侵食することのない範囲で、吸音効果を最大限に発揮できる板厚を選定すればよい。
【0041】
以上の構成において、吸音部材である発泡金属板は、例えば、中心周波数500Hzで吸音率0.8以上を維持して耐熱性に優れているため、製品としての難燃規格を取得することができる(外装としてのシート材難燃規格HF−2以上かつ25cm以下)。
【0042】
従来のグラスウール等の無機繊維の吸音部材は、機械的強度が弱く単体では自立できないため、孔あきの金属板や樹脂板との複合構造にしないと外装壁への取り付けが困難である。しかし、本発明の発泡金属板の吸音部材は、機械的強度に優れており、取り付けが容易である。
【0043】
従来のポリウレタンフォーム、グラスウール等の吸音部材は、振動等によって折損、粉塵化しやすく、経時劣化することがある。また、雰囲気中の水分を吸収すると吸音性が低下することがある。しかし、本発明の発泡金属板の吸音部材は、折損、経時劣化することが少なく、さらに、雰囲気中の水分を吸収しても殆ど吸音性が低下することがなく、長期間、吸音性能を維持することができる。
【0044】
従来の吸音部材は塗装ができず、外観部材として不向きであったが、本発明の発泡金属板の吸音部材は、塗装をすることができて、外観部材と兼用することができる。
【0045】
従来の吸音部材も、仮に、反射壁の間に空間を設け自立させると、外装壁に対してスペーサを介して締結支持したり、あるいは外装壁と吸音部材をダクト構造で支持したりする必要がある。このため、コスト面、スペース面、外観面で非現実的である。これに対して、本発明の発泡金属板の吸音部材は、強度的に従来の吸音部材よりも強度的に優れているため、取り付け構造が簡単になる。したがって、本発明の画像形成装置は、コスト面、スペース面、外観面で現実的な構造にすることができる。
【0046】
本発明の画像形成装置における密閉できない作動音を発する作動部(音源)に対する反射音低減構造は、反射壁になっている外装壁に形成した開口部に発泡金属板からなる吸音部材を設けたので、音源と外装壁との間に吸音部材を貼るスペースが不要になる。この結果、画像形成装置は、大型化するのを防止される。
【0047】
本発明の画像形成装置は、吸音部材の裏面に空間を設けて吸音率を向上させているので、装置内の内部部品と外装壁との間の空間を有効利用することができて、画像形成装置の大型化を防止することができる。
【0048】
本発明の画像形成装置は、外装近傍の密閉できない音源が主に1kHz以下であり、従来の吸音部材を外装壁に貼り付ける手法では達成困難であった低周波の騒音を、発泡金属板によって大幅に低減することができる。
【0049】
図7に示す画像形成装置のように、筐体の外壁に形成した開口部に対向して筐体の内部に作動部を備えた、画像形成装置においても、本発明を適用すると、減衰効果を高めることができる。また、作動部と内部部品の反射壁との間の空間を有効利用することができて、画像形成装置の大型化を防止することができる。
【0050】
また、図7に示すような画像形成装置も、作動音の減衰に発泡金属のみならず、内部部品と発泡金属との間の空間も作動部の作動音の減衰に寄与しているので、作動音の減衰効果を高めて、開口部から外部に漏れる作動部の作動音を小さくすることができる。しかも、作動音が1kHz以下であっても、作動音を確実に減衰することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態の画像形成装置に備えた反射音低減構造の拡大図である。
【図2】図1の右側面図である。
【図3】発泡金属板の板厚方向に音波を伝播させた場合の反射音低減構造を説明するための図である。
【図4】発泡金属板と他の吸音部材の吸音性能を比較したグラフである。
【図5】発泡金属板の吸音原理説明するための模式的概念図である。
【図6】本発明の実施形態における画像形成装置の概略構成を示す正面断面図である。
【図7】本発明の実施形態の画像形成装置に備えた他の反射音低減構造の拡大図である。
【図8】発泡金属板の背後の空間と吸音率の関係を示したグラフである。
【図9】他の発泡金属板の吸音性能を示したグラフである。
【符号の説明】
【0052】
S シート
1 感光ドラム
3 現像器(内部部品)
3a 反射壁
7 定着器(内部部品)
7a 反射壁
20 画像形成装置
21 画像形成装置の筐体
22 筐体の外壁
24 反射音低減構造
25 手差しトレイ
27 シート排出口(開口部)
28 反射音低減構造
41 シート搬送ローラ対(作動部)
51 ピックアップローラ
52 ピックアップ支持板金(作動部)
53 受け止め部(作動部)
54 手差しカバー
55 発泡金属板
57 開口部
62 気泡
63 金属殻
64 貫通孔
66 音波
68 反射波
69 空間
71 発泡金属板(吸音部材)
72 空間
81 反射波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の壁から内方に離間した内部部品と、前記筐体の外部で作動音を発する作動部とを備えた画像形成装置において、
前記内部部品と前記作動部との間の前記壁に開口部を形成して、前記開口部に発泡金属からなる吸音部材を設けた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
筐体の壁に形成した開口部に対向して前記筐体内に配設された作動音を発する作動部と、前記作動部に対向して前記作動部から離間して前記筐体の奥側に配設された内部部品と、を備えた画像形成装置において、
前記作動部と前記内部部品との間に前記内部部品から離間して、発泡金属からなる吸音部材を配設した、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記発泡金属の気孔率が50%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記吸音部材が、アルミ製であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記内部部品と前記吸音部材との間隔を、前記作動音の波長の4分の1に設定されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記内部部品と前記吸音部材との間隔を、20mmに設定されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記作動部は、トレイに支持されたシートを送り出すために昇降するピックアップローラを含み、
前記内部部座品は、シートに画像を形成する画像形成部を構成する一部品であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−156036(P2007−156036A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−349847(P2005−349847)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】