説明

画像形成装置

【課題】トナー供給装置の装着時において、現像ユニットに対するトナー供給装置の装着位置精度を高めることが可能な画像形成装置を簡便に提供する。
【解決手段】トナー供給装置30には係合突起42を有する係合部材39とシャッター43が設けられ、現像ユニット8の蓋部22には、係合突起42を摺動可能に支持するガイドレール28が設けられている。トナー供給装置30の着脱の際、係合突起42がガイドレール28に係合し、これに案内されることにより、トナー供給装置30は所定経路を移動することができ、トナー供給装置30と現像ユニット8とを位置精度良く連結することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置に関し、特に装置本体に対し着脱されるトナー供給装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置の構成を図11に示す。画像形成装置(例えばプリンタ)100では、画像形成動作を行う場合、帯電ユニット4により図中時計回りに回転する感光体ドラム5が一様に帯電され、原稿画像データに基づく露光ユニット(レーザ走査ユニット等)7からのレーザビームにより感光体ドラム5上に静電潜像が形成され、現像ユニット8により静電潜像に現像剤(以下、トナーという)が付着されてトナー像が形成される。
【0003】
この現像ユニット8へのトナーの供給はトナーコンテナ9から行われる。なお、画像データはパーソナルコンピュータ(図示せず)等から送信される。また、感光体ドラム5の表面の残留電荷を除去する除電装置(図示せず)がクリーニング装置6の下流側に設けられている。
【0004】
上記のようにトナー像が形成された感光体ドラム5に向けて、用紙は用紙収容部10から用紙搬送路12及びレジストローラ対13を経由して搬送され、転写ローラ14(画像転写部)により感光体ドラム5の表面に形成されたトナー像が用紙に転写される。そして、トナー像が転写された用紙は感光体ドラム5から分離され、定着ローラ対15aを有する定着部15に搬送されてトナー像が定着される。定着部15を通過した用紙は、用紙搬送路16により装置上部に搬送され、排出ローラ対17より排出トレイ18に排出される。
【0005】
このような画像形成装置において、現像ユニット8の上方直近にトナーコンテナ9が配設されている場合には、装置スペースの関係から、露光ユニット7はトナーコンテナ9の上方のスペースに配設される。また、トナーコンテナ9の上方に露光ユニット7としてレーザ走査ユニット(LSU)を配置する場合、感光体ドラム5にLSUから照射された光を直接入射させるよう、LSUを斜めに配置することは、大きなスペースが必要となり、他の構成部材の配置状況に影響及ぼしたり、装置が大型化するおそれがある。
【0006】
このため、LSUから感光体ドラム5にレーザ光を照射するためには、LSU内のポリゴンミラー7aから反射ミラー7bを介して照射する必要があった。しかし、反射ミラー7bを介すると、反射ミラー7bでの反射状況等により、画像形成に影響を及ぼし、画質が低下すおそれがある。
【0007】
一方、トナーコンテナ9を現像ユニット8から離れた位置に配設する方法が種々提案されている。
【0008】
例えば、特許文献1には、トナー補給ローラ(現像ローラ)を有するトナー補給ケース(現像ユニット)の上面蓋に設けられたトナー供給口へトナーカートリッジ(トナーコンテナ)からトナーを供給した後、上面蓋の長手方向に沿った搬送ベルトによりトナーを搬送し、トナー供給口から遠ざかるほど幅広に形成されたトナー掻き落とし部材により搬送ベルト上のトナーを掻き落としトナー補給ローラに落下することにより、現像ユニットへトナーを補給するトナー補給機構が開示されている。これにより、トナーを均一にするために従来使用していたスパイラルを不要とし、該スパイラルの駆動音を低減すると共に小型化を図っている。
【0009】
また、特許文献2には、トナーバンク(トナーコンテナ)に縦方向に、個別に軸心回りに回転駆動する複数のトナーボトルをセットし、各トナーボトルからトナーバンクに落下したトナーを粉体ポンプユニットとトナー供給パイプから構成されるフレキシブルなトナー搬送手段によって現像ユニットに供給する方法が開示されている。これにより、回転による摩擦熱の影響でトナーが凝縮し、トナー詰まりが発生することを防止できる。
【0010】
また、特許文献3には、複数の現像器(現像ユニット)とトナーホッパ(トナーコンテナ)との間にトナー搬送中継体(トナー供給装置)を固定し、トナーホッパからトナー搬送中継体にトナーを搬送するための第1トナー搬送手段と、トナー搬送中継体から現像器にトナーを搬送するための第2トナー搬送手段とを設け、現像器が交換される際、トナー搬送中継体に対して接続及び離脱させることによって、現像器の交換作業を簡単に行うことを可能としている。
【0011】
また、特許文献4には、複数の現像ユニットを支持して回転し潜像担持体と対向する現像位置へ所望の現像ユニットを移動させる回転支持体を備え、複数の現像剤収容器(トナーコンテナ)にそれぞれ現像剤搬送路の一端を接続すると共に、他端を長手方向の異なる箇所に複数の現像剤排出口(トナー供給口)を有する筒状の現像剤分配部(トナー供給装置)に接続し、該現像剤分配部を、回転支持体の回転軸中心部に設けた挿入穴に挿入し、各現像ユニットに所定の現像剤を供給する方法が開示されている。これにより、トナーの飛散防止を図っている。
【特許文献1】特開平7−140775号公報
【特許文献2】特開平10−333412号公報
【特許文献3】特開平7−319248号公報
【特許文献4】特開平6−102765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、特許文献1の方法は、トナー供給装置のトナー供給口と現像ユニットのトナー受入口を連結してトナーを供給するものではない。また、特許文献2の方法では、空気とトナーを分離してトナーを現像ユニットに供給するトナー回収装置を着脱可能としているが、具体的な装着方法は開示されていない。さらに、特許文献3の方法では、現像ユニットの開口にトナー搬送中継体を嵌合接続しており、特許文献4の方法では、筒状の現像剤分配部を現像ユニットの挿入穴に挿入しているため、着脱が面倒であり、作業者に負担が掛かるおそれがある。
【0013】
また、トナー供給装置の現像ユニットへの装着に際しては、装着後のトナー漏れ等が発生することを防止するため、トナー供給装置を現像ユニットへ精度良く装着する必要がある。しかし、特許文献1〜4の方法は、かかる装着精度に着目して提案されたものではない。
【0014】
さらに、トナー供給装置から現像ユニットへのトナーの供給がシャッターの開閉によって規制される場合には、トナー供給装置の装着位置がずれると、シャッターの開放に支障が生じ、トナーが供給されないおそれがある。また、トナー供給装置の離脱の際、シャッターの閉鎖が不十分となり、トナー供給装置内に残ったトナーが漏れるおそれもある。
【0015】
通常、トナーコンテナはユーザにより交換可能であるが、トナー供給装置は着脱の困難性からサービスマン等によって交換されている。例えば、30万枚毎に現像ユニットを交換するような保守作業を行う場合には、現像ユニットを装置本体から離脱させるために、予めトナー供給装置を離脱させる必要があるが、この際、シャッターの閉鎖が不十分であると、トナーが大量に漏れるおそれもある。
【0016】
本発明は、上記問題点に鑑み、トナー供給装置の装着時において、現像ユニットに対するトナー供給装置の装着位置精度を高めることが可能な画像形成装置を簡便に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために本発明は、像担持体を露光する露光手段と、該露光手段により静電潜像が形成された像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体を有する現像手段と、該現像手段に供給する現像剤を収容する現像剤収容手段と、装置本体に着脱可能であり、装置本体に装着されたとき前記現像手段と連結し、前記現像手段の現像剤受入口に対し前記現像剤収容手段から搬送された現像剤を上方から供給する現像剤供給口を有する現像剤供給手段と、を備えた画像形成装置において、前記現像剤供給手段は、前記現像手段に対し前記現像剤担持体の長手方向外側に装着されると共に、前記現像剤担持体の前記長手方向と略平行になるよう前記現像剤供給手段から突出し、且つ先端に前記現像剤供給口が設けられた現像剤搬送路部を有するものであり、前記現像手段には、前記現像剤供給手段の装着時、前記現像剤搬送路部に設けられた係合部材を摺動可能に支持すると共に所定の位置に案内する、案内部材が設けられたことを特徴としている。
【0018】
また本発明は、前記露光手段が、前記現像剤収容手段の下方、且つ前記現像手段及び前記現像剤搬送路部の上方を通して像担持体に光を照射可能に配設されることを特徴としている。
【0019】
また本発明は、前記現像剤供給手段には、装置本体に対する着脱動作に応じて前記現像剤供給口を開閉する開閉部材が設けられたことを特徴としている。
【0020】
また本発明は、前記係合部材には、前記現像剤供給手段が装着されたとき前記現像剤供給口に対し前記現像手段とは反対側から前記現像剤供給口へ向かう空気流を制限する衝立部材が配設されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1の構成によれば、現像手段に、現像剤供給手段から突出した現像剤搬送路部に設けられた係合部材を摺動可能に支持する案内部材を設け、現像剤供給手段の装着時、現像剤供給手段を所定の位置に案内することによって、現像剤供給手段を現像手段における現像剤担持体の長手方向外側に配設し、現像剤搬送路部の先端に設けられた現像剤供給口を現像手段の現像剤受入口に精度良く対面させ、現像剤供給手段と現像手段とを連結することが可能となる。これにより、簡便な方法で、現像剤供給手段の装着時において、現像手段に対する装着位置の精度を高めることが可能となる。
【0022】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、現像剤収容手段の下方且つ現像手段及び現像剤搬送路の上方を通して像担持体に光を照射するよう露光手段を配設することにより、反射ミラー等を介さず、露光手段の長手方向と平行に光を照射し、像担持体を露光することが可能になるため、画質を向上させることができる。
【0023】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1または第2の構成の画像形成装置において、現像剤供給手段に、装置本体に対する着脱動作に応じて現像剤供給口を開閉する開閉部材を設けることによって、現像剤供給手段の着脱時における現像剤供給口からのトナーの漏れを抑制することができる。また、この際、現像手段に対する現像剤供給手段の装着位置精度が高められているため、現像剤供給手段の位置ずれに伴う開閉部材の開閉動作不良を防止することができる。
【0024】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1〜第3のいずれかの構成の画像形成装置において、係合部材を、現像剤供給手段が装着されたとき現像剤供給口に対し現像手段とは反対側から現像剤供給口へ向かう空気流を制限する衝立部材を配設することによって、現像剤供給口と現像剤受入口との連結部への空気流の侵入を制限することができる。これにより、かかる連結部で微量の現像剤が不可避的に漏れた場合でも、現像剤の飛散を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の画像形成装置に用いられる現像ユニットを斜め上方から見た斜視図であり、図2は、斜め下方から見た斜視図である。また、図3は、本実施形態に用いられる現像ユニットの蓋部の側面図である。従来例の図11と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図1に示すように、現像ユニット8は、大まかには、ケーシング21、蓋部22及び現像ローラ23から構成されている。
【0026】
図1及び図2に示すように、現像ユニット(現像手段)8は、トナーを収容するケーシング21を備え、ケーシング21の上部には、ケーシング21の長手方向に沿って蓋部22と現像ローラ(現像剤担持体)23とが隣接して配設されている。現像ローラ23のシャフトの一端部(図の前面側)は、ケーシング21の側面部21aから突出し、先端には現像ローラ23に駆動を入力する駆動入力ギア24が設けられている。
【0027】
駆動入力ギア24には、側面部21aに沿って中央部側から駆動伝達ギア25が連係しており、装置本体に設けられた図示しない駆動モータからの駆動が駆動伝達ギア25を介して駆動入力ギア24に伝達される。現像ユニット8上面の現像ローラ23が突設されていない部分には蓋部22が設けられ、蓋部22は、現像ユニット8の上面部22aと、上面部22aの現像ローラ23側端部から垂直に突設された突出壁22bとから形成されている。
【0028】
蓋部22において上記長手方向中央部に対し駆動入力ギア24とは反対側寄りには、後述するトナー供給装置30から供給されるトナーを受け入れるための、トナー受入部26が突設され、先端には、矩形状に開放したトナー受入口26aが形成されている。トナー受入口26aの開口面には、後述するトナー供給装置30のトナー供給口38、トナー供給口38(図5参照)を連結したとき、トナー漏れを防ぐために、例えばフェルトやパッキン等を配設することもできる。
【0029】
また、蓋部22の突出壁22bとは反対側の端面22cにおける、駆動入力ギア24とは反対側の端部には、端面22cに沿って、断面コの字形状で上方に開放する溝状の突出部27が設けられている。図1及び図3に示すように、突出部27の長手方向中央部に対しトナー受入部26寄りの部分は溝幅が狭い幅狭部27aが形成され、突出部27の幅狭部27aに対しトナー受入部26側には、下面から垂直に立設され、溝を塞ぐストッパ27bが設けられている。
【0030】
そして、かかるストッパ27bに仕切られて、突出部27のストッパ27bからトナー受入部26とは反対側端部27cに向かって開放し、断面コの字形状のガイドレール(案内部材)28が形成されている。また、幅狭部27aは、後述する係合突起42(図5参照)が幅狭部27aに挿入されたとき、係合突起42がストッパ27bと当接するような位置に形成されている。
【0031】
蓋部22の突出壁22bにおいて、上記長手方向におけるストッパ27bと略同じ位置には、端面22c側に突出する係止部29が形成されている。係止部29は、端面22c側に先端を有する断面略V字形状となるよう形成され、トナー受入部26側の側面部29aの方が、トナー受入部26とは反対側の側面部29bより突出方向長さが短くなるよう形成されている。これにより、後述するように、トナー供給装置30の装着時、係止部29に後述するシャッター43(図6参照)のフランジ部44bが当接し、シャッター43の開閉動作を可能としている。
【0032】
図4は、本実施形態に用いられるトナー供給装置30を斜め上方から見た斜視図であり、図5は斜め下方から見た斜視図であり、図6は側面図であり、図7は正面図である。なお、説明の便宜上、図4、図5ではシャッター43を開放した状態を示し、図6、図7では支持部材41を外した状態を示す。トナー供給装置(現像剤供給手段)30は、大まかには、支持体31、トナー導入口32、トナー落下部33、トナー搬送路部34、駆動部36及び係合部材39、から構成されている。
【0033】
支持体31は、一面が水平方向に開放する平たい略箱形状からなり、支持体31の上面には、トナーコンテナ(現像剤収容手段)9から搬送されたトナーが供給される、矩形状に開放したトナー導入口32が形成されている。また、トナー導入口32から下方に向かって支持体31の略中央部まで、トナー導入口32から供給されたトナーが落下するトナー落下部33が形成され、トナー落下部33の下端から略円筒形状のトナー搬送路部34が、支持体31から該支持体31の開放方向に向かって垂直に突設されている。
【0034】
また、トナー搬送路部34は、トナー供給装置30が装着されたとき現像ユニット8における現像ローラ23の回転軸方向と略平行になるよう形成されている。トナー搬送路部34の先端部の下側面には、図5に示すように、トナー受入口26aと略同一の大きさの、矩形状に開口したトナー供給口38が設けられている。また、トナー搬送路部34の内部には、図6に示すように、トナー落下部33の下端に落下したトナーをトナー供給口38へ搬送するための搬送スパイラル35が設けられている。
【0035】
搬送スパイラル35の後端には、連結ギア35aが設けられ、連結ギア35aが支持体31のトナー落下部33とは反対側面に設けられた駆動部36に内蔵された駆動モータ37と連結し、駆動モータ37からの駆動を受けて回転する。トナー搬送路部34の先端の下面はトナー供給装置30の装着時、かかる先端がトナー受入部26と接触してもトナー供給装置30の装着を妨げないように、斜めに切り欠かれている。
【0036】
また、トナー搬送路部34の外周面下部における先端から中央付近にかけて、係合部材39が設けられている。係合部材39は、基台39a、衝立(衝立部材)40、支持部41、係合突起42とから構成されている。基台39aは、矩形状の上部が円弧状に刳り貫かれた形状の断面を有し且つトナー搬送路部34に固定される固定部39aaと、固定部39aaにおいて図4の左側側面部の下端から外側に向かって、その下面が固定部39aaの下面と面一になるよう突設された矩形板状の支持片部39abとからなり、固定部39aaがトナー搬送路部34に接触して固定されている。
【0037】
また、固定部39aaのトナー供給口38と対向する位置には、トナー供給口38がトナー受入口26aとトナー供給口38から排出されたトナーをトナー受入口26aに供給できるよう、トナー供給口38と略同一の矩形状のトナー通過口38’が形成されている。支持片部39abの上面には、支持片部39abと固定部39aaとに跨って、トナー搬送路部34と略平行に設けられた略矩形状の板状部材からなる衝立40が略垂直に立設されている。
【0038】
また、支持片部39abの下面において、トナー落下部33側の端部には、断面略L字状の支持部材41が設けられている。支持部材41のL字の短辺部41aの端部は、2本の係止爪41aa(図4参照)によって支持片部39abに固定され、L字の長辺部41bは、基台39aの下方に、基台39aと略平行となるように設けられている。また、基台39aと長辺部41bとの間の空間には、後述するシャッター43(図6参照)を配設することができる。
【0039】
長辺部41bの下面において短辺部41aと衝立40との間には、下方に向かって係合突起42が突設されている。係合突起42は、トナー搬送路部34とは反対側に開放し、長辺部41bから下方に向かってテーパ状に形成された断面コの字状の凹部42aと、凹部42aの先端から該凹部42aの底面が面一となるよう下方に突出した矩形板状の先端部42bとを有している。
【0040】
また、係合突起42は、トナー供給装置30を装着する際、凹部42aがガイドレール28(図1参照)の上端と、先端部42bの先端がガイドレール28の底面とそれぞれ摺動可能に係合するよう形成されている。そして係合突起42が幅狭部27aに到達すると、ストッパ27bと当接し、先端部42bのみがガイドレール28と係合し、この位置に固定される。このとき、トナー供給口38、トナー通過口38’がトナー受入口26aと略同置で対面するよう、トナー供給装置30の所定位置に、係合部材39は形成されている。
【0041】
また、図5〜図7に示すように、基台39aと長辺部41bとの間には、矩形板状のシャッター(開閉部材)43が配設され、図5、図7に示すようにシャッター43においてトナー搬送路部34側の端部には、該端部から上方に、且つトナー搬送路部34に沿ってトナー搬送路部34の先端に向かって突出する細長い板状の突出片44が設けられている。突出部44は、軸部44aと、該軸部44aの先端においてトナー搬送路部34とは反対側面に、先端から斜めに形成されたフランジ部44bが突設されている。
【0042】
また、フランジ部44bは、トナー供給装置30を装着するとき、フランジ部44bが現像ユニット8の突出壁22bと摺動するよう形成されている。このとき、フランジ部44bの先端側の側面が係止部29の側面部29bと当接して干渉すると、所定の位置までシャッター43が開放されるよう、シャッター43の後端部と当接してその移動を制限する係止片45が、基台39aの下面に設けられている。
【0043】
次に、トナー供給装置30を現像ユニット8と連結する動作について図1、図3、図4、図5、図8及び図9を参照して説明する。図8は、現像装置にトナー供給装置が連結された状態を示す上方から見た斜視図であり、図9は、下方から見た斜視図である。
【0044】
まず、図4に示すトナー供給装置30の係合突起42を図1に示す現像ユニット8のガイドレール28の開口溝に端部27cから挿入して係合させ、図5に示すフランジ部44bを突出壁22bに当接させ、トナー供給装置30を押し込むと、係合突起42はガイドレール28に支持されながら摺動する。これにより、トナー供給装置30は所定経路に沿って移動する。そして、シャッター43のフランジ部44bが図3に示す係止部29の側面部29bと係合すると、シャッター43が開放すると共に、現れたトナー供給口38、トナー通過口38’がトナー受入口26aと対面する。
【0045】
係合突起42が幅狭部27aに挿入され、ストッパ27bと当接する位置までトナー供給装置30を押し込むと、トナー供給口38がトナー受入口26aと略同位置で略一致するよう対面し、両者は連結され、図8及び図9に示すように、トナー供給装置30を現像ユニット8に連結することができる。
【0046】
また、かかる装着の際、シャッター43が所定位置まで開放された後、更にトナー供給装置が押し込まれると、突出片44の軸部44aは係止部29から反作用力を受け、内側へ撓みながらトナー供給装置30と共に移動し、フランジ部44bが係止部29を乗り越え、フランジ部44bが係止部29の側面部29aと当接する位置まで挿入される。これにより、フランジ部44bは係止部29と係合する。
【0047】
そして、トナーコンテナ9からトナー導入口32を介してトナー供給装置30にトナーを供給すると、トナーはトナー落下部33を落下し、駆動部36により駆動された搬送スパイラル35によりトナー供給口38に搬送され、トナー供給口38からトナー受入口26aを介して現像ユニット8にトナーを供給することができる。このとき、トナー供給装置30は、現像ユニット8に対し側面部21aとは反対側(現像ローラ23の回転軸方向(長手方向)外側)に配設され、トナー搬送路部34を介してトナー供給口38がトナー受入口26aと対面している。
【0048】
一方、トナー供給装置30を装置本体から離脱させる際には、トナー供給装置30を引き出すことにより、係合突起42がガイドレール28を摺動しながらこれに案内されて移動し、トナー供給装置30が現像ユニット8から離間するまで所定経路に沿って移動しながらトナー供給口38がトナー受入口26aから離脱する。
【0049】
この際、フランジ部44bの係止部29aとの干渉により、シャッター43を閉じることができる。また、所定位置までシャッターが閉じられた後も、トナー供給装置30を引き出すと、軸部44aが内側へ撓み、フランジ部44bが係止部29を乗り越え、トナー供給装置30と共に離脱することができる。
【0050】
このように構成することにより、トナー供給装置30を現像ユニット8に着脱する際の、現像ユニット8に対するトナー供給装置30の位置精度を高めることができる。これにより、トナー供給口38とトナー受入口26aとの位置精度を高めることができ、トナー漏れを防止することができる。
【0051】
また、シャッター43を使用した際には、トナー供給口38とトナー受入口26aとの位置ずれ、及びトナー供給装置30と現像ユニット8との位置ずれ等によって生じるシャッター43の開閉不良を防止することができる。これにより、シャッター43の開放不十分による現像ユニット8へのトナー供給不足や、シャッター43の閉鎖不十分によるトナー供給装置30の離脱時のトナー漏れ等を防止することができる。
【0052】
図10は、本実施形態に係る画像形成装置の一例において、現像ユニット、トナー供給装置、トナーコンテナ及び露光ユニットの配置例を示す概略図である。本実施形態においては、図10においては、現像ユニット8、トナー供給装置30、トナーコンテナ9及び露光ユニット7の配置以外は、従来例と全く同様のため、説明の便宜上、画像形成装置100内に、現像ユニット8、トナー供給装置30、トナーコンテナ9及び露光ユニット7のみを示した。
【0053】
図10においては、露光ユニット7としてLSUを用い、LSU7は、現像ユニット8とトナー供給装置30との間で、且つ現像ユニット8に対し感光体ドラム(像担持体)5とは反対側に、感光体ドラム5に対して水平にレーザ光を照射できるよう、水平に配設されている。かかる配置とすることにより、LSU7から照射されたレーザ光は、トナーコンテナ9の下方且つ現像ユニット8の上方を通過することができる。加えて、LSU7から反射ミラー等を介すことなく、LSU7の長手方向と平行に光を照射し、感光体ドラム5表面に照射することができる。これにより、画質の向上を図ることができる。
【0054】
また、本実施形態では、係合部材39に衝立40(図4参照)を設けたため、LSU7を冷却するために、例えば図10において装置本体右側側面からLSU7に向かって送風装置46により送風したような場合においても、トナー供給口38とトナー受入口26aとの連結部に上記送風によって生じた空気流が侵入することを防止することができる。これにより、トナー供給口38とトナー受入口26aを連結する際、不可避的に微量のトナー漏れが生じた場合であっても、トナーの飛散を防止し、装置本体の汚染を防止することができる。
【0055】
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態においては、ガイドレール28を蓋部22に設けたが、現像ユニット8の他の位置に設けることもできる。また、シャッター43の開閉機構も上記実施形態に限定されるものではなく、その他の開閉機構を用いることもできる。
【0056】
また、ここでは画像形成装置としてプリンタを例に挙げて説明したが、現像ユニット8の上方にトナー供給装置30及びトナーコンテナ9を配設する構成であれば、複写機やファクシミリ等の他の画像形成装置にも本発明が適用できるのはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、像担持体を露光する露光手段と、該露光手段により静電潜像が形成された像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体を有する現像手段と、該現像手段に供給する現像剤を収容する現像剤収容手段と、装置本体に着脱可能であり、装置本体に装着されたとき前記現像手段と連結し、前記現像手段の現像剤受入口に対し前記現像剤収容手段から搬送された現像剤を上方から供給する現像剤供給口を有する現像剤供給手段と、を備えた画像形成装置において、前記現像剤供給手段は、前記現像手段に対し前記現像剤担持体の長手方向外側に装着されると共に、前記現像剤担持体の前記長手方向と略平行になるよう前記現像剤供給手段から突出し、且つ先端に前記現像剤供給口が設けられた現像剤搬送路部を有するものであり、前記現像手段には、前記現像剤供給手段の装着時、前記現像剤搬送路部に設けられた係合部材を摺動可能に支持すると共に所定の位置に案内する、案内部材が設けられたものである。
【0058】
これにより、現像剤供給手段を現像手段における現像剤担持体の長手方向外側に配設し、現像剤搬送路部の先端に設けられた現像剤供給口を現像手段の現像剤受入口に精度良く対面させ、現像剤供給手段と現像手段とを連結することが可能となり、簡便な方法で、現像剤供給手段の装着時において、現像手段に対する装着位置の精度を高めることが可能となる。
【0059】
また、現像剤収容手段の下方且つ現像手段及び現像剤搬送路の上方を通して像担持体に光を照射するよう露光手段を配設することにより、反射ミラー等を介さず、露光手段の長手方向と平行に光を照射し、像担持体を露光することが可能になるため、画質を向上させることができる。
【0060】
また、現像剤供給手段に、装置本体に対する着脱動作に応じて現像剤供給口を開閉する開閉部材を設けることによって、現像剤供給手段の着脱時における現像剤供給口からのトナーの漏れを抑制すると共に、現像剤供給手段の位置ずれに伴う開閉部材の開閉動作不良を防止することができる。
【0061】
また、係合部材を、現像剤供給手段が装着されたとき現像剤供給口に対し現像手段とは反対側から現像剤供給口へ向かう空気流を制限する衝立部材を配設することによって、現像剤供給口と現像剤受入口との連結部への空気流の侵入を制限することができ、かかる連結部で微量の現像剤が不可避的に漏れた場合でも、現像剤の飛散を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】は、本発明の画像形成装置に用いられる現像ユニットを斜め上方から見た斜視図である。
【図2】は、本発明の画像形成装置に用いられる現像ユニットを斜め下方から見た斜視図である。
【図3】は、本実施形態に用いられる現像ユニットの蓋部の側面図である。
【図4】は、本実施形態に用いられるトナー供給装置を斜め上方から見た斜視図である。
【図5】は、本実施形態に用いられるトナー供給装置を斜め下方から見た斜視図である。
【図6】は、本実施形態に用いられるトナー供給装置の側面図である。
【図7】は、本実施形態に用いられるトナー供給装置の正面図である。
【図8】は、本実施形態に用いられる現像装置にトナー供給装置が連結された状態を示す上方から見た斜視図である。
【図9】は、本実施形態に用いられる現像装置にトナー供給装置が連結された状態を示す下方から見た斜視図である。
【図10】は、本実施形態に係る画像形成装置の一例において、現像ユニット、トナー供給装置、トナーコンテナ及び露光ユニットの配置例を示す概略図である。
【図11】は、従来の画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0063】
5 感光体ドラム(像担持体)
7 露光ユニット(露光手段)
7a ポリゴンミラー
7b 反射ミラー
8 現像ユニット(現像手段)
9 トナーコンテナ(現像剤収容手段)
21 ケーシング
22 蓋部
23 現像ローラ(現像剤担持体)
26 トナー受入部
26a トナー受入口
27 突出部
27a 幅狭部
27b ストッパ
28 ガイドレール(案内部材)
29 係止部
29a、b 側面部
30 トナー供給装置(現像剤供給手段)
31 支持体
32 トナー導入口
33 トナー落下部
34 トナー搬送路部
35 搬送スパイラル
36 駆動部
37 駆動モータ
38 トナー供給口(現像剤供給口)
38’ トナー通過口
39 係合部材
39a 基台
39aa 固定部
39ab 支持片部
40 衝立(衝立部材)
41 支持部材
41a 短辺部
41aa 係合爪
41b 長辺部
42 係合突起
42a 凹部
42b 先端部
43 シャッター(規制部材)
44 突出片
44a 軸部
44b フランジ部
45 係止片
46 送風装置
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体を露光する露光手段と、該露光手段により静電潜像が形成された像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体を有する現像手段と、該現像手段に供給する現像剤を収容する現像剤収容手段と、装置本体に着脱可能であり、装置本体に装着されたとき前記現像手段と連結し、前記現像手段の現像剤受入口に対し前記現像剤収容手段から搬送された現像剤を上方から供給する現像剤供給口を有する現像剤供給手段と、を備えた画像形成装置において、
前記現像剤供給手段は、前記現像手段に対し前記現像剤担持体の長手方向外側に装着されると共に、前記現像剤担持体の前記長手方向と略平行になるよう前記現像剤供給手段から突出し、且つ先端に前記現像剤供給口が設けられた現像剤搬送路部を有するものであり、
前記現像手段には、前記現像剤供給手段の装着時、前記現像剤搬送路部に設けられた係合部材を摺動可能に支持すると共に所定の位置に案内する、案内部材が設けられたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記露光手段が、前記現像剤収容手段の下方、且つ前記現像手段及び前記現像剤搬送路部の上方を通して像担持体に光を照射可能に配設されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤供給手段には、装置本体に対する着脱動作に応じて前記現像剤供給口を開閉する開閉部材が設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記係合部材には、前記現像剤供給手段が装着されたとき前記現像剤供給口に対し前記現像手段とは反対側から前記現像剤供給口へ向かう空気流を制限する衝立部材が配設されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−69231(P2009−69231A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234884(P2007−234884)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】