説明

画像形成装置

【課題】トナー付着量を検知する光学センサーのトナー飛散等により光学センサーの汚れ、検知不良の発生を防止し、トナー濃度調整の精度を高め、高品位の画像を得ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体11、31に形成した静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する画像形成装置1において、トナー付着量を検知するために像担持体11、31上に形成される基準パターンとなるトナー像のトナー付着量を検知する光学センサー61を有し、かつ、その光学センサー61を振動させる超音波振動発生装置63を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の静電複写プロセスの画像形成装置に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスを利用した画像形成部を有した従来の画像形成装置では、像担持体(感光体)や第2の像担持体(中間転写ベルト)上のトナー付着量を検知することにより、地汚れの検知やトナー濃度制御、色ずれ補正等を行っている。特に、2成分現像剤を用いる画像形成装置では、一定の像担持体表面電位を一定の現像バイアスで現像した基準パターン像のトナー付着量を読み取り、付着量が一定値となるようにトナー補給を行うことで、トナーを補給しつつ現像能力を一定に保持することによって安定した高品質の画像形成を実現している。
従って、トナー付着量の検知は画像形成装置における画質維持のための重要な要素とも言うことができる。然しながら、トナー付着量の検知センサーは、像担持体に接近した位置で、他のユニットに近接して設置されるから、トナーの飛散等により、検知センサーの検知面が汚れて、誤検知や検知不能になると言う不具合が生じていた。
【0003】
このような不具合を解消する為に、特許文献1には、トナー付着量の検知センサーを像担持体に接近させる位置と離間する位置との間を円弧状の軌跡を描いて進退させるようにした構成が開示されており、離間した位置でセンサー面がクリーニング部材に摺接してセンサー面をクリーニングするようにしている。然しながら、トナー付着量の検知には、像担持体と検知センサーとの位置関係は厳密に管理される必要があり、検知センサーを移動すると、検知位置に戻った時におけるセンサーと像担持体表面との間の距離に微妙なずれが生じ、検知値精度が低下し形成される画像の画質も低下するという不具合が生じていた。このような不具合を解消する為に、位置精度を高める構成を採用することもできるが、構成の複雑化、コストアップを招く為、実用性が低い。
また、特許文献2には、光学センサーに対する汚れの付着を防止する防塵板と、上記防塵板に圧接して透明部の汚れを清掃する清掃部材と、少なくとも上記防塵板又は上記清掃部材の一方を移動させることにより上記防塵板の透明部の汚れを清掃させる移動手段とを有することを特徴とする画像形成装置、といった構成が開示されているが、この構成は、センサー面を直接清掃部材によって掃除するため、センサー面を傷つけてしまう恐れがある。
【0004】
【特許文献1】特開平04−260077号公報
【特許文献2】特開平08−030051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、トナー付着量を検知する光学センサーが、像担持体近傍にあるために、トナー像から生ずるトナー飛散等により光学センサーの汚れ、検知不良が発生するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、トナー付着量を検知する光学センサーのトナー飛散等により光学センサーの汚れ、検知不良の発生を防止し、トナー濃度調整の精度を高め、高品位の画像を得ることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の画像形成装置は、像担持体に形成した静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する画像形成装置において、前記画像形成装置は、トナー付着量を検知するために像担持体上に形成される基準パターンとなるトナー像のトナー付着量を検知する光学センサーを有し、かつ、その光学センサーを振動させる超音波振動発生装置を有することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記超音波振動発生装置は、光学センサーの動作中(発光動作と受光動作)以外に、超音波発生動作をさせることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記光学センサーが、発光部と受光部とを有し、かつ、前記発光部を防塵する防塵部を別体として備え、前記超音波振動発生装置が防塵部を振動させることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記超音波振動発生装置は、画像形成装置の動作中(電源がオンになっている状態)に常に超音波発生動作をさせることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記超音波振動発生装置は、画像形成動作中のみ超音波発生動作をさせることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記超音波振動発生装置は、圧電素子を備えることを特徴とする画像形成装置。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記超音波振動発生装置は、トナーの固有振動数と同じ振動数を持つ超音波を発生することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記光学センサーの近傍に、トナー回収容器を有することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記トナー回収容器は、浮遊トナーを集塵する集塵部材を有することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記集塵部材は、アース板金であることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記集塵部材は、コロナチャージャであって、トナーと逆極性に帯電させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明の画像形成装置では、超音波振動発生装置で超音波を発生させることで、光学センサーにより、飛散トナーをセンシング面から除去、または、飛散トナーがセンシング面に付着することを防止することができる。また、これにより、トナー濃度検知の精度を高くして、高品位の画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。まず、カラー画像を得る過程について説明する。本発明に係る実施の形態をまず構成、あとで作動を図により詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、画像形成装置本体の内部において、矢印方向に無端移動する中間転写体31を備え、その中間転写体31の下部張架面に、4個の画像形成ユニット10Y、10C、10M、10Kが配備されている。これら画像形成ユニットの番号に沿えたY、C、M、Kは、扱うトナーの色と対応させているもので、Yはイエロー、Cはシアン、Mはマゼンタ、Kはブラックを意味している。画像形成ユニットに備えられ、中間転写体31とともに回転する感光体11に対向して中間転写体31の内側に14Y、14C、14M、14Kの転写ローラを沿えている。なお感光体11Yから1Kは同間隔で配置され、少なくとも画像形成時にはそれぞれ中間転写体31との張架部の一部と接触する。
図1において、画像形成装置の動作時に、不図示の駆動源により、矢印方向に回転するよう回転可能に支持された円筒状の感光体11の周囲に、静電写真プロセスに従い帯電手段である帯電ローラ12、現像装置13、透明電極であるクリ−ニング部材7、光源となる露光装置18等の作像部材や中間転写体31を介して転写ローラ14が配設されている。
感光体11は、例えば直径30〜120mm程度のアルミニウム円筒表面に光導電性物質である有機感光層(OPC)を形成したものである。アモルファスシリコン(a−Si)層を形成した感光体11も採用可能である。またベルト状の感光体11も採用できる。
【0010】
露光装置18は、各色毎の画像データ対応の光を、帯電ローラ12で一様に帯電済みの各感光体11の表面を走査し、静電潜像を形成する。露光装置はレーザ光とポリゴンミラーを用い、形成すべき画像データに応じて変調したビーム光によるレーザスキャン方式、又は発光素子としてLED(発光ダイオード)アレイと結像素子の方式を採用できる。
帯電手段としてローラ帯電方式のほかに、感光体11に非接触のチャージ方式も採用できる。
本実施例の現像は、トナーとキャリヤからなるニ成分現像剤を採用している現像方式である。負荷電の感光体11に対しレーザビームにより各感光体11の表面に形成された色毎の静電潜像は、感光体の帯電極性と同極性(マイナス極性)の所定の色のトナーで現像され、顕像となる反転現像がおこなわれる。現像装置13の構成の詳細説明については省略する。複数のローラ11、12、13により支持されて矢印方向に走行する、中間転写体31が、感光体11Y、1C、1M、1Kの上部に設けられている。この中間転写体31は無端状で、各感光体の現像工程後の一部が接触するように張架、配置されている。また中間転写体31の内周部には各感光体11Y、1C、1M、1Kに対向させて1次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kが設けられている。
中間転写体31の外周部には、ローラ11に対向する位置にクリーニング装置33が設けられている。このクリーニング装置33は、中間転写体31の表面に残留する不要なトナーや、紙粉などの異物を拭い去る。上記の中間転写体31に関連する部材は、
さらに上記中間転写体31の外周で、支持ローラ13の近傍には、2次転写ローラ16が設けてある。中間転写体31と2次転写ローラ16の間に記録媒体(以下用紙P)を通過させながら、2次転写ローラ16にバイアスを印加することで中間転写体31が担持するトナー画像が用紙Pに転写される。転写ローラ16に印加される転写電流の極性は、トナーの極性と逆のプラス極性である。
【0011】
画像形成装置の1下側には用紙を供給可能に収納した給紙装置20が配備されており、確実に一枚だけが搬送ローラ21によりレジストローラ22に送られる。更に、転写ローラ16を通過した用紙は記録体の搬送方向下流に備えられた定着装置40まで搬送される。
加熱手段を有する定着装置40はローラ内部にヒータを備えるタイプ、加熱されるベルトを走行させるベルト定着装置、また加熱の方式に誘導加熱を採用した定着装置などが採用できる。定着装置40は、フルカラーとモノクロ画像、あるいは片面か両面かにより定着条件を制御したり、用紙の種類に応じて最適な定着条件となるよう、不図示の制御手段により制御される。定着後の用紙は、排紙ローラ24により、画像形成装置1の上部に設けた排紙スタック部に排紙、スタックさせる。
未使用のトナーが収納された各色のトナーカートリッジ31Y、31C、31M、31Kが、着脱可能に増担持体上部の空間に収納される。図示しないモーノポンプやエアーポンプなどのトナー搬送手段により、各現像装置13に必要に応じトナーを供給するようになっている。消耗の多いブラックトナー用のトナーカートリッジ31Kを、特に大容量としておくことも可能である。
【0012】
上記の構成においてフルカラー画像を形成する動作について説明する。
本実施の形態では画像形成装置の構成から中間転写体31に担持させた画像を用紙に転写する場合は記録するべきデータが複数の頁になるケースでも、排紙スタック部上で頁が揃うように画像が用紙の下面に形成される。
画像形成装置1を稼動させると、中間転写体31に接触している画像形成ユニット10における感光体11Y、1C、1M、1Kが回動する。まず、画像形成ユニット10による画像形成から開始される。レーザとポリゴンミラー駆動の露光装置18の作動により、イエロー用の画像データ対応の光が、帯電ローラ12により一様帯電された感光体11Yの表面に照射されて静電潜像が形成される。静電潜像は現像ローラ13aによりイエロートナーで現像され、可視像となり、1次転写ローラ14Yの転写作用により感光体11Yと同期して移動する中間転写体31上に静電的に1次転写される。このような潜像形成、現像、1次転写動作が感光体11C、1M、1K側でもタイミングをとって順次同様に行われる。
この結果、中間転写体31上には、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色トナー画像が、順次重なり合ったフルカラートナー画像として担持され、中間転写体31とともに矢印の方向に移動される。同時に給紙装置20のなかの給紙カセットから、記録に使われる用紙Pがその供給のための給紙ローラ21により繰り出され搬送される。用紙の先端がレジストローラ22タイミングをとってレジストローラ22が回転し、用紙を転写領域に搬送する。
【0013】
中間転写体31上のこのフルカラートナー画像は、中間転写体31と同期して搬送される用紙Pの上面に、二次転写ローラ16による転写作用を受けて転写される。二次転写ローラ16に与えられるバイアスは、トナーの帯電極性と逆のプラス極性である。二次転写はローラ13にトナーと同極性のバイアスを印加して行う事も可能である。
その後、中間転写体31の表面が、ベルトクリーニング装置33によりクリーニングされる。また1次転写を終了した画像形成ユニットにおける感光体11Y、1C、1M、1Kの表面に残留するトナーは透明電極7から印加された逆極性のバイアスと光源6から透明電極を介して照射された光りを受けて電荷注入され注入電荷と逆極性のバイアスを印加された回収ブラシ2により、各感光体11の表面から除去される。回収ブラシに回収されたトナーは作像終了後の一定のタイミングでブラシに回収時と逆のバイアスを印加することで感光体11上に吐き出され、帯電ローラ12を通過して現像装置13に回収され再使用される。この時、帯電ローラ12は感光体11から離れている事が望ましい。
中間転写体31に重ねられて担持されていたトナー画像が転写された用紙Pは、定着装置40に向け移送される。用紙P上に重ねられていた各色のトナーが定着装置40の熱による定着作用を受け、溶融、混色されて完全にカラー画像となる。制御手段で画像に応じて定着装置の使用する電力を最適に制御する場合もある。定着されたトナーも用紙上で完全に固着するまでは、搬送路のガイド部材等にこすられ、画像が欠落したり、乱れたりする事が有るので定着後の搬送にも注意が必要である。その後、排紙ローラ24により排紙スタック部に、画像面が下向きとなって排紙される。排紙スタック部では後の頁の記録物が順次上に重ねられるようにスタックされるので、頁順が揃う。
【0014】
図2は、本発明の画像形成装置が備える光学センサーの構成の一例を示す概略図である。
光学センサー61は、防塵部62が設けられており、像担持体の一例である中間転写体31に作像されたパターン画像のトナー付着量を検知し、濃度制御や、色ずれ補正を行う(4連タンデム等のカラー画像機の場合)。光学センサー61に対して、中間転写体31を介して対向ローラ12が配設されている。この対向ローラ12は、光学センサー61の動作中に、中間転写体31の波打ち等による検知不良を防ぐためのものである。
トナー付着量を検知するために像担持体上に形成される基準パターンとしては、一定のトナー付着量が得られるべた画像又はトナー付着量が階段状になるグレースケールによるベタ画像を用いる。ここでは、一定のトナー付着量のベタ画像を用いた。検知用のベタ画像を現像する方法は、感光体11を一様に帯電したあとに、一定の光量でべた画像潜像を露光形成し、所定の複数種の現像バイアス電圧で潜像を現像する方法と、感光体11を一様に帯電したあとに、所定の複数種の光量でべた画像潜像を露光形成し、一定の現像バイアス電圧で、潜像を現像する方法とが知られている。
さらに、中間転写体31に光学センサーの検知用ベタ画像は、感光体11に現像されたベタ画像等を、一定の転写バイアスで転写することで、中間転写体31上に一定のトナー付着量の検知用のベタ画像を得ることができる。
【0015】
図3は、光学センサーの構成を示す概略図である。光学センサー61は、図3に示すように、発光部として赤外光源(以下「LED」という。)と受光部としてフォト・ダイオード(以下「PD」という。)とが、所定の角度で、基台に配設されている。LEDから照射された光は、図示しないスリット、レンズ等を介し、中間転写体31の上面に載置されたテスト用ベタ画像に集光される。テスト用ベタ画像上には測定領域が設けられており、測定領域は光学センサー61と対向して設置されている。また、テスト用ベタ画像の測定領域における垂線と光学センサー61の中心軸とが一致して構成されている。したがって、LEDからの入射角はθとなる。なお、トナー付着量検知用べた画像パッチ上における反射角θで反射する。なお、LEDの駆動回路や、PD3の信号処理回路の構成は、すなわち反射光量によりトナー付着量を検知する検出方法に関しては、公知であるため説明を省略する。
本発明の画像形成装置では、図2に示すように、この光学センサー61に、光学センサー61を振動させる超音波振動発生装置63を設ける。光学センサー61に超音波振動発生装置63を取り付け、防塵部62に付着したトナーを除去、または、トナーの付着を防ぐことができる。
この超音波振動発生装置63は圧電素子、磁歪素子を用いて超音波振動を発生させるが、圧電素子が小型で、低価格で長期にわたって信頼性があり、好ましい。
また、超音波振動発生装置63により光学センサー61から除去されたトナーは、光学センサー61の近傍に設けられているトナー回収容器64により回収される。このトナー回収容器は、傾いている光学センサー61から、超音波振動発生装置63による振動で、次第に転がり来るのを受けるように設けられている。
【0016】
このときに、圧電素子による超音波振動発生装置63で、発生させる振動数は、トナーの固有振動数と同じ振動数を有する。固有振動数とは、物体に振動を加えたときに共振現象が生ずるその物体固有の振動数であり、トナーの固有振動数fは、トナーの粒径により決まり、式f=V1/2λ(λ:トナーの粒径、V:音速)で表される。ここで、トナーの粒径を5μmと、音速を340m/sとすると、f=3.4×10Hzとなる。
しかしながら、この固有振動数は、限定的に規定するものではない。したがって、温度や湿度の影響によって若干変化するため、その変化の範囲内の振動数も固有振動数に含まれる。また、トナーのような集合物は粒径分布を有するため固有振動数にも分布が存在するが、その分布の範囲内全てが固有振動数に含まれる。さらに、固有振動数と同様の共振現象が起こる固有振動数の整数倍の振動数も固有振動数に含める。さらにまた、僅かでも共振現象が起こり得る範囲内であれば、固有振動数に近似する振動数も固有振動数に含める。
トナーは集合物であり粒径分布を有しているため、トナーの固有振動数にも分布が存在する。このように固有振動数に分布が存在する場合、最も多くのトナーに影響を与えるであろう粒径分布の最頻値をトナーの固有振動数として設定することが好ましい。なお、粒径の小さなトナーは付着力が大きく残留し易いため、粒径の小さいトナーに合わせてトナーの固有振動数を設定してもよい。このようにして求めたトナーの固有振動数を、超音波振動発生装置63により発生させる。
また、トナーが、再度、空気中に飛散しないようにするために、振動の振幅で表される強度が小さいことが好ましい。トナーを、トナー回収容器から遊離して飛散させることなく、短時間に転がらせてトナー回収容器に回収することができる。
【0017】
また、このトナー回収容器は、集塵部材65を設ける。この集塵部材65は、図2に示すように、金属製であって、アースに接地してある板状部材である。したがって、光学センサー61から転がり落ちてトナー回収容器に回収されたトナーが、この集塵部材65に接触すると、トナー表面の電荷が消失する。このために、トナー回収容器に先に回収されたトナーの電荷で、次に回収されるトナーの回収を阻害することがない。
また、この集塵部材65は、コロナチャージャである。このコロナチャージャで、トナーを電気的に引きつける部材で構成される。コロナチャージャで、トナーと逆極性に帯電させて、よりよく効率的に集塵する。
【0018】
図4は、超音波振動発生装置の超音波発生動作を示す一例のタイムチャートである。図4に示すように、超音波振動発生装置63は、光学センサー61の動作中(発光動作と受光動作)以外に、超音波発生動作をさせて、光学センサー61動作中は超音波振動を与えないようにする。光学センサー61を動作させて、テスト用ベタ画像のトナー付着量を検知するのは、画像形成動作中で常に行う必要はない。多くの場合は、画像形成動作の最初に行ってトナー濃度を調整して画像形成動作を開始する、または、画像形成動作の中断中に行ってトナー濃度を調整しておき、画像形成動作を開始する。このときに、テスト用ベタ画像の現像は1回行うことで、トナー付着量を検知することができるので、飛散するトナー量は非常に少ない。さらに、テスト用ベタ画像の大きさは、数cm四方の大きさで、画像全体の面積に比べて非常に小さく、同様に、飛散するトナー量は非常に少ない。したがって、光学センサー61の動作中に超音波発生動作をさせなくとも、超音波振動発生装置63を飛散したトナーで汚すことはない。このため、光学センサー61動作中は超音波振動を与えないようにすることで、検知不良の発生を防止してトナー濃度検知の精度を高め、高品位な画像形成を行うことができる。
【0019】
図5は、本発明の画像形成装置が備える光学センサー61の構成の一例を示す概略図である。
本発明の画像形成装置では、前記光学センサー61が、発光部と受光部とを有し、かつ、前記発光部を防塵する防塵部を備え、前記超音波振動発生装置63が防塵部62を振動させる。
ここでは、発光部61aとしてLEDと受光部61bとしてPDとからなる発受光部61a、61bと、その周囲に防塵部62を別体として設ける。さらに、超音波振動発生装置63を防塵部62に載置する。防塵部62を別体として設けることで、超音波振動発生装置63による振動が、発受光部61a、61bに伝わるのを抑える。別体として設けるとは、必ずしも、指示する部分まで別にするのではなく、主要な大部分を別体にすることで、これらをネジ、接着剤等で一体化させることまで除外するものではない。
【0020】
図6に、超音波振動発生装置の超音波発生動作を示す他の例のタイムチャートである。
ここでは、画像形成装置本体に電源を入れてONしたときに、同時に、超音波振動発生装置63をONして振動を発生させる。画像形成装置本体に電源を入れると、画像形成動作を開始しなくとも、トナー濃度調整のために現像装置13の混合スクリュー、レーザ光の強度、位置調整のためにポリゴンミラー、定着装置40の定着ローラ等の温度の均一化等のために何れかの装置、部材が動作を開始することがあり、このために、機械振動が発生し、画像形成装置1内に飛散したトナーが再度、浮遊して飛散し、光学センサー61に付着して汚すことがある。このまま、画像形成動作を開始すると、トナー濃度調整の精度が低下して、高品位の画像を得ることができない。そこで、画像形成装置1本体に電源を入れてONしたときに、同時に、常時超音波振動を光学センサー61の防塵部に加わることにより、光学センサー61に浮遊トナーが付着することを抑え、また、光学センサー61のトナー付着量を検知する精度を低下させることなく、トナー濃度を調整することが可能になり、高品位の画像を得る。
図7に、超音波振動発生装置の超音波発生動作を示す他の例のタイムチャートである。
ここでは、画像形成動作中のみ超音波発生動作をさせる。トナー飛散が最も発生するのは、現像装置13における現像動作中、転写装置14,30における転写動作中、クリーニング装置7、15における動作中であり、これらの画像形成関連の動作中に起こる。しかし、これらの画像形成動作中には、現像剤におけるトナー濃度の調整を行なわなければならないが、これらの動作中は機械振動も激しいことからトナー飛散が生じ、光学センサー61の汚れが発生して、検知精度も低下する。したがって、防塵部62と光学センサー61、画像形成装置本体との接続性を低下させず、最もトナーが付着する可能性の高い画像作像中におけるトナーの付着を防止する。画像作像中とは、濃度調整や色ずれ補正時などの、感光体11にトナー像が描かれる時も含まれる。接続性の低下について、例えば、防塵部と本体部がネジ等の締結部材で接続されている場合、締め付けトルクが減少してネジが外れ、防塵部62と光学センサー61、画像形成装置本体が分離してしまい、光学センサー61の表面がトナーで汚れてしまう可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の画像形成装置が備える光学センサーの構成の一例を示す概略図である。
【図3】光学センサーの構成を示す概略図である。
【図4】超音波振動発生装置の超音波発生動作を示す一例のタイムチャートである。
【図5】本発明の画像形成装置が備える光学センサーの構成の一例を示す概略図である。
【図6】超音波振動発生装置の超音波発生動作を示す他の例のタイムチャートである。
【図7】超音波振動発生装置の超音波発生動作を示す他の例のタイムチャートである。
【符号の説明】
【0022】
1 画像形成装置
10 画像形成ユニット
11 感光体
12 帯電ローラ
13 現像装置
13a 現像ローラ
14 1次転写ローラ
15 クリーニング部材
18 露光装置
19 トナーカートリッジ
20 給紙装置
21 搬送ローラ
22 レジストローラ
24 排紙ローラ
30 中間転写装置
31 中間転写体
32 2次転写ローラ
33 クリーニング装置
35、36、37 支持ローラ
40 定着装置
61 光学センサー
61a 発光部
61b 受光部
62 防塵部
63 超音波振動発生装置
64 トナー回収容器
65 集塵部材
T トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に形成した静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する画像形成装置において、
前記画像形成装置は、トナー付着量を検知するために像担持体上に形成される基準パターンとなるトナー像のトナー付着量を検知する光学センサーを有し、かつ、
前記光学センサーを振動させる超音波振動発生装置を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記超音波振動発生装置は、光学センサーの動作中(発光動作と受光動作)以外に、超音波発生動作をさせる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記光学センサーを防塵する防塵部を別体として備え、
前記超音波振動発生装置が防塵部を振動させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記超音波振動発生装置は、画像形成装置の動作中(電源がオンになっている状態)に常に超音波発生動作をさせる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記超音波振動発生装置は、画像形成動作中のみ超音波発生動作をさせる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記超音波振動発生装置は、圧電素子を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記超音波振動発生装置は、トナーの固有振動数と同じ振動数を持つ超音波を発生する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記光学センサーの近傍に、トナー回収容器を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像形成装置において、
前記トナー回収容器は、浮遊トナーを集塵する集塵部材を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項8に記載の画像形成装置において、
前記集塵部材は、金属製であって、アースに接地してある板状部材である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項8に記載の画像形成装置において、
前記集塵部材は、コロナチャージャであって、トナーと逆極性に帯電させる
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−192912(P2009−192912A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34603(P2008−34603)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】