説明

画像形成装置

【課題】領収書の発行し忘れを防止するとともに、ユーザの意図に沿った領収書を発行することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】領収書を出力する課金装置200が接続された複合機100において、ユーザが設定条件の入力を行なう前に、上記領収書を出力するか否かの選択をユーザから受け付ける領収書要不要受付手段402を備えることを特徴とする複合機100を提供する。これにより、ユーザが設定条件を入力したり、複合機に機能を提供させる前段階で、複合機が領収書の必要性を問いただすこととなる。そのため、複合機が機能の提供を終了した後になって、ユーザが領収書を発行する必要があることを思い出すという事態を排除することとなる。また、領収書を出力するか否かの設定が複合機に既に行なわれていることとなるため、領収書に付与させる情報の開始点が不明になることもない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、詳しくは、領収書の発行し忘れを防止するとともに、ユーザの意図に沿った領収書を発行することが可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
貨幣などの金員を課金装置に投入することにより、画像形成処理等を実行するコインベンダ式の画像形成装置(課金装置付きの画像形成装置)が市場に登場している。上記画像形成装置は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機等が該当し、コンビニエンスストアや公共施設等に設置され、不特定多数の人に多く利用されている。
【0003】
この課金装置付き画像形成装置は金員を授受するため、通常、授受した金員の金額詳細を示す領収書(レシートを含む)を発行するよう構成されている。発行される領収書には、投入した金額や支払われた金額に関連する情報である金員情報(領収書の明細に該当する部分)と、課金装置付き画像形成装置の設置店、業者のロゴに関する画像、店舗名、業者名、住所、電話番号等の領収書情報とが印字されており、その領収書により、どれくらいの金員を支払ったか、何処で何部の印刷を行ったかが一目で認識できる。
【0004】
上記領収書を発行する出力手段(例えば、領収書発行用のプリンタ)は、通常、課金装置に備えられており、その領収書に関連する金員情報と領収書情報は、課金装置の方で記録・管理されている。例えば、ユーザが金員を投入し、画像形成装置に機能の提供をさせると、課金装置側で、投入金額、提供された機能に対応する単価、利用金額等が順次記録される。
【0005】
領収書が必要なユーザは、画像形成装置に所定の処理を行わせる前に、課金装置に備えられた領収書発行予約ボタンを押下して、領収書に記載させるデータの開始点を課金装置に記憶させておき、所定の処理が終了した後に、課金装置に備えられた領収書発行ボタンを押下して、当該開始点から領収書発行ボタンが押下された時点までに記録されたデータに基づいて領収書を発行させる。
【0006】
しかし、上述した領収書の発行方法では、例えば、ユーザが領収書発行予約ボタンを押下し忘れた場合や領収書発行予約ボタンの存在を知らなかった場合、課金装置が、そのユーザの実行した処理に関連するデータを特定することが出来ず、適切な領収書を発行することが出来ないという問題があった。発行するにしても、一度領収書発行予約ボタンが押下されずに処理が実行されると、ユーザは、自己の処理に関連するデータを検索・決定することが出来ないため、大抵、店員等の管理者の手を借りなければならず、手間が掛かり、領収書発行が煩わしいという問題があった。
【0007】
上記問題を解決するために、特開2005−149459号公報(特許文献1)には、記録媒体に画像を形成する画像形成装置を有し、この画像形成装置により画像が形成された記録媒体に課金を行う画像形成管理装置に用いられる領収書発行装置であって、上記画像形成装置からの画像形成枚数、記録媒体のサイズデータ、記録媒体にカラー画像を形成するかどうかを示すカラーデータや、課金対象の情報を記憶する記憶手段と、情報を出力して領収書を発行する手段とを有し、領収書の発行対象を自動的に判断することを特徴とする領収書発行装置が開示されている。上記構成により、領収書の発行対象を自動的に判断するため、店員の手を煩わせることなく不慣れなユーザでも簡単に領収書を出すことが可能であり、画像形成の後からでも自動的に領収書を発行できるとしている。
【特許文献1】特開2005−149459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ユーザが領収書発行ボタンを押下し忘れた場合でも、所定の期間内の処理に関するデータを保持しておき、そのデータに基づいて領収書を発行するよう構成しているが、通常、領収書発行ボタンを押下し忘れてから、忘れたことを思い出して、再度領収書発行を行なう場合は稀であり、その場合には、保持していたデータが消去されている等のトラブルが発生し、上記技術の効果が適切に発揮されていないという問題がある。
【0009】
さらに、特許文献1に記載の技術では、自動的に領収書の発行対象を判断するものの、発行される領収書と、ユーザが希望している領収書とが必ずしも一致しないという実態がある。例えば、複数のユーザのうち、所定のユーザでは、利用金額のみの領収書を希望しているにもかかわらず、詳細な明細情報が記載された領収書が発行される場合がある。その場合、領収書の発行対象が、ユーザが処理を行なった対象と一致していても、不必要な情報が領収書に記載され、無駄な領収書の発行を招くという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、領収書の発行し忘れを防止するとともに、ユーザの意図に沿った領収書を発行することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、領収書を出力する課金装置が接続された画像形成装置において、ユーザが設定条件の入力を行なう前に、上記領収書を出力するか否かの選択をユーザから受け付ける領収書要不要受付手段を備える。
【0012】
領収書には、投入した金額や支払われた金額に関連する情報である金員情報と、ユーザによって入力される設定条件とが付与されるが、その他の情報として、例えば、画像形成装置の設置店、業者のロゴに関する画像、店舗名、業者名、住所、電話番号等に関連する情報が追加されていても構わない。さらに、キャンペーン情報、お得情報、広告、メッセージ等が追加させても構わない。
【0013】
設定条件とは、画像形成装置に機能を提供させる際に、その機能に関してユーザが入力する条件のことであり、例えば、コピー機能であれば、モノクロ読取(グレースケール読取ともいう)、カラー読取、2値読取などの画質に関する設定条件や、A4シート、A5シート、B4シートなどの用紙サイズに関する設定条件等が挙げられる。
【0014】
画像形成装置が提供する機能には、例えば、コピー機能、ファクシミリ送信機能、プリント機能、スキャン機能、ネットワークスキャン機能、メモリ機能、後処理機能等が採用される。上記ネットワークスキャン機能とは、PC等にて加工可能な画像データを、ネットワーク上で接続されているPC等に送信する機能のことである。また、メモリ機能とは、読み取った画像データを所定のデータ量で保存しておく機能のことであり、後処理機能とは、印刷されたシートに、パンチ、ステープル、製本処理等を施すことである。
【0015】
ユーザが行なう設定条件の入力方法には、例えば、画像形成装置が、タッチパネル上に、所定の設定条件に対応する項目を複数表示させた設定条件入力画面を表示して、ユーザが当該項目を押下することによって所定の設定条件を入力する方法、ユーザが画像形成装置に備えられた所定の操作キーを押下することによって所定の設定条件を入力する方法、ユーザが画像形成装置と通信可能な端末を利用して入力する方法等が挙げられる。
【0016】
領収書を出力する方法は、例えば、シートに印字を施して出力する方法、レシートとして感熱紙に出力する方法、eメール等によって所定の送信先に出力する方法等が挙げられる。
【0017】
領収書を出力するか否かの選択をユーザから受け付ける方法は、例えば、操作部に備えられた所定の操作キーの押下によって受け付ける方法、操作部に備えられたタッチパネルに選択に関連する項目や画面を表示させて、その項目等の押下によって受け付ける方法、さらに、タッチパネル近傍に入力可能なタッチペンを用意し、そのタッチペンの接触によって受け付ける方法等が挙げられる。
【0018】
さらに、領収書要不要受付手段が領収書を出力するか否かの選択を受け付ける際に、その選択以外の信号の入力を禁止する入力禁止手段を備えるよう構成することができる。
【0019】
選択以外の信号の入力を禁止する方法は、例えば、領収書を出力するか否かの選択を受け付ける際に、選択以外の信号の入力に関連するセンサを停止する方法、領収書を出力するか否かの選択を受け付けた後にのみ、設定条件の入力を可能とする設定条件入力画面を表示させる方法等が挙げられる。
【0020】
さらに、領収書要不要受付手段が領収書を出力するという選択を受け付けた際に、領収書の仕上りイメージを模した領収書プレビューを複数表示して、その複数の領収書プレビューのうち、一の領収書プレビューの選択をユーザから受け付ける領収書プレビュー受付手段を備え、上記入力禁止手段は、領収書プレビュー受付手段が一の領収書プレビューの選択を受け付ける際に、その選択以外の信号の入力を禁止するよう構成することができる。
【0021】
領収書プレビューは、例えば、出力される領収書を分かりやすく記号化した図形または絵文字を採用することができる。領収書プレビューに付与される情報には、入力された設定条件、ユーザの投入した金員の合計金額、利用金額、残金などの領収書の明細に該当する金員情報、画像形成装置の設置店、業者のロゴに関する画像、店舗名、業者名、住所、電話番号等に関連する領収書情報が該当する。
【0022】
複数の領収書プレビューには、例えば、金員情報のうち、利用金額のみが付与された領収書プレビュー、詳細な明細が付与された領収書プレビュー等が挙げられる。また、設定条件のうち、画質に関する設定条件のみが付与された領収書プレビュー、用紙サイズに関する設定条件のみが付与された領収書プレビュー、詳細な設定条件が付与された領収書プレビュー等が挙げられる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の画像形成装置によれば、ユーザが設定条件の入力を行なう前に、上記領収書を出力するか否かの選択をユーザから受け付ける領収書要不要受付手段を備えるよう構成している。
【0024】
これにより、ユーザが設定条件を入力したり、画像形成装置に機能を提供させる前段階で、画像形成装置が領収書の必要性を問いただすこととなるため、画像形成装置が機能の提供を終了した後になって、ユーザが領収書を発行する必要があることを思い出すという事態を排除することとなる。また、画像形成装置が機能提供する前段階で、領収書を出力するか否かの設定が画像形成装置に行なわれていることとなるため、領収書に付与させる情報の開始点が不明になることもない。その結果、ユーザによる領収書の発行し忘れを防止するとともに、領収書を発行する場合は、そのユーザが実行させた処理に関する領収書を適切に発行することが可能となる。
【0025】
さらに、領収書要不要受付手段が領収書を出力するか否かの選択を受け付ける際に、その選択以外の信号の入力を禁止する入力禁止手段を備えるよう構成することができる。
【0026】
これにより、ユーザが、領収書を発行するか否かの選択をしなければ、機能提供に関連する設定条件の入力をすることが出来ないこととなる。そのため、ユーザが画像形成装置に機能提供させた後に、領収書の発行を希望するという事態を排除するとともに、設定条件の入力前に、領収書を発行するか否かの選択を受け付けているため、領収書に記載させるデータの開始点が不明になることもない。その結果、ユーザによる領収書の発行し忘れを防止するとともに、領収書を発行する場合、ユーザが実行させた処理に関する領収書を適切に発行することが可能となる。
【0027】
さらに、領収書要不要受付手段が領収書を出力するという選択を受け付けた際に、領収書の仕上りイメージを模した領収書プレビューを複数表示して、その複数の領収書プレビューのうち、一の領収書プレビューの選択をユーザから受け付ける領収書プレビュー受付手段を備え、上記入力禁止手段は、領収書プレビュー受付手段が一の領収書プレビューの選択を受け付ける際に、その選択以外の信号の入力を禁止するよう構成することができる。
【0028】
これにより、ユーザが領収書の出力を希望する場合、複数の領収書プレビューのうち、一の領収書プレビューを選択しなければ、設定条件の入力をすることが出来ないこととなる。そのため、領収書プレビューの選択に先立って、画像形成装置が機能提供を開始することがなく、領収書に記載させるデータの開始点が不明になることもない。また、複数の領収書プレビューを表示しているため、領収書の選択肢が広がり、ユーザは、自己の意図に沿った領収書を選択・出力することができ、不要な情報が付与された領収書を無駄に発行することはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。また、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0030】
<画像形成装置>
以下に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
【0031】
図1は、課金装置が接続された画像形成装置の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0032】
なお、本発明の画像形成装置は、例えばプリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピーサービス、スキャナサービス、ファクシミリサービス、プリンタサービス等の処理を実行する画像形成装置として機能する。以下に、例えばコピーサービスを利用する場合の複合機100の動作を簡単に説明する。
【0033】
ユーザが、例えば原稿Pのコピーサービスを実現する場合、原稿Pを複合機100に備えられている原稿台101に載置し、課金装置200に設けられたコイン投入口201に所定数の金員を投入する。すると、課金装置200がケーブル109aを介して、複合機200の原稿台101近傍に設けられた操作部102が入力可能、すなわちコピーサービス提供可能な状態とする。操作部102には、複合機100が提供する機能に関連する複数の機能項目が画面に表示されるため、ユーザはその画面を見ながら、自己の意図に沿ったコピーサービスに関する設定条件の入力を行なう。
【0034】
設定条件の入力が終了後、ユーザは操作部102に設けられたスタートキーを押下して、複合機100に印刷処理を開始させる。印刷処理が開始されると、画像読取部103において、光源104から照射された光が、原稿台101に置かれた原稿Pに反射される。反射された光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた光は撮像素子106により光電変換されて、原稿Pの画像が、基本的な補正処理、画質処理、圧縮処理等を施され、画像データとなる。ここで、画像データは、複合機100に接続された通信ケーブル109bを介して他機から当該複合機100に受信される場合や原稿台101に設けられた自動原稿給送装置によって読み取られる場合もある。
【0035】
さて、画像データが生成されると、当該画像データは画像形成部110に送られ、伸張処理を施され、トナー像として転写されることとなる。画像形成部110には感光体ドラム111が備えられており、当該感光体ドラム111は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器112、露光ユニット113、現像器114、転写器115、クリーニングユニット116などが配置されている。
【0036】
帯電器112は、感光体ドラム111の表面を一様に帯電させる。露光ユニット113は、帯電された感光体ドラム111の表面に、画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。現像器114は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、転写器115により、記録媒体(例えば、シート)に転写される。クリーニングユニット116は、感光体ドラム111の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、感光体ドラム111が回転することにより実行される。
【0037】
上述したシートは、複合機100に備えられた複数の給紙カセット117から搬送される。搬送される時に、シートはピックアップローラ118により、何れか1つの給紙カセット117から搬送路へ引き出される。上記各給紙カセット117には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、ユーザが入力した設定条件に基づいてシートが給紙される。
【0038】
搬送路に引き出されたシートは、搬送ローラ119やレジストローラ120により感光体ドラム111と転写器115の間に送り込まれる。送り込まれると、上記シートは上記転写器115により上記トナー像が転写され、定着装置121に搬送される。尚、搬送ローラ119に搬送されるシートは、複合機に備えられた手差しトレイ122から搬送される場合もある。
【0039】
トナー像が転写されたシートが、定着装置121に備えられた加熱ローラ123と加圧ローラ124の間を通過すると、そのトナー像に熱と圧力が印加されて、可視像がシートに定着される。加熱ローラ123の熱量は紙種に応じて最適に設定され、上述した定着が適切に行われる。可視像が定着されたシートは、定着装置121を経て排出トレイ125に排出される。
【0040】
コピーサービスの提供が終了すると、課金装置200にて、利用金額および残金が算出されるとともに、入力された設定条件、単価、利用金額、残金が一時記憶される。
【0041】
ユーザは課金装置200のつり銭払い戻しボタン202を押下すると、残金に対応する金員がコイン返却口203へ払い戻されるとともに、課金装置200に備えられた領収書プリンタ204が駆動して、一時記憶された単価等が付与された所定の領収書が発行される。
【0042】
上記手順により、複合機100はコピーサービスをユーザに提供する。また、複合機100が他のサービスを提供する場合も、画像読取部103と画像形成部110とが駆動して提供する。
【0043】
なお、ユーザの設定条件に従って機能提供を実行する手段を機能提供手段、課金装置200に投入された金員等を管理したり、複合機100を機能提供可能な状態へ移行する手段を金員情報管理手段とする(後述する)。
【0044】
図2は、複合機100に備えられた操作部102の外観の一例を示す図である。ユーザは、上記操作部102を用いて、上述のような機能提供についての設定条件等を入力したり、設定条件を確認したり、複数の領収書プレビューを確認したり、一の領収書プレビューを選択したりする。設定条件の入力や一の領収書プレビューの選択が行なわれる際に、上記操作部102に備えられたタッチパネル211、タッチペン212、操作キー213が用いられる。
【0045】
上記タッチパネル211には、設定条件を入力したり、領収書プレビューを選択したりする機能と、設定条件および領収書プレビューを表示する機能が兼ね備えられている。すなわち、タッチパネル211上に表示された画面内の項目・領収書プレビューを押下することによって、項目に関連付けられた設定条件の入力や領収書プレビューの選択が行なわれる。また、入力された設定条件の項目や選択された領収書プレビューの背景色は、その入力・選択に連動して白色から灰色へ変更されるため、背景色に基づいて、入力された設定条件、選択された領収書プレビューが確認される。
【0046】
タッチパネル211の近傍には、タッチペン212が備えられており、ユーザがそのタッチペン212の先をタッチパネル211に接触させると、タッチパネル211下方に設けられたセンサが接触先を検知する。そのため、タッチペン212の接触により、表示された項目の選択が可能である。
【0047】
さらに、タッチパネル211近傍には、所定数の操作キー213が設けられ、例えば、テンキー214、スタートキー215、クリアキー216、ストップキー217、リセットキー218、電源キー219が備えられている。なお、上記テンキー214は、部数や倍率を設定する際に具体的な数字の入力に用いられる。
【0048】
次に、図3を用いて、複合機100と課金装置200との制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、複合機100と課金装置200とにおける制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0049】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、インターフェイス305、各駆動部に対応するドライバ306を内部バス307によって接続している。上記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、上記ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ306と図示しない操作部102からのデータ、指示を授受し、上記図1に示した各駆動部等の動作を制御する。また、上記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、上記CPU301がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。上記ROM302、HDD304等には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0050】
インターフェイス305は、ケーブル109aを介して、複合機100と課金装置200とを接続する。上記CPU301は、このインターフェイス305を通じて、複合機100とデータや指示を授受し、各駆動部の動作を制御する。
【0051】
課金装置200の制御回路は、CPU308、ROM309、RAM310、各駆動部に対応するドライバ311、インターフェイス312を内部バス313によって接続している。上記CPU308は、上記と同様に、上記RAM310を作業領域として利用し、上記ROM309等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ311とデータや指示を授受し、投入金員の計算や残金の払い戻し等を制御する。インターフェイス312により、複合機100とデータや指示が授受される。図3には示していないが、課金装置200にHDDが具備されていても構わない。
【0052】
<本発明の実施形態>
次に図4、図5を参照しながら、本発明の複合機100が、領収書の発行し忘れを防止するとともに、ユーザの意図に沿った領収書を発行する手順について説明する。図4は、本発明の複合機100の機能ブロック図である。図5は、本発明の複合機100の動作を示すためのフローチャートである。
【0053】
まず、ユーザが課金装置200のコイン投入口201に所定数の金員を投入すると、金員情報管理手段401が、複合機100の駆動を許可し、複合機100の領収書要不要受付手段402に、領収書を発行するか否かの選択を受け付ける旨の命令を送信する(図5:S101)。すると、領収書要不要受付手段402は、上記命令に従い、領収書を発行するか否かの選択を受け付ける画面である領収書要不要受付画面をタッチパネル211上に表示する(図5:S102)。なお、投入金額は、投入された金員に基づいて算出され、金員情報管理手段401に一時記憶される。
【0054】
領収書要不要受付画面には、図6Aに示すように、領収書を発行するか否かの選択を促すメッセージ「領収書を発行させますか?」601と、標準的な領収書の仕上りイメージを模した標準領収書プレビュー602と、領収書が必要である旨の信号を送信させる「必要」ボタン603と、領収書が不要である旨の信号を送信させる「不要」ボタン604とが表示される。
【0055】
さらに、領収書要不要受付手段402は、入力禁止手段403に、領収書要不要受付画面からの入力信号以外の信号は入力不可とする旨の命令を送信する。上記命令を受信した入力禁止手段403は、領収書要不要受付画面からの入力信号以外の信号、例えば、操作キー等に関連するセンサの信号の入力を禁止する。具体的には、入力禁止手段403が操作キー等に関連するセンサを停止する、無効化する等である。
【0056】
領収書の発行を希望するユーザは、領収書要不要受付画面を見ながら、「必要」ボタン603を押下すると、領収書要不要受付手段402が、領収書プレビュー受付手段404に、一の領収書プレビューの選択を受け付ける旨の命令を送信する(図5:S103YES)。
【0057】
すると、領収書プレビュー受付手段404は、領収書プレビュー記憶手段405に記憶されているプレビューテーブルを参照して、そのプレビューテーブルに記憶された領収書プレビューに対応する画像データを、画像データがプレビューテーブルに記憶されている順番に所定数(ここでは、4種類の画像データ)取得し、領収書要不要受付画面を、画像データから生成された4種類の領収書プレビューを表示する領収書プレビュー受付画面に切り替え表示する(図5:S104)。なお、この時点でも、入力禁止手段403は、上記領収書プレビュー受付画面からの入力信号以外の信号、例えば、操作キー等に関連するセンサの信号の入力を禁止する。
【0058】
プレビューテーブルには、図6Bに示すように、領収書プレビューに対応する画像データ605と、その領収書プレビューに付与される複数の情報(付与情報)606とが関連付けて記憶されている。上記画像データが領収書プレビューに変換されると、その画像データに関連付けられた付与情報が領収書プレビューに表示されるよう構成されている。上記付与情報606は、ユーザが投入した金員または支払った金員に関連する金員情報607と、ユーザが入力した設定条件608(複合機が提供した機能に関連する設定条件)とに区分けされる。また、上記金員情報は、設定条件に対応する単価、単価に枚数等を掛け合わせて算出される利用金額(支払金額)、利用金額を合計した合計利用金額(合計支払金額)、ユーザが投入した投入金額(預かり金額)、投入金額から(合計)支払金額を差し引いた残金(お釣り金額)に区分けされる。また、上記設定条件は、提供した機能に関する機能情報(例えば、コピー、ファクシミリ送信等)、読み取った原稿の画像データの画質に関する画質設定条件(例えば、モノクロ、カラー等)、印字したシートのサイズに関する用紙サイズ設定条件(例えば、A4、B4等)、機能提供したシートの枚数に区分けされる。画像データと付与情報とが関連付けられていることを示すために、例えば、画像データに設けられた付与情報の枠毎に、画像データと付与情報とを関連付けることを示す情報「○」609がそれぞれ記憶される。
【0059】
さて、領収書プレビュー受付画面には、図7Cに示すように、領収書プレビューの選択を促すメッセージ「発行を希望する領収書を選択して下さい。」701と、先ほどの4種類の領収書プレビュー702と、4種類の領収書プレビュー以外の領収書プレビューを表示させる「その他表示」ボタン703と、領収書要不要受付画面を領収書プレビュー受付画面に戻らせる「戻る」ボタン704と、選択された領収書プレビューに決定させる「領収書決定」ボタン705と、予めユーザにより記憶されたプログラムを駆動させる「応用」ボタン706とが表示される。なお、4種類の領収書プレビュー702は、ユーザによって押下・選択可能に表示される。また、上記プログラムは、例えば、表示される領収書プレビューの個数を変更するプログラム、領収書プレビュー内の表示のうち、片仮名表示を平仮名表示または漢字表示へ相互変更するプログラム等が記憶される。
【0060】
領収書プレビューには、図7Dに示すように、課金装置200に予め記憶されている情報であり、金員投入や設定条件によって更新されない情報である領収書情報707と、上記プレビューテーブルによって関連付けられた金員情報708と設定条件709の全部または一部が付与され表示される。さらに、表示される4種類全ての領収書プレビューは相互に異なる形態で表示される(例えば、図7Dに示す領収書プレビューA(710)と、図7Eに示す領収書プレビューB(711)と比較すると、領収書プレビューA(710)には、用紙サイズ設定条件が付与されているものの、領収書プレビューB(711)には、その用紙サイズ設定条件が付与されていないものとなる)。そのため、ユーザは、4種類の領収書プレビューを見ながら、自己の意図に沿った領収書プレビューを選択することが可能となる。なお、領収書情報とは、領収書であることを示す定形文字(例えば、「領収書」)、業者のロゴに関する画像情報、住所および電話番号等に関する情報、メッセージ等に関する情報が該当する。
【0061】
さて、ユーザは、領収書プレビュー受付画面を見ながら、自己の意図に沿った領収書プレビューA(710)(付与情報として、利用金額、合計利用金額、投入金額、残金、機能情報、画質設定条件、用紙サイズ設定条件、枚数が表示された領収書プレビュー)をタッチペン等で選択すると、領収書プレビュー受付手段404が、選択された領収書プレビューA(710)の背景色を白色から灰色へ変更する(図5:S105)。なお、ここで、ユーザが、領収書プレビューA(710)と異なる領収書プレビューB(711)を続けて選択する場合、領収書プレビュー受付手段404が、領収書プレビューA(710)の背景色を白色へ戻すとともに、領収書プレビューB(711)の背景色を灰色へ変更する。
【0062】
さらに、ユーザが「領収書決定」ボタン705を押下すると、領収書プレビュー受付手段404が、プレビューテーブルを参照して、領収書プレビューA(710)の画像データに関連付けられた付与情報、言い換えると、「○」が記憶されている付与情報(利用金額、合計利用金額、投入金額、残金、機能情報、画質設定条件、用紙サイズ設定条件、枚数のこと、以下、付与基準情報という)を取得し、金員情報管理手段401に送信する(図5:S106)。金員情報管理手段401は、領収書を発行する際に参照するよう、受信した付与基準情報を一時記憶する。
【0063】
さらに、領収書プレビュー受付手段404は、入力禁止手段403に、操作部からの信号の入力を許可する旨の命令を送信する。すると、入力禁止手段403は、操作部からの信号の入力を受け付けるよう制御し、さらに、受付手段406に、コピーサービスに関する設定条件を受け付ける旨の命令を送信する。すると、受付手段406は、図8Fに示すように、コピーサービスの設定条件入力画面をタッチパネル上に表示するとともに、機能提供手段406が駆動し、複合機が機能提供可能な状態へと移行することとなる(図5:S107)。なお、設定条件入力画面を表示する際には、受付手段406は、金員情報管理手段401から投入金額を受信し、設定条件入力画面にその投入金額801を表示する。
【0064】
ユーザは、載置台101bに原稿を載置し、設定条件入力画面を見ながら、設定条件(モノクロ、A4、2枚)を入力すると、受付手段406が、受け付けた設定条件を金員情報管理手段401に送信する。金員情報管理手段401は、受信した設定条件に対応する単価を、予め課金装置200に記憶されている単価テーブルから読み取り、単価と枚数とを掛け合わせて利用金額を算出する。さらに、投入金額と利用金額とを比較し、利用金額が投入金額以下の場合は、金員情報管理手段401が、受付手段406に、コピー実行可能である旨の命令を送信する。受付手段406は、設定条件入力画面上に、コピー実行可能である旨のメッセージを表示する(図5:S108)。一方、利用金額が投入金額を超える場合、金員情報管理手段401が、受付手段406に、コピー実行不可能である旨の命令を送信し、受付手段406が、設定条件入力画面上に、再度設定条件の入力を求める旨のメッセージを表示することとなる。
【0065】
さて、コピー実行可能である旨のメッセージを確認したユーザが、スタートキー215を押下すると、機能提供手段406が、受け付けた設定条件に従って、原稿の画像データを読み取り、その画像データに基づいて画像形成し、シートを排出する(図5:S109)。上記処理が終了すると、金員情報管理手段401は投入金額から利用金額を差し引いた金額である残金を算出し、受付手段406は、設定条件入力画面上にその残金を表示する。
【0066】
さらに、金員情報管理手段401は、算出した金員情報(ここでは、単価(10円)、投入金額(500円)、利用金額(20円)、残金(480円))と、設定条件(機能情報(コピー)、画質設定条件(モノクロ)、用紙サイズ設定条件(A4)、枚数(2枚))とを一時記憶する(図5:S110)。一時記憶された金員情報等を、以下、履歴情報という。この履歴情報は、処理が終了する毎に、その処理に対応する金員情報と設定条件とが順次追加されて記憶されることとなる。
【0067】
ここまでで、コピーサービスに関する設定条件の入力から画像形成の実行までの処理が一つ終了することとなる。
【0068】
上記処理が、所定回数、様々な設定条件にて繰り返された後に(図5:S111)、ユーザが課金装置200のつり銭払い戻しボタン202を押下すると、金員情報管理手段401が、現時点の残金に対応する金員をつり銭返却口203に返却する(図5:S112)。
【0069】
さらに、金員情報管理手段401は、付与基準情報が一時記憶されていることをフラグとして、領収書を発行する必要があると判別し、その付与基準情報に対応する数値または情報(例えば、合計利用金額であれば、その数値)を、先ほどの履歴情報に基づいて算出する(図5:S113YES)。
【0070】
上記履歴情報には、図9に示すように、シリアル番号901と、日時902と、金員情報903(単価、投入金額、利用金額、残金)と、設定条件904(機能情報、画質設定条件、用紙サイズ設定条件、枚数)とをテーブル状に関連付けて記憶されているので、例えば、付与基準情報のうち、合計利用金額を算出する場合、金員情報管理手段401が、履歴情報に記憶された全ての利用金額905を合算する。このような算出処理が、付与基準情報全てについて行われる。
【0071】
上記処理が終了すると、金員情報管理手段401は、算出した付与基準情報と、予め記憶されている領収書情報とを出力手段408へ送信し、出力手段408は、受信した情報に基づいて、図8Gに示すように、ユーザが選択した領収書プレビューと同一の形式を有する領収書を発行する(図5:S114)。
【0072】
さらに、金員情報管理手段401は、履歴情報を履歴情報蓄積手段409の蓄積テーブルに記憶させ、一時記憶された付与基準情報と、履歴情報とを消去する(図5:S115)。履歴情報蓄積手段409の蓄積テーブルは、例えば、所定の記憶メディアを課金装置200に備えられた情報吸出口に接続することによって、吸出可能である。
【0073】
これにより、領収書の発行を希望するユーザの手順は終了する。
【0074】
ところで、領収書の発行を希望しないユーザでは、ユーザが設定条件を入力する前の段階、すなわち、領収書要不要受付画面がタッチパネル211上に表示されている段階において(図6A)、領収書要不要受付画面の「不要」ボタン604を押下することとなる(図5:S103NO)。領収書要不要受付手段402が、上記「不要」ボタン604の押下を検知すると、入力禁止手段403に、操作部102からの信号の入力を許可する旨の命令を送信する。すると、入力禁止手段403は、操作部102からの信号の入力を受け付けるよう制御し、受付手段406にコピーサービスの設定条件入力画面を表示させる(図5:S107)。なお、この場合、領収書要不要手段402は、領収書プレビュー受付手段404と通信することはなく、付与基準情報が一時記憶されることもない。
【0075】
受付手段406がユーザによる設定条件の入力を受け付けてから(図5:S108)、金員情報管理手段401が、残金に対応する金員をつり銭返却口203に返却するまでの処理(図5:S112)は、上記と同様であるが、金員情報管理手段401は、付与基準情報が一時記憶されていないことをフラグとして、領収書を発行する必要がないと判別し(図5:S113NO)、出力手段408と通信することなく、金員情報管理手段は、履歴情報を蓄積テーブルに記憶させるとともに、一時記憶された履歴情報自体を消去する(図5:S115)。なお、履歴情報は、上記付与基準情報が記憶されているか否かに関わらず、一時記憶される。
【0076】
このように、本発明の画像形成装置は、ユーザが設定条件の入力を行なう前に、上記領収書を出力するか否かの選択をユーザから受け付ける領収書要不要受付手段を備えるよう構成している。
【0077】
これにより、ユーザが設定条件を入力したり、画像形成装置に機能を提供させる前段階で、画像形成装置が領収書の必要性を問いただすこととなる。そのため、画像形成装置が機能の提供を終了した後になって、ユーザが領収書を発行する必要があることを思い出すという事態を排除することとなる。また、画像形成装置が機能提供する前段階で、領収書を出力するか否かの設定が画像形成装置に行なわれていることとなるため、領収書に付与させる情報の開始点が不明になることもない。その結果、ユーザによる領収書の発行し忘れを防止するとともに、領収書を発行する場合は、そのユーザが実行させた処理に関する領収書を適切に発行することが可能となる。
【0078】
さらに、領収書要不要受付手段が領収書を出力するか否かの選択を受け付ける際は、その選択以外の信号の入力を禁止する入力禁止手段を備えるよう構成することができる。
【0079】
これにより、領収書を出力するか否かの設定が行なわれる前段階で、ユーザが先に設定条件を入力したり、画像形成装置に機能提供を開始させる信号を入力しても、画像形成装置が入力を受け付けないこととなる。そのため、領収書の出力設定に先立って、画像形成装置が機能提供を開始することがなく、常に、ユーザが領収書の必要性を一度確認してから、設定条件の入力をすることとなり、ユーザによる領収書の発行し忘れを防止することが可能となる。
【0080】
さらに、領収書要不要受付手段が領収書を出力するという選択を受け付けた後に、領収書の仕上りイメージを模した領収書プレビューを複数表示して、その複数の領収書プレビューのうち、一の領収書プレビューの選択をユーザから受け付ける領収書プレビュー受付手段を備え、上記入力禁止手段は、領収書プレビュー受付手段が一の領収書プレビューの選択を受け付ける際は、その選択以外の信号の入力を禁止するよう構成することができる。
【0081】
これにより、ユーザが領収書の出力を希望する場合、複数の領収書プレビューのうち、一の領収書プレビューを選択しなければ、設定条件の入力をすることが出来ないこととなる。そのため、領収書プレビューの選択に先立って、画像形成装置が機能提供を開始することがなく、領収書に記載させるデータの開始点が不明になることもない。また、複数の領収書プレビューを表示しているため、領収書の選択肢が広がり、ユーザは、自己の意図に沿った領収書を選択・出力することができ、不要な情報が付与された領収書を無駄に発行することはない。
【0082】
なお、本発明の実施形態では、金員情報管理手段が、コイン投入口201に投入されたコインに類する金員を検知するよう構成したが、金員には、例えば、硬貨等のコイン以外にも、有価物であれば、紙幣やクレジットカード、ポイントカード等でも構わない。
【0083】
また、本発明の実施形態の金員情報管理手段は、領収書プレビュー受付手段から送信された付与基準情報を一時記憶し、その付与基準情報が一時記憶されているか否かによって、領収書を発行するか否かの判別するよう構成したが、他の方法を採用しても構わない。例えば、金員情報管理手段が、付与情報を算出する際に、領収書プレビュー受付手段と通信して、一の領収書プレビューが選択されているか否か、選択された付与基準情報が特定されているか否かを検知するよう構成しても構わない。
【0084】
また、本発明の実施形態の金員情報管理手段は、所定の処理が終了した際に、その処理に関連する金員情報と設定条件(履歴情報)を一時記憶し、つり銭払い戻しボタンが押下された際に、一時記憶されている履歴情報に基づいて付与情報を算出するよう構成したが、他の方法を採用しても構わない。例えば、領収書要不要受付手段が領収書を出力するという選択を受け付けた際に、または領収書プレビュー受付手段が一の領収書プレビューの選択を受け付けた際に、履歴情報蓄積手段の蓄積テーブルと通信し、付与情報の対象となる範囲の始点を記憶させ、つり銭払い戻しボタンが押下された際に、金員情報管理手段が、つり銭払い戻しボタンが押下される前に記憶された履歴情報から上記始点までの履歴情報の範囲に基づいて付与情報を算出するよう構成しても構わない。
【0085】
また、本発明の実施形態の領収書プレビュー受付手段は、複数の領収書プレビューを表示するよう構成したが、他の方法を採用しても構わない。例えば、付与情報のうち、所定の金員情報または設定条件を示した選択項目を表示して、その選択項目の選択、組合せによって、一の領収書(プレビュー)の選択を受け付けるよう構成しても構わない。上記構成により、ユーザが、領収書に付与される情報のうち、自己の意図に沿った情報を選択することが可能となり、常に、自己の意図に沿った領収書を発行することが可能となる。また、さらに、選択された選択項目に対応する領収書プレビューを表示する表示手段を設けても構わない。上記構成により、ユーザは、発行させる領収書を常に視認することができるため、ユーザの意図に沿わない領収書を発行する可能性は極めて小さくなる。
【0086】
また、本発明の実施形態の領収書プレビュー受付手段は、プレビューテーブルに記憶されている画像データを、画像データがプレビューテーブルに記憶されている順番に所定数取得し、その画像データに対応する領収書プレビューを表示するよう構成したが、他の順番で表示するよう構成しても構わない。
【0087】
例えば、さらに、領収書プレビューが選択された頻度をカウントするカウント手段を設け、領収書プレビュー受付手段が、そのカウント結果に基づいて、選択頻度が高い順番に所定数の画像データを取得するよう構成しても構わない。上記構成により、ユーザは、領収書プレビューを迅速かつ適切に選択することが可能となる。
【0088】
また、さらに、ユーザにより選択された所定の領収書プレビューを登録する登録手段を設け、領収書プレビュー受付手段が、登録された領収書プレビューに対応する画像データを含むように所定数の画像データを取得するよう構成しても構わない。上記構成により、画像形成装置の設置環境等に合致した領収書プレビューを、一の領収書プレビューが選択される前に、予め表示させることが可能となり、領収書プレビューの選択を容易かつ迅速にユーザに行なわせることが可能となる。
【0089】
また、本発明の実施形態の領収書プレビュー受付手段は、領収書要不要受付手段が領収書を出力するという選択を受け付けた後に、複数の領収書プレビューを表示するよう構成したが、さらに、ユーザにより登録された所定の領収書プレビューを自動選択する自動選択手段を設けて、領収書要不要受付手段が領収書を出力するという選択を受け付けた場合、領収書プレビュー受付手段は、自動的に所定の領収書プレビューの選択を受け付けるよう構成しても構わない。上記構成により、ユーザにより所定の領収書プレビューが登録された場合は、領収書プレビュー受付画面のステップを省略することが可能となり、迅速に設定条件の入力を実行することが可能となる。
【0090】
また、本発明の実施形態では、複合機と課金装置が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。上記構成では、上記プログラムを、例えば複合機に読み出させ、その複合機が上記各手段を実現する。その場合、上記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる記憶方法として提供することも可能である。
【0091】
また、本発明の実施形態では、コピーサービスに関して採用したが、例えば、ファクシミリサービス、スキャナサービス、プリンタサービス、ネットワークスキャンサービス後処理サービス等にも採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上のように、本発明に係る画像形成装置は、複写機、プリンタ、スキャナ、複合機等に有用であり、領収書の発行し忘れを防止するとともに、ユーザの意図に沿った領収書を発行することが可能な画像形成装置として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】課金装置が接続された複合機の概略模式図である。
【図2】複合機に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図3】複合機に係る発明の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における複合機の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示された画面等を示す第一の図である。
【図7】本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示された画面等を示す第二の図である。
【図8】本発明の実施形態に係るタッチパネル上に表示された画面等を示す第三の図である。
【図9】本発明の実施形態に係る蓄積テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
100 複合機
102 操作部
200 課金装置
211 タッチパネル
212 タッチペン
213 操作キー
401 金員情報管理手段
402 領収書要不要受付手段
403 入力禁止手段
404 領収書プレビュー受付手段
405 領収書プレビュー記憶手段
406 受付手段
407 機能提供手段
408 出力手段
409 履歴情報蓄積手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
領収書を出力する課金装置が接続された画像形成装置において、
ユーザが設定条件の入力を行なう前に、上記領収書を出力するか否かの選択をユーザから受け付ける領収書要不要受付手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
さらに、領収書要不要受付手段が領収書を出力するか否かの選択を受け付ける際に、その選択以外の信号の入力を禁止する入力禁止手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
さらに、領収書要不要受付手段が領収書を出力するという選択を受け付けた際に、領収書の仕上りイメージを模した領収書プレビューを複数表示して、その複数の領収書プレビューのうち、一の領収書プレビューの選択をユーザから受け付ける領収書プレビュー受付手段を備え、
上記入力禁止手段は、領収書プレビュー受付手段が一の領収書プレビューの選択を受け付ける際に、その選択以外の信号の入力を禁止することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−239465(P2009−239465A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80752(P2008−80752)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】